JP2015010658A - 収穫機 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝動機構において良好な伝動状態を長期にわたり維持することが可能となる収穫機を提供する。
【解決手段】ミッションケース16の外部に設けられると共に、ミッションケース16の一端側の側壁16Aをケース外方側からケース内方側に向けて挿通する出力軸29を有し、エンジンからの動力を正逆無段に変速して出力軸29から出力する主変速装置14と、ミッションケース16に内装されると共に、伝達された動力を高低2段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置15とが備えられ、出力軸29は、ミッションケース16内を通過するとともに、他端側の側壁16Bを挿通して軸端部29aがケース外方に露出する状態で、且つ、一端側の側壁16Aと他端側の側壁16Bとの夫々に回動自在に支持される状態で備えられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ミッションケースの外部に設けられると共に、エンジンからの動力を、正逆無段に変速して、前記ミッションケースの一端側の側壁をケース外方側からケース内方側に向けて挿通する出力軸から出力する主変速装置と、前記ミッションケースに内装されると共に、前記出力軸から伝達された動力を作業状態に応じた高低2段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置とが備えられた収穫機に関する。
従来の収穫機においては、主変速装置の出力軸が、ミッションケースの一端側の側壁をケース外方側からケース内方側に向けて挿通して片持ち状に設けられ、その片持ち状の出力軸に出力ギアが一体回転自在に外挿されるとともに、副変速装置の変速用入力軸に備えられた変速入力用の伝動ギアと出力ギアが噛み合い連動して動力が副変速装置に伝達されるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−229787号公報
上記従来構成では、例えば、走行装置における走行負荷が過大になる等、伝動下手側の駆動負荷が過大になると、出力ギアに対する伝動下手側からの駆動反力により、出力ギアと下手側の変速入力用の伝動ギアとの噛み合い部分において、噛み合うギア同士が離れる方向に片持ち状の出力軸が撓み変形して、各ギアが斜め状態で噛み合うことがある。そして、このような駆動状態が継続して発生すると、前記各ギアが早期に破損したり、ギアが偏摩耗して早期に良好な伝動が行えなくなる等、短期間の使用で動力伝達が良好に行えなくなるおそれがあった。
本発明の目的は、伝動機構において良好な伝動状態を長期にわたり維持することが可能となる収穫機を提供する点にある。
本発明に係る収穫機の特徴構成は、ミッションケースの外部に設けられると共に、前記ミッションケースの一端側の側壁をケース外方側からケース内方側に向けて挿通する出力軸を有し、エンジンからの動力を正逆無段に変速して前記出力軸から出力する主変速装置と、
前記ミッションケースに内装されると共に、前記出力軸から伝達された動力を作業状態に応じた高低2段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置とが備えられ、
前記出力軸は、前記ミッションケース内を通過するとともに、他端側の側壁を挿通して軸端部がケース外方に露出する状態で、且つ、前記一端側の側壁と前記他端側の側壁との夫々に回動自在に支持される状態で備えられている点にある。
本発明によれば、主変速装置の出力軸が、ミッションケースの一端側の側壁をケース外方側からケース内方側に向けて挿通する状態で設けられる。そして、その出力軸は、ミッションケース内を通過して他端側の側壁を挿通して軸端部がケース外方に露出する状態で、且つ、一端側の側壁と他端側の側壁との夫々に回動自在に支持される状態で備えられている。
このように出力軸が、ミッションケースにおける一端側の側壁と他端側の側壁との夫々に回動自在に支持される構成となっているから、出力ギアに対する伝動下手側からの駆動反力により出力軸が撓み変形するおそれが少なくなり、良好なギア噛み合い状態を維持することが可能となる。その結果、良好な伝動状態を維持し易いものとなった。
又、出力軸が、他端側の側壁を挿通して他端側の軸端部がケース外方に露出しているので、ミッションケースの外方側からこの出力軸が回転しているか否かを目視で確認することが可能である。そうすると、例えば、変速操作具にて主変速装置を中立位置に操作するときの操作状態を調整するような場合に、主変速装置が中立状態、すなわち出力軸が回転停止状態になっているか否かを目視で確認しながら、調整作業を精度よく行うことができる。
従って、良好なギア噛み合い状態を維持することが可能であるとともに、適正な中立状態を現出可能であり、伝動機構において良好な伝動状態を長期にわたり維持することが可能となる収穫機を提供できるに至った。
本発明においては、前記副変速装置における入力側の変速用入力軸に、前記出力軸に備えられた出力ギアと噛み合い連動する入力ギアが備えられていると好適である。
本構成によれば、出力軸に備えられた出力ギアと副変速装置の変速用入力軸に備えられた入力ギアとが噛み合い連動して、主変速装置の出力が副変速装置に伝達される。伝動下手側からの駆動反力により、出力ギアと入力ギアとの噛み合い箇所において、各ギアが離れる方向に力が作用しても、出力軸が撓み変形するおそれが少ないので、各ギアが斜め状態で噛み合う等の不利のない良好な伝動状態を維持し易いものとなった。
本発明においては、前記変速用入力軸において、前記入力ギアに近い側に高速伝動用駆動ギアが備えられ、前記入力ギアから遠い側に低速伝動用駆動ギアが備えられていると好適である。
本構成によれば、副変速装置が高速状態に切り換えられているときは、高速伝動用駆動ギアを介して動力が伝達され、副変速装置が低速状態に切り換えられているときは、低速伝動用駆動ギアを介して動力が伝達される。
ところで、副変速装置が高速状態であるときは、高速で刈取作業を行う等、駆動負荷が大きい状態であり、副変速装置が低速状態であるときは、低速で刈取作業を行う等、駆動負荷が小さい状態であると考えられる。つまり、変速用入力軸において、高速伝動用駆動ギアが備えられた箇所には比較的大きな駆動反力が作用し、低速伝動用駆動ギアが備えられた箇所には比較的小さな駆動反力が作用すると考えられる。
そして、入力ギアに近い側に高速伝動用駆動ギアが備えられるので、高速状態であるときには、極力、変速用入力軸の捻り変形が少ない状態で動力伝達することができる。尚、低速状態であるときには、低速伝動用駆動ギアは入力ギアから遠い側に備えられていても、変速用入力軸の捻り変形は少ない。
従って、極力、変速用入力軸の捻り変形が少ない状態で、良好な伝動状態を維持し易いものとなった。
本発明においては、前記低速伝動用駆動ギアが、前記変速用入力軸を前記他端側の側壁において回動自在に支持する軸支部材との間で軸芯方向に間隔をあけて備えられていると好適である。
本構成によれば、低速伝動用駆動ギアと軸支部材との間に軸芯方向に間隔があいているので、それらの間の空間を利用して、低速伝動用駆動ギア及び軸支部材の夫々に対して、潤滑油を適正に供給することができる。
その結果、低速伝動用駆動ギア及び軸支部材の夫々が、適正に潤滑油が供給されることにより円滑な作動を継続して行うことができ、良好な伝動状態を維持し易いものとなった。
本発明においては、前記高速伝動用駆動ギアが、前記入力ギアとの間で軸芯方向に間隔をあけて備えられていると好適である。
本構成によれば、高速伝動用駆動ギアと入力ギアとの間に軸芯方向に間隔があいているので、それらの間の空間を利用して、高速伝動用駆動ギア及び入力ギアの夫々に対して、潤滑油を適正に供給することができる。
その結果、高速伝動用駆動ギア及び入力ギアの夫々が、適正に潤滑油が供給されることにより円滑な作動を継続して行うことができ、良好な伝動状態を維持し易いものとなった。
本発明においては、前記副変速装置における出力側の変速用出力軸に、前記高速伝動用駆動ギアが噛み合い連動する高速伝動用従動ギアと、前記低速伝動用駆動ギアが噛み合い連動する低速伝動用従動ギアと、前記副変速装置の伝動下手側に位置する下手側伝動ギアと噛み合い連動する駆動用ギアとが夫々備えられていると好適である。
本構成によれば、副変速装置における変速用入力軸の動力は、高速伝動用駆動ギア及び高速伝動用従動ギアを介して、又は、低速伝動用駆動ギア及び低速伝動用従動ギアを介して、変速用出力軸に伝達される。そして、変速用出力軸の動力は、高速伝動用従動ギア及び低速伝動用従動ギアとは別に備えられた駆動ギア及びそれと噛み合う下手側伝動ギアを介して、副変速装置の伝動下手側に伝達される。
ところで、このような構成に代えて、例えば、変速用入力軸側からの動力が伝達されるギアを利用して、副変速装置の伝動下手側へ動力を伝達させる構成、すなわち、従動用ギアと駆動用ギアとを共用する構成とすることも考えられる。しかし、このような構成では、ギアに対して、変速用入力軸側からの駆動力と、伝動下手側からの駆動反力とが夫々、加わることになり、走行装置の負荷が通常の状態であっても、ギアに大きな負荷が掛かり、耐久性が低下するおそれがある。
これに対して、本構成によれば、高速伝動用従動ギア及び低速伝動用従動ギアには、変速用入力軸側からの動力が伝達されるだけであり、駆動ギアは伝動下手側へ動力を伝達させる駆動専用のギアであるから、従動用ギアと駆動用ギアとを共用することに起因した大きな負荷が掛かることを回避できて、耐久性の低下を防止できる。
本発明においては、前記駆動用ギアが、前記高速伝動用従動ギアと前記低速伝動用従動ギアとの間に位置する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、変速用出力軸における高速伝動用従動ギアと低速伝動用従動ギアとの間に駆動用ギアが備えられる。
ギア式の副変速装置においては、高速伝動用従動ギアに動力が伝達される状態と、低速伝動用従動ギアに動力が伝達される状態とに切り換えるための切換用の操作機構が備えられるが、この切換用の操作機構は、高速伝動用従動ギアと低速伝動用従動ギアとの間に対応する箇所に備えられることになる。
従って、上述したような切換用の操作機構を備えるために、軸芯方向に離間した状態で備えられる高速伝動用従動ギアと低速伝動用従動ギアとの間の空間を利用して、コンパクトに駆動用ギアを配備することができる。
本発明においては、前記駆動用ギアが、前記高速伝動用従動ギアに近い位置に備えられていると好適である。
本構成によれば、駆動用ギアが高速伝動用従動ギアに近い位置に備えられるので、駆動負荷が大きめである高速状態であるときには、高速伝動用従動ギアに伝達された動力が高速伝動用従動ギアに近い箇所に位置する駆動用ギアを介して、極力、変速用出力軸の捻り変形が少ない状態で伝動下手側に動力伝達することができる。尚、低速状態であるときは駆動負荷が小さい場合が多く、駆動用ギアが低速伝動用従動ギアから遠い位置に備えられていても、変速用出力軸の捻り変形は少ない。
本発明においては、前記副変速装置は、
入力側の変速用入力軸と、出力側の変速用出力軸と、前記変速用入力軸に相対回転可能に備えられた高速伝動用駆動ギ及び低速伝動用駆動ギアと、前記変速用出力軸に固定状態で備えられた高速伝動用従動ギア及び低速伝動用従動ギアとを備え、
前記高速伝動用駆動ギアと前記低速伝動用駆動ギアとを、前記高速伝動用従動ギアと前記低速伝動用従動ギアとに夫々常時噛み合う状態で、軸芯方向にスライド不能に備えて構成されるとともに、
前記高速伝動用駆動ギアと前記低速伝動用駆動ギアとの間に、前記変速用入力軸にスプライン外嵌されて、前記変速用入力軸に相対回転自在に備えられた前記高速伝動用駆動ギアのスプライン部に噛み合い連動する高速伝動用操作位置と、前記変速用入力軸に相対回転自在に備えられた前記低速伝動用駆動ギアのスプライン部に噛み合い連動する低速伝動用操作位置とにスライド自在なシフターを備えて構成されていると好適である。
本構成によれば、シフターを高速伝動用操作位置にスライドさせると、シフターは高速伝動用駆動ギアのスプライン部に噛み合い連動するので、高速伝動用駆動ギアが一体的に回転する。そして、高速伝動用駆動ギアと高速伝動用従動ギアとが噛み合い連動することにより変速された高速の動力は、変速出力軸を介して走行装置に伝達される。
一方、シフターを低速伝動用操作位置にスライドさせると、シフターは低速伝動用駆動ギアのスプライン部に噛み合い連動するので、低速伝動用駆動ギアが一体的に回転する。そして、低速伝動用駆動ギアと低速伝動用従動ギアとが噛み合い連動することにより変速された低速の動力は、変速出力軸を介して走行装置に伝達される。
従って、シフターをスライド操作することにより、副変速装置を高速状態と低速状態とに切り換えることができる。
本発明においては、前記変速用出力軸における前記高速伝動用従動ギアと前記低速伝動用従動ギアとの間に、前記副変速装置の伝動下手側に位置する下手側伝動ギアと噛み合い連動する駆動用ギアが備えられ、
前記シフターをスライド操作するシフトフォークが、前記シフターと前記駆動用ギアとの間の空間を通過する状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、変速用入力軸における高速伝動用駆動ギアと低速伝動用駆動ギアとの間にシフターが備えられ、変速用出力軸における高速伝動用従動ギアと低速伝動用従動ギアとの間に駆動用ギアが備えられる。そして、シフターをスライド操作するシフトフォークが、シフターと駆動用ギアとの間の空間を通過する状態で備えられる。
このように高速伝動用従動ギアと低速伝動用従動ギアとの間の空間を有効に利用して、コンパクトに駆動用ギアを配備するようにしながら、シフターと駆動用ギアとの間の空間を有効に利用して、他の伝動軸との干渉のおそれの少ない状態で良好にシフトフォークを配備することができる。
本発明においては、前記シフトフォークが、前記シフターの外周に設けられた係合用周溝における半周分以上の領域に係合するように構成されていると好適である。
本構成によれば、シフターの外周に設けられた係合用周溝における半周分以上の領域に係合する状態で、シフトフォークにてシフターをスライド操作するようにしている。その結果、シフトフォークによりシフターをスライド操作させるときに、シフターに対してシフターの半周分以上の広い領域にシフトフォークの操作力が作用し、シフターに対してシフトフォークの操作力が局所的に作用するのと比較して、変速用入力軸に対してシフターが傾きにくく、拗れをおこすおそれのない状態で、円滑にスライド移動する。
本発明においては、前記シフトフォークが、前記シフターの外周に設けられた係合用周溝における直径上に位置する2箇所に係合するように構成されていると好適である。
本構成によれば、シフターの外周に設けられた係合用周溝における直径上に位置する2箇所に係合する状態で、シフトフォークにてシフターをスライド操作するようにしている。その結果、シフトフォークによりシフターをスライド操作させるときに、シフターに、スライド移動方向に対して傾斜させる操作力が作用しにくく、拗れを起こす等のおそれのない状態で円滑にシフターをスライド操作させることができる。
本発明においては、前記出力軸が、軸芯方向に沿って分割され且つ一体回転自在に連動連係された一対の分割伝動軸を備えて構成されていると好適である。
本構成によれば、出力軸が軸芯方向に沿って分割された一対の分割伝動軸にて構成されるので、例えば、主変速装置から片持ち状に延設された出力用回転軸を一方の分割伝動軸として利用して、その一方の分割伝動軸の軸芯方向に沿って連なる状態で、且つ、一体回転自在に連動連係される状態で他方の分割伝動軸を備えることにより、出力軸を構成することができる。つまり、従来より既存の片持ち状の出力用回転軸の構成を有効に利用することで、主変速装置の構造を大幅に改良する必要がない。
本発明においては、前記出力軸から前記副変速装置に動力を伝達する出力ギアが、前記一対の分割伝動軸の夫々に対して一体回転自在に外嵌装着され、前記一対の分割伝動軸が前記出力ギアにより連動連係されていると好適である。
本構成によれば、副変速装置に動力を伝達するための出力ギアを有効に利用して、一対の分割伝動軸の夫々を一体回転自在に連動連係させるので、一対の伝動軸を連動連係させるための専用の連結部材を用いて構造を複雑にする等の不利のない状態で、一対の分割伝動軸により出力軸を構成することができる。
本発明においては、前記主変速装置の周囲を覆う主変速ケースと前記ミッションケースとがフランジ連結される状態で接続され、
前記主変速ケースの接続面と前記ミッションケースの接続面のうち前記出力軸が挿通する箇所の夫々に、前記出力軸の軸芯を中心とする同心円状の嵌合溝が形成され、
前記主変速ケースの前記嵌合溝と前記ミッションケースの前記嵌合溝との夫々に嵌り合う状態で、軸芯合わせ用のカラー部材が備えられていると好適である。
本構成によれば、主変速装置の周囲を覆う主変速ケースとミッションケースとがフランジ連結され、ミッションケースにおける主変速ケースが接続される側の側壁をケース外方側すなわち、主変速ケースの内部からケース内方側に向けて挿通する状態で出力軸が備えられる。
そして、主変速ケースの接続面とミッションケースの接続面のうち出力軸が挿通する箇所の夫々に、出力軸の軸芯を中心とする同心円状の嵌合溝が形成されており、主変速ケースの嵌合溝とミッションケースの嵌合溝との夫々に嵌り合う状態で、軸芯合わせ用のカラー部材が備えられる。
すなわち、主変速ケースの嵌合溝とミッションケースの嵌合溝との夫々に嵌り合う状態で同一のカラー部材が装着されるので、主変速ケースの嵌合溝の中心とミッションケースの嵌合溝の中心とが合致する状態で、主変速ケースとミッションケースとがフランジ連結される。
その結果、主変速ケースの内部からミッションケース内方側に向けて挿通する状態で備えられる出力軸を、嵌合溝の軸芯合わせが行われた主変速ケースとミッションケースとによって軸芯位置のずれの少ない良好な状態で回転自在に支持することができる。
本発明においては、前記副変速装置にて変速された動力を左右の走行装置に各別に伝達する左右一対の車軸が、前記ミッションケースから固定延設された左右両側の車軸ケース内を挿通する状態で備えられ、
前記左右一対の車軸が夫々、機体横幅方向内方側の端部に小径の動力伝達部を備え、機体横幅方向外方側に大径の横向き延設部を備えて構成され、且つ、
前記小径の動力伝達部と前記大径の横向き延設部との間の連設箇所が、前記小径の動力伝達部から機体横幅方向外方側に向かうほど大径となるようなテーパ状に形成されていると好適である。
本構成によれば、左右一対の車軸は、ミッションケースの内部において、動力伝達部に対して変速後の動力が伝達され、その動力を車軸ケース内を挿通する横向き延設部を介して走行装置に伝達する。左右の走行装置の左右間隔を大きめに設定する収穫機では、車軸ケース内を挿通する横向き延設部を大径に形成することで支持強度を大にする必要がある。
そして、小径の動力伝達部と大径の横向き延設部との間の連設箇所が、小径の動力伝達部から機体横幅方向外方側に向かうほど大径となるようなテーパ状に形成されているから、車軸ケースの機体横幅方向内方側の端部において、車軸ケースの内面とテーパ状の連設箇所との間には、機体横幅方向内方側が広く、機体横幅方向外方側ほど狭くなるような隙間が形成される。
その結果、ミッションケース側から供給される潤滑油が、上記隙間における広幅の内方側端部から順次、機体横幅方向外方側に向けて導入されることになり、潤滑油の供給を良好に行うことができる。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの全体平面図である。 伝動構造を示す図である。 ミッションケースの縦断正面図である。 ミッションケースの一部縦断正面図である。 ミッションケースの一部縦断側面図である。
以下、本発明の実施形態を収穫機としての普通型のコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、コンバインには、左右一対のクローラ式の走行装置2を備えた自走式の走行機体1と、走行機体1の前部に上下揺動可能に支持された刈取部3と、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置4と、脱穀処理された穀粒を貯留するグレンタンク5と、グレンタンク5の後下部に接続され、グレンタンク5に貯留する穀粒を外部に排出するアンローダ6等を備えて構成されている。
刈取部3は、植立穀稈を機体側へ掻き込むリール7と、植立穀稈の株元を切断して植立穀稈を刈り取る刈取装置8と、刈取穀稈を横送り搬送して集めて後方に送り込むオーガ9と、オーガ9から送り込まれた刈取穀稈を機体後方上方の脱穀装置4の入口に向けて搬送するフィーダ10とを備えている。刈取穀稈は、脱穀装置4によって脱穀選別され、脱穀された穀粒はグレンタンク5に搬送されて貯留される。貯留された穀粒は、アンローダ6によって外部に排出することができる。
図2に示すように、運転部11が、走行機体1の前部のうち横一側(右側)に配置されている。脱穀装置4は、走行機体1の後部において運転部11とは反対側に配置され、グレンタンク5は、運転部11と同じ側に配置されて、脱穀装置4とグレンタンク5とは左右に並んでいる。脱穀装置4は、前後方向において、その前端部分が運転部11の後部と重複している。
尚、この実施形態では、機体横幅方向の向き(右側又は左側)を定義するときは、機体進行方向視において対応する向きとして定義する。従って、図面上における向き(右側又は左側)とは異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、運転部11の下部にエンジン12が備えられ、エンジン12の前方にトランスミッション13が備えられている。図3に示すように、トランスミッション13は、静油圧式無段変速装置(HST)からなる主変速装置14と、副変速装置15や他の減速装置が内装されたミッションケース16とが連結されて構成されている。
エンジン12からの動力は、主変速装置14によって正逆無段に変速され、さらに、ミッションケース16に内装された副変速装置15により変速されたのち、副変速装置15の伝動下手側に設けられた操向伝動機構19、中間ギア機構20、及び、左右一対の車軸21を介して左右の走行装置2に伝達される。
又、エンジン12の動力が、運転部11に備えられた脱穀クラッチレバー22にて断続操作自在な脱穀クラッチ23を介して脱穀装置4に伝達するように構成され、さらに、脱穀装置4に伝達された動力が、運転部11に備えられた刈取クラッチレバー24にて断続操作自在な刈取クラッチ25を介して刈取部3に伝達するように構成されている。
〔主変速装置〕
図4に示すように、主変速装置14は、全体が主変速ケース26にて覆われており、ミッションケース16における右側(図面では左側)上部側の外部に設けられ、この主変速ケース26とミッションケース16とがフランジ連結されている。つまり、主変速ケース26とミッションケース16とが、縦向き姿勢の接続面同士を当て付ける状態で複数箇所をボルト27で連結して接続されている。
主変速装置14は、入力軸28にエンジン12の動力が伝達される。そして、ミッションケース16の一端側の側壁としての右側の側壁16Aをケース外方側からケース内方側に向けて挿通する出力軸29を有し、エンジン12からの動力を正逆無段に変速して出力軸29から出力するように構成されている。
説明を加えると、図4及ぶ図5に示すように、主変速ケース26とミッションケース16とが互いにフランジ連結される箇所、つまり、主変速ケース26の一端側としての左側の側壁26A、及び、ミッションケース16の右側の側壁16Aの夫々に、挿通孔30,31が形成され、主変速装置14の出力軸29は、主変速ケース26とミッションケース16の夫々に形成された挿通孔30,31を通して、主変速ケース26の内部からミッションケース16の内部に向けて延設されている。
そして、主変速ケース26とミッションケース16の夫々に形成された挿通孔30,31における両ケース26,16の接続箇所に同心円状の嵌合溝M1,M2が形成されており、主変速ケース26の嵌合溝M1とミッションケース16の嵌合溝M2との夫々に嵌り合う状態で、軸芯合わせ用のカラー部材80が備えられている。このカラー部材80により、両ケースの挿通孔30,31の軸芯合わせが行われ、出力軸29を精度よく支持することができる。
このように、出力軸29は、ミッションケース16の右側の側壁16Aに形成された挿通孔30に備えられたベアリング32により回動自在に右側の側壁16Aに支持されており、さらに、ミッションケース16内を通過して他端側としての左側の側壁16Bに至るまで延設されている。
出力軸29は、さらに、左側の側壁16Bに形成された挿通孔31に備えられた軸支部材としてのベアリング33にて回動自在に支持されるとともに、軸端部29aがケース外方に露出する状態で備えられている。従って、出力軸29は、右側の側壁16Aと左側の側壁16Bとの夫々にベアリング32,33を介して回動自在に支持されている。
そして、出力軸29は、軸芯方向に沿って分割され且つ一体回転自在に連動連係された一対の分割伝動軸29A,29Bを備えて構成され、出力軸29から副変速装置15に動力を伝達する出力ギア34が、一対の分割伝動軸29A,29Bの夫々に対して一体回転自在に外嵌装着され、一対の分割伝動軸29A,29Bが出力ギア34により連動連係されている。
すなわち、出力軸29は、主変速装置14の内部から延設された第一分割伝動軸29Aと、その第一分割伝動軸29Aの軸端に突き合わせた状態で同一軸芯上に位置して延びる第二分割伝動軸29Bとを備えて構成されている。そして、第一分割伝動軸29A及び第二分割伝動軸29Bの夫々の外周部にスプライン部35,36が形成され、第一分割伝動軸29A及び第二分割伝動軸29B夫々のスプライン部35,36にわたって噛み合い状態で外嵌する出力ギア34が備えられている。
又、第二分割伝動軸29Bは、第一分割伝動軸側29Aの一端部が出力ギア34に噛み合い、他端部がミッションケース16の左側の側壁16Bに形成された挿通孔31を挿通してその軸端部29aがミッションケース16の外方(外部)に露出する状態で、軸支部材としてのベアリング33を介して左側の側壁16Bに回転自在に支持されている。
このように出力軸29の軸端部29aがミッションケース16の外部に露出しているので、主変速レバー37を中立位置に操作したときに、主変速装置14が中立状態(出力軸29が回転停止状態)になるように、主変速レバー37との間での機械的な連係機構を調整するような場合に、中立状態であるか否かを目視で確認しながら調整作業を行うことが可能であり、適正な調整作業を行うことができる。
図5に示すように、出力ギア34は、出力軸29における主変速装置14側の端部に位置する状態で備えられ、出力軸29における主変速装置14とは反対側の箇所には、出力ギア34を主変速装置14側の端部に位置する状態で位置保持するためのカラー38が外挿されている。
従って、主変速装置14の出力軸29は、ミッションケース16内を通過して左側の側壁16Bを挿通して、軸端部29aがケース外方に露出する状態で、且つ、ベアリング32,33を介して右側の側壁16Aと左側の側壁16Bとの夫々に回動自在に支持される構成となっている。
〔副変速装置〕
副変速装置15は、出力軸29から伝達された動力を作業状態に応じた高低2段に変速して走行装置2に伝達するギア式の変速装置であり、この副変速装置15には、入力側の変速用入力軸39と出力側の変速用出力軸40とが備えられている。
図4及び図5に示すように、変速用入力軸39は、車体横幅方向(図5の図面左右方向)に沿う状態で回転自在にミッションケース16に支持されている。そして、この変速用入力軸39に、一体回転する状態で且つスライド移動不能な状態で、出力軸29に備えられた出力ギア34と噛み合い連動する入力ギア41が備えられている。又、変速用入力軸39には、相対回転自在で且つスライド移動不能な状態で、低速伝動用駆動ギア(以下、低速駆動ギアという)42、及び、高速伝動用駆動ギア(高速駆動ギアという)43の夫々が備えられている。
変速用出力軸40は、変速用入力軸39と並行な姿勢で車体横幅方向に沿う状態で回転自在にミッションケース16に支持されている。そして、この変速用出力軸40に、一体回転する状態で且つスライド移動不能な状態で、低速伝動用従動ギア(以下、低速従動ギアという)44、高速伝動用従動ギア(以下、高速従動ギアという)45、駆動用ギア46の夫々が備えられている。
低速駆動ギア42と低速従動ギア44とは、常時噛み合うように車体横幅方向の位置が設定され、高速駆動ギア43と高速従動ギア45とは、常時噛み合うように車体横幅方向の位置が設定されている。
変速用入力軸39における低速駆動ギア42と高速駆動ギア43との間に、一体回転自在かつスライド移動可能な状態でシフター47がスプライン嵌合されている。このシフター47は、左右方向に移動して、低速駆動ギア42に形成されたスプライン部48と噛み合う低速位置P1、高速駆動ギア43に形成されたスプライン部49と噛み合う高速位置P3、低速駆動ギア42及び高速駆動ギア43の何れとも噛み合わない中立位置P2に切換自在である。
シフター47をスライド操作するシフトフォーク50が、変速用入力軸39と並行な姿勢で左右方向に沿う状態でスライド移動自在に支持されており、このシフトフォーク50が、上記3位置(低速位置P1、高速位置P3、中立位置P2)に切り換え自在に、且つ、各位置で位置保持自在に構成されている。
すなわち、図5及び図6に示すように、軸部材の外周部に形成された3つの周溝53と、シフトフォーク50のボール保持部50bに保持されて周溝53に入り込み係合自在なボール54と、ボール54を周溝53に入り込む方向に押圧付勢するバネ55とが備えられている。
又、図5に示すように、運転部11に備えられた副変速レバー56の操作に伴って、例えば、リンク機構等からなる連動操作機構57を介して揺動アーム58が操作されると、その揺動アーム58と一体に揺動する操作アーム59に備えられた係止具60がシフトフォーク50に形成された係合溝61に係合する状態で備えられ、揺動アーム58が揺動するのに伴ってシフトフォーク50が軸部材51の軸芯方向に沿ってスライド移動するように構成されている。
シフトフォーク50は、ボール54がいずれかの周溝53に入り込み係合することにより位置保持される。シフトフォーク50が副変速レバー56の操作に伴ってスライド移動すると、ボール54がスライド移動に追従して周溝53と周溝53との間の山を乗り越えて別の周溝53に位置することにより、シフトフォーク50を所望の位置に変更したのちにその位置で保持することができる。
図6に示すように、シフトフォーク50は、シフター47の係合用周溝62における直径上に位置する2箇所に係合するように構成されている。又、変速用入力軸39に備えられるシフター47と、変速用出力軸40に備えられる駆動用ギア46との間の空間を通過する状態で備えられている。
そして、このシフトフォーク50は、スライド支持部50aから一体的に延設される状態で機体側面視略C形の係合作用部50cが形成されている。この係合作用部50cは、シフター47の外周部に形成された係合用周溝62に入り込み係合して、スライド操作に伴ってシフター47を軸芯方向にスライドさせる。
係合作用部50cは、一対の先端部がシフター47の係合用周溝62における直径上に位置する2箇所に係合して、この2箇所を軸芯方向に押し操作することにより、シフター47をスライドさせるように構成されている。このように係合用周溝62における直径上に位置する2箇所を押し操作することにより、拗れの生じるおそれの少ない状態で円滑にシフター47をスライド操作させることができる。
図5に示すように、変速用入力軸39において、入力ギア41に近い側に高速駆動ギア43が備えられ、入力ギア41から遠い側に低速駆動ギア42が備えられている。又、高速駆動ギア43は、入力ギア41との間で軸芯方向に間隔をあけた状態で備えられている。すなわち、高速駆動ギア43と入力ギア41との間には、両者の間隔が設定値に維持されるように、間隔を維持するためのカラー81が備えられている。
又、低速駆動ギア42は、変速用入力軸39をミッションケース16の左側の側壁16Bに回転自在に支持するためのベアリング33との間で軸芯方向に間隔をあけて備えられている。すなわち、低速駆動ギア42とベアリング33との間には、両者の間隔が設定値に維持されるように、間隔を維持するためのカラー82が備えられている。
以上の構成によって、副変速装置15は、シフター47の移動によって、主変速装置14で変速されて変速用入力軸39に入力された動力を、シフター47を介して、動力を高低二段に切り換え可能である。なお、シフター47が中立位置P2にあれば動力の伝達が絶たれた中立状態となる。副変速装置15を高速変速状態に操作すれば、高速での刈取作業が可能であり、低速変速状態に操作すれば、低速での刈取作業が可能である。即ち、副変速装置15を変速操作することによって、走行速度を作業状態に応じた速度に変速することができる。
又、刈取作業を行わないで畦道や路上を走行する場合には、作業用速度よりも高速で走行することができるように構成されている。つまり、刈取作業を行うために、刈取クラッチレバー24がクラッチ入り位置に操作されると、主変速装置14を変速操作する主変速レバー37が、設定値以上の高速域に操作されることを牽制し、刈取クラッチレバー24がクラッチ切り位置に操作されると、牽制を解除して主変速レバー37が設定値以上の高速域にまで操作することを許容する牽制手段(図示せず)が備えられている。
つまり、刈取作業中においては、牽制手段による牽制作動により、主変速レバー37は設定値以上の高速域に操作されず、設定値よりも低速の操作領域で変速操作可能である。その状態で、副変速レバー56を操作して、副変速装置15を高速変速状態に操作すれば、高速側での刈取作業が可能であり、低速変速状態に操作すれば、低速側での刈取作業が可能である。路上走行時においては、主変速レバー37が、設定値以上の高速域にも操作可能であり、作業速度よりも高速で移動走行することができる。
〔操向伝動機構〕
操向伝動機構19について説明する。
図3及び図4に示すように、操向伝動機構19は、変速用出力軸40と平行な姿勢でミッションケース16に支持されたサイドクラッチ軸63と、サイドクラッチ軸63の中央付近に一体回転するように固定されたセンターギア64と、センターギア64の左右両側において相対回転自在かつスライド移動自在にサイドクラッチ軸63に外挿された左右のクラッチスリーブ65と、クラッチスリーブ65の移動によって押圧されて制動力を作用させる摩擦ディスク66と、左右のクラッチスリーブ65を各別または同時に摩擦ディスク66の側に移動させるシフター67とを備えて構成されている。センターギア64は、副変速装置15における駆動用ギア46が噛み合い連動して変速後の動力が伝達される。従って、センターギア64が下手側伝動ギアに相当する。
クラッチスリーブ65の内端側(ミッションケース16の左右中央側)とセンターギア64の両側部に噛み合い部68を形成し、両側の噛み合い部68によって、いわゆるドッグクラッチが構成されている。また、左右のクラッチスリーブ65には、中間ギア機構20の後述する中間ギア72と常時噛み合うサイドギア70が備えられている。センターギア64の噛み合い部68に、クラッチスリーブ65の噛み合い部68が噛み合うことによって、「クラッチ入り状態(伝動状態)」となって、クラッチスリーブ65がセンターギア64と一体的に回転し、主変速装置14及び副変速装置15によって変速された動力が、中間ギア機構20を介して走行装置2に伝達される。
これとは逆に、クラッチスリーブ65がセンターギア64から離間する方向にスライド移動し、センターギア64とクラッチスリーブ65との噛み合いが解除されることによって、「クラッチ切り状態(遮断状態)」となり、走行装置2への動力の伝達が切断される。さらに、クラッチスリーブ65が摩擦ディスク66を押圧すると、クラッチスリーブ65に制動力が付与され、走行装置2にブレーキがかかる。
従って、左右いずれかのクラッチスリーブ65がスライド移動することにより、車体を旋回させることができ、左右のクラッチスリーブ65を同時にスライド移動させると、走行を停止させることができる。
〔中間ギア機構〕
図3及び図4に示すように、中間ギア機構20は、サイドクラッチ軸63と平行な姿勢でミッションケース16に支持された中間軸71と、中間軸71に相対回転自在かつスライド移動不能に外挿された左右の中間ギア72とを備えている。左右の中間ギア72は、左右のサイドギア70と各別に常時噛み合いする大径ギア部72Aと、車軸21に備えられたファイナルギア76と噛み合う小径ギア部72Bとを備えて構成されている。操向伝動機構19から伝達された動力は、左右の中間ギア72を介して、左右の走行装置2に伝達される。
〔車軸について〕
図3及び図4に示すように、主変速装置14及び副変速装置15にて変速された動力を左右の走行装置2に伝達する左右一対の車軸21が、ミッションケース16から固定延設された左右両側の車軸ケース73内を挿通する状態で備えられている。
そして、図4に示すように、左右一対の車軸21は、夫々、機体横幅方向内方側の端部に小径の動力伝達部21Aを備え、機体横幅方向外方側に大径の横向き延設部21Bを備えて構成され、且つ、動力伝達部21Aと横向き延設部21Bとの間の連設箇所21Cが、動力伝達部21Aから機体横幅方向外方側に向かうほど大径となるようなテーパ状に形成されている。
動力伝達部21Aの外周部にスプライン部74が形成され、このスプライン部74には中間ギア72と一体回転する小径ギア75と噛み合うファイナルギア76が外嵌装着されている。又、横向き延設部21Bは、支持強度を高めるために大径に設けられており、車軸ケース73の内周面との間の隙間が狭くなっている。
そして、動力伝達部21Aと横向き延設部21Bとの間の連設箇所21Cがテーパ状に形成されているから、ミッションケース16内部に貯留されている循環油が、車軸21を支持するベアリング77を介して、動力伝達部21Aと車軸ケース73との間の広い空間からテーパ状の隙間を通して、横向き延設部21Bと車軸ケース73の内周面との間の隙間に流動させやすいものとなっている。
〔別実施形態〕
(1)主変速装置14の出力軸29が、軸芯方向の全長にわたって一体形成される構成としてもよい。
(2)変速用入力軸39に備えられる、入力ギア41、高速駆動ギア43、低速駆動ギア42の配置構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、入力ギア41に近い側に低速駆動ギア42が備えられ、入力ギア41から遠い側に高速駆動ギア43が備えられる構成としてもよい。又、それに合わせて、変速用出力軸40に備えられる、高速従動ギア45、低速従動ギア44、駆動用ギア46の配置構成についても同様に、適宜変更して実施してもよい。
(3)副変速装置15として、シフター47を備えずに、変速用入力軸39に、一体回転可能に且つ軸芯方向に一体的にスライド自在に高速駆動ギア43及び低速駆動ギア42を備え、これらのギアをスライドさせて変速を行う構成としてもよい。この場合には、変速用出力軸40に、一体回転可能に且つ軸芯方向にスライド不能に、高速従動ギア45と低速従動ギア44とが備えられることになる。
(4)副変速装置15として、シフター47を備えずに、変速用出力軸40に、一体回転可能に且つ軸芯方向にスライド自在に高速従動ギア45及び低速従動ギア44を備え、これらのギアをスライドさせて変速を行う構成としてもよい。この場合には、変速用入力軸39に、一体回転可能に且つ軸芯方向にスライド不能に、高速駆動ギア43と低速駆動ギアとが備えられることになる。
(5)上記実施形態では、主変速ケース26の接続面とミッションケース16の接続面のうち出力軸29が挿通する箇所に、軸芯合わせ用のカラー部材80を備える構成としたが、このようなカラー部材80を備えない構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、車軸21における小径の動力伝達部21Aと大径の横向き延設部21Bとの間の連設箇所21Cがテーパ状に形成されるものを示したが、このような構成に代えて階段状の段差部を形成する構成としてもよい。
(7)上記実施形態においては、主変速装置14として静油圧式無段変速装置を用いたが、本発明は、これに限られるものではない。主変速装置14は、油圧機械式無段変速機(HMT)やその他のCVTであっても良い。
(8)上記実施形態では、収穫機として、普通形のコンバインを示したが、自脱型のコンバインでもよく、トウモロコシ収穫機等、他の種類の収穫機でもよい。
本発明は、コンバインやトウモロコシ収穫機等の収穫機に適用できる。
2 走行装置
12 エンジン
14 主変速装置
15 副変速装置
16 ミッションケース
16A,16B 側壁
21 車軸
21A 動力伝達部
21B 横向き延設部
21C 連設箇所
29 出力軸
29A,29B 分割伝動軸
29a 軸端部
33 軸支部材
34 出力ギア
39 変速用入力軸
40 変速用出力軸
41 入力ギア
42 低速伝動用駆動ギア
43 高速伝動用駆動ギア
44 低速伝動用従動ギア
45 高速伝動用従動ギア
46 駆動用ギア
47 シフター
48,49 スプライン部
50 シフトフォーク
62 係合用周溝
64 下手側伝動ギア
73 車軸ケース
80 カラー部材
M1,M2 嵌合溝

Claims (16)

  1. ミッションケースの外部に設けられると共に、前記ミッションケースの一端側の側壁をケース外方側からケース内方側に向けて挿通する出力軸を有し、エンジンからの動力を正逆無段に変速して前記出力軸から出力する主変速装置と、
    前記ミッションケースに内装されると共に、前記出力軸から伝達された動力を作業状態に応じた高低2段に変速して走行装置に伝達するギア式の副変速装置とが備えられ、
    前記出力軸は、前記ミッションケース内を通過するとともに、他端側の側壁を挿通して軸端部がケース外方に露出する状態で、且つ、前記一端側の側壁と前記他端側の側壁との夫々に回動自在に支持される状態で備えられている収穫機。
  2. 前記副変速装置における入力側の変速用入力軸に、前記出力軸に備えられた出力ギアと噛み合い連動する入力ギアが備えられている請求項1記載の収穫機。
  3. 前記変速用入力軸において、前記入力ギアに近い側に高速伝動用駆動ギアが備えられ、前記入力ギアから遠い側に低速伝動用駆動ギアが備えられている請求項2記載の収穫機。
  4. 前記低速伝動用駆動ギアが、前記変速用入力軸を前記他端側の側壁において回動自在に支持する軸支部材との間で軸芯方向に間隔をあけて備えられている請求項3記載の収穫機。
  5. 前記高速伝動用駆動ギアが、前記入力ギアとの間で軸芯方向に間隔をあけて備えられている請求項3又は4記載の収穫機。
  6. 前記副変速装置における出力側の変速用出力軸に、前記高速伝動用駆動ギアが噛み合い連動する高速伝動用従動ギアと、前記低速伝動用駆動ギアが噛み合い連動する低速伝動用従動ギアと、前記副変速装置の伝動下手側に位置する下手側伝動ギアと噛み合い連動する駆動用ギアとが夫々備えられている請求項3〜5のいずれか1項に記載の収穫機。
  7. 前記駆動用ギアが、前記高速伝動用従動ギアと前記低速伝動用従動ギアとの間に位置する状態で備えられている請求項6記載の収穫機。
  8. 前記駆動用ギアが、前記高速伝動用従動ギアに近い位置に備えられている請求項7記載の収穫機。
  9. 前記副変速装置は、
    入力側の変速用入力軸と、出力側の変速用出力軸と、前記変速用入力軸に相対回転可能に備えられた高速伝動用駆動ギア及び低速伝動用駆動ギアと、前記変速用出力軸に固定状態で備えられた高速伝動用従動ギア及び低速伝動用従動ギアとを備え、
    前記高速伝動用駆動ギアと前記低速伝動用駆動ギアとを、前記高速伝動用従動ギアと前記低速伝動用従動ギアとに夫々常時噛み合う状態で、軸芯方向にスライド不能に備えて構成されるとともに、
    前記高速伝動用駆動ギアと前記低速伝動用駆動ギアとの間に、前記変速用入力軸にスプライン外嵌されて、前記変速用入力軸に相対回転自在に備えられた前記高速伝動用駆動ギアのスプライン部に噛み合い連動する高速伝動用操作位置と、前記変速用入力軸に相対回転自在に備えられた前記低速伝動用駆動ギアのスプライン部に噛み合い連動する低速伝動用操作位置とにスライド自在なシフターを備えて構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の収穫機。
  10. 前記変速用出力軸における前記高速伝動用従動ギアと前記低速伝動用従動ギアとの間に、前記副変速装置の伝動下手側に位置する下手側伝動ギアと噛み合い連動する駆動用ギアが備えられ、
    前記シフターをスライド操作するシフトフォークが、前記シフターと前記駆動用ギアとの間の空間を通過する状態で備えられている請求項9記載の収穫機。
  11. 前記シフトフォークが、前記シフターの外周に設けられた係合用周溝における半周分以上の領域に係合するように構成されている請求項10記載の収穫機。
  12. 前記シフトフォークが、前記シフターの外周に設けられた係合用周溝における直径上に位置する2箇所に係合するように構成されている請求項10記載の収穫機。
  13. 前記出力軸が、軸芯方向に沿って分割され且つ一体回転自在に連動連係された一対の分割伝動軸を備えて構成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の収穫機。
  14. 前記出力軸から前記副変速装置に動力を伝達する出力ギアが、前記一対の分割伝動軸の夫々に対して一体回転自在に外嵌装着され、前記一対の分割伝動軸が前記出力ギアにより連動連係されている請求項13記載の収穫機。
  15. 前記主変速装置の周囲を覆う主変速ケースと前記ミッションケースとがフランジ連結される状態で接続され、
    前記主変速ケースの接続面と前記ミッションケースの接続面のうち前記出力軸が挿通する箇所の夫々に、前記出力軸の軸芯を中心とする同心円状の嵌合溝が形成され、
    前記主変速ケースの前記嵌合溝と前記ミッションケースの前記嵌合溝との夫々に嵌り合う状態で、軸芯合わせ用のカラー部材が備えられている請求項1〜14のいずれか1項に記載の収穫機。
  16. 前記副変速装置にて変速された動力を左右の走行装置に各別に伝達する左右一対の車軸が、前記ミッションケースから固定延設された左右両側の車軸ケース内を挿通する状態で備えられ、
    前記左右一対の車軸が夫々、機体横幅方向内方側の端部に小径の動力伝達部を備え、機体横幅方向外方側に大径の横向き延設部を備えて構成され、且つ、
    前記小径の動力伝達部と前記大径の横向き延設部との間の連設箇所が、前記小径の動力伝達部から機体横幅方向外方側に向かうほど大径となるようなテーパ状に形成されている請求項1〜15のいずれか1項に記載の収穫機。
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