JP2015010629A - 電磁駆動弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で流体の漏洩を防止することができる電磁駆動弁を提供する。
【解決手段】電磁駆動弁は、流通口19Aを軸方向に貫設したオリフィス部19が内部に設けられており、両端に連通口11、12が開口し、一直線上に延びた管体10と、オリフィス部19と一方の連通口12との間で管体10の内周面に沿って管体10の軸方向に往復移動自在に収納したプランジャー20と、オリフィス部19とプランジャー20との間に位置し、プランジャー20に連動して管体10の軸方向に往復移動する弁体30と、プランジャー20に対して管体10の軸方向の一方向に弾性力を付与するスプリング40と、管体10の外周面に沿って巻回しており、通電した際にプランジャー20に対してスプリング40が付与する弾性力の方向とは反対方向に磁力を作用させるコイル60と、このコイル60に通電した際に管体10の外側で磁気回路を構成するヨーク80とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は電磁駆動弁に関するものである。
特許文献1は従来の電磁駆動弁を開示している。この電磁駆動弁は、管体、プランジャー、弁体、スプリング、コイル、ヨーク、及びプレートを備えている。管体は、流通口が軸方向に貫設したオリフィス部を内部に設けて一直線上に延びており、両端に連通口が開口している。プランジャーは、円筒状であり、内側に流体が流通する流路を形成している。プランジャーは、一方の連通口から管体内に収納されており、一方の端部が管体の一方の連通口から突出した状態で管体の軸方向に往復移動することができる。弁体は、球形状であり、オリフィス部とプランジャーとの間に位置し、プランジャーの往復移動に連動して管体の軸方向に往復移動することができる。スプリングは、プランジャーとプレートとの間に挟持されており、プランジャーに対してオリフィス部側へ移動する方向に弾性力を付与している。
コイルはスプールに囲包されている。コイルを囲包したスプールは円筒状である。スプールは管体の一部を内挿している。このため、コイルは管体の外周面に沿って巻回された状態になっている。管体の一方の連通口はスプールの一方の端面より内側に位置している。ヨークは、一部を管体の軸方向に切欠いた略円筒状の周面部と、周面部の一方の端部から内側に延びて管体を内挿した挿通孔を有した端面部とから構成されている。周面部の開口している他方の端部はスプールの一方の端面と面一になっている。周面部の内周面はスプールの外周面に接触している。端面部の挿通孔は管体の外周面に接触している。プレートは、円盤状の平板であり、プランジャーの内径よりも小さい開口を中央部に貫設している。プレートは裏面がスプールの一方の端面及びヨークの周面部の他方の端部に接している。
この電磁駆動弁は、コイルに通電すると、プレート、ヨーク、管体、及びプランジャーを通る磁気回路に磁束が形成されるため、磁力によってプランジャーがプレートに向かって移動する。このように、磁力によってプランジャーがプレートに向かって移動するために、この電磁駆動弁は、管体の一方の連通口とプレートとの間に隙間を形成している。これによって、この電磁駆動弁は、プランジャーを磁力によって確実に移動させることができ、弁体が流通口を開放して開弁状態にすることができる。また、この電磁駆動弁は、コイルへの通電を遮断すると、磁束が消滅して圧縮されたスプリングが伸長することによって、プランジャーがオリフィス部に向かって移動する。これによって、この電磁駆動弁は弁体が流通口を閉鎖して閉弁状態にすることができる。
特開平5−296363号公報
しかし、特許文献1の電磁駆動弁は、管体の一方の連通口とプレートとの間に隙間を形成しているため、この隙間を通して管体内を流通する流体が漏洩しないように、管体とスプールとの間、スプールとプレートとの間等にシール構造を設ける必要がある。よって、この電磁駆動弁は、構造が複雑になったり、シール構造のシール性能が不充分であると流体が漏洩したりするおそれがある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、簡易な構造で流体の漏洩を防止することができる電磁駆動弁を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の電磁駆動弁は、流通口を軸方向に貫設したオリフィス部が内部に設けられており、両端に連通口が開口し、一直線上に延びた管体と、
前記オリフィス部と一方の前記連通口との間で前記管体の内周面に沿って前記管体の軸方向に往復移動自在に収納したプランジャーと、
前記オリフィス部と前記プランジャーとの間に位置し、前記プランジャーの往復移動に連動して前記管体の軸方向に往復移動する弁体と、
前記管体内に収納し、前記プランジャーに対して前記管体の軸方向の一方向に弾性力を付与するスプリングと、
前記管体の外周面に沿って巻回しており、通電した際に前記プランジャーに対して前記スプリングが付与する弾性力の方向とは反対方向に磁力を作用させるコイルと、
このコイルに通電した際に前記管体の外側で磁気回路を構成するヨークとを備えていることを特徴とする。
この電磁駆動弁は、両端の連通口の間の流路は一つの管体で形成されているため、シール構造を必要としない。そして、この電磁駆動弁は、管体の外部に配置したコイルに通電して発生する磁力と、スプリングの弾性力とによって、管体の内周面に沿って軸方向にプランジャー及び弁体を往復移動させることができ、管体内に流体を流通させることができる。
したがって、本発明の電磁駆動弁は簡易な構造で流体の漏洩を防止することができる。
実施例1の開閉弁であって、閉弁状態を示す断面図である。 実施例1の開閉弁であって、開弁状態を示す断面図である。 実施例2の比例弁であって、閉弁状態を示す断面図である。 実施例2の比例弁であって、中間開弁状態を示す断面図である。 実施例2の比例弁であって、全開弁状態を示す断面図である。 実施例3の2連の開閉弁を示す断面図である。
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
本発明の電磁駆動弁において、前記プランジャーは内側に流体が流通する流路を形成した筒体であり得る。この場合、この電磁駆動弁は、管体の内周面がプランジャーのガイドになり、プランジャーが管体の内周面に沿ってスムーズに往復移動させることができる。また、この電磁駆動弁は、プランジャーの周囲を流体が流れるものに比べて、管体内を流れる流体の流量を多くすることができる。
本発明の電磁駆動弁は、前記管体内に固定し、前記コイルに通電した際に磁気回路を構成し、中央に流体が流通する流通孔を貫設したコアを備え得る。この場合、この電磁駆動弁は、コアを備えることによって、コイルに通電した際にコアとプランジャーとの間の磁束密度が高くなり、磁力によってプランジャーを確実に移動させることができるとともに、プランジャーを所定の位置に確実に保持することができる。
本発明の電磁駆動弁において、前記プランジャーは一端部に前記弁体を支持する支持部を有し得る。この場合、プランジャーに支持部を介して弁体を連結することによって、弁体をプランジャーの往復移動に確実に連動させることができる。
次に、本発明の電磁駆動弁を具体化した実施例1〜3について、図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
実施例1の電磁駆動弁は、図1及び図2に示すように、開閉弁である。この開閉弁は、管体10、連結管15、プランジャー20、弁体30、スプリング40、コア50、コイル60、スプール70、及びヨーク80を備えている。
管体10は非磁性体の金属板をプレス成形して形成されている。この管体10は、両端に連通口である第1連通口11と第2連通口12とが開口しており、一直線上に延びている。管体10は第1管部13と第2管部14とから構成されている。第1管部13は第1連通口11を端部(図1において、上側の端部)に形成した円管である。第2管部14は、第1管部13の端部(図1において、下側の端部)から外側に屈曲した段部13Aに連続しており、第1管部13よりも径が大きい円管である。第2管部14の端部(図1において、下側の端部)は、外側に徐々に拡がった傾斜部14Aと、傾斜部14Aの端部から外側に拡がった鍔部14Bと、鍔部14Bの外周縁部から第2管部14に沿って折返された折返し部14Cとを有している。このように形成された第2管部14の端部が管体10の第2連通口12を形成している。第1管部13は第1連通口11に近い所定の同一円周上を内側に凹ませた第1凹部13Bを有している。第2管部14は段部に近い所定の同一円周上を内側に凹ませた第2凹部14Dを有している。
管体10は第1連通口11に連結管15を挿入している。連結管15も非磁性体の金属板をプレス成形して形成されている。連結管15は、第1連結管部16、第2連結管部17、第3連結管部18、及びオリフィス部19から構成されている。第1連結管部16は、管体10の第2管部14と同一径の円管である。第1連結管部16の一方の端部(図1において、上側の端部)は、外側に徐々に拡がった傾斜部16Aと、傾斜部16Aの端部から外側に拡がった鍔部16Bと、鍔部16Bの外周縁部から第1連結管部16に沿って折返された折り返し部16Cとを有している。つまり、第1連結管部16の一方の端部は管体10の第2管部14の端部と同じ形態である。第2連結管部17は、第1連結管部16の端部(図1において、下側の端部)から内側に屈曲した段部16Dに連続しており、管体10の第1管部13の内径よりわずかに小さい外径を有した円管である。第3連結管部18は、第2連結管部17の端部(図1において、下側の端部)から内側に屈曲した段部17Aに連続しており、第2連結管部17よりも径が小さい円管である。オリフィス部19は、第3連結管部18の端部(図1において、下側の端部)から内側に延びており、中央部に流通口19Aを貫設している。
連結管15の第2連結管部17、第3連結管部18、及びオリフィス部19が管体10の第1管部13内に挿入されている。第3連結管部18に1個のOリング18Aと、1個のバックアップリング18Bが外挿されている。Oリング18Aは第3連結管部18の外周面と第1管部13の内周面との間で挟持されている。また、第2連結管部17の外周面と第1管部13の内周面とはレーザー溶接されている。このため、管体10と連結管15との連結部分のシール性は強固に保持されている。また、管体10に連結管15を連結することによって、流通口を軸方向に貫設したオリフィス部19が管体10の内部に設けられている。
プランジャー20は磁性体で形成されている。プランジャー20は、オリフィス部19と第2連通口12との間、さらに詳しくは、オリフィス部19と、第2管部14の端部(図1において、上側の端部)に固定したコア50との間に収納されている。プランジャー20は内側に流体が流通する流路21を形成した円筒体である。プランジャー20は外径が管体10の第1管部13の内径よりも僅かに小さい。第1管部13内に収納されたプランジャー20は、第1管部13の内周面がガイドになって、第1管部13の内周面に沿って管体10の軸方向に往復移動することができる。プランジャー20は、コア50側の端部において、外形が徐々に縮径するように外周面を傾斜させた傾斜面22を有している。
プランジャー20はオリフィス部19側の端部に弁体30を支持するステンレス製の支持部23を有している。支持部23は、プランジャー20の一端部に固定した平板状の第1円環部24と、第1円環部24の内周縁の90度ずつ離れた位置から内側に延びた平板状の連結部25と、連結部25の内側の端部が外周縁に連結した平板状の第2円環部26とから形成されている。第1円環部24と第2円環部26との間であって、各連結部25の間に設けられた空間Xを管体10内を流れる流体が流通することができる。
弁体30は弁本体31と弁軸32とから構成されている。弁軸32は、ステンレス製であり、プランジャー20の支持部23の第2円環部26の外径と略等しい外径を有する円柱状の中央部33と、中央部33の一方の端部(図1において、下側の端部)の中心から延びた円柱状の取付部34と、中央部33の他方の端部(図1において、上側の端部)の外周縁から外側に延びた鍔部35とを有している。鍔部35側の弁軸32の端面は中央部が突出するように僅かな湾曲面で形成されている。取付部34は、プランジャー20の支持部23の第2円環部26の中央に開口した開口部26Aに挿入した後、先端をかしめて拡径して支持部23に抜け止め状態に固定されている。弁本体31は、ゴム製であり、円盤状に形成されている。弁本体31は、弁軸32の鍔部35が形成された端部が挿入される凹部31Aを裏面側に形成している。この凹部31Aは、挿入口31Bより奥側が広く、挿入口31Bは弁軸32の鍔部35よりも小さく形成されている。このため、弁本体31は凹部31Aに鍔部35が係止して抜け止めされた状態で弁軸32に連結されている。また、弁本体31は弁軸32に対して遊嵌されているため、弁体30の弁本体31がオリフィス部19の流通口19Aの周縁部(弁座)に確実に当接することができ、流通口19Aを閉鎖することができる。
スプリング40は、コイル状であり、プランジャー20の内径よりも僅かに小さい外径を有している。スプリング40は、プランジャー20の内周面に沿って、プランジャー20の流路21内に挿入されている。スプリング40は、プランジャー20の支持部23と管体10の第2管部14の端部に固定したコア50との間に挟持されている。このため、スプリング40は、プランジャー20に対してオリフィス部19が位置する方向(管体10の軸方向の一方向)に弾性力を付与している。コイル60に通電していない状態では、スプリング40の弾性力によって、弁体30の弁本体31がオリフィス部19の流通口19Aの周縁部(弁座)に当接し、流通口19Aを閉鎖している。つまり、開閉弁は閉弁状態になっている。
コア50は磁性体で形成されている。コア50は中央に流体が流通する流通孔51を貫設した略円環状である。この流通孔51はスプリング40の内径よりも小さく形成されている。流通孔51の周縁部にスプリング40の端部が当接している。コア50は管体10の第1管部13と第2管部14との境界に設けられた段部13Aと第2管部14に設けられた第2凹部14Dとの間に嵌め込まれて固定されている。コア50はプランジャー20に対向する面に円環状の凸部52を形成している。この凸部52はプランジャー20が磁力によってコア50側に移動した際にプランジャー20の傾斜面22に対向する傾斜面53を内周面に形成している。
スプール70は非磁性体で形成されている。スプール70は、管体10を内挿した円筒部71と、円筒部71の両端の夫々から外側に延びる第1鍔部72及び第2鍔部73とを有している。円筒部71の内周面は、管体10の第1管部13の外径より僅かに大きい第1内周面部71Aと、管体10の第2管部14の外径よりも僅かに大きい第2内周面部71Bとから形成されている。円筒部71内に管体10が挿入されており、第1内周面部71Aと第2内周面部71Bとの境界部に形成された段部71Cが管体10の第1管部13と第2管部14との境界部に形成された段部13Aに係止し、スプール70が管体10に位置決めされている。コイル60はスプール70の第1鍔部72と第2鍔部73との間の円筒部71に巻回している。つまり、コイル60は管体10の外周面に沿って巻回している。
ヨーク80は磁性体で形成されている。ヨーク80は、第1挟持片部81、第2挟持片部82、及び第1挟持片部81と第2挟持片部82とを連結した側面部83から形成されている。第1挟持片部81、及び第2挟持片部82は、コイル60を巻回したスプール70に対して、管体10の軸方向の両側に位置している。側面部はコイル60を巻回したスプール70の周面の一部を覆っている。第1挟持片81は管体10の第1管部13を挿通する貫通孔81Aが貫設されており、第2挟持片82は管体10の第2管部14を挿通する貫通孔82Aが貫設されている。第2挟持片82の貫通孔82Aの内側にコア50が配置されている。また、第1挟持片81の貫通孔81Aの内側に往復移動するプランジャー20の一端部が位置している。ヨーク80及びコイル60を巻回したスプール70が管体10の第1連通口11方向へ移動しないように、ヨーク80の第1挟持片81の外側にストッパー84が取り付けられている。
このような構成を有する開閉弁は、管体10の第2連通口12が流体の流入口であり、連結管15の第1連結管部16が形成した開口が流体の流出口である。この開閉弁は、コイル60に通電すると、ヨーク80、コア50、及びプランジャー20を通る磁気回路に磁束が形成され、図2に示すように、磁力によってプランジャー20が管体10内をコア50の方向に移動し、プランジャー20のコア50側の端部がコア50に当接する。弁体30が支持部23を介してプランジャー20に連結されているため、弁体30もプランジャー20の移動に連動して移動する。これによって、弁体30の弁本体31がオリフィス部19の流通口19Aの周縁部(弁座)から離れ、流通口19Aを開放し、開閉弁は開弁状態になる。この際、プランジャー20は、管体10の第1管部13の内周面がガイドになって、スムーズに移動する。また、プランジャー20の内側に形成された流路21を流体が流通するため、プランジャー20の周囲を流体が流れるものに比べて、管体10内を流れる流体の流量を多くすることができる。
また、この開閉弁はコア50を備えているため、コイル60に通電した際にコア50とプランジャー20との間の磁束密度が高くなり、磁力によってプランジャー20を確実に移動させることができるとともに、プランジャー20がコア50側の端部をコア50に当接させた位置に確実に保持することができる。このため、開閉弁は確実に開弁し、開弁状態を維持することができる。
この開閉弁は、コイル60の通電を遮断すると、図1に示すように、磁束が消滅して圧縮されたスプリング40が伸長し、プランジャー20が管体10内をオリフィス部19の方向に移動し、弁体30の弁本体31がオリフィス部19の流通口19Aの周縁部(弁座)に当接し、流通口19Aを閉鎖する。つまり、開閉弁は閉弁状態になる。この際も、プランジャー20は、管体10の第1管部13の内周面がガイドになって、スムーズに移動する。
このように、この開閉弁は、第1連通口11と第2連通口12との間の流路21は一つの管体10で形成されているため、この部分でシール構造を必要としない。そして、この開閉弁は、管体10の外部に配置したコイル60に通電して発生する磁力と、スプリング40の弾性力とによって、管体10の内周面に沿って軸方向にプランジャー20及び弁体30が往復移動させることができ、管体10内に流体を流通させることができる。
したがって、実施例1の開閉弁は簡易な構造で流体の漏洩を防止することができる。
<実施例2>
実施例2の電磁駆動弁は、図3〜図5に示すように、比例弁である。この比例弁は弁体130の弁本体131の先端部の形状が円錐台形状である点が実施例1と相違する。他の構成は実施例1と同様であり、同じ構成は同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この比例弁は、管体10の第2連通口12が流体の流入口であり、連結管15の第1連結管部16が形成した開口が流体の流出口である。この比例弁は、図3に示すように、コイル60に通電していない状態では、スプリング40の弾性力によって、プランジャー20がオリフィス部19方向に移動し、弁体130の弁本体131の先端部がオリフィス部19の流通口に挿入され、先端部の傾斜面131Aがオリフィス部19の流通口19Aの周縁部に当接している。つまり、比例弁は弁本体131によって流通口19Aが閉鎖された閉弁状態になっている。
また、この比例弁は、コイル60への通電を制御することによって、プランジャー20の移動位置を変更することができる。つまり、この比例弁は、図4に示すように、比例弁が閉弁状態であるプランジャー20の位置よりもコア50側であって、プランジャー20のコア50側の端部がコア50に当接しない任意の位置にプランジャー20を保持することができる。この場合、弁体130の弁本体131がオリフィス部19の流通口19Aにオーバーラップした任意の位置で保持されるため、弁本体131の傾斜面131Aと流通口19Aとの間隔を微量に調整することができ、管体10内を流れる流体の流量を微量に調整することができる。このように、この比例弁は、所望する流量が流通する中間開弁状態と、図5に示すように、プランジャー20のコア50側の端部がコア50に当接して、弁本体131が流通口19Aを最も開放した全開弁状態にすることができる。
この比例弁も、第1連通口11と第2連通口12との間の流路21は一つの管体10で形成されているため、この部分でシール構造を必要としない。そして、この比例弁は、管体10の外部に配置したコイル60に通電して発生する磁力と、スプリング40の弾性力とによって、管体10の内周面に沿って軸方向にプランジャー20及び弁体130が往復移動させることができ、管体10内に所望する流量で流体を流通させることができる。
したがって、実施例2の比例弁も簡易な構造で流体の漏洩を防止することができる。
<実施例3>
実施例3の電磁駆動弁は、図6に示すように、2連の開閉弁である。両端に連通口211、212を有した管体210に対して第1開閉弁201と第2開閉弁202が直列に設けられている点が実施例1と相違する。実施例1と同じ構成は同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
管体210は非磁性体の金属板をプレス成形して形成されている。この管体210は、両端に連通口である第1連通口211と第2連通口212とが開口しており、一直線上に延びている。管体210は第1管部213と第2管部214とから構成されている。第1管部213は第1連通口211を端部(図6において、上側の端部)に形成した円管であり、第1開閉弁201及び第2開閉弁202を直列に設けることができる長さを有している。第2管部214は、第1管部213の端部(図6において、下側の端部)から外側に屈曲した段部213Aに連続しており、第1管部213よりも径が大きい円管である。第1管部213は、中間部の所定の位置の同一円周上に内側に凹ませた第1凹部213Bと、第2管部214に近い所定の位置の同一円周上に内側に凹ませた第2凹部213Cとを有している。
第1開閉弁201及び第2開閉弁202は、第1開閉弁201(図6において、上側の開閉弁)のコアと、第2開閉弁202(図6において、下側の開閉弁)のオリフィス部とを一体に形成した挿入部材203を備えている。挿入部材203は磁性体で形成されている。挿入部材203は、管体210の第1管部213の内径よりも僅かに小さい外径を有し、内側に流体が流通する流路203Aを形成した円筒体である。挿入部材203は外周面の離れた2つの同一円周上に凹部204、205が形成されている。一方の凹部204はOリング204Aが外嵌されている。他方の凹部205は第1管部213の中間部に設けられた第1凹部213Bが外嵌されており、これによって、挿入部材203は管体210の第1管部213内に全体が挿入された状態で固定されている。
挿入部材203は、第1開閉弁201のプランジャー20に対向する面の周縁部に円環状の凸部206を形成している。この凸部206は第1開閉弁201のプランジャー20が磁力によって挿入部材203側に移動した際にプランジャー20の傾斜面22に対向する傾斜面207を内周面に形成している。挿入部材203と第1開閉弁201のプランジャー20との間で第1開閉弁201の磁気回路が構成される。また、第2開閉弁202の弁体30の弁本体31が挿入部材203に当接することによって、流路203Aが閉鎖され、第2開閉弁202は閉弁状態になり、第2開閉弁202の弁体30の弁本体31が挿入部材203から離れることによって、第2開閉弁202は開弁状態になる。
第2開閉弁202のコア250は磁性体で形成されている。コア250は、管体210の第1管部213の内径よりも僅かに小さい外径を有し、内側に流体が流通する流路251を形成した円筒体である。このコア250は外周面の同一円周上に凹部254が形成されている。この凹部254は第1管部213に設けられた第2凹部213Cが外嵌されており、これによって、コア250が第1管部213内に固定されている。コア250は第2開閉弁202のプランジャー20に対向する面の周縁部に円環状の凸部252を形成している。この凸部252は第2開閉弁202のプランジャー20が磁力によってコア側に移動した際にプランジャー20の傾斜面22に対向する傾斜面253を内周面に形成している。
このような構成を有する2連の開閉弁において、第1開閉弁201及び第2開閉弁202は、各コイル60に通電すると、ヨーク80、挿入部材203又はコア250、及びプランジャー20を通る磁気回路に磁束が形成され、磁力によって各プランジャー20が管体210内を挿入部材203又はコア250の方向に移動し、各プランジャー20の挿入部材203又はコア250側の端部が挿入部材203又はコア250に当接する。各弁体30が支持部23を介して各プランジャー20に連結されているため、各弁体30も各プランジャー20の移動に連動して移動する。これによって、第1開閉弁201は、弁本体31がオリフィス部19の流通口19Aの周縁部(弁座)から離れ、流通口19Aを開放し、第1開閉弁201は開弁状態になる。又、第2開閉弁202も、弁本体31が挿入部材203の流路203Aの周縁部(弁座)から離れ、流路203Aを開放し、第2開閉弁202は開弁状態になる。この際、各プランジャー20は、第1管部213の内周面がガイドになって、スムーズに移動する。また、円筒体である各プランジャー20の内側に形成された流路21を流体が流通するため、各プランジャー20の周囲を流体が流れるものに比べて、管体210内を流れる流体の流量を多くすることができる。
また、第1開閉弁201はコアに相当する挿入部材203を備え、第2開閉弁202はコア250を備えているため、挿入部材203又はコア250と、各プランジャー20との間の磁束密度を高くすることができ、磁力によって各プランジャー20を確実に移動させることができ、各プランジャー20が挿入部材203又はコア250に当接させた位置に確実に保持することができる。このため、第1開閉弁201及び第2開閉弁202は確実に開弁し、開弁状態を維持することができる。
第1開閉弁201及び第2開閉弁202は、コイル60の通電を遮断すると、磁束が消滅して圧縮された各スプリング40が伸長し、各プランジャー20及び各弁体30が管体210内をオリフィス部19又は挿入部材203の方向に移動する。これによって、第1開閉弁201は、弁本体31がオリフィス部19の流通口19Aの周縁部(弁座)に当接し、流通口19Aを閉鎖し、閉弁状態になる。又、第2開閉弁202も、弁本体31が挿入部材203の流路203Aの周縁部(弁座)に当接し、流路203Aを閉鎖し、閉弁状態になる。この際も、各プランジャー20は、第1管部213の内周面がガイドになって、スムーズに移動する。
このように、この2連の開閉弁は、第1連通口211と第2連通口212との間の流路は一つの管体で形成されているため、この部分でシール構造を必要としない。そして、この2連の開閉弁は、管体210の外部に配置した各コイル60に通電して発生する磁力と、各スプリング40の弾性力とによって、管体210の内周面に沿って軸方向に各プランジャー20及び各弁体30が往復移動させることができ、管体210内に流体を流通させることができる。
したがって、実施例3の2連の開閉弁も簡易な構造で流体の漏洩を防止することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1〜3では、プランジャーが筒体であったが、プランジャーは円柱状であってもよい。この場合、管体内でプランジャーの周囲を流体が流通することになる。
(2)実施例1〜3では、コアを備えていたが、コアを備えなくてもよい。この場合、管体の外側でヨークの形状を変更し磁気回路が良好に形成されるようにするとよい。
(3)実施例1〜3では、プランジャーに支持部を設けて弁体を支持したが、弁体をプランジャーに一体に設けてもよい。
(4)実施例1〜3では、管体に一部が挿入され、一部が露出した連結管によってオリフィス部を形成しているが、実施例3の挿入部材のように、管体内の全体が挿入される部材によってオリフィス部を形成してもよい。
(5)実施例1〜3では、管体及び連結管を非磁性体の金属板をプレス成形して形成しているが、管体及び連結管は他の方法で形成してもよい。
本発明は燃料電池の燃料ガスや改質ガスのガス流路に設けられる開閉弁に利用可能である。
10、210…管体
11、12、211、212…連通口(11、211…第1連通口、12、212…第2連通口)
19…オリフィス部
19A…流通口
20…プランジャー
23…支持部
30、130…弁体
40…スプリング
50、250…コア
60…コイル
80…ヨーク

Claims (4)

  1. 流通口を軸方向に貫設したオリフィス部が内部に設けられており、両端に連通口が開口し、一直線上に延びた管体と、
    前記オリフィス部と一方の前記連通口との間で前記管体の内周面に沿って前記管体の軸方向に往復移動自在に収納したプランジャーと、
    前記オリフィス部と前記プランジャーとの間に位置し、前記プランジャーの往復移動に連動して前記管体の軸方向に往復移動する弁体と、
    前記管体内に収納し、前記プランジャーに対して前記管体の軸方向の一方向に弾性力を付与するスプリングと、
    前記管体の外周面に沿って巻回しており、通電した際に前記プランジャーに対して前記スプリングが付与する弾性力の方向とは反対方向に磁力を作用させるコイルと、
    このコイルに通電した際に前記管体の外側で磁気回路を構成するヨークとを備えていることを特徴とする電磁駆動弁。
  2. 前記プランジャーは内側に流体が流通する流路を形成した筒体であることを特徴とする請求項1記載の電磁駆動弁。
  3. 前記管体内に固定し、前記コイルに通電した際に磁気回路を構成し、中央に流体が流通する流通孔を貫設したコアを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁駆動弁。
  4. 前記プランジャーは一端部に前記弁体を支持する支持部を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の電磁駆動弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101636252B1 (ko) * 2015-01-12 2016-07-06 한국콘트롤공업 주식회사 과열 방지 밸브

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