JP2015010317A - 押出成形セメント板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯板状の板体1に、その長手方向の両端面に開口する断面四角形状の中空部2が複数形成された押出成形セメント板10であって、各中空部2は、互いに平行に配置され、板体1の厚み方向に横リブ部3を介して二段設けられるとともに、その板体1の短手方向に縦リブ部4を介して複数設けられており、板体1の厚み方向に沿う側壁部5の厚みAが10mm以上20mm以下とされ、板体1全体の厚みDが80mm以上110mm以下とされ、側壁部5の厚みAと横リブ部3の厚みCとの関係がC≧Aを満足するとともに、側壁部5の厚みAと縦リブ部4の厚みFとの関係が(A+5)mm≧F≧(A−5)mmを満足する構成とされる。
【選択図】 図1
Description
一方、特許文献2には、パネル(押出成形セメント板)の厚み方向に多段(二段や三段)をなし、長手方向に沿って並列する複数の中空部が設けられ、その少なくとも一方の表面寄りの中空部に断熱性材料を充填したものが提案されている。また、特許文献2には、中空部を二段形状とすることにより、中空部の輻射熱を低減できることが記載されている。
板体の厚みDが80mm未満では、やはり中空部の高さが狭くなるため、取付金具を挿入することが難しくなる。また、110mmを超えると、1m2当たり100kgを超える重量となり、軽量化の面で不利になる。
そして、横リブ部の厚みCは、側壁部の厚みAより薄くすると、引き割れを生じ易くなり、成形が難しくなる。また、縦リブ部の厚みFは、側壁部の厚みAに対して±5mm以上の異なる厚みとすると、引き割れを生じ易くなり、成形が難しくなる。
一方、上記のように各寸法を最適化することで、引き割れ等の製造上の不具合及び取り付けが困難であるという施工上の不具合を解消した中空部を二段形状とした押出成形セメント板を形成することができ、耐火性の向上を図ることが可能となる。
中空部の断面四角形状の高さBが15mm未満、幅Eが35mm未満の寸法では、取付金具を挿入することが難しくなる。また、幅Eが70mmを超えると、押出成形時に縦リブ部の間に設けられる中空部の上面部分が自重で垂れ下がりやすくなり、所望の形状を形成することが難しくなる。
図1は、本実施形態の押出成形セメント板の横断面図である。この押出成形セメント板10は、帯板状の板体1に、その長手方向の両端面に開口する断面四角形状の中空部2が複数形成されたものである。また、板体1の幅方向の両端部の一方には、その外側方に向けて突出する一対の凸条11が長手方向(押出方向)に沿って形成され、幅方向の他方には、隣接する押出セメント板10を突き合わせたときに凸条11を係合する溝部12が長手方向に沿って形成されている。
また、本実施形態の押出成形セメント板10は、主としてセメントと珪酸質原料及び繊維質原料を主原料とし、中空を有する板状に押出成形されたオートクレーブ養生したパネルであり、その材料は、特に限定されるものではない。
また、図2に示す板体1及び中空部2の各寸法A〜Fは、以下のように設定される。
まず、板体1全体の厚みDが80mm以上110mm以下とされ、板体1の厚み方向に沿う側壁部5の厚みAが10mm以上20mm以下とされる。
側壁部5の厚みAが10mm未満では、押出成形時に引き割れが生じて成形が難しくなる。また、厚みAが20mmを超える場合は、中空部2の高さが狭くなるため、外装仕上げパネル等の取付けに用いる取付金具を中空部2内に挿入することが難しくなる。
そして、板体1全体の厚みDが80mm未満では、やはり中空部2の高さが狭くなるため、取付金具を挿入することが難しくなる。また、厚みDが110mmを超えると、1m2当たり100kgを超える重量となり、軽量化の面で不利になる。
横リブ部3の厚みCを側壁部5の厚みAより薄くすると、押出成形時に引き割れを生じ易くなり、成形が難しくなる。また、縦リブ部4の厚みFを側壁部5の厚みAに対して±5mm以上より大きく厚みが異なる形状とすると、やはり押出成形時に引き割れを生じ易くなり、成形が難しくなる。
中空部2の四隅部を2mm以上の円弧半径Rに設けることにより、側壁部5と縦リブ部4、及び横リブ部3と縦リブ部4とのそれぞれの接続部分が補強されるので、中空部2の四隅部における応力集中が緩和され、亀裂の発生を防止することができる。一方で、円弧半径Rが7mmを超えると、中空部2内部に取付金具を取り付ける際に使用する平面部を確保することが難しくなる。
また、同様に、中空部2の高さBが15mm未満で、幅Eが35mm未満の寸法では、取付金具を挿入することが難しくなる。そして、幅Eが70mmを超えると、押出成形時に縦リブ部4の間に設けられる中空部2の上面部分が自重で垂れ下がりやすくなり、所望の形状を形成することが難しくなる。
図3,4及び表1に示すように、各寸法を変更して作製した小型試験体20の試料1〜13を作製し、成形時の状況や引き割れの有無、耐火性能についての評価を行った。
各小型試験体20の試料1〜13は、普通ポルトランドセメント、シリカ微粉末、パルプ、増粘剤及び水等を所定の配合で練り混ぜ、これによって得られた素地を押出成形機を用いて各形状に成形し、オートクレーブ養生を行うことにより形成したものであり、厚みD80〜100mm×幅329〜465mm×長さ380mmとされる。
そして、各小型試験体20は、押出成形機を用いて各形状に成形し、オートクレーブ養生を行うことにより得た押出成形セメント板を、厚みD80〜100mm×幅329〜465mm×長さ380mmの大きさに切断加工することにより形成した。
なお、図3に示す符号29は、耐火レンガである。また、図4の符号23は横リブ部、符号24は縦リブ部、符号25は側壁部を示す。
また、耐火性能の評価は、図3に示すように、小型試験体20を小型水平炉に設置し、炉内温度がISO834「建築構造要素の耐火試験」に定められた標準加熱温度曲線に沿うようにバーナー28で小型試験体20の加熱面21fを中央から加熱し、小型試験体20の非加熱面21rの温度を熱電対により30秒間隔で連続測定し、試験開始時からの温度上昇量を算出して行った。非加熱面21rの温度測定位置は、図5に示すa〜eの5箇所とし、測定位置a〜cは中空部22上に配置し、測定位置d,eは縦リブ部24上に配置した。また、加熱時間は60分とし、火炎が通る亀裂の発生の有無等を観察した。
そして、中空部を二段で形成し、各寸法の条件を満足する実施例の試料2,3,8〜13は、押出成形時に引き割れや亀裂が生じることがなく、耐火基準を満足することができた。また、中空部を単段で形成した試料1は、押出成形時の状況は良好であり、耐火基準を満足したが、実施例の試料2,3,8〜13と比較して非加熱面の温度上昇量が大きくなった。
比較例4〜7については、いずれも押出成形時に引き割れ・亀裂が生じたため、熱の移動が顕著となり、耐火基準を満足することができなかった。
なお、実施例8は、耐火基準は満足したものの、成形時に中空部の上面が凹状に垂れ下がり、押出成形後の保形性が若干劣る結果となった。
2,22 中空部
3,23 横リブ部
4,24 縦リブ部
5,25 側壁部
10 押出成形セメント板
11 凸条
12 溝部
20 小型試験体
21 小型試験体の要部
21f 加熱面
21r 非加熱面
28 バーナー
29 耐火レンガ
Claims (2)
- 帯板状の板体に、その長手方向の両端面に開口する断面四角形状の中空部が複数形成された押出成形セメント板であって、各中空部は、互いに平行に配置され、前記板体の厚み方向に横リブ部を介して二段設けられるとともに、該板体の短手方向に縦リブ部を介して複数設けられており、前記板体の厚み方向に沿う側壁部の厚みAが10mm以上20mm以下とされ、前記板体全体の厚みDが80mm以上110mm以下とされ、前記側壁部の厚みAと前記横リブ部の厚みCとの関係がC≧Aを満足するとともに、前記側壁部の厚みAと前記縦リブ部の厚みFとの関係が(A+5)mm≧F≧(A−5)mmを満足する構成とされていることを特徴とする押出成形セメント板。
- 前記中空部は、前記板体の厚み方向に沿う高さBが15mm以上とされ、前記板体の短手方向に沿う幅Eが35mm以上70mm以下とされることを特徴とする請求項1記載の押出成形セメント板。
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-
2013
- 2013-06-26 JP JP2013133964A patent/JP2015010317A/ja active Pending
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