JP6468565B2 - モルタルおよびモジュールブロック - Google Patents

モルタルおよびモジュールブロック Download PDF

Info

Publication number
JP6468565B2
JP6468565B2 JP2016014324A JP2016014324A JP6468565B2 JP 6468565 B2 JP6468565 B2 JP 6468565B2 JP 2016014324 A JP2016014324 A JP 2016014324A JP 2016014324 A JP2016014324 A JP 2016014324A JP 6468565 B2 JP6468565 B2 JP 6468565B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mortar
mass
strength
mpa
silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016014324A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017133765A (ja
Inventor
久宏 松永
久宏 松永
夏海 東川
夏海 東川
西田 茂史
茂史 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Refractories Co Ltd
JFE Steel Corp
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinagawa Refractories Co Ltd, JFE Steel Corp filed Critical Shinagawa Refractories Co Ltd
Priority to JP2016014324A priority Critical patent/JP6468565B2/ja
Publication of JP2017133765A publication Critical patent/JP2017133765A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6468565B2 publication Critical patent/JP6468565B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Description

本発明は、コークス炉の築炉に用いるモルタル、および、上記モルタルを用いたモジュールブロックに関する。
コークス炉は、石炭をコークス化する炭化室と、炭化室に熱を供給する燃焼室とが交互に連なる構成を有しており、燃焼室からの熱をれんがの伝熱を用いて炭化室に供給し、炭化室内の石炭を乾留してコークスを製造する炉である。このようなコークス炉は、多数のれんがを積み上げて、炭化室と燃焼室とを隔離する側壁を形成し、築炉したものである。
コークス炉は、1000℃を超える高温状態に保たれる。このため、コークス炉の側壁には、高温での体積変化が比較的小さく、そのうえ熱伝導性が良好で、かつ、機械的強度が大きい珪石(SiO2)れんがが多く用いられている。
このような珪石れんが(以下、単に「れんが」ともいう)同士は、モルタルによって接合される。もっとも、コークス炉では、操業により長期にわたり温度サイクルがかかるため、操業温度において体積変化の大きいモルタルを用いると、膨張と収縮とを繰り返して、強度が低下したり、れんがとの間に隙間が生じてガスリークが生じたりするという問題が発生する場合がある。
このため、コークス炉には、操業温度において熱膨張および熱収縮がほとんど無い特性を有する珪石(SiO2)を主成分とするモルタル(珪石モルタル)を用いる。これにより、強度が低下したり、れんがとの間に隙間が生じたりすることを防止する。
特開2001−19968号公報
コークス炉の新設、パドアップ(既存の基礎を残し、炉を新設すること)または部分的な積替え補修において、れんがを施工(築炉)する作業は膨大で、多大な時間を要する。
そこで、従来、モジュールブロック工法と呼ばれる工法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。モジュールブロック工法は、炉外で事前にれんがを所定サイズのブロック(モジュールブロック)に組み立てた後、このモジュールブロックを、コークス炉へ運搬し、現地でモジュールブロックを設置する工法である。
このようなモジュールブロック工法を採用することで、築炉期間の短縮が期待される。
しかしながら、コークス炉の新設またはパドアップにおいて、モジュールブロック工法が採用された例はなく、モジュールブロック工法の採用は、積替え補修にとどまっている。その理由を以下に説明する。
まず、積替え補修では、モジュールブロックが小型であり、更に、非晶質の溶融シリカを使用したり、熱膨張が極めて小さなれんがを使用したりする。これに対して、コークス炉の新設またはパドアップにおいては、効率を上げるために、モジュールブロックの大型化が必要であり、また、結晶質で熱膨張が大きい珪石れんがが使用されることになる。
珪石れんがを使用した大型モジュールブロックには、次の特性が要求される。
(i)まず、大型のモジュールブロックを炉外の作製場所からコークス炉の据付場所へ運搬する際の常温環境では、モジュールブロック自体の強度が大きいこと、すなわち、珪石れんがとモルタルとの接着強度が大きいことが必要である。
(ii)一方で、珪石れんがは、図1のグラフに示すように、約200℃から約400℃までの膨張が大きいことが特徴である。このため、約200℃から約400℃の環境では、珪石れんがとモルタルとの接着強度が小さい必要がある。これは、接着強度が大きいモルタルを使用して珪石れんが同士が強固に接合されると、珪石れんがが膨張する際に自由に膨張できなくなり、モジュールブロックに亀裂を生じ得るためである。
(iii)もっとも、珪石れんがが膨張しきった更に高温(コークス炉稼動温度)の環境では、珪石れんが同士を強固に接着し、目地からのガス漏れを防止する必要がある。
このように、珪石れんがを使用した大型モジュールブロックに用いられるモルタルは、常温では高強度、約200℃から約400℃では低強度、更に高温のコークス炉稼動温度では高強度であることが要求される。
しかしながら、一般的な珪石モルタルは、常温から1000℃程度までの強度が極めて低いことから、珪石れんがを使用した大型モジュールブロック用のモルタルとして適さない。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、常温では高強度、約200℃から約400℃では低強度、更に高温のコークス炉稼動温度では再び高強度となるモルタルおよび上記モルタルを用いたモジュールブロックを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、珪石モルタルに特定量の澱粉およびMgOを配合することで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供する。
[1]珪石れんが同士の接合に使用されるモルタルであって、80質量%以上97.5質量%以下のSiO2と、0.05質量%以上1.5質量%以下のMgOと、2質量%以上10質量%以下の澱粉とを含有する、モルタル。
[2]常温、湿度60%の条件で7日間乾燥した後に常温で測定される接着曲げ強度が、1.0MPa以上である、上記[1]に記載のモルタル。
[3]0.1MPaの圧縮荷重下において1℃/分で昇温し200℃で5時間保持した後に1℃/分で降温する熱処理を行なった後に常温で測定される接着曲げ強度が、0.3MPa以下である、上記[1]または[2]に記載のモルタル。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載のモルタルを用いて珪石れんがを接合してなるモジュールブロック。
本発明によれば、常温では高強度、約200℃から約400℃では低強度、更に高温のコークス炉稼動温度では再び高強度となるモルタルおよび上記モルタルを用いたモジュールブロックを提供できる。
図1は、珪石れんがの熱膨張特性を示すグラフである。 図2(a)〜図2(c)は、接着曲げ強度の測定方法を説明するための模式図である。 図3は、本発明のモルタルおよび一般的な珪石モルタルにおける接着曲げ強度と熱処理温度との関係の一例を示すグラフである。
[モルタル]
本発明のモルタルは、珪石れんが同士の接合に使用されるモルタルであって、80質量%以上97.5質量%以下のSiO2と、0.05質量%以上1.5質量%以下のMgOと、2質量%以上10質量%以下の澱粉とを含有する、モルタルである。
本発明によれば、常温では高強度、約200℃から約400℃では低強度、更に高温のコークス炉稼動温度では再び高強度となるモルタルが得られる。
なお、本発明において、「常温」とは、20℃を意味するものとする。
なお、本発明のモルタルが使用される珪石れんがは、珪石(SiO2)を主成分とするれんがであり、具体的には、90質量%以上のSiO2を含有するれんがである。SiO2以外の成分およびその含有量については、特に限定されない。
次に、本発明のモルタルが含有する各成分について、詳細に説明する。
〔澱粉〕
本発明のモルタルは、結合材として、2質量%以上の澱粉を含有する。これにより、常温で十分な強度が得られる。
より詳細には、本発明のモルタルは、常温および湿度60%の条件で7日間乾燥した後に常温で測定される接着曲げ強度(以下、「接着曲げ強度(常温)」とも表記する)が、1.0MPa以上であることが好ましい。その理由は、次の通りである。
コークス炉の燃焼室をモジュールブロック工法で作製する際に、モジュールブロックのサイズを例えば長さ4m、高さ1mとする場合は、1.0MPaの接着曲げ強度があれば、把持方法にもよるがモジュールブロックを壊さずに運搬および据付することができる。
モジュールブロックのサイズを例えば長さ8m、高さ1mとする場合には、接着曲げ強度(常温)は、1.5MPa以上であることが好ましい。
なお、接着曲げ強度は、図2(a)〜図2(c)に示す方法で測定される。
まず、図2(a)および図2(b)に示すように、35mm×35mm×70mmの直方体に加工した珪石れんが1における35×35mmの面に、水を加えて混練したモルタル2を塗布し、同じサイズの珪石れんが1を押し付けて接着させる。このときモルタル2の厚さが5mmとなるように塗布する。
次いで、所定の条件で乾燥または熱処理した後、図2(c)に示すように、珪石れんが1を支持用ロール3で支持した状態でモルタル2を圧子4で加圧する3点曲げによる曲げ試験を行なう。支持用ロール3の支点間の距離は、厚さの3倍の105mmとする。
なお、その他の条件については、JIS R 2213に準拠する。
この方法により得られる強度値(単位:MPa)を、接着曲げ強度とする。
一方、後述するように、澱粉は所定の温度で分解すると考えられるが、このとき、澱粉の含有量が多すぎると、澱粉が分解した後の空隙が大きくなり過ぎて、他成分が移動しやすくなり、その結果、高温でのクリープ変形が大きくなる場合がある。
しかし、澱粉の含有量を10質量%以下にすることで、高温でのクリープ変形が小さくなり、コークス炉稼動温度で十分な強度が得られる。
本発明のモルタルにおける澱粉の含有量は、2質量%以上10質量%以下であり、3質量%以上8質量%以下が好ましい。
また、本発明のモルタルは、澱粉を含有することにより、約200℃から約400℃で低強度となる。これは、澱粉が上記温度範囲で揮散するためと考えられる。
より詳細には、本発明のモルタルは、0.1MPaの圧縮荷重下において1℃/分で昇温し200℃で5時間保持した後に1℃/分で降温する熱処理を行なった後に常温で測定される接着曲げ強度(以下、「接着曲げ強度(200℃)」とも表記する)が、0.3MPa以下であることが好ましい。これは、モジュールブロックに使用されている珪石れんがが膨張する際に、モジュールブロックに亀裂が生じないようにするためである。
接着曲げ強度(200℃)は、より好ましくは0.2MPa以下であり、更に好ましくは0.1MPa以下である。
200℃で熱処理を行なう際には、モルタルを挟む珪石れんが同士の両端面を押圧する方向に、0.1MPaの圧縮荷重を付与するが、その理由は、コークス炉に設置後のモジュールブロックには、炉絞めやれんが自重等によって、約0.1MPaの圧縮応力がかかるためである。
なお、接着曲げ強度(200℃)は、200℃での測定ではなく、200℃での熱処理後における常温での測定であるが、上述したように、200℃での熱処理により澱粉は分解すると考えられるから、その後、常温に戻したとしても、澱粉が分解した状態(つまり、低強度の状態)は維持され、その状態を反映した強度を測定できる。
本発明のモルタルに使用される澱粉としては、特に限定されないが、例えば、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉などが挙げられる。なかでも、接着性に優れるという理由から、タピオカ澱粉が好ましい。
〔MgO〕
モルタルに澱粉を配合した場合、一般的な珪石モルタルと比較して、高温における接着強度が発現しにくくなる場合がある。
そこで、本発明のモルタルは、澱粉と併用して、0.05質量%以上のMgOを含有する。これにより、MgOがSiO2と反応し、微量の融液が生成することにより、モルタルと珪石れんがとが接着し、コークス炉稼動温度で十分な強度が得られる。
より詳細には、本発明のモルタルは、0.1MPaの圧縮荷重下において1℃/分で昇温し1100℃で5時間保持した後に1℃/分で降温する熱処理を行なった後に常温で測定される接着曲げ強度(以下、「接着曲げ強度(1100℃)」とも表記する)が、0.8MPa以上であることが好ましく、1.2MPa以上であることがより好ましい。
一方、MgOの含有量が多すぎると、融液の生成量が過剰となり、クリープ変形しやすくなる場合がある。しかし、MgOの含有量を1.5質量%以下にすることで、融液の生成量が過剰にならずに高温でのクリープ変形が抑制され、コークス炉稼動温度で十分な強度が得られる。
本発明のモルタルにおけるMgOの含有量は、0.05質量%以上1.5質量%以下であり、0.2質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
MgOは、化学成分としての表記(組成式)であり、原料としては、マグネシア(MgO)だけでなく、例えば、エンスタタイト(MgSiO3)または炭酸マグネシウム(MgCO3)なども使用できる。なお、原料に含まれる不可避的成分としてMgOを含み、モルタル中の含有量が0.05質量%以上となる場合には、新たにMgO成分を添加する必要はない。
〔SiO2
本発明のモルタルは、80質量%以上97.5質量%以下のSiO2を含有する。これにより、コークス炉稼動温度における熱膨張特性が珪石れんがと一致し、日々の操業による珪石れんがとモルタルとの接着強度の低下が抑制され、目地切れの発生が抑制される。
なお、コークス炉稼動温度である600℃から1200℃における線膨張率の変化量は、珪石れんがでは0.1%であることが図1のグラフから分かる。このため、モルタルについて、上記変化量は、最大で珪石れんがと同じ0.1%、最低で−0.2%であることが好ましい。上記変化量が−0.2%から0.1%の範囲内であれば、珪石れんがの膨張を吸収しつつ、接着強度を維持できる。
SiO2は、化学成分としての表記(組成式)であり、原料としては、例えば、珪石れんが、珪砂、溶融シリカ等のSiO2を主成分とする粉砕物を使用できる。これらの原料を使用した場合にモルタルに不可避的に含有される成分としては、例えば、約2質量%以下のAl23、約1質量%以下のCaO、約0.5質量%以下のNa2O等が挙げられる。
本発明のモルタルは、上述した原料を適宜混合することにより得られる。
本発明のモルタルをれんがに塗布する際には、本発明のモルタルに水を添加して混練することが好ましい。水の添加量は特に限定されないが、れんがに塗布しやすくなるという理由から、一般的には、JIS R 2506「耐火モルタルのちょう度試験方法」におけるちょう度が350程度になる量が好ましい。ちょう度を350程度にするための水の添加率は、骨材の粒度分布等によって異なるが、例えば、モルタルに対して、約25質量%以上35質量%以下の範囲である。
以上説明したように、本発明のモルタルは、常温では高強度、約200℃から約400℃では低強度、更に高温のコークス炉稼動温度では再び高強度となる。
図3は、本発明のモルタルおよび一般的な珪石モルタルにおける接着曲げ強度と熱処理温度との関係の一例を示すグラフである。なお、熱処理に際しては0.1MPaの圧縮荷重を付与し、常温乾燥では荷重を付与していない。
図3のグラフに示すように、一般的な珪石モルタルは常温ではほとんど強度が発現しないのに対して、本発明のモルタルは、常温における接着曲げ強度は2.5MPaと高いにもかかわらず、200℃以上では一般的な珪石モルタルと同様な強度特性を示す。すなわち、200℃では0.08MPaに強度が低下し、れんがの膨張がほぼ終了する700℃までは0.08MPaと低いままである。そして、1000℃以上では、再び接着強度が増加して、れんがとモルタルとが強固に接着する。
[モジュールブロック]
本発明のモジュールブロックは、上述した本発明のモルタルを用いて、珪石れんがを接合してなるモジュールブロックである。
本発明のモルタルを用いることで、常温でのモジュールブロック自体の強度を大きくできるので、大型のモジュールブロックを炉外の作製場所で作製し、コークス炉の据付場所へ運搬できる。すなわち、モジュールブロック工法を、コークス炉の新設またはパドアップにも適用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜10および比較例1〜7>
(モルタルの調製)
常温で強度が発現する結合材として、澱粉(タピオカ澱粉、コーンスターチまたは馬鈴薯澱粉)、フェノールレジンまたはアルミナセメントを選定し、各種原料を混合して、結合剤、SiO2およびMgOを下記表1に示す含有量で含有するモルタルを得た。なお、結合剤、SiO2およびMgOの3成分の合計量が100質量%でないのは、SiO2原料に由来して不可避的にその他の成分が含有されているからである。
(接着曲げ強度)
得られたモルタル(100質量%)に、28質量%の水を添加して混練し、これを珪石れんが間に塗布して、上述した方法により、接着曲げ強度(常温)、接着曲げ強度(200℃)および接着曲げ強度(1100℃)を測定した(単位:MPa)。結果を下記表1に示す。
(線膨張率の変化量)
得られたモルタル(100質量%)に、28質量%の水を添加して混練し、これを120mm×30mm×30mmの型枠に流し込み、常温で3日後に型枠を取り外し、さらに常温で7日間の乾燥を行なった後、約7mm×7mm×50mmに加工することにより、熱膨張測定用の試験体を作製した。作製した試験体を、大気中で、600℃から1200℃までの線膨張率を測定し、線膨張率の変化量を求めた(単位:%)。この変化量が−0.2%から0.1%の範囲内であれば、コークス炉稼動温度での接着強度を維持できる。結果を下記表1に示す。
(クリープ変形)
上記と同様に水を添加したモルタルを、φ50×47.5mmの珪石れんが間に、5mmの厚さになるように塗布して、珪石れんがとモルタルとの複合体を作製し、0.4MPaの圧縮荷重下において1℃/分で昇温し1500℃で25時間保持し、クリープ変形量を測定した。クリープ値は、珪石れんがと比較し、その変形量の差をΔD25で表した(単位:%)。この値が−0.30%から0%の範囲内であれば、コークス炉稼動温度での強度が十分であると評価できる。結果を下記表1に示す。
上記表1に示すように、実施例1〜10のモルタルは、常温では高強度であり、約200℃から約400℃では低強度であり、更に高温のコークス炉稼動温度では高強度であることが分かった。
具体的には、接着曲げ強度(常温)が1.0MPa以上であった。また、接着曲げ強度(200℃)が0.3MPa以下であった。更に、接着曲げ強度(1100℃)が0.8MPa以上であり、600℃から1200℃における線膨張率の変化量が−0.2%から0.1%の範囲内であり、クリープ変形ΔD25が−0.30%から0%の範囲内であった。
これに対して、澱粉の含有量が1質量%である比較例1は、接着曲げ強度(常温)が0.7MPaと、1.0MPa未満であり、常温での強度が不十分であることが分かった。
また、澱粉の含有量が15質量%である比較例2は、クリープ変形ΔD25が−0.35%と大きく、コークス炉稼動温度での強度が不十分であることが分かった。
また、SiO2の含有量が78質量%である比較例3は、600℃から1200℃における線膨張率の変化量が、珪石れんが(0.1%)よりも大きい0.2%であり、コークス炉稼動温度での強度が不十分であることが分かった。
また、結合材として、澱粉に代えて、フェノールレジンまたはアルミナセメントを使用した比較例4および5は、接着曲げ強度(200℃)が0.3MPaを超えており、約200℃から約400℃での強度が低下せずに高すぎることが分かった。
また、MgOの含有量が0.02質量%である比較例6は、接着曲げ強度(1100℃)が0.4MPaと低く、コークス炉稼動温度での強度が不十分であることが分かった。
また、MgOの含有量が1.9質量%である比較例7は、クリープ変形ΔD25が−0.41%と大きく、コークス炉稼動温度での強度が不十分であることが分かった。
次に、実施例2に示すモルタルを使用して、長さ8m、高さ1mのモジュールブロックを作製した。このモジュールブロックを把持してコークス炉へ運搬し据付けたところ、亀裂および破損がなく良好であった。また、コークス炉の稼動1年後においてもモジュールブロックに亀裂や目地切れ等の不具合がないことが確認された。
1:珪石れんが
2:モルタル
3:支持用ロール
4:圧子

Claims (4)

  1. 珪石れんが同士の接合に使用されるモルタルであって、80質量%以上97.5質量%以下のSiO2と、0.05質量%以上1.5質量%以下のMgOと、2質量%以上10質量%以下の澱粉とを含有する、モルタル。
  2. 常温および湿度60%の条件で7日間乾燥した後に常温で測定される接着曲げ強度が、1.0MPa以上である、請求項1に記載のモルタル。
  3. 0.1MPaの圧縮荷重下において1℃/分で昇温し200℃で5時間保持した後に1℃/分で降温する熱処理を行なった後に常温で測定される接着曲げ強度が、0.3MPa以下である、請求項1または2に記載のモルタル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモルタルを用いて珪石れんがを接合してなるモジュールブロック。
JP2016014324A 2016-01-28 2016-01-28 モルタルおよびモジュールブロック Active JP6468565B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016014324A JP6468565B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 モルタルおよびモジュールブロック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016014324A JP6468565B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 モルタルおよびモジュールブロック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017133765A JP2017133765A (ja) 2017-08-03
JP6468565B2 true JP6468565B2 (ja) 2019-02-13

Family

ID=59502453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016014324A Active JP6468565B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 モルタルおよびモジュールブロック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6468565B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6975220B2 (ja) * 2019-01-30 2021-12-01 Jfeスチール株式会社 モルタル、コークス炉上部構造体、および、コークス炉上部構造体の製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5249215A (en) * 1975-10-17 1977-04-20 Nippon Steel Corp Airtight material for refractories
JPS5849586B2 (ja) * 1979-06-18 1983-11-05 新日本製鐵株式会社 コ−クス炉における耐火壁の構築方法
JPS6340774A (ja) * 1986-08-07 1988-02-22 新日本製鐵株式会社 窯炉内張材の膨張吸収モルタル
JPH0822779B2 (ja) * 1993-06-02 1996-03-06 品川白煉瓦株式会社 クッション性珪石モルタル
JP5022512B1 (ja) * 2011-12-01 2012-09-12 ニチアス株式会社 不定形組成物
JP6098555B2 (ja) * 2014-03-19 2017-03-22 Jfeスチール株式会社 コークス炉の炉体構築方法
JP2016088755A (ja) * 2014-10-29 2016-05-23 Jfeスチール株式会社 シート状モルタル、および、シート状モルタルの施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017133765A (ja) 2017-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9751804B2 (en) Refractory castables with hydrophobic aggregates
CN105541356B (zh) 一种耐高温胶泥及其制备方法
CN104326758A (zh) 一种炼铁热风炉的耐高温抗热震管道及其制备方法
JP2016088755A (ja) シート状モルタル、および、シート状モルタルの施工方法
JP2018108902A (ja) 軽量断熱不定形耐火物
JP4828586B2 (ja) 耐火物の施工方法
JP6468565B2 (ja) モルタルおよびモジュールブロック
JP2013234092A (ja) 流し込み耐火物
CN109553423B (zh) 用于生产耐火混凝土砖的组分及耐火混凝土砖
RU2437854C1 (ru) Способ изготовления жаростойкой бетонной смеси на шлакощелочном вяжущем и способ изготовления изделий из жаростойкой бетонной смеси
JP5769313B2 (ja) 低熱膨張断熱キャスタブル
CN110590342A (zh) 一种硅溶胶结合的刚玉质耐火泥浆
Suvorov et al. High-temperature heat-insulating materials based on vermiculite
EP3421571B1 (en) Precast refractory block for coke oven
JP6166854B1 (ja) 珪石質耐火煉瓦およびその製造方法
JP4795754B2 (ja) 高耐熱衝撃性セラミックス複合材及びその製造方法
CN111484344A (zh) 一种圆筒形耐火浇注料预制件
JP6774313B2 (ja) コークス炉の補修方法及びパッチング耐火物
JPH0822779B2 (ja) クッション性珪石モルタル
CN105884379A (zh) 水泥窑用无水泥高强耐磨材料
JP6386317B2 (ja) 熱間補修用珪石れんが
US20240010557A1 (en) Mineral binder based construction material with improved fire resistance behavior
Kadhum et al. Study of the Thermal Durability of Refractory Mortar Prepared from Local Clay Mixed with Different Percentage of Silica
Sengupta et al. Manufacturing and properties of refractories
JP2007153686A (ja) ワラストナイト系珪酸カルシウム軽量パネルおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6468565

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250