JP2015010292A - 繊維集合体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータリージョイントに導管が巻き付くのを防止して、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供できる、繊維集合体の製造装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明の繊維集合体の製造装置は、紡糸原液吐出部材がエンドレス軌道に沿って周回しながら紡糸が行われる、静電紡糸法を用いた繊維集合体の製造装置であって、複数の流路を有するロータリージョイントを備えていると共に、前記ロータリージョイントの各流路に第一導管および第二導管が接続されていることによって、繊維集合体の製造中に各導管がロータリージョイントへ巻き付くのを防止して、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供できる。【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維集合体の製造装置に関する。
繊維集合体は、例えば、アルカリ電池用セパレータ、リチウム電池用セパレータ、キャパシター用セパレータあるいはレドックスフロー電池用セパレータ等の電気化学素子用セパレータ、各種電気化学素子用電極基材、ガス拡散層基材などの燃料電池や空気電池の構成部材、気体や液体の濾過基材、貼付剤用基材やプラスター剤用基材などの医療用基材、芯地などの衣料用品、化粧水等を保持したスキンケアシートやタオルあるいはオムツなどの衛生用品、ワイピング材や吸液シートなどの清掃用品、バイオリアクターや細胞培養基材などのバイオサイエンス基材など、様々な産業資材用途に有用であることが知られている。
そして、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体として、例えば、繊維径の揃った繊維が均一に分散してなる繊維集合体や、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が均一に分散してなる繊維集合体が求められている。
繊維が均一に分散してなる繊維集合体を調製できる方法として、紡糸原液吐出部材から紡糸空間へ放出された紡糸原液を、電界の作用によって延伸し繊維化すると共に、繊維を捕集体に集積する繊維集合体の製造方法(以降、静電紡糸法、と称することがある)が知られている。
そして、静電紡糸法を用いて繊維集合体を調製できる装置として、例えば、特開2006−112023号公報(以降、特許文献1、と称する)には、紡糸原液吐出部材を一定速度でエンドレス軌道に沿って周回させながら、紡糸原液貯留部から供給管を通り紡糸原液吐出部材へ供給されてきた紡糸原液を、前記紡糸原液吐出部材から吐出して紡糸できる、繊維集合体の製造装置が開示されている。
特許文献1に開示されている繊維集合体の製造装置は、紡糸原液吐出部材が一定速度でエンドレス軌道に沿って周回しながら紡糸するため、繊維集合体の幅方向における繊維量を均一化でき、繊維が均一に分散してなる繊維集合体を調製できる。
なお、特許文献1に係る繊維集合体の製造装置では、紡糸原液吐出部材が周回運動する際に供給管が紡糸原液吐出部材に巻き付くのを防止するため、紡糸原液貯留部と紡糸原液吐出部材を結ぶ供給管の間にロータリージョイントを介在させることを開示している。
特開2006−112023号公報(特許請求の範囲、0031−0032、0063−0064など)
本発明者らは、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供するため、特許文献1を参照して、新規な繊維集合体の製造装置について検討を行った。
新規な繊維集合体の製造装置の第一例として、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が均一に分散してなる繊維集合体を調製できる、繊維集合体の製造装置について検討を行った。なお、本項の説明では理解を容易にするため、複数種類の繊維群が分散してなる繊維集合体の一例として、第一繊維および第二繊維が分散してなる繊維集合体について説明する。
そして、上述した繊維集合体の製造装置として、第一繊維を調製可能な紡糸原液の送液装置と紡糸原液吐出部材(第一紡糸原液吐出部材)を、間に第一ロータリージョイントを介在させて別の導管で接続し、そして、第二繊維を調製可能な紡糸原液の送液装置と前記第一紡糸原液吐出部材と異なる紡糸原液吐出部材(第二紡糸原液吐出部材)を、間に第二ロータリージョイントを介在させて導管で接続することを検討した。
上述の繊維集合体の製造装置によれば、第一紡糸原液吐出部材と第二紡糸原液吐出部材から異なる紡糸原液および/または異なる紡糸条件で紡糸原液を吐出でき、その結果、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が均一に分散してなる繊維集合体を調製できると考えられた。
また、新規な繊維集合体の製造装置の第二例として、繊維径の揃った繊維が均一に分散してなる繊維集合体を調製できる、繊維集合体の製造装置について検討を行った。
そして、上述した繊維集合体の製造装置として、紡糸原液の送液装置と紡糸原液吐出部材を、間に第一ロータリージョイントを介在させて導管で接続し、そして、紡糸原液吐出部材と共に周回運動するように別途用意した導管の一方の端部を紡糸原液吐出部材に隣接して設け、更に、前記別途用意した導管と給排気装置を、間に第二ロータリージョイントを介在させて接続することを検討した。
なお、一般的に静電紡糸法では紡糸を行うのに伴い、紡糸原液吐出部材の周辺に存在する気体が紡糸原液に含まれる液体の揮発によって汚染されて、紡糸空間の雰囲気が変化し易い。そして、紡糸中に紡糸空間の雰囲気が変化すると、意図せず、調製された繊維集合体を構成する繊維の繊維径、および/または、繊維の分散が不均一化し易い。
上述の繊維集合体の製造装置によれば、例えば、温湿度を調整した空気などの気体を前記別途用意した導管から紡糸原液吐出部材へ供給して紡糸原液吐出部材周辺の雰囲気を一定に保つことができる、あるいは、紡糸原液吐出部材周辺に存在する気体を前記別途用意した導管から紡糸空間外へ排出して紡糸原液吐出部材周辺の雰囲気を一定に保つことができる。その結果、繊維径の揃った繊維が均一に分散してなる繊維集合体を調製できると考えられた。
しかし、上述した第一例および第二例の繊維集合体の製造装置では、導管の回転中心となるロータリージョイントが複数存在するため、紡糸原液吐出部材がエンドレス軌道に沿って周回するのに伴い、各ロータリージョイントに導管が巻き付き周回が停止して、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供できなくなると想定された。
本発明は、ロータリージョイントに導管が巻き付くのを防止して、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供できる、繊維集合体の製造装置の提供を目的とする。
本発明は、
「紡糸原液を吐出できる紡糸原液吐出部材、
前記紡糸原液吐出部材をエンドレス軌道に沿って周回させることができる、移動手段、
前記紡糸原液吐出部材から吐出された紡糸原液に電界を作用させて、延伸し繊維化できる電界形成手段、
繊維を捕集できる捕集体、
複数の流路を有するロータリージョイント、
紡糸原液を特定の紡糸原液吐出部材へ供給する、第一導管、
(1)紡糸原液を前記特定の紡糸原液吐出部材以外の紡糸原液吐出部材へ供給する、第二導管、
および/または、
(2)気体を前記紡糸原液吐出部材の周辺へ供給する、あるいは、前記紡糸原液吐出部材の周辺に存在する気体を紡糸空間外へ排出する、第二導管、
を備えている繊維集合体の製造装置であって、
前記第一導管および前記第二導管は、前記ロータリージョイントの各流路に接続されている、
繊維集合体の製造装置。」
である。
本発明者らは検討を続けた結果、紡糸原液吐出部材がエンドレス軌道に沿って周回しながら紡糸が行われる、静電紡糸法を用いた繊維集合体の製造装置において、複数の流路を有するロータリージョイントを備えており、前記ロータリージョイントの各流路に第一導管および第二導管が接続されていることによって、各導管がロータリージョイントへ巻き付くのを防止できることを見出した。
そして、本発明の繊維集合体の製造装置によって、
(1)各紡糸原液吐出部材から異なる紡糸条件で紡糸して繊維集合体を調製できるため、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が均一に分散してなる繊維集合体を調製できること、
(2)例えば、温湿度を調整した空気などの気体を紡糸原液吐出部材の周辺へ供給する、または、紡糸原液に含まれる液体の揮発によって汚染された、紡糸原液吐出部材周辺に存在する気体を紡糸空間外へ排出することにより、紡糸原液吐出部材周辺の雰囲気を一定に保ちながら紡糸できるため、繊維径の揃った繊維が均一に分散してなる繊維集合体を調製できることを見出した。
そのため、本発明の繊維集合体の製造装置は、ロータリージョイントに導管が巻き付くのを防止して、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供できる。
本発明の第一実施態様に係る、模式的な平面図である。 複数の流路を有するロータリージョイントにおける、模式的な断面図である。 本発明の第二実施態様に係る、模式的な平面図である。 本発明の第三実施態様に係る、模式的な平面図である。
(第一実施態様)
本発明の繊維集合体の製造装置について図1−2を用いて説明する。
第一実施態様は、ロータリージョイント(5)の第一流路(6b)と、紡糸原液を特定の紡糸原液吐出部材(4、以降、紡糸原液吐出部材Aと称することがある)へ供給する第一導管(6c)が接続されており、前記ロータリージョイント(5)の第二流路(7b)と、紡糸原液を紡糸原液吐出部材A以外の紡糸原液吐出部材(4、以降、紡糸原液吐出部材Bと称することがある)へ供給する第二導管(7c)が接続された、繊維集合体の製造装置(100)である。
第一実施態様における繊維集合体の製造装置(100)は主として、紡糸原液吐出部材(4)、第一流路(6b)と第二流路(7b)を有するロータリージョイント(5)、送液装置(6)から供給された紡糸原液をロータリージョイント(5)の第一流路(6b)へ導く第一導管(6a)、別の送液装置(7)から供給された紡糸原液をロータリージョイント(5)の第二流路(7b)へ導く第二導管(7a)、ロータリージョイント(5)の第一流路(6b)を通過してきた紡糸原液を紡糸原液吐出部材A(4)へ導く第一導管(6c)、ロータリージョイント(5)の第二流路(7b)を通過してきた紡糸原液を紡糸原液吐出部材B(4)へ導く第二導管(7c)、紡糸原液吐出部材(4)から吐出された紡糸原液に電界を作用できる電界形成手段(8)、紡糸原液吐出部材(4)をエンドレス軌道に沿って周回させることができる移動手段(10)、紡糸原液吐出部材(4)により紡糸された繊維を捕集して繊維集合体(11)を調製する捕集体(12)を備えている。
ロータリージョイント(5)は、主として回転部分(21)と固定部分(22)を組み合わせて構成されており、固定部分(22)は回転部分(21)が回転する際であっても回転しないよう固定できる部材である。また、回転部分(21)と固定部分(22)の境界部分における、固定部分(22)と流路が面する部分には空間(24)が設けられており、前記空間(24)の存在によって、回転部分(21)が回転している場合であっても流体は回転部分(21)と固定部分(22)の間を通過できる。
なお、図1の繊維集合体の製造装置(100)では、給気装置(1)と排気装置(2)を備えた紡糸容器(3)内部に紡糸空間が形成されている。そして、捕集体(12)上に調製された繊維集合体(11)は、繊維集合体(11)の搬送方向(換言すれば、生産方向)を示す矢印線Aの下流側の端部に設けられた、巻取装置(13)により巻き取られている態様を図示している。
第一実施態様に係る本発明の繊維集合体の製造装置(100)を用いた、繊維集合体(11)の製造方法について説明する。
まず、給気装置(1)から紡糸空間となる紡糸容器(3)内へ温湿度を調整した空気などの気体を送り込み、排気装置(2)により紡糸容器(3)内の気体をサクションして紡糸容器(2)外へ排出することで、紡糸空間の雰囲気を一定に保つ。
次いで、移動手段(10)により各紡糸原液吐出部材(4)をエンドレス軌道に沿って周回させると同時に、送液装置(6)から紡糸原液を送り出し、第一導管(6a)−第一流路(6b)−第一導管(6c)の順番に通液して紡糸原液吐出部材A(4)から吐出させる。同時に、送液装置(7)から紡糸原液を送り出し、第二導管(7a)−第二流路(7b)−第二導管(7c)の順番に通液して紡糸原液吐出部材B(4)から吐出させる。
そして、電界形成手段(8)により各紡糸原液吐出部材(4)から吐出される紡糸原液に電界を作用させて、紡糸原液を延伸し細径化することで紡糸し、繊維を捕集体(12)上へ捕集して繊維集合体(11)を調製する。
また、捕集体(12)上へ捕集された繊維集合体(11)は搬送方向(A)へ向かい搬送され捕集体(12)端部に設けられた巻取装置(13)で巻き取られて、長尺状の繊維集合体を調製できる。
このように、紡糸原液吐出部材A(4)と紡糸原液吐出部材B(4)から吐出される紡糸原液の量や紡糸原液の種類、紡糸原液吐出部材A(4)と紡糸原液吐出部材B(4)から吐出される紡糸原液へ作用する電界の強さ、紡糸原液吐出部材A(4)と紡糸原液吐出部材B(4)の形状や配置を、互いに異なるものにして、各紡糸原液吐出部材(4)から異なる紡糸条件で紡糸を行うことができる。
そのため、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製できる。
(第二実施態様)
本発明の別の繊維集合体の製造装置について図2−3を用いて説明する。
なお、図3の第二実施態様に係る繊維集合体の製造装置(200)は、第一実施態様に係る繊維集合体の製造装置(100)と主に、紡糸原液吐出部材(4)と共に周回運動するように隣接して第二導管(7c)を設けた点、および、例えば、温湿度を調整した空気などの気体を、第二導管(7a)−ロータリージョイント(5)の第二流路(7b)−第二導管(7c)の順で通気させて、前記気体を紡糸原液吐出部材(4)の周辺の紡糸空間へ供給できる気体供給装置(9a)を備えている点が異なる。
第二実施態様に係る本発明の繊維集合体の製造装置(200)を用いた、繊維集合体(11)の製造方法について説明する。
まず、給気装置(1)から紡糸空間となる紡糸容器(3)内へ温湿度を調整した空気などの気体を送り込み、排気装置(2)により紡糸容器(3)内の気体をサクションして紡糸容器(2)外へ排出することで、紡糸空間の雰囲気を一定に保つ。
次いで、移動手段(10)により各紡糸原液吐出部材(4)をエンドレス軌道に沿って周回させると同時に、送液装置(6)から紡糸原液を送り出し、第一導管(6a)−第一流路(6b)−第一導管(6c)の順番に通液して紡糸原液吐出部材(4)から吐出させる。同時に、気体供給装置(9a)から、例えば、温湿度を調整した空気などの気体を送り出し、第二導管(7a)−第二流路(7b)−第二導管(7c)の順番に通気して、紡糸原液吐出部材(4)の周辺の紡糸空間へ供給する。
そして、電界形成手段(8)により紡糸原液吐出部材(4)から吐出される紡糸原液に電界を作用させて、紡糸原液を延伸し細径化することで紡糸し、繊維を捕集体(12)上へ捕集して、繊維集合体(11)を調製する。
また、捕集体(12)上へ捕集された繊維集合体(11)は搬送方向(A)へ向かい搬送され捕集体(12)端部に設けられた巻取装置(13)で巻き取られて、長尺状の繊維集合体を調製できる。
このように、第二導管(7c)から例えば、温湿度を調整した空気などの気体を紡糸原液吐出部材(4)の周辺の紡糸空間へ供給して、紡糸原液吐出部材(4)周辺の雰囲気が一定に保たれた状態で紡糸を行うことができる。
そのため、繊維径の揃った繊維が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製できる。
(第三実施態様)
本発明の更に別の繊維集合体の製造装置について図2と図4を用いて説明する。
なお、図4の第三実施態様に係る繊維集合体の製造装置(300)は、第一実施態様に係る繊維集合体の製造装置(100)と主に、紡糸原液吐出部材(4)と共に周回運動するように隣接して第二導管(7c)を設けた点、および、紡糸原液吐出部材(4)の周辺の紡糸空間に存在する気体を、第二導管(7c)−ロータリージョイント(5)の第二流路(7b)−第二導管(7a)の順で通気させて、紡糸原液吐出部材(4)の周辺の紡糸空間に存在する気体を紡糸空間外へ排出できるサクション装置(9b)を備えている点が異なる。
第三実施態様に係る本発明の繊維集合体の製造装置(300)を用いた、繊維集合体(11)の製造方法について説明する。
まず、給気装置(1)から紡糸空間となる紡糸容器(3)内へ温湿度を調整した空気などの気体を送り込み、排気装置(2)により紡糸容器(3)内の気体をサクションして紡糸容器(2)外へ排出することで、紡糸空間の雰囲気を一定に保つ。
次いで、移動手段(10)により各紡糸原液吐出部材(4)をエンドレス軌道に沿って周回させると同時に、送液装置(6)から紡糸原液を送り出し、第一導管(6a)−第一流路(6b)−第一導管(6c)の順番に通液して特定の紡糸原液吐出部材(4)から吐出させる。同時に、サクション装置(9b)によって紡糸原液吐出部材(4)の周辺に存在する気体を、第二導管(7c)−第二流路(7b)−第二導管(7a)の順番に通気して紡糸容器(2)外へ排出する。
そして、電界形成手段(8)により紡糸原液吐出部材(4)から吐出される紡糸原液に電界を作用させて、紡糸原液を延伸し細径化することで紡糸し、繊維を捕集体(12)上へ捕集して、繊維集合体(11)を調製する。
また、捕集体(12)上へ捕集された繊維集合体(11)は搬送方向(A)へ向かい搬送され捕集体(12)端部に設けられた巻取装置(13)で巻き取られて、長尺状の繊維集合体を調製できる。
このように、第二導管(7c)から紡糸原液に含まれる液体の揮発によって汚染された、紡糸原液吐出部材(4)の周辺に存在する気体を紡糸空間外へ排出して、紡糸原液吐出部材(4)周辺の雰囲気が一定に保たれた状態で紡糸を行うことができる。
そのため、繊維径の揃った繊維が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製できる。
本発明の繊維集合体の製造装置(100、200、300)は、各導管(6a、7a、6c、7c)の回転中心となるロータリージョイント(5)を1つにできるため、各導管(6a、7a、6c、7c)が他のロータリージョイントに巻き付くのを防止できる。
更に、本発明の繊維集合体の製造装置(100、200、300)では、紡糸原液吐出部材(4)がエンドレス軌道に沿って周回する際、ロータリージョイント(5)における第一導管(6a)および第二導管(7a)が接続されている固定部分(22)は繊維集合体の製造装置(100)に固定されて保持されており、紡糸時に第一導管(6a)および第二導管(7a)は回転せず、第一導管(6c)および第二導管(7c)のみが回転する。
そのため、第一導管(6a)および第二導管(7a)がロータリージョイント(5)に巻き付くことを防止できると共に、第一導管(6c)および第二導管(7c)がロータリージョイント(5)に巻き付くことなく回転できる。
以上から、本発明の繊維集合体の製造装置(100、200、300)は、ロータリージョイント(5)に導管(6a、7a、6c、7c)が巻き付くのを防止して、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体(11)を提供できる。
以降、本発明の詳細について説明する。
紡糸原液として、例えば、有機ポリマーや無機ポリマーを溶融させた溶融ポリマー、あるいは、有機ポリマーや無機ポリマーを溶媒に溶解させたポリマー溶液などを使用できる。あるいは、無機ポリマーを形成可能なモノマー化合物やオリゴマー化合物を溶媒に溶解させた溶液を使用できる。
紡糸原液を構成する有機ポリマーや無機ポリマーの種類は、本発明において紡糸できる限り、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、アクリル系樹脂、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂などの公知の有機ポリマー、あるいは、金属アルコキシド(ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、スズ、亜鉛などのメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドなど)が重合した無機ポリマーなどの公知の無機系化合物が重合してなるポリマーを用いることができる。
これらのポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、またポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、またポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。
また、これら例示以外のポリマーも使用可能であり、例示以外の樹脂も含め、2種以上のポリマーからなる紡糸原液とすることもできる。
なお、紡糸原液を構成する成分が、無機ポリマーを形成可能なモノマー化合物やオリゴマー化合物である場合、その種類は、本発明において紡糸できる限り、特に限定されるものではないが前記化合物として、例えば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、酢酸塩、シュウ酸塩等の金属有機化合物を、単一あるいは複数混合して用いることができる。
上述の有機ポリマーや無機ポリマーあるいは無機ポリマーを形成可能なモノマー化合物やオリゴマー化合物を溶媒に溶解させる場合、溶媒は紡糸条件によっても変化するため、特に限定されるものではないが、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ギ酸、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。これら例示以外の溶媒も使用可能であり、例示以外の溶媒も含め、2種以上の溶媒が混和した混和溶媒を使用することもできる。
また、紡糸原液における、有機ポリマーや無機ポリマーあるいは無機ポリマーを形成可能なモノマー化合物やオリゴマー化合物の濃度も、紡糸条件によって適宜調整する。
なお、ポリマー溶液におけるポリマーの濃度は、目的の物性を備える繊維集合体(11)を調製できるように適宜調整するが、前記濃度(紡糸原液の質量に占める溶解しているポリマーの質量の百分率)が濃すぎても薄すぎても紡糸を行うことが困難になる傾向があることから、前記濃度は0.1質量%〜90質量%であるのが好ましく、0.5質量%〜50質量%であるのがより好ましく、1質量%〜30質量%であるのが最も好ましい。
また、紡糸原液は必要に応じて、例えば、放射性物質吸着剤(例えば、ゼオライト、活性炭、紺青(プルシアンブルー)など)、抗菌剤や殺菌剤、抗ウイルス剤、抗カビ剤、触媒(例えば、酸化チタンや二酸化マンガンあるいは白金担持アルミナなど)、調湿剤(例えば、シリカゲルやシリカマイクロカプセルなど)、活性炭やカーボンブラックなどの脱臭剤、色素、芳香剤、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂などを混合しても良い。
紡糸原液の粘度や温度、紡糸原液が溶媒を含んでいる場合の溶媒の種類や紡糸原液中に占める溶媒の存在割合、ガスの種類や温度、紡糸原液吐出部材(4)付近の雰囲気下における温湿度などは、適宜調整する。
給気装置(1)や気体供給装置(9a)が供給する気体として、例えば、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、希ガスなどを単独で、あるいは混合して使用できる。なお、利便性の観点から、空気を利用するのが好ましい。気体の温度および湿度を調整する方法は適宜選択するが、一般的に入手可能な温湿度調整装置を用いて調整できる。
本発明で使用する気体の温度および湿度は、目的の物性を備える繊維集合体(11)を調製できるように適宜調整するが、例えば、温度は0℃〜200℃であるのが好ましく、10℃〜100℃であるのがより好ましく、15℃〜30℃であるのが最も好ましい。また、湿度は0%〜100%の範囲内で調整可能であり、5%〜70%であるのが好ましく、5%〜50%であるのがより好ましい。また、調整した気体の温度や湿度の変動幅は少ないほど、目的の物性を備える繊維集合体(11)を調製し易くなる傾向があるため、気体の温度の変動幅は±1℃/時間以下であるのが好ましく、湿度の変動幅は±5RH%/時間以下となるように調整するのが好ましい。
送液装置(6、7)は、紡糸原液を紡糸原液吐出部材(4)へ供給できるものであればよく、適宜選択して使用することができ、例えば、ギアポンプ、シリンジポンプ、マイクロフィーダー、ディスペンサー、チューブポンプなどを使用できる。また、送液装置(6、7)が供給する紡糸原液の量は適宜調整する。
なお、繊維集合体の製造装置(100)が複数の送液装置(6、7)を備えている場合、各送液装置(6、7)が供給する紡糸原液の量や紡糸原液の種類は同一でも異なっていてもよい。
各紡糸原液吐出部材(4)から吐出される紡糸原液の量や紡糸原液の種類が異なる条件で、繊維集合体(11)を調製した場合には、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が分散してなる繊維集合体(11)を調製でき好ましい。
気体供給装置(9a)は、例えば、温湿度を調整した空気などの気体を供給できるものであればよく、適宜選択して使用することができ、例えば、圧縮機、ガスボンベ、ブロアなどを使用できる。
また、気体供給装置(9a)が供給する気体の量は適宜調整する。
サクション装置(9b)は、紡糸原液吐出部材(4)の周辺に存在する気体を紡糸容器(3)外へ排気できるものであればよく、適宜選択して使用することができ、例えば、真空ギアポンプ、真空ファン、真空ダイアフラムポンプ、ブロアなどを使用できる。
また、サクション装置(9b)により紡糸空間外へ排出される気体の量は適宜調整する。
本発明で使用する、例えば、第一導管(6a、6c)や第二導管(7a、7c)などの導管の素材は、適宜選択するものであり限定されるものではないが、例えば、金属、上述した有機ポリマー、シリコーンなどを使用できる。特に、紡糸原液や気体によって劣化し難いこと、また柔軟であるため紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従し易いことから、ポリエチレンを使用するのが好ましい。
なお、本発明で使用する導管の内径は、供給する紡糸原液の組成や量、通気する気体の組成や量により調整するものであり限定されるものではないが、例えば、0.5〜50mmとするのが好ましく、1〜30mmとするのがより好ましく、2〜10mmとするのが最も好ましい。
導管(例えば、第二導管)が、気体を紡糸原液吐出部材(4)の周辺へ供給する、あるいは、紡糸原液吐出部材(4)の周辺に存在する気体を紡糸空間外へ排出する役割を担う場合、その端部に、例えば、ノズル、スリットなどを設けても良い。
第二導管(例えば、7c)の一方の端部を紡糸原液吐出部材(4)に隣接して設けてもよいが、紡糸原液吐出部材(4)のうち紡糸に使用しない紡糸原液吐出部材(4)を第二導管(例えば、7c)と接続して、前記紡糸原液を吐出しない紡糸原液吐出部材(4)から気体を給排気してもよい。
なお、第二導管(例えば、7c)の数や配置、給排気の量は適宜調整する。
本発明で使用できるロータリージョイント(5)は、主として、複数の流路(例えば、6b、7b)を備えた回転部分(21)と固定部分(22)から構成されており、送液装置(6、7)から供給されてきた紡糸原液を、紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従して移動する導管(例えば、第一導管(6c)、第二導管(7c))へ導く役割および/または、気体供給装置(9a)から供給されてきた気体を、紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従して移動する導管(例えば、第二導管(7c))へ導く役割、あるいは、紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従して移動する導管(例えば、第二導管(7c))に導かれ移動してきた紡糸原液吐出部材(4)の周辺に存在する気体を、サクション装置(9b)へと導く役割を担う部材である。
図2では内部に2つの流路(6b、7b)を備えたロータリージョイント(5)を図示しているが、ロータリージョイント(5)の備える流路の数は適宜調整するものであり、紡糸原液用の流路を3つ以上有する態様、紡糸原液用の流路を複数有すると共に通気を担う流路を有する態様、紡糸原液用の流路を複数有すると共に通気を担う流路を複数有する態様のロータリージョイント(5)を採用することができる。
また、ロータリージョイントと各導管が接続する位置や配置は、ロータリージョイント(5)に導管が巻き付くのを防止できる限り、適宜調整できる。
ロータリージョイント(5)が備えている各流路(例えば、6b、7b)の内径は、供給する紡糸原液の組成や量、通気する気体の組成や量により調整するものであり限定されるものではないが、例えば、0.5〜20mmとするのが好ましく、1〜10mmとするのがより好ましく、2〜5mmとするのが最も好ましい。
回転部分(21)の回転に従い紡糸原液や気体がリークするのを防ぐため、回転部分(21)と固定部分(22)の間にシーリング材(図示せず)を設けるのが好ましい。
シーリング材(27)の形状は上述の働きを担うことができるものであれば限定されるものではなく、適宜選択して使用できるが、例えば、丸型や楕円あるいは多角形型の断面を有するリング状の部材、X字型などアルファベット型の断面を有するリング状の部材などを使用できる。
ロータリージョイント(5)を構成する各部材の素材は、適宜選択するものであり限定されるものではないが、例えば、金属、上述した有機ポリマー、シリコーンなどを使用できる。
ロータリージョイント(5)が紡糸原液用の流路を複数備えている場合、回転部材(21)は非導電性の素材を用いて構成されているのが好ましい。なお、ここでいう非導電性とは絶縁体を指し、体積抵抗率が1012Ω・cm以上あるものをいう。このような非導電性材料として、例えば、雲母、磁器、アルミナ磁器、酸化チタン磁器、ソーダガラス、石英ガラス、樹脂類(フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)、ポリエチレン、ポリスチロール、軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、生ゴム、軟質ゴム、エボナイト、ブチルゴム、ネオプレン、シリコーンゴム等を挙げることができる。特に、紡糸原液やガスによって劣化し難いことから、素材としてフッ素樹脂を使用するのがより好ましい。
回転部材(21)が非導電性材料を用いて構成されている場合には、回転部材(21)中を通液する各紡糸原液ごとに印加する電圧の強さが異なるように調整できるため、各流路を経て紡糸原液吐出部材(4)から吐出された紡糸原液ごとに作用する電界の力が異なるように調整して、更に、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維群が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製し易くなる。
紡糸原液吐出部材(4)と回転部分(21)を接続する導管の数が少ないほど、紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従して回転部分(21)が回転し難くなる傾向がある。
回転部分(21)が回転し難い場合には、紡糸原液吐出部材(4)の周回に伴いロータリージョイント(5)に導管(6c、7c)が巻き付くおそれがあり、また、各導管(6c、7c)に不要なストレスが作用して紡糸原液や気体の移動が阻害され、繊維が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製するのが困難になるおそれがある。
そのため、紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従して回転部分(21)が回転し易くなるように、回転部分(21)と紡糸原液吐出部材(4)を接続する導管の数を増やすのが好ましい。また、各導管(6c、7c)同士が均等に配置されているほど、紡糸原液吐出部材(4)の周回に追従して回転部分(21)が回転し易くなる傾向があり好ましい。
紡糸原液吐出部材(4)は紡糸原液を紡糸空間へ吐出できる部材であればよく、その形状などは適宜調整するものであり、例えば、ノズル、スリットなどの形状であることができる。
またその素材も適宜選択できるが、紡糸原液吐出部材(4)が、例えば金属製などの導電性材料(体積抵抗率が1012Ω・cm未満)から構成されている場合には、後述する電界形成手段(8)により紡糸原液吐出部材(4)へ電圧を印加することで、紡糸原液へ直接電圧を印加でき好ましい。
紡糸原液吐出部材(4)における、紡糸原液の吐出部分の形状は特に限定するものではないが、例えば、円形状、長円形状、楕円形状、多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形)であることができる。
そして、紡糸原液吐出部材(4)における紡糸原液が吐出される部分の大きさも特に限定するものではないが、0.01mm〜0.28mmであるのが好ましく、0.02mm〜0.07mmであるのがより好ましい。
また、紡糸原液吐出部材A(4)と紡糸原液吐出部材B(4)における、紡糸原液が吐出される部分の大きさは、同一であっても異なっていても良い。前記大きさが異なる条件で繊維集合体(11)を調製した場合には、繊維組成や平均繊維径などが異なる複数種類の繊維が分散してなる繊維集合体(11)を調製し易く好ましい。
移動手段(10)は紡糸原液吐出部材(4)をエンドレス軌道に沿って周回させることができるのであれば、その種類は適宜選択することができ限定されるものではないが、例えば、駆動モーターにより回転する、第1プーリーと第2プーリーとの間に橋渡された円状あるいは長円状をなしたチェーン状支持体やベルト状支持体などを用いることができる。
移動手段(10)によりエンドレス軌道に沿って周回する紡糸原液吐出部材(4)の移動速度や紡糸原液吐出部材(4)の移動範囲は、求める繊維集合体(11)によって適宜調製する。
なお、移動手段(10)に設けられている紡糸原液吐出部材(4)の数は適宜調整するものであるが、紡糸原液吐出部材(4)の数が多いほど、繊維が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製し易くなる傾向があることから、その数は10個以上であるのが好ましく、20個以上であるのがより好ましく、30個以上であるのが最も好ましい。
捕集体(12)は、繊維化した紡糸原液を捕集して、繊維集合体(11)を調製できる部材を指す。
図1および図3−4では捕集体(12)として、調製した繊維集合体(11)を矢印線Aの方向に搬送できるベルトコンベアを図示しているが、その素材や構造は特に限定されるものではなく、金属製や炭素などの導電性材料または有機高分子などの非導電性材料からなる、通気性を有するネットや多孔板や布帛(例えば、不織布、織物、編み物など)、或いは、通気性を有していないフィルムや平板などを使用できる。
また、紡糸原液吐出部材(4)側から見た際の捕集体(12)の裏面側、および/または、捕集体(12)の側面周辺部分に別途サクション装置(図示せず)を設けてもよく、繊維化した紡糸原液が捕集体(12)上に捕集されるのを補助することができ好ましい。捕集体(12)に別途サクション装置を設ける場合には、通気性を有する捕集体(12)を用いて繊維集合体(11)を調製するのが好ましい。
紡糸原液吐出部材(4)と捕集体(12)の距離は、求める物性を有する繊維集合体(11)を調製できるように適宜調整するものであり、紡糸条件によって変化するものであることから限定されるものではないが、1cm〜30cmであるのが好ましく、2cm〜20cmであるのがより好ましく3cm〜15cmであるのが最も好ましい。
また、紡糸原液吐出部材(4)における紡糸原液の吐出方向は、捕集体(12)における繊維の捕集面に対して垂直となるように設けられていても、鈍角や鋭角を成すように設けられていてもよく、適宜調整する。
電界形成手段(8)は紡糸時に紡糸原液に電界を作用させる手段であり、紡糸原液に電界を作用させる方法として、紡糸原液と捕集体(12)との間に電位差を形成する方法を採用できる。
なお、図1、図3−4では、電界形成手段(8)により紡糸原液吐出部材(4)へ電圧が印加されており、また、捕集体(12)がアースされていることによって、紡糸原液吐出部材(4)と捕集体(12)の間に電界が形成され、紡糸原液へ電界の力が作用している態様を図示している。
紡糸原液と捕集体(12)との間に電位差を形成するために、例えば、直流高電圧発生装置やヴァン・デ・グラフ起電機などの電源を捕集体(12)又は紡糸原液に接触させ、捕集体(12)又は紡糸原液の一方に電圧を印加すると共に電源を接触させなかった方をアースする方法、あるいは、紡糸原液と捕集体(12)の双方に前記電源を接触させ、紡糸原液と捕集体(12)の間に電圧差が生じるように電圧を印加する方法を挙げることができる。なお、印加極性は正であっても負であっても良い。
あるいは、紡糸原液と捕集体(12)との間に電位差を形成する代わりに、紡糸原液吐出部材(4)側から見た際の捕集体(12)の裏側に対向電極(図示せず)を配置すると共に、紡糸原液と対向電極との間に電位差を形成することもできる。
紡糸原液と捕集体(12)又は対向電極との間に形成される電位差は、紡糸原液の種類、上述した紡糸条件などにより適宜調整するのが好ましく、特に限定するものではないが、0.05kV/cm〜20kV/cmであるのが好ましい。
給気装置(1)の種類は適宜選択するが、例えば、流量計を備えた気体ポンプや、圧縮ガスを放出できるボンベなどを使用できる。なお、給気装置(1)から紡糸空間へ供給される気体の量は、例えば、紡糸空間の広さなどによって変化するため、目的の物性を備える繊維集合体(11)を調製できるように適宜選択する。
そして、紡糸容器(3)内の気体は排気装置(2)を経て紡糸容器(3)の外部へと排出される。排気装置(2)の種類は適宜選択するが、例えば、ファン、ブロアなどを使用でき、あるいは、紡糸容器に空けた穴を排気装置(2)の代わりに使用することもできる。
紡糸容器(3)に設けられる給気装置(1)および排気装置(2)の位置や数は、目的の物性を備える繊維集合体(11)を調製できるように適宜調整する。更には、例えば、金属又は樹脂製のパンチングプレート、布、不織布などの多孔性材料(図示せず)を間に介して、給気装置(1)から温度および湿度を調整した気体を供給する、および/または、排気装置(2)により紡糸容器(3)内の気体を紡糸容器(3)の外部へと排出してもよい。多孔性材料の存在によって温度および湿度を調整した気体の供給が局所的に生じるのを防ぐことができ、繊維が均一に分散してなる繊維集合体(11)を調製し易くなるため好ましい。
なお、紡糸容器(3)の形状や大きさ、材質などは適宜調整する。
本発明の繊維集合体の製造装置は、ロータリージョイントに導管が巻き付くのを防止でき、様々な産業資材用途に有用な繊維集合体を提供できる。
100、200、300・・・繊維集合体の製造装置
1・・・給気装置
2・・・排気装置
3・・・紡糸容器
4・・・紡糸原液吐出部材
5・・・ロータリージョイント
6、7・・・送液装置
6a、6c・・・第一導管
7a、7c・・・第二導管
8・・・電界形成手段
9a・・・気体供給装置
9b・・・サクション装置
10・・・移動手段
11・・・繊維集合体
12・・・捕集体
13・・・巻取り装置
21・・・回転部分
22・・・固定部分
6b・・・第一流路
7b・・・第二流路
24・・・空間
A・・・搬送方向

Claims (1)

  1. 紡糸原液を吐出できる紡糸原液吐出部材、
    前記紡糸原液吐出部材をエンドレス軌道に沿って周回させることができる、移動手段、
    前記紡糸原液吐出部材から吐出された紡糸原液に電界を作用させて、延伸し繊維化できる電界形成手段、
    繊維を捕集できる捕集体、
    複数の流路を有するロータリージョイント、
    紡糸原液を特定の紡糸原液吐出部材へ供給する、第一導管、
    (1)紡糸原液を前記特定の紡糸原液吐出部材以外の紡糸原液吐出部材へ供給する、第二導管、
    および/または、
    (2)気体を前記紡糸原液吐出部材の周辺へ供給する、あるいは、前記紡糸原液吐出部材の周辺に存在する気体を紡糸空間外へ排出する、第二導管、
    を備えている繊維集合体の製造装置であって、
    前記第一導管および前記第二導管は、前記ロータリージョイントの各流路に接続されている、
    繊維集合体の製造装置。
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