JP2015010195A - 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート - Google Patents

粘着性組成物、粘着剤および粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】粘着主剤((メタ)アクリル酸エステル重合体)がカルボキシル基を実質的に含有しなくても、耐久性に優れる粘着性組成物、粘着剤およびその製造方法、ならびに粘着シートを提供する。【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、エポキシ基を有するシランカップリング剤(C)と、有機チタニウムオキサイド化合物(D)とを含有する粘着性組成物であって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基を有するモノマーを含有せず、水酸基を有するモノマーを含有し、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の含有量が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.008〜0.04質量部である粘着性組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着性組成物、粘着剤(粘着性組成物を架橋させた材料)およびその製造方法、ならびに粘着シートに関するものであり、特に、偏光板等の光学部材用としても好適な粘着性組成物、粘着剤およびその製造方法、ならびに粘着シートに関するものである。
一般的に、液晶パネルにおいては、偏光板や位相差板を液晶セルのガラス基板等に接着するのに粘着剤組成物から形成された粘着剤層が使用されることが多い。しかし、偏光板や位相差板等の光学部材は熱等により収縮し易いため、熱履歴により収縮が生じ、その結果、該光学部材に積層されている粘着剤層がその収縮に追従できずに、界面で剥がれ(いわゆる浮き、剥がれ)を生じるといった問題が指摘されている。
これを防止するための方法としては、(1)形態安定性に優れた粘着剤層を偏光板等の光学部材に貼り合せることにより光学部材の収縮自体を抑えこむ方法、あるいは、(2)光学部材の収縮で引き起こされる応力が小さくなる粘着剤層を用いる方法、が挙げられる。(1)の方法としては、特許文献1に示されているように貯蔵弾性率の高い粘着剤層を用いることが有効である。一方、(2)の方法としては、光学部材の変形に柔軟に対応できる応力緩和性に優れた粘着剤層を用いることが有効である。しかし、従来、このような応力緩和性に優れた粘着剤層を形成しようとした場合、その粘着剤層中の架橋密度を低く設計する必要があった。そうすると粘着剤層自体の強度が低下し、耐久性が悪化するといった問題があった。
そこで、特許文献2〜4では、粘着剤層の架橋密度を低くする代わりに可塑剤、流動パラフィン、ウレタンエラストマー等をアクリル系粘着剤に添加することにより、得られる粘着剤を適度に柔らかくして粘着剤層に応力緩和性を付与し、それによって耐久性を得ようとしている。
しかしながら、可塑剤または流動パラフィンを添加した粘着剤組成物は、形成される粘着剤層が、経時により可塑剤や流動パラフィンをブリードアウトするという難点を有していた。そして、これにより、接着耐久性が低下したり、被着体となる液晶セルが汚染されるなど、様々な問題が懸念されていた。また、ウレタンエラストマーを添加した粘着剤組成物は、相溶性を維持しようとするとウレタンエラストマーの添加量の上限が限られる。このため、この粘着剤組成物から得られる粘着剤層では、応力緩和性の改善は不十分となる傾向がみられた。さらに、応力緩和性を向上させるためにウレタンエラストマーの添加量を多くすると、アクリル系粘着剤との相溶性が低下し、白濁等の問題が生じていた。
また、特許文献5は、粘着主剤である、水酸基、カルボキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリル系ポリマーと、イソシアネート系架橋剤と、チタン系カップリング剤および/またはジルコニウム系カップリング剤とを含有してなる光学フィルム用粘着剤組成物を提案している。
特開2006−235568号公報 特開平5−45517号公報 特開平9−137143号公報 特開2005−194366号公報 特開2010−65102号公報
しかしながら、特許文献5の光学フィルム用粘着剤組成物を使用した粘着シートであっても、高温下や湿熱条件下において、十分な耐久性は得られなかった。また、上記の光学フィルム用粘着剤組成物では、当該組成物調製後に急速にゲル化し、良好な塗工性を確保することが困難であった。さらに、得られる粘着剤層は、平滑性が低く、光学用途として不適なものであった。
一方、上記粘着剤層は、金属層や透明導電膜などに貼付される場合もある。この場合、粘着剤がカルボン酸を含有すると、具体的には粘着主剤である(メタ)アクリル系ポリマーがカルボキシル基を含有すると、金属層や透明導電膜を腐食させたり、透明導電膜の抵抗値を変化させるといった問題が生じる。したがって、かかる用途で用いられる粘着剤においては、カルボン酸フリーであることが要求される。しかしながら、通常、カルボン酸フリーの粘着剤では、所望の粘着力を確保することが難しく、十分な耐久性を得ることはより困難である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、粘着主剤((メタ)アクリル酸エステル重合体)がカルボキシル基を実質的に含有しなくても、耐久性に優れる粘着性組成物、粘着剤およびその製造方法、ならびに粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、エポキシ基を有するシランカップリング剤(C)と、有機チタニウムオキサイド化合物(D)とを含有する粘着性組成物であって、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基を有するモノマーを含有せず、水酸基を有するモノマーを含有し、前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)の含有量が、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.008〜0.04質量部であることを特徴とする粘着性組成物を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る粘着性組成物を架橋させると、有機チタニウムオキサイド化合物(D)が触媒となって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応が促進されて(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が架橋されるとともに、シランカップリング剤(C)のエポキシ基と(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基との反応も促進される。このようにして得られる粘着剤は、偏光板等の光学部材に適用したときに、耐久性に優れる。
上記発明(発明1)において、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、前記水酸基を有するモノマーを0.05〜30質量%含有することが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記シランカップリング剤(C)の含有量は、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記ポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)は、β−ジカルボニル化合物を配位子として有するチタン錯体であることが好ましい(発明5)。
第2に本発明は、前記粘着性組成物(発明1〜5)を架橋してなる粘着剤を提供する(発明6)。
第3に本発明は、前記粘着剤(発明6)の製造方法であって、少なくとも前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、β−ジカルボニル構造を有し、沸点が200℃以下である揮発性化合物とを含有する溶液を調製した後に前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)を添加することを要件とし、前記粘着性組成物を得て、得られた粘着性組成物を架橋させる時に、前記揮発性化合物を揮発させることを特徴とする粘着剤の製造方法を提供する(発明7)。
上記発明(発明7)においては、前記揮発性化合物を、前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加量に対するモル比で5倍以上、かつ前記溶液全体の質量に対して5質量%以下の割合で前記溶液に添加することが好ましい(発明8)。
上記発明(発明7,8)において、前記揮発性化合物は、アセチルアセトンおよびエチルアセトアセテートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(発明9)。
第4に本発明は、基材と、粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記粘着剤層が、前記粘着剤(発明6)からなることを特徴とする粘着シートを提供する(発明10)。
第5に本発明は、2枚の剥離シートと、前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持された粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記粘着剤層が、前記粘着剤(発明6)からなることを特徴とする粘着シートを提供する(発明11)。
本発明に係る粘着性組成物を架橋させて得られる粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル重合体がカルボキシル基を実質的に含有しなくても、偏光板等の光学部材に適用したときに、耐久性に優れる。また、本発明に係る粘着剤の製造方法によれば、粘着性組成物の塗工性に優れ、光学用途として好適で耐久性に優れた粘着剤層を形成することができる。
本発明の第1の実施形態に係る粘着シートの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る粘着シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔粘着性組成物〕
本実施形態に係る粘着性組成物(以下「粘着性組成物P」という。)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、エポキシ基を有するシランカップリング剤(C)と、有機チタニウムオキサイド化合物(D)とを含有する。上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基を有するモノマーを含有せず、水酸基を有するモノマーを含有する。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。また、「重合体」には「共重合体」の概念も含まれるものとする。
上記の成分(A)〜(D)を含有する粘着性組成物Pを架橋させる際、有機チタニウムオキサイド化合物(D)が触媒となって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との反応が促進され、ポリイソシアネート化合物(B)を介して(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が架橋されて、三次元網目構造が形成されると推定される。また、同じく有機チタニウムオキサイド化合物(D)が触媒となって、シランカップリング剤(C)のエポキシ基と(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基との反応が促進される。そして、シランカップリング剤(C)のアルコキシシリル基が、架橋された(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)(の三次元網目構造)にぶら下がった形になると推定される(このように推定される構造を包括して、「構造X」という場合がある)。これにより、優れたカップリング効果が発揮され、得られる粘着剤は、接着性に優れ、高温条件下や湿熱条件下でも、耐久性に優れたものとなる。
上記シランカップリング剤(C)のエポキシ基と(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基とは、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の触媒作用もあって、容易に反応する。そのため、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の反応性官能基が、一般的なシランカップリング剤では作用しにくい水酸基のみであったとしても((メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が反応性官能基としてカルボキシル基を含んでいなくても)、シランカップリング剤(C)によるカップリング効果が得られる。
(1)(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基を有するモノマー(カルボキシル基含有モノマー)を含有せず、水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)を含有する。ここで、「カルボキシル基を有するモノマーを含有せず」とは、カルボキシル基を有するモノマーを実質的に含有しないことを意味し、カルボキシル基含有モノマーを全く含有しない他、カルボキシル基による透明導電膜等の腐食が生じない程度にカルボキシル基含有モノマーを含有することを許容するものである。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)中に、モノマー単位として、カルボキシル基含有モノマーを0.01質量%以下、好ましくは0.001質量%以下の量で含有することを許容するものである。
上記のように(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が酸成分であるカルボキシル基を有するモノマーを実質的に含有しないことにより、得られる粘着剤の貼付対象が、酸により不具合が生じるもの、例えば透明導電膜や金属膜等の場合であっても、酸によるそれらの不具合を抑制することができる。特に、貼付対象が透明導電膜である場合には、当該透明導電膜を腐食させたり、当該透明導電膜の抵抗値を変化させることを抑制することができる。前述した通り、エポキシ基を有するシランカップリング剤(C)は、このようなカルボン酸フリーの系でも、効果的に作用する。また、カルボキシル基を有するモノマーを実質的に含有しないことにより、当該カルボキシル基が有機チタニウムオキサイド化合物(D)を捕捉することがなく、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の触媒作用により(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基とシランカップリング剤(C)のエポキシ基との反応を効果的に促進することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、水酸基含有モノマーを0.05〜30質量%含有することが好ましく、特に0.1〜20質量%含有することが好ましく、さらには0.5〜5質量%含有することが好ましい。かかる範囲で水酸基含有モノマーを含有することにより、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、前述した三次元網目構造、ひいては上記の構造Xを良好に形成するものと推定される。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。中でも、上記構造Xを形成した場合に、シランカップリング剤(C)由来のアルコキシシリル基を(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)本体から適切な距離に保つことができる点から(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましく、特に主成分として含有することが好ましい。これにより、得られる粘着剤は、好ましい粘着性を発現することができる。
アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、適度な剛性と粘着性の観点から、アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。なお、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜99.95質量%含有することが好ましく、特に70〜99.9質量%含有することが好ましく、さらには80〜99.5質量%含有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、上記のモノマー以外に、所望により、他のモノマーを含有してもよい。他のモノマーとしては、水酸基およびカルボキシル基以外の反応性官能基を有するモノマー(他の反応性官能基含有モノマー)であってもよいし、非反応性のモノマーであってもよいが、水酸基含有モノマーによる作用を効果的に発揮するためにも、他の反応性官能基含有モノマーは実質的に含有しないことが好ましい。
他の反応性官能基含有モノマーとしては、例えば、アミノ基を有するモノマー(アミノ基含有モノマー)等が挙げられる。アミノ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルアミノエチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非反応性のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、シリコーン(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等の非架橋性のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、スチレン等のビニルモノマーなどが挙げられる。ただし、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の触媒毒として作用するものは除かれる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量は50万〜250万であることが好ましく、特に80万〜200万であることが好ましく、さらには100万〜180万であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重量平均分子量が上記の範囲にあることで、上記の構造Xが良好に形成されるものと推定され、得られる粘着剤の耐久性がより優れたものとなる。
なお、粘着性組成物Pにおいて、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2)ポリイソシアネート化合物(B)
粘着性組成物Pは、ポリイソシアネート化合物(B)を含有する。ポリイソシアネート化合物とは、分子内に複数のイソシアネート基を有する化合物である。
ポリイソシアネート化合物(B)としては、アクリル系粘着剤におけるポリイソシアネート化合物として公知の化合物の中から任意のものを適宜選択することができ、脂環式ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物等、およびそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などの多官能化・多量体化したものが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環式ポリイソシアネート化合物・脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記の中でも、多官能化・多量体化したポリイソシアネート化合物が好ましい。これは、人体への毒性の観点に加え、多官能化による凝集力の向上や、多量体化に伴う架橋点間距離の延長により、架橋の効果を高める物性上の観点によるものである。また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)が有する水酸基との反応性の点から、トリメチロールプロパン変性の芳香族ポリイソシアネート、特にトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネートおよびトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートが特に好ましい。
粘着性組成物Pにおけるポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して0.01〜15質量部であることが好ましく、特に0.05〜1質量部であることが好ましく、さらには0.1〜0.5質量部であることが好ましい。ポリイソシアネート化合物(B)の含有量が上記範囲にあると、上記の構造Xが良好に形成されると推定され、得られる粘着剤は耐久性に優れたものとなる。ポリイソシアネート化合物(B)の含有量が多過ぎると、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の架橋の度合いが過度になり、得られる粘着剤の粘着力が低下するおそれがある。
(3)シランカップリング剤(C)
粘着性組成物Pは、エポキシ基を有するシランカップリング剤(C)を含有する。シランカップリング剤(C)としては、下記式(1)に示される、分子内にエポキシ基を少なくとも1個、およびアルコキシシリル基を少なくとも1個有するオルガノアルコキシシラン化合物、または当該オルガノアルコキシシラン化合物を加水分解および縮合させたオルガノシロキサンオリゴマーが好ましい。オリゴマー化の際には、縮合物が鎖中にチタン原子を取り込んでいてもよいし、縮合物がシルセスキオキサン単位を含んでいてもよい。
Figure 2015010195

(式中、Xはアルコキシ基、Yはアルキル基又は芳香族基、Rは直鎖又は分岐のアルキル鎖又はアルキレンオキサイド鎖、Rはエポキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有する脂環式構造、nは1〜3のいずれかの整数を表す。)
シランカップリング剤(C)の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。上記の中でも、耐久性を向上させる観点から、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが好ましく、特に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性組成物P中におけるシランカップリング剤(C)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、特に0.05〜2質量部であることが好ましく、さらには0.2〜1質量部であることが好ましい。シランカップリング剤(C)の含有量が0.01質量部未満であると、当該シランカップリング剤(C)による効果が得られ難い。シランカップリング剤(C)の含有量が5質量部を超えると、ポリイソシアネート化合物(B)と(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)との反応を阻害するおそれがある。一方、シランカップリング剤(C)の含有量が0.2質量部以上であると、得られる粘着剤の耐久性がより向上し、例えば−35℃および70℃の条件下に各30分ずつ交互に晒すヒートサイクルに500時間おいた場合にも、浮き、剥がれ等が発生することが防止・抑制される。
(4)有機チタニウムオキサイド化合物(D)
粘着性組成物Pにおいて、有機チタニウムオキサイド化合物(D)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との反応、および(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基とシランカップリング剤(C)のエポキシ基との反応を促進する触媒として機能するものと考えられる。本実施形態に係る粘着性組成物Pにおいては、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の上記触媒作用によって、シランカップリング剤(C)の効果を満足する水準まで向上させている。
有機チタニウムオキサイド化合物(D)とは、
Ti(O−R)(O−C(R’)CHCOCH(4−n)
の構造を有するチタンキレート化合物の総称である。
なお、上記式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、R’はメチル基またはエトキシ基を示し、nは1〜4の整数を示す。
上記チタンキレート化合物としては、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンテトラキス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセトネート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトネート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジ−n−ブトキシチタンビス(アセトネート)、ジ−n−ブトキシチタンビス(アセチルアセトネート)、ジ−n−ブトキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
上記の中でも、有機チタン錯体としての有機チタニウムオキサイド化合物(D)が好ましい。かかる有機チタン錯体としては、大気中の湿気への耐性(耐加水分解性)の観点から、β−ジカルボニル化合物を配位子とするチタン錯体が好ましい。β−ジカルボニル化合物としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトン、エチルアセトアセテート等のβ−ケトエステルが挙げられ、中でもアセチルアセトンおよびエチルアセトアセテートが好ましい。したがって、有機チタニウムオキサイド化合物(D)としては、具体的には、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタンおよびジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンが特に好ましい。なお、有機チタニウムオキサイド化合物(D)は、1種を単独、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機チタニウムオキサイド化合物(D)の分子量は、250〜750であることが好ましく、特に300〜600であることが好ましく、さらには400〜500であることが好ましい。
なお、有機金属化合物の中でも有機チタニウムオキサイド化合物(D)が特に優れるのは、その高い安定性によるものと考えられる。例えば、有機ジルコニウムオキサイド化合物(有機ジルコニウム錯体を含む)は、安定性が低いため、有機チタニウムオキサイド化合物(D)のような優れた効果は得られない。
粘着性組成物Pにおける有機チタニウムオキサイド化合物(D)の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して0.008〜0.04質量部であり、好ましくは0.01〜0.03質量部であり、特に好ましくは0.01〜0.02質量部である。有機チタニウムオキサイド化合物(D)の含有量が0.008質量部未満であると、前述した触媒効果が発揮されず、耐久性、特に湿熱条件下での耐久性に劣るものとなる。有機チタニウムオキサイド化合物(D)の含有量が0.04質量部を超えると、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との反応を過剰に促進し、架橋点間距離が不適切となり、得られる粘着剤の高次構造が変化する。すなわち、構造Xの形成が適切になされず、得られる粘着剤の耐久性が低下する。
(5)各種添加剤
粘着性組成物Pには、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば、帯電防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、着色剤(可視光線吸収色素)、着色顔料、赤外線吸収剤、近赤外線吸収剤、粘着付与剤、防眩性フィラー、可塑剤、充填剤、エポキシモノマー、光カチオン発生剤、光ラジカル発生剤、ラジカル反応性モノマー、屈折率調整用化合物、レベリング剤、消泡剤等を添加することができる。
〔粘着性組成物の製造方法〕
粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を製造し、得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、シランカップリング剤(C)と、有機チタニウムオキサイド化合物(D)とを混合するとともに、所望により、添加剤を加えることで製造することができる。
ここで、粘着性組成物Pを調製する際、有機チタニウムオキサイド化合物(D)を添加する前に、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、β−ジカルボニル構造を有し、沸点が200℃以下である揮発性化合物とを含有する溶液を調製することが好ましい。なお、ポリイソシアネート化合物(B)、シランカップリング剤(C)、およびその他添加剤は、いずれの段階でも添加することができる。例えば、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加前であってもよいし、添加後であってもよい。
前述した通り、有機チタニウムオキサイド化合物(D)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)とポリイソシアネート化合物(B)との架橋反応を促進する触媒としても機能する。そのため、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)およびポリイソシアネート化合物(B)の両化合物の存在下で有機チタニウムオキサイド化合物(D)を添加すると、得られる粘着性組成物Pが比較的短時間にゲル化して、塗工に適さなくなるおそれがある。そこで上記のような揮発性化合物を(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)を含有する溶液に含有させると、有機チタニウムオキサイド化合物(D)を添加した際、上記揮発性化合物のβ−ジカルボニル構造が有機チタニウムオキサイド化合物(D)の活性化部位を速度論的に抑制し、イソシアネート基と水酸基との反応を遅延させることができる。そのため、上記のような急速なゲル化を防止することができる。これにより、塗工性が良好になり、平滑な粘着剤層を安定して形成することができる。また、上記揮発性化合物は、沸点が200℃以下であることから、粘着性組成物Pを塗布した後、乾燥する時(粘着性組成物Pを架橋する時)には、後述の希釈溶剤との共沸等の影響もあり、容易に系外に揮発させることができる。そのため、乾燥の進行に伴い、有機チタニウムオキサイド化合物(D)に対する抑制が解除され、本来の触媒効果を発揮させることができる。
上記揮発性化合物は、上記溶液に、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加量に対するモル比で5倍以上、かつ溶液全体の質量に対して5質量%以下の割合で含有させることが好ましい。このような範囲で揮発性化合物を含有させることにより、上記の遅延効果が良好に発揮されるとともに、乾燥工程にて揮発性化合物を問題なく揮発させることができる。かかる観点から、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加量に対するモル比は、7倍以上であることがより好ましく、20倍以上であることが特に好ましい。また、溶液全体の質量に対する割合は、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
上記揮発性化合物としては、具体的には、前述のβ−ジカルボニル化合物で例示した化合物を好ましく挙げることができる。上記の遅延効果および揮発性の観点から、アセチルアセトンおよびエチルアセトアセテートから選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。
一方、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、重合体を構成するモノマーの混合物を通常のラジカル重合法で重合することにより製造することができる。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合は、所望により重合開始剤を使用して、溶液重合法等により行うことができる。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、アゾ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、2種類以上を併用してもよい。アゾ系化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
なお、上記重合工程において、2−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を配合することにより、得られる重合体の重量平均分子量を調節することができる。
得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、β−ジカルボニル構造を有し、沸点が200℃以下である揮発性化合物とを少なくとも含有する溶液を調製した後、当該溶液に有機チタニウムオキサイド化合物(D)を添加する。なお、ポリイソシアネート化合物(B)、シランカップリング剤(C)、希釈溶剤および所望により添加されるその他添加剤は、どのタイミングで配合してもよく、それぞれ独立して、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加前に配合してもよいし、有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加後に配合してもよい。このように各成分を配合して、粘着性組成物P(塗布溶液)を得る。
粘着性組成物Pを希釈して塗布溶液とするための希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された塗布溶液の濃度・粘度としては、コーティング可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。例えば、粘着性組成物Pの濃度が10〜40質量%となるように希釈する。なお、塗布溶液を得るに際して、希釈溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着性組成物Pがコーティング可能な粘度等であれば、希釈溶剤を添加しなくてもよい。この場合、粘着性組成物Pは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)の重合溶媒をそのまま希釈溶剤とする塗布溶液となる。
〔粘着剤〕
本実施形態に係る粘着剤は、粘着性組成物Pを架橋してなるものである。粘着性組成物Pの架橋は、加熱処理により行うことができる。なお、この加熱処理は、粘着性組成物Pの希釈溶剤等を揮発させる際の乾燥処理で兼ねることもできる。
加熱処理を行う場合、加熱温度は、50〜150℃であることが好ましく、特に70〜120℃であることが好ましい。また、加熱時間は、10秒〜10分であることが好ましく、特に50秒〜2分であることが好ましい。かかる加熱処理により、希釈溶剤だけでなく、上記揮発性化合物も揮発し、それにより有機チタニウムオキサイド化合物(D)の触媒作用が発揮され、粘着性組成物Pが架橋される。なお、上記の加熱処理後、さらに常温(例えば、23℃、50%RH)で2〜14日程度の養生期間を設けることが特に好ましい。
上記の加熱処理(及び養生)により、粘着性組成物Pは架橋して、前述した構造Xを形成するものと推定される。この構造Xを有する粘着剤は、優れたカップリング効果を発揮し、接着性に優れ、高温条件下や湿熱条件下でも、耐久性に優れたものとなる。
本実施形態に係る粘着剤のゲル分率は、40〜99%であることが好ましく、特に60〜95%であることが好ましく、さらには70〜90%であることが好ましい。ゲル分率が40%未満であると、粘着剤の凝集力が不足して、耐久性およびリワーク性が低下する場合がある。一方、ゲル分率が99%を超えると、粘着力が低くなり過ぎて耐久性が低下する場合がある。なお、上記ゲル分率は、養生期間が必要な場合には、その期間が経過して(例えば、23℃、50%RH環境下にて10日間保管後)形成された粘着剤についての値である。
以上説明した粘着剤は、種々の用途に用いることができ、特に応力緩和性が要求される用途に好ましく用いることができる。中でも、光学部材用として好ましく用いることができ、例えば、偏光板(偏光フィルム)と位相差板(位相差フィルム)などの光学部材同士の接着、あるいは偏光板(偏光フィルム)や位相差板(位相差フィルム)とガラス基板との接着に好適である。本実施形態に係る粘着剤によって形成される粘着剤層は、耐久性に優れ、長期にわたって被着体から剥がれ難い。また、本実施形態に係る粘着剤は、カルボン酸フリーであるため、被着体が金属層や透明導電膜などの場合でも、酸によるそれらの不具合を抑制することができる。
〔粘着シート〕
図1に示すように、第1の実施形態に係る粘着シート1Aは、下から順に、剥離シート12と、剥離シート12の剥離面に積層された粘着剤層11と、粘着剤層11に積層された基材13とから構成される。
また、図2に示すように、第2の実施形態に係る粘着シート1Bは、2枚の剥離シート12a,12bと、それら2枚の剥離シート12a,12bの剥離面と接するように当該2枚の剥離シート12a,12bに挟持された粘着剤層11とから構成される。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
いずれの粘着シート1A,1Bにおいても、粘着剤層11は、前述した粘着性組成物Pを架橋してなる粘着剤からなる。
粘着剤層11の厚さは、粘着シート1A,1Bの使用目的に応じて適宜決定されるが、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲であり、例えば、光学部材、特に偏光板用の粘着剤層として使用する場合には、10〜50μm、特に10〜30μmであることが好ましい。
基材13としては、特に制限は無く、通常の粘着シートの基材シートとして用いられているものは全て使用できる。例えば、所望の光学部材の他、レーヨン、アクリル、ポリエステル等の繊維を用いた織布または不織布;上質紙、グラシン紙、含浸紙、コート紙等の紙類;アルミ、銅等の金属箔;ウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体等の発泡体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム;これらの2種以上の積層体などを挙げることができる。プラスチックフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。
光学部材としては、例えば、偏光板(偏光フィルム)、偏光子、位相差板(位相差フィルム)、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム等が挙げられる。中でも偏光板(偏光フィルム)および位相差板(位相差フィルム)は、耐久性の観点から、本実施形態の粘着剤(上記粘着剤層11)を形成する対象として好適である。
基材13の厚さは、その種類によっても異なるが、例えば光学部材の場合には、通常10〜500μmであり、好ましくは50〜300μmである。
剥離シート12,12a,12bとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記剥離シートの剥離面(特に粘着剤層11と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
剥離シート12,12a,12bの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
上記粘着シート1Aを製造するには、剥離シート12の剥離面に、上記粘着性組成物Pを含む溶液(塗布溶液)を塗布し、加熱処理を行って塗布層を形成した後、その塗布層に基材13を積層する。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1Aが得られる。なお、加熱処理および養生の条件については、前述した通りである。
また、上記粘着シート1Bを製造するには、一方の剥離シート12a(または12b)の剥離面に、上記粘着性組成物Pを含む塗布溶液を塗布し、加熱処理を行って塗布層を形成した後、その塗布層に他方の剥離シート12b(または12a)の剥離面を重ね合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層11となる。これにより、上記粘着シート1Bが得られる。
上記塗布溶液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
ここで、例えば、液晶セルと偏光板とから構成される液晶表示装置を製造するには、粘着シート1Aの基材13として偏光板を使用し、当該粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、露出した粘着剤層11と液晶セルとを貼合すればよい。
また、例えば、液晶セルと偏光板との間に位相差板が配置される液晶表示装置を製造するには、一例として、まず、粘着シート1Bの一方の剥離シート12a(または12b)を剥離して、粘着シート1Bの露出した粘着剤層11と位相差板とを貼合する。次いで、基材13として偏光板を使用した粘着シート1Aの剥離シート12を剥離して、粘着シート1Aの露出した粘着剤層11と上記位相差板とを貼合する。さらに、上記粘着シートBの粘着剤層11から他方の剥離シート12b(または12a)を剥離して、粘着シートBの露出した粘着剤層11と液晶セルとを貼合する。
なお、粘着シート1A,1Bにおける粘着剤層11は、ヘイズ値(JIS K7136:2000に準じて測定した値)が、1.0%以下であることが好ましく、特に0.9%以下であることが好ましく、さらには0.8%以下であることが好ましい。ヘイズ値が1.0%以下であると、透明性が非常に高く、光学用途として好適なものとなる。
また、本実施形態に係る、基材13を偏光板とする粘着シート1A(以下、「粘着剤層付き偏光板」と称する場合がある。)は、無アルカリガラスを被着体とする粘着力が、0.1〜30N/25mmであることが好ましく、特に1〜20N/25mmであることが好ましい。なお、ここでいう粘着力は、基本的にはJIS Z0237:2009に準じた180°引き剥がし法により測定した粘着力をいうが、測定サンプルは25mm幅、100mm長とし、当該測定サンプルを被着体に対し0.5MPa、50℃で20分加圧して貼付した後、常圧、23℃、50%RHの条件下で24時間放置してから、剥離速度300mm/minにて測定するものとする。
以上の粘着シート1A,1Bによれば、例えば偏光板の接着に適用した場合に、高温条件下や湿熱条件下でも、優れた耐久性が発揮される。例えば、80℃の高温条件下や60℃・90%RHの湿熱条件下に500時間おいた場合にも、浮き、剥がれ等が発生することが防止・抑制される。また、本実施形態に係る粘着シート1A,1Bの粘着剤層11は、カルボン酸フリーであるため、被着体が金属層や透明導電膜などの場合でも、それらを腐食させたり、透明導電膜の抵抗値を変化させたりすることを抑制することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、粘着シート1Aの剥離シート12は省略されてもよいし、粘着シート1Bにおける剥離シート12a,12bのいずれか一方は省略されてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体の調製
アクリル酸n−ブチル99質量部およびアクリル酸4−ヒドロキシブチル1質量部を共重合させて、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を調製した。この(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の分子量を後述する方法で測定したところ、重量平均分子量150万であった。得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、酢酸エチルおよびメチルエチルケトンにて固形分濃度15質量%に希釈した。
2.粘着性組成物の調製
上記工程(1)で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、ポリイソシアネート化合物(B)としてのキシレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト体0.15質量部と、シランカップリング剤(C)としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製,KBM−403)0.20質量部と、β−ジカルボニル構造を有する揮発性化合物としてのアセチルアセトン(沸点140℃)0.5質量部とを混合した。これに、有機チタニウムオキサイド化合物(D)としてのジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン(マツモトファインケミカル社製,オルガチックス TC−750)0.01質量部を添加し、十分に攪拌して、メチルエチルケトンにて固形分濃度13質量%に希釈することにより、粘着性組成物の塗布溶液を得た。なお、アセチルアセトンの配合量に関しては、固形分換算値ではなく純分換算値とする(以下同じ)。
3.粘着剤層付き偏光板の製造
得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した剥離シート(リンテック社製,SP−PET3811,厚さ:38μm)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが20μmになるようにナイフコーターで塗布したのち、90℃で1分間加熱処理して塗布層を形成した。
次いで、ディスコティック液晶層付偏光フィルムからなる、偏光フィルムと視野角拡大フィルムとが一体化した偏光板を、上記塗布層の露出面とディスコティック液晶層の表面とが接するように、上記塗布層と貼合し、23℃、50%RHで10日間養生することにより、粘着剤層付き偏光板を得た。
〔実施例2〜5,比較例1〜5〕
シランカップリング剤(C)および有機チタニウムオキサイド化合物(D)の配合量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして粘着剤層付き偏光板を製造した。
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC−8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
〔試験例1〕(耐久性評価)
実施例および比較例で得られた粘着剤層付き偏光板を、裁断装置(荻野製作所社製スーパーカッター,PN1−600)を用いて108mm×166mmサイズに調整した。剥離シートを剥がして、露出した粘着剤層を介して無アルカリガラス(コーニング社製,イーグルXG)に貼付したのち、栗原製作所製オートクレーブにて0.5MPa、50℃で、20分加圧した。
その後、下記の耐久条件の環境下に投入し、500時間後に10倍ルーペを用いて観察を行い、以下の判断基準で耐久性を評価した。結果を表1に示す。
◎:浮きがない、または端部からの浮きが0.5mm以下のもの
○:端部から0.5mm超1.0mm以下の浮きがあるもの
×:端部から1mm超の浮きがある、またはガラスから剥がれた部分があるもの
<耐久条件>
・耐熱:乾燥下80℃
・耐湿熱:60℃・相対湿度90%RH
・ヒートショック:−35℃⇔70℃各30分のヒートサイクル試験
〔試験例2〕(ゲル分率の測定)
実施例または比較例にて粘着剤層付き偏光板の作製に使用した偏光板に替えて、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した剥離シート(リンテック社製,SP−PET3801,厚さ:38μm)を使用し、粘着シートを作製した。具体的には、実施例または比較例の製造過程で得られた剥離シート(SP−PET3811)/塗布層(厚さ:20μm)からなる構成体の露出している塗布層上に、上記剥離シート(SP−PET3801)を剥離処理面側が接するように積層した。その後、23℃、50%RHの条件下で10日間養生することにより、剥離シート/粘着剤層/剥離シートの構成からなる粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを80mm×80mmのサイズにサンプリングして、その粘着剤層をポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ♯200)に包み、粘着剤のみの質量を精密天秤にて秤量した。このときの質量をM1とする。
次に、上記ポリエステル製メッシュに包まれた粘着剤を、室温下(23℃)で酢酸エチルに24時間浸漬させた。その後粘着剤を取り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後の粘着剤のみの質量を、精密天秤にて秤量した。このときの質量をM2とする。ゲル分率(%)は、(M2/M1)×100で表される。結果を表1に示す。
Figure 2015010195
表1から明らかなように、実施例で得られた粘着剤層付き偏光板は、耐久性に優れていた。
〔参考例1〜5;粘度測定〕
アクリル酸n−ブチル98.5質量部とアクリル酸2−ヒドロキシエチル1.5質量部とを共重合してなる、重量平均分子量150万の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)としてのキシレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト体0.3質量部を添加し、メチルエチルケトンにて溶液の粘度が5000mPa・s程度となるよう調整した。その後、β−ジカルボニル構造を有する揮発性化合物としてのアセチルアセトンと、有機チタニウムオキサイド化合物(D)としてのジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン(マツモトファインケミカル社製,オルガチックス TC−750)またはチタンテトラキス(アセチルアセトネート)(マツモトファインケミカル社製,オルガチックス TC−401)とを、表2に示す量にて添加し、十分に攪拌して、粘着性組成物の塗布溶液を得た。
そして、上記塗布溶液について、調製直後からの粘度変化を経時(2時間後,8時間後,24時間後,48時間後)で測定した。粘度(mPa・s)は、B型粘度計を使用し、No.4の冶具で60rpmにて測定した。なお、塗布溶液は、温度23℃±5℃、湿度50±5%の環境下で、測定時以外は容器を密閉して保管した。結果を表2に示す。
Figure 2015010195
表2より、上記の成分(A)、(B)および(D)を含有する粘着性組成物の塗布溶液は、アセチルアセトン(揮発性のβ−ジカルボニル化合物)を含有することによって、粘度上昇が抑えられることが分かった。なお、シランカップリング剤(C)の有無は塗布溶液の粘度に影響を与えないため、上記の例ではシランカップリング剤(C)を含有させなかった。
本発明の粘着性組成物および粘着剤は、一例として、光学部材、具体的には偏光板や位相差板の接着に好適であり、また、本発明の粘着シートは、例えば、偏光板や位相差板等の光学部材用の粘着シートとして好適である。
1A,1B…粘着シート
11…粘着剤層
12,12a,12b…剥離シート
13…基材

Claims (11)

  1. (メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、
    ポリイソシアネート化合物(B)と、
    エポキシ基を有するシランカップリング剤(C)と、
    有機チタニウムオキサイド化合物(D)と
    を含有する粘着性組成物であって、
    前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、カルボキシル基を有するモノマーを含有せず、水酸基を有するモノマーを含有し、
    前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)の含有量は、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.008〜0.04質量部である
    ことを特徴とする粘着性組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)は、当該重合体を構成するモノマー単位として、前記水酸基を有するモノマーを0.05〜30質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着性組成物。
  3. 前記シランカップリング剤(C)の含有量は、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着性組成物。
  4. 前記ポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部に対して、0.01〜15質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着性組成物。
  5. 前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)は、β−ジカルボニル化合物を配位子として有するチタン錯体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着性組成物を架橋してなる粘着剤。
  7. 請求項6に記載の粘着剤の製造方法であって、
    少なくとも前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)と、β−ジカルボニル構造を有し、沸点が200℃以下である揮発性化合物とを含有する溶液を調製した後に前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)を添加することを要件とし、前記粘着性組成物を得て、
    得られた粘着性組成物を架橋させる時に、前記揮発性化合物を揮発させる
    ことを特徴とする粘着剤の製造方法。
  8. 前記揮発性化合物を、前記有機チタニウムオキサイド化合物(D)の添加量に対するモル比で5倍以上、かつ前記溶液全体の質量に対して5質量%以下の割合で前記溶液に添加することを特徴とする請求項7に記載の粘着剤の製造方法。
  9. 前記揮発性化合物は、アセチルアセトンおよびエチルアセトアセテートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載の粘着剤の製造方法。
  10. 基材と、粘着剤層とを備えた粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、請求項6に記載の粘着剤からなる
    ことを特徴とする粘着シート。
  11. 2枚の剥離シートと、
    前記2枚の剥離シートの剥離面と接するように前記剥離シートに挟持された粘着剤層と
    を備えた粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、請求項6に記載の粘着剤からなる
    ことを特徴とする粘着シート。
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