JP2015010171A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Kenji Yamamoto
賢二 山本
梅原 一浩
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一浩 梅原
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、従来用いられている潤滑油組成物と比較して、摩耗防止効果の高い潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】下記の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
Figure 2015010171

(式中、Aは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜10の数を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、摩耗を防止する効果を発揮する潤滑油組成物に関する。
潤滑油とは、機械の接触部の摩擦を少なくするために使用する油であり、代表的なものとして、エンジン油等が挙げられる。自動車等のエンジン油には、一般的に、潤滑、冷却、防錆など様々な働きを担っており、それらの効果を補う添加剤が数種使用されている。その中でもエンジンの金属と金属の間隙にあって金属同士の摩耗を防止し、エンジン各部を円滑に作動させる潤滑作用というのは、最も重要な役割と言え、これに対する要求性能は非常に大きい。
摩耗を防止するために加えられる添加剤は摩耗防止剤と呼ばれ、一般的に特定のリン系や硫黄系の化合物、又はこれらの組み合わせが昔からよく知られている。
例えば、特許文献1には、潤滑油基油(鉱油・合成油)に対して、清浄剤として全塩基価(TBN)165mgKOH/gを有するカルシウム・アルキサリチレート{カルシウム(Ca)含有量6.0質量%}を質量%で5.8〜8.3、酸化防止剤兼摩耗防止剤としてプライマリアルキル型ジンク・ジチオホスフェートを亜鉛(Zn)の質量%で0.09〜0.13、摩擦調整剤兼磨耗防止剤として油溶性オキシモリブデン・ジアルキルジチオホスフェートを、モリブデン(Mo)の質量%で0.02〜0.04を配合したことを特徴とする排気ガス還流装置付ディーゼルエンジン用エンジンオイルが開示されている。また、特許文献2には、潤滑油基油に、過塩基性アルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、及びサリチレートから選ばれる少なくとも一種の金属系清浄分散剤を配合してなり、組成物中の全リン量が100ppm以下であることを特徴とした耐摩耗性に優れたディーゼルエンジンオイル組成物が開示されている。更に、特許文献3には、基油に、コハク酸イミドの窒素量を0.0 1〜0.2質量%、ジチオリン酸亜鉛の亜鉛量を0.05〜0.12質量%、アミン系酸化防止剤の窒素量を0.02〜0.3質量%、及びホウ素量を0.01〜0.08質量%含有させ、また、硫酸灰分の含有量を0.3質量%以下であるようにする。そして、上記の〔(ジチオリン酸亜鉛の亜鉛量)×(コハク酸イミドの窒素量)〕と〔(ジチオリン酸亜鉛の亜鉛量)×(アミン系酸化防止剤の窒素量)の合計値が0.015〜0.06であるようにすることを特徴とした動弁系の摩耗を低下させるディーゼルエンジン用の潤滑油組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているようないずれの方法も摩耗防止効果は不十分であり、市場ではより効果の高い潤滑油組成物が求められている。
特開平7−207290号公報 特開平11−1694号公報 特開2011−256374号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、従来用いられている潤滑油組成物と比較して、摩耗防止効果の高い潤滑油組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする潤滑油組成物である。
Figure 2015010171
(式中、Aは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜10の数を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
本発明の効果は、従来用いられている潤滑油組成物と比較して、摩耗防止効果の高い潤滑油組成物を提供したことにある。
本発明の潤滑油組成物は、下記の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする潤滑油組成物である。
Figure 2015010171
(式中、Aは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜10の数を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
一般式(1)においてAは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びシクロアルキル基等が挙げられ、脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコサレン基、及びこれら全ての異性体等が挙げられ、シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、ジシクロペンチレン基、及びトリシクロペンチレン基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、例えば、以下の一般式(2)で表される基、一般式(3)で表される基、一般式(4)で表される基、ナフチレン基、及び1,2−ジフェニルエチレン基等が挙げられる。ここで、一般式(2)で表される基の場合、結合する箇所によってオルト体、メタ体、及びパラ体の3つの構造になるが、いずれの構造であってもよく、これらの違いによって性能は変わらない。これらの中でもAは、摩耗防止効果が高いことから、芳香族炭化水素基が好ましく、一般式(2)、一般式(3)、又は一般式(4)で表される基がより好ましく、一般式(2)、又は一般式(3)で表される基が更に好ましく、一般式(2)で表される基が最も好ましい。
Figure 2015010171
一般式(1)のnは平均重合度を表し、本発明の潤滑油組成物中に含有する化合物として、摩耗防止効果を充分に発揮させるためには、nは1〜10の数であり、好ましくは、1〜5の数である。また、平均重合度nは、一般式(1)で表される化合物のモル比から計算され、例えば、n=1の化合物が50モル% 、n=2の化合物が50モル%の組成ならば、平均重合度は1.5となる。なお、nの値は高速液体クロマトグラフィーの測定結果から算出できる。本発明の潤滑油組成物中に含有する化合物としては、一般式(1)のnが0である化合物(リン酸トリフェニル、及びリン酸トリアルキルフェニル等)や、nが11以上の化合物が不純物として混入することもあるが、これらの含有量は一般式(1)で表される化合物100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。これらの化合物の含有量が10質量部を超えると、本発明の潤滑油組成物の摩耗防止効果が劣化する場合がある。
一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、こうしたアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、及びこれら全ての異性体等が挙げられる。これらの中でも、R〜Rは水素原子、又は炭素数が1〜10であることが好ましく、水素原子、又は炭素数1〜5であることがより好ましい。
本発明の潤滑油組成物の摩耗防止効果を更に高めるためには、一般式(1)で表される化合物のnは、1.0〜5.0の範囲内にあることが好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.0が更に好ましく、1.0〜1.5が最も好ましい。nが1.0未満の場合や5.0を超える場合は摩耗防止効果が低くなる場合や、潤滑油に対する溶解性が劣る場合がある。なお、一般式(1)のnがゼロである化合物や、nが11以上の化合物が混入している場合、本発明の潤滑油組成物中に含有する化合物の平均重合度を算出する際に、これらの化合物のnの値を含めないものとする。また、nは平均重合度を満たせば、nの組成比の制限は特にないが、十分な効果を得るためには、モル比で、nが1の化合物が30〜100%、且つnが2〜10の化合物が0〜70%が好ましく、nが1の化合物が70〜100%、且つnが2〜10の化合物が0〜30%がより好ましい。nが1の化合物が30%未満の場合は、潤滑油への溶解が困難になる場合や摩耗防止効果が低くなる場合がある。
一般式(1)で表される化合物を製造する方法としては、公知の方法のいずれの方法を使用してもよく、例えば、Aが一般式(2)で表される化合物の場合は以下の方法により目的物を得ることができる。
<方法1>
Aが一般式(2)で表され、一般式(1)のnの値が1〜5の化合物を製造する場合は、1モルの1,3−ベンゼンジオールと2モルのオキシ塩化リンとを反応させた後に、フェノール、及びアルキルフェノールの少なくとも一種を4モル反応させればよい。この場合、各原料のモル比を変えることによってnの値の異なった化合物を製造することができるが、通常いずれのモル比で合成しても、精製を行わなければnの値が異なった化合物の混合物が得られる。
<方法2>
Aが一般式(2)で表され、一般式(1)のnの値が1の化合物を製造する場合は、1モルの1,3−ベンゼンジオールとクロロリン酸ジフェニル、及びクロロリン酸ジアルキルフェニルの少なくとも一種を2モル反応させることにより得られる。
Aが一般式(3)、又は一般式(4)で表される化合物を製造する場合は、Aが一般式(2)の場合と同様に上記方法1、又は2に準じて製造することが可能である。
<方法3>
Aが一般式(3)、又は一般式(4)で表され、一般式(1)のnの値が1〜5の化合物を製造する場合は、それぞれ1モルの4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール、又は4,4’−ビフェノールと2モルのオキシ塩化リンとを反応させた後に、フェノール、及びアルキルフェノールの少なくとも一種を4モル反応させればよい。この場合もAが一般式(2)の場合と同様に各原料のモル比を変えることによってnの値の異なった化合物を製造することができるが、通常いずれのモル比で合成しても、精製を行なわなければnの値が異なった化合物の混合物が得られる。
<方法4>
Aが一般式(3)、又は一般式(4)で表され、一般式(1)の値が1の化合物を製造する場合は、それぞれ1モルの4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール、又は4,4’−ビフェノールとクロロリン酸ジフェニル、及びクロロリン酸ジアルキルフェニルの少なくとも一種を2モル反応させることより得られる。
本発明の潤滑油組成物中に含有する化合物は、方法1、又は3により製造した化合物をそのまま使用してもよいし、方法1により製造した化合物と方法2により製造した化合物、又は方法3により製造した化合物と方法4により製造した化合物を混合して使用してもよい。
次に、本発明の一般式(1)で表される化合物は、基油100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜7質量部、より好ましくは0.05〜5質量部配合する。配合量が少なすぎると摩耗防止剤としての効果が発揮できない場合があり、配合量が多すぎると不溶解物が出てくる場合や配合量に見合った効果を得られない場合がある。
使用可能な基油としては、例えば、グループI、グループII、グループIII等の鉱物油、グループIV、グループV等の合成油、及びこれらの混合物等が挙げられ、これらはAPI(アメリカ石油協会 American Petroleum Institute)によって分類されており、それぞれの内容物は下表1に示した。
Figure 2015010171
これらの基油の中でも、摩耗改善効果が高いことから、グループIII、グループIV、及びグループVが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、公知の潤滑油添加剤を使用目的に応じて適宜使用することが可能であり、例えば、本発明に配合される化合物以外の摩耗防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、耐荷重添加剤、消泡剤、金属不活性化剤、乳化剤、抗乳化剤、及びかび防止剤等が挙げられる。
本発明のエンジン油組成物中に含有する化合物以外の摩耗防止剤、若しくは極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、硫化オレフィン、ジベンジルスルフィド、エチル−3−[[ビス(1−メチルエトキシ)フォスフィノチオイル]チオ]プロピオネート、トリス−[(2、又は4)−イソアルキルフェノール]チオフォスフェート、3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸、トリフェニルフォスフォロチオネート、β−ジチオホスフォリル化プロピオン酸、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメイト)、O,O−ジイソプロピル−ジチオフォスフォリルエチルプロピオネート、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンチオ)1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、ジオクチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、モノイソプロピルフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフェニルフォスフェート、モノターシャリーブチルフェニルフォスフェート、ジ−tert−ブチルフェニルフォスフェート、トリ−tert−ブチルフェニルフォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、モノオクチルフォスファイト、ジオクチルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト、モノブチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、モノフェニルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、モノイソプロピルフェニルフォスファイト、ジイソプロピルフェニルフォスファイト、トリイソプロピルフェニルフォスファイト、モノ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、ジ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、及びトリ−tert−ブチルフェニルフォスファイト等のリン系化合物;一般式(5)で表されるジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオリン酸金属塩(Sb,Mo等)、ジチオカルバミン酸金属塩(Zn,Sb,Mo等)、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属塩、リン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、及び亜リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物;その他、ホウ素化合物、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、リン酸エステルアミン塩、及びトリフェニルチオリン酸エステルとtert−ブチルフェニル誘導体の混合物等が挙げられる。
Figure 2015010171
(式中、R〜R12は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の第1級アルキル基、第2級アルキル基、又はアリール基を表す。)
一般式(5)において、R〜R12は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基等の1級アルキル基;2級プロピル基、2級ブチル基、2級ペンチル基、2級ヘキシル基、2級ヘプチル基、2級オクチル基、2級ノニル基、2級デシル基、2級ウンデシル基、2級ドデシル基、2級トリデシル基、2級テトラデシル基、2級ペンタデシル基、2級ヘキサデシル基、2級ヘプタデシル基、2級オクタデシル基、2級ノナデシル基、及び2級イコシル基等の2級アルキル基;3級ブチル基、3級ペンチル基、3級ヘキシル基、3級ヘプチル基、3級オクチル基、3級ノニル基、3級デシル基、3級ウンデシル基、3級ドデシル基、3級トリデシル基、3級テトラデシル基、3級ペンタデシル基、3級ヘキサデシル基、3級ヘプタデシル基、3級オクタデシル基、3級ノナデシル基、及び3級イコシル基等の3級アルキル基;分岐ブチル基(イソブチル基等)、分岐ペンチル基(イソペンチル基等)、分岐ヘキシル基(イソヘキシル基)、分岐ヘプチル基(イソヘプチル基)、分岐オクチル基(イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等)、分岐ノニル基(イソノニル基等)、分岐デシル基(イソデシル基等)、分岐ウンデシル基(イソウンデシル基等)、分岐ドデシル基(イソドデシル基等)、分岐トリデシル基(イソトリデシル基等)、分岐テトラデシル基(イソテトラデシル基)、分岐ペンタデシル基(イソペンタデシル基等)、分岐ヘキサデシル基(イソヘキサデシル基)、分岐ヘプタデシル基(イソヘプタデシル基等)、分岐オクタデシル基(イソオクタデシル基等)、分岐ノナデシル基(イソノナデシル基等)、及び分岐イコシル基(イソイコシル基等)等の分岐アルキル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、及びベンジルフェニル基等のアリール基が挙げられる。これら摩耗防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%である。
金属系清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート、及びこれらの過塩基性塩等が挙げられる。これらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバー) が10〜500mgKOH/gのものがより好ましい。これらの金属系清浄剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
無灰分散剤としては、滑油に用いられる任意の無灰分散剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、炭素数40〜400の直鎖、若しくは分枝状のアルキル基、又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物、又はその誘導体等が挙げられる。具体的には、コハク酸イミド、コハク酸アミド、コハク酸エステル、コハク酸エステル−アミド、ベンジルアミン、ポリアミン、ポリコハク酸イミド及びマンニッヒ塩基等が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、チオリン酸、チオリン酸塩等のリン化合物、有機酸、及びヒドロキシポリオキシアルキレンカーボネート等を作用させたもの等が挙げられる。アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下する場合があり、一方、アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化する場合がある。これらの無灰分散剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(以下、tert−ブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4 −エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2− メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6− ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3, 5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t −ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5− ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6− t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5− t−ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3− ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t− ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3− (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t− ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘプチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ノニル−3−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、[3,5−ビス(1,1−ジメチル-エチル)−4−ヒドロキシ]ベンゼンプロピオン酸C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジイルビス(2−メチルプロパン−2,1−ジイル)ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−リン酸ジエステル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2 −メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルキルエステル、及びビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等のフェノール系酸化防止剤;1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−1,1,3,3−テトラメチルブチルナフタレン−1−アミン、アルキルフェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、及びフェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’−ジイソプロピル− p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p− フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、及びフェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、ジアルキルフェニルアミン、ビス(4−n−ブチルフェニル)アミン、ビス(4−t−ブチルフェニル)アミン、ビス(4−n−ペンチルフェニル)アミン、ビス(4−t−ペンチルフェニル)アミン、ビス(4−n−オクチルフェニル)アミン、ビス(4−(2−エチルヘキシル)フェニル)アミン、ビス(4−ノニルフェニル)アミン、ビス(4−デシルフェニル)アミン、ビス(4−ドデシルフェニル)アミン、ビス(4−スチリルフェニル)アミン、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン、及びN−フェニルベンゼンアミンと2,2,4−トリメチルペンテンの反応生成物等のジフェニルアミン系酸化防止剤; フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、及びフェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい配合量は、潤滑油組成物全量に対して0.01〜5質量% 、より好ましくは0.05〜4質量%である。
摩擦調整剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、及びラウリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸、及びラウリン酸等の脂肪酸類;オレイン酸グリセリルエステル、ステアリン酸グリセリルエステル、ラウリン酸グリセリルエステル、アルキルグリセリルエステル、アルケニルグリセリルエステル、アルキニルグリセリルエステル、エチレングリコールオレイン酸エステル、エチレングリコールステアリン酸エステル、エチレングリコールラウリン酸エステル、プロピレングリコールオレイン酸エステル、プロピレングリコールステアリン酸エステル、及びプロピレングリコールラウリン酸エステル等のエステル類;オレイルアミド、ステアリルアミド、ラウリルアミド、アルキルアミド、アルケニルアミド、及びアルキニルアミド等のアミド類;オレイルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、アルキルアミン、アルケニルアミン、アルキニルアミン、ココビス(2-ヒドロキシエチル)アミン、牛脂ビス(2-ヒドロキシエチル)アミン、N−(2−ヒドロキシヘキサデシル)ジエタノールアミン、及びジメチル牛脂三級アミン等のアミン類;オレイルグリセリルエーテル、ステアリルグリセリルエーテル、ラウリルグリセリルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、アルケニルグリセリルエーテル、及びアルキニルグリセリルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら摩擦調整剤の好ましい配合量は、基油に対して0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
摩擦低減剤としては、例えば、下記一般式(6)で表される硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、一般式(7)で表される硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート、及び一般式(8)で表されるアルキルアミンと5価、又は6価のモリブデン原子を有する化合物との反応物等の有機モリブデン化合物が挙げられる。
Figure 2015010171
(式中、R13〜R16は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、X〜Xは硫黄原子、又は酸素原子を表す。)
Figure 2015010171
(式中、R17〜R20は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、X〜Xは硫黄原子、又は酸素原子を表す。)
Figure 2015010171
(式中、R21、及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表すが、同時に水素原子であることは無い。)
一般式(6)において、R13〜R16は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、及びこれら全ての異性体等の飽和脂肪族炭化水素基;エテニル基(ビニル基)、プロペニル基(アリル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、及びこれら全ての異性体等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、及びこれら全ての異性体等の芳香族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基、及びこれら全ての異性体等のシクロアルキル基等が挙げられる。一般式(7)のR17〜R20、一般式(8)のR21、及びR22もまた、一般式(6)のR13〜R16と同様、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、上記に記載したものと同様のものが挙げられる。これら摩擦低減剤の好ましい配合量は、基油に対してモリブデン含量で30〜2000質量ppm、より好ましくは50〜1000質量ppmである。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジメチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体、オレフィンコポリマー(OCP)、及びスターポリマー等が挙げられる。或いは、分散性能を付与した分散型、若しくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は10,000〜1,500,000、好ましくは20,000〜500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜20質量%、より好ましくは0.3〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリビニルアセテート等が挙げられ、重量平均分子量は1000〜100,000、好ましくは5000〜50,000程度である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、基油に対して0.005〜3質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類アミン塩、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、及びラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
腐食防止剤、金属不活性化剤としては、例えば、トリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、又はこれら化合物の誘導体である、2−ヒドロキシ−N−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ベンズアミド、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、及び2,2’−[[(4、又は5、又は1)−(2−エチルヘキシル)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられ、他にもビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、テトラアルキルチウラムジサルファイド、N’1,N’12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジハイドラジド、3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)−N’−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)プロパンハイドラジド、テトラプロぺニルコハク酸と1,2−プロパンジオールのエステル化物、ジソディウムセバケート、(4−ノニルフェノキシ)酢酸、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、トリルトリアゾールのナトリウム塩、及び(Z)−N−メチルN−(1−オキソ9−オクタデセニル)グリシン等が挙げられる。これら腐食防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンオイル、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、及びソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、基油に対して0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.01質量%である。
本発明の潤滑油組成物は、車両用潤滑油(例えば、自動車やオートバイ等のガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油等)、工業用潤滑油(例えば、ギヤー油、タービン油、油膜軸受油、冷凍機用潤滑油、真空ポンプ油、圧縮用潤滑油、多目的潤滑油等)等に使用することができる。中でも、本発明の潤滑油組成物は、車両用潤滑油に使用することが好ましい。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
本発明の潤滑油組成物の配合例を以下表2〜11に示した。
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
Figure 2015010171
以下に、上記配合例1〜88に用いたの添加剤について詳細に説明する。
基油1:40℃動粘度23mm2/s、100℃動粘度4mm/s、粘度指数VI=100のグループI鉱物油。
基油2:40℃動粘度12mm2/s、100℃動粘度3mm/s、粘度指数VI=100のグループII鉱物油。
基油3:40℃動粘度20mm2/s、100℃動粘度4mm/s、粘度指数VI=124のグループIII鉱物油。
基油4:40℃動粘度18mm2/s、100℃動粘度4mm/s、粘度指数VI=119のグループIV合成油。
基油5:40℃動粘度9mm2/s、100℃動粘度2mm/s、粘度指数VI=35のグループV鉱物油。
基油6:2−エチルヘキサノールとオレイン酸のエステル
基油7:ペンタエリスリトールと混合酸(カプリル酸、イソヘプタン酸)のエステル
基油8:2−エチルヘキサノールとトリメリット酸のエステル
基油9:混合アルコール(C6〜C10)とピロメリット酸のエステル
耐摩耗剤1:一般式(1)で表されるリン化合物(A=式(2)、n=1.2、R〜R=水素原子)
耐摩耗剤2:一般式(1)で表されるリン化合物(A=式(2)、n=1.2、R,R,R,R=ターシャリーブチル基、R,R,R,R=水素原子)
耐摩耗剤3:一般式(1)で表されるリン化合物(A=式(3)、n=1.2、R〜R=水素原子)
耐摩耗剤4:トリクレジルフォスフェート
耐摩耗剤5:ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)
摩擦低減剤1:一般式(6)で表される有機モリブデン化合物(MoDTC)
摩擦低減剤2:一般式(7)で表される有機モリブデン化合物(MoDTP)
摩擦調整剤1:オレイン酸グリセリルエステル
摩擦調整剤2:オレイルグリセリルエーテル
摩擦調整剤3:ココビス(2−ヒドロキシエチル)アミン
摩擦調整剤4:牛脂ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン
摩擦調整剤5:N−(2−ヒドロキシヘキサデシル)ジエタノールアミン
摩擦調整剤6:ジメチル牛脂三級アミン
酸化防止剤1:[3,5−ビス(1,1−ジメチル-エチル)−4−ヒドロキシ]ベンゼンプロピオン酸C7−C9側鎖アルキルエステル
酸化防止剤2:N−フェニル−1,1,3,3−テトラメチルブチルナフタレン−1−アミン
酸化防止剤3:ジアルキルジフェニルアミン
酸化防止剤4:ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t− ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
酸化防止剤5:オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
粘度指数向上剤1:ポリアルキルメタクリレート
粘度指数向上剤2:オレフィンコポリマー(OCP)
粘度指数向上剤3:スターポリマー
清浄剤1:TBN=300のCaスルフォネート
清浄剤2:TBN=100のCaフェネート
清浄剤3:TBN=280のCaサリシレート
分散剤1:ポリアルケニルコハク酸イミド
分散剤2:ポリアルケニルコハク酸イミドとポリアルケニルコハク酸イミドのホウ素化物の混合物
流動点降下剤1:エチレン−酢酸ビニル共重合体
防錆剤1:ジノニルナフタレンスルホン酸
腐食防止剤(金属不活性化剤)1:ベンゾトリアゾール誘導体
消泡剤1:粘度100csのシリコーンオイル
消泡剤2:粘度300csのシリコーンオイル
次に、上記配合例1〜88のうち、いくつか抜粋し、ASTM規格 D5707を参考に、SRV試験機(メーカー名 Optimol、型式 type3)を用いて摩耗防止効果有無を評価した。以下評価条件で、点接触法(Ball on Disk)にて試験を行い、試験後のBallについた摩耗痕の大きさについて、以下評価方法で評価した。
試験条件
・ 荷重 200 N
・ 振幅 4.0 mm
・ 周波数 20 Hz
・ 温度 80 ℃
・ 時間 60 min
評価方法
◎ : 摩耗痕径 〜 0.55 mm
○ : 摩耗痕径 0.56 〜 0.65 mm
△ : 摩耗痕径 0.66 〜 0.85 mm
× : 摩耗痕径 0.85 〜 mm
以下に、本発明の潤滑油組成物の耐摩耗性を示す実施例と比較例を示す(表12)。
Figure 2015010171
以上より、本発明の潤滑油組成物は、従来から用いられている潤滑油組成物と比較して、摩耗防止効果の高い潤滑油組成物であることがわかる。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
    Figure 2015010171
    (式中、Aは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜10の数を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
  2. 一般式(1)のAが、以下の式(2)〜(4)の群から選択されるいずれか1つの構造で表されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
    Figure 2015010171
  3. 基油100質量部に対して、一般式(1)で表される化合物が0.01〜10質量部含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 基油は、鉱物油、及び合成油から選択される1種、又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  5. 更に、一般式(1)で表される化合物以外の摩耗防止剤、極圧剤、摩擦調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩擦低減剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、及び消泡剤からなる群から選択される1種、又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
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