JP6296503B2 - 過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法、及び同エンジンのエンジン油用自己着火点上昇剤 - Google Patents

過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法、及び同エンジンのエンジン油用自己着火点上昇剤 Download PDF

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Description

本発明は、過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法、及び同エンジンのエンジン油用自己着火点上昇剤に関する。
省燃費は、全世界の自動車産業において非常に重要な課題である。省燃費を目的に、これまで多くの機関や企業によって、エンジンやエンジン油の改良・開発等が進められてきた。近年は、排気量の小さなエンジンにターボチャージャー等の過給機を付け、更に燃料噴射を直噴にした過給機付き直噴エンジン(特許文献1、2参照)に注目が集まっている。このエンジンは、エンジン自体を小型化することで燃費を改善し、排気量が小さくなり相対的に出力が低下するデメリットを、ターボチャージャー等の過給機で補っている。しかしながら、上記エンジンがガソリンエンジンである場合には、燃焼量が増加し、出力は向上するものの、同時にシリンダー内の温度も高くなるためノッキングが起こり易くなる。そのため、ガソリンを直接エンジン内に供給する直噴エンジンにすることでその影響を低減している。ゆえに、この過給機付き直噴エンジンは、エンジンの小型化による機械損失の低減と車体の軽量化による燃費向上が期待できるとともに、不足する出力を過給により補うことで、快適な走りと省燃費性能を両立させることが可能となる。
一方、上記の対策とは別に、燃費改善と快適な走りを実現するための方策として、エンジンの低回転領域で高過給するシステムの構築も進められている(特許文献3)。これは、低回転領域の出力を上げることで、エンジンから得られるエネルギーのロスを低減し、結果的に燃費改善と快適な走りが実現可能となるシステムである。
そこで、上記二つの案を組み合わせることで、更なる燃費改善と快適な走りが期待できることから、過給機付き直噴エンジンの低回転領域において出力を高める検討が行われた。しかしながら、この検討において、非常に重大な問題が浮上した。それは、ロースピードプレイグニッション(LSPI)と呼ばれる異常燃焼の発生である。
LSPIとは、スパークプラグの点火時前から自着火現象が起こる異常燃焼の一つであり、特に、過給機付き直噴エンジンの低回転高過給時に頻繁に発生し、その明確な発生原因についてはわかっていない。通常の燃焼時やスパークノック発生時に比べ、燃焼圧力等が非常に大きくなり、通常燃焼時の数倍に及ぶ場合があるため、実用化した場合、燃焼圧力が設計上限を上回り、エンジンを損傷させることが懸念される。
これまでLSPIの発生要因としては、過給率との関係、点火のタイミングや燃料噴射のタイミングとの関係、ブローバイオイルとの関係、冷却水温度との関係、混合気温度、リングテンションとの関係、エンジン油との関係、燃料組成との関係等が考えられてきたが、明確な要因は断定出来ていない。
近年、LSPIの着火源として、エンジン燃焼室内に飛散する少量の油滴が関与している可能性が示唆されている。また、高温高圧下のエンジン燃焼室中における油滴の酸化速度がLSPI発生頻度に影響を及ぼし、高圧下でのエンジン油の自己着火性とLSPI発生頻度に強い関係性があることが明らかとなった(非特許文献1)。すなわち、高圧下でのエンジン油の自己着火性が高いと、LSPIの発生頻度が高まり、逆に、エンジン油の自己着火性が低いとLSPIの発生頻度が低減することがわかった。尚、エンジン油の自己着火性を直接的に評価する方法としては、自己着火点(自然着火点)の測定が挙げられる。自己着火点が高いエンジン油であればあるほど、エンジン燃焼室内に飛散した油滴の酸化が進行しにくいことを意味し、LSPIの発生頻度を低減させることになる。
過給機付き直噴エンジンにおいて、低回転領域で理想的な過給や高い圧縮比の設定が出来れば、現状以上の燃費の改善と快適な走行の実現に繋がる。よって市場からは、自己着火性を抑制したエンジン油の開発が強く求められている。尚、酸化を抑制するために、通常様々な酸化防止剤がエンジン油に添加されているが、これらは主に常圧且つ長期間にわたる酸化の抑制を目的としている。酸化防止剤はその化学構造により、高い効果を発揮する条件が限定されるため、エンジン燃焼室における高温高圧且つ数ミリ秒と言う極短時間の酸化反応を抑制するためには、これまでとは異なる酸化防止技術が必要と言える。
更に、エンジン油用添加剤として使用される有機モリブデン化合物類に、LSPIの発生を抑える働きがあることが報告された(非特許文献2)。しかしながら、その詳細な検討は行われておらず、LSPI抑制に有効に働く有機モリブデン化合物の構造や添加量等については、更なる調査が必要とされている。
特開2003−27977号公報 特開2010−236467号公報 特開平5−231120号公報
公益社団法人自動車技術会学術講演会前刷集No.70−12 P5〜8 公益社団法人自動車技術会学術講演会前刷集No.70−12 P1〜4
従って、本発明は、過給機付き直噴エンジンにおいて、LSPIの発生を抑えるために、エンジン油の自己着火点を上昇させることを目的とする。
そこで本発明者らは鋭意検討し、特定の構造を有する有機モリブデン化合物が、エンジン油の自己着火点を上昇させることを見出した。この化合物が添加されたエンジン油は過給機付き直噴エンジンのエンジン油として使用するとLSPIの発生頻度を低減させ得る。
具体的に、本願発明は、過給機付き直噴エンジンのためのエンジン油に、下記の構造式(1)で表される化合物を添加することを含む、過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法である。
Figure 0006296503
本発明の効果は、上記(1)で表される有機モリブデン化合物をエンジン油に添加することで、エンジン油の自己着火点を上昇させることができ、このエンジン油組成物を過給機付き直噴エンジンのエンジン油として使用するとLSPIを低減し得る。
各種化合物を添加したエンジン油Aの自己着火点(℃)を示した図である。 一般式(1)の有機モリブデン化合物をエンジン油Bに添加した、若しくは何も添加しない場合の自己着火点(℃)を示した図である。 一般式(1)の有機モリブデン化合物をエンジン油Cに添加した、若しくは何も添加しない場合の自己着火点(℃)を示した図である。
本発明は、過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法、同エンジンのエンジン油用自己着火点上昇剤及び同自己着火点上昇剤を含む過給機付き直噴エンジンのエンジン油用組成物である。具体的には、下記の構造式(1)で表される化合物を過給機付き直噴エンジンに使用するエンジン油に添加することで完成する。
Figure 0006296503
有機モリブデン化合物は、エンジン油用添加剤として知られている化合物の一つである。一般的にエンジン油用添加剤として使用される有機モリブデン化合物には、硫化オキシモリブデンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート、モリブデンアミン等が挙げられ、本発明の自己着火点上昇剤である構造式(1)で表される有機モリブデン化合物は、硫化オキシモリブデンジチオカーバメートの一種である。
構造式(1)で表される有機モリブデン化合物は、エンジン油の自己着火点を上昇させ、過給機付き直噴エンジンのエンジン油として使用することで、低回転高過給時に発生するLSPIの発生を抑制することが出来る。前述した通り、エンジン油用添加剤として知られている有機モリブデン化合物には様々な種類があるが、この構造式(1)で表される有機モリブデン化合物以外の有機モリブデン化合物単体の使用では、エンジン油の自己着火点を上昇させる効果が十分には得られない。
また、本発明の過給機付き直噴エンジン用エンジン油組成物(以下「エンジン油組成物」と称する。)に使用する構造式(1)で表される有機モリブデン化合物の使用量は、エンジン油組成物全量に対して、モリブデン含量で0.02〜0.5質量%であることが好ましく、0.02〜0.2質量%であることがより好ましく、0.02〜0.1質量%であることが最も好ましい。0.02質量%未満であるとエンジン油の自己着火点を上昇させる効果が得られない場合があり、0.5質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合や、スラッジ発生の原因となる場合がある。
本発明のエンジン油組成物は、更にアミン系酸化防止剤を含有することで、構造式(1)で表される有機モリブデン化合物と相乗効果を示し、本発明の効果をより効果的に向上させる。そのため、構造式(1)で表される有機モリブデン化合物を含む本発明のエンジン油組成物に、更にアミン系酸化防止剤を含有し、使用することが好ましい。配合可能なアミン系酸化防止剤としては、エンジン油用添加剤として公知であるものであれば特に制限はなく、例えば、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、N−ナフチル−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェニル)−1−アミン、アルキルフェニル−1−ナフチルアミン、オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、及びフェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、及びフェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、ジ(アルキルフェニル)アミン、ビス(4−n−ブチルフェニル)アミン、ビス(4−t−ブチルフェニル)アミン、ビス(4−n−ペンチルフェニル)アミン、ビス(4−t−ペンチルフェニル)アミン、ビス(オクチルフェニル)アミン、ビス(4−ノニルフェニル)アミン、ビス(4−デシルフェニル)アミン、ビス(4−ドデシルフェニル)アミン、ビス(4−スチリルフェニル)アミン、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン、及びN−フェニルベンゼンアミンと2,2,4−トリメチルペンテンの反応生成物等のジフェニルアミン系酸化防止剤;フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、及びフェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤等が挙げられる。
これらの中でも、構造式(1)で表される有機モリブデン化合物と相乗効果を示し、エンジン油の自己着火点を上昇させる効果が大きいことから、ナフチルアミン系酸化防止剤、ジフェニルアミン系酸化防止剤を使用することが好ましい。また、上記列挙したアミン系酸化防止剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよく、これらアミン系酸化防止剤の配合量は、通常、エンジン油組成物全量に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜4質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。0.01質量%より少ないと、構造式(1)で表される有機モリブデン化合物との相乗効果が得られない場合があり、5質量%より多いと、添加量に見合った効果が得られない場合がある。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に、フェノール系酸化防止剤を配合してもよい。配合可能な酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(以下、tert−ブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4 −エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2− メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t− ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘプチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ノニル−3−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、[3,5−ビス(1,1−ジメチル-エチル)−4−ヒドロキシ]ベンゼンプロピオン酸C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジイルビス(2−メチルプロパン−2,1−ジイル)ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジエステル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルキルエステル、及びビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤を本発明のエンジン油組成物に配合する場合は、1種又は2種以上のアミン系酸化防止剤と併用することが好ましく、フェノール系酸化防止剤を単体で配合しても、アミン系酸化防止剤と同様な、構造式(1)で表される有機モリブデン化合物との相乗効果(本発明の効果を向上させる効果)は得られない。フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤を併用する場合は、その配合比が、質量比で、フェノール系酸化防止剤/アミン系酸化防止剤=5/95〜60/40であることが好ましい。
本発明のエンジン油組成物に使用可能な基油としては特に制限はなく、使用目的や使用条件に応じて、従来エンジン油の基油として使用されている一般的な基油、すなわち鉱物油、化学合成油、動植物油及びこれらの混合油等が挙げられる。ここで、鉱物油としては、例えば、パラフィン基原油、中間基原油又はナフテン基原油を常圧蒸留するか、或いは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油又はこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油及び白土処理油等が挙げられる。化学合成油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリイソブチレン(ポリブテン)、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、シリコーン、フッ素化化合物、GTL(Gas to Liquids)、アルキルナフタレン及びアルキルベンゼン等が挙げられ、動植物油としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油及びヤシ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂が挙げられる。上記に挙げたこれらの各種基油は、一種を用いてもよく、二種以上を適宜組み合せて用いてもよい。これらのエンジン油用基油の中でも、粘度指数が100以上の基油を使用するのが好ましく、粘度指数が100以上のポリ−α−オレフィン、GTL、鉱物油の使用がより好ましい。
本発明のエンジン油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、公知のエンジン油用添加剤を使用目的に応じて更に適宜使用することが可能であり、例えば、摩擦低減剤、摩耗防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、摩擦調整剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、腐食防止剤、金属不活性化剤及び消泡剤が挙げられ、他にも防錆剤、乳化剤、抗乳化剤、及びかび防止剤等が配合される場合がある。
エンジン油用の摩擦低減剤としては、例えば、下記一般式(2)で表される硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、下記一般式(3)で表される硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート、及び下記一般式(4)で表されるモリブデンアミン等が挙げられる。ここで、一般式(2)で表されるR〜Rが全て2−エチルヘキシル基である有機モリブデン化合物は、本発明のエンジン油組成物の必須成分である構造式(1)で表される化合物である。よって、一般式(2)で表されるR〜Rが全て2−エチルヘキシル基である有機モリブデン化合物は、使用目的に応じて適宜使用する添加剤ではなく、必ず本発明のエンジン油組成物に含有しなければならない化合物である。ゆえに、ここで列挙する摩擦低減剤としての硫化オキシモリブデンジチオカルバメートからは、一般式(2)で表されるR〜Rが全て2−エチルヘキシル基である有機モリブデン化合物は除く。本発明のエンジン油組成物は、構造式(1)で表される有機モリブデン化合物を必須成分とし、これとは別に、エンジン油用の摩擦低減剤として、一般式(2)で表される硫化オキシモリブデンジチオカーバメート(構造式(1)で表される有機モリブデン化合物を除く)、一般式(3)で表される硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート、一般式(4)で表されるモリブデンアミン等の群から選ばれる1種又は2種以上の有機モリブデン化合物を、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば含有してもよい。
Figure 0006296503
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。ただし、R〜Rが全て2−エチルヘキシル基である場合は除く。)
Figure 0006296503
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。)
Figure 0006296503
(式中、R、及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表すが、同時に水素原子であることは無い。)
一般式(2)において、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基(これらの基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、第1級でも第2級でも第3級でもよい)等の飽和脂肪族炭化水素基;エテニル基(ビニル基)、プロペニル基(アリル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基(これらの基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、第1級でも第2級でも第3級でもよい)等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基及びβ−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基及びメチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
一般式(3)のR〜R、一般式(4)のR、及びR10もまた、一般式(2)のR〜Rと同様、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、上記に記載したものと同様のものが挙げられる。これらの摩擦低減剤の配合量は、エンジン油組成物全量に対して、本発明の必須成分である構造式(1)で表される有機モリブデン化合物との合計のモリブデン含量が1.0質量%以内となるように配合する。1.0質量%を超えると、スラッジ発生の原因となる場合がある。
摩耗防止剤、若しくは極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、硫化オレフィン、ジベンジルスルフィド、エチル−3−[[ビス(1−メチルエトキシ)フォスフィノチオイル]チオ]プロピオネート、トリス−[(2、又は4)−イソアルキルフェノール]チオフォスフェート、3−(ジイソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸、トリフェニルフォスフォロチオネート、β−ジチオホスフォリル化プロピオン酸、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメイト)、O,O−ジイソプロピル−ジチオフォスフォリルエチルプロピオネート、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンチオ)1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、ジオクチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、モノイソプロピルフェニルフォスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フォスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)フォスフェート、モノ(tert−ブチルフェニル)フォスフェート、ジ(tert−ブチルフェニル)フォスフェート、トリ(tert−ブチルフェニル)フォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、モノ(tert−ブチルフェニル)ジフェニルフォスフェート、ジ(tert−ブチルフェニル)モノフェニルフォスフェート、(ジ−tert−ブチルフェニル)ジフェニルフォスフェート、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)モノフェニルフォスフェート、トリス(ジ−tert−ブチルフェニル)フォスフェート、モノオクチルフォスファイト、ジオクチルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト、モノブチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、モノフェニルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、モノイソプロピルフェニルフォスファイト、ジイソプロピルフェニルフォスファイト、トリイソプロピルフェニルフォスファイト、モノ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、ジ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、及びトリ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、一般式(5)で表される縮合リン酸エステル等のリン系化合物;一般式(9)で表されるジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオリン酸金属塩、ジチオカルバミン酸金属塩、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属塩、リン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、及び亜リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物;その他、ホウ素化合物、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、リン酸エステルアミン塩、及びトリフェニルチオリン酸エステルとtert−ブチルフェニル誘導体の混合物等が挙げられる。
Figure 0006296503
(式中、Aは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜10の数を表し、R11〜R18は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
一般式(5)においてAは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びシクロアルキル基等が挙げられ、脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基及びイコサレン基(これらの基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、第1級でも第2級でも第3級でもよい)等が挙げられ、シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、ジシクロペンチレン基、及びトリシクロペンチレン基等が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、例えば、以下の一般式(6)で表される基、一般式(7)で表される基、一般式(8)で表される基、ナフチレン基、及び1,2−ジフェニルエチレン基等が挙げられる。
Figure 0006296503
一般式(5)においてnは、平均重合度を表し、1〜10の数を表す。
一般式(5)において、R11〜R18は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、こうしたアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基(これらの基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、第1級でも第2級でも第3級でもよい)等が挙げられる。
Figure 0006296503
(式中、R19〜R22は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の第1級アルキル基、第2級アルキル基、又はアリール基を表す。)
一般式(9)において、R19〜R22は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びイコシル基等の第1級アルキル基;第2級プロピル基、第2級ブチル基、第2級ペンチル基、第2級ヘキシル基、第2級ヘプチル基、第2級オクチル基、第2級ノニル基、第2級デシル基、第2級ウンデシル基、第2級ドデシル基、第2級トリデシル基、第2級テトラデシル基、第2級ペンタデシル基、第2級ヘキサデシル基、第2級ヘプタデシル基、第2級オクタデシル基、第2級ノナデシル基、及び第2級イコシル基等の第2級アルキル基;第3級ブチル基、第3級ペンチル基、第3級ヘキシル基、第3級ヘプチル基、第3級オクチル基、第3級ノニル基、第3級デシル基、第3級ウンデシル基、第3級ドデシル基、第3級トリデシル基、第3級テトラデシル基、第3級ペンタデシル基、第3級ヘキサデシル基、第3級ヘプタデシル基、第3級オクタデシル基、第3級ノナデシル基、及び第3級イコシル基等の第3級アルキル基;分岐鎖ブチル基(イソブチル基等)、分岐鎖ペンチル基(イソペンチル基等)、分岐鎖ヘキシル基(イソヘキシル基)、分岐鎖ヘプチル基(イソヘプチル基)、分岐鎖オクチル基(イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等)、分岐鎖ノニル基(イソノニル基等)、分岐鎖デシル基(イソデシル基等)、分岐鎖ウンデシル基(イソウンデシル基等)、分岐鎖ドデシル基(イソドデシル基等)、分岐鎖トリデシル基(イソトリデシル基等)、分岐鎖テトラデシル基(イソテトラデシル基)、分岐鎖ペンタデシル基(イソペンタデシル基等)、分岐鎖ヘキサデシル基(イソヘキサデシル基)、分岐鎖ヘプタデシル基(イソヘプタデシル基等)、分岐鎖オクタデシル基(イソオクタデシル基等)、分岐鎖ノナデシル基(イソノナデシル基等)、及び分岐鎖イコシル基(イソイコシル基等)等の分岐鎖アルキル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、及びベンジルフェニル基等のアリール基が挙げられる。これら摩耗防止剤、若しくは極圧剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.01〜3質量%、好ましくは0.05〜2質量%である。ただし、これら摩耗防止剤、若しくは極圧剤であるジチオリン酸金属塩やジチオカルバミン酸金属塩等の有機金属化合物には、モリブデンを含有する物がある。これらを本発明のエンジン油組成物に配合する際は、エンジン油組成物に対して、エンジン油組成物全量中のモリブデン含量が1.0質量%以内になるよう配合する。1.0質量%を超えると、スラッジ発生の原因となる場合がある。
金属系清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート、及びこれらの過塩基性塩等が挙げられる。これらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバー)が10〜500mgKOH/gのものがより好ましい。これらの金属系清浄剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%である。
無灰分散剤としては、滑油に用いられる任意の無灰分散剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、炭素数40〜400の直鎖、若しくは分枝状のアルキル基、又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物、又はその誘導体等が挙げられる。具体的には、コハク酸イミド、コハク酸アミド、コハク酸エステル、コハク酸エステル−アミド、ベンジルアミン、ポリアミン、ポリコハク酸イミド及びマンニッヒ塩基等が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、チオリン酸、チオリン酸塩等のリン化合物、有機酸、及びヒドロキシポリオキシアルキレンカーボネート等を作用させたもの等が挙げられる。アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の基油に対する溶解性が低下する場合があり、一方、アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、エンジン油組成物の低温流動性が悪化する場合がある。これらの無灰分散剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%である。
摩擦調整剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、及びラウリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸、及びラウリン酸等の脂肪酸類;オレイン酸グリセリルエステル、ステアリン酸グリセリルエステル、ラウリン酸グリセリルエステル、アルキルグリセリルエステル、アルケニルグリセリルエステル、アルキニルグリセリルエステル、エチレングリコールオレイン酸エステル、エチレングリコールステアリン酸エステル、エチレングリコールラウリン酸エステル、プロピレングリコールオレイン酸エステル、プロピレングリコールステアリン酸エステル、及びプロピレングリコールラウリン酸エステル等のエステル類;オレイルアミド、ステアリルアミド、ラウリルアミド、アルキルアミド、アルケニルアミド、及びアルキニルアミド等のアミド類;オレイルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、アルキルアミン、アルケニルアミン、アルキニルアミン、ココビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、牛脂ビス(2-ヒドロキシエチル)アミン、N−(2−ヒドロキシヘキサデシル)ジエタノールアミン、及びジメチル牛脂三級アミン等のアミン類;オレイルグリセリルエーテル、ステアリルグリセリルエーテル、ラウリルグリセリルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、アルケニルグリセリルエーテル、及びアルキニルグリセリルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら摩擦調整剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジメチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体、オレフィンコポリマー(OCP)、及びスターポリマー等が挙げられる。或いは、分散性能を付与した分散型、若しくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は、通常、10,000〜1,500,000、好ましくは20,000〜500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリビニルアセテート等が挙げられ、重量平均分子量は、通常、1000〜100,000、好ましくは5000〜50,000程度である。これらの流動点降下剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.005〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類アミン塩、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、及びラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.01〜3質量%、好ましくは0.02〜2質量%である。
腐食防止剤、金属不活性化剤としては、例えば、トリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、又はこれら化合物の誘導体である、2−ヒドロキシ−N−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ベンズアミド、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、及び2,2’−[[(4、又は5、又は1)−(2−エチルヘキシル)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられ、他にもビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、テトラアルキルチウラムジサルファイド、N’1,N’12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジハイドラジド、3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)−N’−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)プロパンハイドラジド、テトラプロぺニルコハク酸と1,2−プロパンジオールのエステル化物、ジソディウムセバケート、(4−ノニルフェノキシ)酢酸、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、トリルトリアゾールのナトリウム塩、及び(Z)−N−メチルN−(1−オキソ9−オクタデセニル)グリシン等が挙げられる。これら腐食防止剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.001〜3質量%、好ましくは0.02〜2質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、及びソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の配合量は、通常、エンジン油組成物に対して0.001〜0.1質量%、好ましくは0.001〜0.01質量%である。
本発明のエンジン油組成物は、過給機付き直噴型のエンジン用のエンジン油として使用し、当該エンジンの低回転高過給時に発生するLSPIを抑制できる。ただし、その他のエンジン油の自己着火点の上昇が求められる用途であればどのような用途にも使用することができる。また、本発明で使用対象となるエンジンは、ガソリンエンジンであり、本発明のエンジン油組成物をエンジン油として使用することで、LSPIの発生を抑えるという本発明の効果を得ることが出来る。
過給機とは、エンジンに強制的に空気を送り込み、大きなエンジン出力を可能にする装置のことである。自動車用エンジンに使用される過給機には、大きく分けて機械式過給機と遠心式過給機があり、一般的に、機械式過給機をスーパーチャージャー、遠心式過給機をターボチャージャーと呼ぶ。本発明で使用対象となるエンジンにおいては、過給機の機構は問わず、中でも、本発明の効果が得られやすいことからターボチャージャー付きのエンジンであることが好ましい。過給機は、通常、エンジン回転数2000回転/分を超えて過給するタイプのものが主流であるが、本発明においては、燃費を向上するために、エンジン回転数2000回転/分を超えての過給に加え、エンジン回転数1000〜2000回転/分という低回転領域で過給するエンジンである。
直噴型のエンジンとは、一定量の燃料をエンジンの吸気行程から圧縮行程において高圧のガソリンからシリンダー内に直接噴射し、点火プラグによる火花放電により着火する筒内噴射方式のエンジンのことである。本発明で使用対象となるエンジンは、燃費改善が狙えることから小型化し出力を過給機で補った過給機付きエンジンであり、当該エンジンで発生しやすいノッキングの影響を低減することが出来るため、直噴型である。
本発明の過給機付き直噴エンジンは、一般的な公知の過給機付き直噴エンジンを使用し、このエンジンを搭載可能な車両全般に使用可能である。係るエンジンに本発明のエンジン油組成物を使用すると、エンジン油の自己着火点を十分に上昇させることができ、低回転高過給時に発生するLSPIの十分な抑制効果が得られる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
まず、本実施例、比較例に使用する有機モリブデン化合物、酸化防止剤、エンジン油を以下に示す。
< 使用する有機モリブデン化合物 >
有機モリブデン化合物I
(構造式(1)で表される有機モリブデン化合物)
有機モリブデン化合物II
(一般式(2)のR、R、R、R=C(ブチル基))
有機モリブデン化合物III
(一般式(2)のR、R、R、R=C13(ヘキシル基))
有機モリブデン化合物IV
(一般式(2)のR、R、R、R=C17(n−オクチル基))
有機モリブデン化合物V
(一般式(2)のR、R、R、R=C1327(イソトリデシル基))
有機モリブデン化合物VI
(一般式(3)のR、R、R、R=C17(2−エチルヘキシル基))
有機モリブデン化合物VII
(一般式(4)のR、R10=C1327(イソトリデシル基))
有機モリブデン化合物VIII
(商品名:モリバン855(R.T.Vanderbilt Company,Inc.社製)
< 使用する酸化防止剤 >
酸化防止剤1(ジフェニルアミン系酸化防止剤)
ビス(オクチルフェニル)アミン
酸化防止剤2(ナフチルアミン系酸化防止剤)
オクチルフェニル−1−ナフチルアミン
酸化防止剤3(フェノール系酸化防止剤)
3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル
< 使用するエンジン油 >
本発明で使用するエンジン油A〜Cの組成を以下表1に示す。エンジン油A〜Cは、市販のエンジン油であり、エンジン油B、Cは、その他添加剤として有機モリブデン化合物以外のモリブデンを含有する金属化合物類が含まれていることからモリブデンが検出されている。
Figure 0006296503
< 高圧示差走査熱量測定(PDSC) >
本発明の評価方法について説明する。今回、本発明の効果を示す手段として、圧力DSC(PDSC)の測定を採用した。PDSCとは、High−Pressure Differential Scanning Calorimetryの略であり、高圧示差走査熱量測定を指す。この測定によりエンジン油の自己着火点を知ることが出来る。
本検討の測定条件は以下の通りである。
測定機器: 圧力DSC DSC 2920(TA Instruments社製)
温度 : 50℃/min
圧力 : 1013kPa
雰囲気 : 空気
評価油量: 3mg
表2、表3に、PDSCの評価に使用する油の組成を示した。内、評価油1〜9は実施例、評価油10〜22は比較例に使用するサンプルとなる。表の中の数字は、評価油全体を100%とした時の各種加剤の配合量(質量%)を示しており、添加剤を除く残りの成分は、表1に示したエンジン油となる。各サンプルにどのエンジン油を使用したかについては、表2、表3に示してある。また、有機モリブデン化合物I〜VIIIの配合量に関しては、モリブデン含量(質量%)で示してある。
Figure 0006296503
Figure 0006296503
表2、表3に示した試験油を用いて、PDSCの測定を実施した。尚、上記試験油の内、有機モリブデン化合物II〜IVを配合した試験油13〜15は、モリブデン含量0.02質量%の添加量であっても、エンジン油に有機モリブデン化合物II〜IVが完全に溶解しなかった。
以下に示す表4〜6の数字は、測定によって得られた自己着火点の温度(℃)を示している。また、本検討は、同じ添加剤を使用しても、使用するエンジン油の種類によってその効果が変動するため、それらを同じフィールドで比較することは困難である。よって、上記表2、表3の評価油を用いて、エンジン油別に自己着火点の変動を評価する。エンジン油Aでの評価結果を表4に、更にその結果をグラフ化したものを図1に示す。エンジン油Bでの評価結果を表5に、更にその結果をグラフ化したものを図2に示す。エンジン油Cでの評価結果を表6に、更にその結果をグラフ化したものを図3に示す。
Figure 0006296503
エンジン油Aでの評価結果より、有機モリブデン化合物Iを含むエンジン油組成物(評価油1〜4)は、エンジン油Aそのものの自己着火点を大きく上昇させることがわかり、また有機モリブデン化合物Iの添加量が増えるとその効果も大きくなった。有機モリブデン化合物I以外の有機モリブデン化合物II〜VIIIを用いたエンジン油組成物(評価油13〜20)に関しては、エンジン油Aそのものの自己着火点は若干上昇させるものの、有機モリブデン化合物Iを配合したサンプル程の効果は見られなかった。また、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤の単体での使用もまた、有機モリブデン化合物Iを配合したサンプル程の自己着火点上昇効果はなかったが(評価油21、22)、アミン系酸化防止剤に関しては有機モリブデン化合物Iとの併用により、有機モリブデン化合物Iを単独で配合した時より自己着火点が上昇した(評価油7、8)。フェノール系酸化防止剤と有機モリブデン化合物Iとの併用では、有機モリブデン化合物Iを単独で配合した時から更なる自己着火点の上昇はみられなかった(評価油9)。
Figure 0006296503
エンジン油Bでの評価結果より、エンジン油Aでの評価同様、有機モリブデン化合物Iを含むエンジン油組成物(評価油5)は、エンジン油Bそのものの自己着火点を上昇させた。
Figure 0006296503
エンジン油Cでの評価結果より、エンジン油A及びBでの評価同様、有機モリブデン化合物Iを含むエンジン油組成物(評価油6)は、エンジン油Cそのものの自己着火点を上昇させた。
LSPIの発生は、エンジン油の組成やエンジン油に添加する添加剤だけが影響しているわけではなく、過給率、点火のタイミングや燃料噴射のタイミング、ブローバイオイル、冷却水温度、混合気温度、リングテンション、燃料組成等様々な要因が考えられている。しかしながら、本検討によって、どのエンジン油であっても、構造式(1)で表される本発明の有機モリブデン化合物を添加することで、エンジン油組成物の自己着火点を上昇させることが明らかとなった。これは、過給機付き直噴エンジンの使用において問題とされているLSPIの発生を抑制できることを示唆しており、今後の自動車業界において、現状以上の燃費向上、快適な自動車の走行の実現に大きく貢献するものであり、非常に有用性が高いと言える。

Claims (4)

  1. 過給機付き直噴エンジンのためのエンジン油に、下記の構造式(1)で表される化合物を添加することを含む、過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法。
    Figure 0006296503
  2. 前記構造式(1)で表される化合物を、エンジン油組成物全量に対して、モリブデン含量で0.02〜0.5質量%となるように添加することを含む、請求項1に記載の過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法。
  3. 更に、アミン系酸化防止剤を、エンジン油組成物全量に対して、0.01〜5質量%で添加することを含む、請求項1又は2に記載の過給機付き直噴エンジンのエンジン油の自己着火点を上昇させる方法。
  4. 下記の構造式(1)で表される、過給機付き直噴エンジンのエンジン油用自己着火点上昇剤。
    Figure 0006296503
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