JP2015007335A - 空調設備 - Google Patents

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【課題】使用できる室内空間を減少させずに、且つ、床下空間の高さ寸法を増加させずに床下空調を実現できるようにする。
【解決手段】空調装置7からの空調空気を、床スラブSとその床スラブSの上方に離間させて設けた床材3Aとの間の床下空間4を経由させて床材3A上の室内Rに流出させる空調設備であって、空調装置7を、床スラブSの下方に設置してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調装置(室内機)からの空調空気を、床スラブとその床スラブの上方に離間させて設けた床材との間の床下空間を経由させて前記床材上の室内に流出させる空調設備に関する。
従来、この種の空調設備としては、例えば、オフィスフロアー等の床下空間に、空調空気を通して床材上の空調対象室内に流出させることで、床下空間をダクトの代用として有効活用できるように構成されたものがある(所謂「床下空調」)。
また、空調空気の熱(温熱・冷熱含む)を床材を介して室内に放熱する放射空調の作用をも期待するものもある。
そして、このような空調設備においては、空調装置は、空調対象室内の床上に設置するものや、床下空間に設置するもの(例えば、特許文献1参照)があった。
特開平4−302926号公報(図1)
上述した従来の空調設備の内、空調対象室内の床上に空調装置を設置してあるものによれば、空調装置の設置スペースを、床上に確保する必要があるから、自由に使用できる室内スペースが狭くなる問題点がある。
また、上述した従来の空調設備の内、床下空間内に空調装置を設置してあるものによれば、空調装置が床上を占用しないから室内スペースを広く使用できるものの、空調装置を床下空間に設置するため、通常、オフィスフロアー等で設定する床下空間の高さ寸法より大きく設定する必要があり、それに伴って、階高寸法が同一である条件下では、室内有効高さ寸法が小さくなる問題点がある。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、使用できる室内空間を減少させずに、且つ、床下空間の高さ寸法を増加させずに床下空調を実現できる空調設備を提供するところにある。
本発明の第1の特徴構成は、空調装置からの空調空気を、床スラブとその床スラブの上方に離間させて設けた床材との間の床下空間を経由させて前記床材上の室内に流出させる空調設備であって、前記空調装置を、前記床スラブの下方に設置してあるところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、前記空調装置を、前記床スラブの下方に設置してあるから、従来のように空調装置が床上のスペースを占用することがなく、室内スペースを広く使用できるようになる。
また、床下空間の高さ寸法を、特別に大きく設定する必要が無くなるから、その結果として、従来通りの室内有効高さ寸法や階高寸法を確保できる。
更には、空調装置を設置してある床スラブの下方は、一般的には下階の天井裏空間となっていることが多く、その場合は天井裏空間を空調装置の設置スペースとして無駄なく活用することができる。
本発明の第2の特徴構成は、前記空調装置の空調空気吐出口は、前記床材の裏面に向けて設置してあるところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、空調空気吐出口からの吐出空気は、温度変化の少ない状態で、且つ、温度境界層の影響の少ない流速の大きな状態で床材の裏面に衝突するから、床材に対する熱交換を効率よく行うことができる。
即ち、床材に対する熱交換の比率を向上させることができ、床材を介した放射空調を促進できるようになる。
本発明の第3の特徴構成は、前記空調装置のフィルターは、前記床下空間に面して設けてあるところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、空調装置のメンテナンスとしてフィルターの清掃や交換は特に頻度の高い作業となるが、このようなフィルタメンテナンス作業を、床スラブの上方側(床下空間側)から実施することができ、下階にまわって実施するのに比べて、効率よく行うことができる。
本発明の第4の特徴構成は、前記床下空間に仕切材を設置してペリメータ側の床下区画を形成してあり、前記ペリメータ側の床下区画に前記空調装置を連通接続してあるところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、前記ペリメータ側の床下区画に前記空調装置を連通接続してあるから、床材上の室内でのペリメータ側の空調を、前記空調装置によって実施できる。
また、床下空間の内の、前記仕切材よりインテリア側の床下空間を、他の空調の為の空間として有効に利用することができる。
その結果、インテリア側とペリメータ側とで異なる制御の空調を同時に行うことも可能となり、使用者の希望に対応した快適性の高い空調を実現することができるようになる。
尚、床下空間の全般は、ペリメータ側、インテリア側に拘わらず、配線や配管の設置スペースとして使用できることは勿論のことである。
空調設備を示す模式図 別実施形態の空調設備を示す模式図 別実施形態の空調設備を示す模式図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の空調設備の一つの設置例を示す建物要部の説明図である。
この図は、複数階層の建物Bの一つの階層について、ペリメータ側(窓側)とインテリア側(室内側)の一部とを示している。
建物Bは、各階層の境界に、例えば、コンクリート製の床スラブSを設けると共に、各階層においては、ペリメータ側と外部との境界に、例えば、ガラスカーテンウォール製の壁部Wを設けて構成されている。
尚、床スラブSや壁部Wの素材は、ここに挙げたものは一例に過ぎず、他の公知の素材によって構成することもできる。
上階の床スラブS1の下方には、図には示さない梁の梁成程度の寸法を隔てて天井材1が設けられている。上階の床スラブS1と天井材1との間の空間によって、天井裏空間2が構成されている。
また、当該階の床スラブS0の上方には、所謂「OAフロア」を構成する二重床3が設けられている。
二重床3は、図には示さないが、複数の脚部材を当該階の床スラブS0上に横間隔をあけて設置すると共に、それらの脚部材にわたって床パネル(床材に相当)3Aをそれぞれ取り付けて構成してある。当該階の床スラブS0と床パネル3Aとの間の空間によって、床下空間4が構成されている。
各床パネル3Aは、単独で脱着できるように構成されており、例えば、床下空間4への配線や配管の設置やメンテナンスの時に、該当箇所に設置されているものを一時的に取り外して作業を行うことができるように構成されている。
当該階層の空調設備5に関しては、インテリア側の空調設備5Aと、ペリメータ側の空調設備5Bとをそれぞれ設けて構成してある。
空調設備5の制御は、図には示さない制御機構によって実施され、この制御機構は、インテリア側の空調設備5Aとペリメータ側の空調設備5Bとを個別に制御できるように構成されている。
例えば、インテリア側の空調設備5Aでは、冷房運転を行い、ペリメータ側の空調設備5Bでは、暖房運転を行う制御パターンをとったり、又は、その逆の運転制御パターンをとったり、又は、何れの空調設備5A,5Bとも冷房運転(又は暖房運転)を行う制御パターンをとったりすることが可能である。
インテリア側の空調設備5Aは、当該階の天井裏空間2に設置された空調室内機6と、この空調室内機6と冷媒を循環自在に連通接続された図外の空調室外機とを設けて構成してある。
空調室内機6の空調空気吐出口6aは、室内Rに開口する状態で天井材1に設けてあり、この空調空気吐出口6aから室内Rに空調空気を吐出できるように構成されている。
ペリメータ側の空調設備5Bは、当該階の床スラブS0の下方に設置された空調室内機(空調装置に相当)7と、この空調室内機7と冷媒を循環自在に連通接続された図外の空調室外機とを設けて構成してある。
空調室内機7は、具体的には、図1に示すとおり、下階の天井裏空間に位置する状態に設置されており、吸込側と吐出側の一対のダクトDを介して、当該階の床下空間4の空気を空調室内機7に吸い込むと共に、空調室内機7で熱交換された空調空気を当該階の床下空間4に吐出できるように構成されている。
当該階の床下空間4は、ペリメータゾーンとインテリアゾーンとの境界位置に仕切材8を設置することで、ペリメータ側の床下区画4Aと、インテリア側の床下区画4Bとに仕切っている。
また、ペリメータ側の床下区画4Aについては、仕切材9を設置することで、空調室内機7の吸込側に連通する吸込側区画4Aaと、空調室内機7の吐出側に連通する吐出側区画4Abとに分割してある。
因みに、仕切材8,9は、例えば、スポンジ材やゴム材等のものを使用すれば、接触部に不陸があったにしても密接しやすく、且つ、設置作業を簡単に実施できる。
吸込側区画4Aaは、室内Rでの壁部Wの際に開口したペリメータ吸込口10に連通している。
吐出側区画4Abは、室内Rでの床パネル3Aに開口したペリメータ吐出口11に連通している。
従って、空調室内機7を駆動させると、室内Rの空気がペリメータ吸込口10から吸込側区画4Aaを経由して空調室内機7に吸い込まれる。空調室内機7で熱交換された空調空気は、吐出されるに伴って、吐出側区画4Abを経由してペリメータ吐出口11から室内Rに流出し、ペリメータでの空調を行うことができる。
尚、空調室内機7のフィルターFは、床下空間4の吸込側区画4Aaに面する状態で吸込側のダクトD上端部に着脱自在に設けてある。従って、対応する部分の床パネル3Aを取り外して、フィルターFの取替作業やメンテナンス作業を床の上から簡単に実施できる。
また、空調室内機7の空調空気吐出口12となる吐出側のダクトDの上端開口は、上方の床パネル3Aの裏面に向けて構成されており、ダクトDから吐出側区画4Abに吹き出された空調空気は、床パネル3Aに接触することで熱交換を効率よく行うことができる。
その結果、床パネル3Aに対する熱交換の比率を向上させることができ、床パネル3Aを介した放射空調を促進できる。
ここに説明した空調設備5によれば、ペリメータ側の空調室内機7を、床スラブS0の下方の天井裏空間を無駄なく活用して設置してあるから、従来のように空調室内機が床上のスペースを占用することがなく、室内スペースを広く使用でき、更には、二重床3の高さ寸法も、特別に大きくする必要が無く、従来通りの室内有効高さ寸法や階高寸法を確保できる。
また、床パネル3Aのペリメータ吐出口11から空調空気を吹き出す直接風による空調効果のみならず、床パネルを介した放射空調の効果をも期待することができる。
更には、フィルタメンテナンス作業を、床スラブS0の上方側から実施することができ、下階にまわって実施するのに比べて、効率よく行うことができる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 空調設備として、床スラブS0の下方に設置する空調装置7が、先の実施形態で説明したペリメータ側の空調のみを行うものに限るものではなく、例えば、図2に示すように、インテリア側の空調をも兼用するものであってもよい。即ち、天井裏空間に別の空調装置を設置することに限るものではない。更には、仕切材8を床下空間4に必ず設けることに限るものではない。
また、図3に示すように、床スラブS0の下方に、ペリメータ側の空調設備5Bと、インテリア側の空調設備5Aとをそれぞれ設ける構成であってもよい。この実施形態の場合、インテリア側の床下区画4Bについては、仕切材13を設置することで、空調室内機6の吸込側に連通する吸込側区画4Baと、空調室内機6の吐出側に連通する吐出側区画4Bbとに分割してある。
尚、空調設備5の空調空気吐出口12を、床材3Aの裏面に向けて設置してあることで、空調空気が衝突する床材部分の近傍に熱交換効率の高い部分を作ることができ、その部分からの熱放射を利用したパーソナル空調の効果を期待することができる。
〈2〉 床下空間4や、天井裏空間2には、火災が拡大しないように防火区画を貫通する箇所に防火ダンパー等を設けてあってもよい。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
3A 床パネル(床材に相当)
4 床下空間
4A ペリメータ側の床下区画
12 空調空気吐出口
7 空調室内機(空調装置に相当)
8 仕切材
F フィルター
R 室内
S 床スラブ

Claims (4)

  1. 空調装置からの空調空気を、床スラブとその床スラブの上方に離間させて設けた床材との間の床下空間を経由させて前記床材上の室内に流出させる空調設備であって、
    前記空調装置を、前記床スラブの下方に設置してある空調設備。
  2. 前記空調装置の空調空気吐出口は、前記床材の裏面に向けて設置してある請求項1に記載の空調設備。
  3. 前記空調装置のフィルターは、前記床下空間に面して設けてある請求項1又は2に記載の空調設備。
  4. 前記床下空間に仕切材を設置してペリメータ側の床下区画を形成してあり、
    前記ペリメータ側の床下区画に前記空調装置を連通接続してある請求項1〜3の何れか一項に記載の空調設備。
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