JP2015007171A - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿条件下での耐久性が良好なポリエステルフィルムを、良好な生産性で得ることができるポリエステルフィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリエステル樹脂組成物Aを溶融押出しし、シート状に成型した後に長手方向と幅方向の二軸に延伸する工程を有するポリエステルフィルムの製造方法であって、前記ポリエステル樹脂組成物A中に、アルカリ金属元素含有量WAが165ppm以上850ppm以下、リン元素含有量WPが330ppm以上2000ppm以下、WA/WPが0.3以上0.8以下であるポリエステル樹脂組成物αをポリエステル樹脂組成物Aに対して5質量%以上50質量%以下含有する事を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性が良好なポリエステルフィルムの製造方法に関する。さらに詳しくはポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物の生産性を大幅に改善し、耐湿熱環境下における特性維持と生産性を両立可能とするポリエステルフィルムの製造方法に関する。該製造方法により得られたポリエステルフィルムは、特に太陽電池封止用フィルムをはじめ、建築材料、自動車材料等、屋外で使用される用途に有用に用いられる。
ポリエステル樹脂は機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステル樹脂をフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その機械的特性、電気的特性などから、銅貼り積層板、太陽電池封止フィルム、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、磁気記録材料や、コンデンサ用材料、包装材料、自動車用材料、建築材料、写真用途、グラフィック用途、感熱転写用途などの各種工業材料として使用されている。
これらの用途のうち、特に屋外で用いられる電気絶縁材料(例えば太陽電池封止フィルムなど)、自動車用材料、建築材料などでは、長期にわたり過酷な環境下で使用されることが多い。そのような過酷な環境下で長期にわたり使用すると、ポリエステル樹脂は加水分解により分子量が低下し、また、脆化が進行して機械物性などが低下する。そのため、長期にわたり過酷な環境下で使用される場合、或いは湿気のある状態で使用される様な用途では、湿熱に対する耐久性が求められている。たとえば、太陽電池封止用途では太陽電池の耐用年数の向上による発電コストダウンを図るために、ポリエステルフィルムの耐湿熱性向上が求められている。
そのため、ポリエステル樹脂の加水分解を抑制すべく様々な検討がなされてきた。例えば、ポリエステル樹脂の重縮合触媒を検討したり(特許文献1)、エポキシ化合物(特許文献2)やポリカルボジイミド(特許文献3)を添加して、ポリエステル樹脂自体の耐湿熱性を向上させる技術が検討されている。また、ポリエステル樹脂に緩衝剤を添加したり(特許文献4)、さらにポリエステル樹脂に3官能成分を導入する事で分子間架橋により耐湿熱性を向上させる方法(特許文献5)が検討されている。
特開2010−212272号公報 特開平9−227767号公報 特表平11−506487号公報 特開2008−7750号公報 国際公開第2011/052290号
しかしながら、特許文献1の手法では耐加水分解性が不十分であった。特許文献2、3の技術では、フィルム溶融製膜時にゲル化が進行して厚み不良となったり、フィルタ詰まりが発生したり、二軸配向フィルム製造時にフィルム破れが発生しやすく耐加水分解性を向上させるために必要な配向を付与できないといったフィルム製膜プロセスでの問題が発生したり、フィルム中に異物が残り品質不良となったりする問題があった。フィルム中に緩衝剤を含有した特許文献4では、ポリエステル樹脂の耐久性は向上するが、添加した緩衝剤によりポリエステル樹脂の重縮合速度が低下するなど生産性が悪くなる問題や緩衝剤添加設備が必要となるなど従来のポリエステル樹脂生産設備をそのまま使用できないなどの問題があった。さらに、特許文献5のように分子間架橋構造を有した場合は、フィルムの耐加水分解性はさらに向上するが、特許文献4の場合と同様にポリエステル樹脂の生産性低下等の問題があった。また、特許文献4,5に使用される緩衝剤は、添加時に凝集しやすい問題があり、これら凝集物が濾過工程でのフィルタ寿命を縮めたり、濾過しきれずに残存した微小な凝集物が、異物としてフィルム内部に残存するため、外観不良として歩留まりを悪化させてしまう問題もあった。近年コストダウンのための歩留まり向上検討が進む中、フィルムに対する異物欠陥低減に対する要求レベルも益々高くなっており、耐加水分解性の向上に加えて、異物欠陥低減についての改善も求められてきている。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高温高湿下条件での耐久性の維持と、ポリエステル樹脂およびフィルムの生産性ならびに品質向上とが両立可能な、ポリエステルフィルムの製造方法を提供することである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を用いるものである。
(1).ポリエステル樹脂組成物Aを溶融押出しし、シート状に成型した後に長手方向と幅方向の二軸に延伸する工程を有するポリエステルフィルムの製造方法であって、前記ポリエステル樹脂組成物A中に、アルカリ金属元素含有量WAが165ppm以上850ppm以下、リン元素含有量WPが330ppm以上2000ppm以下であるポリエステル樹脂組成物αをポリエステル樹脂組成物Aに対して5質量%以上50質量%以下含有する事を特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
(2).前記ポリエステル樹脂組成物αが、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂組成物に、リン酸およびリン酸アルカリ金属塩を含む溶液またはスラリーを添加した後溶融混練して得られたものであり、かつ、前記溶液またはスラリーにおけるリン酸とリン酸アルカリ金属塩を合計した濃度が3.0質量%以下である事を特徴とする、(1).に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
(3).前記リン酸およびリン酸アルカリ金属塩を含む溶液またはスラリーが、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂組成物に対して、リン酸アルカリ金属塩を7.0モル/tを越えて30.0モル/t以下、リン酸を3.5モル/tを越えて35.0モル/t以下となるように添加する事を特徴とする、(2).に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
(4).(1).〜(3).のいずれかの方法により製造された二軸配向ポリエステルフィルムであって、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中のアルカリ金属元素含有量WAfが20ppm以上150ppm以下、リン元素含有量WPfが40ppm以上500ppm以下、WAf/WPfが0.3以上0.7以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
(5).ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中に、マンガン元素を100ppm以上300ppm以下含有する(4).に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(6).ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量が25当量/t以下である(4).または(5).に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明によれば、高温高湿下での耐久性とポリエステル樹脂およびフィルムの生産性を両立することができ、かつ異物欠陥が少ないポリエステルフィルムを提供することができる。かかるポリエステルフィルムは、太陽電池封止シート、銅貼り積層板、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、コンデンサ用材料、自動車用材料、建築材料を初めとした耐久性が重視されるような用途に好適に使用することができる。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物Aを溶融押出しし、シート状に成型した後に長手方向と幅方向の二軸に延伸する事が必要である。ポリエステルフィルムは二軸方向に延伸することで、分子が配向し広角X線回折で二軸配向のパターンを示す所謂二軸配向ポリエステルフィルムとなる。その結果として機械的な特性が向上したり、耐久性(耐湿熱性)が向上する。一般的なポリエステルフィルムは結晶性ポリエステルから構成され、フィルム中にはポリエステルの結晶部と非晶部が存在する。また、かかる結晶性ポリエステルを二軸延伸して得られるポリエステルフィルム中には、配向によりポリエステルが結晶化した部分(以下、配向結晶化部とする)と非晶部が存在する。ここで、非晶部は、結晶部、配向結晶部に比べて密度が低く、平均の分子間距離が大きい状態にあると考えられる。ポリエステルフィルムが湿熱雰囲気下に曝された場合、水分(水蒸気)は、密度の低いこの非晶部の分子間を通って内部に進入し、非晶部を可塑化させ分子の運動性を高め、ポリエステルの耐加水分解を促進させる。フィルムの配向を高め、非晶部の分子運動を抑制することで、分子内部への水分(水蒸気)の進入を抑制し、耐湿熱性(耐加水分解性)を高めることができると考えられる。
本発明の長手方向、幅方向の延伸方法としては、ロール間の速度差を利用するロール延伸方式や、幅方向の両端をクリップで把持し、向かい合うあるいは隣り合うクリップ間の間隔を広げる延伸方式や、圧縮空気を送り込みエアーの圧力で延伸するインフレーション方式など公知の方法を用いることができる。また、延伸の順番についても、長手方向延伸後に幅方向延伸を施しても、逆に幅方向延伸後に長手方向延伸を施しても良い。さらに長手方向と幅方向を同時に延伸する方法を用いても良い。一般的には、フィルム配向の制御のしやすさ延伸の均一性、あるいは設備制約の少なさなどの観点から、長手方向にはロール間の周速差を用いて延伸するロール延伸方式を、幅方向にはオーブン中で両端を把持したクリップの向かい合うクリップ間の距離を広げることで延伸するテンター方式を用いることが好ましい。
本発明において、長手方向延伸時の倍率が3.0〜4.5倍、その時のフィルム温度がポリエステル樹脂のガラス転移温度をTgとした場合Tg以上Tg+40℃以下である事が好ましく、さらに、延伸時のフィルム温度がTg+10℃以上Tg+30℃以下である事が好ましい。また、幅方向延伸時の倍率が3.5〜4.5倍、その時のフィルム温度がTg以上Tg+40℃以下が好ましく、さらにはTg+10℃以上Tg+30℃以下である事が好ましい。
本発明においては、長手方向・幅方向の二軸方向に延伸した後に、ポリエステル樹脂の融点をTmとした場合、Tm−80℃以上Tm−20℃以下の温度にて2秒間以上熱固定処理を施すことが、フィルムの結晶化を進め、結果として熱寸法安定性や耐薬品性などの特性が向上するため好ましい。熱固定温度については、更にはTm−60℃以上Tm−30℃以下が好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物Aが、アルカリ金属元素含有量WA165ppm以上850ppm以下、リン元素含有量WPが330ppm以上2000ppm以下であるポリエステル樹脂組成物αをポリエステル樹脂組成物Aに対して5質量%以上50質量%以下含有する必要がある。本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に含有するアルカリ金属元素量WAfとリン元素量WPfはそれぞれ、WAfが20ppm以上150ppm以下、WPfが40ppm以上500ppmであることが好ましい。さらに好ましくはWAfが40ppm以上100ppm以下、WPfが100ppm以上300ppmの範囲である。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に含有するアルカリ金属元素量WAfとリン元素量WPfを上記の範囲に調整することで、リン元素とアルカリ金属元素の相互作用により、ポリエステルフィルム中に含まれる重合触媒残渣が分解反応触媒として働く事を抑制し、その結果、熱や水蒸気によるポリエステル分子鎖の分解反応速度を低下させることができると考えられる。しかしながら、リン元素やアルカリ金属元素をポリエステル樹脂の重合工程中に添加した場合は、重縮合時の触媒活性も低下させるため、ポリエスエル樹脂の生産性が悪化する問題がある。本発明の製造方法においては、生産性のネックとなっているリン元素ならびにアルカリ金属元素をポリエステル樹脂に添加する方法として、それらを高濃度に含有するポリエステル樹脂組成物αを通常のポリエステル樹脂と混合して使用することで、耐久性に優れるポリエステルの生産性を改善し製造コストを低減するものである。よって、ポリエステル樹脂組成物A中にはWA165ppm以上850ppm以下、WPが330ppm以上2000ppm以下のポリエスエル樹脂組成物αをポリエステル樹脂組成物Aに対して5質量%以上50質量%以下含有することが必要で有り、WAが165ppm未満であったり、WPが330ppm未満である場合は、耐湿熱性が低下する。一方、WAが850ppmを超えたり、WPが2000ppmを超える場合は樹脂組成物αそのものの生産性が大きく低下したり、リン元素起因の異物が添加時や溶融押出し時に発生し外観を損なう。なお、好ましい範囲としてはWAが200ppm以上500ppm以下、WPが500ppm以上1250ppm以下である。また、ポリエステル樹脂組成物A中におけるポリエステル樹脂組成物αの含有量が5質量%未満である場合は、耐湿熱性が低下する。50質量%を超える場合は、相対的に生産性が悪いリン元素とアルカリ金属元素を多量に含有するポリエステル樹脂組成物αの混率が高くなることで、ポリエスエルフィルムの生産性が悪化したり、ポリエステル樹脂組成物Aを溶融押出しする工程において、リン元素由来の異物が発生する。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物αは、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂組成物に、リン酸アルカリ金属塩を7.0モル/tを超えて30.0モル/t以下、リン酸を3.5モル/tを超えて35.0モル/t以下添加して得られる事が耐湿熱性(耐加水分解性)の観点から好ましい。リン酸アルカリ金属塩はポリエステル中で乖離してイオン性を示すため、加水分解反応の触媒として作用するプロトンを中和する事ができる。さらに、リン酸が添加されることで、リン酸アルカリ金属塩との緩衝作用により、たとえばpHなどの環境変化や、ポリエスエル分子鎖の加水分解によって生じた酸末端や塩基性末端を中和する作用が向上し、より安定した耐湿熱性を発現することが可能となる。この結果、加水分解反応を抑制し耐湿熱性を向上することが可能となる。緩衝作用を示すリン酸アルカリ金属塩の具体例としては、下記化学式(I)で示される化合物が挙げられるが、ポリエステル樹脂の重合反応性や、溶融成形時の耐熱性、耐湿熱性の観点から、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウムが特に好ましい例としてあげ挙げられる。
POxHyMz ・・・化学式(I)
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはアルカリ金属である)。
リン酸アルカリ金属塩の添加量が7.0モル/t以下であったり、リン酸の添加量が3.5モル/t以下である場合は、十分な耐湿熱性が得られない場合があり、リン酸アルカリ金属塩の添加量が30.0モル/tを超えたり、リン酸の添加量が35.0モル/tを超える場合は、生産性が悪化する他、リン元素起因の異物が増加したり、過剰なアルカリ金属により分解反応が促進される場合がある。リン酸アルカリ金属塩およびリン酸の添加量の好ましい範囲は8.0モル/t以上20.0モル/t以下である。
アルカリ金属元素およびリン元素を含有する化合物はポリエステルの重合時に添加する方法と、重合完了後に後添加する方法があるが、上述したように、重合時にリン元素およびアルカリ金属元素含有化合物を添加すると、高濃度にリン元素およびアルカリ金属元素含有化合物を添加することで、重縮合反応速度が極端に低下する。そのため、本発明においては、ポリエステル樹脂重合完了後に後添加する方法が好ましい。ただし、後添加する方法を用いる場合においては、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂組成物と、リン酸とリン酸アルカリ金属塩を含む溶液またはスラリーを添加した後溶融混練し、かつ、前記溶液またはスラリーにおけるリン酸とリン酸アルカリ金属塩を合計した濃度が3.0質量%以下とする方法を用いると、ポリエステル樹脂中への均一分散性を高め、添加時のリン元素起因の異物発生を抑制し、さらにポリエステル樹脂組成物αのIVを適度な範囲に制御できるため好ましい。ポリエステル樹脂組成物のIVが0.7未満である場合は、溶融混練後のポリエステル樹脂組成物αのIVが低くなりすぎ、フィルムの耐湿熱性が悪化したり、フィルムの生産性が低下する場合がある。またポリエステル樹脂組成物のIVが1.0を超える場合は、溶融混練性が悪化する場合がある。リン酸アルカリ金属塩とリン酸を含む溶液またはスラリーの濃度が3.0質量%を超える場合は、添加時にリン化合物同士が反応することで、リン元素起因の異物を発生させる場合がある。なお、溶液またはスラリー濃度の下限は特には限定されないが、生産性やポリエステル樹脂組成物αのIV維持の観点から0.5質量%が実質的な下限値となる。また、前記溶液に使用する溶媒については、ポリエステル樹脂中に含有されるグリコール成分を用いる事が好ましく、一般的にはエチレングリコールやジエチレングリコールを使用することが、混練性や生産性の観点から好ましい。さらに、リン酸アルカリ金属塩とリン酸を含む溶液またはスラリーは一度に添加するのではなく、複数回に分けて添加する方法が分散性を向上させ、リン起因の異物抑制の点で好ましい。
本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中のアルカリ金属元素含有量WAfとリン元素含有量WPfの比WAf/WPfが0.3以上0.7以下となるように調整することが好ましい。この範囲に含有量を調整することで、ポリエステルフィルムの加水分解抑制効果が維持しながら、耐熱安定性を付与することができる。また、リン化合物としてリン酸アルカリ金属塩とリン酸を併用すると、加水分解抑制効果をさらに高めることが可能となるため特に好ましい。
本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中に、リン酸アルカリ金属塩を1.0モル/t以上5.0モル/t以下、リン酸を0.5モル/tを超えて7.5モル/t以下となるように、ポリエステル樹脂組成物αの含有量を調整することが、耐湿熱性、生産性ならびに外観(異物抑制)の観点から好ましい。なお、リン酸アルカリ金属塩ならびにリン酸含有量の好ましい範囲としては、それぞれ1.5モル/t以上3.0モル/t以下、2.0モル/t以上4.0モル/t以下である。
本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂中の末端カルボキシル基量が25当量/t以下である事が好ましく、20当量/t以下である事がさらに好ましい。末端のプロトンを反応触媒として加水分解反応が進むため、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量が少ないほど耐加水分解性が向上すると考えられる。ただし、この場合は、ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量を減少させるために固相重合時間を長くするなどの処理が必要となるため、生産性は悪化する方向となる。本発明のアルカリ金属元素ならびにリン元素を高濃度に含有可能な樹脂組成物αを用いその混率を調整することで、それぞれの使用方法や目標コストに適合した耐湿熱性(加水分解性)を有するフィルムを効率よく生産することが可能となる。
本発明のポリエステルフィルムにおいては、フィルム中における長径100μm以上のリン元素を含有する異物が6ヶ/1000cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは3ヶ/1000cm以下である。異物量が6ヶ/1000cmを超えると用途などにより外観の悪化が問題となる場合がある。なお、リン元素を含有する異物を低減する方法は上述した通りである。
本発明のポリエステル樹脂の重縮合触媒としては、従来のアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物を用いることができる。アンチモン化合物および/またはゲルマニウム化合物を用いる場合は、そのアンチモン元素、ゲルマニウム元素の和として50ppm〜500ppmであることが重縮合反応性、固相重合反応性の点から好ましく、さらには50〜300ppmであることが耐熱性、耐加水分解性の点から好ましい。500ppmを超えると重縮合反応性、固相重合反応性は向上するものの、再溶融時の分解反応も促進されるため、カルボンキシル末端基が増加し、耐熱性、耐加水分解性が低下する原因となることがある。好適に使用されるアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物としては、五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムを挙げることができ、それぞれ目的に応じて使い分けることができる。例えば、色調が最も良好となるのはゲルマニウム化合物であり、固相重合反応性が良好となるのはアンチモン化合物である。環境面を配慮し、非アンチモン系で製造する場合には、チタン触媒が重縮合反応や固相重合の反応性が良好となる点で好ましい。さらに、マンガン化合物を100〜300ppmの範囲で添加すると耐加水分解性が良好となるため好ましい。これはマンガンは水和エネルギーが高く、ポリエステルフィルム中の水との親和性が低いため、加水分解反応が進行しにくくなるためと考えられる。100ppm未満の場合は、加水分解抑制効果が不十分となり、300ppmを越えると逆に耐加水分解性が悪化する傾向が見られる。
本発明において、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は0.65以上0.80以下となるように調整する事が好ましい。IVが0.65未満である場合は、分子鎖が短く耐湿熱環境下での分子運動性が高まり易かったり、末端部分が増える事で耐加水分解性が悪化しやすい。また0.80を越える場合は、粘度が高くなりすぎるため、フィルム製膜時に破断が増えるなど生産性が悪化したり、厚みムラが悪化したりする事がある。固有粘度(IV)は、ポリエステル樹脂製造時に固相重合を行うと、前述の末端カルボキシル基量を低下させ、かつ固有粘度(IV)を上記の範囲に調整する事が容易となるため好ましい。なお、ポリエステル樹脂を溶融製膜する際の溶融状態において、残存する水分による加水分解や熱分解が進行するため、フィルム原料として用いるポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は、フィルムを構成するポリエステル樹脂におけるIVの目標値よりも高くすることが好ましい。ただし、フィルム原料のポリエステル樹脂の固有粘度(IV)を上げるためには、ポリエステル樹脂製造時の固相重合の時間を長くしたり、触媒添加量を増やす必要があり、ポリエステル樹脂の着色や特性の悪化につながる場合がある。そのため、フィルム原料のポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は、フィルムを構成するポリエステル樹脂におけるIVの目標値よりも高くするとしても、その差は小さい方が好ましい。フィルム原料のポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は、フィルムを構成するポリエステル樹脂におけるIVの目標値よりも0.05〜0.15高くすることが好ましい。ポリエステル樹脂をフィルムに溶融押出製膜する前に、ポリエステル樹脂を減圧下にて加熱する等の方法にてあらかじめポリエステル樹脂中の水分量を50ppm以下とする事や、フィルムに溶融押出製膜する時のポリエステル樹脂の温度をポリエステル樹脂の融点(Tm)+30℃以下として、さらに押出機先端から口金までの樹脂の溶融時間を5分未満、さらには3分未満とする事によって、ポリエステル樹脂の溶融製膜時の加水分解や熱分解を抑制して固有粘度(IV)の低下を少なくし、安定して耐加水分解性の良いポリエステルフィルムを得る事が可能となる。
本発明のポリエステル組成物Aを構成するポリエステル樹脂はジカルボン酸構成成分とジオール構成成分を有してなるポリエステルである。なお、本明細書内において、構成成分とはポリエステルを加水分解することで得ることが可能な最小単位のことを示す。
かかるポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。また、上述のカルボン酸構成成分のカルボキシ末端に、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、およびその誘導体や、オキシ酸類が複数個連なったもの等を付加させたものも好適に用いられる。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、かかるポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、上述のジオールが複数個連なったものなどが例としてあげられるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物A中には、カルボン酸成分と水酸基成分の合計が3以上である構成成分や、エポキシ系化合物やカルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物など末端カルボキシル基の封止剤を本発明の効果を損なわない程度に含有することが可能である。カルボン酸成分と水酸基成分の合計が3以上である構成成分の例としては、三官能の芳香族カルボン酸構成成分としては、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、アントラセントリカルボン酸等が、三官能の脂肪族カルボン酸構成成分として、メタントリカルボン酸、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸等が挙げられ、水酸基数が3以上の構成成分の例としては、トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシアントラセン、トリヒドロキシカルコン、トリヒドロキシフラボン、トリヒドロキシクマリン等が挙げられる。ただし上記、カルボン酸成分と水酸基成分の合計が3以上である構成成分や末端封止剤を添加すると、ポリエステル樹脂の分子鎖同士を架橋した3次元構造を形成しやすく、結果としてフィルムの延伸性を悪化させたり、ゲル化物によるフィルム中の異物量が増加するため、極力使用しない方が好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物Aにおいて、ポリエステル中の全ジカルボン酸構成成分中の芳香族ジカルボン酸構成成分の割合は、90モル%以上100モル%以下が好ましい。より好ましくは95モル%以上100モル%が好ましい。更に好ましくは98モル%以上100モル%以下、特に好ましくは99モル%以上100モル%以下、最も好ましくは100モル%、すなわちジカルボン酸構成成分全てが芳香族ジカルボン酸構成成分であるのがよい。90モル%に満たないと、耐湿熱性、耐熱性が低下したりする場合がある。本発明のポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル中の全ジカルボン酸構成成分中の芳香族ジカルボン酸構成成分の割合を90モル%以上100モル%以下とすることで、耐湿熱性、耐熱性を両立することが可能となる。
本発明のポリエステル樹脂組成物Aにおいて、ポリエステルが主として構成される、ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分からなる主たる繰り返し単位は、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよびこれら混合物をからなるものが好適に用いられる。なお、ここでいう主たる繰り返し単位とは、上記繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。さらには低コストで、より容易に重合が可能で、かつ耐熱性に優れるという点で、エチレンテレフタレートが主たる構成成分であることが好ましい。
更に、本発明のポリエステル樹脂組成物Aには、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。特に、紫外線カット能を付与するにはポリエステルフィルム中に隠蔽性が高い二酸化チタンなどの無機粒子や紫外線吸収剤を含有させるのが好ましく、特に二酸化チタンはその隠蔽性および反射率の高さから、太陽電池封止フィルムとして使用した場合、内部の配線を見えにくくしたり、背面側の封止フィルムとして使用した場合は、発電に利用されなかった光を反射することで発電効率向上に寄与する事が出来るため好ましい。
二酸化チタンとしては、アナターゼ型及びルチル型の結晶構造を有する二酸化チタンが存在するが、アナターゼ型と比較してルチル型の方が結晶構造が密であるため屈折率が高い。そのため本発明にて使用される二酸化チタンは、高い反射作用による隠蔽効果を得ることができるという観点から、ルチル型二酸化チタンが好ましい。
二酸化チタン粒子の製造方法としては、主に硫酸法と塩素法が挙げられる。硫酸法プロセスではイルメナイト鉱を濃硫酸に溶解し、鉄分を硫酸鉄として分離した後、この溶液を加水分解することでチタンを水酸化物としてとして沈殿分離する。次いでこの水酸化物を高温のロータリーキールン等で焼くことで、二酸化チタンを得ることができる。一方塩素法プロセスでは、ルチル鉱を原料とし、約1,000℃の高温で塩素ガスとカーボンに反応させ、四塩化チタンを生成させた後に、四塩化チタンを分離し、高速に噴射しながら酸化することで二酸化チタンを得ることができる。塩素法プロセスで生成された二酸化チタンは、硫酸法プロセスと比較して、気体だけが関与する気相反応で合成されることから、バナジウム、鉄、マンガンといった不純物が少なく、高純度な二酸化チタンを得ることができ、特に好ましい。
本発明で使用される二酸化チタンは、二酸化チタンの光触媒活性を抑制するため、あるいはポリエステル樹脂中での分散性を向上させるために、表面処理が行われていることが好ましい。光触媒活性を抑制するためには、例えば表面をシリカ、アルミナなどの無機酸化物で被覆処理する方法が挙げられる。また、分散性向上のためには、例えば、シロキサン化合物やポリオールなどで表面処理をする方法が挙げられる。
本発明での二酸化チタンの粒径は、0.1μm〜0.5μmであることが好ましい。二酸化チタンの光反射能力が最大発揮される波長は、二酸化チタン粒径の約2倍の波長であるため、二酸化チタンの粒径が上記の範囲であると可視光線領域の反射効率が高くなるため、例えば太陽電池の封止フィルムとして用いられた場合は、発電効率が向上し好ましい。二酸化チタンの粒径は0.2μm〜0.4μmであることが特に好ましい。二酸化チタンの粒径が0.1μm未満となると、二酸化チタン粒子が凝集しやすく、分散が難しい傾向があり、また0.5μmを越えると可視光線領域の反射効率が落ちる傾向がある。なお、ここで言う二酸化チタン粒子の平均粒径とは、積層フィルムを灰化処理をした後に、走査型電子顕微鏡(SEM)にて20,000倍の倍率で観察し、観察された粒子50ヶの数平均粒径を求めた値である。
本発明の製造方法にて製造されるポリエステルフィルムの厚みは10μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上300μm以下がより好ましい。更に好ましくは、25μm以上200μm以下である。厚みが10μm未満の場合、フィルムの耐湿熱性が低下しすぎる場合がある。一方、500μmより厚い場合は、フィルム延伸工程で破れやすくなる等、耐湿熱性と生産性の両立が難しくなる傾向がある。
[物性の測定法]
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。各実施例の記述に先立ち、各種物性の測定方法を記載する。
(1)アルカリ金属元素含有量
原子吸光分析法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行った。
(2)リン元素およびマンガン元素含有量
(株)リガク社製波長分散型蛍光X線分析装置(型番:ZSX100e)を用いて測定した。
(3)固有粘度(IV)
オルトクロロフェノール100mLにポリエステル樹脂又はポリエステルフィルムを溶解させ(溶液濃度C=1.2g/mL)、その溶液の25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記式(C)により、[η]を算出し、得られた値でもって固有粘度(IV)とした。
ηsp/C=[η]+K[η]・C ・・・式(C)
(ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)―1、Kはハギンス定数(0.343とする)
である。)。なお、ポリエステル樹脂を溶解させた溶液中に不溶物がある場合は、溶液を濾過して濾物の質量測定を行い、濾物の質量を測定試料質量から差し引いた値を測定試料質量として測定する。
(4)末端カルボキシル基量
Mauliceの方法(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))に準じて、以下の方法にて測定した。
ポリエステル樹脂またはポリエステルフィルム2gをo−クレゾール/クロロホルム(質量比7/3)50mLに温度80℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基濃度を測定し、当量/ポリエステル1tの値で示した。なお、滴定時の指示薬はフェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とした。なお、ポリエステル組成物を溶解させた溶液中に不溶物がある場合は、溶液を濾過して濾物の質量測定を行い、濾物の質量を測定試料質量から差し引いた値を測定試料質量として測定する。
(5)リン元素を含有する異物数
三波長蛍光灯を光源としてフィルムを透過光および反射光にて1000cmを検査し観察された異物をマーキングして試料を採取した。なお、この時にフィルム位置での光量が1000ルクスとなるように光源とフィルム間距離を調整した。得られた異物試料について光学顕微鏡(倍率100倍)にて観察して異物のサイズが最も大きくなる方向で測定し異物の長径とした。また、異物試料を走査型電子顕微鏡(SEM)S−4300A形((株)日立製作所製)にエネルギー分散型X線分析装置(EDX)EMAX−7000((株)堀場製作所製)を付属させた装置を用いて異物部分の元素分析を行い、リン元素の含有有無を測定し、長径100μm以上のリン元素を含有する異物の個数をカウントした。なお、評価は以下の基準にて実施した。B以上が合格である。
S:1ヶ/1000cm以下
A:1ヶ/1000cmを超えて3ヶ/1000cm以下
B:3ヶ/1000cmを超えて6ヶ/1000cm以下
C:6ヶ/1000cmを超える。
(6)耐湿熱性評価(伸度保持率)
中間ロールの中央部のロールと最端部ロール、それぞれのロールの幅方向中央部からフィルムを切り出し、(7)項にて測定した超音波伝導速度の最大値の方向と最小値の方向が長さ方向となるように、各方向それぞれ幅10mm、長さ250mmの短冊状に切り出した伸度測定用試料を準備した。切り出した試料を高度加速寿命試験装置EHS−221(エスペック社製)にて、温度121℃、湿度100RH%の環境下にて60時間処理を実施した。上記処理前および処理後のフィルムの伸度をテンシロンを用いて、原長(チャック間距離)100mm、引っ張り速度200mm/分の条件にて測定した。なお、伸度についてはそれぞれN=5で測定した平均値とした。得られたフィルム伸度について処理後の伸度を処理前の伸度で除した値を耐湿熱評価における伸度保持率とした。なお、評価は以下の基準にて実施した。B以上が合格である。
S:伸度保持率が70%以上。
A:伸度保持率が60%以上、70%未満。
B:伸度保持率が50%以上、60%未満。
C:伸度保持率が50%未満。
[参考例1] ポリエステル樹脂組成物1の調製
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール38.5質量部を窒素雰囲気下、温度260℃にて混合した。その後温度を225℃へ降下させ、酢酸マンガン4水和物0.068質量部、三酸化アンチモン0.029質量部を添加後攪拌しながら、更にエチレングリコール17質量部を2時間かけて徐々に添加しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、反応系内のポリエステルの温度を225℃とし、リン酸0.005質量部(0.5モル/t相当)を添加した。引き続き重縮合反応を最終到達温度285℃、圧力13Paの減圧下で4時間実施し、固有粘度0.70、末端カルボキシル基量25当量/tのポリエステル樹脂組成物1を得た。得られた樹脂組成物の特性を表1に示す。
[参考例2] ポリエステル樹脂組成物2〜4の調製
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール38.5質量部を窒素雰囲気下、温度260℃にて混合した。その後温度を225℃へ降下させ、酢酸マンガン4水和物0.068質量部、三酸化アンチモン0.029質量部を添加後攪拌しながら、更にエチレングリコール17質量部を2時間かけて徐々に添加しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、反応系内のポリエステルの温度を225℃とし、リン酸0.005質量部(0.5モル/t相当)を添加した。引き続き重縮合反応を最終到達温度285℃、圧力13Paの減圧下で3時間実施し、固有粘度0.54、末端カルボキシル基量19当量/tのポリエステルを得た。さらに、第三工程として、得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、圧力65Paの減圧条件下にて220℃にて、固相重合反応を表1に示す時間実施し、ポリエステル樹脂組成物2〜4を得た。得られた樹脂組成物の特性を表1に示す。
[参考例3] ポリエステル樹脂組成物5の調製
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール38.5質量部を窒素雰囲気下、温度260℃にて混合した。その後温度を225℃へ降下させ、酢酸マンガン4水和物0.068質量部、三酸化アンチモン0.029質量部を添加後攪拌しながら、更にエチレングリコール17質量部を2時間かけて徐々に添加しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、反応系内のポリエステルの温度を225℃とし、リン酸0.005質量部(0.5モル/t相当)を添加した。引き続き重縮合反応を最終到達温度285℃、圧力13Paの減圧下で4時間実施し、固有粘度0.70、末端カルボキシル基量30当量/tのポリエステルを得た。さらに、第三工程として、得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、圧力65Paの減圧条件下にて225℃にて20時間固相重合反応を実施し、固有粘度(IV)1.00、末端カルボキシル基量9.5当量/tのポリエステル樹脂組成物5を得た。得られた樹脂の特性を表1に示す。
[参考例4] ポリエステル樹脂組成物6の調製
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール38.5質量部を窒素雰囲気下、温度260℃にて混合した。その後温度を225℃へ降下させ、三酸化アンチモン0.029質量部を添加後攪拌しながら、更にエチレングリコール17質量部を2時間かけて徐々に添加しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、反応系内のポリエステルの温度を225℃とし、リン酸0.005質量部(0.5モル/t相当)を添加した。引き続き重縮合反応を最終到達温度285℃、圧力13Paの減圧下で3時間実施し、固有粘度0.54、末端カルボキシル基量19当量/tのポリエステルを得た。さらに、第三工程として、得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、圧力65Paの減圧条件下にて220℃にて、固相重合反応を12時間実施し、ポリエステル樹脂組成物6を得た。得られた樹脂組成物の特性を表1に示す。
[参考例5] ポリエステル樹脂組成物7の調製
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール38.5質量部を窒素雰囲気下、温度260℃にて混合した。その後温度を225℃へ降下させ、三酸化アンチモン0.029質量部を添加後攪拌しながら、更にエチレングリコール17質量部を2時間かけて徐々に添加しながらメタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、反応系内のポリエステルの温度を225℃とし、リン酸0.020質量部(2.0モル/t相当)とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.031質量部(2.0モル/t相当)をエチレングリコール1.7質量部に溶解したエチレングリコール溶液を添加した。引き続き重縮合反応を最終到達温度285℃、圧力13Paの減圧下で4時間実施し、固有粘度0.54、末端カルボキシル基量17当量/tのポリエステルを得た。さらに、第三工程として、得られたポリエチレンテレフタレートを160℃で6時間乾燥、結晶化させたのち、圧力65Paの減圧条件下にて220℃、16時間の固相重合を行い、固有粘度(IV)0.82、末端カルボキシル基量9.7当量/tのポリエステル樹脂組成物6を得た。得られた樹脂組成物の特性を表1に示す。
[参考例6] ポリエステル樹脂組成物α1の調製
参考例2で得られたポリエステル樹脂組成物4を2軸押出機に投入した。リン酸二水素ナトリウム2水和物7.5モル/tとリン酸7.0モル/tとエチレングリコールとの混合物(リン化合物の濃度2.0質量%)を、ポリエステル樹脂組成物投入直後(ポリエステル樹脂組成物の溶融前)とポリエステル樹脂組成物溶融後の2回に分けて半量ずつ2軸押出機内に投入し、温度290℃にて余剰なエチレングリコールをベント口から排出しながら溶融混練を行い、ポリエステル樹脂組成物α1を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
[参考例7] ポリエステル樹脂組成物α2〜17、β1〜2の調製
表2に示すポリエステル樹脂ならびにリン酸アルカリ金属塩、リン酸を用いた以外は参考例6と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。なお、ポリエステル樹脂組成物α5では、リン酸アルカリ金属塩・リン酸・エチレングリコール混合物を、ポリエステル樹脂投入直後(溶融前)に一括添加し、またポリエステル樹脂組成物α14においては、溶融混練温度を300℃に変更した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性を表2に示す。
[参考例8] 二酸化珪素含有ポリエステル樹脂組成物の調製
参考例2で得られた95質量部のポリエステル樹脂組成物4に、平均粒径3μmの二酸化珪素粒子5質量部を2軸押出機にて290℃にて混練し、二酸化珪素含有ポリエステル樹脂組成物を得た。
[実施例1]
参考例に従って調製した25質量部のポリエステル樹脂組成物α1と74質量部のポリエステル樹脂組成物1と1質量部の二酸化珪素含有ポリエステル樹脂組成物との混合物を圧力1kPaの減圧条件下、温度170℃で4時間乾燥した後、押出機に供給し285℃で溶融押出を行った。
ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き60μmのフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを予熱ロールにて85℃に予熱後、上下方向からラジエーションヒーターを用いて100℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.5倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向(一軸延伸)フィルムとした。
次いで、一軸配向(一軸延伸)フィルムをクリップで把持してオーブン中にて100℃の熱風にて予熱し、引き続き連続的に延伸工程において120℃熱風で加熱しながら幅方向に3.8倍延伸した。得られた二軸配向(二軸延伸)フィルムを熱処理工程に導き、215℃の熱風にて10秒間熱処理を行った。熱処理工程を経たフィルムを215℃から100℃まで冷却しながら5%の弛緩処理を施し、続けて80℃まで冷却した。次いで、フィルムをオーブンより引き出し、幅方向両端部を除去した後に巻き取り、厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を表4−1に示す。高い耐湿熱性(伸度保持率)を有し、リン起因の異物が非常に少なく、かつ特に重合時間が短縮された生産性にも優れたポリエステルフィルムであった。
[実施例2〜22、比較例1〜6]
ポリエステル樹脂組成物Aを表3−1、表3−2に示した構成とした以外は実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表4−1、表4−2に示す。
[結果の考察]
アルカリ金属元素含有量WAが165ppm以上850ppm以下、リン元素含有量WPが330ppm以上2000ppm以下であるポリエステル樹脂組成物αを5質量%以上50質量%以下含有したポリエステル樹脂組成物Aを用いることで、生産性が良好でありながら、高い耐湿熱性の維持およびリン起因の異物発生を抑制可能な、優れた特性のポリエステルフィルムを得ることができた。
また、ポリエステル樹脂組成物αの製造方法としては、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂とリン酸とリン酸アルカリ金属塩を合計した濃度が3.0質量%以下の溶液またはスラリーを溶融混練することで、リン起因の異物発生を抑制しながら、高濃度にリン化合物を含有したポリエステル樹脂組成物を得ることができた。
さらに、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中に、アルカリ金属元素含有量WAfが20ppm以上150ppm以下、リン元素含有量WPfが40ppm以上500ppm以下、WAf/WPfが0.3以上0.8以下に、アルカリ金属元素とリン元素の含有量を調製する事で、高い耐湿熱性とリン起因の異物低減の両立を高いレベルで両立させることが可能となるため好ましく、さらには、マンガン化合物をマンガン元素量として100ppm以上300ppm以下含有する事で耐湿熱性をより高めることが可能となる(実施例2と実施例15との比較)。特に、耐湿熱性を向上させるためには、フィルム中の末端カルボキシル基を25当量/t以下とすることが好ましい。ただし、この場合は、ポリエステル樹脂中の末端カルボキシル基量を減少させるために固相重合時間を長くするなどの処理が必要となるため、生産性は悪化する方向となるが、本発明のアルカリ金属元素ならびにリン元素を高濃度に含有可能な樹脂組成物αを用い、その混率を調整することで、それぞれの使用方法に適合した耐湿熱性(加水分解性)を有するフィルムを効率よく生産することが可能となる。
一方、ポリエステル樹脂組成物A中にアルカリ金属元素を全く含まなかったり(比較例1)また、ポリエステル樹脂組成物A中に含まれるリン元素、アルカリ金属元素を含有するポリエステル樹脂組成物において、リン元素、アルカリ金属元素量が規定量より少なかったり(比較例2)、さらにポリエステル樹脂組成物αの混率が少なかった場合(比較例4)については、耐湿熱性(耐加水分解性)に劣るものであった。また、ポリエステル樹脂組成物A中に含まれるリン元素、アルカリ金属元素を含有するポリエステル樹脂組成物において、リン元素、アルカリ金属元素量が規定量より多かったり(比較例3)、ポリエステル樹脂組成物αの混率が多かった場合(比較例5)はリン元素を含む異物量が増加した。さらに、リン元素およびアルカリ金属元素を含有するポリエステル樹脂の比率が大きい比較例5や比較例7については生産性に劣る問題があった。
Figure 2015007171
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本発明の製造方法によって、高温高湿下での耐久性に優れた内部欠陥が少ないポリエステルフィルムを生産性よく得ることができる。本発明の製造方法により得られるポリエステルフィルムは、高温高湿下での耐久性に優れるため、太陽電池封止シート、銅貼り積層板、粘着テープ、フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ、面状発熱体、もしくはフラットケーブルなどの電気絶縁材料、コンデンサ用材料、自動車用材料、建築材料を初めとした耐久性が重視されるような用途に好適に使用することができる

Claims (6)

  1. ポリエステル樹脂組成物Aを溶融押出しし、シート状に成型した後に長手方向と幅方向の二軸に延伸する工程を有するポリエステルフィルムの製造方法であって、前記ポリエステル樹脂組成物A中に、アルカリ金属元素含有量WAが165ppm以上850ppm以下、リン元素含有量WPが330ppm以上2000ppm以下であるポリエステル樹脂組成物αをポリエステル樹脂組成物Aに対して5質量%以上50質量%以下含有する事を特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 前記ポリエステル樹脂組成物αが、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂組成物に、リン酸およびリン酸アルカリ金属塩を含む溶液またはスラリーを添加した後溶融混練して得られたものであり、かつ、前記溶液またはスラリーにおけるリン酸とリン酸アルカリ金属塩を合計した濃度が3.0質量%以下である事を特徴とする、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 前記リン酸およびリン酸アルカリ金属塩を含む溶液またはスラリーが、固有粘度(IV)が0.70以上1.00以下のポリエステル樹脂組成物に対して、リン酸アルカリ金属塩を7.0モル/tを越えて30.0モル/t以下、リン酸を3.5モル/tを越えて35.0モル/t以下となるように添加する事を特徴とする、請求項2に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの方法により製造された二軸配向ポリエステルフィルムであって、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中のアルカリ金属元素含有量WAfが20ppm以上150ppm以下、リン元素含有量WPfが40ppm以上500ppm以下、WAf/WPfが0.3以上0.7以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中に、マンガン元素を100ppm以上300ppm以下含有する請求項4に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量が25当量/t以下である請求項4または5に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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