JP2015007002A - ロコモティブ症候群改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロコモティブ症候群改善効果を示す組成物として有効な食品や医薬品を提供すること。【解決手段】sn−グリセロ(3)ホスホコリンを有効成分として含有するロコモティブ症候群改善剤。当該ロコモティブ症候群改善剤は、好適には、身体活動強度で3〜6METs(メッツ)、且つ身体活動量で1EX(エクササイズ)以上の身体活動と併用される。【選択図】なし

Description

本発明は、ロコモティブ症候群を改善するための剤およびキットに関する。
日本の高齢化は著しく進んでおり、介護・看護の問題が社会全体に重くのしかかっている。要介護者の介護が必要となるに至った原因として、関節症(8.9%)と骨折・転倒(10.9%)が上位に挙げられており、これらを合わせた運動器障害は、原因全体の19.8%にも相当する(非特許文献1)。この運動器障害の原因となるロコモティブ症候群(運動器症候群ともいう)は、実際にはもっと早い時期に始まっていることが明らかにされている。具体的には、膝の変形性関節症(OA)の有病率は40歳以上の女性で62.4%、男性で42.6%であり、腰椎のOAの有病率は40歳以上の女性で65.5%、男性で81.5%であると推定されている(非特許文献2)。すなわち、日本人口のうち、2,530万人(女性1,670万人、男性860万人)が膝OAに、3,790万人(女性1,900万人、男性1,890万人)が腰椎OAに罹っていることになる。ロコモティブ症候群は、糖尿病に匹敵する国民病になっているのである。
ロコモティブ症候群は、加齢によって、骨、筋肉、および軟骨が機能低下することによって起こる。これら人体構成の3要素は相互に複雑に関連しあっており、予防・改善はなかなか進展しない現状がある。運動療法や、これに栄養療法を加えての予防・改善が提案されているが、虚弱高齢者に対しては、中等度の負荷や多彩な運動プログラムのみでは筋力と身体機能は改善しないとする研究例(非特許文献3)や、日常生活動作(ADL)要介護高齢者に対しては、高負荷の運動とタンパク補給を併用しないと効果が得られないとの研究例(非特許文献4)の報告もあり、かえって過度の負荷をかけることで運動器障害を起こす事態になりかねない現実と隣り合わせなのである。
一方で、両親媒性を有し、生体膜の構成成分であるリン脂質は、その生理活性について基礎的な研究の深化が進んでいる。運動機能についても、例えば、ホスファチジルコリンによる運動時の乳酸蓄積抑制作用(非特許文献5)、ホスファチジルセリンによる持久力向上効果(非特許文献6)、あるいはスフィンゴミエリンによる筋力・持久力の向上効果(特許文献1)が報告されている。しかしながら、アミノ酸栄養の研究では、必須アミノ酸の種類によって若年層の筋力向上効果が高齢者に対して当てはまる場合とそうでない場合のあることが明らかになっている(非特許文献7)。
このことからも判るように、ロコモティブ症候群の予防・改善は一筋縄では行かないのであり、ロコモティブ症候群を十分に満足できるほどに維持・向上する生理活性成分は未だ見出されていない。
以上の通り、中・高年者のADLを良好に保ち、要介護に至る道を断ち、出来る限り長きに渡って生活の質(QOL)を保ちながら、快適な高齢生活を送るために、ロコモティブ症候群改善剤が求められているのである。
特開2011−157330号公報
厚生労働省,「平成22年国民生活基礎調査」,2010年,p.30(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/dl/gaikyou.pdf) 吉村典子ら,「変形性関節症の有病率と患者数の推定」,第8回日本骨粗鬆症学会,2006年10月 Katharine C.M. Nash, "The effects of exercise on strength and physical performance in frail older people", Reviews in Clinical Gerontology, Issue 04 / November 2012, pp.274-285 Jyvakorpi SK, Puranen T, Suominen M., "Effect of high-intensity exercise and protein supplementation on muscle mass in ADL dependent older people with and without malnutrition--a randomized controlled trial.", J. Nutr. Health Aging. 2011, 16(8), pp.554-60 Von Allworden HN, Horn S, Feldheim W, "The Influence of Lecithin on the Performance and the Recovery Process of Endurance Athletes", in "Phospholipids: Characterization, Metabolism, and Novel Biological Applications" Edited by Cevc G, Paltauf F. Champaign, AOCS Press, 1995, pp.319-325. Kingsley MI, Kilduff LP, McEneny J, Dietzig RE, Benton D., "Phosphatidylserine supplementation and recovery following downhill running", Med. Sci. Sports Exerc.,2006, 38(9), pp.1617-25 小林久峰,「必須アミノ酸によるサルコペニアの予防、治療」,日老医誌,2012年,第49巻,pp.203-205
本発明は、ロコモティブ症候群改善効果を示す組成物として有効な食品や医薬品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、sn−グリセロ(3)ホスホコリンを摂取することによって、ロコモティブ症候群が改善することを見出した。更に、sn−グリセロ(3)ホスホコリンを適度な運動と併用することにより、ロコモティブ症候群改善効果が向上することを見出し、以下の本発明を完成するに至った。
[1]sn−グリセロ(3)ホスホコリンを有効成分として含有するロコモティブ症候群改善剤。
[2]身体活動強度で3〜6METs(メッツ)、且つ身体活動量で1EX(エクササイズ)以上の身体活動と併用される、前項[1]記載のロコモティブ症候群改善剤。
[3]当該身体活動の開始の1時間前から開始時の間に投与される、前項[2]記載のロコモティブ症候群改善剤。
[4]前項[1]から[3]のいずれか1つに記載のロコモティブ症候群改善剤、及び身体活動強度で3〜6METs(メッツ)、且つ身体活動量で1EX(エクササイズ)の運動を実施するためのトレーニング器具又は設備を含む、ロコモティブ症候群改善促進用キット。
本発明のロコモティブ症候群改善剤は、単独摂取および適度な運動との併用によってロコモティブ症候群を効果的に改善する。
α−GPC長期摂取試験前後(実験1対応)のチェアスタンド試験の結果を表す図である。Preは実験1開始前、4Wは実験1終了後のデータを示す。 α−GPCの長期摂取試験(実験1)後そのままα−GPCの長期摂取と有酸素性運動の長期併用試験(実験2)を継続した時(実験1+実験2対応)のチェアスタンド、脚伸展パワー、長座体前屈の結果を表す図である。Preは実験1開始前、Postは実験2終了後のデータを示す。 α−GPCと有酸素性運動の長期併用による生活の変化として1日の歩数、エクササイズ合計および歩行時間の結果を表す図である。Preは実験1の期間中のデータ、Postは実験2の期間中のデータを示す。
本発明は、sn−グリセロ(3)ホスホコリンを有効成分として含有してなるロコモティブ症候群改善剤を提供する。
本発明において用いられるsn−グリセロ(3)ホスホコリンは、リン脂質であるホスファチジルコリンから2個の脂肪酸(オレイン酸及びパルミチン酸)を脱アシル化した水溶性化合物であり、「α−GPC」とも称される。sn−グリセロ(3)ホスホコリンは、具体的には以下の化学式で表される。
本発明においてsn−グリセロ(3)ホスホコリンには、ロコモティブ症候群改善効果を有する限り、上記化学式に基づく光学異性体及び当該光学異性体との混合物も含まれる。
本発明において用いられるsn−グリセロ(3)ホスホコリンの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、動植物のホスファチジルコリンを脱アシル化することにより得ることができる。ホスファチジルコリンの脱アシル化の方法は、特に限定されないが、例えば、酵素法(例、ホスホリパーゼとの酵素反応)や化学法(例、アルカリけん化分解)等を用いて脱アシル化を実施することができる。
理論には拘束されないが、sn−グリセロ(3)ホスホコリンは、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対し、コリン作動性細胞において神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆物質になる。従って、sn−グリセロ(3)ホスホコリンの有効量を哺乳動物(特に、ヒト)に投与することにより、当該哺乳動物の中枢機能の認知機能などに影響を及ぼし、ロコモティブ症候群を改善することができる。よって、sn−グリセロ(3)ホスホコリンを有効成分として含有する本発明のロコモティブ症候群改善剤は、哺乳動物のロコモティブ症候群を改善するための食品、又は医薬品(食品組成物又は医薬組成物)として提供され得る。
本発明における「ロコモティブ症候群」とは、加齢等が原因で、骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰えることを指す。ロコモティブ症候群になると日々の生活の中で自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになったりする可能性が高くなりなる。運動器が衰えることで、小さな段差での転倒や骨折する人が急増しており、特にひざ痛、腰痛症、骨粗鬆症の人は注意が必要と言われている。
従って、本発明のロコモティブ症候群改善剤は、運動器の機能低下を改善するための食品又は医薬品として有用である。
本発明のロコモティブ症候群改善剤は、常法にしたがって製剤化することができる。製剤としては固体製剤であってもよく、或いは液体製剤であってもよい。かかる製剤としては、例えば錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣剤、カプセル、乳剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁物等が挙げられる。また、製剤化においては、製剤上の必要に応じて、賦形剤等の添加剤を加えることができる。賦形剤としては、目的によって、充填剤、結合剤、凝固剤、滑たく剤、崩壊剤、色素、甘味料、香料、コーティング剤等を単独、もしくはこれらを組み合わせて使用することができる。
本発明におけるロコモティブ症候群改善剤のsn−グリセロ(3)ホスホコリン含有量は、製剤の形態によって相違するが、製剤全体に対して、通常0.01〜90重量%、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは5〜50重量%である。尚、sn−グリセロ(3)ホスホコリンが塩、水和物又は溶媒和物である場合、その含有量については、遊離体に換算した上で計算を行うものとする。
本発明のロコモティブ症候群改善剤を食品として構成する場合、その態様に特に制限はなく、一般の加工食品のほかに、健康食品、機能性食品、濃厚流動食、栄養補助食品、飲料及び食品を含む飲食物、または、これらの添加物とすることができる。具体的には、sn−グリセロ(3)ホスホコリンを、サプリメント、清涼飲料に配合することができるが、特に限定されるものではない。
また、本発明の食品においては、sn−グリセロ(3)ホスホコリンをそのまま食品に添加してもよく、或いは食品の原材料として加工して添加してもよい。
本発明の食品の形態としては、液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状等の食品が挙げられる。本発明の食品の具体例としては、飲料(スポーツドリンク、茶、スープ等)、ゼリー飲料、ヨーグルト、フローズンヨーグルト、調味料(ドレッシング、マヨネーズ、ふりかけ、味噌、醤油、焼肉のたれ等)、麺類、畜肉魚肉加工食品(ハム、ソーセージ等)、ジャム、乳製品(牛乳、クリーム、バター、チーズ、マーガリン等)、パン、菓子類(ゼリー、アイスクリーム、シャーベット、プリン等)等が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の食品は極めて多種類の形態にわたり、前記の例示に限定されるものではない。
sn−グリセロ(3)ホスホコリンを含む食品は、食品の形態に応じて他の添加物を含むものであってもよい。このような添加物として、賦形剤、増量剤、結合剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、食品添加物、調味料等を挙げることができる。食品添加物としてはビタミン類、ミネラル、キチン、キトサン、レシチン、ローヤルゼリーなどが挙げられる。調味料としては、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料;アルコール;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料;香料;色素などが挙げられ、本発明の食品を好みの味や色に調整するために用いることができる。また、本発明の目的と関連する公知の素材を併用してもよい。
本発明の食品は、当業者が通常行う方法により製造することができる。例えば、粉末状の食品を得るには、sn−グリセロ(3)ホスホコリンに、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどの賦形剤を必要に応じて添加して、凍結乾燥、噴霧乾燥などの乾燥方法により粉末とすることにより得ることができる。また、賦形剤の他にも、必要に応じて、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、タンパク質、糖質、色素、香料、その他の食用添加剤等をさらに添加することができる。
本発明の食品は、他の生理活性物質または健康食品素材と組み合わせても構わない。このような物質としては、例えば、青汁、健康酢、健康茶、ローヤルゼリー、アロエ、ブルーベリー、プロポリス、イソフラボン、ノニ、核酸、にんにく、ウコン、酵素、高麗ニンジン、雑穀、納豆、イチョウ葉、発芽玄米、マカ、メシマコブ、ブドウ種子、スピルリナ、明日葉、フコイダン、牡蠣、馬油、桑葉、サラシア、ハナビラタケ、田七ニンジン、カシス、シジミ、キクイモ、コラーゲン、クロレラ、グルコサミン、キトサン、カルニチン、CoQ10、セラミド、オクタコサノールなどが挙げられる。
sn−グリセロ(3)ホスホコリンは、食経験も充分ある極めて安全な物質である。コリンの摂取量は3g/日とされている。コリンに比べてsn−グリセロ(3)ホスホコリンは分子量が約2倍であるため、6g/日程度の摂取量が想定される。この点から、本発明の食品の摂取量は厳しく制限されるものではないと考えられるが、概ね、下限は目的に応じた効果を発揮しうる最低量を、上限は摂取のしやすさ、経済性等の観点から実際的な量を基準とし、経口投与の場合、通常、成人1日あたり、sn−グリセロ(3)ホスホコリンとして、約10mg〜約5g、好ましくは約100mg〜約2gを摂取すればよい。もちろん、摂取する者の年齢、体重、症状、服用期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日あたりの量を数回に分けて摂取することもできる。
本発明の食品の摂取期間は、ロコモティブ症候群改善効果を発揮しうる限り特に限定されないが、長期間摂取するほど、高いロコモティブ症候群改善効果が期待される。このような観点から、本発明の食品(sn−グリセロ(3)ホスホコリン)は、例えば、1週間以上、好ましくは4週間以上の期間に亘り摂取される。
本発明の食品の摂取頻度は、ロコモティブ症候群改善効果を発揮しうる限り特に限定されないが、高頻度で摂取するほど、高いロコモティブ症候群改善効果が期待される。このような観点から、本発明の食品(sn−グリセロ(3)ホスホコリン)は、例えば、2日に1回以上、好ましくは1日に1回以上の頻度で、摂取される。
好ましい態様において、本発明の食品(sn−グリセロ(3)ホスホコリン)は、1日に1回以上の頻度で、4週間以上の期間に亘り摂取される。
本発明のロコモティブ症候群改善剤を医薬品として構成する場合、一つの実施態様において、本発明の医薬品は経口投与に好適な製剤として提供される。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水のような希釈液に有効量のsn−グリセロ(3)ホスホコリンを溶解させた液剤、有効量のsn−グリセロ(3)ホスホコリンを固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、顆粒剤、散剤又は錠剤、適当な分散媒中に有効量のsn−グリセロ(3)ホスホコリンを懸濁させた懸濁液剤、有効量のsn−グリセロ(3)ホスホコリンを溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。
別の実施態様において、本発明の医薬品は非経口的な投与に好適な製剤として提供される。非経口的な投与(例、静脈内注射、皮下注射、筋肉注射、局所注入など)に好適な製剤としては、水性および非水性の等張無菌の注射液剤があり、これには抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれていてもよい。また、水性および非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤等が含まれていてもよい。当該製剤は、アンプルやバイアルのように単位投与量あるいは複数回投与量ずつ容器に封入することができる。また、有効成分および薬学的に許容され得る担体を凍結乾燥し、使用直前に適当な無菌のビヒクルに溶解又は懸濁すればよい状態で保存することもできる。
患者への負担を軽減する観点から、本発明の医薬品は、対象に対して経口投与することが好ましい。
本発明の医薬品において、有効成分であるsn−グリセロ(3)ホスホコリンの投与量は、投与形態、投与対象の種類、投与ルート、投与期間、体重、年齢等によって異なるが、上述した本発明の食品の摂取量と同様な範囲とすることができる。もちろん、上述したように投与量は種々の条件で変動するため、上記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
また、本発明の医薬品において、有効成分であるsn−グリセロ(3)ホスホコリンの投与期間及び投与頻度も、投与形態、投与対象の種類、投与ルート、体重、年齢等によって異なるが、上述した本発明の食品の摂取期間及び摂取頻度と同様な範囲とすることができる。
後述の実施例に示されるように、sn−グリセロ(3)ホスホコリンのロコモティブ症候群改善活性は、身体活動と併用することにより促進される。身体活動とは、安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動きを意味する。身体活動には運動及び生活活動が包含される。運動とは、身体活動のうち、体力の維持又は向上を目的として計画的又は意図的に実施するものを意味する。生活活動とは、身体活動のうち、運動以外のものをいい、職業活動上のものも含む。本発明のロコモティブ症候群改善剤は、好ましくは身体活動(好ましくは、運動)と併用される。
本明細書において、身体活動の強さ及び量を表す単位として、運動所要量・運動指針の策定検討会が平成18年7月に示した「健康づくりのための運動指針2006」に記載された、「メッツ」及び「エクササイズ」が用いられる。本発明のロコモティブ症候群改善剤と併用される身体活動(好ましくは、運動)は、生体内の脂質を消費するのに十分であるが軽度な身体活動、例えば、強度が3メッツ以上6メッツ以下(好ましくは、4メッツ)、且つ量が1エクササイズ以上の身体活動が好ましい。3メッツの生活活動としては歩行等が挙げられるが、これに限定されない。3メッツの運動としては、50ワットでの自転車エルゴメータ、ボーリング、バレーボールなどが挙げられるが、これらに限定されない。4メッツの生活活動としては、自転車、庭掃除等が上げられるが、これらに限定されない。4メッツの運動としては、速歩、ゴルフ、水中運動、卓球等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のロコモティブ症候群改善剤の身体活動(好ましくは、運動)との併用は、具体的には、当該身体活動を開始する前又は後(例えば、身体活動開始12時間前〜12時間後の間、好ましくは3時間前〜3時間後の間、より好ましくは1時間前〜1時間後の間、更に好ましくは30分前〜30分後の間)に、本発明のロコモティブ症候群改善剤を投与(又は摂取)することにより行われる。即ち、本発明は、身体活動を開始する前又は後(例えば、身体活動開始12時間前〜12時間後の間、好ましくは3時間前〜3時間後の間、より好ましくは1時間前〜1時間後の間、更に好ましくは30分前〜30分後の間)に、sn−グリセロ(3)ホスホコリンの有効量を対象に投与することを含む、当該対象におけるロコモティブ症候群改善方法を提供するものである。
好ましい態様において、本発明のロコモティブ症候群の身体活動(好ましくは、運動)との併用は、具体的には、当該身体活動を開始する前(例えば、身体活動開始1時前〜開始時の間、好ましくは身体活動開始30分前〜開始時の間)に、本発明のロコモティブ症候群を投与(又は摂取)することにより行われる。即ち、本発明は、身体活動を開始する前(例えば、身体活動開始1時前〜開始時の間、好ましくは身体活動開始30分前〜開始時の間)に、sn−グリセロ(3)ホスホコリンの有効量を対象に投与することを含む、当該対象におけるロコモティブ症候群改善方法を提供するものである。このようなタイミングで、本発明のロコモティブ症候群改善剤を投与又は摂取することにより、ロコモティブ症候群を効率的に改善することができる。
本発明のロコモティブ症候群改善剤を身体活動(好ましくは、運動)と併用する際の、身体活動(好ましくは、運動)を行う期間は、sn−グリセロ(3)ホスホコリンのロコモティブ症候群改善活性を向上させる限り、特に限定されないが、より長期間身体活動(好ましくは、運動)を行うことにより、より高いロコモティブ症候群改善効果が期待される。このような観点から、身体活動(好ましくは、運動)は、例えば、1週間以上、好ましくは4週間以上の期間に亘り行われる。
身体活動(好ましくは、運動)を行う頻度は、n−グリセロ(3)ホスホコリンのロコモティブ症候群改善活性を向上させる限り特に限定されないが、高頻度で身体活動(好ましくは、運動)を行うほど、高いロコモティブ症候群改善効果が期待される。このような観点から、身体活動(好ましくは、運動)は、例えば、1週間に1日以上、好ましくは1週間に2日以上、より好ましくは、1週間に3日以上の頻度で、行われる。
好ましい態様において、本発明のロコモティブ症候群改善剤は、1日に1回以上の頻度で、4週間以上の期間に亘り摂取され、この間、軽度な身体活動(例えば、強度が3メッツ以上6メッツ以下(好ましくは、4メッツ)、且つ量が1エクササイズ以上の身体活動)が、週3日以上の頻度で行われる。
より好ましい態様において、本発明のロコモティブ症候群改善剤は、1日に1回以上の頻度で、4週間以上の期間に亘り摂取され、この間、軽度な身体活動(例えば、強度が3メッツ以上6メッツ以下(好ましくは、4メッツ)、且つ量が1エクササイズ以上の身体活動)が、週3日以上の頻度で行われ、軽度な身体活動を行う際には、その開始1時前〜開始時の間に本発明のロコモティブ症候群改善剤が投与(又は摂取)される。
ロコモティブ症候群は加齢に伴う疾患である。従って、一態様において、本発明のロコモティブ症候群改善剤は、ロコモティブ症候群を患う、或いはロコモティブ症候群を患う可能性のある中高齢者(例えば、40歳以上、50歳以上、60歳以上、70歳以上の成人)に投与(又は摂取)され、ロコモティブ症候群の症状を改善し、進行を遅延させ、又は発症を予防する。
一実施態様において、本発明のロコモティブ症候群改善剤(好ましくは、本発明の食品)は、強度が3メッツ以上6メッツ以下(好ましくは、4メッツ)、且つ量が1エクササイズ以上の運動を実施するためのトレーニング器具又は設備を少なくとも1つ備えるスポーツ施設において提供される。当該運動を実施するための器具としては、自転車エルゴメータ、ルームランナー、ウェイトトレーニングマシン、ダンベル、卓球台等を挙げることができるが、これらに限定されない。当該運動を実施するための設備としては、競泳用プール、陸上トラック、運動場、サッカーコート、テニスコート、ゴルフ練習場、体育館等を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明のロコモティブ症候群改善剤は、当該スポーツ施設内において、自動販売機、ドリンクサーバ、カウンターでの手渡し等の設備を介して、施設利用者に提供される。施設利用者は、上記トレーニング器具又は設備を用いて運動を開始する前(例えば、身体活動開始1時前〜開始時の間、好ましくは身体活動開始30分前〜開始時の間)に、当該スポーツ施設内の設備を介して入手した本発明のロコモティブ症候群改善剤を摂取することにより、効率的にロコモティブ症候群を改善することができる。即ち、本発明は、上記本発明のロコモティブ症候群改善剤(好ましくは、本発明の食品)を提供する設備、及び3メッツ以上6メッツ以下、且つ1エクササイズ以上の運動を実施するためのトレーニング器具又は設備を少なくとも1つ備える、スポーツ施設(ロコモティブ症候群改善促進用スポーツ施設)をも提供する。
運動に関しては、歩行(速歩のウォーキング)30分程度の運動で日常生活の中でも簡便に行える運動強度でもsn−グリセロ(3)ホスホコリン摂取との併用でロコモティブ症候群改善を促進させる。従って、一態様において、本発明のロコモティブ症候群改善剤と併用される身体活動には30分以上の歩行が含まれる。安静時の酸素摂取量が3.75mL/min/kg程度であるのに対して、ウォーキング時は15mL/min/kgになる。そのため、酸素摂取量が安静時の4倍であるので、4メッツ程度となる。この運動を30分間継続した場合、体重60kgで換算すると15(mL/min/kg)×30(min)×60(kg)=27Lになる。酸素摂取量1L当たりを5kcalで計算すると、約135kcalの運動をしたことになる。
また、本発明は、上記本発明のロコモティブ症候群改善剤、及び3メッツ以上6メッツ以下、且つ1エクササイズ以上の運動を実施するためのトレーニング器具又は設備を含む、ロコモティブ症候群改善用キットを提供する。当該キットは上記トレーニング施設等で用いられる。当該キットを用いることにより、効率的にロコモティブ症候群を改善することが出来る。
中高齢者におけるα−GPC慢性摂取および有酸素性運動の併用が生活運動機能に及ぼす影響について試験を行った。
[対象]
中高齢者(65.6±3.0歳、身長156.5±3.7cm、体重50.4±6.0kg、体脂肪率28.3±7.0%)女性10名を対象に以下の、[実験1]と[実験2]の2つの縦断的な介入研究を実施した。実験1の終了後に、引き続き同一被験者について実験2を実施した。
[実験1](長期摂取による生活運動機能の改善)
1,000mg α−GPCを1日1回4週間もの長期にわたり摂取することによる生活運動機能の改善に及ぼす影響についての検討。
[実験2](有酸素性運動の長期併用による生活運動機能の改善)
1日1回の1,000mg α−GPC摂取および週3日の有酸素性運動を4週間もの長期にわたり併用することによる生活運動機能の改善に及ぼす影響についての検討。
α−GPCと有酸素性運動との併用試験においては、被験者は、午前10時に大学構内に集合した。集合後30分間安静にした。α−GPCは試験期間中継続的に被験者個人が飲み忘れの無いように1日1000mg摂取した。有酸素性運動としては、30分のウォーキングを行った。詳細には、最初3METsの運動を行った後、主運動として速歩(95m/min)を含む4〜6METsの運動を行った。その後、クールダウンとしてゆっくりな3METsの運動を行った。運動は10分毎に心拍数等を測りながら30分間続けて行った。運動の強度は平均すると4METsで、心拍数は90〜120拍/分であった。運動後30分間は座位の状態で安静にするように指示をした。
α−GPCは、運動開始の1時間前に摂取した。運動を実施しない日においては、α−GPCは食間に摂取した。
[チェアスタンドの測定方法]
手は使わないように手は胸の前で組みながら椅子から立って、座る動作を30秒間に行える回数を測定した。立ち上がったら1回とカウントした。
[脚伸展パワーの測定方法]
座位状態で膝を屈曲状態から伸展するときの筋パワーを測定した。6回測定の行いその中で最大値を脚伸展パワーとした(T.K.K.1865 LEGPOWER、竹井機器工業社製)。
[長座体前屈の測定方法]
初期姿勢として被測定者は、長座姿勢をとった。壁に背・尻をぴったりとつけた。ただし、足首の角度は固定しなかった。肩幅の広さで両手のひらを下にして背筋を伸ばした。初期姿勢時に零点を合わせた。前屈動作として被測定者は、両手を計測器から離さずにゆっくりと前屈して、真っ直ぐ前方にできるだけ遠くまで滑らせた。このとき、膝が曲がらないように注意した。最大に前屈した時の長さを測定した。2回測定を行い、最大値を採用した(T.K.K.5112 デジタル長座体前屈計、竹井機器工業社製)。
[歩数、エクササイズ合計、歩行時間の測定方法]
活動量計(Active Style Pro HJA-350IT オムロン社製)を用いて、歩数、エクササイズ合計及び歩行時間を、平日5日間、土日2日間を含む1週間測定して、その平均値を算出した。
その結果、α−GPCの長期摂取によりチェアスタンドが改善し(図1)、α−GPCと有酸素性運動の長期併用によりチェアスタンドがより有意に改善し、脚伸展パワー及び長座体前屈は有意な傾向を示した(図2)。α−GPCと有酸素性運動との併用により、α−GPC単独投与と比較して、チェアスタンドがより有意に改善した。4週間の運動介入により、歩数、1日のエクササイズ合計および歩行時間が増大した。運動介入により、歩数は1日2,000歩程度増大し、厚生労働省が推奨する+10の身体活動量の増加及び+1000歩の歩数の増加を達成した(図3)。
本発明のロコモティブ症候群改善剤は、単独摂取および適度な運動との併用によってロコモティブ症候群を効果的に改善する。

Claims (4)

  1. sn−グリセロ(3)ホスホコリンを有効成分として含有するロコモティブ症候群改善剤。
  2. 身体活動強度で3〜6METs(メッツ)、且つ身体活動量で1EX(エクササイズ)以上の身体活動と併用される、請求項1記載のロコモティブ症候群改善剤。
  3. 当該身体活動の開始の1時間前から開始時の間に投与される、請求項2記載のロコモティブ症候群改善剤。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のロコモティブ症候群改善剤、及び身体活動強度で3〜6METs(メッツ)、且つ身体活動量で1EX(エクササイズ)の運動を実施するためのトレーニング器具又は設備を含む、ロコモティブ症候群改善促進用キット。
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