JP2015006851A - 風向調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で優れた配風性能を確保しつつ、見栄えを向上した風向調整装置を提供する。【解決手段】ケース体13の互いに対向する位置に対をなす導入口38,39を開口する。サイドリアフィン14,15の一方による導入口38,39の一方の開方向及び閉方向への回動とサイドリアフィン14,15の他方による導入口38,39の他方の閉方向及び開方向への回動とをリンク17によって連動させる。サイドリアフィン14,15の回動に応じて、導入口38,39から導入する風の風量を制御し、中立風及び各偏向風を吹出口34から確実に吹き出すことができる。サイドリアフィン14,15が吹出口34に露出することがなく、見栄えを向上できるとともに、簡単な構成で優れた配風性能を確保できる。【選択図】図1
Description
本発明は、導入口から導入された風を吹出口から吹き出すケース体を備えた風向調整装置に関する。
従来、自動車などの車両に用いられる空調装置において、風を吹き出す吹出口に備えられる風向調整装置は、空調風吹出装置、エアアウトレット、ベンチレータ、レジスタなどとも呼ばれ、例えばインストルメントパネルやセンターコンソール部などの車両の各部に設置され、冷暖房による快適性能の向上に寄与している。
このような風向調整装置として、例えば車両のルーフサイド部に配置した通風ダクトの通風方向に沿って配置されたケース体の一側部に、通風ダクトからの風をケース体の内部の通風路へと導入する導入口を設け、この導入口に回動羽を回動可能に配置した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成では、導入口から通風路に吹き込む風を、回動羽によって車室側へと屈曲状に偏向させて吹出口から吹き出すようになっている。
また、空調装置からの風が導入される導入口、車幅方向外側に開口された第1吹出口、及び、この吹出口に対して隣接し車幅方向中央側に亘る範囲に開口された長尺の第2吹出口を有するケース体を備え、このケース体の内部の通風路に、導入された風を常時第1吹出口側に供給する第1供給口、及び、第2吹出口に供給する第2供給口を有する回動ダクトを回動可能に設けた構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この構成では、回動ダクトを回動させることにより、第2吹出口を閉じたときには第1供給口を介して第1吹出口のみから風速が高くかつ風量の多いスポット吹き出しが行われ、第2吹出口を開いたときには第2供給口及び第2吹出口から風速が抑えられたマイルド吹き出しが行われるようになっている。
しかしながら、上記の特許文献1及び2記載の構成の場合には、吹出口から回動羽やフィンが露出しており、見栄えを向上することが容易でない。
また、近年、例えばコンセプトカーなどの、デザイン性を重視した車両に用いられる風向調整装置としては、長手方向に相当長く短手方向に短い、薄型のものが求められる場合がある。このような構成の場合、インストルメントパネルのレイアウトや空調装置からのダクト経路を考慮すると、レイアウトの成立性が容易でなく、また、エアバッグの配置スペースなどによっては、空調装置からの風を正面方向に沿って導入することが容易でなく、この場合には長手方向の指向性制御も容易でない。
例えば、上記の特許文献1記載の構成の場合には、導入口がケース体の一側部のみに開口されているため、風向調整装置を薄型とする場合には、必要な配風性能を得るために別途の構成が必要になる。
また、上記の特許文献2記載の構成の場合には、導入口が車幅方向の中央側1箇所にのみ設けられているので、レイアウトに制限が生じる上記のような風向調整装置として適用することが容易でない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、簡単な構成で優れた配風性能を確保しつつ、見栄えを向上した風向調整装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の風向調整装置は、吹出口、及びこの吹出口に連通し互いに対向する位置に開口された対をなす導入口を備え、これら導入口から導入された風を前記吹出口から吹き出すケース体と、このケース体にそれぞれ回動可能に設けられ、回動により前記対をなす導入口の開口面積をそれぞれ制御する対をなす回動羽と、一方の前記回動羽による一方の前記導入口の開方向及び閉方向へのそれぞれの回動と他方の前記回動羽による他方の前記導入口の閉方向及び開方向へのそれぞれの回動とを連動させるリンクとを具備したものである。
請求項2記載の風向調整装置は、請求項1記載の風向調整装置において、ケース体は、吹出口が長尺であり、導入口が長手方向の両端部に開口されているものである。
請求項3記載の風向調整装置は、請求項1または2記載の風向調整装置において、対をなす導入口は、吹出口に向けて傾斜する方向に沿って設けられているものである。
請求項4記載の風向調整装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の風向調整装置において、各回動羽は、それぞれ各導入口の内縁よりも外形が小さく形成されているものである。
請求項5記載の風向調整装置は、請求項1ないし4いずれか一記載の風向調整装置において、各回動羽間に位置してケース体に回動可能に設けられ、リンクにより前記各回動羽と連結されてこれら回動羽の回動と連動して回動することで風向を制御する偏向羽を具備したものである。
請求項1記載の風向調整装置によれば、ケース体の互いに対向する位置に吹出口と連通する対をなす導入口を開口し、一方の回動羽による一方の導入口の開方向及び閉方向へのそれぞれの回動と他方の回動羽による他方の導入口の閉方向及び開方向へのそれぞれの回動とをリンクによって連動させることで、これら回動羽の回動に応じて、各導入口から導入される風の風量を制御し、中立風及び各偏向風を吹出口から確実に吹き出すことができる。したがって、吹出口に回動羽が露出せず、見栄えを向上できるとともに、簡単な構成で優れた配風性能を確保できる。
請求項2記載の風向調整装置によれば、請求項1記載の風向調整装置の効果に加え、吹出口を長尺とし、導入口をケース体の長手方向の両端部に設けることで、中立風及び各偏向風を長尺の吹き出し口から確実に吹き出すことができ、簡単な構成で長尺の吹出口に対して長手方向に優れた配風性能を確保できる。
請求項3記載の風向調整装置によれば、請求項1または2記載の風向調整装置の効果に加え、対をなす導入口から風が傾斜状に導入されて吹出口へと向かうので、これらの風を容易に合流させることが可能になり、各回動羽によって、より効果的に配風できる。
請求項4記載の風向調整装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の風向調整装置の効果に加え、各回動羽により導入口を完全に閉塞してしまうことがないので、一方の導入口から導入する風量を抑制して他方の導入口から導入する風量を増加させる場合、一方の導入口と一方の回動羽との隙間を通過する風によって、他方の導入口から導入される風を押し広げ、偏向風に幅を持たせることができ、より好ましい配風性能が得られるとともに、導入口を回動羽によって密閉する必要がないので、各部の寸法精度などの管理が容易になり、製造コストの低減を図ることができる。
請求項5記載の風向調整装置によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の風向調整装置の効果に加え、回動羽間に偏向羽を配置してリンクにより各回動羽と連結し、これら回動羽の回動と連動して偏向羽を回動させることで、各回動羽の反吹出口側を通過した風の風向を偏向羽によって制御でき、吹出口から吹き出される風を所望の方向へとより確実にガイドでき、配風性能をより向上できる。
以下、本発明の風向調整装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図7において、10は風向調整装置で、この風向調整装置10は、ルーバ装置あるいはベンチレータなどとも呼ばれ、例えば自動車の被取付部材であるインストルメントパネル11のセンタクラスタ12の側方などに取り付けられ、空調装置に接続されて、車室内に風を吹き出し、空調を行う車両用空調装置を構成している。なお、以下、風が吹き出す下流側(風下側)すなわち乗員側を前側、風の上流側(風上側)を後側とし、左右方向及び上下方向については、上記の自動車に取り付けた状態を例として説明する。
そして、この風向調整装置10は、図1ないし図7に示すように、ケース体13と、このケース体13に回動可能に軸支された対をなす2枚の回動羽としての(一方及び他方の)サイドリアフィン14,15と、これらサイドリアフィン14,15間に位置してケース体13に回動可能に軸支された単数または複数、本実施の形態では5枚の偏向羽としてのリアフィン16と、これらリアフィン14,15,16を連結するリンク17と、リアフィン14,15,16よりも前方の位置でケース体13に回動可能に軸支された単数または複数、本実施の形態では1枚の(第2の)風向調整羽根としての(第2の)フィンであるフロントフィン18と、フィン14,15,16,18の操作用の操作部としての操作ノブ19とを備えている。
ケース体13は、例えば合成樹脂などによって左右方向に長尺状に形成されている。すなわち、このケース体13は、上下寸法よりも左右寸法が大きい、扁平な薄型形状となっている。このケース体13は、風上側である後側を構成するケース体本体21と、このケース体本体21に一体的に取り付けられてインストルメントパネル11などと一体に設けられ風下側である前側を構成するパネル22とを備えている。そして、このケース体13は上下方向及び前後方向に短手状に形成されている。すなわち、このケース体13は、左右方向に細長く形成されている。
ケース体本体21は、水平方向に沿う互いに平行な板状の(一方及び他方の)長辺部としての上壁部25及び下壁部26と、これら上壁部25及び下壁部26の両端間を連結する(一方及び他方の)短辺部としての(一方及び他方の)側壁部27,28と、上壁部25及び下壁部26の間の後側を閉塞する閉塞壁部29と、側壁部27,28に突設された角筒状の(一方及び他方の)連結部としての(一方及び他方の)ダクト部30,31とを備え、内側が通風路(通気路)33、長手方向と交差(直交)する方向の一端側である前側がパネル22により区画される左右方向に長尺の四角形状(スリット状)の吹出口34、長手方向と交差(直交)する方向の他端側である後側の長手方向(左右方向)両端部のダクト部30,31の先端部が空調装置と連通する(一方及び他方の)嵌合相手部品である(一方及び他方の)エアダクト36,37に接続される(一方及び他方の)導入口38,39となっている。
上壁部25の上部及び下壁部26の下部には、パネル22をケース体本体21に取り付けるための受部41が前端部に位置してそれぞれ複数設けられている(上壁部25の受部41のみを図示する)。また、これら上壁部25及び下壁部26には、リアフィン14,15,16を回動可能に軸支する丸孔などの垂直軸受43,44がそれぞれ左右方向に互いに略等間隔に離間されて設けられている。なお、これら垂直軸受43,44は、それぞれ上壁部25及び下壁部26に直接設けてもよいし、上壁部25及び下壁部26に配置した別体の軸受体などに設けてもよい。
側壁部27,28には、フロントフィン18を回動可能に軸支する丸孔などの水平軸受47,48がそれぞれ設けられている。なお、これら水平軸受47,48は、それぞれ側壁部27,28に直接設けてもよいし、側壁部27,28に配置した別体の軸受体などに設けてもよい。
ダクト部30,31は、前後方向に対して後方外側に向けて傾斜する方向に軸方向を沿わせて形成されている。したがって、導入口38,39は、前後方向に沿って開口する吹出口34に向けて傾斜(交差)する方向に沿って開口している。すなわち、導入口38,39は、吹出口34の長手方向に対して交差し、かつ、短手方向に対して交差しない方向に沿って開口している。換言すれば、導入口38,39は、通風路33(吹出口34)に対して前方外側に向けて風を導入するようになっている。より詳細には、左側に位置する導入口38は、通風路33に対して右前方に向けて風を導入し、右側に位置する導入口39は、通風路33に対して左前方に向けて風を導入するようになっている。
吹出口34は、左右方向に長く、上下方向に短い形状となっている。この吹出口34は、長手寸法が短手寸法に対して例えば2倍以上、より好ましくは5倍以上となる薄型に形成されている。
エアダクト36,37は、インストルメントパネル11内のエアバッグ装置などの、位置が必然的に制限される構造物を避けて形成されている。例えば、これらエアダクト36,37としては、例えば車体側に設置されるセンターダクトとサイドダクトとを用いる、また、センターダクトとサイドダクトとのいずれかを2又に分けて設定する。本実施の形態では、これらエアダクト36,37は、ダクト部30,31(導入口38,39)へとそれぞれ直線状に風を導入するように傾斜状に形成されている。そして、これらエアダクト36,37は、ダクト部30,31(導入口38,39)に対して、それぞれ角筒状のシール部材51,52を介して気密に接続されている。
パネル22は、フィニッシャなどとも呼ばれるもので、吹出口34の周囲を区画する四角形枠状のパネル本体54と、このパネル本体54の背後の上下部から突出し上壁部25及び下壁部26の受部41に嵌合して取り付け固定される舌片状の突出受部55とを一体的に備えている(下側の突出受部55のみを図示する)。
サイドリアフィン14,15は、縦ルーバなどとも呼ばれ、上下方向を長手方向としてそれぞれ配置されている。これらサイドリアフィン14,15は、それぞれケース体13の垂直軸受43,44に上下方向すなわち垂直方向を回転軸として回動可能に軸支されて通風路33内にて導入口38,39に対向して位置する。すなわち、これらサイドリアフィン14,15は、導入口38,39の開口面積を制御する矩形板状の(一方及び他方の)回動羽本体としての(一方及び他方の)サイドリアフィン本体61,62と、これらサイドリアフィン本体61,62の長手方向すなわち上下両端部から通風路33を通過する風と交差する方向である上下方向に突設され垂直軸受43,44に嵌合して回動可能に軸支される円柱状の(一方及び他方の)回動羽回動軸部である(一方及び他方の)サイドリア回動軸部63,64と、これらサイドリア回動軸部63,64から後方、すなわち通風路33の風上側へと離間しかつサイドリアフィン本体61,62の下端部の側方の位置にサイドリア回動軸部63,64と平行に下方に向けて突設された(一方及び他方の)回動羽リンク軸部としてのサイドリンク軸部65,66とを備え、ケース体13に対して左右方向に回動可能となっている。
サイドリアフィン本体61,62は、導入口38,39を通過して通風路33へと流入する風の流れを制御するもので、導入口38,39の内縁よりも小さい外形を有している。すなわち、これらサイドリアフィン本体61,62(サイドリアフィン14,15)は、導入口38,39の開口面積よりも小さい面積を有している。
サイドリア回動軸部63,64は、サイドリアフィン14,15の厚さ方向及び軸方向である上下方向と交差(直交)する方向、換言すればサイドリアフィン14,15の回動方向に対してサイドリアフィン本体61,62に沿って直交する方向の両端部に対して略等距離に離間された位置に配置されている。すなわち、これらサイドリア回動軸部63,64は、サイドリアフィン本体61,62(サイドリアフィン14,15)の中央部近傍に配置されている。そして、サイドリアフィン14,15のサイドリア回動軸部63,64は、それぞれ上下方向から見た導入口38,39の中央部にてケース体13に設けられた垂直軸受43,44に軸支されている。したがって、サイドリアフィン14,15は、サイドリアフィン本体61,62の面方向が導入口38,39の中央部にてこれら導入口38,39の開口方向、すなわち導入口38,39を通過する風の流れ方向(風軸方向)に沿う開位置から、導入口38,39を通過する風の流れ方向に対して直交する方向に沿う閉位置まで回動可能となっている。
各リアフィン16は、縦ルーバなどとも呼ばれ、上下方向を長手方向としてそれぞれ配置されている。これらリアフィン16は、それぞれケース体13の垂直軸受43,44に上下方向すなわち垂直方向を回転軸として回動可能に軸支されて通風路33内にてサイドリアフィン14,15間に略等間隔に離間されて位置する。すなわち、これらリアフィン16は、通風路33内での風向を制御する矩形板状の(第1)偏向羽本体としてのリアフィン本体71と、これらリアフィン本体71の長手方向すなわち上下両端部から通風路33を通過する風と交差する方向である上下方向に突設され垂直軸受43,44に嵌合して回動可能に軸支される円柱状の(第1)偏向羽回動軸部であるリア回動軸部72と、これらリア回動軸部72から後方、すなわち通風路33の風上側へと離間しかつリア回動軸部72と平行にリアフィン本体71の下端部から突設された(第1)偏向羽リンク軸部としてのリンク軸部73とを備え、ケース体13に対して左右方向に回動可能となっている。
リア回動軸部72は、リアフィン16の厚さ方向及び軸方向である上下方向と交差(直交)する方向、換言すればリアフィン16の回動方向に対してリアフィン本体71に沿って直交する方向の両端部に対して略等距離に離間された位置に配置されている。すなわち、これらリア回動軸部72は、リアフィン本体71(リアフィン16)の中央部近傍に配置されている。そして、リアフィン16は、サイドリアフィン14,15間において、これらサイドリアフィン14,15の回動に連動して左右方向に回動可能となっている。
ここで、リアフィン16には、左右方向の中央部に位置する1枚の操作用リアフィン16aと、この操作用リアフィン16aの左右にそれぞれ2枚ずつの従動リアフィン16bとが設定されている。操作用リアフィン16aの前部には、弧状の切欠部77が設けられ、この切欠部77に上下方向に沿って柱状の操作用軸部78が設けられている。そして、この操作用軸部78が操作ノブ19と係合することで、操作用リアフィン16aを左右方向に回動操作可能となっており、この操作用リアフィン16aの操作により、各従動リアフィン16b及びサイドリアフィン14,15が従動して左右方向に回動するようになっている。
リンク17は、サイドリアフィン14,15のサイドリンク軸部65,66を両端部に、かつ、リアフィン16のリンク軸部73をサイドリンク軸部65,66の間に、それぞれ回動可能に連結するもので、左右方向を長手方向とする細長い棒状に形成され、各リンク軸部65,66,73を回動可能に受ける円孔状の軸受部75が長手方向に互いに離間されて開口されている。そして、これらリンク17により、リアフィン14,15,16が互いに連動して左右方向の同方向に回動可能となっている。
ここで、サイドリアフィン14,15は、中立状態(図1)で導入口38,39の開口方向に対して90°未満の所定角度でそれぞれ風下側となる前端側が風向調整装置10(ケース体13(吹出口34))の長手方向である左右方向の中央部側に向けて傾斜した方向となるようにリンク17により連結されている。したがって、サイドリアフィン14,15は、中立状態で互いに左右方向に対称で、上方から見て通風路33内で吹出口34に向かって逆ハ字状、すなわち、風下側へと徐々に互いに接近するように傾斜して位置し、サイドリアフィン14,15による導入口38,39の開方向と閉方向とが互いに反対方向になるようにリンク17によって連結されている。すなわち、サイドリアフィン14,15は、互いに非平行な状態でリンク17によって連結されている。さらに、リアフィン16は、中立状態で前後方向に沿って位置し、互いに略平行を保った状態で左右に回動するようになっている。すなわち、サイドリアフィン14,15と、リアフィン16とは、吹出口34の開口方向である前後方向に対して互いに異なる角度に傾斜している。そして、このリンク17により、サイドリアフィン14,15は、一方が導入口38,39の開方向に回動するときに他方が導入口39,38の閉方向に回動するように連結されている。換言すれば、リンク17は、サイドリアフィン14,15の一方による導入口38,39の一方の開方向及び閉方向への回動とサイドリアフィン14,15の他方による導入口38,39の他方の閉方向及び開方向への回動とを連動させるようになっている。すなわち、サイドリアフィン14が導入口38の閉方向である左方に回動するときには、サイドリアフィン15も左方に回動するので導入口39の開方向に回動することとなり、サイドリアフィン14が導入口38の開方向である右方向に回動するときには、サイドリアフィン15も右方に回動するので導入口39の閉方向に回動することとなる。
一方、フロントフィン18は、横ルーバとも呼ばれ、左右方向(水平方向)を長手方向として配置され、ケース体13の側壁部27,28の上下方向の略中央部に位置する水平軸受47,48に水平方向を回転軸として回動可能に軸支されて通風路33内、あるいは通風路33の下流側の端部である吹出口34に位置する。このフロントフィン18は、細長矩形板状の(第2)偏向羽本体としての(第2)フィン本体であるフロントフィン本体81と、このフロントフィン本体81の前端部の長手方向すなわち左右方向の両端部分から通風路33を通過する風と交差する方向である左右方向に突設され水平軸受47,48に嵌合して回動可能に軸支される円柱状の(第2)回動軸部であるフロント回動軸部82とを備えている。
フロントフィン本体81の後端部における長手方向である左右方向の略中央部には、操作ノブ19を案内する案内部84が左右方向に長手状に凹設されている。
操作ノブ19は、車両の乗員などの使用者が風向を変える際に摘んで操作するための摘み部であり、フロントフィン18のフロントフィン本体81の長手方向の中央部に嵌合された操作ノブ本体86を備え、この操作ノブ本体86の後部に、操作用リアフィン16aの操作用軸部78の両側に当接する一対の連接部87,87が突設されている。さらに、操作ノブ本体86の内部には、フロントフィン本体81が嵌合する嵌合部88が左右両側部及び後部に開口して設けられ、この嵌合部88の下縁部が、フロントフィン本体81の下部に突設された規制部89に当接することで、操作ノブ19(操作ノブ本体86)のフロントフィン18(フロントフィン本体81)に対する前後方向の位置が規制されている。そして、操作ノブ19を左右に操作することにより、連接部87,87が操作用軸部78を左右に押動して操作用リアフィン16a、従動リアフィン16b及びサイドリアフィン14,15を左右に回動させて風向を左右方向に調整できるとともに、操作ノブ19を上下に操作することにより、操作用軸部78に沿ってフロントフィン18が連動して上下方向に回動させて風向を上下方向に調整できる。
具体的に、風向を上下左右に調整する配風動作を説明する。
まず、図1に示す中立状態においては、リアフィン16が吹出口34の開口方向である前後方向に沿っているとともに、サイドリアフィン14,15が導入口38,39をそれぞれ半分程度開いた状態となっている。すなわち、風向調整装置10(ケース体13(吹出口34))の長手方向である左右方向に対して、サイドリアフィン14,15が左右対称な角度となっている。このため、矢印A1,A1に示すように、エアダクト36,37から導入口38,39を介してケース体13内の通風路33へと導入される風の風速及び風量が略等しくなり、これら導入された風が互いに合流するとともにリアフィン16により風向制御され、風が吹出口34から所定の幅を有する中立風として前方へと直線状に吹き出される。
また、図1に示す中立状態から、操作ノブ19を左方にスライドさせると、図2に示すように、リアフィン16が左方に回動するとともに、サイドリアフィン14が導入口38を閉じてエアダクト36からの風を遮る方向(閉方向)に回動し、かつ、サイドリアフィン15が導入口39をより開く方向(開方向)に回動する。このため、エアダクト37から導入口39を介してケース体13内の通風路33へと導入される風が相対的に増加し、エアダクト36から導入口38を介してケース体13内の通風路33へと導入される風が相対的に減少するとともに、リアフィン16が、エアダクト37から通風路33へと導入された風のうち、特にサイドリアフィン15の反吹出口34側である後側を通過した風を捉えて左方へと導くことで、風が吹出口34から左方への偏向風として吹き出される(左振り)。なお、図2は、操作ノブ19を最大に左方へとスライドさせた状態であり、この状態で、サイドリアフィン14は導入口38の開口方向に対して略直交する方向に沿い、サイドリアフィン15は導入口39の開口方向に対して略平行な方向に沿う。したがって、エアダクト37から導入口39を介して通風路33へと導入された風は、矢印A2に示すように、ほぼ遮られることなく全て導入口39の開口方向(サイドリアフィン15)に沿って流れる一方、エアダクト36からの風は、矢印A3に示すように、サイドリアフィン14によってほぼ遮断されるものの、導入口38の内縁とサイドリアフィン14(サイドリアフィン本体61)の反吹出口34との間の狭い隙間において絞られて流速が増した状態で矢印A4に示すように僅かに通風路33へと導入される。この結果、この導入口38の内縁とサイドリアフィン14(サイドリアフィン本体61)との間の隙間からの風がエアダクト37から導入口39を介して導入された風を、その方向性を若干緩和するように押し広げていくらかの幅を持たせ、風が矢印A2に示す方向にスポット的に集中することを抑制する。
同様に、図1に示す中立状態から、操作ノブ19を右方にスライドさせると、図3に示すように、リアフィン16が右方に回動するとともに、サイドリアフィン15が導入口39を閉じてエアダクト37からの風を遮る方向(閉方向)に回動し、かつ、サイドリアフィン14が導入口38をより開く方向(開方向)に回動する。このため、エアダクト36から導入口38を介してケース体13内の通風路33へと導入される風が相対的に増加し、エアダクト37から導入口39を介してケース体13内の通風路33へと導入される風が相対的に減少するとともに、リアフィン16が、エアダクト36から通風路33へと導入された風のうち、特にサイドリアフィン14の反吹出口34側である後側を通過した風を捉えて右方へと導くことで、風が吹出口34から右方への偏向風として吹き出される(右振り)。なお、図3は、操作ノブ19を最大に右方へとスライドさせた状態であり、この状態で、サイドリアフィン15は導入口39の開口方向に対して略直交する方向に沿い、サイドリアフィン14は導入口38の開口方向に対して略平行な方向に沿う。したがって、エアダクト36から導入口38を介して通風路33へと導入された風は、矢印A5に示すように、ほぼ遮られることなく全て導入口38の開口方向(サイドリアフィン14)に沿って流れる一方、エアダクト37からの風は、矢印A6に示すように、サイドリアフィン15によってほぼ遮断されるものの、導入口39の内縁とサイドリアフィン15(サイドリアフィン本体62)の反吹出口34との間の狭い隙間において絞られて流速が増した状態で矢印A7に示すように僅かに通風路33へと導入される。この結果、この導入口39の内縁とサイドリアフィン15(サイドリアフィン本体62)との間の隙間からの風がエアダクト36から導入口38を介して導入された風を、その方向性を若干緩和するように押し広げていくらかの幅を持たせ、風が矢印A5に示す方向にスポット的に集中することを抑制する。
また、操作ノブ19を上下に操作すると、フロントフィン18がフロント回動軸部82を中心として上下に回動することで、風向が上下に変更すなわち調整される。
したがって、操作ノブ19を上下左右に操作することにより、任意の方向に風向が調整される。
このように、本実施の形態によれば、吹出口34と連通する対をなす導入口38,39を互いに対向する位置に開口し、サイドリアフィン14,15の一方による導入口38,39の一方の開方向及び閉方向へのそれぞれの回動とサイドリアフィン14,15の他方による導入口38,39の閉方向及び開方向へのそれぞれの回動とをリンク17によって連動させることで、これらサイドリアフィン14,15の回動に応じて、各導入口38,39から導入される風の風量を制御し、中立風及び各偏向風を吹出口34から確実に吹き出すことができる。したがって、吹出口34からサイドリアフィン14,15が露出することがなく、すっきりとしたデザインで見栄えを向上できるとともに、簡単な構成で優れた配風性能を確保できる。
すなわち、導入口38,39をケース体13の互いに対向する位置、本実施の形態では左右両側に設けることで、左方(右方)に風を向けたい場合には、最も左側(右側)に位置するサイドリアフィン14(サイドリアフィン15)がエアダクト36及び導入口38(エアダクト37及び導入口39)からの風の流入を相対的に抑制し、右方のエアダクト37及び導入口39(左方のエアダクト36及び導入口38)からの風を相対的に多く出すようにすることにより、左方(右方)へと風が出やすくなる。
特に、ケース体13は、吹出口34を長尺とし、長手方向の両端部に吹出口34と連通する対をなす導入口38,39を開口するので、中立風及び各偏向風を長尺の吹出口34から確実に吹き出すことができる。したがって、簡単な構成で、長尺でかつ薄型の吹出口34に対して長手方向に優れた配風性能を確保できる。
また、対をなす導入口38,39を吹出口34に向かって傾斜する方向に沿って設けることで、これら導入口38,39から風が傾斜状に導入されて吹出口34へと向かうので、これらの風を容易に合流させることが可能になり、各サイドリアフィン14,15によって、より効果的に配風できる。
さらに、サイドリアフィン14,15(サイドリアフィン本体61,62)の外形を、それぞれ各導入口38,39の内縁よりも小さく形成したので、サイドリアフィン14,15により導入口38,39を完全に閉塞してしまうことがない。したがって、導入口38,39の一方から導入する風量を抑制して導入口38,39の他方から導入する風量を増加させる場合、導入口38,39とサイドリアフィン14,15の一方との隙間を通過する風(矢印A4あるいは矢印A7に示す)によって、導入口38,39の他方から導入される風を押し広げ、偏向風に幅を持たせることができ、より好ましい配風性能が得られる。しかも、導入口38,39をサイドリアフィン14,15によって密閉する必要がないので、サイドリアフィン14,15及び導入口38,39などの各部の寸法精度などの管理が容易になり、製造コストの低減を図ることができる。
そして、サイドリアフィン14,15間にリアフィン16を配置してリンク17により各サイドリアフィン14,15と連結し、これらサイドリアフィン14,15の回動と連動してリアフィン16を回動させることで、各サイドリアフィン14,15の反吹出口34側である後側を通過した風をリアフィン16によって捉え、これらリアフィン16により風向を制御できる。したがって、吹出口34から吹き出される風を所望の方向へとより確実にガイドでき、配風性能をより向上できる。
具体的に、本実施の形態による風向及び風量の解析結果を図8(a)及び図8(b)に模式的に示す。これら図8(a)及び図8(b)に示すように、中立風及び偏向風を吹出口34から確実に吹き出すことができ、かつ、偏向風に幅を持たせることができるのが分かる。
なお、上記の一実施の形態において、フロントフィン18は、必須の構成ではない。このフロントフィン18を設けない場合には、操作ノブ19は、サイドリアフィン15のいずれかに直接連結してもよい。
また、操作ノブ19を設けず、リアフィン16を直接操作することでリアフィン14,15,16を回動させてもよい。
さらに、リアフィン16やフロントフィン18のそれぞれの枚数は、風向調整装置10の大きさなどに対応して適宜設定できるし、ケース体13(吹出口34)の長手寸法によっては、リアフィン16を設けない構成とすることもできる。
また、ケース体13は、左右方向を長手方向としたが、車両へのレイアウトに応じて任意に長手方向を設定できる。
さらに、ケース体13は、長手状に形成したが、必ずしも長手状でなくてもよい。すなわち、吹出口34は、長尺である必要はなく、例えば正方形状のものなどでもよく、導入口38,39もケース体13の長手方向の両端でなくても、互いに対向する端面部などに開口すればよい。
そして、風向調整装置10は、車両用空調装置の一部としてだけでなく、任意の空調装置の一部として用いることができる。
本発明は、例えば、自動車インストルメントパネルなどに備えられる空調装置の吹出口装置として適用できる。
10 風向調整装置
13 ケース体
14,15 回動羽としてのサイドリアフィン
16 偏向羽としてのリアフィン
17 リンク
34 吹出口
38,39 導入口
13 ケース体
14,15 回動羽としてのサイドリアフィン
16 偏向羽としてのリアフィン
17 リンク
34 吹出口
38,39 導入口
Claims (5)
- 吹出口、及びこの吹出口に連通し互いに対向する位置に開口された対をなす導入口を備え、これら導入口から導入された風を前記吹出口から吹き出すケース体と、
このケース体にそれぞれ回動可能に設けられ、回動により前記対をなす導入口の開口面積をそれぞれ制御する対をなす回動羽と、
一方の前記回動羽による一方の前記導入口の開方向及び閉方向へのそれぞれの回動と他方の前記回動羽による他方の前記導入口の閉方向及び開方向へのそれぞれの回動とを連動させるリンクと
を具備したことを特徴とする風向調整装置。 - ケース体は、吹出口が長尺であり、導入口が長手方向の両端部に開口されている
ことを特徴とする請求項1記載の風向調整装置。 - 対をなす導入口は、吹出口に向けて傾斜する方向に沿って設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の風向調整装置。 - 各回動羽は、それぞれ各導入口の内縁よりも外形が小さく形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の風向調整装置。 - 各回動羽間に位置してケース体に回動可能に設けられ、リンクにより前記各回動羽と連結されてこれら回動羽の回動と連動して回動することで風向を制御する偏向羽
を具備したことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の風向調整装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013132865A JP2015006851A (ja) | 2013-06-25 | 2013-06-25 | 風向調整装置 |
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