JP2015006788A - 液体吐出ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マニホールドにおける振動の影響によって複数の吐出孔における液体の吐出特性にばらつきが生じる可能性を低減する液体吐出ヘッドおよび記録装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッド2は、吐出孔面4−1を含むとともに、吐出孔面4−1に設けられた複数の吐出孔のそれぞれに対して、個別に連結された複数の加圧室のそれぞれに対して連結されたマニホールド5を有した流路部材4と、加圧室を加圧して吐出孔から液体を吐出させるための圧電アクチュエータ基板21と、を備え、マニホールド5は、第1部位5a、および第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に一部が位置する第2部位5bを有しており、流路部材4は、第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との間に位置する空間部7をさらに有する。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体吐出ヘッドおよび記録装置に関する。
従来から、液体吐出ヘッドとしては、例えば、インクの液滴を記録媒体上に吐出することによって各種の印画を行うインクジェットヘッドが知られている。このような液体吐出ヘッドは、吐出孔面および当該吐出孔面の反対側に位置する加圧室面を含んだ流路部材を備える。流路部材は、吐出孔面に設けられた複数の吐出孔と、当該複数の吐出孔のそれぞれに対して個別に連結された複数の加圧室と、当該複数の加圧室のそれぞれに対して連結されたマニホールドと、を有する。また、流路部材の加圧室面上には、圧電アクチュエータ基板が設けられている。このような液体吐出ヘッドでは、圧電アクチュエータ基板における振動に応じて加圧室を加圧することにより、マニホールドから加圧室へと供給された液体を吐出孔から吐出することができる(例えば、特許文献1参照)。ここで、マニホールドは、例えば、第1部位および当該第1部位よりも吐出孔面側に位置する第2部位を有する(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−93140 特開2007−75998
ところで、マニホールドには、例えば、当該マニホールド内を流れる液体あるいは複数の加圧室の加圧に応じて、振動が生じることになる。マニホールドが振動すると、当該振動は、吐出孔面へと伝達されることになる。しかしながら、上記従来の液体吐出ヘッドでは、第1部位と吐出孔面との離間距離は、第2部位と吐出孔面との離間距離とは異なる。このため、第1部位から吐出孔面へと伝達される振動と、第2部位から吐出孔面へと伝達される振動とは、互いに異なる可能性があった。そのため、複数の吐出孔における液体の吐出特性にばらつきが生じる可能性があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マニホールドにおける振動の影響によって複数の吐出孔における液体の吐出特性にばらつきが生じる可能性を低減することができる液体吐出ヘッドおよび記録装置に関する。
本発明の液体吐出ヘッドにおける一態様は、第1主面を含むとともに、前記第1主面に設けられた複数の吐出孔、複数の該吐出孔のそれぞれに対して個別に連結された複数の加圧室、複数の該加圧室のそれぞれに対して連結されたマニホールドを有した流路部材と、前記加圧室を加圧して前記吐出孔から液体を吐出させるための加圧部と、を備え、前記マニホールドは、第1部位、および該第1部位よりも前記第1主面側に一部が位置する第2部位を有しており、前記流路部材は、前記第1部位および前記第2部位と前記第1主面との間に位置する空間部をさらに有する。
本発明の記録装置における一態様は、本発明に係る液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送部と、を備える。
本発明の液体吐出ヘッドおよび記録装置は、マニホールドにおける振動の影響によって複数の吐出孔における液体の吐出特性にばらつきが生じる可能性を低減することができる、という効果を奏する。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの長手方向における断面図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの短手方向における断面図である。 (a)は、本実施形態に係るヘッド本体の概略構成を示す平面図である。(b)は、本実施形態に係る流路部材の概略構成を示す平面図である。 図5中に示した2点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図であり、説明の便宜上、一部の記載を省略した図である。 図5中に示した2点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図であり、説明の便宜上、一部の記載を省略した図である。 図5中に示した2点鎖線で囲んだ領域B1を拡大した図であり、マニホールドを示した図である。 図5中に示したI−I線断面図である。 図6中に示したII−II線断面図である。 変形例1に係る液体吐出ヘッドにおいて、図9と同じ部位を示した図である。 変形例2に係る液体吐出ヘッドにおいて、図8と同じ部位を示した図である。 変形例2に係る液体吐出ヘッドにおいて、図9と同じ部位を示した図である。 変形例2に係る液体吐出ヘッドの更なる変形例において、図12と同じ部位を示した図である。 変形例3に係る液体吐出ヘッドにおいて、図9と同じ部位を示した図である。 変形例4に係る液体吐出ヘッドにおいて、図9と同じ部位を示した図である。 変形例5に係る液体吐出ヘッドにおいて、図9と同じ部位を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る液体吐出ヘッド、および記録装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。なお、本実施形態では、プリンタ1は、カラーインクジェットプリンタであるが、これに限らず、モノクロインクジェットプリンタ等の記録装置であってもよい。
プリンタ1は、制御部100、給紙ユニット114、搬送ユニット120、液体吐出ヘッド2、および紙受け部116を有する。ここで、プリンタ1における液体吐出ヘッド2および搬送ユニット120は、本発明に係る記録装置の一実施形態となる。
制御部100は、上記の各部材における動作を制御する役割を有する。なお、制御部100の配置については、特に限定されない。
給紙ユニット114は、用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。用紙収容ケース115は、記録媒体を収容する役割を有する。本実施形態では、用紙収容ケース115には、記録媒体としての印刷用紙Pが複数枚積層された状態で収容されている。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に収容された印刷用紙Pを、搬送ユニット120に向けて1枚ずつ送り出す役割を有する。
なお、本実施形態では、給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、上記の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bによってガイドされて、搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、搬送ベルト111、ベルトローラ106および107、搬送モータ174、ならびに、ニップローラ138および139を有している。
搬送ベルト111は、用紙収容ケースから送り出された印刷用紙Pを、液体吐出ヘッド2に対して搬送する役割を有する。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107の共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。なお、液体吐出ヘッド2は、当該2つの平面のうち、一方側の平面に対向して配置される。このため、搬送ベルト111のうち液体吐出ヘッド2に対向する面は、印刷用紙Pを搬送するための搬送面127となる。
搬送モータ174は、搬送ベルト111を移動させる役割を有する。搬送モータ174は、ベルトローラ106に接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送ベルト111は、搬送モータ174によってベルトローラ106を回転させることで、矢印Aの方向に沿って移動することができる。
ニップローラ138および139は、搬送面127上に印刷用紙Pを固着する役割を有する。ニップローラ138および139は、搬送面127を挟み込んで、互いに対向して配置されている。ニップローラ138および139は、搬送ベルト111の移動に連動して回転する。ここで、給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送面127との間に挟み込まれる。このため、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられことで、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の移動に従って、液体吐出ヘッド2に対して搬送される。
液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pに対して液体を吐出する役割を有する。液体吐出ヘッド2は、搬送面127に対向して配置されている。具体的には、液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aは、搬送面127に近い側に位置している。なお、液体吐出ヘッド2の詳細な構成については、後述する。
ここで、本実施形態では、ヘッド本体2aからは、4色の液滴(インク)が吐出される。当該4色としては、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブ
ラック(K)を採用することができる。給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111の搬送面127との隙間を通過する。その際に、ヘッド本体2aから印刷用紙Pに向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pには、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。また、当該画像が形成された印刷用紙Pは、紙受け部116へと送り出される。
なお、本実施形態では、搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140、二対の送りローラ121aおよび121b、ならびに、122aおよび122bが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。
紙受け部116は、搬送ユニット120から送り出された印刷用紙Pを収容する役割を有する。紙受け部116は、搬送ユニット120から送り出された印刷用紙Pの搬送方向に配置されている。
なお、本実施形態では、液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間において、紙面センサ133が配置されている。紙面センサ133は、搬送面127上に搬送された印刷用紙Pの位置情報を検出する役割を有する。紙面センサ133は、例えば、発光素子および受光素子を有する。ここで、紙面センサ133によって検出された印刷用紙Pの位置情報は、制御部100に送信される。制御部100は、紙面センサ133から受信した検出結果に基づき、液体吐出ヘッド2あるいは搬送モータ174等を制御する。これによって印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とを同期させることができる。
次に、図2〜図4を参照しながら、液体吐出ヘッド2の構成について説明する。図2は、液体吐出ヘッド2の概略構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド2の長手方向(図2にてX方向)における断面図である。図4は、液体吐出ヘッド2の短手方向(図2にてY方向)における断面図である。なお、図3および図4では、説明の便宜上、流路部材4およびリザーバ40における流路の記載は省略する。
図2〜図4に示すように、液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2a、リザーバ40、筺体90、配線基板94、コネクタ95、信号伝達部92、ドライバIC55、押圧板96、および断熱性弾性部材97を備えている。なお、本実施形態では、液体吐出ヘッド2は、ピエゾ方式の液体吐出ヘッドであるが、これに限らず、サーマル方式の液体吐出ヘッド等であってもよい。
ヘッド本体2aは、吐出孔面4−1および当該吐出孔面4−1の反対側に位置する加圧室面4−2を含んだ流路部材4と、加圧室面4−2上に設けられた圧電アクチュエータ基板21とを有する。ヘッド本体2aは、圧電アクチュエータ基板21の変位に応じて流路部材4の吐出孔面4−1から液滴を吐出することで、記録媒体に対して所定の印画を行う役割を有する。リザーバ40は、ヘッド本体2aの流路部材4に対して、液体を供給する役割を有する。特に、本実施形態では、リザーバ40は、流路部材4のマニホールド5内に液体を循環させる役割を有する。リザーバ40は、ヘッド本体2a上に設けられている。なお、ヘッド本体2aおよび流路部材4の詳細な構成については後述する。
筺体90は、液体吐出ヘッド2が備える各部材を収容する役割を有する。筺体90は、少なくともヘッド本体2aが有する流路部材4の吐出孔面4−1が露出するように、液体吐出ヘッド2が備える各部材を収容している。本実施形態では、筺体90は、リザーバ40上に設けられている。このため、図2に示すように、リザーバ40およびヘッド本体2
aの少なくとも一部は、筺体90から露出している。筺体90の構成材料としては、例えば、金属材料あるいは樹脂材料等が挙げられる。
配線基板94は、液体吐出ヘッド2がプリンタ1に組み込まれた場合に、制御部100から送信された駆動信号を受信する役割を有する。配線基板94は、リザーバ40上に設けられている。また、配線基板94には、コネクタ95が実装されている。配線基板94としては、例えば、樹脂基板上あるいはセラミック基板上に各種の電子部品を備えたものを用いることができる。
ここで、圧電アクチュエータ基板21は、信号伝達部92を介して、コネクタ95に接続されている。信号伝達部92には、ドライバIC55が実装されている。信号伝達部92としては、例えば、従来周知のフレキシブルプリント配線基板を用いることができる。
液体吐出ヘッド2では、配線基板94は、制御部100から受信した駆動信号を信号伝達部92に送信する。次に、信号伝達部92に実装されたドライバIC55は、当該駆動信号に所定の処理を施し、処理後の駆動信号を圧電アクチュエータ基板21に対して送信する。そして、圧電アクチュエータ基板21は、当該処理後の駆動信号に応じて変位することで、流路部材4の吐出孔面4−1から液滴を吐出させる。このように、吐出孔面4−1から吐出した液滴によって、記録媒体に対して所定の印画を行うことができる。
なお、配線基板94およびドライバIC55の搭載個数については、特に限定されず、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。また、配線基板94はなくともよく、例えば、制御部100と信号伝達部92とが、直接電気的に接続されていてもよい。
押圧板96は、ドライバIC55を筺体90に対して押し当てる役割を有する。押圧板96は、リザーバ本体40上に設けられている。押圧板96には、断熱性弾性部材97が取り付けられている。ここで、押圧板96は、断熱性弾性部材97および信号伝達部92を介してドライバIC55を筺体90に押し当てている。このため、ドライバIC55において発生した熱を、筺体90へと伝達することができる。そのため、当該熱を液体吐出ヘッド2の外側へと放熱することができる。
なお、当該熱を液体吐出ヘッド2の外側へと効率的に放熱するために、筺体90の構成材料は、熱伝導率が相対的に大きい材料であることが好ましい。具体的には、筺体90の構成材料は、例えば、金属材料であることが好ましい。
また、本実施形態では、信号伝達部92は、筺体90内において湾曲して配置されている。このため、信号伝達部92には、湾曲状態から定常状態へと戻ろうとする力が働く。ここで、ドライバIC55は、当該力によって、筺体90により強く押し当てられることになる。そのため、ドライバIC55において発生した熱を、筺体90により伝達しやすくなる。
次に、図2〜図4に加えて、図5〜図10を参照しつつ、ヘッド本体2aおよびリザーバ40について、詳細に説明する。
図5の(a)は、ヘッド本体2aの概略構成を示す平面図である。図5の(b)は、流路部材4の概略構成を示す平面図である。図6は、図5中に示した2点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図である。なお、図6において示される各部材は、説明の便宜上実線で記載している。図7は、図5中に示した2点鎖線で囲んだ領域A1を拡大した図である。なお、図7において示される各部材は、説明の便宜上実線で記載している。図8は、図5中
に示した2点鎖線で囲んだ領域B1を拡大した図であり、マニホールド5を示した図である。図9は、図5中に示したI-I線断面図である。図10は、図6中に示したII-II線断面図である。
ヘッド本体2aは、流路部材4および圧電アクチュエータ基板21を有している。なお、本実施形態では、ヘッド本体2aは、平面視して略矩形状であるが、これに限らず、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。
流路部材4は、図9および図10に示すように、複数のプレートが積層された積層構造を有している。具体的には、流路部材4は、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜g、第1カバープレート4h、第2カバープレート4i、およびノズルプレート4jが順次積層して構成されている。ここで、ノズルプレート4jの下面は、吐出孔8が設けられる吐出孔面4−1である。また、キャビティプレート4aの上面は、圧電アクチュエータ基板21が配置される加圧室面4−2である。
各プレート4a〜jの構成材料としては、例えば、金属材料、ステンレス、シリコンが挙げられる。特に、ノズルプレート4jの構成材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、ポリイミド、シリコン等が挙げられる。流路部材4は、例えば、各プレート4a〜jが80〜150℃の温度条件下で硬化させた図示しない接着材を介して互いに接着されることで形成される。また、各プレート4a〜jの厚みは、例えば、10〜300μmとすることができる。
ここで、各プレート4a〜jには、多数の孔が形成されている。本実施形態では、当該孔によって、マニホールド5、個別流路12、吐出孔8、および空間部7を構成する。なお、当該孔は、例えば、各プレート4a〜jの所定箇所にエッチングを施すことによって形成される。
マニホールド5は、個別流路12に対して液体を供給する役割を有する。マニホールド5は、マニホールドプレート4e〜gに形成された複数の孔によって主に構成される。本実施形態では、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)に沿って延びている4つのマニホールド5が、略平行に配置されている。マニホールド5は、第1部位5aおよび第2部位5bを有する。第1部位5aおよび第2部位5bは、マニホールド5の長手方向(X方向)において、当該マニホールド5を複数の部位に分断した場合におけるいずれかの部位を指す。本実施形態では、第1部位5aは、図8に示すように、X方向においてマニホールドを2等分した場合の一方側を指す。また、第2部位5bは、図8に示すように、X方向においてマニホールドを2等分した場合の他方側を指す。第2部位5bの一部は、第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に位置している。
具体的には、マニホールド5のうち、吐出孔面4−1側に位置する面5−1は、第1部位5aと第2部位5bとの境界において段差を有する。このため、第1部位5aに対応する面5−1と吐出孔面4−1との離間距離は、第2部位5bに対応する面5−1と吐出孔面4−1との離間距離よりも大きい。また、マニホールド5のうち、加圧室面4−2側に位置する面5−2は、第1部位5aに対応する面5−2と、第2部位5bに対応する面5−2とを有する。本実施形態では、第1部位5aに対応する面5−2における、吐出孔面4−1に対する高さ位置は、第2部位5bに対応する面5−2における、吐出孔面4−1に対する高さ位置と略同一である。すなわち、マニホールド5のうち、加圧室面4−2側に位置する面5−2は、第1部位5aと第2部位5bとの境界において段差を有しておらず、略同一平面となっている。
流路部材4の加圧室面4−2には、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)における一端において第1開口部5cが設けられている。第1開口部5cは、マニホールド5へと液体を供給する役割を有する。当該第1開口部5cは、X方向におけるマニホールド5の一端部5dに連通している。なお、本実施形態では、一端部5dは、マニホールド5のうち、平面視して第1開口部5cと重なる部位を指す。また、本実施形態では、第1部位5aは、第2部位5bよりも第1開口部5c側に位置している。
流路部材4の加圧室面4−2には、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)における他端において第2開口部5eが設けられている。第2開口部5eは、第1開口部5cからマニホールド5へと供給された液体の一部を流出する役割を有する。当該第2開口部5eは、X方向におけるマニホールド5の他端部5fに連通している。なお、本実施形態では、他端部5fは、マニホールド5のうち、平面視して第2開口部5eと重なる部位を指す。
このように、本実施形態では、マニホールド5には、第1開口部5cから液体が供給されるとともに、当該マニホールド5を流れる液体の一部が第2開口部5eから流出する。このため、マニホールド5内に気泡が混入してしまう可能性を低減することができる。なお、第2開口部5eはマニホールド5へと供給された液体の一部を流出する役割を有していなくともよく、例えば、第1開口部5cと同様にマニホールド5に液体を供給する役割を有していてもよい。
個別流路12は、マニホールド5から供給された液体を吐出孔8へと導く流路である。具体的には、個別流路12は、マニホールド5から、個別供給路14、しぼり6、加圧室10を介して、吐出孔8へと連通する流路を指す。
個別供給路14は、サプライプレート4dに形成された孔によって構成される。個別供給路14は、複数設けられている。複数の個別供給路14は、それぞれ、マニホールド5と連通している。このため、マニホールド5に収容された液体は、複数の個別供給路14を介して、複数の吐出孔8へと個別に供給される。
しぼり6は、加圧室10が加圧された場合に、当該加圧室10内に収容された液体が、マニホールド5へと逆流する可能性を低減する役割を有する。このため、しぼり6における流路の断面積は、加圧室10と吐出孔8とを連通する流路の断面積よりも小さい。しぼり6は、アパーチャ(しぼり)プレート4cに形成された孔によって構成される。しぼり6は、個別供給路14と連通している。このため、しぼり6は、複数の個別供給路14のそれぞれに対応して、複数設けられている。
加圧室10は、圧電アクチュエータ基板21によって加圧されることによって、当該加圧室10内に収容された液体を吐出孔8へと供給する役割を有する。加圧室10は、キャビティプレート4aに形成された孔によって構成される。加圧室10は、ベースプレート4bの形成された孔を介して、しぼり6と連通している。このため、加圧室10は、複数のしぼり6のそれぞれに対応して、複数設けられている。
加圧室10は、図6および図7に示すように、平面視して角部にアールが施された略菱形状をなしている。複数の加圧室10は、千鳥状に配置されている。また、複数の加圧室10は、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)に沿って列状に配置されている。本実施形態では、列状に配置された複数の加圧室10を、加圧室列11と称する。加圧室列11は、マニホールド5の両側に2列ずつ設けられている。ここで、マニホールド5は、4つ設けられている。このため、加圧室列11は、合計16列設けられている。なお、本実施形態では、各加圧室列11に含まれた互いに隣り合う加圧室10同士の間隔は、略同じである。また、各加圧室列11の端に位置する加圧室10は、マニホールド5と連通していな
いダミーとなっている。このため、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の構造(剛性)と近くなり、液体吐出特性の差を小さくすることができる。
吐出孔8は、加圧室10から供給された液体を外部に吐出する役割を有する。吐出孔8は、ノズルプレート4jに形成された孔が、吐出孔面4−1において開口することで構成される。吐出孔8は、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜g、第1カバープレート4h、第2カバープレート4i、およびノズルプレート4jに形成された複数の孔を介して、加圧室10と連通している。このため、吐出孔8は、複数の加圧室10のそれぞれに対応して、複数設けられている。
複数の吐出孔8は、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)に沿って列状に配置されている。本実施形態では、列状に配置された複数の吐出孔8を、吐出孔列9と称する。吐出孔列9は、加圧室列11に対応して、16列設けられている。具体的には、加圧室10と吐出孔8とを連通する個別流路12は、ヘッド本体2aの短手方向(Y方向)に沿って、加圧室10の角部から遠ざかるように設けられている。このため、吐出孔列9は、ヘッド本体2aの短手方向(Y方向)において、加圧室列11と並んで位置している。また、吐出孔列9に含まれた互いに隣り合う吐出孔8同士の間隔は、加圧室列11に含まれた互いに隣り合う加圧室10同士の間隔と略同一である。
ここで、1列の吐出孔列9に含まれた互いに隣り合う吐出孔8のうち、一方の吐出孔8からヘッド本体2aの短手方向(Y方向)に引いた仮想線を線X1とする。また、他方の吐出孔8からヘッド本体2aの短手方向(Y方向)に引いた仮想線を線X2とする。本実施形態では、吐出孔列9は、合計16列設けられており、線X1と線X2との間には、前記の一方の吐出孔8と他方の吐出孔8とを含めると、合計17個の吐出孔8が存在する。また、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)に延びる投影仮想線に対して、当該17個の吐出孔8を短手方向(Y方向)に移動させることにより投影すると、プロット仮想線に投影された各点は、互いに等間隔に配置されている。すなわち、本実施形態では、液体吐出ヘッド2は、線X1と線X2との間隔をRdpi(dot per inch)とするとき、16Rdpiの解像度で画像を形成することができる。
なお、複数の加圧室10および複数の吐出孔8の配置位置あるいは個数については、上記に限らず、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜変更することができる。
空間部7は、マニホールド5の第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との
間に設けられている。空間部7は、第2カバープレート4iに設けられた孔によって形成
される。具体的には、空間部7は、第1カバープレート4h、第2カバープレート4i、
およびノズルプレート4jに取り囲まれるように形成される。空間部7は、流路部材4内における液体の流路とは連結していない。液体吐出ヘッド2では、流路部材4が空間部7を有しているため、マニホールド5と空間部7との間に位置する第1カバープレート4hがダンパとしての役割を果たす。すなわち、マニホールド5は、当該マニホールド5と空間部7との間に位置する第1カバープレート4hが変形することによって、体積を変化させることができる。このため、マニホールド5に対する液体の供給量に応じて吐出孔8における液体の吐出特性が変動してしまう可能性を低減することができる。
なお、空間部7は、流路部材4の外部と連通していることが好ましい。具体的には、流路部材4は、空間部7と外部とを連通する連通孔を有していることが好ましい。空間部7が流路部材4の外部と連通していると、空間部7の体積変化に応じて当該空間部7における圧力が変化する可能性を低減することができる。このため、マニホールド5と空間部7
との間に位置する第1カバープレート4hにおけるダンピング効果を向上することができる。
また、第1カバープレート4hの構成材料としては、例えば、金属材料、あるいは樹脂材料であることが好ましい。
このように、液体吐出ヘッド2では、マニホールド5は、第1部位5aおよび当該第1
部位5aよりも吐出孔面4−1側に一部が位置する第2部位5bを有する。また、空間部
7は、第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との間に位置している。このた
め、マニホールド5における振動の影響によって液体の吐出特性が低下してしまう可能性を低減することができる。
具体的には、本実施形態では、第1部位5aは、第2部位5bよりも第1開口部5c側に位置している。すなわち、マニホールド5内においては、液体は、第1部位5aが位置する上流側から、第2部位5bが位置する下流側へと流れることになる。ここで、液体吐出ヘッド2では、第2部位5bの一部が第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に位置している。また、マニホールド5のうち、加圧室面4−2側に位置する面5−2は、第1部位5aと第2部位5bとの境界において段差を有しておらず、略同一平面となっている。このため、第2部位5bにおける流路断面積は、第1部位5aにおける流路断面積よりも大きくなる。このため、下流側における流路抵抗を相対的に小さくすることができる。そのため、下流側における圧力降下を抑制することができる。
なお、第2部位5bの一部を第1部位5aよりも吐出孔面4−1から遠い側に配置することで、第2部位5bにおける流路断面積を第1部位5aにおける流路断面積よりも大きくしようとすると、複数の個別供給路14のそれぞれの長さにばらつきが生じてしまう。また、第2部位5bのY方向における幅を大きくすることで、第2部位5bにおける流路断面積を第1部位5aにおける流路断面積よりも大きくしようとすると、液体吐出ヘッド2自体が大型化してしまう。このような事情から、本実施形態では、第2部位5bの一部を第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に配置することで、第2部位5bにおける流路断面積を第1部位5aにおける流路断面積よりも大きくしている。
ここで、マニホールド5には、例えば、マニホールド5内を流れる液体の流速の変化、あるいは複数の加圧室10の加圧に応じて、振動が生じる。しかしながら、上記の構成によると、第1部位5aと吐出孔面4−1との離間距離と、第2部位5bと吐出孔面4−1との離間距離とは、互いに異なることになる。このため、従来の液体吐出ヘッドのように、第1部位および第2部位と吐出孔面との間が部材によって詰まっている場合、第1部位と吐出孔面との間に位置する部材の剛性と、第2部位と吐出孔面との間に位置する部材の剛性とが互いに異なる可能性があった。このため、第1部位から吐出孔面へと伝達される振動と、第2部位から吐出孔面へと伝達される振動とは、互いに異なる可能性があった。すなわち、吐出孔面に設けられた複数の吐出孔のうち、第1部位の近傍に位置する吐出孔と第2部位の近傍に位置する吐出孔とでは、吐出孔面における振動による吐出特性の変化に差が生じる可能性があった。
そこで、液体吐出ヘッド2では、流路部材4は、第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との間に空間部7を有している。このため、当該空間部7によって、第1部位5aおよび第2部位5bから吐出孔面4−1へと直接的に振動が伝達される可能性を低減することができる。そのため、第1部位5aおよび第2部位5bにおける振動の影響によって、複数の吐出孔8における液体の吐出特性にばらつきが生じる可能性を低減することができる。
なお、本実施形態では、第1部位5aが第2部位5bよりも第1開口部5c側に位置する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、平面方向(X方向およびY方向)における第1部位5aと第2部位5bとの位置関係について限定されるものではなく、マニホールド5の面5−1の少なくとも一部と、吐出孔面4−1とが平行でない限りは、空間部7によって本発明の効果を奏し得るものである。
また、本実施形態のように、マニホールド5の一端部5dと吐出孔面4−1との間には、空間部7が介在しないことが好ましい。具体的には、液体吐出ヘッド2では、第1開口部5cからマニホールド5の一端部5dへと供給した液体の一部を、第2開口部5eから流出させることで、マニホールド5内に収容された液体を循環させる。このため、マニホールド5の一端部5dへと供給する液体の流速は、液体を循環させない場合に比して速く設定される。ところで、一端部5dに対応するマニホールド5の面5−1は、第1開口部5cから供給された液体によって圧力が加わりやすい部位である。そこで、本実施形態では、一端部5dと吐出孔面4−1との間に空間部7が存在しない。このため、一端部5dに対応するマニホールド5の面5−1に加わった圧力によって、第1カバープレート4hが破損してしまう可能性を低減することができる。なお、本実施形態のように、第1カバープレート4hをマニホールド5のダンパとして利用する場合は、第1カバープレート4hの厚みを相対的に小さくする必要があるため、当該第1カバープレート4hに破損が生じやすく、上記の構成が好適である。
また、一端部5dに対応するマニホールド5の面5−1は、第1開口部5cから供給される液体の流速の変化に応じて、加わる応力が変動しやすい部位である。本実施形態では、一端部5dに対応するマニホールド5の面5−1の下方に空間部7が存在しないため、第1カバープレート4hが過剰に振動してしまう可能性を低減することができる。
また、本実施形態では、マニホールド5のうち、加圧室面4−2側に位置する面5−2は、第1部位5aと第2部位5bとの境界において段差を有しておらず、略同一平面となっている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第2部位5bの一部は、第1部位5aよりも加圧室面4−2側に位置していてもよい。このような構成では、第2部位5bにおける流路断面積は、第1部位5aにおける流路断面積よりも更に大きくなる。このため、下流側における流路抵抗を相対的に小さくすることができる。そのため、下流側における圧力降下を抑制することができる。また、第2部位5bの一部が第1部位5aよりも加圧室面4−2側に位置しているので、第2部位5bの上方に存在する気泡が、第2開口部5eを介して流路部材4の外部へ逃げ易くなる。
圧電アクチュエータ基板21は、ヘッド本体2aと同様に、平面視して略矩形状である。圧電アクチュエータ基板21の平面視における面積は、流路部材4の加圧室面4−2の平面視における面積よりも小さい。具体的には、圧電アクチュエータ基板21は、流路部材4における第1開口部5cおよび第2開口部5eが露出するように、当該流路部材4の加圧室面4−2上に設けられている。なお、圧電アクチュエータ基板21は、加圧室面4−2上に設けられていなくともよく、複数の加圧室10のそれぞれを加圧することができるように構成されていればよい。圧電アクチュエータ基板21は、圧電セラミック層21a,21b、共通電極24、個別電極25、接続電極26、ダミー接続電極27、および共通電極用表面電極28を有する。
圧電セラミック層21aは、振動板としての役割を有する。圧電セラミック層21aは、加圧室面4−2上において、キャビティプレート4aに形成された複数の孔を覆っている。圧電セラミック層21aに覆われた複数の孔は、加圧室10を構成する孔である。共通電極24は、圧電セラミック層21aの略全面上に設けられている。圧電セラミック層21bは、共通電極24の略全面上に設けられている。個別電極25は、圧電セラミック
層21b上において、加圧室10に対応して複数設けられている。具体的には、個別電極25は、平面視して加圧室10と重なるように配置された個別電極本体25a、および、加圧室10と重ならないように配置された引き出し電極25bを有している。ここで、共通電極24は、圧電セラミック層21b上に設けられた共通電極用表面電極28を介して、信号伝達部92に電気的に接続されている。また、個別電極本体25aは、引き出し電極25b上に設けられた接続電極26を介して、信号伝達部92に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、圧電セラミック層21b上にダミー電極27が設けられている。このため、信号伝達部92と、共通電極用表面電極28および接続電極26との電気的接続信頼性を向上することができる。
圧電アクチュエータ基板21では、信号伝達部92から共通電極24および個別電極25へと送出された駆動信号に応じて、圧電セラミック層21bが変位する。そして、圧電セラミック層21aは、圧電セラミック層21bの変位に応じて加圧室10側へと湾曲することで、当該加圧室10に所定の圧力を加える。これにより、加圧室10に収容された液体が、吐出孔8へと供給される。
圧電セラミック層21a,21bの構成材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛
またはチタン酸バリウムが挙げられる。共通電極24、個別電極25、接続電極26、ダミー接続電極27、および共通電極用表面電極28の構成材料としては、例えば、Au、Ag、Pd、Ag―Pd、Pt、Ni、Cuが挙げられる。圧電アクチュエータ基板21の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、ロールコータ法、スリットコーター法等のテープ成形法により、圧電性セラミック粉末および有機組成物からなるテープの成形を行ない、焼成後に圧電セラミック層21a、21bとなる複数のグリーンシートを作製する。次に、グリーンシートの表面に、共通電極24となる電極ペーストを印刷法等により形成する。また、グリーンシートの一部にビアホールを形成し、その内部にビア導体を充填する。その後、各グリーンシートを積層して積層体を作製し、加圧密着を行なう。加圧密着後、積層体を高濃度酸素雰囲気下で焼成する。そして、焼成後の積層体に個別電極25および接続電極26となる電極ペーストを印刷法等により形成し、焼成する。これにより、圧電アクチュエータ基板21が形成される。
リザーバ40は、ヘッド本体2a上に配置されている。具体的には、リザーバ40は、流路部材4の加圧室面4−2上に配置されている。ここで、流路部材の加圧室面4−2は、図5に示すように、ヘッド本体2aの長手方向(X方向)の一端に位置する領域E1、および他端に位置する領域E2を有している。本実施形態では、リザーバ40は、領域E1および領域E2において、図示しない接着材料を介して流路部材4の加圧室面4−2と接着されている。また、リザーバ40は、圧電アクチュエータ基板21と空間S1を介して離間して配置されている。
リザーバ40の内部には、流路部材4に対して液体を供給するために、図示しない流路が設けられている。当該流路は、液体吐出ヘッド2の使用態様に応じて適宜設計変更することができる。本実施形態では、領域E1において流路部材4の加圧室面4−2と接着されたリザーバ40から、第1開口部5cに対して液体を供給することができる。また、領域E2において流路部材4の加圧室面4−2と接着されたリザーバ40から、第2開口部5eから液体を流出することができる。
リザーバ40は、例えば、流路部材4と同様に、複数のプレートが積層された積層構造を有している。複数のプレートの構成材料としては、例えば、金属材料、樹脂材料、あるいはセラミック材料等が挙げられる。また、リザーバ内の流路は、例えば、複数のプレートの所定箇所にエッチングを施すことによって形成される。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示したものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。また、下記の変形例において、上述した実施形態と同様の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
[変形例1]
図11は、変形例1に係る液体吐出ヘッド200を示しており、図9と同じ部位を示した図である。
図11に示すように、液体吐出ヘッド200では、マニホールド5の吐出孔面4−1側の面5-1は、吐出孔面4−1に対して傾いている。具体的には、マニホールドの面5−
1の吐出孔面4−1に対する高さ位置は、第1開口部5cから遠ざかるにつれて低くなっている。換言すると、マニホールドの面5−1と吐出孔面4−1との離間距離は、マニホールド5が一端部5dから他端部5fに近づくにつれて小さくなっている。このような構成によれば、マニホールド5内を流れる液体の下流側(他端部5f側)における流路抵抗を段階的に小さくすることができる。このため、複数の吐出孔8における液体の吐出特性にばらつきが生じる可能性をより低減することができる。
なお、変形例1では、上述した実施形態と同様、第1部位5aは、X方向においてマニホールドを2等分した場合の一方側を指す。また、第2部位5bは、X方向においてマニホールドを2等分した場合の他方側を指す。すなわち、第2部位5bの一部は、第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に位置している。
[変形例2]
図12は、変形例2に係る液体吐出ヘッド300を示しており、図8と同じ部位を示した図である。図13は、変形例2に係る液体吐出ヘッド300を示しており、図9と同じ部位を示した図である。
図12および図13に示すように、液体吐出ヘッド300では、マニホールド5は、複数の溝部5A〜Gを有する。溝部5A〜Gは、マニホールド5の面5−1の一部が吐出孔面4−1側に凹んで設けられている。溝部5A〜Gは、液体がマニホールド5内を流れる方向であるX方向に並んで設けられている。溝部5A〜Gは、一端部5dに近い側から順に配置されている。ここで、溝部5Aの平面視における面積は、溝部5Gの平面視における面積よりも小さい。このため、マニホールド5内を流れる液体の下流側(他端部5f側)における流路抵抗を小さくすることができる。そのため、複数の吐出孔8における液体の吐出特性のばらつきを低減することができる。
また、変形例2のように、溝部5A〜Gのそれぞれの平面視における面積は、第1開口部5cから遠ざかるにつれて大きくなることが好ましい。このような構成によれば、マニホールド5内を流れる液体の下流側(他端部5f側)における流路抵抗を段階的に小さくすることができる。このため、複数の吐出孔8における液体の吐出特性のばらつきをより低減することができる。
また、変形例2では、溝部5A〜Gは、平面視して略矩形状であるが、これに限らない。溝部5A〜Gの平面視における形状は任意であり、液体吐出ヘッド300の使用態様に応じて適宜変更することができる。
図14は、変形例2に係る液体吐出ヘッド300の更なる変形例を示しており、図12と同じ部位を示した図である。
図14に示すように、液体吐出ヘッド300では、マニホールド5は、複数の溝部5H〜Jを有する。溝部5H〜Jは、マニホールド5の面5−1の一部が吐出孔面4−1側に凹んで設けられている。溝部5H〜Jは、液体がマニホールド5内を流れる方向であるX方向に沿うように設けられている。また、溝部5H〜Jは、液体がマニホールド5内を流れる方向であるX方向に直交する方向であるY方向に並んで設けられている。溝部5H〜Jの平面視における面積は、液体がマニホールド5内を流れる方向であるX方向に向かうに従って、大きくなるように、マニホールド5の面5−1に形成されている。すなわち、溝部5H〜Jの平面視における面積は、一端部5dから他端部5fに向かうに従って、大きくなる。このため、マニホールド5内を流れる液体の下流側(他端部5f側)における流路抵抗を小さくすることができる。そのため、複数の吐出孔8における液体の吐出特性のばらつきを低減することができる。
また、溝部5H〜Jは、液体がマニホールド5内を流れる方向であるX方向に沿うように設けられているので、X方向に並んで溝部5A〜Gが設けられている場合と比べて、液体の流れを阻害する可能性を低減することができる。
なお、変形例2では、溝部5H〜Jを3つ有しているが、これに限らない。溝部5H〜Jの数は1つでもよいし、4つ以上であってもよく、液体吐出ヘッド300の使用態様に応じて適宜変更することができる。
ここで、本明細書において、溝部5A〜G,5H〜Jの平面視における面積とは、マニ
ホールド5の面5−1のうち吐出孔面4−1側に凹んだ部分の面積を指す。
また、変形例2では、第1部位5aは、溝部5A〜G,5H〜Jが形成されていない部
位を指す。また、第2部位5bは、溝部5A〜G,5H〜Jが形成されている部位を指す
。すなわち、第2部位5bの一部は、第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に位置している。
[変形例3]
図15は、変形例3に係る液体吐出ヘッド400を示しており、図9と同じ部位を示した図である。
図15に示すように、液体吐出ヘッド400では、空間部7は、第3部位7aおよび第4部位7bを有する。第3部位7aは、空間部7のうち第1部位5aと吐出孔面4−1との間に位置する部位である。第4部位7bは、空間部7のうち第2部位5bと吐出孔面4−1との間に位置する部位である。
ここで、第3部位7aの一部は、第4部位7bよりも吐出孔面4−1から遠い側に位置している。具体的には、空間部7のうち、吐出孔面4−1から遠い側に位置する面7−1は、第3部位7aと第4部位7bとの境界において段差を有する。このため、第3部位7aに対応する面7−1と吐出孔面4−1との離間距離は、第4部位7bに対応する面7−1と吐出孔面4−1との離間距離よりも大きい。このような構成によれば、第1部位5aと第3部位7aとの離間距離と、第2部位5bと第4部位7bとの離間距離との差を小さくすることができる。そのため、第1部位5aに対応する第1カバープレート4hにおけるダンピング効果と、第2部位5bに対応する第1カバープレート4hにおけるダンピング効果との間に、差異が生じてしまう可能性を低減することができる。
なお、変形例3にように、第1部位5aと第3部位7aとの離間距離と、第2部位5bと第4部位7bとの離間距離とは、略同一であることが好ましい。このような構成によれば、第1部位5aに対応する第1カバープレート4hにおけるダンピング効果と、第2部
位5bに対応する第1カバープレート4hにおけるダンピング効果との間に、差異が生じてしまう可能性をより低減することができる。ここで、第1部位5aと第3部位7aとの離間距離をD1とする。また、第2部位5bと第4部位7bとの離間距離をD2とする。本明細書において、D1とD2とが略同一であるとは、D1−0.1D1≦D2≦D1+0.1D1を満たすものとすることができる。
また、変形例3のように、第1カバープレート4hは、一方面4h−1および当該一方面4h−1の反対側に位置する他方面4h−2を有しており、第2部位5bは一方面4h−1が他方面4h−2側に凹んで形成されており、第3部位7aは他方面4h−2が一方面4h−1側に凹んで形成されていることが好ましい。このような構成によれば、第1カバープレート4hの一方面4h−1および他方面4h−2を加工することによって、第2部位5bの一部を第1部位5aよりも吐出孔面4−1側に配置するとともに、第3部位7aの一部を第4部位7bよりも吐出孔面4−1から遠い側に配置することができる。このため、製造工程を簡略化することができる。
[変形例4]
図16は、変形例4に係る液体吐出ヘッド500を示しており、図9と同じ部位を示した図である。
図16に示すように、液体吐出ヘッド500では、マニホールド5の第2部位5bは、第1部位5aよりも第1開口部5c側に位置している。すなわち、液体吐出ヘッド500では、液体吐出ヘッド2における第1部位5aと第2部位5bとの配置が入れ替わっている。このような構成によれば、マニホールド5を流れる液体の上流側(一端部5d側)における当該液体の流速を相対的に速くすることができる。このため、一端部5dにおいて気泡が残留してしまう可能性を低減することができる。
[変形例5]
図17は、変形例5に係る液体吐出ヘッド600を示しており、図9と同じ部位を示した図である。
図17に示すように、液体吐出ヘッド600では、流路部材4は、第2カバープレート4iを有していない。すなわち、液体吐出ヘッド600では、流路部材4は、複数のプレート4a〜h,jが接着材を介して積層されて構成されている。ここで、図17では、接着材のうち、第1カバープレート4hとノズルプレート4jとを接着する接着材13のみ図示する。接着材13は、第1カバープレート4hとノズルプレート4jとが互いに対向する面の略全面に亘って設けられている。
ここで、接着材13は、第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との間において切り欠かれている。このため、第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との間には、接着材13が存在しない領域S1が存在することになる。換言すると、第1部位5aおよび第2部位5bと吐出孔面4−1との間には、第1カバープレート4h、ノズルプレート4j、および接着材13によって取り囲まれるように位置する空間S2が存在することになる。液体吐出ヘッド600では、当該空間S2が空間部7となる。このため、第2カバープレート4iを設ける必要がなく、液体吐出ヘッド600の厚み方向(Z方向)における大きさを相対的に小さくすることができる。
[変形例6]
なお、本明細書は、上記の実施形態、および変形例1〜5について個別具体的に説明したが、これに限らず、上記の実施形態、および変形例1〜5に個別に記載された事項を適宜組み合わせた例についても記載されているものである。すなわち、本発明に係る液体吐
出ヘッドは、液体吐出ヘッド2,200,300,400,500,600に限定されるものではなく、上記の実施形態、および変形例1〜5に個別に記載された事項を適宜組み合わせた液体吐出ヘッドも含む。また、上記の実施形態では、液体吐出ヘッド2を備えたプリンタ1について説明したが、本発明に係る記録装置は、これに限定されない。本発明に係る記録装置は、液体吐出ヘッド2に代えて液体吐出ヘッド200,300,400,500,600のいずれかを備えていてもよい。
1 プリンタ(記録装置)
2,200,300,400,500,600 液体吐出ヘッド
4 流路部材
4−1 吐出孔面(流路部材の第1主面)
4a〜4j プレート
4h−1 第1カバープレート4hの一方面
4h−2 第1カバープレート4hの他方面
5 マニホールド
5a 第1部位
5b 第2部位
5c 第1開口部
5d 一端部
5e 第2開口部
5f 他端部
5A〜G 溝部
5H〜J 溝部
7 空間部
7a 第3部位
7b 第4部位
8 吐出孔
10 加圧室
13 接着材
21 圧電アクチュエータ基板(加圧部)
120 搬送ユニット(搬送部)

Claims (16)

  1. 第1主面を含むとともに、前記第1主面に設けられた複数の吐出孔、複数の該吐出孔のそれぞれに対して個別に連結された複数の加圧室、複数の該加圧室のそれぞれに対して連結されたマニホールドを有した流路部材と、
    前記加圧室を加圧して前記吐出孔から液体を吐出させるための加圧部と、を備え、
    前記マニホールドは、第1部位、および該第1部位よりも前記第1主面側に一部が位置する第2部位を有しており、
    前記流路部材は、前記第1部位および前記第2部位と前記第1主面との間に位置する空間部をさらに有する、液体吐出ヘッド。
  2. 前記流路部材は、前記第1主面の反対側に位置する第2主面を含み、
    前記加圧部は、前記第2主面側に配置されており、
    前記第2主面側に位置する前記第1部位の面における、前記第1主面に対する高さ位置は、前記第2主面側に位置する前記第2部位の面における、前記第1主面に対する高さ位置と略同一である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記流路部材は、前記第1主面の反対側に位置する第2主面を含み、
    前記加圧部は、前記第2主面側に配置されており、
    前記第2部位の一部は、前記第1部位よりも前記第2主面側に位置している、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記空間部は、前記第1部位と前記第1主面との間に位置する第3部位、および前記第2部位と前記第1主面との間に位置する第4部位を有しており、
    前記第3部位の一部は、前記第4部位よりも前記第1主面から遠い側に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記第1部位と前記第3部位との離間距離は、前記第2部位と前記第4部位との離間距離と略同一である、請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記流路部材は、複数のプレートが積層されて構成されており、
    複数の前記プレートのうち一の前記プレートは、一方面および該一方面の反対側に位置する他方面を有しており、
    前記第2部位は、前記一方面の一部が前記他方面側に凹んで形成され、
    前記第3部位は、前記他方面の一部が前記一方面側に凹んで形成される、請求項4または5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記流路部材は、複数のプレートが接着材を介して積層されて構成されており、
    前記空間部は、前記第1部位および前記第2部位と前記第1主面との間において、前記接着材が存在しない領域によって構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記流路部材は、前記マニホールドに連結しており、前記マニホールドへと液体を供給するための第1開口部を有しており、
    前記第1部位は、前記第2部位に比して前記第1開口部に近い側に位置している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記第1主面側に位置する前記マニホールドの面における、前記第1主面に対する高さ位置は、前記マニホールドが前記第1開口部から遠ざかるにつれて低くなる、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記マニホールドは、当該マニホールド内を液体が流れる方向に並んで設けられた複数の溝部を有しており、
    複数の前記溝部のうち、前記第1開口部に近い側に位置する前記溝部の平面視における面積は、前記第1開口部から遠い側に位置する前記溝部の平面視における面積よりも小さい、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記マニホールドは、当該マニホールド内を液体が流れる方向に設けられた溝部を有しており、
    前記溝部の平面視における面積は、前記マニホールド内を液体が流れる方向に向かうに従って、大きい、請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記マニホールドは、平面視して第1方向に沿って延びており、
    前記第1開口部は、前記第1方向における前記マニホールドの一端部に連結しており、
    前記流路部材は、前記第1方向における前記マニホールドの他端部に連結しており、前記マニホールドから液体を流出するための第2開口部を有している、請求項8〜11のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記一端部と前記第1主面との間には、前記空間部は存在しない、請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記流路部材は、前記マニホールドに連結しており、前記マニホールドへと液体を供給するための第1開口部を有しており、
    前記第1部位は、前記第2部位に比して前記第1開口部から遠い側に位置している、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  15. 前記空間部は、前記流路部材の外部と連通している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送部と、を備えた記録装置。
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