JP2015004829A - 撮像素子調整機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子基板に自動実装される撮像素子を用いた撮像装置において、撮像素子の上下方向を大きくすることなく、撮像素子のあおり調整機構を提供する。
【解決手段】レンズ部1と、撮像素子と、前記撮像素子を実装する撮像素子基板と、前記撮像素子を保持する撮像素子プレートと、前記レンズ部と前記撮像素子プレートとの間に配置され前記レンズ部に対して前記撮像素子プレートを光軸方向へ付勢する弾性部材と、前記撮像素子プレートを前記レンズ部に締結する3本の調整ビスと、を備える撮像素子調整機構で、前記撮像素子基板の前記撮像素子実装面における前記撮像素子の一方の左右辺近傍に貫通孔205を設け、前記3本の調整ビスの内第一の調整ビス22aは前記貫通孔を挿通して配置し、前記3本の調整ビスの内第二及び第三の調整ビス22cは、前記撮像素子の他方の左右辺近傍の前記撮像素子基板の外径より外側にて上下方向に離間して配置する。
【選択図】図21

Description

本発明は、撮像素子を有する撮像装置における、撮像素子のあおり調整を行う為の、撮像素子あおり調整機構に関するものである。
近年、撮像装置は、その用途・性能に応じて、様々な撮影形態を有している。特に小型の撮像装置の分野においては、撮影画角が、対角画角において170°近傍に迫る、広角画角での撮影が可能な撮像装置が提案されている。ここで、図49に、従来のスチルカメラに、広角での撮影機能を搭載した場合の撮影形態を表す図を示す。
本図において、1000は従来のスチルカメラ、1001は広角レンズ、1002は広角レンズ1001の対角画角が、略170°である場合の撮影画角を示している。ここで、従来のスチルカメラ1000におけるカメラ把持形態において、図49に示すように、撮影画角1002が、従来のスチルカメラ1000を把持する撮影者の手によって、ケラれてしまっているのがわかる。このような問題に対して、従来の撮像装置においては、広角レンズ1001を、スチルカメラ1000の本体から、撮影画角が撮影者の把持手によってケラれない位置まで突出させるといった対策がとられている。
しかしながら、このような対策では、広角レンズ1001がスチルカメラ1000本体より突出する分、撮像装置の小型化を阻害することとなる。また、撮像装置の小型化を画する別の対策案として、広角レンズのレンズ鏡筒をスチルカメラ本体に対して沈胴させる、という対策が考えられる。広角レンズ鏡筒を沈胴可能にように構成することで、レンズ鏡筒収納時にはカメラ本体からレンズ鏡筒部が突出することがない且つ撮影画像が撮影者の把持手にケラれることなくカメラを小型に構成することが可能となる。しかしながら、広角レンズ鏡筒を沈胴させる構造を実現する為には、レンズ鏡筒の径方向の巨大化や、アクチュエーターに代表される沈胴機構部品追加によるコストアップが不可避である。
これらの課題に対して、図50に示すような撮影形態を有する撮像装置が、非常に有効な解決手段となる。本図において2000は、薄型で略矩形に形成された撮像装置本体を、撮影者が本体底面側を手のひらで包み込むように把持する撮影形態を有する撮像装置(以下、フラットカムと称する)を表す。尚、前図と同様の構成要素に関しては同様の符号を付し、図示を省略する。
本図に示すように、フラットカム2000において、広角レンズ1001はフラットカム2000の前端部に配置される。フラットカム2000本体は、手のひらサイズの所定の幅を有し、広角レンズ光軸後方方向へ略矩形状に薄型に延出される外形形状を有する。撮影者がフラットカム2000を把持して撮影する際、撮影者はこのフラットカム2000本体の底面側を手の平で包み込むように把持する。この為、本図からわかるように、広角画角を有する撮像装置においても、撮影者の把持手によって撮影画角がケラれることなく、良好な撮影画像を得ることが可能となる。
また、広角画角で撮影可能な撮像装置においては、次のような課題も挙げられる。広角画角を有する撮像装置を、地面(平らな机や床など)に置いた状態で撮影を行った場合、その撮影画角の広さゆえに、撮影画像の下方側の広範囲に、地面(平らな机や床など)が写ってしまうこととなる。この課題に対しては、図51に示すような撮影形態を有する撮像装置の実現が有効な解決手段となる。
図51において、直線Gは略平らな地面、図中の一点鎖線はフラットカム2000の撮影光学系光軸、をそれぞれ表している。本図に示すように、フラットカム2000を地面Gに置いて撮影を行った場合、光軸は地面Gに対して所定の角度上向きの方向に傾斜しているのがわかる。地面Gにおいた状態で、撮影光軸が上向きとなるように、撮像装置を構成することによって、撮影画像に地面が写っている領域を減らし、良好な撮影画像を得ることが出来る。これを実現する具体的な撮像装置の構成として、フラットカム2000の本体底面における、広角レンズ1001の配置面と対向する面側(背面側)を、光軸に近づく方向に傾斜(ヒップアップ)させることで達成可能である。また、このヒップアップデザインを実現することで、撮像装置を小型に見せるという効果も得ることができる。
(撮像素子あおり調整機構)
前述した、フラットカム2000のような薄型の撮像装置を実現する為には、撮像装置を構成するレンズ部および撮像素子部の薄型化が不可欠である。撮像装置における撮像素子部は、レンズ部の光軸と撮像素子の撮像面の倒れ(傾斜)を調整する為のあおり調整機構を有する。特に、前述したような、広角画角を有する撮像装置において良好な撮影画像を得たい場合、あおり調整機構は不可欠なものとなる。
この、撮像部におけるあおり調整機構を薄型に構成する先行技術として、特許文献1のような提案がなされている。
特許文献1によると、撮像部30を構成する撮像素子31とパッケージ(基板)32の、一方の短辺に沿って第一ネジ41a及び第二ネジ42bが配置され、他方の短辺に沿って第三ネジ43cが配置される。この3本のネジを使用して、鏡筒1に対し、撮像部30のあおり調整を可能に構成している。
本先行技術においては、撮像部30の左右短辺に沿ってネジ部を配置する為、撮像部30の上下方向の大型化を招くことなく、撮像部のあおり調整機構を実現可能である為、撮像装置の薄型化を望むことが出来る。
特許第4735012号明細書
しかしながら、本先行技術において提案されている撮像部30は、撮像素子31と電気的に接続し、撮像素子31を実装する撮像素子基板の考慮がなされていない。さらに、撮像素子基板から、撮像装置本体が有する制御基板への、電気的な接続方法に関しても、同様に考慮がなされていない。
また、先行技術における撮像素子31は、リード部が撮像素子の長辺側から外方へ突出するようなDIP(Dual Inline Package)タイプの撮像素子が想定されている。このタイプの撮像素子であれば、先行技術に示されるような撮像部30のあおり調整を行った後に、撮像素子基板に対して、撮像素子31を、手半田にて実装することが出来る可能性がある。
しかしながら撮像部の小型化を実現する為には、撮像部を小スペースに構成することが可能な、BGA(Ball grid array)タイプやLGA(Land grid array)タイプの撮像素子を用いることが不可欠である。この場合、撮像素子は撮像素子基板に対して、自動実装機により自動実装される必要がある為、先行技術のような、後手半田工程を前提としたあおり調整機構を用いることが不可能となる。
そこで、本出願に係る発明の目的は、BGAタイプやLGAタイプ等の、撮像素子基板に自動実装される撮像素子を用いた撮像装置において、撮像素子の上下方向を大きくすることなく、薄型に、撮像素子のあおり調整機構を実現することである。
上記目的を達成する為、本出願に係る発明は、被写体の光学情報を入射するレンズ部と、前記レンズ部より射出された光学情報を受光し電気情報として画像情報へ変換する撮像素子と、前記撮像素子を実装する撮像素子基板と、前記撮像素子を保持する撮像素子プレートと、前記レンズ部と前記撮像素子プレートとの間に配置され前記レンズ部に対して前記撮像素子プレートを光軸方向へ付勢する弾性部材と、前記撮像素子プレートを前記レンズ部に締結する3本の調整ビスと、を備える撮像素子調整機構であって、
前記撮像素子基板の前記撮像素子実装面における前記撮像素子の一方の左右辺近傍には貫通孔が設けられ、前記3本の調整ビスの内第一の調整ビスは前記貫通孔を挿通して配置され、前記3本の調整ビスの内第二及び第三の調整ビスは、前記撮像素子の他方の左右辺近傍の前記撮像素子基板の外径より外側にて上下方向に離間して配置される、
ことを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とすることころは、撮像素子調整機構において、前記撮像素子基板外形は前記撮像素子の一方の左右辺側に延出され、前記貫通孔は前記撮像素子基板外形延出側に配置されると共に、前記撮像素子によって得られる画像情報を伝達する画像情報信号パターンは前記撮像素子基板外形延出側へ引き出され、前記画像情報信号パターンと接続される撮像素子実装部品群は前記撮像素子基板外形延出側に集中的に配置され、前記撮像素子基板より延出される電気信号電送部は前記撮像素子基板外形延出側の上部より延出される、
ことを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、撮像素子調整機構において、前記撮像素子基板の前記撮像素子基板外形延出方向と対向する辺側における少なくとも前記第二及び第三の調整ビス近傍において、前記撮像素子基板外形は前記撮像素子と近接する位置まで切り欠かれている、
ことを特徴としている。
以上説明したように、本発明によれば、BGAタイプやLGAタイプ等の、撮像素子基板に自動実装される撮像素子を用いた撮像装置において、撮像素子の上下方向を大きくすることなく、薄型に、撮像素子のあおり調整機構を実現することが可能である。
また、撮像素子基板外形を片側に延出し、延出側に貫通孔及び延出側上部に電気信号電送部を配置し、撮像素子の画像信号パターンを延出側へ引き回し、延出側に実装した撮像素子実装部品と接続させることで、撮像素子基板に貫通孔を設けた場合でも、良好なパターン引き回しと、実装部品の配置が小型に実現可能となる。
また、3本の撮像素子調整ビスを、撮像素子に近接して配置することにより、撮像素子調整ビス間を結ぶ三角形を小さく構成することが可能となる為、撮像素子あおり調整機構として、良好な調整及び撮像装置の長手方向の小型化が可能となる。
撮像装置外観斜視図 撮像装置外観斜視図 撮像装置外観斜視図 (a)撮像装置姿勢側面図(三脚ベース固定) (b)撮像装置姿勢側面図(地面置き撮り) 撮像装置外観斜視図(撮影状態) 撮像装置外観斜視図(撮影状態・自分撮り) 撮像装置外観斜視図(撮影状態) 撮像装置外観斜視図(撮影状態・地面置き撮り) 撮像装置外観斜視図(蓋オープン) 撮像装置外観斜視図(蓋オープン) 撮像装置外観斜視図(把持撮影形態) 撮像装置外観斜視図(把持撮影形態) 撮像装置システムブロック図 レンズ部斜視図 レンズ部分解図 レンズ部断面図 レンズユニット部分解斜視図 レンズ部背面図 (a)センサー基板(撮像素子基板)正面図 (b)センサー基板(撮像素子基板)背面図 (a)センサー基板(撮像素子基板)正面図 (b)センサー基板右側面図 レンズユニット背面図 (a)レンズユニット部断面図 (b)レンズユニット部詳細図 レンズユニット部背面図 主基板部上面図 主基板部底面図 主基板部及びレンズユニット部上面図 主基板部及びレンズユニット部底面図 (a)主基板部及びレンズユニット部上面模式図 (b)主基板部及びレンズユニット部正面模式図 主基板部及びレンズユニット部上面図 主基板部及びレンズユニット部底面図 主基板部及びフロントユニット底面図 (a)主基板部及びフロントユニット上面図 (b)主基板部及びフロントユニット(フロントカバー取り外し)上面図 γ-γ断面図 β-β断面図 主基板部及び無線通信部底面図 無線通信部詳細図 主基板部及び無線通信部斜視図 主基板部及び無線通信部底面図 無線モジュール詳細図 無線通信部分解図 主基板部及び無線通信部右側面図 δ-δ断面図 主基板部及び無線通信部及びレリーズノブ右側面図 主基板部及び無線通信部及びレリーズノブ底面図 電源ユニット分解図 電源ユニット底面図 電源ユニット上面図 主基板部及び三脚ベース底面図 主基板部及び電源ユニット底面図 (a)撮像装置右側面模式図 (b)撮像装置右側面模式図 (a)ε-ε断面図 (b)円R詳細図 (c)円S詳細図 ζ-ζ断面図 従来の撮像装置把持形態 フラットカム把持形態 フラットカム右側面図(地面置き撮り)
<第1の実施形態>
以下、本発明の好適な一実施形態について、背景技術において述べた、広角・小型且つ薄型の撮像装置(フラットカム)に本発明を適用し、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態での説明において、図1における矢印にて示す方向を、各々X方向・Y方向・Z方向と定める。また、本実施形態における撮像装置において、レンズ(バリア)側から見た面(図1X方向から見た面)を正面、正面と対向する面を背面、正面に対して右側から見た面を右側面、正面に対して左側から見た面を左側面、正面に対して上側から見た面を天面、正面に対して下側から見た面を底面、と各々称する。
(撮像装置外観斜視図の説明)
図1〜図3に、本実施形態に係る撮像装置の外観斜視図を示し、外観斜視図に表される各要素の機能を簡単に説明していく。
図1〜図3において、4は本撮像装置の正面側に配置されるフロントユニット、40はフロントユニット4の外観を成し、撮像装置正面側及び撮像装置天面側を覆う金属製のフロントカバー、42及び43は本撮像装置の正面側に配置され、入力された音声信号を電気信号に変換するマイクR及びマイクL、410は本撮像装置内部に配置されるレンズ部1を保護するバリア、45は本撮像装置の左側面側に配置され、撮影者がスライド操作することでバリア410を開閉すると共に、本撮像装置の電源をON/OFFさせるバリア電源ノブ、46は本撮像装置の電源ON/OFFの状態に応じて発光する、本体内部に配置された発光部からの光を外観へ導光する、透明部材で形成された電源LED窓、402はフロントカバー40の内部に配置されたスピーカーから出力される音声を、フロントカバー40の天面側に形成された孔から外部へと伝えるスピーカー部である。
7は収納状態において本撮像装置の天面側に配置される表示ユニット、70は撮像画像や再生画像の表示を行うLCD等で構成される表示部、71は表示部70の表面に配置されユーザーがタッチすることで操作入力を可能とするタッチパネル部、
8は本撮像装置の底面側に配置されるボトムユニット、80はボトムユニット8において撮像装置底面側を覆う外装カバーであるボトムカバー、81はボトムカバー80の右側面側に配置され、カード状記録媒体と本撮像装置の本体制御部(後述)が通信を行っている際に発光する本体内部に配置された発光部からの光を外観へと導光する、透明部材で形成されたアクセスLED窓、82はボトムカバー80の左側面側に配置され操作されることで再生モードへと移行する再生ノブ、83はボトムカバー80の底面側に配置されたスタンドユニット、84はボトムカバー80の背面側に配置され本撮像装置に対して開閉動作可能に構成されたバッテリ蓋、802はボトムカバー80左右側面の背面側に形成された、ストラップを装着する為のストラップ穴、33は本撮像装置底面側に配置され三脚ネジに締結される雌ネジ部を有する三脚ベース、
92は本撮像装置の右側面側に配置され操作されることで画像撮影を行うレリーズノブ、93は本撮像装置の右側面側に配置され撮像装置本体に対して開閉動作可能に構成されるカード蓋、94は本撮像装置左側面側に配置され撮像装置本体に対して開閉動作可能に構成されるジャック蓋、をそれぞれ表す。
(撮像装置の姿勢)
図4(a)に本撮像装置を三脚に取り付けた際の撮像装置の姿勢、図4(b)に本撮像装置を地面(床・机など平らな面)に置いた際の撮像装置の姿勢を、各々撮像装置右側面図にて示す。
図4(a)及び図4(b)において、Uは三脚台座、図中の二点鎖線Tは三脚台座Uと本撮像装置底面の接地面、直線Gは地面と本撮像装置底面の接地面をそれぞれ表す。また、図中の一点鎖線は本撮像装置の撮影光軸方向を示している。
図4(a)に示すように本撮像装置は、三脚台座Uの三脚ネジ部を三脚ベース33に係合させることで、本撮像装置を三脚に取り付けることが出来る。図4(a)から分かるように、本撮像装置を三脚に取り付けた場合、一点鎖線で表される光軸方向と設置面Tが略平行となっているのがわかる。三脚取り付け時、撮像装置にこのような姿勢をとらせることで、撮影者は、三脚側の水準器等を参照しながら三脚台座を傾斜(チルト)させ、三脚台座と一体的に撮像装置の姿勢を操作し、良好に撮影角度を調整することが可能となる。
一方図4(b)において、本撮像装置を地面に置いた場合の設置面を表す直線Gは、一点鎖線で表される光軸方向と所定の角度を持っているのがわかる。これは本撮像装置の本体底面が、背面側にいくにしたがって、撮影光軸に近づく方向に傾斜(ヒップアップ)させていることにより実現する(本実施例に係る撮像装置では光軸に対し5°の傾斜をもたせている)。このような姿勢をとらせることで、撮像装置を地面に置いて撮影する際、撮影画像に地面が写ってしまう領域を減らし、良好な撮影画像を得ることが可能となる。
(可動要素可動時の撮影形態の説明)
図5〜図8に、本撮像装置における各可動要素を操作した後、撮影を行う際の様子を示す。また、この状態においての、撮影形態に関する説明を行う。
図5は図1の状態から、バリア410を開状態に操作し、表示ユニット7及びスタンドユニット83を所定量開いた状態を斜視図にて表している。図5において、1は被写体の光学情報を得る為の複数のレンズ群で構成されたレンズ部、72は表示ユニット7を本撮像装置本体に対して回転移動可能に取り付けるヒンジ部、721は表示部70及びタッチパネル部71をヒンジ部72に対して回転移動可能に取り付ける第2回転軸、73はヒンジ部72に締結され撮像装置本体に対して固定されるトップカバー、をそれぞれ表す。
(画像撮影時の動作説明)
撮影者がバリア電源ノブ45をスライド操作すると、バリア410は撮像装置本体内部へと収納される。本体内部ではバリア検知スイッチ312(後述)によりバリアが開かれたことを検知し、本体制御部(後述)により本撮像装置の電源をONする。バリア410が開状態となることで、図5に示すようにレンズ部1が撮像装置正面側に露出する。光学レンズ群を有するレンズ部1において、被写体より光学情報を入射し、後述するセンサー部2へ光学情報を結像させる。結像された光学情報はセンサー部2で電気情報(画像情報)へと変換され、後述する主基板部3へと伝達される。主基板部3へと伝達された画像情報は、表示ユニット7へと伝達され例えばLCDで構成される表示部70により撮影者に対して画像情報が表示される。
(表示ユニットの説明)
図5に示すように、表示ユニット7は撮像装置本体に対して回転移動可能に構成される。ヒンジ部72は本体内部背面側の図示しない締結部によって撮像装置本体に締結される。また、ヒンジ部72はこの締結部近傍に図示しない第1回転軸を有し、撮像装置本体に対する表示ユニット7の回転移動を可能にする。このように、表示ユニット7を回転移動させることで、撮影者は表示内容を見やすい位置に表示ユニット7の位置を調整することが可能となる(図5は表示ユニット7を撮像装置本体に対して30°回転移動させた位置)。尚、本撮像装置においては、表示ユニット7を撮像装置本体に対して略90°回転移動可能に構成されている。
図6は、図5の状態から表示ユニット7を撮像装置本体に対してさらに回転させ略90°の位置まで移動させた後、第2回転軸721を使って表示部70をヒンジ部72に対して180°回転させ、表示部70を撮像装置正面側に向かせた状態を表している。本図からわかるように、この状態ではレンズ部1と表示部70が同方向を向くこととなる。この為、撮影者がレンズ側にいる状態で撮影を行う(自分撮り)場合、レンズ部1で撮影された撮影画像を、表示部70で確認しながら撮影を行うことが可能となり、良好な自分撮り撮影を行うことが可能である。
(スタンドユニットの説明)
図7は図5の状態を、底面側から見た際の斜視図である。本図のように、スタンドユニット83は、撮像装置本体に対して回転移動可能に構成されている。スタンドユニット83は本体内部背面側の図示しない締結部によって撮像装置本体に締結される。スタンドユニット83は、この締結部近傍に図示しないスタンド回転軸を有し、撮像装置本体に対するスタンドユニット83の回転移動を可能にする(本図ではスタンドユニット83を撮像装置本体に対して45°回転移動させた位置)。ボトムカバー80には、スタンド凹部801が設けられる。スタンド凹部801はスタンド83と略同一形状を成す凹形状で、スタンドユニット83を撮像装置本体に収納する。
図8は図5の状態において、撮像装置を地面(床・机など平らな面)において撮影を行う際(置き撮り)の様子を表す。図中の一点鎖線は本撮像装置の撮影光軸方向を示す。本図に示すように、撮像装置は、撮像装置本体に対して回転移動させたスタンドユニット83の先端と撮像装置本体の底面背面側とが、直線Gにて地面と接地していることがわかる。この時、一点鎖線で示す光軸方向と接地面Gとは所定量傾斜している。このように、本撮像装置を地面においた状態で撮影を行う際、スタンドユニット83を撮像装置本体に対して回転移動させることで、撮影角度を自在に調整することが可能となる。また、スタンドユニット83を利用することで、撮影画像に地面が写ってしまう領域を、撮影者が調整することも可能である。
尚、表示ユニット7及びスタンドユニット83の詳細構造に関しては、本出願内容と直接関係しない為、詳細な説明は省略する。
(外部接続端子の説明)
図9・図10に本撮像装置両側面に配置された蓋部材を開いた状態の図を示す。図9において、90は撮像装置本体右側面側の外観を成す外装部材であるサイドカバーR、309はサイドカバーR90に設けられた開口部より露出し、外部機器と情報通信を行う情報通信端子、310はサイドカバーR90に設けられた開口部より露出し、カード状記録メディアを装着しデータの読み書きを行うことが可能なカードコネクタ、をそれぞれ表す。
図9は、撮像装置右側面に配置されたカード蓋93を開いてカード蓋93内側の各要素を露出させた状態を表している。カード蓋93は、カード蓋93の底面側にエラストマーで形成されたヒンジ部が設けられており、このヒンジ部により撮像装置本体に対して開閉可能に構成される。図9に示すように、カード蓋93を開くと、情報通信端子309とカードコネクタ310が露出する。情報通信端子309及びカードコネクタ310は、後述するメイン基板30に実装され、本体制御部によって各々の情報が制御される。
情報通信端子309としては、例えば、USB端子などが配置される。この情報通信端子309に、外部より図示しない情報通信ケーブル(例えばUSBケーブル)の一端を装着し、他端を外部機器(例えばPC)に装着することで、撮像装置と外部機器との間で情報通信を可能にする。
カードコネクタ310としては、例えば、マイクロSDカードコネクタなどが配置される。カードコネクタ310に、外部よりカード状記録メディア(例えばマイクロSDカード)を挿入することで、そのカード状記録メディアに撮影画像を記録することが可能となる。また、カード状記録メディアに記録されている撮影画像を読み出し、本撮像装置で再生画像として視聴することも可能である。
尚、図9からわかるように、情報通信端子309及びカードコネクタ310は、撮像装置本体右側面側において、X方向略中央付近に配置される。
図10は、本撮像装置左側面側に配置されたジャック蓋94を開いて、ジャック蓋94内側の各要素を露出させた状態を表している。ジャック蓋94は、ジャック蓋94の底面側に、エラストマーで形成されたヒンジ部が設けられており、このヒンジ部により撮像装置本体に対して開閉可能に構成される。
図10に示すように、ジャック蓋94を開くと、DC端子307と映像端子308が露出する。DC端子307及び映像端子308は後述するメイン基板30に実装され、本体制御部によって各々の情報が制御される。DC端子307は外部より電源を供給する為の端子である。DC端子307に、外部より図示しないDCケーブルの一端を装着し、他端を外部電源に装着することで、撮像装置に外部からの電源を供給することを可能にする。
映像端子308としては、例えば、HDMI端子などが配置される。映像端子308に、外部より図示しない映像通信ケーブル(例えばHDMIケーブル)の一端を装着し、他端を外部機器(例えばテレビ)に装着することで、撮像装置と外部機器との間で映像情報の通信を可能にする。また、図10からわかるように、DC端子307及び映像端子308は、本撮像装置本体左側面側において、X方向略中央付近に配置される。
(把持形態の説明)
図11及び図12に本撮像装置を、撮影者が把持した状態で撮影を行う際の、把持形態を示す。図11は、撮影者が左手で本撮像装置を把持して撮影を行っている際の斜視図、図12は撮影者が左手で本撮像装置を把持して撮影を行っている際の底面図である。
図11において、Oは撮影者の左手親指、Hは撮影者の左手人差し指、MHは撮影者の右手人差し指を表す。図11に示すように、本撮像装置は撮像装置の底面側を、左手手のひらに載せ、左手手のひらで撮像装置を包み込むように把持して撮影を行う。この時、親指Oは、本撮像装置右側面の正面側寄りに配置されたレリーズノブ92の上にセットされる。レリーズノブ92は、撮影時に使用する操作ノブであり、レリーズノブ92の押圧操作によって撮影が行われる。
一方、人指し指Hはレリーズノブ92と対向する面(撮像装置左側面側バリア電源ノブ45付近)に添え、撮像装置本体を支える。また撮影者は、左手で撮像装置を把持した状態において、右手の人差し指MHを用いて、表示部40のタッチパネル部71を操作する。
このような把持形態を有する、広角・小型且つ薄型の撮像装置によると、従来技術で紹介したような、撮影画像に撮影者の把持手が写り込んでしまう、といった問題を回避することが可能となる。また、本撮像装置においては、撮像装置の幅方向(Z方向)寸法を、左手親指と人差し指で挟みやすい寸法(70mm前後)に設定することが望ましい。
図12は図11の状態を底面側より見た際の底面図である。本図からわかるように、撮像装置の右側面側は親指で覆われ、左側面側は人差し指と他の指で覆われる。また、底面側は所定の範囲、左手の手のひらで覆われる。この時、撮像装置底面において、左手親指と人指し指の間の略三角形を成すスペース(図11のWの範囲)は、撮影者の把持手がかからず、外部に向かって露出していることがわかる。後述するが、本撮像装置において、この領域Wは、無線通信部5(後述)の配置に適している。
(撮像装置システムブロック図の説明)
図13は、本撮像装置におけるシステムブロック図を表している。本図を用いて、本撮像装置の内部動作システムを簡単に説明する。尚、本図において他図と同様の構成要素には同様の符号を付し、図示を省略する。また、本図の構成要素において他図における複数の要素が当てはまる要素には、*印を付し、構成要素を簡単に説明する。
図13において、本図左側に描かれた、レンズ部1とセンサー部2をまとめてレンズユニット部と称する。前述したように、光学レンズ群を有するレンズ部1に入射した光学情報は、センサー部2において受光され、センサー部2の光電変換機能によって、光学情報を電気情報(画像情報)へ変換する。
本図中央部に描かれた本体部は、主基板部3を有する。主基板部3は、画像・音声情報の入出力、圧縮・変換等の画像処理、記録・再生等の録再処理、等に代表される情報処理を、主基板部3に設けられたメモリと通信しながら行う、本体制御部*wを有する。*wに該当する要素としては、後述するメインIC301、電源IC302、オーディオIC303等の信号処理ICが該当する。センサー部2で電気情報へと光電変換された画像情報は、本体制御部へと伝達される。
本体制御部は、この画像情報に対して画像処理等の情報処理を行う。また、伝達された画像情報に応じて、本体制御部は、例えば後述する絞りユニット13を動作させ、撮像画像の明度の調整を行わせる等、レンズユニット部の制御を行う。画像の記録を行う場合は、本体制御部が、外部記憶装置部(本撮像装置においてはカードコネクタ310)へ画像情報を伝達し、外部記録メディア(マイクロSDカード等)へと撮影画像を記録させる。
本撮像装置において、操作部*rに該当する要素として、例えばレリーズノブ92、再生ノブ82が該当する。各操作部が操作されると、後述する主基板部3に実装されたレリーズスイッチ311、再生スイッチ313等が外部操作を検出し、本体制御部へ操作情報を伝達する。本体制御部はこの操作情報を元に、画像記録や再生モードへのモード切り替えを行う。
本撮像装置において、発光部*2に該当する要素としては、後述する電源LED305、アクセスLED314等が挙げられる。本体制御部は、電源ON操作や外部記憶装置との通信に応じて、各発光部を発光させる。各LED素子により発光された光は、透明材料で形成された電源LED窓46やアクセスLED窓81によって導光され、撮影者へ視認可能に、外観へ露光される。
本撮像装置において、電源部*tに該当する要素としては、DC端子307、バッテリ端子306が挙げられる。前述したように、DC端子307では、外部電源ケーブルを介して外部電源より電力を得ることが可能である。また、バッテリ端子306では、後述するバッテリ60より電力を得ることが可能である。各電源部より得られる電力は本体制御部へ電送される。本体制御部へ電送られた電力は、本体制御部により各駆動要素に適した電圧に電圧変換が行われた後、各駆動要素の電源として各駆動要素へ電送される。
本撮像装置において、検知部*uに該当する要素としては、後述するバリア検知スイッチ312等が挙げられる。バリア検知スイッチ312はバリア電源ノブ45の開閉操作によるバリア410の、撮像装置本体内部・外部間移動(開閉)を検知する。バリア410の移動検知情報は本体制御部へ伝達され、本体制御部は、バリア移動検知情報に基づいて撮像装置の電源をON・OFFさせる。
本撮像装置において、外部接続端子部*vに該当する要素としては、映像端子308、情報通信端子309等が挙げられる。各外部接続端子部に外部接続ケーブルが接続されると、その接続を各接続端子が検知し、本体制御部へ検知信号を伝達する。本体制御部は、接続された外部接続ケーブルに応じて、画像情報の入出力等の制御を行う。
無線通信部5は後述する無線モジュール50を有する。無線モジュール50は外部無線機器と、無線で情報通信が可能である。無線モジュール50より、無線通信の情報が本体制御部へ伝達されると、本体制御部は、画像情報の入出力等の無線通信制御を行う。
図13において、本図右側に描かれた表示ユニット部7はパネル基板部を有する。パネル基板部は本体制御部と電気的に接続され、パネル基板部は本体制御部との間で情報の伝達が可能に構成される。例えば、レンズユニット部で撮影されている画像情報が本体制御部に電送され、本体制御部により画像処理された後、本体制御部がパネル基板部へその画像情報を電送する。パネル基板部は受けとった画像情報を画像処理した後、表示部70へ電送しユーザーに向けて撮影画像を表示させる。また、撮影者がタッチパネル部71より操作した操作情報は、パネル基板部へと伝達され、パネル基板部から本体制御部へと電送される。本体制御部は、この操作情報に応じて、各構成要素の制御を行う。
(構成要素の詳細な説明)
本項より、本撮像装置の構成要素を詳細に説明していく。尚、前図と同様の構成要素には同様の符号を付し、図示を省略する。
(レンズ部の説明)
図14に本撮像装置におけるレンズ部1の右側面天面側から見た際の斜視図を示す。また、図15にレンズ部1の分解図、図16に、レンズ部1においてレンズ光軸にて断面を切り、右側面側から見た断面図を示す。
(レンズ部符号の説明)
図14〜図16において、10はレンズ部1の光学系を構成する光学レンズ群、11は内部に光学レンズ群10を保持しレンズ部1の正面側に配置されるフロントスリーブ、12は背面側にセンサー部2を保持しレンズ部1の背面側に配置されるリアスリーブ、13は内部に絞り羽を有し光学系に入射する光量を調整可能な絞りユニット、101はリアスリーブ12の背面側に設けられた凹形状であるLPF凹部、102はリアスリーブ12の背面側に設けられ背面側に突出する3本のボスであるラバー位置決めボス、103はリアスリーブ12の背面側に設けられ背面側に突出する2本のボスであるプレート位置決めボス、104はリアスリーブ12の背面側に設けられセルフタップビス下穴が各々設けられた3本のセンサービスボス、105はリアスリーブ12の背面側4隅に設けられたセンサー接着部、106は絞りユニット13と主基板部3を電気的に接続する絞りFPC、をそれぞれ表す。
本撮像装置における光学レンズ群10は、複数の光学レンズによって構成される。本光学レンズ群1の光学性能において、撮影対角画角略170°の広角撮影が可能となる(撮像光学系の詳細構造は本出願とは直接関係しない為、詳細な説明は省略する)。この光学レンズ群1は、フロントスリーブ11に対して、光軸方向位置及び傾きを調整された状態で、カシメ固定される。
絞りユニット13は、図15の分解図に示すように天面側から見て略L字型の外形形状を成す。絞りユニット13はフロントスリーブ11の右側面側から、L字型の一辺(絞り羽部131を有する辺)がフロントスリーブ11の内部に挿入されるように組み込まれる。絞りユニット13の絞り羽部131は、図16に示すように、光学レンズ群10の前方の光学レンズ群と後方の光学レンズ群との間に挿入される。この位置において、絞りユニット13は、絞り羽部131を開閉駆動することにより、センサー部2が受光する光量を調整する。
絞りユニット13を駆動させる為のアクチュエーター132は、絞りユニット13のL字型のもう一辺側(光学レンズ群1の右側面側)に、長手方向が光軸と平行となるように配置される。このように、アクチュエーター132を光学レンズ群1の側面に、その長手方向が光軸と平行方向となるように配置することで、レンズ部1の高さ方向寸法を小型に構成することが可能となる。
フロントスリーブ11とリアスリーブ12は、光軸方向(X方向)へ相対的に移動可能に構成される。前述したように、フロントスリーブ11は光学レンズ群10を保持し、リアスリーブ12はセンサー部2を保持する。この為、フロントスリーブ11とリアスリーブの光軸方向位置を調整することで、光学レンズ群1の焦点位置とセンサー部2のセンサー受光面(撮像面)の位置の相対位置調整(ピント調整)が可能となる。また、このピント調整により、レンズ部1とセンサー部2の距離は、撮像装置の個体によって、各々違う距離を有することとなる。
(撮像装置薄型化の条件)
図16に示す上下方向の寸法線Vは、レンズ部1の高さ方向(Y方向)寸法を示している。本寸法は、撮影対角画角170°の広角撮影を実現させる、本撮像装置におけるレンズ光学系を構成する為に必要な高さ方向(Y方向)寸法となる。
ここで、本実施例における撮像装置においては、広角・小型且つ薄型の撮像装置の実現を目標としている。この為、本実施例における撮像装置の高さ方向寸法を、このレンズ部1の高さ方向寸法Vの範囲を逸脱しない範囲において構成することにより、広角撮影可能なレンズ光学系を有する撮像装置において、最も薄型の撮像装置を実現可能となる。
(レンズ部周辺部品及びセンサー部の構成)
図17に、レンズ部1の周辺部品及びセンサー部2の分解図を示す。図17において、14はLPF(光学ローパスフィルタ)、15はセンサーラバー、151はセンサーラバー15に形成された3本の円筒状のラバーチャージ部、20は後述するセンサー(撮像素子)200を実装するセンサー基板(撮像素子基板)、21はセンサー基板20を保持するセンサープレート、211はセンサープレート21に丸穴と長穴で形成された一対のセンサー位置決め穴、212はセンサープレート21に形成されたセンサービス穴、213はセンサープレート21に中心付近においてセンサー200の外形を所定量外側へオフセットさせた形状に開口させたプレート開口、22はセンサープレート21をリアスリーブ12に保持する3本のセンサービス(セルフタップビス)、をそれぞれ表す。
図17及び図18を用いて、レンズ部1の周辺部品及びセンサー部2の構成に関して説明する。LPF14はいわゆる光学ローパスフィルタであり、光学レンズ群10から射出された光線の高周波成分をカットし、撮像画像に干渉縞や偽色が発生するのを防止する。このLPF14は、図14におけるLPF凹部101に組み込まれる。
図18はLPF14及びセンサーラバー15をリアスリーブ12に対して組み込んだ状態を、背面側から見た際の背面図である。センサーラバー15は弾性力を有するゴム等の材料で形成される。センサーラバー15は図14における3本のラバー位置決めボス102と3本の円筒状ラバーチャージ部151の内径部を各々嵌合させ、リアスリーブ12に対して位置が決まるように組み込まれる。
センサーラバー15には、中心部に光学系の光線を通す為の略矩形状の孔が設けられている。センサーラバー15のLPF14側では、前述の略矩形状の孔の外側全周から、LPF14に向かって図示しない突起部が設けられる。後の組み立て工程にて、センサープレート21がリアスリーブ12に組み込まれると、センサーラバー15はリアスリーブ12に向かって所定量押しつぶされ、リアスリーブ12側へ付勢(チャージ)される。この時、センサーラバー15に設けられた前述の突起部がLPF14をチャージし、LPF14をリアスリーブ12に向かって保持すると同時に、レンズ部1へのゴミの進入を防止する。
(センサー基板符号の説明)
図19(a)及び図19(b)に、センサー基板20の正面図及び背面図を示す。尚、センサー基板20の正面側の面を表面、背面側の面を裏面と称する。
図19(a)及び図19(b)において、200は、センサー基板20の表面側に実装され、光学情報が結像されその情報を電気情報(画像情報)へと変換するセンサー(撮像素子)、201はセンサー基板20においてセンサー200等を実装する部位を成し所定の剛性を有するリジット部A、202はセンサー基板20においてリジット部Aから延出され所定の可撓性を有するFPC部、203はFPC部202の他端に接続され所定の剛性を有するリジット部B、204はセンサー基板20の裏面側に形成された銅箔露出部、205はセンサー基板20の表裏を貫通する孔である貫通孔、206はセンサー基板20の裏面側に実装されるセンサー実装部品群、207はリジット部203の裏面側に実装され、センサー基板20で光電変換された画像情報を主基板部3へと伝達するセンサー凸コネクタ、をそれぞれ表す。
(センサーの説明)
本撮像装置におけるセンサー200(撮像素子)は、センサーパッケージ内部に図示しない撮像面を有し、この撮像面にて光学レンズ群10によって集光された光学情報を受光する。センサー200は、CSP(Chip Size Package)で構成され、センサー200裏面にLGA(Land Grid Array)を有し、センサー基板20のリジット部Aの表面と密着した状態で表面実装される。センサー200はセンサー基板20に対して自動実装機にて自動実装され、センサー基板20とセンサー200が実装工程にて一体化される。センサー200内部に配置された撮像面において受光された光学情報は、電気情報(画像情報)へと変換される。
この画像情報は、センサー200の内部信号線により、センサー200裏面のLGAへ電送される。その後、画像情報は、LGAを介してセンサー基板20のリジット部A201へと伝達される。リジット部A201に伝達された画像情報は、FPC部202へと電送され、リジット部B203の裏面側に表面実装されたセンサー凸コネクタ207へと接続される。
(センサー基板の構成)
前述したように、本撮像装置においては撮像装置薄型化の為、レンズ部1の高さ上下方向寸法Vを基準に、この範囲内において各撮像装置の構成要素を構成することを目標としている。一方、センサー基板20は、センサー200の信号パターン引き出し領域や、センサー実装部品群206の実装エリアを確保しなければならない為、所定の面積を有する必要がある。
そこで、本撮像装置におけるセンサー基板20のリジット部A201の外形を、センサー200の中心位置に対して、左右方向片側(本撮像装置では図19(b)における左側)へ延伸し、上下方向へ大型化させることなく、所定の面積を確保出来るよう構成されている。貫通孔205は、延伸させたリジット部A201の左右方向片側に設けられる。貫通孔205には後の工程において、センサーあおり調整時にセンサービス22が挿通される(センサーあおり調整の詳細は後述する)。また、貫通孔205はセンサービス22のビス頭径より所定量大きく構成される。
図19(b)に示すように、FPC部202はセンサー基板20の天面側にて、センサー基板20の左右方向片側(本図左側)の広面積側(撮像素子基板外形延出側)に寄せた位置に配置される。また、図19(b)の寸法iに示すように、FPC部202が、リジット部A201より引き出される部位のリジット部A201外形は、寸法i分Y方向に段差が設けられていることが分かる。このことにより、FPC部202は、後の工程である、メイン基板30との接続状態において、FPC部202の折り曲げ撓みシロを稼ぎ、センサー基板20へかかる反力を軽減することが可能となる(FPC部202の折り曲げ接続に関しては後述する)。
前述した、光電変換された画像情報は、センサー200からFPC部202側(図16(b)左側)へと、リジット部A201における画像情報信号パターンを介して引き出され、貫通孔205の左右の領域を通り、伝送される。センサー実装部品群206は、図19(b)に示すように貫通孔205の上下のスペースに実装され各画像情報信号パターンと接続し、各画像情報信号に対してセンサー実装部品群206の各機能を遂行する。
本撮像装置におけるセンサー基板20では、リジット部A201外形を、センサー200の左右方向中心に対して、片側に寄せて広く形成(延伸)し、この広面積側にFPC部202、貫通孔205、貫通孔205左右にセンサーの信号パターン、貫通孔上下に実装部品群206、を配置する。この構成により、リジット部A201を上下方向(Y方向)に拡大することなく、センサー基板20に貫通孔205を設けられると共に、センサー200の画像情報信号パターンの良好な引き出し、センサー実装部品群206の配置と信号パターンとの接続、FPC部202への画像信号伝達が可能となる。また、以上に説明してきたセンサー基板20の構成は、小型且つ良好なあおり調整機構の実現、及び、センサーの放熱構造の小型化にも寄与するものである(これらの項目に関しては後述する)。
銅箔露出部204は、リジット部A201の裏面にて、センサー200と投影上略同一形状に形成される。銅箔露出部204はリジット部A201裏面の表面を覆うレジスト等の保護層を剥離し、基板内部の銅箔を露出させた状態である。この銅箔露出部204は、センサー200の真裏に当たる位置に配置されている為、センサー200が発熱した際、銅箔露出部204にセンサー200の発熱がダイレクトに熱伝導し、センサー200の温度上昇に伴って、銅箔露出部204も発熱することとなる。
(センサー接着の説明)
図19(a)及び図20(b)に、センサー200(センサー基板20)をセンサープレート21に接着固定した後の図を示す。図19(a)は、センサー基板20及びセンサープレート21接着固定後の正面図、図20(b)は、センサー基板20をセンサープレート21に接着固定した後の右側面図を表している。図19(a)において、23はセンサー接着剤を表す。
尚、本項以降、センサー基板20とセンサープレート21が接着固定されたユニットをセンサーユニット25と称する。
(センサーのYZ平面位置合わせ)
センサー200をセンサープレート21へ取り付ける際、まず、YZ平面における、センサー200の位置と、センサープレート21の位置合わせを行う。具体的には、図19(a)に一点鎖線の交点で示すセンサー200の撮像面中心と、センサープレート21に設けられたセンサー位置決め穴211の丸穴中心を基準に、各々の相対位置を合わせる。位置合わせの具体的な方法は、例えば下記のような方法で行うことが可能である。
まず、センサープレート21を図示しない治具に固定する。次に、センサー基板20を、センサープレート21の背面側からセンサー200をプレート開口213に潜らせつつ、近接させていく。この時、センサー基板20とセンサープレート21との間には微小な隙間を持たせるのが望ましい。次に、センサー基板20の正面側から、センサー200の撮像面中心とセンサー位置決め穴211中心の位置を確認しながら、YZ平面における両者間の距離が、所定の距離となるように、センサー基板20を図中の上下左右に移動させる。
この時、センサー基板20とセンサープレート21との間に微小な隙間を持たせることで、センサー基板20の上下左右方向移動による、基板表面への傷・削れなどを懸念することなく、スムーズに位置合わせを行うことが可能となる。
センサー200とセンサープレート21の位置決めを行った後、センサー基板20とセンサープレート21の接着固定を行う。前述したように、センサープレート21には、センサー200の外形を所定量外側へオフセットさせた形状を有するプレート開口213が設けられている。この為、センサー200の外形とプレート開口213の端面との間には全周、所定のスペースが存在する。この所定のスペースに、例えば、紫外線硬化樹脂を塗布した後、紫外線を照射することで、センサー基板20とセンサープレート21の接着固定を行える。
尚、このセンサー200とプレート開口213間の所定のスペースは、少なくとも接着剤塗布器具(ディスペンサー等)の接着剤射出部が入り込めるスペースを確保することが望ましい。尚、本実施例ではセンサー200の全周を接着剤23で覆っているが、一部への塗布でも接着固定を行うことが可能である。
(センサー基板あおり調整の説明)
図21に、レンズ部1に対して、センサーユニット25を取り付けた際の様子を示す。本図は、図18の状態より、レンズ1の背面側からセンサーユニット25を取り付けた際の様子を表す。センサー基板20(センサーユニット25)は、レンズ部1の光軸と、略垂直となるように配置される。センサーユニット25のレンズ1に対するYZ面方向位置は、リアスリーブ12に設けられた2本のプレート位置決めボス103とセンサープレート21に設けられた一対のセンサー位置決め穴211とが嵌合することで位置が決まる。
この時、センサー200の撮像面中心は、センサープレート21のセンサー位置決め穴211に対して位置合わせされている為、センサー200の撮像面中心はレンズ部1に対しても位置決めされることとなる。センサーユニット25は、レンズ部1に位置決めされた後、3本のセンサービス22(セルフタップビス)によってレンズ部1に固定される。3本のセンサービス22は各々、センサープレート21に設けられたセンサービス穴212を挿通し、リアスリーブ12に設けられた3本のセンサービスボス104に累合する。
センサービス22を締め込んでいくと、センサープレート21とセンサービスボス104の先端が突き当たり、この位置において、センサーユニット25がレンズ部1に対して、一時的に固定される。尚、本図において、3本のセンサービス22の各々を区別する為、図中に示すようにセンサービス22a/センサービス22b/センサービス22cと分けて表示する。
本図より、ビス22aは、センサー基板21に設けられた貫通穴205の内側に配置されているのがわかる。図中の太二点鎖線で結ばれた三角形は、センサービス22a/センサービス22b/センサービス22cの各々の中心を結んだ三角形である。図中の細二点鎖線は、センサービス22a/センサービス22b/センサービス22cの中心から、太二点鎖線で示す三角形の各辺に対して、垂直となるように引いた垂線である。太二点鎖線上に示す、点a・点b・点cは、各々、細二点鎖線(垂線)と太二点鎖線(三角形辺)の交点を表す。
(あおり調整の原理)
ここで、センサー200のあおり調整の原理に関して簡単に説明する。レンズ光学系光軸と撮像素子撮像面のあおり調整の原理は、公知の技術である為、詳細な説明は省略する。
本撮像装置の光学レンズ群1の光軸とセンサー200の撮像面は、光学上、互いに垂直の関係になっていることが望ましい。光軸と撮像面に倒れ(傾斜)があると、仮に撮像面の中心位置でピントが合っていたとしても、撮像面の片端ではピントがズレ、撮像画像がボケてしまうという問題が起こる。またこの時、撮像面の片端ともう一端ではピントのズレ量が大きく異なってしまい、撮影画像の両端でボケ量が大きく異なる(片ボケ)画像となってしまう。この際の、光軸に対する撮像面の倒れ(傾斜)を「あおり」と称する。
この「あおり」を光軸に対して垂直となるように調整することで、片ボケのない良好な画像を得ることが可能となる。あおりが発生する原因としては、レンズ群の倒れによる光軸の傾きや、センサー(撮像素子)製造工程におけるセンサー実装面とセンサー内部の撮像面の傾斜、センサーとセンサープレート接着時に起こるセンサーとセンサープレートの傾き、等が挙げられる。これらのあおりを補正する為に、撮像装置の組立工程において、レンズ部に対してセンサーユニットのあおり調整工程を行うものである。
(あおり調整方法)
以下に、本撮像装置における、センサー200のあおり調整方法を説明していく。
図22(a)は、図21における一点鎖線α-αにおいて断面を切り、図中右側から見た時の断面図を表す。
(センサーユニットの締結・ラバーチャージ)
まず、センサーユニット25をレンズ部1に締結した際の締結状態を説明する。一点鎖線α-αは、ちょうどセンサービス22a及びラバーチャージ部151の中心上を通る。また、図の22(b)は、図22(a)における円D部の詳細図である。
図22(b)において、センサーユニット25は、レンズ部1に対して、センサービス22によって締結された状態である。図示のように、センサープレート21はセンサービスボス104に突き当った状態となる。この時、センサーラバー15のラバーチャージ部151はセンサープレート21によって圧縮付勢(チャージ)される。ラバーチャージ部151の、図中の黒塗り部分(151の引き出し線部)がセンサープレート21にチャージされた部分である(実際には黒塗り部分が圧縮され、センサープレート21の図中左端までラバーチャージ部151が縮まる)。
この時、弾性力を有するラバーチャージ部は、センサープレート21にチャージされた分、図中の左右矢印両方向へ反発力を生む。前述したように、図中矢印左側方向への反発力により、前述の図示しないセンサーラバー15の突起部が、LPF14を保持する。また、図中矢印右方向への反発力は、センサープレート21を図中右方向(撮像装置背面側)へ押す力となる。尚、ラバーチャージによる反発力は、3本(3箇所)のラバーチャージ部151において同様である。
(センサービスによる位置調整)
次に、センサービス22の光軸方向位置調整により、センサー200のあおり調整を行う方法を説明する。前述したように、センサープレート21は3箇所のラバーチャージ部151により図22(b)の右矢印方向へ付勢されている。この為、例えばセンサービス22aを緩めると、センサープレート21は図中右方向へ移動することとなる。この時、センサープレート21はセンサー基板20と接着固定により一体化している為、センサープレート21の移動と共に、センサー200も同方向へ移動する。
図21を用いて、この際のセンサーユニット25の移動方向をさらに具体的に説明する。センサービス22aを緩める時、センサービス22b及び22cはレンズ部1に固定された状態のままである。この為、センサーユニット25の移動方向は、図21における太2点鎖線上の点aを回転中心として、センサービス22a部が紙面表面方向へと回転移動することとなる。他のセンサービス22b/22cを緩める場合も同様である。センサービス22bを緩めた場合、センサーユニット25の移動方向は、図21における太2点鎖線上の点bを回転中心として、センサービス22b部が紙面表面方向へ回転移動することとなる。
センサービス22cを緩めた場合、センサーユニット25の移動方向は、図21中の太2点鎖線上の点cを回転中心として、センサービス22c部が紙面表面方向へ回転移動することとなる。これら3種類の移動方向を組み合わせることで、センサーユニット25は、センサービス22a/b/cのいずれかを緩めることにより、センサー200の撮像面をxyz3軸方向へ自在に調整することが可能となる。
(センサー200の適正移動距離算出)
センサー200のあおり調整における、適正な撮像面移動量を得る為には、例えば、光学レンズ群1から所定の距離離れた位置に、ピント確認用のチャートを設置し、そのチャートの撮影を行う。撮影されたチャートの画像から、例えば、撮影画像4隅及び中心のピント情報を得て、どの方向に・どのくらいの距離撮像面を移動させれば4隅及び中心のピントが合うかを計算する。この計算結果を基に、今度は、どのセンサービスをどの程度緩めれば適正な撮像面移動距離が得られるかを、換算・算出することで、適正なビスの移動距離を得ることが可能となる。
(センサービスの適正配置位置)
ここで、センサービスの適切な配置位置に関して説明する。前述したように、本撮像装置におけるセンサー200のあおり調整には、センサービス22が3本必要となる。説明するまでもないが、センサーあおり調整は、センサー200の撮像面の傾き調整である為、センサービスは、3点(3カ所)にて設置される必要がある。
前項にも記載したように、本撮像装置においては、撮像装置の薄型化を一つの目標としている。この為、レンズ部1の上下方向へのセンサービスの配置は、撮像装置上下方向(Y方向)の大型化を招くこととなるので、好ましくない。この為、本撮像装置におけるあおり調整ビス22は、センサー200の短辺側(左右辺)の外側に配置している。
具体的には図21に示すように、センサー200の一方の短辺左側にセンサービス22aを一本、センサー200の他方の短辺右側にセンサービス22b/c二本を配置している。各センサービス22a/b/cの中心を結ぶ三角形は、センサービス22aを頂点とした二等辺三角形を描いている。このようなセンサービスの配置形態をとることで、撮像装置の上下方向(y方向)の大型を招くことなく、薄型に、あおり調整機構の実現を可能にする。
また、センサー200の短辺右側に配置したセンサービス22b/cはセンサー200が実装可能な範囲においてセンサー基板20のリジット部A201を切り欠き、可能な限りセンサー200側に寄せて配置する。また、センサー200の短辺左側に配置したセンサービス22aはセンサー基板20内側に設けられた貫通孔205の内側に配置される。このように構成することで、センサービス22をセンサー200の左右方向に近接させて配置することが可能となる。
(センサーあおり調整の敏感度の説明)
次に、センサービス22a/b/cの中心を結ぶ二等辺三角形を、図21における左右方向に小さく構成した場合(センサー200とセンサービス22の近接配置)の優位性に関して説明する。前述したように、センサーあおり調整において、センサービス22aを緩める場合、センサーユニット25の移動方向は、図21中の太2点鎖線上の点aを中心としてセンサービス22a部が紙面表面方向へ移動する方向となる。この時、センサービス22aを回転させる量と、センサーユニット25の回転移動距離との関係は、点a(回転中心)からセンサービス22aまでの距離によって決まってくる。
即ち、点aからセンサービス22aまでの距離が近ければ近い程、センサービス22aの少ない移動量でセンサーユニット25が所定角度回転移動し(敏感度が高い)、点aからセンサービス22aまでの距離が遠ければ遠い程、センサービス22aの多くの移動量でセンサーユニット25が所定角度回転移動する(敏感度が低い)こととなる。このことより、所定角度センサーユニット25を回転移動をさせたい場合、点aからセンサービス22aの距離を遠く設定すればするほど、センサーユニット25の光軸方向(x方向)移動量は大きくなってしまうこととなる。この場合、移動後のセンサーユニット25との干渉防止の為、センサーユニット25の背面側に配置される部品(本撮像装置では、三脚ベース33やメイン基板30)との隙間を大きく設定する必要が出てくるので、撮像装置の長手方向(X方向)の大型化を招くこととなる。この為、点aとセンサービス22aとの距離は短く設定出来れば、x方向の小型化に有利となる。さらに、撮像装置の量産性を鑑みると、あおり調整に要する工程作業時間は短い程よい。センサーユニット25を所定角度回転させるに当たり、点aとセンサービス22aの距離を近く設定した方が、センサービス22aの移動量(ビス回転数)を少なく出来る為、工程作業時間上、有利である。
また、センサーあおり調整の工程は、センサー部2をレンズ部1に対して回転移動させるので、前述したレンズ部1のピント調整と同様に、センサーあおり調整においてもレンズ部1とセンサー部2の相対距離が変化する。
(あおり調整の調整レンジ及び保持)
ここで、撮像装置のあおり調整は一般的に、数μmという非常に繊細なレンジで行われる。この為、あおり調整後あおり調整された位置に、センサー基板を確実に保持することが重要となる。例えば、センサーあおり調整後、センサー基板とメイン基板をFPC部によって接続した際、FPC部によるセンサー基板への反力によって、撮像面位置が数μmずれてしまうケースもある。この為、センサー基板とメイン基板を信号接続する際の、FPC部の接続形態も十分に考慮する必要がある(本撮像装置における接続形態に関しては後述する)。
(センサーユニットとレンズ部の固定)
センサーあおり調整を行った後、センサープレート21とリアスリーブ12及びセンサープレート21とセンサービス22の接着を行い、レンズ部1とセンサーユニット25を固定する。この時の様子を、図23に示す。図23において、26は前述の接着を行う際のレンズ接着剤を表している。センサープレート21とリアスリーブ12は4箇所のセンサー接着部105にて接着される。センサープレート21とセンサービス22は各センサービス22の周囲にて接着が行われる。センサービス22a部は、センサー基板20の貫通孔205とセンサービス22aの間に設定された所定の隙間に接着剤が塗布される。
センサープレート21とセンサービス22を接着固定することで、センサービス22が回転するのを防止し、あおり調整後のビスの回転位置を保持する。この際、センサービス22b/cの接着は、リアスリーブ12とセンサープレート21の接着と同時に行ってもよい。このように、センサービス22b/cとリアスリーブ12のセンサー接着部105を近接した位置に配置し同時に接着することで、接着工程作業時間を短縮することが可能である。
(センサーあおり調整機構効果のまとめ)
以上説明してきたように、本撮像装置において、センサー200の短辺一端側(左側)に配置させるセンサービス22aは、センサー基板21における貫通孔205内部に配置している。一方、センサー200の短辺他端側(右側)において、センサービス22b/cは、センサー基板20の切り欠き部外側に上下方向に各々離間されて配置される。
このようにセンサーあおり調整機構を構成することで、自動実装されるセンサー200を用いた撮像装置において、センサー部2の上下方向を大型化することなく、薄型に、センサーのあおり調整機構を実現することが可能となる。
また、センサービス22aをセンサー200短辺一端側にセンサー200と近接配置し、センサービス22b/cをセンサー200の短辺他端側にてセンサー200と近接配置することによって、センサービス22a/b/cの中心を結ぶ三角形を小さく構成することが可能となる。センサービス22a/b/cの中心を結ぶ三角形を小さく構成することで、撮像装置の長手方向(X方向)の小型化、及び、あおり調整工程作業時間の短縮に寄与することが可能である。
さらに、前述したセンサー基板20の構成によれば、リジット部A201外形をセンサー200の中心に対して左右方向片側に延伸し、延伸された側のリジット部A201の外形上方にてFPC部202を上方に向かって引き出している。貫通孔205は、このリジット部A201が延伸された範囲に配置される。センサー200の画像信号パターンは、FPC部202に向かって引き出され、貫通孔205周辺に配置されたセンサー実装部品群206と接続される。このようにセンサー基板20を配置構成することで、センサー基板20の上下方向の小型化を実現しつつ、貫通孔205を設けた場合においても、良好な画像信号パターン引き回しとセンサー実装部品206の配置を可能とする。
さらに、センサービス22aをセンサー基板20の貫通孔205内に配置し、センサービスaとセンサービス22b/c間の距離を短く構成することは、センサーあおり調整機構として、左右方向(Z方向)の小型化も実現可能としている。
(センサー放熱構造の概要)
次に、センサー200(撮像素子)の放熱構造に関して説明していく。撮像素子の放熱は従来、撮像素子に直接放熱板や放熱シートを接触させるなどして行われてきた。これらの方法は、DIPタイプ撮像素子が撮像素子基板に対して手はんだ等により実装される場合は、比較的容易に実現出来る。即ち、撮像素子を実装する以前に、撮像素子裏面に対して放熱板を接着した後、撮像素子を撮像素子基板に対して手半田する、ことで実現可能である。
ところが、近年の撮像素子の小型化及び自動実装化により、このような手法による撮像素子の放熱は、困難になってきている。自動実装の場合、放熱板の接着より先に撮像素子は撮像素子基板に対して自動実装されてしまい、また、BGAタイプやLGAタイプの撮像素子では、撮像素子裏面側の広い範囲に信号パッドが設けられる為、撮像素子裏面での直接放熱が不可能であるからである。
本撮像装置におけるセンサー200は、センサー基板20に対して自動実装され且つセンサー200裏面の略全域に信号線パッドを有するLGAタイプの撮像素子を想定している。この為、従来技術である、撮像素子裏面に直接放熱板等を接触させる放熱方法は採用出来ない。また、撮像素子基板の裏面に放熱用のフィン部材を貼り付け、撮像装置内部に熱を散らすような放熱構造では、他の熱源が近接する撮像装置において、撮像装置の内部温度上昇に対して非常に不利となる(本撮像装置では、熱源である主基板部が撮像素子基板に近接する)。そこで、本撮像装置では、前述のセンサー基板20裏面に形成した、銅箔露出部204を用いて、センサー200の熱を外部へ放熱する構造を提案する。
(センサー放熱シートの説明)
図23に示す符号24は放熱シートを表している。放熱シート24は例えば銅箔シートやグラファイトシート等の薄型で熱伝導率の高い材料を用いることが望ましい。本図において、放熱シート24の外形内側に、2カ所の一点鎖線が示されている。この一点鎖線は放熱シート24の図中裏面側に設けられた両面テープ範囲を示している。放熱シート24裏面側において、下部の一点鎖線より下側の範囲は、銅箔露出部204に貼り付けられる両面テープ範囲、上部の一点鎖線より上側の範囲は、後述するフロントカバー40へ貼り付けられる両面テープの範囲を表す。放熱性を考慮すると、本両面テープは10μm以下の薄手の両面テープを用いるのが好ましい。
尚、放熱シート24の外形内に示される破線は、センサー基板20に設けられた銅箔露出部204の隠れ線を表している。
放熱シート24の貼り付けは、センサーあおり調整のレンズ接着剤26の塗布硬化後に行われる。放熱シート24はー端側が、センサー基板20に設けられた銅箔露出部204を覆う形で、下部側の両面テープにて貼り付けられる。
(放熱経路の説明)
前述したように、センサー基板20裏面側に設けられた銅箔露出部204はセンサー200の駆動による発熱が熱伝導され、銅箔露出部204は、センサー200の駆動発熱に伴って温度上昇する。また、銅箔露出部204は、センサー200と投影上略同一形状に形成されている。センサー200の駆動による発熱が熱伝導された銅箔露出部204には放熱シート24が貼り付けられ、銅箔露出部204を介してセンサー200の発熱を放熱シート24へと熱伝導させる。放熱シート24は、下部のから上部へと熱伝導し、放熱シ放熱シート24の上部にてフロントカバー40へと熱伝導することで、外気へと放熱することが可能となる(フロントカバー40への放熱形態詳細は後述する)。
また、銅箔露出部204がセンサー200と投影上略同一形状に形成されることで、センサー200の撮像面の熱を均一に放熱することが可能となる。撮像面に温度ムラが発生すると、撮像画像の色ムラを招くこととなるが、前記のように撮像面を均一に放熱することで、撮像面の温度ムラ発生を防止可能となる。
尚、図23において、図中寸法Eはレンズ部1の幅方向寸法を表している。後述するが、レンズ部1及びセンサー部2の左右方向(Z方向)外側は、メイン基板30の外形によって囲われる。
ここで、図23に示すように、放熱シート24はセンサー基板20のFPC部202と並列に並んで配置されているのがわかる。前述したように、FPC部202は、リジット部A201においてセンサー200の中心から片側(左側)に寄った位置から延出されているのに対し、放熱シート24はセンサー基板20のセンサー200側(右側)への配置となる。
このように、リジット部A201のセンサー200中心より左右方向の一端側に延伸された外形より延出されるFPC部202と、センサー200略中心付近に配置した放熱シート24を、センサー基板20の天面側にて並列して配置することで、レンズ部1の左右方向寸法である寸法Eの範囲内で、画像信号伝達と撮像素子の放熱構造を左右方向(Z方向)にて小型に実現することが可能となる。(FPC部202及び放熱シート24の接続形態、FPC部202及び放熱シート24の引き出し方向に関しては後述する)。
(主基板部の説明)
次に、主基板部3の構成について説明していく。主基板部3においても前項同様、撮像装置の薄型化の為に、図16におけるレンズ部1のY方向高さ寸法Vの範囲内で構成する構造を提案する。
図28(a)及び図28(b)に、本撮像装置におけるレンズ部1及びセンサー部2(レンズユニット部)と主基板部3との配置関係を模式的に示す。図28(a)は、レンズユニット部と主基板部3との位置関係を天面側から見た図、図28(b)は、レンズユニット部と主基板部3との位置関係を正面側から見た図である。尚、図28(a)は主基板部3の各要素を透視図として表裏関係なく示している。
図28(b)に示すように、主基板部3はレンズ部1の高さ方向寸法Vの範囲内において、センサー部2と垂直に配置される。ここで、レンズユニット部の背面側において、単純に矩形状の主基板部3を背面側へ延伸する方向へ配置したのでは、レンズユニット部の左右スペースを有効に活用することが難しくなる。特に、本撮像装置においては、図11及び図12に示すような把持形態を有する為、この範囲には操作系の要素の配置が望まれることとなる。この、レンズユニット部左右スペースを活用しようとして、例えば、操作系専用の基板を新たに起こして配置すると、部品追加や工数増加により、コストアップにつながってしまう。
そこで、本撮像装置における主基板部3は、図28(a)に示すように、レンズ部1及びセンサー部2(レンズユニット部)の左右側面及び背面側の3辺を、コの字状に囲うように配置した。このように構成することで、レンズユニット部の左右のスペースを有効に活用できる、且つ、主基板3の実装面積も確保することが可能である。また、主基板部3は後述する切り欠きP・Qにより、略H型の特徴ある形状を成すものである。
(メイン基板の構成の詳細説明)
以下に、図24及び図25を用いて、本撮像装置の主基板部3に関して詳細に説明していく。
図24は、主基板部3を撮像装置の天面側から見た上面図、図25は、主基板部3を撮像装置底面側から見た下面図、をそれぞれ表す。また、主基板部3の図24面視側を表面、図25面視側を裏面と称する。図24及び図25に示すように、主基板部3の各部位を各々領域J・K・L・M・といったように領域分けしている。また領域J・K・L・M以外の、略矩形に広面積を有する領域を、領域Uと称する。また、Pは領域J・Kの間のスペース、Qは領域L・Mの間のスペースを表している。領域Uを中心にみると、領域J(延伸部)・K・L・Mは、各々領域Uの4隅にて、X方向に延伸された領域を成している。また、主基板部3の最大外形(略正方形形状)からみると、領域P及び領域Qは各々領域J・Kの間及び領域L・Mの間で主基板部3を切り欠いた部分と捉えることができることから、領域P及び領域Qを、切り欠きP・切り欠きQと称する。
(符号の説明)
図24及び図25において、3は主基板部、30は各IC・コネクタ・端子等の主基板部3の各構成要素を実装するPCBであるところのメイン基板、301は本撮像装置においてメインとなるICであり、画像処理や圧縮・記録などの撮像装置として主要な情報処理・制御を行うメインIC、302は電源制御を行う電源IC、303はマイクより入力されるオーディオ信号に対しA/D変換等のオーディオ信号処理を行うオーディオIC、304はセンサー基板20に実装されたセンサー凸コネクタ207と嵌合するセンサー凹コネクタ、305は電源ON/OFF等の状況に応じて点灯・消灯する電源LED、306はメイン基板30の外形範囲内に実装されバッテリから電源を受給する端子であるバッテリ端子、307は外部電源を受給する端子であるDC端子、308は外部へ撮像画像を出力する端子である映像端子、309は外部と画像情報等の入出力を行う情報通信端子、310はカード状記録媒体を装着しカード状記録媒体に対して情報の読み書きを可能にするカードコネクタ、311は操作されることによって撮像画像を記録するレリーズスイッチ、312はバリア410の開閉を検知するバリア検知スイッチ、313は操作されることによって再生モードへと移行させる再生スイッチ、314はカード状記録媒体との通信の有無及び通信状態により点灯・消灯を行うアクセスLED、315は絞りFPC106と接続する絞りFPCコネクタ、316は後述する無線FPC53と接続する無線FPCコネクタ、317は後述するマイクワイヤー44と接続するマイクワイヤーコネクタ、36はメイン基板30の表面側に貼り付けられるスポンジ等の弾性力を有する部材であるダンパー部材、をそれぞれ表す。
(メイン基板各要素の配置説明)
主基板部3の主な動作については、図13を用いて説明した、撮像装置の動作の説明と同様である。
図24において、メインIC301はメイン基板30の領域U表面側の略中心に配置される。メインIC301は、各主基板部3の構成要素と電気的に接続され、各構成要素を電気的に制御する。
図24及び図25において、領域Uにはバッテリ端子306、DC端子307、映像端子308、情報通信端子309、カードコネクタ310等が配置されているのがわかる。これらの要素は、メイン基板30に対して実装するにあたり、その周辺回路を含め所定の面積を必要とする要素である。例えば、カードコネクタ310は図25に示すように、単独で左右方向に所定の長さを有する。また、バッテリ端子306やDC端子307は、バッテリ及び外部電源から電源を受給し、その後電源信号として電源パターンを介して電送されるが、この電源パターンは他のメイン基板要素の信号パターンに影響を及ぼす場合がある。この為、電源信号は、電源受給後、直ちに電源IC302に電送し、電源制御されるのが望ましい。このことにより、バッテリ端子306やDC端子307は、電源IC302とセットで、各々近傍に配置される必要があり、メイン基板30にこれらの要素を配置する際、所定の面積を確保する必要がある。情報通信端子307や映像端子308も同様に、各端子近傍にて各端子からの信号を制御するICを端子近傍に配置する必要がある為、所定の面積が必要となる。このような理由から、上述したような主基板部3の構成要素は、比較的広い面積を有する、領域Uへの配置が望ましい。
次に、領域J・K・L・Mへの各主基板部3の構成要素の配置に関して説明する。領域J・K・L・Mは切り欠きP・Qにより、比較的狭い面積からなる領域である。この為、各要素が単独で完結できる、回路規模の小さい構成要素の配置に適する。さらに、領域J・K・L・Mは撮像装置の左右外観と近接する部位を含む為、外部とのインターフェース要素の配置に適する。
図24及び図25において、領域J(延伸部)には、レリーズスイッチ311、マイクワイヤーコネクタ317、オーディオIC303、絞りFPCコネクタ315が配置されているのがわかる。また、領域Kには電源LED305、バリア検知スイッチ312、領域LにはアクセスLED314、領域Mには再生スイッチ313が配置されているのがわかる。
ここで挙げた、発光部(電源LED305/アクセスLED314)・操作スイッチ類(レリーズスイッチ311/バリア検知スイッチ312/再生スイッチ313)は大規模な周辺処理回路を必要とせず、単独で完結可能である、且つ、ユーザーインタフェースとして利用される要素である為、領域J・K・L・Mへの配置に最適である。マイクワイヤーコネクタ317及びオーディオIC303に関しては、セットで近傍配置される必要がある為、所定の面積を要する要素である。これらの要素を領域Jに配置する有効性に関しては、後述する。
以上説明してきた、主基板部3の各構成要素の配置は、図28(a)に示す模式図でも確認できる。本図において、前述した構成要素には同様の符号を付す。また、図28(a)において、60はバッテリを表している。バッテリ60の構成に関する詳細は後述するが、本撮像装置におけるバッテリ60は、切り欠きQ部の内側において、メイン基板30の主面に対し所定角度傾斜して配置される。
(レンズユニット部とメイン基板の位置関係)
図26及び図27に、レンズユニット部(レンズ部1及びセンサー部2)と、主基板部3の位置関係を表した図を示す。図26はレンズユニット部と主基板部3との位置関係を表した上面図、図27はレンズユニット部と主基板部3との位置関係を表した下面図である。尚、本図からわかるように、主基板部3を構成するメイン基板30は、メイン基板30の主面(実装面)が、センサー基板20の主面(センサー200実装面)と垂直となる方向へ配置される。
(レリーズスイッチの配置)
図26及び図27より、本撮像装置の主基板部3は、レンズユニット部の左右側面及び背面の3辺をコの字状に囲んでいるのがわかる。レンズユニット部は、メイン基板30の切り欠きPに収納される位置への配置となる。図27に示すように、レンズユニット部の右側面側に延伸された領域Jには、レリーズスイッチ311が撮像装置外観右側面側に臨んで配置される。レリーズスイッチ311は光軸に対して垂直(図中矢印方向)に操作されるスイッチである。レリーズスイッチ311の配置は、図40にて後述するレリーズノブ92と対向する位置あり、図40における撮影者の親指Oにて、レリーズノブ92が操作され、レリーズスイッチ311が動作する。
(領域J(延伸部)へのレリーズスイッチ配置による効果まとめ)
このように、レンズ部1の光軸側方にて、撮影時に使用されるスイッチを、光軸と垂直な方向に操作させるように配置することによって、撮影時のスイッチ操作によるレンズ部1光軸の回転方向移動を防止できる為、撮影操作時のブレを低減することが可能となる。
また、本撮像装置の把持形態において、親指で操作可能な範囲である領域Jへの、撮影時に使用されるスイッチであるレリーズスイッチ311の配置は、操作性上最適な配置となる。さらに、本把持形態においては、図13及び図14に示すように、レリーズスイッチ311を操作する面と対向する面を人差し指にて支える為、さらにレリーズスイッチ311の撮影操作時のブレを低減可能となる。また、操作スイッチ専用の他基板を用いることなく、メイン基板30を領域Jへと延伸し、レリーズスイッチ311を領域Jに実装することで、コストダウンを図ることが可能である。
(マイクワイヤーコネクタ及びオーディオICの配置)
次に、領域Jにおけるマイクワイヤーコネクタ317及びオーディオIC303の配置について説明する。図28(a)の模式図に示すように、メイン基板30の領域J先端(撮像装置正面側)にはマイクL43が配置されている。また、本図において、マイクワイヤー44は、マイクR42及びマイクL43部から延出される破線で表し、マイクR42及びマイクL43を区別する為、各々、マイクワイヤーR44R・マイクワイヤーL44Lとして区別している。
(アナログオーディオ信号の説明)
マイクR42及びマイクL43で集音された音声は、アナログオーディオ信号としてマイクR42及びマイクL43から出力される。その為、他の電気信号の影響を受けやすく、アナログオーディオ信号にノイズが乗ってしまうと、オーディオ信号品質が劣化してしまうことが知られている。この為、メイン基板30の内部にて信号線パターンとして引き回すことが非常に好ましくない。また、マイクからメイン基板30までの、マイクワイヤーによる接続距離も、可能な限り短くすることが望まれる。
これらの問題を回避すべく、本撮像装置では、マイクL43に向かってメイン基板30を延伸(領域J)し、領域Jにマイクワイヤーコネクタ317を配置している。マイクL43のアナログオーディオ信号は、メイン基板30の内部を引き回されることなく、マイクワイヤーL44Lによって、マイクワイヤーコネクタ317に、直近で接続される。
(マイクワイヤーコネクタの配置)
一方、図28(a)に示すように、マイクR42側にはバリアユニット41を駆動させるバリアユニット駆動部411が配置される。この為、マイクR42側ではメイン基板30を、マイクR42に向かって十分に延伸することが出来ず、領域Kの面積も広く設定することが出来ない。この為、バリア駆動ユニット411と、レンズ部1を跨いで反対側の領域となる領域Jに、マイクワイヤーコネクタ317及びオーディオICを配置するのが適切な配置となる。
(マイクワイヤーRの引き回し)
ここで、マイクR42から延出されるマイクワイヤーR44Rは、マイクワイヤーコネクタ317が実装される領域Jに向かって、レンズ部1を跨ぎ、マイクワイヤーL44L側へ引き回される。この際の様子は、後述する図32(b)にて示される。
図32(b)に示すように、マイクワイヤーR44Rは、レンズ部1の天面側を跨いで、マイクワイヤーL44Lと合流される。マイクワイヤーR44Rは、センサー部2等のノイズ源を避けた経路を通って、マイクワイヤーL44Lと合流する。両ワイヤーを合流させた後、マイクワイヤーコネクタ317に接続することにより、ワイヤー接続の作業工数を削減することが可能となる。
また、本図おいて、太破線で示す部位が、バリア駆動部411を表している。尚、合流後のマイクワイヤー44がマイクワイヤーコネクタ317に接続されている様子は、図31にて表されている。
(オーディオICの配置)
図26に示すように、オーディオIC303及びその周辺回路は、メイン基板30の表面側領域Jに配置される。マイクワイヤーコネクタ317とオーディオICは領域Jにおいて表裏の位置関係に配置されている。十分な面積を有しない領域Jにおいて、領域Jのー面側にマイクワイヤーコネクタ317を配置し、他面側にオーディオIC303を配置することで、両要素を近接配置することが可能となる。マイクR42及びマイクL43集音されたアナログオーディオ信号は、マイクワイヤーコネクタ317に伝達されたのち、直ちに、真裏に配置されたオーディオIC303に入力される。アナログオーディオ信号は、オーディオIC303及びその周辺回路にてA/D変換され、デジタルオーディオ信号に変換される。デジタルオーディオ信号は、他の信号の影響を受けにくく、ノイズに強い為、A/D変換後、メイン基板30内を信号パターンとして引き回され、メインIC301に入力される。
(領域Jへのオーディオ関連素子配置の効果まとめ)
このように、マイクL43に向かって延伸されたメイン基板30の領域Jに、マイクワイヤーコネクタ317を配置することで、マイクLと43とメイン基板30間の、マイクワイヤー44による接続距離を短縮可能である。この為、マイクから出力されるアナログオーディ信号の信号品質劣化防止や、マイクワイヤー44自体の短縮によるコストダウンが望める。
さらに、オーディオIC303を、マイクワイヤーコネクタ317と表裏配置することによって接続されたアナログオーディオ信号を表直ちにオーディオICによってA/D変換することが可能なので、オーディオ信号が他の信号の影響を受けることなく、オーディオ信号の品質劣化を防止することが可能となる。
(絞りFPCコネクタ315の配置)
図27に示すように、絞りFPCコネクタ315はメイン基板30裏面側の領域Jに配置され、絞りFPC106と接続される。領域Jはレンズ部1側面近傍の領域を含む為、この位置で絞りFPC106を接続させることで、絞りFPC106接続距離を最短に構成することが可能となる。このことにより、絞りFPC106はその長さを短く設定することができるので、絞りFPCのコストダウンに寄与する。
(メインホルダー・三脚ベースの取り付け)
図29及び図30は、図26及び図27の状態から、メインホルダー31と三脚ベース33とを取り付けた状態を示している。図29はこの状態を、天面側から見た上面図、図30はこの状態を底面側か見た下面図である。メインホルダー31は、メイン基板30の天面側に配置され、メイン基板30を、2本のメイン基板ビスA32によって保持する。この時、図29の破線で示す弾性力を有するダンパー部材36は、メイン基板30とメインホルダー31との間で所定量圧縮され、メイン基板30とメインホルダー31との隙間を確保する。また、ダンパー部材36は、メインホルダー31が、メイン基板30側へ移動する方向の衝撃を緩和することが可能である(この様子は、後述する図48に示す)。破線で示す36の内側に図示されている円は、メインホルダー31に形成された孔を表している。この孔により、組み立て工程中、ダンパー36の貼り付けの有無を確認することが可能である。
メインホルダー31は、センサー部2の背面側にて、一部の辺が天面側から底面方向へ折り曲げられ、底面側へと延出される。図30に示すように、三脚ベース33は、メイン基板33の底面側にて、前述のメインホルダー31折り曲げ部へと取り付けられ、三脚ベースビス34にて締結される。
(三脚ベースの配置)
ここで、本図からわかるように、三脚ベース33は、センサー部2の背面側における、底面側のスペースに配置される。
図4(a)を用いて説明したように、本撮像装置は、三脚に取り付けた際、三脚台座と光軸とが、平行になるように構成される。図4(b)を用いて説明した、撮像装置底面側のヒップアップを鑑みると、三脚ベース33は出来るだけ撮像装置正面側に配置されるのが望ましい。しかしながら、本撮像装置は薄型化の為、レンズ部1の高さ寸法Vを撮像装置高さの範囲内で構成したい為、レンズ部1の底面側に三脚ベース33を配置するのは望ましくない。この為、三脚ベース33は、図30に示すような、センサー部2の背面側に近接した、撮像装置底面部に配置するのが最適となる。
(フロントユニット取り付け)
図31は図30の状態から、フロントユニット4を取り付けた状態を示す底面図である。組み立て工程の順番としては、フロントユニット4に対して、先にレンズユニット部を組み込んでもよい。また、メイン基板3は、単独でメインホルダー31に締結し、一体化させておいてもよい。このような組み立て工程によると、レンズユニット部が組み込まれたフロントユニット4に対して、メイン基板30が一体化されたメインホルダー31を組み込むこととなる。三脚ベース33はこの状態において、メインホルダー31に対して組み込むことが出来る。
図31は、上記の組み立て工程を行う際の様子を示している。図31において、401は、フロントユニット4に含まれる2本のフロントユニット位置決めボス、を表す。メインホルダー31は、フロントユニット4に対して底面側から組み込まれ、この2本のフロントユニット位置決めボス401にて位置決めされる。この状態で、メインホルダー31は、メイン基板ビス35によって、フロントユニット4に対して締結固定される。
ここで、前述したように、マイクR42から延出されるマイクワイヤーR44Rと、マイクL43から延出されるマイクワイヤーL44Lとが合流した、マイクワイヤー44を、主基板部3のマイクワイヤー317に接続する。
図32(a)は、図31の状態を天面側から見た際の上面図である。図32(a)に示すように、フロントユニット4を組み込んだ状態において、金属性のフロントカバー40は、レンズユニット部の天面部を覆う格好となる。図32(b)は、図32(a)の状態から、フロントカバー40と、その他フロントユニット4の構成部品の一部を非表示にした状態である。
図32(b)に示すように、フロントユニット4の内部には、バリア駆動部411が配置される。バリア駆動部411において、バリア410は、バリア電源ノブ45を介して駆動する(バリア駆動構造に関しては、本提案と直接関係しない為、詳細な説明は省略する)。
また、スピーカー部402はフロントユニット内部にて、天面側に向かって保持される。
(センサーFPC及び放熱シートの接続形態)
次に、センサーFPC202と放熱シート43の接続形態に関して説明していく。前述した通り、センサーFPC202と放熱シート43は、センサー基板20の上面側に、隣接して並列した状態で延出される。これまで説明してきたように、センサー基板20の左右側面は、メイン基板30の領域J及び領域Kに挟まれ、センサー基板20背面側下方には三脚ベース33が配置される。この為、センサーFPC202と放熱シート43は、レンズユニット部の左右幅寸法Eの範囲内において、センサー基板20の上方へと延出するのが、最適な配置となる。
(センサーFPCの折り曲げ)
図33は、図32(a)の直線γ-γで断面を切り、その様子を図中の左側から見た断面図である。尚、直線γ-γは、センサーFPC202上にあり、図33は、センサーFPC202がメイン基板30に対してどのように接続されているかを表している。
前述したように、レンズユニット部の、レンズピント調整とセンサーあおり調整により、レンズ部1とセンサー部2の光軸方向(X方向)距離は相対的に変化する。この為、センサー基板20から、メイン基板30までの接続距離も、撮像装置の個体によってバラつきが生じることとなる。この為、センサー基板20⇔メイン基板30接続部間の距離のばらつきを、センサーFPC部202によって吸収する必要が生じる。
また、FPC部202がメイン基板30に接続された状態において、FPC部202によるリジット部A201(センサー200)への反力により、センサーあおり調整によって調整された適正な撮像面位置が、ズレないような接続形態を構成する必要がある。
図33において、黒塗りで表記された部分が、FPC部202である。本図に示すように、FPC部202は、センサー基板20の主面(センサー200実装面)に対して垂直に配置された、メイン基板30の主面(実装面)方向へ、折り曲げられて接続される。尚、本図において、FPC部202は、図示を分かりやすくするため太線にて表示しているが、実際は100μm程度の、薄いシート状部材で構成される。
本図において、208a/b/cはFPC部202を、メイン基板30に対して折り曲げて接続する際の、3カ所の折り曲げ部、をそれぞれ表す。本図に示すように、FPC部202は、センサー基板20の上方(図中右方向)へ延出された後、フロントカバー40の内側で突き当る位置208aにて、光軸方向(図中下方向)へと撓んで折り曲げられる。ここで、FPC部202は、メイン基板30との接続部に引っ張られる為、折り曲げ部208bにて、底面方向(図中左方向)へ撓んで折り曲げられる。
その後、FPC部202は、折り曲げ部202cにて、再び光軸方向(図中下方向)へ撓んで折り曲げられ、リジット部B203に実装されたセンサー凸コネクタ207と、メイン基板30に実装されたセンサー凹コネクタ304とが接続される。ここで、各センサーコネクタは、BtoB(Board to Board)コネクタであり、メイン基板30主面に対して、垂直方向に接続されるコネクタである。
このように、FPC部202は、リジット部A201から上方へ延出された後、3カ所の折り曲げ部によって撓んだ状態でメイン基板30に接続される。このように構成することで、レンズピント調整及びセンサーあおり調整により、センサー基板20とメイン基板30の接続距離が変化しても、FPC部202の各折り曲げ部208a/b/cの撓み量が変化するだけで、接続長さに影響されることなく、良好に接続可能となる。
また、3カ所の折り曲げ部208a/b/cを、前述した折り曲げ方向に折り曲げることによって、リジット部A201に対して、図中の両矢印方向に向かって直接反力がかからないように反力を分散し、FPC部202の接続による撮像面位置ズレを防止可能である。また本構成では、第一の撓み位置である折り曲げ部208aが、FPCの長さ上、一番急激に折り曲げられる箇所となる。
これに対し、図19(b)を用いて前述したように、FPC部202の折り曲げ部208aまでのFPC長さを稼ぎ、折り曲げ部における撓みシロを確保する構成を用いることで、リジット部A201への反力をさらに軽減することが可能となる。
(放熱シートの折り曲げ及び貼り付け)
次に、図34を用いて、放熱シート24の接続形態に関して説明する。図34は、図32(a)における直線β-βにおいて断面をきり、その様子を図中の左側からみた断面図である。尚、直線β-βは、放熱シート24上にあり、図34にはその断面図が表される。
図34において、黒塗りで表記された部分が、放熱シート24である。本図において、241は放熱シート24の折り曲げ部を表している。尚、本図において、放熱シート24は、図示を分かりやすくするため太線にて表示しているが、35μm程度の厚みで構成してもよい。
本図に示すように、放熱シート24は、一端側がセンサー基板20裏面の銅箔露出部204に貼り付けれ、天面側(図中右方向)へ延出された後、折り曲げ部241によって光軸方向(図中下方向)へ撓んで折り曲げられ、フロントカバー40の裏面に貼り付けられる。貼り付けは、図23を用いて説明したように、放熱シート24に裏面に配された薄手の両面テープによって行われる。
(センサーの放熱経路)
前述したように、センサー200の駆動により発熱した熱は、リジット部A201の内層を介して、銅箔露出部204へ熱伝導される。銅箔露出部204へ、一端側を貼り付けされた放熱シート24は、他端に貼り付けられたフロントカバー40へと熱を伝導させる。フロントカバー40へ伝導された熱は、フロントカバー40外表より、外気へと放熱される。ここで、外気への放熱性を考慮すると、フロントカバー40は熱伝導性に優れる、純アルミ系やアルミ合金材料で形成されるのが望ましい。
このように、本放熱構造では、センサー200の駆動による発熱を、センサー基板内層⇒ 銅箔露出部 ⇒ 放熱シート ⇒ フロントカバー、と熱伝導させることによって、速やかにセンサー200の熱を外気に放熱することが可能となる為、撮像素子の温度上昇を良好に抑えることが可能となる。
(無線通信部の説明)
次に、無線通信部5の配置及び構造について説明していく。
無線通信部は、アンテナ部より放射状に無線通信電波を送信することで、外部機器と無線通信を行うことが可能である。近年の撮像装置では、撮影を行いながら、その撮影情報を、無線通信部によって外部機器に送信し、外部機器にて撮影内容を記録する、といったような記録方式(以下ストリーミングレックと称する)が実現されている。
一般的に無線通信部は、無線通信電波を遮蔽してしまう金属部材や人体によって、無線通信部のアンテナ部が覆われると、無線通信電波の電波強度が著しく落ちてしまうことが知られている。この為、撮像装置において無線通信部を配置する際、無線通信部におけるアンテナ部が、金属部材及び撮影者の把持手で覆われない位置に配置されることが、非常に重要である。
本撮像装置においては、撮像装置の天面側が金属外装(フロントカバー40)と表示ユニット7によって覆われる。また図12に示すように、底面側の大部分は、撮影者の把持手によって覆われる。そこで、本撮像装置においては、図12における領域Wに、無線通信部を配置する構造を提案する。
(無線通信部の詳細構造)
以下に、本撮像装置における無線通信部の詳細構造について説明していく。尚、前図と同様の構成要素には、同様の符号を付し、図示を省略する。尚、本項では、図36(b)における無線モジュール50の、上側の端を前端部、下側の端を後端部と称する。また、本図における紙面表面側を表面、紙面裏面側を裏面と称する。
図35(a)は、図31の状態から、無線通信部5の構成要素を組み込んだ状態を表した底面図である。図35(b)は、図35における円I部の詳細図である。また、図35(c)は図35(a)の状態の斜視図を表す。
図35(b)において、51は無線モジュール50の前端側を保持する無線ホルダー、510は無線ホルダー51よりメイン基板30(紙面裏面方向)へ向かって突出する2本の無線ホルダー位置決めボス、511は無線ホルダー51より底面方向(紙面表面方向)へ突出する無線モジュール位置決めボス、512は無線ホルダー51より底面方向(紙面表面方向)へ突出する無線モジュール受け部、513は無線ホルダー51を締結する無線ホルダービス、をそれぞれ表す。
無線ホルダー51は、透明な樹脂部材で形成された部品である。無線ホルダー51は、2本の無線ホルダー位置決めボス510によって、メイン基板30に対して位置決めされる。その後、無線ホルダービス513によって、図示しないフロントユニット4の締結部に対して、メイン基板30と共に締結される。この時、マイクワイヤー44は、無線ホルダー51の空隙部(後述)に収納される。マイクワイヤー44の破線で表される部位は、無線ホルダー51に上部を覆われている範囲である。無線ホルダー51は、透明な樹脂部品で形成されている為、マイクワイヤー44の収納状態を、目視にて確認することが可能である。
本図において、52は無線モジュール50の後端側を保持する無線保持板金、521は無線保持板金52より紙面左側に突出する無線モジュール位置決めリブR、をそれぞれ表す。無線保持板金52は、金属製の板金部材で形成される。無線保持板金52は、三脚ベース33に対して図示しない締結部にて締結され、三脚ベース33と電気的に導通される。無線位置決めリブR521は、無線保持板金52の一側面から、図中左方向に突出して形成される。三脚ベース33には、無線位置決めリブL331が形成され、図中右方向に突出して形成される。
(無線モジュールの取り付け構造)
図36(a)は、図35(a)の状態から、無線モジュール50を取り付けた際の様子を表した底面図である。図36(b)は、図36(a)における円I部の詳細図である。また、図36(c)は、無線通信部5と、図39及び図40に述べるレリーズノブ92及びサイドカバーR90の分解図である。
図36(a)からわかるように、無線モジュール50はメイン基板30の領域J付近の底面側において、メイン基板30と重なって配置される。
図36(a)及び図36(b)において、50は略矩形を成す基板上にアンテナ部501及び無線モジュールコネクタ502及び図示しない無線制御IC等が実装され、外部機器と無線通信を行うモジュールである無線モジュール、53は一端側が、無線モジュール50に実装された無線モジュールコネクタ502と接続し、他端側が、メイン基板30に実装された無線FPCコネクタ316と接続することで、無線モジュール50とメイン基板30とを相互に情報通信可能とする無線FPC、をそれぞれ表す
無線モジュール50は、前端部表面側にアンテナ部501が配置され、後端部裏面側に図示しないグランド接続部が配置されている。図36(b)に示すように、無線モジュール50は、前端部側で、無線ホルダー51の無線モジュール位置決めボス511と嵌合する。また、後端部側では、無線位置決めリブR521と、無線位置決めリブL331とによって、無線モジュール50の後端側が挟まれ、回転止めされることで、無線モジュール50の位置が決められる。この状態において、無線モジュール50は、無線保持板金52に対して、無線ホルダービス513によって締結される。この時、無線モジュール50後端部裏面側の図示しないグランド接続部と、無線保持板金52との間で電気的導通が確保される。一方、無線モジュール50の前端部側にはアンテナ部501が配置されるが、無線ホルダー51は樹脂部品で構成される為、無線通信電波に影響を与える心配がない。
(無線通信部構造の課題)
ここで、本撮像装置における無線通信部の配置及び構造の課題に関して説明する。
(課題1)
まず、無線モジュール50のアンテナ部501から放射される無線通信電波は、アンテナ部501から球状に放射される。つまり、図36(b)において、無線通信電波は、紙面表側だけでなく紙面裏面側にも放射されることとなる。本撮像装置においては、撮像装置の底面側(図36(a)紙面表面側)に、無線通信電波を放射する配置であるが、無線通信電波の特性として、ある方向の電波強度が下がると、他方向の電波強度にも影響を与えてしまうという特性がある。この為、図36(a)における、紙面裏面側での電波強度にも注意が必要となる。しかしながら、前述したように、本無線モジュール50は、メイン基板30と重ねて配置される。この為、図36(a)における無線モジュールの紙面裏面側において、無線モジュール50とメイン基板30が近接すると、無線モジュール50の電波強度が、メイン基板30の影響を受け、低下してしまう恐れがある。
(課題2)
また、前述したように、マイクワイヤー44に流れるオーディオ信号は、アナログ信号である為、他の信号の影響を受けやすいという性質がある。この為、マイクワイヤー44と無線モジュール50のアンテナ部が近接してしまうと、無線モジュール50の無線通信電波がマイクワイヤーに飛び込み、ノイズとして出力されてしまう恐れがある。
(無線通信部構造の課題の解決方法)
図37及び図38を参照しながら、本撮像装置における上記課題を鑑みた無線通信部構造について詳細に説明していく。
(課題1に関して)
図37は、図36(a)の状態を図中右側から見た側面図(撮像装置右側面図)である。本図に示すように、無線モジュール50のアンテナ部501付近は、無線ホルダー51の無線モジュール受け部512によって、メイン基板30と図中寸法dの距離離間されていることがわかる。さらに、本図からわかるように、このd寸法の範囲内に、レリーズスイッチ311が配置されているのがわかる。
本図に示すように、無線モジュール受け部512は、無線モジュール50前端側より後端側に向かって、メイン基板30に近接する方向に傾斜させている。これによって、無線モジュール50は、前端側(アンテナ部501側)でメイン基板30と離間され、後端側(グランド接続部側)でメイン基板に近接する方向に傾斜されて配置される。このように構成することで、前端側ではアンテナ部501をメイン基板30から離間しつつ、後端側では撮像装置底面側スペース(図37中の領域N)を有効に活用することが可能となる。本撮像装置においてはこの領域Nに、図7におけるボトムカバー80のスタンド凹部801が配置され、本スペースを有効に活用している。
(無線通信部とレリーズスイッチ配置の関係)
また、無線モジュール50の前端部においては、寸法dの範囲内にレリーズスイッチ311を配置している。図36(b)面視においては、レリーズスイッチ311と無線モジュール50は、投影上重なって配置されることとなる。このような配置を行うことにより、無線通信部5とレリーズスイッチ311との配置構成において、図36(b)の左右方向(Z方向)を小型に構成することが可能となる。
(課題2に関して)
図38は、図36(b)における直線δ-δにて断面を切り、図中右側からみた際の断面図を表す。図38において、fは、メイン基板30に取り付けられた無線ホルダー51によってつくられる空隙部、gは無線ホルダー51と無線モジュール50との離間距離をそれぞれ表す。
本図に示すように、マイクワイヤー44は、無線ホルダー51によって作られるメイン基板30 ⇔ 無線ホルダー51間の空隙部に収納される。マイクワイヤー44は、この空隙部を通過した先にて、メイン基板30のマイクワイヤーコネクタ317に接続される。
このように、マイクワイヤー44は、無線ホルダー51の空隙部に収納されることによって位置を規制されるため、無線ホルダー51 ⇔ 無線モジュール50間の離間距離gが確実に確保され、マイクワイヤー44に、無線モジュール50が放射する無線通信電波が飛びつき、オーディオ信号が劣化するのを防止することが可能となる。
(無線モジュールと把持手の位置関係)
図39は、図37の状態からサイドカバーR90とレリーズノブ92及びボトムカバー80を取り付けた状態を表している。尚、図示を分かりやすくするため、サイドカバーR90は図中左側半分を切り取った状態で表示させる。また、ボトムカバー80は、スタンド凹部801が見える位置にて断面を切っている。図39に示すように、レリーズノブ92は、本撮像装置の側面に沿う方向に横長に形成される。このような形状を成すことで、撮影者が、本撮像装置の側面に親指を沿わせてレリーズノブ9を操作する際の、操作性を向上させることが可能となる。
図40は、図39の状態を撮像装置底面側からみた底面図である。図12を用いて前述したように、撮影者は親指Oにて、レリーズノブ92を図中矢印方向に操作する。すると、レリーズノブ92は図中矢印方向に移動し、レリーズスイッチ311を動作させる。レリーズスイッチ311の動作により、主基板部3の本体制御部が動作し、撮影画像の記録を行う。この時、本図に示すように、無線モジュール50のアンテナ部501は、撮像装置底面側にて、撮影者の把持手がかかることなく、撮像装置底面側に向かって露出していることがわかる。
このように、撮像装置の一側面に配置されるレリーズノブ92に対して、レリーズノブ92の近傍の、撮像装置底面側において、アンテナ部501が底面側を向くように無線モジュール50を配置することで、撮影者の把持手がアンテナ部501を覆うことなく、撮影を行うことが出来る。
以上、説明してきたような、無線通信部の配置・構成を実現することにより、前述のストリーミングレック等の、無線機能を使用しながらの撮影を、良好に行うことが可能となる。
(電源ユニットの配置・構成)
次に、本撮像装置における、電源ユニット6の配置及び構成について説明していく。電源ユニット6は、バッテリ及びバッテリ保持部によって構成される。
(バッテリ保持部の構成)
図41に、本撮像装置における電源ユニット6の分解斜視図を示す。図42は、図41におけるバッテリ及びバッテリ保持部の構成要素を組み込んだ状態を、撮像装置底面から見た底面図である。また、図43は、図41におけるバッテリ及びバッテリ保持部の構成要素を組み込んだ状態を、撮像装置天面側から見た上面図である。尚、図42において、図示を分かりやすくする為、バッテリボックス61の一部を切り取り(図中二点鎖線部)、バッテリロックレバー機構を表示させている。
図41〜図43において、60は本撮像装置に対して着脱可能に構成され、撮像装置に電源を供給するところのバッテリ、61はバッテリ60を内部に収容するバッテリボックス、611はバッテリボックス61より突出される4本のリブ形状であるボックス受けリブ、612はバッテリボックス61に設けられた丸ボスと長穴で形成される一対のボックス位置決め部、613はバッテリボックス61に設けられたバッテリ端子嵌合部、62はバッテリボックス61の開口された一面を覆うバッテリ保持板金、621はバッテリ保持板金62の一端より撮像装置背面方向へ延出されて成るバッテリ蓋ロック部、63はバッテリボックス61に挿入されるバッテリロックシャフト、64はバッテリロックシャフトに挿通されるバッテリロックバネ、65はバッテリー60をロックする部材であるところのバッテリロックレバー、66はバッテリ60を排出方向へ付勢するバッテリ排出バネ、をそれぞれ表す。
図41〜図43に示すように、バッテリ60は略扁平な矩形状に構成される。バッテリ60は、撮像装置背面側より、図41に示す矢印方向へ、バッテリボックス61へと挿入される。
図41に示すように、バッテリボックス61の、外観に臨む面と対向する側の一面は、所定量開口されて形成される。バッテリ保持板金62は、この開口面を覆うようにバッテリボックス61に対し、複数の引っ掛け部にて取り付けられる。この段階で、バッテリボックス61は、4面によって囲われる箱形状(バッテリ保持部)を成す。保持板金62は、電源ユニット6を撮像装置に組み付けた状態で、メイン基板30と対向する面側に配置され、バッテリボックス61の一面は撮像装置外観に臨む面側に配置される。
尚、本撮像装置においては、バッテリボックス61は樹脂部品、バッテリ保持板金62は金属の板金部材、を想定している。この為、バッテリボックス61の肉厚に対し、バッテリ保持板金52は十分に薄いものとして想定する。
バッテリボックス61に挿入されたバッテリ60は、バッテリ排出バネ66によって、図41中矢印方向は逆方向(バッテリ排出方向)へ付勢される。この状態で、図42に示すように、バッテリロックレバー65が、バッテリ60の一隅を支え、バッテリ60をバッテリ61内に保持する。
バッテリロックレバー65及び、バッテリロックバネ64は、バッテリロックシャフト63によって軸支される。この状態で、バッテリシャフト63は、バッテリボックス60に設けられた丸穴に挿通され、バッテリボックス61に組み込まれる。この時、バッテリロックレバー65は、バッテリロックバネ64によって、図42中の回転矢印方向に付勢される。バッテリ60は、回転方向に付勢されたバッテリロックレバー65によってロックされ、バッテリボックス61に対して、保持されることとなる。
バッテリ60を排出する場合は、バッテリロックレバー65を、図42に示される回転矢印方向と逆の方向に操作する。すると、バッテリロックレバー65によるバッテリ60のロックが解除され、バッテリ排出バネ66によって、排出方向に付勢されたバッテリ60が排出される。
(電源ユニット取り付け構造の説明)
図44に、主基板部3及び三脚ベース33を表示し、電源ユニット6を本撮像装置に組み込む際の構成を示す。また、図45に、電源ユニット6を本撮像装置に組み込んだ際の様子を、撮像装置の底面側から見た底面図にて表す。尚、前図と同様の構成要素には同様の符号を付し、図示を省略する。
図44において、318はメイン基板30の裏面側に形成された4箇所のボックス受け部を表す。このボックス受け部318は、メイン基板30裏面上において、実装部品や信号パターンヲ配置禁止といている範囲である。電源ユニット6を組み込んだ状態において、バッテリボックス61の4つのボックス受けリブ611は、各々、前述のメイン基板30のボックス受け部318と当接する。
図44中の、略L字型をした上部側2カ所のボックス受け部318は、メイン基板30の中心付近において、図24における左右2カ所のダンパー部材36の真裏近傍に配置される。この箇所において、ボックス受けリブ611と、メイン基板受けリブ318が当接することにより、電源ユニット6とメイン基板30が所定の隙間を保つことが可能となる。しかしながらこの部位において、例えば撮像装置の落下などによって、バッテリボックス61に衝撃力がかかり、前述の2カ所のボックス受け部318に大きなストレスが加わると、メイン基板30が2カ所のボックス受け部318において大きく撓み、メイン基板30が破損してしまう恐れがある(この課題に対する解決策は、図48を用いて後述する)。
図44において、332は三脚ベースより突出するボックス位置決めボス、319はメイン基板30に設けられた貫通穴であるボックス位置決め穴、をそれぞれ表す。バッテリボックス61は、バッテリボックス61に設けられたボックス位置決め部612と、三脚ベースに設けられたボックス位置決めボス322及びメイン基板30に設けられたボックス位置決め穴319が各々嵌合し、撮像装置本体に対して位置が決まる。ここで、バッテリボックス61は、三脚ベース33及びメイン基板33によって位置が決まるが、バッテリ端子306は、後述するフローティング構造を有する為、バッテリボックス61(バッテリ端子嵌合部613)に対するバッテリ端子306の位置ズレを吸収することが可能となる。
また、図45に示すように、電源ユニット6は所定量、メイン基板30と投影上オーバーラップしているのがわかる。
(バッテリ傾斜配置の説明)
ここで、本撮像装置においては、図4(a)及び図4(b)を用いて説明したように、撮像装置本体の底面を、背面側にいくにつれレンズ光軸に近づく方向に傾斜(ヒップアップ)させている。前述したように、このような構成を実現することで、地面置き撮りの際に撮影画像に地面が写る領域を減らすことが可能となる他、外観上、撮像装置を小型に見せる効果もある。
撮像装置の底面側に、前述したような傾斜面を設けること自体は、容易に実現可能である。図46(b)に、本撮像装置を構成する代表的な構成要素を、模式的に並べて示す。本図は、撮像装置を撮像装置右側面側から見た図である。尚、前図と同様の構成要素には同様の符号を付し、図示を省略する。
本図における撮像装置は、電源ユニット6が、従来例で述べたような、主基板部3に対して平行配置されるような撮像装置である。この状態から、撮像装置底面部をヒップアップさせる場合の一例を、下記に述べる。
本図中に示す二点鎖線のラインは、一例として底面側がヒップアップされた撮像装置の外観ラインを表す。この場合の撮像装置においては、底面部側の外観部材を肉盛りすることにより、電源ユニット6底面部後端から傾斜する傾斜面を形成している。本図のように構成することで、撮像装置底面に対して傾斜面を設けることは、容易に実現可能である。しかしながら、本提案による撮像装置においては、レンズ部1の高さ寸法Vを基準に、撮像装置を薄型に形成するという目標がある。
図46(b)に示す撮像装置の外観ラインによると、撮像装置底面側に駄肉を設けた分、撮像装置の高さ寸法が、図中寸法j分、大型化してしまう。このような状態を避ける為には、表示部7、主基板部3、電源ユニット6を、寸法Vの範囲内において収めた状態で、撮像装置底面を傾斜させる必要がある。
これに対し、図46(a)に記載している撮像装置の構成要素配置によれば、電源ユニット6を主基板部3側に傾斜させている。本図において、二点鎖線は撮像装置の外観ラインを表している。本図から分かるように、本撮像装置においては、電源ユニット6を傾斜させることにより、撮像装置底面のヒップアップを実現している。このような配置を行うことで、撮像装置高さ寸法をレンズ部1の高さ寸法と略同等に構成しつつ、撮像装置底面のヒップアップが可能となる。
ここで、図46(a)における撮像装置では、電源ユニット6の背面側端部が、側面視において主基板部3と重なっていることがわかる。以下に、電源ユニット6と主基板部3の配置構造を詳細に説明していく。
(バッテリとメイン基板との配置構造)
図47(a)は、図45における一点鎖線ε-εにて断面を切り、その様子を図中右側から見た断面図を表す。図47(a)は、バッテリボックス61にバッテリ60が収納された状態を表す断面図である。尚、図45における一点鎖線ε-εは、バッテリ端子306の略中心を通る線であるため、本断面図中にバッテリ端子306が表示される。図47(b)は、図47(a)における円R部の詳細図、図47(c)は図47(a)における円S部の詳細図、をそれぞれ表す。
図47(a)に示すように、バッテリ端子306はメイン基板30に対して垂直に実装される。これに対し、電源ユニット6は、メイン基板30の実装面と所定角度傾斜させて配置される(本撮像装置では5°の傾斜を有する)。この為、バッテリ60は、バッテリ端子306に対して、所定角度傾斜した状態で、バッテリボックス61に収納される。このバッテリ60の傾斜は、撮像装置背面側にいくにつれメイン基板30と近接する方向へと傾斜される。本図において、黒塗りの三角形で示される範囲である領域hは、メイン基板30に対して傾斜してなるバッテリ保持板金62と、メイン基板30の実装面とで形成される領域を表す三角形である。
(バッテリ端子部の説明)
前述したように、バッテリ端子306は、メイン基板30の裏面側にて面実装される。バッテリ60は、メイン基板30と所定量オーバーラップして配置される為、バッテリ端子306は、メイン基板30の外形から突出することなく、メイン基板30の外形内側にて配置される。また、バッテリ端子306は、図47(b)に示される、3カ所の端子接点部3061を有する。本図に示すように、端子接点部3061は、先端にR形状を有する。
一方、バッテリ60側には、図47(b)にて示される、バッテリ端子部601を有する。バッテリ60は、バッテリ60装着状態において、このバッテリ端子部601と端子接点部3061が当接することにより、主基板部3に電源を供給する。この時、端子接点部3061の先端が、R形状に形成されていることにより、バッテリ端子部601に対して斜めに挿入されてくるバッテリ60に対しても、良好に当接可能となる。
また、バッテリ端子306は、メイン基板30に実装された状態で、所定量、実装面方向へ移動することが可能に構成されている(フローティング構造)。バッテリボックス61が組み込まれると、バッテリボックス61のバッテリ端子嵌合部613において、バッテリ端子306と嵌合し、バッテリボックス61に対するバッテリ端子306の位置が決まる。
(メイン基板と電源ユニットの配置構造)
電源ユニット6は、メイン基板30に近接する方向に傾斜される為、あるポイントで電源ユニット6と、メイン基板30が干渉する。メイン基板30は、この干渉を避ける為、所定の位置において切り欠く必要が出てくる。
このメイン基板30を切り欠いた領域が、図24に表される、メイン基板30の切り欠きQである。この切り欠きQにより、メイン基板30の図24における下方中心部が切り取られ、メイン基板30は実装面積が圧迫されることとなる。そこで、図24及び図25及び図28(a)を用いて説明したように、切り欠きQの左右の領域である、領域L及び領域Mの活用が重要となる。前述したように、領域L及び領域Mは、回路規模が小さく且つ外部インターフェース要素の配置に適する。この為、領域LにはアクセスLED314、領域Mには再生スイッチ313を配置している。このように、切り欠きQの左右のスペースに、前述したような構成要素を配置することは、メイン基板30のスペース活用として有効な手段となる。
図47(c)は、前述のメイン基板30の切り欠き位置端面部の様子を詳細に示している。前述したように、電源ユニット6においてバッテリ保持板金62は、メイン基板30と対向する面側に配置されている。バッテリ60とメイン基板30を近接させることで、電源ユニット6と主基板部3の配置構成の薄型化が可能となる。そこで、本電源ユニット6では、バッテリボックス60に対して十分に薄く形成されるバッテリ保持板金52を、メイン基板30側に配置し、バッテリ60とメイン基板30とを近接させる。また、樹脂部材で形成されるバッテリボックス61は、所定の肉厚を有し、高強度に撮像装置底面側の外観を成す。言うまでもないが、本撮像装置において、バッテリ60が挿入されていない状態では、バッテリボックス61内部は空洞であり、外部からの衝撃に対して非常に不利である。この為、バッテリボックス61の外観側は、特に高強度に構成される必要がある。
図47(c)に示すように、メイン基板30の切り欠きQ端面部(図中の丸破線内側)では、近接するバッテリ保持板金52がメイン基板30方向へ折り曲げられているのがわかる。この折り曲げ部より図中下方(撮像装置背面側)では、バッテリ保持部の箱形状の一面を形成する壁が、バッテリボックス61に切り替わっているのがわかる。つまり、メイン基板30の切り欠きQ部より先においては、バッテリボックス61が4方を囲う箱形状の一面を成す。
このように、メイン基板30の切り欠きQ部までのバッテリ保持部箱形状の一面を、バッテリ保持板金62が成すことで、電源ユニット6とメイン基板30を近接して配置可能であり、撮像装置の小型に貢献する。また、切り欠きQ部より先では、バッテリ保持部箱形状の一面が、バッテリボックス61に切り替わることで、バッテリボックス61の強度が増し、外観から加えられる衝撃に対して、高強度を有するバッテリボックス61を構成出来る。
図48は、図45における一点鎖線ζ-ζで切った断面を、図中右側からみた様子を表す断面図である。本図における、二点鎖線で囲われる四角形は、前述した三角形領域hに実装されるメイン実装部品群320の範囲を示している。三角形領域hは、バッテリ保持板金62とメイン基板30とで囲まれた範囲であり、バッテリ保持板金62とのショート懸念及び高さ方向スペース(図中左右スペース)の制約の為、メイン基板30に対して、実装部品を配置するのが困難な領域である。そこで本撮像装置では、メイン基板30上の三角形領域hにおいて、本図下方から上方へいくに連れ、階段状に背の高い実装部品を、配置するように構成している。このように階段状にメイン実装部品群320の配置を行うことで、三角形領域hにおいても実装部品を良好に配置出来、メイン基板30のスペースを有効に活用することが可能となる。
(バッテリボックス受け部ダンパー構造)
また、本図には、バッテリボックス61のボックス受けリブ611とメイン基板30のボックス受け部318、及び、ダンパー部材36とメインホルダー31との位置関係を示している。
前述したように、撮像装置の落下などによって、バッテリボックス61に対して、図中矢印方向に衝撃力がかかり、ボックス受け部318に大きなストレスが加わると、メイン基板30が破損してしまう恐れがある。これに対し、ボックス受け部318のメイン基板30表面側(図中右側)には、ダンパー部材36が配置されている。また、ダンパー部材36は、メイン基板30とメインホルダー31の間に配置されている。この為、ボックス受け部318に図中矢印方向のストレスがかかった際、メイン基板30の図中矢印方向への撓みを防止し、衝撃力を減衰することが可能であり、落下などによる衝撃力からメイン基板30を保護することが可能となる。
また、メイン基板30の撓みを防止することで、電源ユニット6(バッテリ保持板金62)がメイン基板30にオーバーラップするような配置であっても、メイン基板30における実装部品と、バッテリ保持板金62をショートさせることなく、良好に実装部品を配置可能となる。尚、このような配置関係は、図24における左右のダンパー部材36において同様である。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る撮像装置のあおり調整機構においては、、BGAタイプやLGAタイプ等の、撮像素子基板に自動実装される撮像素子を用いた撮像装置において、撮像素子の上下方向を大きくすることなく、薄型に、撮像素子のあおり調整機構を実現することができる。
また、撮像素子基板外形を片側に延出し、延出側に貫通孔及び延出側上部に電気信号電送部を配置し、撮像素子の画像信号パターンを延出側へ引き回し、延出側に実装した撮像素子実装部品と接続させることで、撮像素子基板に貫通孔を設けた場合でも、良好なパターン引き回しと、実装部品の配置が小型に実現可能となる。
また、3本の撮像素子調整ビスを、撮像素子に近接して配置することにより、撮像素子調整ビス間を結ぶ三角形を小さく構成することが可能となる為、撮像素子あおり調整機構として、良好な調整及び撮像装置の長手方向の小型化が可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
1‥‥レンズ部
10‥‥光学レンズ群
11‥‥フロントスリーブ
12‥‥リアスリーブ
13‥‥絞りユニット
14‥‥LPF
15‥‥センサーラバー(弾性部材)
2‥‥センサー部
20‥‥センサー基板(撮像素子基板)
22a‥‥センサービスa(第一の調整ビス)
22b‥‥センサービスb(第二の調整ビス)
22c‥‥センサービスc(第三の調整ビス)
200‥‥センサー(撮像素子)
202‥‥FPC部(電気信号電送部)
204‥‥銅箔露出部
205‥‥貫通孔
206‥‥センサー実装部品群(撮像素子実装部品群)
21センサープレート(撮像素子プレート)
24‥‥放熱シート
3‥‥主基板部
30‥‥メイン基板(主基板)
306‥‥バッテリ端子
311‥‥レリーズスイッチ(操作スイッチ)
33‥‥三脚ベース
4‥‥フロントユニット
40‥‥フロントカバー
42‥‥マイクR
43‥‥マイクL
44‥‥マイクワイヤー
5‥‥無線通信部
50‥‥無線モジュール
51‥‥無線ホルダー
52‥‥無線保持板金
6‥‥電源ユニット
60‥‥バッテリ
61‥‥バッテリボックス
62‥‥バッテリ保持板金
7‥‥表示ユニット
70‥‥表示部
71‥‥タッチパネル部
8‥‥ボトムユニット
80‥‥ボトムカバー
83‥‥スタンドユニット
9‥‥サイドユニット
92‥‥レリーズノブ(操作部材)

Claims (3)

  1. 被写体の光学情報を入射するレンズ部と、前記レンズ部より射出された光学情報を受光し電気情報として画像情報へ変換する撮像素子と、前記撮像素子を実装する撮像素子基板と、前記撮像素子を保持する撮像素子プレートと、前記レンズ部と前記撮像素子プレートとの間に配置され前記レンズ部に対して前記撮像素子プレートを光軸方向へ付勢する弾性部材と、前記撮像素子プレートを前記レンズ部に締結する3本の調整ビスと、を備える撮像素子調整機構であって、
    前記撮像素子基板の前記撮像素子実装面における前記撮像素子の一方の左右辺近傍には貫通孔が設けられ、前記3本の調整ビスの内第一の調整ビスは前記貫通孔を挿通して配置され、前記3本の調整ビスの内第二及び第三の調整ビスは、前記撮像素子の他方の左右辺近傍の前記撮像素子基板の外径より外側にて上下方向に離間して配置される、
    ことを特徴とした撮像素子調整機構。
  2. 前記撮像素子基板外形は前記撮像素子の一方の左右辺側に延出され、前記貫通孔は前記撮像素子基板外形延出側に配置されると共に、前記撮像素子によって得られる画像情報を伝達する画像情報信号パターンは前記撮像素子基板外形延出側へ引き出され、前記画像情報信号パターンと接続される撮像素子実装部品群は前記撮像素子基板外形延出側に集中的に配置され、前記撮像素子基板より延出される電気信号電送部は前記撮像素子基板外形延出側の上部より延出される、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像素子調整機構。
  3. 前記撮像素子基板の前記撮像素子基板外形延出方向と対向する辺側における少なくとも前記第二及び第三の調整ビス近傍において、前記撮像素子基板外形は前記撮像素子と近接する位置まで切り欠かれている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像素子調整機構。
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