JP2015004576A - 放射性物質収納用バスケットおよび放射性物質収納容器 - Google Patents

放射性物質収納用バスケットおよび放射性物質収納容器 Download PDF

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Abstract

【課題】強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得ること。【解決手段】複数の板材43を上下方向に積み重ねて立設させるとともに、複数の板材43を積み重ね方向と直交する横方向で交差して組み合わせ、横方向に平行かつ所定間隔で上下方向に延在する複数の放射性物質収納部42を区画形成するバスケット本体41を有し、バスケット本体41は、少なくとも一部の板材43が、強度部材となる剛板材43Aと、中性子吸収体となる中性子吸収板材43Bとを横方向に重ね合わせて構成され、中性子吸収板材43Bが上下方向で中性子吸収性能を異ならせて形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、放射性廃棄物を収納し、搬送、貯蔵する放射性物質収納用バスケットおよび放射性物質収納容器に関する。
原子力発電プラントの原子炉などで発生した放射性廃棄物は、放射性物質収納容器に収納され、貯蔵施設や再処理施設などに搬送され、貯蔵または再処理される。このような放射性物質収納容器は、上部が開口した底付きの円筒形状をなす胴部と、複数の放射性廃棄物を個々に収納可能な複数のセルを有するバスケットと、胴部の上部に固定される蓋部とから構成されている。
従来、例えば、特許文献1に記載された使用済燃料貯蔵キャスク用バスケットは、ボロン添加ステンレス鋼板およびアルミニウム合金板の重合枠板を縦横に交差させてバスケット格子を構成している。
また、従来、例えば、特許文献2に記載されたバスケット構造および使用済燃料キャスクは、ボロン添加アルミニウム合金からなる枠板と、枠板を支持するとともにステンレス鋼からなる枠板間構造体とを重ね合わせて燃料収納格子を構成している。
また、従来、例えば、特許文献3に記載された使用済燃料輸送兼貯蔵容器の燃料収納バスケットは、中性子吸収性能および高温下での剛性を有するボロン入りステンレス鋼からなる帯状の板材を格子状に組み付けた第1の単位バスケットと、中性子吸収性能および良伝熱性を有するボロン入りアルミニウム合金からなる帯状の板材を格子状に組み付けた格子状の第2の単位バスケットとを積み重ねて一体化している。
また、従来、例えば、特許文献4に記載された核燃料集合体の貯蔵用および/または運搬用の貯蔵装置および容器は、複数の隣接したハウジングを有し、ハウジングの各々は、側壁を有するとともに核燃料集合体を受け入れることができ、側壁は、積み重ねられるとともに交差したスロット付き構造アセンブリを使用したもので、各構造アセンブリは、鋼とチタンとその合金から選択される材料からなる環状断面要素の内部に、アルミニウムを含む材料からなる板を位置している。
また、従来、例えば、特許文献5に記載された放射性物質の収納容器のバスケットは、中性子吸収材を含むステンレス鋼板により複数の収納用区画をもつ格子状に形成され、ステンレス鋼板の一部または全部の外側に、ステンレス鋼板よりも熱伝達性の高い材料からなる熱伝導板が配設されている。
また、従来、例えば、特許文献6に記載された使用済燃料収納用バスケットは、キャスクに内設され使用済燃料を収納する格子状に形成されたバスケットであり、第1の領域と、第1の領域よりも単位体積あたりのボロン含有量が小さくバスケットの横断面上で第1の領域よりも外側に位置する第2の領域とから構成されている。
また、従来、例えば、特許文献7に記載された使用済燃料の収納設備は、使用済燃料を垂直に収納した状態で、使用済燃料の上・下端部低燃焼度領域が位置する部分にのみ中性子吸収材を装着している。
特開2007−212385号公報 特開2008−292251号公報 特開2002−098791号公報 特開2008−134247号公報 特開平02−186300号公報 特開2009−236748号公報 特開平05−107390号公報
放射性物質収納用バスケットおよび放射性物質収納容器においては、上述した特許文献1〜特許文献5に示すように、バスケットの強度向上や、中性子吸収性能の向上や、熱伝達性の向上を図ることが望まれている。
その一方で、上述した特許文献6においては、バスケットの横断面上で中心付近の格子は、使用済燃料と両面が対向しており、また付近の使用済燃料の数も多いため、使用済燃料からの中性子照射や、付近の使用済燃料から生じて付近の格子を透過してくる中性子の照射により、中性子束が大きいとしている。このため、特許文献6に記載された使用済燃料収納用バスケットでは、バスケットの横断面上で、中心付近の第1の領域よりも外側に位置する第2の領域において、第1の領域よりも単位体積あたりのボロン含有量を小さくしている。
ここで、放射性物質収納容器に収納される放射性物質として適用される燃料集合体は、複数の燃料棒が束ねられ、かつ上端部および下端部に支持部材が固定されている。このような放射性物質を収納するにあたり、放射性物質の上下方向において、燃料集合体の上端部および下端部は、支持部材があるため中性子束が比較的小さく、上端部と下端部との間は燃料棒により中性子束が比較的大きい。
したがって、放射性物質の構造上、中性子束が大きく異なるのは、横断面方向よりも上下方向であり、この上下方向で必要な中性子吸収性能を付与することが望まれている。
なお、上述した特許文献7においては、燃料集合体の上端部および下端部の低燃焼度領域が位置する部分にのみ中性子吸収材を装着している。しかし、特許文献7に示す使用済燃料の収納設備では、中性子束が比較的小さい位置に中性子吸収材を配置しているため、中性子束が比較的大きい燃料集合体の上端部と下端部との間は、中性子吸収性能を担保することができない。
本発明は上述した課題を解決するものであり、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得ることのできる放射性物質収納用バスケットおよび放射性物質収納容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質収納用バスケットは、複数の板材を上下方向で積み重ねて立設させるとともに、複数の前記板材を積み重ね方向と直交する横方向で交差して組み合わせ、横方向に平行かつ所定間隔で上下方向に延在する複数の放射性物質収納部を区画形成するバスケット本体を有し、前記バスケット本体は、少なくとも一部の板材が、強度部材となる剛板材と、中性子吸収体となる中性子吸収板材とを横方向に重ね合わせて構成され、前記中性子吸収板材が上下方向で中性子吸収性能を異ならせて形成されることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、板材が、強度部材となる剛板材と、中性子吸収体となる中性子吸収板材とを横方向に重ね合わせて構成されることで、強度および中性子吸収性能を得ることができる。しかも、上下方向で中性子吸収板材の中性子吸収性能を異ならせることにより、放射性物質における上下方向の中性子束の特性に合わせて合理的な中性子吸収性能を得ることができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記中性子吸収板材が、上下方向で中性子吸収材の含有率を異ならせて形成されることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、中性子吸収板材の横方向の板厚を上下方向で等しくし、この中性子吸収板材と重なり合う剛板材の横方向の板厚を上下方向で等しくすることができるため、上下方向で均一な強度を得ることができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記中性子吸収板材が、上下方向で横方向の板厚を異ならせて形成されることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、中性子束が小さく強度を向上したい部分において、中性子吸収板材の横方向の板厚を薄くし、剛板材の横方向の板厚を厚くして、強度をより向上することができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記剛板材が、上下方向で連続して当接されることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、上下方向に連続する剛板材によって、上下方向の強度をより向上することができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記剛板材と前記中性子吸収板材とが、上下方向において横方向に交互に反転して配置されることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、剛板材と中性子吸収板材とを上下方向において横方向で交互に反転させることで、剛板材が上下方向で積み重ねられる板材の両面に存在するため、各放射性物質収納部に収納された放射性物質の外周に面して剛板材が存在するため、衝撃などにより放射性物質の位置がズレた場合などであっても、剛板材により放射性物質の荷重を受けることができ、放射性物質の破損を防ぐことができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、上下方向の各前記剛板材が、互いに嵌合して設けられることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、相互の嵌合により、上下方向の各剛板材が強固に連結されるため、上下方向および横方向の強度をより向上することができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記剛板材と前記中性子吸収板材との重ね合わせた面の少なくとも一方に凹部が形成され、当該凹部により前記板材が延在する横方向に貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、貫通孔が放射性物質からの高速中性子を減速させるためのフラックストラップとして機能するため、中性子を減衰させる作用をより高めることができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記剛板材と前記中性子吸収板材とが、相互の嵌合により重ね合わされることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、剛板材と中性子吸収板材とが相互の嵌合により重ね合わされることにより、剛板材と中性子吸収板材とをズレなく重ね合わせることができ、組み立て性を向上することができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、前記剛板材は、炭素鋼からなることを特徴とする。
炭素鋼は、ステンレス鋼よりも優れた熱伝達性を有するとともに、加工性に優れており、アルミニウム合金と比較して強度、靱性、伸びなどに優れている。従って、この放射性物質収納用バスケットによれば、剛板材を炭素鋼で形成することで、熱伝達性および強度を向上するとともに、加工時の製造コストを低減することができる。熱伝達性の向上を図ることで、放射性物質収納部をより低温にできるため、放射性物質収納部に収納される放射性物質の健全性をより長期に亘り維持することができる。
また、本発明の放射性物質収納用バスケットでは、炭素鋼からなる前記剛板材は、表面保護膜が設けられることを特徴とする。
この放射性物質収納用バスケットによれば、炭素鋼からなる剛板材に表面保護膜を設けることで、剛板材における錆の発生を防止することができる。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質収納容器は、一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成されて筒形状をなす胴部と、前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、前記胴部内に収容される上述したいずれか一つの放射性物質収納用バスケットと、を有することを特徴とする。
この放射性物質収納容器によれば、放射性物質収納用バスケットのバスケット本体を構成する板材が、強度部材となる剛板材と、中性子吸収体となる中性子吸収板材とを横方向に重ね合わせて構成されることで、強度および中性子吸収性能を得ることができる。しかも、上下方向で中性子吸収板材の中性子吸収性能を異ならせることにより、放射性物質における上下方向の中性子束の特性に合わせて合理的な中性子吸収性能を得ることができる。従って、放射性物質における上下方向の中性子束の特性に合わせて合理的な中性子吸収性能を有する放射性物質収納容器を得ることができる。
本発明によれば、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向で合理的な中性子吸収性能を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの側断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの平断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの組み立て斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図7は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図8は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図9は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図10は、本発明の実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。 図11は、本発明の実施例に係る評価結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの側断面図であり、図2は、本実施形態に係る放射性物質収納容器としてのキャスクの平断面図である。
放射性物質収納容器としてのキャスク11は、胴部12と蓋部13と放射性物質収納用バスケット14とから構成されている。胴部12は、胴本体21の一方、つまり、上部に開口部22が形成され、他方、つまり、下部に底部(閉塞部)23が形成された円筒形状をなしており、内部に放射性物質(例えば、使用済燃料集合体)を収納可能となっている。すなわち、胴本体21は、内部にキャビティ24が設けられ、このキャビティ24は、その内面が放射性物質収納用バスケット14の外周形状に合わせた形状となっている。放射性物質収納用バスケット14は、複数の放射性物質(図示略)を個々に収納するセルを複数有している。放射性物質収納用バスケット14の構成の詳細については後述する。そして、胴本体21は、下部に底部23が溶接により結合されており、この胴本体21および底部23は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっている。胴本体21および底部23は、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、胴本体21および底部23は、球状黒鉛鋳鉄や炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
胴部12は、胴本体21の外周側に所定の隙間を空けて外筒25が配設されており、胴本体21の外周面と外筒25の内周面との間に、熱伝達を行う銅製の伝熱フィン25aが周方向に等間隔で複数溶接されている。そして、胴部12は、胴本体21と外筒25との空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽体)26が流動状態で図示しないパイプ等を介して注入され、固化されている。
また、胴部12は、底部23の下側に複数の連結板27により所定の隙間を空けて底板28が連結されていてもよく、この連結板27と底板28との空間部にレジン(中性子遮蔽体)29が設けられている。更に、胴部12は、外周部における所定の位置にトラニオン30が固定されている。
胴部12における胴本体21の開口部22を閉塞する蓋部13は、一次蓋部31と二次蓋部32によって構成されている。一次蓋部31は、γ線を遮蔽するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。また、二次蓋部32も、ステンレス鋼製または炭素鋼製の円盤形状であるが、その内部にレジン(中性子遮蔽体)33が封入されている。この一次蓋部31および二次蓋部32は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボルト(図示略)により胴本体21の上端部に着脱自在に取付けられている。この場合、一次蓋部31および二次蓋部32と胴本体21との間に、それぞれ図示しない金属ガスケットが介装され、内部の密封性を確保している。なお、レジン33は、一次蓋部31の内部に設けられていてもよく、一次蓋部31にのみ設けられていてもよい。また、蓋部13の周囲には、レジンを封入した補助遮蔽体34が設けられる場合もある。
放射性物質収納用バスケット14について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの組み立て斜視図であり、図4〜図10は、本実施形態に係る放射性物質収納用バスケットの拡大縦断面図である。
本実施形態の放射性物質収納用バスケット14は、図1に示すようにバスケット本体41を有する。バスケット本体41は、互いに平行かつ所定間隔で配置されるセルとしての放射性物質収納部42が上下方向Aで連続して形成されている。上下方向Aとは、キャスク11において胴部12の円筒形状の中心軸に沿う方向であり、胴本体21の上下方向Aに相当する。
また、放射性物質収納用バスケット14は、図2に示すように、バスケット本体41の周囲にサポート部材45が設けられている。サポート部材45は、バスケット本体41の外形をなすもので、胴本体21の内面と接触し、バスケット本体41から胴本体21に熱を伝えるものである。このサポート部材45は、炭素鋼やアルミニウム合金のような熱伝達性の高い材料からなる。また、サポート部材45は、製作を容易とするため上下方向Aや、上下方向Aに直行する横方向に適宜分割されていてもよい。また、サポート部材45は、バスケット本体41に対し、ボルト止めや溶接などにより結合され、バスケット本体41との熱の伝達を良好としている。ボルト止めであれば、修理時などにおいてバスケット本体41とサポート部材45の分解組み立てが容易である。
バスケット本体41は、図3に示すように、複数の板材43を、上下方向Aで積み重ねて立設させるとともに、複数の板材43を積み重ね方向と直交する横方向で交差して組み合わせて形成されている。これにより、バスケット本体41は、横方向に平行かつ所定間隔で上下方向Aに延在する複数の放射性物質収納部42を区画形成する。各板材43は、上端部および下端部に切欠43aが設けられており、横方向で交差する相互の切欠43aを噛み合わせるようにして組み合わされている。このため、上下に積み重ねられる各板材43の間に横方向で交差する各板材43が挿入されるように組み合わされる。また、切欠43aは、上下に積み重ねられる各板材43同士の上端と下端とが当接し合うように、上下方向Aの寸法が設定されている。
なお、図3において、バスケット本体41は、複数の板材43を積み重ね方向と直行する横方向で直交して組み合わせて平面視が矩形状の格子状に形成された形態を示している。これに限らず、例えば、バスケット本体41は、複数の板材43を積み重ね方向と直交する横方向で交差して組み合わせて平面視が三角形状などの矩形状以外に形成されていてもよい。
また、バスケット本体41は、板材43が、強度部材となる剛板材43Aと、中性子吸収体となる中性子吸収板材43Bとを横方向に重ね合わせて構成されている。なお、板材43は、上述したように切欠43aの噛み合わせで組み立てられるため、当該切欠43aへの挿入により剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとの重ね合わせを接着することなく保持することができる。
剛板材43Aは、炭素鋼、ステンレス鋼またはアルミニウム合金からなる。また、中性子吸収板材43Bは、中性子吸収材として炭化ホウ素を含むセラミック層をステンレス鋼板またはアルミニウム合金板で包んだ構成である。また、中性子吸収板材43Bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金の中性子吸収材としてボロン、またはボロン化合物を添加したアルミニウム複合材またはアルミニウム合金により構成されてもよい。なお、中性子吸収板材43Bは、ボロンの他にガドリニウムを用いることができる。また、中性子吸収板材43Bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金の他にステンレス鋼を用いることができる。
ここで、個々の放射性物質収納部42に収納される放射性物質として適用される燃料集合体は、複数の燃料棒が束ねられ、かつ上端部および下端部に支持部材が固定されている。このような放射性物質を収納するにあたり、放射性物質の上下方向において、燃料集合体の上端部および下端部は、支持部材があるため中性子束(一定時間単位に一定空間を通過する中性子の数)が比較的小さく、上端部と下端部との間は燃料棒により中性子束が比較的大きい。
このため、本実施形態の放射性物質収納用バスケット14は、中性子吸収板材43Bが、上下方向Aで中性子吸収性能を異ならせて形成されている。
具体的には、中性子束が比較的大きい部分(例えば、上述した放射性物質の中央部分)において、中性子吸収性能が高くなるようにする。また、中性子束が比較的小さい部分(例えば、上述した放射性物質の上端部分および下端部分)において、中性子吸収性能が低くなるよう、または中性子吸収性能を有さないようにする。中性子吸収性能を有さないようにする場合は、板材43を剛板材43Aのみとする。
このように、本実施形態の放射性物質収納用バスケット14は、複数の板材43を上下方向Aで積み重ねて立設させるとともに、複数の板材43を積み重ね方向と直交する横方向で交差して組み合わせ、横方向に平行かつ所定間隔で上下方向Aに延在する複数の放射性物質収納部42を区画形成するバスケット本体41を有し、バスケット本体41は、少なくとも一部の板材43が、強度部材となる剛板材43Aと、中性子吸収体となる中性子吸収板材43Bとを横方向に重ね合わせて構成され、中性子吸収板材43Bが上下方向Aで中性子吸収性能を異ならせて形成される。
この放射性物質収納用バスケット14によれば、板材43が、強度部材となる剛板材43Aと、中性子吸収体となる中性子吸収板材43Bとを横方向に重ね合わせて構成されることで、強度および中性子吸収性能を得ることができる。しかも、上下方向Aで中性子吸収板材43Bの中性子吸収性能を異ならせることにより、放射性物質における上下方向Aの中性子束の特性に合わせて合理的な中性子吸収性能を得ることができる。
なお、バスケット本体41をなす板材43を、強度部材となる剛板材43Aと、中性子吸収体となる中性子吸収板材43Bとを横方向に重ね合わせて構成すると、強度を得る機能と、中性子を吸収する機能とが分離される。このため、例えば、強度および中性子吸収の機能を1枚にまとめた板材43と比較すると、板材43の横方向の板厚を薄く形成することが可能になる。この結果、バスケット本体41における放射性物質の収納効率の向上、ひいてはキャスク11における放射性物質の収納効率の向上を図ることができる。
上下方向Aで中性子吸収板材43Bの中性子吸収性能を異ならせる具体的な構成は、図4に示す場合、剛板材43Aおよび中性子吸収板材43Bの横方向の板厚を、上下方向Aで等しくし、中性子吸収板材43Bが、上下方向Aで中性子吸収材の含有率を異ならせて形成されている。この場合、各板材43は、横方向の板厚が、上下方向Aで等しく形成される。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、中性子吸収板材43Bの横方向の板厚を上下方向Aで等しくし、この中性子吸収板材43Bと重なり合う剛板材43Aの横方向の板厚を上下方向Aで等しくすることができるため、上下方向Aで均一な強度を得ることができる。
また、図5および図6に示す場合、中性子吸収板材43Bが、上下方向Aで横方向の板厚を異ならせて形成されている。この場合、中性子吸収板材43Bは、上下方向Aで中性子吸収材の含有率が等しく形成され、かつ各板材43は、横方向の板厚が、上下方向Aで等しく形成されている。なお、図6に示す場合は、上端部分および下端部分において、中性子吸収板材43Bを設けず剛板材43Aのみとしたものである。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、中性子束が小さく強度を向上したい部分、例えば、上述した放射性物質の上端部分や下端部分において、中性子吸収板材43Bの横方向の板厚を薄くし、剛板材43Aの横方向の板厚を厚くして、強度をより向上することができる。
また、図4〜図10に示す場合、剛板材43Aが、上下方向Aで連続して当接されている。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、上下方向Aに連続する剛板材43Aによって、上下方向Aの強度をより向上することができる。
また、図7に示す場合、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとが、上下方向Aにおいて横方向で交互に反転して配置されている。すなわち、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとを横方向で重ね合わせた板材43が、横方向で反転して配置されている。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとを上下方向Aにおいて横方向で交互に反転させることで、剛板材43Aが上下方向Aで積み重ねられる板材43の両面に存在するため、各放射性物質収納部42に収納された放射性物質の外周に面して剛板材43Aが存在するため、衝撃などにより放射性物質の位置がズレた場合などであっても、剛板材43Aにより放射性物質の荷重を受けることができ、放射性物質の破損を防ぐことができる。
また、図8に示す場合、剛板材43Aが、上下方向Aで互いに凸部43Aaと凹部43Abとで嵌合して設けられている。図8において、板材43は、上端部と下端部とを除き、その間が同じ構成とされて横方向で反転されているが、図4〜図7、図9および図10に示す形態において、剛板材43Aが、上下方向Aで互いに凸部43Aaと凹部43Abとで嵌合して設けられてもよい。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、凸部43Aaと凹部43Abとの嵌合により、各剛板材43Aが強固に連結されるため、上下方向Aおよび横方向の強度をより向上することができる。
また、図9に示す場合、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとの重ね合わせた面に凹部43Ac,43Bcが形成され、当該凹部43Ac,43Bcにより板材43が延在する横方向に貫通する貫通孔43Cが形成されている。なお、貫通孔43Cは、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとの重ね合わせた面の少なくとも一方に形成された凹部43Acまたは凹部43Bcにより形成されてもよい。また、貫通孔43Cは、1つの板材43に複数形成されてもよい。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、貫通孔43Cが放射性物質からの高速中性子を減速させるためのフラックストラップとして機能するため、中性子を減衰させる作用をより高めることができる。
また、図10に示す場合、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとを重ね合わせた相互の面が、凸部43Adと凹部43Bdとを嵌合して重ね合わされている。なお、図10では、剛板材43Aに凸部43Adが設けられ、中性子吸収板材43Bに凹部43Bdが設けられているが、これに限らず、図には明示しないが、剛板材43Aに凹部が設けられ、中性子吸収板材43Bに凸部が設けられていてもよい。また、図には明示しないが、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとにそれぞれ凸部および凹部が設けられて、互いの凸部と凹部とを嵌合して重ね合わされてもよい。
このように構成すると、強度および中性子吸収性能を得るとともに、放射性物質の上下方向Aで合理的な中性子吸収性能を得る効果を得たうえで、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとが相互の嵌合により重ね合わされることにより、剛板材43Aと中性子吸収板材43Bとをズレなく重ね合わせることができ、組み立て性を向上することができる。
また、本実施形態の放射性物質収納用バスケット14では、剛板材43Aは、炭素鋼(例えば、SGV480やSGV650)からなることが好ましい。
炭素鋼は、ステンレス鋼よりも優れた熱伝達性があり除熱性能を有するとともに、加工性に優れており、アルミニウム合金と比較して強度、靱性、伸びなどに優れている。従って、剛板材43Aを炭素鋼で形成することで、熱伝達性および強度を向上するとともに、加工時の製造コストを低減することができる。熱伝達性の向上を図ることで、放射性物質収納部42をより低温にできるため、放射性物質収納部42に収納される放射性物質の健全性をより長期に亘り維持することができる。
特に、炭素鋼は、優れた熱伝達性および強度を有することから、強度上必要な板厚で設計できる。一方、ステンレス鋼からなるバスケット本体41では、強度に加えて熱伝達性を保証するために強度上必要な板厚以上となり、放射性物質の収納効率が低下する。従って、剛板材43Aを炭素鋼により形成することで、バスケット本体41における放射性物質の収納効率の向上、ひいてはキャスク11における放射性物質の収納効率の向上を図ることができる。
しかも、炭素鋼は、ステンレス鋼と比較すると溶接が容易である。上述したバスケット本体41は、板材43を切欠43aにより組み立てているが、交差部分において切欠43a部分の熱伝達性に制約が生じるおそれがあるが、切欠43aを用いず溶接により接合することで、上記制約を解消することができ、熱伝達性および強度をより向上することができる。
また、本実施形態の放射性物質収納用バスケット14では、炭素鋼からなる剛板材43Aは、表面保護膜が設けられることが好ましい。表面保護膜としては、メッキ(ニッケルメッキ)、溶射、不動態化処理、蒸着処理、プラズマ処理、塗装などにより施すことができる。
従って、炭素鋼からなる剛板材43Aに表面保護膜を設けることで、剛板材43Aにおける錆の発生を防止することができる。
また、本実施形態の放射性物質収納容器(キャスク11)は、一方に開口部22が形成されて他方に閉塞部(底部23)が形成されて筒形状をなす胴部12と、開口部22を閉塞するように胴部12に対して着脱可能な蓋部13と、胴部12内に収容される上述した放射性物質収納用バスケット14と、を有する。
このキャスク11によれば、放射性物質収納用バスケット14のバスケット本体41を構成する板材43が、強度部材となる剛板材43Aと、中性子吸収体となる中性子吸収板材43Bとを横方向に重ね合わせて構成されることで、強度および中性子吸収性能を得ることができる。しかも、上下方向Aで中性子吸収板材43Bの中性子吸収性能を異ならせることにより、放射性物質における上下方向Aの中性子束の特性に合わせて合理的な中性子吸収性能を得ることができる。従って、放射性物質における上下方向Aの中性子束の特性に合わせて合理的な中性子吸収性能を有するキャスク11を得ることができる。
図11は、本発明の実施例に係る評価結果を示す図表である。本実施例では、条件が異なるバスケット本体について、比較例1、比較例2、比較例3および実施例において、未臨界性能、除熱性能、構造強度性能、防食性能、構造、製作および製造コストに関する評価を行った。
比較例1では、構造材として、ボロン添加アルミニウム合金製の板(ボロン・アルミニウム板という)を用いたものであり、構造として、単一の板材であるボロン・アルミニウム板を格子状に組み立てたものである(図3参照)。この比較例1では、未臨界性能、除熱性能、構造強度性能および防食性能を確保する部材がボロン・アルミニウム板となる。
比較例2では、構造材として、ボロン添加ステンレス合金製の板(ボロン・ステンレス板という)と銅板とを用いたものであり、構造として、2種の板材であるボロン・ステンレス板と銅板とを重ね合わせて格子状に組み立てたものである(図3参照)。この比較例2では、未臨界性能および構造強度性能を確保する部材がボロン・ステンレス板となり、除熱性能および防食性能を確保する部材がボロン・ステンレス板および銅板となる。
比較例3では、構造材として、鍛造アルミニウム合金のブロック(鍛造アルミニウムブロックという)とボロン添加アルミニウム合金製のシート状薄板(ボロン・アルミニウム薄板という)とを用いたものであり、構造として、鍛造アルミニウムブロックの表面にボロン・アルミニウム薄板を貼り付けたものである。鍛造アルミニウムブロックは、図には明示しないが、例えば、図1および図2に示すバスケットを一塊で鍛造し、細部を加工したものである。この比較例3では、未臨界性能を確保する部材がボロン・アルミニウム薄板となり、除熱性能、構造強度性能および防食性能を確保する部材が鍛造アルミニウムブロックとなる。
上述した実施形態にて説明した放射性物質収納用バスケットである実施例では、構造材として、炭素鋼とボロン添加アルミニウム合金製のシート状薄板(ボロン・アルミニウム薄板という)とを用いたものであり、構造として、2種の板材である炭素鋼とボロン・アルミニウム薄板とを重ね合わせて格子状に組み立てたものである(図3参照)。この実施例では、未臨界性能を確保する部材がボロン・アルミニウム薄板となり、除熱性能を確保する部材が炭素鋼およびボロン・アルミニウム薄板となり、構造強度性能を確保する部材が炭素鋼であり、防食性能を確保する部材が炭素鋼の表面に施された表面保護膜(ここではニッケルメッキ)である。
図11に示すように、比較例1は、全ての性能をボロン・アルミニウム板で機能させている。このため、比較例1は、除熱性能の評価が「優」であり、防食性能の評価が「良」であり、未臨界性能および構造強度性能の評価が「可」である。また、比較例1は、単一板材を格子状に組み立てたものであるため、構造が簡素となり評価が「優」である。しかし、比較例1では、ボロン・アルミニウムを構造強度部材として製造するため、製法が極めて特殊であり、製造性・歩留まりが悪い。また、硬度が高いため機械加工性が悪い。このため、製作および製造コストの評価が「不可」である。
また、比較例2は、未臨界性能および構造強度性能をボロン・ステンレス板で機能させ、除熱性能および防食性能をボロン・ステンレス板および銅板で機能させている。このため、比較例2は、構造強度性能および防食性能の評価が「良」であり、未臨界性能の評価が「可」であるが、ステンレスは熱伝達性が悪いため除熱性能の評価が「不可」である。また、比較例2は、2種の板材を重ね合わせて格子状に組み立てたものであるため、構造が比較的簡素であり評価が「良」である。また、また、比較例2では、ボロン・ステンレスを構造強度部材として製造するため、製法が極めて特殊であり、製造性・歩留まりが悪い。また、硬度が高いため機械加工性が悪い。このため、製造コストの評価が比較例1と比べると「良」であるが、製作の評価が「不可」である。
また、比較例3は、未臨界性能をボロン・アルミニウム薄板で機能させ、除熱性能、構造強度性能および防食性能を鍛造アルミニウムブロックで機能させている。このため、比較例3は、除熱性能の評価が「優」であり、未臨界性能および防食性能の評価が「良」であり、構造強度性能の評価が「可」である。しかし、比較例3では、鍛造アルミニウムブロックを極めて複雑な形状に加工する必要があるため、構造の評価が「不可」である。さらに、比較例3では、ボロン・アルミニウム薄板の製造は容易であるが、鍛造アルミニウムブロックを極めて複雑な形状に加工する必要があり高精度かつ多大な機械加工を要するため、製作および製造コストの評価が「不可」である。
一方、実施例は、未臨界性能をボロン・アルミニウム薄板で機能させ、除熱性能を炭素鋼およびボロン・アルミニウム薄板で機能させ、構造強度性能を炭素鋼で機能させ、防食性能を炭素鋼の表面に施された表面保護膜で機能させている。このため、構造強度の評価が「優」であり、未臨界性能、除熱性能および防食性能の評価が「良」である。しかも、実施例は、2種の板材を重ね合わせて格子状に組み立てたものであるため、構造が比較的簡素であり評価が「良」である。さらに、実施例は、ボロン・アルミニウム薄板の製造は容易であり、かつ炭素鋼は機械加工が容易であるため、製作および製造コストの評価が「優」である。
このように、比較例1〜比較例3では、未臨界性能、除熱性能、構造強度性能、防食性能、構造、製作および製造コストのうち「良」以上の評価の項目があるものの、「不可」の評価となる項目を含んでいる。これに対し、実施例では、未臨界性能、除熱性能、構造強度性能、防食性能、構造、製作および製造コストの全てが「良」以上の評価であり、優れていることがわかる。
11 キャスク(放射性物質収納容器)
12 胴部
13 蓋部
14 放射性物質収納用バスケット
22 開口部
23 底部(閉塞部)
41 バスケット本体
42 放射性物質収納部
43 板材
43A 剛板材
43Aa 凸部
43Ab 凹部
43Ac 凹部
43Ad 凸部
43B 中性子吸収板材
43Bc 凹部
43Bd 凹部
43C 貫通孔
A 上下方向

Claims (11)

  1. 複数の板材を上下方向で積み重ねて立設させるとともに、複数の前記板材を積み重ね方向と直交する横方向で交差して組み合わせ、横方向に平行かつ所定間隔で上下方向に延在する複数の放射性物質収納部を区画形成するバスケット本体を有し、
    前記バスケット本体は、少なくとも一部の板材が、強度部材となる剛板材と、中性子吸収体となる中性子吸収板材とを横方向に重ね合わせて構成され、前記中性子吸収板材が上下方向で中性子吸収性能を異ならせて形成されることを特徴とする放射性物質収納用バスケット。
  2. 前記中性子吸収板材が、上下方向で中性子吸収材の含有率を異ならせて形成されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質収納用バスケット。
  3. 前記中性子吸収板材が、上下方向で横方向の板厚を異ならせて形成されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質収納用バスケット。
  4. 前記剛板材が、上下方向で連続して当接されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケット。
  5. 前記剛板材と前記中性子吸収板材とが、上下方向において横方向に交互に反転して配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケット。
  6. 上下方向の各前記剛板材が、互いに嵌合して設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケット。
  7. 前記剛板材と前記中性子吸収板材との重ね合わせた面の少なくとも一方に凹部が形成され、当該凹部により前記板材が延在する横方向に貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケット。
  8. 前記剛板材と前記中性子吸収板材とが、相互の嵌合により重ね合わされることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケット。
  9. 前記剛板材は、炭素鋼からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケット。
  10. 炭素鋼からなる前記剛板材は、表面保護膜が設けられることを特徴とする請求項9に記載の放射性物質収納用バスケット。
  11. 一方に開口部が形成されて他方に閉塞部が形成されて筒形状をなす胴部と、
    前記開口部を閉塞するように前記胴部に対して着脱可能な蓋部と、
    前記胴部内に収容される前記請求項1〜10のいずれか一つに記載の放射性物質収納用バスケットと、
    を有することを特徴とする放射性物質収納容器。
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