JP2005009960A - 輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ同一の温度及び同等の収納本数で行うことができる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することにある。
【解決手段】本発明は、中空状の容器本体の内部にバスケットが設けられ、該バスケットの内部が仕切り部材によって形成された格子状の空間に放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体と、放射線に対する遮蔽能を有する構造に崩壊熱に対する除熱能を有する構造を備えた遮蔽除熱構造手段とを収納すると共に、輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことを特徴とする輸送・貯蔵方法にある。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、中空状の容器本体の内部にバスケットが設けられ、該バスケットの内部が仕切り部材によって形成された格子状の空間に放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体と、放射線に対する遮蔽能を有する構造に崩壊熱に対する除熱能を有する構造を備えた遮蔽除熱構造手段とを収納すると共に、輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことを特徴とする輸送・貯蔵方法にある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として原子力発電所から発生する使用済燃料を輸送、貯蔵御及び輸送貯蔵のいずれかを行う新規な輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電施設の炉心で一定期間使用された燃料は、炉心より取出されて使用済燃料プール等に一定期間保管される。この保管が終了した燃料は最終的に再処理工場に搬出され、再処理されウランとプルトニウムを再資源として取出し、再利用することになっている。現在、原子力発電所で発生する使用済燃料は発電需要と共に増大しているために、再処理工場が稼動しても国内で発生する使用済燃料は再処理工場での処理容量を上回ることとなり、再処理されるまでの期間を適切に管理・貯蔵される必要がある。必要な貯蔵容量は、2010年で6000tU規模、2020年で15000tU規模であると予想されている。
【0003】
原子力発電所の敷地内若しくは敷地外にて使用済燃料を管理・貯蔵する方法として、乾式キャスク貯蔵、ボールト貯蔵、サイロ貯蔵、コンクリートキャスク貯蔵等の乾式貯蔵方式及び水プールの湿式貯蔵方式の各方式があるが、コスト的にもまた長期に亘る安定貯蔵を考えた場合においても乾式貯蔵が注目されている。乾式貯蔵方式の内、現在国内で実用化されているキャスク貯蔵方式は、放射性物質収納容器である乾式キャスクの中に使用済燃料を燃料集合体の状態で収納し貯蔵する方法である。
【0004】
キヤスクによる貯蔵施設では、発電所での燃料仕様及びサイト使用済燃料貯蔵プールでの保管期間により、様々な状態の使用済燃料を貯蔵することが考えられ、燃料仕様ごとに輸送貯蔵兼用キャスクを設計する必要があった。遮蔽性能の確保の観点から特許文献1に見られるようにキャスク胴本体とバスケットセル外側の間に遮蔽ブロックを挿入するもの、特許文献2に見られるようにキャスクの軽量化及び伝熱効率向上を目的として胴本体とバスケット間にダミーパイプを挿入する方式がある。
【0005】
また、経済性の観点での方式としては、特許文献3及び特許文献4に見られるように構造簡素化製造コスト低減、燃料収納体数の高密度化などがある。
【0006】
更に、特許文献5には格子状の空間に収納する使用済燃料集合体をその冷却期間に応じて収納本数を設定すると共に、その集合体と略同重量の遮蔽体を収納することにより冷却期間の異なる使用済燃料集合体に対して効率的な輸送、貯蔵を行う収納方法が示されている。
【特許文献1】実開昭61−140999号公報
【特許文献2】特開2001−74884号公報
【特許文献3】特開2000−131491号公報
【特許文献4】特開平9−105798号公報
【特許文献5】特開平2−176498号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1〜4の従来方式でみられるように、異なる燃料仕様への対応については、それぞれの仕様・保管状態に応じた容器を設計すること、設計仕様の許容範囲内で収納体数を調整する運用などがあった。また、製造コスト低減について従来方式は、容器単体での製造コスト低減を図ることを目的としたものであった。又、特許文献5においては、遮蔽体として具体的な開示が無い。
【0008】
今後、高燃焼度燃料、MOX燃料の使用など燃料の多様化を考えると、同一設計容器による使用済燃料の輸送、貯蔵の運用は、容器製造者及び輸送、貯蔵事業者にとって、大きな経済的メリットを生み出す要因の一つとなる。
【0009】
本発明の目的は、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ一定の温度及び同等の収納本数で行うことができる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中空状の容器本体の内部にバスケットが設けられ、該バスケットの内部が仕切り部材によって形成された格子状の空間に放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体と、放射線に対する遮蔽能を有する構造に崩壊熱に対する除熱能を有する構造を備えた遮蔽除熱構造手段とを収納すると共に、輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことを特徴とする輸送・貯蔵方法にある。
遮蔽除熱構造手段は、放射線に対する遮蔽構造体と崩壊熱に対する除熱構造体との組合わせ、放射線に対する遮蔽能を有する構造及び崩壊熱に対する除熱能を有する構造とを備えた遮蔽除熱構造体、又は遮蔽構造体及び除熱構造体の一方と遮蔽除熱構造体との組合わせのいずれかからなることを特徴とする。
【0011】
そして、燃料構造体の燃焼度又は冷却期間に応じて異なる遮蔽除熱構造手段を配置すること、又、燃料構造体の燃焼度が大きいか又は冷却期間が短い場合の遮蔽除熱構造手段は、燃料構造体の燃焼度が小さいか又は冷却期間が長い場合に対する遮蔽除熱構造手段の遮蔽能及び除熱能の少なくとも一方より高い性能を有する遮蔽除熱構造手段を配置することが好ましい。
【0012】
遮蔽除熱構造手段は前記燃料構造体の外周側、又は該外周側と中央部とに規則的に配置することが好ましい。
【0013】
本発明は、放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造と崩壊熱に対する除熱能を有する除熱構造とを備えた角筒状の遮蔽除熱構造体からなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体にある。
【0014】
遮蔽構造は、角筒状で、その内周に角筒状の除熱部材が形成されていること、角筒状の除熱部材の内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていること、又、鉄系金属からなる角筒状で、その内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることが好ましい。
【0015】
除熱構造は、高熱伝導性金属からなる角筒状で、その内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることが好ましい。
【0016】
遮蔽材が、コンクリート、レジン、劣化ウラン及びボロンカーバイドのいずれかよりなること、又、金属棒と、コンクリート、レジン、劣化ウラン及びボロンカーバイドのいずれかとからなることが好ましい。
【0017】
又、本発明は、崩壊熱に対する除熱能を有する高熱伝導性金属製角筒状の除熱構造体からなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体にある。
【0018】
遮蔽構造が鉄又はステンレス鋼の角筒状であること、更に、除熱構造がアルミニウム又は銅製の角筒状であることが好ましい。
【0019】
遮蔽除熱構造手段については、その重量を燃料集合体と同等又はそれよりやや軽いものにすることにより、収納する燃料集合体に代えて収納することができ、燃焼度又は冷却期間に応じて適切にその構成材料、部材構成及び構造を変え配置することが可能で、収納する燃料集合体をより多く収納できる。
【0020】
以上のように、本発明は、収納物である放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体の仕様又は冷却期間が異なる場合においても、同一設計容器のバスケットセルに遮蔽除熱構造手段を挿入し、その挿入体数を調整することで、2種以上の仕様或いは冷却期間を有するにかかわらず同一設計の輸送・貯蔵容器で使用済燃料をほぼ同一温度及び同程度の収納本数で輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことのできる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1〜4は、本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器本体に収納される使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの種々の適用例を示す断面図である。原子力発電所で使用される燃料仕様及び原子カ発電所使用済燃料プールでの冷却期間の相違により、収納される使用済燃料の線源強度、発熱量が異なる。これら異なる仕様の燃料に対して、バスケットセル2に使用済燃料4のかわりに放射線に対して遮蔽能を有する遮蔽除熱構造手段3を収納する。
【0022】
図1に示すように、使用済燃料としての燃料集合体からの放射線は、使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケット1、内筒、中性子遮蔽層、外筒等によって構成される後述する使用済燃料輸送貯蔵兼用容器に収納されて遮蔽される。本実施例は、遮蔽能を持つ部材に加え、除熱能を有する部材を設けられた遮蔽除熱構造手段3をバスケットセル2内の最外周に飛び飛びに配置すると共に、燃料集合体と同等の重量とし、選択的に収納することにより、同一の容器の設計で、2種以上の燃料仕様或いは冷却期間に応じた必要な遮蔽能及び除熱能を与えることができる。遮蔽除熱構造手段3における遮蔽能及び除熱能は燃料仕様或いは冷却期間に応じた両者の材料及び構造によって調整することができる。本実施例においては、後述する遮蔽能を持つ部材及び除熱能を持つ部材とを2種以上の燃料仕様或いは冷却期間に応じて配置するものであるが、除熱能を持つ部材又は遮蔽除熱構造体は4個均等の位置に配置して熱を均等に除熱するようにし、他を全部遮蔽能を持つ部材にする。
【0023】
図2は図1に対して、遮蔽除熱構造手段3を4個増やしたもので、図1に比べて燃焼度が大きい燃料仕様或いは冷却期間が短いものである。遮蔽能を持つ部材及び除熱能を持つ部材の配置は前述と同様である。
【0024】
図3及び図4は、それぞれ図1及び図2に対して燃焼度が大きい燃料仕様或いは冷却期間が短いものに対してバスケット1の中心部に遮蔽除熱構造手段3を5個配置したものである。中心部の遮蔽除熱構造手段3には、除熱能又は遮蔽除熱構造体を有するものが配置され、周辺部には遮蔽能を持つ部材を配置する。本実施例においても、遮蔽除熱構造手段3における遮蔽能及び除熱能を2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に応じて後述する遮蔽能を持つ部材及び除熱能を持つ部材とを適切に配置することにより同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ一定の温度と同等の収納本数で行うことができるものである。
【0025】
(実施例2)
図5〜図13は、種々の構造を有する遮蔽除熱構造手段の断面図である。図5は鉄又はステンレス鋼からなる金属角管5を用いた放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造体、図6はアルミニウム又は銅からなる金属角管6を用いた除熱能を有する除熱構造体、図7はステンレス鋼からなる金属角管5を用いた放射線に対する遮蔽能とその内周にアルミニウム又は銅からなる金属角管6を用いた除熱能が一体に有する遮蔽除熱構造体である。
又、図8〜10はそれぞれ図5〜7に対して鉄又はステンレス鋼からなる金属角管5内、アルミニウム又は銅からなる金属角管6内、又は両者の組合わせの金属管内にコンクリート、レジン、劣化ウラン、ボロンカーバイドなどガンマ線、中性子線の遮蔽材7を充填した放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造体、又は遮蔽除熱能を有する遮蔽除熱構造体である。
図11〜13は、図5〜7に対して鉄又はステンレス鋼からなる金属角管5内、高熱伝導金属であるアルミニウム又は銅からなる金属角管6内、又は両者の組合わせの金属管内にコンクリート、レジン、劣化ウラン、ボロンカーバイドなどガンマ線、中性子線を遮蔽する遮蔽材7を充填すると共に、鉄又はステンレス鋼からなる金属棒8を遮蔽材7中に挿入した放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造体、又は遮蔽除熱能を有する遮蔽除熱構造体である。図示されていないが、図11〜13の遮蔽構造として金属角管5、6を除いた構造で遮蔽材7の中に金属棒8を挿入した構造とすることができる。
【0026】
又、遮蔽除熱構造手段3の重量を燃料集合体と同等以下になるように部材、構成を選定すれば、安全評価上の作業が軽減できる。
放射線線源強度の変化よる内筒の要求遮蔽厚を、遮蔽除熱構造手段の体数に換算するものとして異なる燃料を使用する場合の収納体数を評価する。使用済燃料輸送貯蔵兼用容器に対する同一の寸法、重量の要求条件下で、10年間冷却した使用済燃料(ステップ1)と、7年間冷却した使用済燃料(ステップ2)の場合で比較する。ステップ2燃料用として設計する容器の収納体数とステップ1用に設計した容器に複数体の遮蔽除熱構造手段3を収納する場合、いずれも同等の収納体数が得られる。又、遮蔽除熱構造手段3の収納により容器に対する熱的設計条件の緩和効果も期待できる。
【0027】
異なる仕様の収納物に対しても同一設計の容器が使用できるため、設計、資材調達、製造、検査など容器の製造プロセスは共通化が図ることが可能で、製作コストの低減及び品質安定化が達成できる。さらに収納体数が異なる設計の容器と同等であれば、同一設計容器を用いることの経済的効果はさらにあがる。また、複数の燃料仕様又は冷却期間を有する使用済み燃料を同一の容器で輸送及び貯蔵ができることにより事業者の許可取得手続きが軽減できる。
【0028】
本実施例においては、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で、図に示す種々の遮蔽除熱構造手段の組合わせによって放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ一定の温度と同等の収納本数で行うことができるものである。
【0029】
(実施例3)
図14は、本発明に係る使用済燃料と遮蔽除熱構造手段とを収納した使用済燃料輸送貯蔵兼用容器の斜視図である。使用済燃料4からの放射線は、バスケット30、胴本体21、レジン26による中性子遮蔽層、外筒25等により遮蔽される。本実施例にかかる使用済燃料輸送貯蔵兼用容器100は、胴本体21のキヤビテイ22内面をバスケット30の外周形状に合わせて機械加工したものである。胴本体21及び底板24は、γ線遮蔽能を有する炭素鋼製鍛造品、SUS304ステンレス鋼を用いることもできる。胴本体21と底板24とは溶接により結合される。また、耐圧容器としての密閉性能を確保するため、一次蓋10と胴本体21との間には金属ガスケットが設けられる。
【0030】
胴本体21と外筒25との間には、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽能を有するレジン26が充填されている。また、胴本体21と外筒25との間には熱伝導を行う複数の銅製内部フィンが溶接されており、レジン26は、この空間に流動状態で注入され、冷却固化される。蓋部29は、一次蓋10と二次蓋11を有し、一次蓋10はγ線を遮蔽し、二次蓋11はその上面に中性子遮蔽体としてレジン12が封入されたいずれも円盤形状である。一次蓋10及び二次蓋11は、ボルトによって胴本体21に取り付けられ、いずれもステンレス鋼製又は炭素鋼製が用いられる。一次蓋10及び二次蓋11と胴本体21との間にはそれぞれ金属ガスケットが設けられ、内部の密封性を保持している。蓋部29の周囲にはレジン14を封入した補助遮蔽体15、キヤスク本体16の両側にはキヤスク100を吊り下げるためのトラニオン17が設けられている。
【0031】
本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器では、原子力発電所で使用される燃料仕様及び原子力発電所使用済燃料プールでの冷却期間の相違により、収納される使用済燃料の線源強度、発熱量が異なる。これら異なる仕様に対して、その使用に応じてバスケットセル2内に使用済燃料4と実施例2に記載の燃料集合体と同等以下の重量を有する種々の遮蔽除熱構造手段3における組合わせとを収納することにより、同一の容器の設計で、2種以上の燃料仕様或いは冷却期間に応じた必要な遮蔽除熱能を得ることができる。
【0032】
本発明によれば、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを同等の収納本数で行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ同一の温度及び同等の収納本数で行うことができる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図2】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図3】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図4】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図5】本発明の遮蔽構造体の断面図。
【図6】本発明の除熱構造体の断面図。
【図7】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図8】本発明の遮蔽構造体の断面図。
【図9】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図10】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図11】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図12】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図13】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図14】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器の断面図。
【符号の説明】
1、30…使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケット、2、31…バスケッツトセル、3…遮蔽除熱構造手段、4…使用済燃料、5…遮蔽構造体、6…除熱構造体、7…遮蔽材、8…金属棒、10…一次蓋、11…二次蓋、12、14、26…レジン、15…補助遮蔽体、16…キヤスク本体、17…トラニオン、21…胴本体、24…底板、25…外筒、29…蓋部、100…使用済燃料輸送貯蔵兼用容器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として原子力発電所から発生する使用済燃料を輸送、貯蔵御及び輸送貯蔵のいずれかを行う新規な輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電施設の炉心で一定期間使用された燃料は、炉心より取出されて使用済燃料プール等に一定期間保管される。この保管が終了した燃料は最終的に再処理工場に搬出され、再処理されウランとプルトニウムを再資源として取出し、再利用することになっている。現在、原子力発電所で発生する使用済燃料は発電需要と共に増大しているために、再処理工場が稼動しても国内で発生する使用済燃料は再処理工場での処理容量を上回ることとなり、再処理されるまでの期間を適切に管理・貯蔵される必要がある。必要な貯蔵容量は、2010年で6000tU規模、2020年で15000tU規模であると予想されている。
【0003】
原子力発電所の敷地内若しくは敷地外にて使用済燃料を管理・貯蔵する方法として、乾式キャスク貯蔵、ボールト貯蔵、サイロ貯蔵、コンクリートキャスク貯蔵等の乾式貯蔵方式及び水プールの湿式貯蔵方式の各方式があるが、コスト的にもまた長期に亘る安定貯蔵を考えた場合においても乾式貯蔵が注目されている。乾式貯蔵方式の内、現在国内で実用化されているキャスク貯蔵方式は、放射性物質収納容器である乾式キャスクの中に使用済燃料を燃料集合体の状態で収納し貯蔵する方法である。
【0004】
キヤスクによる貯蔵施設では、発電所での燃料仕様及びサイト使用済燃料貯蔵プールでの保管期間により、様々な状態の使用済燃料を貯蔵することが考えられ、燃料仕様ごとに輸送貯蔵兼用キャスクを設計する必要があった。遮蔽性能の確保の観点から特許文献1に見られるようにキャスク胴本体とバスケットセル外側の間に遮蔽ブロックを挿入するもの、特許文献2に見られるようにキャスクの軽量化及び伝熱効率向上を目的として胴本体とバスケット間にダミーパイプを挿入する方式がある。
【0005】
また、経済性の観点での方式としては、特許文献3及び特許文献4に見られるように構造簡素化製造コスト低減、燃料収納体数の高密度化などがある。
【0006】
更に、特許文献5には格子状の空間に収納する使用済燃料集合体をその冷却期間に応じて収納本数を設定すると共に、その集合体と略同重量の遮蔽体を収納することにより冷却期間の異なる使用済燃料集合体に対して効率的な輸送、貯蔵を行う収納方法が示されている。
【特許文献1】実開昭61−140999号公報
【特許文献2】特開2001−74884号公報
【特許文献3】特開2000−131491号公報
【特許文献4】特開平9−105798号公報
【特許文献5】特開平2−176498号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1〜4の従来方式でみられるように、異なる燃料仕様への対応については、それぞれの仕様・保管状態に応じた容器を設計すること、設計仕様の許容範囲内で収納体数を調整する運用などがあった。また、製造コスト低減について従来方式は、容器単体での製造コスト低減を図ることを目的としたものであった。又、特許文献5においては、遮蔽体として具体的な開示が無い。
【0008】
今後、高燃焼度燃料、MOX燃料の使用など燃料の多様化を考えると、同一設計容器による使用済燃料の輸送、貯蔵の運用は、容器製造者及び輸送、貯蔵事業者にとって、大きな経済的メリットを生み出す要因の一つとなる。
【0009】
本発明の目的は、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ一定の温度及び同等の収納本数で行うことができる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、中空状の容器本体の内部にバスケットが設けられ、該バスケットの内部が仕切り部材によって形成された格子状の空間に放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体と、放射線に対する遮蔽能を有する構造に崩壊熱に対する除熱能を有する構造を備えた遮蔽除熱構造手段とを収納すると共に、輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことを特徴とする輸送・貯蔵方法にある。
遮蔽除熱構造手段は、放射線に対する遮蔽構造体と崩壊熱に対する除熱構造体との組合わせ、放射線に対する遮蔽能を有する構造及び崩壊熱に対する除熱能を有する構造とを備えた遮蔽除熱構造体、又は遮蔽構造体及び除熱構造体の一方と遮蔽除熱構造体との組合わせのいずれかからなることを特徴とする。
【0011】
そして、燃料構造体の燃焼度又は冷却期間に応じて異なる遮蔽除熱構造手段を配置すること、又、燃料構造体の燃焼度が大きいか又は冷却期間が短い場合の遮蔽除熱構造手段は、燃料構造体の燃焼度が小さいか又は冷却期間が長い場合に対する遮蔽除熱構造手段の遮蔽能及び除熱能の少なくとも一方より高い性能を有する遮蔽除熱構造手段を配置することが好ましい。
【0012】
遮蔽除熱構造手段は前記燃料構造体の外周側、又は該外周側と中央部とに規則的に配置することが好ましい。
【0013】
本発明は、放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造と崩壊熱に対する除熱能を有する除熱構造とを備えた角筒状の遮蔽除熱構造体からなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体にある。
【0014】
遮蔽構造は、角筒状で、その内周に角筒状の除熱部材が形成されていること、角筒状の除熱部材の内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていること、又、鉄系金属からなる角筒状で、その内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることが好ましい。
【0015】
除熱構造は、高熱伝導性金属からなる角筒状で、その内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることが好ましい。
【0016】
遮蔽材が、コンクリート、レジン、劣化ウラン及びボロンカーバイドのいずれかよりなること、又、金属棒と、コンクリート、レジン、劣化ウラン及びボロンカーバイドのいずれかとからなることが好ましい。
【0017】
又、本発明は、崩壊熱に対する除熱能を有する高熱伝導性金属製角筒状の除熱構造体からなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体にある。
【0018】
遮蔽構造が鉄又はステンレス鋼の角筒状であること、更に、除熱構造がアルミニウム又は銅製の角筒状であることが好ましい。
【0019】
遮蔽除熱構造手段については、その重量を燃料集合体と同等又はそれよりやや軽いものにすることにより、収納する燃料集合体に代えて収納することができ、燃焼度又は冷却期間に応じて適切にその構成材料、部材構成及び構造を変え配置することが可能で、収納する燃料集合体をより多く収納できる。
【0020】
以上のように、本発明は、収納物である放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体の仕様又は冷却期間が異なる場合においても、同一設計容器のバスケットセルに遮蔽除熱構造手段を挿入し、その挿入体数を調整することで、2種以上の仕様或いは冷却期間を有するにかかわらず同一設計の輸送・貯蔵容器で使用済燃料をほぼ同一温度及び同程度の収納本数で輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことのできる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1〜4は、本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器本体に収納される使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの種々の適用例を示す断面図である。原子力発電所で使用される燃料仕様及び原子カ発電所使用済燃料プールでの冷却期間の相違により、収納される使用済燃料の線源強度、発熱量が異なる。これら異なる仕様の燃料に対して、バスケットセル2に使用済燃料4のかわりに放射線に対して遮蔽能を有する遮蔽除熱構造手段3を収納する。
【0022】
図1に示すように、使用済燃料としての燃料集合体からの放射線は、使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケット1、内筒、中性子遮蔽層、外筒等によって構成される後述する使用済燃料輸送貯蔵兼用容器に収納されて遮蔽される。本実施例は、遮蔽能を持つ部材に加え、除熱能を有する部材を設けられた遮蔽除熱構造手段3をバスケットセル2内の最外周に飛び飛びに配置すると共に、燃料集合体と同等の重量とし、選択的に収納することにより、同一の容器の設計で、2種以上の燃料仕様或いは冷却期間に応じた必要な遮蔽能及び除熱能を与えることができる。遮蔽除熱構造手段3における遮蔽能及び除熱能は燃料仕様或いは冷却期間に応じた両者の材料及び構造によって調整することができる。本実施例においては、後述する遮蔽能を持つ部材及び除熱能を持つ部材とを2種以上の燃料仕様或いは冷却期間に応じて配置するものであるが、除熱能を持つ部材又は遮蔽除熱構造体は4個均等の位置に配置して熱を均等に除熱するようにし、他を全部遮蔽能を持つ部材にする。
【0023】
図2は図1に対して、遮蔽除熱構造手段3を4個増やしたもので、図1に比べて燃焼度が大きい燃料仕様或いは冷却期間が短いものである。遮蔽能を持つ部材及び除熱能を持つ部材の配置は前述と同様である。
【0024】
図3及び図4は、それぞれ図1及び図2に対して燃焼度が大きい燃料仕様或いは冷却期間が短いものに対してバスケット1の中心部に遮蔽除熱構造手段3を5個配置したものである。中心部の遮蔽除熱構造手段3には、除熱能又は遮蔽除熱構造体を有するものが配置され、周辺部には遮蔽能を持つ部材を配置する。本実施例においても、遮蔽除熱構造手段3における遮蔽能及び除熱能を2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に応じて後述する遮蔽能を持つ部材及び除熱能を持つ部材とを適切に配置することにより同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ一定の温度と同等の収納本数で行うことができるものである。
【0025】
(実施例2)
図5〜図13は、種々の構造を有する遮蔽除熱構造手段の断面図である。図5は鉄又はステンレス鋼からなる金属角管5を用いた放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造体、図6はアルミニウム又は銅からなる金属角管6を用いた除熱能を有する除熱構造体、図7はステンレス鋼からなる金属角管5を用いた放射線に対する遮蔽能とその内周にアルミニウム又は銅からなる金属角管6を用いた除熱能が一体に有する遮蔽除熱構造体である。
又、図8〜10はそれぞれ図5〜7に対して鉄又はステンレス鋼からなる金属角管5内、アルミニウム又は銅からなる金属角管6内、又は両者の組合わせの金属管内にコンクリート、レジン、劣化ウラン、ボロンカーバイドなどガンマ線、中性子線の遮蔽材7を充填した放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造体、又は遮蔽除熱能を有する遮蔽除熱構造体である。
図11〜13は、図5〜7に対して鉄又はステンレス鋼からなる金属角管5内、高熱伝導金属であるアルミニウム又は銅からなる金属角管6内、又は両者の組合わせの金属管内にコンクリート、レジン、劣化ウラン、ボロンカーバイドなどガンマ線、中性子線を遮蔽する遮蔽材7を充填すると共に、鉄又はステンレス鋼からなる金属棒8を遮蔽材7中に挿入した放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造体、又は遮蔽除熱能を有する遮蔽除熱構造体である。図示されていないが、図11〜13の遮蔽構造として金属角管5、6を除いた構造で遮蔽材7の中に金属棒8を挿入した構造とすることができる。
【0026】
又、遮蔽除熱構造手段3の重量を燃料集合体と同等以下になるように部材、構成を選定すれば、安全評価上の作業が軽減できる。
放射線線源強度の変化よる内筒の要求遮蔽厚を、遮蔽除熱構造手段の体数に換算するものとして異なる燃料を使用する場合の収納体数を評価する。使用済燃料輸送貯蔵兼用容器に対する同一の寸法、重量の要求条件下で、10年間冷却した使用済燃料(ステップ1)と、7年間冷却した使用済燃料(ステップ2)の場合で比較する。ステップ2燃料用として設計する容器の収納体数とステップ1用に設計した容器に複数体の遮蔽除熱構造手段3を収納する場合、いずれも同等の収納体数が得られる。又、遮蔽除熱構造手段3の収納により容器に対する熱的設計条件の緩和効果も期待できる。
【0027】
異なる仕様の収納物に対しても同一設計の容器が使用できるため、設計、資材調達、製造、検査など容器の製造プロセスは共通化が図ることが可能で、製作コストの低減及び品質安定化が達成できる。さらに収納体数が異なる設計の容器と同等であれば、同一設計容器を用いることの経済的効果はさらにあがる。また、複数の燃料仕様又は冷却期間を有する使用済み燃料を同一の容器で輸送及び貯蔵ができることにより事業者の許可取得手続きが軽減できる。
【0028】
本実施例においては、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で、図に示す種々の遮蔽除熱構造手段の組合わせによって放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ一定の温度と同等の収納本数で行うことができるものである。
【0029】
(実施例3)
図14は、本発明に係る使用済燃料と遮蔽除熱構造手段とを収納した使用済燃料輸送貯蔵兼用容器の斜視図である。使用済燃料4からの放射線は、バスケット30、胴本体21、レジン26による中性子遮蔽層、外筒25等により遮蔽される。本実施例にかかる使用済燃料輸送貯蔵兼用容器100は、胴本体21のキヤビテイ22内面をバスケット30の外周形状に合わせて機械加工したものである。胴本体21及び底板24は、γ線遮蔽能を有する炭素鋼製鍛造品、SUS304ステンレス鋼を用いることもできる。胴本体21と底板24とは溶接により結合される。また、耐圧容器としての密閉性能を確保するため、一次蓋10と胴本体21との間には金属ガスケットが設けられる。
【0030】
胴本体21と外筒25との間には、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽能を有するレジン26が充填されている。また、胴本体21と外筒25との間には熱伝導を行う複数の銅製内部フィンが溶接されており、レジン26は、この空間に流動状態で注入され、冷却固化される。蓋部29は、一次蓋10と二次蓋11を有し、一次蓋10はγ線を遮蔽し、二次蓋11はその上面に中性子遮蔽体としてレジン12が封入されたいずれも円盤形状である。一次蓋10及び二次蓋11は、ボルトによって胴本体21に取り付けられ、いずれもステンレス鋼製又は炭素鋼製が用いられる。一次蓋10及び二次蓋11と胴本体21との間にはそれぞれ金属ガスケットが設けられ、内部の密封性を保持している。蓋部29の周囲にはレジン14を封入した補助遮蔽体15、キヤスク本体16の両側にはキヤスク100を吊り下げるためのトラニオン17が設けられている。
【0031】
本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器では、原子力発電所で使用される燃料仕様及び原子力発電所使用済燃料プールでの冷却期間の相違により、収納される使用済燃料の線源強度、発熱量が異なる。これら異なる仕様に対して、その使用に応じてバスケットセル2内に使用済燃料4と実施例2に記載の燃料集合体と同等以下の重量を有する種々の遮蔽除熱構造手段3における組合わせとを収納することにより、同一の容器の設計で、2種以上の燃料仕様或いは冷却期間に応じた必要な遮蔽除熱能を得ることができる。
【0032】
本発明によれば、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを同等の収納本数で行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、2種以上の燃料仕様を有する放射性物質又は使用済燃料、或いは冷却期間が異なる放射性物質又は使用済燃料に対して同一の容器で放射性物質又は使用済燃料を輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかをほぼ同一の温度及び同等の収納本数で行うことができる輸送・貯蔵方法及び輸送・貯蔵容器用構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図2】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図3】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図4】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケットの断面図。
【図5】本発明の遮蔽構造体の断面図。
【図6】本発明の除熱構造体の断面図。
【図7】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図8】本発明の遮蔽構造体の断面図。
【図9】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図10】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図11】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図12】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図13】本発明の遮蔽除熱構造体の断面図。
【図14】本発明の使用済燃料輸送貯蔵兼用容器の断面図。
【符号の説明】
1、30…使用済燃料輸送貯蔵兼用容器バスケット、2、31…バスケッツトセル、3…遮蔽除熱構造手段、4…使用済燃料、5…遮蔽構造体、6…除熱構造体、7…遮蔽材、8…金属棒、10…一次蓋、11…二次蓋、12、14、26…レジン、15…補助遮蔽体、16…キヤスク本体、17…トラニオン、21…胴本体、24…底板、25…外筒、29…蓋部、100…使用済燃料輸送貯蔵兼用容器。
Claims (15)
- 中空状の容器本体の内部にバスケットが設けられ、該バスケットの内部が仕切り部材によって形成された格子状の空間に放射性物質又は使用済燃料を有する燃料構造体と、放射線に対する遮蔽能を有する構造及び崩壊熱に対する除熱能を有する構造を備えた遮蔽除熱構造手段とを収納すると共に、輸送、貯蔵及び輸送貯蔵のいずれかを行うことを特徴とする輸送・貯蔵方法。
- 請求項1において、前記遮蔽除熱構造手段は、放射線に対する遮蔽構造体と崩壊熱に対する除熱構造体との組合わせ、放射線に対する遮蔽能を有する構造及び崩壊熱に対する除熱能を有する構造とを備えた遮蔽除熱構造体、又は前記遮蔽構造体及び除熱構造体の一方と遮蔽除熱構造体との組合わせのいずれかからなることを特徴とする輸送・貯蔵方法。
- 請求項1又は2において、前記燃料構造体の燃焼度又は冷却期間に応じて異なる前記遮蔽除熱構造手段を配置することを特徴とする輸送・貯蔵方法。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記燃料構造体の燃焼度が大きいか又は冷却期間が短い場合の前記遮蔽除熱構造手段は、前記燃料構造体の燃焼度が小さいか又は冷却期間が長い場合に対する前記遮蔽除熱構造手段の遮蔽能及び除熱能の少なくとも一方より高い性能を有する前記遮蔽除熱構造手段を配置することを特徴とする輸送・貯蔵方法。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記遮蔽除熱構造手段を前記燃料構造体の外周側、又は該外周側と中央部とに規則的に配置することを特徴とする輸送・貯蔵方法。
- 放射線に対する遮蔽能を有する遮蔽構造と、崩壊熱に対する除熱能を有する除熱構造とを備えた角筒状の遮蔽除熱構造体からなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項6において、前記遮蔽構造は角筒状で、その内周に角筒状の除熱部材が形成されていることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項7において、前記角筒状の除熱部材の内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項6において、前記遮蔽構造は、遮蔽体として使用される鉄系金属からなる角筒状で、その内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項6において、前記除熱構造は、高熱伝導性金属からなる角筒状で、その内部に前記遮蔽能を有する遮蔽材が充填されていることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項8〜10のいずれかにおいて、前記遮蔽材が、遮蔽体として使用されるコンクリート、レジン、劣化ウラン及びボロンカーバイドのいずれかよりなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項8〜10のいずれかにおいて、前記遮蔽材が、金属棒と、コンクリート、レジン、劣化ウラン及びボロンカーバイドのいずれかとからなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項6〜12のいずれかにおいて、前記遮蔽構造は、鉄又はステンレス鋼の角筒状であることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 崩壊熱に対する除熱能を有する高熱伝導性金属製角筒状の除熱構造体からなることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
- 請求項6〜14のいずれかにおいて、前記除熱構造は、アルミニウム又は銅製の角筒状であることを特徴とする輸送・貯蔵容器用構造体。
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JP2012112834A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toshiba Corp | 燃料集合体収納方法および燃料集合体収納体 |
JP2018054558A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 三菱重工業株式会社 | 使用済燃料集合体の収納方法及び収納容器 |
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2003
- 2003-06-18 JP JP2003173036A patent/JP2005009960A/ja active Pending
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