JP2003315488A - 使用済核燃料収納容器 - Google Patents

使用済核燃料収納容器

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JP2003315488A
JP2003315488A JP2002125129A JP2002125129A JP2003315488A JP 2003315488 A JP2003315488 A JP 2003315488A JP 2002125129 A JP2002125129 A JP 2002125129A JP 2002125129 A JP2002125129 A JP 2002125129A JP 2003315488 A JP2003315488 A JP 2003315488A
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spent nuclear
container
basket
cylindrical container
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Naoki Kumagai
直己 熊谷
Masashi Oda
将史 小田
Hitoshi Shimizu
清水  仁
Takashi Nishi
高志 西
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済燃料収納容器の除熱性能を向上させると
ともに、内部に水が充填された場合での容器の総重量を
低減させる。 【解決手段】使用済核燃料収納容器1は複数の格子にそ
れぞれ使用済核燃料集合体6を収納するバスケット5が
円筒容器2内に設けられている。バスケット5と円筒容
器2の内面の間に形成される複数の核燃料非収納領域に
密閉中空熱伝導体(中空構造体)7を配設する。使用済
核燃料集合体6の発生熱はバスケット5と核燃料非収納
領域を介して円筒容器2に伝熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所から
発生する使用済核燃料の輸送用または輸送貯蔵兼用とし
て用いられる使用済核燃料収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済核燃料
集合体(以後、燃料集合体と称することもある)は、ウ
ラン及びプルトニウム等の再使用可能な核燃料物質を回
収するために再処理される。このときに発生する高レベ
ル放射性廃棄物はガラス固化される。固化された放射性
廃棄物ガラス固化体は崩壊熱が発生するため、発熱量が
小さくなり処分が可能になるまでの間冷却しながら貯蔵
する必要がある。
【0003】また、使用済核燃料集合体は、再処理され
るまで原子力発電所内の貯蔵プールに保管される。とこ
ろが、年々増大する使用済核燃料集合体に原子力発電所
内の貯蔵プールが容量不足となり、長期間貯蔵可能な新
たな貯蔵施設の建設が望まれている。
【0004】貯蔵施設の貯蔵方式には、コスト及び長期
に亘る安定性から、金属キャスク貯蔵、ボールト貯蔵、
コンクリートキャスク貯蔵、サイロ貯蔵等の乾式貯蔵方
式がある。乾式貯蔵方式のうち、金属キャスク方式は、
使用済核燃料から発生する放射線に対する遮へい能力を
有する容器である金属キャスクに使用済核燃料を収納し
貯蔵する方式である。
【0005】金属キャスクは、主に金属製の内筒、レジ
ンからなる中性子遮へい体層、さらに金属製の外筒の3
層からなる円筒状の容器である。内筒は使用済核燃料か
らのガンマ線を遮へいできるような厚さに構成されてい
る。また、中性子遮へい体層も使用済核燃料からの中性
子線を遮へいできるような厚さに構成されている。
【0006】内筒の内側には、中性子吸収材を含む金属
より構成されるバスケットが備えられ、このバスケット
内に使用済核燃料を収納(装着)する。バスケットは、
金属板を格子状に組んだものや、角管を並置したものが
ある。バスケットは、使用済核燃料の臨界を防止する役
割とともに、使用済核燃料より発生する崩壊熱をバスケ
ットの外側に伝える役割がある。このため、バスケット
の材料には、ボロン含有ステンレス綱の他に、熱伝導率
の大きいボロン含有アルミニウム合金が使われる。
【0007】空の金属キャスクに使用済核燃料を収納す
るには、まず、使用済核燃料貯蔵プールに設けられたキ
ャスクピットに運ばれ、そこで、水中にて使用済核燃料
を収納し、一次蓋をした後に引き上げられる。引き上げ
られた後、金属キャスク内部の水が排出され、真空乾燥
の後、内部にヘリウムガス等の不活性ガスが充填され
る。その後、二次蓋が取り付けられ、トレーラ等の輸送
車に積載されて貯蔵建屋に輸送される。
【0008】金属キャスクの容器は一般的に円筒形状で
あるが、使用済核燃料は角柱形状であるため、バスケッ
トと内筒の内周面との間には使用済核燃料の収納に利用
することのできない隙間が生じる。この隙間のことを本
明細書では核燃料非収納領域と称する。この核燃料非収
納領域のため、使用済核燃料より発生する崩壊熱が内筒
に伝熱されにくくなり、その結果、使用済核燃料の温度
が上昇する虞がある。
【0009】このことを解決するために、核燃料非収納
領域(隙間)に放熱部材を設けて崩壊熱を内筒に伝え易
くする金属キャスクが提案されている。例えば、特開2
002−22889号公報には、バスケットと内筒の隙
間(核燃料非収納領域)に放熱部材を分割して挿入し、
バスケットから内筒へ熱を伝わり易くした金属キャスク
が記載されている。また、特開2001−201589
号公報には、内筒の内周面をバスケットの外側面形状に
合わせて加工することによりバスケットと内筒の隙間を
なくし、バスケットから内筒への伝熱性能を向上させた
金属キャスクが記載されている。
【0010】乾式貯蔵方式のうち、ボールト貯蔵、コン
クリートキャスク貯蔵、サイロ貯蔵等、金属キャスク以
外の方式では、使用済核燃料はキャニスタと称される薄
肉金属製の円筒状容器に密封収納されて、キャニスタご
とコンクリート製の建屋や容器内に保管される。
【0011】キャニスタへの使用済核燃料の収納は、使
用済燃料貯蔵プール内にて行う方法と、貯蔵施設に設け
られたホットセルにて行う方法がある。
【0012】前者は、キャニスタをキャニスタ輸送用キ
ャスクに収納した状態で使用済燃料貯蔵プールに沈め、
水中にて使用済核燃料を収納しキャニスタ輸送キャスク
ごと引き上げた後、キャニスタ内の排水、真空乾燥、キ
ャニスタ内への不活性ガスの充填、蓋締めを行い、その
まま貯蔵建屋に輸送される。貯蔵建屋では、キャニスタ
輸送用キャスクよりキャニスタを取り出し所定の位置に
載置する。
【0013】また、後者は、使用済核燃料は輸送用金属
キャスクにて貯蔵建屋に運ばれ、貯蔵建屋内に設けられ
たホットセルにて、輸送用キャスクからキャニスタに移
し替えられ、所定の位置に載置される。
【0014】キャニスタの内部には金属キャスクと同様
のバスケットが備えられている。キャニスタは一般的に
円筒形状であるため、金属キャスクと同様に、バスケッ
トの周囲とキャニスタ内面の間に隙間が生じ、バスケッ
トからキャニスタへの伝熱性能が悪化する。バスケット
からキャニスタ(内筒)への伝熱性能は、上述したよう
にバスケットとキャニスタの隙間に伝熱部材を設けるこ
とで向上させることができる。
【0015】一方、金属キャスクやキャニスタ等の使用
済核燃料収納容器への使用済核燃料の収納体数は、主に
使用済核燃料から発生する崩壊熱の除熱性能や、ガンマ
線および中性子線の遮へい性能に依存するが、その他
に、原子力発電所内で使用済核燃料を収納する場合には
発電所内のクレーン容量による重量制限も大きく影響す
る。
【0016】使用済核燃料の発熱量や放射線量にもよる
が、従来の金属キャスクの場合、使用済核燃料の収納体
数が68体ないし69体で、重量的にほぼ限界となって
いる。発電所内のクレーン容量によって重量制限が決め
られている場合、金属キャスクやキャニスタ等の使用済
核燃料収納容器が最も重くなる状態は、使用済燃料貯蔵
プール内で使用済核燃料を収納した後、容器内の空間に
水を蓄えたままプール外に吊り上げた状態である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の金属キャス
クでは、伝熱性能の改善を図ることは可能であるが、伝
熱部材を追加したり、内筒容器の内周面をバスケットの
外側面形状に合わせた形状にしているので円筒内筒の肉
厚が大きくなることによって重量が大幅に増加する。こ
のため、クレーン容量の重量制限を満たすためには使用
済核燃料の収納体数を減少させなければならなくなる。
【0018】このように、バスケットと円筒容器の間の
伝熱性能を向上させると重量が大幅に増加し使用済核燃
料の収納体数を減少させなければならず、使用済核燃料
収納容器としての機能を著しく低下せざるを得ないとい
う問題点を有する。
【0019】このため、バスケットと円筒容器の間の伝
熱性能を向上させると共に円筒容器が最も重くなる状態
における重量を低減できる使用済核燃料収納容器の開発
が強く要望されている。
【0020】本発明は上記点に対処してなされたもの
で、その目的とするところは、バスケットと円筒容器の
間の伝熱性能向上と、円筒容器が最も重くなる状態にお
ける重量低減とを両立させることのできる使用済核燃料
収納容器を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の特徴とするところは、複数の格子にそれぞれ使用
済核燃料集合体を収納するバスケットが円筒容器内に設
けられている使用済核燃料収納容器において、バスケッ
トと円筒容器の内面の間に形成される複数の核燃料非収
納領域に密閉中空熱伝導体を配設したことにある。
【0022】換言すると、本発明による密閉中空熱伝導
体は、核燃料非収納領域に配設し円筒容器に水を満たし
た状態、つまり円筒容器が最も重くなる状態における総
重量が核燃料非収納領域に配設せずに円筒容器に水を満
たした状態における総重量より軽量になるように構成さ
れる。
【0023】本発明は、バスケットと円筒容器の内面の
間に形成される複数の核燃料非収納領域に密閉中空熱伝
導体を配設しているので、密閉中空熱伝導体によるバス
ケットと円筒容器の内面の伝熱性能を向上させることが
できるともに、使用済核燃料を収納して使用済燃料貯蔵
プールより引き上げる時に円筒容器に入る水量を減少さ
せて容器が最も重くなる状態での重量を低減できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜3に本発明の一実施例を示
す。本実施例は本発明を金属キャスクに適用した例であ
り、図1は金属キャスクの横断面図、図2は本発明の密
閉中空熱伝導体の一例構成の斜視図、図3は金属キャス
クの縦断面図である。
【0025】図1〜3において、使用済核燃料収納容器
は金属キャスク1であり、金属キャスク1は円筒形状を
した炭素鋼製の円筒(内筒容器)2と外筒3、そして内
筒2と外筒3の間に充填されている中性子遮へい体4か
ら構成されている。また、内筒2の外周面と外筒3の間
には矩形状の複数の伝熱フィン9が設けられている。
【0026】使用済核燃料6より発生するガンマ線は主
に内筒2によって遮へいされ、また、中性子線は主に中
性子遮へい体4によって遮へいされる。このため、内筒
2および中性子遮へい体4の厚さは、主に必要な遮へい
能力を持つように決められる。
【0027】内筒2の内側には中性子吸収剤を添加した
金属板により複数の格子を形成するバスケット5が設け
られている。使用済核燃料6はバスケット5の格子の中
にそれぞれ1体づつ収納されている。
【0028】バスケット5の周囲と円筒容器2の内周面
の間に形成される核燃料非収納領域には使用済核燃料6
の発生熱を円筒容器2に伝熱する中空構造物である密閉
中空熱伝導体7が配設されている。密閉中空熱伝導体7
は例えば、密閉中空角管や密閉円筒が用いられ、円筒容
器2の軸方向(上下方向)に沿って配設されている。
【0029】密閉中空熱伝導体7はバスケット5と同等
あるいは同等以上の熱伝導率を有する金属で構成されて
いる。図1では密閉中空熱伝導体7の断面形状が配設さ
れる核燃料非収納領域の断面形状と相似形にしている。
密閉中空熱伝導体7はバスケット5と円筒容器2の内周
面に接触するように配設するのが望ましい。
【0030】円筒容器2の上端には図3に示すように一
次蓋11が取り付けられ、一次蓋11の上にさらに二次
蓋12が取り付けられる。また、円筒容器2の外周面に
は、クレーン吊り用のトラニオン13が複数個取り付け
られている。
【0031】金属キャスク1は輸送・貯蔵兼用キャスク
であり、原子力発電所内で金属キャスク1内に使用済核
燃料6を収納した後、トレーラ、輸送船等により貯蔵設
備まで輸送し、そのまま貯蔵設備内で長期間保管され
る。
【0032】原子力発電所では、使用済燃料貯蔵プール
内に設けられたキャスクピットに空の金属キャスク1を
運搬して載置し、水中にて使用済核燃料6を収納する。
水中にて使用済核燃料6を収納し終わったら一次蓋11
をして図示しないクレーンを用いて中に水が入ったまま
の状態で金属キャスク1をプールの外に引き上げる。
【0033】この時、金属キャスク1内の空間、つまり
円筒容器2の内部に水が満載されるため、金属キャスク
1全体の重量は、輸送時および貯蔵時を通じて最大とな
る。このように水が満載されている状態での金属キャス
ク1の重量を軽減するため、バスケット5の周囲と内筒
2の内周面で形成される空間、つまり核燃料非収納領域
に内部が密閉空間になっている金属製の中空構造物であ
る密閉中空熱伝導体7を配設している。
【0034】図2に密閉中空熱伝導体7の一例構成を示
す。密閉中空熱伝導体7は、厚さ数mmの金属でできた箱
状のもので、中の空洞は水が入らないように密閉されて
いる。密閉中空熱伝導体7の平面形状(横断面形状)
は、配設されるバスケット5の外周と内筒容器2の内周
面からなる空間(核燃料非収納領域)の平面形状(横断
面形状)に合わせて構成されている。
【0035】密閉中空熱伝導体7の材質は、熱伝導率、
密度、強度の観点から、アルミニウム合金が最適である
が、ステンレス綱や炭素綱、銅合金でも伝熱性能向上と
重量削減を図ることができる。
【0036】密閉中空熱伝導体7の中空内圧力は、破損
を避けるために周囲と圧力が等しくなることが望まし
く、また、長期間の貯蔵に耐えるために、中に封入する
気体は、反応性の低いものであることが望まれる。密閉
中空熱伝導体7の中空部には、例えば、ヘリウムや窒
素、ネオン、アルゴン等の不活性ガスを封入しておくこ
とが望ましく、また、水分が存在しないので空気を封入
することもできる。
【0037】伝導体7の封入圧力は、使用済核燃料が収
納されると温度が上昇するので、それによる圧力上昇を
考慮して、常温では1気圧よりも少ない圧力で封入され
る。
【0038】このように本発明の使用済核燃料収納容器
である金属キャスク1は、バスケット5と円筒容器2の
内周面の間に形成される複数の核燃料非収納領域に密閉
中空熱伝導体7を配設している。密閉中空熱伝導体7を
配設したことによってバスケット5と円筒容器2の内周
面の伝熱性能が向上することについて説明する。
【0039】一般に、熱は媒体の熱伝導率と熱流に垂直
な伝熱面積との積が大きいほど良く伝わる。バスケット
5と円筒容器2の間の燃料体非収納領域に熱伝導体7を
設置しない場合、この燃料体非収納領域の伝熱面積は大
きいが熱伝導率が非常に小さくなる。
【0040】使用済核燃料6から発生する熱は、燃料体
非収納領域に隣接する伝熱面積の小さいバスケット5に
集中して流れる。このため、燃料体非収納領域が円筒容
器2への伝熱性能を悪化させている要因の1つとなって
いる。燃料体非収納領域に熱伝導体7を配設し、燃料体
非収納領域全体の熱伝導率を増加させることにより、バ
スケット5に集中している熱流の一部が燃料体非収納領
域を流れるようになる。
【0041】それにより燃料体非収納領域とバスケット
5を合わせた伝熱性能を向上させることができる。たと
え熱伝導体がバスケットや内筒に接触していない場合で
も、燃料体非収納領域全体の熱伝導率が増加するため、
伝熱性能向上の効果を得ることができる。
【0042】燃料体非収納領域の伝熱性能向上とは、す
なわち燃料体非収納領域の円筒容器2の中心側と外側の
温度差が小さくなることである。本発明の密閉中空熱伝
導体7よりも上述した従来技術のような空間のない構造
物の方が伝熱面積大となり燃料体非収納領域の円筒容器
2の中心側と外側の温度差が小さくなり、伝熱性能に対
する効果は大きい。
【0043】しかしながら、熱流量が同じ場合、温度差
は伝熱面積と反比例の関係にあるため、伝熱面積が十分
大きくなると、それ以上伝熱面積が増加しても燃料体非
収納領域の円筒容器2の中心側と外側の温度差はそれほ
ど低下せず、伝熱性能が向上しなくなる。したがって、
本発明のように燃料体非収納領域に密閉中空熱伝導体7
を配設することによって実用上満足できるバスケット5
と円筒容器2の内周面の伝熱性能を得ることができる。
【0044】次に、使用済核燃料収納容器が最も重くな
る状態における重量を低減できることについて説明す
る。
【0045】BWRの燃料集合体が69体入る使用済核
燃料収納容器の例では、容器内に水が満たされたとき、
厚さ3mmの密閉中空熱伝導体7を設けると、熱伝導体
7を配設しない場合に比べて約1トンの重量を低減でき
る。一方、従来技術のように中空部のない構造物である
熱伝導体を設けると、熱伝導体が比較的軽い金属である
アルミニウム合金であっても、約2トンの重量増加とな
る。
【0046】このように燃料体非収納領域に密閉中空熱
伝導体7を配設することによって使用済核燃料収納容器
が最も重くなる状態における重量を低減することができ
る。
【0047】以上のように、バスケット5と円筒容器2
の内周面の間に形成される複数の核燃料非収納領域に密
閉中空熱伝導体7を配設しているので、密閉中空熱伝導
体7によるバスケット5と円筒容器2の内周面の伝熱性
能を向上させることができるともに、使用済核燃料6を
収納して使用済燃料貯蔵プールより引き上げる時に円筒
容器に入る水量を減少させて容器が最も重くなる状態で
の重量を低減できる。
【0048】したがって、バスケットと円筒容器の間の
伝熱性能向上と、円筒容器が最も重くなる状態における
重量低減とを両立させることのできる。
【0049】なお、密閉中空熱伝導体7は、固定をせず
に核燃料非収納領域の空間に嵌め込んでおくだけでもよ
いが、伝熱性能の点では、伝導体7をバスケット5や内
筒容器2に接着させるのが望ましい。このため、キャス
ク1の製作時に、密閉中空熱伝導体7をボルトか溶接に
よりバスケット5または内筒容器2のどちらかに固定
し、その後、バスケット5と内筒2を合体させることも
できる。
【0050】図4に本発明の他の実施例を示す。図4の
実施例が図3に示す実施例と異なるところは、密閉中空
熱伝導体7が円筒容器2の軸方向に沿って複数個に分割
されていることである。
【0051】図4の実施例においても、バスケット5と
円筒容器2の間の伝熱性能向上と、円筒容器2が最も重
くなる状態における重量低減とを両立させることのでき
る。また、密閉中空熱伝導体7の製作が簡単に行えると
ともに取扱いを容易に行える。
【0052】図5に本発明の他の実施例を示す。図5は
内筒容器2の内面が円形状でなく六角形の場合である。
このように、本発明はバスケット5の周囲と内筒2の内
面の間に大きな空間が形成されていれば適用可能であ
る。
【0053】図6に本発明の他の実施例を示す。図6は
本発明をボールト方式やコンクリートキャスク方式で収
納容器として用いられるキャニスタに適用した場合の例
である。
【0054】図6はキャニスタ8がキャニスタ輸送キャ
スク10に入った状態での横断面図である。図6におい
て、密閉中空熱伝導体7は、バスケット5の外周とキャ
ニスタ8の内側に形成された空間である核燃料非収納領
域に配設されている。
【0055】キャニスタ8は金属製の薄肉容器で、キャ
ニスタ容器自身には金属キャスクのような遮へい能力を
有していない。そのため、ボールト方式やコンクリート
キャスク方式では、キャニスタ8をコンクリートの構造
物で覆うことで遮へいを行っている。
【0056】キャニスタ8の中については、金属キャス
クと同様に、金属板や金属の角管によって構成されるバ
スケット5が設けられている。使用済核燃料6はバスケ
ット5が形成する格子に収納される。キャニスタ8も基
本的に円筒状の容器であるため、バスケット5の外周と
キャニスタ8の内面の間には、使用済核燃料6の収納に
用いることのできない空間である核燃料非収納領域が存
在する。
【0057】キャニスタ8に使用済核燃料6を収納する
方法には、大きく2つの方法がある。1つは、貯蔵設備
に付帯して設けられた燃料詰め替え設備にて、原子力発
電所から輸送用金属キャスクにて運ばれてきた使用済核
燃料6をキャニスタ8に詰め替える方法である。この場
合、詰め替え作業は気中で行われるため、キャニスタ8
の中に水が入り込むことはなく、また、キャニスタ8自
身の重さは、原子力発電所のクレーンの能力によって制
限を受けることはない。
【0058】他の方法は、原子力発電所内の使用済燃料
貯蔵プール内でキャニスタ8に使用済核燃料6を収納、
密封し、キャニスタ輸送用キャスク10を用いて貯蔵設
備に運んで、そこでキャニスタ8を取り出して貯蔵する
方法である。この場合、貯蔵設備には使用済核燃料を詰
め替える設備は必要がない。しかし、使用済燃料貯蔵プ
ールから引き上げる時に、キャニスタ8の中に水が入る
ため、金属キャスクと同様に重量制限を受けることにな
る。
【0059】本発明のようにキャニスタ8に密閉中空熱
伝導体7を設けることによって、バスケット5とキャニ
スタ8の間の伝熱性能向上と、キャニスタ8が最も重く
なる状態における重量低減とを両立させることのでき
る。
【0060】図7に本発明の他の実施例を示す。図7の
実施例が図1に示す実施例と異なるところは、複数の核
燃料非収納領域のうち予め定めた核燃料非収納領域に密
閉中空熱伝導体7を配設していることである。
【0061】図7の実施例においても、バスケット5と
円筒容器2の間の伝熱性能向上と、円筒容器2が最も重
くなる状態における重量低減とを両立させることのでき
る。また、密閉中空熱伝導体7の数量を少なくできるの
でコスト低減を図ることができる。
【0062】図8に本発明の他の実施例を示す。図8の
実施例が図1に示す実施例と異なるところは、密閉中空
熱伝導体7の断面形状が配設される核燃料非収納領域の
断面形状と相似形でないことである。図8では4個所の
核燃料非収納領域に断面円形状の密閉中空熱伝導体7を
配設している例を示している。
【0063】図8の実施例においても、バスケット5と
円筒容器2の間の伝熱性能向上と、円筒容器2が最も重
くなる状態における重量低減とを両立させることのでき
る。また、密閉中空熱伝導体7の断面形状による種類の
数を少なくできる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、密閉中空熱伝導体によ
るバスケットと円筒容器の内面の伝熱性能を向上させる
ことができるともに、使用済核燃料を収納して使用済燃
料貯蔵プールより引き上げる時に円筒容器に入る水量を
減少させて容器が最も重くなる状態での重量を低減でき
る。したがって、バスケットと円筒容器の間の伝熱性能
向上と、円筒容器が最も重くなる状態における重量低減
とを両立させることのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す横断面図である。
【図2】 本発明の密閉中空熱伝導体の一例構成を示す
斜視図である。
【図3】 本発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図4】 本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の他の実施例を示す横断面図である。
【図6】 本発明の他の実施例を示す横断面図である。
【図7】 本発明の他の実施例を示す横断面図である。
【図8】 本発明の他の実施例を示す横断面図である。
【符号の説明】
1…金属キャスク、2…内筒(円筒容器)、3…外筒、
4…中性子遮へい体、5…バスケット、6…使用済核燃
料、7…密閉中空熱伝導体(中空構造物)、8…キャニ
スタ、9…伝熱フィン、10…キャニスタ輸送キャス
ク、11…一次蓋、12…二次蓋、13…トラニオン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 仁 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 西 高志 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の格子にそれぞれ使用済核燃料集合体
    を収納するバスケットが円筒容器内に設けられている使
    用済核燃料収納容器において、前記バスケットと前記円
    筒容器の内面の間に形成される複数の核燃料非収納領域
    に密閉中空熱伝導体を配設したことを特徴とする使用済
    核燃料収納容器。
  2. 【請求項2】複数の格子にそれぞれ使用済核燃料集合体
    を収納するバスケットが円筒容器内に設けられている使
    用済核燃料収納容器において、前記バスケットの周囲と
    前記円筒容器の内面の間に形成される複数の核燃料非収
    納領域に、前記使用済核燃料集合体の発生熱を前記円筒
    容器に伝熱する密閉中空熱伝導体を配設したことを特徴
    とする使用済核燃料収納容器。
  3. 【請求項3】板材あるいは複数の角管により形成される
    複数の格子にそれぞれ使用済核燃料集合体を収納するバ
    スケットが円筒容器内に設けられている使用済核燃料収
    納容器において、前記バスケットの周囲と前記円筒容器
    の内面の間に形成される複数の核燃料非収納領域に、前
    記使用済核燃料集合体の発生熱を前記円筒容器に伝熱す
    る金属製の密閉中空熱伝導体が前記円筒容器の軸方向に
    沿って配設されていることを特徴とする使用済核燃料収
    納容器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項において、前
    記密閉中空熱伝導体は前記円筒容器の軸方向に沿って複
    数個に分割されていることを特徴とする使用済核燃料収
    納容器。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項において、前
    記密閉中空熱伝導体は前記バスケットと前記円筒容器の
    内面に接触していることを特徴とする使用済核燃料収納
    容器。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項において、前
    記密閉中空熱伝導体は予め定めた前記核燃料非収納領域
    に配設することを特徴とする使用済核燃料収納容器。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項において、前
    記密閉中空熱伝導体はその断面形状が配設される前記核
    燃料非収納領域の断面形状と相似形であることを特徴と
    する使用済核燃料収納容器。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項において、前
    記密閉中空熱伝導体は密閉中空角管あるいは密閉中空円
    筒であることを特徴とする使用済核燃料収納容器。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項において、前
    記密閉中空熱伝導体は内部に気体が封入されていること
    を特徴とする使用済核燃料収納容器。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記密閉中空熱伝導
    体の内部に封入される気体はその圧力が常温において1
    気圧以下であることを特徴とする使用済核燃料収納容
    器。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項におい
    て、前記密閉中空熱伝導体は、前記核燃料非収納領域に
    配設し、前記円筒容器に水を満たした状態における総重
    量が前記核燃料非収納領域に配設せずに前記円筒容器に
    水を満たした状態における総重量より軽量になるように
    構成されていることを特徴とする使用済核燃料収納容
    器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085811A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Kobe Steel Ltd 放射性廃棄物の処分方法、及び、放射性廃棄物の処分用容器構造
JP2015513101A (ja) * 2012-03-28 2015-04-30 コミサリア ア レネルジィ アトミーク エ オ ゼネ ルジイ アルテアナティーフCommissariata L’Energie Atomique Et Aux Energies Alternatives 2つの固体間の熱抵抗を減じるための方法および可動式装置
KR102626866B1 (ko) * 2023-04-19 2024-01-18 한국원자력환경공단 열전소자를 적용하여 붕괴열을 회수하는 사용후핵연료 처분 용기

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