JP2015003850A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の窒素原子密度を有しつつ、積層欠陥の少ない結晶性に優れた炭化珪素単結晶基板を取り出すことが可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。【解決手段】昇華再結晶法において、外部から窒素ガスを供給せずに炭化珪素単結晶を成長させる事前成長試験を行い、坩堝内に予め存在する窒素分に由来して成長結晶中に取り込まれる基礎密度D0を成長結晶の高さとの関係で求めておき、炭化珪素単結晶中の窒素量を5?1018〜2.5?1019(/cm3)の設定密度D1となるように、基礎密度D0との差分に相当する窒素ガスを結晶成長中に外部から供給する炭化珪素単結晶の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、積層欠陥が少なく、結晶品質の高い炭化珪素単結晶を製造する方法に関するものである。本発明により得られた炭化珪素単結晶から加工及び研磨工程を経て製造される炭化珪素単結晶ウェハは、主として各種の半導体電子デバイス、あるいはそれらの基板として用いられる。
炭化珪素(SiC)は2.2〜3.3eVの広い禁制帯幅を有するワイドバンドギャップ半導体である。従来、SiCは、その優れた物理的、化学的特性から耐環境性半導体材料としての研究開発が行われてきたが、近年は青色から紫外にかけての短波長光デバイス、高周波電子デバイス、高耐圧・高出力電子デバイス向けの材料としてSiCが注目されており、活発に研究開発が行われている。しかし、これまで、SiCは良質な大口径単結晶の製造が難しいとされてきており、それがSiCデバイスの実用化を妨げてきた。
従来、研究室程度の規模では、例えば、昇華再結晶法(レーリー法)で半導体素子の作製が可能なサイズのSiC単結晶を得ていた。しかしながら、この方法では得られる単結晶の面積が小さく、その寸法、形状、さらには結晶多形(ポリタイプ)や不純物キャリア濃度の制御も容易ではない。一方、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、CVD)を用いて珪素(Si)等の異種基板上にヘテロエピタキシャル成長させることにより、立方晶のSiC単結晶を成長させることも行われている。この方法では大面積の単結晶は得られるが、SiCとSiの格子不整合が約20%もあることなどにより、多くの欠陥(〜107/cm2)を含むSiC単結晶しか成長させることができず、高品質のSiC単結晶は得られていない。これらの問題点を解決するために、SiC単結晶ウェハを種結晶として用いて昇華再結晶を行う改良型のレーリー法が提案されている(特許文献1参照)。この改良レーリー法を用いれば、SiC単結晶のポリタイプ(6H型、4H型、15R型等)及び形状、キャリア型及び濃度を制御しながらSiC単結晶を成長させることができる。
現在、改良レーリー法で作製したSiC単結晶から、口径51mm(2インチ)から100mmのSiC単結晶ウェハが切り出され、電力エレクトロニクス分野のデバイス作製等に供されている。SiCには200種類以上のポリタイプがあるが、物性値及び結晶成長の安定性から、4Hポリタイプが電子デバイス用途として使用されることが多い。また、SiC単結晶中には、マイクロパイプと呼ばれる成長方向に貫通した中空ホール状欠陥、転位欠陥、積層欠陥等の結晶欠陥が存在している。これらの結晶欠陥はデバイス性能を低下させるために、これらの結晶欠陥の低減がSiCデバイス応用上の重要課題とされている。
このうち、昇華再結晶法によって作製されたSiC単結晶中の積層欠陥について、例えば、Sicheらは4Hポリタイプ中に15Rと6Hタイプの積層欠陥が発生することを報告している(非特許文献1参照)。また、Nakabayashiらは4Hポリタイプ中に6Hタイプの積層欠陥が存在することを報告している(非特許文献2参照)。他にも、3Cタイプ、8Hタイプの積層欠陥が知られており、これらは、特に窒素原子数密度が1×1020(/cm3)程度の窒素ハイドープ基板を1000〜1100℃でアニールした際に発生することが分かっている(非特許文献3参照)。逆に、積層欠陥は、窒素アンドープ結晶中には殆ど発生しないことが報告されている(非特許文献4参照)。
ちなみに、現在、市販されているSiC単結晶基板の抵抗率は、一般に0.012〜0.030(Ω/cm)であり、抵抗率と窒素原子数密度との関係からすると、上記のような抵抗率を有するSiC単結晶を得るにあたって必要な窒素原子数密度は5×1018〜1.1×1019(/cm3)程度である(非特許文献5参照)。
特開平9-157091号公報
D. Siche, et al., Materials Science and Forum, vols. 483-485 (2005), pp.39-42 M. Nakabayashi, et al., Materials Science and Forum, vols. 645-648 (2010), pp9-12 Thomas A. Kuhr, et al., Journal of Applied Physics, vols. 92, (2002), pp.5863-5871 Tomohisa. Kato, et al., Materials Science and Forum, vols. 556-557(2007), pp.239-242 R. C. Glass, et al., Phys. Stat. Sol. (b), 202, (1997), pp.149-162
SiC単結晶中の積層欠陥は、デバイスの耐圧低下や電流リークパス等の原因となるため、高性能デバイスの作製には積層欠陥の低減化が必要である。上述した非特許文献4に記載されるように、窒素をアンドープにすることで積層欠陥は抑制されるが、窒素はSiC単結晶基板の抵抗率制御のために供給する必要があり、電子デバイス向けには抵抗率が0.030(Ω/cm)以下となるように、窒素原子数密度が5×1018(/cm3)以上の基板が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所定の窒素原子数密度を有しながらも積層欠陥が少なくて結晶品質が高く、抵抗率が制御されたSiC単結晶を製造することができる方法を提供するものである。
すなわち、本発明は以下の構成より成るものである。
(1) 原料粉末と種結晶とが収容された坩堝に窒素ガスを供給して、設定密度D1の窒素原子数密度を有した炭化珪素単結晶を昇華再結晶法により成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
外部から窒素ガスを供給せずに炭化珪素単結晶を成長させる第1の事前成長試験を行い、坩堝内に予め存在する窒素分に由来して成長結晶中に取り込まれる基礎密度D0を成長結晶の高さとの関係で求めておき、
炭化珪素単結晶の窒素原子数密度が5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満の設定密度D1となるように、基礎密度D0との差分に相当する窒素ガスを結晶成長中に外部から供給することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
(2) 原料粉末と種結晶とが収容された坩堝に窒素ガスを供給して、設定密度D1の窒素原子数密度を有した炭化珪素単結晶を昇華再結晶法により成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
一定量の窒素ガスを外部から供給しながら坩堝内に予め存在して成長結晶中に取り込まれる窒素分を含めて炭化珪素単結晶を成長させる第2の事前成長試験を行い、外部からの窒素ガスの供給量を変えた複数の窒素供給条件に対して、それぞれ成長結晶中に取り込まれる窒素原子数密度を成長結晶の高さとの関係で求めておき、
結晶成長の途中までは窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たし、以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を下回る窒素供給条件Aと、結晶成長の途中までは窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を上回り、以降は窒素原子数密度が設定密度D1を満たす窒素供給条件Cとを選択して、
炭化珪素単結晶の窒素原子数密度が5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満の設定密度D1となるように、結晶成長中に前記窒素供給条件Aから窒素供給条件Cへと窒素ガスの供給量を切り替えて結晶成長を行うことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
(3) 結晶成長の途中まで窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を上回り、一旦は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たして、それ以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を下回る窒素供給条件Bを更に選択して、前記設定密度D1となるように、結晶成長中に前記窒素供給条件をA、B、Cと順次切り替えて結晶成長を行うことを特徴とする(2)に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
(4) 前記窒素供給条件を切り替える際に、成長雰囲気中の窒素ガスが1時間あたり10vol%未満の変化量となるようにする(2)又は(3)に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
(5) 種結晶の直径を含むようにした炭化珪素単結晶の縦断面を見た場合に、成長方向における単位長さあたりに含まれる積層欠陥の数が10(/cm)以下である(1)〜(4)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
(6) 前記炭化珪素単結晶のポリタイプが4Hである(1)〜(5)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
(7) 前記積層欠陥が6H型である請求項(1)〜(6)に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
(8) 前記炭化珪素単結晶の結晶口径が50mm以上300mm以下である(1)〜(7)のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
本発明の方法により得られたSiC単結晶は、所定の窒素原子数密度を有しながらも積層欠陥が少なく、結晶品質に優れたものである。そして、このSiC単結晶から加工されたウェハ(SiC単結晶基板)は高品質でありながら抵抗率が制御されているため、電子デバイス向けの基板として高い性能を発揮する。
本発明の結晶を製造するのに用いた単結晶製造装置の一例を示す構成図。 炭化珪素単結晶に含まれる積層欠陥の様子を説明するための説明図。 第1の発明に係る事前成長試験で得られた成長結晶中の窒素原子数密度(基礎密度D0)と成長結晶の高さとの関係を示すグラフ。 第2の発明に係る事前成長試験で得られた成長結晶中の窒素原子数密度と成長結晶の高さとの関係を示すグラフ。 第2の発明に係る事前成長試験で得られた成長結晶中の窒素原子数密度と成長結晶の高さとの関係を示すグラフ。
本発明においては、下記で説明するとおり、SiC単結晶中の窒素原子数密度を5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満、好ましくは5×1018(/cm3)以上1.5×1019(/cm3)以下の設定密度D1にすることによって、積層欠陥が少なく、高い結晶品質を有するSiC単結晶の製造が可能となる。
積層欠陥を低減できるメカニズムについて以下に述べる。
積層欠陥の発生要因として、非特許文献2では、SiC結晶成長中の(0001)面テラスでの6Hポリタイプの2次元核形成が提案されている。これは、成長表面の(0001)面のテラス幅が広くなることによって、6Hポリタイプの2次元核が形成され、結晶中に取り込まれることで、6Hポリタイプ積層欠陥が発生するというものである。成長中にテラス幅が広くなる要因の一つとして、添加元素の過供給によるステップバンチングが考えられる。そこで、本発明者らは、添加元素の供給量を適切に制御することによって、ステップバンチングを抑え、積層欠陥の低減が可能と考えた。
SiC単結晶を得る上での添加元素として、例えば、窒素(N)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)が一般的である。中でも、窒素は、ガスソース(N2)を用いることができるので、供給量の制御が容易であるため、添加元素として窒素が利用されることが多い。
本発明者らは、結晶中の窒素量(窒素原子数密度)と積層欠陥発生の関係を調査したところ、結晶中の窒素原子数密度が2.5×1019(/cm3)未満になるように窒素供給量を制御することによって、積層欠陥が殆ど発生しないことを発見した。詳細は解明されてはいないが、添加元素量を制限したことによって、結晶成長中のステップバンチングが抑制されたために、積層欠陥の発生が抑制されたものと考えられる。
ここで、SiC単結晶中の積層欠陥数について、本発明では、種結晶に対して垂直な(1-100)面における成長方向での単位長さ当たりの積層欠陥の数を定義した。すなわち、積層欠陥はSiC単結晶(SiC単結晶インゴット)中を成長方向に対してほぼ平行方向に伸展する面欠陥であるため、成長方向に対して平行な(1-100)面試料で多くの積層欠陥を観察することができる。そこで、本発明では、図2に示したように、種結晶の直径を含むようにしたインゴットの縦断面(すなわちインゴット中心部を含むようにした縦断面)である(1-100)面において、その成長方向の単位長さあたりに含まれる積層欠陥の数で評価するようにした。この(1-100)面中の積層欠陥数が10本/cmを超えると、同じ結晶から切り出される(0001)面ウェハ中の積層欠陥を含む領域が広くなるため、電子デバイスを作製する際の歩留りが低下する。従って、積層欠陥数は10本/cm以下、更には5本/cm以下であることが望ましい。
ところで、SiC単結晶中の窒素原子数密度は、成長雰囲気中の窒素量に依存する。成長雰囲気中の窒素分としては、図1に示したようなSiC単結晶成長装置における高純度ガス配管9から供給される窒素ガス又は窒素を含む混合ガスの他に、結晶成長空間を構成する黒鉛坩堝3やSiC原料粉末(昇華原料)2から放出される窒素が挙げられる。これは、結晶成長前に大気中又は二重石英管内に存在した窒素が黒鉛坩堝3やSiC原料粉末2に付着して、結晶成長中の高温環境下において離脱することで、成長雰囲気中に放出されるものなどが考えられる。このSiC単結晶成長装置の構成要素から放出される窒素量は、結晶成長中の温度と圧力によって変化するため、SiC単結晶中にどの程度取り込まれるのか予測することは難しく、得られるSiC単結晶の窒素原子数密度を精緻に制御するのは困難である。
そこで、本発明では、所定の抵抗率を備えながらSiC単結晶に含まれる積層欠陥の数を減らすために、以下で述べるような第1及び第2の発明に係る製造方法によって、得られるSiC単結晶中の窒素原子数密度を正確に制御するようにする。
先ず、第1の発明においては、外部から窒素ガスを供給せずにSiC単結晶を成長させる第1の事前成長試験を行い、坩堝内に予め存在する窒素分に由来して成長結晶中に取り込まれる基礎密度D0を成長結晶の高さとの関係で求めておき、SiC単結晶の窒素原子数密度が設定密度D1となるように、基礎密度D0との差分に相当する窒素ガスを結晶成長中に外部から供給してSiC単結晶を製造する。
すなわち、この第1の発明では、意図的に外部から供給する窒素ガス量が0(mL/min)の条件で結晶成長を行い、得られたSiC単結晶中の窒素量を2次イオン質量分析(SIMS)等によって計測することで、SiC単結晶成長装置の構成要素から放出される窒素分が結晶中に取り込まれる窒素量を事前に調査しておく。詳しくは、図3に示したように、坩堝内に予め存在する窒素分に由来して成長結晶中に取り込まれる基礎密度D0を成長結晶の高さの関数で表すようにする。その際、外部から窒素ガスを供給しない点を除いて、実製造でSiC単結晶を成長させる条件(温度、圧力)と同様にすればよい。このようにして求めた基礎密度D0の関数を基に、高純度ガス配管9から供給する窒素ガス又は窒素を含む混合ガスをマスフローコントローラ10によって調整して、成長雰囲気中の窒素量を制御することで、結晶中の窒素原子数密度を5×1018(/cm3)以上、2.5×1019(/cm3)未満とすることができ、結果的に積層欠陥の抑制が可能となる。
また、第2の発明においては、一定量の窒素ガスを外部から供給しながら坩堝内に予め存在して成長結晶中に取り込まれる窒素分を含めてSiC単結晶を成長させる第2の事前成長試験を行うようにする。その際、外部からの窒素ガスの供給量を変えた複数の窒素供給条件でこのような事前成長試験を実施し、それぞれ成長結晶中に取り込まれる窒素原子数密度を成長結晶の高さとの関係で求めておく。そして、図4に示したように、結晶成長の途中までは窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たし、以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を下回る(設定密度D1の下限を下回る)窒素供給条件Aと、結晶成長の途中までは窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を上回り(設定密度D1の上限を上回り)、以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たす窒素供給条件Cとを選択した上で、SiC単結晶の窒素原子数密度が設定密度D1となるように、結晶成長中に前記窒素供給条件Aから窒素供給条件Cへと窒素ガスの供給量を切り替えて結晶成長を行ってSiC単結晶を製造する。
すなわち、この第2の発明では、外部から供給する窒素ガス量の異なる条件で結晶成長を行い、SiC単結晶成長装置の構成要素から放出される窒素分を含めた状態で結晶中の窒素量を上述のような手法で計測し、それぞれ、成長結晶中に取り込まれる窒素原子数密度を成長結晶の高さの関数で表すようにする。その際、外部からの窒素ガスの供給を除いて、実製造でSiC単結晶を成長させる条件(温度、圧力)と同様にすればよい。そして、少なくとも上記のような窒素供給条件A及びCを基にして、成長開始から成長終了までの間の結晶中の窒素原子数密度が5×1018(/cm3)以上、2.5×1019(/cm3)未満となるように、外部から供給する窒素ガス量を切り替えることで、積層欠陥を抑制することができる。
この第2の発明では、事前成長試験の結果から、結晶成長の途中まで窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を上回り、一旦は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たして、それ以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を下回る窒素供給条件Bを更に選択して、結晶成長を行うようにしてもよい。すなわち、図5に示したように、成長開始から成長終了までの間の結晶中の窒素原子数密度が設定密度D1内となるように、結晶成長中に窒素供給条件をA→B→Cと順次切り替えて結晶成長を行うことで、積層欠陥の抑制されたSiC単結晶を得るようにしてもよい。また、第2の発明において、窒素供給条件をA→C(又はA→B→C)に切り替える際には、好ましくは、成長雰囲気中の窒素ガスが1時間あたり10vol%未満の変化量となるようにするのがよい。成長途中で窒素ガスが急激に変化すると、結晶中の窒素原子数密度の違いにより格子不整合性が生じて、転位欠陥が発生するおそれがあるため、上記のような変化量で窒素供給条件を切り替えるようにするのがよい。
本発明によって得られるSiC単結晶は積層欠陥が少ないことから、電子デバイスを作製した際、積層欠陥起因の耐圧低下及びリーク電流の発生を抑えることができる。一般に、電子デバイス向けに要求されている結晶中の窒素量は5×1018〜1.1×1019(/cm3)であることから、本発明の製造方法によって得られるSiC単結晶は電子デバイス用途として好適に使用することができる。
また、本発明に係る製造方法を適用する炭化珪素単結晶のポリタイプに関しては、電子移動度が大きく、高性能デバイスの作製が可能である4Hポリタイプが好ましい。
更に、本発明においては、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた格子像観察による積層欠陥タイプの同定によって、窒素量が2.5×1019(/cm3)を超える場合に発生する積層欠陥の多くは、6Hタイプであることが分かった。従って、本発明の製造方法によって6Hタイプの積層欠陥を抑制することができる。
本発明における積層欠陥の抑制は、窒素供給量の制御によって行われるため、適用範囲に結晶口径の制限は無く、例えば、口径50mm以上、300mm以下の結晶成長プロセスへの適用が可能である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施例に係るSiC単結晶を製造するために用いた改良型レーリー法によるSiC単結晶成長装置である。結晶成長は、蓋体4を備えた黒鉛坩堝3に収容された昇華原料2を誘導加熱により昇華させ、種結晶1上に再結晶させることにより行われる。種結晶1は黒鉛製の蓋体4の内面に取り付けられており、昇華原料2は黒鉛坩堝3の内部に充填される。この黒鉛坩堝3は、蓋体4と共に熱シールドのために黒鉛製フェルト7で被覆され、二重石英管5内部の黒鉛支持棒6の上に設置される。石英管5の内部を真空排気装置11によって真空排気した後、高純度Arガス及び窒素ガスを、配管9を介してマスフローコントローラ10で制御しながら流入させ、結晶成長中の石英管内圧力を1.3kPaに保ちながらワークコイル8に高周波電流を流し、黒鉛坩堝3を加熱することで結晶成長を行った。黒鉛坩堝3の温度は、坩堝上部を覆う断熱材の中央部に直径6mmの光路を設け、坩堝上部の輝度から二色温度計によって測定した。SiC結晶中に取り込まれる窒素量は雰囲気ガス中に供給する窒素量を変化させることで調整した。
(実施例1)
まず、予め成長しておいたSiC単結晶インゴットから、口径50mmの (0001)面を主面とした4H型のSiC単結晶基板を切り出し、研磨後、種結晶とした。二重石英管5の内部を真空排気した後、雰囲気ガスとして高純度Arガスを流入させ、石英管内圧力を80kPaにした。この圧力下において、ワークコイル16に電流を流して温度を上げ、種結晶1の温度が2200℃になるまで上昇させた。その後、30分かけて成長雰囲気圧力を1.3kPaに減圧して、種結晶1の(000−1)面を結晶成長面とする60時間の結晶成長を行った。この間の窒素供給量は0(mL/min)である。
得られた結晶の結晶口径は約50mmであり、結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は1×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は1×1017(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は1×1017(/cm3)であった。この成長条件下(第1の事前成長試験)において種結晶から6mmまでの、種結晶からの高さt1と窒素量N1の関係は「N1=-0.2475×1019×t1+1.495×1019」と導出できる。結晶成長中の窒素供給量が0(mL/min)にも関わらず、結晶中に窒素が存在しているのは、黒鉛坩堝やSiC原料粉末に付着した窒素が成長雰囲気中へ放出され、結晶中に取り込まれたためである。種結晶から6mmと10mmで窒素量が同じであったのは、成長開始から結晶高さが6mmに到達するまでに、黒鉛坩堝やSiC原料粉末に付着した窒素が全て放出され、ほぼ窒素量が存在しない環境下での成長が行われたことを示唆している。
続いて、供給ガス中の窒素が6.7体積%含まれる条件で60時間の結晶成長を行った。供給する窒素量以外は上記と同じ条件である。得られた結晶の結晶口径は約50mmであり、結晶高さは約10mmであった。SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から2mmの位置の窒素量は2.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から10mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)であった。この成長条件下での種結晶からの高さt2(0≦t2≦6)と窒素量N2の関係は「N2=-0.25×1019×t1+3.0×1019」と導出できる。
上記の事前に計測した結果に基づき、設定密度D1を5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満とするために、成長開始直後は窒素供給量を0(mL/min)とし、36時間(結晶が6mm成長するために掛かる時間)かけて窒素供給量を6.7体積%に変化させ、60時間の結晶成長を行った。供給する窒素量以外は上記と同じ条件である。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、2mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から10mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)であった。種結晶の直径を含むようにした縦断面を含む(1-100)面ウェハを切り出し、鏡面研磨の後に、フォトルミネセンス顕微鏡及び溶融KOHエッチングによって成長方向の単位長さあたりに含まれる積層欠陥の数(積層欠陥密度)を計測した。その結果、種結晶から0、2、6、10mmのいずれの位置においても積層欠陥密度は0本(本/cm)であった。
同じ結晶から(0001)面で基板を切り出し、ポリタイプ及び転位密度を調査した。呈色の目視観察から4Hシングルポリタイプであることが分かった。転位密度を溶融KOHエッチング後の光学顕微鏡観察から計測したところ、転位密度は8.0×103(/cm2)であった。この値は市販品と同等の値であり、高品質基板であると言える。
(実施例2)
まず、予め成長しておいたSiC単結晶インゴットから、口径50mmの(0001)面を主面とした4H型のSiC単結晶基板を切り出し、研磨後、種結晶とした。次に、外部から供給する窒素供給ガス中に窒素が3.4体積%含まれる条件で60時間の結晶成長を行った。窒素量以外の条件は実施例1と同様である。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は2.0×1019(/cm3)、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は4×1018(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は4×1018(/cm3)であった。
続いて、外部から供給する窒素供給ガス中に窒素が6.7体積%含まれる条件で60時間の結晶成長を行った。窒素量以外の条件は実施例1と同様である。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は3.0×1019(/cm3)、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は2.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)であった。
上記の結果に基づき、設定密度D1を5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満とするために、まず、外部から供給する窒素供給ガス中に窒素が3.4体積%(供給条件A)含まれる条件で12時間の結晶成長を行い、その後、20分かけて供給ガス中の窒素を6.7体積%(供給条件C)に変更し、更に48時間の結晶成長を行った。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は2.0×1019(/cm3)種結晶から2mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)であった。
更に、得られたSiC単結晶について、種結晶の直径を含むようにした縦断面を含む(1-100)面ウェハを切り出し、鏡面研磨の後に、フォトルミネセンス顕微鏡及び溶融KOHエッチングによって成長方向の単位長さあたりに含まれる積層欠陥の数(積層欠陥密度)を計測した。その結果、種結晶から0mmの位置では積層欠陥密度は5(本/cm)、種結晶から2mmの位置では積層欠陥密度は0(本/cm)、種結晶から6mmの位置では積層欠陥密度は0(本/cm)、種結晶から10mmの位置では積層欠陥密度は0(本/cm)であった。また、同じ結晶から(0001)面で基板を切り出し、ポリタイプ及び転位密度を調査した。呈色の目視観察から4Hシングルポリタイプであることが分かった。転位密度を溶融KOHエッチング後の光学顕微鏡観察から計測したところ、転位密度は9.0×103(/cm2)であった。この値は市販品と同等の値であり、高品質基板であると言える。
(実施例3)
先ず、外部から供給する窒素量0(mL/min)の60時間の結晶成長を行った。窒素量以外の条件は実施例1と同様である。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は1×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は1×1017(/cm3)、種結晶から10mmの位置の窒素量は1×1017(/cm3)であった。
次に、外部から供給する窒素供給ガス中に窒素が3.4体積%含まれた条件で60時間の結晶成長を行った。窒素量以外の条件は実施例1と同様である。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は2.0×1019(/cm3)、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は4×1018(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は4×1018(/cm3)であった。
続いて、外部から供給する窒素供給ガス中に窒素が6.7体積%含まれた条件で60時間の結晶成長を行った。窒素量以外の条件は実施例1と同様である。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は3.0×1019(/cm3)、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は2.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)であった。
上記の結果に基づき、設定密度D1を5×1018(/cm3)以上1.5×1019(/cm3)以下とするために、まず、外部から供給する窒素量0(mL/min)の条件(窒素供給条件A)で12時間(結晶が2mm成長するのにかかる時間)の結晶成長を行い、その後20分かけて供給ガス中の窒素を3.4体積%(窒素供給条件B)に変更し、24時間(結晶が4mm成長するのにかかる時間)の結晶成長を行い、さらにその後に20分かけて供給ガス中の窒素を6.7体積%(窒素供給条件C)に変更し、24時間(結晶が4mm成長するのにかかる時間)の結晶成長を行った。得られた結晶の結晶口径は約50mmで結晶高さは約10mmであった。
得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から0mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)、種結晶から10mmの高さの位置の窒素量は1.5×1019(/cm3)であった。
更に、得られたSiC単結晶について、種結晶の直径を含むようにした縦断面を含む(1-100)面ウェハを切り出し、鏡面研磨の後に、フォトルミネセンス顕微鏡及び溶融KOHエッチングによって成長方向の単位長さあたりに含まれる積層欠陥の数(積層欠陥密度)を計測した。その結果、種結晶から0mm、2mm、6mm、10mmのいずれの位置においても積層欠陥密度は0(本/cm)であった。同じ結晶から(0001)面で基板を切り出し、ポリタイプ及び転位密度を調査した。呈色の目視観察から4Hシングルポリタイプであることが分かった。転位密度を溶融KOHエッチング後の光学顕微鏡観察から計測したところ、転位密度は8.0×103(/cm2)であった。この値は市販品と同等の値であり、高品質基板であると言える。
(比較例1)
事前に雰囲気中に放出される窒素量を計測することなく、マスフローコントローラで供給ガス中に窒素が6.7体積%含まれるように調整して、60時間の結晶成長を行った。他の成長条件は実施例1と同様である。得られた結晶の口径は52mmで、高さは約10mmであった。
得られたSiC単結晶から実施例1と同様に(1-100)面ウェハを切り出し、鏡面研磨の後に、フォトルミネセンス顕微鏡及び溶融KOHエッチングによって積層欠陥密度を計測した。その結果、種結晶から2mmの位置では積層欠陥密度は60(本/cm)であった。また、種結晶から6mmの位置では積層欠陥密度は0(本/cm)であった。
また、得られたSiC単結晶について、SIMSによる窒素量の計測結果は、種結晶から2mmの高さの位置の窒素量は2.5×1019(/cm3)、種結晶から6mmの高さの位置の窒素量は1.4×1019(/cm3)であった。結晶成長中の供給ガス中の窒素は6.7体積%一定であったにも関わらず結晶中の窒素量が異なっているのは、黒鉛坩堝やSiC原料粉末に付着した窒素が成長雰囲気中へ放出されたことで成長雰囲気中の窒素量が増加し、それに伴い結晶中に取り込まれる窒素量が増加したためである。
透過型電子顕微鏡(TEM)による格子像観察によって積層欠陥タイプの同定を試みたところ、6Hタイプの積層欠陥であることが分かった。6Hタイプの積層欠陥が基板中に存在すると、デバイスの耐圧低下やリーク電流パスの原因となる。従って、積層欠陥が多数発生した種結晶から6mmの高さの位置までの領域から切り出した基板を用いて高性能デバイスの作製に供することはできないため、高品質な基板の歩留まりが悪いことが判明した。
1 種結晶(SiC単結晶)
2 昇華原料
3 黒鉛坩堝
4 蓋体
5 二重石英管
6 支持棒
7 黒鉛製フェルト
8 ワークコイル
9 高純度ガス配管
10 高純度ガス用マスフローコントローラ
11 真空排気装置

Claims (8)

  1. 原料粉末と種結晶とが収容された坩堝に窒素ガスを供給して、設定密度D1の窒素原子数密度を有した炭化珪素単結晶を昇華再結晶法により成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    外部から窒素ガスを供給せずに炭化珪素単結晶を成長させる第1の事前成長試験を行い、坩堝内に予め存在する窒素分に由来して成長結晶中に取り込まれる基礎密度D0を成長結晶の高さとの関係で求めておき、
    炭化珪素単結晶の窒素原子数密度が5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満の設定密度D1となるように、基礎密度D0との差分に相当する窒素ガスを結晶成長中に外部から供給することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 原料粉末と種結晶とが収容された坩堝に窒素ガスを供給して、設定密度D1の窒素原子数密度を有した炭化珪素単結晶を昇華再結晶法により成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    一定量の窒素ガスを外部から供給しながら坩堝内に予め存在して成長結晶中に取り込まれる窒素分を含めて炭化珪素単結晶を成長させる第2の事前成長試験を行い、外部からの窒素ガスの供給量を変えた複数の窒素供給条件に対して、それぞれ成長結晶中に取り込まれる窒素原子数密度を成長結晶の高さとの関係で求めておき、
    結晶成長の途中までは窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たし、以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を下回る窒素供給条件Aと、結晶成長の途中までは窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を上回り、以降は窒素原子数密度が設定密度D1を満たす窒素供給条件Cとを選択して、
    炭化珪素単結晶の窒素原子数密度が5×1018(/cm3)以上2.5×1019(/cm3)未満の設定密度D1となるように、結晶成長中に前記窒素供給条件Aから窒素供給条件Cへと窒素ガスの供給量を切り替えて結晶成長を行うことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 結晶成長の途中まで窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を上回り、一旦は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を満たして、それ以降は窒素原子数密度が設定密度D1の範囲を下回る窒素供給条件Bを更に選択して、前記設定密度D1となるように、結晶成長中に前記窒素供給条件をA、B、Cと順次切り替えて結晶成長を行うことを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記窒素供給条件を切り替える際に、成長雰囲気中の窒素ガスが1時間あたり10vol%未満の変化量となるようにする請求項2又は3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 種結晶の直径を含むようにした炭化珪素単結晶の縦断面を見た場合に、成長方向における単位長さあたりに含まれる積層欠陥の数が10(/cm)以下である請求項1〜4のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記炭化珪素単結晶のポリタイプが4Hである請求項1〜5のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記積層欠陥が6H型である請求項1〜6に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 前記炭化珪素単結晶の結晶口径が50mm以上300mm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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