JP2015003368A - トリミング装置、及び、光学フィルムの製造方法 - Google Patents

トリミング装置、及び、光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルムを裂けさせること無く長尺方向に切断できるトリミング装置を提供する。【解決手段】長尺方向に連続的に搬送される長尺のフィルムを切断しうるトリミング装置であって、対に設けられた第一無端状ベルト、前記フィルムを長尺方向に連続的に切断できるカッター、及び、対に設けられた第二無端状ベルトを、前記フィルムの幅方向においてこの順に備え、第一無端状ベルトは、カッターによる切断地点よりも上流の地点からカッターによる切断地点よりも下流の地点まで、フィルムを挟圧可能であり、第二無端状ベルトは、カッターによる切断地点よりも上流の地点からカッターによる切断地点よりも下流の地点まで、フィルムを挟圧可能である、トリミング装置。【選択図】図1

Description

本発明は、トリミング装置、及び、そのトリミング装置を用いた光学フィルムの製造方法に関する。
延伸フィルムは、一般に、製造効率の観点から、ある程度の量をまとめて長尺状に製造し、この長尺の延伸フィルムを巻回してロール状の巻回体として保存する。また、使用時には、この巻回体から長尺の延伸フィルムを引き出し、必要に応じて他のフィルムと貼り合わせた後で、所望の形状に切り取られて使用される。
前記のような延伸フィルムは、例えば、光学フィルムとして使用しうる。光学フィルムとして使用する場合には、その具体的な用途に応じてフィルムの幅を調整することが求められる。このような幅の調整のためには、通常、カッターで延伸フィルムを長尺方向に切断することにより、その延伸フィルムの幅方向の端部を切り離すトリミング処理が行われる(特許文献1,2参照)。すなわち、延伸フィルムから幅方向の端部を切り離し、残った所望の幅を有する部分を光学フィルムとして得る。この際に切り離される延伸フィルムの幅方向の端部を、以下、適宜「フィルム耳」ということがある。
特開2011−098442号公報 特開2012−131208号公報
しかしながら、延伸フィルムの材質、延伸による分子の配向方向及び配向の大きさによっては、延伸フィルムが裂けることがある。中でも、長尺方向に平行でない方向(例えば、横方向、及び、斜め方向)に延伸処理を施された延伸フィルムにおいて、前記の裂けが生じやすい。ここで、斜め方向とは、別に断らない限り、延伸フィルムの長尺方向に対して平行でなく垂直でもない方向を示す。通常、このような延伸フィルムの裂けは、延伸による分子の配向方向に平行に生じる。
延伸フィルムが裂ける現象は、カッターによる延伸フィルムの切断地点において特に生じやすい。切断地点においては、光学フィルムとして回収すべき部分の搬送張力のコントロールが難しく、切り離されるフィルム耳の張力とのバランスが不均衡となりやすい。このような張力のバランスの不均衡により、カッターによる切断地点から、切断後の光学フィルム又はフィルム耳が裂け易くなっているものと推察される。
そのため、カッターによる切断地点において延伸フィルムにかかる張力をゼロにすれば、延伸フィルムの裂けは防止できると考えられる。ところが、延伸フィルムを搬送するためにはその延伸フィルムには搬送のための張力がかかるため、従来の技術では前記の裂けを防止することは難しかった。
また、延伸フィルム以外のフィルムにおいても、その切断時には裂けを生じることがありえる。そこで、フィルムを裂けさせること無く切断できる技術の開発が望まれていた。
本発明は前記の課題に鑑みて創案されたものであって、フィルムを裂けさせること無く長尺方向に切断できるトリミング装置、並びに、フィルムを裂けさせること無く当該フィルムからフィルム耳を切り除いて光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、カッターによる切断地点よりも上流から下流にかけてフィルムをベルトによって挟圧することにより、切断地点においてフィルムの裂けを防止可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 長尺方向に連続的に搬送される長尺のフィルムを切断しうるトリミング装置であって、
対に設けられた第一無端状ベルト、前記フィルムを長尺方向に連続的に切断できるカッター、及び、対に設けられた第二無端状ベルトを、前記フィルムの幅方向においてこの順に備え、
前記第一無端状ベルトは、前記カッターによる切断地点よりも上流の地点から前記カッターによる切断地点よりも下流の地点まで、前記フィルムを挟圧可能であり、
前記第二無端状ベルトは、前記カッターによる切断地点よりも上流の地点から前記カッターによる切断地点よりも下流の地点まで、前記フィルムを挟圧可能である、トリミング装置。
〔2〕 前記第一無端状ベルトが、前記カッターにより前記フィルムが切断される地点よりも下流に、前記第二無端状ベルトによって挟圧された前記フィルムの搬送方向とは異なる方向に搬送される前記フィルムを挟圧しうる分別ベルト部を備える、〔1〕記載のトリミング装置。
〔3〕 前記第一無端状ベルトが、前記カッターにより前記フィルムが切断される地点よりも下流に、前記第一無端状ベルトにより挟圧される前記フィルムが屈曲しうる屈曲ベルト部と、前記屈曲ベルト部よりも下流において前記フィルムを挟圧しうる下流ベルト部とを備える、〔1〕又は〔2〕記載のトリミング装置。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のトリミング装置により、長尺方向に連続的に搬送される長尺のフィルムから幅方向端部のフィルム耳を切り除いて、光学フィルムを製造する、光学フィルムの製造方法。
本発明のトリミング装置によれば、フィルムを裂けさせること無く長尺方向に切断できる。
本発明の光学フィルムの製造方法によれば、フィルムを裂けさせること無く当該フィルムからフィルム耳を切り除いて光学フィルムを製造することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す分解斜視図である。 図3は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す側面図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を用いて延伸フィルムを切断する様子を模式的に示す斜視図である。 図5は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を備える光学フィルムの製造装置の例としての製造装置を模式的に示す概略図である。 図6は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を備える光学フィルムの製造装置の例に係るトリミング部を模式的に示す斜視図である。 図7は、本発明の第二実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す斜視図である。 図8は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す斜視図である。 図9は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す側面図である。 図10は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を用いて延伸フィルムを切断する様子を模式的に示す斜視図である。 図11は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を備える光学フィルムの製造装置の例としての製造装置を模式的に示す概略図である。 図12は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を備える光学フィルムの製造装置の例に係るトリミング部を模式的に示す斜視図である。 図13は、無端状ベルトの一例の構成を模式的に示す断面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、構成要素の方向が「平行」、「直交」又は「垂直」とは、本発明の効果を著しく損なわない範囲(例えば、±5°)で誤差を含んでいてもよい。
また、ある方向に「沿って」とは、ある方向に「平行に」という意味である。
さらに、「長尺」のフィルムとは、フィルムの幅に対して、少なくとも5倍以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。
MD方向(machine direction)は、製造ラインにおけるフィルムの流れ方向であり、通常は長尺のフィルムの長尺方向に一致する方向を表す。また、長尺のフィルムにおいて長尺方向は、通常、そのフィルムの縦方向に一致する。さらに、以下の説明において「上流」又は「下流」という場合、別に断らない限り、MD方向における上流及び下流のことを指す。
また、TD方向(traverse direction)は、フィルム面に平行な方向であって、MD方向に垂直な方向であり、通常は長尺のフィルムの幅方向に一致する方向を表す。また、長尺フィルムにおいて幅方向は、通常、そのフィルムの横方向に一致する。
[1.第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す斜視図である。また、図2は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す分解斜視図である。さらに、図3は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す側面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置100は、長尺方向に連続的に搬送される長尺の延伸フィルムを切断しうる装置であって、第一無端状ベルトとして対に設けられた外側ベルト110及び120と、カッターとしてのトリミングナイフ130及び140と、第二無端状ベルトとして対に設けられた内側ベルト150及び160とを、TD方向においてこの順に備える。前記のTD方向は、トリミング装置100に供給される長尺の延伸フィルムの幅方向に一致する。したがって、トリミング装置100において、外側ベルト110及び120と、トリミングナイフ130及び140と、内側ベルト150及び160とは、延伸フィルムの幅方向においてこの順に並んで設けられている。
〔1.1.トリミングナイフ〕
トリミングナイフ130及び140は、トリミング装置100に供給された延伸フィルムを長尺方向に連続的に切断できるように、外側ベルト110及び120と内側ベルト150及び160の間に設けられたカッターである。ここでは、トリミングナイフ130及び140として、円板の外周に刃が装着されたものを用いた例を示して説明する。
これらのトリミングナイフ130及び140は、トリミングナイフ130のトリミングナイフ140側の端部と、トリミングナイフ140のトリミングナイフ130側の端部とが重なるように並んで設けられている。また、トリミングナイフ130及び140の位置は、これらのトリミングナイフ130とトリミングナイフ140とが重なる交点PCUTがトリミング装置100内で搬送される延伸フィルムの搬送路に位置するよう、調整されている。さらに、トリミングナイフ130及び140は、図示しない駆動装置としてのモーターに接続され、そのモーターの駆動により矢印A130及びA140で示す向きに回転可能に設けられている。このため、トリミング装置100は、トリミング装置100内で搬送される延伸フィルムを、回転するトリミングナイフ130及び140によって切断できる構成を有している。
以下の説明において、このようにトリミングナイフ130及び140によって延伸フィルムが切断される地点を、適宜「切断地点」ということがある。この切断地点は、通常はトリミングナイフ130とトリミングナイフ140とが重なる交点PCUTと一致するので、以下の説明では、切断地点は前記の交点PCUTと同様の符号「PCUT」で示す。
〔1.2.外側ベルト〕
外側ベルト110及び120は、トリミング装置100内で搬送される延伸フィルムを挟圧するために向かい合って設けられた無端状ベルトである。具体的には、これらの外側ベルト110及び120は、トリミングナイフ130及び140によって切断される前の延伸フィルム(以下、適宜「切断前フィルム」ということがある。)のトリミングナイフ130及び140より外の部分(即ち、切断前フィルムの幅方向の端に近い部分)、並びに、切断後のフィルム耳を、外側ベルト110と外側ベルト120との間に圧力を加えながら挟み込めるように設けられている。
外側ベルト110及び120のうち、一方の外側ベルト110は、回転可能に設けられた懸架ロール111及び112の間に掛け渡されている。一方の懸架ロール111には図示しない駆動装置としてのモーターが接続されている。また、他方の懸架ロール112は、外側ベルト110の走行に従って従動可能に設けられている。したがって、外側ベルト110は、懸架ロール111がモーターに回転駆動された場合に周回可能な構成を有している。
他方、外側ベルト110及び120のうち、他方の外側ベルト120は、回転可能に設けられた懸架ロール121及び122の間に掛け渡されている。一方の懸架ロール121には図示しない駆動装置としてのモーターが接続されている。また、他方の懸架ロール122は、外側ベルト120の走行に従って従動可能に設けられている。したがって、外側ベルト120は、懸架ロール121がモーターに回転駆動された場合に周回可能な構成を有している。
外側ベルト110の周回方向は、その外周面を外側ベルト120に向けて走行するベルト部分としての往路部分110Dが延伸フィルムの搬送方向と同じ向きに走行できるように、矢印A110で示す方向に設定されている。また、外側ベルト120の周回方向は、その外周面を外側ベルト110に向けて走行するベルト部分としての往路部分120Uが延伸フィルムの搬送方向と同じ向きに走行できるように、矢印A120で示す方向に設定されている。したがって、外側ベルト110及び120は、外側ベルト110の往路部分110Dと外側ベルト120の往路部分120Uとが向かい合って延伸フィルムの搬送方向と同じ方向に走行するように設けられている。
外側ベルト110及び120の位置は、外側ベルト110の往路部分110Dの外周面と外側ベルト120の往路部分120Uの外周面とで、トリミング装置100内で搬送される切断前フィルム及びフィルム耳を挟圧できるように調整されている。具体的には、MD方向において、外側ベルト110を懸架する懸架ロール111及び112の間に、外側ベルト120を懸架する懸架ロール121及び122が位置するように、懸架ロール111、112、121及び122の位置が調整されている。さらに、懸架ロール111及び112の図中下端よりも懸架ロール121及び122の図中上端が図中上方に位置するように、懸架ロール111、112、121及び122の位置が調整されている。これにより、外側ベルト110の往路部分110Dを外側ベルト120の往路部分120Uが押圧できるので、切断前フィルム及びフィルム耳を、これらの外側ベルト110及び120によって挟圧することが可能となっている。
さらに、外側ベルト110及び120の周回速度は、通常、トリミング装置100内を搬送される切断前フィルム及びフィルム耳と同じに設定される。
また、図3に示すように、外側ベルト110及び120は、それらの往路部分110D及び120Uにおいて、切断地点PCUTよりも上流の地点POSから切断地点PCUTよりも下流の地点POEまで、延伸フィルムを挟圧できるように設けられている。具体的には、懸架ロール111及び121が切断地点PCUTよりも上流に設けられ、また、懸架ロール112及び122が切断地点PCUTよりも下流に設けられている。これにより、外側ベルト110の往路部分110Dと外側ベルト120の往路部分120Uは、切断地点PCUTの上流側近傍部分において切断前フィルムを挟圧でき、かつ、切断地点PCUTの下流側近傍部分においてフィルム耳を挟圧できる構成を有している。
切断地点PCUTよりも上流で外側ベルト110及び120によって切断前フィルムが挟圧される領域の長さ(即ち、MD方向の寸法)LOSは、切断前フィルムの物性及び厚み等の要素に応じて設定しうる。前記の長さLOSは、好ましくは20mm以上、好ましくは200mm以下であり、100mm程度であることが特に好ましい。
また、切断地点PCUTよりも下流で外側ベルト110及び120によってファイル耳が挟圧される領域の長さ(即ち、MD方向の寸法)LOEは、フィルム耳の物性及び厚み等の要素に応じて設定しうる。前記の長さLOEは、好ましくは20mm以上、好ましくは400mm以下であり、200mm程度であることが特に好ましい。
外側ベルト110及び120は、TD方向においてはトリミングナイフ130及び140の近くに設けることが好ましい。切断前フィルムから切り除かれたフィルム耳の切断された方の縁の近くを外側ベルト110及び120で挟圧することにより、フィルム耳の裂けを更に安定して防止できる。ただし、トリミングナイフ130及び140には厚みがあるので、フィルム耳の切断された方の縁そのものは、外側ベルト110及び120で挟圧しなくてもよい。好ましくは、フィルム耳の切断された方の縁からの距離が2mm以下の地点の一部又は全部を挟圧しうるように、外側ベルト110及び120の位置を調整する。
図2に示すように、外側ベルト110及び120の幅Wは、フィルム耳のより広い範囲を挟圧できるようにするために、広いことが好ましい。そのため、外側ベルト110及び120の幅Wは、フィルム耳の幅方向の全体を挟圧できるだけ十分広くすることが好ましいが、通常は18mm以上200mm以下であり、好ましくは50mm程度である。
〔1.3.内側ベルト〕
内側ベルト150及び160は、トリミング装置100内で搬送される延伸フィルムを挟圧するために向かい合って設けられた無端状ベルトである。具体的には、これらの内側ベルト150及び160は、切断前フィルムのトリミングナイフ130及び140より内の部分(即ち、切断前フィルムの幅方向の端から遠い部分)、並びに、切断後の光学フィルムを、内側ベルト150と内側ベルト160との間に圧力を加えながら挟み込めるように設けられている。
内側ベルト150及び160のうち、一方の内側ベルト150は、回転可能に設けられた懸架ロール151及び152の間に掛け渡されている。一方の懸架ロール151には図示しない駆動装置としてのモーターが接続されている。また、他方の懸架ロール152は、内側ベルト150の走行に従って従動可能に設けられている。したがって、内側ベルト150は、懸架ロール151がモーターに回転駆動された場合に周回可能な構成を有している。
他方、内側ベルト150及び160のうち、他方の内側ベルト160は、回転可能に設けられた懸架ロール161及び162の間に掛け渡されている。一方の懸架ロール161には図示しない駆動装置としてのモーターが接続されている。また、他方の懸架ロール162は、内側ベルト160の走行に従って従動可能に設けられている。したがって、内側ベルト160は、懸架ロール161がモーターに回転駆動された場合に周回可能な構成を有している。
内側ベルト150の周回方向は、その外周面を内側ベルト160に向けて走行するベルト部分としての往路部分150Dが延伸フィルムの搬送方向と同じ向きに走行できるように、矢印A150で示す方向に設定されている。また、内側ベルト160の周回方向は、その外周面を内側ベルト150に向けて走行するベルト部分としての往路部分160Uが延伸フィルムの搬送方向と同じ向きに走行できるように、矢印A160で示す方向に設定されている。したがって、内側ベルト150及び160は、内側ベルト150の往路部分150Dと内側ベルト160の往路部分160Uとが向かい合って延伸フィルムの搬送方向と同じ方向に走行するように設けられている。
内側ベルト150及び160の位置は、内側ベルト150の往路部分150Dの外周面と内側ベルト160の往路部分160Uの外周面とで、トリミング装置100内で搬送される切断前フィルム及び光学フィルムを挟圧できるように調整されている。具体的には、MD方向において、内側ベルト150を懸架する懸架ロール151及び152の間に、内側ベルト160を懸架する懸架ロール161及び162が位置するように、懸架ロール151、152、161及び162の位置が調整されている。さらに、懸架ロール151及び152の図中下端よりも懸架ロール161及び162の図中上端が図中上方に位置するように、懸架ロール151、152、161及び162の位置が調整されている。これにより、内側ベルト150の往路部分150Dを内側ベルト160の往路部分160Uが押圧できるので、切断前フィルム及び光学フィルムを、これらの内側ベルト150及び160によって挟圧できる。
さらに、内側ベルト150及び160の周回速度は、通常、トリミング装置100内を搬送される切断前フィルム及び光学フィルムと同じに設定される。
また、図3に示すように、内側ベルト150及び160は、それらの往路部分150D及び160Uにおいて、切断地点PCUTよりも上流の地点PISから切断地点PCUTよりも下流の地点PIEまで、延伸フィルムを挟圧できるように設けられている。具体的には、懸架ロール151及び161が切断地点PCUTよりも上流に設けられ、また、懸架ロール152及び162が切断地点PCUTよりも下流に設けられている。これにより、内側ベルト150の往路部分150Dと内側ベルト160の往路部分160Uは、切断地点PCUTの上流側近傍部分において切断前フィルムを挟圧でき、かつ、切断地点PCUTの下流側近傍部分において光学フィルムを挟圧できる構成を有している。
切断地点PCUTよりも上流で内側ベルト150及び160によって切断前フィルムが挟圧される領域の長さ(即ち、MD方向の寸法)LISは、切断前フィルムの物性及び厚み等の要素に応じて設定しうる。前記の長さLISは、好ましくは20mm以上、好ましくは200mm以下であり、100mm程度であることが特に好ましい。
また、切断地点PCUTよりも下流で内側ベルト150及び160によって光学ファイルが挟圧される領域の長さ(即ち、MD方向の寸法)LIEは、光学フィルムの物性及び厚み等の要素に応じて設定しうる。前記の長さLIEは、好ましくは20mm以上、好ましくは400mm以下であり、200mm程度であることが特に好ましい。
内側ベルト150及び160は、TD方向においてはトリミングナイフ130及び140の近くに設けることが好ましい。切断前フィルムからフィルム耳を切り除いて得られる光学フィルムの切断された方の縁の近くを内側ベルト150及び160で挟圧することにより、光学フィルムの裂けを更に安定して防止できる。ただし、トリミングナイフ130及び140には厚みがあるので、光学フィルムの切断された方の縁そのものは内側ベルト150及び160で挟圧しなくてもよい。好ましくは、光学フィルムの切断された方の縁からの距離が2mm以下の地点の一部又は全部を挟圧しうるように、内側ベルト150及び160の位置を調整する。
図2に示すように、内側ベルト150及び160の幅Wは、光学フィルムのより広い範囲を挟圧できるようにするために、広いことが好ましい。通常は、内側ベルト150及び160の幅Wは18mm以上200mm以下であり、好ましくは50mm程度である。
〔1.4.延伸フィルムの切断方法〕
本発明の第一実施形態に係るトリミング装置100は上述した構成を有している。このトリミング装置100を用いて延伸フィルムを切断する場合、以下のような方法を実施する。
図4は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置100を用いて延伸フィルムを切断する様子を模式的に示す斜視図である。
図4に示すように、長尺方向に連続的に搬送される長尺の延伸フィルムとしての切断前フィルム170を、トリミング装置100に供給する。この際、切断前フィルム170の切断しようとする部分が、切断地点PCUTを通るように、切断前フィルム170の位置を調整しておく。
トリミング装置100に供給された切断前フィルム170は、トリミング装置100内を搬送される。この際、切断地点PCUTよりも上流において、切断前フィルム170は、外側ベルト110及び120並びに内側ベルト150及び160によって挟圧される。すなわち、切断地点PCUTより上流では、切断前フィルム170は、その幅方向の端部171を外側ベルト110及び120によって挟圧され、且つ、その端部171よりも幅方向の内側の部分172を内側ベルト150及び160によって挟圧された状態で、下流に向けて搬送される。
搬送された切断前フィルム170が切断地点PCUTに来ると、その切断前フィルム170はトリミングナイフ130及び140によって切断されて、フィルム耳180と光学フィルム190とに分けられる。
フィルム耳180は、そのトリミングナイフ130及び140に近い方の端部近傍を外側ベルト110及び120に挟圧された状態で、下流に向けて搬送される。他方、光学フィルム190は、そのトリミングナイフ130及び140に近い方の端部近傍を内側ベルト150及び160に挟圧された状態で、下流に向けて搬送される。その後、フィルム耳180及び光学フィルム190は、トリミング装置100から下流へ向けて送出される。
このような切断方法では、切断地点PCUTの直前及び直後の両方で、外側ベルト110及び120による挟圧によって切断前フィルム170の幅方向の端部171及びフィルム耳180が裂けないようにサポートできる。そのため、切断前フィルム170の端部171及びフィルム耳180の張力による裂けを防止しながら、切断前フィルム170の長尺方向への連続的な切断が可能である。
また、トリミングナイフ130及び140の切断の直前及び直後の両方で、内側ベルト150及び160による挟圧によって切断前フィルムの端部171よりも幅方向の内側の部分172及び光学フィルム190が裂けないようにサポートできる。そのため、切断前フィルムの端部171よりも内側の部分172及び光学フィルム190の張力による裂けを防止しながら、切断前フィルム170の長尺方向への連続的な切断が可能である。
さらに、本実施形態では、外側ベルト110及び120、並びに内側ベルト150及び160の周回速度が切断前フィルム170、フィルム耳180及び光学フィルム190の搬送速度と同じに設定されている。このため、これらの切断前フィルム170、フィルム耳180及び光学フィルム190と外側ベルト110及び120並びに内側ベルト150及び160との擦れを抑制できるので、傷及び破損を防止できる。
〔1.5.光学フィルムの製造方法〕
次に、上述したトリミング装置100を用いた光学フィルムの製造方法の例を説明する。図5は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置100を備える光学フィルムの製造装置の例としての製造装置200を模式的に示す概略図である。
図5に示すように、この製造装置200は、延伸部210と、トリミング部220とを備える。この製造装置200は、図示しない搬送ロールによって長尺のフィルムをMD方向に連続的に搬送しながら、延伸、切断及び回収等の操作を行いうる構成を有している。
製造装置200には、熱可塑性樹脂等の樹脂で形成された延伸前フィルム230が供給される。この供給された延伸前フィルム230は、延伸部210に搬送される。
延伸部210では、搬送されてきた延伸前フィルム230を延伸する。延伸は、ここでは、横方向又は斜め方向に行った例を示して説明する。このように横方向又は斜め方向に延伸された延伸前フィルム230は、その延伸された方向に裂けやすい延伸フィルムとしての切断前フィルム240となり、トリミング部220に搬送される。
図6は、本発明の第一実施形態に係るトリミング装置100を備える光学フィルムの製造装置の例に係るトリミング部220を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、トリミング部220には、上述したトリミング装置100が2個、設けられている。これらのトリミング装置100のうち、一方は切断前フィルム240の幅方向の一方の端部の近傍において切断前フィルム240を長尺方向の連続的に切断し、他方は切断前フィルム240の幅方向の他方の端部の近傍において切断前フィルム240を長尺方向の連続的に切断する。このため、切断前フィルム240の両端においてフィルム耳250及び260が切り除かれて、所望の幅寸法を有する光学フィルム270が得られる。これらのフィルム耳250及び260並びに光学フィルム270は、更に下流へと搬送される。
その後、図5に示すように、フィルム耳250及び260は、長尺方向にロール状に巻回されて、巻回体280として回収される。また、光学フィルム270は、長尺方向にロール状に巻回されて、巻回体290として回収される。
上述した製造方法では、トリミング装置100を用いて光学フィルム270を製造しているので、光学フィルム270がトリミング部220において裂けない。そのため、歩留まりを高めることができる。また、フィルム耳250及び260も裂けないので、フィルム耳250及び260の回収を容易に行うことができる。さらに、裂けたフィルム耳250及び260及び光学フィルム270を取り除くために製造装置200の運転を止めなくてよいので、製造効率を高めることが可能である。
[2.第二実施形態]
図7は、本発明の第二実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す斜視図である。図7に示す第二実施形態に係るトリミング装置では、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様の要素は、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様の符号を用いて示す。
図7に示すように、本発明の第二実施形態に係るトリミング装置300は、第一実施形態と同様の外側ベルト110及び120並びにトリミングナイフ130及び140を備え、更に、内側ベルト150及び160の代わりに第二無端状ベルトとして内側ベルト350及び360を備える。また、本発明の第二実施形態に係る内側ベルト350及び360は、当該内側ベルト350及び360を懸架する上流側の懸架ロール351及び361が、第一実施形態に係る内側ベルト150及び160を懸架する上流側の懸架ロール151及び161よりも上流に位置を変更されていること以外は、第一実施形態に係る内側ベルト150及び160と同様の構成を有する。
懸架ロール351及び361が上流に位置を変更されていることにより、外側ベルト110及び120の上流側の懸架ロール111及び121と内側ベルト350及び360の上流側の懸架ロール351及び361とは、MD方向における位置が異なる。また、第二実施形態に係るトリミング装置300では、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様に、外側ベルト110及び120の下流側の懸架ロール112及び122と内側ベルト350及び360の下流側の懸架ロール352及び362とは、MD方向における位置が異なる。そのため、第二実施形態に係るトリミング装置300では、外側ベルト110及び120の懸架ロール111、112、121及び122と内側ベルト350及び360の懸架ロール351、152、361及び162とが接触せず、互いに干渉しない。
したがって、第三実施形態に係るトリミング装置300では、外側ベルト110及び120と内側ベルト350及び360とを第一実施形態に係るトリミング装置100よりも更に近づけることができる。そのため、外側ベルト110及び120並びに内側ベルト350及び360が、カッターであるトリミングナイフ130及び140に更に近い位置において延伸フィルム(具体的には、切断前フィルム、光学フィルム及びフィルム耳)を挟圧することが可能である。したがって、第三実施形態に係るトリミング装置300によれば、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様の効果に加え、光学フィルム及びフィルム耳の裂けを更に確実に防止できるとの効果が得られる。
[3.第三実施形態]
〔3.1.トリミング装置〕
図8は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す斜視図である。また、図9は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置を模式的に示す側面図である。図8及び図9に示す第三実施形態に係るトリミング装置では、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様の要素は、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様の符号を用いて示す。
図8及び図9に示すように、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置400は、第一実施形態と同様のトリミングナイフ130及び140並びに内側ベルト150及び160を備え、更に、外側ベルト110及び120の代わりに第一無端状ベルトとして外側ベルト410及び420を備える。
外側ベルト410及び420は、トリミング装置400内で搬送される延伸フィルムを挟圧するために向かい合って設けられた無端状ベルトである。これらの外側ベルト410及び420は、トリミングナイフ130及び140によって切断される前の延伸フィルムである切断前フィルムのトリミングナイフ130及び140より外の部分(即ち、切断前フィルムの幅方向の端に近い部分)、並びに、切断後のフィルム耳を、外側ベルト410と外側ベルト420との間に圧力を加えながら挟み込めるように設けられている。
第一実施形態に係る外側ベルト110が2個の懸架ロール111及び112の間に掛け渡されていたのに対し、第三実施形態に係る外側ベルト410は、3個の懸架ロール411、412及び413の間に掛け渡されている点で第一実施形態に係る外側ベルト110と異なる。3個の懸架ロール411、412及び413のうち、一部の懸架ロール411は図示しないモーターに接続され、他の懸架ロール412及び413は外側ベルト410の走行に従って従動可能に設けられている。
また、第一実施形態に係る外側ベルト120が2個の懸架ロール121及び122の間に掛け渡されていたのに対し、第三実施形態に係る外側ベルト420は、3個の懸架ロール421、422及び423の間に掛け渡されている点で第一実施形態に係る外側ベルト120と異なる。3個の懸架ロール421、422及び423のうち、一部の懸架ロール421は図示しないモーターに接続され、他の懸架ロール422及び423は外側ベルト420の走行に従って従動可能に設けられている。
このため、外側ベルト410及び420は、それぞれ、トリミング装置400内を搬送される切断前フィルム及びフィルム耳と同様の速度で走行可能な構成を有している。
外側ベルト410に係る懸架ロール411、懸架ロール412及び懸架ロール413は、上流からこの順に設けられている。また、外側ベルト420に係る懸架ロール421、懸架ロール422及び懸架ロール423は、上流からこの順に設けられている。このうち、懸架ロール411及び421は切断地点PCUTよりも上流に設けられ、懸架ロール412、413、422及び423は切断地点PCUTよりも下流に設けられている。これにより、外側ベルト410及び420は、切断地点PCUTよりも上流の地点POSから切断地点PCUTよりも下流の地点POEまで、延伸フィルムを挟圧できる構成を有している。
最も上流の懸架ロール411及び421並びにその次の懸架ロール412及び422の位置は、懸架ロール411及び421とその次の懸架ロール412及び422との間において外側ベルト410及び420により挟圧される切断前フィルム及びフィルム耳が、内側ベルト150及び160により挟圧される切断前フィルム及び光学フィルムと同様の搬送方向に搬送されるように、設定されている。ここでは、懸架ロール411、421及び422の位置が第一実施形態にかかる懸架ロール111、121及び122と同様であり、懸架ロール412の位置が当該懸架ロール412と懸架ロール422とで外側ベルト410及び420を挟圧できる程度に懸架ロール421の近くに設けられた例を示して説明する。
さらに、最も下流の懸架ロール413及び423の位置は、懸架ロール412及び422と最も下流の懸架ロール413及び423との間において外側ベルト410及び420により挟圧されるフィルム耳が、内側ベルト150及び160により挟圧される光学フィルムの搬送方向とは異なる方向に搬送されるように、設定されている。ここでは、懸架ロール413及び423が、懸架ロール412及び422よりも図中下方に設けられた例を示して説明する。
上述した例に示すトリミング製造装置400においては、懸架ロール411及び421を通過した外側ベルト410及び420は、内側ベルト150及び160と同様の方向に走行し、懸架ロール412及び422に掛けられたベルト部414及び424において図中下方に屈曲し、このベルト部414及び424よりも下流のベルト部415及び425において内側ベルト150及び160とは異なる方向に走行する構成を有している。
したがって、前記のベルト部414及び424は、トリミングナイフ130及び140により切断前フィルムが切断される切断地点PCUTよりも下流に設けられ、且つ、外側ベルト410及び420により挟圧されるフィルム耳が屈曲しうる屈曲ベルト部として機能しうる。
また、ベルト部415及び425は、屈曲ベルト部であるベルト部414及び424よりも下流においてフィルム耳を挟圧しうる下流ベルト部として機能しうる。
さらに、ベルト部415及び425は、切断地点PCUTよりも下流に設けられ、且つ、内側ベルト150及び160によって挟圧された光学フィルムの搬送方向とは異なる方向に搬送されるフィルム耳を挟圧しうる分別ベルト部として機能しうる。
外側ベルト410及び420は、前記の事項以外は第一実施形態に係る外側ベルト110及び120と同様の構成を有する。したがって、外側ベルト410及び420は、外側ベルト410の往路部分410Dと外側ベルト420の往路部分420Uとが向かい合って切断前フィルム及びフィルム耳の搬送方向と同じ方向に走行し、外側ベルト410の往路部分410Dの外周面と外側ベルト420の往路部分420Uの外周面とで、トリミング装置400内で搬送される切断前フィルム及びフィルム耳を挟圧できる構成を有している。
本発明の第三実施形態に係るトリミング装置400は上述した構成を有している。このトリミング装置400を用いて延伸フィルムを切断する場合、以下のような方法を実施する。
図10は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置400を用いて延伸フィルム170を切断する様子を模式的に示す斜視図である。
図10に示すように、長尺方向に連続的に搬送される長尺の延伸フィルムとしての切断前フィルム170を、トリミング装置400に供給する。この際、切断前フィルム170の切断しようとする部分が、切断地点PCUTを通るように、切断前フィルム170の位置を調整しておく。
トリミング装置400に供給された切断前フィルム170は、トリミング装置400内を搬送される。この際、切断地点PCUTよりも上流において、切断前フィルム170は、外側ベルト410及び420並びに内側ベルト150及び160によって挟圧される。すなわち、切断地点PCUTより上流では、切断前フィルム170は、その幅方向の端部171を外側ベルト410及び420によって挟圧され、且つ、その端部171よりも幅方向の内側の部分172を内側ベルト150及び160によって挟圧された状態で、下流に向けて搬送される。
搬送された切断前フィルム170が切断地点PCUTに来ると、その切断前フィルム170はトリミングナイフ130及び140によって切断されて、フィルム耳180と光学フィルム190とに分けられる。
フィルム耳180は、そのトリミングナイフ130及び140に近い方の端部近傍を外側ベルト410及び420に挟圧された状態で、下流に向けて搬送される。他方、光学フィルム190は、そのトリミングナイフ130及び140に近い方の端部近傍を内側ベルト150及び160に挟圧された状態で、下流に向けて搬送される。その後、フィルム耳180及び光学フィルム190は、トリミング装置400から下流へ向けて送出される。
この際、図8に示したように、分別ベルト部として機能できるベルト部415及び425は、光学フィルム190の搬送方向とは異なる方向に搬送されるフィルム耳180を挟圧できる。そのため、フィルム耳180を、光学フィルム190とは別の位置に送出できるので、フィルム耳180及び光学フィルム190の分別が容易である。また、仮にトリミングナイフ130及び140による切断が不十分であっても、ベルト部415及び425が光学フィルム190の搬送方向とは異なる方向にフィルム耳180を案内できるので、前記の切断が不十分な部分を千切ることによってフィルム耳180と光学フィルム190とを確実に切り分けることができる。
また、外側ベルト410及び420は、前記のように屈曲ベルト部として機能するベルト部414及び424を備える。何らかの理由によりフィルム耳180にクラックがあると、このようなベルト部414及び424においてフィルム耳180が屈曲されることにより、そのフィルム耳180が破損することがある。これに対し、切断地点PCUTからベルト部415及び425までのベルト部(即ち、屈曲したベルト部414及び424並びにその前後のベルト部)において外側ベルト410及び420がフィルム耳を挟圧できるようにしたので、前記のような屈曲した414及び424があっても、フィルム耳180の破損を防ぐことができる。
さらに、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置400によれば、第一実施形態に係るトリミング装置100と同様の利点を得ることができる。
〔3.2.光学フィルムの製造方法〕
次に、上述したトリミング装置400を用いた光学フィルムの製造方法の例を説明する。図11は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置400を備える光学フィルムの製造装置の例としての製造装置500を模式的に示す概略図である。
図11に示すように、この製造装置500は、延伸部210と、トリミング部520とを備える。この製造装置500は、図示しない搬送ロールによって長尺のフィルムをMD方向に連続的に搬送しながら、延伸、切断及び回収等の操作を行いうる構成を有している。
製造装置500には、熱可塑性樹脂等の樹脂で形成された長尺の延伸前フィルム230が供給される。この供給された延伸前フィルム230は、延伸部210に搬送される。延伸部210では、第一実施形態と同様に、搬送されてきた延伸前フィルム230を延伸する。これにより得られた長尺の延伸フィルムとしての切断前フィルム240は、トリミング部520に搬送される。
図12は、本発明の第三実施形態に係るトリミング装置400を備える光学フィルムの製造装置の例に係るトリミング部520を模式的に示す斜視図である。図12に示すように、トリミング部520には、上述したトリミング装置400が2個、設けられている。これらのトリミング装置400のうち、一方は切断前フィルム240の幅方向の一方の端部の近傍において切断前フィルム240を長尺方向の連続的に切断し、他方は切断前フィルム240の幅方向の他方の端部の近傍において切断前フィルム240を長尺方向の連続的に切断する。このため、切断前フィルム240の両端においてフィルム耳250及び260が切り除かれて、所望の幅寸法を有する光学フィルム270が得られる。これらのフィルム耳250及び260並びに光学フィルム270は、更に下流へと搬送される。
その後、図11に示すように、フィルム耳250及び260は、長尺方向にロール状に巻回されて、巻回体280として回収される。また、光学フィルム270は、長尺方向にロール状に巻回されて、巻回体290として回収される。
上述した製造方法では、トリミング装置400を用いて光学フィルム270を製造しているので、光学フィルム270がトリミング部520において裂けない。また、フィルム耳250及び260と光学フィルム270とを更に確実に切り分けることができる。さらに、外側ベルト410及び420が屈曲したベルト部414及び424を有していても、フィルム耳250及び260の破損を防ぐことができる。さらに、第一実施形態に係る製造装置200と同様の利点を得ることができる。
[4.その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、更に変更して実施しうる。
例えば、上述した第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態の構成は、任意に組み合わせて実施してもよい。具体例を挙げると、第三実施形態に係るトリミング装置400において、内側ベルト150及び160に係る懸架ロール151及び161の位置を、第二実施形態に係る懸架ロール351及び361のように上流に変更してもよい。
また、例えば、外側ベルトと内側ベルトとは、どちらの長さを長くしてもよく、両方を同じ長さにしてもよい。
さらに、例えば、第三実施形態に係るトリミング装置400では外側ベルト410及び420を屈曲させたが、内側ベルト150及び160を屈曲させてもよい。
また、上述した実施形態においてはトリミング装置で延伸フィルムを切断したが、延伸フィルム以外のフィルムを切断してもよい。
[5.各要素の説明]
〔5.1.カッター〕
カッターとしては、上述した実施形態において例示した以外のものを用いてもよい。例えば、上述した実施形態のように刃が重なる複数のナイフを組み合わせたカッター以外に、1つのナイフを単独で用いるカッターを用いてもよい。また、例えばレーザーカッターのような非接触式のカッターを用いてもよい。
〔5.2.無端状ベルト〕
無端状ベルト(即ち、第一無端状ベルト及び第二無端状ベルト)としては、1層のみを備える単層構造のベルトを用いてもよいが、2層以上の層を備える複層構造のベルトを用いることが好ましい。複層構造のベルトは、各層の備える特性を組み合わせて用いることができるので、所望の特性を有するベルトを容易に実現できる。
図13は、無端状ベルトの一例の構成を模式的に示す断面図である。無端状ベルトとしては、図13に示すように、基材層610、非多孔質層としてのゴム層620、及び、多孔質層としてのスポンジ層630をこの順に備えるベルト600を用いることが好ましい。このベルト600は、スポンジ層630側において延伸フィルム等のフィルムに接触する向きで用いられる。この際、基材層610としては、例えば、ステンレスベルト及びスチールベルト等を用いうる。
このようなベルト600を用いれば、フィルムを安定して挟圧することが可能である。また、このベルト600は、スポンジ層630のように柔軟な層でフィルムに接触するので、フィルムの傷つきを防止することが可能である。
〔5.3.切断対象となるフィルム〕
切断対象となるフィルムとしては、通常、樹脂フィルムを用いる。フィルムの材料となる樹脂としては、本発明の効果を有効に活用する観点から、延伸した場合に裂けやすい樹脂が好ましい。その例を挙げると、ノルボルネン樹脂等のシクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。また、フィルムの材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
フィルムは、1層のみからなる単層構造のフィルムであってもよく、複数の層を有する複層構造のフィルムであってもよい。また、フィルムが複数の層を備える場合、フィルムが備える層を形成する樹脂の種類は、同じでもよく、異なっていてもよい。具体例を挙げると、樹脂AからなるA層と、樹脂Aとは異なる樹脂BからなるB層とを、A層、B層及びA層の順に備える3層構造のフィルムにしてもよい。
切断対象となるフィルムとしては、延伸処理を施していない未延伸フィルムを用いてもよい。しかし、裂けやすいフィルムにおいてその裂けを防止しながら切断を行えるという利点を有効に活用する観点から、切断対象となるフィルムとして延伸フィルムを用いることが好ましい。
延伸フィルムの延伸方向は、裂けやすい延伸フィルムにおいて裂けを防止できるという効果を有効に活用する観点から、裂けやすい方向であることが好ましい。具体的には、横方向及び斜め方向が好ましい。
延伸フィルムの延伸倍率は、好ましくは1.01倍以上、より好ましくは1.30倍以上、特に好ましくは1.50倍以上であり、好ましくは10.0倍以下、より好ましくは4.50倍以下、特に好ましくは3.00倍以下である。
また、フィルムの幅方向の端部を切断して光学フィルムとフィルム耳とを切り分ける場合、その切断位置は、得られる光学フィルムが所望の幅を有するように設定することが好ましい。具体的には、切断前フィルムの幅方向の縁からカッターにより切断される部分までの距離は、好ましくは10mm以上、より好ましくは25mm以上、特に好ましくは40mm以上であり、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下、特に好ましくは60mm以下である。
また、切断されたフィルムを光学フィルムとして用いる場合、光学要素としての機能を安定に発揮する観点から、そのフィルムの全光線透過率は高いことが好ましい。具体的な全光線透過率の範囲は、85%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。ここで、全光線透過率は、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計 NDH−300A」を用いて、5箇所測定し、それから求めた平均値である。
さらに、フィルムのヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。ここで、ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計 NDH−300A」を用いて、5箇所測定し、それから求めた平均値である。
カッターによる切断前において、フィルムの幅は、好ましくは1000mm以上、より好ましくは1300mm以上、特に好ましくは1400mm以上である。このようにフィルムの幅を広くすることにより、得られる光学フィルムを大画面の表示装置等に好適に用いることができる。また、幅の上限に制限は無いが、好ましくは2500mm以下、より好ましくは2000mm以下である。
フィルムの厚みは、例えば、180μm以下、120μm以下、60μm以下、又は50μm以下としてもよい。また、下限は、例えば、10μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、又は35μm以上などに、適宜設定しうる。
100 トリミング装置
110 外側ベルト
110D 往路部分
111 懸架ロール
112 懸架ロール
120 外側ベルト
120U 往路部分
121 懸架ロール
122 懸架ロール
130 トリミングナイフ
140 トリミングナイフ
150 内側ベルト
150D 往路部分
151 懸架ロール
152 懸架ロール
160 内側ベルト
160U 往路部分
161 懸架ロール
162 懸架ロール
170 切断前フィルム
171 切断前フィルムの幅方向の端部
172 切断前フィルムの端部171よりも幅方向の内側の部分
180 フィルム耳
190 光学フィルム
200 光学フィルムの製造装置
210 延伸部
220 トリミング部
230 延伸前フィルム
240 切断前フィルム
250 フィルム耳
260 フィルム耳
270 光学フィルム
280 巻回体
290 巻回体
300 トリミング装置
350 内側ベルト
351 懸架ロール
352 懸架ロール
360 内側ベルト
361 懸架ロール
362 懸架ロール
400 トリミング装置
410 外側ベルト
410D 往路部分
411 懸架ロール
412 懸架ロール
413 懸架ロール
414 ベルト部
415 ベルト部
420 外側ベルト
420U 往路部分
421 懸架ロール
422 懸架ロール
423 懸架ロール
424 ベルト部
425 ベルト部
500 光学フィルムの製造装置
520 トリミング部
600 ベルト
610 基材層
620 ゴム層
630 スポンジ層

Claims (4)

  1. 長尺方向に連続的に搬送される長尺のフィルムを切断しうるトリミング装置であって、
    対に設けられた第一無端状ベルト、前記フィルムを長尺方向に連続的に切断できるカッター、及び、対に設けられた第二無端状ベルトを、前記フィルムの幅方向においてこの順に備え、
    前記第一無端状ベルトは、前記カッターによる切断地点よりも上流の地点から前記カッターによる切断地点よりも下流の地点まで、前記フィルムを挟圧可能であり、
    前記第二無端状ベルトは、前記カッターによる切断地点よりも上流の地点から前記カッターによる切断地点よりも下流の地点まで、前記フィルムを挟圧可能である、トリミング装置。
  2. 前記第一無端状ベルトが、前記カッターにより前記フィルムが切断される地点よりも下流に、前記第二無端状ベルトによって挟圧された前記フィルムの搬送方向とは異なる方向に搬送される前記フィルムを挟圧しうる分別ベルト部を備える、請求項1記載のトリミング装置。
  3. 前記第一無端状ベルトが、前記カッターにより前記フィルムが切断される地点よりも下流に、前記第一無端状ベルトにより挟圧される前記フィルムが屈曲しうる屈曲ベルト部と、前記屈曲ベルト部よりも下流において前記フィルムを挟圧しうる下流ベルト部とを備える、請求項1又は2記載のトリミング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のトリミング装置により、長尺方向に連続的に搬送される長尺のフィルムから幅方向端部のフィルム耳を切り除いて、光学フィルムを製造する、光学フィルムの製造方法。
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