JP2015000233A - 眼科装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 操作に不慣れな検者でも撮影モードによらず高精度のアライメントを容易かつ迅速に行うことができる眼底カメラを提供する。【解決手段】 眼底カメラに対して、被検眼を撮影するために用いられる光学系を有し、前記被検眼を撮影する際の撮影モードを複数実行可能なヘッド部と、前記被検眼に対し前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、検者によって操作される操作部材と、前記撮影モードに応じて、前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する制御手段と、を配する。【選択図】 図1
Description
本発明は、眼科装置、特に被検眼の観察、撮影などを行う眼底カメラに関する。
眼科装置、特に被検眼の観察等を行なう眼底カメラは、例えば被検眼の眼底或いは前眼部を観察するといった異なる動作モードにおいても、被検眼に対して撮影部を所定の位置にアライメントすることが必要である。このアライメントを行うために、眼底カメラに対してジョイスティック等のアライメント操作部材を設け、アライメント操作部材を操作(傾倒・回転等)することで撮影部を上下前後左右方向に移動させるものが広く知られている。
一般的に、眼底カメラのアライメント操作部材は、二つの動作様式を行うことによりアライメント操作性を向上する機構となっている。これら動作様式では、左右眼の切り替え時のように粗い位置合わせで良い場合には撮影部を大きく動かす粗動動作を行い、被検眼に対して細かい位置合わせを要する場合には撮影部を小さく動かす微動動作を行う。特許文献1には、上記粗動動作及び微動動作を電気的な駆動及び制御方法を用いることで実現した電動ジョイスティックの機構が開示されている。このジョイスティックでは、所定の傾倒角度範囲(−20〜+20°)で操作された時は撮影部を微動動作させ、所定の傾倒角度範囲を超えて操作されたときには撮影部を粗動動作させる構成となっている。
また、ジョイスティックの動作をアライメントに反映させる際の動作パラメータを変更することでアライメント操作性を向上する方法もある。特許文献2によれば、被検眼と撮影部との間のアライメントずれ量に応じて、アライメント操作部材の単位操作量当たりの撮影部移動量を変更する構成が開示されている。アライメントずれ量が大きい場合には撮影部を大きく移動させ、アライメントずれ量が小さい場合には撮影部を小さく移動させることでアライメント操作性の向上を図っている。
例えば眼底カメラは、被検眼の撮影に際して用いられる異なる撮影モード、例えば前眼部や眼底を撮影するモード等を有することが一般的である。また、これら撮影モードにおいても、被検眼の前眼部の観察を行う場合と眼底の観察を行う場合とが存在する。所謂前眼観察は、被検眼眼底を撮影するために被検眼前眼部を観察し、眼球の中心部分と撮影部の光軸とのラフアライメントを行う場合にも行われる。また、所謂眼底観察は、被検眼眼底を観察し、さらに詳細な位置合わせであるファインアライメントを行い、フォーカス位置を合わせ、被検眼眼底を撮影する際に行われる。更に、臨床現場でのニーズの高まりから、被検眼前眼部の撮影が行える機能を有した眼底カメラもある。このような眼底カメラは、被検眼前眼部を観察し、関心部位へ撮影部をアライメントする前眼撮影のための前眼観察を行う。
ここで、例えば前眼撮影のための前眼観察では細かい位置合わせが不要で移動させたい範囲が広い。一方、眼底観察では細かい位置合わせが必要で移動させたい範囲が狭い。即ち、撮影モード或いは観察対象によって、アライメント時に撮影部を移動させたい範囲が異なっている。この場合、必要微動範囲に関わらず微動可能範囲が不変であると、必要微動範囲が狭い場合にも大きく移動させることが出来てしまうため、アライメント操作部材を微少な操作で扱わなければならず、高精度のアライメントは困難となる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、操作に不慣れな検者でも撮影モードによらず高精度のアライメントを容易かつ迅速に行うことができる眼底カメラを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明に係る眼科装置は、被検眼を撮影するために用いられる光学系を有し、前記被検眼を撮影する際の撮影モードを複数実行可能なヘッド部と、
前記被検眼に対し前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、
検者によって操作される操作部材と、
前記撮影モードに応じて、前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
前記被検眼に対し前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、
検者によって操作される操作部材と、
前記撮影モードに応じて、前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、細かい位置合わせが不要で撮影部を移動させたい範囲が広い動作モードの場合には、アライメント操作部材に例示される操作部材の操作により撮影部を早く大きく移動させることが出来る。また同時に、細かい位置合わせが必要で撮影部を移動させたい範囲が狭い動作モードの場合には、アライメント操作部材の操作が同じ操作速度・操作量であっても撮影部をゆっくりと小さく移動させることが出来る。従って、アライメント操作部材の微少な操作が不要となり、高精度のアライメントを容易かつ迅速に行うことが可能となる。
[実施例1]
本発明の実施例を適応した眼底カメラの詳細を図1乃至図7に基づいて説明する。
本発明の実施例を適応した眼底カメラの詳細を図1乃至図7に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例1を説明する眼底カメラの全体図である。
図1に示す眼底カメラは、被検者の顎を支持する顎受け部2を有する固定基材1、駆動手段3、アライメント操作部材4、フォーカス操作部材5、表示部6、及びヘッド部7を主たる構成として有する。駆動手段3、アライメント操作部材4、及びフォーカス操作部材5は固定基材1に設けられる。ヘッド部7は駆動手段3に対して取り付けられ、表示部6はヘッド部7に設けられる。ヘッド部7には、被検眼への観察光等の照射、被検眼の観察及び撮影を行なうために用いられる後述する各種光学系が配置されている。また、該光学系を含むヘッド部7は、後述する複数の撮影モード各々及び前眼部と眼底との何れかの観察を複数実行可能となっている。
図1に示す眼底カメラは、被検者の顎を支持する顎受け部2を有する固定基材1、駆動手段3、アライメント操作部材4、フォーカス操作部材5、表示部6、及びヘッド部7を主たる構成として有する。駆動手段3、アライメント操作部材4、及びフォーカス操作部材5は固定基材1に設けられる。ヘッド部7は駆動手段3に対して取り付けられ、表示部6はヘッド部7に設けられる。ヘッド部7には、被検眼への観察光等の照射、被検眼の観察及び撮影を行なうために用いられる後述する各種光学系が配置されている。また、該光学系を含むヘッド部7は、後述する複数の撮影モード各々及び前眼部と眼底との何れかの観察を複数実行可能となっている。
検者はアライメント操作部材4を操作することにより、駆動手段3の駆動方向、駆動量、駆動速度を指示し、該駆動手段3を駆動させることによってヘッド部7と被検眼Eとのアライメントが出来るようになっている。駆動手段3はヘッド部7を左右方向(被検眼Eの眼幅方向である紙面に垂直な方向)であるX方向、前後方向(被検眼Eへ接近、離間する方向である図中左右方向)であるZ方向、上下方向であるY方向(図中上下方向)に移動させるため、それぞれの軸に対応した駆動機構を有している。
また、検者がフォーカス操作部材5を操作したときには、その停止位置がフォーカス操作部材位置センサS4によって検出される。尚、本実施例中では表示部6をヘッド部7に設けているが、固定基材1に設けても良い。以下、ヘッド部7に設けられる各構成について、順に説明する。なお、以下に述べる駆動機構は、被検眼Eに対してヘッド部7を移動させるための駆動手段を構成する。
(X軸駆動機構)
固定基材1に対してXフレーム30はX方向に移動可能である。X方向の駆動機構は、固定基材1上に固定されたX軸駆動モータM1とモータ出力軸に連結された不図示の送りねじと、送りねじ上をX方向に移動可能でXフレーム30に固定された不図示のナットで構成されている。X軸駆動モータM1の回転により、送りねじ、ナットを介してXフレーム30がX方向に移動し、X軸位置センサS1によりXフレーム30の停止位置を検出する。
固定基材1に対してXフレーム30はX方向に移動可能である。X方向の駆動機構は、固定基材1上に固定されたX軸駆動モータM1とモータ出力軸に連結された不図示の送りねじと、送りねじ上をX方向に移動可能でXフレーム30に固定された不図示のナットで構成されている。X軸駆動モータM1の回転により、送りねじ、ナットを介してXフレーム30がX方向に移動し、X軸位置センサS1によりXフレーム30の停止位置を検出する。
(Z軸駆動機構)
Xフレーム30に対してZフレーム31はZ方向に移動可能である。Z方向の駆動機構は、Xフレーム30上に固定されたZ軸駆動モータM2とモータ出力軸に連結されたZ送りねじ32と、Z送りねじ上をZ方向に移動可能でZフレーム31に固定されたZナット33で構成されている。Z軸駆動モータM2の回転により、Z送りねじ32、Zナット33を介してZフレーム31がZ方向に移動し、Z軸位置センサS2によりZフレーム31の停止位置を検出する。
Xフレーム30に対してZフレーム31はZ方向に移動可能である。Z方向の駆動機構は、Xフレーム30上に固定されたZ軸駆動モータM2とモータ出力軸に連結されたZ送りねじ32と、Z送りねじ上をZ方向に移動可能でZフレーム31に固定されたZナット33で構成されている。Z軸駆動モータM2の回転により、Z送りねじ32、Zナット33を介してZフレーム31がZ方向に移動し、Z軸位置センサS2によりZフレーム31の停止位置を検出する。
(Y軸駆動機構)
Zフレーム31に対してYフレーム34はY方向に移動可能である。Y方向の駆動機構は、Yフレーム34上に固定されたY軸駆動モータM3とモータ出力軸に連結されたY送りねじ35と、Y送りねじ上をY方向に移動可能でZフレーム31に固定されたYナット36で構成されている。Y軸駆動モータM3の回転により、Y送りねじ35、Yナット36を介してYフレーム34がY方向に移動し、Y軸位置センサS3によりYフレーム34の停止位置を検出する。ヘッド部7はYフレーム34に対して固定されており、以上の駆動機構を介してYフレーム34をX、Y、Zの各々の方向に駆動することによって、被検眼Eとヘッド部7とのアライメントが実行される。
Zフレーム31に対してYフレーム34はY方向に移動可能である。Y方向の駆動機構は、Yフレーム34上に固定されたY軸駆動モータM3とモータ出力軸に連結されたY送りねじ35と、Y送りねじ上をY方向に移動可能でZフレーム31に固定されたYナット36で構成されている。Y軸駆動モータM3の回転により、Y送りねじ35、Yナット36を介してYフレーム34がY方向に移動し、Y軸位置センサS3によりYフレーム34の停止位置を検出する。ヘッド部7はYフレーム34に対して固定されており、以上の駆動機構を介してYフレーム34をX、Y、Zの各々の方向に駆動することによって、被検眼Eとヘッド部7とのアライメントが実行される。
(アライメント操作部材)
図2は本発明の実施例1を説明するアライメント操作部材の斜視図である。
アライメント操作部材4は、前述した駆動機構を操作するための操作棹40及び回転ダイアル41、及びこれらに関連するセンサ、更にはヘッド部7内の各種構成を操作するための各種スイッチ類を有する。操作棹40は、ヘッド部7をX、Z方向へ移動させる傾倒操作を行うために用いられる。回転ダイアル41は、ヘッド部7をY方向へ移動させる回転操作を行うために用いられる。スイッチ類としては、前眼観察補助レンズ操作スイッチ42、及び撮影スイッチ43、が配置され、センサ類としては、X方向アライメント操作量検出センサS5、Z方向アライメント操作量検出センサS6が配置されている。さらに、操作桿40と同軸となるよう配置された回転ダイアル41の内部には、Y方向アライメント操作量検出センサS7が構成されている。
図2は本発明の実施例1を説明するアライメント操作部材の斜視図である。
アライメント操作部材4は、前述した駆動機構を操作するための操作棹40及び回転ダイアル41、及びこれらに関連するセンサ、更にはヘッド部7内の各種構成を操作するための各種スイッチ類を有する。操作棹40は、ヘッド部7をX、Z方向へ移動させる傾倒操作を行うために用いられる。回転ダイアル41は、ヘッド部7をY方向へ移動させる回転操作を行うために用いられる。スイッチ類としては、前眼観察補助レンズ操作スイッチ42、及び撮影スイッチ43、が配置され、センサ類としては、X方向アライメント操作量検出センサS5、Z方向アライメント操作量検出センサS6が配置されている。さらに、操作桿40と同軸となるよう配置された回転ダイアル41の内部には、Y方向アライメント操作量検出センサS7が構成されている。
検者が操作桿40を図中LR方向に傾倒操作することで、X方向アライメント操作量検出センサS5により操作桿40の傾倒方向と傾倒角度とが操作量として検出される。駆動手段3は、この操作量に応じてヘッド部7をX方向に移動する。同様に、FB方向に傾倒操作することで、Z方向アライメント操作量検出センサS6により操作桿40の傾倒方向と傾倒角度とが操作量として検出される。駆動手段3は、この操作量に応じてヘッド部7をZ方向に移動する。また、検者が回転ダイアル41をUD方向に回転操作することで、Y方向アライメント操作量検出センサS7により回転方向と単位時間当たり回転角が検出される。駆動部3は、この操作量に応じてヘッド部7をY方向に移動する。
図3は操作桿40のX方向への傾倒角度θに対するアライメント操作部材4の姿勢(a)〜(e)と、傾倒角度θとX方向アライメント操作量検出センサS5の出力である抵抗値Rとの関係(f)と、その時の撮影部7の動き(g)〜(k)をまとめて示した図である。
ここでそれぞれの傾倒角度は、例えばθ1は−25゜、θ2は−20゜、θ0は0゜、θ3は+20゜、θ4は+25゜である。そして、抵抗値R1、R2、R0、R3、R4は傾倒角度θ1、θ2、θ0、θ3、θ4にそれぞれ対応している。
操作桿40が抵抗値R2〜R3に対応する傾倒角度θ2〜θ3(−20°〜+20°)にある領域では、操作桿40の傾倒角度は保持される。このとき図5に記載のシステム制御部100は操作桿40の傾倒角度に伴って変化するX方向アライメント操作量検出センサS5の出力を基に、X軸駆動モータM1の駆動を位置制御にする。すなわち、ヘッド部7を小さく移動させる微動動作が可能となる。
一方、操作桿40が抵抗値R1〜R2に対応する傾倒角度θ1〜θ2(−25°〜−20°)と、抵抗値R3〜R4に対応する傾倒角度θ3〜θ4(+20°〜+25°)にある領域では、操作桿40の傾倒角度は所定角度θ2もしくはθ3に復帰する。このときシステム制御部100は操作桿40の傾倒角度に伴って変化するX方向アライメント操作量検出センサS5の出力を基に、X軸駆動モータM1の駆動を速度制御にする。すなわち、撮影部7を大きく移動させる粗動動作が可能となる。
なお、実施例1ではアライメント操作部材としてジョイスティックを用いた場合について述べているが、本発明におけるアライメント操作部材の態様はこれに限定されない。具体的には、所謂トラックボール、3Dマウス等の公知の他の操作部材を用いることも可能である。また、本実施例ではアライメントの実行のための操作部材としているが、アライメントのみならず、当該構成は駆動手段の種々の駆動を指示することが可能である。よって、当該部材は単に操作部材として把握されることが好ましい。
(光学系)
図4は本発明の実施例1を説明するヘッド部内に配置される光学系の構成図である。
ヘッド部7は、大きく分けて撮影光源部O1、観察光源部O2、照明光学系O3、撮影/照明光学系O4、撮影光学系O5、内部固視灯部O6から構成される。撮影光源部O1または観察光源部O2によって射出された光束が照明光学系O3、撮影/照明光学系O4を経て被検眼Eを照明し、その像は撮影/照明光学系O4、撮影光学系O5を経て撮像素子に結像される。
図4は本発明の実施例1を説明するヘッド部内に配置される光学系の構成図である。
ヘッド部7は、大きく分けて撮影光源部O1、観察光源部O2、照明光学系O3、撮影/照明光学系O4、撮影光学系O5、内部固視灯部O6から構成される。撮影光源部O1または観察光源部O2によって射出された光束が照明光学系O3、撮影/照明光学系O4を経て被検眼Eを照明し、その像は撮影/照明光学系O4、撮影光学系O5を経て撮像素子に結像される。
撮影光源部O1は以下の構成からなる。撮影光源70はガラス管の中にXeを封入し電圧を印加することで発光し、撮影時に眼底像を記録するために十分な強度の白色光を得ることが可能である。撮影コンデンサレンズ71は、一般的な球面レンズである。撮影リングスリット72は、環状の開口を持った平板である。撮影水晶体バッフル73は、これも環状の開口を持った平板である。撮影光源70から射出された光束は撮影コンデンサレンズ71によって眼底に向けて集光される。集光された光束は、撮影リングスリット72によって前眼部を通過する際の光束形状が環状となるよう成形される。その後、さらに撮影水晶体バッフル73によって、被検眼水晶体へ投影される光束が制限され、眼底像に不要な被検眼の水晶体からの反射光が写りこむことが防がれる。
観察光源部O2は以下の構成からなる。観察光源74は、ハロゲンランプやLEDなど連続発光可能な光源であり素子の特性や光学フィルタによって赤外光を発光する。観察コンデンサレンズ75は、一般的な球面レンズである。観察リングスリット76は、環状の開口を持った平板である。観察水晶体バッフル77は、これも環状の開口を持った平板である。これらは撮影光源部O1と光源の種類が異なるだけであり、観察コンデンサレンズ75で集光し、観察リングスリット76で前眼部での光束の形状を整え、観察水晶体バッフル77で眼底像への水晶体からの反射光の写りこみを防いでいる。
照明光学系O3にて撮影光源部O1、観察光源部O2で作られた光束をリレーするとともに、眼底像の焦点合わせのための指標像を造りこむ。ダイクロイックミラー78は、赤外光を透過、可視光を反射する。撮影光源部O1で作られた可視光による光束は反射して、観察光源部O2で作られた赤外光による光束は透過して、照明光学系O3に導光される。第一の照明リレーレンズ79、及び第二の照明リレーレンズ81によって、リング状の照明光は被検眼Eに結像される。
スプリットユニット80は、フォーカス指標光源80a、プリズム80b、フォーカス指標マスク80c、後述する移動機構、及び後述する進退機構を有する。フォーカス指標光源80aはフォーカス指標を投影するために用いられ、プリズム80bは光源を分割するために用いられ、フォーカス指標マスク80cはフォーカス指標の外形を示すために用いられる。移動機構はこれら構成を観察時に照明光学系O3に進入し図中矢印方向に移動することでフォーカス指標を光軸方向にシフト移動させ、進退機構は撮影時に照明光学系O3からこれらを退避させる。スプリットシフト駆動モータM8、及びスプリット位置センサS8は、スプリットユニット80をシフト駆動してフォーカス指標の焦点を合わせ、かつ、その停止位置を検出する。また、スプリット進退駆動モータM9は、スプリットユニット80を照明光学系O3に対して進退させるために用いられる。スプリット進退駆動モータM9は、眼底観察時に照明光学系O3内にスプリットユニット80を進入させて、観察像の中にスプリット指標を投影する。また、撮影時に照明光学系O3からスプリットユニット80を退避させ、撮影像の中にフォーカス指標が写りこむことが無いように制御される。
角膜バッフル82は、眼底像に不要な被検眼の角膜からの反射光の写りこみを防いでいる。
撮影/照明光学系O4は被検眼Eに対して照明光束を投影するとともに、被検眼反射光束を導出する。穴あきミラー83は、外周部がミラー、中央部が穴となっている。照明光学系O3から導かれた光束はミラー部分で反射して、対物レンズ84を介して被検眼Eを照明する。被検眼Eからの反射光束は対物レンズ84を戻り、穴あきミラー83の中央部の穴を通って撮影光学系O5に導出される。
撮影光学系O5は、被検眼眼底像の焦点調節を行った上で撮像素子に結像する。倍率拡大用の前眼観察補助レンズ85は、前眼観察時には前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10により撮影光学系O5内に進入し、眼底観察時には撮影光学系O5から退避する。尚、前眼観察補助レンズ85は、不図示の強度遠視用視度補正レンズと共用しても良い。フォーカスレンズ86は撮影光束の焦点調節を行うためのレンズで、図中矢印方向に移動することで焦点調節を行う。フォーカスレンズ駆動モータM11、及びフォーカスレンズ位置センサS11は、フォーカスレンズ86を駆動して焦点を合わせると共に、その停止位置を検出する。撮像素子87は、撮影光を光電変換する。撮像素子87で得られた電気信号は、デジタルデータとすべく画像処理部88によってA−D変換され、赤外観察時には、表示部6に表示され、撮影後には、不図示の記録媒体に記録される。
内部固視灯部O6はハーフミラー89によって撮影光学系O5から光路が分割され、その光路に対して内部固視灯ユニット90が対向している。内部固視灯ユニット90は複数のLEDによって構成され、検者が選択した固視部に対応した位置のLEDを点灯させる。被検者が点灯したLEDを固視することで、検者は所望の向きの眼底像を得ることができる。
(制御系)
図5は本発明の実施例1を説明する電気ブロック図である。
実施例1における眼底カメラはシステム制御部100によって以下の全ての動作が制御されている。電源スイッチ101は眼底カメラの電源状態を選択するスイッチである。XYZモータ駆動回路102はX方向アライメント操作量検出センサS5、Z方向アライメント操作量検出センサS6、Y方向アライメント操作量検出センサS7の出力に対応した位置に撮影部7が移動するようにX軸駆動モータM1、Z軸駆動モータM2、Y軸駆動モータM3を駆動させる。
図5は本発明の実施例1を説明する電気ブロック図である。
実施例1における眼底カメラはシステム制御部100によって以下の全ての動作が制御されている。電源スイッチ101は眼底カメラの電源状態を選択するスイッチである。XYZモータ駆動回路102はX方向アライメント操作量検出センサS5、Z方向アライメント操作量検出センサS6、Y方向アライメント操作量検出センサS7の出力に対応した位置に撮影部7が移動するようにX軸駆動モータM1、Z軸駆動モータM2、Y軸駆動モータM3を駆動させる。
M10駆動回路105は前眼観察補助レンズ操作スイッチ42の操作により前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5に対して進退するよう前眼観察補助レンズ駆動モータM10を駆動させる。また、撮影部7が検者側へ大きく移動したことをZ軸位置センサS2が検出した際にも前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5に対して進入するよう前眼観察補助レンズ駆動モータM10を駆動させる。
M8駆動回路103はフォーカス操作部材位置センサS4の出力に対応した位置にスプリットユニット80が移動するようにスプリットシフト駆動モータM8を駆動させる。M9駆動回路104は撮影前後にスプリットユニット80が照明光学系O3に対して進退するようスプリット進退駆動モータM9を駆動させる。M11駆動回路106はM8駆動回路103同様、フォーカス操作部材位置検出センサS4の出力に対応した位置にフォーカスレンズ86が移動するようにフォーカスレンズ駆動モータM11を駆動させる。また、同時に、フォーカスレンズ位置センサS11により停止位置を検出する。撮影光源制御回路107は撮影前に撮影光源70を発光するためのエネルギを充電し、撮影時に充電した電気エネルギを放電し、撮影光源70を発光させる。
アライメント操作部材に配置される撮影スイッチ43、及び眼底カメラ自体のオンオフを制御する電源スイッチ101も該システム制御部100に接続される。
(フローチャート)
図6は本発明の実施例1を説明する眼底カメラ撮影時のフローチャートである。
(S00)から開始する。
(S01)では眼底撮影を行うか、前眼撮影を行うかが選択される。前眼観察補助レンズ操作スイッチ42が押下されたことを検知すると、眼底撮影のための前眼観察へと移行する。一方、撮影部7が規定位置よりも検者側へ移動したことをZ軸位置センサS2の出力より検知すると、前眼撮影のための前眼観察へと移行する。即ち(S01)でのモードの判定は、前眼観察補助レンズ操作スイッチ42の操作の有無或いはZ軸位置センサS2の出力の何れかに基づいて実行される。前眼観察補助レンズ85の光路に対する挿脱に関する出力等は、システム制御部100に送られ後述する撮影モードの判定にも用いられる。なお、以上の判定はシステム制御部100において、実行する撮影モードを判定する撮影モード判定手段として機能するモジュール領域により実行される。ここで、眼底撮影が選択された場合フローは(S02)へ進み、前眼撮影が選択された場合は(S10)へ進む。
図6は本発明の実施例1を説明する眼底カメラ撮影時のフローチャートである。
(S00)から開始する。
(S01)では眼底撮影を行うか、前眼撮影を行うかが選択される。前眼観察補助レンズ操作スイッチ42が押下されたことを検知すると、眼底撮影のための前眼観察へと移行する。一方、撮影部7が規定位置よりも検者側へ移動したことをZ軸位置センサS2の出力より検知すると、前眼撮影のための前眼観察へと移行する。即ち(S01)でのモードの判定は、前眼観察補助レンズ操作スイッチ42の操作の有無或いはZ軸位置センサS2の出力の何れかに基づいて実行される。前眼観察補助レンズ85の光路に対する挿脱に関する出力等は、システム制御部100に送られ後述する撮影モードの判定にも用いられる。なお、以上の判定はシステム制御部100において、実行する撮影モードを判定する撮影モード判定手段として機能するモジュール領域により実行される。ここで、眼底撮影が選択された場合フローは(S02)へ進み、前眼撮影が選択された場合は(S10)へ進む。
まず始めに、眼底撮影を行うときの撮影シーケンスを説明する。
(S02)にて前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5へ進入するよう前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10が駆動する。
(S03)にて不図示の前眼観察光源の発光が開始され、被検眼Eに赤外光が照射される。
(S04)ではヘッド部7と被検眼Eとのラフアライメントが完了したかの判定を行う。検者がアライメント操作部材4を操作して被検眼中心部と撮影光軸を合わせるためのラフアライメントを行い、ラフアライメント完了後に前眼観察補助レンズ操作スイッチ42を押下する。眼底カメラは前眼観察補助レンズ操作スイッチ42が押下されたことを検知すると、ラフアライメントが完了したとして、眼底観察へと移行し、(S05)へ進む。前眼観察補助レンズ操作スイッチ42が押下されるまで、ラフアライメント中であるとして待機する。尚、ラフアライメントの完了を自動検知する機構を設けることで、眼底撮影のための前眼観察から眼底観察への移行を自動で行っても良い。
(S05)にて前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5より退避するよう前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10が駆動する。
(S06)にて不図示の前眼観察光源の発光が停止し、眼底観察光源74の発光が開始され、被検眼眼底に赤外光が照射される。
(S07)では撮影準備が完了したかの判定を行う。検者がアライメント操作部材4を操作してヘッド部7と被検眼Eとのファインアライメントを、フォーカス操作部材5を操作して撮影映像のピント合わせをそれぞれ行い、ファインアライメント及びピント合わせ完了後に撮影スイッチ43を押下する。眼底カメラは撮影スイッチ43が押下されたことを検知すると、撮影準備が完了したとして、(S08)へ進む。撮影スイッチ43が押下されるまで、撮影準備中であるとして待機する。尚、オートフォーカスの機構を設けることで、ピント合わせを自動で行っても良いし、オートショットの機構を設けることで、ファインアライメントの完了及びピント合わせの完了を検知し、自動で撮影を行っても良い。
(S08)にて撮影光源70が発光し、被検眼眼底に可視光が照射される。
(S09)にて眼底像が撮影される。
(S99)にてシーケンスを完了する。
(S02)にて前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5へ進入するよう前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10が駆動する。
(S03)にて不図示の前眼観察光源の発光が開始され、被検眼Eに赤外光が照射される。
(S04)ではヘッド部7と被検眼Eとのラフアライメントが完了したかの判定を行う。検者がアライメント操作部材4を操作して被検眼中心部と撮影光軸を合わせるためのラフアライメントを行い、ラフアライメント完了後に前眼観察補助レンズ操作スイッチ42を押下する。眼底カメラは前眼観察補助レンズ操作スイッチ42が押下されたことを検知すると、ラフアライメントが完了したとして、眼底観察へと移行し、(S05)へ進む。前眼観察補助レンズ操作スイッチ42が押下されるまで、ラフアライメント中であるとして待機する。尚、ラフアライメントの完了を自動検知する機構を設けることで、眼底撮影のための前眼観察から眼底観察への移行を自動で行っても良い。
(S05)にて前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5より退避するよう前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10が駆動する。
(S06)にて不図示の前眼観察光源の発光が停止し、眼底観察光源74の発光が開始され、被検眼眼底に赤外光が照射される。
(S07)では撮影準備が完了したかの判定を行う。検者がアライメント操作部材4を操作してヘッド部7と被検眼Eとのファインアライメントを、フォーカス操作部材5を操作して撮影映像のピント合わせをそれぞれ行い、ファインアライメント及びピント合わせ完了後に撮影スイッチ43を押下する。眼底カメラは撮影スイッチ43が押下されたことを検知すると、撮影準備が完了したとして、(S08)へ進む。撮影スイッチ43が押下されるまで、撮影準備中であるとして待機する。尚、オートフォーカスの機構を設けることで、ピント合わせを自動で行っても良いし、オートショットの機構を設けることで、ファインアライメントの完了及びピント合わせの完了を検知し、自動で撮影を行っても良い。
(S08)にて撮影光源70が発光し、被検眼眼底に可視光が照射される。
(S09)にて眼底像が撮影される。
(S99)にてシーケンスを完了する。
次に、前眼撮影を行うときの撮影シーケンスを説明する。
(S10)にて前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5へ進入するよう前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10が駆動する。
(S11)にて前眼観察補助レンズ85の進入とほぼ同時にフォーカスレンズ86が遠視方向へ移動するようフォーカスレンズ駆動モータM11が駆動する。
(S12)にて眼底観察光源74の発光が開始され、被検眼Eに赤外光が照射される。
(S13)では撮影準備が完了したかの判定を行う。検者がアライメント操作部材4を操作して被検眼前眼部の関心部位と撮影光軸を合わせるためのアライメントを、フォーカス操作部材5を操作して撮影映像のピント合わせをそれぞれ行い、アライメント及びピント合わせ完了後に撮影スイッチ43を押下する。眼底カメラは撮影スイッチ43が押下されたことを検知すると、撮影準備が完了したとして、(S14)へ進む。撮影スイッチ43が押下されるまで、撮影準備中であるとして待機する。尚、眼底撮影時同様、オートフォーカスの機構を設けることで、ピント合わせを自動で行っても良い。
(S14)にて撮影光源70が発光し、被検眼Eに可視光が照射される。
(S15)にて前眼像が撮影される。
(S99)にてシーケンスを完了する。
(S10)にて前眼観察補助レンズ85が撮影光学系O5へ進入するよう前眼観察補助レンズ進退駆動モータM10が駆動する。
(S11)にて前眼観察補助レンズ85の進入とほぼ同時にフォーカスレンズ86が遠視方向へ移動するようフォーカスレンズ駆動モータM11が駆動する。
(S12)にて眼底観察光源74の発光が開始され、被検眼Eに赤外光が照射される。
(S13)では撮影準備が完了したかの判定を行う。検者がアライメント操作部材4を操作して被検眼前眼部の関心部位と撮影光軸を合わせるためのアライメントを、フォーカス操作部材5を操作して撮影映像のピント合わせをそれぞれ行い、アライメント及びピント合わせ完了後に撮影スイッチ43を押下する。眼底カメラは撮影スイッチ43が押下されたことを検知すると、撮影準備が完了したとして、(S14)へ進む。撮影スイッチ43が押下されるまで、撮影準備中であるとして待機する。尚、眼底撮影時同様、オートフォーカスの機構を設けることで、ピント合わせを自動で行っても良い。
(S14)にて撮影光源70が発光し、被検眼Eに可視光が照射される。
(S15)にて前眼像が撮影される。
(S99)にてシーケンスを完了する。
(モード或いは観察に応じた微動動作)
上記一連のシーケンス中に、検者が微動動作によりアライメントを行うタイミングが眼底撮影、前眼撮影合わせて3つ存在する。眼底撮影のための前眼観察におけるアライメント(S04)、眼底観察におけるアライメント(S07)、前眼撮影のための前眼観察におけるアライメント(S13)である。本形態では、撮影モード及び該モード中での観察の対象物に応じて、アライメント操作部材4の操作量に対応した駆動手段の駆動量がシステム制御部100により制御される。なお、ここで述べる駆動量は、後述する微動及び粗動を含めてヘッド部7を移動させる際の量であって、微動時に決定されるアライメント操作部材4の操作量に対応した移動量という概念を包括する。また、操作部材の操作量に対応して制御される駆動手段の駆動量を、前述した前眼観察補助レンズに例示される光学部材の光路に対する挿脱に応じて変更するとして本発明を把握することも可能である。
上記一連のシーケンス中に、検者が微動動作によりアライメントを行うタイミングが眼底撮影、前眼撮影合わせて3つ存在する。眼底撮影のための前眼観察におけるアライメント(S04)、眼底観察におけるアライメント(S07)、前眼撮影のための前眼観察におけるアライメント(S13)である。本形態では、撮影モード及び該モード中での観察の対象物に応じて、アライメント操作部材4の操作量に対応した駆動手段の駆動量がシステム制御部100により制御される。なお、ここで述べる駆動量は、後述する微動及び粗動を含めてヘッド部7を移動させる際の量であって、微動時に決定されるアライメント操作部材4の操作量に対応した移動量という概念を包括する。また、操作部材の操作量に対応して制御される駆動手段の駆動量を、前述した前眼観察補助レンズに例示される光学部材の光路に対する挿脱に応じて変更するとして本発明を把握することも可能である。
図7は各撮影モードにおける必要微動範囲を示した図である。
図7を用いて各撮影モードによってヘッド部7を移動させたい範囲が異なることを説明する。図7における破線の円A1〜A3は、表示部6に表示される撮影映像の中心を被検眼Eに対して移動させたい範囲を示しており、r1〜r3はその半径を示している。A1・r1は前眼撮影のための前眼観察における必要微動範囲及びその半径、A2・r2は眼底撮影のための前眼観察における必要微動範囲及びその半径、A3・r3は眼底観察モードにおける必要微動範囲及びその半径である。A1は瞼等を含めた被検眼前眼部全域を関心部位として捉えることが出来るように広く、A2は被検眼中心部と撮影光軸を合わせるラフアライメントに必要な領域のみで良いためA1より狭く、A3は眼底観察時におけるファインアライメントに必要な領域のみで良いためさらに狭い。(A1>A2>A3、r1>r2>r3)
図7を用いて各撮影モードによってヘッド部7を移動させたい範囲が異なることを説明する。図7における破線の円A1〜A3は、表示部6に表示される撮影映像の中心を被検眼Eに対して移動させたい範囲を示しており、r1〜r3はその半径を示している。A1・r1は前眼撮影のための前眼観察における必要微動範囲及びその半径、A2・r2は眼底撮影のための前眼観察における必要微動範囲及びその半径、A3・r3は眼底観察モードにおける必要微動範囲及びその半径である。A1は瞼等を含めた被検眼前眼部全域を関心部位として捉えることが出来るように広く、A2は被検眼中心部と撮影光軸を合わせるラフアライメントに必要な領域のみで良いためA1より狭く、A3は眼底観察時におけるファインアライメントに必要な領域のみで良いためさらに狭い。(A1>A2>A3、r1>r2>r3)
図8はアライメント操作部材4の操作量とヘッド部移動量との関係を示す図である。図8(a)は、ヘッド部移動量が動作モードに関わらず不変であったときのアライメント操作部材4の操作量とヘッド部7の移動量の関係を示す。また図8(b)は、本発明の実施例1の眼底カメラにおけるアライメント操作部材操作量とヘッド部移動量の関係を動作モードに応じて示す図(である。図8(b)に示すように、本発明では、動作モードに応じて必要微動範囲と微動可能範囲が等しくなるよう制御される。
今、アライメント操作部材4の単位操作量当たりのヘッド部移動量が撮影モードに関わらず不変であったとする。この場合、A1全域をカバーするために微動可能範囲は少なくともA1と同じ広さを持つ範囲にしておく必要がある。よって、図8(a)に示す通り、微動動作の最大傾倒角度θ1を操作量としたときヘッド部移動量はr1となる。このとき、眼底観察モードにおけるアライメントで必要となるヘッド部移動量r3に対するアライメント操作部材操作量はθ’となる。つまり、最大傾倒角度θ1までアライメント操作部材4を傾倒操作してしまうと必要微動範囲A1より大きく逸脱してしまうことになるため、検者はθ1より小さい傾倒角度θ’の範囲、−θ’〜+θ’の微少な範囲でアライメント操作部材4を扱わなければならない。同様に、眼底撮影のための前眼観察モードにおけるアライメントの場合も−θ”〜+θ”の範囲でアライメント操作部材を扱わなければならない。
そこで、本発明の実施例1における眼底カメラは、撮影モード、更には該モード中での観察の対象物に応じて必要微動範囲と微動可能範囲が等しくなるよう制御されている。図8(b)に示す通り、微動動作の最大傾倒角度θ1を操作量としたときの前眼撮影のための前眼観察におけるヘッド部移動量はr1、眼底撮影のための前眼観察におけるヘッド部移動量はr2、眼底観察におけるヘッド部移動量はr3となる。よって、どの撮影モードにおいても検者は最大傾倒角度θ1まで使用してアライメントを行うことが出来る。これにより、細かい位置合わせが不要で必要微動範囲が広い前眼撮影のための前眼観察では、アライメント操作部材4の操作によりヘッド部7を早く大きく移動させることを可能となる。同時に、細かい位置合わせが必要で必要微動範囲の狭い眼底観察では、アライメント操作部材4の操作が同じ操作速度・操作量であってもヘッド部7をゆっくりと小さく移動させることが出来る。その結果、アライメント操作部材4の微少な操作が不要となり、高精度のアライメントを容易かつ迅速に行うことが可能となる。
これらの撮影モード毎に設定されるアライメント操作部材4の単位操作量とヘッド部7の移動量との関係は、モード毎にシステム制御部100に配されたデータテーブルに記憶される。また、システム制御部100における撮影モード判定手段の判定結果に応じ、該データテーブルに基づいて、該システム制御部100に配された選択手段として機能するモジュール領域により、アライメント操作部材4の操作量に応じたヘッド部7の移動量が選択される。
尚、本実施例中ではヘッド部7の微動駆動が求められる必要微動範囲と、実際に微動駆動が可能とされる微動可能範囲と、を等しくするよう制御するとしている。しかし、これら動作範囲が完全に等しい場合、本実施形態の場合アライメント操作部材4による制御が位置制御から速度制御となる境界がヘッド部の必要微動範囲の境界と一致してしまう。この場合に必要微動範囲の近傍にてアライメントを行なおうとしたときに、微動操作の僅かに過剰な操作(傾動角度の傾けすぎ)で粗動制御へと移行してしまう可能性が存在する。特に操作者が不慣れな場合、或いは何人のも操作者が単一の装置を操作する場合等には、所謂慣れが必要となる境界近傍での操作を好適に実行できない場合もあり得るかもしれない。このため、アライメント操作性を損なわない範囲で、必要微動範囲より微動可能範囲が僅かに広くなるよう、必要微動範囲の外周に微動となる位置制御を維持するための予備領域を配置して制御することとしても良い。該予備領域では、制御手段は微動可能範囲と同様の制御によってヘッド部7を移動させる。これにより、アライメント操作部材4を操作する上で粗動動作領域までの余裕を持つことができる。
[実施例2]
基本的な構成は前述した実施例1において述べたものと同じである。差異として、図4に示したヘッド部7の光学系構成図において、観察光源74が赤外光、可視光の切り替え可能であり、固定基材1に不図示の観察光源切り替えスイッチが設けられている。被検眼Eが無散瞳状態のときには赤外光にて照明観察を行う赤外観察に、被検眼Eが散瞳状態のときには可視光にて照明観察を行う可視観察に、観察光源切り替えスイッチを用いて切り替え可能である。
基本的な構成は前述した実施例1において述べたものと同じである。差異として、図4に示したヘッド部7の光学系構成図において、観察光源74が赤外光、可視光の切り替え可能であり、固定基材1に不図示の観察光源切り替えスイッチが設けられている。被検眼Eが無散瞳状態のときには赤外光にて照明観察を行う赤外観察に、被検眼Eが散瞳状態のときには可視光にて照明観察を行う可視観察に、観察光源切り替えスイッチを用いて切り替え可能である。
赤外光による眼底観察像は可視光による眼底観察像に比べ低コントラストであるため、アライメント指標が見えづらい。このため、アライメント指標が見えづらい状態において、ヘッド部7が素早く移動してしまうとアライメント指標を見失ってしまう可能性がある。
図9は本発明の実施例2の眼底カメラにおけるアライメント操作部材4の操作量とヘッド部の移動量の関係であって、アライメント操作部材の操作速度を一定としたときのアライメント操作部材の操作量とヘッド部の移動速度の関係を示している。
本発明の実施例2における眼底カメラでは、赤外観察におけるアライメント操作部材4の単位操作量当たりのヘッド部移動量を、可視観察におけるアライメント操作部材4の単位操作量当たりのヘッド部移動量よりも小さくなるように制御されている。図9に示す通り、微動動作の最大傾倒角度θ1を操作量、操作速度は一定としたときの可視観察におけるヘッド部移動速度はV1、赤外観察におけるヘッド部移動速度はV2となる。これにより、低コントラストでアライメント指標の見えづらい赤外観察では、アライメント操作部材4の操作が同じ操作速度・操作量であっても可視観察におけるヘッド部移動速度V1に比べ、速度の遅いヘッド部移動速度V2でゆっくりと小さく移動させることができる。そのため、アライメント指標を見失うリスクを低減出来、アライメント操作性が向上する。
以上のような構成の眼底カメラによれば、アライメント操作部材の操作が同じ操作速度・操作量であっても、各動作モードに応じて最適なヘッド部の移動速度・移動量へ変更されるため、操作に不慣れな検者であっても高精度のアライメントを容易かつ迅速に行うことができる。
なお、上述した実施例では、眼科装置として眼底カメラを例示したが、本発明は当該眼底カメラの態様に限定されず、被検眼と光学系等とのアライメントを要する各種眼科装置に適用可能である。
[その他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
E:被検眼
3:駆動手段
4:アライメント操作部材
7:ヘッド部
40:操作桿
41:回転ダイアル
42:前眼観察補助レンズ操作スイッチ
43:撮影スイッチ
100:システム制御部
102:XYZモータ駆動回路
M1:X軸駆動モータ
M2:Z軸駆動モータ
M3:Y軸駆動モータ
S1:X軸位置センサ
S2:Z軸位置センサ
S3:Y軸位置センサ
S5:X方向アライメント操作量検出センサ
S6:Y方向アライメント操作量検出センサ
S7:Z方向アライメント操作量検出センサ
A1:前眼撮影のための前眼観察モードにおける必要微動範囲
A2:眼底撮影のための前眼観察モードにおける必要微動範囲
A3:前眼観察モードにおける必要微動範囲
r1:前眼撮影のための前眼観察モードにおける必要微動半径
r2:眼底撮影のための前眼観察モードにおける必要微動半径
r3:前眼観察モードにおける必要微動半径
3:駆動手段
4:アライメント操作部材
7:ヘッド部
40:操作桿
41:回転ダイアル
42:前眼観察補助レンズ操作スイッチ
43:撮影スイッチ
100:システム制御部
102:XYZモータ駆動回路
M1:X軸駆動モータ
M2:Z軸駆動モータ
M3:Y軸駆動モータ
S1:X軸位置センサ
S2:Z軸位置センサ
S3:Y軸位置センサ
S5:X方向アライメント操作量検出センサ
S6:Y方向アライメント操作量検出センサ
S7:Z方向アライメント操作量検出センサ
A1:前眼撮影のための前眼観察モードにおける必要微動範囲
A2:眼底撮影のための前眼観察モードにおける必要微動範囲
A3:前眼観察モードにおける必要微動範囲
r1:前眼撮影のための前眼観察モードにおける必要微動半径
r2:眼底撮影のための前眼観察モードにおける必要微動半径
r3:前眼観察モードにおける必要微動半径
Claims (15)
- 被検眼を撮影するために用いられる光学系を有し、前記被検眼を撮影する際の撮影モードを複数実行可能なヘッド部と、
前記被検眼に対し前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、
検者によって操作される操作部材と、
前記撮影モードに応じて、前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する制御手段と、を有する眼科装置。 - 実行する前記撮影モードを判定する撮影モード判定手段を更に有し、前記制御手段は前記撮影モード判定手段の判定結果に応じて前記操作量に対応した前記駆動量の制御を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
- 前記駆動量は、前記操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部の移動量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
- 前記アライメント操作部材の単位操作量と前記ヘッド部の移動量との関係を前記撮影モード毎に記憶したデータテーブルと、前記データテーブルに基づいて前記アライメント操作部材の操作量に応じた前記ヘッド部の移動量を選択して前記制御手段に出力する選択手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
- 前記制御手段が前記ヘッド部の移動量を制御するする微動可能範囲は、前記移動量に対応する前記撮影モードにおける前記ヘッド部に微動駆動が求められる必要微動範囲と一致することを特徴とする請求項3又は4に記載の眼科装置。
- 前記制御手段が前記ヘッド部の移動量を制御するする微動可能範囲は、前記移動量に対応する前記撮影モードにおける前記ヘッド部に微動駆動が求められる必要微動範囲の外周に配置されて前記制御手段が前記ヘッド部を前記微動可能範囲と同様の制御を行なう予備領域を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の眼科装置。
- 前記眼科装置は眼底カメラであって、
前記撮影モードにおいて前記被検眼の前眼の観察と、前記被検眼の眼底の観察と、が可能であって、
前記眼底の観察の際における前記アライメント操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部の移動量を、前記前眼の観察の際における前記操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部の移動量よりも小さくする、ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の眼科装置。 - 前記眼科装置は眼底カメラであって、
前記撮影モードにおいて、
前記前眼部の撮影のために前記前眼部と観察する際における前記操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部の移動量を、前記眼底の撮影のために前記前眼部を観察する際における前記操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部移動量よりも大きくする、ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の眼科装置。 - 前記眼科装置は眼底カメラであって、
前記撮影モードにおいて、前記被検眼を赤外光で照明観察する際における前記操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部の移動量を、前記被検眼を可視光で照明観察する際における前記操作部材の単位操作量当たりの前記ヘッド部の移動量よりも小さくする、ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の眼科装置。 - 被検眼を撮影するために用いられる光学系を有するヘッド部と、
前記被検眼に対して前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、
前記ヘッド部に設けられ、前記光学系の光路に対して挿脱可能な光学部材と、
検者によって操作される操作部材と、
前記光学部材の挿脱に応じて、前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする眼科装置。 - 被検眼を撮影するために用いられる光学系を有し、前記被検眼を撮影する際の撮影モードを複数実行可能なヘッド部と、
前記被検眼に対し前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、
検者によって操作される操作部材と、を有する眼科装置において、
前記撮影モードを選択する工程と、
選択された前記撮影モードに応じて前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する工程と、を有する眼科装置の制御方法。 - 前記駆動量は、前記操作部材の単位操作量当たりのヘッド部の移動量であることを特徴とする請求項11に記載の眼科装置の制御方法。
- 前記眼科装置は前記操作部材の単位操作量と前記ヘッド部の移動量との関係を前記撮影モード毎に記憶したデータテーブルを有し、
前記データテーブルに基づいて前記操作部材の操作量に応じた前記ヘッド部の移動量を選択する工程、を更に有することを特徴とする請求項12に記載の眼科装置の制御方法。 - 被検眼を撮影するために用いられる光学系を有するヘッド部と、
前記被検眼に対して前記ヘッド部を移動させるための駆動手段と、
検者によって操作される操作部材と、を有する眼科装置において、
前記ヘッド部に設けられ、前記光学系の光路に対して光学部材を挿脱する工程と、
前記光学部材の挿脱に応じて、前記操作部材の操作量に対応した前記駆動手段の駆動量を制御する工程と、
を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。 - 請求項11乃至14の何れか一項に記載の眼科装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013126727A JP2015000233A (ja) | 2013-06-17 | 2013-06-17 | 眼科装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013126727A JP2015000233A (ja) | 2013-06-17 | 2013-06-17 | 眼科装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015000233A true JP2015000233A (ja) | 2015-01-05 |
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JP2013126727A Pending JP2015000233A (ja) | 2013-06-17 | 2013-06-17 | 眼科装置 |
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Country | Link |
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-
2013
- 2013-06-17 JP JP2013126727A patent/JP2015000233A/ja active Pending
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