JP2014535242A - スイッチドキャパシタネットワークにおける非線形キックバックの影響の低減 - Google Patents

スイッチドキャパシタネットワークにおける非線形キックバックの影響の低減 Download PDF

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Abstract

1つの方法および装置は、入力信号に切り換え可能に接続されるスイッチドキャパシタネットワークを有する回路を伴う。無作為に決定された量のディザは、入力信号に切り換え可能に接続されるスイッチドキャパシタネットワークを有する回路に導入される。ディザを導入後に、少なくとも1つの相関値が決定される。相関値は、導入されたティザと回路の出力との間の相関の度合いを示す。スイッチドキャパシタネットワークが入力信号に再接続されたときに回路にキックバックされた充電の量によって生じた歪みは、その後低減され得る。低減は、相関値の関数として計算される。

Description

本発明は、スイッチドキャパシタネットワークにおける非線形キックバックの影響を低減することに関する。
[関連出願の相互参照]
この出願は、2011年11月14日に出願された、米国仮特許出願第61/559,345号の利益を35U.S.C.§119(e)の下で主張するものであり、その仮出願の内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
スイッチドキャパシタネットワークにおいて、1つ以上のキャパシタが異なった信号間で切り替えられる。アナログデジタル変換器(ADC)という関連では、1組のキャパシタが、サンプルフェーズの間に入力信号源によって充電され得、次いで、ホールド(増幅)フェーズの間に参照電圧源に接続されるようにスイッチングされ得る。キャパシタが、次のサンプルフェーズの間に入力信号源にスイッチングし戻されると、キャパシタ上に蓄積された残余電荷は、このサンプルフェーズにおける入力信号源の値の上に重畳されることになり得る。この「キックバック」の一部は、このサンプリングフェーズの最後において入力ネットワークによってサンプリングされ得る。キックバックは、ADCに導入し戻される電荷の量が、入力の値の線形関数ではないという点で、非線形性である。それ故、例えば入力値をスケーリングすることによって、入力値だけを使用してキックバックについて補正することは不可能である。
非線形性キックバックの問題は、従来のADCの一部を例示する図1〜3に関連して説明され、入力電圧が、デジタル主力を生成するために1組の参照電圧と比較される。図1は、従来のマルチステージパイプライン化ADCのブロック図を示している。3つのステージ100/110/120は、1つのステージの出力が次のステージの入力として機能し得るように、連続して接続される。例示目的のために、最初の2つのステージおよび最後の(N番目の)ステージだけが示される。しかしながら、任意の数のステージがこの方式で接続され得る。第1のステージ100が詳細に示され、アナログ入力電圧Vinに接続され、(「フラッシュ」としても知られる)ADC10および複式デジタルアナログ変換器(MDAC)50を含む。MDAC50は、デジタルアナログ変換器(DAC)20および増幅器30を含む。Vinは、DAC20へのデジタル入力を生成するためにADC10に入力され、次いで、それは、ADC10のデジタル出力をアナログ信号に変換し戻す。次いで、DAC20のアナログ出力は、Vinおよび次のステージ、すなわちステージ110に対する入力としてアナログ出力電圧Voを生成する増幅器30に対する結果出力から減算される。ステージ100/110/120は類似の成分を含み得、Vinのアナログデジタル変換を行うために、1つのステージのアナログ出力が次のステージの入力になる。しかしながら、最終ステージ、すなわち、ステージ120は、ADCの最終出力が、例えばADC10の出力から直接的に、生成され得るデジタル信号であるので、DACまたは増幅器を含み得ない。
図2はADC10のブロック図を示している。Vinは、一組のコンパレ−タ12によって、7/16*VFSと−7/16*VFSとの間の範囲の値を有するそれぞれ一組の参照電圧に対して並列で比較され、VFSはステージ100のフルスケ−ル電圧となっている。各コンパレ−タ12の出力は、集合的に測温コ−ドを形成する8ビットのFL0〜FL7までの合計について、ADC10の個別の少数のデジタル出力信号FLを形成する。しかしながら、ビット数の出力は、その他の実施形態においては変動し得る。一事例においては、Vinが値V1のときに、FLは、一番左端のビットが一番重要となる、すなわち図2におけるFL7に対応して、00001111となる。事例を続けると、Vinが値V2のとき、FLは00111111となる。
図3はステージ100の回路図である。図1においては単線で示されているが、Vinは、同じ大きさであるが逆の極性を有する一組の相補電圧Vin+/Vin−の形式での差動入力として、実際はADC10に入力され得る。Vin+およびVin−は、それぞれ一組8基のキャパシタ8Cと並列に切り替え可能に接続される(そのようなキャパシタの実際の数量は、異なった実施形態によって変動し、異なったステージ間でも変動する)。キャパシタ8Cはまた、参照共通モードレベル近くで、同じ大きさで逆の極性の正および負の参照電圧であるVref+およびVref−に切り替え可能に接続される。ステージ100は次のように操作する:サンプルフェーズ中に、Vin+およびVin−はそれらのそれぞれのキャパシタ8Cの8基全部の第1の端子に接続され、増幅器30はリセットされ、キャパシタ8Cの第2の端子は共に、共通モード電圧VCMにショートされる。ホールドフェーズ中に、Vin+およびVin−はキャパシタ8Cから遮断され、増幅器は有効となり、下段で説明されているように、キャパシタ8CはVin+およびVin−のサンプリングされた値に基づいてVref+およびVref−に選択的に接続される。
DAC20は、ADC10の出力に応答して、キャパシタ8Cを選択的に接続することによって、ADC10のデジタル出力をアナログ信号に変換し得る。同時に、合成ノード17として、図1に記号によって示されているように、VinからのDAC出力の減算を反映するために、キャパシタ8Cの接続もまた、選択され得る。一事例において、VinがV1の値を有するとき(すなわち、差動実装についてはVin+引くことのVin−はV1)、それぞれ一組8基のキャパシタ8Cのうちの4基のキャパシタがVref+に接続され得、かつ4基のキャパシタがVref−に接続され得る。一方、VinがV2の値を有するとき、Vin+に関連する組8Cのうちの6基のキャパシタがVref+に接続され得、かつ2基のキャパシタはVref−に接続され得る。同様に、VinがV2に等しいとき、Vin−に関連する組8Cのうちの6基のキャパシタがVref−に接続され得、かつ2基のキャパシタはVref+に接続され得る。この事例から、VinがV1に等しいとき、キャパシタの寄与分が相殺することから、次のサンプルフェーズ中にキャパシタ8CがVin+およびVin−に再接続されるときに、ゼロ電荷が入力にダンプし戻されることが理解され得る。しかしながら、VinがV2に等しいとき、正味の電荷6C*Vref−2C*Vref,すなわち、4C*Vrefは、入力にダンプし戻される(すなわち、キックバック)。
サンプリングの頻度および入力源の特性によって、入力源は必ずしもキックバック電荷を完全に吸収し得るとは限らない。次のサンプルが取られるときまでに、その障害が吸収されなければ、残余電荷をADCに転送させることにより、Vinを歪める。DAC20の操作に関してすでに説明されているように、この残余電荷の量は、ADC10の出力、すなわち、ADC10による前の入力の量子化された値に、依存する。
キックバックを低減する1つの知られている方法は、キャパシタを入力に再接続し戻す前に、できるだけ多くの電荷を放電するために、スイッチを使用してキャパシタ8Cをショートさせることである。この方法にとっての欠点は、Vinに接続するために利用できる時間を低減させ、入力を取り込むことがさらに難しくなることである。さらに、サンプルキャパシタ(キャパシタ8C)を入力に接続し戻す前にショートさせるスイッチを制御するために必要な制御信号の時機は、正確に制御することが難しい。
キックバックを低減するもう1つの知られている方法は、DACのために使用されるそれらからの入力をサンプリングするための別個の一組のキャパシタンスを使用することであり、例えば、サンプルキャパシタ(キャパシタ8C)に加えて一組の専用DACキャパシタが提供されるであろう。しかしながら、これはMDAC増幅器のフィードバック要素を低下させ、信号対雑音比(SNR)を低下させる原因となる。
本発明の実施形態例は、切り替え可能に入力信号に接続されたスイッチドキャパシタネットワークを有する回路にキックバックされた電荷の量によって生じた歪みの低減に供する。
本発明の一実施形態例は、入力信号に接続されたスイッチドキャパシタネットワークを有する回路に無作為に決められた量のディザを導入するステップを含む方法を目指しており、ディザ導入後、スイッチドキャパシタネットワークが入力信号から遮断されている期間、導入されたディザと回路の出力との間の相関の度合いを示す少なくとも1つの相関値を決定する。この方法はまた、スイッチドキャパシタネットワークが入力信号に再接続されるときに、回路にキックバックされる電荷の量によって引き起こされる歪みを低減することを含んでいる。低減の量は、少なくとも1つの相関値の関数として計算される。
本発明の一実施形態例は、ハードウェア設備、相関回路および補正回路を含む装置を目指している。ハードウェア設備は入力信号に接続されたスイッチドキャパシタネットワークを有する回路に無作為に決められた量のディザを導入する。相関回路は、ディザ導入後、スイッチドキャパシタネットワークが入力信号から遮断されている期間、導入されたディザと回路の出力との間の相関の度合いを示す少なくとも1つの相関値を決定する。補正回路は、スイッチドキャパシタネットワークが入力信号に再接続されたときに、回路にキックバックされる電荷の量によって引き起こされる歪みを低減する。低減の量は、少なくとも1つの相関値の関数として計算される。
図1は、従来のパイプライン化ADCのブロック図を示している。 図2は、図1におけるADCのADC成分(フラッシュ)のブロック図を示している。 図3は、図1におけるADCの第1のステージの回路図を示している。 図4は、本発明によるキックバック低減についての規範的なシステムを示している。 図5Aは、図1におけるDAC内のディザ導入を使用した規範的なキックバック低減配置の第1の回路の構成を示している。 図5Bは、図5Aのキックバック低減配置の第2の回路の構成を示している。 図6Aは、図1におけるDAC内のディザ導入を使用した別の規範的なキックバック低減配置の第1の回路の構成を示している。 図6Bは、図6Aのキックバック低減配置の第2の回路の構成を示している。 図7は、図1におけるDAC内のディザ導入を使用したキックバック低減の規範的な方法を示している。 図8は、図1のフラッシュにアナログ信号としてディザを導入するための規範的な配置を示している。 図9は、図1のフラッシュにアナログ信号としてディザを導入するための別の規範的な配置を示している。 図10は、図1のフラッシュにデジタル信号としてディザを導入するための別の規範的な配置を示している。 図11は、図1のフラッシュ内のディザ導入を使用したキックバック低減のための別の規範的な方法を示している。
システムの概要
本発明は、スイッチドキャパシタネットワークにおけるキックバック低減およびメモリ低減のためのシステムおよび方法に関する。図4は、本発明に従った規範的なシステム150を示している。システム150は、キックバック低減回路200に加え、図1〜3に関して上述されているステージ100/110/120を含み得る。回路200は、乱数生成器210、相関回路230、メモリ240、遅延回路250および補正回路260を含み得る。システム150は、構築回路220をさらに含み得る。
乱数生成器210は、例えば、疑似無作為アルゴリズムを使用して生成されたデジタル数字となり得る乱数RNを出力する。
構築回路220は、Vinのデジタル化変形を表す結合されたデジタル信号を形成するために、各ステージからのデジタル信号(D1/D2/DN)を結合するように構成される。測温コードである、D1/D2/D3が、ADC10のFL出力を、何らかのバイナリコードに暗号化することによって、生成され得る。構築回路220の操作および実装は、パイプライン化ADCに使用されている従来の構築回路と同様となり得るが、これ以上詳細には検討されない。
相関回路230は、構築回路220から結合されたデジタル信号を受け取るため、および乱数RNをADC出力全体、すなわち構築回路220の出力に関連付けるために、構築されている。それ故、相関回路230は追加的な入力として、RNを受信し得る。相関は、あらゆる統計的な相関手法を使用して実行し得る。一実施形態において、使用された相関手法は、最小平均二乗(LMS)である。LMSアルゴリズムを適用して、相関回路230は、RN出力とADC出力との間の相関の水準を示している利得係数GCを決定し得る。GCはその後、補正回路260に出力される。
遅延回路250は、構築回路220が結合されたデジタル信号を生成するための十分な時間を与えるために、相関回路230に対するRNの転送を遅らせるための、遅延要素、例えば緩衝ステージを含み得る。
別の一実施形態において、相関回路230は、Mは2〜Nのいずれかの整数で、ステージM〜Nの結合されたデジタル出力に対してRNを関連付け得る。ADCがVinのもっとも正確な表現(例えば、第1のステージ100に対する入力)であり、そのためキックバックを最も正確に表現していることから、ADC出力全体を使用することが望まれるが、あらゆるステージからのデジタル信号を結合することなく、例えば、ステージM〜Nのみを使用して、GCを正確に計算することも可能である。
補正回路260は、キックバックを低減するために、ADC出力(構築回路220の出力)を修正するための回路を含み得る。一実施形態において、補正回路260は、第1ステージ100(すなわち、D1)のRN出力、GC出力およびADC10出力の関数として2つの補正値を生成し得、その後その補正値を構築回路220の出力に印加し得る。例えば、補正回路260は、構築回路220によって生成された結合されたデジタル信号からの補正値を減算するデジタル減算器として実装され得、それによってADCの最終(補正された)の出力を生成する。第1の補正値は、ディザ(RNに基づき校正キャパシタCCal50/55を入力に接続すること)を導入することによって引き起こされるキックバックに対応している。第2の補正値は、前のサンプルからの入力信号によって引き起こされるキックバックに対応する。
補正回路260は、メモリ240内で対応するGC値と一緒に乱数RNを記憶するメモリ240を含み得る。一実施形態において、メモリ240のみが、直近の乱数および利得係数に対応する単一の組RN−GCを記憶する。しかしながら、何組のRN−GCでも、前の入力サンプルおよびRN以前にキックバック誤差を取り除くために、記憶され得る。
図5Aは、ホールドフェーズ中にシステム150のステージ100で実装される、規範的なキックバック低減の配置の第1の回路構成を示している。VinがV2に等しく、ADC10の出力が00111111である規範に戻って参照すると、Vin+に関連する6基のキャパシタ6CはVref+に接続され、Vin+に関連する2基のキャパシタ2CはVref−に接続される。同時に、Vin−に関連する6基のキャパシタ6CはVref−に接続され、Vin−に関連する2基のキャパシタ2CはVref+に接続される。例えば、RNは1ビットの数であり得、CCal50は、RNが1に等しいときにVref+に、RNが0のときにはVref−に接続される。RNにおけるビット数については、実装を通じて変動し得る。キャパシタCCal50の第2の端子は、共通モード電圧VCMに接続される。キャパシタCCal50はVin+に関連している。補助的な構造が、RN上の依存に対抗して、Vref+およびVref−に接続された第2のキャパシタCCal55を含むVin−に提供される。すなわち、CCal50がVref−に接続されるときには、キャパシタCCal55がVref+に接続され、逆もまた同様である。
図5Bは、サンプルフェーズ中の図5Aの配置を示している。図3の従来のADCの場合だったときには、Vref+およびVref−は、キャパシタ8Cの第2の端子に接続された第2の端子を伴い、それらのそれぞれの組のキャパシタ8Cの第1の端子に接続され、増幅器60はリセット状態にある(すなわち、出力−使用不可)。さらに、Vin+およびVin−は、CCal50およびCCal55にそれぞれ接続され、各キャパシタ50/55(すなわち、+/−Vref*CCal)に以前蓄えられた電荷がVin+およびVin−に印加される。この方法においては、ディザとして知られる、無作為ノイズ信号がステージ1のDAC20に印加される。このディザが残りのキャパシタ8Cに因るキックバックと同様に、キックバックを生み出す。ディザの利得はキックバックの転送機能を示すものであり、一方、それはキャパシタ8Cのキックバックを示しており、キャパシタ8Cに因るキックバックは、ディザおよびADC10の出力の利得係数の関数として、サンプルごとを基本に、決定され得、これは図4のD1によって説明されている。
図6Aは、ホールドフェーズ中にシステム150のステージ100で実装される規範的なキックバック低減配置の別の回路構成を示している。図6Aの配置は、CCal50/55の第2の端子が、VCMではなく増幅器60のそれぞれの入力に接続されていることを除き、図5Aのそれと同様である。CCal50/55は、前述のように、Vref+またはVref−に充電される。
図6Bは、サンプルフェーズ中の図6Aの配置を示している。図5Bの配置と同様に、CCal50/55に蓄えられた電荷はVinに印加される。増幅器60の入力は、この期間中はVCMにまたショートされる。
DACへのディザ導入を用いたキックバックの補正
キックバック低減のための規範的な方法が、前述の規範システムおよび装置を参照して、記述される。しかしながら、これらの方法は、またその他のシステムおよび装置で実装され得、例えば、スイッチドキャパシタネットワークを有する回路に適用され得る。
図7は、キックバック低減のための規範的な方法300を示しており、ディザがDAC20に印加される。ステップ310において、乱数RNは生成器210によって生成される。
ステップ312において、キャパシタCCal50/55はホールドフェーズ中にVref+またはVref−に接続される。
ステップ314において、サンプルフェーズに入っており、したがってCCal50/55は参照電圧から遮断され、その代わりにVin+およびVin−にそれぞれ接続される。
ステップ316において、ADC出力全体が、構築回路220から得られ、ADC出力を前のサンプルからの乱数RNと関連付けるために、相関回路230に入力される。相関を実行するためのLMSアルゴリズムを使用して、相関回路230は利得係数GCを生成する。例えば、相関は次のように生じることがある。
GCn+1(k,k−1)=GCn(k,k−1)−μ*Vdk−1*[Vdk−1*GCn(k,k−1)−Vink] (1)
GC(k,k−1)が、サンプルk(すなわち、現在のサンプル)上のサンプルk−1(すなわち、前のサンプル)に因るキックバックに対応する利得係数である場合、μがLMSステップサイズ定数、Vdk−1が前のサンプル(例えば、RNk−1)中に印加されたディザに等しく、VinkがADCの現在のデジタル出力(すなわち、ステップ314のサンプルの結果から生じる構築回路220の出力)となる。GCの初期値はゼロに設定し得、または代替的に、所定の最低値に設定し得る。
上記の方程式(1)において、nは、GCがどの程度頻繁に更新されるによって、kとは異なる。例えば、GCがサンプルごとに一回計算されると、そのときnは常にkに等しくなる(nおよびkが同じ初期値、例えばゼロから始まることを前提としている)。しかしながら、GCがこのサンプリング率とは異なった率で更新されれば、そのときは、nとkは異なる。
ステップ318において、利得係数GCおよび乱数RNは、次のサンプルの補正中に使用するためにメモリ240に記憶される。直近のサンプルよりも古いサンプルに対しては、LMSアルゴリズムが適用され得ることを理解されたい。これは、ステージ100のサンプリング率が高いときには、有益となり得る。そのような場合には、キックバックが、異なったサンプルの累積的な寄与の結果として生じ得る。したがって、メモリ240は、それぞれが異なったサンプルに対応する、複数の組のGC−RNおよびデジタル出力(例えば、D1)を記憶するように構成され得る。古いサンプルを使用する相関は、次のように生じ得る。
GCn+1(k,k−a)=GCn(k,k−a)−μ*Vdk−a*[Vdk−a*GCn−Vink] (2)
GC(k,k−a)が、サンプルk上のサンプルk−aに因るキックバックに対応する利得係数である場合、Vdk−aは「a」サンプル前に印加されたティザとなる。
時間とともに、利得係数GCは実質的に一定の値に収束する傾向にある。したがって、上記の方程式(2)に対する代案は、ADCおよびADCに対する入力源が校正によってもたらされた入力およびキックに対して直線的に応答するという前提で、より最近のメモリ記憶に対応するGCから、より古いメモリ記憶のためにGCを外挿することである。例えば、過剰にダンプされた入力ネットワークを前提とすれば、GC(k,k−1)およびGC(k,k−2)について計算された値を使用して、GC(k,k−3)の値が外挿され得る。記憶されているD1k−3およびRNk−3の値と一緒に外挿されたGC(k,k−3)を使用して、その後に補正が実行され得る。
ステップ320において、前の入力と同様にディザから生じるキックバック寄与分が計算される。この寄与分は、現在のADC出力から減算される。ディザが図5Aおよび5Bの配置を使用して導入されたとすれば、そのときは、次の方程式が適用される。
KB1=RNk−1*GCn(k,k−1)
KB2=GCn(k,k−1)*8C/CCal*D1k−1
KB1が現在のADC出力上の前に導入されたディザの寄与分である場合、KB2は現在のADC出力上の前のサンプルの寄与分となり、RNk−1は前のサンプルに使用された乱数となり、GCn(k,k−1)は前のサンプルに基づいて計算された利得係数となり、D1k−1は、前のサンプルからステージ100でADCによって生成されたVinのデジタル化された値に対応するデジタルデータとなる。KB1およびKB2は、補正回路240によって、ADC出力全体(構築回路220の出力)から減算され得る。特に、構築回路220の出力は、入力信号(Vin)のデジタル値に足すことのKB1およびKB2に等しい。このように、KB1およびKB2が減算されれば、Vinのデジタル値は最終的なADC出力として取得され得る。この方法において、キャパシタ50/55/8Cによって入力ネットワークにダンプされた電荷によるキックバックが、デジタル領域において除去される。
入力およびディザからのキックバック寄与分の計算は、ディザ導入がどのように実装されたかによって変動する。例えば、ディザが図6Aおよび6Bの配置を使用して導入されれば、次の方程式が適用される。
Vd=RNk*CCal/8C*Vref
KB1=GCn(k,k−1)*RNk−1*Vref
KB2=GCn(k,k−1)*D1k−1*8C/CCal*Vref
この場合には、最終的なADC出力は、構築回路220の出力からVd、KB1およびKB2を減算することにより取得され得る。Vdは、ホールドフェーズ中にCCal50および55の第2の端子が増幅器60の入力に接続されることから、追加項に見える。
別の一実施形態においては、GCは、非線形応答に基づいて計算され得る。実際には、次のサンプルフェーズにおいてサンプルし戻される電荷の量は、キックバックの大きさおよび/または非線形形式の入力信号に依存し得るという場合となり得る。例えば、単一のGC値を計算する代わりに、各適切な期間(例えば、各導入)中に、複数のGCが計算され得、それぞれが非線形性の係数に対応している(例えば、GCn GC2n、GC3n、その他。GCnが線形応答の係数の場合には、GC2nは第2次の非線形性の係数となり、GC3nは第3次の非線形性の係数となる等。)。このように、複数のGCは、第1次の(線形)利得係数および少なくとも1つのより高次(非線形)の利得係数(例えば、GC3n)の一組を形成する。
フラッシュへのディザの導入を用いてのキックバックの補正
上記の規範システムおよび方法では、キックバックの補正は、例えば、乱数RNに基づいてVref+およびVref−に選択的に接続された校正キャパシタCCalを使用することによって、ディザをDAC内に導入することで実行された。下段に記述されている別の実施形態では、ディザを、ADC内のいずれの場所、第1ステージ100内のフラッシュ(例えば、ADC10の入力の中に)などに、導入することが可能である。
図8は、アナログ信号としてのディザをADC10内に導入するための例示的な配置を示している。この配置は、サンプリングキャパシタCfl_in60およびディザキャパシタCfl_dith62を含んでいる。各キャパシタ60/62の第1の端子は、一組の制御信号Q1およびQ2に基づいて、入力Vinとグランド信号、例えばVssまたは共通モード電圧(VCM_FL)など、との間で切り替え可能に接続される。制御信号Q1/Q2は、Cfl_in60がVinに接続されるときに、Cfl_dith62がディザ電圧Vdithに接続されるように、および両方のキャパシタ60/62が同時にVCM_FLに接続されるようにするために、交互に変調されてもよい。キャパシタ60/62の第2の端子は一緒に接続され、導入されたディザとともにADC10の出力を表す結合された信号が、Q1に応答して、コンパレータ12の第1の入力に渡される。コンパレータ12の第2の入力は、各コンパレータ12にとってのトリッピングポイントを表している、参照電圧としてのVtripに接続される。例えば、図2に戻って参照すると、最上段のキャパシタ12のトリッピングポイントは、7/16*VFSとなる。Vdithは、あらゆる無作為に決定された電圧になり得、乱数RNを使用して前述の実施形態において作りだされた追加的な電圧に類似している。
図9は、アナログ信号としてのディザをADC10内に導入するための別の規範配置を示している。図9の配置は、図8と類似してCfl_in60を含んでいる。しかしながら、Cfl_dith62を介したディザの導入の代わりに、ディザは、コンパレータ12のトリッピングポイントを直接制御することにより、Vtrip上にVdithを重畳させることにより、導入され得る。
図10は、アナログ信号としてのディザをADC10内に導入するための別の規範配置を示している。図8および9の配置と同じように、図10における配置はCfl_in60を含んでいる。しかしながら、ディザは、集計ノード64で1ビットのRNと1ビットのコンパレータ12の出力を結合することによって、導入される。この結合は、XOR操作、または別の論理的または数学的な操作、例えば、二項加算として実行され得る。これは、コンパレータ12のうちいずれか1基で実行され得、残りのコンパレータ12は同じにされる。それはまた、例えば、1ビットのRNとして、結合されたADC10(FL0−FL7)の出力に印加され得る。
図11は、本発明に従ったキックバックを低減するための規範方法400を示している。この方法400は、図8〜10の配置のいずれかに関連して使用され得る。
ステップ410において、乱数RNおよび対応する無作為ディザ電圧Vdithが生成され得る。当業者には理解されることとして、Vdithは単に、デジタルRNのアナログ表示である。例えば、RNおよびVdithは、Rn=1のときはVdith=Vref、RN=0のときはVdith=−Vref/16のような定数によって関係付けられ得る。
ホールドフェーズに対応するステップ412において、ディザは入力またはADC10の出力のいずれかに導入される。
ステップ414において、ADC出力全体が計測され、利得係数GCを生成するために(適切に遅延された)RNに関連付けられる。ステップ414は、GCを計算するときに定数がRNを調整し得ることを除き、方法300のステップ316に類似し得る。
416において、D1、RNおよび利得係数GCは、例えば、メモリ240に記憶される。
次のホールドフェーズに対応する418では、導入されたディザによって生じたキックバック寄与分が計算される。キックバック寄与分はその後、補正回路260によって、ADC出力から減算される。ADC10のFL出力がDACキャパシタ8Cを制御することから、KB2は、D1k−1*GCn(k,k−1)として計算され得る。KB1は、それが(Vdith/Vref)に基づき調整され得ることを除き、図5Aおよび5Bと同じ、すなわち、(Vdith/Vref)*RNk−1*GCn−(k,k−1)である。
図8、9および10の配置に関連して使用されるとき、方法400は、サンプリングネットワーク、例えばCCal50/55W内に追加的なキャパシタを必要とせず、ディザ導入および対応するキックバック低減を達成する。これは、追加的なキャパシタを用いて入力ネットワークをロードすることが望ましくない場合の状況で有益となる。
先述の明細書において、本発明は、その中の特定の実施形態例を参照して記述された。しかしながら、以下の請求の範囲に明記されている本発明のより広範な精神と範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がそこでなされてもよいことが明白となるだろう。ここに記述されている実施形態は、互いに組み合わされて様々な組み合わせで提示され得る。したがって、明細書および図面は制限的な意味ではなく、例証としてみなされるべきである。さらに、ディザ導入体系(すなわち、DAC内のディザ導入およびフラッシュ内のディザ導入)は、当業者により理解されるであろうように、いかにGCが計算されるかについての必要な修正後に、同時に適用され得る。
30 増幅器
60 増幅器
64 集計ノード
100 第1のステージ
110 ステージ
120 ステージ
150 システム
200 キックバック低減回路
210 乱数生成器
220 構築回路
230 相関回路
240 メモリ
250 遅延回路
260 補正回路

Claims (24)

  1. 無作為に決定された量のディザを、入力信号に切り換え可能に接続されるスイッチドキャパシタネットワークを有する回路に導入することと、
    前記ディザを導入した後に、前記導入されたディザと前記回路の出力との間の相関の度合いを示す少なくとも1つの相関値を決定することと、
    前記スイッチドキャパシタネットワークが前記入力信号に再接続されたときに、前記回路にキックバックされた充電量によって生じる歪みを低減させることと、を含み、前記低減の量は、前記少なくとも1つの相関値の関数として計算される、方法。
  2. 前記ディザは、無作為に生成されたデジタル数の関数として導入される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ディザは、無作為に生成された電圧を前記回路における既存の電圧信号上に重畳することによって導入される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記低減の前記量は、前記スイッチドキャパシタネットワークが前に接続されていたときの前記入力信号が寄与するキックバックの量と、前記ディザ自体が寄与するキックバックの量と、の2つの成分を使用して計算される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの相関値は、乱数と記憶メモリにおける前記スイッチドキャパシタネットワークによる前記キックバックを示すデジタル値(D1)とを一緒に記憶する、利得係数である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの相関値は、1次の(線形)利得係数および少なくとも1つの高次の(非線性)利得係数を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの相関値は、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを使用して決定される、請求項1に記載の方法。
  8. その後の導入に対応する少なくとも2つの相関値に基づき、前の導入に対応する相関値を外挿することと、
    前記外挿された相関値の関数として前記低減の前記量を計算することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記ディザは前記ADCの第1ステージ範囲内に配置されたADC成分(フラッシュ)の中に導入される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記ディザは前記ADCの第1ステージ範囲内に配置されたデジタルアナログ(DAC)成分の中に導入される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記ディザは、前記ADCの第1ステージ範囲内に配置されたADC成分(フラッシュ)の中に、かつ前記マルチステージADCの前記第1ステージ範囲内に配置されたデジタルアナログ(DAC)成分の中に、導入される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記導入されたディザと相互関係にある前記回路の前記出力は、前記ADCのステージ2からNまでの出力から構築されたデジタルデータから取得される、請求項1に記載の方法。
  13. 無作為に決定された量のディザを、入力信号に切り換え可能に接続されるスイッチドキャパシタネットワークを有する回路に導入するハードウェアの設備と、
    前記ディザを導入した後、前記スイッチドキャパシタネットワークが前記入力信号から遮断されている期間中に、前記導入されたディザと前記回路の出力との間の相関の度合いを示す少なくとも1つの相関値を決定する相関回路と、
    前記スイッチドキャパシタネットワークが前記入力信号に再接続されるときに、第1の回路にキックバックされた充電量によって生じた歪みを低減させる補正回路であって、前記低減の量が、少なくとも1つの相関値の関数として計算される、補正回路と、を備える、装置。
  14. 前記ディザは、無作為に生成されたデジタル数の関数として導入される、請求項13に記載の装置。
  15. 前記ディザは、無作為に生成される電圧を前記第1の回路における既存の電圧信号上に重畳することによって導入される、請求項13に記載の装置。
  16. 前記低減の前記量は、前記スイッチドキャパシタネットワークが前に接続されていたときの前記入力信号が寄与するキックバックの量と、前記ディザ自体が寄与するキックバックの量と、の2つの成分を使用して計算される、請求項13に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つの相関値は、乱数と記憶メモリにおける前記スイッチドキャパシタネットワークによる前記キックバックを示すデジタル値(D1)とを一緒に記憶する、利得係数である、請求項13に記載の装置。
  18. 前記少なくとも1つの相関値は、1次の(線形)利得係数および少なくとも1つの高次の(非線性)利得係数を含む、請求項13に記載の装置。
  19. 前記少なくとも1つの相関値は、最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを使用して決定される、請求項13に記載の装置。
  20. 前の導入に対応する相関値が、その後の導入に対応する少なくとも2つの相関値に基づき、外挿されることと、
    前記低減の前記量が、前記外挿された相関値の関数として、計算される、請求項13に記載の装置。
  21. 前記第1の回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記ディザは前記ADCの第1ステージ範囲内に配置されたADC成分(フラッシュ)の中に導入される、請求項13に記載の装置。
  22. 前記第1の回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記ディザは前記ADCの第1ステージ範囲内に配置されたデジタルアナログ(DAC)成分の中に導入される、請求項13に記載の装置。
  23. 前記第1の回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記ディザは、前記ADCの第1ステージ範囲内に配置されたADC成分(フラッシュ)の中に、かつ前記マルチステージADCの前記第1ステージ範囲内に配置されたデジタルアナログ(DAC)成分の中に、導入される、請求項13に記載の装置。
  24. 前記第1の回路はマルチステージアナログデジタル変換器(ADC)であり、前記導入されたディザと相互関係にある前記回路の前記出力は、前記ADCのステージ2からNまでの出力から構築されたデジタルデータから取得される、請求項13に記載の装置。
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