JP2014533327A - スラグから溶鉄を分離および回収するスラグ取鍋 - Google Patents

スラグから溶鉄を分離および回収するスラグ取鍋 Download PDF

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Abstract

【課題】 スラグから溶鉄を分離および回収する装置を提供する。【解決手段】 一態様において、スラグ(108)から溶鉄(106)を分離および回収する装置は、スラグ取鍋(100)に取り付けられる機器(400)を含む。機器(400)は下縁(404)および自由縁(402)を有し、スラグ取鍋(100)の一部に嵌め合わせられて、溶鉄(106)およびスラグ(108)を保持する。機器(400)は、スラグ(108)が機器(400)を超えて流れるのを許容する一方で、溶鉄(106)がスラグ取鍋(100)内に保持されるように、溶鉄(106)の流れに対する障壁として作用する。機器(400)は、スラグ(108)の流れが管状流の形態を示すように制御通路(406)およびシュート(408)を有する。

Description

本発明は、概して製鋼の分野に関し、特にスラグからの溶融金属の分離に関する。
鋼鉄は、溶融銑鉄、海綿鉄、および鉄/鋼スクラップを個々に、またはいくつかを組み合わせて、金属鉄チャージを精製することにより作られる。スラグは概して、製鋼工程の間に、廃棄副産物として生成される。スラグは溶融状態で生じるとともに、本質的にはケイ素、カルシウム、鉄、および他の金属の様々な酸化物の混合である。溶融精錬鋼は、製鋼工程の終わりに、溶融精錬鋼からスラグを分離させることにより得られる。効果的な製鋼法では、工程の終わりに、直接鋳造により、または二次精錬さらに鋳造により、溶融精錬鋼を更に加工するために、スラグからしっかりと分離される。例えば、電気アーク炉製鋼法では、殆どのスラグが製鋼作用自体の間に分離されるが、転炉製鋼法では、スラグは製鋼作用の間に、溶融精錬鋼に存在するとともに、溶融精錬鋼を選択的に湯出しすることにより最後に分離される。また、スラグよりも密度が高いが、溶融精錬鋼よりも密度が低い材料が、スラグを効果的に分離するために使用される。しかし、上述の製鋼法のいずれでも、溶融精錬鋼からスラグをしっかりと分離することは不可能である。スラグ分離の間に、少量の溶融精錬鋼がスラグに存在する。従って、溶融精錬鋼から分離されたスラグは、かなりの量の溶鉄を、部分的にまたは完全に精錬された鋼の形態で含む。それ故、製鋼過程では、鉄の純損失が存在する。
不可避的にスラグに存在する鉄を回収するために、様々な方法が開発されている。これらの方法は典型的には、スラグおよび鉄の混合物を冷却および凝固させた後に、鉄を回収する。例えば、分離したスラグはスラグピットに注がれた後、自然に、または取り除かれたスラグに冷水を噴霧することにより、冷却および凝固させられる。その結果、スラグと鉄の機械的および化学的結合が進むことにより、鉄が凝固スラグ中に閉じ込められた大きな塊が形成される。閉じ込められた鉄は、最初に凝固スラグを適当な大きさに砕いて、鉄粒子を凝固スラグから解放し、続いて解放した鉄を非磁気スラグから磁気分離させることにより、凝固スラグから回収される。しかし、幾らかのスラグは不可避的に磁気分離された鉄粒子に固着したままなので、全ての鉄粒子を凝固スラグから解放することは不可能である。従って、磁気分離された鉄は、必然的にスラグによって汚染される。同様に、鉄の一部は大容量の凝固スラグに固着したままであり、最終的に廃棄される。また、スラグの冷却および凝固の間に、幾らかの鉄は酸化により失われる。
また、分離された鉄が製鋼炉での鉄−金属源として再利用されるように、凝固スラグを粉砕するには経済的に受け入れられる限界があるので、鉄粒子をより良好に回収するために、凝固スラグを微粒子に粉砕することは不可能である。従って、磁気分離による鉄の分離および回収法は、凝固スラグに含まれる有用な鉄の60〜70パーセントの回収に留まっている。残りの鉄は実際のところ、それ以上の経済的な回収の可能性を有することなく、廃棄スラグ中で失われる。
更に、凝固スラグから鉄を回収する磁気分離工程は、かなりの大きさとなる磁気分離プラントの設置および操作、そのような設備のための土地、かなりの量の電力、その他の機械的、人的資源を必要とすることに起因して、極めて面倒であるとともに費用がかかる。また、凝固スラグの粉砕およびその操作に付随して、汚染問題が生じる。
本概要は、スラグから溶鉄を分離および回収するために、スラグ取鍋に関連する概念を導入することを目的としており、これについては、製鋼法に関して以下の詳細な説明で更に詳述する。当然のことながら、いくつかの概念は、製錬および精錬作用の間に、溶融状態のスラグから他の金属や非鉄金属を分離および回収するように拡大させられてもよい。溶融状態のスラグから鉄を分離するのは、機器をスラグ取鍋に取り付けるとともに、ピットへのスラグ注ぎ込み工程を変更することにより達成される。一態様において、鉄の分離回収で一般的に使用されるスラグ取鍋が変更される。機器では、スラグおよびスラグ中の溶鉄の表面張力、密度、粘度、および流体流特性の力の差が考慮される。
溶融状態の間にスラグから鉄を分離する(幾つかの)方法および装置を本明細書に記載する。一態様において、機器はスラグ取鍋の端縁に取り付けられ、溶融スラグの分離および溶融スラグからの溶鉄の回収に使用される。機器は、スラグ注ぎ込み工程の間に、溶融スラグおよび溶鉄の流れの運動量に違いを付けるとともに、スラグ注ぎ込み過程およびその後の回収過程の間に、溶融スラグの流れに伴う溶融スラグ連動の溶鉄の流れを阻止する。
本概要は、請求項の発明の本質的な特徴を特定するものではなく、また、請求項の発明の範囲を決定或いは制限するのに用いられるものでもない。
詳細な説明を、添付の図面を参照して説明する。図面中、符号の左側の(複数の)数字は、符号が最初に表れる図面を特定する。同じ符号は、図面全体で同じ特徴および構成要素を参照するように使用される。
従来技術で周知のスラグおよび溶鉄を入れたスラグ取鍋を示す図。 従来技術で周知のスラグ取鍋からのスラグおよび溶鉄の廃棄を示す図。 従来技術で周知のスラグ取鍋からのスラグおよび溶鉄の廃棄を示す図。 a、b、cは本発明の様々な実施形態に係り、スラグ取鍋に取り付けられる機器を示す図。 a、b、cは本発明の図4a、図4b、図4cの実施形態に係り、例証される機器の正面視および平面視を示す図。 a、b、cは本発明の実施形態に係り、例証される機器の正面視および平面視を示す図。 本発明の実施形態に係り、機器の作動を示す図。 a、b、c、dは本発明の実施形態に係り、スラグ取鍋に取り付けられる機器を示す図。 a、b、cは本発明の別の実施形態に係り、変更されたスラグ取鍋を示す図。 a、b、cは本発明の図9の実施形態に係り、変更されたスラグ取鍋に取り付けられる変更された機器を示す図。 a、b、cは本発明の図10a、図10b、図10cの実施形態に係り、変更された機器の正面視および平面視を示す図。 a、b、cは本発明の別の実施形態に係り、変更された機器の正面視および平面視を示す図。 a、b、c、dは本発明の実施形態に係り、変更されたスラグ取鍋に取り付けられる変更された機器を示す図。
概して、2つの主な製鋼法を用いて、精錬鋼が大規模で製造され、スラグおよび精錬鋼の両方がきれいな溶融状態、即ち、塩基性精錬炉(BOF)または転換炉製綱法および最新の電気アーク炉(EAF)製綱法で製造される。BOFスラグ製綱法では、精錬の終わりに、精錬溶鋼がタップ穴を通り引き出される一方、スラグは少量の精錬溶鋼と共に炉の内部に残される。次にスラグは、少量の溶鋼と共にスラグ取鍋に注がれ、最終的に廃棄される。引き出しの間に犠牲になる少量の溶鋼がスラグに存在する。スラグとともに犠牲となる少量の溶鋼の量は、フロートを使用することにより最小となり、このフロートはスラグの密度(2.5gm/cc)と溶鉄(7.5g/cc)の間の密度を有する。フロートはスラグの流れとタップ穴にある少量の溶鋼の間に沈殿し、且つ、溶鋼を伴うスラグの流れを最小にする。それまでに失われたスラグ中の少量の溶鋼は、スラグの冷却および凝固の後に、磁気分離法により広く回収される。
EAF製鋼法では、精錬作用自体の間に、スラグは炉の外へ流出させられる。しかし、少量の溶鋼が機械的に捕えられると共に、流れ出るスラグとともに取り込まれる。従って、少量の溶鋼は、回収されたスラグに結局とどまる。また、上述したフロートは、少量の溶鋼を伴うスラグの流れを最小限にするために使用される。或いは、所定の寸法比率の精錬鋼が、EAFでの残りのスラグと共に離され、次の熱のためのヒールとして作用する。しかし再度、いくらかの少量の溶鋼は常に、生成された流出スラグ中に結局とどまる。
両方法において、精錬溶鋼およびスラグは、2つの物理的に異なる生成物としてはっきりと得られない。少量の溶鉄を伴うスラグは、精錬溶鋼の形態でスラグ取鍋に回収されるとともに、スラグピットに搬送され、続いて少量の溶鉄の分離および回収が行われる。スラグ取鍋は一方側に傾けられ、スラグがスラグ‐取鍋の下側縁を流れるように、取鍋軸は垂直面内にある。スラグ取鍋は略逆さまになるまで連続して傾けられ、スラグはスラグピットに完全に放出される。使用されるスラグ中の鉄という用語は、酸化物のみを含むスラグは除外して、どのような組成でも本質的に金属鉄を表すものである。
図1は、直立位置にある典型的なスラグ取鍋100を、垂直な取鍋軸102および見掛け取鍋縁104a、104bとともに示す。見掛け取鍋縁104a、104bは、平面視では、面104として現れる。スラグ取鍋100は鋼製の巨大建造物である。スラグ取鍋100が通常の垂直位置にある時に、より重い溶鉄106は底に沈殿し、溶鉄106よりも相対的に軽いスラグ108は、溶鉄106の上に沈殿する。溶鉄106およびスラグ108は混ざり合わない液体であり、それ故、大きく異なる密度に起因して、互いに重なり合う2つの明確な層として現れる。溶鉄106およびスラグ108は常にスラグ取鍋100の形状をとりつつ、上面高さ110はスラグ取鍋100の高さに対して常に水平を保つ。
図2は、溶鉄106およびスラグ108をスラグピットに注ぐためのスラグ取鍋100の傾動を示す。スラグ取鍋100を傾動させることにより、スラグ取鍋100中で溶鉄106およびスラグ108がとる形状は徐々に変化しつつ、上面高さ110は液体の基本的な物理特性に起因して、常に水平を保つ。溶鉄106およびスラグ108の密度が異なることに起因して、溶鉄106は常にスラグ取鍋100の底にとどまり、スラグ108は溶鉄106の上部にある。スラグ取鍋100を連続して傾けると、スラグ108は、スラグ取鍋100の最も下側の開放上縁端112にまず達する。スラグ取鍋100を更に傾けると、スラグ108をスラグ取鍋100から流出させることになる。スラグレードル100を一層傾けるほど、スラグレードル100からのスラグ108の流出速度は大きくなる。溶鉄106は常にスラグ108の下側にとどまりつつ、溶鉄106の上面およびスラグ108の上面は常に水平を保つ。
更に傾動させ、続いてスラグ108を流出させることにより、溶鉄106の上面は、スラグ取鍋100中の溶鉄106の実際量およびスラグ取鍋100の構成に応じて、特定の傾斜角でスラグ取鍋100の最も下側の開放上縁端112に達する。この特定の傾斜角において、取鍋軸を含む垂直面内にある見掛け取鍋壁縁104a、104bは、図3に示すように略水平となる。スラグ取鍋100を更に傾けると、密度および粘度の違いに起因して、スラグ108の流れの運動量よりも大きい流れ運動量を伴い溶鉄106がスラグ取鍋100から流れる。スラグ取鍋100の傾動は、いくらかのスラグ108を伴うものではあるが、溶鉄106が全て注がれるまで続く。その結果、スラグ108の粘度が高いことに起因して、少しの部分のスラグ108は遅れをとり、溶鉄106が完全に流出した後であっても流れ出ることになる。典型的には、溶鉄106およびスラグ108の注ぎ込みは極めて迅速に行われるとともに、非常に短い期間に完了する。
スラグ108および溶鉄106を合わせて注ぐ本方法によれば、2つの混ざり合わない液体はスラグピット内で混合される。溶鉄106およびスラグ108の混合の程度は、ケース毎に異なる。混合の程度は、スラグ108の注ぎ込み法および様々なパラメータ、たとえばスラグ取鍋100の地面からの高さ、傾斜速度、冷却速度、溶鉄106およびスラグ108の相対比率などに左右される。スラグ108を可能な程度よりも早急に冷却するために、水噴霧が用いられる。加えて、スラグ108はシャベルを用いて、数回逆さまにひっくり返されて、スラグ108の冷却および凝固が早められる。これらの要因すべてにより、スラグ108および溶鉄106の機械的結合ならびに僅かな化学結合が進行することとなり、スラグ108および溶鉄106の重力の間の特定の重力でスラグ108の巨塊が形成される。また、溶鉄106の一部は大気内にある酸素および水噴霧と接触して酸化させられる。温かいスラグ108の巨塊はスラグヤードへ搬送され、そこでスラグ108は室温に冷却されてから、更に処理が施され、例えば冷却されたスラグ108から鉄が磁気分離される。冷却されたスラグ108から鉄を磁気分離させるために、冷却されたスラグ108は粉砕され、内部に含まれる鉄粒子を解放し、且つ、粉砕されたスラグ108は次に、非磁気スラグ108から鉄が磁気分離される。鉄粒子は粉砕されたスラグ108に分散されているので、粉砕されたスラグ108の全質量が磁気分離させられる。この従来からのスラグ冷却、搬送、粉砕、並びにスラグ108の磁気分離行程は時間がかかり、電力消費も大きく、面倒、非効率的且つ効果的でないものである。また、大型の磁気分離プラントが同様に大型の必需品を伴い、この磁気分離による鉄回収工程で必要とされることから、工程全体が費用にコストがかかるものとなる。
更に、磁気分離の間に、溶鉄106の酸化に起因して鉄の磁性酸化物が形成される一方、スラグ108は水噴霧により開放された大気中で冷却させられる。このようにして形成される鉄の磁性酸化物は、スラグ108の塊中に存在する他の酸化物と同様に、スラグ108の一部となってしまう。鉄の磁性酸化物の磁気性質に起因して、鉄の磁性酸化物は、磁気分離の間に磁気片として鉄と共に取り出される。従って、この鉄の磁性酸化物は、磁気分離から回収される鉄の重量を誤って増加させてしまい、鉄回収の総額や付随する鉄に関する支払い費用が増大してしまう。
さらに、スラグ108から鉄を回収するための磁気分離工程は、逆行工程で、即ち、溶鉄106およびスラグ108の混合物の冷却および凝固の後に行われる。また、幾らかの割合の鉄は冷却の間に酸化させられ、従って、それ自体の成分としてスラグ108中で失われる。加えて、磁性酸化物の形成は磁気鉄及び非磁気スラグ108の境界を少なくともある程度は曖昧にすることにより、はっきりとした鉄分離がより困難になる。更に、鉄106全体の幾らかの割合は固形スラグ108中に残され、最終的には、鉄が磁気分離工程によって経済的に回収され得ないので、残りのスラグ108と共に失われる。
上述した欠点全てを克服するために、本発明にかかる装置および方法は、溶鉄106およびスラグ108の両方がスラグ取鍋100の中で略2つの異なる相として存在する時に、溶融状態のスラグ108から溶鉄106または任意のほかの金属を回収するように構成される。本発明に係る装置は、スラグ取鍋100の上縁の一部に嵌合する機器を含む。装置は、スラグ108から溶鉄106または任意の他の金属を分離および回収するように構成される。本発明に係る方法は、溶鉄106およびスラグ108が、スラグ108注ぎ込み工程の間に混合させられる前に、確実に分離されるようにする。この溶融状態のスラグ108から溶鉄106を分離回収する方法は、溶鉄106およびスラグ108の表面張力、密度、粘度、流体流特性の力の相違に基づく。これらの力の相違に起因して、溶鉄106およびスラグ108の流体流の相対的に異なる運動量が、スラグ108の注ぎ込み工程の間に生じる。本発明の一実施形態に係り構成される機器をスラグ取鍋100に取り付け、また、これまでのスラグ108の注ぎ込み工程を適当に変更することにより、溶鉄106およびスラグ108は2つの略等しく異なる生成物として有効に分離させられ、一方の生成物は本質的に殆どのスラグ108から構成され、他方の生成物は本質的に少量のスラグ108を伴う溶鉄106から構成される。
実施例の機器
本発明に係る機器は、スラグ108を冷却および凝固するためにスラグピットに注ぎ込む工程の間に、スラグ108と共に流れる溶鉄106の流れを制限することにより、スラグ108および溶鉄106の流れの運動量の差を高めるように構成される。本機器は、機器がスラグ取鍋100に取り付けられた時に、また作動中に、機器がスラグ取鍋100の円形開口を適切に且つ部分的に閉鎖するように構成されており、それにより、溶鉄106の流れの運動量を相対的に減少させる一方、スラグ108は運動量を得るようにする。従って、機器により溶鉄106に部分的な障壁が形成され、溶鉄106はスラグ取鍋100中に保持されつつ、スラグ108は障壁を超えて流れるようにされる。また、殆どのスラグ108がスラグ取鍋100の外へ流れ出るときには、機器はシュートとして作用し、溶鉄106は所望の型へ流入させられ、スラグが略存在しない殆ど独立した製品として回収される。
本発明の一実施形態に係る機器は、機器が2つの注目すべき端縁、即ち下縁および開放縁によって画定されるように構成される。下縁は円形輪郭となるように構成され、円形輪郭はスラグ取鍋100の開放上縁の所定部分の形状、寸法および特徴と一致している。一態様において、スラグ取鍋100の開放上縁は円形状である。スラグ取鍋100の上縁の所定部分は、前述したように、スラグ取鍋100が傾けられた際にスラグ取鍋100からスラグ108が流出する部分である。次に、機器の下縁がスラグ取鍋100上縁の所定部分にしっかりと取り付けられる。機器の開放縁は、以後、自由縁として言及されるものであり、直線輪郭、円形輪郭および複数の短縁または多面角輪郭を有する輪郭の一つを有するものとして構成されてもよい。機器の高さは、スラグ取鍋100に取り付けられ且つ作動中に、垂直面内における自由縁と下縁の間の最大距離として画定される。本発明の別の実施形態において、機器は、下縁が平坦な輪郭を有するとともに、自由縁が直線輪郭、円形輪郭、および複数の短縁を有する輪郭の中の一つを有するように構成されてもよい。
図4a、図4b、図4cは、本発明の一実施形態に係り、可能な3個の輪郭を備えた機器400の等角図を示す。しかし当然のことながら、他の様々な輪郭が用いられてもよく、また機器の輪郭は、異なるプラントで用いられるスラグ取鍋100の要件に従い変更されてもよい。
図4aは、直線輪郭を有する自由縁402および円形輪郭を有する下縁404を備えた機器400の等角図を示す。機器400によっておおわれる面積は本質的に、所定の割線により画定されるスラグ取鍋100の上縁の所定部分である。直線輪郭を有する機器400の自由縁402の直線長さは、スラグ取鍋100の上縁の割線の寸法および形状と等しい。機器400の下縁404の円形輪郭は、スラグ取鍋100の上縁の形状および寸法と等しい。正方形、矩形、および半円形断面のいずれかを有する小開口制御通路406が、機器400の自由縁402の中心に設けられる。制御通路406は、スラグ取鍋100を傾けたときのスラグ取鍋100からのスラグ108のみの流れの終わり近く、および溶鉄106の流れの始点を確認して、スラグ108を伴う溶鉄106がスラグピットへ流れるのを阻止するためにとても有用である。一態様において、溶鉄106の容積がスラグ108の容積よりも比例して大きい時には、互いに適当な距離があけられた2個の制御通路が機器400の自由縁402に設けられる。別の耐用において、機器400は、スラグ取鍋100の寸法がより小さい場合には、制御通路406が設けられないように構成される。この実施形態では、自由縁402は、スラグ取鍋100の上縁と滑らかにつながり、自由縁402を超えるスラグ108の流出を制御するために、直線輪郭の代わりに円形輪郭を有するように構成される。
制御通路406には、制御通路406の形状と一致すると共に、制御通路406から外方へ突出する小型シュート408が設けられる。シュート408は、溶鉄106を回収するとともに、溶鉄106を大型のインゴットで鋳造するために、溶鉄106を型に注ぐのに必要とされる。シュート408は、流れ落ちる溶鉄106を型へ導くのを助け、そこで溶鉄106は所望する鉄インゴットの形状および重量となるように凝固する。シュート408は、スラグ取鍋100を妨げられることなく傾けた時に、溶鉄106全体が滑らかに流出するように構成される。次に型は持ち上げられ、同じ目的で構成および作動する別個のキャリアを使用することにより、溶鉄106を回収するために嵌め込まれる。
また別の態様において、機器400の自由縁402は、溶鉄106を型へより方向性を持ち注ぎ込むことができるように、ビーカ縁状の輪郭を有するように構成されてもよい。この態様では、ビーカ縁状輪郭の中心にある円錐部分がシュートとして作用する。機器400のビーカ縁状輪郭は、スラグ108の粘度がより低く、また溶鉄106の容積がスラグ108の容積よりも相対的に小さい時に有用である。
図4bは、円形輪郭を有する自由縁402を伴う機器400の等角図を示す。円形輪郭では、機器400の自由縁402は、自由縁402の形状が直線縁から、スラグ取鍋100の上縁となめらかにつながるように機器400の面の適当な傾斜を伴う適当な大きさの円形縁に変更されるように膨らませられる。機器400の下縁404は、スラグ取鍋100の円形上縁と一致する円形輪郭を有するように構成される。また、シュート408を有する制御通路406が、自由縁の中心に設けられる。
図4cは、多面角輪郭を有する自由縁402を伴う機器400の等角図を示す。多面角輪郭では、機器400の自由縁402は、自由縁402の形状が円形から、自由縁402の湾曲長さを形成するようにつなぎ合わせられる複数の直線を有する形状に変更される。自由縁402はまた、スラグ取鍋100の上縁となめらかにつながるように、端部で円形状にされてもよい。機器400の下縁404は、スラグ取鍋100の円形上縁と一致する円形輪郭を有するように構成される。また、シュート408を有する制御通路406が、自由縁の中心に設けられる。
図5aは、スラグ取鍋100の円形上縁に取り付けられる直線輪郭を有する自由縁402を備えた機器400の正面図500および平面図502を示す。
図5bは、スラグ取鍋100の円形上縁に取り付けられる円形輪郭を有する自由縁402を備えた機器400の正面図504および平面図506を示す。
図5cは、スラグ取鍋100の円形上縁に取り付けられる多面角輪郭を有する自由縁402を備えた機器400の正面図508および平面図510を示す。
本発明の別の実施形態において、機器400にはカラーが設けられてもよい。溶鉄106を注ぎ込む間、スラグ108中の溶鉄106の量が大きい時には、溶鉄106をより良好に且つ効果的に注ぎ込むのにカラーは有用である。この実施形態では、カラーは円柱形状部分であり、その直径はスラグ取鍋100の円形上縁および円形輪郭を有する機器400の下縁404と一致する。しかし、カラーは、機器400の形状に従い、任意の適当な構成をとってもよい。カラーは、当該技術分野で周知の任意の方法を用いて、機器400に別個に取り付けられてもよく、或いは、カラーは、機器400を製造する間に、機器400に設けられてもよい。カラーは、スラグ108を注ぎ込む間にスラグ108が流出する所定部分において、スラグ取鍋100の上縁に堅固に取り付けられる。カラーの湾曲長さは、カラーが機器400にしっかりと取り付けられるように、機器400の自由縁402の長さと一致するべきである。一態様において、最初にカラーがスラグ取鍋100にしっかりと取り付けられ、続いて機器400がカラーにしっかりと取り付けられる。
図6aは、直線輪郭を有する自由縁402およびスラグ取鍋100の円形上縁に取り付けられるカラー604を備えた機器400の正面図600および平面図602を示す。
図6bは、円形輪郭を有する自由縁402およびスラグ取鍋100の円形上縁に取り付けられるカラー604を備えた機器400の正面図606および平面図608を示す
図6cは、多面角輪郭を有する自由縁402およびスラグ取鍋100の円形上縁に取り付けられるカラー7¥604を備えた機器400の正面図610および平面図612を示す。
機器400は、当該技術分野で周知の任意の適切な方法、例えば溶接、リベット打ち、ボルト締めなどを用いて、スラグ取鍋100にしっかりと取り付けられる。機器400は破損した時には取り換えられてよい。一態様において、機器400は、傾けられた時にスラグ108が流れ出る見掛けの取鍋縁404bにおいて、スラグ取鍋100にしっかりと取り付けられる。それは仮想点に対して対称的であり、スラグ取鍋100の軸が回転する垂直面は、傾けた間に見掛けの取鍋縁404bの下側部分を切断する。機器400の厚みは、スラグ取鍋100の壁部厚さと同じまたはそれよりも小さくてよい。機器400の高さ407は、スラグ取鍋100の構成および最大容量、並びにスラグ108から分離回収される溶鉄106の量と一致してよい。また、機器400の高さ407は、下側にあるスラグ取鍋100の見掛け円錐縁が略水平になるまで、スラグ108と一緒にある溶鉄106の量が、スラグ取鍋100に含まれるようにされてよい。この量は、スラグ取鍋内の容量および機器400の制御通路406の底縁を通過する水平面が、取鍋内部の溶鉄106全体を入れつつ、殆どのスラグ108を流出させるようにされる。また、機器400の下縁404の円形輪郭は、スラグ取鍋100の円形上縁と一致するようにされる。
機器400の自由縁402の中心に置かれる制御通路406は、スラグ取鍋100の最大容量およびスラグ取鍋100内の溶鉄106の量に関連して設計される。溶鉄106は制御通路406を通過して型まで流れ、分離させられた溶鉄106が回収される。制御通路406の寸法は、さらに傾けられた時に、溶鉄106を超えてすでに分離させられたスラグ108に注がれることなく、可能な最短時間で、全ての溶鉄106が確実に型に流入させられるように構成される。このような構成により、スラグ取鍋100中でいくらかの溶鉄106が凝固する恐れを伴う遅れを確実に回避する。
機器400の耐用年数がスラグ取鍋100と等しくなるように、機器400はスラグ取鍋100と同じ材料を使って製造されてもよい。機器400は、スラグ取鍋100を含む様々な部品のアセンブリとして製造されてよく、或いは、スラグ取鍋100の様々な設計パラメータに応じて、スラグ取鍋100の一体部分として修正設計の形態で製造されてもよい。いずれの場合の製造法であっても、変更されたスラグ取鍋100の性能には影響を及ぼさない。
図7は、機器400がスラグ取鍋100の所定位置に取り付けられた時に、装置からスラグ108を注ぎ込む工程を示す。一実施形態において、機器400は、スラグ取鍋100の最も下側の先端112において、スラグ取鍋100に対称に取り付けられ、そこから、スラグ取鍋100が傾けられた位置で、スラグ108が流出する。機器400は、スラグ取鍋100内に臨界容積空間を形成するように構成され、この空間は、スラグ取鍋100の下側部分と機器400の自由縁402に設けられる制御通路406の底を通過する仮想水平面によって画定される。容積空間は、スラグ108を溶鉄106から分離する際の臨界である。スラグ取鍋100の所定位置において、容積空間は、機器400の高さ407に基づいて決定される。容積空間は、スラグ取鍋100を更に傾けるに伴い減少する。スラグ取鍋100の任意の位置において、スラグ取鍋100を傾けると、容積空間を超え、溶鉄106の上部に置かれたスラグ108は、スラグ取鍋100の外へ、機器400の自由縁を超えて流れる。スラグ取鍋100を更に傾けると、全てのスラグ108がスラグ取鍋100の外へ流れる。溶鉄106はより重いので、機器400によって制御通路406の底の水平高さまでで作られる容積空間内にとどめられたままである。傾動を慎重に制御することにより、殆ど全てのスラグ108がスラグ取鍋100から外に流れ出るまで、更に傾けても溶鉄106は流出しない。最後に、最終的に残ったスラグ108が、制御通路406を介してのみ、管状の流れとなって流出する。
図2で説明したように、スラグ取鍋100を傾けることにより、スラグ108はスラグ取鍋100の最も下側の先端112を越えて流出させられる。しかし、機器400をこの位置に置くことにより、取鍋壁部および機器400の制御通路406底部を通過する水平面によって作られる空間を占めるよりも余剰のスラグ108は、連続して一層傾けると、機器400上を流れる。更に傾けると、上部容積空間は減少し続ける。当初、スラグ108の流速は、スラグ取鍋100の傾動に際して増加するが、間もなく、スラグ108の流速は減少し始める。特定の傾斜角において、機器400の自由縁402を超えて流れるスラグ108の流速はごく僅かになる。次に、スラグ108は小さな管状流の形態をなして、制御通路406のみを通るように実際流出する。スラグ108が制御通路406を通過する瞬間は、極めてわずかなスラグ108がスラグ取鍋100に残され、且つ、更に傾けると溶鉄106が制御通路406を通りシュート408へ流れることを示す。この瞬間は、殆どのスラグ108を注ぎ出すことにより、スラグ108の選択分離が終わる一方、殆ど全ての溶鉄106がスラグ取鍋100内部に保持されることを知らせるものである。
図3で説明したように、スラグ取鍋100を傾ける間の所定の傾斜角で、溶鉄106はスラグ108よりも高い運動量差を有することから、溶鉄106は残りのスラグ108の前に流動を開始する。しかし、機器400が用いられる場合には、溶鉄106が制御通路406の外への流動を開始したときに、更なる傾動は直ぐに停止させられる。溶鉄106の流れは、操作者によってすぐに視覚的に確認され、スラグ取鍋100は、溶鉄106が流出しないように、僅かに後方へ傾けられる。次にスラグ取鍋100は、所望の寸法および形状の型に運ばれ、そこで、溶鉄106と残りのスラグ108は型に注ぎ込まれ、鉄の巨塊が生成される。溶鉄106に伴う残りのスラグ108は、溶鉄106と一緒に型内で凝固し、概ね鉄塊上で別個の表面相となる。次にスラグ108は、冷却および凝固の後に、鉄塊から削り取られる。従って、残りのスラグ108は溶鉄106から効果的に分離され、分離したスラグ108は、後の段階に、任意の他の回収工程により、溶鉄106を回収するためにさらに加工される必要はない。
一態様において、鉄塊を生成するべく、残りのスラグ108と一緒に型内の溶鉄106を回収するために、別個のキャリアを用いて、適当な時点に型をスラグ108の落下流に差し入れてもよい。溶鉄106と一緒の残りのスラグ108は、残りのスラグ108のほとんどが巨塊の表面のみに存在するので、溶鉄106が凝固した後に削り取られる。
溶鉄106の分離および巨塊からの鉄の回収の工程全体が、手動制御により適切に確立した後、適当な工程の自動化によって工程全体は適切に制御される。自動化される工程には、手動による工程と同じ順序で次の工程、即ちスラグ108を注ぐためのスラグ取鍋100の傾動、スラグ108の流れが管状流であることの確認、スラグ取鍋100の傾動停止、型内の溶鉄106を回収するための型の差し込み、および型内に溶鉄106を回収するためのスラグ取鍋100の傾動などを含む。自動化された工程により、スラグ108中の溶鉄106のかなりの損失を伴うことなく、溶鉄106を分離および回収する有効且つ効率的な方法が確実となる。また、自動化工程により、人的ミス、付随する鉄の損失、および型中の鉄に伴う余分なスラグ108の存在が回避される。
図8aは、直線輪郭を有する自由縁402を伴う機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
図8bは、直線輪郭およびカラーを有する自由縁402を伴う機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
図8cは、円形または多面角輪郭を有する自由縁402を伴う機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
図8dは、円形または多面角輪郭を有する自由縁およびカラーを有する機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
本発明の別の一実施形態によれば、スラグ取鍋100は、スラグ取鍋上縁の所定部分に外形を備えることにより、適当に変形させられる。
図9aは、本発明の別の一実施形態に係り、スラグ取鍋100に取り付けられた直線輪郭を有する外形901を備えた変形スラグ取鍋100を示す。
図9bは、本発明の別の一実施形態に係り、スラグ取鍋100に取り付けられた円形輪郭を有する外形911を備えた変形スラグ取鍋100を示す。
図9cは、本発明の別の一実施形態に係り、スラグ取鍋100に取り付けられる多面角輪郭を有する外形921を備えた変形スラグ取鍋100を示す。
次に機器400が外形に取り付けられる。機器400の下縁404は、機器404を上述のようにスラグ取鍋100に嵌合させるように、下縁404の輪郭が取鍋縁外形と一致するように、外形の輪郭に従い対応して変形される。
図10aは、直線輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭と一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400の等角図を示す。
図10bは、円形輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭と一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400の等角図を示す。
図10cは、多面角輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭と一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400の等角図を示す。
図11aは、直線輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400の正面図500および平面図502を示す。
図11bは、円形輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400の正面図504および平面図506を示す。
図11cは、多面角輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400の正面図508および平面図510を示す。
前述したように、本実施形態の一態様において、カラーはまた、直線輪郭を有する下縁402を備えた機器400に取り付けられてもよい。
図12aは、直線輪郭を有する自由縁402と、外形910の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404と、スラグ取鍋100の上縁に取り付けられるカラー604を備えた機器400の正面図600および平面図602を示す。
図12bは、円形輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404と、スラグ取鍋100の上縁に取り付けられるカラー604を備えた機器400の正面図606および平面図608を示す。
図12cは、多面角輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404と、スラグ取鍋100の上縁に取り付けられるカラー604を備えた機器400の正面図610および平面図612を示す。
図13aは、直線輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
図13bは、直線輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404と、カラーを備えた機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
図13cは、円形または多面角輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404を備えた機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
図13cは、円形または多面角輪郭を有する自由縁402と、外形901の直線輪郭に一致する直線輪郭を有する下縁404と、カラーを備えた機器400がスラグ取鍋100に取り付けられた状態を示す図である。
本発明で説明したように、スラグ取鍋100に取り付けられる機器400を有する本装置、および変更されたスラグ108注ぎ込み工程により、スラグ取鍋100内で、スラグ108に付随する溶鉄106ほぼ全体を分離および回収する有効且つ効率的な方法が提供される。また、鉄を固形スラグから粉砕および磁気分離するという費用がかかり、面倒で複雑な工程は、このようにして完全に排除される。更に、磁気分離法では生じる粉塵が排除されることにより、付随する粉塵汚染問題が回避される。従って、機器400が取り付けられたスラグ取鍋100、および変更されたスラグ108注ぎ込み法は、無公害の製鉄所を発展させるという独自の道を歩む。また、スラグ108の注ぎ込みおよび凝固工程の間に酸化する溶鉄106の部分は、水によって開放雰囲気で冷却および凝固する間酸化してしまう前に、溶鉄106はスラグ108から分離されるので、ほぼなくなる。ほぼ全ての溶鉄106が機器400およびスラグ108注ぎ込み工程の変更工程を採用することにより回収される。また、残りのスラグ108内にある溶鉄108の不可避な損失は、磁気分離後に、ほぼ完全に取り除かれる。従って、凝固したスラグ108からの鉄の磁気分離はもはや必要ない。
また、変更されたスラグ108の注ぎ込み工程は、いずれにしても、製鋼工程と干渉しない。従って、製鋼法に適用するのがより容易になり、最終的なスラグ108と一緒にピットに入れられる溶鉄106の損失が最小化する。さらに、粉砕および磁気分離の間の消費電力が全体的に削減されるので、スラグの冷却および廃棄のために機器400および改良されたスラグ108注ぎ込み工程を採用して、製鉄所にカーボンクレジットをもたらす。また、スラグ取鍋100は機器400および改良スラグ108注ぎ込み工程を伴い、現在のスラグの冷却、凝固、粉砕および磁気分離工程を、単純な溶鉄106の分離および回収の物理的な工程に変える。更に、以前は製鉄工程で失われ、溶融状態のスラグ108と共にスラグ取鍋100で回収されるほぼ全ての溶鉄106は、極めて安価、効率的かつ有効に、実際に鉄を損失させることなく回収される。
また、本発明で説明するように、機器400は、大気酸化に起因し、且つ磁気分離工程でのスラグ108中の未回収鉄に起因する実際の損失および廃棄をもたらすことなく、スラグ108と一緒にあるクリーンな溶鉄106の回収を助ける。また、改良されたスラグ108の注ぎ込み工程により回収された溶鉄106は、スラグ108を実際に汚染させることなく、クリーンであり且つ巨塊状である。また、機器400をスラグレードル100に取り付けた後であっても、改良されたスラグ108注ぎ込み工程、続くスラグ108の廃棄に際して、追加の装備が不要である。
また、機器400ならびに改良されたスラグ108の注ぎ込み法を用いることにより、スラグ108の冷却凝固の間に開放雰囲気と接触して酸化する溶鉄106の一部を回収できる。同様に、磁気分離に固有の非効率性により、残りのスラグ108と共に結果的に廃棄物となる磁気分離では回収され得ない溶鉄106の一部は、機器400を用いて、原料を更に投入することなく回収され、従来の製鉄方法に対して、対応する原料の量が節約される。
スラグから溶鉄を分離する実施形態を、構造的な特徴および/または方法に特有の専門用語を用いて説明したが、当然のことながら、本発明は必ずしも記載される特定の構成や方法に限定されるものではない。むしろ、特定の構成や方法は、溶鉄をスラグから分離するための例示的な実施形態として開示されるものである。
100 スラグ取鍋
106 溶鉄
108 スラグ
400 機器
402 自由縁
404 下縁
406 制御通路
604 カラー

Claims (11)

  1. スラグ(108)から溶鉄(106)を分離および回収する装置であって、
    前記スラグ(108)および溶鉄(106)を保持するためのスラグ取鍋(100)と、
    前記スラグ取鍋(100)に部分的な閉鎖物を形成するために、前記スラグ取鍋(100)の上縁の一部に嵌め入れられる機器(400)とを含み、前記機器(400)は、前記スラグ取鍋(100)の一部の縁に一致する下縁(402)と、自由縁(402)を有し、前記機器(400)は、
    前記溶鉄(106)が無蓋容器(100)内に保持されるための障壁を形成し、且つ、
    前記スラグ取鍋(100)が傾けられた時に、前記溶鉄(106)を保持しつつ、前記スラグ(108)を前記障壁を超えて流出させる
    装置。
  2. 前記機器(400)は、前記機器(400)の下縁(404)を前記スラグ取鍋(100)の上縁と接合することにより、前記スラグ取鍋(100)に堅固に嵌合させられる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記機器(400)の自由縁(402)は、前記スラグ取鍋(100)の上縁に一致する、請求項2に記載の装置。
  4. 前記機器(400)は、前記スラグ取鍋(100)の一体部分として形成される、請求項1に記載の装置。
  5. 前記自由縁(402)は、直線輪郭、円形輪郭、多面角輪郭、およびビーカ状輪郭の中の一つの輪郭を有する、請求項1に記載の装置。
  6. 前記自由縁(402)は、前記スラグ(108)および前記溶鉄(106)の流れを向けさせる少なくとも1個の制御通路(406)を含む、請求項1に記載の装置。
  7. 前記自由縁(402)は、前記自由縁(402)の中心に、少なくとも1個の制御通路(406)を有する、請求項6に記載の装置。
  8. 前記自由縁(402)は、前記溶鉄(106)の流れを向けさせるために、少なくとも1個の制御通路(406)から外方に突出するシュート(408)を含む、請求項6に記載の装置。
  9. 前記機器(400)は、前記スラグ取鍋(100)の上縁の一部に一致するカラー(604)を含むことにより、前記機器(400)は前記カラー(604)を介して前記スラグ取鍋(100)にしっかりと取り付けられる、請求項1に記載の装置。
  10. スラグ(108)から溶鉄(106)を分離する方法であって、
    前記スラグ(108)をスラグピットに注ぎ込むために、前記スラグ(108)および前記溶鉄(106)を保持する装置を第1方向に傾ける工程と、
    前記スラグ(108)および前記溶鉄(106)を前記装置の自由縁(402)を通過させる工程と、前記装置の障壁が前記溶鉄(106)の流れを制限しつつ、前記溶鉄(106)を前記装置内部に保持するように流れはもたらされ、
    前記スラグ(108)の流れが管状流形態であることを確認する工程と、
    前記溶鉄(106)が前記スラグピットへ流れるのを止めるために、前記溶鉄(106)の流れの確認に基づき、前記装置を第2方向へ傾ける工程と、
    前記溶鉄(106)を型へ注ぎ込むために、前記装置を前記第1方向に傾ける工程と
    を含む方法。
  11. 前記装置は、
    前記スラグ(108)および前記溶鉄(106)を保持するスラグ取鍋(100)と、
    前記スラグ取鍋(100)に障壁を形成するために、前記スラグ取鍋(100)の一部に嵌め入れられる機器(400)とを含み、前記機器(400)は、前記スラグ取鍋(100)の縁に一致する下縁(404)および自由縁(402)を有し、前記スラグ(108)は前記機器(400)の自由縁(402)を超えて流れる一方、前記障壁は前記溶鉄(106)を前記スラグ取鍋(100)内に保持する
    請求項10に記載の方法。
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