JP2014533099A - Hcv+患者におけるミクロrna−122阻害剤の有効性をチェックするための予測方法 - Google Patents

Hcv+患者におけるミクロrna−122阻害剤の有効性をチェックするための予測方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、miR−122阻害剤でのHCV療法に対する適当なレスポンダーとして同定されるHCVに感染した対象の治療方法に関する。本発明はまた、抗HCV剤、例えば、miR−122阻害剤でのC型肝炎感染症の治療の適合性を決定するための予測方法を提供する。

Description

本発明は、肝機能の診断および予測方法、例えばC型肝炎の適切な治療を選択するのに用いられる診断および予測方法の分野に関する。また、miR−122阻害剤でのHCV療法に対する適当なレスポンダーとして同定されているHCVに感染した対象の治療方法も開示されている。本発明はまた、抗HCV剤、例えばmiR−122阻害剤でのC型肝炎感染症の治療の適合性を決定するための予測方法を提供する。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、欧州および米国における慢性肝疾患の最も一般的な感染原因である。世界的に、約3%の人口が感染していると推定されている;これは、約2億人の人々が重篤な肝疾患を発症する恐れがあることに相当する。
ミクロRNA−122(miR−122)は、肝特異的ミクロRNAである。miR−122は脂質およびコレステロール代謝に関与し、齧歯類におけるインビボのmiR−122阻害は血清コレステロールレベルの低下をもたらす。それによってmiR−122がコレステロール代謝を制御する分子機構は、現在のところ知られていないようである。
肝miR−122レベルは、慢性HCV感染症に関連する臨床パラメータと逆相関している(Marquez et al.,2010 Lab Invest December 2010)。血清miR−122は、NAFLDおよびHCV感染症と正に相関しており、NAFLDのバイオマーカーとして示唆されている(例えば、Cermelli et al 2011 PLoS ONE August 2011)。Cermelliらによれば、循環と肝miR−122レベルの間に相関関係はない。血清miR−122は、HCV感染患者における壊死性炎症のバイオマーカーであり、血清ALTレベルと適度に相関している(Bihrer et al Am J Gastroenterol Sept.2011)。Su et al.,「Serum MicroRNA−122 Level Correlates with Virologic Responses to Combination Therapy in Chronic Hepatitis C Patients」 AASLD November 2011は、miR−122血清レベルが、治療効果を示す高濃度のmiR−122血清レベルで、インターフェロン/リバビリン治療に対する反応性と相関することを報告している。
ミラビルセン(Miravirsen)は、チンパンジーおよびヒトの患者の両方においてC型肝炎(HCV)の治療に有効性を示した最初のミクロRNA治療薬である。ミラビルセンは、ミクロRNA−122阻害剤である。本発明者らは、HCV療法に反応しなかったHCV患者の亜集団を肝機能の識別的血液バイオマーカーアッセイによって同定したことを確認した。
Marquez et al.,2010 Lab Invest December 2010 Cermelli et al 2011 PLoS ONE August 2011 Bihrer et al Am J Gastroenterol Sept.2011 Su et al.,「Serum MicroRNA−122 Level Correlates with Virologic Responses to Combination Therapy in Chronic Hepatitis C Patients」 AASLD November 2011
HCV療法に反応しないHCV患者の亜集団を識別的血液バイオマーカーアッセイによって同定することができるという驚くべき所見は、HCV療法に対する適合性を確認するためにHCV感染患者をスクリーニングするための予測方法ならびに1種またはそれ以上の識別的血液バイオマーカーレベルによってHCV療法に適するように同定されるHCV感染患者の治療を可能にする。適当には、該治療には、有効量のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンの投与が含まれる。
本発明は、対象における(例えば、慢性)C型肝炎(HCV)感染症の治療方法であって、(例えば、慢性)C型肝炎感染症を患う患者にミクロRNA−122阻害剤を投与することを含み、該対象が、正常な肝機能を示すミクロRNA−122阻害剤での治療前の血液(例えば、血清または血漿)バイオマーカーを有する、方法を提供する。
本明細書に記載されるように、ミクロRNA−122(miR−122)阻害剤は、オリゴヌクレオチド全体を通してmiR−122に相補的な、例えば完全に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばミラビルセンでありうる。
本発明は、対象における(例えば、慢性)C型肝炎(HCV)感染症の治療方法であって、(例えば、慢性)C型肝炎感染症を患う対象にミクロRNA−122阻害剤を投与することを含み、該対象がHCV感染症に対して無症状である、方法を提供する。
本発明は、対象における(例えば、慢性)C型肝炎(HCV)感染症の治療方法であって、慢性C型肝炎感染症を患う対象にミクロRNA−122阻害剤を投与することを含み、HCV関連線維症(または壊死性炎症)のステージが、Ishak採点システムにおけるステージ3、またはMetavir段階におけるステージF2に達していない、方法を提供する。適当には、いくつかの実施態様において、対象は、不完全肝硬変または肝硬変を患っていないか、あるいはいくつかの実施態様において、架橋線維症(bridging fibrosis)または門脈線維症を患っていない。
本発明は、ミクロRNA−122阻害剤での(例えば、慢性)HCV感染症を患う哺乳動物(例えば、ヒト)対象の治療の適合性を決定する方法であって、
i)HCVに感染した対象から血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
iii)所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと1またはそれ以上の対照サンプルまたは対照値を比較する工程を含み、該対象が、ミクロRNA−122阻害剤での(例えば、慢性)HCV感染症の治療に適している可能性があるかまたはそれに適している(すなわち、miR−122阻害剤レスポンダー)かどうかを決定する、方法を提供する。
あるいは、上記[予測]方法は、対象が、ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンでのHCV感染症の治療に反応する(または反応性を示す)可能性があるかどうかを決定するために用いられうる。
したがって、該方法は、有効量のミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンの投与により効果的に治療される(すなわち、反応する)可能性がある(例えば、慢性)HCV感染症を患う個別の対象を同定するために用いられうる。
上記方法は、予測方法と称されうる。予測方法は、ミクロRNA−122阻害剤での治療に対する非レスポンダー(あるいは、部分レスポンダー)を同定するために用いられうる。
上記方法はまた、(例えば、慢性)HCVの治療方法であって、上記方法および前記対象に前記miR−122阻害剤を投与する次の工程を含む、方法において利用されうる。
本発明は、HCVに感染したヒト対象における(例えば、慢性)HCVの治療に用いるためのmiR−122阻害剤であって、例えば本明細書に記載の[予測]方法を用いて、miR−122阻害剤に対するレスポンダーとしてすでに同定されている対象に使用する、miR−122阻害剤を提供する。
本発明は、本明細書に記載の予測方法または治療方法において用いるための予測キットを提供し、前記キットは、miR−122検出アッセイ(例えば、1またはそれ以上のmiR−122検出プローブ(例えば、1またはそれ以上のmiR−122特異的オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー)、ヒトmiR−122に特異的な定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応アッセイまたはヒトmiR−122の検出プローブおよび少なくとも1種のさらなるバイオマーカーの少なくとも1種のさらなる検出アッセイ(本明細書に記載)、例えば、GGT、ALT、ASTまたはそれらの組み合わせの検出アッセイを含む。
本発明は、(例えば、慢性)HCV感染症を患う対象への投与のための、miR−122阻害剤(ミクロRNA−122阻害剤)、例えばミラビルセンの適当な有効量を決定する方法であって、
i)対象からの血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
iii)所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと1またはそれ以上の対照サンプルまたは対照値を比較する工程を含み、(例えば、慢性)HCV感染症を軽減するために対象への投与のためのミクロRNA−122阻害剤の適当な有効量を決定する、方法を提供する。
本発明は、ヒト対象における(例えば、慢性)C型肝炎の進行度、例えば、肝臓の壊死性炎症レベルを決定するための予測方法であって、
i)HCVに感染したヒト対象から血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中のミクロRNA−122レベル、および血液サンプル中の少なくとも1種のさらなるバイオマーカーを測定する工程
iii)ミクロRNA−122および少なくとも1種のさらなるバイオマーカーレベルと既知レベルの壊死性炎症を患う1またはそれ以上の対象から得られた1またはそれ以上の対照サンプルまたは対照値を比較する工程を含み、対象におけるC型肝炎の進行度を決定する、方法を提供する。
本発明は、ミクロRNA、例えば、肝特異的ミクロRNA、例えばmiR−122の検出プローブ、またはHCV治療剤、例えばミクロRNA−122阻害剤(例えば、ミラビルセン)のコンパニオン診断(予測)として用いるための、前記検出プローブを含むアッセイを提供する。コンパニオン診断は、適当には、HCV(例えば、慢性HCV)の治療を必要とする対象の適合性を決定する予測アッセイ、例えば、本明細書に記載のものにおいて用いられるべきである。
本発明のさらなる態様は、本明細書に開示されている。
試験の週数に対する反応グレードの分布。太い横線は中央値を示す。箱は第1ないし第3四分位数を含む。ひげは最大値および最小値を示す。 ミラビルセンの各反応グレードの各投与量の患者の分布。A.棒グラフ(barplot)およびB.分割表として示される。 オブザーバブルとミラビルセンの反応グレード間の有意な関連性。各サブ図(subfigure)において、+/−1の標準偏差を示すエラーバーを伴うグループごとの平均値の棒グラフ、およびグレードごとの全値の散布図が示される。A.miR−122、B.GGT、C.ALATおよびD.ASAT。 完全連結法を用いる臨床オブザーバブルの階層的クラスター分析。相関関係をスピアマンの順位相関係数、rとして算出した。距離を1−rとして算出した。 ミラビルセンのレスポンダーまたは非レスポンダーのいずれかとして患者を分類する二分決定木。木の4種のオブザーバブル各々のカットオフ値は、正常上限値に相対的な値として示される。 二分決定木を裏付けるミラビルセン治療CHC患者からのデータ。A.ALAT対ASATおよびB.GGT対miR−122によるCHC患者の散布図。図5からのカットオフ値は破線として示される。
治療方法
本発明は、HCVに感染した対象の治療方法であって、有効な量で該対象に抗HCV剤を投与する工程を含み、該対象が、治療効果を示す、1つまたはそれ以上の肝機能に関する血清バイオマーカーの治療前レベルを有する、方法を提供する。
本発明は、対象における慢性C型肝炎(HCV)感染症の治療方法であって、慢性C型肝炎感染症を患う対象にミクロRNA−122阻害剤(本明細書では、該ミクロRNA−122阻害剤(the inhibitor of microRNA-122)とも称される)を投与することを含み、該対象が、正常な肝機能を示す、ミクロRNA−122阻害剤での治療前の1つまたはそれ以上の血清バイオマーカーを有する、方法を提供する。
本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に有効量(すなわち、治療投与量)のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、治療前に、正常上限値を下回る血清ALTレベルを有する、方法を提供する。
本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に有効量(すなわち、治療投与量)のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、治療前に、正常上限値を下回る血清ASTレベルを有する、方法を提供する。
本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に有効量(すなわち、治療投与量)のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、治療前に、正常上限値を下回る血清GGTレベルを有する、方法を提供する。
本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に有効量(すなわち、治療投与量)のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、治療前に、正常上限値を下回る血清ミクロRNA−122レベルを有する、方法を提供する。
本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に治療投与量のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、治療前に、1または1未満の血清AST/ALT比を有する、方法を提供する。
本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に治療量のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、治療前に、14秒未満のPT値を有する、方法を提供する。
該対象は、本明細書に記載のレスポンダーとして定義されうる。
本発明は、上記のおよび本明細書に定義の対象におけるHCV感染症の治療のための、ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンを提供する。
本発明は、上記のおよび本明細書に定義の対象におけるHCV感染症の治療のための医薬の製造のためのミクロRNA−122阻害剤の使用を提供する。
正常な肝機能の決定
肝機能は、例えば、血清バイオマーカーが正常上限値を下回るとみなされる場合に正常であると決定されうる。血清バイオマーカー、例えばmiR−122、ALT、ASTおよびGGTに関して、正常とは、正規分布の中央部分(95%)(すなわち、「正常範囲」内)を示す。正常(95%)レベルの上限カットオフ値は、「正常上限値」と称される。正常値の正確な上限は、例えば、対照正規母集団、性別、年齢、ある場合においては、用いられる特異的アッセイ条件によって変化しうることを認識すべきである。
したがって、本発明に関して、「正常な肝機能」は、対象の集団からの対照サンプルまたは対照値と正常な肝機能との比較によって決定されうることを認識すべきである。血清バイオマーカーレベルが正常上限値を超えると決定される対象は、いくつかの実施態様において、非レスポンダーまたは低レスポンダーである可能性が高いかもしれない。
あるいは、正常な肝機能の決定は、本明細書に記載されるように、1つまたはそれ以上のバイオマーカーレベルに対する適当な所定のカットオフ値の選択によって決定されうる。特定のカットオフ値を決定するために用いられるアッセイは、本明細書では、Advia Chemistry ALT、ASTおよびGGTプロトコールと認定されるけれども、同様のプロトコールはまた、(インタープロトコール/アッセイ感度/多様性を考慮して)用いられうる。かかるカットオフ値の非限定的な例は、本明細書にて提供される。そのようなものとして、正常範囲は、健常な肝機能に関連するレベル、または本明細書に記載のカットオフ値を下回ると考えられうる。
本発明の治療方法において、対象は、治療前に、正常上限値を下回る、miR−122、ALT、ASTおよび/またはGGT血清レベルを有しうる。
したがって、本発明に関して、「正常な肝機能」は、正常な肝機能を有する1またはそれ以上の対象(好ましくは、適当な大きさの集団)からの対照サンプルまたは対照値と比較することにより決定されうることを認識すべきである。この点について、正常な肝機能の決定は、本明細書に記載の1つまたはそれ以上のバイオマーカーレベルの適当な所定のカットオフ値によって決定されうる。かかるカットオフ値の非限定的な例は、本明細書において提供される。したがって、正常範囲は、本明細書に例示および詳述される非レスポンダーに関連するレベルを下回ると考えられうる。したがって、本発明の治療方法では、いくつかの実施態様において、対象は、治療前に、正常範囲内にある、ALAT、ASAT、ガンマGT、ミクロRNA−122レベルを有する。例として、本発明は、HCVの治療方法であって、HCVに感染した対象に有効量(例えば、治療投与量)のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、治療前の該対象が、69IU/L未満のALT血清レベルを有し、所望により、ΔCで決定された<3の血清ミクロRNA−122レベルを有していてもよく、および/または所望により、158U/L未満の血清GGTレベルを有していてもよい、方法を提供する。他の同様の方法は、本明細書に記載の種々の分類器を用いて利用されうる。
別法としてまたは組み合わせて、正常な肝機能は、例えば、平均値周辺の正常範囲内の血清バイオマーカーの存在、例えば、健常集団群内の平均レベルの血清バイオマーカーの標準分布の95%で示されうる。対照集団における正常肝機能を確立するために用いられる血清バイオマーカーは、好ましくは、例えば、本明細書に記載の、miR−122、ALT、AST、GGTおよび/またはAST/ALT比である。健常集団群は、HCVに感染しておらず、通常、人口統計学的に同様であるべきであり、例えば、正常な肝バイオマーカーは、健常な男性および女性の人口層間で異なりうる。
臨床データの分析において、そして、実施例に示されるように、
−正常上限値を下回る治療前ALTレベルを有する対象は、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療に対するレスポンダーである可能性が高い。いくつかの実施態様において、レスポンダーおよび非レスポンダーまたは部分レスポンダーは、(適当な)レスポンダーを示す正常上限値を下回るALTレベル、および(適当な)非レスポンダーまたは(適当な)部分レスポンダーを示す正常上限値を超える、例えば1.5倍の正常上限値を下回る、例えば2倍の正常上限値を下回る、例えば3倍の正常上限値を下回る、例えば4倍の正常上限値を下回る、例えば5倍の正常上限値を下回る、ALTレベルを用いて、それらの血清ALTレベルによって識別されうる。
−正常上限値を下回る治療前ASTレベルを有する対象は、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療に対するレスポンダーである可能性が高い。いくつかの実施態様において、レスポンダーおよび非レスポンダーまたは部分レスポンダーは、(適当な)レスポンダーを示す正常上限値を下回るASTレベル、および(適当な)非レスポンダーまたは(適当な)部分レスポンダーを示す正常上限値を超える、例えば1.5倍の正常上限値を下回る、例えば2倍の正常上限値を下回る、例えば3倍の正常上限値を下回る、例えば4倍の正常上限値を下回る、例えば5倍の正常上限値を下回る、ASTレベルを用いて、それらの血清ASTレベルによって識別されうる。
−正常上限値を下回る治療前GGTレベルを有する対象は、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療に対するレスポンダーである可能性が高い。いくつかの実施態様において、レスポンダーおよび非レスポンダーまたは部分レスポンダーは、レスポンダーを示す正常上限値を下回るGGTレベル、および非レスポンダーまたは部分レスポンダーを示す正常上限値を超える、例えば1.5倍の正常上限値を下回る、例えば2倍の正常上限値を下回る、例えば3倍の正常上限値を下回る、例えば4倍の正常上限値を下回る、例えば5倍の正常上限値を下回る、GGTレベルを用いて、それらの血清GGTレベルによって識別されうる。
−正常上限値を下回る治療前miR−122レベルを有する対象は、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療に対するレスポンダーである可能性が高い。いくつかの実施態様において、レスポンダーおよび非レスポンダーまたは部分レスポンダーは、(適当な)レスポンダーを示す正常上限値を下回るmiR−122レベル、および(適当な)非レスポンダーまたは(適当な)部分レスポンダーを示す正常上限値を超える、例えば1.5倍の正常上限値を下回る、例えば2倍の正常上限値を下回る、例えば3倍の正常上限値を下回る、例えば4倍の正常上限値を下回る、例えば5倍の正常上限値を下回る、miR−122レベルを用いて、それらの血清miR−122レベルによって識別されうる。
本明細書に示されるように、複数の、例えば、2、3または4種の血清バイオマーカーのアッセイ結果を組み合わせることによって、レスポンダー対非レスポンダーまたは部分レスポンダーの予測の正確性を非常に高めることができ、そうして予測値は改善されうる。下表は、用いられうる血清バイオマーカーの組み合わせのいくつかの例を示す:
Figure 2014533099
以下に示されるように、血清バイオマーカーの組み合わせを用いる場合、異なる分類器構造は、予測(predictive)(予測(prognostic))値を最適化するために用いられうる。
分類器/決定木
いくつかの実施態様において、血清バイオマーカー、例えば、ALT、AST、miR−122、および/またはGGTのレベルが(対象からの)血清サンプル中で検出される場合、それらは、分類器(または決定木)を用いて、治療に対するレスポンダーまたは非レスポンダーのいずれかとして患者を分類するために用いられうる。かかる分類器は、レスポンダーおよび非レスポンダーにおけるALT、AST、miR−122、およびGGTレベルのパターン間の「有意差」に基づきうる。かかるパターン間の有意差は、異なる実施態様において、統計的有意差を示し、あるいは他の実施態様において、当業者によって認識される有意差を示す。有利なことには、本発明の方法は、治療に対する無反応または反応のいずれかに関連する病態を患う患者から得られたサンプルのパターン間を識別するために、学習の活用およびパターン認識分析器、クラスタリングアルゴリズムなどを利用しうる。該有意差はまた、かかる手法で得られた所定の分類規則または閾値に関する検定サンプルのパターンを評価しうる。一つの実施態様において、分類規則は、実施例5に記載されるように、決定木の形態でありうる。
予測方法
本発明は、抗ウイルス剤、例えばミクロRNA−122阻害剤(例えば、ミラビルセン)でのC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した対象の治療の適合性を決定する方法を提供する。本発明は、HCVに感染した対象の血清に存在する肝機能マーカーが、前記HCV療法に反応する対象とHCV療法に反応しない(またはHCV療法に部分的にのみ反応する)対象の亜集団を識別するために用いられうるという驚くべき所見に基づく。レスポンダーと非レスポンダーを識別することに加えて、本発明の方法は、HCVに感染した(および前記HCV感染症の有効な治療を必要とする)対象における前記HCV療法の(適当な)有効量を決定するために用いられうる。
血清バイオマーカー
肝機能に関する多数の血清バイオマーカーが既知であり、非限定的な例として、以下のものが、肝機能に関するマーカーまたは適当なマーカーとして関与している:レクチン反応性アルファフェトプロテイン(AFP−L3)、Des−ガンマ−カルボキシ−プロトロンビン(DCP)、ER6Q、ビメンチン、アクチンアルファ1骨格筋タンパク質、hMFAP4、トロポミオシン、PTGES2、アミロイドP成分、トランスジェリン、カルポニン1、ヒトp20タンパク質、17kDaミオシン軽鎖、H鎖H Igg B12、プロリル 4−ヒドロキシラーゼ、βサブユニットメチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ1、PRO2619、アルデヒドデヒドロゲナーゼ1、フィブリノーゲンアルファ鎖プレプロタンパク質、フルクトース二リン酸アルドラーゼB、アルギニノコハク酸シンテターゼ、Eefla2、AT P 5 Al、α−2アクチン、レグカルシン、血清アルブミン、ミトコンドリアのリンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ミトコンドリアのアセトアセチル−CoAチオラーゼ、ヒアルロン酸(HA)、ヘパスコア(Hepascore)、プロトロンビン、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、アポリポタンパク質A1(PGA)指数、年齢血小板(AP)指数、Bonacini指数、Pohlスコア、Forns指数、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血小板の比(APRI)、MP3(MMP1,PIINP)指数、FIB4、およびFibroIndex.
肝機能に関する(血液)血清バイオマーカーには、例えば、ミクロRNA−122レベル(例えば、配列番号2)、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(ガンマGT)、プロトロンビン時間(PT)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)、およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ASAT)が含まれる。他の肝機能マーカーは本明細書において提供され、結果は、ALT、AST、GGTおよびミクロRNA−122血清レベルが最も多い予測値のバイオマーカーであるのに対し、評価された多数のバイオマーカーは、ほとんど予測値がないかまたは全くないことを示す。いくつかの実施態様において、肝機能マーカーは、肝障害に関連しうる。特定の理論に制限されるつもりはないが、本発明は、ミラビルセン治療に対して無反応であったかまたは低量のミラビルセン(例えば、3mg/kg/体重以下)で反応しなかったHCV感染対象が、その血液中に肝臓障害に関連するバイオマーカー、特に、ミクロRNA−122、ALT、ASTおよび/またはGGTのレベルを非常に上昇させていたという所見に基づく。
血清バイオマーカーレベルは、典型的には、治療前に評価される。該バイオマーカーは、肝機能を示すかあるいは肝機能に関連する血清バイオマーカーでありうる。典型的には、血清バイオマーカーは、対象から得られた血清サンプル中で評価される。血液バイオマーカーは、例えば、血清または血漿中に存在するバイオマーカーでありうる。
血清バイオマーカーの評価時点
適当には、血清バイオマーカー(複数可)レベルは、ミクロRNA−122阻害剤との初回(またはいくつかの実施態様において、次回)投与前に、ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療前、例えば約6ヶ月以内、例えば約5ヶ月以内、例えば約4ヶ月以内、例えば約3ヶ月以内、例えば約2ヶ月以内、例えば約1ヶ月以内、例えば約4週間以内、例えば約3週間以内、例えば約2週間以内、例えば約1週間以内、例えば約1、2、3、4、5または6日以内に評価される。いくつかの実施態様において、血清バイオマーカーレベルの評価は、i)HCVに感染したヒト対象から血液サンプルを得る工程、およびii)血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程の逐次的工程に関与する。
ミクロRNA−122阻害剤での治療中、対象が、ウイルス価の増加によって測定されるように、治療に対して反応しなくなる場合、本発明の方法は、増加した投与量のミクロRNA−122阻害剤が治療の有効性を回復させるのに必要でありうるかどうかを決定するために利用されうることが分かるであろう。したがって、本発明の方法は、治療期間前または治療期間中のいずれかに対象に投与される、有効量のミクロRNA−122阻害剤を確保するために用いられうる。
血清ミクロRNAの予測値
いくつかの態様において、本発明は、ミクロRNA、例えばミクロRNA−122の血清レベルがミラビルセン治療に対する反応性を識別するといった驚くべき所見に基づく。したがって、本発明は、ミクロRNAの発現または過剰発現に関連する疾患を患う対象の治療の適合性を決定する方法であって、
i)対象から血清サンプルを得る工程
ii)血清サンプル中の少なくとも1種のミクロRNAバイオマーカーレベルを測定する工程
iii)所望により、少なくとも1種のミクロRNAバイオマーカーレベルと1つまたはそれ以上の対照サンプルまたは対照値を比較する工程を含み、対象が、疾患の治療に適している可能性があるかまたはそれに適しているかどうかを決定する、方法を提供する。いくつかの実施態様において、ミクロRNAは、肝臓で発現したミクロRNA、例えばミクロRNA−122であり、疾患は、肝疾患、例えば、肝炎、例えば、B型肝炎、C型肝炎もしくはD型肝炎または非アルコール性脂肪肝疾患および非アルコール性脂肪性肝炎である。肝臓で発現したミクロRNAには、限定されるものではないが、let−7、miR−16、miR−21、miR−22、miR−24、miR−29、miR−34、miR−122、miR−126、miR−143、miR−181a、miR−192、miR−194、miR−200、およびmiR−221が含まれる(Landgraf P et al.,2007,A mammalian microRNA expression atlas based on small RNA library sequencing,Cell 129(7):1401−14)。
血清バイオマーカーとしてのmiR−122
本発明において、上昇したまたは高レベルの血清ミクロRNA、例えばmiR−122は、一般的に、ミラビルセン反応グレードの低下と相関することが見出された。これは、肝miR−122レベルの低下が不良な反応と相関する場合のインターフェロンでの治療について報告されたことと対極するものである。したがって、血清miR−122は、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンで治療効果を示すバイオマーカーである。
ミクロRNA−122(miR−122)は、肝臓に非常に豊富にあるミクロRNAであり(Lagos−Quintana et al(2002) Current Biol vol 12 pp735−739)、HCVの5’非コーディング領域とのオリゴマー複合体を形成することによって肝細胞に豊富にあるHCV RNAに必須であることが報告されている、異なる宿主細胞因子である(Jopling et al 2005,Machlin et al.,PNAS 2011)。miR−122は、多数の形態(成熟ミクロRNA(配列番号2)を含む)およびその前駆体、例えば、配列番号1で示される配列で存在する。成熟ミクロRNAは、2つの形態で存在し、1つは配列番号2に示される22nt ミクロRNA配列であり、さらなる形態は、さらに3’U残基がある。
miR−122シード配列は、成熟miR−122配列の5’末端から2ないし8個のヌクレオシド、すなわち、5’−GGAGUGU−3’を示す。
miRBaseによれば、ヒトmiR−122配列、hsa miR−122の配列は、以下の通りである:
>hsa−mir−122前駆体配列(miRBase) MI0000442:
CCUUAGCAGAGCUGUGGAGUGUGACAAUGGUGUUUGUGUCUAAACUAUCAAACGCCAUUAUCACACUAAAUAGCUACUGCUAGGC(配列番号1)
成熟hsa−miR−122配列(miRBase) MIMAT0000421:
UGGAGUGUGACAAUGGUGUUUG(U)(配列番号2)
血清ミクロRNAレベル、例えば成熟miR−122レベルは、非限定的な例として、限定されるものではないが、Asuragen’s Pharmacogenomics Services Group(Asuragen,Austin,Texas,USA)によって確立された方法およびmiR−122に特異的なRT−qPCR,例えば、TaqMan(登録商標) MicroRNA Assays(Applied Biosystems;Foster City,CA,)によるかかるRNAサンプルにおける血清miR−122レベルの定量化を用いて、血清サンプルからRNAを抽出することによって定量化されうる。潜在的な免疫学的アッセイ、例えばELISAを含む、他のアッセイも適用可能でありうると予測される。
血清中に存在するmiR−122レベルは、絶対値としてまたは基準値に対する比率として決定されうる。miR−122値の正規化の基準として用いられうるミクロRNAのバイオマーカーには、血漿中レベルが一定であるミクロRNA、例えばmiR−17、miR−18a、miR−345および/またはmiR−17/18aの組み合わせ(安定な正規化基準)が含まれる。
miR122のカットオフ値および範囲の例:
いくつかの実施態様において、ΔCt(miR−122)>3、例えば>4、例えば>5、例えば>6、例えば>7、例えば>8は、非レスポンダーまたは低レスポンダーを示す。
ΔCtは、対照ミクロRNA、例えばmiR−17またはmir−18aの閾値サイクルの平均値から減算されたmir−122の閾値サイクル(Ct)として定義される。閾値サイクル(Ct)は、qPCR反応中に生成された蛍光が閾値を超えるサイクル数を示す。そのように特定のウェルに付与されたCt値は、十分な数の単位複製配列が、そのウェルにおいて、基準値を超える統計的に有意な時点になるように積み重なる反応中の時点を示す。
いくつかの実施態様において、適当な非レスポンダーまたは低レスポンダーの血中miR−122レベルは、miR−122の正常な血清レベルの、正常上限値の5倍を上回る、例えば6倍の正常上限値を上回る、例えば7倍の正常上限値を上回る、例えば8倍の正常上限値を上回る、例えば9倍の正常上限値を上回る、例えば9倍の正常上限値を上回る、例えば10倍の正常上限値を上回る、例えば11倍の正常上限値を上回る、例えば12倍の正常上限値を上回る、例えば13倍の正常上限値を上回る、例えば14倍の正常上限値を上回る、例えば15倍の正常上限値を上回る。
ミクロRNAは、多数の方法で、例えばマイクロアレイ、ノーザンブロット、ドットブロット、RNAseプロテクションアッセイ、定量的質量分析、シークエンシング、または種々の定量的PCRによる技法によって検出されうる。したがって、血清ミクロRNA、例えばミクロRNA−122レベルは、非限定的な例として、限定されるものではないが、Asuragen’s Pharmacogenomics Services Groupによって確立された方法(Asuragen,Austin,Texas,USA)を用いてヒト血清サンプルからRNAを抽出し、次いで、miR−122に特異的なRT−qPCR、例えばTaqMan(登録商標)MicroRNA Assays(Applied Biosystems;Foster City,CA,)によってかかるRNAサンプル中の血清miR−122レベルを定量することによって、通常定量化されうる。miR−122値の正規化の基準として用いられうる、血清ミクロRNAバイオマーカーには、血清中の発現が一定であるミクロRNA、例えばmiR−17、miR−18a、miR−345および/またはmiR−17/18aの組み合わせ(安定な正規化基準)が含まれる。
ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(本明細書では、GGTとも称される)
ガンマ−グルタミルトランスフェラーゼまたはガンマ−グルタミルトランスペプチダーゼ(また、γ−グルタミルトランスフェラーゼ、GGT、GGTP、ガンマ−GT)(EC 2.3.2.2)は、ガンマ−グルタミル官能基を転移する酵素である。それは、多数の組織で見出されており、その代表は肝臓であり、診断マーカーとして医薬の分野で重要である。血清ガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)レベルの増加は、慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染症でよく観察され、GGTの上昇は、慢性C型肝炎におけるより進行した肝疾患の間接的マーカーである。
GGTの血液試験結果は、集団の97.5パーセンタイル値(いわゆる、「正常上限値」)は女性では約45IU/Lであり、男性では約75IU/Lであることを示唆しているが、対照集団および用いられるアッセイによって決まる。
ガンマGTカットオフ値/範囲の例:
いくつかの実施態様において、推定非/部分レスポンダーの血清中GGTレベルは、>1.5倍の正常上限値、例えば>2倍の正常上限値、例えば>3倍の正常上限値、例えば>4倍の正常上限値、例えば>5倍の正常上限値である。
いくつかの実施態様において、雌の推定非/部分レスポンダーのGGTレベルは、>60IU/L、例えば>70IU/L、例えば>80IU/L、例えば>90IU/L、例えば>100IU/Lである。
いくつかの実施態様において、雄の推定非/部分レスポンダーのGGTレベルは、>100IU/L、例えば>110IU/L,例えば>120IU/L、例えば>130IU/L、例えば>140IU/Lである。
プロトロンビン時間
プロトロンビン時間(PT)は、血液凝固の外因経路の測定値である。それは、血液の凝固傾向を決定するために用いられ、肝臓障害(肝機能)の程度ならびに他の因子を決定するために用いられうる。標準アッセイを用いて、プロトロンビン時間の対照範囲は通常、約10−13秒である。上昇したPT、例えば17秒は、重篤な肝臓障害を示す。いくつかの実施態様において、推定非/部分レスポンダーのPTレベルは、>1倍の正常値、例えば>1.1倍の正常値、例えば>1.2倍の正常値、例えば>1.3倍の正常値、例えば>1.4倍の正常値、例えば>1.5倍の正常値を超える。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(本明細書では、ALTまたはALATとも称される)
背景:アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALAT)は、アラニントランスアミナーゼ(ALT)または血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(sGPT)としても知られており、細胞窒素代謝、アミノ酸代謝および肝臓でのグルコール新生に関与するホモ二量体細胞質ピリドキサルリン酸塩依存性酵素である。ALTは、主な中間代謝産物の変換を媒介し、アラニンとα−ケトグルタル酸間の可逆的アミノ基転移を触媒して、ピルビン酸およびグルタミン酸を形成する。ALTは、多数の組織に広く分布されているが、肝臓において最も多量に見出される。肝臓中のALTの主な役割は、アラニンのグルコースへの変換であり、次いで、それは多数のプロセスにて利用されるために体内に輸送される。
ALT測定:ALT活性の測定は、一般的に、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)を利用する共役反応系においてNADH酸化の割合を測定することによって行われる。NADHのNAD+への酸化は、340nmでの吸光度の低下を伴う。ALT活性が律速である場合、割合の減少は、サンプル中のALT活性に直接的に比例する。ALTを測定するためのプロトコールは、Advia Chemistry Systems ALTアッセイ(03815151 Rev.B 2007−05)(本明細書によって引用される)であってもよい。
ALTは、肝機能を決定するために、肝細胞損傷の診断的評価の一部として臨床的に一般に測定される。診断に用いられる場合、それは、ほとんどの場合、国際単位/リットル(U/L)で測定される。元の値(source)が特定の正常範囲値によって変化する場合、大部分は、正常値である5−60U/Lを示す。ALTレベルの上昇が血中で見出される場合、可能性のある根本的原因は、他の酵素を測定することによってさらに絞り込むことができる。例えば、肝細胞損傷によるALTレベルの上昇は、アルカリホスファターゼを測定することによって胆管の問題と区別されうる。ALTの上昇は、多くの場合、HCV関連疾患および肝臓障害の進行に関連しており、免疫学に基づく試験の導入前は、ALTの上昇は潜在的なHCV感染症のスクリーニング検査に用いられていた。
いくつかの実施態様において、推定非/部分レスポンダーの血清中ALTレベルは、(例えば、Advia Chemistry Systemsアッセイを使用する場合)>69IU/L、例えば>70IU/L、例えば>75IU/L、例えば>80IU/L、例えば>90IU/L、例えば>100IU/L、例えば>110IU/L、例えば>120IU/L、例えば>130IU/L、例えば>150IU/L、例えば>200IU/Lである。
いくつかの実施態様において、推定非/部分レスポンダーの血清中ALTレベルは、>1.3倍の正常値、例えば>1.4倍の正常値、例えば>1.5倍の正常値、例えば>2倍の正常値、例えば>3倍の正常値、例えば>4倍の正常値、例えば>5倍の正常値である。
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(本明細書では、ASATとも称される)
背景:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ASAT)は、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)または血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)としても知られており、ピリドキサルリン酸塩(PLP)依存性トランスアミナーゼ酵素である。ASTは、アスパラギン酸とグルタミン酸間のα−アミノ基の可逆的転移を触媒し、それ自体としてアミノ酸代謝における重要な酵素である。ASTは、肝臓、心臓、骨格筋、腎臓、脳および赤血球細胞にて見出され、肝臓の健康のマーカーとして臨床的に一般に測定される。
測定:一般的に、AST活性アッセイは、ASTによって産生されるオキサロ酢酸の定量化に基づく。該アッセイにおいて、オキサロ酢酸およびNADHは、酵素リンゴ酸デヒドロゲナーゼによってリンゴ酸とNADに変換される。340nmでのNADH吸光度の減少は、AST活性に比例する。
基本的方法:例えば、Bergmeyer H.U.,Scheibe P.およびWahlefeld A.W.(1978).Optimization of methods for aspartate aminotransferase and alanine aminotransferase.Clin.Chem.24(1):58−73またはBowers Jr G.N.およびMcComb R.B.(1984).A unifying reference system for clinical enzymology:aspartate aminotransferase and the International Clinical Enzyme Scale.Clin.Chem.30(7):1128−1136を参照。ALTを測定するためのプロトコールは、Advia Chemistry Systems ALTアッセイ(03903166 Rev.B2007−05)(本明細書によって引用される)であってもよい。
いくつかの実施態様において、推定非/部分レスポンダーの血清中ASTレベルは、>1.3倍の正常値、例えば>1.4倍の正常値、例えば>1.5倍の正常値、例えば>2倍の正常値、例えば>3倍の正常値、例えば>4倍の正常値、例えば>5倍の正常値である。
いくつかの実施態様において、非または部分レスポンダーを示す血液(血清/血漿)中ASTレベルは、(例えば、Advia Chemistry Systemsアッセイを用いる場合)>50IU/L、例えば>55IU/L、例えば>60IU/L、例えば>65IU/L、例えば>70IU/L、例えば>75IU/L、例えば>80IU/L、例えば>85IU/L、例えば>90IU/L、例えば>95IU/L、例えば>100IU/Lである。
AST/ALT比:
AST:ALT>1または=1は、非常に特異的であるが、慢性HCV感染症を患う患者における肝硬変の存在を診断するものではないことが報告されている。該比率は、これらの患者における線維症の悪性度を示す。いくつかの実施態様において、推定非/部分レスポンダーの血清中AST/ALT比は、少なくとも1、例えば>1、例えば>1.1、例えば>1.2、例えば>1.3、例えば>1.4、例えば>1.5である。
ミクロRNAの検出プローブおよびアッセイ:
本発明は、HCV治療剤、例えばミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療のための対象の適合性の可能性または適合性を決定することに用いるための、1つまたはそれ以上のミクロRNA、例えば1つまたはそれ以上の肝特異的ミクロRNA、例えばミクロRNA−122(例えば、成熟miR−122)(を含む)の検出プローブ(または検出プローブのペア)を提供する。本明細書におけるミクロRNA−122阻害剤で例示されるように、血清中肝特異的ミクロRNAレベルは、治療のための対象の適合性に逆相関しうる。
したがって、本発明の検出プローブは、コンパニオン診断として用いられうる。検出プローブは、キット(本明細書では、診断キットとも称される)の形態でありうる。したがって、検出プローブ(複数可)は、定量化アッセイの一部を構成しうる。キットは、例えば、本明細書に記載の他の血清バイオマーカー、例えばALT、ASTおよび/またはGGT、および/または1つもしくはそれ以上の対照ミクロRNA、例えば1つもしくはそれ以上の血清中レベルが一定であるミクロRNAの定量化アッセイをさらに含む。
ミクロRNA、例えばミクロRNA−122は、ハイブリダイゼーションによる技法を用いてサンプル中で検出されうる。ミクロRNA−122検出プローブは、例えば、成熟ミクロRNA−122配列に存在する少なくとも6個、例えば7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23個の連続したヌクレオチドに相補的である連続した核酸塩基配列を含む、オリゴヌクレオチド(オリゴマー)であってもよい。オリゴマーは、ミクロRNA−122阻害剤に関して本明細書に定義のとおりであってもよい−例えば、ヌクレオシド類似体、例えばLNAの使用によって改変されてもよい。検出プローブは、連続した核酸塩基配列と同じ長さであってもよくまたはいくつかの実施態様において、より長くてもよい、例えば、長さが最大30、例えば最大40、例えば最大50のヌクレオチドであってもよい。
検出プローブは、典型的には、ヌクレオチド標的に相補的な認識配列、例えばRNA(またはDNA)標的配列を含む。検出プローブは、ラベル化されうる、すなわち、1またはそれ以上のラベルを含む。本明細書に用いられる、用語「ラベル」は、検出可能(好ましくは、定量化可能)なシグナルを提供するために用いられ、核酸またはタンパク質に結合しうる、任意の原子または分子を示す。ラベルは、蛍光、放射線、比色分析、X線回折また吸収、磁気、酵素活性、免疫活性などによって検出できるシグナルを提供しうる。本発明に記載の検出プローブの検出素子は、(例えば、プローブの各末端または内部位置にラベルを含むことによって)一重ラベル化または二重ラベル化されうる。一つの態様において、検出プローブは、該プローブが標的配列にハイブリダイズする場合にシグナルまたはシグナルの変化を検出できるように、シグナルを生成するかまたはシグナルを修飾しようとして互いに相互作用しうる2つのラベルを含む。特定の態様は、2つのラベルが消光分子およびレポーター分子を含む場合である。「ステム領域を有する分子指標」と称される本発明の特定の検出態様は、認識部分がヘアピンを形成するためにアニールしうる第1および第2の相補的ヘアピン形成配列によって配置されている場合である。レポーターラベルは、1つの相補的配列の末端に結合し、消光部分は、他の相補的配列の末端に結合する。第1および第2の相補的配列がハイブリダイズする場合(すなわち、プローブ認識部分がその標的とハイブリダイズしない場合)に形成されるステムは、これらの2つのプローブが互いに極めて近い位置を保持し、レポーターによって得られたシグナルを蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)によって消光させる。2つのラベルの近接は、プローブが標的配列とハイブリダイズし、近接の変化がラベル間の相互作用の変化をもたらす場合に縮小される。したがって、プローブのハイブリダイゼーションは、検出および/または定量化されうる、レポーター分子によってもたらされるシグナル(例えば、蛍光)をもたらす。本発明に関して、用語「ラベル」は、その自体または検出シリーズの一部として検出可能である、レポーター基を意味する。レポーター基の官能基部分の例は、ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光基(特定の波長の電磁放射、例えば、光またはX線を吸収することが可能であり、続いて、より長い波長の放射線として吸収されるエネルギーを再放射する、基;例として、DANSYL(5−ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニル)、DOXYL(N−オキシル−4,4−ジメチルオキサゾリジン)、PROXYL(N−オキシル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン)、TEMPO(N−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)、ジニトロフェニル、アクリジン、クマリン、Cy3およびCy5(Biological Detection Systems,Inc.の商標)、エリトロシン、クマリン酸、ウンベリフェロン、テキサスレッド、ローダミン、テトラメチルローダミン、Rox、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1−ジアゾール(NBD)、ピレン、フルオレセイン、ユーロピウム、ルテニウム、サマリウム、および他の希土類金属が挙げられる)、放射性同位体ラベル、化学発光ラベル(化学反応中、発光を介して検出可能であるラベル)、スピンラベル(フリーラジカル(例えば、置換有機ニトロキシド)または電子スピン共鳴分光法の使用によって検出可能である生体分子と結合する他の常磁性プローブ(例えば、Cu2+、Mg2+))である。特に興味深い例は、ビオチン、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン、ルテニウム、ユーロピウム、Cy5、Cy3などである。
ミクロRNA発現検出法(Wang,Zhiguo,Yang,Baofeng) Springer ISBN 978−3−642−04927−9は、サンプル中のミクロRNA、例えばmiR−122を検出および定量化するために用いられうるミクロRNA検出法のレビューを提供する。方法には、miRNAアッセイ、ノーザンブロット、RT−PCR、miR−Q RT−PCR、ステム−ループRT−PCRが含まれる。
ハイブリダイゼーション/PCRに基づくアッセイの例として、
・miRCURY LNA(登録商標)ミクロRNA(miRNA)検出プローブ/アッセイ(Exiqon A/S)
・Qiagen miScript PCRシステム
・Ambion mirVana(登録商標)qRT−PCR miRNA検出キット、
・AB Taqman miRNAアッセイ
・Mir−X miRNA qRT−PCR SYBR(登録商標)キット(Clonetech)
が挙げられる。
他のアッセイには、
・ELISAアプローチ(例えば、HFHによる)
・Signosis miRNAプレートアッセイ(および同様のストレプトアビジン/ビオチンHRP化学発光アッセイ)
が含まれる。
qPCR(qRT−PCR)を使用する場合、特異的ミクロRNAの発現レベルの1つの測定は、実施例に記載の、リアルタイムqRT−PCRによって得られた、Ctで示される、「閾値サイクル値」である。特異的ミクロRNAの発現レベルの別の測定は、同様にリアルタイムqRT−PCRによって得られた、Cpで示される、「クロッシングポイント値」である。ミクロRNA発現レベルのCtおよびCp測定は、大体同様の測定を提供する、Bustin SA(編集者) A−Z of quantitative PCR, IUL Biotechnology Series 5(2004)を参照。CtまたはCpの使用は、アッセイを実施する機械によって決まる。LightCycler 480リアルタイムPCRシステムで増幅される場合、特異的ミクロRNAの発現レベルはCpを用いる。応用Biosystems ABI Prism 7900HT装置で増幅される場合、特異的ミクロRNAの発現はCpを用いる。
対照サンプルまたは対照値
いくつかの実施態様において、HCV感染症を患う対象から得られた血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルは、対照サンプルまたは対照値の少なくとも1種のバイオマーカーレベルと比較される。
予測方法において用いるために、典型的には、対照サンプルまたは対照値は、既知のまたは所定のレベルのバイオマーカーおよび前記治療(例えば、ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセン)に対する既知の反応性を有する少なくとも1の対象(適当な対象集団)から得られる。いくつかの実施態様において、少なくとも1種のバイオマーカーレベルは、既知のまたは所定のレベルのバイオマーカーおよび前記治療に対する既知の反応性を有する対象集団から得られた対照値のデータベースと比較される。いくつかの実施態様において、対照値は、本明細書に記載の、正常上限値を示す値またはその数値(倍数)であってもよい。
そのため、いくつかの実施態様において、対照値は、対照値のデータベースから決定された所定のカットオフ値であってもよい。本明細書において、適当なカットオフ値の例が提供される。データベースがより包括的になるにつれて、個々のカットオフ値を付与しうる精度が改善されることを認識すべきである。さらに、本明細書にて示されるように、任意の1種の血液バイオマーカーに付与される実際のカットオフ値は、血液バイオマーカーレベルがアッセイされている状況、例えば、他の血液バイオマーカーおよび比較段階において用いられる分類器構造の選択によって決まる。
いくつかの点において、対照値は、少なくとも1種の前記バイオマーカーの正常レベルまたは範囲である。
本明細書に記載の診断方法において、対照サンプルまたは対照値は、既知のまたは所定のレベルのバイオマーカーおよびヒト対象におけるC型肝炎の既知の進行度、例えば、肝臓中の壊死性炎症のレベル(例えば、本明細書に記載の肝生検組織によって評価される)を有する少なくとも1の対象(適当な対象集団)から得られる。
いくつかの実施態様において、本発明は、前記対照値のデータベースおよび対象から得られた血液サンプルから得られるバイオマーカー値(複数可)と対照値のデータベースとを比較するプログラムを含むコンピュータシステムに関する。コンピュータプログラムは、いくつかの実施態様において、1またはそれ以上の分類器アルゴリズムを含みうる。
カットオフ値/分類器の例
推定非/部分レスポンダーは、血清バイオマーカーレベルが対象が非または部分レスポンダーでありうる尤度(または傾向)を示す、対象である。本明細書に記載されるように、複数の、例えば、2、3、4、5または6種のバイオマーカーの血清バイオマーカー値を組み合わせることによって、非または部分レスポンダーの指定において達成される信頼度は非常に強化されうる。これに関して、バイオマーカー、例えばmiR−122、ALT、AST、ガンマGTおよびPTは推定非レスポンダーの優れた指標であるけれども、非レスポンダー、部分レスポンダーおよびレスポンダーを正確に識別するための能力は、複数のバイオマーカーを統合することによって非常に強化される。
いくつかの実施態様において、少なくとも2種のバイオマーカー、例えば、本明細書に記載の、例えばmiR−122、ガンマGT、ASAT、およびALAT(またはASAT/ALAT比)からなる群から選択される、少なくとも2種のバイオマーカーのレベルを測定する。
いくつかの実施態様において、少なくとも3種のバイオマーカー、例えば、本明細書に記載の、例えば、血液凝固(例えば、PT)、miR−122、ガンマGT、ASAT、およびALAT(またはASAT/ALAT比)からなる群から選択される、少なくとも3種のバイオマーカーのレベルを測定する。
いくつかの実施態様において、少なくとも4種のバイオマーカー、例えば、本明細書に記載の、例えば、血液凝固(例えば、PT)、miR−122、ガンマGT、ASAT、およびALAT(またはASAT/ALAT比)からなる群から選択される、少なくとも4種のバイオマーカーのレベルを測定する。
本明細書に例示されるように、非レスポンダーまたは部分レスポンダーを識別するバイオマーカーの特異的組み合わせは、対象が、レスポンダー、部分レスポンダーまたは非レスポンダーである非常に正確に予測できるように異なるバイオマーカーから得られた結果を統合する分類器に分類されうる。得られた結果に基づく、非限定的な例によれば、1の特に有用な分類器は図3に示され、ALATの正常レベル(例えば、69IU/L以下)がレスポンダーを予測しているのに対し、ALAT>69IU/Lのレベルは非レスポンダーを予測しうるが、miR−122のレベルが上昇するか(例えば、−デルタCγ>3)、またはGGTが上昇する(例えば、>158IU/L)場合に、非レスポンダーを完全に予測している。したがって、実施例に示されるように、対象が、ミクロRNA−122阻害剤での治療に対して、非レスポンダーであること、そして、レスポンダーであることを非常に正確に予測することは可能である。
HCV感染症/ウイルス価アッセイ
血清または肝臓中のHCV RNAの存在は、HCV感染症の第1の根拠である。HCV RNAは、一部接種材料の大きさに応じて、曝露後数日ないし8週以内にPCRによって血清中で検出可能である。
分子ウイルス学的技法は、診断および治療のモニタリングにおいて重要な役割を果たす。ウイルスを培養することは困難であるため、C型肝炎ウイルス感染症は、核酸テスト(NAT)を介するウイルスRNAの検出によって確認され、これらのテストは、抗ウイルス療法に対する反応をモニターするために用いられる(Scott JD and Gretch DR.Molecular diagnostics of hepatitis C virus infection.J Am Med Assn.2007;297:724−32.)。
抗HCV ELISAテストは、早ければ曝露後第8週に陽性になる。症候性急性感染症を患う約半数の患者は、初めて症状が見つかる場合、ELISAによって検出可能なHCVに対する抗体を有する。しかしながら、HCV抗体の成長は、無症状感染症を患う患者では遅延しうる。
核酸テストは、増殖および検出技法を組み合わせて、HCV RNAの存在を直接的に検出する。特定の稀な臨床的状況を除き、NATは、HCV感染症を確認するための好ましいテストとして組換え免疫ブロット法に取って代わった。核酸テストは、定性試験(定性ポリメラーゼ鎖反応[PCR]、転写増幅法[TMA])、定量試験(分枝鎖DNA[bDNA]増殖法、定量化PCR/リアルタイムPCR)に分類される。
標準的HCV療法において、抗ウイルス療法の全ての候補は、HCV RNA定量化アッセイを用いてウイルス価を試験すべきである。標的増幅アッセイおよびシグナル増幅分枝アッセイの両方とも、10ないし10IU(mL)の定量化の範囲で、通常用いられる。療法の終わりのウイルス学的反応(治療終了反応)または治療終了後6ヶ月のSVR(持続ウイルス反応)のドキュメンテーションについて、より高感度な定量的HCV RNAアッセイ(例えば、〜50IU/mLの感度閾値を有する、リアルタイムTaqManポリメラーゼ鎖反応)または定性的HCV RNAアッセイ(50〜IU/mLの定量下限値を有する、ポリメラーゼ鎖反応または転写増幅法に基づく)が推奨される。HCV定量化アッセイは、治療に対するウイルス学的反応を立証するために通常用いられ、典型的には、同一アッセイは、治療前および治療後に用いられる。典型的には、インターフェロン療法について、HCVレベルは、反応の尤度の予測的指標である(Dienstag and McHutchinson,AGA Vol 130,pp231−264)。本研究において、ミラビルセン治療について、HCVレベルが、本明細書に記載の血清バイオマーカーに比べてより低い予測値を有することが見出された。
対象
対象は、典型的には、HCVに感染したヒトである。いくつかの実施態様において、対象は、慢性HCV感染症を患う。
典型的には、対象は、C型感染症と診断されるかまたは診断されている。これに関して、本明細書に記載の血液バイオマーカーは、HCV感染症の診断テストと同時に、またはHCV感染症の診断後に、実施されうる。
対象は、1a、1b、2、3、4、5および6からなる群から選択される遺伝子型のHCVに感染しうる。いくつかの実施態様において、HCVの遺伝子型は1aである。いくつかの実施態様において、HCVの遺伝子型は1bである。
対象は、慢性C型肝炎の有効な治療を必要とするヒトでありうる。
有効な治療は、本明細書に記載のHCVウイルス価における、少なくとも1の対数減少(すなわち、1/10倍)によって決定される(下記レスポンダー/非レスポンダーを参照)。いくつかの実施態様において、有効な治療は、少なくとも2の対数減少(すなわち、1/100倍)である。部分レスポンダーは、典型的には、1と2の対数減少の間の減少を示す。
いくつかの実施態様において、対象は、治療を受けていなくてもよい、すなわち、HCV感染症の治療の治療的介入歴がない。
いくつかの実施態様において、対象は、最近、例えば、過去2年以内、または過去1年以内、または6月以内、例えば3月以内に診断されている。
いくつかの実施態様において、対象は、無症状または軽い症状のみであってもよい。
いくつかの実施態様において、HCV関連線維症(または壊死性炎症)のステージは、Ishakの採点システムにおけるステージ3、またはMetavirステージにおけるステージF2に達していない。適当には、いくつかの実施態様において、対象は、不完全肝硬変もしくは肝硬変、またはいくつかの実施態様において、架橋線維症もしくは門脈線維症を患っていない。
いくつかの実施態様において、軽い症状は、Ishakスコアにおけるステージ3もしくは4未満、またはMETAVIRスコアにおけるステージ2もしくは3未満に相当する症状を伴う対象(またはそれと診断された対象)を示しうる。
非レスポンダーおよびレスポンダー
反応グレード:各患者における、ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療に対する反応は、0ないし4のスコアで分類される。該グレードは、基準値と比較して、HCVにおける最大対数(底は10)減少に基づいて付与される。
具体的には、
(i) グレード0:HCVウイルス量の1未満の対数減少、
(ii) グレード1:ウイルス量の1以上であって、2未満の対数減少、
(iii)グレード2:ウイルス量の2以上であって、3未満の対数減少、
(iv) グレード3:ウイルス量の3以上であって、4未満の対数減少、
(v) グレード4:HCVウイルス量の4以上の対数減少。1と2の間のグレードは、部分レスポンダーと見なされる。部分レスポンダーは、特にHCV治療剤、例えばmiR−122阻害剤(例えば、ミラビルセン)の増加した用量を投与する場合、今もなおHCV療法が有益となりうる。
血清HCVレベルは、Roche Diagnostics Taqmanアッセイ(例えば、COBAS(登録商標) AmpliPrep/COBAS(登録商標) TaqMan(登録商標) HCVテスト)を用いて測定されうる。
非侵襲性診断アッセイ
従来、HCV感染対象における壊死性炎症レベルは、肝生検、肝臓の状態に関する情報および今後の疾患進行の予測情報を提供するための米国で広く使用されている侵襲性および有痛性方法によって測定される(Dienstag and McHutchinson,AGA Vol 130,pp231−264)。インターフェロン療法は、従来、肝生検が中等度から重度の線維症を示した場合(Ishak採点システムにおけるステージ3以上、またはMetavirステージにおけるステージF2以上)にのみ用いられる。
Figure 2014533099
肝生検が軽度の組織学的疾患を示す場合、差し迫ったインターフェロン治療を伴うことなくモニタリングを正当化するのに進行は十分遅いと考えられうる。しかしながら、本発明に示されるように、ミラビルセンの治療は、かかる対象がレスポンダーを示す血清バイオマーカーを有する可能性が高いので、早期の疾患に特に適しうる。経皮的肝生検は、予測される合併症(出血(1%−3%)、疼痛(20%−30%)、胆汁性腹膜炎(<1%)、気胸(<1%)、内臓破裂(<1%)、および死を含む)に関連している。
本発明の優れた予測値は、ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンでの治療のために、肝生検が回避されうることを示す。本明細書で報告された臨床データはまた、有効なミラビルセン治療が軽度のHCV疾患の段階に関連し、そうして本発明はまた、HCV疾患の進行の段階の決定において有意な診断的価値を有しうるので、肝生検の非侵襲性代替物でありうることを示す。
別の態様において、本発明は、ヒト対象におけるC型肝炎の進行度、例えば肝臓の壊死性炎症レベルを測定する診断方法であって、
i)HCVに感染したヒト対象から血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中のミクロRNA−122レベル、および血液サンプル中の少なくとも1種のさらなるバイオマーカーを測定する工程
iii)ミクロRNAレベルおよび少なくとも1種のさらなるバイオマーカーとC型肝炎の既知の進行度(例えば、壊死性炎症レベル)である1もしくはそれ以上の対象から得られた対照サンプルまたは1もしくはそれ以上の対照値とを比較し、該対象におけるC型肝炎の進行度を決定する工程
を含む、方法を提供する。
適当には、対照値は、C型肝炎感染症の既知の進行度である対象集団から得られた対照値のデータベースの形式である。
例として、少なくとも1種のさらなるバイオマーカーは、ALT、AST、GGT、ALTおよびGGT、ALTおよびAST、ASTおよびGGT、ならびにALT、ASTおよびGGTからなる群から選択される。
HCVの進行度は、例えば、METAVIRまたはIshakスコアにしたがって決定されうる(Ishak K,et al.Histological grading and staging of chronic hepatitis.J Hepatol 1995;22:696−699;Bedossa P & Poynard T,French METAVIR Cooperative Study Group.An algorithm for grading activity in chronic hepatitis C.Hepatology 1994;24:289−293)。
壊死性炎症レベルがHCVに感染していない哺乳類対象において測定され、そうして本発明が、対象における肝機能のレベルを測定する方法であって、
i)哺乳類対象、例えばヒトから血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中のミクロRNA−122レベル、および血液サンプル中の少なくとも1種のさらなるバイオマーカーを測定する工程
iii)ミクロRNAレベルおよび少なくとも1種のさらなるバイオマーカーと既知の肝機能レベルを有する1もしくはそれ以上の対象から得られた対照サンプルまたは1もしくはそれ以上の対照値とを比較する工程を含み、前記対象の肝機能レベルを決定する、方法を提供することがまた認識される。
例として、少なくとも1種のさらなるバイオマーカーは、ALT、AST、GGT、ALTおよびGGT、ALTおよびAST、ASTおよびGGT、ならびにALT、ASTおよびGGTからなる群から選択される。したがって、本発明は、哺乳類対象の肝機能の程度を決定するためのミクロRNA−122定量化アッセイの使用であって、血液サンプル中で前記少なくとも1種のさらなるバイオマーカーと組み合わせられる、使用を提供する。いくつかの実施態様において、対象はHCVに感染しうる。いくつかの実施態様において、対象は、HCVに感染しえない。いくつかの実施態様において、対象は、肝炎、例えばB型、C型およびD型肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患および非アルコール性脂肪性肝炎、サイトメガロウイルス感染症、住血吸虫感染症およびレプトスピラ症からなる群から選択される障害と診断されうる。
ミクロRNA−122阻害剤、例えばミラビルセンの適当な有効量を決定する方法
フェーズ2aの臨床試験から得られたデータは、一部の対象がミラビルセン治療、特に低用量のミラビルセン(例えば、3mg/kg)で反応しないことを示す。ミラビルセンに対する反応性と用量間の相関関係は、ミラビルセン治療に対する反応性のHCV感染患者集団内の不均一性を示し、そうして本発明は、慢性HCV感染を患う対象への投与のための、miR−122阻害剤(ミクロRNA−122阻害剤)、例えばミラビルセンの適当な有効量を決定する方法であって、
i)対象から血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
iii)所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと1またはそれ以上の対照サンプルまたは対照値とを比較する工程を含み、慢性HCV感染症を軽減するために対象への投与のためのミクロRNA−122阻害剤の適当な有効量を決定する、方法を提供する。
上記方法は診断方法と組み合わせてもよい−例えば、1またはそれ以上の、正常範囲外であるが、非レスポンダーと示される所定のカットオフ値を超えない、血液バイオマーカースコアを有する対象は、高用量のミラビルセン、例えば5mg/kgまたは7mg/kgの用量で有効に治療されうる。あるいは、治療期間は延長されてもよい。
用語「[治療上の]有効量」は、一般的に、個体における疾患の症状を軽減するのに必要な量を示す。用量は、各具体的事例における個々の要件に応じて調整される。その投与量は、多数の因子、例えば、治療される疾患の重症度、患者の年齢および一般的健康状態、患者が治療を受けている他の医薬、投与経路および形態ならびに関係のある医師の選好および経験に応じて広い範囲内で変化しうる。一般的に、いくつかの実施態様において、治療は、化合物の最適量未満である少量の投与量で開始される。したがって、投与量は、個々の患者に対する最適な効果に達するまで少しずつ増加しうる。本明細書に記載の疾患の治療における当業者は、過度の実験を行うことなく、個人の知識、経験および本願の開示にしたがって、所定の疾患および患者に対する本発明の化合物の治療上の有効量を確認することができる。
(例えば、1日/1週/1月の用量)は、例えば、1日当たり約0.1〜約500mg/kg体重、例えば0.1〜約100mg/kg体重、例えば0.1〜1mg/kg体重、または1日当たり1.0〜約10mg/kg体重であってもよい。したがって、70kgのヒトへの投与について、いくつかの実施態様において、投与量範囲は、1日当たり約7mg〜0.7gであってもよい。いくつかの実施態様において、オリゴマー、例えばミラビルセンの各用量は、例えば、約0.1mg/kgまたは1mg/kg〜約10mg/kgまたは20mg/kg(すなわち、例えば、0.1〜20mg/kgの範囲、例えば、1mg/kg〜12mg/kg)であってもよい。したがって、個々の用量は、例えば、約0.5mg/kg、例えば約0.6mg/kg、例えば約0.7mg/kg、例えば約0.8mg/kg、例えば約0.9mg/kg、例えば約1mg/kg、例えば約2mg/kg、例えば約3mg/kg、例えば約4mg/kg、例えば約5mg/kg、例えば約6mg/kg、例えば約7mg/kg、例えば約8mg/kg、例えば約9mg/kg、例えば約10mg/kgであってもよい。いくつかの実施態様において、オリゴマーの用量は、7mg/kgを下回る、例えば5mg/kgを下回るかまたは3mg/kgを下回る。いくつかの実施態様において、オリゴマーの用量は、0.5mg/kgを超える、例えば1mg/kgを超える。
いくつかの実施態様において、治療期間中のmiR−122阻害剤、例えばミラビルセンの各投与間の時間間隔は、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日および1週からなる群から選択されうる。いくつかの実施態様において、投与間の時間間隔は、少なくとも1日おき、例えば少なくとも3日ごと、例えば少なくとも4日ごと、例えば少なくとも5日ごと、例えば少なくとも6日ごと、例えば1週おき、例えば少なくとも2週ごと(隔週)または少なくとも3もしくは4週ごと、あるいは少なくとも1月おきである。
オリゴマー、例えばミラビルセンは、例えば、非経口投与されうる。非経口、皮下、皮内または経皮投与について、処方物には、滅菌希釈剤、緩衝剤、浸透張力調節剤および抗菌剤が含まれうる。セイライン溶液中のオリゴマーは、例えば、静脈内(i.v.i)または皮下(s.c.)投与されうる。静脈内または皮下投与について、好ましい担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水である。他の投与方法、例えば、経口投与、鼻腔投与、直腸投与が用いられうる。
組成物
本発明のオリゴマーは、医薬処方物および組成物において用いられうる。適当には、該組成物は、医薬的に許容される希釈剤、担体、塩またはアジュバントを含む。PCT/DK2006/000512は、適当かつ好ましい医薬的に許容される希釈剤、担体およびアジュバントを提供する−それらは本明細書によって引用される。適当な投与量、処方物、投与経路、組成物、剤形および他の治療剤との組合せ剤、プロドラッグ処方物もまた、PCT/DK2006/000512で提供される−それらもまた、本明細書によって引用される。ミラビルセンナトリウムは、好ましい医薬組成物である。
いくつかの実施態様において、ミクロRNA−122阻害剤は、水または食塩水に投与される。いくつかの実施態様において、ミクロRNA−122阻害剤は、非経口投与経路、例えば、静脈内または皮下を介して投与される。いくつかの実施態様において、投与経路は、経口投与を用いる(WO2011/048125(本明細書によって引用される)を参照)。
本明細書において用いられるミクロRNA−122阻害剤は、いくつかの実施態様において、単位処方物(すなわち、単位用量)、例えば、治療患者において重篤な副作用をもたらすことなく治療上の有効量を患者に輸送するのに十分な量の医薬的に許容される担体または希釈剤中にありうる。
医薬組成物の投与量は、治療すべき病状の重症度および反応性、ならびに数日ないし数ヶ月、または治療効果がもたらされるまでもしくは病状の減退が達成されるまで続く治療過程によって決まる。最適な投与スケジュールは、患者の体内の薬物の蓄積の測定値から算出されうる。最適投与量は、個々のオリゴヌクレオチドの相対的有効性に応じて変化しうる。一般的に、インビトロおよびインビボ動物モデルにおいて有効であることが見出されるEC50に基づき、推定されうる。一般的に、投与量は、体重1kg当たり0.01μg〜1gであり、1日、1週、または1月に1回またはそれ以上投与されうる。投与の繰り返し率は、体液または組織中の薬物の測定された滞留時間および濃度に基づき、推定されうる。
抗HCV剤
抗HCV剤は、ミクロRNA−122阻害剤(miR−122阻害剤)でありうる。ミクロRNA阻害剤、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果は、インビボでミクロRNA−122活性を阻害する下流効果を測定することによって決定されうる。例えば、直接ミクロRNA−122の脱抑制は、例えば、マウスまたは霊長類における、インビボのmRNA(二次指数)または血清コレステロール(三次指数)を標的とする(Elmen et al.Nature 2008)。しかしながら、HCVウイルスとのmiR−122相互作用のメカニズムがmiR−122を介在するmRNA抑制のメカニズムとは根本的に異なるという発見は、miR−122のmRNA標的のインビボ阻害に基づくアッセイが、臨床的に関連のあるHCV複製の阻害を予測するには不十分な可能性があるという強い根拠となる。これに関して、インビボにおけるHCVの治療において有効でありうるミクロRNA−122阻害剤は、典型的には、mRNA標的を脱抑制するのに非常に有効であり(例えば、マウスにおいてインビボのAldoAまたはNdrg3の少なくとも3倍の脱抑制)、および/または血清コレステロールを低下させるのに非常に有効である(例えば、マウスおよび非ヒト霊長類において大体少なくとも30〜40%まで−Elmen et al,Nature 2008を参照)。好ましい抗HCV剤には、miR−122阻害剤、例えばアンチセンスオリゴマーが含まれる。さらに、ミクロRNA−122の低分子阻害剤は、すでに記載されている。
miR−122阻害剤−低分子阻害剤
Young et al.,JACS 2010,132,7976−7981(本明細書によって引用される)に報告されているように、miR122の低分子阻害剤をアッセイすることは可能であり、miR−122の低分子阻害剤は、例えば、以下に示されるものが知られている:
Figure 2014533099
数値はmiR−122脱抑制によるルシフェラーゼ発現を示し、1を超える値はmiR−122阻害を示す。
miR−122阻害剤−アンチセンスオリゴマー
miR−122阻害剤は、アンチセンスオリゴマーでありうる。いくつかの実施態様において、抗HCV剤は、成熟hsa−ミクロRNA−122を標的とするアンチセンスオリゴマーである。
アンチセンスオリゴマーは、miR−122配列の一部、例えば、成熟hsa−miR−122配列に相補的である、少なくとも6個、例えば少なくとも7個の連続した核酸塩基を含みうる。
いくつかの実施態様において、アンチmiR−122オリゴヌクレオチドは、RNAseHを本質的にリクルートすることができないように、例えば、ミクスマーまたはトータルマー構造を利用することによって設計されうる。RNAseHを本質的にリクルートすることができないオリゴヌクレオチドは、文献において周知である、例えば、WO2007/112754、WO2007/112753、またはWO2009/043353を参照。ミクスマーは、アフィニティー強化ヌクレオチド類似体の混合物、例えば、非限定的な例として、2’−O−アルキル−RNAモノマー、2’−アミノ−DNAモノマー、2’−フルオロ−DNAモノマー、LNAモノマー、アラビノ核酸(ANA)モノマー、2’−フルオロ−ANAモノマー、HNAモノマー、3フルオロヘキシトールモノマー(3F HNA)、INAモノマー、2’−MOE−RNA(2’−O−メトキシエチル−RNA)、2’フルオロ−DNA、およびLNAを含むように設計されうる。さらなる実施態様において、オリゴヌクレオチドは、DNAまたはRNAヌクレオチドを全く含まないが、アフィニティー強化ヌクレオチド類似体のみからなり、そのような分子はトータルマーとも称される。いくつかの実施態様において、ミクスマーは、DNAおよび/またはRNAと一緒に1種のアフィニティー強化ヌクレオチド類似体のみを含む。いくつかの実施態様において、オリゴヌクレオチドは、1種以上のヌクレオチド類似体、例えば、非限定的な例として、2’−O−アルキル−RNAモノマー、2’−アミノ−DNAモノマー、2’−フルオロ−DNAモノマー、LNAモノマー、アラビノ核酸(ANA)モノマー、2’−フルオロ−ANAモノマー、HNAモノマー、INAモノマー、2’−MOE−RNA(2’−O−メトキシエチル−RNA)、2’フルオロ−DNA、およびLNAのみからなる。
長さ
いくつかの実施態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、7〜25(連続)ヌクレオチド長、例えば8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24(連続)ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、7〜10(連続)ヌクレオチド長、またはある場合には、7〜16ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも8(連続)ヌクレオチド長、10〜17または10〜16または10〜15(連続)ヌクレオチド長、例えば12〜15(連続)ヌクレオチド長を有する。
RNAseHを本質的にリクルートすることができないオリゴマー
EP 1 222 309は、RNaseHをリクルートする能力を決定するために用いられうる、RNaseH活性を測定するためのインビトロ方法を提供する。オリゴマーは、相補的RNA標的が提供される場合に、EP 1 222 309の実施例91〜95によって提供される方法を用いて、2’置換がなく、オリゴヌクレオチド中の全てのヌクレオチド間にホスホロチオエート結合基を有する、同等のDNAのみのオリゴヌクレオチドの少なくとも1%、例えば少なくとも5%、例えば少なくとも10%または20%未満の、pmol/l/分の単位で測定される、初速度を有する場合、RNase Hをリクルートできると見なされる。
いくつかの実施態様において、オリゴマーは、相補的RNA標的、およびRNaseHが提供される場合に、pmol/l/分の単位で測定される、少なくとも0.5%のRNaseHの初速度が、EP 1 222 309の実施例91−95によって提供される方法を用いて、2’置換がなく、オリゴヌクレオチド中の全てのヌクレオチド間にホスホロチオエート結合基を有する、同等のDNAのみのオリゴヌクレオチドを用いて決定された、1%未満、例えば5%未満、例えば10%未満または20%未満の初速度である場合、RNaseHを本質的にリクルートすることができないと見なされる。
ミクスマーまたはトータルマーであるオリゴヌクレオチドは通常、RNAseHを本質的にリクルートすることができず、それ自体が本明細書に記載のRNaseHを本質的にリクルートすることができない用語として使用される場合には、たとえかかるオリゴマーが実際にRNaseHをリクルートする有意な能力を有する場合、例えば、アルファ−L−オキシ−LNAとのDNAミクスマーを用いる場合においても、いくつかの実施態様において、そのような用語は、本明細書に記載の用語ミクスマーまたはトータルマーで置き換えられうることを認識すべきである。
トータルマー
いくつかの実施態様において、オリゴマーまたはその連続したヌクレオチド配列は、ヌクレオチド類似体、例えばアフィニティー強化ヌクレオチド類似体の連続した配列からなる−本明細書では、「トータルマー」と称される。
トータルマーは、非天然のヌクレオチドのみを含む一本鎖オリゴマーである。オリゴマーは、トータルマーであってもよい−実際、種々のトータルマー構造は、特にミクロRNA(アンチmiR)を標的とする場合、治療オリゴマーとしてまたはスプライススイッチオリゴマー(SSO)として非常に有効である。
いくつかの実施態様において、トータルマーは、少なくとも1つのXYXまたはYXY配列モチーフ、例えば繰り返し配列XYXまたはYXYを含むかまたはそれらからなり、ここで、XはLNAであり、Yは別の(すなわち、非LNA)ヌクレオチド類似体、例えば、2’−OMe RNAユニットおよび2’−フルオロDNAユニットである。いくつかの実施態様において、上記の配列モチーフは、例えば、XXY、XYX、YXYまたはYYXでありうる。
いくつかの実施態様において、トータルマーは、8〜16個のヌクレオチド、例えば9、10、11、12、13、14、または15個のヌクレオチド、例えば8〜12個のヌクレオチドの連続したヌクレオチド配列を含みうるかまたはそれらからなりうる。
いくつかの実施態様において、トータルマーの連続したヌクレオチド配列は、少なくとも30%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも90%、例えば95%、例えば100%のLNAユニットを構成する。残りのユニットは、本明細書に記載の非LNAヌクレオチド類似体、例えば、2’−O−アルキル−RNAユニット、2’−OMe−RNAユニット、2’−アミノ−DNAユニット、2’−フルオロ−DNAユニット、LNAユニット、PNAユニット、HNAユニット、INAユニット、および2’MOE RNAユニット、または基2’−OMe RNAユニットおよび2’−フルオロDNAユニットからなる群から選択されるものから選択されうる。
いくつかの実施態様において、トータルマーは、LNAユニットのみからなる連続したヌクレオチド配列からなるかまたはそれらを含む。
いくつかの実施態様において、トータルマーは、米国仮出願第60/979217号および第61/028062号、ならびにPCT/DK2008/000344(それら全て、その全内容が本明細書によって引用される)に記載されるように、ミクロRNAに対する標的にされうる(すなわち、アンチmiRでありうる)。
ミクスマー
用語「ミクスマー」は、ギャップマー(gapmer)、テイルマー(tailmer)、ヘッドマー(headmer)およびブロックマー(blockmer)とは対照的に、5個以上の天然由来のヌクレオチド、例えばDNAユニットの連続した配列が存在しない天然由来および非天然由来のヌクレオチドを含むオリゴマーを示す。
本発明に記載のオリゴマーは、ミクスマーでありうる−実際に、種々のミクスマー構造は、特にミクロRNA(アンチmiR)、mRNA上のミクロRNA結合部位(Blockmir)を標的とする場合、治療オリゴマーとしてまたはスプライススイッチオリゴマー(SSO)として非常に有効である。
いくつかの実施態様において、オリゴマーはまた、ミクスマーであってもよく、実際に、ミクスマーのそれらの標的に効率的かつ特異的に結合する能力によれば、治療オリゴマーとしてのミクスマーの使用は、標的RNAを減少させるのに特に有効であると考えられている。
いくつかの実施態様において、ミクスマーは、ヌクレオチド類似体および天然由来のヌクレオチドの繰り返しパターンの連続したヌクレオチド、または第1種のヌクレオチド類似体および第2種のヌクレオチド類似体を含むかまたはそれらからなる。例えば、繰り返しパターンは、1つおきまたは2つおきのヌクレオチドがヌクレオチド類似体、例えばLNAであり、残りのヌクレオチドが天然由来のヌクレオチド、例えば、DNAであるかまたは2’置換ヌクレオチド類似体、例えば、本明細書に記載の2’MOEまたは2’フルオロ類似体であるか、あるいはいくつかの実施態様において、本明細書に記載のヌクレオチド類似体の群から選択されるものである。ヌクレオチド類似体の繰り返しパターン、例えば、LNAユニットは、定位置、例えば、5’または3’末端でヌクレオチドアナログと結合しうることが認識される。
いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、オリゴマーの第1ヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドである。
同一または異なっていてもよい、いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、オリゴマーの第2ヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドである。
同一または異なっていてもよい、いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、オリゴマーの第7および/または第8ヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドである。
同一または異なっていてもよい、いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、オリゴマーの第9および/または第10ヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドである。
同一または異なっていてもよい、いくつかの実施態様において、フォリゴマー(foligomer)の5’末端は、ヌクレオチド類似体、例えばLNAヌクレオチドである。
上記の構造特性は、いくつかの実施態様において、ミクスマー構造、例えばアンチmiRミクスマーに組み込まれうる。
いくつかの実施態様において、ミクスマーは、4個以上の連続したDNAヌクレオチドユニットまたは3個連続したDNAヌクレオチドユニットの領域を含まない。いくつかの実施態様において、ミクスマーは、2個以上の連続したDNAヌクレオチドユニットの領域を含まない。
いくつかの実施態様において、ミクスマーは、少なくとも2個の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えば少なくとも2個の連続したLNAユニットからなる領域を含む。
いくつかの実施態様において、ミクスマーは、少なくとも3個の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えば少なくとも3個の連続したLNAユニットからなる領域を含む。
いくつかの実施態様において、本発明のミクスマーは、7個以上の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えばLNAユニットの領域を含まない。いくつかの実施態様において、本発明のミクスマーは、6個以上の連続したヌクレオチド類似体ユニット、LNAユニットの領域を含まない。いくつかの実施態様において、本発明のミクスマーは、5個以上の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えばLNAユニットの領域を含まない。いくつかの実施態様において、本発明のミクスマーは、4個以上の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えばLNAユニットの領域を含まない。いくつかの実施態様において、本発明のミクスマーは、3個以上の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えばLNAユニットの領域を含まない。いくつかの実施態様において、本発明のミクスマーは、2個以上の連続したヌクレオチド類似体ユニット、例えばLNAユニットの領域を含まない。
3’末端から数えて、3〜8番目の位置のヌクレオチドの修飾を示す、ミクスマーの実施態様において、LNAユニットは、他のヌクレオチド類似体、例えば、本明細書に記載のものと置き換えられうる。したがって、「X」は、2’−O−アルキル−RNAユニット、2’−OMe−RNAユニット、2’−アミノ−DNAユニット、2’−フルオロ−DNAユニット(2’フルオロ)、2’−MOE−RNA(2’MOE)ユニット、LNAユニット、PNAユニット、HNAユニット、INAユニットからなる群から選択されうる。「x」は、好ましくはDNAまたはRNAであり、最も好ましくはDNAである。
いくつかの実施態様において、ミクスマー、例えばアンチmiRミクスマーは、3’末端から数えて、3〜8番目の位置で修飾される−すなわち、3〜8番目の位置に少なくとも1個のヌクレオチドを含む。該配列の構造は、存在する非LNAユニットの数によってまたは存在するLNAユニットの数によって定義されうる。前者のいくつかの実施態様において、3’末端から数えて、3〜8番目の位置の少なくとも1個、例えば1個のヌクレオチドは、非LNAユニットである。いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、3〜8番目の位置の少なくとも2個、例えば2個のヌクレオチドは、非LNAユニットである。いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、3〜8番目の位置の少なくとも3個、例えば3個のヌクレオチドは、非LNAユニットである。いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、3〜8番目の位置の少なくとも4個、例えば4個のヌクレオチドは、非LNAユニットである。いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、3〜8番目の位置の少なくとも5個、例えば5個のヌクレオチドは、非LNAユニットである。いくつかの実施態様において、3’末端から数えて、3〜8番目の位置の全6個のヌクレオチドは、非LNAユニットである。
いくつかの実施態様において、オリゴマーは、i)miRNA標的に存在する連続したヌクレオチドの部分配列に完全に相補的でありうるか、またはii)前記RNA標的に存在する連続したヌクレオチドの部分配列の相補鎖にわずか1個のミスマッチしか含んでいない。そのようなオリゴヌクレオチドは、標的配列の対応領域に完全に相補的であるか、または標的配列の対応領域でわずか1個のミスマッチしか含んでいないという点で、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。RNA標的は、典型的には、病状または疾患に関連しており、いくつかの実施態様において、例えば、ミクロRNAまたはmRNAであってもよい。したがって、オリゴマーは、例えば、アンチmiR、ミクロRNA模倣体、ミクロRNA blockmir、またはアンチセンスオリゴマーであってもよい。
したがって、オリゴマーは、ミクロRNA−122(の対応領域)に完全に相補的であるかまたはそれにわずか1個のミスマッチしか含んでいない、連続したヌクレオチド配列を標的とする(すなわち、含むまたはそれらからなる)アンチmirであってもよい。かかるオリゴヌクレオチドは、アンチ−ミクロRNAオリゴヌクレオチドと称されうる。
本発明において有用なミクロRNA−122のモジュレータの例
本発明に用いられる特に好ましい化合物は、ミクロRNA−122を標的とするものである。miR−122の配列は、ミクロRNAデータベース「mirbase」(http://microrna.sanger.ac.uk/sequences/)にて見出されうる。ミクロRNA−122阻害剤は、多数の特許および論文に記載されており、当業者に周知である。いくつかの実施態様において、有用なミクロRNA−122モジュレータを記述するかかる文献の例は、WO2007/112754、WO2007/112753、またはWO2009/043353(それら全て、本明細書によって引用される)である。いくつかの実施態様において、かかるミクロRNA−122モジュレータは、WO2009/20771、WO2008/91703、WO2008/046911、WO2008/074328、WO2007/90073、WO2007/27775、WO2007/27894、WO2007/21896、WO2006/93526、WO2006/112872、WO2005/23986、またはWO2005/13901、またはWO2010/122538(それら全て、本明細書によって引用される)に記載のものである。
ミラビルセン(SPC3649)
好ましい実施態様において、アンチセンスオリゴマーは、式:
Figure 2014533099
[式中:小文字はDNAユニットを特定し、大文字はLNAユニットを特定し、Cは5−メチルシトシンLNAを特定し、下付き文字はホスホロチオエートヌクレオシド内結合を特定し、LNAユニットは、LNA残基の後の上付き文字によって特定される、ベータ−D−オキシである]
を有する、ミラビルセン(SPC3649)である。
ミラビルセンは、臨床試験を実施するための最初のミクロRNA標的薬剤である。ミラビルセンは、単独療法としてまたは慢性HCV感染症のインターフェロン不含治療として直接作用型抗ウイルス剤と組み合わせて用いられうる。
本発明に関する用語「オリゴマー」は、2個またはそれ以上のヌクレオチドの共有結合によって形成される分子(すなわち、オリゴヌクレオチド)を示す。本明細書では、単一ヌクレオチド(ユニット)は、モノマーまたはユニットとも称されうる。いくつかの実施態様において、用語「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」、「ユニット」および「モノマー」は交互に用いられる。ヌクレオチドまたはモノマーの配列を示す場合、示されるものが、塩基、例えばA、T、G、CまたはUの配列であることが認識される。
オリゴマーは、典型的には、7〜25ユニットの連続したヌクレオチド配列からなるかまたはそれらを含む。
種々の実施態様において、本発明の化合物は、RNA(ユニット)を含まない。本発明に記載の化合物は、直鎖分子であるかまたは直鎖分子として合成されることが好ましい。オリゴマーは、一本鎖分子であり、好ましくは、同一オリゴマー内の同等の領域に相補的である(すなわち、二本鎖)、例えば、少なくとも3、4または5個の連続したヌクレオチドの短い領域を含まない−この点に関して、オリゴマーは、(本質的には)二本鎖ではない。いくつかの実施態様において、オリゴマーは、本質的には二本鎖ではない、例えばsiRNAではない。種々の実施態様において、本発明のオリゴマーは、全て連続したヌクレオチド領域からなりうる。したがって、オリゴマーは、実質的に自己相補的ではない。
用語「対応ヌクレオチド類似体」および「対応ヌクレオチド」は、ヌクレオチド類似体中のヌクレオチドおよび天然由来のヌクレオチドが同一であることを示すことを意図とする。例えば、ヌクレオチドの2−デオキシリボースユニットがアデニンと結合する場合、「対応ヌクレオチド類似体」は、アデニンと結合する(2−デオキシリボースとは異なる)ペントースユニットを含有する。
本明細書に用いられる、用語「逆相補鎖(reverse complement)」、「逆相補的配列(reverse complementary)」および「逆相補性(reverse complementarity)」は、用語「相補鎖」、「相補的配列」および「相補性」と交換可能である。
ヌクレオシドおよびヌクレオシド類似体
いくつかの実施態様において、用語「ヌクレオシド類似体」および「ヌクレオチド類似体」は、交互に用いられる。
本明細書に用いられる、用語「ヌクレオチド」は、糖部分、塩基部分および共有結合基(結合基)、例えばホスフェートまたはホスホロチオエートヌクレオチド内結合基を含むグリコシドを示し、天然由来のヌクレオチド、例えばDNAまたはRNA、および修飾された糖および/または塩基部分を含む非天然由来のヌクレオチド(本明細書では、「ヌクレオチド類似体」とも称される)の両方を包含する。本明細書では、単一ヌクレオチド(ユニット)は、モノマーまたは核酸ユニットとも称されうる。
生物化学分野において、用語「ヌクレオシド」は、糖部分および塩基部分を含むグリコシドを示すために一般的に用いられるため、オリゴマーのヌクレオチド間のヌクレオチド内結合によって共有結合される、ヌクレオチドユニットを示す場合に用いられうる。バイオテクノロジー分野において、用語「ヌクレオチド」は、核酸モノマーまたはユニットを示すためによく用いられ、オリゴヌクレオチドの文脈中のそのものは、塩基−例えば、「ヌクレオチド配列」を示しうる、典型的には、核酸塩基配列を示す(すなわち、糖骨格の存在およびヌクレオシド内結合は、潜在的である)。同様に、特に1またはそれ以上のヌクレオシド内結合基が修飾されているオリゴヌクレオチドの場合に、用語「ヌクレオチド」は、「ヌクレオシド」を示してもよく、例えば、用語「ヌクレオチド」はヌクレオシド間結合の存在または特性を明確にする場合でさえ用いられうる。
当業者であれば分かるように、オリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドは、5’ヌクレオチド内結合基を含まないが、5’末端基を含んでいても含んでいなくてもよい。
非天然由来のヌクレオチドには、糖部分を修飾したヌクレオチド、例えば二環式ヌクレオチドまたは2’修飾ヌクレオチド、例えば2’置換ヌクレオチドが含まれる。
「ヌクレオチド類似体」は、糖および/または塩基部分の修飾による、天然ヌクレオチド、例えばDNAまたはRNAヌクレオチドの変種である。類似体は、原則として、オリゴヌクレオチドの文脈中の天然ヌクレオチドに対して単に「無変化」または「同等」でありうる、すなわち、オリゴヌクレオチドが標的遺伝子発現を抑制するように機能する方法への機能的効果を有していない。にもかかわらず、かかる「同等の」類似体は、例えば、それらが、製造がより容易もしくは安価であるか、または保存もしくは製造条件でより安定であるか、またはタグもしくはラベルを示す場合、有用でありうる。しかしながら、好ましくは、類似体は、標的に対する結合アフィニティーの増加および/または細胞内ヌクレアーゼに対する耐性の増加および/または細胞内への輸送の容易性の増加をもたらすことによって、オリゴマーが発現を阻害するように機能する方法に対して機能的効果がある。ヌクレオシド類似体の具体例は、例えば、Freier & Altmann;Nucl.Acid Res.,1997,25,4429−4443 and Uhlmann;Curr.Opinion in Drug Development,2000,3(2),293−213、およびスキーム1に記載されている:
Figure 2014533099
したがって、オリゴマーは、天然由来のヌクレオチドの単純配列−好ましくは、2’−デオキシヌクレオチド(本明細書では、一般に「DNA」と称される)だが、場合によりリボヌクレオチド(本明細書では、一般に「RNA」と称される)、または該天然由来のヌクレオチドおよび1種またはそれ以上の非天然由来のヌクレオチド、すなわち、ヌクレオチド類似体の組み合わせを含みうるかまたはそれらから構成されうる。かかるヌクレオチド類似体は、適当には、標的配列に対するオリゴマーのアフィニティーを強化しうる。
適当かつ好ましいヌクレオチド類似体は、WO2007/031091によって提供されるかまたはその中で言及されている。
オリゴマーにおけるアフィニティー強化ヌクレオチド類似体、例えばLNAまたは2’−置換糖の取り込みは、特異的に結合するオリゴマーの大きさを縮小することができ、また、非特異的または変形結合が生じる前にオリゴマーの大きさに対する上限まで縮小してもよい。
いくつかの実施態様において、オリゴマーは、少なくとも1個のヌクレオシド類似体を含む。いくつかの実施態様において、オリゴマーは、少なくとも2個のヌクレオシド類似体を含む。いくつかの実施態様において、オリゴマーは、3〜8個のヌクレオシド類似体、例えば、6または7個のヌクレオチド類似体を含む。圧倒的に最も好ましい実施態様において、少なくとも1個の前記ヌクレオチド類似体は、ロックド核酸(LNA)である;例えば、少なくとも3個または少なくとも4個、または少なくとも5個、または少なくとも6個、または少なくとも7個、または少なくとも8個のヌクレオチド類似体は、LNAでありうる。いくつかの実施態様において、全てのヌクレオチド類似体は、LNAでありうる。
ヌクレオチドのみからなる、好ましいヌクレオチド配列モチーフまたはヌクレオチド配列を示す場合、その配列によって定義される本発明のオリゴマーは、オリゴマー/標的二本鎖の二本鎖安定性/Tを強化する、前記配列に存在する1種またはそれ以上のヌクレオチド、例えば、LNAユニットまたは他のヌクレオチド類似体(すなわち、アフィニティー強化ヌクレオチド類似体)の代わりに対応ヌクレオチド類似体を含む。
いくつかの実施態様において、オリゴマーのヌクレオチド配列と標的配列間の任意のミスマッチは、好ましくは、アフィニティー強化ヌクレオチド類似体の外部領域、例えば、本明細書に記載の領域B、および/または本明細書に記載の領域Dで、および/またはオリゴヌクレオチドにおけるDNAヌクレオチドなどの非修飾部位で、および/または連続したヌクレオチド配列に対する5’領域または3’領域で見出される。
ヌクレオチドのかかる修飾の例として、2’−置換基を提供するかまたは結合アフィニティーを強化し、また、ヌクレアーゼ耐性を増大しうる、架橋(ロックド核酸)構造をもたらす糖部分を修飾することが挙げられる。
好ましいヌクレオチド類似体は、LNA、例えばオキシ−LNA(例えば、ベータ−D−オキシ−LNA、およびアルファ−L−オキシ−LNA)、および/またはアミノ−LNA(例えば、ベータ−D−アミノ−LNAおよびアルファ−L−アミノ−LNA)および/またはチオ−LNA(例えば、ベータ−D−チオ−LNAおよびアルファ−L−チオ−LNA)および/またはENA(例えば、ベータ−D−ENAおよびアルファ−L−ENA)である。ベータ−D−オキシ−LNAが最も好ましい。
いくつかの実施態様において、本発明のオリゴマー内(例えば、本明細書に記載の領域AおよびC)に存在するヌクレオチド類似体は、独立して、例えば、2’−O−アルキル−RNAユニット、2’−アミノ−DNAユニット、2’−フルオロ−DNAユニット、LNAユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、2’−フルオロ−ANAユニット、HNAユニット、INA(インターカレーティング核酸(intercalating nucleic acid)−Christensen,2002.Nucl.Acids.Res.2002 30:4918−4925(本明細書によって引用される))ユニットまたは2’MOEユニットから選択される。いくつかの実施態様において、本発明のオリゴマーに存在するヌクレオチド類似体の上記の1種のみ、またはその連続したヌクレオチド配列が存在する。
いくつかの実施態様において、ヌクレオチド類似体は、2’−O−メトキシエチル−RNA(2’MOE)、2’−フルオロ−DNAモノマーまたはLNAヌクレオチド類似体であり、そのようなものとして本発明のオリゴヌクレオチドは、これら3種の類似体から独立して選択されるヌクレオチド類似体を含んでいてもよく、またはその3種から選択される類似体の1種のみを含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、少なくとも1個の前記ヌクレオチド類似体は、2’−MOE−RNA、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の2’−MOE−RNAヌクレオチドユニットである。いくつかの実施態様において、少なくとも1個の前記ヌクレオチド類似体は、2’−フルオロDNA、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の2’−フルオロ−DNAヌクレオチドユニットである。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載のオリゴマーは、少なくとも1個のロックド核酸(LNA)ユニット、例えば1、2、3、4、5、6、7、または8個のLNAユニット、例えば3〜7もしくは4〜8個のLNAユニット、または3、4、5、6もしくは7個のLNAユニットを含む。いくつかの実施態様において、全てのヌクレオチド類似体は、LNAである。いくつかの実施態様において、オリゴマーは、ベータ−Dもしくはアルファ−L配置のいずれかまたはその組み合わせにおいて、ベータ−D−オキシ−LNA、および1またはそれ以上の以下のLNAユニット:チオ−LNA、アミノ−LNA、オキシ−LNA、および/またはENAの両方を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、全てのLNAシトシンユニットは、5’メチル−シトシンである。本発明のいくつかの実施態様において、オリゴマーは、LNAユニットおよびDNAユニットの両方を含んでいてもよい。好ましくは、LNAユニットおよびDNAユニットの組み合わせの総数は、10〜25、例えば10〜24、好ましくは10〜20、例えば10〜18、さらにより好ましくは12〜16である。本発明のいくつかの実施態様において、オリゴマーのヌクレオチド配列、例えば連続したヌクレオチド配列は少なくとも1個のLNAからなり、残りのヌクレオチドユニットはDNAユニットである。いくつかの実施態様において、オリゴマーは、LNAヌクレオチド類似体および所望により、修飾ヌクレオチド内結合、例えばホスホロチオエート結合を有していてもよい、天然由来のヌクレオチド(例えばRNAまたはDNA、最も好ましくはDNAヌクレオチド)のみを含む。
用語「核酸塩基」は、ヌクレオチドの塩基部分を示し、天然型変種および非天然型変種の両方を包含する。したがって、「核酸塩基」は、既知のプリンおよびピリミジン複素環のみならず複素環類似体およびその互変異性体をも包含する。
核酸塩基の例として、限定されるものではないが、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、5−メチルシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン(pseudoisocytosine)、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2−クロロ−6−アミノプリンが挙げられる。
いくつかの実施態様において、オリゴマーに存在する少なくとも1つの核酸塩基は、5−メチルシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2−クロロ−6−アミノプリンからなる群から選択される修飾された核酸塩基である。
LNA
用語「LNA」は、「ロックド核酸」として知られる、二環式ヌクレオシド類似体を示す。それはLNAモノマーを示してもよく、または、「LNAオリゴヌクレオチド」に関連して用いられる場合、LNAは、1つまたはそれ以上のかかる二環式ヌクレオチド類似体を含有するオリゴヌクレオチドを示す。LNAヌクレオチドは、例えば、下記のビラジカルR4*−R2*として示される、リボース糖環のC2’とC4’間のリンカー基(例えば、架橋)の存在によって特徴付けられる。
本発明のオリゴヌクレオチド化合物に用いられるLNAは、好ましくは、一般式I:
Figure 2014533099
[式中:全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されてもよく;
Xは、−O−、−S−、−N(RN*)−、−C(R6*)−から選択され、例えばいくつかの実施態様において、−O−であり;
Bは、水素、所望により置換されていてもよいC1−4−アルコキシ、所望により置換されていてもよいC1−4−アルキル、所望により置換されていてもよいC1−4−アシルオキシ、核酸塩基(天然型を含む)および核酸塩基類似体、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化剤、レポーター基、またはリガンドから選択され;好ましくは、Bは、核酸塩基または核酸塩基類似体であり;
Pは、隣接したモノマーに対するヌクレオチド内結合、または5’−末端基を示し、かかるヌクレオチド内結合または5’−末端基は、所望により置換基Rまたは同等に適用可能な置換基R5*を含んでいてもよく;
は、隣接したモノマーに対するヌクレオチド内結合、または3’−末端基を示し;
4*およびR2*は一緒になって、−C(R)−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−O−、−Si(R−、−S−、−SO−、−N(R)−、または>C=Zから選択される、1〜4個の基/原子からなる二価のリンカー基を示し、ここで、Zは、−O−、−S−、または−N(R)−から選択され、RおよびRは、各々独立して、水素、所望により置換されていてもよいC1−12−アルキル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルケニル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルキニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてもよいC1−12−アルコキシ、C2−12−アルコキシアルキル、C2−12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1−12−アルコキシカルボニル、C1−12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1−6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1−6−アルカノイルオキシ、スルホン(sulphono)、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1−6−アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化剤、レポーター基、またはリガンドから選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されていてもよく、2個のジェミナル置換基RおよびRは一緒になって、所望により置換されていてもよいメチレン(=CH)を示し、全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されてもよく;および
存在する、R1*、R、R、R、R5*、RおよびR6*は、各々独立して、水素、所望により置換されていてもよいC1−12−アルキル、所望により置換されていてもよいC2-12−アルケニル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルキニル、ヒドロキシ、C1−12−アルコキシ、C2−12−アルコキシアルキル、C2−12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12−アルコキシカルボニル、C1−12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1−6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1−6−アルカノイルオキシ、スルホン、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1−6−アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化剤、レポーター基、またはリガンドから選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されていてもよく、2個のジェミナル置換基は一緒になって、オキソ、チオキソ、イミノ、または所望により置換されていてもよいメチレンを示してもよく;ここで、Rは、水素またはC1−4−アルキルから選択され、2個の隣接した(非ジェミナル)置換基が二重結合をもたらすさらなる結合を示してもよく;そして、RN*は、存在しビラジカルに寄与しない場合、水素またはC1-4−アルキルから選択される]
で示される構造およびその塩基性塩および酸付加塩を有する。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、C(R)−C(R)−、C(R)−O−、C(R)−NR−、C(R)−S−、およびC(R)−C(R)−O−からなる群から選択される基からなるビラジカルを示し、ここで、RおよびRは、所望により各々独立して、選択されてもよい。いくつかの実施態様において、RおよびRは、所望により、水素およびC1−6アルキル、例えばメチルからなる群から選択されてもよく、例えば水素である。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、R位またはS位のいずれかで、ビラジカル−O−CH(CHOCH)−(2’O−メトキシエチル二環式核酸−Seth at al.,2010,J.Org.Chem)を示す。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、R位またはS位のいずれかで、ビラジカル−O−CH(CHCH)−(2’O−エチル二環式核酸−Seth at al.,2010,J.Org.Chem)を示す。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、R位またはS位のいずれかで、ビラジカル-O−CH(CH)−を示す。いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、ラジカル-O−CH−O−CH−を示す(Seth at al.,2010,J.Org.Chem)。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、ビラジカル−O−NR−CH−を示す(Seth at al.,2010,J.Org.Chem)。
いくつかの実施態様において、LNAユニットは、以下の基:
Figure 2014533099
から選択される構造を有する。
いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択される。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。
いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。
いくつかの実施態様において、R1*、R、Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択される。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。
いくつかの実施態様において、R1*、R、Rは、水素である。
いくつかの実施態様において、RおよびR5*は、各々独立して、H、−CH、−CH−CH、−CH−O−CH、および−CH=CHからなる群から選択される。適当には、いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは水素であるのに対し、他の基(RまたはR5*、それぞれ)は、C1−5アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、置換されたC1−6アルキル、置換されたC2−6アルケニル、置換されたC2−6アルキニルおよび置換されたアシル(−C(=O)−)からなる群から選択され;ここで、各置換された基は、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニル、置換されたC2−6アルキニル、OJ、SJ、NJ、N、COOJ、CN、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、JまたはN(H)C(=X)N(H)Jから選択される置換基で一置換または多置換され、ここで、XはOまたはSであり;そして、JおよびJは、各々独立して、H、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニル、置換されたC2−6アルキニル、C1−6アミノアルキル、置換されたC1−6アミノアルキルまたは保護基である。いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、置換されたC1−6アルキルである。いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、置換されたメチレンであり、ここで、好ましい置換基には、F、NJ、N、CN、OJ、SJ、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、JまたはN(H)C(O)N(H)Jから独立して選択される1またはそれ以上の基が含まれる。いくつかの実施態様において、JおよびJは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルである。いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、メチル、エチルまたはメトキシメチルである。いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、メチルである。さらなる実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、エチレニルである。いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、置換されたアシルである。いくつかの実施態様において、RまたはR5*のいずれかは、C(=O)NJである。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。かかる5’修飾二環式ヌクレオチドは、WO2007/134181(その全内容は本明細書によって引用される)に開示されている。
いくつかの実施態様において、Bは、核酸塩基(核酸塩基類似体および天然型核酸塩基を含む)、例えばプリンもしくはピリミジン、または置換されたプリンもしくは置換されたピリミジン、例えば本明細書に記載の核酸塩基、例えばアデニン、シトシン、チミン、アデニン、ウラシル、および/または修飾もしくは置換された核酸塩基、例えば5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2’チオ−チミン、5−メチルシトシン、5−チオゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、および2,6−ジアミノプリンからなる群から選択される核酸塩基である。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−C(R)−O−、−C(R)−O−C(R)−、−C(R)−O−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、−C(R)−C(R)−C(R)−、−C(R)=C(R)-C(R)−、−C(R)−N(R)−、−C(R)−C(R)−N(R)−、−C(R)−N(R)−O−、−C(R)−S−、または−C(R)−C(R)−S−から選択されるビラジカルを示し、ここで、R、R、R、R、R、およびRは、各々独立して、水素、所望により置換されていてもよいC1−12−アルキル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルケニル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルキニル、ヒドロキシ、C1−12−アルコキシ、C2−12−アルコキシアルキル、C2−12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12−アルコキシカルボニル、C1−12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1-6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1-6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1−6−アルカノイルオキシ、スルホン、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1−6−アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化剤、レポーター基、またはリガンドから選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されていてもよく、2個のジェミナル置換基RおよびRは一緒になって、所望により置換されていてもよいメチレン(=CH)を示してもよい。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。
さらなる実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−CH−N(CH)−、−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−、−CH−CH−S−、−CH−CH−NH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−O−、−CH−CH−CH(CH)−、−CH=CH−CH−、−CH−O−CH−O−、−CH−NH−O−、−CH−N(CH)−O−、−CH−O−CH−、−CH(CH)−O−、および-CH(CH−O−CH)−O−、および/または、−CH−CH−、または−CH=CH−から選択されるビラジカル(二価の基)を示す。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、ビラジカルC(R)−N(R)−O-を示し、ここで、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択され、例えば、水素であり;および、Rは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択され、例えば水素である。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、ビラジカルC(R)−O−C(R)−O−を示し、ここで、R、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択され、例えば水素である。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は、ビラジカル−CH(Z)−O−を形成し、ここで、Zは、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、置換されたC1−6アルキル、置換されたC2−6アルケニル、置換されたC2−6アルキニル、アシル、置換されたアシル、置換されたアミド、チオールおよび置換されたチオからなる群から選択され;ここで、置換された基は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJまたはCNから独立して選択される所望により保護されていてもよい置換基で一置換または多置換されており、J、JおよびJは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、Xは、O、SまたはNJである。いくつかの実施態様において、Zは、C1−6アルキルまたは置換されたC1−6アルキルである。いくつかの実施態様において、Zは、メチルである。いくつかの実施態様において、Zは、置換されたC1−6アルキルである。いくつかの実施態様において、前記置換基は、C1−6アルコキシである。いくつかの実施態様において、Zは、CHOCH−である。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。かかる二環式ヌクレオチドは、US7,399,845(その全内容は本明細書によって引用される)に開示されている。いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。いくつかの実施態様において、R1*、R、R3*は水素であり、R、R5*の一方または両方は、上記およびWO2007/134181に記載の水素以外のものでありうる。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、架橋内に置換されたアミノ基を含むビラジカルを示し、例えば、ビラジカル−CH−N(R)−(ここで、RはC1−12アルキルオキシである)から構成されるかまたはそれらを含む。いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、ビラジカル−Cq−NOR−を示し、ここで、qおよびqは、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択され、置換された基は、各々独立して、ハロゲン、OJ、SJ、NJ、COOJ、CN、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJまたはN(H)C(=X=N(H)Jから独立して選択される置換基で一置換または多置換され、ここで、XはOまたはSであり;そして、JおよびJは、各々独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アミノアルキルまたは保護基である。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる。かかる二環式ヌクレオチドは、WO2008/150729(その全内容は本明細書によって引用される)に開示されている。いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。いくつかの実施態様において、R1*、R、Rは水素であり、R、R5*の一方または両方は、上記のおよびWO2007/134181に記載の水素以外のものでありうる。いくつかの実施態様において、R4*およびR2*は一緒になって、ビラジカル(二価の基)C(R)−O−を示し、ここで、RおよびRは、各々独立して、ハロゲン、C−C12アルキル、置換されたC−C12アルキル、C−C12アルケニル、置換されたC−C12アルケニル、C−C12アルキニル、置換されたC−C12アルキニル、C−C12アルコキシ、置換されたC−C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJであるか;あるいは、RおよびRは一緒になって、=C(q3)(q4)であり;qおよびqは、各々独立して、H、ハロゲン、C−C12アルキルまたは置換されたC−C12アルキルであり;置換された基は、各々独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換されたC−Cアルキニル、OJ、SJ、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJから独立して選択される置換基で一置換または多置換され;JおよびJは、各々独立して、H、C−Cアルキル、置換されたC1−Cアルキル、C−Cアルケニル、置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換されたC−Cアルキニル、C−Cアミノアルキル、置換されたC−Cアミノアルキルまたは保護基である。かかる化合物は、WO2009006478A(その全内容は本明細書によって引用される)に開示されている。
いくつかの実施態様において、R4*およびR2*はビラジカル−Q−を形成し、ここで、Qは、C(q)(q)C(q)(q)、C(q)=C(q)、C[=C(q)(q)]−C(q)(q)またはC(q)(q)−C[=C(q)(q)]であり;q、q、q、qは、各々独立して、H、ハロゲン、C1−12アルキル、置換されたC1−12アルキル、C2−12アルケニル、置換されたC1−12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)−NJ、C(=O)J、−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJであり;JおよびJは、各々独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アミノアルキルまたは保護基であり;そして所望により、QがC(q)(q)(q)(q)であり、qまたはqの一方がCHである場合、qもしくはqの他方またはqおよびqの一方の少なくとも1つは、H以外である。いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかにて見出されうる。かかる二環式ヌクレオチドは、WO2008/154401(その全体が本明細書によって引用される)に開示されている。いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、置換されたC2−6アルケニル、C2−6アルキニルまたは置換されたC2−6アルキニル、C1−6アルコキシル、置換されたC1−6アルコキシル、アシル、置換されたアシル、C1−6アミノアルキルおよび置換されたC1−6アミノアルキルからなる群から選択される。いくつかの実施態様において、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。いくつかの実施態様において、R1*、R、Rは水素であり、R、R5*の一方または両方は、上記およびWO2007/134181またはWO2009/067647(アルファ−L−二環式核酸類似体)に記載の水素以外のものでありうる。
いくつかの実施態様において、本発明のオリゴヌクレオチド化合物に用いられるLNAは、好ましくは、一般式II:
Figure 2014533099
[式中:Yは、−O−、−CHO−、−S−、−NH−、N(R)および/または−CH−からなる群から選択され;ZおよびZは、独立して、ヌクレオチド内結合、R、末端基または保護基の中から選択され;Bは、天然または非天然由来のヌクレオチド塩基部分(核酸塩基)を構成し、Rは、水素またはC1−4−アルキルから選択され;R、R、R、RおよびRは、所望により独立して、水素、所望により置換されていてもよいC1−12−アルキル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルケニル、所望により置換されていてもよいC2−12−アルキニル、ヒドロキシ、C1−12−アルコキシ、C2−12−アルコキシアルキル、C2−12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12−アルコキシカルボニル、C1−12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1−6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1−6−アルカノイルオキシ、スルホン、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1−6−アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート化剤、レポーター基、およびリガンドからなる群から選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは、所望により置換されていてもよく、2個のジェミナル置換基RおよびRは一緒になって、所望により置換されていてもよいメチレン(=CH)を示し;そして、Rは、水素またはC1−4−アルキルから選択される]
で示される構造を有する。いくつかの実施態様において、R、R、R、RおよびRは、所望により独立して、水素およびC1−6アルキル、例えばメチルからなる群から選択されてもよい。全てのキラル中心について、不斉基は、R位またはS位のいずれかで見出されうる、例えば、2個の具体的な立体化学異性体には、以下に示されうる、ベータ−Dおよびアルファ−Lアイソフォームが含まれる:
Figure 2014533099
LNAユニットの具体例は、以下に示される:
Figure 2014533099
用語「チオ−LNA」は、上記の一般式におけるYが、Sまたは−CH−S−から選択される、ロックドヌクレオチドを含む。チオ−LNAは、ベータ−Dおよびアルファ−L−配置の両方で存在しうる。
用語「アミノ−LNA」は、上記の一般式におけるYが、−N(H)−、N(R)−、CH−N(H)−、または−CH−N(R)−から選択され、Rが、水素またはC1−4−アルキルから選択される、ロックドヌクレオチドを含む。アミノ−LNAは、ベータ−Dおよびアルファ−L−配置の両方で存在しうる。
用語「オキシ−LNA」は、上記の一般式におけるYが−O−を示す、ロックドヌクレオチドを含む。オキシ−LNAは、ベータ−Dおよびアルファ−L−配置の両方で存在しうる。
用語「ENA」は、上記の一般式におけるYが、−CH−O−(ここで、−CH−O−の酸素原子は、塩基Bに対して2’位に結合する)である、ロックドヌクレオチドを含む。Rは、水素またはメチルである。
いくつかの具体的な実施態様において、LNAは、ベータ−D−オキシ−LNA、アルファ−L−オキシ−LNA、ベータ−D−アミノ−LNAまたはベータ−D−チオ−LNAから選択され、特にベータ−D−オキシ−LNAである。
ヌクレオチド内結合
本明細書に記載のオリゴマーのモノマーは、結合基を介して一緒に結合する。適当には、各モノマーは、結合基を介して3’隣接モノマーと結合する。
本発明に関して、オリゴマーの末端の5’モノマーは、5’結合基を含まないが、5’末端基を含んでいても含んでいなくてもよいことを当業者であれば理解するであろう。
用語「結合基」または「ヌクレオチド内結合」は、2個のヌクレオチドと一緒に共有結合しうる基を意味することを意図とする。具体的かつ好ましい例として、ホスフェート基およびホスホロチオエート基が挙げられる。
本発明のオリゴマーのヌクレオチドまたはその連続したヌクレオチド配列は、結合基を介して一緒に結合する。適当には、各ヌクレオチドは、結合基を介して3’隣接ヌクレオチドと結合する。
適当なヌクレオチド内結合には、WO2007/031091に列挙されたもの、例えば、WO2007/031091(本明細書によって引用される)の第34頁の第1段落で列挙されたヌクレオチド内結合が含まれる。
いくつかの実施態様において、その標準ホスホジエステルからヌクレアーゼ攻撃により耐性を示すものへのヌクレオチド内結合、例えばホスホロチオエートまたはボラノホスフェートを修飾することが好ましい−これら2種は、RNase Hによって開裂されるものであり、また、標的遺伝子の発現を減少させるアンチセンス阻害経路をもたらす。
いくつかの実施態様、例えば、上記の実施態様において、適当かつ明確に示されていない場合、全ての残りの結合基は、ホスホジエステルまたはホスホロチオエートのいずれか、またはその混合物である。
いくつかの実施態様において、全てのヌクレオチド内結合基は、ホスホロチオエートである。
コンジュゲート
本明細書における、用語「コンジュゲート」は、1つまたはそれ以上の非ヌクレオチド、または非ポリヌクレオチド部分に対する本明細書に記載のオリゴマーの共有結合(「コンジュゲーション」)によって形成される異種分子を示すことを意図とする。非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分の例として、高分子物質、例えばタンパク質、脂肪酸鎖、糖残基、糖タンパク質、ポリマー、またはその組み合わせが挙げられる。典型的には、タンパク質は、標的タンパク質に対する抗体であってもよい。典型的なポリマーは、ポリエチレングリコールであってもよい。
したがって、種々の実施態様において、本発明のオリゴマーは、典型的には連続したヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド領域、およびさらなる非ヌクレオチド領域の両方を含んでいてもよい。連続したヌクレオチド配列からなる本発明のオリゴマーを示す場合、化合物は、非ヌクレオチド成分、例えばコンジュゲート成分を含みうる。
本発明の種々の実施態様において、オリゴマー化合物は、例えば、オリゴマー化合物の細胞内取り込み量を増加させるために用いられうる、リガンド/コンジュゲートと結合する。WO2007/031091は、適当なリガンドおよびコンジュゲートを提供し、それは本明細書によって引用される。
本発明はまた、本明細書に記載の本発明の化合物、および前記化合物と共有結合する少なくとも1つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分を含むコンジュゲートを提供する。したがって、本発明の化合物が、本明細書に記載されるように、特定の核酸またはヌクレオチド配列からなる種々の実施態様において、化合物はまた、前記化合物と共有結合する少なくとも1つの非ヌクレオチドまたは非ポリヌクレオチド部分(例えば、1つまたはそれ以上のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含まない)を含んでいてもよい。
(コンジュゲート部分に対する)コンジュゲーションは、本発明のオリゴマーの活性、細胞内分布または細胞内取り込み量を強化しうる。かかる部分には、限定されるものではないが、抗体、ポリペプチド、脂質部分、例えばコレステロール部分、コール酸、チオエーテル、例えばヘキシル−s−トリチルチオール、チオコレステロール、脂肪族鎖、例えばドデカンジオールまたはウンデシル残基、リン脂質、例えばジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールまたはトリエチルアンモニウム 1,2−ジ−o−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−h−ホスホネート、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖、アダマンタン酢酸、パルミチル部分、オクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分が挙げられる。
本発明のオリゴマーはまた、活性薬剤物質、例えばアスピリン、イブプロフェン、サルファ剤、抗糖尿病剤、抗菌剤または抗生物質とコンジュゲートしうる。
ある実施態様において、コンジュゲートした部分は、ステロール、例えばコレステロールである。
種々の実施態様において、コンジュゲートした部分は、正電荷ポリマー、例えば、長さ1〜50、例えば2〜20、例えば3〜10個のアミノ酸残基の正電荷ペプチド、および/またはポリアルキレンオキシド、例えばポリエチルグリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールを含むかまたはそれらで構成される−WO2008/034123(本明細書によって引用される)を参照。適当には、正電荷ポリマー、例えばポリアルキレンオキシドは、リンカー、例えばWO2008/034123に記載の切断可能なリンカーを介して本発明のオリゴマーと結合しうる。
例として、以下のコンジュゲート部分は、本発明のコンジュゲートに用いられうる:
Figure 2014533099
活性化オリゴマー
本明細書に用いられる、用語「活性化オリゴマー」は、1種または複数のコンジュゲートした部分、すなわち、核酸またはモノマーその物ではない部分にオリゴマーが共有結合し、本明細書に記載のコンジュゲートを形成することを可能にする、少なくとも1つの官能基に共有結合する(すなわち、官能化する)本発明のオリゴマーを示す。典型的には、官能基は、例えば、3’−ヒドロキシル基またはアデニン塩基の環外NH基を介してオリゴマーと共有結合しうる化学基、好ましくは親水性であるスペーサーおよびコンジュゲートした部分と結合しうる末端基(例えば、アミノ、スルフヒドリルまたはヒドロキシル基)を含む。いくつかの実施態様において、該末端基は、保護されていない、例えば、NH基である。他の実施態様において、末端基は、例えば、任意の適当な保護基、例えば、Theodora W Greene and Peter G M Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」,第3版(John Wiley & Sons,1999)に記載のものによって保護されている。適当なヒドロキシル保護基の例として、エステル、例えば酢酸エステル、アラルキル基、例えばベンジル、ジフェニルメチル、またはトリフェニルメチル、およびテトラヒドロピラニルが挙げられる。適当なアミノ保護基の例として、ベンジル、アルファ−メチルベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、およびアシル基、例えばトリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルが挙げられる。いくつかの実施態様において、官能基は、自己開裂する。他の実施態様において、官能基は、生分解性である。例えば、米国特許番号第7,087,229号(その全体は本明細書によって引用される)を参照。
いくつかの実施態様において、本発明のオリゴマーは、コンジュゲートした部分をオリゴマーの5’末端に共有結合させるために5’末端で官能化される。他の実施態様において、本発明のオリゴマーは、3’末端で官能化されうる。また他の実施態様において、本発明のオリゴマーは、骨格に沿ってまたは複素環塩基部分で官能化されうる。さらに他の実施態様において、本発明のオリゴマーは、5’末端、3’末端、骨格または塩基から独立して選択される1以上の位置で官能化されうる。
いくつかの実施態様において、本発明の活性化オリゴマーは、合成中に官能基と共有結合する1またはそれ以上のモノマーを組み込むことによって合成される。他の実施態様において、本発明の活性化オリゴマーは官能化されていないモノマーと合成され、該オリゴマーは合成終了すると官能化される。いくつかの実施態様において、オリゴマーは、アミノアルキルリンカーを含有するヒンダートエステルと官能化され、ここで、アルキル部は式(CH(式中:wは、1〜10の範囲の、好ましくは約6の整数である)を有し、アルキルアミノ基のアルキル部は直鎖または分枝鎖であってもよく、官能基はエステル基(−O−C(O)−(CHNH)を介してオリゴマーに結合する。
他の実施態様において、オリゴマーは、(CH−スルフヒドリル(SH)リンカー(式中:wは、1〜10の範囲の、好ましくは約6の整数である)を含有するヒンダートエステルと官能化され、ここで、アルキルアミノ基のアルキル部は直鎖または分枝鎖であってもよく、官能基はエステル基(−O−C(O)−(CHSH)を介してオリゴマーに結合する。
いくつかの実施態様において、スルフヒドリル活性化オリゴヌクレオチドは、(ジスルフィド結合を形成して)ポリマー部分、例えばポリエチレングリコールまたはペプチドとコンジュゲートされる。
上記のヒンダートエステルを含有する活性化オリゴマーは、当該分野にて周知の任意の方法によって、特にPCT公開番号WO2008/034122およびその中の実施例(その全内容は本明細書によって引用される)に記載の方法によって合成されうる。
また他の実施態様において、本発明のオリゴマーは、米国特許番号第4,962,029号および第4,914,210号に記載の実質的な官能化試薬、すなわち、保護または非保護スルフヒドリル、アミノまたはヒドロキシル基を含む反対の末端に親水性スペーサー鎖を介して結合する一方の末端にホスホルアミダイトを有する実質的な直鎖試薬(substantially linear reagent)によってオリゴマーにスルフヒドリル、アミノまたはヒドロキシル基を導入することによって官能化される。かかる試薬は、最初に、オリゴマーのヒドロキシル基と反応する。いくつかの実施態様において、かかる活性化オリゴマーは、オリゴマーの5’−ヒドロキシル基と結合する官能化試薬を有する。他の実施態様において、活性化オリゴマーは、3’−ヒドロキシル基と結合する官能化試薬を有する。また他の実施態様において、本発明の活性化オリゴマーは、オリゴマーの骨格上のヒドロキシル基と結合する官能化試薬を有する。またさらなる実施態様において、本発明のオリゴマーは、米国特許第4,962,029号および第4,914,210号(その全内容は本明細書によって引用される)に記載の1種以上の官能化試薬で官能化される。かかる官能化試薬を合成し、それらをモノマーまたはオリゴマーに組み込む方法は、米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に記載されている。
いくつかの実施態様において、固相結合オリゴマーの5’末端は、ジエニルホスホルアミダイト誘導体と官能化し、次いで、例えば、ディールス・アルダー付加環化反応を介してアミノ酸またはペプチドと脱保護オリゴマーとがコンジュゲートする。
種々の実施態様において、オリゴマーへの2’−糖修飾、例えば2’−カルバメート置換糖または2’−(O−ペンチル−N−フタルイミド)−デオキシリボース糖を含有するモノマーの導入は、オリゴマーの糖へのコンジュゲートした部分の共有結合を促進する。他の実施態様において、1種またはそれ以上の2’位にアミノ含有リンカーを有するオリゴマーは、例えば、5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(e−フタルイミジルアミノペンチル)−2’−デオキシアデノシン−3’−N,N−ジイソプロピル−シアノエトキシ ホルホルアミダイトなどの試薬を用いて調製される。例えば、Manoharan,et al.,Tetrahedron Letters,1991,34,7171を参照。
またさらなる実施態様において、本発明のオリゴマーは、核酸塩基(N6プリンアミノ基、グアニンの環外N2、またはシトシンのN4もしくは5位を含む)上にアミン含有官能基を有しうる。種々の実施態様において、かかる官能化は、オリゴマー合成においてすでに官能化されている市販の試薬を用いて達成されうる。
いくつかの官能基は、商業的に入手可能である、例えば、ヘテロ二機能性およびホモ二機能性結合部分は、Pierce Co.(Rockford,Ill.)から入手可能である。いくつかの実施態様において、他の商業的に入手可能な結合基は、5’−アミノ−修飾因子C6および3’−アミノ−修飾因子試薬であり、両方ともGlen Research Corporation(Sterling,Va.)から入手可能である。5’−アミノ−修飾因子C6はまた、アミノリンク−2としてABI(Applied Biosystems Inc.,Foster City,Calif.)から入手可能であり、3’−アミノ−修飾因子はまた、Clontech Laboratories Inc.(Palo Alto,Calif.)から入手可能である。
組成物
本発明のオリゴマーは、医薬製剤および組成物に用いられうる。適当には、かかる組成物は、医薬的に許容される希釈剤、担体、塩またはアジュバントを含む。PCT/DK2006/000512は、適当なおよび好ましい医薬的に許容される希釈剤、担体およびアジュバントを提供する−それは、本明細書によって引用される。適当な投与量、製剤、投与経路、組成物、剤形、他の治療剤との組合せ剤、プロドラッグ製剤はまた、PCT/DK2006/000512にて提供される−それはまた、本明細書によって引用される。
実施態様
1.対象におけるC型肝炎感染症(HCV)の治療方法であって、HCVに感染した対象にmiR−122阻害剤、例えばミクロRNA−122のアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤、例えばミラビルセンを投与することを含み、該対象が、正常な肝機能を示す、前記治療前の血清バイオマーカーを有する、方法。
2.血清バイオマーカーが、miR−122、ガンマGT、AST、ALT、およびAST/ALTの1種またはそれ以上からなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
3.血清バイオマーカーが、血清miR−122を含む、実施態様1〜2のいずれか1つに記載の方法。
4.血清miR−122のレベルが、正常上限値を下回る、実施態様3記載の方法。
5.血清バイオマーカーが、血清ALTを含む、実施態様1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.血清ALTが、正常上限値を下回る、実施態様5記載の方法。
7.血清バイオマーカーが、血清ASTを含む、実施態様1〜6のいずれか1つに記載の方法。
8.血清ASTが、正常上限値をかなり下回る、実施態様7に記載の方法。
9.血清バイオマーカーが、血清GGTを含む、実施態様1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.血清ガンマGTが、正常上限値を下回る、実施態様9記載の方法。
11.血清バイオマーカーが、血清AST/ALT比を含む、実施態様1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.AST/ALT比が1未満である、実施態様11記載の方法。
13.対象が、治療を受けていない、および/または、無症状である、および/または、過去3年以内にHCVと診断されている、実施態様1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14.ALTの血清レベルおよびASTの血清レベルが、正常上限値を下回る、実施態様1〜13のいずれか1つに記載の方法。
15.ALTの血清レベルおよびmiR−122の血清レベルが、正常上限値を下回る、実施態様1〜13のいずれか1つに記載の方法。
16.ASTの血清レベルおよびmiR−122の血清レベルが、正常上限値を下回る、実施態様1〜13のいずれか1つに記載の方法。
17.GGTの血清レベルおよびmiR−122の血清レベルが、正常上限値を下回る、実施態様1〜13のいずれか1つに記載の方法。
18.ミクロRNA−122阻害剤を用いて、HCV感染症に感染したヒト対象の治療の適合性を決定する予測方法であって、
i)HCVに感染したヒト対象から血液サンプルを得る工程
ii)血清サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
iii)所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと対照サンプルまたは対照値とを比較する工程を含み、該対象が、ミクロRNA−122阻害剤でのHCV感染症の治療に適している可能性があるかまたはそれに適している(すなわち、適当なmiR−122阻害剤レスポンダー)かどうかを決定する、方法。
19.ミクロRNA−122阻害剤が、オリゴヌクレオチド全体を通して、ミクロRNA−122またはその部分配列に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドである、実施態様18記載の方法。
20.HCVに感染した対象が、治療を受けていない、および/または、無症状である、および/または、過去3年以内にHCVと診断されている、実施態様18または19記載の方法。
21.少なくとも1種のバイオマーカーが、HCV感染症の治療に対する反応性で識別される、実施態様18〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.少なくとも1種のバイオマーカーが、肝機能バイオマーカーである、実施態様21記載の方法。
23.少なくとも1種のバイオマーカーが、血清ミクロRNA、ガンマGT、AST、およびALTからなる群から選択される、実施態様18〜21のいずれか1つに記載の方法。
24.少なくとも1種のバイオマーカーが、ミクロRNA、例えば肝臓で発現したミクロRNAである、実施態様18〜22のいずれか1つに記載の方法。
25.ミクロRNAが、ミクロRNA−122またはその前駆体である、実施態様24記載の方法。
26.ミクロRNAが、成熟miR−122である、実施態様25記載の方法。
27.ミクロRNAバイオマーカーレベルが、血清サンプル中の少なくとも1種の対照ミクロRNA、例えば血清レベルが一定であるミクロRNAのレベルと比較される、実施態様18〜26のいずれか1つに記載の方法。
28.対照ミクロRNAが、1つまたはそれ以上の、miR−17、miR−18a、miR−345、およびmiR−16からなる群から選択される、実施態様27記載の方法。
29.少なくとも1種のバイオマーカーが、肝機能バイオマーカー、例えば肝酵素である、実施態様18〜28のいずれか1つに記載の方法。
30.肝酵素が、ASAT、ALAT、およびGGTからなる群から選択される、実施態様29記載の方法。
31.少なくとも2種の肝酵素バイオマーカーレベルが測定される、実施態様29または30記載の方法。
32.少なくとも2、3、または4種のバイオマーカーレベルが測定される、実施態様18〜31のいずれか1つに記載の方法。
33.少なくとも2種の肝酵素バイオマーカーレベルならびに少なくとも1種のミクロRNAバイオマーカーレベルが測定される、実施態様18〜33のいずれか1つに記載の方法。
34.ミクロRNAバイオマーカーがmiR−122である、実施態様33記載の方法。
35.少なくとも2種の肝酵素バイオマーカーが、ASAT、ALAT、およびガンマGTからなる群から選択される、実施態様33または34記載の方法。
36.血液サンプル中のALATおよび/またはmiR122および/またはGGTのレベルを測定する工程を含み、ALATおよび/またはmiR−122、ALATおよび/またはGGT、またはALATおよびmiR−122および/またはGGTの上昇が、miR−122阻害剤での治療に適していない対象を示す、実施態様35記載の方法。
37.血液サンプル中のALATおよび/またはmiR122および/またはGGTのレベルを測定する工程を含み、ALATおよび/またはmiR−122、ALATおよび/またはGGT、またはALATおよびmiR−122および/またはGGTの上昇なしが、miR−122阻害剤での治療に適している対象([適当な]レスポンダー)を示す、実施態様35または36記載の方法。
38.対照サンプルまたは対照値が、HCVに感染していない1またはそれ以上の対象から得られる、例えば、比較HCV感染していない健常集団からの平均値である、実施態様18〜37のいずれか1つに記載の方法。
39.HCVの治療方法であって、実施態様18〜38のいずれか1つに記載の方法を含み、さらに前記対象、例えば適当なレスポンダーと同定された対象に前記miR−122阻害剤を投与する工程を含む、方法。
40.HCVに感染したヒト対象におけるHCVの治療に用いるためのmiR−122阻害剤であって、例えば実施態様18〜38のいずれか1つに記載の方法によって、miR−122阻害剤に対するレスポンダーとしてすでに同定されている対象に使用する、miR−122阻害剤。
41.上記方法にて用いるための予測キットであって、ヒトmiR−122の定量化アッセイ、および少なくとも1種のさらなるバイオマーカーの少なくとも1種のさらなる定量化アッセイを含む、キット。
42.HCV感染症を患う対象への投与のための、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンの適当な有効量を決定する方法であって、
i)対象から血液サンプルを得る工程
ii)血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
iii)所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと1つまたはそれ以上の対照サンプルまたは対照値とを比較する工程を含み、HCV感染症を軽減するために対象に投与するためのミクロRNA−122阻害剤の適当な有効量を決定する、方法。
43.HCV治療薬、例えばミクロRNA−122阻害剤のコンパニオン診断として用いるための、肝特異的ミクロRNA、例えばミクロRNA−122の検出プローブ。
44.HCV治療剤での治療のための、(例えば、慢性)HCVの治療を必要とする対象の適合性を決定するための予測アッセイに用いられる、実施態様43記載の検出プローブ。
45.血清中肝特異的ミクロRNAレベルが、治療対象の適合性と逆相関している、実施態様43または44記載の検出プローブ。
(実施例)
トランスアミナーゼバイオマーカーアッセイ:
ALTを測定するために用いられるバイオマーカープロトコールは、Advia Chemistry Systems ALTアッセイ(03903166 Rev.B 2007−05)であった;ALTを測定するためのプロトコールは、Advia Chemistry Systems ALTアッセイ(03815151 Rev.B 2007−05)であり、GGTを測定するためのプロトコールは、Advia Chemistry Systems ALTアッセイ(04130756 Rev.B 2007−05)であった。
ミクロRNAを、ABIのTaqmanアッセイを用いて検出した。ミクロRNAの別の供給業者の例は、本明細書の他の部分で提供され、例えば、Exiqon A/S mercury LNA(登録商標)試薬が含まれる。
実施例1:ミラビルセンでの治療に対するウイルス学的反応の等級付け
慢性HCV遺伝子型1感染症を患う36人の治療を受けていない患者を用いて、ランダム化二重盲検プラセボ対照漸増反復投与フェーズ2a試験を実施した。患者を、3つのコホートの1つに順に分類した(1コホート当たり9の活性剤:3のプラセボ)。ミラビルセンを、コホート1では3mg/kgで、コホート2では5mg/kgで、そして、コホート3では7mg/kgの用量で、29日にわたって毎週皮下注射した(合計で5回注射した)。
試験中の全患者から、血液を治療開始前に2回サンプリングした:試験への参加に対する適合性を評価するためのスクリーニング訪問時、および最初の治療投与直前の基準時。治療開始後、最初の治療投与後第18週まで、毎週サンプリングした。
血清を各サンプルから単離し、HCVウイルス価を、サンプル中のqRT−PCRを用いてHCV RNAレベルを評価することによって定量化した。
各患者におけるミラビルセンでの治療に対する反応は、0〜4のスコアで等級付けされた。該グレードは、基準値と比較して、HCV RNAにおける最大対数(底は10)減少に基づいて付与される。
具体的には、
(i) グレード0:1未満の対数減少、
(ii) グレード1:1以上であって、2未満の対数減少、
(iii)グレード2:2以上であって、3未満の対数減少、
(iv) グレード3:3以上であって、4未満の対数減少、
(v) グレード4:4以上の対数減少。
一部の患者は、全18週の試験期間を終了せずに、様々な理由により早期に試験を終了した。さらに、コホート3では、現時点で全ての患者が第18週に達していなかった。所定の患者の反応グレードは、その患者の全試験期間中に観測された最大反応に基づくことから、本発明者らは異なる試験期間が反応グレードにバイアスをかけるかどうかを確認した。該目的のために、本発明者らは、反応グレートと試験期間(すなわち、終了した週数)間にそのような関連性があるかどうかを評価した。図1は、終了した週数に応じた反応グレードの箱ひげ図を示す。
図1から明らかなように、反応グレードと試験期間の間には関連性がない。これは、グレードが、一部の患者について18週より短い試験期間によってバイアスがかからないことを立証している。
FDA抗ウイルス薬諮問委員会は、12週でHCV RNAの<1のlog10減少を伴う患者として慢性C型肝炎感染症の治療に対するヌルレスポンダーを定義する(Sherman et al.,2007 Hepatology Vol.46 No.6)。同様に、部分レスポンダーは、12週でHCV RNAの>1だが<2のlog10減少として定義される。したがって、比較すると、本明細書で定義されるグレード0はヌルレスポンダーの一部であり、グレード1は部分レスポンダーの一部である。
実施例2:ミラビルセン投与レベルへの反応グレード依存性
次に、本発明者らは、実施例1に示される単純な5段階の等級付けによって定量化されるミラビルセンでの治療に対するウイルス学的反応が、化合物の用量レベルに依存しうると仮定した。
したがって、フェーズ2a試験(実施例1)に用いられる3つの用量レベルについて、本発明者らは、反応グレードと用量レベル間に関連性があるかどうかを評価した。
各反応グレードについて、用量レベルごとの患者数を図2Aに示す。低級グレード(0および1)では、3mg/kgの用量レベルが大きな比率を占める。対照的に、高級グレード(3および4)では、3mg/kgの用量レベルは存在していない。5および7mg/kgの用量レベルを比較しても、明確な差はない。フィッシャーの直接確立検定を利用するこれらのデータの統計的分析は、5および7mg/kgの用量レベル間の反応グレードに有意差がないことを裏付ける(P=0.78)。本発明者らが、5および7mg/kgの用量レベルをプールし、これを3mg/kg投与と比較する場合、反応グレードの分布は、境界有意差である(P=0.09)。
治療投与量の関数としての反応グレードの分布はまた、図2Bの分割表として示される。ここで、各反応−治療投与量の組み合わせにおいて患者が十分になるように、反応グレードを0および1対2、3および4に分類し、治療投与量を3mg/kg対5および7mg/kgに分類する。明らかなように、ほとんどの高級反応グレード(2、3および4)は、高治療用量(5および7mg/kg)で達成される。治療用量と反応グレードとのこの関連性は、統計的に有意である(フィッシャーの直接確立検定によるP<0.05)。
両方のアプローチは、3mg/kgの低量で投与された少なくともいくつかの低レスポンダー(グレード0)が、高濃度のミラビルセンが投与された場合に、反応を示したかもしれないことを意味する。したがって、本発明者らは、グレード0の5または7mg/kgで投与された3人の患者(図2Aを参照)が、ミラビルセンでの療法にほとんど反応しない患者を最も明確に示すと結論付ける。
実施例3:スクリーニング時および基準時のHCV患者の血清サンプル中のバイオマーカーの測定
実施例1に記載のフェーズ2a臨床試験に参加する全ての患者は、(試験の参加/除外を評価するための)スクリーニング時および(最初の治療投与前の)基準時に採血した。所定の患者についてスクリーニング時と基準時のサンプリングの間に6〜34日あった、その差は、平均20+/−6日であった。
各サンプルについて、40種の異なるオブザーバブルを評価した。これらには、バイオマーカー測定および機能試験が含まれ、そして、Asuragen(Austin,Texas,USA)によって行われたミクロRNA定量化を除いて、2つの臨床化学室で行われた、表1を参照。
Figure 2014533099
Figure 2014533099
臨床化学実験室測定は、別の部分に記載されるように行われた。
基準時の血清サンプルのみにおいて、ミクロRNA測定が行われた。簡潔に言えば、RNAを、Asuragen’s Pharmacogenomics Services Groupによって確立された抽出方法を用いて、各血清サンプルから抽出した。各RNAサンプルにおいて、miR−122、miR−17、およびmiR−18aのレベルをqRT−PCRによって測定した。これらの測定は、TaqMan Small RNAアッセイ(Applied Biosystems;Foster City,CA,USA)を用いて、2段階RT−PCR製法として行われた。第1段階は、成熟miRNA/RT−プライマーキメラ単位複製配列を生成する、標的特異的ステム−ループ逆転写酵素プライマーを用いて全RNAからのcDNA合成に関する。第2段階では、該単位複製配列を単位複製配列特異的順方向および逆方向プライマーを用いて標準TaqManリアルタイムPCRアッセイで増幅した。プライマーに加えて、蛍光標識された単位複製配列特異的TaqManプローブは、PCRが進むにつれて、単位複製配列の量の増加をモニターするために用いられた。TaqManプローブからの蛍光シグナルが、Ct値として定義される、ノイズを上回る閾値を超える、サイクル数は、サンプル中のcDNAの初期濃度の測定値として用いられる(Ct値が低くなるほど、少ないサイクルはノイズを上回るシグナルを増幅する必要があり、そして、多くの開始cDNA物質が存在しなくてはならない)。独立した試験において、本発明者らは、HCV感染患者と健常なコントロール対象の間で安定に発現される、miR−17およびmiR−18aを同定した。したがって、本発明者らは、miR−17およびmiR−18aのCt値を平均し(miR−17およびmiR−18aの平均Ct値)、該平均値からmiR−122のCt値を減算した。これは、全ての血清サンプルを比較できるmiR−122のdCt、dCt(miR−122)=(Ct(miR−17)+Ct(miR−18a))/2−Ct(miR−122)を立証する。具体的には、dCt値が大きくなるほど、サンプル中のmiR−122の発現が大きくなる。
経時的にロバスト性を評価するために、各サンプルにおける各オブザーバブルについて、本発明者らは、スクリーニング時と基準時の測定値の間の関連性を評価した。具体的には、各オブザーバブルについて、本発明者らは、患者のスクリーニング時と基準時の測定値の間の相関性を算出した。結果を表2の最初の2列に示す。明らかなように、20種のオブザーバブルは、スクリーニング時と基準時の測定値の間に強力かつ有意な相関性を示し(r≧0.7、P<0.0001)、6種のオブザーバブルは弱い相関性を示すかまたは相関性を示さない(r<0.4、P>0.01)。
表2.スクリーニング時および基準時の測定値の比較。スクリーニング時および基準時の両方で全ての患者において測定された33種のオブザーバブルについて、2つの比較値が記載されている。第1列および第2列では、患者のスクリーニング値と基準値を比較する場合の各オブザーバブルの相関係数およびその関連有意性が示されている(スピアマンの順位相関検定)。第3列では、スクリーニング時および基準時の平均値の差を評価する場合の有意差が示されている(ウィルコクソンの符号付き順位検定)。
相関関係に加えて、本発明者らは、基準時およびスクリーニング時に測定された値の全体的な変化を評価した。そのような値の変化の有意性は、表2の第3列に記載されている。ヘマトクリット値、ヘモグロビン、およびカルシウムのみ(境界有意性)が、有意な値の全変化を示すとして判断される(P<0.005)。
Figure 2014533099
実施例4:オブザーバブルの基準レベルとミラビルセンの反応グレード間の関連性の同定
本発明者らは、2つのアプローチ:ウィルコクソンの順位和検定によって評価される、低レスポンダー(グレード0)とその他(グレード1−4)の間の平均測定レベルの有意差、または、スピアマンの順位相関検定によって評価される、測定レベルおよび反応グレード間の有意な相関関係のいずれかを用いて、オブザーバブルの基準レベル(実施例3を参照)とミラビルセンでの治療に対する反応(実施例1を参照)間の関連性を同定した。
低量群のグレード0レスポンダーの一部が、高用量で投与された場合に、より高いグレードの反応を示すかもしれないけれども、本解析では全3つのコホートからの患者が参加する(実施例2を参照)。
基本データを有する40種のオブザーバブルのうち、順位和検定および/または順位相関検定によって評価される反応グレードと最も有意に関連し、また、スクリーニング値と基準値間で高い一致率(r>0.8、実施例3を参照)を示した4つは、miR−122、GGT、ALAT、およびASATであった、図3および表3を参照。
Figure 2014533099
これらの4種のオブザーバブルは全て、肝機能または肝疾患/障害の血清バイオマーカーとして報告されている(ALAT、ASAT、およびGGTについては、周知であり、miR−122については、Bihrer et al.,2011,Am.J.Gastroenterol,Vol.106,No.6を参照)。
PTもまた、反応と有意な相関関係を有するものとして同定された(表3)。
さらに、測定された全てのオブザーバブルについて、本発明者らは、ペアワイズ相関を算出した。これにより、本発明者らは、オブザーバブル間の正の相関関係の程度に基づき、オブザーバブルをクラスター化する、下図4を参照。明らかなように、miR−122、GGT(ガンマGT)、ALAT、およびASATは、緩やかなペアワイズ相関(平均ペアワイズ相関r=0.46)のために一緒にクラスター化する。
実施例5:予測分類器の構築
実施例4において、本発明者らは、(a)肝機能のパラメータ、特に各オブザーバブル、ALAT、ASAT、GGT、およびmiR−122のレベルとミラビルセンの治療反応グレード間の有意な関連性を同定した。さらに、本発明者らは、(b)これらの4種のバイオマーカーが、非常に漠然だが互いに相関していることを示した。最終的に、実施例3では、本発明者らは、(c)ALAT、ASAT、GGTについて、スクリーニング時間の測定も利用可能であった場合に、ほとんどの患者において、スクリーニング時および基準時の測定は非常に同様であったことを示した。これら3つの特性、(a)有意性、(b)独立性、および(c)ロバスト性は、反応グレードの正確な予測を構築するための1またはそれ以上のこれらのオブザーバブルの有用性を研究する気にさせた。
本発明者らの予測方法は、決定木(Duda,Hart,and Stork,Pattern Classification,Wiley−Interscience;第2版,2000)、具体的には二分決定木として周知の分類アルゴリズムによって構築される。
二分決定木は、聞かれた質問が、現在の質問に対する回答、はいまたはいいえのいずれかによって決定する、一連の質問、または決定として理解されうる。かかる一連の決定は、他のノードを導く枝(回答)で結ばれたノード(質問)からなる木のような構造に示されうる。慣習により、最初のノード(最初の質問)は、木が逆さまになるように、先端に示される。
本ケースでは、ALAT、ASAT、GGT、およびmiR−122が測定された所定のサンプルについて、二分決定木による分類は、各質問が、1種またはそれ以上のこれらのオブザーバブルが特定のカットオフ値と同じであるかまたは上方にあるかどうかを評価する場合に、一連の質問として進行する。該スキームは、病理学者の検査プロセスに類似しており、ここで、サンプルは、一連の鑑別診断検査を介してだんだん細分化された亜集団に付与される。具体例は、図5に示される。
図5の木構造の論理的根拠は、図6に示される。図6Aでは、ミラビルセンで治療した全ての患者のALATおよびASAT測定値(正常上限値に対して表される、実施例3を参照)を、互いにプロットするALAT<1およびASAT<1(図6Aの破線)の全ての患者は、治療効果を示した(反応グレード>0)。該所見は、図5の最初の質問(ルートノード)によって得られる。図6Bでは、ALAT<1およびASAT<1でなかった13の患者のみが示される。これらの患者について、miR−122およびGGT測定値を互いにプロットする。miR−122<2.82およびGGT<4.87(図6Bの破線)について、残りの患者は、ミラビルセンで治療効果を示すものと治療効果を示さないものに完全に分類される。該所見は、図5の第2の質問で得られる。
該分類モデルは、ミラビルセンでの治療効果が低いかまたは全くない患者は、肝機能障害または肝臓障害がある:正常上限値に比べて、ALATおよび/またはASATのレベルが上昇し、そして、正常上限値に比べて、miR−122および/またはGGTのレベルが非常に上昇したことを示す。
実施例6:分類器の学習および検定
次に、決定木を作製または「拡大」するために学習データを使用する事項について検討する。任意の決定木は、サンプルをますます小さなサブセットに徐々に分類する。理想的には、各サブセットは、最終的に、同一ラベル(例えば、グレード0)が付与されたサンプルのみを含有すべきである。また、好ましくは、1個のみまたは数個のサブセットは、所定のラベルを有するサンプルを含有すべきである。最終的に、本発明者らは、データを説明する最も単純なモデルが、一般的に、好ましいモデルであるという一般的所見に照らして、単純でコンパクトな木を選択した。
分類後のサブグループにおける単一ラベル「純度」を最適化する複数の異なる数学的測定が提案されている(Duda,Hart,and Stork,Pattern Classification,Wiley−Interscience;第2版,2000)。1つの例は、分散不純物測定i(N)=P(式中:Pは、ラベルjを有するノードNのサンプルの関数である)である。該測定を用いて、分類後の不純物の降下、Δi(N)を最大にする所定のカットオフ値のオブザーバブルは、勾配降下アルゴリズムを組み合わせて包括的な検索によって見出されうる。ここで、不純物の降下Δi(N)は、Δi(N)=i(N)−Pi(N)−(1−P)i(N)と定義され、ここで、NおよびNは、左側および右側の派生ノードであり、i(N)およびi(N)は、それらの不純物であり、所定のオブザーバブルおよびカットオフ値が用いられる場合にNに移行するノードNのパターンの画分である。
学習データが、分類器が検定時に直面する全てのバイオマーカー測定を示す場合に、かかる測定は最もよく機能する。実際に、これは、学習データ中の患者数が、木の構造およびカットオフ値に大きな影響を与えることなく、学習データ中の一部の患者、約5〜10%を除くことができるように十分に多い必要があることを意味する。そのため、そのような学習した木は、ロバスト性であると言われている。
そのような確実に学習した分類器の予測能力(正確性、特異性、感受性など)の不偏推定値は、患者の独立した新しいセット、試験データを用いて構築されうる。最も重要なことは、試験データは、分類器を学習する任意の方法で用いられてはいけない。
本明細書に記載の方法によって確実に学習した木に含まれるバイオマーカーならびに同定されたカットオフ値は、分類器を患者の独立した試験セットに適用して高い精度を達成する場合に、一般的に予測可能であると認められうる。

Claims (15)

  1. ミクロRNA−122阻害剤でのHCV感染症に感染したヒト対象の治療の適合性を決定するための予測方法であって、
    a.HCVに感染したヒト対象から血液サンプルを得る工程
    b.血清サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
    c.所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと1またはそれ以上の対照サンプルまたは対照値を比較する工程を含み、該対象が、ミクロRNA−122阻害剤でのHCV感染症の治療に適している可能性があるかまたはそれに適している(すなわち、適当なmiR−122阻害剤レスポンダー)かどうかを決定する、方法。
  2. ミクロRNA−122阻害剤が、オリゴヌクレオチド全体を通して、ミクロRNA−122またはその部分配列に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1記載の方法。
  3. HCVに感染した対象が、治療を受けていない、および/または、無症状である、および/または、過去3年以内にHCVと診断されている、請求項1または2記載の方法。
  4. 少なくとも1種のバイオマーカーが、HCV感染症の治療に対する反応性で識別される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも1種のバイオマーカーが、肝機能バイオマーカーである、請求項4記載の方法。
  6. 少なくとも1種のバイオマーカーが、血清ミクロRNA、ガンマGT、AST、およびALTからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも1種のバイオマーカーが、ミクロRNA,例えば肝臓で発現したミクロRNAである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ミクロRNAがミクロRNA−122である、請求項7記載の方法。
  9. 少なくとも1種のバイオマーカーが、肝機能バイオマーカー、例えば肝酵素である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 肝酵素が、ASAT、ALAT、およびGGTからなる群から選択される、請求項9記載の方法。
  11. 少なくとも2種の肝酵素バイオマーカーレベルが測定される、請求項9または10記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法に用いるための予測キットであって、ヒトmiR−122の定量化アッセイ、および少なくとも1種のさらなるバイオマーカーの少なくとも1種のさらなる定量化アッセイを含む、キット。
  13. HCV感染症を患う対象への投与のための、miR−122阻害剤、例えばミラビルセンの適当な有効量を決定する方法であって、
    i)対象から血液サンプルを得る工程
    ii)血液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーレベルを測定する工程
    iii)所望により、少なくとも1種のバイオマーカーレベルと1またはそれ以上の対照サンプルまたは対照値を比較する工程を含み、HCV感染症を軽減するために対象への投与のミクロRNA−122阻害剤の適当な有効量を決定する、方法。
  14. HCV治療剤、例えばミクロRNA−122阻害剤のコンパニオン診断として用いるための、肝特異的ミクロRNA、例えばミクロRNA−122の検出プローブ。
  15. 該プローブが、HCV治療剤での治療に対する、(例えば、慢性)HCVの治療を必要とする対象の適合性を決定するための予測方法にて用いるためのものである、請求項14記載の検出プローブ。
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