JP2014531046A - 疾病バイオマーカーの同定及び試料品質の評価のための好ましい試料操作及び加工プロトコルの選択 - Google Patents

疾病バイオマーカーの同定及び試料品質の評価のための好ましい試料操作及び加工プロトコルの選択 Download PDF

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Abstract

本発明は、改良された品質の生物学的試料を得るための方法に関する。これは、試料収集、操作及び加工における変動のために変更された生物学的な試料中のマーカー又はタンパク質の同定を包含する。これらは、更に、疾病バイオマーカーに対して測定された結果の変動を補正するために有用である。更に、これらは、これらの収集方法が所定のプロトコルどおりでないことが決定された場合、必要に応じて試料又は試料のグループの拒絶を可能にすることができる。当業者にとって有用である他の利点が、本明細書中に記載される。

Description

医学的診断及び薬物開発の分野において、特定の症状又は疾病に関連する可能性のある変化を決定し、そして理解するために、個体からの血液の組成及び他の生物学的試料間の比較が行われる。例えば、バイオマーカーは、ある種の薬物療法に反応する能力、癌のような疾病の存在を示し、或いは治療に対する反応又は器官の機能の変化のような過程をモニターできる。信頼性があり、そして頑強であるとして確立された場合、このようなバイオマーカーの測定値を、臨床的に使用することができる。
バイオマーカーとしての発見のために必要な理想的なバイオマーカーの測定のための、そして更に臨床使用に到達するために重要な特質は、信頼性及び頑強性である。
血液は、損傷又は外来性及び感染性病原体と反応するための強力な細胞並びに体液系を含有する。僅かなチャレンジで、強力なシグナル及び酵素を放出し、血小板の活性化に導き、そして血液の凝固を誘発するために、自然免疫系(補体系及びマクロファージのような細胞)を誘導することができる。これらのシグナルが身体内部の過程に関連する限り、これらは、これらが防御及び修復系に直接関係し、そして疾病に対するマーカーとして役立つので興味深い。然しながら、このような過程のシグナルは、更に、血液試料の調製の影響に対して反応する。単に血管から針を通して血液を抜き出すこと、又は血液を空気中に暴露することでも、これらの機構の意図しない活性化をもたらし得る。例えば、試料の加工段階の時間、遠心速度又は温度を変更することで、血清又は血漿の見掛けの組成が変変化して、生理学的情報が、収集及び加工中に試料に対して与えられた分析前の変動によってマスクされてしまうかもしれない。タンパク質の試料操作の僅かな変更に対するこれらの過程の及びタンパク質の強力な感受性は、バイオマーカーとしてのその使用を、付随する頑強さの欠落によって損なう可能性がある。
現時点で、多変量生物学における研究の努力は、分析前の試料の変動(しばしば“バッチ効果”とよばれる)に強い興味を示している。現時点では、試料の品質を決定することができる範囲は、赤い色は赤い細胞の溶解を示し、そして濁りは高い脂質又は他の汚染物質を示すこと、のような目視的に明白な変化に大部分制約されている。これは、臨床医が、最も強い、そして最も頑強なタンパク質の測定値以外の全てを提出することができるという信頼を制約する。幾つかの複合体及び血清及び血漿標品の変動の非線形効果を記述した研究が、Ostroff,R.et al.(2010)J.Proteomics 73:649−666中に記載されている。ここで提案されるのは、試料調製プロトコル中の変動によって影響されるタンパク質の特定の組の測定値の非線形(対数)変換に基づく、試料調製プロトコルの遵守を決定する特定の技術である。これらの方法から誘導される測定基準は、遵守をモニターし、試料を拒絶し、そして興味ある分析物に補正を行うために使用することができる。これらの技術は、バイオマーカーの研究、臨床診断への適用、バイオバンク試料品質のモニター及び薬物開発において使用される、ヒト又は動物の血液試料の品質の評価において有用である。類似の方法は、尿、脳脊髄液、痰又は組織を含む多くの他の種類の試料に対する試料の完全性を評価するために開発することができる。
Ostroff,R.et al.(2010)J.Proteomics 73:649−666。
本明細書中に記載されるように、バイオマーカーの発見及び臨床的使用を達成するために必要な理想的なバイオマーカー測定に対する重要な特質として挙げられることは、信頼性及び頑強さ(robustness)である。バイオマーカーの信頼性とは、バイオマーカーのシグナルが、健康又は疾病の根底にある生物学(即ち、“偽陽性”マーカーではない)の捕獲において誠実であることを意味する。バイオマーカーの頑強さとは、バイオマーカーが、疾病に罹った個体において、疾病に罹っていない個体に比較して示差的に発現することを示す。真の疾病バイオマーカーの発見の可能性を増加し、そして試料の偏りのための偽陽性の同定の変化を減少するために、試料品質及び一貫性を測定するための方法が必須である。
試料品質を評価するための方法を設計するために、試料操作のパラメーターの意図的操作を伴う多次元のプロテオミクス実験を使用する、血液の血清及び血漿測定における分析前変動の過程及び機構に関する研究を行った。これらの実験において、防御及び修復系の過程に直接関与することが知られたタンパク質に加えて、多くのタンパク質のシグナルが試料調製の人為的現象(アーチファクト)によって影響されることが見いだされた。更に、遺伝子発現、循環するmiRNA及びメタボロミクスのような他のバイオマーカーシグナルが、試料調製の人為的現象によって影響される可能性がある。
血液中に存在して、器官間の連絡、及び代謝的な需要及び供給のその時々の制御のために、感染に対して防御し、血管壁を成長及び修復する、細胞並びに酵素系は複雑である。バイオマーカーアッセイにおける試料操作プロトコルの変動の全ての影響が、如何に仲介されているかを完全に理解することはいまだ可能ではない。然しながら、本発明は、試料操作プロトコルの変動と、収集後に試料に付与される測定可能な変化との相関を記載する。
試料操作の影響に対して比較的影響されない技術も幾つかあると想像されるかもしれないが、そうではない。抗体は血液の血漿及び血清基質の存在下で良好に作用し、そして質量分析はペプチド及び変性タンパク質でさえも測定することができるが、もしも試料中の細胞が溶解している場合、又はもしも血小板が脱顆粒した場合、或いはもしも補体系が活性化された場合、試料が採取された後、分析物濃度の劇的変化が試料中に起こり、そしてどのような“高忠実度”測定技術も、これらを検出する。従って、試料操作の変動の影響の決定のために本明細書中に記載されたものに類似の技術は、多重アッセイフォーマット及びタンパク質以外のバイオマーカーのために有用であることができる。このようなアッセイフォーマットは、異なった点で感受性であり得るが、しかし試料調製の変動に関して、同じ根底にある原因によって影響され得る。
血液操作及び加工の異なった段階の変動は、再現可能な方法で生物学的試料に影響することを示すことができる。各種の試料操作及び加工工程に伴うパラメーターに対するそれぞれのバイオマーカータンパク質測定の感受性は、SOMAmer(登録商標)プロテオミクスアレイを使用して定量化され、そして試料操作過程の変動の複数のマーカーが同定されている。試料操作及び加工の変動は、疾病バイオマーカー測定のために、及び開発された方法のために、同じ多重分析物(multianalyte)測定アッセイ内で定量化され、どの操作/加工マーカーが、そして概略どれくらい影響されているかを決定する。本発明の方法は、更にバイオマーカー発見のための受容可能な試料操作及び加工品質の測定基準に対する制約を設定することを可能にしている。
図1Aは、回転行列の最初の二つの成分のプロットであり、これは、スピン時間及び冷凍時間実験のPCAに対するタンパク質の変動を反映する。細胞虐待試料マーカー変動(SMV)中の分析物を、黒丸で示す。 図1Bは、射影行列のプロットであり、これは、スピン時間及び冷凍時間実験のPCAに対する試料の変動を反映する。スピン時間は、点に対する異なった記号で示されている。第2の成分は、0.5時間から20時間までの点の順序付けを示し、これは、血清細胞虐待SMV中の分析物と同じ方向である。 図2Aは、スピン時間によって階層化されたスピン時間及び冷凍時間の第2のPCA成分の箱髭図である。プロットは、第2の成分が、スピン時間と強力に関係するることを明らかにする。スピン時間が増加した時に、半時間時点からの距離は増加する。 図2Bは、血清細胞虐待SMVが、スピン効果に対して同じ時間を測定することを示す箱髭図である。PCA係数の記号が任意であり;この場合、係数は、半時間時点からの相対的距離と解釈されるべきであることを注記することは重要である。 図3は、部位によって分離された臨床研究に対するPCAの主要成分の箱髭図である。この成分は、部位間の差を明らかにし、収集プロトコルが同一であることを意味したとしても、これらが、試料収集の品質において変化することを示唆する。PCAが、任意に係数の記号を与えるために、係数は、図2A中の計数とは異なって増加する;分析物の変動は、両方のデータの組において同じ方向である。 図4A、4B、及び4Cは、多重収集部位の癌の研究における試料の変動を示す。図4Aは、収集部位によって階層化された細胞虐待SMVにおける事例/対照の差の箱髭図である。 図4Bは、収集部位によって階層化された補体SMVにおける事例/対照の差の箱髭図である。 図4Cは、細胞虐待SMVに対してプロットされた補体SMVを示す。これらのSMVの値に対する受容可能な範囲に対する閾値の例は、点線によって示されている。 図5Aは、回転行列の最初の二つの成分を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対するタンパク質の変動を反映する。細胞虐待SMV中の分析物を、黒丸で示す。 図5Bは、射影行列を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。同じ個体から誘導された試料は、同じ記号で表される。試料は、唯一の例外を伴うそれぞれの個体から単一の試料を有する三つのカラムに整列され;これらのグループは、三つの収集プロトコルを表す。黒丸は、品質条件下で収集された複製内部対照を表す。 図6Aは、試料収集プロトコルによって階層化された標準的なEDTA血漿試験管における第1のPCA成分のSHN実験の箱髭図である。 図6Bは、同じプロトコルで計算された血漿細胞虐待SMVの箱髭図であり、これは、図6Aの第1の主要成分に非常に類似している。 図7は、遠心時間に対して変化する収集法による試料に対する、血漿細胞虐待SMVに対する血漿血小板SMVのプロットである。 図8Aは、回転行列の第2及び第3の成分を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対するタンパク質分布を反映する。これらのタンパク質は、試料収集法には関係しないが、しかし研究の中の10人の個体間の集団の変動である。 図8Bは、射影行列を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。同じ個体からの試料は丸で囲まれ、そして異なった記号が、オス及びメスに与えられる。 図9は、試験の組の試料に対する、血漿の細胞虐待SMVの適用をプロットする。点線は、収集から遠心による血漿分離までの時間が延長された時の血漿の細胞虐待SMVの変化を表す。試験の組は、このSMVに対して受容可能な範囲にあり、そして2時間目における、24時間目頃のより小さい量の、及びこれらの二つの時点間の試料の大部分の、スピン時間の一貫したピークを明らかにする。 図10Aは、回転行列の最初の二つの成分を示し、これは、剪断実験におけるPCAに対するタンパク質の変化を反映する。プロットは、変動の二つの主要な方向、血漿及び剪断(細胞虐待)に対する血清を明らかにする。 図10Bは、射影行列の最初の二つの成分を示し、これは、剪断実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。プロットは、変動の二つの主要な方向、血漿及び剪断(細胞虐待)に対する血清を明らかにする。それぞれの試料は、それが剪断された回数で標識されている。 図11Aは、剪断(細胞虐待)の量に対する血清の細胞虐待SMVスコアを示し、これは、血清試料を針を通して多数回通過させることによって達成された。このプロットは、細胞虐待の量が増加する時の、測定された細胞虐待の増加を示す。 図11Bは、剪断(細胞虐待)の量に対する血漿の細胞虐待SMVスコアを示し、これは、血清試料を針を通して多数回通過させることによって達成される。このプロットは、細胞虐待の量が増加する時の、測定された細胞虐待の増加を示す。 図12Aは、回転行列の最初の二つの成分を示し、これは、TRAP活性化実験におけるPCAに対するタンパク質の変動を反映する。プロットは、スピン時間及び血小板活性化の二つの主要な方向を明らかにする。 図12Bは、射影行列の最初の二つの成分を示し、これは、TRAP活性化実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。プロットは、スピン時間及び血小板活性化の変動の二つの主要な方向を明らかにする。 図13は、TRAP処理試料及び対照に対する時間表示のスピン時間に対する血漿の血小板SMVの散布図を示す。TRAP処理試料は、測定された血小板活性化の一定の高いレベルを有する。非処理の対照は、測定された初期の血小板活性化の低いレベルを有し、これは、スピン時間と共に増加する。 図14は、血漿の細胞虐待SMVスコア及び血小板活性化における冷凍後のハードスピンの影響を示す。 図14は、血漿の細胞虐待SMVスコア及び血小板活性化における冷凍後のハードスピンの影響を示す。
本発明の代表的な態様の詳細について、ここに言及がなされるものである。本発明は、列挙される態様に関して記載されるものであるが、本発明が、これらの態様に制約されることを意図されていないことは理解されるものである。反対に、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるとおりの本発明の範囲内に含めることができる全ての代替、改良、及び等価物を包含することは意図されている。
当業者は、本明細書中に記載されるものと類似の又は等価の、多くの方法及び物質は、使用することができ、そして本発明の実施の範囲内であることを認識するものである。本発明は、記載される方法及び物質に、如何なる方法ででも制約されるものではない。
他に定義されない限り、本明細書中で使用される技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者によって共通に理解されるとおりの同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似の又は等価ないずれもの方法、デバイス、及び物質を、本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法、デバイス及び物質がここに記載される。
本出願中に引用される全ての刊行物、公開された特許文書、及び特許出願は、本出願が関係する当技術の技能のレベルを示している。本出願中に引用される全ての刊行物、公開された特許文書、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、公開された特許文書、又は特許出願が、参考文献として具体的に、そして個々に示されることによって援用されるように、同程度に本明細書中に援用される。
付属する特許請求の範囲を含み、本出願中で使用される場合、単数の形態“一つ”、“一つの”又は“その”は、文脈が明確に他を示さない限り複数の言及を含み、そして“少なくとも一つ”及び“一つ又はそれより多く”と互換的に使用される。従って、“一つのアプタマー”への言及は、複数のアプタマーの混合物を含み、“一つのプローブ”への言及は、プローブの混合物を含む、等である。
本明細書中で使用される場合、用語“約”は、数値が関係する項目の基本的機能が変化しないような、数値の重要ではない修飾又は変動を表す。
本明細書中で使用される場合、用語“含んでなる”、“含んでなり”、“含む”、“含み”、“含有する”、“含有し”、及びこれらのいずれもの変形は、成分又は成分のリストを含んでなる、含む、又は含有する過程、方法、製法限定産物、又は物質組成が、これらの成分を含むのみではなく、しかしはっきりと列挙されていないか、或いはこのような過程、方法、製法限定産物、又は物質組成に固有の他の成分を含むことができるような、非排他的包含を包含することを意図する。
本明細書中で使用される場合、“バイオマーカー”は、個体における正常な又は異常な過程の、或いは個体における疾病若しくは他の症状のサインを示すか又はそれである標的分子を指すために使用される。更に具体的には、“バイオマーカー”は、正常又は異常に関わらず、そして異常である場合、慢性又は急性に関わらず、解剖学、生理学、生化学、又は特定の生理学的状態又は過程の存在に伴う分子パラメーターである。バイオマーカーは、実験室のアッセイ及び医学的画像化を含む各種の方法によって検出及び測定可能である。バイオマーカーがタンパク質である場合、更に、生物学的試料中の対応するタンパク質バイオマーカーの量、或いは存在又は非存在の代替手段としての対応する遺伝子の発現、又はバイオマーカーをコードする遺伝子のメチル化の状態或いはバイオマーカーの発現を制御するタンパク質を使用することも可能である。
特定の疾病状態のためのバイオマーカーの選択は、先ず特定の医学的適用のために、対照集団と比較して、疾病集団において測定可能な、そして統計的に有意な差を有するマーカーの同定を含む。バイオマーカーは、疾病の発症又は進行に並行し、そして疾病又は症状によって影響された組織から、或いは疾病又は症状に反応して周囲の組織及び循環細胞から血流中に容易に拡散する、分泌又は脱落分子を含むことができる。同定されたバイオマーカー又はバイオマーカーの組は、一般的に、それが選択された本来意図された用途に対して臨床的に検証されるか、又は信頼できる指示物質であることが示される。バイオマーカーは、小分子、ペプチド、タンパク質、及び核酸を含む各種の分子を含んでなることができる。バイオマーカーの同定に影響する重要な問題の幾つかは、利用可能なデータの過剰適合及び試料操作プロトコルの変動を含むデータの偏りを含む。
本明細書中で使用される場合、“バイオマーカー値”、“値”、“バイオマーカーレベル”、及び“レベル”は、生物学的試料中のバイオマーカーを検出するための、いずれもの分析方法を使用して行われる測定値を指すために、互換的に使用され、そしてこれは、生物学的試料中のバイオマーカーの、それに対する、又はそれに対応する、存在、非存在、絶対量又は濃度、相対量又は濃度、力価、レベル、発現レベル、測定されたレベルの比、等を示す。“値”又は“レベル”の正確な性質は、バイオマーカーを検出するために使用される特定の分析方法の具体的な設計及び成分に依存する。
“疾病バイオマーカーの制御範囲”又は“バイオマーカーの制御範囲”は、互換的に使用され、そして非疾病の又は正常個体中のバイオマーカーの、正常又は非疾病の範囲を意味する。これらは、典型的には対照集団から誘導される。
“試料”、“事例”又は“試験の組”は、互換的に使用され、そして疾病であることが疑わしいか又はそうであることができ、そして最終的には疾病又は非疾病であることを決定することができる個体或いは事例の患者を意味する。
本明細書中で使用される場合、“試料操作及び加工マーカー”、“操作/加工マーカー”、“試料操作及び加工プロトコルの変動に対して感受性なマーカー”、“分析前変動度に対して感受性なマーカー”、等は、試料操作及び加工プロトコルの変動に対して感受性であることが、本明細書中に記載される方法によって見いだされているマーカーを指すために互換的に使用される。“試料操作及び加工マーカー”は、バイオマーカーを含むことができるか、又は含むことができない。
試料操作及び加工マーカーは、正常な個体の対照集団中の候補マーカーから同定することができる。前記対照集団から得られた試料を、候補マーカーのために分析して、試料操作及び加工プロトコルの変動に対して感受性である候補マーカーを選択する。変動は、制約されるものではないが、試料分析前の、試料加工時間の変動、加工温度、保存時間、保存温度、保存容器組成、及び他の保存条件;制約されるものではないが、試料の酸素への暴露、静脈穿刺のために使用される針の口径サイズ、収集デバイス、収集試験管の添加物を含む、正常な個体から試料を抽出するために使用される方法における変動;制約されるものではないが、遠心速度、温度及び時間、濾過及びフィルター孔径、収集受器又は容器、冷凍の方法を含む試料加工における変動;等を含む。変動に対して実質的に感受性であるとして同定されたこれらの候補マーカーは、試料操作及び加工マーカーとして認定される。候補マーカーは、小分子、ペプチド、タンパク質及び核酸を含む各種の分子を含んでなる。
幾つかの場合、選択された操作/加工マーカー中の、更に疾病マーカー又はアッセイ中で問題である特定の疾病に対するマーカーであるものを除去するために、識別することが好ましいことであることができる。他方、使用される操作/加工マーカーの数が、大きい、例えば、約20、30、50個又はそれより多いのいずれかよりも大きい場合のような状況下では、操作/加工マーカーを排除することが不必要であることができる。
本明細書中で使用される場合、本明細書中で互換的に使用される“決定すること”、“決定”、“検出すること”等は、蛍光、化学発光、放射性標識、表面プラズモン共鳴、表面音響波、質量分光、赤外分光、ラマン分光、原子間力顕微鏡、走査トンネル顕微鏡、電気化学検出法、核磁気共鳴、量子ドット、等を含むいずれもの適した方法を使用する分子の検出又は定量化(測定)を指す。“検出すること”及びその変形は、生物学的試料中の分子の存在の確認(同定:identification)又は観察、及び/又は分子の値の測定を指す。
本明細書中で使用される場合、“生物学的試料”、“試料”、及び“試験試料”は、個体から得られた、又は他の方法で誘導された、いずれもの物質、生物学的流体、組織、或いは細胞を指すために本明細書中で互換的に使用される。これは、血液(全血、白血球、末梢血単核細胞、軟膜、血漿、血清及び濾紙上に収集された乾燥血液スポットを含む)、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、呼気、尿、血清、唾液、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、胸水、腹水、滑液、関節吸引液、腹水、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液を含む。これは、更に前述の全ての実験的に分離された画分を含む。例えば、血液試料は、血清に、又は赤血球細胞又は白血球細胞(白血球)のような血液細胞の特定の種類を含有する画分に、分別することができる。所望する場合、試料は、組織及び流体試料の組合せのような個体からの試料の組合せであることができる。用語“生物学的試料”は、更に、例えば、便試料、組織試料、又は組織生検からのようなホモジナイズされた固体物質を含有する物質を含む。用語“生物学的試料”は、更に、組織培養物又は細胞培養物から誘導された物質を含む。生物学的試料を得るためのいずれもの適した方法を使用することができる;例示的な方法は、例えば、静脈切開術、スワブ(例えば、頬側スワブ)、洗浄、流体吸引及び穿刺吸引細胞診法を含む。試料は、更に、例えば、顕微解剖(例えば、レーザーキャプチャー顕微解剖(LCM)又はレーザー顕微解剖(LMD))、膀胱洗浄、スメア(例えば、PAPスメア)、又は管洗浄によって収集することができる。個体から得られた又は誘導された“生物学的試料”は、個体から得られた後、いずれもの適した様式で加工されたようないずれもの試料を含む。
更に、生物学的試料を、多くの個体から採取し、そしてこれらをプールするか、又はそれぞれの個体の生物学的試料のアリコートをプールすることによって誘導することができることは理解されるべきである。
“細胞虐待(Cell Abuse)”は、制約されるものではないが、細胞汚染、細胞溶解、細胞断片化、細胞断片、内部細胞成分等を含む。
“試料を拒絶すること”は、本明細書中で使用される場合、試料が属するサブセット、グループ又は試料が属する収集物の拒絶を指すことができる。
本明細書中で使用される場合、“SOMAマー”又は“スローオフレート修飾アプタマー”は、改良されたオフレート特性を有するアプタマーを指す。SOMAマーは、“Method for Generating Aptamers with Improved Off−Rates”の表題の、現在米国特許第7,947,447号である米国特許出願公開2009/0004667に記載されている、改良されたSELEX法を使用して発生させることができる。
本出願において、試料操作及び加工のためのマーカータンパク質の測定値が測定され、そして試料収集及び調製における変動に関して明確な、そして再現性のある挙動を有することが見いだされている。これらの挙動の多くは、血液成分の生物学の観点から理解することができる。例えば、PF4、トロンボスポンジン及びNap2は、血小板の活性化に関係し、そしてこれらの挙動は、血液試料操作及び加工のパラメーターを変動させる実験によって追跡することができる。ここにおける中心思想は、多くの加工及び操作マーカータンパク質の幾つかを使用することであり、これは、試料収集における及び試料調製の段階の変動に対する段階的反応を得るために、それぞれの試料において測定することができる。この意味において、これらの操作/加工マーカータンパク質のシグナルは、例えば、遠心前の遅延、遠心時間及び加速度、血液試料の成分を分離する効率並びに冷凍前の時間のような血液試料加工における過去の現象をモニターするために使用することができる。これは、興味あるバイオマーカータンパク質の分解を直接モニターすることとは異なり、そして更に感受性であり、そして広い範囲にわたって情報価値があることの両方であることができる。本明細書中に記載される方法を使用することによって、興味ある特定のバイオマーカータンパク質における抜き出し後の変化のための試料の適した量は、バイオマーカーの推定値に対してそれぞれの過程の変動に対する操作/加工マーカーの既知の感受性を適用することによって特徴づけることができる。試料加工及び操作マーカーのモニターは、更に見掛けのタンパク質濃度から試料操作成分を差引くことによって、疾病バイオマーカー中のそれぞれの変動の推定される効果に対して補正するために使用することができる。これらの試料操作及び加工バイオマーカーの測定は、抗体アッセイ、質量分光、等を含む各種の測定系による疾病のバイオマーカーの評価に先だって試料を特徴づけるために使用することができる。
この方法において、幾つかの血液の生物学的機構は、時計、タイマー及び記録デバイスとして作用するために使用される。この技術が作動するために、本出願人等は、各種の機構のin vivoの生物学的活性化、及び血液が身体を去った後に起こる活性化、又は“in vitro”の変化の間を識別することが可能でなければならない。疾病バイオマーカー及び操作/加工マーカーのイン vivoの分解を、in vitroで受けるものと識別するための主要なツールは、試料を、単に単一の試料操作/加工の変動だけでなく、幾つかを特徴付けすることができるように、非常に多くのタンパク質を同時に測定する能力である。特定の試料操作プロトコルの変動の指標である補正されたタンパク質の測定値は、一連の試料操作/加工マーカーを提供する。例えば、遅い遠心速度は、血清又は血漿試料からの血小板の除去に失敗し、そして従って、予測可能な様式で血小板から放出されるタンパク質の測定値に影響するものであるが、しかし疾病状態に反応する身体中の血小板の活性化は、更にin vivo又は収集後のいずれかの凝固経路の部分的活性化に影響するものであるように、放出された血小板顆粒タンパク質に影響するものである。更に、血漿細胞は、低い遠心力によって、内部(非顆粒)血小板タンパク質であるものとして血漿又は血清中に保持されるものである。従って、血小板顆粒タンパク質のシグナルの解釈は、試料の細胞数、供与者の疾病状態、試料操作/加工マーカー値、等のような他の証拠との統合を必要とすることができる。この統合は、試料に対する多変量タンパク質の測定値を、それぞれ概略30−100個のタンパク質に対する係数によって決定される4−10個の基本ベクトルからなるベクトル空間に射影することによって行われ、これは、本出願人等が試料操作及び加工の変動の程度の定量化において最も有用であることを見出している。これらの基本ベクトルによって決定される空間中で試料が変動する範囲は、収集点(例えば、血管)及び実験室間のその行程における試料の誤操作に対する代理物を形成する。これらのベクトルの多くのタンパク質成分は補正され、そしてパネルは、各種の試料収集及び加工によって与えられる変化を表すために構築することができる。同様に、本明細書中で同定された試料操作/加工マーカーで補正された新しい操作/加工マーカーは、プロテオミクスの技術の発展に従って発見することができる。
主成分分析(PCA)を、試料操作及び加工の変動によって補正されたマーカーを同定するための方法として使用した。PCAは、因子間の共分散分析を行うことによりデータの次元性を減少する方法である。このように、これは、タンパク質又は遺伝子発現における大きい実験のような多次元のデータの組に対して適している。PCAは、一組の恐らくは補正される変数の観察を、一組の主要成分と呼ばれる未補正の変数の値の組に変換するために直交変換を使用する。これは、予備的データ解析及び予測モデルの作成のためのツールとして使用される。PCAの中心思想は、多数の相互関係を持つ変数からなるデータの組の次元性を減少し、一方、データの組中に存在する変動を可能な限り保持することである。これは、未補正である主要成分(PC)を、変数の新しい組に変換することよって達成され、そしてこれは、最初の少数のものが、本来の変数の全てに存在する変動の殆どを保持するように整理される(Joliffe IT.(2002)Principal Component Analysis,2nd Edition.Springer)。
本出願人等の系によってそれぞれの試料に対して供給される測定基準は、一つ又はそれより多い部位における、又は試料の幾つかの画分における試料操作及び加工技術が、興味あるバイオマーカータンパク質の差を測定することを困難にするものであることを発見するために、幾つかの試料を評価することによって、臨床部位から試料の組を拒絶することを可能にする。即ち、測定基準は、問題の試料が、試料操作の影響のために健康状態又は疾病の真の生物学を隠すものであるか否か、或いは試料操作の影響が、健康状態又は疾病の根底にある生物学の実際の反映ではない“偽陽性”バイオマーカーの結果を産生するものであるか否かの決定を可能にする。試料収集/加工の測定基準は、更に信頼できる、そして頑強なバイオマーカーの発見への手段を提供している。一貫した試料調製の測定基準による試料のグループの選択によって、意図しない偏りを最小化し、そして疾病に特異的なバイオマーカーの発見を向上することができる。測定基準は、更に、良好に収集された標準的試料との比較によって、穏やかな試料操作の影響を補正するために使用することができる。臨床使用において、試料操作の測定基準は、その収集方法に対する部位を助言するために、費用のかかる更なる評価の前に幾つかの試料を拒絶するために、そして試料操作のためのいずれもの不確定性を反映するために提供される測定値又は報告を調節するために使用することができる。
簡単には、以下のことが今や可能である:
1.形態を決定し、そして試料間の試料操作の変動の程度を定量化する。これは、試料の組をトリアージし、そしてバイオマーカー発見のために適した試料を分離することを可能にする。
2.試料間の変動を実質的に減少又は最小化するための好ましい試料操作/加工プロトコルを同定或いは確立する。
3.同様に、収集部位又は試料のバッチの試料操作/加工値を、個々の部位が好ましい収集プロトコルを遵守しているか否かを決定するために、参照用の試料操作/加工バイオマーカー値と比較することができる。
4.試料の組は、試験し、そして事例及び対照試料間に存在することができる予測される操作及び加工変動の程度を決定するために、参照試料操作/加工バイオマーカー値と比較することができる。この方法において、試料のサブセットは、同定されたバイオマーカーが根底にある生物学の信頼できる反映であるように、類似の試料収取条件に基づく比較のために選択することができる。
5.個々の試料は、試料が、好ましい操作/加工プロトコルを遵守する様式で収集されていないことが決定された場合、診断試験のために拒絶することができる。
6.一つ又はそれより多い事例の試料のタンパク質測定値は、試料操作/加工の変動度を反映して調節することができる。
7.試料操作/加工の変動度に対してより少なく感受性であるタンパク質の頑強なサブセットは、臨床又は商業的使用のために選択することができる。
従って、本発明は、理想的な血液試料収集条件からの逸脱の影響を定量化するための方法を含んでなる。この方法は、プロテオミクスアッセイの測定に先立つ、血液試料抜出し及び操作に関係する工程における変動によって影響された、生物学的過程の確認を含んでなる。これらの生物学的過程は、このような過程により独特に確認され、そしてモニターすることができる分析物(例えば、タンパク質)の測定値の特異的リストによってモニターされる。これらのタンパク質のリストは、測定されるそれぞれのタンパク質に特異的なタンパク質係数を使用するタンパク質存在量の対数測定値の射影を使用して定量的に適用される。試料加工マーカーSMV(試料マーカー変動)として知られるこれらの射影からのスコアは、試料基準の試料当たり、グループ当たりの血液試料収集の方法的変動を評価するために使用することができる。
一つの側面において、本発明は、それによってSMV係数が作成される方法を保護する。具体的には、方法は、理想的な血液試料収集条件からの偏移の影響を定量化するために確認されている。この方法は、プロテオミクスアッセイの測定に先立つ、血液試料抜出し及び操作に関係する工程における変動によって影響される生物学的過程の確認を含んでなる。これらの生物学的過程は、このような過程により独特に確認され、そして本出願人等によってモニターすることができる、タンパク質測定の特異的なリストによってモニターされる。これらのタンパク質のリストは、測定されるそれぞれのタンパク質に対して特異的なタンパク質係数を使用してタンパク質存在量の測定値の対数のタンパク質の射影を使用して、定量的に適用される。SMVとして知られるこれらの射影からのスコアは、試料基準の、試料当たり及びグループ当たりの血液試料収集の方法的変動を評価するために使用することができる。これらの生物学的過程は、血液試料収集条件の変動をモニターするために使用することができ、そして特異的タンパク質ベクターを、このような生物学的過程をモニター及び定量化に使用することができる。これは、試料それ自体に記録された試料収集変動の定量化を提供し、そして時間、温度、遠心速度のような変数の独立のモニター;を収集時に必要としない。
SMVのタンパク質成分を同定するために、補体活性化、血小板活性化及び細胞溶解のような特異的生物学的過程の生化学的操作に関係する標的化実験が使用された。これらの実験は、試料基準当たりの臨床試料収集における変動を定量的に評価するために使用することができる生物学的過程を独特に同定するための臨床実行と一致する様式の血液試料収集の条件を変更する実験と組合される。
本明細書中に記載される技術は、これらの生物学的過程に直接関係するタンパク質の測定値の性質に関して試料を評価するために使用することができる。これは、試料操作の変動によって影響されることができるが、しかし本明細書中で測定される生物学的過程に単純に直接関連しないこれらの試料中のタンパク質の測定値に関する決定を伝えるために適用することができる試料品質の定量的測定値を提供する。例えば、一般的なタンパク質分解活性は、補体の活性化及び細胞の溶解によって影響されることができる。然しながら、影響されたタンパク質は、単純な閉鎖グループ又は過程を形成せず、そして他のタンパク質が、疾病の過程又は腎機能のような試料操作の変動と関係しない試料間で変化する多くの理由を有することができるために、補体及び細胞溶解をモニターするために使用することができない。
生物学的過程及び間接的には試料収集条件における変動をモニターするための係数を持つタンパク質の組の使用は、個々の変動を受ける可能性が少なく、そして生物学的過程の活性化の頑強な推定値を与えると解釈することができる測定値の集合体を形成することにおいて、単一のタンパク質より利点を有する発明である。対数尺度の測定値の使用は、生物学的過程の活性化の相対的倍数変化をモニターすることを可能にし、そして線形空間の比に対応する差を使用して参照試料と簡単に比較することができる。この対数の使用は、更に、組又はベクターの中のタンパク質間の濃度の範囲を変更することが、参照試料を使用する場合に自動的に正規化されるように、タンパク質の測定値を暗に計量する。
個々の血液試料に対するSMV計算値の直接の適用は、生物学的過程の、又は間接的には、特定の試料収集条件の観点から、参照試料の理想的条件からの逸脱と解釈することができるスコアを提供する。次いでこれらのスコアは、どの試料が基準に合致するか、又は受容可能な限度内に入るかを定義するために使用することができる。この情報は、個々の試料を拒絶するために使用することができる。個々の試料を拒絶することは、タンパク質存在量の変動を、このような変動が、異なった試料収集プロトコル又は条件下で処理される試料の個々の組の幾つかの組によって起こされることができる場合、バイオマーカー発見のための調査下である疾病又は過程に指定することを回避するために、バイオマーカー発見中で重要なことである。
個々の試料に対するSMVスコアは、試料収取のパラメーターの特定の範囲に対応する試料の組をグループ化するために使用することができる。これは、合致した試料の組を定義することを可能にし、ここで、一つの組からの試料は、従来の又は異なった収集研究からの試料に匹敵する試料収集方法及びパラメーターを有する。合致した組を形成するこの能力は、異なった条件下で収集することができる試料のグループ間を比較することにおいて貴重である。個々の試料から計算されるSMVスコアは、更に、他のタンパク質の補正された変動を決定し、そして異なったSMVスコアを伴う試料間の変動に導く過程によって影響されたそれぞれのタンパク質における変動によって数学モデルを構築することができる場合、試料操作における変動に対して補正するためにも使用することができる。
個々の試料の、そのSMVスコアに基づく拒絶は、本出願人等が、臨床的に異なる個体から収集された試料間の差が、試料が如何に収集されたかの間の差ではなく、これらの個体間の差を指すことを知っているために、更に感受性なバイオマーカー発見の遂行を可能にする。タンパク質存在量を含む診断試験は、変動が、血液試料を収集する方法のためであり、そして個体の臨床状態のためでない場合、誤解させることがあり得る。これは、妥当な試料収集法の変動に対応するSMVスコアの閾値に合致しない試料を拒絶することによって回避される。
多くの既存の試料収集は、試料収集法の変動によって系統的に破損される。SMVスコアは、試料収集内又は試料収集部位間のこのような変動を定量化するために使用することができ、そして事例及び対照間の試料収集における系統的変動のような研究者を誤解させることができる変動に基づいて全研究を拒絶するために使用することができる。収集物のサブセットのみが、このような変動を評価するために測定されることが必要であり;試料収集が受容不可能とみなされる場合に多くの節約が可能である。研究の試料獲得段階中の試料収集をモニターし、そして従って訂正の助言を与え、そして研究プロトコルの非遵守を検出することも更に可能である。既存の又は進行中の研究の変動をモニターするために、全体の収集物の幾つかの副次試料を測定することのみが必要である。
試料収集物の変動をモニター及び評価するためのこれらの技術は、研究プロトコルの最適化のために適用することができ、そして特別な試料収集装置及び容器を使用する費用を、より低い経費のプロトコルで操作されることによる変動及び損傷の正確な評価と比較することができる、バイオバンクのような大量の試料収集の努力の経済性最大化に適用することができる。
幾つかの場合、恐らく、生物学的試料の最も普通の収集物の遡及的性質のために、純粋なままの試料収集物を得ることは可能ではない。そして、異なった部位において収集された試料間で、及び異なった時点で収集された試料のグループ間で、幾つかの比較が必然的に存在することができる。これらの試料収集物は、意図された示差的臨床比較と混同されるものであるプロテオミック特性中の変動を起こすものである収集法の差を示すものである。試料のグループ間の合致した組を作成することにより、収集された試料のサブセットを同等に比較することが可能となる。
従って、本発明は、試料品質の定量化において有用な試料操作/加工マーカーを同定する方法を含んでなり、ここにおいて、この方法は、(a)操作/加工プロトコルが変動された場合、示差的に発現される分析物の第1の組を決定し;(b)分析物の測定値が適用された変動の程度に滑らかに又は直線的に関係するように変化するこれらの分析物のサブセットを決定し、ここにおいて、このサブセットは、分析物の第1の組と比較して同じ又は少ない分析物を含有することができ;(c)試料操作プロトコルの変動間の依存性及びサブセットからの分析物の測定値に対する定量化モデルを構築し;そして(d)工程(c)の定量化モデルに基づき、それぞれの試料に対する計量値又はスコアを得ること;を含んでなる。
本発明は、更に、試料品質の定量化において有用な試料操作/加工マーカーを同定するもう一つの方法を含んでなる。この方法は、(a)特定の生物学的過程が実験的に活性化又は変化された場合、示差的に発現される分析物の第1の組を決定し、ここにおいて、生物学的過程は、制約されるものではないが、血小板活性化、細胞溶解、補体活性化、又は凝固を含むことができ;(b)変化する分析物のサブセットを決定し、ここにおいて、サブセットの分析物の測定値は、試料に適用された生物学的過程の実験的活性化の程度に滑らかに又は直線的に関係し、そしてここにおいて、サブセットは、分析物の第1の組と比較して同じか又は少ない分析物を含有することができ;(c)試料に適用された生物学的過程の実験的活性化の程度及びサブセットからの分析物の測定値間の依存性に対する定量的モデルを構築し;そして(d)工程(c)の定量的モデルに基づき、それぞれの試料に対する計量値又はスコアを得ること;を含む。
関連する態様において、本発明は:(a)(i)操作/加工プロトコルが変動された場合、又は(ii)特定の生物学的過程が実験的に活性化又は変動された場合、
示差的に発現される分析物の第1の組を決定し;
(b)分析物の測定値が、(i)適用された操作/加工プロトコルの変動の程度に、又は(ii)試料に適用された生物学的過程の実験的な活性化の程度に、滑らかに又は直線的に関連して変化するこれらの分析物のサブセットを決定し;
ここにおいて、サブセットは、分析物の第1の組と比較して、同じ又は少ない分析物を含有することができ;
(c)(i)試料操作プロトコル及びサブセットからの分析物の測定値の変動;又は(ii)試料に適用された生物学的過程の実験的活性化の程度及びサブセットからの分析物の測定値;間の依存性に対する定量的モデルを構築し;そして(d)工程(c)の定量的モデルに基づき、それぞれの試料に対する計量値又はスコアを得ること;含んでなる試料品質の定量化において有用な試料操作/加工マーカーを同定する方法を含んでなる。
本発明は、更に、試料の試料品質を決定する方法を提供する。この方法は、(a)前述の方法によって得られるような試料の試料操作/加工マーカーを準備し;(b)この試料に対する計量値又はスコアを得るために前述の方法によって決定されたような定量的モデルを適用し、ここにおいて、このようなスコアは、好ましいプロトコルによって逸脱した方法によってどの程度まで試料が産生されるかを示し;そして(c)以下の適用:
(i)診断目的のために試料を拒絶又は受容する;
(ii)バイオマーカー発見の適用のために試料を拒絶又は受容する;
(iii)参照試料との比較により試料操作プロトコルからの変動の程度を決定する;
(iv)試料操作プロトコルの変動に対して補正する;
(v)試料を拒絶する、これによってバイオマーカー発見のための受容可能な試料グループを得ることができる;及び/又は
(vi)診断試験の設定において誤解させる結果を回避するために試料を拒絶する;
の何れかに対するスコアを使用すること;を含んでなる。
更に提供されるものは、バイオマーカー発見のために適した試料のサブセットを選択するための方法であり、これは、(a)バイオマーカー発見を意図する組のそれぞれの試料に対して定量的な計量値を計算し;(b)定量的な計量値に対する受容可能な範囲に合致することに失敗した工程(a)の試料を拒絶し;そして(c)計量値及びバイオマーカー発見のために標的化される生物学的特徴間の関連を示す工程(a)の試料を拒絶すること;を含む。
バイオマーカー発見のために適した試料のサブセットを選択するためのもう一つの方法が提供される。この方法は、(a)複数の試料の収集物からのそれぞれの試料に対する定量的な計量値を計算し;(b)受容可能な計量値の通常の範囲に合致する収集物から試料を選択し;そして(c)計量値及びバイオマーカー発見のために標的化される生物学的特徴間の関連を示す、比較のための試料のグループ又は収集物を拒絶することを含んでなる。
関連する態様において、本発明は:(a)(i)バイオマーカー発見を意図する組中の試料に対して;又は(ii)試料の複数の収集物からの、それぞれの試料に対して定量的計量値を計算し;(b)工程(a)から:(i)定量的計量値に対する受容可能な範囲に合致する組の試料、又は(ii)受容可能な計量値の通常の範囲に合致する収集物のサブセットからの試料、を選択し;そして(c)計量値及びバイオマーカー発見のために標的化される生物学的特徴間の関連を示す工程(a)の試料を拒絶すること;を含んでなるバイオマーカー発見のために適した試料のサブセットを選択するための方法を提供する。
更に提供されるものは、(a)試料のサブセットを選択し、ここにおいて、サブセットは、収集物の全ての試料又はそのランダムなサブセットを含んでなり;(b)サブセット中のそれぞれの試料に対する定量的計量値を計算し;(c)定量的計量値に対する受容可能な範囲に合致する試料の比率又は分布を決定し;そして(d)収集物を拒絶するか否かを決定すること;を含んでなる、全ての収集物を拒絶するための方法である。収集物の拒絶は、(i)受容可能な試料の分布又は比率;及び/又は(ii)興味ある臨床的変動及び定量的計量値間の関連の程度、に基づくことができる。
本発明は、更に、(a)個体の試料の細胞及び細胞成分から血漿の上清を分離し;(b)血漿の上清を冷凍し;(c)血漿の上清を解凍し;そして(d)解凍された上清の2回目のスピンを行うこと;を含んでなる試料の品質を改良する方法を提供し、これによって、改良された品質の試料が製造される。スピンは、全血に対する遠心スピン及び/又はハードスピン(ハードスピンは、10分間で2500gより大きい速度時間積を伴うスピンとして定義される)によって提供される。
このような解凍後スピンは、試料当たり多くの(20個より多い)分析物を測定する商業的サービスの状況において有用である。このようなサービスにおいて、試料収集法は、顧客の試料によって著しく変動し、そして試料が、事前に冷凍及び解凍されており、これは幾つかの細胞を溶解するため、通常臨床的に適用される加速及び時間における遠心スピンは、小さい残骸及び汚染物質成分の除去において有効ではない。
更なる態様において、本発明は、(a)前記試料又は試料の組において、N=2−78である場合、表1から選択されるN個のマーカーの少なくとも一つに対応する操作/加工マーカー値を決定し;(b)参照資料を準備し、そして測定された試料又は試料の組の操作/加工マーカーに対応する操作/加工マーカー値を決定し;そして(c)試料又は試料の組の操作/加工マーカー値を、対応する参照試料の操作/加工マーカー値と比較すること;を含んでなる、その操作/加工マーカー値の変動度のために試料又は試料の組をスクリーニングする方法を含んでなり、これにより試料又は試料の組の操作/加工マーカー値の変動度を決定することができる。
関連する態様において、少なくともN個のマーカーが表2から選択され、そしてN=2−30である。別の方法として、少なくともN個のマーカーが表3から選択され、そしてN=2−52である。更なる関連する態様は、少なくともN個のマーカーが表4から選択されるものを含み、ここにおいて、N=2−17であり;そして少なくともN個のマーカーが表5から選択され、そしてN=2−4である。
更に提供されるものは:更に(a)本明細書中で先に記載した方法によって得られた試料又は試料の組の操作/加工マーカー値の変動度を準備し;そして(b)試料又は試料の組が所定のカットオフ値を超えないか否かを、前記変動度から決定すること;を含んでなる更なる分析のための試料又は試料の組の適合性を決定するための方法である。この方法において、試料又は試料の組の適合性は、カットオフ値を超えない操作/加工マーカー値を有する試料又は試料の組によって決定される。
関連する態様において、試料の適合性を決定するための前述の方法は、工程(b)の前に、次の:(a.1)操作/加工マーカー値のそれぞれの自然対数値を得て;そして(a.2)試料又は試料の組の操作/加工マーカー値のそれぞれに対する積を得るために所定の試料マッピングベクトル(SMV)係数により自然対数値のそれぞれを加重すること、の過程の工程を含むことができる。この態様において、試料が、工程(b)の所定のカットオフ値を超えているか否かの決定は、カットオフ値に対する加重された積の比較によって達成される。
もう一つの態様において、本発明は、好ましい試料操作及び加工プロトコルを決定するための方法を含んでなり、ここにおいて、このプロトコルは、更なる分析のために適した試料を発生する。この方法は、本明細書中に記載される方法によって得られるような試料操作/加工の変動度を準備し、続いて:(a)前記操作/加工マーカー値の変動度からプロトコルの方法中の変動に感受性であるマーカーを決定し;そして(b)感受性なマーカーの操作/加工マーカー値の変動度を最小化するためにプロトコルの方法を変動することを含んでなり、これにより、好ましいプロトコルを決定することができる。
本発明は、更に、本明細書中に記載される方法によって得られるような試料操作/加工の変動度を準備し、続いて:(a)所定の収集プロトコルを受けた参照試料を準備し;(b)参照試料から、前記少なくともN個のマーカーのそれぞれに対応するカットオフ値を決定し;(c)それぞれの試料又は試料の組の操作/加工値を、対応するカットオフ値と比較し;(d)カットオフ値を超える操作/加工値の変動度を有する試料又は試料の組、及びカットオフ値を超えない試料又は試料の組を同定すること;を含んでなる試料又は試料の組の所定の収集プロトコルに対する遵守を決定するための方法を含んでなり、ここにおいて、その変動度がカットオフ値を超えない試料又は試料の組は、所定の収集プロトコルに従っている。
更に提供されるものは:(a)本明細書中に記載される方法によって得られる、それぞれの試料又は試料の組が、疾病に罹った個体又は疾病に罹っていない個体から得られたことが知られている、更なる分析のために適した試料又は試料の組を準備し;(b)バイオマーカーが、疾病に罹った個体からの試料又は試料の組中で、疾病に罹っていない個体からの試料又は試料の組中の対応するマーカーに対して実質的に示差的に発現される、少なくとも一つの信頼できるバイオマーカーを同定するために、試料又は試料の組を分析すること;を含んでなる、少なくとも一つの信頼できるバイオマーカーの同定のための方法である。
もう一つの態様において、本発明は、本明細書中に記載される方法によって得られるような更なる分析のために適した試料を使用して頑強なバイオマーカーを決定するための方法を含んでなる。この方法は:(a)疾病に罹った個体及び疾病に罹っていない個体からの適した試料又は試料の組を準備し;(b)疾病に罹った個体からの実質的に全ての試料又は試料の組中で検出されないバイオマーカーを同定し;(c)頑強なバイオマーカーとして、疾病に罹った個体からの試料又は試料の組の実質的に全て中で検出されるバイオマーカーを同定すること;を含んでなる。
本発明は、更に、更なる分析のために適した試料又は試料の組の同定のための正常な範囲又は好ましいカットオフ値を含んでなる、試料品質の標準を決定するための方法を提供する。この方法は:(a)少なくとも一つの対照試料を準備し;(b)本明細書中に記載される方法によって対照試料中の試料/操作マーカー値の変動度を決定し;(c)試料操作及び加工プロトコル中の変動に感受性である操作/加工マーカーを決定し;(d)プロトコルの変動に対して感受性である試料操作/加工マーカーのそれぞれに対して、それぞれの前記の操作/加工マーカーに対する正常な範囲及び好ましいカットオフ値を定義することを含んでなる。これは、試料品質の標準又は好ましいカットオフ値を提供し、そして試料又は試料の組を、適した試料又は試料の組を同定するために、好ましいカットオフ値を使用してスクリーニングすることができる。
もう一つの態様において、本発明は、試料又は試料の組中の試料操作/加工マーカーの偏りの決定を含んでなる。この方法は:(a)本明細書中に提供される方法によって提供される適した試料又は試料の組において、試料収集及び操作プロトコル中の変動に感受性である試料操作/加工マーカーを同定し;(b)参照又は対照試料を準備し;(c)適した試料又は試料の組及び参照試料中の前記感受性な試料操作/加工マーカー値を測定し;(d)測定された試料又は試料の組の操作/加工マーカー値を、参照試料の操作/加工マーカー値と比較し;(e)参照試料の操作/加工マーカー値から変動する試料又は試料の組の操作/加工マーカー値を同定し;そして(f)前記参照マーカー値からの値の変動を有する操作/加工マーカーにおいて、疾病バイオマーカー値の変動を模倣する試料操作/加工マーカーを識別すること;を含んでなる。疾病バイオマーカーを模倣する識別された操作/加工マーカーは、偏った操作/加工マーカーである。これらの偏った操作/加工マーカーは、更なる分析から排除することができる。
更に提供されるものは:(a)本明細書中に記載される方法によって提供されるような試料の操作/加工マーカー値の変動度を測定し;(b)参照の操作/加工マーカー値に対する試料の操作/加工マーカー値の変化を同定し;そして(c)参照試料の操作/加工値に対する試料の操作/加工マーカー値の同定された変化によって試料のバイオマーカーの測定値を補正すること;を含んでなる試料の測定されたバイオマーカー値を補正するための方法である。
以下の実施例は、例示的目的のみのために提供され、そして付属する特許請求の範囲によって規定されるとおりの本出願の範囲を制約することは意図していない。本明細書中に記載される全ての実施例は、当業者にとって公知の、そして日常的な標準的技術を使用して行われた。以下の実施例中に記載される日常的な分子生物学技術は、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd.ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(2001)のような標準的な実験室マニュアル中に記載されているように行うことができる。
実施例1.試料の多重アプタマー解析
この実施例は、試料及び表1に記載した試料操作/加工の変動度マーカーの同定のための対照を分析するために使用した多重アプタマーアッセイを記載する。多重解析は、データを発生するために使用したプロテオミクスアレイのバージョンによって、概略850個又は1,034個のアプタマーのいずれかを使用した。このプロテオミクスプラットフォームの詳細は、Gold L,Ayers D,Bertino J,Bock C,Bock A,et al.(2010)Aptamer−Based Multiplexed Proteomic Technology for Biomarker Discovery.PLoS ONE 5(12):e15004.doi:10.1371/journal.pone.0015004中に見出すことができる。
この方法において、それぞれの溶液の添加のために、ピペットの先端を交換した。
更に、他に示さない限り、殆どの溶液の移動及び洗浄付加は、Beckman Biomek FxPの96ウェルヘッドを使用した。手作業のピペットの方法の工程は、12チャンネルのP200 Pipetteman(Rainin Instruments,LLC,Oakland,CA)を、他に示さない限り使用した。40mMのHEPES、100mMのNaCl、5mMのKCl、5mMのMgCl2、1mMのEDTAをpH7.5で含んでなる、SB17と呼ばれる特製の緩衝液をインハウスで調製した。40mMのHEPES、100mMのNaCl、5mMのKCl、5mMのMgClをpH7.5で含んでなる、SB18と呼ばれる特製の緩衝液をインハウスで調製した。全ての工程を、他に示さない限り室温で行った。
1.アプタマー原液の調製
5%、0.316%及び0.01%の血清に対する特製アプタマー原液を、1×のSB17、0.05%Tween−20中で2×の濃度で調製した。
これらの溶液を使用するまで−20℃で保存した。アッセイの日、それぞれのアプタマー混合物を、37℃で10分間解凍し、それぞれの加熱工程間で激しく混合しながら、沸騰水浴中に10分間入れ、そして25℃まで20分間で冷却させた。加熱−冷却後、それぞれ55μlの2×のアプタマー混合物を、96ウェルのHybaidプレートに手作業のピペットで入れ、そしてプレートをホイルで密閉した。最終の結果は、5%、0.316%又は0.01%のアプタマー混合物を伴う、三つの96ウェルのホイルで密封されたプレートであった。個々のアプタマー濃度は、最終的に2×又は1nMであった。
2.アッセイ試料の調製
−80℃で保存された100%の血清又は血漿の冷凍されたアリコートを、25℃の水浴に10分間入れた。解凍した試料を氷上に置き、8秒間穏やかに(4に設定)渦で撹拌し、そして次いで氷上に置いた。
10%の試料溶液(最終の2×)を、8μLの試料を、50μLの8チャンネルスピニングピペッタを使用して96ウェルのHybaidプレートに移すことによって調製し、それぞれのウェルは、72μLの適当な試料希釈物を4℃で含有していた(血清に対して1×のSB17又は血漿に対して0.8×のSB18と血清に対して0.06%のTween−20、11.1μMのZ−block_2、0.44mMのMgCl、2.2mMのAEBSF、1.1mMのEGTA、55.6uMのEDTA)。このプレートを、Biomek FxPロボット上で、次の試料希釈工程が開始されるまで、氷上で保存した。
試料及びアプタマーの平衡化を開始するために、10%試料のプレートを短時間遠心し、そしてBiomek FxP上に置き、ここで、これは、96ウェルピペッタでピペットで上下することによって混合された。次いで、−0.632%の試料プレート(最終の2×)を、6μLの10%試料プレートを、2mMのAEBSFを伴う89μLの1×のSB17、0.05%のTween−20に移すことによって調製した。次に、6μLの得られた0.632%の試料の、184μLの1×のSB17、0.05%Tween−20中への希釈は、0.02%の試料プレートを作成した(最終の2×)。希釈は、Beckman Biomek FxP上で行った。それぞれの移動後、溶液をピペットで上下することによって混合した。次いで三つの試料希釈プレートを、55μLの試料を55μLの適当な2×のアプタマー混合物に加えることによって、そのそれぞれのアプタマー溶液に移した。試料及びアプタマー溶液をピペットで上下することによってロボット上で混合した。
3.試料平衡化結合
試料/アプタマープレートを、ケイ素キャップマットで密封し、そして37℃のインキュベーターに3.5時間入れてから、キャッチ1工程に進んだ。
4.キャッチ2ビーズプレートの調製
MyOne(Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA)ストレプトアビジンC1ビーズの11mLのアリコートを、2回、等体積の20mMのNaOHで(それぞれの洗浄に対して5分のインキュベーション)、3回、等体積の1×のSB17、0.05%Tween−20で洗浄し、そして11mLの1×のSB17、0.05%Tween−20中に再懸濁した。12チャンネルピペッターを使用して、50μLのこの溶液を、96ウェルのHybaidプレートのそれぞれのウェルに手作業でピペットで移した。次いでプレートをホイルで被覆し、そしてアッセイで使用するために4℃で保存した。
5.キャッチ1ビーズプレートの調製
三つの0.45μmのMillipore HVプレート(Durapore membrane,Cat# MAHVN4550)を、100μLの1×のSB17、0.05%Tween−20で少なくとも10分間平衡化した。次いで平衡化緩衝液をプレートを通して濾過し、そして133.3μLの7.5%のストレプトアビジン−アガロースビーズのスラリー(1×のSB17、0.05%Tween−20中の)を、それぞれのウェルに加えた。ストレプトアビジン−アガロースビーズを、これらをフィルタープレートに移す間、懸濁したまま保つために、ビーズ溶液を、200μLの12チャンネルピペッタでピペット作業の間に少なくとも6回、手作業で混合した。ビーズが三つのフィルタープレート間に分配された後、真空を適用して、ビーズの上清を除去した。最後に、ビーズを、200μLの1×のSB17、0.05%Tween−20でフィルタープレート中で洗浄し、そして次いで200μLの1×のSB17、0.05%Tween−20中に再懸濁した。フィルタープレートの底を染色し、そしてプレートをアッセイで使用するために保存した。
6.サイトマットの充填
サイトマットを、全てのチップ、プレート、トラフ中の全ての試薬(プレートへの添加の直前に新しく調製されるNHS−ビオチン試薬を除く)と共に充填し、キャッチ1フィルタープレートを三つ調製し、MyOneプレートを一つ調製した。
7.キャッチ1
3.5時間の平衡化時間後、試料/アプタマープレートをインキュベーターから取出し、約1分間遠心し、キャップマット被覆を除去し、そしてBeckman Biomek FxPのデッキ上に置いた。Beckman Biomek FxPのプログラムを開始した。キャッチ1のその後の全ての工程を、他に記述しない限り、Beckman Biomek FxPロボットによって行った。プログラム中で、真空がキャッチ1フィルタープレートに適用されて、ビーズの上清を除去した。100マイクロリットルのそれぞれの5%、0.316%及び0.01%の平衡化結合反応物を、その対応するキャッチ1フィルタープレートに加え、そしてそれぞれのプレートを、備え付けのオービタルシェーカーを使用して800rpmで10分間混合した。
未結合の溶液を真空濾過によって除去した。キャッチ1ビーズを、1×のSB17、0.05%のTween−20中の190μLの100μMのビオチンで、続いて5×の190μLの1×のSB17、0.05%のTween−20で、溶液を分注し、そして溶液をプレートを通して濾過するために直ちに真空に引くことによって洗浄した。
8.標識化
無水のDMSO中の100mMのNHS−PEO4ビオチンのアリコート(−20℃で保存)を、37℃で6分間解凍し、そして次いで備え付けのトラフへの手作業の添加の直前に、標識化緩衝液(pH=7.25のSB17、0.05%Tween−20)で1:100に希釈し、これによって、ロボットは、100μLのNHS−PEO4−ビオチンをそれぞれのキャッチ1フィルタープレートのそれぞれのウェルに分注した。この溶液は、キャッチ1ビーズと共に、オービタルシェーカー上で800rpmで5分間振盪してインキュベートすることを可能にした。
9.動力学的負荷及び光開裂
標的化反応物を真空濾過によって除去し、そして反応を、キャッチ1プレートへの1×のSB17、0.05%のTween−20中の150μLの20mMのグリシンの添加によってクエンチした。グリシン溶液を真空濾過によって除去し、そして更なる1500μLの20mMのグリシン(1×のSB17、0.05%のTween−20中の)をそれぞれのウェルに加え、そして1分間オービタルシェーカー上で800rpmでインキュベートしてから、真空濾過によって除去した。
その後、キャッチ1プレートのウェルを、190μLの1×のSB17、0.05%のTween−20の添加、直ぐに続く真空濾過、そして次いで、1分間の800rpmの振盪を伴う190μLの1×のSB17、0.05%のTween−20の添加によって洗浄してから、真空濾過した。これらの2回の洗浄工程を、最後の洗液が真空濾過によって除去されなかったことを除き、更に2回繰り返した。最後の洗浄後、プレートを1mLのディープウェルプレートの頂部に置き、そして溶出前にアガロースゲルからできるだけ多くの外来性体積を除去するための1000rpmで1分間の遠心のためにデッキから除去した。
プレートを、Beckman Biomek FxP上に戻し、そして85μLの1×のSB17、0.05%Tween−20中の10mMのDxSO4を、フィルタープレートのそれぞれのウェルに加えた。
フィルタープレートをデッキから外し、Black Ray(Ted Pella,Inc.,Redding,CA)光源下のVariomag Thermoshaker(Thermo Fisher Scientific,Inc.,Waltham,MA)に置き、そして800rpmで振盪しながら5分間照射した。5分間のインキュベーション後、プレートを180度回転し、そして振盪しながら更に5分間照射した。
光開裂された溶液を、それぞれのキャッチ1プレートから共通のディープウェルプレートに、先ず5%のキャッチ1フィルタープレートを1mLのディープウェルプレート上に置き、そして1000rpmで1分間遠心することによって、連続的に溶出した。次いで、0.316%及び0.01%のキャッチ1プレートを同じディープウェルプレートに連続的に遠心した。
10.キャッチ2ビーズの捕獲
キャッチ1の混合された溶出物を含有する1mLのディープウェルブロックを、キャッチ2のためのBeckman Biomek FxPのデッキ上に置いた。
ロボットは、1mLのディープウェルプレートからの光開裂した溶出物の全てを、前もって調製したキャッチ2MyOne磁気ビーズ(磁気分離によるMyOne緩衝液の除去後)を含有するHybaidプレートに移動した。
溶液を、1350rpmで5分間25℃でVariomag Thermoshaker(Thermo Fisher Scientific,Inc.,Waltham,MA)上で振盪しながらインキュベートした。
ロボットは、プレートを備え付けの磁気分離装置に移動した。プレートを、磁石上で90秒間インキュベートしてから、上清を除去し、そして廃棄した。
11.37℃の30%グリセロール洗浄
キャッチ2プレートを備え付けの加熱式振盪機からから外し、そして75μLの1×のSB17、0.05%Tween−20をそれぞれのウェルに移した。プレートを1分間1350rpm及び37℃で混合して、再懸濁し、そしてビーズを温めた。キャッチ2プレートのそれぞれのウェルに、75μLの60%グリセロールを37℃で移し、そしてプレートを更に1分間1350rpm及び3℃で混合し続けた。ロボットは、プレートを37℃の磁気分離器に移動し、ここでこれを磁石上で2分間インキュベートし、そして次いでロボットは上清を除去し、そして廃棄した。これらの洗浄を更に2回繰り返した。
3回目の30%グリセロール洗液のキャッチ2ビーズからの除去後、150μLの1×のSB17、0.05%Tween−20を、それぞれのウェルに加え、そして1350rpmで1分間振盪しながら、37℃でインキュベートし、37℃の磁石上の磁気分離によって除去した。
キャッチ2ビーズを最後に150μLの1×のSB19、0.05%Tween−20を使用して1350rpmで振盪しながらの1分間のインキュベーションを伴って洗浄してから、磁気分離した。
12.キャッチ2ビーズの溶出及び中和
アプタマーを、105μLの100mMのCAPSOを、1MのNaCl、0.05%Tween−20と共にそれぞれのウェルに加えることによって、キャッチ2ビーズから溶出した。ビーズを、この溶液と共に1300rpmで振盪しながら5分間インキュベートした。
次いでキャッチ2プレートを、磁気分離器上に90秒間置いてから、63μLの溶出物を、7μLの500mMのHCl、500mMのHEPES、0.05%のTween−20をそれぞれのウェルに含有する新しい96ウェルのプレートに移した。移動後、溶液を60μLをピペットで5回上下することによってロボットで混合した。
13.ハイブリダイゼーション
Beckman Biomek FxPで、20μLの中和されたキャッチ2溶出物を新しいハイブリッドプレートに移動し、そしてハイブリダイゼーション対照の10×のスパイクを含有する6μLの10×のアジレント遮断液を、それぞれのウェルに加えた。次に、30μLの2×のアジレントハイブリダイゼーション緩衝液を、中和された試料及び遮断緩衝液を含有するプレートのそれぞれのウェルに手作業でピペットで入れ、そして溶液を、過剰な泡の発生を避けるために、25μLを15回手作業でゆっくりとピペットで上下することによって混合した。プレートを1000rpmで1分間スピンした。
特製のアジレントマイクロアレイスライド(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)を、アプタマーのランダム領域と幾つかのプライマー領域に対して相補的なプローブを含有するように設計した。殆どのアプタマーに対して、相補的配列の最適な長さは、経験的に決定され、そして40−50個のヌクレオチド間の範囲であった。後者のアプタマーに対して、46マーの相補的領域をデフォルトによって選択した。プローブを、60個ヌクレオチドの全プローブ長さで、ポリ−Tリンカーでスライド表面に連結した。
ガスケットスライドを、アジレントハイブリダイゼーションチャンバーに入れ、そしてハイブリダイゼーション及び遮断溶液を含有する40μLのそれぞれの試料を、それぞれのガスケットに手作業でピペットで入れた。8チャンネル可変スパニングピペッタを泡の形成を最小にするように意図した様式で使用した。次いでバーコードを上面にした特製のアジレントスライドを、ガスケットスライド上にゆっくりと降ろした(詳細な説明は、アジレントのマニュアルを参照されたい)。
ハイブリダイゼーションチャンバーの頂部を、スライド/裏打ちのサンドイッチ上に置き、そして全体のアセンブリー上に固定ブラケットを滑らせた。これらのアセンブリーをネジを確実に回すことによって固く固定した。
それぞれのスライド/裏打ちスライドのサンドイッチを、視覚的に検査して、溶液の泡が試料内を自由に動くことができることを確実にした。泡が自由に動かない場合、ハイブリダイゼーションチャンバーのアセンブリーを穏やかに叩いて、ガスケットの近くに留まっている泡を離した。
組み立てられたハイブリダイゼーションチャンバーを、アジレントハイブリダイゼーションオーブン中で19時間、20rpmで回転しながら60℃でインキュベートした。
14.ハイブリダイゼーション後の洗浄
概略400mLのアジレント洗浄緩衝液1を、二つの別個のガラスの染色皿のそれぞれに入れた。染色皿の一つを磁気撹拌プレートに入れ、そしてスライドラック及び撹拌子を緩衝液中に入れた。
アジレント洗浄液2のための染色皿を、空のガラスの染色皿に撹拌子を入れることによって調製した。
4番目のガラスの染色皿を、最後のアセトニトリル洗浄のために確保した。
6個のハイブリダイゼーションチャンバーのそれぞれを解体した。一つずつ、スライド/裏打ちのサンドイッチをハイブリダイゼーションチャンバーから外し、そして洗浄液1を含有する染色皿に浸した。スライド/裏打ちのサンドイッチを、一組のピンセットを使用して、マイクロアレイスライドを浸したままでてこ作用で離した。スライドを、磁気撹拌プレート上の洗浄液1の染色皿中のスライドラックに急いで移した。
スライドラックを穏やかに5回上下した。磁気撹拌子を低い設定で回転し、そしてスライドを5分間インキュベートした。
洗浄液1に対する残り時間が1分になった時点で、インキュベーター中で37℃に予備加熱した洗浄緩衝液2を、2番目に調製した染色皿に加えた。スライドラックを洗浄緩衝液2に急いで移し、そしてラックの底部のいずれもの過剰の緩衝液を、染色皿の頂部にこれを擦ることによって除去した。スライドラックを穏やかに5分間上下した。磁気撹拌子を低い設定で回転させ、そしてスライドを5分間インキュベートした。スライドラックを、スライドを溶液から取り出すために概略15秒かけて、洗浄液2からゆっくりと引き出した。
洗浄液2中の残り1分で、アセトニトリル(ACN)を4番目の染色皿に加えた。スライドラックをACNの染色皿に移動した。スライドラックを穏やかに5回上下した。磁気撹拌子を低い設定で回転し、そしてスライドを5分間インキュベートした。
スライドラックをACNの染色皿からゆっくりと引き出し、そして吸収剤のタオル上に置いた。スライドの下部の端を急速に乾燥し、そしてスライドを清浄なスライドボックスに入れた。
15.マイクロアレイの画像処理
マイクロアレイスライドを、アジレント走査スライド保持器に入れ、そして製造業者の説明書によりアジレントマイクロアレイ走査装置に装着した。
スライドを、5μmの解像度で100%PMTの設定でCy3−チャンネルで画像化し、そしてXRDオプションを0.05で可能にした。得られたtiff画像を、Agilent特徴抽出ソフトウェアバージョン10.5を使用して加工した。
実施例2:試料操作/加工マーカーの同定及び試料操作行列の誘導
臨床研究の参加者からの異なった臨床部位から収集された血液試料間で、多くの差が観察された。試料操作/加工マーカーに伴うアプタマーシグナルのこの部位依存性を、使用された試料収集プロトコルの直接の結果であると仮定した。好ましいプロトコルを使用した部位間の試料操作及び加工マーカーにおいて、強い差が観察された。異なった試料収集及び加工方法の影響の更に良好な理解のために、収集パラメーターを変動した一連のインハウスの実験が行われた。これらの実験は、試料収集プロトコルの混乱が、協調した様式で多くのタンパク質に対する変化をもたらすことを明らかにした。これらの実験の結果として、試料収集及び加工の特定の方法に伴う試料操作及び加工マーカータンパク質のサインが、更に完全に理解され、そして一つの試料が、如何に良好に収集され、そして加工されているかを測定することが今や可能である。表1は、血清又は血漿細胞の溶解/汚染(“細胞虐待”と呼ばれる)、血小板の汚染、及び補体の活性化に伴う試料操作/加工マーカーを記載する。従って、表1のマーカーは、試料操作及び加工マーカーとして役立つことができる。前述の情報は、事例の試料における測定されたバイオマーカー値を調節するために使用することができる試料品質値が提供する。
臨床試料収集に対して感受性であるバイオマーカーの同定は、試料収集の特定の工程を意図的に混乱させることによって同定することができる。幾つかの実験は、試料が遠心される速度、試料が遠心される前に経過する時間、試料が冷凍される前に経過する時間、及び試料を抜出すために使用される針の種類を含む。これらの臨床工程の多くは、二つの異なった収集部位が、その試料調製において異なることができる方法であり、これは、収集物間の偏りに導くことができる。しばしば、これらの差は、試料の品質を低下すること(例えば、汚染又は分解)をもたらす。これらの差を再現することによって、これらの偏りによって影響される可能性のある分析物を確認し、そして最終的に適当な収集プロトコルからの逸脱の負の影響を定量するために使用することができる。
影響された分析物の大きな組が同定された後、そのリストは、それが生物学的経路であるか、又は細胞のような生物学的成分であるかに関わらず、単一の生物学的原因に関連すると信じられる分析物の僅かな組までに減少されるべきである。これは、他の分析物と多くの共分散を共有しない僅かな組を同定するための分析物の共変動を検討することによって達成することができる。この分析物の組が改良された後、これらの分析物の機能に関する従来の知識を組込むことにより、これらの生物学的原因を解明することができる。例えば、全ての分析物が同じ細胞型から得られた場合、これは、これらの細胞が溶解されたために試料中に存在することを示唆する。
同定された分析物の僅かな組において、これらの分析物は、適当な試料収集法からの逸脱によって起こされた試料に対する特定の虐待の程度を測定するものである定量的モデルに組込むことができる。このモデルは、性質として線形又は非線形であることができる。別の方法として、定性的モデルは、更にこれが定量的測定値ではなく、試料の分類を戻すものであるように調整することができる。このモデルは、試料を、試料品質の各種のレベルにトリアージするために使用することができる。
最後に、標的化された生化学的実験は、影響を再現し、そして望ましくは観察された分析物のサインを決定する根底にある生物学的過程を解明することを試みるために行うことができる。例えば、モデル中の分析物が血小板の活性化に関係することが知られたタンパク質で富化された場合、血小板を意図的に活性化する生化学的実験を、モデルが活性化の程度を正確に測定するか否かを試験するために行うことができる。これは、モデルの有効性、並びに変動の提案される生物学的原因に対する支持を提供する。
例示的な定量的モデル
試料操作の差を測定するための定量的モデルのための一つの可能性は、それぞれの分析物が係数を与えられる線形モデルである。これらの係数は、目的変数のある又は目的変数がない様式で調整することができる。目的変数のある調整において、反応の変数が提供され、そして係数は、線形モデル及び反応間の誤差が最小となるように調整される。目的変数がない調整において、反応は提供されず、そして係数は、データの共分散構造により選択される。以下の例示的モデルは、主要成分分析(PCA)からの負荷を使用して目的変数がない様式で調整された。これは、以下の実施例における試料操作の影響を定量化するために使用されるが、しかしこれらの影響を測定するための一つの単一の方法のみを表すものである。
PCAを使用してそれぞれのマーカータンパク質のために誘導された係数を、表1に記載する。係数のリストは、“試料マッピングベクトル”(SMV)として知られる。通常適用されるSMVを、表2ないし5に記載する。分析前の試料の変動度の知識の増大に従って、新しいベクトルを定義するものであることがふさわしい。表2は、操作/加工マーカータンパク質及び血液の血清試料に対する血液細胞の溶解の程度を測定するSMVに対する加重を記載する。表3は、操作/加工マーカータンパク質及び血液の血漿試料中の血液細胞の溶解の程度を測定するSMV加重を記載する。表4は、操作/加工マーカータンパク質及び血液の血漿試料中の血小板活性化を測定するSMV加重を記載する。表5は、自然免疫反応の血液補体系の活性化に伴う操作/加工タンパク質に対するSMVを記載する。表2−5中のSMVは、試料マッピングベクトルの方向に沿った試料の規模を計算することによって試料を評価するために使用され、これは、SMVを定義するタンパク質測定値のドット積、及び試料中の対応する操作/加工タンパク質測定を行うことによって行われる。これらのマーカーを、試料品質の定量的評価に組込み、そして試料の統合性を評価するために未知の試料に適用することができる。
これらのベクトルは、以下の方法によって個々の試料に適用される:
1.与えられた試料の試料操作/加工マーカータンパク質の測定値の自然対数を取る。
2.それぞれの試料操作/加工マーカータンパク質に対して、工程1からの対応するlog測定値を、対応するSMV加重によって掛け算する。
3.工程2の得られた積を合計して、試料品質の結果を形成する。
上記の方法における対数変換の使用は、参照に関する比例的変化の決定を可能にする。それぞれの事例の試料の分析は、標準的な参照試料と比較され、これによって試料の組間の相対的変化及びアッセイのバージョンを、複雑な事態を伴わずに可能にする。これは、遺伝子発現研究における通常の“log比”測定値の使用に類似している。
以下は、SMVが、SMVスコアを計算するために与えられた試料に如何に適用されるかの式の記載である。Sは、係数s、iは1、…、nからなるmタンパク質のSMVである。Xは、logRFU単位のpタンパク質の測定値を伴う与えられた試料であり、ここでxは、j番目のタンパク質の測定値である。Sを定義するタンパク質及びX中の測定されたタンパク質が同じ組ではないことができるために、X及びSは、X及びS間のnタンパク質の共通の組に対応する、それぞれX及びSのサブセットとして定義される。最後に、SMVスコアであるCは、X及びSのドット積として定義される:
実施例3:スピン時間(Time-to-Spin)の実験
最初のインハウスの試料操作実験の一つは、2010年に公開され、そして試料収集のスピン時間及び冷凍時間を変化した後の、血液中のタンパク質濃度を測定した(Ostroff,R.et al.(2010)J.Proteomics 73:649−666)。これらの試料を、三つのの異なった種類の試験管中に収集し、そして15分間1300gでスピンした。研究の試験管の種類当たりの四つの個体のそれぞれに対して、スピン時間の値は、半時間、1時間、2時間、4時間、及び20時間であった;そして冷凍時間は、半時間、2時間、6時間、及び20時間であった。これらのスピン時間及び冷凍時間の実験の全ての組合せは、それぞれの試験管の種類に対するそれぞれの個体に対して20個の試料を供給した。この公開以来、技術は、大部分主成分分析(PCA)の変動を使用して、試料が虐待されている程度を評価するために開発されている。PCAは、協調した様式で変動する分析物を含有する試料を同定する次元縮小技術である。PCA回転行列(分析物空間)及びPCA射影行列(試料空間)を検討することによって、データの変動の方向を容易に同定することができる。
図1は、以前に公開されたスピン時間及び冷凍時間実験に対する新しく発見された試料マッピングベクトル法の遡及的適用を示す。図1Aは、回転行列の最初の二つの成分(カラム)のプロットを示し、そして図1Bは、射影行列の対応する最初の二つの成分を示す。図1Bは、試料が両方の軸に分割されていることを示す。最初の成分(x軸)は、試料を四つの縦のグループに分離し、これは、研究の中の四つの個体に対応する。回転プロット(分析物空間)の第1の成分を検討すれば、個体間のこの分散の根底にある分析物は、点の主要なクラスターから分離されている。これらの分析物の二つは、卵胞刺激ホルモン及び黄体ホルモンであり、これらの両方は、オス及びメス間で、そして個体間で変動することが知られている。これらの二つの分析物は、盲検試料の組においてさえ男及び女間を識別することを可能にする分類指標の一部である。
スピン時間によって影響される分析物は、成分2(縦軸)に対して大きい負の係数を有する。図1B中の試料は、それぞれのスピン時間値に対して異なった記号が与えられている。図1A中の血清の細胞虐待SMVからの分析物は、黒丸を使用して強調されている。
成分2における試料の相対的な位置は、その試料中の細胞の汚染されたタンパク質のサインの規模を示す。図2Aは、スピン時間によってグループ化された、これらの係数の箱髭図を示す。この分析物のサインの時間に伴う進行は、この図において明確に示されている。この同じ進行は、血清の細胞虐待SMVにおいて観察することができる。進行が逆方向であるという事実は、単に、係数に対して任意の符号を指定したPCAの結果である。重要な観察は、調整された細胞虐待SMVが、PCAによって同定された同じタンパク質のサインを測定することである。
実施例4:遡及的研究の収集における試料操作
先に記載した方法を使用して、本出願人等は、厳密な収集プロトコルに固執した及びそうではない試料並びに収集部位を同定することができる。図3は、多施設の遡及的臨床研究における試料収集に伴うPCA係数の箱髭図を示す。それぞれの部位は、試料収集の差に伴う主成分に対するPCA係数の規模及び変動度の範囲において異なる。これは、与えられた部位における試料加工の品質を評価するためのツールとして、如何にPCAを使用することができるかの例として役立つ。
図4は、それぞれの試料に対する相補的SMV及び血清の細胞虐待SMVを使用して位置づけした血清試料の組を示す。この大きい試料の組において、癌患者からの血液試料及び非疾病の対照は、多数の施設の場所から得た。図4Aは、収集部位によって層状化された細胞虐待SMV間の事例対照の差を示す箱髭図である。このプロットは、両方の部位間、並びに部位内の事例及び対照間の差を明らかにする。図4Bは、補体活性化SMVを示す同じ層状化による箱髭図である。このプロットは、事例及び対照間並びに部位間の偏りの異なった組を示す。
図4Cは、細胞虐待SMVスコアに対する補体SMVの散布図を示す。黒対白の記号の差は、事例及び対照の個体がバイオマーカー回収によって分析された場合に得られた癌の事例の結果対対照の結果に対応する。点線は、品質試料収集のために課せられた閾値の例である。縦線は、受容可能な試料の補体活性化SMVの限度を意味する。この線の右側は、バイオマーカーを検出する能力と干渉する補体活性化のレベルである。水平の線は、恐らく2時間以内に加工されなかったか又は適当にスピンされなかった試料が、線より上にあることを例示する血清の細胞虐待SMVの限度を意味する。補体SMV及び血清の細胞虐待SMVの許容性の限度が、ある程度独立であり、そして従って、血清細胞の溶解及び補体活性化の基準の両方を適用しなければならないことを知ることができる。更に、黒の四角がプロットの頂部に隔離されて存在し、一方、白の四角は左下部の点の集結したボールの中にあることを知ることができる。これは、収集部位の試料が、癌の事例及び対照間で均一の様式で収集されず、そして従って、この部位からの試料は、考慮から除外することができることを示す。
実施例5:個々の試料及び試料収集を評価するためのSMVの適用
SomaLogicの健常正常性研究(SHN)は、血液タンパク質測定における異なった試料収集プロトコルの影響を調査した。9種の試料を、10人の個体から、三つの異なった収集プロトコル及び三つの異なった種類の試験管を使用して収集した。全ての試験管は、2500gの20分間の最初のスピンを受けた。2時間の好ましいプロトコル(2時間内のアリコート化及び冷凍)を受けなかった全ての試験管は、再び1850gで10分間、そして次いで、4Cの貯蔵所で24時間又は48時間の何れかで加工される前に、2500gで20分間スピンされた。三つのプロトコルは:
・2時間(好ましいプロトコル):収集の2時間内にスピン、分離及び冷凍された
・アリコート化及び冷凍に先立つ24時間の冷蔵期間
・アリコート化及び冷凍に先立つ48時間の冷蔵期間
である。
それぞれのプロトコルに対して、血液を三つの種類の試験管:EDTA血漿試験管、血漿P100試験管、及び血清SST試験管を使用して収集した。血漿P100試験管は、これがプロテアーゼ阻害剤を含有すること、並びに物理的バリアーを使用して細胞又は血小板のような大きい成分を濾過する機械的分離器において標準的なEDTA血漿試験管と異なっている。血清SST試験管も、更にバリアーを含有するが、然しながらバリアーは、ポリエステル基剤ゲルからなっている。EDTA試験管のPCA分析は、試料を三つの異なった収集プロトコルに対応する三つの別個のグループに非常に好都合にクラスター化する(図5)。アッセイのそれぞれの実験と共に、標準物質と呼ばれる対照試料が含められ、これは、好ましいプロトコルを使用して三重で実験される。図5B中で黒丸で示されるこれらの試料は、最も少なく影響されるクラスターである。次の二つの連続したカラム様クラスターは、それぞれ24時間及び48時間のプロトコルである。
図6は、主要成分1(図5B)及び試料の同じ組に対する血漿の細胞虐待SMVスコアからのPCA係数の比較を示す。これらの二つの箱髭図は、細胞虐待SMVが、試料が、増加した量の時間スピンされないまま放置された場合のような細胞虐待の増加を正しく測定することを示す。
図7において、血漿の血小板SMVの測定値を、SHN研究における試料に対する血漿の細胞虐待SMVの測定値に対してプロットした。一つの実験変数(試料の遠心前の時間)が変動された。この場合、血漿の血小板SMV及び血漿虐待SMVの両方が、静脈穿刺及び遠心による血漿の分離間の時間に伴って増加した。両方のSMV測定値は、SHN研究における遠心時間によって類似の様式で影響された。
スピン時間及び冷凍時間実験において観察されたように、試料収集成分に加えて、更に研究において個体を分離する集団成分が存在する。これは、図5の2番目の成分に見ることができ、これは、同じ色の三つの点を列に分離する。成分2及び3でプロットすることは、試料操作の努力を排除又は軽減する。図8において、試料操作の努力の除去は、集団中の真の生物学的変動が更に明白になり−バイオマーカーシグナルが更に信頼できるようになることを可能にする。これは、二つの方法で証明される。第1に、同じ個体からの三つの点は、今や図7において明白ではなかった方法で一緒にクラスター化される(図8B中の同じ個体からの円で囲まれた点によって示される);同じ時間に試料採取された場合同じ個体内の生物学は、個体間の生物学より更に類似である可能性がある。第2に、性別の差が、これらの試料において今や明らかになる:プロットの下部において明確に分離された点は、研究中の閉経後のメスに対応し、これは、予測されるように、先に考察したように、極めて上昇したLH及びFSH値を有する。他の二つのメスも、さらにオスの集団に対してより高いレベルを有する。更にメスと同じ程度に高いPCA係数を有する単一のオスが存在するが、然しながら、これは、性別に関係しない他の分析物のためであり、これは、LH及びFSHと相関されて起こる。従って、二つの予測された生物学的影響(対象及び性別内の一致)は、この方法によって明らかにされるか、又は改良される。
図9は、未知の品質の試料の組である試験の組を、SHN研究からの既知の調製時間の参照試料と比較するための血漿の細胞虐待SMVの適用を示す。これは、試験の組の試料に対する血漿の細胞虐待SMV測定値の分布を示す。測定値は、血漿の細胞虐待SMVに関して、24時間内に収集されたSHN参照試料と同等であり、そして従ってバイオマーカー発見の目的のために受容することができることがわかる。これは、多くの試料を分析する前に、収集物からの試料の選択のスクリーニングを可能にし、従って、収集物中の全ての試料を実行する時間及び努力を節約することができる。試験の組の試料の分布は、多様式の分布を有し、単一の部位内に収集物の差が存在することができることを示す。全体の組又は収集物を受容又は拒絶するのではなく、最も右側のピークを形成する最も不良な品質の試料のみを除去することができる。
実施例6:収集試験管の比較
如何に多くの分析物が異なった収集プロトコルによって有意に影響されているかを決定するために、一連のマンホイットニー(MW)の順位和検定を行った。MW検定は、一つの試料の組が、もう一つの試料の組より大きいか又は小さいかを評価するノンパラメトリック検定である。それぞれの分析物に対して、それぞれの個体に対して測定された濃度を、これらが、収集プロトコルによって異なるか否かを決定するために評価した。2時間プロトコルを、24時間収集及び48時間収集プロトコルの両方に対して試験した。
表6は、この研究で測定された合計868個の分析物からのSHNプロトコルにおける値が有意に増加又は減少した分析物の数を示す。この表の有意性に対する閾値は、0.05より小さいFDR補正p値(q値)であった。この閾値で、P100血漿試験管は、24時間プロトコルに対して最も少なく影響され、四つの分析物のみが影響された。SST試験管は2番目で、17個、そして標準的EDTA血漿試験管は、37個の影響された分析物を有していた。これは、P100試験管の機械的バリアーが、SST血清試験管のゲルバリアーより有効であるPCR分析における観察を支持する。これらの三つの試験管の分析物の殆どが増加し、これは、細胞の汚染と一致する。
48時間収集プロトコルが使用された場合、有意に影響された分析物の数は劇的に増加した。興味あることに、P100試験管中の影響された分析物の数は、SST血清試験管中の影響された分析物の数を上回った。これは、恐らく血清試料が既に凝固していたためである;血小板及び補体活性化のような過程が既に完結に近いまで進行し、従って示差発現の可能性を最小にした。もう一つの興味ある観察は、2時間プロトコルに対して減少した分析物の比率が、同様に増加したことである。これは、48時間の冷蔵中の試料のタンパク質分解のためであることができる。48時間プロトコルにおいて有意に増加した分析物の劇的な増加は、フィルターを通してゆっくりと拡散して戻ったタンパク質のためであることができる。
実施例7:剪断による細胞虐待SMVの実験的検証
14個の試料を、パープルトップバキュテナー(血漿)又はタイガートップバキュテナー(血清)に取付けた21番ゲージの針を使用する静脈穿刺によって得た。試料を、直ちに、概略100ml/分で21と1/2番ゲージの針を通す0、2、3、4、6、8、又は10回のいずれかの通過によって剪断した。血漿試料を、1.5mlのエッペンドルフ試験管中に直ちに分配し、そして1300gで10分間遠心した。血清試料を、1.5mlのエッペンドルフ試験管中に分配し、30分間凝固させ、そして1300gで15分間遠心した。血漿又は血清を取出し、そして−70℃に冷凍してから、解凍し、そしてその後SOMAScanバージョン1−Jで分析した。
21と1/2番ゲージの針を通して試料を通過させる剪断の影響は、長時間未加工のまま放置される試料において起こる細胞虐待を急速に模倣することを意味する。図10A及び10Bは、この実験の最初の二つの主要な成分のプロットを示す。図10Aは、タンパク質の変動を反映する回転プロットを示す。血清及び血漿の細胞虐待SMVの両方の中の分析物は黒丸として示され、一方、残りの白丸は、残りの分析物を表す。このプロット中に変動の二つの主要な方向があり、これらは、血漿/血清方向及び細胞虐待方向と標識された。血漿対血清の方向は、トロンビンのような血清の凝固に関係するタンパク質によって支配される。他の方向は、細胞虐待SMV中の分析物が富化される。
図10Bは、対応する射影行列を示し、これは、試料中の変動を反映する。これは、血清及び血漿試料間の明白な分離を示し、これは、図10Aの血漿対血清方向に対応する。他の方向は、幾つかの点が僅かに異常であるが、試料を、針を通して通過させた回数に関する血清及び血漿試料の両方を整理する。これは、針を通す通過の数が増加すると、この方向のタンパク質の濃度が増加することを示す。
この実験は、ある分析物の組が、これらが繰り返して針を通過すると、濃度が増加することを明らかにする。更に、この分析物の組は、細胞虐待SMVからのタンパク質で高度に富化される。細胞虐待SMVの分析物が、最初の二つの主要な成分中に現れるという事実は、このタンパク質のサインが、この研究の変動の主要な原因であり、そして目的変数がない様式で同定することができることを証明する。
図11A及び11Bは、血清及び血漿のそれぞれに対する、細胞虐待SMVスコアを示す。これらのプロットは、針誘導の剪断の程度が増加すると、細胞虐待が増加することを明白に示す。この実験は、血清及び血漿の両方に対する細胞虐待SMVが、細胞虐待及び溶解の程度を測定するという事実を確認する。これは、目的変数がない(図10)及び目的変数がある(図11)の両方の方法で観察される。
実施例8:TRAP活性化による血漿の血小板SMVの実験的検証
16個の試料を、パープルトップバキュテナーに取付けた21番ゲージの針を使用する静脈穿刺によって得た。試料を、10uLのDMSOを含有する0.5mlのエッペンドルフ試験管に分配(0.5mlアリコート)した。試料の半分を、DMSO中の10uLの1mMのトロンビン受容体活性化ペプチド(TRAP)で処理した(最終濃度20uM)。試料を、室温で、0、0.5、1、2、4、8、12、又は20時間の何れかでインキュベートし、そして1300gで10分間スピンしてから、回収し、そして−70℃で冷凍した。試料を解凍し、そしてSOMAScanバージョン1−Jで分析した。
図12A及び12Bは、この実験の最初の二つの主要成分のプロットを示す。図12Aは、回転プロットを示し、これは、タンパク質の変動を反映する。血漿の細胞虐待SMV中の分析物を黒丸で示し、そして血漿の血小板SMV中の分析物を黒三角で示す。残りの分析物を白丸で示す。このプロット中に変動の二つの主要な方向が存在し、これらは、血小板方向及び時間方向と標識された。図12Aは、TRAP活性化に伴う方向中の分析物は、血漿の血小板SMVからの分析物で高度に富化されていることを示す(黒三角)。更に、時間に伴う方向中の分析物は、先に観察されたように、血漿の細胞虐待SMVからの分析物で高度に富化されている。これは、これらの二つのSMVが二つの異なった影響を測定することの断定を支持する。
図12Bは、対応する射影行列を示し、これは、試料の変動を反映する。これは、TRAP活性化試料及び対応する対照間の分離を明白に示す。他の方向は、試料がスピンされる前の時間に関係する。
図13は、TRAPで処理された試料及び対照に対する時間単位のスピン時間対血漿の血小板SMVの散布図を示す。対照試料は、時間に伴う血小板SMVスコアの増加を示し、これは、概略5時間で平坦化する。これは、血漿試料は抗凝固剤を含有するが、最終的には、試料は凝固し始めることを示唆する。TRAP活性化試料は、試料がスピンされる前の時間に関係なく、一貫して高い血小板SMVスコアを示す。これは、TRAPの添加が、血小板を直ちに、そして5時間のインキュベーション後、対照試料に匹敵するレベルに活性化したことを示唆する。この実験は、血漿の血小板SMVが、TRAP活性化によって血小板の活性化を測定することを示す。
実施例9:試料の汚染を減少するための解凍後のハードスピン
試料から細胞及び血小板汚染物質を除去するために、冷凍−解凍後にハードスピン(4000gで10分間)を行う効力を試験するために、一つの実験を設計した。標準的なプロトコルを使用して収集された血漿を、冷凍−解凍の前又は後のいずれかにハードスピンを適用するために比較した。冷凍−解凍の前に行われたハードスピンは、冷凍−解凍サイクルによって起こされた細胞溶解及び血小板活性化の程度を評価するために、ハードスピンの解凍後の試料に対する参照として含めた。
血液を、パープルトップバキュテナー試験管に取付けられた21番ゲージの針を使用する静脈穿刺によって単一の健康な提供者から得て、そして四つのグループ:標準、血小板富化、剪断、及び細胞汚染、に分割した。標準的試料(血小板に乏しい)を、1300gで10分間遠心した。血小板富化試料を、600gで5分間スピンした。剪断された試料を、1300gで10分間スピンし、そして次いで概略100ml/分における23番ゲージの針の一回の通過にかけ、次いでバキュテナー試験管に戻した。細胞で汚染した試料を、1300gで10分間遠心し、そして次いで、細胞/血漿界面(軟膜)からの少量の物質を、上清に計画的に混ぜ戻した。血漿画分を吸引によって回収した。
それぞれの試料のグループを、異なった処理を受ける三つの部分に分割した。非処理(ハードスピンなし)の部分(0.5ml)を、冷凍−解凍前の更なる処理なしに冷凍した。ハードスピンの冷凍前部分を1.5mlのエッペンドルフ試験管に入れ、そして4000gで10分間遠心し、次いで冷凍した。ハードスピンの解凍後部分を冷凍し、解凍し、そして次いで4000gで10分間1.5mlのエッペンドルフ試験管中で遠心した。全ての上清を吸引によって回収した。次いで全ての試料を、−70℃で冷凍した。試料をSOMAScanバージョン3で分析した。
図14A及び14Bは、この実験の結果を示す。両方の図において、冷凍の前にハードスピンを受けた標準的な試料を、参照として使用し、そして全ての他のSMVスコアは、この参照値をこれらから差引かれた。
図14A及び14Bは、血漿の細胞虐待SMVスコアに対するハードスピンの影響を示す。予期したように、標準的試料は、全ての非処理部分の最低の細胞汚染を示した。他の三つの試料のグループ(血小板富化、剪断、及び細胞汚染)は、全て非処理部分において測定された細胞虐待の非常に高い測定されたレベルを有していた。冷凍前のハードスピンは、血小板富化試料及び細胞汚染試料グループの両方におけるこの上昇した細胞虐待のサインを好結果で除去した。剪断されたグループは、細胞虐待のサインのはるかに小さい減少を示し、針の通過がハードスピンの前にすでに細胞を溶解したことを示した。解凍後にハードスピンを受けた試料の部分は、更に細胞虐待のサインの減少を示したが、然しながら、冷凍前にスピンされた試料と同じ程度ではなかった。これは、細胞の幾つかが冷凍−解凍過程中に溶解されたが、しかし冷凍後のハードスピンの適用が、合計の細胞汚染及び試料中の潜在的溶解をなお減少することを示唆する。
図14Bは、測定された血小板活性化における類似の影響を示す。標準的な試料のグループにおいて、血小板活性化は、非処理部分に対して低く、そして両方のハードスピンは、このサインを匹敵する量減少する。細胞虐待SMVスコアにより分かるように、血小板SMVスコアは、ハードスピンが冷凍前に適用される場合と同じ程度ではないが、解凍後にハードスピンを適用することによって実質的に減少する。これは、更に、冷凍−解凍サイクルが、ある程度の血小板を実際活性化するが、試料が解凍された後、そして分析を実行する前にハードスピンを行うことになお有用性があることを示唆する。
この実験は、解凍後のハードスピンが、試料の細胞汚染及び血小板活性化を減少することができることを示す。細胞及び血小板のある程度の部分が、冷凍−解凍によって影響されるが、ある程度は、ハードスピンが除去することが可能である状態を持続する。これらの発見は、好ましくない収集プロトコル下で加工されることができた遡及的収集物に対して特に関連する。これらの遡及的試料が如何に良好に収集されたかに関わらず、この研究は、解凍後のハードスピンが、より少ない細胞汚染及び血小板活性化を伴う試料をもたらすことを示す。
図1Aは、回転行列の最初の二つの成分のプロットであり、これは、スピン時間及び冷凍時間実験のPCAに対するタンパク質の変動を反映する。細胞虐待試料マーカー変動(SMV)中の分析物を、黒丸で示す。 図1Bは、射影行列のプロットであり、これは、スピン時間及び冷凍時間実験のPCAに対する試料の変動を反映する。スピン時間は、点に対する異なった記号で示されている。第2の成分は、0.5時間から20時間までの点の順序付けを示し、これは、血清細胞虐待SMV中の分析物と同じ方向である。 図2Aは、スピン時間によって階層化されたスピン時間及び冷凍時間の第2のPCA成分の箱髭図である。プロットは、第2の成分が、スピン時間と強力に関係するることを明らかにする。スピン時間が増加した時に、半時間時点からの距離は増加する。 図2Bは、血清細胞虐待SMVが、スピン効果に対して同じ時間を測定することを示す箱髭図である。PCA係数の記号が任意であり;この場合、係数は、半時間時点からの相対的距離と解釈されるべきであることを注記することは重要である。 図3は、部位によって分離された臨床研究に対するPCAの主要成分の箱髭図である。この成分は、部位間の差を明らかにし、収集プロトコルが同一であることを意味したとしても、これらが、試料収集の品質において変化することを示唆する。PCAが、任意に係数の記号を与えるために、係数は、図2A中の計数とは異なって増加する;分析物の変動は、両方のデータの組において同じ方向である。 図4A、4B、及び4Cは、多重収集部位の癌の研究における試料の変動を示す。図4Aは、収集部位によって階層化された細胞虐待SMVにおける事例/対照の差の箱髭図である。 図4Bは、収集部位によって階層化された補体SMVにおける事例/対照の差の箱髭図である。 図4Cは、細胞虐待SMVに対してプロットされた補体SMVを示す。これらのSMVの値に対する受容可能な範囲に対する閾値の例は、点線によって示されている。 図5Aは、回転行列の最初の二つの成分を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対するタンパク質の変動を反映する。細胞虐待SMV中の分析物を、黒丸で示す。 図5Bは、射影行列を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。同じ個体から誘導された試料は、同じ記号で表される。試料は、唯一の例外を伴うそれぞれの個体から単一の試料を有する三つのカラムに整列され;これらのグループは、三つの収集プロトコルを表す。黒丸は、品質条件下で収集された複製内部対照を表す。 図6Aは、試料収集プロトコルによって階層化された標準的なEDTA血漿試験管における第1のPCA成分のSHN実験の箱髭図である。 図6Bは、同じプロトコルで計算された血漿細胞虐待SMVの箱髭図であり、これは、図6Aの第1の主要成分に非常に類似している。 図7は、遠心時間に対して変化する収集法による試料に対する、血漿細胞虐待SMVに対する血漿血小板SMVのプロットである。 図8Aは、回転行列の第2及び第3の成分を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対するタンパク質分布を反映する。これらのタンパク質は、試料収集法には関係しないが、しかし研究の中の10人の個体間の集団の変動である。 図8Bは、射影行列を示し、これは、標準的なEDTA血漿試験管中のSHN収集プロトコル実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。同じ個体からの試料は丸で囲まれ、そして異なった記号が、オス及びメスに与えられる。 図9は、試験の組の試料に対する、血漿の細胞虐待SMVの適用をプロットする。点線は、収集から遠心による血漿分離までの時間が延長された時の血漿の細胞虐待SMVの変化を表す。試験の組は、このSMVに対して受容可能な範囲にあり、そして2時間目における、24時間目頃のより小さい量の、及びこれらの二つの時点間の試料の大部分の、スピン時間の一貫したピークを明らかにする。 図10Aは、回転行列の最初の二つの成分を示し、これは、剪断実験におけるPCAに対するタンパク質の変化を反映する。プロットは、変動の二つの主要な方向、血漿及び剪断(細胞虐待)に対する血清を明らかにする。 図10Bは、射影行列の最初の二つの成分を示し、これは、剪断実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。プロットは、変動の二つの主要な方向、血漿及び剪断(細胞虐待)に対する血清を明らかにする。それぞれの試料は、それが剪断された回数で標識されている。 図11Aは、剪断(細胞虐待)の量に対する血清の細胞虐待SMVスコアを示し、これは、血清試料を針を通して多数回通過させることによって達成された。このプロットは、細胞虐待の量が増加する時の、測定された細胞虐待の増加を示す。 図11Bは、剪断(細胞虐待)の量に対する血漿の細胞虐待SMVスコアを示し、これは、血清試料を針を通して多数回通過させることによって達成される。このプロットは、細胞虐待の量が増加する時の、測定された細胞虐待の増加を示す。 図12Aは、回転行列の最初の二つの成分を示し、これは、TRAP活性化実験におけるPCAに対するタンパク質の変動を反映する。プロットは、スピン時間及び血小板活性化の二つの主要な方向を明らかにする。 図12Bは、射影行列の最初の二つの成分を示し、これは、TRAP活性化実験におけるPCAに対する試料の変動を反映する。プロットは、スピン時間及び血小板活性化の変動の二つの主要な方向を明らかにする。 図13は、TRAP処理試料及び対照に対する時間表示のスピン時間に対する血漿の血小板SMVの散布図を示す。TRAP処理試料は、測定された血小板活性化の一定の高いレベルを有する。非処理の対照は、測定された初期の血小板活性化の低いレベルを有し、これは、スピン時間と共に増加する。 図14は、血漿の細胞虐待SMVスコアにおける冷凍後のハードスピンの影響を示す。 図14、血小板活性化における冷凍後のハードスピンの影響を示す。

Claims (22)

  1. (a)以下の(i)又は(ii)の場合に、示差的に発現される分析物の第1の組を決定すること:
    (i)操作/加工プロトコルが変動された場合、又は
    (ii)特異的な生物学的過程が実験的に活性化されるか又は変動された場合;
    (b)分析物の測定値が以下の(i)又は(ii)の程度に滑らかに又は直線的に関連して変化する、分析物のサブセットを決定すること:
    (i)適用された操作/加工プロトコルの変動の程度に、又は
    (ii)試料に適用された生物学的過程の実験的な活性化の程度に;
    ここにおいて、前記サブセットは、分析物の第1の組と比較して、同じ又は少ない分析物を含有することができ;
    (c)以下の(i)又は(ii)の間依存性に関する定量的モデルを構築すること:
    (i)試料操作プロトコルの変動及びサブセットからの分析物の測定値;又は
    (ii)試料に適用された生物学的過程の実験的活性化の前記程度及びサブセットからの分析物の測定値;
    そして
    (d)工程(c)の定量的モデルに基づき、それぞれの試料に対する計量値又はスコアを得ること;
    を含んでなる、試料品質の定量化において有用な、試料操作/加工マーカーを同定する方法。
  2. (a)前記試料に対する請求項1に記載の方法の試料操作/加工マーカーを準備し;
    (b)試料に対する計量値又はスコアを得るために請求項1に記載の定量的モデルを適用し、ここにおいて、前記計量値又はスコアは、好ましいプロトコルによって逸脱した方法によってどの程度まで試料が産生されるかを示し;
    (c)(i)診断目的のために前記試料を拒絶又は受容する;
    (ii)バイオマーカー発見の適用のために前記試料を拒絶又は受容する;
    (iii)参照試料との比較により試料操作プロトコルからの変動の程度を決定する;
    (iv)試料操作プロトコルの変動に対して補正する;
    (v)試料を拒絶する、これによってバイオマーカー発見のために受容可能な試料グループを得ることができる;及び/又は
    (vi)診断試験の設定において誤解させる結果を回避するために試料を拒絶する;
    ために、
    前記計量値又はスコアを使用すること;
    を含んでなる、試料の試料品質を決定する方法。
  3. (a)以下のそれぞれの試料に対して定量的な計量値を計算すること:
    (i)バイオマーカー発見を意図する組の中の試料に対して;又は
    (ii)複数の試料の収集物から;
    (b)工程(a)から、以下の(i)又は(ii)の試料を選択すること:
    (i)定量的な計量値に対する受容可能な範囲に合致する組の試料、又は
    (ii)受容可能な計量値の普通の範囲に合致する前記収集物のサブセットからの試料;
    (c)計量値及びバイオマーカー発見のために標的化される生物学的特徴間の関連を示す、工程(a)の試料を拒絶すること;
    を含んでなる、バイオマーカー発見のために適した試料のサブセットを選択するための方法。
  4. (a)前記サブセットが、収集物の全ての前記試料又はそのランダムなサブセットを含んでなる、試料のサブセットを選択し;
    (b)前記サブセット中のそれぞれの試料に対する定量的計量値を計算し;
    (c)定量的計量値に対する受容可能な範囲に合致する試料の比率又は分布を決定し;
    (d)(i)受容可能な試料の前記分布又は比率;及び/又は
    (ii)興味ある前記臨床的変動及び前記定量的計量値間の関連の程度;
    に基づいて、前記収集物を拒絶するか否かを決定すること;
    を含んでなる、全体の収集物を拒絶するための方法。
  5. (a)個体の試料の細胞及び細胞成分から血漿上清を分離し;
    (b)前記血漿上清を冷凍し;
    (c)前記血漿上清を解凍し;そして
    (d)解凍された上清の2回目のスピンを行い、これによって、改良された品質の試料が製造され、ここにおいて、前記スピンが、全血に対する臨床的に標準的な遠心スピンであるか及び/又は前記スピンが10分間で2500gより大きい加速の積を有すること;
    を含んでなる、前記試料の品質を改良する方法。
  6. 前記解凍された血漿上清が、先ず二回目のスピンの前に、増加された重力(g)、スピン時間及び経路長に耐えることができる十分な強度の試験管に移される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記十分な強度の試験管が、エッペンドルフ(登録商標)試験管である、請求項6に記載の方法。
  8. 試料又は試料の組を、その操作/加工マーカー値の変動度に関してスクリーニングする方法であって:
    前記試料又は試料の組において、表1から選択される少なくともN個のマーカーの一つに対応する操作/加工マーカー値を決定し、ここにおいてN=2−73であり;
    参照試料を準備し、そして前記測定された試料又は試料の組の操作/加工マーカーに対応する前記操作/加工マーカー値を決定し;そして
    前記試料又は試料の組の操作/加工マーカー値を、対応する参照試料の操作/加工マーカー値と比較し、これによって前記試料又は試料の組の前記操作/加工マーカー値の変動度を決定できること
    を含んでなる、前記方法。
  9. 前記少なくともN個のマーカーが、表2から選択され、そしてここにおいて、N=2−30である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記少なくともN個のマーカーが、表3から選択され、そしてここにおいて、N=2−52である、請求項8に記載の方法。
  11. 前記少なくともN個のマーカーが、表4から選択され、そしてここにおいて、N=2−17である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記少なくともN個のマーカーが、表5から選択され、そしてここにおいて、N=2−4である、請求項8に記載の方法。
  13. 更なる分析のための試料又は試料の組の適合性を決定するための方法であって、請求項8に記載の方法を含んでなり、そして更に:
    前記試料又は試料の組の操作/加工マーカー値の変動度を準備し;
    前記試料又は試料の組が、所定のカットオフ値を超えないか否かを、前記変動度から決定し;
    これによって、前記試料又は試料の組の適合性が、カットオフ値を超えない操作/加工マーカー値を有する前記試料又は試料の組によって決定されること;
    を含んでなる、方法。
  14. 前記決定の工程の前に、前記試料又は試料の組のそれぞれの前記操作/加工マーカー値が:
    前記操作/加工マーカー値のそれぞれの自然対数値を得て;そして
    前記試料又は試料の組のそれぞれの前記操作/加工マーカー値に対する積を得るために所定の試料マッピングベクトル(SMV)係数によって、自然対数値のそれぞれを加重すること;
    の工程によって加工され、ここにおいて、それぞれの前記操作/加工マーカー値の前記比較が、これらの加重された積を比較することを含んでなる、請求項8に記載の方法。
  15. 好ましい試料操作及び加工プロトコルを決定するための方法であって、ここにおいて、前記プロトコルは更なる分析のために適した試料を産生し、請求項8に記載の方法を含んでなり、そして更に:
    (a)前記操作/加工マーカー値の変動度から、前記プロトコルの方法中の変動に感受性であるマーカーを決定し;
    (b)前記感受性なマーカーの操作/加工マーカー値の変動度を最小化するためにプロトコルの方法を変動し、これによって、好ましいプロトコルを決定すること;
    を含んでなる、前記方法。
  16. 試料又は試料の組の、所定の収集プロトコルの遵守を決定するための方法であって、請求項5に記載の方法を含んでなり、そして更に:
    前記所定の収集プロトコルを受けた参照試料を準備し;
    前記参照試料から、前記少なくともN個のマーカーのそれぞれに対応するカットオフ値を決定し;
    それぞれの試料又は試料の組の前記操作/加工値を、対応するカットオフ値と比較し;
    カットオフ値を超える操作/加工値の変動度を有する試料又は試料の組、及びカットオフ値を超えない試料又は試料の組を同定すること;
    を含んでなり、ここにおいて、その変動度がカットオフ値を超えない試料又は試料の組は、所定の収集プロトコルに従っている、前記方法。
  17. 前記更なる分析が、少なくとも一つの信頼できるバイオマーカーの同定を含んでなる請求項10に記載の方法であって:
    更なる分析のために適した試料又は試料の組を準備すること、ここで、それぞれの前記試料又は試料の組が、疾病に罹った個体又は疾病に罹っていない個体から得られたことが知られており;
    試料又は試料の組を分析して、少なくとも一つの信頼できるバイオマーカーを同定すること、ここで、前記バイオマーカーが、疾病に罹っていない個体からの試料又は試料の組中の対応するマーカーに対して、疾病に罹った個体からの試料又は試料の組において実質的に示差的に発現する;
    を含んでなり、これによって、更なる分析のために適した信頼できるバイオマーカーは、疾病に罹っていない個体中の対応するマーカーと比較して、疾病状態において実質的に示差的に発現された値を有する、同定されたマーカーである、前記方法。
  18. 前記更なる分析が、少なくとも一つの頑強なバイオマーカーの同定を含んでなる請求項10に記載の方法であって:
    疾病に罹った個体及び疾病に罹っていない個体からの適した試料又は試料の組を準備し;
    疾病に罹った個体からの実質的に全ての試料又は試料の組中で検出されないバイオマーカーを同定し;
    頑強なバイオマーカーとして、疾病に罹った個体からの実質的に全ての試料又は試料の組中で検出されるバイオマーカーを同定すること;
    を含んでなる、前記方法。
  19. 更なる分析のために適した試料又は試料の組の同定のための、正常な範囲又は好ましいカットオフ値を含んでなる、試料品質の標準を決定するための方法であって:
    少なくとも一つの対照試料を準備し;
    請求項5に記載の方法によって対照試料中の試料/操作マーカー値の変動度を決定し;
    試料操作及び加工プロトコル中の変動に感受性である操作/加工マーカーを決定し;
    プロトコルの変動に対して感受性であるそれぞれの試料操作/加工マーカーに対して、それぞれの前記操作/加工マーカーに対する正常な範囲及び好ましいカットオフ値を定義すること;
    を含んでなり、ここにおいて、前記試料品質の標準は、前記好ましカットオフ値を含んでなり、そして試料及び試料の組は、前記好ましいカットオフ値を使用してスクリーニングすることができ、これによって適した試料又は試料の組を得ることができる、前記方法。
  20. 前記更なる分析が、信頼できるバイオマーカーの決定及び頑強なバイオマーカーの決定からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  21. 試料又は試料の組中の試料操作/加工マーカーの偏りを決定するための方法であって、
    請求項10に記載の方法によって提供される適した試料又は試料の組において、試料収集及び操作プロトコル中の変動に感受性である試料操作/加工マーカーを同定し;
    参照又は対照試料を準備し;
    前記適した試料又は試料の組及び前記参照試料中の前記感受性な試料操作/加工マーカー値を測定し;
    前記測定された試料又は試料の組の操作/加工マーカー値を、前記参照試料の操作/加工マーカー値と比較し;
    前記参照試料の操作/加工マーカー値から変動する、前記試料又は試料の組の操作/加工マーカー値を同定し;
    前記参照マーカー値からの値の変動を有する前記操作/加工マーカーにおいて、疾病バイオマーカー値の変動を模倣する前記試料操作/加工マーカーを識別すること;
    を含んでなり;
    ここにおいて、疾病バイオマーカーを模倣する前記識別された操作/加工マーカーは、偏った操作/加工マーカーであり;そして
    ここにおいて、前記偏った操作/加工マーカーを、更なる分析から排除することができる、方法。
  22. 請求項5に記載の方法によって前記試料の操作/加工マーカー値の変動度を測定し;
    前記参照の操作/加工マーカー値に対する、前記試料の操作/加工マーカー値の変化を同定し;そして
    前記参照試料の前記操作/加工値に対する試料の操作/加工マーカー値の同定された変化で前記試料のバイオマーカーの測定値を補正する;
    試料の前記測定されたバイオマーカー値を補正するための方法。
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