JP2007534319A - 組織試料の検査方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ゲノム上の特性、プロテオーム上の特性、エピゲノム上の特性、および生物物理学的特性のうち少なくともいずれか1つが実質的に保持されている、患者から採取した組織試料の罹患組織率を組織の疾患部分について検査する方法に関し、該方法は、組織試料から通常通り切片を調製し、そのうち少なくとも1片に組織学的・細胞学的分析検査、および別の少なくとも1片に非形態学的分析検査を行う方法であって、組織学的・細胞学的検査において、組織試料における少なくとも罹患組織もしくは罹患細胞の定量的割合、およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を画像処理装置によって調査し、少なくとも該調査した定量的割合およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を、関連量として非形態学的分析検査の結果を評価するための基礎とすることを特徴とする。

Description

本発明は、請求項1の上位概念に適合した、組織試料の検査方法に関する。
多くの疾患は形態学的に明らかな組織変化に基づいている。このような疾患には、とりわけ良性および悪性の組織増殖、がん疾患、炎症または神経変性疾患が含まれる。
多くの場合、このような疾患を診断するために、組織試料を組織学的方法で検査するのが標準的である。このような方法はその間に十分に確立されているため、多くの疾患に対して高い診断確度を示し、したがって例えば腫瘍の診断では「最良標準」と見なされている。
しかしその間に、疾患の分子生物学的な特性解析が、基礎研究ばかりか臨床診断においてもますます重要になる役割を演じている。罹患組織は、一定の分子生物学的に理解可能な各量、例えばゲノム配列、mRNA配列、プロテオーム、ゲノムDNAのメチル化、ウイルス核酸もしくは細菌核酸の存在、および/または病原性分子の存在などが、健常組織とは異なっている。
しかも、数種の疾患は、分子生物学的に理解し、このような疾患の診断に関連付けることのできる、特徴的な遺伝子配列パターン、遺伝子発現プロファイルまたはDNAメチル化パターンにより識別される。悪性度または被治療性が本質的に相互に異なることが多い多くの疾患、例えば様々な種類の異なる腫瘍は、組織切片では区別できないので、このような手法によりまず診断されるのが一般的である。したがって、分子生物学的な特性解析は、組織の疾患をより精密に診断し、場合により個別化した治療を可能とする有望なアプローチである。特に、核酸またはタンパク質のアレイ(「マイクロアレイ」)を用いる最近開発された分子生物学的なハイスループット分析方法は、これに適している。
組織診断における分子レベルの手法の利点については、非特許文献1に概説されている。
組織試料の分子生物学的検査における本質的な問題は、得られた結果の解釈が困難なことである。例えば、既知の腫瘍Xでは、ある特定の遺伝子Yが典型的な様式で過剰発現することが考えられる。分子生物学的検査では、純粋な腫瘍試料であれば、著しく増大した遺伝子発現値が直ちに際立つであろう。しかし、検査した試料が腫瘍組織をわずかしか含んでいない場合は、試料全体の遺伝子発現値はわずかしか増加せず、そのような遺伝子発現値を正確に解釈することは困難であろう。
既知の腫瘍X’がある特定の遺伝子発現プロファイルY’、すなわち2種以上の遺伝子の遺伝子発現値の特徴的パターンを示すことも考え得る。この場合、検査した試料の非腫瘍組織による汚染が腫瘍特異的な遺伝子発現プロファイルY’を歪め、そのため診断が不可能になろう。
非特許文献2から、組織試料の罹患組織率に関する検査方法が知られており、該方法では組織試料から切片が作製され、その切片の少なくとも1片に組織学的分析検査、および別の少なくとも1片に非形態学的分析検査、すなわち分子生物学的マイクロアレイ分析が行われる。
その場合、凍結した組織試料をミクロトームで処理し、1組の連続切片を作製する。それらの連続切片の中の1または複数の切片をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、組
織学的検査を十分に行う。その際、個々の切片中の腫瘍細胞の割合を決定する。その割合が50%を超えれば、同じ連続切片の組の相当する切片に分子生物学的検査を適用する。切片中の腫瘍細胞の割合が50%未満であれば、その連続切片全体を廃棄する。
一連の組織学的検査から試料の構成に関して得た知見も、試料が一定の除外規準を満たすか否かを専ら判定するために適用する。
前記方法は、基礎研究においては遺伝子発現データバンクの設置、例えば構築をもたらすものであり、そのために比較的大量の組織試料を有する組織バンクに依拠している。検査すべき試料が除外規準を満たさない場合、新たな試料を組織バンクから入手し、腫瘍組織率について改めて組織学的検査を行い、次いで場合により分子生物学的検査に供する。
それに対して、個々の患者の試験材料がわずかしか利用できないことが多く、大抵は(特に手術中および手術前後の診断では)迅速な検査結果が問題となる臨床診断では、この手法は実際的ではない。すなわち、患者特異的な試料の予備的な組織検査で、腫瘍細胞率が小さ過ぎるため試料が除外規準を満たさないことが明らかになっても、利用できる試験材料を既に使い尽くしているか、かつ/または新たな試料を採取もしくは検査する時間がもはやないために、分子生物学的分析を完全に放棄しなければならないであろう。そのため、前記の方法では、臨床診断ですべての組織試料に対して、組織検査に加えて分子生物学的検査も行うことはできないであろう。
エス アール ラーカニ(S.R.Lahkani)およびエー アッシュワース(A.Ashworth)、「Microarray and histopathological analysis of tumors:The future and the past」、Nature Reviews、2001年、第1巻、p.51 ド ヴィーヴルら(de Vijver et al.)、「A Gene−Expression Signature as a Predictor of Survival in Breast Cancer」、The New England Journal of Medicine、2002年、第347巻、p.1999
本発明の課題は、罹患組織率および/またはさらなる関連構成要素、ならびに両者の相互関係に関して組織試料を検査する、診断に適当な方法であって、個々の試料に組織学的分析検査および非形態学的分析検査を行う方法を提供することである。
上記課題は、請求項1および2の特徴により解決される。
それによると、ゲノム上の特性、プロテオーム上の特性、エピゲノム上の特性、および生物物理学的特性のうち少なくともいずれか1つが実質的に保持されている組織試料の罹患組織率を検査する方法が予見される。その場合、既知の方法と同様に通常通り組織試料から切片を作製し、そのうち少なくとも1片に組織学的・細胞学的分析検査、および別の少なくとも1片に非形態学的分析検査を行う。
「非形態学的分析検査」という概念は、以降は特に分子生物学的検査を意味する。その場合、「分子生物学的検査」という概念を主に使用する。しかし、本発明の範囲内における非形態学的分析検査は、例えば酸化還元電位、pH値、温度、酸素分圧の測定、または乳酸やピルビン酸などの代謝物質の測定などの生物物理的検査でもあってもよい。
本発明によれば、組織学的・細胞学的検査から、組織試料における少なくとも罹患組織もしくは罹患細胞の定量的割合、およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を画像処理装置によって調査し、次いでそれらを関連量として非形態学的分析検査の結果を評価するための基礎とする。組織学的・細胞学的検査の間に、例えば壊死組織、炎症細胞または非罹患結合組織の割合も決定し、非形態学的分析検査の結果の評価において考慮に入れることができる。
罹患組織もしくは罹患細胞の定量的割合の決定は、例えば、切片をまず染色し、次いで特にコンピュータ支援された画像処理装置を利用して精査することにより、行うことができる。通常、このような装置は、光学装置(例えば、顕微鏡)、撮像装置(例えば、CCDカメラおよびイメージングプレート)、コンピュータならびに適当なソフトウェアからなる。このような装置を利用して組織プレパラートから自動的にかつ再現性良く、短時間に多数の量が調査される。
本発明によれば、撮像装置を用いて、組織試料における少なくとも腫瘍組織の定量的割合およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を画像処理装置により調査するが、それは、試料を組織学的に前処理した状態で、例えば染色した細胞および細胞核の計数または染色した組織領域の積分(2例だけを挙げれば)によって確実に可能となる。
それにより例えば関連量を調査し、そこから、実験的に得た遺伝子発現パターンを、相当するデータバンク中に保存されたパターンと比較するために、修正することができる。
該精査においては、試料における罹患組織の定量的割合を上記のように例えば細胞核の計数によって調査し、関連量として(例えばパーセント値の形で)書きとめる。次いで、別の切片の分子生物学的検査では、例えば疾患に典型的な遺伝子10種の発現パターンを定量的に得る。
得られた発現パターンを解釈するために、多数の疾患に関する既知の標準的発現パターンを保存しているデータバンクと比較しなければならない。このような標準的遺伝子発現プロファイルは、多数の種類の腫瘍および組織について、目下世界中の様々な研究室で調査されている。本発明の方法は、さらに下記するように、これに対して寄与することができる。
しかし、標準的発現パターンは、例えば罹患組織だけを含んだ標準的試料に関するものなので、それを実験的に得た発現パターンと直接比較することはできない。
実験的に得た発現パターンは、ここで既に調査した関連量を利用して修正し、次いでデータバンク中に保存されているパターンと直接比較することができる。したがって、非罹患組織が高い割合を示すような試料の遺伝子発現パターンについても、有意に評価し、診断上の解釈を与えることができる。
本発明方法の別の変法では、組織試料から無作為抽出試料を採取し、その無作為抽出試料の部分試料の少なくとも1個に組織学的・細胞学的分析検査を、かつ別の少なくとも1個に非形態学的分析検査を行うことが予見される。同様に、組織試料から複数の無作為抽出試料を採取することができ、その場合、その中の少なくとも1個に組織学的・細胞学的分析検査および別の少なくとも1個に非形態学的分析検査を行う。この実施形態では、個々の無作為抽出試料の部分試料だけに様々な検査を行うことも同様に考え得る。
その場合、組織学的・細胞学的検査から、組織試料または無作為抽出試料における罹患組織もしくは罹患細胞の定量的割合について少なくとも同様に調査し、調査した定量的割合を関連量として分子生物学的検査の結果を評価するための基礎とする。したがって、この変法は、切片の代わりに1または複数の無作為抽出試料を調製する点だけが前記の方法
と異なる。したがって、前記変法に対する説明は、無作為抽出試料またはその部分試料にも同様に当てはまる。
本方法の別の好ましい実施形態では、患者から採取した組織試料から無作為抽出試料を採取することが予見される。ex vivoの無作為抽出試料に関するこの方法では、例えば穿孔コアゾンデ(Borhkernsonde)を利用して、または細針による吸引によって無作為抽出試料または部分試料を採取できる。これは、組織試料が破壊されず、例えば腫瘍周縁が損傷されずにすむという利点を有する。
いわゆる試料掻取技法(Kratzprobentechnik)を利用してex vivoの無作為抽出試料または部分試料を得ることも、同様に可能である。この技法は「上皮凝集体の分離および単離」という概念で知られている。その際、例えば角張ったスライドグラスに軽く圧力をかけて、採取・切断した組織試料の切片上で動かす。比較的硬い組織では、メスの刃またはその他の適当な器具をその表面上で動かしてもよい。周囲の非悪性組織に対して島を形成しており、切片表面から少し突出する腫瘍細胞凝集体は、その際スライドグラス上またはメスの刃の上で的確に富化される。
このようにして得た掻取プレパラートを直接2個の部分試料に分け、本発明によってその中の一方に組織学的・細胞学的検査を、他方に分子生物学的検査を行うことができる。しかし、得られた掻き取り材料からまず懸濁液を調製し、次にそれを2個の部分試料に分けることもできる。後者の方法では、個々の部分試料の構成をより良好に無作為化することが保証される。
しかし、掻き取った材料をまず洗浄し、遠心し、得られたペレットを再懸濁し、続いて改めて密度勾配遠心分離にかけることも、同様に予見できる。次いで、その際に得られる画分の少なくとも1つを分割し、次いで、本発明に従って一方の部分試料に組織学的・細胞学的分析検査を、かつ他方に非形態学的分析検査を行う。しかし、掻き取った材料を、他の適当ないずれの富化技法および/または分画技法を用いて処理することもできる。
掻き取り技法により処理した組織試料の切片表面には、非悪性組織が組織構造をできる限り維持しながら残っている一方で、前に腫瘍細胞凝集体が定着していた領域は空白となり、そのため良く見ると窪みとして認識できる。このとき、組織試料を、例えば従来どおりミクロトームを用いて切片とすることができる。その際、連続切片の第1の切片は、掻き取り調製によって減耗した組織試料の切片表面に相当する。この切片について、残存している腫瘍細胞凝集体に関して例えば組織学的検査を実施し、それにより試料採取の結果を該切片から知ることができる。そのように切片は、掻き取った試料の検査結果を評価するための陰性対照として役立ち得る。
これに対して連続切片の他の切片は、非悪性組織ならびに腫瘍組織からなり、そのため上記したように、本発明に従って一方では組織学的・細胞学的分析検査を、他方では非形態学的分析検査を行うことができる。その際、得られた組織学的・細胞学的所見および分子生物学所見を掻取プレパラートの所見と調整することが、特に成功する見込みが高い。
実質的に上記の全ての方法において、1個の組織試料から少なくとも2個の切片もしくは無作為抽出試料(例えば、穿孔コア試料(Bohrkernproben)、細針吸引物、掻取プレパラート)、または無作為抽出試料の少なくとも2個の部分試料を調製し、組織学的・細胞学的分析検査または非形態学的分析検査を行うことが、一般的である。
さらに、組織学的・細胞学的検査から、組織試料または無作為抽出試料における罹患組織もしくは罹患細胞の少なくとも定量的割合について調査し、次いで関連量として非形態
学的分析検査の結果を評価するための基礎とすることが、実質的に一般的である。個々の切片、無作為抽出試料またはその部分試料は、一括することに意味のある場合、以降「部分試料」という概念で一括する。
組織試料からの1方法では、切片だけでなく例えば穿孔コア試料も調製されることは、当然考え得る。その場合、切片に組織学的・細胞学的検査を行い、その試料自体から採取した穿孔コア試料に分子生物学的検査を行うことができよう。上述のように、組織試料からの1方法では、切片だけでなく掻取プレパラートも調製されることも、同様に考え得る。そのため、切片、無作為抽出試料またはその部分試料の異なる取得方式が相互に組み合わさった実施形態も、同様に本発明によって明確に開示されるはずである。
本発明の重要な1態様は、組織学的・細胞学的検査では定量的割合と共に、組織試料における罹患組織もしくは罹患細胞もしくは他の構成要素の表現型および分布パターンのうち少なくともいずれか一方を追加として調査し、非形態学的分析検査の結果を評価するための基礎とし得ることである。これに関しては前記の細胞数または表面と共に、撮像装置により調査可能な考え得るパラメータは、ほんの2、3例を挙げれば、例えば染色した細胞および細胞核の相互間隔もしくは別の構造(例えば特に血管)に対する間隔、または個々の細胞の表現型(外形)などである。原則的には、罹患した細胞または組織を補足的に定性または定量するのに適合する、すべての適当な形態パラメータを調査することができる。
このようにして、例えば、周囲の組織中での多数の腫瘍発生となって現れる表現型は、腫瘍の悪性度が増加したことを示唆している。それに対し、分子生物学的特性はこの初発腫瘍に類似しているが表現型が異なる別の腫瘍は、悪性度がより低い可能性がある。このような場合、該表現型は、分子生物学的検査の結果を解釈するための重要な拠り所も提供するであろう。類似のことが、組織試料中の罹患組織または罹患細胞の分布パターンにも当てはまる。
本発明の方法の特に好ましい1実施形態では、切片または無作為抽出試料が、新しい組織試料から直接調製されることが予見される。この処置は、試料のゲノム、プロテオームおよびエピゲノムのうち少なくともいずれか1つに関する特性ができる限り良好に維持されることを保証する。切片の調製に関しては、その場合例えばビブラトームを使用することができる。
本発明方法の特に好ましいさらなる実施形態では、切片または無作為抽出試料を調製する前に、組織試料を凍結させることが予見される。この処置もまた、試料のゲノム、プロテオームおよびエピゲノムのうち少なくともいずれか1つに関する特性が維持されることを保証する。切片の調製に関しては、その場合例えばミクロトームまたはクライオトームを使用することができる。
しかし、切片の調製または無作為抽出試料の採取の前に、場合により組織試料を保存し、次いで適当な媒体中に包埋することも考え得る。このような媒体は、例えばパラフィンまたは他の適当な包埋剤であってもよい。この場合、例えば切片を通常通りミクロトームで得ることができる。その際、試料のゲノム、プロテオームおよびエピゲノムのうち少なくともいずれか1つに関する特性が維持されたままであることが、やはり重要である。
例えば、新しい組織試料からまず細針吸引物または掻き取り試料を採取して分子生物学的検査を行うことも、当然予見することができる。続いて組織試料を凍結した後、クライオトームで切片を調製し、組織学的・細胞学的検査を行うこともできよう。組織試料の前処理または保存の異なる方式が相互に組み合わさった実施形態も、同様に本発明によって
明確に開示されるはずである。
前記の処置はすべて、試料中に含まれる核酸(DNA、mRNA)、タンパク質およびエピゲノム上のメチル化パターンのうち少なくともいずれか1つを全く損傷しないかまたはできる限り損傷しないように選択しなければならないことも、一般に当てはまることである。
本発明の方法の特に好ましい1実施形態は、臨床診断に直接有意義に適用できる。臨床診断では、日常的業務として、患者から採取した診断すべき組織試料をできるだけ速やかに病理試験室に持ち込み、そこで2個の試料に分割し、そのうちの第2の試料は、時間のかかる的確な組織学的・細胞学的精査のために固定し、包埋する一方、第1の試料は、支持台上にすぐに配置し、凍結し、ミクロトームで切断する(「迅速切片」)。次いで、個々の切片を組織染色し、病理学医が直ちにそれを精査し、その診断を治療医に伝達する。手術中の外科医によるさらなる手術処置(例えば、乳癌の除去後に場合によってはさらに必要な腋窩リンパ節の切除)が、電話で連絡される病理学医の診断にかかっている、まさに手術中の診断では、この方法は非常に重要であり、それに対応して経過の最適化に注意しなければならない。
この好ましい実施形態は、患者から採取した直後に支持台上に配置し、凍結した組織試料を、ミクロトームで切断し、しかも組織学的・細胞学的検査を行う切片以外に、同じ連続切片の組の他の切片に非形態学的分析検査を行うことを予見している。そのため病理学医は、診断の付加的根拠を分子生物学的所見に置き、それにより診断確度を高めることができ、この点はまさに手術中の診断ではより重要である。
この追加的取扱い処置のより大きな利点は、それが滞りなく即座に日常的診断手順に統合されることである。例えばアレイに基づくmRNA分析などの適当な分子生物学的検査法を適用すると、検査結果が比較的短時間に得られ、しかも場合により組織所見と同時にそれを治療医に渡すことができる。その上、この追加的取扱い処置では、元来迅速切片に生じる余分な材料が有益に利用される。
その際、本方法の好ましい1実施形態では、切片の調製後に組織試料を支持台上に置いたままとすることにより、切片の新たな調製のために利用可能とすることが予見される。その際、クライオトームおよび迅速な処置法を適用するときは、組織試料を全工程の間凍結したままとし、温度の実質的な影響を受けずに再び冷凍棚中に保存できることが保証される。試料の切断前または切断の間、温度を受け入れた後、再度凍結することも予見できる。
いずれの処置法でも、組織学的・細胞学的検査および/または分子生物学的検査を一度行った試料を、その際例えば、以前の時点には未だ存在しなかった方法を適用するため、または研究の範囲で新たに検査するために、例えば、後の時点で新たに検査する可能性が生じる。組織試料を別の方法、例えば前記のように適当な媒体中に包埋することにより保存する場合でも、切片の調製後にそれを支持台上に置いたままとし、切片の新たな調製のために利用可能とすることは、当然同様に予見できる。この場合、その間の凍結は放棄することができる。
この実施形態は、以下に説明する実施形態と組み合わせると特に有利である。それによると、組織試料を配置した支持台は、再現性をもってミクロトーム中に導入できるように形成されており、それにより、切片を調製するごとに組織試料がミクロトームに対して同じ相対的位置にあることが予見される。このようにして、後の時点で新たに検査する試料ができる限り前の試料に対応し、それにより組織学的・細胞学的所見および/または分子
生物学的所見を相互に直接比較できることが保証される。
非形態学的分析検査の結果を評価する際の、組織試料における罹患組織または罹患細胞の定量的割合は、組織学的・細胞学的分析検査または非形態学的分析検査を行う切片、無作為抽出試料または無作為抽出試料の部分試料が、本質的に同じ構成を有するという前提の下でのみ考慮する意味がある。
理想的には、これは、両検査に対して同じ試料を使用できる場合であろう。組織検査のための処理では、一般に試料を染色および/または固定するが、その場合試料のゲノム、プロテオームおよび/またはエピゲノムに関する特性が損なわれる。逆に、分子生物学的検査のための処理では、一般に試料をホモジネートにする。その際、試料の配置に関する全情報が失われる。このように、組織試料を一方の検査のために処理すると、そのつどの他方の検査には該試料を利用できない。したがって、両方の検査のためには異なる部分試料を用いなければならない。
部分試料において、例えばミクロトームの連続切片の中で直接隣接する2個の切片を問題とする場合、これらの切片は実質的に同じ構成を有することを一般に前提とすることができる。この前提は、病理学の分野でも一般に受け入れられている。
しかし、部分試料の構成が相異なること、例えば組織学的・細胞学的検査の部分試料が、分子生物学的検査の部分試料と腫瘍組織の定量的割合において異なることは考えられる。これは、例えば、切片平面に平行に延びる腫瘍縁部の領域が連続切片に含まれる場合である。その結果、組織学的・細胞学的検査の部分試料について調査した定量的関連量が、分子生物学的検査の部分試料について誤った腫瘍組織の割合を事実のように見せかけ、そのため実験的に得た発現パターンについて不完全な修正をすることになろう。組織学的・細胞学的検査の部分試料中の腫瘍組織が、分子生物学的検査の部分試料中のものとは異なる表現型または異なる分布パターンを示す場合も、同様のことが当てはまる。
そのために、本発明の方法の特に好ましい実施形態では、組織学的・細胞学的検査を少なくとも2個の切片について実施し、その際、前記切片の選択が、非形態学的分析検査を行う1または複数の切片が前記切片の間にin situで配置されていたことが確実であるように為されることが予見される。実際には、このことは、ミクロトームによる連続切片の中の直接隣接しない2個の切片を染色し、組織学的・細胞学的に精査する一方、その間にある、ミクロトーム連続切片の中の別の切片をホモジネートとし、例えばアレイに基づくmRNA分析を行うことのように思われる。この場合、このために使用する切片の数は、例えば分析に必要なmRNA量に従う。
このようにして、一方では両側にある2個の切片の組織特異的構成、ならびに他方では元の組織試料中で前記両側の切片の間に位置していた1または複数の切片の分子生物学的特性が知られる。1または複数の分子生物学的に検査した切片中の罹患組織または罹患細胞の定量的割合、表現型および/または分布パターンを、このように信頼性をもって決定できる。
例えば、両側にある切片の一方が20%の腫瘍組織率を示し、両側にある切片の他方が80%の腫瘍組織率を示す場合、これらの両側にある切片の間にin situで存在していた分子生物学的検査用の切片の腫瘍組織率は、20〜80%の範囲にあったと病理学医は推定できる。場合により、(組織特異的な構成が1個の切片から次の切片へと漸次変化すると仮定すると)両側にある切片の腫瘍組織率から分子生物学的検査用の切片の中間的腫瘍組織率も決定または計算できる。このような場合にもこのように関連量を調査し、それによって実験的に得た遺伝子発現パターンを修正し、次いでデータバンク中に保存さ
れたパターンと直接比較することができる。
これは、両側にある切片と共に、分子生物学的検査用の切片の間にin situで位置していた1または複数のさらなる切片を、その組織特異的構成について検査する場合に、特に可能となる。本発明の方法の前記の実施形態は、このような実施形態も明確に包含すべきである。
組織学的・細胞学的検査を行う部分試料(したがって、無作為抽出試料またはその部分試料)は、非形態学的分析検査を行う少なくとも1個の部分試料がこれらの部分試料の間にin situで位置していたことを保証するように選択される、本発明の方法の好ましいさらなる実施形態にも同様の利点が当てはまる。
該方法の好ましい1実施形態では、既に示唆したように、該方法を手術中の臨床病理学的診断に導入することが予見される。該方法は、同様に手術前後の診断、したがって手術の前またはその後直ぐに導入することもできる。
該方法の好ましいさらなる実施形態では、非形態学的分析検査において、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、エピゲノム上のメチル化パターン、タンパク質、ウイルス性もしくは細菌性核酸、または他の生体分子を検出する方法を利用することが予見される。同様に、非形態学的分析検査において、例えば酸化還元電位、pH値、温度、酸素分圧の測定、または乳酸やピルビン酸などの代謝物質の決定などの生物物理学的方法も利用することができる。
ゲノムDNAの検出によって、例えば、様々な組織疾患と関連付けることのできる生体変異を明らかにすることができる。cDNA、mRNAまたはタンパク質の検出によって、疾患特異的な遺伝子発現パターンを説明できる。エピゲノム上のメチル化パターンの検出によって、疾患特異的な遺伝子活性化パターンが示される場合もある。ウイルス性核酸の検出によって、例えば、ウイルスが原因の組織増殖を示すことができる一方、細菌性核酸の検出によって、例えば、細菌が原因の組織変化の診断を実現することができる。例えば感染性プリオンなどの他の生体分子は、プリオンを原因とする組織変化を示すことができる。さらなる生体分子は、例えば、病原性寄生虫の核酸またはタンパク質であってもよい。
本発明の方法の同様に好ましい別の実施形態では、非形態学的分析検査の範囲内で、組織試料における罹患組織および他の組織構成要素のうち少なくともいずれか一方の割合を調査することを可能とする1つの量が得られ、そのように調査した割合が、分子生物学的検査の結果をさらに定量的に評価するための基礎となることが予見される。
このような量は、例えば、ある遺伝子の発現量の場合もあり、その発現量は、該遺伝子が腫瘍組織中ではなく、専ら健常組織中に発現することがその量から理解され、しかも、その量で正常な発現量が認識されるような量である。分子生物学的に検査される部分試料中のこの遺伝子の発現量は、試料中の非罹患組織または罹患組織の割合がどの程度であるかを評価できる根拠となる1つの量を提供する。
このような量は、文献中でとりわけ「代替マーカー(サロゲートマーカー)」の名で知られている。そのため、この遺伝子の発現量の決定は、組織の構成に関する組織学的・細胞学的検査により得た知識に加えて、分子生物学的検査の結果を評価するための基礎とすることができる。組織学的・細胞学的検査の結果も、代替マーカーの決定によって確証できよう。
しかし、このような量は、健常組織に典型的な遺伝子発現パターンであってもよいし、特定の腫瘍変種に対して知られている腫瘍特異的遺伝子と、健常組織にも罹患組織にも一定の発現をする遺伝子(「ハウスキーピング遺伝子」)との発現比であってもよい。
しかも、本発明の方法により、考え得る代替マーカーを検出することや、その明言能力を検証することが可能となる。
好ましいさらなる実施形態では、非形態学的分析検査の範囲内でマイクロアレイまたはサスペンションアレイを利用することが予見される。マイクロアレイでは、例えば、分子プローブ(例えば、抗体、オリゴヌクレオチドまたはポリペプチド)をマトリックス配列に固定化した表面を有するチップに関するものであり、そこでは検体をハイブリッド形成反応または免疫反応に基づいてこのプローブに結合させ、スキャナで検出できる。マイクロアレイは、バイオチップと称することも多い。
サスペンションアレイでは、例えば、分子プローブ(例えば、抗体、オリゴヌクレオチドまたはポリペプチド)を固定化した表面を有するラテックス球(「マイクロビーズ」)に関するものであり、そこでは検体をハイブリッド形成反応または免疫反応に基づいてこのプローブに結合させ、粒子カウンターで検出できる。マイクロアレイおよびサスペンションアレイは、ヌクレオチドの検出だけでなく、ペプチドまたはタンパク質の検出のためにも実施形態に応じて適合する。
その上、好ましいさらなる実施形態では、検出すべき生体分子に標識処置を施すこと、または検出すべき核酸に増幅処置を施すことのうち少なくともいずれか一方が予見される。標識処置は、例えば、部分試料中に存在するmRNA分子を、T7−RNAポリメラーゼとCy3標識リボヌクレオチドを用いて標識cRNA分子に置き換えることであってよい。標識処置の別の例は、部分試料中に存在するタンパク質の蛍光標識した抗体またはオリゴヌクレオチドによる標識である。しかし、現在または今後の技術状況に従って知られる別の標識処置も考え得る。
増幅処置は、現在または今後の技術状況に従った、例えばPCR、RT−PCRまたは別の増幅方法でありうる。
好ましいさらなる実施形態では、組織学的・細胞学的検査は、少なくとも1つの染色処置、ならびに/あるいは少なくとも1つの免疫組織化学的処置および/またはin situハイブリッド形成を包含することが予見される。その際、パラメータの数を増やすために、複数の切片または穿孔コア試料にそのつど異なる組織学的・細胞学的検査または免疫組織化学検査を行うことが予見できる。このようにして、細胞核および有糸分裂の頻度を確認し、定量的に把握するために、例えば1つの部分試料をヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、その一方で第2の部分試料を腫瘍特異抗体(例えば、悪性メラノーマに対する抗S−100抗体)で処理し、第3の部分試料を例えばin situハイブリッド形成により処理することができる。
しかも、腫瘍データバンクの構築、個別的がん治療法の開発、個別的がん治療法への患者の適合、および/または科学上の疑問への回答を得るために、上記要請の1つに適した方法を使用することが予見される。
本発明の可能な1実施形態について、非限定的な1実施例により以下に説明する。
同種の腫瘍2点を迅速切片検査にて肉眼で評価し、調製した後、適当な支持台上で媒体中に包埋し、冷凍ミクロトーム中で凍結させる。
次いで、厚さ6μmの切片を作製し、その第1および第5の切片をスライドグラス上で撮影し、標準処方に従ってヘマトキシリン−エオシンで染色する。該切片をまず組織学的
に精査する。いずれの切片もX型の癌と特定される。次いで、各切片の組織構成をデジタル画像処理により定量する。ヘマトキシリン−エオシン染色プレパラートの形態学的検査の結果、下記の構成が得られる。
Figure 2007534319
第2、第3および第4の切片(各々厚さが30μm)を、mRNAの完全性を維持するためにRNAlater(商標)と共に反応容器中に入れる。市販のキット(例えば、キアゲン(Qiagen)のRNeasy(登録商標))で全RNAを抽出後、ポリA RNAを選択的に増幅し(ワンら(Wang et al.)、Nature Biotechnology、2001年4月)、その際、必要に応じて1または2ラウンドの増幅を行うことができる。市販の標識キットで確定的に標識処置した後、増幅したRNAまたはcDNAが用意され、DNAマイクロアレイ上でのハイブリッド形成により分析できる。
このように、検査した組織中に存在するすべてのmRNA分子が定量される。診断した腫瘍をより厳密に判定するために、作製した様々な種類の組織および腫瘍の標準的遺伝子発現プロファイルと比較できる、定量的な遺伝子発現プロファイルがこうして得られる。多数の種類の腫瘍および組織のこのような標準的遺伝子発現プロファイルは、世界中の様々な研究室で目下調査されている。
本実施例では、遺伝子A〜Iの発現を検査した。検査した両腫瘍に対して下記の遺伝子発現プロファイルが得られた(任意単位で表示)。
Figure 2007534319
アレイ実験の結果を修正するために、両腫瘍の組織構成に関する知見をここで利用する。その際、切片2、3および4の中の組織は、「周辺切片」1および5の中の組織に匹敵する構造を示すとみなされる。
腫瘍Aは80%の実質率、腫瘍Bは50%の実質率を示すという情報を考慮に入れると、次の標準化された遺伝子発現プロファイルが得られる。
Figure 2007534319
癌Xの3つのサブタイプの標準的遺伝子発現プロファイルは、文献から知られている。
Figure 2007534319
標準化された遺伝子発現プロファイルを標準的遺伝子発現プロファイルと比較すると、腫瘍Aでは癌Xのサブタイプ2が関係しており、腫瘍Bでは癌Xのサブタイプ1が関係していることが明らかとなる。
両腫瘍の識別は、アレイ分析とそれに続く遺伝子発現プロファイルの標準化だけで可能である。組織検査は腫瘍を癌Xであると特定することだけはできるが、前記サブタイプの識別はできない。

Claims (23)

  1. ゲノム上の特性、プロテオーム上の特性、エピゲノム上の特性、および生物物理学的特性のうち少なくともいずれか1つが実質的に保持されている、患者から採取した組織試料の罹患組織率を検査するために、
    a)組織試料から切片を調製し、
    b)そのうち少なくとも1片に組織学的・細胞学的分析検査、および別の少なくとも1片に非形態学的分析検査を行う
    方法であって、
    c)組織学的・細胞学的検査において、組織試料における少なくとも罹患組織もしくは罹患細胞の定量的割合、およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を画像処理装置によって調査し、
    d)少なくとも該調査した定量的割合およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を、関連量として非形態学的分析検査の結果を評価するための基礎とする
    ことを特徴とする方法。
  2. ゲノム上の特性、プロテオーム上の特性、エピゲノム上の特性、および生物物理学的特性のうち少なくともいずれか1つが実質的に保持されている、患者から採取した組織試料の罹患組織率を検査するために、
    a)組織試料から1個または複数の無作為抽出試料を採取し、
    b)該無作為抽出試料の少なくとも1個の部分試料に組織学的・細胞学的分析検査、および別の少なくとも1個に非形態学的分析検査を行う
    方法であって、
    c)組織学的・細胞学的検査において、組織試料または無作為抽出試料における、少なくとも罹患組織もしくは罹患細胞の定量的割合、およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を画像処理装置によって調査し、
    d)少なくとも該調査した定量的割合およびその他の形態的外見のうち少なくともいずれか一方を、関連量として非形態学的分析検査の結果を評価するための基礎とする
    ことを特徴とする方法。
  3. 組織試料の無作為抽出試料を穿孔コアゾンデ、吸引または掻取調製によって採取することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 組織学的・細胞学的検査において、組織試料における罹患組織もしくは罹患細胞の表現型および分布パターンのうち少なくともいずれか一方を追加として調査し、非形態学的分析検査の結果を評価するための基礎とすることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 切片または無作為抽出試料が、新しい組織試料から直接調製または採取されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 切片の調製または無作為抽出試料の採取をする前に、組織試料を凍結させることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 患者から採取した直後の組織試料を支持台上に配置し、凍結し、凍結組織試料からミクロトームで切片を調製し、次いで該切片に組織学的・細胞学的分析検査または非形態学的分析検査を行うことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 組織試料を切片の調製後に支持台上に置いたままとすることにより、切片の新たな調製のために利用可能とすることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 組織試料を配置した支持台は、再現性をもってミクロトーム中に導入できるように形成されており、それにより、切片を調製するごとに組織試料がミクロトームに対して同じ相対的位置にあることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 組織学的・細胞学的検査を少なくとも2個の切片について実施し、その際、前記切片の選択は、非形態学的分析検査を行う1または複数の切片が前記切片の間にin situで配置されていたことが確実であるように為されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 組織学的・細胞学的検査を行う部分試料の選択は、非形態学的分析検査を行う少なくとも1個の部分試料が前記部分試料の間にin situで配置されていたことが確実であるように為されることを特徴とする、請求項2乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 手術中または手術前後の臨床的または実験病理学的な診断または分析に導入されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 非形態学的分析検査に利用する方法が、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、エピゲノム上のメチル化パターン、タンパク質、ウイルス性もしくは細菌性核酸、または他の生体分子を検出する方法、あるいは試料の生物物理学的特性を決定する方法であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 非形態学的分析検査の範囲内で、組織試料における罹患組織および他の組織構成要素のうち少なくともいずれか一方の割合を調査することを可能とする1つの量が得られ、そのように調査した割合が、非形態学的分析検査の結果をさらに定量的に評価するための基礎となることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 非形態学的分析検査の範囲内で、マイクロアレイまたはサスペンションアレイを利用することを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 非形態学的分析検査の範囲内で、検出すべき生体分子に標識処置を施すことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 非形態学的分析検査の範囲内で、検出すべき核酸に増幅処置を施すことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 組織学的・細胞学的検査が、少なくとも1つの染色処置を包含することを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 組織学的・細胞学的検査が、免疫組織化学的処置およびin situハイブリッド形成のうち少なくともいずれか一方を包含することを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 複数の切片にそのつど異なる組織学的・細胞学的検査を行うことを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 腫瘍データバンクを構築するための請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法の使用。
  22. 個別的がん治療法を開発するための請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法の使
    用。
  23. 個別的がん治療法に患者を適合させるための請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法の使用。
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