JP2014530221A - ニトリルの作製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法に関する。該方法は、3−ペンテンニトリルおよびHCNを、ルイス酸促進剤、ニッケル、およびリン含有配位子を含むヒドロシアン化反応ゾーンに送るステップを含むことができる。様々な実施形態では、該方法は、配位子触媒錯体の少なくとも一部を再循環させながら、配位子触媒錯体の高い活性が維持されるよう十分に、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を制御するステップを含むこともできる。

Description

本開示は、ニトリルの製造方法に関する。より詳細には、本開示は、ペンテンニトリルをヒドロシアン化してアジポニトリルを作製するための、改善された方法に関する。
アジポニトリル(ADN)は、フィルム、繊維、および成型物品の形成に有用なナイロンポリアミドの工業生産において、商用として重要な多用途の中間体である。ADNは、様々なリン含有配位子を含む遷移金属錯体の存在下、1,3−ブタジエン(BD)をヒドロシアン化することによって生成することができる。例えば、ニッケルおよび単座リン含有配位子を含む触媒が、従来技術において十分に文書化されており;例えば米国特許第3,496,215号(特許文献1);第3,631,191号(特許文献2);第3,655,723号(特許文献3)、および第3,766,237号(特許文献4)と;Tolman,C.A.、McKinney,R.J.、Seidel,W.C.、Druliner,J.D.、およびStevens,W.R.、Advances in Catalysis、1985、Vol.33、1〜46頁(非特許文献1)を参照されたい。ニッケルおよびある多座ホスファイト配位子を含む触媒を用いたエチレン系不飽和化合物のヒドロシアン化の改善も開示されており;例えば、米国特許第5,512,696号(特許文献5);第5,821,378号(特許文献6);第5,959,135号(特許文献7);第5,981,772号(特許文献8);第6,020,516号(特許文献9);第6,127,567号(特許文献10);および第6,812,352号(特許文献11)を参照されたい。
3−ペンテンニトリル(3PN)は、以下に示される一連の反応を経て形成することができる。
Figure 2014530221
本明細書で使用される略称によれば、BDは1,3−ブタジエンであり、HC≡Nはシアン化水素であり、2M3BNは2−メチル−3−ブテンニトリルである。BDヒドロシアン化からの3PNの化学収量を増加させる方法は、米国特許第3,536,748号(特許文献12)に開示されるような、NiL4錯体の存在下での2M3BNから3PNへの触媒異性化(上記式2)を含む。BDヒドロシアン化および2M3BN異性化の副生成物は、4−ペンテンニトリル(4PN)、2−ペンテンニトリル(2PN)、2−メチル−2−ブテンニトリル(2M2BN)、および2−メチルグルタロニトリル(MGN)を含むことができる。
様々なリン含有配位子を含む遷移金属錯体の存在下、ADN、MGN、およびエチルスクシノニトリル(ESN)などのジニトリルは、下記の式3および4に示されるように、3PNおよび2M3BNのヒドロシアン化によって形成することができる。式4は、ペンテンニトリルヒドロシアン化反応ゾーンから持ち越すことができるルイス酸促進剤の存在下で2M3BNが望ましくない状態で異性化される場合、2M2BNが形成することができることも示す。式5は、2M3BNが望ましくない状態で異性化する場合に、2M2BNを形成できることを示す。
Figure 2014530221
共役オレフィン(例えば、1,3−ブタジエン)などの活性化オレフィンのヒドロシアン化は、ルイス酸促進剤を使用することなく、有用な速度で進めることができる。しかし、3PNなどの不活性化オレフィンのヒドロシアン化は、ADNなどの直鎖状ニトリルの生成に関して工業的に有用な速度および収量を得るのに、少なくとも1種のルイス酸促進剤を必要とする。例えば米国特許第3,496,217号(特許文献13)、第4,874,884号(特許文献14)、および第5,688,986号(特許文献15)は、リン含有配位子を含むニッケル触媒を用いて非共役エチレン系不飽和化合物をヒドロシアン化するための、ルイス酸促進剤の使用について開示する。
米国特許第3,496,215号 米国特許第3,631,191号 米国特許第3,655,723号 米国特許第3,766,237号 米国特許第5,512,696号 米国特許第5,821,378号 米国特許第5,959,135号 米国特許第5,981,772号 米国特許第6,020,516号 米国特許第6,127,567号 米国特許第6,812,352号
Tolman,C.A.、McKinney,R.J.、Seidel,W.C.、Druliner,J.D.、およびStevens,W.R.、Advances in Catalysis、1985、Vol.33、1〜46頁
本発明の様々な実施形態は、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法を提供する。該方法は、3−ペンテンニトリルおよびHCNを、ルイス酸促進剤、ニッケル、およびリン含有配位子を含むヒドロシアン化反応ゾーンに送るステップを含む。該方法は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度が、水を検出可能なレベルと反応ゾーン内の混合物の溶解限度との間になるように制御するステップも含む。
好ましくは配位子は、構造II
Figure 2014530221
の化学構造を有する二座リン含有配位子である。
構造IIにおいて、O−Q−Oは、構造III、IV、またはV
Figure 2014530221
からなる群から選択されるビスアリール化合物の2価の化学種である。
構造II〜Vにおいて、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基である。またR3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12のそれぞれは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から独立に選択される。方法は、水を添加するステップを含んでいてもよい。水は、方法における任意の適切な点で添加してもよい。例えば、水はヒドロシアン化反応ゾーンに添加することができる。水は、二座リン含有配位子が、反応器供給材中のリン含有配位子から形成された触媒よりもペンテンニトリルヒドロシアン化に関してそれほど触媒活性のない配位子−金属錯体を形成するリン含有種に変換されるのを抑制するよう十分に、ヒドロシアン化反応ゾーンに添加することができる。方法は、水を除去するステップを含んでいてもよい。水は、方法における任意の適切な点で除去してもよい。例えば水は、反応ゾーン流出物から除去することができる。十分な水を、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から除去して、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理において二座リン含有配位子の加水分解を抑制することができる。
開示された方法は、反応ゾーン内の水の量を制御するステップを含む。方法は、触媒錯体が再循環されるように、連続的に適切に操作される。このように、一実施形態では、方法は、リン含有配位子およびニッケル金属を含む触媒錯体の存在下、反応ゾーン内で3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するステップであって、3−ペンテンニトリル、ルイス酸、HCN、および制御された量の水を反応ゾーンに流すステップを含むステップと;ヒドロシアン化生成物および触媒錯体を含む反応器流出物を、反応ゾーンから抜き出すステップと;反応器流出物および抽出溶媒を接触させて、触媒錯体を回収しかつこの触媒錯体から不純物を除去するステップと;回収された触媒錯体の少なくとも一部を反応ゾーンに再循環させるステップとを含むことができる。方法は、循環する触媒インベントリーにおいて所望の触媒組成物が維持されるように、反応ゾーン内の水の濃度を制御するステップを含むことができる。一実施形態では、反応ゾーンに再充填された触媒錯体中の水の量は、触媒錯体の失活が低下するように制御される。例えば、反応ゾーンに再充填された触媒錯体中の水の量は、触媒錯体の失活が、前記制御のない方法に比べて約5%未満に低下するように制御される。開示された方法の、水の挙動の根底にある理論的メカニズムは、完全には理解されていない。
反応ゾーンでの適切な水の濃度の例には、0.5ppmから反応混合物の飽和限度まで、例えば0.5ppmから約2000ppm、または約1ppmから1000ppm、または約5ppmから約500ppm、または約10ppmから約350ppm、または約20ppmから約300ppm、または約240ppmが含まれる。好ましくは、水の濃度は約100ppmから約300ppmである。
一実施形態では、水は、二座リン含有配位子が、反応器供給材中のリン含有配位子から形成された触媒よりもペンテンニトリルのヒドロシアン化に関してそれほど触媒活性のない金属−配位子錯体を形成するリン含有種に変換されるのを、抑制するのに十分な量で添加する。方法は、炭化水素抽出溶媒を使用して3−ペンテンニトリルから誘導されたジニトリルからのリン含有配位子の液−液抽出を含むヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理において、または蒸留を含むヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理において、二座リン含有配位子の加水分解を抑制するために、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から十分な水を除去するステップを含むこともできる。このように、リン含有配位子が上記構造IIの二座配位子である場合、反応ゾーン内の水の濃度は、約5ppmから約500ppm、例えば10ppmから350ppm、好ましくは約100ppmから300ppmになるように制御される。本発明の様々な実施形態には、3−ペンテンニトリルのヒドロシアン化で使用されるその他の方法に勝る利点がある。有利には、触媒が触媒回収プロセスを経て再循環されるとき、反応混合物中に特定の濃度の水を維持することによって、ヒドロシアン化触媒インベントリーは、より高いまたはより低い濃度の水を有するその他の方法よりも多くの再循環サイクル数を通してその活性を維持する。これは、水が触媒錯体の劣化を引き起こすと一般には理解されており、したがって水の濃度は、繰り返される再循環サイクルを通して触媒錯体の活性が最大限になるように反応混合物中で可能な限り低く保たれなければならないと一般には教示されているので、驚くべきことである。したがって従来技術の教示とは対照的に、本発明の方法の様々な実施形態は、有利にはかつ驚くべきことに、二座リン含有配位子が、反応器供給材中のリン含有配位子から形成された触媒よりもペンテンニトリルのヒドロシアン化に関してそれほど触媒活性のない配位子−金属錯体を形成するリン含有種に変換されるのを、抑制するのに十分な水の濃度の範囲を維持する。従来技術の教示とは対照的に、本発明の方法の様々な実施形態は、有利にはかつ驚くべきことに、下流の液−液抽出および触媒錯体の再循環の連続操作の下で、触媒インベントリーの活性を改善するのに十分な水の濃度の範囲を反応ゾーン内で維持する。理論の説明により本発明を限定しようとするものではないが、この発見と矛盾のない1つの可能性ある説明は、水を添加することにより、反応器供給材中のリン含有配位子から形成された触媒に比べてペンテンニトリルヒドロシアン化に関し、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から再循環された触媒混合物の触媒活性の低下を引き起こしもしくはヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から再循環されたリン含有配位子混合物から形成された触媒混合物の触媒活性の低下を引き起こす可能性のある、リン含有配位子から誘導されたまたは配位子から形成された触媒から誘導された1種または複数の生成物の、形成が抑制されることである。従来技術の教示とは対照的に、本発明の方法の様々な実施形態は、有利にはかつ驚くべきことに、反応ゾーン内の触媒活性を改善する水の濃度の範囲を維持する。理論により本発明を限定するものではないが、1つの可能性ある説明は、水が、リン含有配位子の不均化反応を最小限に抑える役割をし、それと共にリン含有配位子の加水分解も最小限に抑え、反応器供給材中のリン含有配位子から形成された触媒に比べてペンテンニトリルヒドロシアン化に関しては、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から再循環された触媒混合物の触媒活性の低下を引き起こしもしくはヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から再循環されたリン含有配位子混合物から形成された触媒混合物の触媒活性の低下を引き起こす可能性のある、リン含有配位子から誘導されたまたは配位子から形成された触媒から誘導された1種または複数の生成物の形成を、十分に抑制すると考えられる。次いでいくつかの実施形態では、水は、配位子または配位子から形成された触媒を再循環させる前に、反応ゾーン流出物から有利に除去することにより、反応器ゾーン流出物の処理において、配位子または配位子から形成された触媒の加水分解生成物の形成を抑制することができる。本発明の様々な実施形態は、価値ある配位子または配位子から誘導された触媒をより効率的に使用するステップを含み、配位子または配位子から形成された触媒の触媒活性を、配位子含有触媒錯体の逐次再循環を通してより高いレベルで維持することによるステップを含む、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための、その他の方法よりも効率的な方法を提供することである。
開示される実施形態には、DLSからCLS、TLS、およびLHP(DLS、CLS、TLS、およびLHPについては本明細書で定義される)の分解を阻止するのに十分なレベルに水の濃度を制御するステップを含む、ルイス酸、3−ペンテンニトリル、およびHCNの存在下での3−ペンテンニトリルヒドロシアン化反応ゾーンにおける、本明細書に記述されるDLSの分解を阻止するための方法が含まれる。
開示される実施形態はさらに、組成物を安定化させるのに十分なレベルに水の濃度を制御するステップを含む、ルイス酸、3−ペンテンニトリル、およびHCNの存在下で3−ペンテンニトリルヒドロシアン化反応ゾーン内を循環する二座リン配位子触媒錯体の組成物を安定化するための方法を含む。このように、水の量を「制御する」は、方法の様々な点、例えば反応ゾーンへの触媒の再充填または再循環の時点で、水を添加および/または除去するステップを含んでいてもよい。含水量を制御することにより、特定のプロセス、即ち特定の供給速度、反応器、温度、およびその他のパラメータでの触媒の失活を低下させることができる。上記方法では、触媒の失活は、特定のプロセスに関する触媒錯体の不均化および加水分解失活パーセンテージを確立することによって、決定することができる。次いで反応ゾーンに再充填された触媒錯体中の水の量は、確立した失活パーセンテージの全パーセンテージが低下するように制御することができる。このように含水量を制御することによって、触媒錯体の失活を約5%未満に低下させることができる。触媒錯体の失活の低下は、上述の水の制御がない方法に比べて約5%未満にすることができる。即ち、特定のプロセスでの触媒の不均化および加水分解失活パーセンテージを確立しまたは確認することができ、再循環または充填で水を添加または除去することができ、それによって全パーセンテージが低下し、したがって例えば約5%未満に確立しまたは確認することができる。
1,3−ブタジエンをヒドロシアン化するステップ、2−メチル−3−ペンテンニトリルを異性化するステップ、および3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するステップを含む、3−ペンテンニトリルを製造するための総合プロセスを示す図である。 図1に示される分離セクション1000または分離セクション2000の実施例を示す図である。 図1に示されるアジポニトリル精製セクション3000の実施例を示す図である。 図1に示される分離セクション125の実施例を示す図である。 図1に示される分離セクション225の実施例を示す図である。
次に、開示される対象の、ある特許請求の範囲を詳細に参照し、その実施例を添付図面に示す。開示される対象は、列挙される特許請求の範囲と併せて記述されることになるが、開示される対象は、それら特許請求の範囲に限定されるものではないことが理解されよう。対照的に、開示される対象は、特許請求の範囲により定められる本明細書に開示される対象の範囲に含まれる、全ての代替例、修正例、および均等物を包含するものとする。
本明細書において、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などと言う場合には、記述される実施形態が、特定の形体、構造、または特徴を含むことができることを示すが、全ての実施形態が必ずしも特定の形体、構造、または特徴を含むとは限らないと考えられる。さらに、そのような文言は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の形体、構造、または特徴が、ある実施形態に関連して記述される場合、明確に記述されているか否かに関わらず、その他の実施形態に関連してそのような形体、構造、または特徴に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内と考えられる。
範囲フォーマットに表される値は、その範囲の限度として明確に列挙される数値だけでなく、各数値および下位範囲があたかも明確に列挙されるかのように、全ての個々の数値またはその範囲内に包含される下位範囲も含むよう柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%から約5%」の濃度範囲は、約0.1重量%から約5重量%という明確に列挙された濃度だけではなく、示される範囲内の個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、および4%)および下位範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、および4.4%)も含むと解釈すべきである。
この文書において、「a」または「an」という用語は、1つまたは複数を含むように使用され、「または」という用語は、他に指示しない限り非排他的な「または」を指すのに使用される。さらに、本明細書で用いられる言い回しまたは術語は、他に定義されない限り単なる説明を目的とし、限定しようとするものではないことを理解されたい。セクションの表題の任意の使用は、文書を読むのを助けるものとし、限定すると解釈するものではない:あるセクションの表題に関連する情報は、その特定のセクションの内部または外部に生じてもよい。さらに、この文書で言及される全ての刊行物、特許、および特許文書は、参照により個々に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この文書と、参照によりそのように組み込まれたそれらの文書との間に矛盾する使用がある場合、組み込まれた参照中のその使用は、この文書の使用を補うものと見なすべきであり;相容れない不一致の場合、この文書での使用が支配する。
本明細書に記述される製造方法において、ステップは、一時的なまたは操作上の順序が明確に列挙される場合を除き、本発明の原理から逸脱することなく任意の順序で実施することができる。第1のステップを行い、次いでいくつかのその他のステップが引き続き行われるという趣旨が、特許請求の範囲で記述されることは、第1のステップが行われた後にその他のステップのいずれかが行われ、しかしその他のステップ内で順序がさらに列挙されない限り、その他のステップを任意の適切な順序で行うことができることを意味すると解釈するものとする。例えば、「ステップA、ステップB、ステップC、ステップD、およびステップE」と言う特許請求の範囲の要素は、ステップAが最初に実施され、ステップEが最後に実施され、ステップB、C、およびDはステップAとEとの間で任意の順序で実施することができ、この順序は、特許請求の範囲の方法の文字通りの範囲内に包含されたままであることを意味するように解釈されるものとする。所与のステップまたはステップの下位集合は、繰り返すこともでき、またはその他のステップと同時に実施することもできる。別の実施例では、「ステップA、ステップB、ステップC、ステップD、およびステップE」と記述する特許請求の範囲の要素は、ステップAが最初に実施され、ステップBが次に実施され、ステップCが次に実施され、ステップDが次に実施され、ステップEが最後に実施されることを意味するように解釈することができる。
さらに、明確な特許請求の範囲の言語がステップを別々に実施することを述べていない限り、指定されたステップを同時に実施することができる。例えば、特許請求の範囲に記載された、Xを行うステップ、および特許請求の範囲に記載された、Yを行うステップは、単一操作内で同時に実施することができ、結果的に得られる方法は、特許請求の範囲に記載された方法の文字通りの範囲内に包含されることになる。
定義
本明細書で使用される、ある略称および定義には、下記が含まれる:ADN = アジポニトリル;BD = 1,3−ブタジエン;c2PN = cis−2−ペンテンニトリル;c3PN = cis−3−ペンテンニトリル;C813C≡N = 化学式C813C≡Nのジオレフィン系アクリルおよびモノオレフィン系環状モノニトリル化合物;C814(C≡N)2 = 化学式C814(C≡N)2のモノオレフィン系アクリルおよび脂肪族環状ジニトリル化合物;(1つまたは複数の)ジニトリル = 特に限定しない限り、ADN、MGN、およびESN;ESN = エチルスクシノニトリル;HC≡NまたはHCN = シアン化水素(例えば、ヒドロシアン酸);2M2BN = 特に限定しない限り、(E)−2M2BNおよび(Z)−2M2BN異性体の両方を含む2−メチル−2−ブテンニトリル;2M3BN = 2−メチル−3−ブテンニトリル;(E)−2M2BN = (E)−2−メチル−2−ブテンニトリル;(Z)−2M2BN = (Z)−2−メチル−2−ブテンニトリル;MGN = 2−メチルグルタロニトリル;有機モノニトリル = 単一ニトリル基を含む有機化合物、例えばペンテンニトリル;有機ジニトリル = 2個のニトリル基を含む有機化合物、例えばADN;(1つまたは複数の)ペンテンニトリル = 特に限定しない限り、4PN、3PN、2PN、2M3BN、および2M2BN異性体;2PN = 特に限定しない限り、c2PNおよびt2PN異性体の両方を含む2−ペンテンニトリル;3PN = 特に限定しない限り、c3PNおよびt3PNの両方を含む3−ペンテンニトリル;4PN = 4−ペンテンニトリル;ppm = 他に指示しない限り、重量による百万分率;t2PN =trans−2−ペンテンニトリル;t3PN = trans−3−ペンテンニトリル;VN = バレロニトリル;DLS = 「d−phite」輪座リン配位子構造;CLS = 「c−phite」または架橋フェノール配位子構造を有するリン;TLS = 「t−phite」またはトリアリールホスファイト配位子構造;LHP = 配位子加水分解生成物。
上述の二座リン配位子(DLS)は、構造Aの化学構造を有する。
Figure 2014530221
上述の架橋フェノール配位子(CLS)を有するホスファイトは、構造B、C、またはDとして以下に示される化学構造を有する。
Figure 2014530221
上述のトリアリールホスファイト配位子構造(TLS)は、構造Eとして以下に示される化学構造を有する。
Figure 2014530221
本明細書で使用される、化合物の沸点(BP)は、純粋な形の化合物が大気圧で沸騰する温度を指す。列挙される沸点は、化学文献からの少なくとも1つの信頼性ある出典に列挙される、化合物に関する沸点の温度である。
本明細書で使用される「蒸留装置」および「蒸留塔」という用語は同義に使用され、これらの用語は共に、蒸留ステップを行うための設備を一般に指す。本開示の目的で、フラッシャを蒸留塔と見なす。
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明らかに示さない限り、複数表現を含むことができる。
「約」という用語は、値または範囲のばらつきの程度と見ることができ、例えば、記述される値または記述される範囲の限度の10%以内、5%以内、または1%以内である。ある範囲または連続する値のリストが与えられた場合、他に指示されない限り、その範囲内の任意の値、または与えられた連続した値の間の任意の値も開示される。
本明細書で使用される「有機基」という用語は、任意の炭素含有官能基を指すが、これに限定するものではない。例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボキシレート、およびカルボン酸エステルを含めたカルボキシル基などの酸素含有基;アルキルおよびアリールスルフィド基などの硫黄含有基;およびその他のヘテロ原子含有基である。有機基の非限定的な例には、OR’、OC(O)N(R’)2、CN、CF3、OCF3、R’、C(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R’)2、SR’、SOR’、SO2R’、SO2N(R’)2、SO3R’、C(O)R’、C(O)C(O)R’、C(O)CH2C(O)R’、C(S)R’、C(O)OR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)2、OC(O)N(R’)2、C(S)N(R’)2、(CH20-2N(R’)C(O)R’、(CH20-2N(R’)N(R’)2、N(R’)N(R’)C(O)R’、N(R’)N(R’)C(O)OR’、N(R’)N(R’)CON(R’)2、N(R’)SO2R’、N(R’)SO2N(R’)2、N(R’)C(O)OR’、N(R’)C(O)R’、N(R’)C(S)R’、N(R’)C(O)N(R’)2、N(R’)C(S)N(R’)2、N(COR’)COR’、N(OR’)R’、C(=NH)N(R’)2、C(O)N(OR’)R’、またはC(=NOR’)R’が含まれ、式中、R’は水素(その他の炭素原子を含む例において)または炭素ベース部分とすることができ、炭素ベース部分は、それ自体をさらに置換することができ;例えばR’は、水素(その他の炭素原子を含む例において)、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルとすることができ、任意のアルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル、またはR’は、独立して、Jにより一または多置換することができ;または1個の窒素原子もしくは隣接する窒素原子に結合された2個のR’基は、この1個または複数の窒素原子と一緒になって、Jにより一置換されまたは独立して多置換されることができるヘテロシクリルを形成することができる。有機基の例には、アルキル基、完全にまたは部分的にハロゲン置換されたハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アクリレート官能基、およびメタクリレート官能基などの直鎖状および/または分枝状基と;エーテル基、シアン酸エステル基、エステル基、カルボン酸塩基、およびマスクドイソシアノ基などのその他の有機官能基とが含まれる。有機基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、およびt−ブチル基などのアルキル基、アクリロイルオキシプロピル基およびメタクリロイルオキシプロピル基などのアクリレート官能基;ビニル、アリル、およびブテニル基などのアルケニル基;エチニルおよびプロピニル基などのアルキニル基;フェニル、トリル、およびキシリル基などの芳香族基;シアノエチルおよびシアノプロピル基などのシアノアルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、ジクロロフェニル、および6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基などのハロゲン化炭化水素基;アリルオキシ(ポリオキシエチレン)、アリルオキシポリ(オキシプロピレン)、およびアリルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基などのアルケニルオキシプロピル(オキシアルキレン)基;プロピルオキシ(ポリオキシエチレン)、プロピルオキシポリ(オキシプロピレン)、およびプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基などのアルキルオキシポリ(オキシアルキエン)基;パーフルオロプロピルオキシ(ポリオキシエチレン)、パーフルオロプロピルオキシポリ(オキシプロピレン)、およびパーフルオロプロピルオキシ−ポリ(オキシプロピレン)−co−ポリ(オキシエチレン)基などのハロゲン置換アルキルオキシポリ(オキシアルキエン)基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、およびエチルヘキシルオキシ基などのアルコキシ基;3−アミノプロピル、6−アミノヘキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン、および3−プロピルピロール基などのアミノアルキル基;3−グリシドキシプロピル、2−(3,4,−エポキシシクロヘキシル)エチル、および5,6−エポキシヘキシル基などのエポキシアルキル基;アクテトキシエチルおよびベンゾイルオキシプロピル基などのエステル官能基;2−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシ官能基;プロピル−t−ブチルカルバメートおよびプロピルエチルカルバメート基などのマスクドイソシアネート官能基;ウンデカナールおよびブチルアルデヒド基などのアルデヒド官能基;3−プロピルコハク酸無水物および3−プロピルマレイン酸無水物基などの無水物官能基;3−カルボキシプロピルおよび2−カルボキシエチルの亜鉛、ナトリウム、またはカリウム塩など、カルボン酸の金属塩が含まれるが、これらに限定するものではない。
本明細書で使用される「置換される」という用語は、本明細書で定義される有機基、または、内部に含有される水素原子との1つもしくは複数の結合が、非水素原子との1つまたは複数の結合により置き換えられる分子を指す。本明細書で使用される「官能基」または「置換基」という用語は、分子上または有機基上で置換することができまたは置換される基を指す。置換基または官能基の例には、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボキシレート、およびカルボン酸エステルを含むカルボキシル基などの基における酸素原子;チオール基、アルキルおよびアリールスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホンアミド基などの基における硫黄原子;アミン、ヒドロキシルアミン、ニトリル、ニトロ基、N−オキシド、ヒドラジド、アジド、およびエナミンなどの基における窒素原子;および様々なその他の基におけるその他のヘテロ原子が含まれるが、これらに限定するものではない。置換炭素(またはその他の)原子に結合することができる置換基Jの非限定的な例には、F、Cl、Br、I、OR’、OC(O)N(R’)2、CN、NO、NO2、ONO2、アジド、CF3、OCF3、R’、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R’)2、SR’、SOR’、SO2R’、SO2N(R’)2、SO3R’、C(O)R’、C(O)C(O)R’、C(O)CH2C(O)R’、C(S)R’、C(O)OR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)2、OC(O)N(R’)2、C(S)N(R’)2、(CH20-2N(R’)C(O)R’、(CH20-2N(R’)N(R’)2、N(R’)N(R’)C(O)R’、N(R’)N(R’)C(O)OR’、N(R’)N(R’)CON(R’)2、N(R’)SO2R’、N(R’)SO2N(R’)2、N(R’)C(O)OR’、N(R’)C(O)R’、N(R’)C(S)R’、N(R’)C(O)N(R’)2、N(R’)C(S)N(R’)2、N(COR’)COR’、N(OR’)R’、C(=NH)N(R’)2、C(O)N(OR’)R’、またはC(=NOR’)R’が含まれ、式中、R’は水素または炭素ベース部分とすることができ、炭素ベース部分は、それ自体をさらに置換することができ;例えばR’は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルとすることができ、任意のアルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル、またはR’は、独立して、Jで一または多置換することができ;または1個の窒素原子もしくは隣接する窒素原子に結合された2個のR’基は、この1個または複数の窒素原子と一緒になって、Jにより一置換されまたは独立して多置換されることができるヘテロシクリルを形成することができる。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1から約20個の炭素原子、典型的には1から12個の炭素、いくつかの実施形態では1から8個の炭素原子を有する直鎖および分枝状アルキル基およびシクロアルキル基を指す。直鎖アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基などの1から8個の炭素原子を有するものが含まれる。分枝状アルキル基の例には、イソプロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基が含まれるが、これらに限定するものではない。本明細書で使用される「アルキル」という用語は、n−アルキル、イソアルキル、およびアンテイソアルキル基、ならびにアルキルのその他の分枝鎖形態を包含する。代表的な置換アルキル基は、本明細書に列挙される基のいずれか、例えばアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基で1回または複数回置換することができる。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合が2個の炭素原子間に存在すること以外、本明細書で定義される直鎖および分枝鎖および環状アルキル基を指す。このように、アルケニル基は2から約20個の炭素原子、典型的には2から12個の炭素、またはいくつかの実施形態では2から8個の炭素原子を有する。例には、とりわけビニル、−CH=CH(CH3)、−CH=C(CH32、−C(CH3)=CH2、−C(CH3)=CH(CH3)、−C(CH2CH3)=CH2、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニルが含まれるが、これらに限定するものではない。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合が2個の炭素原子間に存在することを除き、直鎖および分枝鎖アルキル基を指す。このようにアルキニル基は2から約20個の炭素原子、典型的には2から12個の炭素、いくつかの実施形態では2から8個の炭素原子を有する。例には、とりわけ−C≡CH、−C≡C(CH3)、−C≡C(CH2CH3)、−CH2C≡CH、−CH2C≡C(CH3)、および−CH2C≡C(CH2CH3)が含まれるが、これらに限定するものではない。
本明細書で使用される「アシル」という用語は、基がカルボニル炭素原子を介して結合される、カルボニル部分を含有する基を指す。カルボニル炭素原子は、アルキル、アリール、アラルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル基などの部分とすることができる別の炭素原子にも、結合される。カルボニル炭素原子が水素に結合する特別な場合には、基は「ホルミル」基であり、その用語が本明細書に定義されるアシル基である。アシル基は、カルボニル基に結合される0から約12〜20個の追加の炭素原子を含むことができる。アシル基は、本明細書の意味における二重または三重結合を含むことができる。アクリロイル基は、アシル基の例である。アシル基は、本明細書の意味におけるヘテロ原子を含むこともできる。ニコチノイル基(ピリジル−3−カルボニル)基は、本明細書の意味におけるアシル基の例である。その他の例には、アセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル、ピリジルアセチル、シンナモイル、およびアクリロイル基などが含まれる。カルボニル炭素原子に結合される炭素原子を含有する基はハロゲンを含有する場合、この基を「ハロアシル」基と呼ぶ。例は、トリフルオロアセチル基である。
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基などであるがこれらに限定されない環状アルキル基を指す。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3から約8〜12環員を有することができ、それに対してその他の実施形態では、環上炭素原子の数は3から4、5、6、または7に及ぶ。シクロアルキル基はさらに、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル、イソカンフェニル、およびカレニル基などであるがこれらに限定されない多環状シクロアルキル基と、デカリニルなどであるがこれに限定されない縮合環とを含む。シクロアルキル基は、本明細書に定義される直鎖または分枝鎖アルキル基で置換される環も含む。代表的な置換シクロアルキル基は、一置換または複数回置換することができ、例えば2,2−、2,3−、2,4−、2,5−、もしくは2,6−置換シクロヘキシル基であるがこれらに限定されないもの、または一、二、もしくは三置換ノルボルニルもしくはシクロヘプチル基であって、例えばアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基で置換できるものとすることができる。「シクロアルケニル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、環状アルケニル基を示す。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、環内にヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素を指す。このように、アリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニレニル、アントラセニル、およびナフチル基が含まれるが、これらに限定するものではない。いくつかの実施形態では、アリール基は、基の環部分に約6から約14個の炭素を含有する。アリール基は、本明細書に定義されるように、非置換または置換することができる。代表的な置換アリール基は、一置換または複数回置換することができ、例えば2−、3−、4−、5−、または6−置換フェニルもしくは2〜8置換ナフチル基などであって、本明細書に列挙されるような炭素または非炭素基で置換できるものである。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、5以上の環員を含有する芳香族環化合物を指し、この環員の1つまたは複数は、N、O、およびSなどであるがこれらに限定されないヘテロ原子であり;例えばヘテロアリール環は、5から約8〜12環員を有することができる。ヘテロアリール基は、芳香族電子構造を保有する様々なヘテロシクリル基である。C2−ヘテロアリールとして示されるヘテロアリール基は、2個の炭素原子および3個のヘテロ原子を有する5環とすることができ、6環は、2個の炭素原子および4個のヘテロ原子を有するものとすることができ、以下同様である。同様にC4−ヘテロアリールは、1個のヘテロ原子を有する5環とすることができ、6環は、2個のヘテロ原子を有するものとすることができ、以下同様である。炭素原子の数にヘテロ原子の数を加えた合計は、環原子の総数に等しくなる。ヘテロアリール基には、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、およびキナゾリニル基が含まれるが、これらに限定するものではない。ヘテロアリール基は、置換されなくてもよく、または本明細書に論じられるような基で置換することができる。代表的な置換ヘテロアリール基は、本明細書に列挙されるような基で1回または複数回置換することができる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、本明細書で定義されるような、シクロアルキル基を含めたアルキル基に接続された酸素原子を指す。直鎖アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、およびヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定するものではない。分枝状アルコキシの例には、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペンチルオキシ、およびイソヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定するものではない。環状アルコキシの例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、およびシクロヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定するものではない。アルコキシ基は、酸素原子に結合された1から約12〜20個の炭素原子を含むことができ、二重または三重結合をさらに含むことができ、ヘテロ原子を含むこともできる。例えばアリルオキシ基は、本明細書の意味におけるアルコキシ基である。メトキシエトキシ基も、メチレンジオキシ基のように、構造の2個の隣接する原子がそれによって置換されるという意味において、本明細書の意味におけるアルコキシ基である。
本明細書で使用される「アミン」という用語は、例えば式N(基)3(式中、各基は独立してHまたは非Hとすることができ、例えばアルキルおよびアリールなどである)を有する第1級、第2級、および第3級アミンを指す。アミンには、R−NH2、例えばアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン;R2NH(式中、各Rは独立して選択される)、例えばジアルキルアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン、およびヘテロシクリルアミンなど;およびR3N(式中、各Rは独立して選択される)、例えばトリアルキルアミン、ジアルキルアリールアミン、アルキルジアリールアミン、およびトリアリールアミンなどが含まれるが、これらに限定するものではない。「アミン」という用語は、本明細書で使用されるアンモニウムイオンも含む。
本明細書で使用される「アミノ基」という用語は、−NH2、−NHR、−NR2、−NR3 +の形の置換基(式中、各Rは独立して選択される)、およびそれぞれのプロトン化形態(プロトン化できない−NR3 +を除く)の置換基を指す。したがって、アミノ基で置換された任意の化合物は、アミンと見なすことができる。本明細書の意味における「アミノ基」は、第1級、第2級、第3級、または第4級アミノ基とすることができる。「アルキルアミノ」基は、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、およびトリアルキルアミノ基を含む。
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」または「ハロゲン化物」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の部分として、他に指示されない限りフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味し、好ましくはフッ素、塩素、または臭素である。
本明細書で使用される「ハロアルキル」基という用語は、モノハロアルキル基、全てのハロ原子を同じまたは異なるものとすることができるポリハロアルキル基、および全ての水素原子がフルオロなどのハロゲン原子により置き換えられるパーハロアルキル基を含む。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、1,1−ジクロロエチル、1,2−ジクロロエチル、1,3−ジブロモ−3,3−ジフルオロプロピル、およびパーフルオロブチルなどが含まれる。
本明細書で使用される「1価」という用語は、単結合を介して置換分子に接続する置換基を指す。置換基が例えばFまたはClなどの1価の場合、置換基は、単結合によって、置換されている原子に結合される。
本明細書で使用される「炭化水素」という用語は、炭素および水素原子を含む官能基または分子を指す。この用語は、通常は炭素および水素原子の両方を含むが全ての水素原子がその他の官能基により置換されている、官能基または分子を指すこともできる。
本明細書で使用される「溶媒」という用語は、固体、液体、または気体を溶解することができる液体を指す。溶媒の非限定的な例は、有機化合物、水、アルコール、イオン性液体、および超臨界流体である。
本明細書で使用される「独立して〜から選択される」という用語は、文脈が他に明らかに示さない限り、同じ、異なる、またはそれらの混合物である、参照される基を指す。このように、この定義の下では、「X1、X2、およびX3が独立して希ガスから選択される」という文言は、例えばX1、X2、およびX3が全て同じであること、X1、X2、およびX3が全て異なっていること、X1およびX2が同じであるがX3が異なっていること、およびその他の類似の順列組合せのシナリオを含むと考えられる。
本明細書で使用される「配位子」という用語は、中心金属原子(例えば、Ni)と結合して配位錯体を形成することができるイオンまたは分子を指す。
いくつかの実施例では、3PNは、商用として購入することができ、または1,3−ブタジエン(BD)とシアン化水素(HC≡N)とを反応ゾーン内で十分な反応条件下で反応させて、3−ペンテンニトリル(3PN)および2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)を含む反応生成物を生成することによって、製造することができる。2M3BNは、第2の反応ゾーン内で第2の触媒の存在下、十分な異性化条件の下で異性化することにより、3PNを含む反応生成物を生成することができる。3PNは、第1の反応ゾーンおよび第2の反応ゾーンの両方の流出物から回収することができる。
概説
様々な実施形態は、例えばADNおよびMGNを含んだニトリルを作製するための方法に関し、本明細書に記述する。一実施形態では、3PNは供給材料である。ニッケルおよびある特定の二座ホスファイト配位子の錯体は、ルイス酸促進剤の存在下、3PNとHCNとの反応を触媒してADNを作製することができる。3−ペンテンニトリルのヒドロシアン化において触媒を最も効率的に使用するために、触媒を再循環させることが望ましい。しかし触媒の再循環は、触媒活性の損失を引き起こす可能性がある。同時に、触媒は分解生成物を形成する可能性がある。これらの分解副生成物は反応副生成物と共に、触媒と一緒に触媒再循環ループ内に蓄積される可能性がある。これは、所望のニッケル−配位子錯体の量を低減させること、および不活性なまたはヒドロシアン化反応の効率に能動的に有害なものとすることができる分解生成物の量を増加させることの両方によって、循環する触媒の全触媒活性を低下させる。したがって、ニッケル−配位子触媒錯体の分解を、特に例えば連続操作で制限することが求められている。
開示される方法は、ルイス酸促進剤、ニッケル、およびリン含有配位子を含むヒドロシアン化反応ゾーンに、3−ペンテンニトリルおよびHCNを連続的に供給するステップを含むことができる。様々な実施形態では、方法は、逐次再循環サイクルを通して配位子または触媒の高い活性が十分維持されるように、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を制御するステップを含むこともができる。様々な実施形態では、方法は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を、約0.5ppmから反応混合物の飽和限度までの間、例えば0.5ppmから約2000ppm、または約1ppmから1000ppm、または約5ppmから約500ppm、または約10ppmから約350ppm、または約20ppmから約300ppm、または少なくとも約240ppmに制御するステップを含むこともでき、再循環させた触媒または再循環させた配位子から誘導された触媒の触媒活性の劣化を抑制するのを助けることができる。好ましくは、方法は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を約100ppmから約300ppmに制御する。いくつかの実施形態では、2000ppm超の水の反応器濃度が得られるように水を添加することによって、配位子の分解が誘発される可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、この範囲付近の水の濃度は、慎重な配慮および厳密なプロセス制御によって利益を得ることができる。方法における水の濃度は、当業者に公知の手段を使用して決定することができる。例えば水の濃度は、共沸蒸留を介したサンプルの導入による水のカールフィッシャー滴定によって決定することができる。
ヒドロシアン化反応ゾーンへの水の充填は、水がリン含有配位子を加水分解しまたはその他の方法で望ましくない副生成物の形成を引き起こしもしくはその形成に関与することが一般には教示されるので、直観に反したものである。触媒の分解のメカニズムは完全には理解されておらず、この分解を阻止する際の水の役割も理解されていない。
リン含有配位子
開示される方法および/または生成物で使用される触媒は、ニッケルおよび少なくとも1つのリン含有(P−含有)配位子、例えばホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、ホスフィン、および混合P−含有配位子を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、1つのタイプのリン含有配位子を含むことができる。その他の実施形態では、触媒は、多数のタイプのリン含有配位子を含むことができる。
P含有配位子は、ニッケルに化学結合して、配位子−ニッケル触媒錯体を形成する。P含有配位子は、単座または多座、例えば二座または三座とすることができる。「二座」という用語は、当技術分野で周知であり、配位子の両方のリン原子を単一金属原子に結合できることを意味する。「三座」という用語は、配位子上の3個のリン原子を単一金属原子に結合できることを意味する。「二座」および「三座」という用語はキレート配位子を示すことも当技術分野で公知である。
本明細書で使用される「混合P含有配位子」という用語は、ホスファイト−ホスホナイト、ホスファイト−ホスフィナイト、ホスファイト−ホスフィン、ホスホナイト−ホスフィナイト、ホスホナイト−ホスフィン、およびホスフィナイト−ホスフィンからなる群から選択される少なくとも1つの組合せを含むP含有配位子を意味する。
いくつかの実施形態では、適切なリン含有配位子は、式(II)を有する化合物を含む。式(II)は、化学構造
Figure 2014530221
を有し、式(II)中、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R1およびR2は、互いに架橋しまたは互いに架橋しておらず;Xは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、ホスフィチルビスアリール、ホスフィチルビスヘテロアリール、ヒドロキシビスアリール、ヒドロキシビスヘテロアリール、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される。
X=ホスフィチルビスアリールである実施形態において、いくつかの実施例では、Xは下記の構造の1つから選択される化学構造を有することができ:
Figure 2014530221
1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R1およびR2は、互いに架橋しまたは互いに架橋しておらず;R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、触媒に適切なリン含有配位子は、式(III)〜(XI)の化合物であってそれらの組合せを含めたものからなる群から選択することができる。式(III)は、構造:
Figure 2014530221
を有し、式中、
11、X12、X13、X21、X22、およびX23は、独立して、酸素または単(直接)結合を表し;
11およびR12は、独立して、同一のまたは異なる、単一のまたは架橋有機基を表し;
21およびR22は、独立して、同一のまたは異なる、単一のまたは架橋有機基を表し;
Yは架橋基を表す。
特定の実施形態では、X11、X12、X13、X21、X22、およびX23は、それぞれ酸素とすることができる。そのような場合、架橋基Yはホスファイト基に結合される。別の実施形態では、X11、X12、およびX13により囲まれたリン原子がホスホナイトの中心原子になるように、X11およびX12をそれぞれ酸素としかつX13を単結合とすることができ、またはX11およびX13をそれぞれ酸素としかつX12を単結合とすることができる。そのような場合、X21、X22、およびX23により囲まれたリン原子をホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、またはホスフィン、例えばホスホナイトの中心原子とすることができるように、X21、X22、およびX23をそれぞれ酸素とすることができ、またはX21およびX22をそれぞれ酸素としかつX23を単結合とすることができ、またはX21およびX23をそれぞれ酸素としかつX22を単結合とすることができ、またはX23を酸素としかつX21およびX22をそれぞれ単結合とすることができ、またはX21を酸素としかつX22およびX23をそれぞれ単結合とすることができ、またはX21、X22、およびX23をそれぞれ単結合とすることができる。別の好ましい実施形態では、X11、X12、およびX13により囲まれたリン原子がホスフィナイトの中心原子になるように、X13を酸素としかつX11およびX12をそれぞれ単結合とすることができ、またはX11を酸素としかつX12およびX13をそれぞれ単結合とすることができる。そのような場合、X21、X22、およびX23により囲まれたリン原子をホスファイト、ホスフィナイト、またはホスフィン、例えばホスフィナイトの中心原子とすることができるように、X21、X22、およびX23をそれぞれ酸素とすることができ、またはX23を酸素としかつX21およびX22をそれぞれ単結合とすることができ、またはX21を酸素としかつX22およびX23をそれぞれ単結合とすることができ、またはX21、X22、およびX23をそれぞれ単結合とすることができる。別の実施形態では、X11、X12、およびX13により囲まれたリン原子がホスフィンの中心原子になるように、X11、X12、およびX13をそれぞれ単結合とすることができる。そのような場合、X21、X22、およびX23により囲まれたリン原子をホスファイトまたはホスフィン、例えばホスフィンの中心原子とすることができるように、X21、X22、およびX23をそれぞれ酸素とすることができ、またはX21、X22、およびX23をそれぞれ単結合とすることができる。架橋基Yは特に、例えば:C1〜C4−アルキル;フッ素、塩素、臭素などのハロゲン;トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル;フェニルなどのアリールにより置換されたアリーレン基であり、または6から20個の炭素原子を芳香族系に有する基、特にピロカテコール、ビス(フェノール)、ビス(ナフトール)、またはその他のビス−アリール系など、置換されていないアリーレン基である。R11およびR12基は、それぞれ独立して同一のまたは異なる有機基とすることができる。有利なR11およびR12基は、アリール基、例えば6から10個の炭素原子を有するものであって、特にC1〜C4−アルキル、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル、フェニルなどのアリール、または非置換アリール基によって置換されておらずまたは一置換もしくは多置換されたものとすることができる。R21およびR22基は、それぞれ独立して、同一のまたは異なる有機基とすることができる。有利なR21およびR22基は、アリール基、特に6から10個の炭素原子を有するものであって、特にC1〜C4−アルキル、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル、フェニルなどのアリール、または非置換アリール基によって置換されておらずまたは一置換もしくは多置換されたものとすることができる。R11およびR12基は、それぞれ分離させることができまたは架橋することができる。R21およびR22基も、それぞれ分離することができまたは架橋することができる。R11、R12、R21、およびR22基は、それぞれ分離することができ、2個を架橋しかつ2個を分離することができ、または4個全てを架橋することができる。
いくつかの実施形態では、式(III)は、二座リン含有配位子、構造IIのジホスファイト配位子構造(DLS)を含むことができ、
Figure 2014530221
式中、構造IIにおいて、O−Q−Oは、構造III、IV、またはVからなる群から選択されるビスアリール化合物の2価の化学種であり、
Figure 2014530221
式中、構造II〜Vにおいて、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される。
適切な配位子は、式(IV)の構造、
P(X11)(X22)(X33
式(IV)
を有することもでき、
式中、X1、X2、およびX3は、独立して、酸素または直接単結合を表し;
1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、同一または異なる有機基である。
いくつかの実施例では、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなどの例えば1から10個の炭素原子を有するアルキル基であり、1,1’−ビフェノール、1,1’−ビナフトールなどの例えば1から20個の炭素原子を有する、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、1−ナフチル、2−ナフチル、またはヒドロカルビルなどのアリール基である。R1、R2、およびR3基は、例えば中心リン原子を介して単独にではなく、一緒に直接結合することができる。いくつかの実施例では、R1、R2、およびR3基は一緒に直接結合しない。ある実施形態では、R1、R2、およびR3基は、フェニル、o−トリル、m−トリル、およびp−トリルからなる群から選択される基である。特定の実施形態では、R1、R2、およびR3基の最大2個がフェニル基である。別の特定の実施形態では、R1、R2、およびR3基の最大2個がo−トリル基である。
いくつかの実施例において、使用することができる特定の化合物は、下記の式(IVa)のものであり:
(o−トリル−O−)w(m−トリル−O−)x(p−トリル−O−)y(フェニル−O−)z
式(IVa)
式中、w、x、y、zはそれぞれ自然数であり、下記の条件:
w+x+y+z=3およびz=2以下
が当てはまる。
そのような化合物(IVa)の例には、(o−トリル−O−)3P、(p−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(m−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(o−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(p−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(m−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)(p−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(p−トリル−O−)3P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P、(o−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P、(m−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(o−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)P、(m−トリル−O−)3P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)2P、(o−トリル−O−)2(m−トリル−O−)P、またはそのような化合物の混合物が挙げられる。
本発明の方法で役立てることができる二座ホスファイト配位子の例は、以下に示す式(V)を有するものである:
Figure 2014530221
本発明の方法に有用な二座ホスファイト配位子のその他の例には、以下に示す式(VI)から(IX)を有するものが含まれ、各式ごとに、R17はメチル、エチル、またはイソ−プロピルからなる群から選択され、R18およびR19は、独立して、Hまたはメチルから選択される:
Figure 2014530221
本発明の方法に役立てることができる二座ホスファイト配位子の追加の例には、式(X)および(XI)により表される群のメンバーから選択される配位子が挙げられ、ここで全ての同様の符号は、他に明らかに限定されるものを除き、同じ意味を有しており:
Figure 2014530221
式中、R41およびR45は、独立して、C1からC5ヒドロカルビルからなる群から選択され、R42、R43、R44、R46、R47、およびR48のそれぞれは、独立して、H、およびC1からC4ヒドロカルビルからなる群から選択される。本明細書で使用される「ヒドロカルビル」は特に、アルキルまたはシクロアルキルである。
いくつかの実施例では、二座ホスファイト配位子は、式(X)および式(XI)であって、式中
41がメチル、エチル、イソプロピル、またはシクロペンチルであり;
42がHまたはメチルであり;
43がHまたはC1からC4ヒドロカルビルであり;
44がHまたはメチルであり;
45がメチル、エチル、またはイソプロピルであり;
46、R47、およびR48が、独立して、HおよびC1からC4ヒドロカルビルからなる群から選択されるものである
上記式によって表される群のメンバーから選択することができる。
追加の実施例として、二座ホスファイト配位子は、式(X)であって、式中
41、R44、およびR45がメチルであり;
42、R46、R47、およびR48がHであり;
43がC1からC4ヒドロカルビルであり;
または
41がイソプロピルであり;
42がHであり;
43がC1からC4ヒドロカルビルであり;
44がHまたはメチルであり;
45がメチルまたはエチルであり;
46およびR48がHまたはメチルであり;
47がH、メチル、またはt−ブチルである
上記式によって表される群のメンバーから選択することができ、または二座ホスファイト配位子は、式XIであって、式中
41がイソプロピルまたはシクロペンチルであり;
45がメチルまたはイソプロピルであり;
46、R47、およびR48がHである
上記式により表される群のメンバーから選択することができる。
さらに別の実施例として、二座ホスファイト配位子は、式Xであって、式中R41がイソプロピルであり;R42、R46、およびR48がHであり;R43、R44、R45、およびR47がメチルである上記式によって表すことができる。
本明細書で与えられる化学構造は、三次元分子の二次元表示であり、化学結合を中心とした回転が分子内に生じ得て、図示されるものとは異なる配置が得られることが理解されよう。例えば、式(V)から(XI)のビフェニル、オクタヒドロビナフチル、および/またはビナフチル架橋基の2−および2’−位間の炭素−炭素結合を中心とした回転は、それぞれ、各式の2個のリン原子を互いにさらに近付けることができ、かつホスファイト配位子を二座型になるようニッケルに結合させることができる。さらに、例えばR41に関するsec−ブチルなどの光学活性部分の使用は、光学活性触媒をもたらすことができる。いくつかの実施例では、非対称または光学活性触媒の使用によって、立体特異触媒活性を得ることができる。
ルイス酸促進剤
様々な実施形態では、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化してアジポニトリルを生成する方法は、例えば反応を進行させるためまたは反応の反応速度を上昇させるため、例えば反応を促進させる促進剤の存在下で行うことができる。促進剤は、無機化合物、有機金属化合物、またはこれらの組合せなどのルイス酸とすることができ、このルイス酸の陽イオンは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、レニウム、ランタン、エルビウム、イッテルビウム、サマリウム、タンタル、およびスズからなる群から選択される。例えばルイス酸促進剤は、塩化亜鉛またはトリフェニルホウ素であり得る。
ニッケル触媒錯体の調製
ニッケル金属と、少なくとも1つの遊離リン含有配位子との反応は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,903,120号、第4,385,007号、第4,416,825号;米国特許出願公開第20040176622号、およびPCT特許出願公開第1995011077に教示されている。
少なくとも1つのリン含有配位子を含む触媒組成物は、実質的に遊離しており、例えば一酸化炭素、酸素、および水の少なくとも1種とは別に維持することができる。これらの触媒組成物は、当技術分野で周知の技法に従い、その場で予備形成または調製することができる。例えば触媒組成物は、単座または二座ホスファイト配位子と、当技術分野でその全てが周知であるNi(COD)2、Ni[P(O−o−C64CH333、およびNi[P(O−o−C64CH332(C24)など、有機ホスファイト配位子により容易に入れ替わりまたは置き換えられる配位子を有するニッケル化合物であって、1,5−シクロオクタジエン(COD)、トリス(オルト−トリル)ホスファイト[P(O−o−C64CH333、およびエチレン(C24)がその容易に入れ替わる配位子の例とすることができかつ後者の場合に「o」がオルトを表すものである配位子を有するニッケル化合物とを接触させることによって、形成することができる。元素ニッケル、例えばニッケル粉末は、例えば米国特許第3,903,120号に記載されるハロゲン化触媒と組み合わせた場合、ニッケルの適切な供給源とすることもできる。
いくつかの実施例では、2価のニッケル化合物を還元剤と組み合わせて、反応におけるニッケルの供給源として働かせることができる。いくつかの実施例では、2価のニッケル化合物を、単座または二座ホスファイト配位子の存在下、還元剤と組み合わせることによりニッケルを形成し、次いでニッケル−配位子錯体を形成することができる。適切な2価のニッケル化合物の例には、式NiZ2(式中、Zはハロゲン化物、カルボキシレート、またはアセチルアセトネートである)の化合物が挙げられる。適切な還元剤の例には、金属ホウ水素化物、金属アルミニウム水素化物、金属アルキル、Li、Na、K、Zn、Fe、またはH2、および当技術分野で公知の電気化学手段が挙げられる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,893,996号を参照されたい。いくつかの実施例では、触媒組成物において、二座ホスファイト配位子は、所与の時間で混合物中に存在するニッケルに理論的に配位することができるよりも、過剰に存在させることができる。
触媒を調製するのに適切な方法のいくつかの例は、WO2011/075494、WO2011/075496、およびWO2012/033556に記載されている。
いくつかの実施例では、触媒組成物は、ヒドロシアン化反応混合物に対して非反応性であり混和性である溶媒に、溶解することができる。適切な溶媒の例には、例えば、1から10個の炭素原子を有する脂肪族および芳香族炭化水素、およびアセトニトリルなどのニトリル溶媒が挙げられる。いくつかの実施例では、3PN、異性体ペンテンニトリルの混合物、異性体メチルブテンニトリルの混合物、異性体ペンテンニトリルおよび異性体メチルブテンニトリルの混合物、または先の反応運動から得た反応生成物を使用して、触媒組成物を溶解することができる。
アジポニトリルを製造するための代表的な方法のより詳細な説明を、そのような方法を簡略化した概略図を提示する図1を参照しながら行う。図1は、第1の反応ゾーン(Z1)を示し、そこでは1,3−ブタジエンおよびシアン化水素を含む混合物を、例えばNiおよび第1のリン含有配位子を含む第1の触媒であって、まとめると第1の触媒系の存在下で接触させて、3−ペンテンニトリル(3PN)および2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)を実質的に含む反応生成物を生成する。
図1に示されるように、1,3−ブタジエン反応物を、ライン100を通して第1の反応ゾーン(Z1)に送り込み、シアン化水素反応物を、ライン120を通して第1の反応ゾーン(Z1)に送り込み、触媒を、ライン140を通して第1の反応ゾーン(Z1)に送り込む。反応生成物流は、ライン122を通して第1の反応ゾーン(Z1)から得られる。ライン122内の反応生成物流は、第1の反応ゾーン(Z1)内を流れる生成物、副生成物、未反応の反応物、および触媒を含む。反応生成物流122は分離セクション125に導入されて、とりわけ、濃縮された触媒流140と、2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)を含む生成物流200とが得られる。分離セクション125は、1つまたは複数の蒸留塔を含んでいてもよい。分離セクション125の例を図4に示す。未反応のシアン化水素および1,3−ブタジエンを、分離セクション125の反応生成物および触媒から分離することもできる。未反応の1,3−ブタジエンは、図1に示されないラインを通して第1の反応ゾーン(Z1)に再循環させることができる。3−ペンテンニトリル(3PN)を含む流れは、図1に示されないラインを通して分離セクション125から抜き出すこともできる。分離セクション125で反応生成物から分離された触媒の少なくとも一部は、ライン140を通して第1の反応ゾーン(Z1)に再循環させることができる。
第1の反応ゾーン(Z1)での反応に続き、第2の反応ゾーン(Z2)では2M3BNの実質的な異性化が異性化触媒の存在下で実施されて、実質的に3PNを含む反応生成物を生成する。異性化触媒を、本明細書では第2の触媒とも呼ぶ。異性化触媒は、第1の反応ゾーン(Z1)に導入された触媒と同じであってもよい。任意選択で、異性化触媒は、第1の反応ゾーン(Z1)に導入された触媒とは異なっていてもよい。
図1に示されるように、2M3BNを含む供給材は、ライン200を通して第2の反応ゾーン(Z2)に導入される。触媒は、ライン240を通して第2の反応ゾーン(Z2)に導入される。第2の反応ゾーン(Z2)からの流出物流222は、触媒および3PN生成物を含む。この流出物流222は分離セクション225に移ることにより、とりわけ、3PN生成物流300および濃縮触媒流240が得られる。分離セクション225は、1つまたは複数の蒸留装置を含んでいてもよい。図5は、そのような分離セクション225の例を示す。
触媒を第1の反応ゾーン(Z1)および第2の反応ゾーン(Z2)に供給するための触媒再循環システムが、図1に示される。これらの触媒再循環システムは、再循環前に触媒の少なくとも一部を精製するための、その他のシステムを含む。
触媒を第1の反応ゾーン(Z1)に供給するための触媒再循環システムでは、ライン140内の濃縮触媒流の一部が触媒パージ流126中に逸れて行く。
パージ流126中の触媒は、反応副生成物および触媒分解副生成物などの不純物を含んだ溶液の形をとる。パージ流126中の触媒は、液/液抽出ゾーン150に送られて、触媒を少なくとも部分的に精製しまたは再生する。触媒は、少なくともいくらかの副生成物が触媒溶液から除去されるので、精製されまたは再生される。
アルカンなどの無極性溶媒は、ライン130を通して液/液抽出ゾーン150に送り込まれる。無極性溶媒に混和しない極性溶媒も、ライン500を通して液/液抽出ゾーン150に送り込まれる。
一実施形態では、触媒パージ流126およびライン500内の極性溶媒が混合され、その後、合わせた流れを抽出ゾーン150に充填する。図1は、別々に抽出ゾーン150に添加されるパージ流126および再循環流500を概略的に示すが、触媒パージ流126およびライン500内の極性溶媒は、好ましくは、合わせた流れが抽出ゾーン150に充填される前に混合されることを理解されたい。
抽出ゾーン150では、無極性溶媒および触媒を含む無極性相と、極性溶媒および例えば反応副生成物および触媒分解生成物を含む極性相(例えば、ラフィネート)とが形成される。無極性相は、ライン134を介して抽出ゾーン150から蒸留装置155で得られる。極性相は、ライン510を介して抽出ゾーン150から分離セクション1000に得られる。
分離セクション1000の例が、図2に、より詳細に記述されている。分離セクション1000は、極性溶媒からの、ある反応副生成物およびある触媒分解生成物の除去を行う、一連の塔(K1、K2、K3、およびK4)をまとめて含んでいてもよい。K4の塔底は極性溶媒を提供し、ライン500を介して抽出ゾーン150に溶媒を戻す。
無極性溶媒は、蒸留装置155内で蒸留によって回収され、ライン130を介して抽出ゾーン150に戻る。抽出ゾーン150、ライン134、蒸留装置155、およびライン130はまとまって、無極性溶媒を抽出ゾーン150に再循環させるための回収ループを形成する。抽出ゾーン150、ライン510、分離セクション1000、およびライン500はまとまって、極性溶媒を抽出ゾーン150に再循環させるための回収ループを形成する。追加の無極性溶媒および極性溶媒が、図1に示されないラインによって抽出ゾーン150に導入されてもよい。この追加の溶媒は、液/液抽出ステップを開始しかつこのステップの過程での溶媒の損失を補うために添加されてもよい。
蒸留塔155からの塔底物は、部分的に精製された触媒を含む。この触媒は、触媒分解生成物および/または反応副生成物の少なくともいくらかが、触媒を含有する溶液から分離されたという意味で、部分的に精製されまたは再生される。この部分的に精製された触媒は、ライン156を通して蒸留塔155から得ることができ、第1の反応ゾーン(Z1)に再循環させる任意の点で導入することができる。図1において、部分的に精製された触媒は、ライン156を通して蒸留塔155から得ることができ、ライン146内に移送されて、第1の反応ゾーン(Z1)に再循環させるために触媒再循環ライン140へと導入される。図1は、抜取り流126の下流の流れ146の導入を示すが、この流れは、任意選択で、抜取り流126の上流に導入されてもよい。流れ146は、任意選択で、第1の反応ゾーン(Z1)に関連付けられる任意の触媒含有流に添加されてもよい。任意選択で、ライン156内の部分的に精製された触媒流の少なくとも一部は、第2の反応ゾーン(Z2)に再循環されてもよい。図1において、ライン156内の部分的に精製された触媒流は、ライン246に移送されて、第2の反応ゾーン(Z2)に再循環させるために触媒再循環ライン240に導入されてもよい。しかし、部分的に精製された第1の触媒を第2の反応ゾーン(Z2)に経由させるため、図1に示されないその他の経路を使用してもよいことが理解されよう。
後で第1の反応ゾーン(Z1)に戻されまたは任意選択で第2の反応ゾーン(Z2)に戻される第1の触媒の、部分的に精製された流れには、追加のNiおよび/または追加のリン含有配位子を提供してもよい。図1において、追加のNiおよび/または追加のリン含有配位子は、ライン145を介して提供されてもよい。やはり図1に示されるように、後で第2の反応ゾーン(Z2)に送られる第1の触媒の、部分的に精製された流れには、ライン245を介して追加のNiおよび/またはリン含有配位子を提供してもよい。しかし、図1に示されない異なる経路を介して補充触媒を添加してもよいことが、理解されよう。例えば補充触媒流145は、第1の反応ゾーン触媒ループのその他のセクションに、または例えば第1の反応ゾーン(Z1)に直接充填されてもよい。
図1に示される特定の実施形態では、第2の反応ゾーン(Z2)に、触媒をこの第2の反応ゾーン(Z2)に供給するための第2の触媒回収システムが設けられる。この第2の触媒再循環システムでは、ライン240内の濃縮触媒流の一部が触媒パージ流226に逸れる。この触媒パージ流226は、液/液抽出ゾーン250に送り込まれる。アルカンなどの無極性溶媒が、ライン230を通して液/液抽出ゾーン250に送り込まれる。無極性溶媒と混和しない極性溶媒も、ライン700を通して液/液抽出ゾーン250に送り込まれる。図1に示されない供給源からのジニトリルを、所望の相分離および抽出を実現するために必要に応じて、抽出ゾーン250に添加してもよい。
一実施形態では、触媒パージ流226およびライン700内の極性溶媒を混合し、その後に、合わせた流れを抽出ゾーン250に充填する。図1は、抽出ゾーン250に別々に添加されたパージ流226および再循環流700を概略的に示すが、触媒パージ流226およびライン700内の極性溶媒は、好ましくは、合わせた流れが抽出ゾーン250に充填される前に混合されることを理解されたい。
一実施形態では、第3の反応ゾーン(Z3)からの精練されたジニトリル生成物流の一部を、抽出ゾーン250への供給材として使用してもよい。例えば、側流(図示せず)をライン500から得て、抽出ゾーン250に導入してもよい。抽出ゾーン250では、無極性溶媒および触媒を含む無極性相と、例えば極性溶媒、反応副生成物、およびある触媒分解生成物を含む極性相(例えば、ラフィネート)とが形成される。無極性相は、抽出ゾーン250からライン234を介して蒸留装置255に得られる。極性相は、抽出ゾーン250からライン710を介して分離セクション2000に得られる。分離セクション2000については、図2に、より詳細に記述される。
分離セクション2000は、ある反応副生成物および触媒分解生成物の分離を行う一連の塔(K1、K2、K3、およびK4)を、まとめて含む。K4の塔底は極性溶媒を提供し、この溶媒は、ライン700を介して抽出ゾーン250に戻る。相分離の必要に応じてアジポニトリルの形をとる追加の極性溶媒は、図1に示されないラインを通して、第3の反応ゾーン(Z3)で生成されたアジポニトリルから得ることができる。
無極性溶媒は、蒸留によって蒸留装置255に回収され、ライン230を介して抽出ゾーン250に戻る。抽出ゾーン250、ライン234、蒸留塔255、およびライン230はまとまって、無極性溶媒を抽出ゾーン250に再循環させるための回収ループを形成する。抽出ゾーン250、ライン710、分離セクション2000、およびライン700はまとまって、極性溶媒を抽出ゾーン250に再循環させるための回収ループを形成する。
蒸留塔255からの塔底物は、部分的に精製された触媒を含む。この触媒は、触媒分解生成物および/または反応副生成物の少なくともいくらかが、触媒を含有する溶液から分離されたという意味で、部分的に精製されまたは再生される。この部分的に精製された触媒は、ライン248を通して蒸留装置255から得られ、触媒再循環ライン240に導入されて、第2の反応ゾーン(Z2)へと再循環され得る。任意選択で、側流をライン248からライン247に得ることができ、この側流は、例えば側流をライン247からライン146またはライン140に導入することにより、第1の反応ゾーン(Z1)への触媒供給材として使用することができる。任意の部分的に精製された触媒の流れは、その後、第2の反応ゾーン(Z2)に送られ、例えばライン245を介して追加のNiおよび/またはリン含有配位子が提供されてもよい。図1に示されていないが、ライン245は、ライン240の代わりにライン246またはライン248に直接送り込まれてもよい。補充触媒を導入するその他の方法が、当技術分野で公知でありかつ使用することができる。
図1に示されていないが、第1の反応ゾーン(Z1)および第2の反応ゾーン(Z2)は、単一の触媒回収システムを共有することが可能である。共有触媒回収システムは、第1および第2のリン含有配位子が同じであるときに、望ましいと考えられる。そのような共有システムでは、下記の形体:ライン226、230、234、247、248、700、および710;抽出ゾーン250;蒸留装置255;および分離セクション200を、除外しまたは停止することができる。ライン226を介してパージ流を得る代わりに、パージ流は、ライン227を介して得ることができ、かつライン126にまたは抽出ゾーン150に直接導入することができる。そのような共有触媒回収システムでは、第2の反応ゾーン(Z2)に進入する任意の部分的に精製された触媒流が、図1に示される構成に従ってライン246および240を通過すると考えられる。
ライン300内の3PN生成物は、第3の反応ゾーン(Z3)内に導入され、そこで3PNがHCNと反応する。分離セクション125からの3PNは、図1に示されない1つまたは複数のラインを通して、第3の反応ゾーン(Z3)内に導入されてもよい。HCN反応物供給材は、ライン220を通して第3の反応ゾーン(Z3)内に導入される。
水を、完全な混合、安全な操作、および良好なプロセス制御のための良好な設計製作の実施に見合った任意の適切な入口ライン(図示せず)に通して、第3の反応ゾーン(Z3)に送ることができる。水を注入する手段は、定量ポンプおよび制御弁を含む。水は、第3の反応ゾーン(Z3)内に導入するために、ライン300内の3PN生成物に直接、適切に充填することができる。
例えばNiおよび第3のリン含有配位子を含む第3の触媒、まとめて第3の触媒系と、ルイス酸促進剤とを、ライン340を通して第3の反応ゾーン(Z3)に導入する。第3の反応ゾーン(Z3)での3PNとHCNとの反応は、アジポニトリルを含有する反応生成物を生成する。反応生成物流は、ライン400によって第3の反応ゾーン(Z3)から得られる。反応生成物流は、例えば、アジポニトリル、触媒、促進剤、および未反応の反応物を含む。反応生成物流は、アジポニトリル生成物から触媒を分離する前に未反応の反応物が除去されるように、任意選択で分離セクション(図1に示さず)を通過してもよい。
ライン400内の生成物流からの触媒およびアジポニトリル生成物は、液/液抽出ゾーン370に移る。アルカンなどの無極性溶媒を、ライン330を通して液/液抽出ゾーン370に送り込む。液/液抽出ゾーン370に導入される無極性溶媒は、液/液抽出ゾーン150に導入された無極性溶媒と同じまたは異なる組成を有していてもよい。一緒に、ライン330からの無極性溶媒およびライン400からのアジポニトリル生成物は、不混和性成分の抽出系を構成する。抽出ゾーン370では、無極性溶媒および触媒を含む無極性相と、アジポニトリル、促進剤、および触媒分解生成物を含む極性相(例えば、ラフィネート)とが形成される。
無極性相は、抽出ゾーン370からライン334を介して蒸留装置375に得られる。アジポニトリルを含む極性相は、抽出ゾーン370からライン600を介してアジポニトリル精製セクション3000に得られる。アジポニトリル精製セクション3000については、図3で、より詳細に記述される。
アジポニトリル精製セクション3000は、反応副生成物および触媒分解生成物などの不純物の分離を行う一連の塔(K’1、K’2、K’3、およびK’4)を、まとめて含んでいてもよい。K’4の塔底は、精製されたアジポニトリル生成物を提供し、これがライン660内で回収される。精製されたアジポニトリル生成物の一部を、任意選択で抽出ゾーン150または抽出ゾーン250に戻して(図1に示されないラインによって)、これらの抽出ゾーンでの相分離を容易にしてもよい。
無極性溶媒は、蒸留装置375内で蒸留によって回収され、ライン330を介して抽出ゾーン370に戻る。抽出ゾーン370、ライン334、蒸留装置375、およびライン330は、まとまって、無極性溶媒を抽出ゾーン370に再循環させるための回収ループを形成する。蒸留塔375からの塔底物は、部分的に精製された触媒を含む。この部分的に精製された触媒は、蒸留塔375から、触媒を再循環させるためのライン340を通して、第3の反応ゾーン(Z3)内で得ることができる。ライン340内の第3の触媒の部分的に精製された流れは、引き続き第3の反応ゾーン(Z3)に戻るものであり、この流れには、促進剤と共に、補充量の追加のNiおよび/または第3のリン含有配位子を加えてもよい。図1において、補充量の追加のNiおよび/または第3のリン含有配位子および/または促進剤は、ライン345を介して添加してもよい。しかし、補充触媒および促進剤を導入するその他の方法があることが、理解されよう。例えば、再循環させた触媒流340の全てまたは一部を触媒反応器に充填して、そのニッケル含量を増加させてもよく、触媒反応器からの流出物を適切な点で導入してもよい。
図2の概観
図2は、図1に示される分離セクション1000または分離セクション2000として使用してもよい、蒸留系列を示す。図2において、ライン515は、図1のライン510またはライン710のいずれかを表す。ライン515は、図1に示されるように、ラフィネート流を抽出ゾーン150または抽出ゾーン250のいずれかから分離セクション1000または分離セクション2000に輸送する。ライン515内のラフィネート流は、最初に蒸留塔K1に移り、そこで抽出溶媒を、ラフィネート流のより高い沸点成分から分離する。詳細には、シクロヘキサンなどの抽出溶媒を、ライン525を通して蒸留塔K1から抜き出し、ラフィネート流のより高い沸点成分を、ライン520を通して蒸留塔K1から抜き出す。
次いでライン520内の溶媒枯渇流は蒸留塔K2に移り、そこでペンテンニトリルを、ラフィネート流中に残されたより高い沸点の成分から分離する。詳細には、存在する3PNおよび任意の2M3BNなどのペンテンニトリルが、ライン550を通して蒸留塔K2から抜き出され、ラフィネート流のより高い沸点の成分は、ライン530を通して蒸留塔K2から抜き出される。
次いでライン530内のペンテンニトリル枯渇流は蒸留塔K3に移り、そこではジニトリルが、ラフィネート流中に残されたより高い沸点成分から分離される。詳細には、ADNおよびMGNなどのジニトリルが、ライン535を通して蒸留塔K3から抜き出され、ラフィネート流のより高い沸点成分が、ライン540を通して蒸留塔K3から抜き出される。ライン540内の、これらのより高い沸点成分は、例えば触媒分解生成物を含んでいてもよい。
次いでライン535内の、ジニトリルに富む流れは、蒸留塔K4内に移り、そこでアジポニトリルが、MGNなどのより低い沸点のジニトリルから分離される。詳細には、MGNは、ライン420を通して蒸留塔K4から抜き出される。ライン420内のMGN含有流は、C8H13C≡N化合物およびフェノール化合物を含んでいてもよい。アジポニトリルに富む流れは、ライン560を通して蒸留塔K4から抜き出される。図2において、ライン560は、図1におけるライン500またはライン700のいずれかを表す。図1に示されるように、ライン500内のアジポニトリルに富む流れは、液/液抽出ゾーン150に再循環され、ライン700内のアジポニトリルに富む流れは、液/液抽出ゾーン250に再循環される。
図3の概観
図3は、図1に示されるアジポニトリル精製セクション3000として使用することができる蒸留系列を示す。ライン600は、ラフィネート流を抽出ゾーン370から蒸留塔K’1に輸送し、そこで抽出溶媒を、ラフィネート流のより高い沸点成分から分離する。詳細には、シクロヘキサンなどの抽出溶媒を、ライン625を通して蒸留塔K’1から抜き出し、ラフィネート流のより高い沸点成分を、ライン620を通して蒸留塔K’1から抜き出す。
次いでライン620内の溶媒枯渇流は蒸留塔K’2に移り、そこではペンテンニトリルが、ラフィネート流中に残されたより高い沸点成分から分離される。詳細には、存在する3PNおよび任意の2M3BNなどのペンテンニトリルが、ライン650を通して蒸留塔K’2から抜き出され、ラフィネート流のより高い沸点成分が、ライン630を通して蒸留塔K’2から抜き出される。
3PN、C2Pn、(E)2M2BN、(Z)2M2BN、およびVNを含む流れ650は、任意選択で追加の分離システム(図示せず)に送られ、その後、回収された3PNを、装置375から回収された触媒流から得た生成物中の希釈剤として、反応ゾーンZ3に直接または間接的に再循環させる。(E)2M2BN、(Z)2M2BN、C2PN、およびVNの一部は、それらの蓄積が制御されるように除去される。反応ゾーンZ3からの未反応の水は、流れ625および650に含有される。これらの流れからの水の除去は、この分離システムの部分として含めることができる。
次いでライン630内のペンテンニトリル枯渇流は蒸留塔K’3に移り、そこではジニトリルが、ラフィネート流中に残されたより高い沸点成分から分離される。詳細には、ADNおよびMGNなどのジニトリルが、ライン635を通して蒸留塔K’3から抜き出され、ラフィネート流のより高い沸点成分が、ライン640を通して蒸留塔K’3から抜き出される。ライン640内にある、これらのより高い沸点成分は、例えば触媒分解生成物を含んでいてもよい。
次いでライン635内のジニトリルに富む流れは、蒸留塔K’4に移り、そこでアジポニトリルが、MGNなどのより低い沸点のジニトリルから分離される。詳細には、MGNがライン650を通して蒸留塔K’4から抜き出され、精製されたアジポニトリル流がライン660を通して蒸留塔K’4から抜き出される。
図4の概観
図4は、図1に示される分離セクション125として使用することができる、蒸留系列の例の概略図である。3PN、2M3BN、少なくとも1種の触媒、およびBDを含む流れ122は、蒸留のため装置810に移送される。この装置では、流れ122が蒸留されることにより、BDに富む流れ812と、3PN、2M3BN、および少なくとも1種の触媒を含むBD枯渇流813とが得られる。BDに富む流れ812は、第1の反応ゾーン(Z1)に再循環させることができる。
次いで3PN、2M3BN、および少なくとも1種の触媒を含むBD枯渇流813は、さらなる蒸留のために別の装置820に移送される。この装置では、流れ813が蒸留されることにより、BDに富む塔頂生成物流824と、3PNおよび2M3BNを含む流れ825と、少なくとも1種の触媒に富む塔底生成物流140とが得られる。BDに富む流れ824は、第1の反応ゾーン(Z1)に再循環させることができる。過剰なジニトリルが装置820に導入される場合、触媒は熱分解して、ニッケルおよび配位子を解離させ、その結果、交換機管およびリボイラ壁面などの高温表面上にニッケルを沈着させ、あるいは例えば塔底内でのニッケル固形分の沈殿を誘発させる可能性がある。
3PNおよび2M3BNを含む流れ825は、少なくとも部分的に、別の蒸留装置830に移送される。この装置では、流れ825の蒸留は、2M3BNに富む流れ200と、3PNを含む2M3BN枯渇流838とが得られるように、蒸留される。2001年12月付け、テキサス州立大学、Decio Heringer Coutinhによる博士論文の「Nylon Intermediates Refining」セクションに記載されるように、流れ200は蒸留装置の塔頂領域で得ることができ、一方、流れ838は、蒸留装置の塔底領域で得ることができる。
図4は、第1の反応ゾーン(Z1)からの流出物を蒸留するための1つの蒸留システムを示す。しかし、同じまたは本質的に同じ結果が実現されるようにその他の蒸留システムを設計し操作することは、当業者の範囲内であることが理解されよう。例えば、触媒の熱安定性に応じて、蒸留装置810と蒸留装置820とを単一の蒸留装置に組み合わせることが可能であり、そこではBNに富む流れが塔頂抜出し物として抜き出され、PNに富む流れが塔側抜出し物として抜き出され、触媒に富む流れが塔底抜出し物として抜き出される。
図5の概観
図5は、図1に示される分離セクション225として使用できる蒸留系列の例の略図である。第2の反応ゾーン内で得られた流れ222中の異性化反応流出物は、触媒および生成物が回収されるように蒸留される。図5に示されない蒸留ステップでは、軽沸物を最初に流れ222から除去してもよい。低沸物は、ペンテンニトリルよりも低い温度で沸騰する化合物である。軽沸物の例には、ブタン、ブタジエン、およびシクロヘキサンが含まれる。ペンテンニトリルと同じ温度またはそれよりも高い温度で沸騰する流れ222中の化合物は、蒸留装置940に導入される。3PN、2M3BN、および(Z)−2M2BNを含む、ペンテンニトリルに富む流れ942は、蒸留装置940から得ることができる。流れ942は、4PN、(E)−2M2BN、またはそれらの組合せから選択されるその他のペンテンニトリル、および任意選択で、VCHおよびエチリデンシクロヘキセン異性体などの実験式C8H12を有する二量体化BD化合物を含んでいてもよい。少なくとも1種の触媒に富むペンテンニトリル枯渇流240は、塔底生成物として得ることができる。
米国特許第3,852,329号は、「reduced loss to undesirable products such as 2−methyl−2−butenenitrile(2−メチル−2−ブテンニトリルなどの望ましくない生成物の損失を低減させる)」ための方法を記述している。流れ942の蒸留の目的は、より低い沸点の(Z)−2M2BN異性体の少なくとも一部を、3PNおよび2M3BN反応生成物混合物からパージすることである。
3PN、2M3BN、および(Z)−2M2BNを含む流れ942は、蒸留装置950で蒸留される。流れ954は、(Z)−2M2BNに富む塔頂留出物として得られる。3PNおよび2M3BNを含む流れ955は、塔底生成物として得られ、(Z)−2M2BNが枯渇しているものである。(Z)−2M2BNが「富む」および「枯渇する」とは、流れ942におけるその濃度に関するものである。
流れ954は、2M3BN、(E)−2M2BNを含む群から選択されるその他のペンテンニトリル、および任意選択で、VCHおよびエチリデンシクロヘキセン異性体などの実験式C8H12を有する二量体化BD化合物を含んでいてもよい。流れ955は、4PN、2PN、および(E)−2M2BNを含む群から選択されるその他のペンテンニトリルを含んでいてもよい。
一実施形態では、蒸留は、二量体化BD化合物で流れ954を富ませるように、かつ流れ955では枯渇させるように操作され、いずれも流れ942中の二量体化BD化合物の濃度に関するものである。別の実施形態では、二量体化BD化合物は、2M3BNと前記化合物との共沸を通して、流れ954中に富むようになる。別の実施形態では、流れ954は、流れ954の全質量に対して1重量%超、例えば5重量%超、例えば10重量%超の2M3BNを含む。
3PNおよび2M3BNを含む流れ955は、少なくとも部分的には蒸留装置960に移送することができる。この装置では、流れ955の蒸留は、2M3BNに富む流れ967と、3PNを含む2M3BN枯渇流300とが得られるように行われる。2001年12月付け、ダラス、テキサス州立大学、Decio Heringer Coutinhoによる博士論文の「Nylon Intermediates Refining(ナイロン中間体の精練)」セクションに記載されるように、流れ967は、蒸留装置の塔頂領域で得ることができ、一方、流れ300は、蒸留装置の塔底領域で得ることができる。
図5は、第2の反応ゾーン(Z2)からの流出物を蒸留するための、1つの蒸留システムを示す。しかし、同じまたは本質的に同じ結果が実現されるようにその他の蒸留システムを設計し操作することは、当業者の範囲内であることが理解されよう。例えば、上述のように、低沸物を除去するための蒸留ステップをシステムに挿入することができる。第1の反応ゾーンからの流出物を蒸留するのに使用される設備を、共有することも可能である。例えば、第2の反応ゾーン(Z2)からの流出物を蒸留することによって得られる3PNおよび2M3BNを含む流れは、第1の反応ゾーン(Z1)からの流出物の蒸留に使用される蒸留装置830などの蒸留装置に移り、その結果、3PNに富む流れおよび2M3BNに富む流れが得られ得る。
本発明の実施形態は、本明細書で与えられる操作のいかなる理論にも限定されるものではない。
新たな配位子は、WO2011/075494、WO2011/075496、およびWO2012/033556で公開された手順に従い調製した。新たな配位子溶液は、シクロヘキサンにおける主成分(溶媒を除く)との混合物、即ち、DLSであるがTLS、CLSも含むもの、およびDLS、TLS、またはCLSの加水分解生成物、およびDLS、TLS、CLSから誘導されたその他の生成物、またはDLS合成用の出発材料である主成分との混合物であった。新鮮な配位子溶液の例示的な組成物を、表1に示す。
Figure 2014530221
活性Ni金属を、WO2011/075494、WO2011/075496、およびWO2012/033556に記載されるように塩基性炭酸ニッケルから調製した。
統合型実験ユニットを使用して、ペンテンニトリルからアジポニトリルへのヒドロシアン化に有用な触媒錯体の安定性について調査した。ユニットは、ヒドロシアン化反応器と、触媒回収システムと、触媒調製反応および精練システムを含めた、いくつかのユニット操作を含む。ユニットは、触媒錯体の安定性に対する経過時間の影響(例えば、繰り返される再循環サイクルの影響)を理解するために、数週間にわたって連続的に操作する。
シアン化水素、触媒錯体溶液、塩化亜鉛、水、およびペンテンニトリルをヒドロシアン化反応器に送り、そこでペンテンニトリルからジニトリルへのヒドロシアン化を行う。反応は、約55℃で実施する。ヒドロシアン化反応中、ニッケルの一部がシアン化ニッケルに変換され、DLSの分解が生じる。反応器流出物は、ヒドロシアン化反応生成物であるアジポニトリル、触媒、配位子、未反応のペンテンニトリル、配位子分解生成物、およびシアン化ニッケルを含む。
触媒および配位子は、触媒回収システムで、反応器生成物から回収される。触媒回収システムは、混合器/沈降器と、反応器流出物から触媒および配位子を回収するためのシクロヘキサンとの3つの段階を含む。補充の新たな配位子も、混合器沈降器に添加される。シクロヘキサン中の溶液としての新たな配位子は、この方法でのDLSの消費に等しい速度で、この方法に加えられる。二座ホスファイト配位子の他に、新たな配位子溶液は、CLSおよびTLSなどの配位子合成副生成物とそれらの分解生成物とを含み、その組成を表1に示す。これらの化合物に関する分配係数を、表2に示す。分配係数は、以下に示される通り定義される。
Figure 2014530221
Figure 2014530221
表2に示されるように、これらの生成物のいくつかは、高い抽出係数を有し;高い抽出係数は、抽出効率の上昇を可能にする場合がある。低い抽出係数は、再循環ループから、望ましくない反応副生成物をパージするのを可能にする。表2に示されるように、配位子副生成物CLS、TLS、およびDLS−LHPは比較的高い抽出係数を有し、したがってこれらの副生成物は、プロセスから効果的に除去されず、再循環ループ内に蓄積される。
反応器内でのペンテンニトリルのヒドロシアン化中、配位子DLSの分解が観察される。DLS消費のための主要な経路の例を、式6および7に示す:
DLS→CLS+TLS (6)
DLS+H2O→DLS−LHP+2,4−キシレノール (7)
DLS+O2→DLSオキシド→DLSジオキシド (8)。
理論の詳述により本発明を限定するものではないが、ヒドロシアン化反応は空気の無い条件下で行われるので、式8は、DLS分解の主要な経路とは考えられない。式6によるCLSおよびTLSに対するDLS不均化パーセントは、式9に示されるDLS/(DLS+TLS+CLS)のモル比から推定される。
Figure 2014530221
式7によるDLS−LHPに対するDLS加水分解パーセントは、式10に示されるように推定される。
Figure 2014530221
反応器の端から端までのDLSの全体的な変化は、式11から推定される。
Figure 2014530221
実験は、3つの異なる水の濃度で実施し、その結果を表3に示す。表に示されるように、水がほとんどない場合(約20ppm)、CLSおよびTLSとの不均化による(式6)DLSの変化パーセントは、加水分解により観察されるDLSの変化(式7)よりも大きい。CLSおよびTLSに対する不均化によるDLS変化量は、反応器に水を添加することによって低下する。
Figure 2014530221
CLSおよびTLSの濃度は、これらの化合物も式6によりヒドロシアン化反応で形成されたので、再循環ループ内で増加する。CLSおよびTLSに対して二座ホスファイト分解速度が速い条件下、再循環ループ内の配位子の全体的な品質は低下する(DLS/(DLS+CLS+TLS)。CLSおよびTLSに対するDLS不均化速度が約7.3であるときの、再循環触媒回転率の関数としての再循環配位子品質の変化を、表4に示す。表4に示されるように、再循環配位子品質は、再循環サイクル数(例えば、経過時間)と共に低下する。これは、抽出を通してシステムからパージできる場合よりも速い速度で、ヒドロシアン化反応器内でTLSおよびCLSが発生することに起因すると考えられる。再循環ループ内での不活性物の蓄積は、プロセスの安定性に対して影響を及ぼす可能性がある。
再循環配位子品質に対する水の影響も、表4に示す。再循環配位子品質は、水の濃度をヒドロシアン化反応器内で約240ppmにすることによって、安定化する。表3に示されるように、水の添加によって、CLSおよびTLSに対するDLS不均化パーセントは低下する。DLSの全体的な消費は、水の存在下で改善する。水の濃度を約240ppmに増加することにより、CLSおよびTLSに対する不均化に起因したDLS分解は、約7.3%から約0.66%に低下する。同じ条件下、加水分解によるDLS分解は、約0.16%から約2.2%に増加する。式6によるDLS推定値の全体的な変化も、表3に示す。水の濃度を約20ppmから約240ppmに増加することにより、DLSの全体的な変化パーセントは約7.3%から約1.97%に低下した。
Figure 2014530221
本発明の例示的な実施形態について特に記述してきたが、本発明は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、その他および異なる実施形態が可能であること、および様々なその他の修正例が当業者に明らかにされかつその修正が当業者により容易に行うことができることが理解されよう。したがって特許請求の範囲は、本明細書に記載される実施例および記述に限定されず、むしろ特許請求の範囲は、本発明が関係する当業者がその均等物として取り扱うことのできる全ての特徴も含め、本開示に帰する特許性ある新規性の全ての特徴を包含すると解釈されるものとする。
追加の実施形態
本発明は、下記の例示的な実施形態を提供し、その符号は、重要度を示すとして解釈されるものではない。
実施形態1は、リン含有配位子およびニッケル金属を含む触媒錯体の存在下、反応ゾーン内で、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法を提供し、前記方法は:3−ペンテンニトリル、ルイス酸、HCN、および制御された量の水を、反応ゾーンに流すステップと;ヒドロシアン化生成物および触媒錯体を含む反応器流出物を、反応ゾーンから抜き出すステップと;反応器流出物を抽出溶媒に接触させて、触媒錯体を回収し、触媒錯体から不純物を除去するステップと;回収された触媒錯体の少なくとも一部を反応ゾーンに再循環させるステップとを含む。
実施形態2は、実施形態1の方法であって、リン含有配位子が、構造I
Figure 2014530221
(式中、構造Iでは、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R1およびR2は、互いに架橋しまたは互いに架橋しておらず;Xは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、ホスフィチルビスアリール、ホスフィチルビスヘテロアリール、ヒドロキシビスアリール、ヒドロキシビスヘテロアリール、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される)
の化学構造を有する方法を提供する。
実施形態3は、実施形態1〜2のいずれか1つの方法であって、リン含有配位子が、リン含有主鎖結合を通して接続される芳香族末端を有する二座リン含有配位子である方法を提供する。
実施形態4は、実施形態1〜3のいずれか1つの方法であって、リン含有配位子が、構造II
Figure 2014530221
の二座リン含有配位子であり、式中、構造IIにおいて、O−Q−Oは、構造III、IV、またはV
Figure 2014530221
(式中、構造II〜Vにおいて、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される)
からなる群から選択されるビスアリール化合物の2価の化学種である方法を提供する。
実施形態5は、実施形態1〜4のいずれか1つの方法であって、リン含有配位子が、構造VI
Figure 2014530221
(式中、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R3、R4、R5、R6のそれぞれは、独立して、水素およびC110アルキルからなる群から選択される)
の二座リン含有配位子である方法を提供する。
実施形態6は、実施形態1〜5のいずれか1つの方法であって、リン含有配位子が、構造VII
Figure 2014530221
の二座リン含有配位子である方法を提供する。
実施形態7は、実施形態1〜6のいずれか1つの方法であって、ルイス酸促進剤がトリフェニルホウ素または塩化亜鉛を含む方法を提供する。
実施形態8は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を、0.5ppmから反応混合物の飽和限度まで、例えば0.5ppmから約2000ppm、または約1ppmから1000ppm、または約5ppmから約500ppm、または約10ppmから約350ppm、または約20ppmから約300ppm、または約240ppmに制御するステップをさらに含む、実施形態1〜7のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態9は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を、約200ppmから約350ppmの間に制御するステップをさらに含む、実施形態1〜8のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態10は、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から水を除去するステップをさらに含む、実施形態1〜9のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態11は、実施形態10の方法であって、水を除去するステップは、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理においてリン含有配位子の加水分解が抑制されるよう十分に、反応ゾーン流出物から水を除去するステップをさらに含む方法を提供する。
実施形態12は、実施形態11の方法であって、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理が、炭化水素抽出溶媒を使用する、3−ペンテンニトリルから誘導されたジニトリルからのリン含有配位子の液−液抽出を含む方法を提供する。
実施形態13は、実施形態1〜12のいずれか1つの方法であって、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理が蒸留を含む方法を提供する。
実施形態14は、実施形態1〜13のいずれか1つの方法であって、水の濃度を制御するステップは、リン含有配位子が、反応器供給材中のリン含有配位子から形成された触媒よりもペンテンニトリルヒドロシアン化に関してそれほど触媒活性のない配位子−金属錯体を形成するリン含有種に変換されるのを抑制するよう十分に、反応ゾーン内の水の濃度が維持されるよう、水をヒドロシアン化反応ゾーンに添加するステップを含む方法を提供する。
実施形態15は、実施形態1〜14のいずれか1つの方法であって、水の濃度を制御するステップは、リン含有配位子から形成された触媒に比べてペンテンニトリルヒドロシアン化に関し、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から再循環された触媒混合物の触媒活性の低下を引き起こしもしくはヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から再循環されたリン含有配位子混合物から形成された触媒混合物の触媒活性の低下を引き起こす可能性のある、リン含有配位子から誘導されたまたは配位子から形成された触媒から誘導された1種または複数の生成物の形成が抑制されるよう十分に、反応ゾーン内の水の濃度が維持されるようヒドロシアン化反応ゾーンに水を添加するステップを含む方法を提供する。
実施形態16は、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法であって:3−ペンテンニトリルおよびHCNを、ルイス酸促進剤、ニッケル、および構造II
Figure 2014530221
を有する二座リン含有配位子を含むヒドロシアン化反応ゾーンに送るステップであり、式中、構造IIにおいて、O−Q−Oは、構造III、IV、またはV
Figure 2014530221
(式中、構造II〜Vにおいて、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり;R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12のそれぞれが、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される)
からなる群から選択されるビスアリール化合物の2価の化学種であるステップと;二座リン含有配位子が、リン含有配位子から形成された触媒よりもペンテンニトリルのヒドロシアン化に関してそれほど触媒活性のない配位子−金属錯体を形成するリン含有種に変換されるのを十分抑制するように、反応ゾーン内の水の濃度が維持されるよう水をヒドロシアン化反応ゾーンに添加するステップと;ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理において二座リン含有配位子の加水分解が抑制されるように、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から十分な水を除去するステップとを含む方法を提供する。
実施形態17は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を、約100ppmから約400ppmの間に制御するステップをさらに含む、実施形態16の方法を提供する。
実施形態18は、ヒドロシアン化反応ゾーン内の水の濃度を、約200ppmから約350ppmの間に制御するステップをさらに含む、実施形態16〜17のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態19は、実施形態16〜18のいずれか1つの方法であって、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理が、炭化水素抽出溶媒を使用する、3−ペンテンニトリルから誘導されたジニトリルからの二座リン含有配位子の液−液抽出を含む方法を提供する。
実施形態20は、実施形態16〜19のいずれか1つの方法であって、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理が蒸留を含む方法を提供する。
実施形態21は、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法であって:3−ペンテンニトリルおよびHCNを、ルイス酸促進剤、ニッケル、および構造VII
Figure 2014530221
を有する二座リン含有配位子を含むヒドロシアン化反応ゾーンに送るステップと;二座リン含有配位子が、リン含有配位子から形成された触媒よりもペンテンニトリルのヒドロシアン化に関してそれほど触媒活性のない配位子−金属錯体を形成するリン含有種に変換されるのが抑制されるよう十分に、反応ゾーン内の水の濃度が約100ppmから約400ppmの間に維持されるようヒドロシアン化反応ゾーンに水を添加するステップと;炭化水素抽出溶媒を使用する、3−ペンテンニトリルから誘導されたジニトリルからのリン含有配位子の液−液抽出を含む、ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理において、または蒸留を含むヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理において、二座リン含有配位子の加水分解が抑制されるように、ヒドロシアン化反応ゾーンの反応ゾーン流出物から十分な水を除去するステップと含む方法を提供する。
実施形態22は、列挙される全ての要素または選択肢が使用可能でありまたはそこから選択可能であるように任意選択で構成された、実施形態1〜21のいずれか1つまたはいずれかの組合せの装置または方法を提供する。

Claims (15)

  1. リン含有配位子およびニッケル金属を含む触媒錯体の存在下、反応ゾーン内で、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法であって、
    a.前記触媒錯体、3−ペンテンニトリル、ルイス酸、およびHCNを、前記反応ゾーンに充填するステップと、
    b.ヒドロシアン化生成物および触媒錯体を含む反応器流出物を、前記反応ゾーンから抜き出すステップと、
    c.前記反応器流出物を抽出溶媒に接触させて、触媒錯体を回収し、前記触媒錯体から不純物を除去するステップと、
    d.前記回収された触媒錯体の少なくとも一部を、前記反応ゾーンに再充填するステップと、
    e.特定のプロセスのため、前記触媒錯体の不均化および加水分解失活パーセンテージを確立するステップと、
    f.ステップe.で確立した失活パーセンテージの全パーセンテージが低下するように、ステップd.で前記反応ゾーンに再充填された前記触媒錯体中の水の量を制御するステップと
    を含む方法。
  2. ステップf.での水の量を制御するステップが、水を添加することによる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップf.での水の量を制御するステップが、水を除去することによる、請求項1に記載の方法。
  4. リン含有配位子およびニッケル金属を含む触媒錯体の存在下、反応ゾーン内で、3−ペンテンニトリルをヒドロシアン化するための方法であって、
    a.前記触媒錯体、3−ペンテンニトリル、ルイス酸、およびHCNを、前記反応ゾーンに充填するステップと、
    b.ヒドロシアン化生成物および触媒錯体を含む反応器流出物を、前記反応ゾーンから抜き出すステップと、
    c.前記反応器流出物を抽出溶媒に接触させて、触媒錯体を回収し、前記触媒錯体から不純物を除去するステップと、
    d.前記回収された触媒錯体の少なくとも一部を、前記反応ゾーンに再充填するステップと
    を含み、ステップd.で前記反応ゾーンに再充填された前記触媒錯体中の水の量は、前記触媒錯体の失活が、前記制御のない方法に比べて5%未満に低下するように制御される方法。
  5. 前記水の量が、水を添加することによって制御される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記水の量が、水を除去することによって制御される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記リン含有配位子が、構造I
    Figure 2014530221
    (式中、構造Iでは、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり、R1およびR2は、互いに架橋しまたは互いに架橋しておらず、Xは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、ホスフィチルビスアリール、ホスフィチルビスヘテロアリール、ヒドロキシビスアリール、ヒドロキシビスヘテロアリール、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される)
    のリン含有配位子である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記リン含有配位子が、リン含有主鎖結合を通して接続された芳香族末端を有する二座リン含有配位子である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記リン含有配位子が、構造II
    Figure 2014530221
    の二座リン含有配位子であり、式中、構造IIにおいて、O−Q−Oは、構造III、IV、またはV
    Figure 2014530221
    (式中、構造II〜Vにおいて、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルオキシ、アルコキシアルキル、アセタール、カルボアリールオキシ、カルボアルコキシ、アリールカルボニル、アルキルカルボニル、オキサゾール、アミン、アミド、ニトリル、メルカプチル、およびハロゲン基からなる群から選択される)
    からなる群から選択されるビスアリール化合物の2価の化学種である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記リン含有配位子が、構造VI
    Figure 2014530221
    (式中、R1およびR2は、同じまたは異なる、置換または非置換の1価のアリール基であり、R3、R4、R5、R6のそれぞれは、独立して、水素およびC110アルキルからなる群から選択される)
    の二座リン含有配位子である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記リン含有配位子が、構造VII
    Figure 2014530221
    の二座リン含有配位子である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ルイス酸が、塩化亜鉛またはトリフェニルホウ素を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理が、炭化水素抽出溶媒を使用する、前記3−ペンテンニトリルから誘導されたジニトリルからの前記リン含有配位子の液−液抽出を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ヒドロシアン化反応ゾーンの下流での処理が、蒸留を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記反応ゾーン内の水の濃度が100ppmから300ppmになるように、水の量が制御される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
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