JP2014522032A - 小児肥満の低減及び小児肥満リスクの計算のための方法 - Google Patents

小児肥満の低減及び小児肥満リスクの計算のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、早期の小児肥満を予防及び/又は低減するための個別化された方法を提供し、これらの方法は、子どもの個々の肥満リスクを特定し、肥満を予防又は低減するように方法を特化することに基づく。
【解決手段】上記の方法は、早期開始、予期的指導、逐次的指導並びに栄養上及び発育上適切な食事行動及び親の摂食行動の指導に基づき、これらは全て、小児肥満と関連している因子を特異的にターゲットとする。これらの方法は、肥満リスク計算機を用いて、肥満と関連する特異的な修正可能な因子に関する個々の子どものリスクに対処するように方法を特化する。本方法は、乳児及び若年小児に対して、早期の健康的な食習慣及び栄養価の高い食品の嗜好を身に付けさせる助けになり、適切な早期の成長軌跡を促進し、公共政策による推奨基準と一致し長期の健康と関連する長期の体重状態を促進することができる。
【選択図】なし

Description

[0001]本開示は一般に、健康及び栄養摂取に関する。より詳細には、本開示は、小児肥満リスクを計算するための方法及び小児肥満の低減方法の一部としてその情報を使用するための方法に関する。
[0002]2才未満の年齢の小児の体重状態は、歩き始め期から、続いて成人期まで持ち込まれることが立証されている。現在、米国(「US」)の乳児及び歩き始めの子どもの約10〜20%が過体重であり、それが、生涯にわたる肥満及びその関連慢性疾患のリスクの増大並びにヘルスケアコストの基となっている。この若年集団における過体重の比率を成功裏に低減するための介入に対しては、十分に目が向けられていない。さらに、定量的な摂食推奨基準又は国の食品栄養ガイドラインは、家庭で保育されている米国の2才未満の小児に対しては使用できない。
[0003]食事摂取パターン、食習慣及び食嗜好を確立するのに決定的な期間は、乳児期に始まり、可塑的ではあるがおそらく、子どもが家族の食方式(eating practice)を概ね取り入れる2才までと設定される。親の摂食行動は、若年小児の体重状態の原因ではないにしても、小児期を通じて体重及び健康的な食物選択と強く関連する。最新の研究は、食物組成又はカロリー摂取量を調整し、身体活動を増加させる、特に乳児期以降の介入は、影響が比較的少なく、若年小児に影響を及ぼす過体重の出現率の増加を縮小するには不十分であったことを示唆している。学齢期において過度の体重増加を予防しようとする取り組みは、全く遅すぎるアプローチである。未就学児の20パーセントは既に過体重である。
[0004]誕生時に始まり、食事の多面的側面、例えば、母乳哺育(breastfeeding)の促進をターゲットとし、健全な成長及び肥満予防に関係する因子を直接的にターゲットとする教育を親に施す介入が、推奨される研究領域として浮上してきている。肥満予防に関する最新のエビデンスは、特定の食事行動及び身体をよく動かす/あまり動かさない行動に注意を向けているが、親の摂食行動、並びに健全な成長及び体重状態を促すために自身の子どもに対して親が取ることができる、乳児の空腹及び満腹の合図への適切な応答への認識に対する注意も求めている。これらの方策は、小児肥満との闘いにおいて役立つが、小児肥満の一因となる成分の多くには完全に対処するものではない。
[0005]健康体重の維持に極めて重要な役割を担っているのは、種々の因子が個々の過体重又は肥満リスクにいかに影響を及ぼすかを理解することである。これは特に、小児に当てはまる。小児の肥満リスク、及び種々の因子がそのリスクにどのように影響を及ぼすかについての親の理解を改善することは、生涯の最初の2年において健全な体重を有する子どもを親が育てるよう支援するのに不可欠である。
[0006]したがって、計算された肥満リスクに基づき、誕生前に始まる、包括的な、栄養上及び発育上適切な個別介入であって、乳児期及びそれ以降における健康的な食事摂取、摂食習慣及び成長を促進するように設計された介入を提供することが必要とされている。
[0007]本開示は、小児肥満リスクの計算方法、及び早期小児肥満の低減方法を提供するための、情報の使用方法を開示する。これらの方法は、早期開始(例えば、妊娠第3期)、個々の子どもの肥満リスクレベルに基づいて個々の子どもに特化させた予期的指導(例えば、乳児が特定の発育段階に達する前の)、並びに栄養上及び発育上適切な食事行動及び親の摂食行動の指導に基づき、これらは全て、小児肥満と関連している因子を特異的にターゲットとする。これらの方法は、特定された修正可能なリスク因子及び肥満リスク計算機によって特定された個々のリスクの蓄積に基づき、保育者(caregiver)及び2才未満の年齢の子どもによる適切な行動採用を促進するシステムを提供する。本出願において開示する方法は、乳児及び若年小児に対して、個別の早期の健康的な食習慣及び栄養価の高い食品の嗜好を身に付けさせる助けになり、適切な早期の成長軌跡を促進し、公共政策による推奨基準と一致し長期の健康と関連する長期の体重状態を促進することができる。
[0008]一般的な一実施形態において、小児肥満を低減するための方法が提供される。この方法は、子どもの発育段階に関して予期的及び逐次的に保育者に複数のメッセージを送達するステップを含む。メッセージは、小児肥満と関連する因子に関係する。送達は、非対面方式の伝達方法を用いて行い、メッセージは、肥満リスク計算機を用いて計算された、子どもが2才までに肥満になるリスクに基づいて、子どもに対して個別化する。
[0009]別の実施形態において、子どものボディマスインデックスを低減するための方法が提供される。この方法は、子どもの発育段階に関して予期的及び逐次的に保育者に複数のメッセージを送達するステップを含む。メッセージは、小児肥満と関連する因子に関係する。送達は、非対面方式の伝達方法を用いて行い、メッセージは、肥満リスク計算機を用いて計算された、子どもが2才までに肥満になるリスクに基づいて、子どもに対して個別化する。
[0010]さらに別の態様において、2型糖尿病、高血圧症、心臓疾患、慢性疾患又はシンドロームXを発症するリスクを低減するための方法が提供される。この方法は、子どもの発育段階に関して予期的及び逐次的に保育者に複数のメッセージを送達するステップを含む。メッセージは、小児肥満と関連する因子に関係する。送達は、非対面方式の伝達方法を用いて行い、メッセージは、肥満リスク計算機を用いて計算された、子どもが2才までに肥満になるリスクに基づいて、子どもに対して個別化する。
[0011]一実施形態において、保育者は、子どもの生物学上の母親及び初めて子どもを持つ母親である。一実施形態において、保育者は、子どもの生物学上の母親でない。保育者が生物学上の母親でない一実施形態において、本明細書中で開示する全てのメッセージを、保育者に適用できるとは限らない可能性がある(例えば、「母乳を与えること」)。
[0012]一実施形態において、送達は、母親の妊娠第3期に始まり、少なくとも2年間持続し得る。別法として、送達は、子どもが産まれた後に始まり得る。
[0013]一実施形態において、非対面方式の伝達方法は、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースである。一実施形態において、メディアソースは、ウェブサイトである。
[0014]一実施形態において、複数のメッセージは、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個又はそれ以上のメッセージを含む。メッセージは、摂食及び栄養摂取、摂食関連行動又はそれらの組合せからなる群から選択される因子に関し得る。複数のメッセージの少なくとも1つは、摂食及び栄養摂取因子に関係する可能性があり、「母乳を与えること」、「適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること」、「乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること」又はそれらの組合せからなる群から選択し得る。
[0015]一実施形態において、メッセージは「母乳を与えること」であり、このメッセージは最初に、子どもの母親の妊娠第3期に保育者に送達する。
[0016]一実施形態において、メッセージは、「適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[0017]一実施形態において、メッセージは、「乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[0018]一実施形態において、複数のメッセージの少なくとも1つは、摂食関連行動因子に関係し、「応答性の摂食方式を利用すること」、「子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること」、「家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること」、「TV及び画面を見る時間を制限すること」、「身体活動の機会を与えること」又はそれらの組合せからなる群から選択される。
[0019]一実施形態において、メッセージは、「応答性の摂食方式を利用すること」であり、このメッセージは最初に、子どもの誕生時に保育者に送達する。
[0020]一実施形態において、メッセージは、「家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[0021]一実施形態において、メッセージは、「テレビ及び画面を見る時間を制限すること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[0022]一実施形態において、メッセージは、「子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[0023]一実施形態において、メッセージは、「身体活動の機会を与えること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[0024]一実施形態において、発育段階は、新生児期(birth+)、補助でおすわり期(supported sitter)、おすわり期(sitter)、ハイハイ期(crawler)、歩き始め期(toddler)、未就学期(preschooler)又はそれらの組合せからなる群から選択される。新生児期の発育段階は典型的には、月齢0〜4ヶ月においてみられる。補助でおすわり期の発育段階は典型的には、月齢4〜6ヶ月においてみられる。おすわり期の発育段階は典型的には、月齢約6ヶ月より後にみられる。ハイハイ期の発育段階は典型的には、月齢約8ヶ月より後にみられる。歩き始め期の発育段階は典型的には、月齢約12ヶ月より後にみられる。未就学期の発育段階は典型的には、月齢約24ヶ月より後にみられる。各発育段階と関連する発育のマイルストーンを、以下の表3に示す。
[0025]一実施形態において、方法は、メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの、母乳哺育トラッカー、成長追跡ツール又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの教育ツールを保育者に提供するステップをさらに含む。少なくとも1つの教育ツールは、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースによって保育者に提供し得る。
[0026]一実施態様において、方法は、登録栄養士、認定された乳汁分泌専門家(certified lactation specialist)又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのサポートソースを保育者に提供するステップをさらに含む。保育者は、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースを用いて、少なくとも1つのサポートソースにアクセスし得る。一実施形態において、保育者は、電話を用いてサポートソースにアクセスし得る。
[0027]一実施形態において、方法は、肥満リスク計算機を用いて、小児肥満と関連する修正可能な因子に関して収集された情報に基づいて、子どもが2才までに肥満になるリスクを計算するステップをさらに含む。計算機は、質問票と、リスクを計算するための、科学的基礎に基づいたアルゴリズムとを含む少なくとも2つの副成分を含み得る。
[0028]一実施形態において、質問票は、子どもの母親に関する基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報と共に、修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関する質問を含む。
[0029]一実施形態において、修正可能なリスク因子の1つから全てを、肥満リスク計算機で、子どもの年齢に応じて評価する。
[0030]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに母乳を与えることを選択するか否かであり、このリスク因子は子どもの母親の妊娠第3期において評価する。
[0031]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、砂糖入り飲料を、乳児の食事からどの程度除き及び歩き始めの子どもに対してどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0032]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもを保育するときに応答性の摂食方式を利用するか否かであり、このリスク因子は、子どもの誕生後に評価する。
[0033]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否かであり、このリスク因子は、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0034]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、テレビ及び画面を見る時間をどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0035]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否かであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0036]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに身体活動の機会をどの程度与えるかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0037]一実施形態において、2才までに肥満になるリスクは、複数の以下の修正可能なリスク因子:1)保育者が子どもに母乳を与えるか否か、2)保育者が、応答性の摂食方式を用いて子どもに摂食させるか否か、3)保育者が、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えるか否か、4)保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否か、5)保育者が、乳児に対して砂糖入り飲料をどの程度与えず、歩き始めの子どもに対してそれらをどの程度制限するか、6)保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否か、7)保育者が、どのくらいの時間、子どもがTVを観て過ごすこと又は他の画面を見る時間を持つことを許すか、並びに8)保育者が、子どもに身体活動の機会をどの程度与えるか、を評価する肥満リスク計算機を用いて計算する。
[0038]一実施形態において、計算機から、子どもの肥満になる確率パーセント、及び小児肥満と関連する各因子に関して特異的なリスクレベルを得ることができる。
[0039]一実施形態において、保育者を一定の間隔で肥満リスク計算機に向かわせる。次いで、その結果を用いて、肥満リスクのレベルに基づいて、個々の子どもに方法を特化させる。
[0040]さらに別の実施形態において、小児肥満を低減するための方法を提供する。この方法は、生育歴及び肥満につながる修正可能なリスク因子に基づき、2歳の間の子どもの肥満リスクを計算するステップと、子どもの計算された肥満リスクを軽減するように特化されたメッセージ、ツール及びサービスを含む教育用コンテンツを構築するステップと、母親の妊娠第3期において、母親が将来の第1の時点で、子どもに摂食させることに関係する第1の行為を行うように指示するステップであって、指示が、子どもが発育上第1の行為を受け入れる準備ができる前に行われるステップとを含む。この方法は、保育者が将来の第2の時点で、子どもに摂食させることに関係する第2の行為を行うように指示するステップであって、指示が、子どもが発育上第2の行為を受け入れる準備ができる前に行われ、将来の第2の時点が将来の第1の時点の後であるステップをさらに含む。指示は、非対面方式の伝達方法を用いて行う。方法は、誕生後に一定の間隔で子どもの肥満リスクを再計算するステップと、肥満リスク計算機の結果に基づいて方法を修正するステップとをさらに含む。
[0041]一実施形態において、保育者は、初めて子どもを持つ母親である。指示は、子どもの生涯の少なくとも最初の2年を通じて断続的に行い得る。一実施形態において、非対面方式の伝達方法は、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースである。
[0042]一実施形態において、指示は、子どもの発育段階に関して予期的及び逐次的に行う。発育段階は、新生児期、補助でおすわり期、おすわり期、ハイハイ期、歩き始め期、未就学期又はそれらの組合せからなる群から選択される。新生児期の発育段階は典型的には、月齢0〜4ヶ月においてみられる。補助でおすわり期の発育段階は典型的には、月齢4〜6ヶ月においてみられる。おすわり期の発育段階は典型的には、月齢約6ヶ月より後にみられる。ハイハイ期の発育段階は典型的には、月齢約8ヶ月より後にみられる。歩き始め期の発育段階は典型的には、月齢約12ヶ月より後にみられる。未就学期の発育段階は典型的には、月齢約24ヶ月より後にみられる。
[0043]実施形態において、方法は、保育者が将来の第3の時点で、子どもに摂食させることに関係する第3の行為を行うように指示するステップをさらに含む。指示は、子どもが発育上第3の行為を受け入れる準備ができる前に始まり、将来の第3の時点は少なくとも将来の第1及び第2の時点の後であり得る。
[0044]一実施形態において、行為は、摂食及び栄養摂取、摂食関連行動又はそれらの組合せからなる群から選択される因子に関係する。
[0045]一実施形態において、第1の行為及び第2の行為の少なくとも1つは、摂食及び栄養摂取因子に関係し、母乳を与えること、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること、乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
[0046]一実施形態において、行為は、母乳を与えることであり、指示は、子どもの母親の妊娠第3期に始まる。
[0047]一実施形態において、行為は、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えることであり、指示は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに始まる。
[0048]一実施形態において、行為は、乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限することであり、指示は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに始まる。
[0049]一実施形態において、第1の行為及び第2の行為の少なくとも1つは、摂食関連行動因子に関係し、応答性の摂食方式を利用すること、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること、TV及び画面を見る時間を制限すること、身体活動の機会を与えること又はそれらの組合せからなる群から選択される。
[0050]一実施形態において、行為は、応答性の摂食方式を利用することであり、指示は、子どもの誕生時に始まる。
[0051]一実施形態において、行為は、家族の食事に子どもを含めることであり、指示は、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに始まる。
[0052]一実施形態において、行為は、テレビ及び画面を見る時間を制限することであり、指示は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに始まる。
[0053]一実施形態において、行為は、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすることであり、指示は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに始まる。
[0054]一実施形態において、行為は、子どもが身体をよく動かす機会を与えることであり、指示は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに始まる。
[0055]一実施形態において、方法は、メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの、母乳哺育トラッカー、成長追跡ツール又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの教育ツールを保育者に提供するステップをさらに含む。少なくとも1つの教育ツールは、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースによって保育者に提供し得る。
[0056]一実施態様において、方法は、登録栄養士、認定された乳汁分泌専門家又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのサポートソースを保育者に提供するステップをさらに含む。保育者は、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースを用いてサポートソースにアクセスし得る。一実施形態において、保育者は、電話を用いてサポートソースにアクセスする。
[0057]一実施形態において、方法は、子どもの生涯の最初の2年以内の任意の時点における子どものリスクを計算するのに使用し得る肥満リスク計算機を用いて、子どもが2才までに肥満になるリスクを計算するステップをさらに含む。計算機は、質問票と、リスクを計算するための、科学的基礎に基づいたアルゴリズムとの少なくとも2つの副成分を含み得る。
[0058]一実施形態において、質問票は、子どもの母親に関する基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報と共に、修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関する質問を含む。
[0059]一実施形態において、修正可能なリスク因子の1つから全てを、子どもの年齢に応じて評価する。
[0060]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに母乳を与えることを選択するか否かであり、このリスク因子は子どもの母親の妊娠第3期において評価する。
[0061]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、砂糖入り飲料を、乳児の食事からどの程度除き及び歩き始めの子どもに対してどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0062]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもを保育するときに応答性の摂食方式を利用するか否かであり、このリスク因子は、子どもの誕生後に評価する。
[0063]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否かであり、このリスク因子は、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0064]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、テレビ及び画面を見る時間をどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0065]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否かであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0066]一実施形態において、肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに身体活動の機会をどの程度与えるかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0067]一実施形態において、月齢2才までに肥満になるリスクは、複数の以下の修正可能なリスク因子:1)保育者が子どもに母乳を与えるか否か、2)保育者が、応答性の摂食方式を用いて子どもに摂食させるか否か、3)保育者が、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えるか否か、4)保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否か、5)保育者が、乳児に対して砂糖入り飲料をどの程度与えず、歩き始めの子どもに対してそれらをどの程度制限するか、6)保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否か、7)保育者が、どのくらいの時間、子どもがTVを観て過ごすこと又は他の画面を見る時間を持つことを許すか、並びに8)保育者が、子どもに身体活動の機会をどの程度与えるか、を評価する肥満リスク計算機を用いて計算する。
[0068]一実施形態において、計算機から、子どもの肥満になる確率パーセント、及び小児肥満と関連する各因子に関して特異的なリスクレベルを得ることができる。
[0069]さらに別の実施形態において、2歳以内に肥満になる子どものリスクを計算するための方法を提供する。この方法は、子どもに関する背景情報及び肥満と関連する修正可能なリスク因子に関係する情報を含む質問票に回答するよう、子どもの保育者に指示するステップを含む。次に、回答を、2歳以内に過体重又は肥満になる子どもの確率パーセントが得られる科学的基礎に基づいたアルゴリズムにインプットする。それにより、各修正可能な肥満リスク因子から、子どもに特異的なリスクも得られる。
[0070]一実施形態において、保育者はヘルスケア提供者である。
[0071]さらに別の実施形態において、2歳以内に肥満になる子どものリスクを計算することによって、子どもに対する、肥満と関連する医療的ケアを改善する方法を提供する。この方法は、子どもに関する基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報及び小児肥満と関連する修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関係する情報を含む質問票に回答するよう、子どもの保育者に指示するステップと、質問票からの回答を、科学的基礎に基づいたアルゴリズムにインプットするステップと、2歳以内に過体重又は肥満になる子どもの確率パーセントを計算するステップと、各修正可能なリスク因子から子どもに特異的なリスクを計算するステップとを含む。過体重又は肥満になる確率パーセント及び各因子からの特異的リスクを含むリスクレポートが作成され、子どもの保育に関与する子どもの保育者及びヘルスケア提供者に配布される。
[0072]さらに別の態様において、それを必要とする患者の小児肥満に関する患者相談を改善するための方法を提供する。この方法は、子どもに関する基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報及び小児肥満と関連する修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関係する情報を含む質問票に回答するよう、子どもの保育者に指示するステップを含む。次に、質問票からの回答を、科学的基礎に基づいたアルゴリズムにインプットすると、2歳以内に過体重又は肥満になる子どもの確率パーセント及び各修正可能なリスク因子からのその子どもに特異的なリスクが得られる。この方法はまた、子どもの肥満になる確率パーセント及び各因子からの特異的なリスクを、電子メッセージ、印刷されたレポート、印刷された図、テキストメッセージ、電話、ウェブ関連アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム、携帯電話アプリケーション又はそれらの組合せからなる群から選択されるソースを介して示すステップを含む。
[0073]一実施形態において、方法は、子どもの生涯の最初の2年以内の任意の時点において子どものリスクを計算するのに使用し得る。
[0074]一実施形態において、修正可能なリスク因子の1つから全てを、子どもの年齢に応じて評価し得る。
[0075]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに母乳を与えることを選択するか否かであり、このリスク因子は、子どもの母親の妊娠第3期において評価する。
[0076]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、砂糖入り飲料を、乳児の食事からどの程度除き及び歩き始めの子どもに対してどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0077]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもを保育するときに応答性の摂食方式を利用するか否かであり、このリスク因子は、子どもの誕生後に評価する。
[0078]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否かであり、このリスク因子は、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0079]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、テレビ及び画面を見る時間をどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0080]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否かであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0081]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに身体活動の機会をどの程度与えるかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0082]一実施形態において、2才までに肥満になるリスクは、複数の修正可能なリスク因子:1)保育者が子どもに母乳を与えるか否か、などを評価する肥満リスク計算で計算する。
[0083]一実施形態において、方法は、肥満リスクに基づいて、個別化された行動指導/相談プランを作成するステップをさらに含む。一実施形態において、このプランは、子どもの保育に関与する任意のヘルスケア専門家に提供する。
[0084]さらに別の実施形態において、2歳以内の小児肥満を低減する、コンピューターによって実行される方法を提供する。この方法は、子どもの保育者から子どもに関する基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報を収集するステップと、小児肥満と関連する修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関係する情報を収集するステップとを含む。次に、情報を、コンピューターで実行されるプログラムにインプットし、コンピュータープロセッサー上で、科学的基礎に基づいたアルゴリズムを用いて処理する。2歳以内に過体重又は肥満になる子どもの確率パーセント及びアルゴリズムを用いた各修正可能なリスク因子からの子どもに特異的なリスクを計算し、過体重又は肥満になる、子どもの計算された確率パーセント及び修正可能な因子からの子どもの特異的なリスクレベルに対して最適化された、子どもの保育者の対する行動指導プランを作成する。
[0085]実施形態において、1つのアルゴリズムのみを使用する。
[0086]一実施形態において、方法は、子どもの生涯の最初の2年以内の任意の時点において子どものリスクを計算するのに使用し得る。
[0087]一実施形態において、修正可能なリスク因子の1つから全てを、子どもの年齢に応じて評価し得る。
[0088]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに母乳を与えることを選択するか否かであり、このリスク因子は子どもの母親の妊娠第3期において評価する。
[0089]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、砂糖入り飲料を、乳児の食事からどの程度除き及び歩き始めの子どもに対してどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0090]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもを保育するときに応答性の摂食方式を利用するか否かであり、このリスク因子は、子どもの誕生後に評価する。
[0091]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否かであり、このリスク因子は、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0092]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、テレビ及び画面を見る時間をどの程度制限するかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0093]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否かであり、このリスク因子は、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0094]一実施形態において、肥満リスク計算で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つは、保育者が子どもに身体活動の機会をどの程度与えるかであり、このリスク因子は、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに評価する。
[0095]一実施形態において、2才までに肥満になるリスクは、複数の以下の修正可能なリスク因子:1)保育者が子どもに母乳を与えるか否か、2)保育者が、応答性の摂食方式を用いて子どもに摂食させるか否か、3)保育者が、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えるか否か、4)保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否か、5)保育者が、乳児に対して砂糖入り飲料をどの程度与えず、歩き始めの子どもに対してそれらをどの程度制限するか、6)保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否か、7)保育者が、どのくらいの時間、子どもがTVを観て過ごすこと又は他の画面を見る時間を持つことを許すか、並びに8)保育者が、子どもに身体活動の機会をどの程度与えるか、を評価する肥満リスク計算で計算する。
[0096]一実施形態において、行動指導プログラムは、教育用コンテンツ、ツール、サポートサービス及び一定の間隔での肥満リスク計算を含む。
[0097]一実施形態において、行動指導プログラムは、子どもの過体重又は肥満になる計算された確率パーセント及び修正可能な因子からの子どもの特異的なリスクレベルの変化に基づいて修正する。
[0098]一実施形態において、保育者は、子どもの生物学上の母親及び初めて子どもを持つ母親である。一実施形態において、保育者は、子どもの生物学上の母親でない。保育者が生物学上の母親でない一実施形態において、本明細書中で開示する全てのメッセージを、保育者に適用できるとは限らない可能性がある(例えば、「母乳を与えること」)。
[0099]一実施形態において、送達は、母親の妊娠第3期に始まり、少なくとも2年間持続し得る。別法として、送達は、子どもが産まれた後に始まり得る。
[00100]一実施形態において、非対面方式の伝達方法は、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースである。一実施形態において、メディアソースは、ウェブサイトである。
[00101]一実施形態において、複数のメッセージは、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個又はそれ以上のメッセージを含む。メッセージは、摂食及び栄養摂取、摂食関連行動又はそれらの組合せからなる群から選択される因子に関し得る。複数のメッセージの少なくとも1つは、摂食及び栄養摂取因子と関連する可能性があり、「母乳を与えること」、「適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること」、「乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること」又はそれらの組合せからなる群から選択し得る。
[00102]一実施形態において、メッセージは「母乳を与えること」であり、このメッセージは最初に、子どもの母親の妊娠第3期に保育者に送達する。
[00103]一実施形態において、メッセージは、「適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[00104]一実施形態において、メッセージは、「乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[00105]一実施形態において、複数のメッセージの少なくとも1つは、摂食関連行動因子に関係し、「応答性の摂食方式を利用すること」、「子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること」、「家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること」、「TV及び画面を見る時間を制限すること」、「身体活動の機会を与えること」又はそれらの組合せからなる群から選択される。
[00106]一実施形態において、メッセージは、「応答性の摂食方式を利用すること」であり、このメッセージは最初に、子どもの誕生時に保育者に送達する。
[00107]一実施形態において、メッセージは、「家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約6ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[00108]一実施形態において、メッセージは、「テレビ及び画面を見る時間を制限すること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[00109]一実施形態において、メッセージは、「子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[00110]一実施形態において、メッセージは、「身体活動の機会を与えること」であり、このメッセージは最初に、子どもが約4ヶ月の月齢になったときに保育者に送達する。
[00111]一実施形態において、発育段階は、新生児期、補助でおすわり期、おすわり期、ハイハイ期、歩き始め期、未就学期又はそれらの組合せからなる群から選択される。新生児期の発育段階は典型的には、月齢0〜4ヶ月においてみられる。補助でおすわり期の発育段階は典型的には、月齢4〜6ヶ月においてみられる。おすわり期の発育段階は典型的には、月齢約6ヶ月より後にみられる。ハイハイ期の発育段階は典型的には、月齢約8ヶ月より後にみられる。
[00112]一実施形態において、方法は、メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの、母乳哺育トラッカー、成長追跡ツール又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの教育ツールを保育者に提供するステップをさらに含む。少なくとも1つの教育ツールは、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースによって保育者に提供し得る。
[00113]一実施態様において、方法は、登録栄養士、認定された乳汁分泌専門家又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのサポートソースを保育者に提供するステップをさらに含む。保育者は、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又はそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースを用いて、少なくとも1つのサポートソースにアクセスし得る。一実施形態において、保育者は、電話を用いてサポートソースにアクセスし得る。
[00114]本開示の利点は、肥満リスクを計算するための方法を提供することである。
[00115]本開示の利点は、保育者が肥満リスク計算機を使用して、年齢2才未満の子どもの肥満リスクを軽減し得ることである。
[00116]本開示の利点は、ヘルスケア提供者が肥満リスク計算機を独立して使用して、患者相談を改善し、ケアを個々に行い得ることである。
[00117]本開示の利点は、小児肥満を低減するための方法を提供することである。
[00118]本開示の別の利点は、小児肥満の低減を支援する多成分摂食方法及び肥満リスク計算機を提供することである。
[00119]本開示のさらに別の利点は、任意の公衆衛生プログラムによって送達できる計算された肥満リスクに基づく多成分摂食方法を提供することである。
[00120]本開示のさらに別の利点は、識字集団群(例えば、人種/民族性、SES状態)に送達できる計算された肥満リスクに基づく多成分摂食方法を提供することである。一実施形態において、この集団群は、英語を話す集団群であり得る。
[00121]本開示の別の利点は、子どもの生涯の最初の2年において子どものボディマスインデックス(「BMI」)、体重増加率及び体重を低下させることである。
[00122]本開示のさらに別の利点は、子どもの生涯の最初の2年において良い摂食方式及び摂食関連方式を構築することである。
[00123]本開示の別の利点は、母乳哺育の開始率及び持続期間を増加させることである。
[00124]本開示のさらに別の利点は、食事の質を改善することである。
[00125]本開示のさらに別の利点は、乳児及び小児の食事及び摂食行動に関する親の知識を増加させることである。
[00126]さらなる特徴及び利点は、本明細書中に記載するが、以下の詳細な説明及び図面から明白である。
United States Children National Health and Nutrition Examination Survey 2007〜2008の中の、高い体重対横臥位身長の出現率(誕生〜2才)及び高いボディマスインデックス(「BMI」)の出現率(2〜19才)を示すグラフである。出典は、Ogden,C.L.ら、「Prevalence of High Body Mass Index in US Children and Adolescents」、JAMA、303:242〜249頁(2010年)である。 母乳を摂取している子どもの百分率を示すグラフである。出典は、Siega−Rizら、「Food Consumption Patterns of Infants and Toddlers:Where Are We Now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)である。 平均エネルギー(kcal/日)摂取量を示すグラフ(誕生〜月齢35ヶ月の推定エネルギー必要量と比較したFITS 2008)である。推定エネルギー必要量は、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)の体重中央値に基づく。出典は、Kuczmarskiら、CDC growth charts:United States. Advance data from vital and health statistics;No. 314. National Center for Health Statistics、http://www.cdc.gov/nchs/data/ad/ad314.pdf(2000年)。American Dietetic Association Annual Meeting(2009年)において発表された予備データである。 誕生〜月齢15ヶ月の、種々の補完食品を摂取している子どもの百分率を示すグラフ(FITS 2008)である。出典は、Siega−Rizら、「Food Consumption Patterns of Infants and Toddlers:Where Are We Now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)である。 種々の野菜を1日少なくとも1回摂取している乳児及び歩き始めの子どもの百分率を示すグラフ(FITS 2008)である。出典は、Siega−Rizら、「Food Consumption Patterns of Infants and Toddlers:Where Are We Now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)である。 種々の果物又は100%果汁を1日少なくとも1回摂取している乳児及び歩き始めの子どもの百分率を示すグラフ(FITS 2008)である。出典は、Siega−Rizら、「Food Consumption Patterns of Infants and Toddlers:Where Are We Now?」、J.Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)である。
[00133]定義
[00134]本明細書中で使用する「予期的」とは、メッセージ又は指示を、子どもの該当する発育段階に先立って又はその前に保育者に最初に提供することを意味する。例えば、保育者へのメッセージは、「自身の赤ん坊に母乳哺育させること」であり得る。母親の妊娠第3期においては、胎児は、赤ん坊が哺育(例えば、母乳哺育、人工栄養哺育など)を必要とする発育段階(例えば、出生)にはまだ達していない。したがって、初めて子どもを持つ母親にその母親の妊娠第3期にメッセージを送達するならば、子どもの該当する発育段階(例えば、子どもが哺育を必要とする新生児期)に関して予期的である。メッセージは、子どもの該当する発育段階に先立って又はその前に保育者に最初に(例えば、初めて)提供するが、保育者に提供されるメッセージ又は指示は、最初の送達後も送達し続けることができる。
[00135]本明細書中で使用する「逐次的」又は「逐次的に」とは、メッセージ又は指示を最初に(例えば、初めて)、子どもの該当する発育段階に関して逐次的に保育者に提供することを意味する。例えば、「自身の赤ん坊に母乳哺育させこと」に対するメッセージは、初めて子どもを持つ母親にその妊娠第3期に、子どもの誕生を予期して与えることができ、「自身の赤ん坊を固形食に導くこと」に対するメッセージは、初めて子どもを持つ母親に、子どもが約2ヶ月の月齢になったときに、約4〜6ヶ月の月齢での子どもへの固形食の導入を予期して与えることができる。したがって、メッセージの最初の提供後に同じメッセージを保育者に提供し続けることができるとしても、そのメッセージは、子どもの該当する発育段階に関して逐次的に開始する。
[00136]本明細書中で使用する「発育段階(単数)」又は「発育段階(複数)」とは、小児が典型的に特定の行動を示し始めるか又は典型的に特定の行動を行い得る、子どもの生涯における段階を指す。例えば、固形食は典型的には、「補助でおすわり期」の段階の子どもに導入し、この段階は月齢約4〜約6ヶ月であり得る。発育段階の他の例としては、月齢約0〜約4ヶ月の「新生児期」、月齢約6ヶ月+の「おすわり期」、月齢約8ヶ月+の「ハイハイ期」、月齢約12ヶ月+の「歩き始め期」及び月齢約24ヶ月+の「未就学期」が挙げられる。
[00137]本明細書中で使用する「肥満」とは、動物、特にヒト及び他の哺乳動物の脂肪組織に貯蔵される自然エネルギー貯蔵量が、体脂肪蓄積の増加がみられそれが特定の健康状態又は死亡率の増加と関連する点まで増加している状態を指す。
[00138]本明細書中で使用する「過体重」とは、動物、特にヒト及び他の哺乳動物の脂肪組織に貯蔵される自然エネルギー貯蔵量が増加している状態を指す。「過体重」は、体脂肪蓄積の増加及び特定の健康状態又は死亡率の増加と関連する可能性がある。
[00139]本明細書中で使用する「メッセージ」又は「指示」とは、コアとなる摂食と関連する情報(例えば、摂食及び栄養摂取因子、摂食関連行動因子)、摂食ストラテジー、並びに健康的な食事、及び肥満と関連する修正可能な因子に基づく小児肥満の予防と関連する実際的な親への摂食提案の集合を意味する。
[00140]乳児及び小児肥満の出現率
[00141]小児肥満は、世界的に多発しており、今日の米国において最も顕著で困難な公衆衛生上の課題の1つとなっている。1970年代から、次第に増加している小児肥満の出現率は依然衰えないままであり、学齢児では、35年間にわたって3倍に増加した後、最近になってようやく比率が固定したように思われる。Broyles S.ら、「The Pediatric Obesity Epidemic Continues Unabated in Bogalusa, Louisiana」、Pediatrics;125:900〜5頁(2010年)。最近の米国全国調査データは、米国の小児の約1/3が過体重の診断基準(年齢別のボディマスインデックス(BMI)が85パーセンタイル以上)に合致し、17%が肥満(95パーセンタイル以上)である。Ogden C.L.ら、「Prevalence of high body mass index in US children and adolescents」、JAMA、303:242〜9、2007〜2008(2010年)。過体重及び肥満の比率は、一部の人種群及び民族群と不相応に関連し、乳児期及び小児期全体にわたって一貫性があるように思われる。図1に示すように、ヒスパニック系及びメキシコ系アメリカ人の子ども並びに非ヒスパニック系黒人の子どもは、乳児期から19才までの過体重及び肥満の出現率が他の群と比較して高い。
[00142]子どもは、若年で過体重に見舞われるようになってきている。世界中で、2007年に5才未満の子ども、推定2200万人が過体重であった(Lanigan J.ら、「Prevention of obesity in preschool children」、Proc. Nutr. Soc.;69:204〜10頁(2010年)を参照のこと)。最近の米国全国調査データは、2〜5才の子どもの5人に1人が過体重であり、米国の未就学児の10%が肥満であることを示している。同様にやっかいなことは、誕生から2才までの米国の乳児及び歩き始めの子どもの約10%もまた、体重対横臥位身長の成長チャート95パーセンタイル以上の肥満であるという発見である。Ogden C.L.ら、「Prevalence of high body mass index in US children and adolescents」、JAMA、303:242〜9、2007〜2008(2010年)。1つの縦断的研究からの過体重小児の1/2超は、2才前に過体重になり、25%は5ヶ月の月齢までに過体重であった。Harrington J.W.ら、「Identifying the ’Tipping Point’ Age for Overweight Pediatric Patients」、Clin. Pediatr.(Phila.)(2010年)。
[00143]小児肥満の健康及び経済への影響
[00144]過体重の乳児及び小児は、過体重の成人においてしばしば併発する疾病のリスク増大の影響を受けずにいられない。以下を有する過体重小児の憂慮すべきますます増加する出現率が、確認されている:(i)インスリン抵抗性及び2型糖尿病(Boney C.M.ら、「Metabolic syndrome in childhood:association with birth weight, maternal obesity, and gestational diabetes mellitus」、Pediatrics、115:e290〜e296、(2005年);Lobstein T.ら、「Estimated burden of paediatric obesity and co−morbidities in Europe. Part 2. Numbers of children with indicators of obesity−related disease」、Int. J. Pediatr. Obes.、1:33〜41頁(2006年);Huang T.T.ら、「Metabolic syndrome in youth:current issues and challenges」、Appl. Physiol. Nutr. Metab.、32:13〜22頁(2007年);Kaufman F.R.、「Type 2 diabetes mellitus in children and youth:a new epidemic」、J. Pediatr. Endocrinol. Metab.、15 Suppl 2:737〜44頁(2002年);Franks P.W.ら、「Childhood predictors of young−onset type 2 diabetes」、Diabetes、56:2964〜72頁、(2007年)を参照のこと);(ii)脂質異常症(Freedman D.S.ら、「Relationship of childhood obesity to coronary heart disease risk factors in adulthood:the Bogalusa Heart Study」、Pediatrics、108:712〜8頁(2001年);Freedman D..Sら、「The relation of overweight to cardiovascular risk factors among children and adolescents:the Bogalusa Heart Study」、Pediatrics、103:1175〜82頁(1999年)を参照のこと);(iii)高血圧症(Freedman D.S.ら、「Relationship of childhood obesity to coronary heart disease risk factors in adulthood:the Bogalusa Heart Study」、Pediatrics、108:712〜8頁(2001年);Sorof J.M.ら、「Overweight, ethnicity, and the prevalence of hypertension in school−aged children」、Pediatrics、113:475〜82頁(2004年)を参照のこと);及び(iv)循環炎症マーカー上昇(Tam C.S.ら、「Obesity and low−grade inflammation:a paediatric perspective」、Obes. Rev.、11:118〜26頁(2010年);Skinner A.Cら、「Multiple markers of inflammation and weight status:cross−sectional analyses throughout childhood」、Pediatrics、125:e801〜e809(2010年)を参照のこと)。肥満児はまた、心臓疾患のリスクが増大している可能性がより高い(Daniels S.R.ら、「Overweight in children and adolescents:pathophysiology, consequences, prevention, and treatment」、Circulation 2005;111:1999〜2012を参照のこと)。最近の研究は、早くも3才で肥満児の脂肪組織において、成人と同様な脂肪細胞形態及び炎症プロセスの変化が認められるというエビデンスを示している。Tam C.S.ら、「Obesity and low−grade inflammation:a paediatric perspective」、Obes. Rev.、11:118〜26頁(2010年);Kapiotis S.ら、「A proinflammatory state is detectable in obese children and is accompanied by functional and morphological vascular changes」、Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol.、26:2541〜6頁、(2006年);Lande M.B.ら、「Elevated blood pressure, race/ethnicity, and C−reactive protein levels in children and adolescents」、Pediatrics、122:1252〜7頁(2008年);Skinner A.C.ら、「Multiple markers of inflammation and weight status:cross−sectional analyses throughout childhood」、Pediatrics、125:e801〜e809(2010年)。肥満児における炎症マーカーレベルの上昇が後の心血管イベントを予測するか否かは依然として明らかにされていないが、炎症状態への曝露期間が増加すると、後年における血管損傷のリスクが増加し得ることは生物学的に正しそうに思われる。同文献。
[00145]小児肥満と関連する医療コストの影響は、短期的及び長期的に財政面で重大な結果をもたらす。米国における肥満の経済的影響の推定を提示している研究の最近のレビューから、全国ベースでは、過剰の医療支出は、肥満児に関しては年間143億ドルにも達し、肥満成人に関しては1470億ドルにも及ぶ可能性があることが結論づけられた。Hammond, R.A.ら、「The economic impact of obesity in the United States. Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity:Targets and Therapy 3」、285〜295頁(2010年)。さらに、数学的モデリング技法によって、Trasandeは、2005年に12才の米国の過体重男児は、その過体重状態に起因して小児期の直接的な医療費で推定7億ドルを発生させ、もし肥満であったら、7億1800万ドルを発生させることになると推定した。Trasande L.、「How much should we invest in preventing childhood obesity?」、Health Aff.(Millwood),、29:372〜8頁(2010年)。子どもの頃に過体重又は肥満であったら、成人になるまでに予測で35億ドルが追加の医療経費として費やされることになる。しかし、12才児の過体重が1%減少すると、小児期に8770万ドルを節約でき、成人期には4000万ドル相当の医療費を削減できるであろう。同文献。
[00146]乳児期の肥満は成人の体重を予測する
[00147]多くの過体重乳児は、小児期の年齢になっても過体重のままであり、小児肥満は長年にわたって、成人肥満の有力な予測因子として知られている。Whitaker R.C.ら、「Predicting obesity in young adulthood from childhood and parental obesity」、N. Engl. J. Med.、337:869〜73頁(1997年)。257人の小児の後向きカルテレビュー(retrospective medical−chart review)の結果から、早くも生後2週のBMIの増加が、月齢6、12、36及び60ヶ月における過体重のリスクの著しい増加と関連していることが立証された。Winter J.D.ら、「Newborn adiposity by body mass index predicts childhood overweight」、Clin. Pediatr.(Phila)、49:866〜70頁(2010年)。同様に、月齢6〜18ヶ月の過体重が未就学期の体重の予測に有力であるという報告が、より多く文献記載されるようになっている。Ohlund Iら、「BMI at 4 years of age is associated with previous and current protein intake and with paternal BMI」、Eur. J. Clin. Nutr.、64:138〜45頁(2010年);Taveras E.M.ら、「Weight status in the first 6 months of life and obesity at 3 years of age」、Pediatrics、123:1177〜83頁(2009年);Stettler N.ら、「Early growth patterns and long−term obesity risk」、Curr. Opin. Clin. Nutr. Metab. Care、13:294〜9頁(2010年)。762人の乳児及び小児(年齢0〜18才)からの最近の縦断的データは、早くも2才の体重から、成人過体重の積極的追跡期間が始まり;2〜6才の体重状態が、成人過体重の予測及び具現化に最も決定的な成長期間であることを示した。De Kroon M.L.ら、「The Terneuzen birth cohort:BMI changes between 2 and 6 years correlate strongest with adult overweight」、PLoS One、5:e9155(2010年)。2〜4才の過体重小児は、その未就学期において過体重でない小児と比較して、12才において過体重となるリスクが5倍高い。Stunkard A.J.ら、「The body−mass index of twins who have been reared apart」、N. Engl. J. Med.、322:1483〜7頁(1990年)。子どもが過体重になる時期が早いほど、過剰体重が保持される期間は長くなり、その子どもの過体重が成人期まで続くリスクは大きくなる。
[00148]ますます増加する乳児肥満の出現率及びその長期にわたる結果は、問題の重大さを増すだけでなく、この年齢群に主眼を置く介入の必要性及び可能性を示唆している。実際に、この状態の明らかな個体発生的進行、代謝プログラミングの柔軟性及び乳児期の行動モデリングの柔軟性を考えると、これは、一般集団における肥満の真の「予防」又は低減に利用可能な、最も決定的で、潜在的に効果的な絶好のチャンスとなり得る。
[00149]小児肥満及び潜在的因果関係と関連する因子
[00150]早期小児肥満の前歴は明らかに多因的であり、種々の強度の関連が、遺伝因子の、生物学的因子、食事因子、環境因子、社会的因子及び行動因子に関して文献記載されている。他方で、8つの因子が修正可能な因子として特定されており、このことは、それらは影響される可能性があり、これらの因子に影響を及ぼすことによって肥満リスクを調節できることを意味する。
[00151]遺伝因子
[00152]強力なエビデンスにより、早期発症の肥満における、現在のところ修正可能でない遺伝因子の役割が裏付けられているが、これらは、それ自体では及び単独では、ここ30年にわたる小児肥満の出現率の増加を裏付けるには不十分な論拠であるように思われる。肥満リスクを増加させる遺伝子多型では、小児期発症肥満の症例のほんのわずかしか説明がつかない。Stunkard AJ.、「The body−mass index of twins who have been reared apart」、N. Engl. J. Med.、322:1483〜7頁(1990年);Scherag A.ら、「Two new Loci for body−weight regulation identified in a joint analysis of genome−wide association studies for early−onset extreme obesity in French and german study groups」、PLoS Genet、6:e1000916(2010年);Bell C.G.ら、「The genetics of human obesity」、Nat. Rev. Genet.、6:221〜34頁(2005年);Chung W.K.ら、「Molecular physiology of syndromic obesities in humans」、Trends Endocrinol. Metab.、16:267〜72頁(2005年)。しかし、大多数の小児において、肥満は、複数の遺伝因子と寛容な環境との相互作用に起因し(Mutch DMら、「Genetics of human obesity」、Best Pract. Res. Clin. Endocrinol Metab.、20:647〜64頁(2006年)を参照のこと)、これについては、つい最近、研究され始めている(Trasande L.ら、「Environment and obesity in the National Children’s Study」、Environ Health Perspect.、117:159〜66頁(2009年)を参照のこと)。環境、遺伝子型及び発現という複数の源からのデータを統合すれば、これらの領域の、肥満と関連する寄与の解明に役立つであろう。
[00153]遺伝的素因は、修正可能な因子ではなく、それ自体は、小児肥満の発生率全てを説明するには不十分である。小児の体重、食物摂取量及び食事パターンに関係する遺伝的素因は、経験によって調節され(Scaglioni S.ら、「Influence of parental attitudes in the development of children eating behaviour」、Br. J. Nutr.、99 Suppl 1:S22〜S25(2008年)を参照のこと)、家族環境を含む環境によって大きく左右される(Wardle J.ら、「Genetic and environmental determinants of children’s food preferences」、Br. J. Nutr.、99 Suppl 1:S15〜S21(2008年)を参照のこと)。Skidmoreらは最近、女性の双子の肥満の発生に関しては、肥満を引き起こす生後環境が胎児環境よりも重要であることを示唆した。Skidmore P.Mら、「An obesogenic postnatal environment is more important than the fetal environment for the development of adult adiposity:a study of female twins」、Am. J. Clin. Nutr.、90:401〜6頁(2009年)。小児肥満症の出現率の人種差及び民族差さえも、早期乳児期における潜在的に修正可能なリスク因子の差によって部分的に説明できる。Taveras E.M.ら、「Racial/ethnic differences in early−life risk factors for childhood obesity」、Pediatrics;125、686〜95頁(2010年)。
[00154]驚くほどのことではないが、親は遺伝子、環境並びにその特定の社会的及び行動的環境を背景とした食事を提供するので、親の体重状態は小児肥満の有力な予測因子である。過体重の親の子どもは、肥満を発生するリスクが高い。父親の体重及び子どもの体重との独立した関連の研究結果が示されているが、母親の体重状態が、その子どもの体重と最も強い相関の1つであることが一貫して報告されている。Whitaker R.C.ら、「Predicting obesity in young adulthood from childhood and parental obesity」、N. Engl. J. Med.、337:869〜73頁(1997年);Price R.A.ら、「Childhood onset(age less than 10)obesity has high familial risk」、Int. J. Obes.、14:185〜95頁(1990年);Ohlund I.ら、「BMI at 4 years of age is associated with previous and current protein intake and with paternal BMI」、Eur. J. Clin. Nutr.、64:138〜45頁(2010年)。過体重の母親の子どもが過体重になる可能性は、健康体重の母親から生まれた子どものほぼ3倍である。Danielzik, S.ら、「Impact of parental BMI on the manifestation of overweight 5−7 year old children」、Eur. J. Nutr.、41:132〜138頁(2002年)。肥満女性は、巨大児を産む傾向があり、その女性の在胎期間が長い赤ん坊は肥満児になるリスクがより高いが、全ての研究がこの関連を確認しているとは限らない。Salihu H.M.ら、「Success of programming fetal growth phenotypes among obese women」、Obstet. Gynecol.、114:333〜9頁(2009年);Stettler N.ら、「Early growth patterns and long−term obesity risk」、Curr. Opin. Clin. Nutr. Metab. Care、13:294〜9頁(2010年)。要約すると、遺伝的関係は明らかに小児肥満と関連するが、小児の過体重又は肥満の全ての症例を説明できるとは限らない。エピジェネティック因子、すなわち、DNA配列の変化に関係した表現型又は遺伝子発現の遺伝性変化以外のものが、肥満と遺伝子とをよりよく関連付ける可能性があるように思われる。
[00155]出生前の環境
[00156]妊娠中の母親の喫煙への出生前曝露が後の肥満のリスクを増加させることは、ずっと以前から認識されており、メタ分析の結果から、妊娠中に喫煙している母親の子どもは、妊娠中に喫煙をしていない母親の子どもと比較して、年齢3〜33才において過体重になるリスクが高い(統合調整オッズ比(「OR」)1.50、95 %CI:1.36、1.65)ことが確認された。Oken E.ら、「Maternal smoking during pregnancy and child overweight:systematic review and meta−analysis」、Int. J. Obes.(Lond)、32:201〜10頁(2008年)。小児肥満リスクを増加させる可能性がある他の環境毒素、例えば、内分泌攪乱物質への出生前曝露は、潜在的な出生前の肥満を引き起こす因子として注目を集めている。Newbold R.R.ら、「Developmental exposure to endocrine disruptors and the obesity epidemic」、Reprod. Toxicol.、23:290〜6頁(2007年)。National Children’s Studyにおいて提案されているように、さらなる化学物質及び化合物が早期の体重と相関関係にあるものとして検討されることになっており;結果は未確定である。Trasande L.ら、「Environment and obesity in the National Children’s Study」、Environ. Health Perspect.、117:159〜66頁(2009年);Landrigan P.J.ら、「The National Children’s Study:a 21−year prospective study of 100,000 American children」、Pediatrics,118:2173〜86頁(2006年)。
[00157]子宮内環境もまた、出生時体重を左右する、主要栄養素外の生存可能な供給源であり得る。子宮内で過剰な母体の妊娠体重増加を経験するか又は糖尿病を有する母親の子どもとして生まれる乳児は、その在胎期間の間に大きく生まれるリスクが高い。これらの乳児はまた、未就学期又は学齢期において過体重になるリスク又は体脂肪蓄積の増加をきたすリスクがより大きくなる。Gillman M.W.ら、「Developmental origins of childhood overweight:potential public health impact」、Obesity(Silver Spring)、16:1651〜6頁(2008年);Oken E.ら、「Gestational weight gain and child adiposity at age 3 years」、Am. J. Obstet. Gynecol.、196:322〜8頁(2007年);Lewis K.L.ら、「Overweight among low−income Texas preschoolers aged 2 to 4 years」、J. Nutr. Educ. Behav.、42:178〜84頁(2010年);Wright C.S.ら、「Intrauterine exposure to gestational diabetes, child adiposity, and blood pressure」、Am. J. Hypertens.、22:215〜20頁(2009年);Oken E.ら、「Maternal gestational weight gain and offspring weight in adolescence」、Obstet. Gynecol.、112:999〜1006頁(2008年);Wrotniak B.H.、「Gestational weight gain and risk of overweight in the offspring at age 7 y in a multicenter, multiethnic cohort study」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1818〜24頁(2008年);Lamb M.M.ら、「Early−life predictors of higher body mass index in healthy children」、Ann. Nutr. Metab.、56:16〜22頁(2010年)。
[00158]前述した観察研究からの関連は一般に、乳児又は小児の過剰体重のリスクに関して一貫性があるが、因果関係が明確に確立されているわけではない。それにもかかわらず、これらの強い関連は、母体肥満が、内分泌攪乱及び他の生物学的攪乱と共に、問題の世代的永続化の一因となり得、及び出生前介入が胎児環境を修正する可能性に対する根拠を示すという事実を浮き彫りにしている。賞賛に値することではあるが、母親の食事及び環境介入を修正しようとするならば、これらの潜在的な予防的手段の一部は妊娠前に始まる必要があることも明白であると思われる。小児肥満に対する親の体重(及び特に母親の体重)の影響は、親に肥満リスクについての注意を促し、そのリスクを調節するのに有効なプランを提供する方法の必要性を際立たせていることは明白である。
[00159]乳児期の体重増加
[00160]いくつかの系統的レビューからの結果は、乳児期の急速な体重増加とその後の肥満リスクとの間に正の関連があるという有力なエビデンスを示す点で一貫性がある。Stettler N.ら、「Early growth patterns and long−term obesity risk」、Curr. Opin. Clin. Nutr. Metab. Care、13:294〜9頁(2010年);Ong K.K.ら、「Rapid infancy weight gain and subsequent obesity:systematic reviews and hopeful suggestions」、Acta. Paediatr.、95:904〜8頁(2006年);Baird J.ら、「Being big or growing fast:systematic review of size and growth in infancy and later obesity」、BMJ、331:929(2005年)。いくつかの体組成法又は体脂肪蓄積の推定に使用される代替マーカーの、乳児期の急速な体重増加と後の過体重リスクと間の関連性は一定のままである。Gillman M.W.ら、「Developmental origins of childhood overweight:potential public health impact」、Obesity(Silver Spring)、16:1651〜6頁(2008年);Reilly J.J.ら、「Early life risk factors for obesity in childhood:cohort study」、BMJ、330:1357(2005)年;Gillman M.W.、「The first months of life:a critical period for development of obesity」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1587〜9頁(2008年);Gardner D.S.ら、「Contribution of early weight gain to childhood overweight and metabolic health:a longitudinal study(EarlyBird 36)」、Pediatrics、123:e67〜e73(2009年);Dubois L.ら、「Early determinants of overweight at 4.5 years in a population−based longitudinal study」、Int. J. Obes.(Lond)、30:610〜7頁(2006年)。例えば、二重エネルギーX線吸収測定法によって測定された生涯の最初の2ヶ月及び月齢2〜9ヶ月における体重増加は、10才の小児における体脂肪量、体脂肪量の百分率及び除脂肪量比と関連することが最近立証された。Ong K.K.ら、「Infancy weight gain predicts childhood body fat and age at menarche in girls」、J. Clin. Endocrinol. Metab. 94:1527〜32頁(2009年)。同様に、生涯の最初の3ヶ月及び月齢3〜12ヶ月における体重増加もまた、7才における世界保健機関(World Health Organization)のBMI zスコアと正の相関が認められた。Hui L.L.ら、「Birth weight, infant growth, and childhood body mass index:Hong Kong’s children of 1997 birth cohort」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、162:212〜8頁(2008年)。さらに、生涯の最初の6ヶ月における体重対身長の変化は、3才時のBMI、皮下体脂肪蓄積及び肥満と正の関連を示した。Taveras E.M.ら、「Weight status in the first 6 months of life and obesity at 3 years of age」、Pediatrics、123:1177〜83頁(2009年)。(i)皮下脂肪厚測定(Karaolis−Danckert N.ら、「How pre− and postnatal risk factors modify the effect of rapid weight gain in infancy and early childhood on subsequent fat mass development:results from the Multicenter Allergy Study 90」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1356〜64頁(2008年)を参照のこと);(ii)生体インピーダンス(Eriksson M.ら、「Associations of birthweight and infant growth with body composition at age 15−−the COMPASS study」、Paediatr. Perinat. Epidemiol.、22:379〜88頁(2008年);Botton J.ら、「Postnatal weight and height growth velocities at different ages between birth and 5 y and body composition in adolescent boys and girls」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1760〜8頁(2008年)を参照のこと);又は(iii)方法の組合せ(Chomtho S.ら、「Associations between birth weight and later body composition:evidence from the 4−component model」、Am. J. Clin. Nutr.、88:1040〜8頁(2008年);Chomtho S.ら、「Infant growth and later body composition:evidence from the 4−component model」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1776〜84頁(2008年)を参照のこと)を用いた研究は、早期成長パターンが、乳児期の肥満の発生に決定的な期間であるという同様な研究結果を示している。乳児が過剰体重を獲得する速度が速く及び時期が早いほど、その後の月齢及び年齢において不所望な体重となる可能性が高くなる。したがって、早期乳児期における急速な体重増加は、幼少期における、肥満を引き起こす因子の「影響」とみなすことができ、生涯のこの時期において介入を行う必要性を明白に示している。
[00161]小児肥満症と関連する乳児期の潜在的に修正可能な摂食行動及び関連行動
[00162]乳児期及び若年小児における肥満の予防及び/又は低減に有効な介入を設計することは、これまでに用いられた成功したアプローチの延長線上にあるはずである。因果関係を確立している研究の利用が限られる場合には、提案される介入は、発表された観察研究からの、肥満と強く関連する因子にかなり基づくことができる。このような関連を扱う前向き介入は、問題との因果関係を確立する可能性があり、この可能性は理論的に正しそうである。したがって、成功する予防介入の設計は、望ましい転帰と関連する、すぐに使用可能であり潜在的に修正可能な因子を扱う成分を含むべきである。介入の成功はまた、特異的な子どもの肥満リスクの認識並びにその個人に対して方法を特化及び個別化し得ることと密接に関係する。
[00163]最近の研究は、遺伝的素因と、又は乳児期における、肥満を引き起こす環境を気付かずに助長する出生前共変数と相互作用し得る、誕生時に開始する特定の親の摂食方式及び行動に注意を向けている。乳児期から未就学期までの過体重又は肥満と関連するこれらのリスク因子は、種々の集団群及びサンプルサイズに関して、観察研究において、前向き及び後向きの両データレビューから明らかにされた。これを、下記表1に示す。
[00164] 表1−乳児期から未就学期までの過体重又は肥満と関連する修正可能な摂食行動及び親の関連した摂食行動
Figure 2014522032
[00165]乳児期又は歩き始め期における身長及び体重の測定値についての、誕生からの母親−乳児の対に関する研究から、記録された変数及び子どもの体重に対するそれらの影響の強度は明らかである(表1を参照のこと)。しかし、このような報告は数少ない。さらに、ほとんどの観察研究の結果は、乳児ではなく、学齢児のコホートを評価している。
[00166]最近のマルチレビューレポートは、受胎から5才までにおける、早期因子と肥満決定因子とを結び付けるエビデンスを評価し、これまで発表された系統的レビューの知見を要約した。Monasta L.ら、「Early−life determinants of overweight and obesity:a review of systematic reviews」、Obes. Rev.、11:695〜708頁(2010年)。選択基準を満たす22のレビューにおける後の過体重及び肥満と関連する因子の分析(乳児期から年齢64才までの)は、以下を含んでいた:母乳哺育が行われないか限られている、速い乳児の成長、乳児期の肥満、乳児の短い睡眠持続時間、乳児がTVを見ること、母親の喫煙、母親の糖尿病、1日の身体活動が30分未満、及び小児期早期における砂糖入り飲料の摂取。11の質のより良いレビューによって裏付けられた関連は、前述の因子の後者3つ以外を全て含んでいた。
[00167]5才までの小児における小児肥満症と関連する因子の観察研究の結論が、前記表1に示されている。米国小児学会(American Academy of Pediatrics)(「AAP」)及び米国栄養協会(American Dietetic Association)(「ADA」)により、十分なエビデンスで小児肥満症と関連すると特にみなされたものを、以下に概説する。
[00168]母乳哺育
[00169]母乳哺育は、乳児の健康管理及び疾患予防を行える可能性があるため、乳児に理想的な摂食と認識されている。母乳哺育と関連する多数の健康上の利益のうち、肥満保護効果が認識されてきた。残念なことに、米国女性の母乳哺育開始率は、多くの先進国及び発展途上国より依然として低く、母乳哺育をサポートする最近のSurgeon General’s Call to Actionによれば、乳児に母乳を与える持続期間は最適以下である。US Department of Health and Human Services. The Surgeon General’s Call to Action to Support Breastfeeding、Washington, DC:US Department of Health and Human Services、Office of the Surgeon General、http://www.surgeongeneral.gov.(2011年)。母乳哺育の開始率及び維持率の格差は、人種/民族性、社会経済的特徴及び米国内における地理的位置によって明白である。例えば、黒人乳児の母乳哺育率は、家族の所得又は教育レベルを考慮に入れて調整を行っても、誕生時、月齢6ヶ月及び月齢12ヶ月において、白人乳児よりも約50%低い。さらに、Supplemental Nutrition Program for Women, Infant, and Children(「WIC」)の給付金を受けている母親の母乳哺育率は、WICを受けていない母親又は金銭的にはWICを受ける資格があるがそのプログラムに登録されていない女性よりも不均衡に低く;米国南東部の州に居住する女性は、北西部の州に居住する女性よりも、母乳哺育率が低い。US Department of Health and Human Services. The Surgeon General’s Call to Action to Support Breastfeeding、Washington, DC:US Department of Health and Human Services、Office of the Surgeon General、http://www.surgeongeneral.gov.(2011年)。
[00170]全体的に見て、疾病対策センター(Centers for Disease Control)(「CDC」)によってサンプリングされた米国住民の母乳哺育率から、1999〜2006年において、乳児の大多数(75%)はある程度母乳を与えられていたが、3ヶ月以内には既に2/3(67%)がフォーミュラ又は他のサプリメントを与えられていたことがわかった。Centers for Disease Control and Prevention. Breastfeeding among U.S. children born 1999〜2007年。CDC National Immunization Survey.、http://www cdc gov/ breastfeeding/data/NIS_data/index htm で入手可能、2010年12月2日アクセス(2007年)。月齢6ヶ月までなお母乳哺育されていたのはわずか43%であり、少なくとも月齢12ヶ月に母乳哺育されていたのは1/4未満(23%)であった。残念なことに、母乳哺育をされた乳児のほぼ1/4(24.2%)〜1/2超(52%)は、まだ入院中に生後2日より前にフォーミュラを与えられ、これが、完全母乳となる可能性を減少させている。Grummer−Strawn L.M.ら、「Infant feeding and feeding transitions during the first year of life」、Pediatrics、122 Suppl 2:S36〜S42(2008年);Siega−Riz A.M.ら、「Food consumption patterns of infants and toddlers:where are we now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)。
[00171]2008年のFeeding Infants and Toddler Study(FITS)は、3,000人を超える乳児の、全国的に代表的なサンプルを調査し、図2に示すように、母乳哺育(どのようなものでも)を開始された乳児はほぼ80%であるにもかかわらず、月齢6ヶ月までなお母乳哺育されている乳児はわずか37%であり、月齢12〜15ヶ月に母乳を与えられている乳児ははるかに少ない(14%)ことがわかった。Siega−Riz A.M.ら、「Food consumption patterns of infants and toddlers:where are we now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)。調査は、母乳哺育の開始率は、82%の2020 Healthy People Objectiveにかなうが、月齢6ヶ月で61%という母乳哺育普及率の持続目標と1才での34%との間には、明白な格差があることを立証している。U.S.Department of Health and Human Services, HealthyPeople.gov.、http://www.healthy people.gov/2020/default.aspxで入手可能、2011年1月3日アクセス(2011年)。
[00172]多くの研究並びに少なくとも5つのメタ分析及び系統的レビューにより、小児及び成人肥満に関する母乳哺育の役割が検討されている。Owen C.G.ら、「Effect of infant feeding on the risk of obesity across the life course:a quantitative review of published evidence」、Pediatrics、115:1367〜77頁(2005年);Owen C.G.ら、「The effect of breastfeeding on mean body mass index throughout life:a quantitative review of published and unpublished observational evidence」、Am. J. Clin. Nutr.、82:1298〜307頁(2005年);Quigley M.A.、「Duration of breastfeeding and risk of overweight:a meta−analysis」、Am. J. Epidemiol.、163:870〜2頁(2006年);Harder T.ら、「Duration of breastfeeding and risk of overweight:a meta−analysis」、Am. J. Epidemiol.、162:397〜403頁(2005年);Arenz S.ら、「Breast−feeding and childhood obesity−−a systematic review」、Int. J. Obes. Relat. Metab. Disord.、28:1247〜56頁(2004年)。必ずしも全ての結論が、母乳哺育の肥満保護効果の強度に関して一致しているわけではなく、又はより正確に言えば、生涯の最初の4〜6ヶ月に乳児用フォーミュラを部分的に若しくは全くそれのみを与えられた場合には過体重のリスクが増加している。しかし、圧倒的多数の研究は、母乳哺育と肥満リスクとがある程度逆関連することを示している。主に追跡調査期間の長さ、体重状態の定義、母乳哺育の持続時間及び交絡因子(一部の分析は考慮したが、他は考慮しなかった)のばらつきのために、結論は変動する。個々の臨床試験を集約するのに利用した統計分析方法もまた、メタ分析の結果の差を説明し得る。例えば、過体重に対する母乳哺育の保護効果(バイナリデータ分析)が、ロジスティック回帰を用いたメタ分析によって報告されているが、線形回帰及びBMIを用いた研究(連続データ分析)では、有意な関連を検出できなかった。Beyerlein A.ら、「Breastfeeding and childhood obesity:shift of the entire BMI distribution or only the upper parts?」、Obesity(Silver Spring)、16:2730〜3頁(2008年)。
[00173]観察研究の5つのメタ分析のうち3つから、学齢期の肥満リスクが、早期母乳哺育の場合にはフォーミュラを与えた場合と比較して15〜25%低減されることがわかった。Koletzko B.ら、「Can infant feeding choices modulate later obesity risk?」、Am. J. Clin. Nutr.、89:1502S〜8S(2009年)。少なくとも3つの交絡因子(例えば、出生時体重、親の体重、親の喫煙、食事因子、身体活動又は社会経済学的状態)を考慮すると、結果から、母乳哺育された子どもでは、母乳哺育されなかった子どもと比較して、肥満の可能性が22%低いことが示された。Arenz S.ら、「Breast−feeding and childhood obesity−−a systematic review」、Int. J. Obes. Relat. Metab. Disord.、28:1247〜56頁(2004年)。思春期の子どもを対象とした一部の研究においては、より大きい肥満低減利益が観察された。これは、母乳哺育の効果が長期にわたって小児の生涯に及び得ることを示唆している。別のメタ分析は、肥満リスクが、交絡変数に関する統計上の調整前の24%から、父親の体重状態、喫煙及び社会経済学的状態を考慮してからの、後の過体重リスクの7%低減まで低減することを立証した。Owen C.G.ら、「Effect of infant feeding on the risk of obesity across the life course:a quantitative review of published evidence」、Pediatrics、115:1367〜77頁(2005年)。別のメタ分析は、過体重になるリスクは母乳哺育1ヶ月毎に4%低下するが、効果は、9ヶ月の母乳哺育後にプラトーに達することを明らかにした。Harder T.ら、「Duration of breastfeeding and risk of overweight:a meta−analysis」、Am. J. Epidemiol.、162:397〜403頁(2005年)。総合すれば、2004〜2006年に発表された、前記で確認されたメタ分析の結果は、母乳哺育は、小児肥満に対して比較的小さいが一貫した保護効果があり得るというエビデンスを示している。Centers for Disease Control and Prevention. Breastfeeding among U.S. children born 1999〜2007年, CDC National Immunization Survey.、http://www cdc gov/breastfeeding/data/NIS_data/index htmで入手可能、2010年12月2日アクセス(2007年)。最近公表されたSurgeon General’s Call to Actionは、母乳哺育される赤ん坊は過体重及び肥満になりにくいことを明確に結論づけた。US Department of Health and Human Services. The Surgeon General’s Call to Action to Support Breastfeeding、Washington, DC:US Department of Health and Human Services、Office of the Surgeon General、http://www.surgeongeneral.gov.(2011年)。
[00174]母乳哺育が過体重又は肥満のリスクを減少できたメカニズムは、依然としてはっきりしていない。例えば、最近の報告は、母親が高い妊娠前BMIを有する未就学児では、母乳哺育の持続時間及び出産歴が、過体重又は肥満になるそのリスクの決定に重要な役割を担っていたこと(Kitsantas P.ら、「Risk profiles for overweight/obesity among preschoolers」、Early Hum. Dev.、86:563〜8頁(2010年)を参照のこと)、並びに母乳哺育により、妊娠前糖尿病を有する母親からの出生児が肥満になる可能性が、母親のBMI及び糖尿病の型とは無関係に著しく減少したこと(Feig D.S.ら、「Breastfeeding predicts the risk of childhood obesity in a multi−ethnic cohort of women with diabetes」、J. Matern. Fetal Neonatal Med.(2010年)を参照のこと)を示している。母乳哺育された乳児は、おそらく1つにはエネルギー及びタンパク質摂取量のため、乳児期全体にわたってフォーミュラで哺育された乳児とよりもゆっくり体重が増加し得る。Koletzko B.ら、「Can infant feeding choices modulate later obesity risk?」、Am. J. Clin. Nutr.、89:1502S〜8S(2009年);Koletzko B.ら、「Lower protein in infant formula is associated with lower weight up to age 2 y:a randomized clinical trial」、Am. J. Clin. Nutr.、89:1836〜45頁(2009年)。母乳哺育された乳児と比較して、人工栄養哺育された乳児におけるエネルギー、タンパク質又はエネルギー及びタンパク質の両方の摂取量が増加することが、要因として提示されている。さらに、母乳哺育は、過体重発生リスクを減少させる他の利点、例えば、自身の乳児を人工栄養哺育する母親と比較して、4ヶ月未満の月齢における補完食品の導入頻度が低くなること、及び乳児に1才の時点で高脂肪若しくは高スクロース食品を提供する頻度が少なくなることと関連する。Grummer−Strawn L.M.ら、「Infant feeding and feeding transitions during the first year of life」、Pediatrics、122 Suppl 2:S36〜S42(2008年);Hendricks K.ら、「Maternal and child characteristics associated with infant and toddler feeding practices」、J. Am. Diet. Assoc.、106:S135〜S148(2006年)。
[00175]因果関係は依然として立証されていないが、多くの肥満を予防する及び/又は低減する摂食ストラテジー間の相互作用が母乳哺育と共存することは正しそうに思われる。さらに、母親−乳児の対間における、微細に制御された母乳哺育の需給案配は、人工栄養哺育により混乱する可能性がある。その結果として、空腹及び満腹の合図の読み取り及び解釈が著しく損なわれるおそれがある。Taveras E.M.ら、「To what extent is the protective effect of breastfeeding on future overweight explained by decreased maternal feeding restriction?」、Pediatrics、118:2341〜8頁(2006年)。
[00176]母乳哺育が小児肥満症に少なくとも何らかの役割を担うこと、並びに肥満予防及び/又は低減効果の利益を享受する可能性が最も高い乳児の正確な部分母集団がいまだに明らかにされていないことが強く示唆されているにも関わらず、乳児への母乳提供の多くの他の健康上の利益は疑う余地がない。肥満リスク及び関連する健康上の影響を潜在的に低減することを目標とする乳児集団への介入はいずれも、必然的に、生涯の最初の1年間における母乳哺育の効果的な鼓舞、確立及び継続を含む。
[00177]補完食品の導入年齢
[00178]AAPは、年齢に応じた固形食を、個々の子どもの栄養必要量及び発育上の必要性によって示されるように導入すること、ただし、導入は月齢4ヶ月以降、好ましくは6ヶ月とすることを推奨している。American Academy of Pediatrics, American Public Health Association and National Resource Center for Health and Safety in Child Care and Early Education. Preventing Childhood Obesity in Early Care and Education:Selected Standards from Caring for Our Children:National Health and Safety Performance Standards;Guidelines for Early Care and Education Programs, 3rd Edition. http://nrckids.org/CFOC3/PDFVersion/preventing_obesity.pdf(2010年)。発育のマイルストーン並びに生理的及び免疫的準備性に同期されない固形食の提供は、アレルギー及び消化の問題と結び付く可能性があり、固形物の早期導入は小児肥満のリスクの増加と関連する。Taveras E.M.ら、「Racial/ethnic differences in early−life risk factors for childhood obesity」、Pediatrics 2010;125、686〜95頁(2010年);Ong K.K.、「Dietary energy intake at the age of 4 months predicts postnatal weight gain and childhood body mass index」、Pediatrics、117:e503〜e508(2006年);Kleinman, R.E.、「Pediatric nutrition handbook. 6th ed.」、Elk Grove Village, IL:American Academy of Pediatrics(2009年);Grummer−Strawn L.M.ら、「Infant feeding and feeding transitions during the first year of life」、Pediatrics、122 Suppl 2:S36〜S42(2008年)。
[00179]固形食の早期導入は、乳児のミルク摂取量制御が自己調整されない場合には特に、単に乳児に過剰カロリーを与えるだけである可能性がある。847人の乳児に関する最近の研究は、補完食品を導入するタイミング、母乳哺育の状態及び歩き始め期における体重の間の潜在的な相互作用を明らかにした。少なくとも4ヶ月にわたって母乳哺育された乳児では、固形食導入のタイミングは、3才の時点での肥満と関連がなかった。しかし、フォーミュラで哺育された乳児では、4ヶ月前の固形食の導入は(月齢4〜5ヶ月で補完食品を与えられた乳児と比較して)、共変数の調整後であっても、3才の時点での肥満のオッズの著しい6倍の増加と関連していた。Huh S.Y.ら、「Timing of Solid Food Introduction and Risk of Obesity in Preschool−Aged Children」、Pediatrics(2011年)。フォーミュラで哺育された乳児は、固形食を摂取していない乳児と比較して、人工栄養哺育からのカロリーを減少させることなく早期の食品からのエネルギー摂取量を増加させる可能性があるのに対して、母乳哺育は小児のエネルギー摂取量の自己制御をより多く促進し得る。Taveras E.M.ら、「To what extent is the protective effect of breastfeeding on future overweight explained by decreased maternal feeding restriction?」、Pediatrics、118:2341〜8頁(2006年);Wasser H.ら、「Infants perceived as ”fussy” are more likely to receive complementary foods before 4 months」、Pediatrics、127:229〜37頁(2011年)。
[00180]発育上の準備性に関するAPPガイドラインより前の補完食品を与える親の出現率の全国推定値は変動する。2002年におけるFITS調査は、26%の乳児が月齢4ヶ月前に固形食に導かれていることを示した。Hendricks K.ら、「Maternal and child characteristics associated with infant and toddler feeding practices」、J. Am. Diet. Assoc.、106:S135〜S148(2006年)。2008年の最新FITS調査は、約10%の親が月齢4ヶ月前に乳児を補完食品に導いていることを示した。これは、最近6〜8年でこのやり方が改善されたことを示している。Siega−Riz A.M.ら、「Food consumption patterns of infants and toddlers:where are we now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)。しかし、月齢4ヶ月より前に固形食を摂取したアフリカ系アメリカ人の乳児のみの出現率の全国推定値は、2008年に62.5%であることが報告された。親が固形食を与えるやり方に地域差があり、このことは、米国の1つの州でのWICプログラムに参加している初めて子どもを持つ黒人の母親の比較的小さいサンプル(n=217)において、月齢3ヶ月の乳児の77%が固形食を与えられていたことから、明らかである。Grummer−Strawn L.M.ら、「Infant feeding and feeding transitions during the first year of life」、Pediatrics、122 Suppl 2:S36〜S42(2008年);Wasser H.ら、「Infants perceived as ”fussy” are more likely to receive complementary foods before 4 months」、Pediatrics、127:229〜37頁(2011年)。
[00181]乳児の発育上の準備性が、どのような食品を摂食させるべきか、食品がどのような質感であるべきか及びどのような摂食スタイルを使用するかを決定する。年齢及び身体の大きさが発育上の準備性としばしば一致するという事実にもかかわらず、これらは、赤ん坊に何をどのように摂食させるかを決めるための唯一の考慮事項として使用すべきではない。U.S.Department of Agriculture, Food and Nutrition Service. Feeding infants:A guide for use in the child nutrition programs. Rev ed. Alexandria, VA:USDA, FNS. http://www.fns.usda.gov/tn/resources/feeding_infants.pdf(2002年)。予期的指導アプローチによって、適切な成長上の準備性のマイルストーンを特定するための親への教示は、早期の又は過剰な体重増加と関連があった早期年齢で補完食品の不適切な導入を遅延するのに有用であり得る。
[00182]食事の質及び量
[00183]米国における乳児及び歩き始めの子どもの最も包括的な評価は、Feeding Infants and Toddlers Studies(「FITS」)である。誕生から月齢48ヶ月の乳幼児における、親及び保育者の大きい代表的な横断的サンプルを用いたこれらの食事摂取量調査は、乳児、歩き始めの子ども及び未就学児の食パターン及び栄養素摂取量に関する詳細な情報を提供し、肥満と関連する食事因子が米国の乳児集団において高頻度に見られることを裏付けている。
[00184]3,000人を超える月齢4〜24ヶ月の乳児及び歩き始めの子どものFITS 2002食事調査に続いて、3273人の年齢0〜4才の乳児及び小児の FITS 2008調査が最近行われた。2004年に発表された最初のFITSデータは、月齢4ヶ月であっても、平均1日カロリー摂取量は標準的な推奨基準を10%上回り、過剰摂取量は年齢と共に着実に上昇し、ついには月齢12〜24ヶ月の小児はその推定エネルギー必要量よりも30%超高いカロリーを摂取していることを示した。Kuczmarskiら、CDC growth charts:United States. Advance data from vital and health statistics;No. 314. National Center for Health Statistics、http://www.cdc.gov/nchs/data/ad/ad314.pdf(2000年);Devaney B.ら、「Nutrient intakes of infants and toddlers」、J. Am. Diet. Assoc.、104:s14〜s21(2004年)。乳児及び歩き始めの子どもによって摂取される一人前の分量は、小児の推奨基準を50〜90%上回った。Fox M.K.ら、「Relationship between portion size and energy intake among infants and toddlers:evidence of self−regulation」、J. Am. Diet. Assoc.、106:S77〜S83(2006年)。
[00185]ADA及びAAPの両方によって評価されたように、エネルギー密度の高い食品及び食事の高い摂取量及び/又は多い一人前の分量は、小児の肥満リスクと関連する。American Dietetic Association. Evidence Analysis Library Evidence−based Pediatric Weight Management Nutrition Practice Guideline、http://www.adaevidencelibrary.com、2010年12月アクセス(2011年);Barlow S.E.、「Expert committee recommendations regarding the prevention, assessment, and treatment of child and adolescent overweight and obesity:summary report」、Pediatrics、120 Suppl 4:S164〜S192(2007年)。現在では、図3に示すように、乳児及び若年小児はその推定エネルギー必要量を上回るカロリーを摂取している。2008年には、最も若年の乳児は、推定必要量よりほぼ14%より多いカロリー(83kcal/日)を摂取していた。FITSの研究から推定されたエネルギーを前提とし、最も単純な形態で熱力学第一法則を適用すると、さらに83kcal/日を6週間摂取後には、推定1ポンドの過剰な体重増加が起こり得ることになり、わずか6ヶ月後にはさらに4.3ポンドの体重増加を予測できるであろう。月齢6ヶ月の男児乳児に対して平均体重18ポンドを用いると、4.3ポンドの体重差分は、50パーセンタイル〜95パーセンタイルの年齢別体重差に相当する。
[00186]FITS参加者のカロリー摂取量が、乳児期及び歩き始め期を通して推定必要量を超えた場合には、親は食物摂取量を一貫して多く見積もりすぎているか、又は推定エネルギー必要量が低すぎる可能性があると言える。それとは関係なく、乳児及び若年小児の食事のカロリー量は、ある程度、今日の青年における過体重及び肥満の出現率の一因となっている可能性が高い。
[00187]図4に示すように、多くの乳児は、2008年のFITS調査において、乳児用シリアルを摂取し、それと共に野菜、果物及び肉の他の早期食品選択を行っていた。しかし、エネルギー密度の高いデザート食品、例えば、クッキー、ケーキ、キャンディ又は加糖飲料を、月齢6〜9ヶ月の乳児のほぼ20%及び月齢9〜11ヶ月の乳児のほぼ45%が摂取していた。1才の時点で、乳児の約55%が、デザート、甘い食べ物又は加糖飲料を摂取しており、月齢15ヶ月までには、歩き始めの子どもの2/3がこのカテゴリーの食品を毎日摂取し、摂取レベルは、歩き始め期を通して一定のままである傾向があった。Siega−Riz A.M.ら、「Food consumption patterns of infants and toddlers:where are we now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年);Fox M.K.ら、「Food consumption patterns of young preschoolers:are they starting off on the right path?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S52〜S59(2010年)。砂糖入り飲料及びエネルギー密度の高い食品の摂取は、ADA及びAAPによって、小児肥満の食事リスク因子と特定され、メタ分析は、小児における加糖飲料摂取量が肥満に寄与する程度を明らかにした。American Dietetic Association. Evidence Analysis Library Evidence−based Pediatric Weight Management Nutrition Practice Guideline、http://www.adaevidencelibrary.com、12月アクセス(2010年);Barlow S.E.、「Expert committee recommendations regarding the prevention, assessment, and treatment of child and adolescent overweight and obesity:summary report」、Pediatrics、120 Suppl 4:S164〜S192(2007年)。エフェクトサイズは、1日当たりソーダ12オンスにつき−0.03単位(Forshee, R.A.ら、「Sugar−sweetened beverages and body mass index in children and adolescents:a meta−analysis」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1662〜71頁(2008年)を参照のこと)〜−0.08単位のBMI変化(Malik, V.S.ら、「Sugar−sweetened beverage and BMI in children and adolescents:reanalyses of a meta−analysis」、Am. J. of Clin. Nutr.、438〜439頁(2009年)を参照のこと)の範囲であり、研究間でばらつきがある追跡期間の長さによって異なった。さらに、加糖飲料摂取量及び体重についての最近の系統的な文献レビューにより、加糖飲料と体脂肪蓄積との間に統計的に有意な正の関連を見い出している3件の全国的に代表的な研究及び12件の他の観察研究が確認された。Woodward−Lopez, G.、「To what extent have sweetened beverages contributed to the obesity epidemic?」、Public Health Nutrition、(2010年)。分析された他の試験は、有意な正の結果をもたらさなかったが、小児の横断的分析を用いた、最も質の高いと評価された研究の83%は、正の関係を確認した。小児における加糖飲料摂取量の低減に成功している介入は、体重状態に対して測定可能な影響を及ぼすと考えられる。Wangらは、2才以上の子どもによって摂取されている加糖飲料を水に代えたら、総エネルギー摂取量は平均235kcal/日減少すると推定した。Wang, Y.C.、「Impact of Change in Sweetened Caloric Beverage Consumption on Energy Intake Among Children and Adolescents」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、163巻、4号(2009年)。
[00188]甘い食べ物に対する生まれつきの嗜好が強く発現されるのとは対照的に、FITSデータは、野菜の場合のような、発現がより困難な酸味又は苦みの受容は、欠如していたか又は持続されなかった可能性があることを示唆している。2008年のFITSデータによれば、図4に示すように、月齢6〜9ヶ月の乳児の35%及び月齢9〜12ヶ月の乳児25%が、所与の日に一皿の野菜も摂取しなかった。Siega−Riz A.M.ら、「Food consumption patterns of infants and toddlers:where are we now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年)。全体として、1日の食事に何らかの野菜を含む、乳児及び歩き始めの子どもの摂取パターンは、月齢6〜9ヶ月から未就学期まで比較的変わらないようであった(これは、乳児が野菜に対する早期の受容を発現すれば、摂取は歩き始め期まで続き得ることを示唆している)。しかし、黄色又は橙色の野菜は月齢6〜9ヶ月の乳児の約35%が摂取したが、月齢12ヶ月までに25%未満まで低下し;月齢18ヶ月までには、どの日もそれらを摂取し続けているのは歩き始めの子どもの約20%となった。研究調査日に月齢6〜9ヶ月の子どものほとんどは緑色又は混合園芸野菜を摂取しておらず、月齢12ヶ月から早期歩き始め期までの子どもで緑色野菜を食べているのは約10%であった。代わりに、ホワイトポテト、特にフライドポテトは、月齢12〜15ヶ月の子どもが最も頻繁に摂取する(18.5%)「野菜」であり、図5に示すように、多くの歩き始めの子どもの毎日の食事習慣であり続けた。Siega−Riz A.M.ら、「Food consumption patterns of infants and toddlers:where are we now?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S38〜S51(2010年);Fox M.K.ら、「Food consumption patterns of young preschoolers:are they starting off on the right path?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S52〜S59(2010年)。1〜2才の子どものうち33%は、ファストフードレストランで日常的に食事又は間食を取っており、これにより、フライドポテトの摂取頻度を説明できる。
[00189]AAPは、月齢6ヶ月未満の乳児に対しては果汁を出すべきでないことを確認している。Holt, K.ら、「Bright Future Nutrition」、American Academy of Pediatrics(2011年)。すりつぶしたか又はピューレにしたホールフルーツは、1才までの補完食開始後の乳児に適切である。1〜6才の小児に対しては、果汁を1日合計4〜6オンスに制限すべきである。American Academy of Pediatrics, American Public Health Association and National Resource Center for Health and Safety in Child Care and Early Education. Preventing Childhood Obesity in Early Care and Education:Selected Standards from Caring for Our Children:National Health and Safety Performance Standards;Guidelines for Early Care and Education Programs, 3rd Edition. http://nrckids.org/ CFOC3/PDFVersion/preventing_obesity.pdf(2010年)。乳児期における果物又は100%果汁の早期の導入及び受容は、歩き始め期に持ち込まれるようであり、一般に未就学期まで続く。Fox M.K.ら、「Food consumption patterns of young preschoolers:are they starting off on the right path?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S52〜S59(2010年)。
[00190]前の調査と比較して、2008年のFITSデータからの期待の持てる研究結果は、乳児及び歩き始めの子どもによる果物及びホールフルーツの摂取に関係している。2002年の調査の結果と比較して、2008年では、月齢6ヶ月より前における果汁の摂取頻度は、それぞれ18.7%から7.1%まで低下していた。月齢6〜9ヶ月の乳児の約65%は、どの日にも果物を摂取し、月齢9〜12ヶ月の乳児の80%も同様であった。月齢9ヶ月において果物又は100%果汁の摂取の組合せを組み込むと、このようなものを摂取する乳児及び歩き始めの子どもの百分率は、図6に示すように、生後2年間にわたって80%の摂取レベルで推移するか又は80%超となる傾向があった。
[00191]健康に良い食行動に対する親の嗜好及び健康に良い食行動のモデリングは、新しい食品の多数回の冷静な提供と共に、小児の嗜好を形づくる助けとなり得る。Skinner J.D.ら、「Children’s food preferences:a longitudinal analysis」、J. Am. Diet. Assoc.、102:1638〜47頁(2002年);Hendy H.M.ら、「The Parent Mealtime Action Scale(PMAS). Development and association with children’s diet and weight」、Appetite、52:328〜39頁(2009年);Klohe−Lehman, D.M.ら、「Low−Income, Overweight and Obese Mothers as Agents of Change to Improve Food Choices, Fat Habits, and Physical Activity in their 1−to−3−Year−Old Children」、J. Am. College of Nutrition、26巻、3号、196〜208頁(2007年);Wardle J.ら、「Increasing children’s acceptance of vegetables;a randomized trial of parent−led exposure」、Appetite、40:155〜62頁(2003年);Wardle J.ら、「Modifying children’s food preferences:the effects of exposure and reward on acceptance of an unfamiliar vegetable」、Eur. J. Clin. Nutr.、57:341〜8頁(2003年);Birch L.L.ら、「Infants’ consumption of a new food enhances acceptance of similar foods」、Appetite、30:283〜95頁(1998年);Williams K.E.ら、「Practice does make perfect. A longitudinal look at repeated taste exposure」、Appetite、51:739〜42頁(2008年)。摂取を助長する形態及び場所で、栄養価の高い食品の利用可能性が増大すると、若年小児の食事の質が小児の食嗜好のために改善され、小児の利用可能な食品が食事に反映されることが多い。これは、1つには、嗜好は親しみやすさによって決まるためである。O’Connor T.M.ら、「Parenting practices are associated with fruit and vegetable consumption in pre−school children」、Public Health Nutr、13:91〜101頁(2010年)。
[00192]FITSの研究は、米国の乳児集団において、カロリー摂取量が推定必要量を上回ること、エネルギー密度の高い及び加糖の食品の摂取量が多いこと、野菜の摂取量が少ないこと及びエネルギー消費量が全体的に高いこと(これらは全て肥満と関連する)の頻度が高いことを実証している。乳児の高いエネルギー摂取量並びに不適切な食事及び間食パターンは、1才の誕生日前にはっきりするようであり(Skinner J.D.ら、「Meal and snack patterns of infants and toddlers」、J. Am. Diet. Assoc.、104:s65〜s70(2004年)を参照のこと)、食嗜好は、過剰な体重が将来の小児肥満の予測因子となる早期年齢で、おそらくは2才までに決まる(Harrington J.W.ら、「Identifying the ’Tipping Point’ Age for Overweight Pediatric Patients」、Clin. Pediatr.(Phila.)(2010年)を参照のこと)。さらに、2才までに、多くの小児は、家族の食習慣を身に付けている。Dwyer J.T.ら、「FITS:New insights and lessons learned」、J. Am. Diet. Assoc.、104:s5〜s7(2004年)。
[00193]前記研究は全て、食事パターンがいったん確立してからこれらを修正しようとするよりも乳児期においてより大きい効果及び有効性の影響があり得る補完食品の導入に関する修正可能な行動の具体例を提示している。例えば、乳児及び歩き始めの子どもに対する健康的な摂食及び食事習慣について親及び保育者を教育する簡単なメッセージは、様々な栄養価の高い食品、特に果物及び野菜を、子どもに対して発育上適切な形態で、受容するように頻繁に粘り強く提供しながら、食べるように促すものを含む。Briefel R.R.ら、「Feeding infants and toddlers study:Improvements needed in meeting infant feeding recommendations」、J. Am. Diet. Assoc.、104:s31〜s37(2004年);Dwyer J.T.ら、「Feeding Infants and Toddlers Study 2008:progress, continuing concerns, and implications」、J. Am. Diet. Assoc.110:S60〜S67(2010年)。適切な一人前の分量を提供すること、並びに「ひと皿分全部平らげる」こと又は強制的な摂食方式ではなく、子どもに空腹及び満腹の合図を認識及び尊重させるよう、親を教育することもまた、FITSの結果からの結論及び健康体重の推進と一致している。Briefel R.R.ら、「Feeding infants and toddlers study:Improvements needed in meeting infant feeding recommendations」、J. Am. Diet. Assoc.、104:s31〜s37(2004年);Fox M.K.ら、「Relationship between portion size and energy intake among infants and toddlers:evidence of self−regulation」、J. Am. Diet. Assoc.、106:S77〜S83(2006年)。歩き始めの子どものエネルギー摂取量の約25%に寄与する歩き始めの子どもの間食を、果物風味飲料やデザートタイプの食品ではなく、果物、野菜及び未精白穀物を含めることによって食事を補完するように計画すること、並びに乳児期にファストフードレストランに行くことを制限することは全て、親が関与し得る修正可能な健康的な食実践のさらなる実例を提供する。Fox M.K.ら、「Food consumption patterns of young preschoolers:are they starting off on the right path?」、J. Am. Diet. Assoc.、110:S52〜S59(2010年);Skinner J.D.ら、「Meal and snack patterns of infants and toddlers」、J. Am. Diet. Assoc.、104:s65〜s70(2004年)。
[00194]保育者の摂食行動
[00195]機会が与えられれば、乳児及び早期の歩き始めの子どもは、エネルギー摂取量を制御する、生まれ持った能力を発揮するであろう。Fox M.K.ら、「Relationship between portion size and energy intake among infants and toddlers:evidence of self−regulation」、J. Am. Diet. Assoc.、106:S77〜S83(2006年);Fomon S.J.ら、「Influence of formula concentration on caloric intake and growth of normal infants」、Acta. Paediatr. Scand.、64:172〜81頁(1975年);Birch L.L.ら、「Caloric compensation and sensory specific satiety:evidence for self regulation of food intake by young children」、Appetite、7:323〜31頁(1986年);Rolls B.J.ら、「Serving portion size influences 5−year−old but not 3−year−old children’s food intakes」、J. Am. Diet. Assoc.、100:232〜4頁(2000年)。しかし、生まれつきの、カロリー摂取量の自己制御は、善意の、しかし見当違いの親の摂取行動によって容易に踏みにじられる可能性がある。前述のように、空腹及び満腹の合図が母乳哺育と比較して認識に注意を必要とする、乳児用フォーミュラによる人工栄養哺育又は乳児をなだめる方法としての人工栄養哺育の使用と関連する不適切な摂食行動は、年少期において予想を上回るエネルギー及びタンパク質摂取量の一因となり得る。
[00196]摂食と関連する親の行動の影響は、離乳食の導入と及び小児期を通じて関連し続ける。親が自身の乳児及び子どもに摂食させる方法と若年小児の体重状態との間の複雑な関係が提示されているが、親の摂食スタイル、摂食行動及び摂食態度を乳児又は小児期の体重状態に結び付ける相関エビデンスが、いくつかの交絡変数が考慮された場合でも、示されるようになってきている。Rhee K.E.ら、「Parenting styles and overweight status in first grade」、Pediatric、117:2047〜54頁(2006年);Hughes S.O.ら、「Indulgent feeding style and children’s weight status in preschool」、J. Dev. Behav. Pediatr.、29:403〜10頁(2008年);Farrow C.ら、「Does maternal control during feeding moderate early infant weight gain?」、Pediatrics、118:e293〜e298(2006年);Wake M.ら、「Preschooler obesity and parenting styles of mothers and fathers:Australian national population study」、Pediatrics、120:e1520〜e1527(2007年);Chen J.L.ら、「Factors associated with obesity in Chinese−American children」、Pediatr. Nurs.、31:110〜5頁(2005年);Hendy H.M.ら、「The Parent Mealtime Action Scale(PMAS). Development and association with children’s diet and weight」、Appetite、52:328〜39頁(2009年)。特に、自身の子どもに対する慰め又は報酬として親が食品を使用すること(Kroller K.ら、「Maternal feeding strategies and child’s food intake:considering weight and demographic influences using structural equation modeling」、Int. J. Behav. Nutr. Phys. Act.、6:78(2009年)を参照のこと)、食品への子どもの接近を制限すること(Fisher J.O.ら、「Restricting access to palatable foods affects children’s behavioral response, food selection, and intake」、Am. J. Clin. Nutr.、69:1264〜72頁(1999年)を参照のこと)は、過食(Burdette H.L.ら、「Maternal infant−feeding style and children’s adiposity at 5 years of age」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、160:513〜20頁(2006年)を参照のこと)又は子どもの体重(Santos J.L.ら、「Maternal anthropometry and feeding behavior toward preschool children:association with childhood body mass index in an observational study of Chilean families」、Int. J. Behav. Nutr. Phys. Act.、6:93(2009年)を参照のこと)への親の関心によって加速される場合には特に、かなり一貫して関係した。AAPは、報酬又は罰としての食品の提供は、食品を不当に重視することになり、肥満又は不良な食行動をもたらす悪影響があり得ることを強調している。American Academy of Pediatrics, American Public Health Association and National Resource Center for Health and Safety in Child Care and Early Education. Preventing Childhood Obesity in Early Care and Education:Selected Standards from Caring for Our Children:National Health and Safety Performance Standards;Guidelines for Early Care and Education Programs, 3rd Edition.http://nrckids.org/ CFOC3/PDFVersion/preventing_obesity.pdf(2010年)。
[00197]離乳期(Farrow C.ら、「Does maternal control during feeding moderate early infant weight gain?」、Pediatrics、118:e293〜e298(2006年)を参照のこと)又は学齢期(Spruijt−Metz D.ら、「Relation between mothers’ child−feeding practices and children’s adiposity」、Am. J. Clin. Nutr.、75:581〜6頁(2002年)を参照のこと)における過剰な「母親による摂食中コントロール」、並びに「乳児及び歩き始めの子どもの空腹及び満腹の合図に対する注意不足」(Worobey J.ら、「Maternal behavior and infant weight gain in the first year」、J. Nutr. Educ. Behav.、41:169〜75頁(2009年)を参照のこと)が、乳児及び若年小児において、食事の質、量、食品の選択又は体重状態に関係する因子として報告されている。例えば、親の「空腹及び満腹の合図に対する注意不足」は、月齢4〜5ヶ月における体重増加と関連しており(Gross R.S.ら、「Maternal perceptions of infant hunger, satiety, and pressuring feeding styles in an urban Latina WIC population」、Acad. Pediatr.、10:29〜35頁(2010年)を参照のこと)、このようなスキルが欠如している親による、月齢6〜12ヶ月の体重増加を予測する(Worobey J.ら、「Maternal behavior and infant weight gain in the first year」、J. Nutr. Educ. Behav.、41:169〜75頁(2009年)を参照のこと)。米国の都会の368人の母親についての1つの最近の研究により、70%が、自身の乳児が泣いていれば空腹で違いないと考えていることがわかった。Kavanagh K.F.ら、「Educational intervention to modify bottle−feeding behaviors among formula−feeding mothers in the WIC program:impact on infant formula intake and weight gain」、J. Nutr. Educ. Behav.、40:244〜50頁(2008年)。即時に摂食させるのではなく、適切な空腹の合図を読み取ること及びなだめるための代わりの選択肢を受容することに関する親の教育は、過剰摂食の予防に役立ち得る。
[00198]乳児の空腹及び満腹の合図への注意が足りない親の摂食スタイルが一時的なものであること、又は子どもが、過食するようになることによってこのような合図に適応しないということは考えにくい。2才の時点で、抑制性のコントロールに対する評価が低く及び報酬感受性スキルに対して評価が高い自己制御スキルを評価するよう設計された実験課題に参加している子どもは、5才の時点で過体重になる可能性が、それらのカウンターパートよりも高い。Graziano P.A.ら、「Toddler self−regulation skills predict risk for pediatric obesity」、Int. J. Obes.(Lond)、34:633〜41頁(2010年)。さらに、より高体重のカテゴリーに入るより低年齢の子ども(3〜5才)及びより高年齢の子ども(8〜11才)はいずれも、親の教育及びBMIを考慮してコントロールした後でさえ、食品に対する満腹応答の合図が小さく、食品に対する応答の合図が大きかった。Carnell S.ら、「Appetite and adiposity in children:evidence for a behavioral susceptibility theory of obesity」、Am. J. Clin. Nutr.、88:22〜9頁(2008年)。
[00199]親又は保育者が乳児及び小児の合図を認識しそれに応答する「反応性摂食」は、信頼を育む助けとなり得、潜在的な過剰摂食を低減するように思われる。American Academy of Pediatrics, American Public Health Association and National Resource Center for Health and Safety in Child Care and Early Education. Preventing Childhood Obesity in Early Care and Education:Selected Standards from Caring for Our Children:National Health and Safety Performance Standards;Guidelines for Early Care and Education Programs, 3rd Edition. http://nrckids.org/ CFOC3/PDFVersion/preventing_obesity.pdf(2010年)。予定に合わせるのではなく、合図に応じて乳児に摂食させることは、小児肥満の予防及び/又は低減に役立ち得る。Taveras E.M.ら、「To what extent is the protective effect of breastfeeding on future overweight explained by decreased maternal feeding restriction?」、Pediatrics、118:2341〜8頁(2006年);Satter, E.、「Child of mine:Feeding with love and good sense」、第3版 Boulder, CO:Bull Publishing(2000年)。乳児及び小児に「合図に応じて摂食させる」場合には、乳児及び小児は、摂食の頻度及び量をコントロールしている。American Academy of Pediatrics, American Public Health Association and National Resource Center for Health and Safety in Child Care and Early Education. Preventing Childhood Obesity in Early Care and Education:Selected Standards from Caring for Our Children:National Health and Safety Performance Standards;Guidelines for Early Care and Education Programs, 3rd Edition. http://nrckids.org/ CFOC3/PDFVersion/preventing_obesity.pdf(2010年);Satter E.M.、「Internal regulation and the evolution of normal growth as the basis for prevention of obesity in children」、J. Am. Diet. Assoc.、96:860〜4頁(1996年)。結果として、空腹及び満腹の合図に対する親による非常に早期の注意及び適切な応答性は、小児の摂食行動に対して長期に及ぶ影響をもたらす可能性がある。
[00200]Satterによって提示された責任分割摂食モデルは、小児の正常の成長を可能にし、小児肥満を予防及び/又は低減するための試みとして、小児による内的制御が育成される親子間の摂食関係を促す手段として提案されている。Francis L.A.ら、「Maternal weight status modulates the effects of restriction on daughters’ eating and weight」、Int. J. Obes.(Lond)、29:942〜9頁(2005年);Faith M.S.ら、「Infant and child feeding practices and childhood overweight:the role of restriction」、Matern. Child. Nutr.、1:164〜8頁(2005年);Clark H.R.ら、「How do parents’ child−feeding behaviours influence child weight? Implications for childhood obesity policy」、J. Public Health(Oxf)、29:132〜41頁(2007年)。一部の乳児及び歩き始めの子どもでは、エネルギー密度の高い食品の摂取及び間食に対する制限の好ましい影響が報告されている。Gross R.S.ら、「Maternal perceptions of infant hunger, satiety, and pressuring feeding styles in an urban Latina WIC population」、Acad. Pediatr.、10:29〜35頁(2010年)。AAPは、子どもは、食物選択(親によって提供される健康的な食品選択肢の中での)について選択に参加する責任を負うべきこと、及び食事のたびに摂取量の決定に関して子どもに責任を負わせるべきことを確認している。Kleinman, R.E.、「Pediatric nutrition handbook」、第6版。Elk Grove Village, IL:American Academy of Pediatrics(2009年)。このアプローチの使用は、新しい食品は少量与えること及び健康的な食品を食べたことに対して子どもを褒めることと共に、未就学児による栄養価の高い食品の摂取量と正の関係を示している。Nicklas, T.A.ら、「Eating Patterns, Dietary Quality and Obesity」、J. Am. College of Nutrition、20巻、6号、599〜608頁(2001年)。親によるコントロールが関与及び親の温もりという全般的な雰囲気で適用される場合(例えば、権威のある親業)、それは若年小児による良い食品選択につながっている。Patrick H.ら、「A review of family and social determinants of children’s eating patterns and diet quality」、J. Am. Coll. Nutr.、24:83〜92頁(2005年)。
[00201]親の摂食行動とその後の小児期早期の過体重リスクとの関連は文書で十分に実証されているが、観察研究の性質により、因果関係を結論づけることはできない。特定の小児因子が親業の摂食方式を喚起する否か、又は親の摂食行動がこれらの小児因子に影響するか否かを見極めるのは困難である。さらに、Ventura及びBirch並びにAnzman及びBirchによってレビューされているように、親の摂食行動及び小児体重の領域における大多数の研究は、横断的であるか、又は摂食実験環境において実施されている。Ventura A.K.ら、「Does parenting affect children’s eating and weight status?」、Int. J. Behav. Nutr. Phys. Act.、5:15(2008年)など。
[00202]前記研究結果を所与として、空腹及び満腹の合図に対する高い応答性で親によって方向付けられる摂食行動についての教育は、子どもによる食物摂取量の自己制御を可能にするが、親の摂食スタイルが、エネルギー摂取量を制御する子どもの生まれ持った能力に対して与え得る潜在的な悪影響を阻止することが、必要である。Fox M.K.ら、「Relationship between portion size and energy intake among infants and toddlers:evidence of self−regulation」、J. Am. Diet. Assoc.、106:S77〜S83(2006年)。また、このような介入には、乳児の各発育段階と関連する、特に誕生から2才までの空腹及び満腹の合図に関する親の実際的教育が必要であり、乳児がこの発達段階を通過した後のレメディアルアプローチを推奨するのではなく、乳児が次の発育段階に到達する前にこのような介入を予期的に送達することが理想的であろう。摂食のための親業アプローチに関する構図に対処しない肥満の予防及び/又は低減のための介入は、成功する可能性が低い。Hubbs−Tait L.ら、「Parental feeding practices predict authoritative, authoritarian, and permissive parenting styles」、J. Am. Diet. Assoc.、108:1154〜61頁(2008年)。しかし、今日まで、一般乳児集団を代表する大規模研究で、小児肥満の予防及び/又は低減に対する多元的アプローチ内でこれらの構図に取り組んでいるものはない。
[00203]TV/画面を見る時間及び活動的な遊び
[00204]American Academy of Pediatrics consensus Statement on Prevention and Treatment of Childhood Obesityは、2才以下の小児をテレビに曝露しないこと、並びに2才を超えた小児は、テレビを見ること及びコンピューターを使用することに対して決められる性質の1日のメディア曝露をわずか1〜2時間に制限することを推奨している。Barlow S.E.、「Expert committee recommendations regarding the prevention, assessment, and treatment of child and adolescent overweight and obesity:summary report」、Pediatrics、120 Suppl 4:S164〜S192(2007年)。これらの推奨基準とは異なり、調査データは、月齢3ヶ月までに、乳児の約40%がビデオ、DVD又はテレビを定期的に観ており、2才未満の小児の90%が毎日テレビを観ていることを示している。Zimmerman F.J.ら、「Television and DVD/video viewing in children younger than 2 years」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、161:473〜9頁(2007年)。
[00205]TV及び画面を見る時間の増加は、複数のコホート及び研究において、未就学児の肥満及び体脂肪蓄積と関連している確かなエビデンスがある。Mendoza J.A.ら、「Television viewing, computer use, obesity, and adiposity in US preschool children」、Int. J. Behav. Nutr. Phys. Act.、4:44(2007年);LaRowe, T.L.ら、「Dietary Intakes and Physical Activity among Preschool Aged Children living in Rural American Indian Communities Prior to a Family−based Healthy Lifestyle Intervention」、J. Am. Diet. Assoc.、110(7):1049〜1057頁(2010年);Certain, L.K.ら、「Prevalence, Correlates, and Trajectory of Television Viewing Among Infants and Toddlers」、Pediatrics、109、643(2002年);Dennison, B.A.ら、「Television Viewing and Television in Bedroom Associated With Overweight Risk Among Low−Income Preschool Children」、Pediatrics、109、1028(2002年)。これに対して、AAPは、身体活動が、年少期に小児肥満をもたらす体重の急速な増加を予防し得ることを示している。American Academy of Pediatrics, American Public Health Association and National Resource Center for Health and Safety in Child Care and Early Education. Preventing Childhood Obesity in Early Care and Education:Selected Standards from Caring for Our Children:National Health and Safety Performance Standards;Guidelines for Early Care and Education Programs, 3rd Edition. http://nrckids.org/ CFOC3/PDFVersion/preventing_obesity.pdf(2010年)。一部の専門家は、毎日、乳児が目を覚ましているときには「腹ばいさせる時間(tummy time)」に目を光らせること、及びブランコ、乳児用シート(例えば、バウンサー)などの乳児用具を使用する場合には、それらへの拘束は短時間しか認めないことを推奨しているが、自宅又は乳児保育環境でのこれらの行動の出現率、及び乳児期における過体重、肥満又は急速な体重増加との関連を評価するデータは入手できない。American Academy of Pediatrics、「Back to sleep, tummy to play」(2008年)。
[00206]親には、自身の年少乳児の活動的な遊びの時間を培う最も制限的でない環境及び粗大運動活動の機会を提供するための教育及び鼓舞が必要であり得る。Ammerman A.S.ら、「An intervention to promote healthy weight:Nutrition and Physical Activity Self−Assessment for Child Care(NAP SACC) theory and design」、Prev. Chronic. Dis.、4:A67(2007年);Benjamin S.E.ら、「Nutrition and physical activity self−assessment for child care(NAP SACC):results from a pilot intervention」、J. Nutr. Educ. Behav.、39:142〜9頁(2007年);National Association for Sport and Physical Education. Active start:A statement of physical activity guidelines for children birth to five years. Washington, DC:NASPE(2002年);American Physical Therapy Association. Lack of time on tummy shown to hinder achievement of developmental milestones, say physical therapists. http://www.apta.org/AM/Template.cfm?Section=Home&Template=/CM/ContentDisplay. cfm&ContentID=57947(2008年)。過体重及び肥満のリスク低減を対象とする早期乳児期及び小児期の介入は、画面を見る時間と関連するリスク、及び若年小児における運動の発達を促すための、画面を見る時間に代わる、身体をよく動かすものについての教育を含むべきである。
[00207]睡眠持続時間
[00208]短い睡眠持続時間が小児肥満と関連すること(Locard E.ら、「ors of obesity in a five year old population:Parental versus environmental factors」、Int. J. Obes. Relat. Metab. Disord. 16:721〜9頁(1992年)を参照のこと)を示唆する報告が1992年に初めてなされて以来、若年小児における睡眠持続時間の低減を、乳児期、歩き始め期及び未就学期における体脂肪蓄積の増加、過体重又は肥満と結び付ける複数の観察研究が確認された(Gillman M.W.、「The first months of life:a critical period for development of obesity」、Am. J. Clin. Nutr.、87:1587〜9頁(2008年);Monasta L.ら、「Early−life determinants of overweight and obesity:a review of systematic reviews」、Obes. Rev.、11:695〜708頁(2010年);Anderson S.E.ら、「Household routines and obesity in US preschool−aged children」、Pediatrics、125:420〜8頁(2010年)を参照のこと)。最近になって、乳児期におけるより短い睡眠持続時間(12時間/日未満)は、3才児におけるより高いBMI zスコア、皮下脂肪測定値及び過体重のオッズの増加と関連付けられた。Taveras E.M.ら、「Short sleep duration in infancy and risk of childhood overweight」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、162:305〜11頁(2008年)。
[00209]乳児期における睡眠持続時間を取り巻く親業行動は、生涯睡眠パターンに影響を与える可能性がある。例えば、月齢5ヶ月まで毎夜少なくとも6時間、睡眠しない子どもは、後に小児期において夜間の睡眠持続時間が短くなるリスクが大きくなり(Touchette E.ら、「Factors associated with fragmented sleep at night across early childhood」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、159:242〜9頁(2005年);Wolke D.ら、「The incidence of sleeping problems in preterm and fullterm infants discharged from neonatal special care units:an epidemiological longitudinal study」、J. Child Psychol. Psychiatry、36:203〜23頁(1995年)を参照のこと)、子どもの睡眠に関する1つの縦断的研究は、「標準」と比較した年齢別の睡眠持続時間が、1〜10才の小児のほぼ90%について一定のままであることを報告した(Jenni O.G.ら、「Sleep duration from ages 1 to 10 years:variability and stability in comparison with growth」、Pediatrics、120:e769〜e776(2007年)を参照のこと)。したがって、限られたデータからではあるが、乳児期における睡眠持続時間は、小児期全体を通じて睡眠パターンの基となるように思われる。
[00210]睡眠と過体重との関係を説明する助けとなるメカニズムは、生理学的な研究結果及び行動についての研究結果の両方に基づく。生化学的マーカーは、乳児及び若年小児の場合にはわずかであるが、成人における睡眠制限は、食欲増進ペプチドであるグレリンの増加及び食抑制ホルモンであるレプチンの低減と関連する。Al−Disi D.ら、「Subjective sleep duration and quality influence diet composition and circulating adipocytokines and ghrelin levels in teen−age girls」、Endocr. J.、57:915〜23頁(2010年);Van C.E.ら、「Sleep and the epidemic of obesity in children and adults」、Eur. J. Endocrinol.、159 Suppl 1:S59〜S66(2008年);Motivala S.J.ら、「Nocturnal levels of ghrelin and leptin and sleep in chronic insomnia」、Psychoneuroendocrinology、34:540〜5頁(2009年)。乳児を対象とした1つの研究は、より低い臍帯血グレリンは、月齢0〜3ヶ月の乳児のより遅い体重増加と関連することを明らかにしたが、交絡変数の影響に取り組む、乳児を対象とするより大規模な研究からの確認は、現在のところ得られない。James R.J.ら、「Low cord ghrelin levels in term infants are associated with slow weight gain over the first 3 months of life」、J. Clin. Endocrinol. Metab.、89:3847〜50頁(2004年)。
[00211]親の摂食行動は、乳児の睡眠に関係し、早期の及び急速な体重増加に強い影響を及ぼし得る。食品、特に人工栄養保育及び補完食品の早期導入を、疲れ果てた−ぐずっている乳児を落ち着かせるアプローチとして又は「乳児への睡眠補助」として親が使用する可能性は、これらの関連のメカニズムの一部であり得る。
[00212]家族と共通の食事
[00213]小児肥満を予防及び/又は低減するための新規構想の一環として、APPは、家族が定期的に一緒に食事を取ることを推奨しており(www.aap.org/obesity/families.html)、定期的な家族の食事の頻度は、小児の栄養的な健康及び体重と有意に関係している。小児の体重状態、食品摂取量及び食パターンを調べる小児(年齢2.8才以上)を対象とする17の研究のメタ分析は、家族の食事の頻度が1週間当たり3食以上である場合には、小児過体重のオッズ(例えば、85パーセンタイル超)が12%低下することを明らかにした。Hammons, A.ら、「Is Frequency of Shared Family Meals Related to the Nutritional Health of Children and Adolescents?」、Pediatrics(2011年)。研究の大多数は、思春期年齢の子どもを含んでいたが、年齢を潜在的な調節因子として試験した場合には、有意でないことがわかった。同様に、米国の4才の子ども約8550人の全国的に代表的なサンプルを対象とした横断的分析により、家族の食事を1週間に少なくとも5回以上、夕方に取ることに取り組んでいる子どもは、家族の食事をほとんど一緒に摂取していない子どもと比較して肥満(95%パーセンタイル超)のリスクが16%低いことが報告された。Anderson S.E.ら、「Household routines and obesity in US preschool−aged children」、Pediatrics、125:420〜8頁(2010年)。年長の乳児及び歩き始めの子どもが家族の食事に参加することを肥満に特異的に結び付けるエビデンスはほとんどないが、最近のFITSの研究の結果は、ファストフードストアレストランで外食をする乳児の比率が高いことを示している。家族そろっての食事時間が、未就学児及びそれより年長の子どもにとっては小児過体重の重要な寄与因子であるように思われる。
[00214]小児肥満症と相関する前記の潜在的に修正可能な親の摂食行動及び関連行動に関しては、一部の最も年少の乳児では、十分な因果関係がまだ確定されていないことに留意しなければならない。摂食行動及び親の関連行動に取り組むための実際的で一般化可能な方法を提供する、十分に対照群を置いた前向き介入研究が、肥満の多発に対処するために必要に迫られている。
[00215]前記因子は、修正可能であるか又は修正可能でないかに分類できる。その場合、修正可能なリスク因子は8つのカテゴリーにグループ分けし得る。要約すると、修正可能な、過体重又は肥満のリスク因子は、以下のように記載できる:(1)母乳を与えること、(2)応答性の摂食方式を利用すること、(3)適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること、(4)子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること、(5)乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること、(6)家族と共通の食事を通じて健康的な食行動を育成すること、(7)TV及び画面を見る時間を制限すること、並びに(8)身体活動の機会を与えること。
[00216]これらの因子は、肥満リスクの計算及び肥満リスクの軽減方法のための基礎を提供する。これらを肥満リスク計算機にインプットして、子どもの個々の肥満リスクを決定できる。
[00217]例えば、子どもが母乳哺育されているか否か、保育者が応答性の摂食方法を使用しているか否か、子どもがバランスの取れた、健康に良い食事を与えられているか否か、又は小児が、主に砂糖を含んだ軽食を食べている否かなどがわかっている場合には、科学的基礎に基づいたアルゴリズムでその情報を使用して、個々の子どもが肥満又は過体重になるリスクを決定することが可能である。
[00218]小児期における肥満予防ストラテジーのエビデンス
[00219]規制肥満を阻止するための介入に関する小児期の研究は、最初は、子どもが過体重であると特定されるか又は体重と関連する医学上の問題があると診断された後の治療に主眼が置かれていた。したがって、学齢児及び特に思春期の子どもの集団における過体重の出現率が持続している(Ogden C.L.ら、「Prevalence of high body mass index in US children and adolescents」、2007〜2008、JAMA 303:242〜9、2007〜2008(2010年);Hedley A.A.ら、「Prevalence of overweight and obesity among US children, adolescents, and adults」、1999〜2002、JAMA、291:2847〜50頁(2004年)を参照のこと)ことを所与として、多くの介入は、学齢児及び特に思春期の子どもを対象としてきた(Bluford D.A.ら、「Interventions to prevent or treat obesity in preschool children:a review of evaluated programs」、Obesity(Silver Spring)、15:1356〜72頁(2007年)を参照のこと)。現行のUSによるガイドラインは、全ての小児の定期健康診断においてBMI測定値を得ること並びに肥満の予防及び/又は低減ストラテジーを検討することに対して、小児科医のサポートを求めるが、多くの保険会社は、「肥満」コードで提出される請求を拒む。Klein J.D.ら、「Adoption of body mass index guidelines for screening and counseling in pediatric practice」、Pediatrics、125:265〜72頁(2010年)。小児肥満症に関する全国調査に応じている677人の小児科医のうち、小児の定期健康診断とは別に過体重の相談及び治療に対する払い戻しがあると報告したのはわずか15%であり、56%は、払い戻しが不十分であると報告した。調査に応じた小児科医のほとんど(82%)は、多くの患者が保険対象外のサービスの費用を支払うことができないということで意見が一致している。Klein J.D.ら、「Adoption of body mass index guidelines for screening and counseling in pediatric practice」、Pediatrics、125:265〜72頁(2010年)。小児を対象とする肥満治療ストラテジーのほとんどは効果的ではなく、体重の維持を縦断的について追跡したものはない。
[00220]肥満研究を治療のみに向けることによって取り組みを誤った可能性があるという認識により、研究は、過剰な体重の早期認識へとシフトした。Taveras E.M.ら、「Weight status in the first 6 months of life and obesity at 3 years of age」、Pediatrics、123:1177〜83頁(2009年);Stettler N.ら、「Early growth patterns and long−term obesity risk」、Curr. Opin. Clin. Nutr. Metab. Care、13:294〜9頁(2010年)。さらに、大多数のプログラムは、学齢児を対象としてきた。これらの子どもの多くは、過剰な体重状態が確立してしまっている。ほとんどの小児肥満予防及び/又は低減アプローチは依然として、学齢期及び思春期の集団を扱っており、成功例はほとんどない。Anzman S.L.ら、「Parental influence on children’s early eating environments and obesity risk:implications for prevention」、Int. J. Obes.(Lond)、34:1116〜24頁(2010年);Baranowski T.ら、「Steps in the design, development and formative evaluation of obesity prevention−related behavior change trials」、Int. J. Behav. Nutr. Phys. Act.、6:6(2009年);Birch L.L.ら、「Preventing childhood obesity:what works?」、Int. J. Obes.(Lond)、33 Suppl 1:S74〜S81(2009年)。乳児集団を対象とした未就学期の介入研究及び臨床試験は少ないが、それらを後述する。
[00221]未就学児における肥満予防介入のエビデンス
[00222]未就学期肥満の予防及び治療介入に関する研究の最近のレビューにより、これらのレビュー中で著者の基準を満たしている無作為化臨床試験は、1995年以降、世界中でわずか8件しか行われていないことが明らかである。Lanigan J.ら、「Prevention of obesity in preschool children」、Proc. Nutr. Soc.、69:204〜10頁(2010年);Bluford D.A.ら、「Interventions to prevent or treat obesity in preschool children:a review of evaluated programs」、Obesity(Silver Spring)、15:1356〜72頁(2007年);Skouteris H.ら、「Healthy eating and obesity prevention for preschoolers:a randomised controlled trial」、BMC Public Health、10:220(2010年)。総説及び主な研究の考察部分に含まれている、引用頻度が比較的高い、未就学期の健康的な食行動及び肥満予防に関する無作為化対照研究は、対象集団内では成功しており、これは、「制限的な摂食」方式の頻度の変化及びエネルギー摂取量の減少(Harvey−Berino J.ら、「Obesity prevention in preschool native−american children:a pilot study using home visiting」、Obes. Res.、11:606〜11頁(2003年)を参照のこと)、並びに介入後の摂食スケールからの知識スコアの増加(Horodynski M.A.ら、「Nutrition education aimed at toddlers:an intervention study」、Pediatr. Nurs.、31:364、367〜4、372(2005年)を参照のこと)によって指摘されている。しかし、体重増加の有意な変化は、報告されなかった。
[00223]0〜5才の乳児及び小児に主眼を置く別のレビューは、食事の改善、身体活動の増加及び/又は行動変化の達成を目標とする非無作為化試験及び対照試験の両方を含むものであった。Hesketh K.D.ら、「Interventions to prevent obesity in 0−5 year olds:an updated systematic review of the literature」、Obesity(Silver Spring)、18 Suppl 1:S27〜S35(2010年)。このレビューにおいて、研究(n=23)は、プレスクール、保育所、養護施設又は社会環境内で行われた。試験の約1/2は、社会経済的に恵まれない子どもを対象とし(n=12)、3/4は2003年以降に発表された(n=17)。介入、研究計画及び研究の質は様々であったが、ほとんどは、それらのアプローチが多面的であり、それらの介入は実行可能であり、親/保育者/保育参加者によって好意的に評価され又は受容されていると報告した。
[00224]乳児期における肥満予防介入のエビデンス
[00225]2才未満の乳児集団又は小児を対象とする肥満予防のための介入の有効性を調査した又は現在検討している研究はほとんどない。Ciampa P.J.ら、「Interventions Aimed at Decreasing Obesity in Children Younger Than 2 Years」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、164巻(12号)(2010年)。早期乳児期への特異的な介入を評価している最近の研究はわずか3件しか確認できなかった。110組の母親−乳児の対を対象とした米国での、無作為化対照パイロット試験は、乳児期における過体重の予防への二成分介入の肯定的な結果を最近報告した。Paul I.M.ら、「Preventing Obesity during Infancy:A Pilot Study」、Obesity(Silver Spring)(2010年)。介入は、訪問看護師の訪問によって提供され、ぐずっている赤ん坊をなだめるために摂食させることに代わるストラテジー及び補完食情報を扱う教育用コンテンツ、摂食の実演、並びに空腹及び満腹の合図の認識に関する指導からなる。この研究において、生後2〜3週に「なだめる/睡眠を取らせる教育の介入」及び生後4〜6ヶ月に「固形食導入教育」を提供された乳児は、1才の時点で有意に低い体重対身長パーセンタイルを実現した。サンプルサイズが比較的小さい及び対象が主に母乳育児されている乳児であるという研究上の制約にもかかわらず、結果から、介入が、乳児が健全な成長を遂げるのを助けるのに効果的であり、これはおそらく、夜間睡眠持続時間の増加、固形食の導入の遅延及び植物性食品の摂取の増加によることが示された。
[00226]2つ目の、最近発表された米国パイロット研究は、生後第1週に登録された80人の乳児と分娩後のその母親とを含めて、乳児の摂食、睡眠持続時間、TVを見ること及び自身の乳児の満腹の合図への母親の応答性に対する教育プログラムの影響を評価した。Taveras E.M.ら、「First Steps for Mommy and Me:A Pilot Intervention to Improve Nutrition and Physical Activity Behaviors of Postpartum Mothers and Their Infants」、Matern. Child Health J.(2010年)。さらに、介入は、母親の分娩後の食事、活動、TV及び睡眠行動に影響を与えることを目標とした。6ヶ月間の短い小児科医メッセージ、健康教育者による動機付け面接/コーチング及び集団親業ワークショップの後には、通常保育対照群と比較して、固形食に導かれた介入乳児は著しく少なかった。介入乳児は、通常保育を施された乳児よりも、TVを見る時間が短く、夜間睡眠持続時間が大幅に増加し、落ち着かせるのに必要な時間が短かった。乳児の体重状態に有意差は検出されなかったが、対照乳児と比較して、傾向は体重対身長zスコアの小さい変化を示し、介入においては最も高い体重対身長四分位値が認められた乳児は少なかった。小児科医を中心としたこの非無作為化介入プログラムは、自身の体重に関する母親の分娩後行動に影響を与えるのに直接的には効果的でなかったが、多成分介入は、母親が取っている乳児の体重と関連する行動を改善する傾向があった。
[00227]3つ目の研究は、WICプログラムに参加している、フォーミュラのみで哺育されている生後3〜10週の乳児を登録した。教育的な介入は、乳児の満腹サインを認識すること及びフォーミュラの容量を哺乳瓶1本当たり6オンス以下に制限することに主眼を置く1つのセッションからなるものであった。月齢4ヶ月において評価した場合、体重増加、フォーミュラの摂取量又は親の行動に関して、介入乳児と対照乳児との間に差は認められなかった。この研究には、サンプルサイズが小さい及び追跡不能例が多いという制約があった。Kavanagh K.F.ら、「Educational intervention to modify bottle−feeding behaviors among formula−feeding mothers in the WIC program:impact on infant formula intake and weight gain」、J. Nutr. Educ. Behav.、40:244〜50頁(2008年)。
[00228]複数の介入成分を扱う、乳児における肥満予防のための早期介入試験に関する、進行中の無作為化対照研究プロトコールは、オーストラリアで少なくとも3つのグループ、ロンドンで1つのグループ、イタリアで1つのグループ、米国でさらに1つのグループによって発表されているが、今日に至るまで、乳児を誕生から対象にしているのは1つのグループのみである。Wen L.M.ら、「Early intervention of multiple home visits to prevent childhood obesity in a disadvantaged population:a home−based randomised controlled trial(Healthy Beginnings Trial)」、BMC Public Health、7:76(2007年);Campbell K.ら、「The Infant Feeding Activity and Nutrition Trial(INFANT) an early intervention to prevent childhood obesity:cluster−randomised controlled trial」、BMC Public Health、8:103(2008年);Daniels L.A.ら、「The NOURISH randomised control trial:positive feeding practices and food preferences in early childhood − a primary prevention program for childhood obesity」、BMC Public Health、9:387(2009年);Watt R.G.ら、「Effectiveness of a social support intervention on infant feeding practices:randomised controlled trial」、J. Epidemiol. Community Health、63:156〜62頁(2009年);Groner, J.ら、「Anticipatory Guidance for Prevention of Childhood Obesity:Design of the MOMS Project」、http://cpg.sagepub.comcontent/48/5/483(2009年)。参加者によるこの介入の受容は肯定的であることが報告されており、肥満予防に対する影響の結果が待たれるところである。Wen L.M.ら、「Evaluation of a feasibility study addressing risk factors for childhood obesity through home visits」、J. Paediatr. Child Health、45:577〜81頁(2009年)。
[00229]もう1つの探索的無作為化対照試験が、英国で、月齢18ヶ月未満の乳児に関して目下進行中である。これは、高リスクの乳児(体重が95パーセンタイル超の乳児、又は未就学期の肥満の兄弟姉妹を有する乳児、又は肥満の母親を有する乳児)におけるさらなる肥満の予防を目標としている。定性的なパイロットデータとして発表された、予備結果は、多成分介入が、高リスクの離乳期の子どもにおける肥満予防のための潜在的に効果的なアプローチとなり得ることを示唆している。Barlow J.ら、「Preventing obesity at weaning:parental views about the EMPOWER programme」、Child Care Health Dev(2010年)。
[00230]現行の推奨基準
[00231]文書で十分に実証されている、小児集団における肥満予防のための、エビデンスに基づく介入がないにもかかわらず、医学団体、栄養学団体及び他の科学団体は、利用可能な最善の情報に基づく推奨基準を提示する責任を負っている。小児肥満症と関連する大部分の因子の因果関係の立証は依然として文書による裏付けがないので、推奨基準は、「健康的な活動及び食パターン」を促進する環境因子及び社会因子に対して様々に重点を置きながら小児期における食事及び活動の両パターンを改善するヒポクラテス的及び常識的なアプローチに依拠する。
[00232]2010年2月に、Michelle Obama大統領夫人は、「Let’s Move」キャンペーンを開始した。これは、2030年までに一世代で肥満率を低減し、小児肥満率を、1970年代後半と同様な比率である5%まで戻すことを目指すものであった。White House Task Force on Childhood Obesity Report to the Presidentは、これらの推奨基準の基礎を形づくる以下の4つの柱に基づく一連の具体的な推奨基準を含む:(1)親及び保育者に権利を与えること;(2)学校で健康的な食品を提供すること;(3)健康的な、手ごろな価格の食品の確保を改善すること;並びに(4)身体活動を増加させること。これらは、最も包括的な一連の推奨基準を構成し、我々の社会の全ての利害関係者の参加を伴う。
[00233]しかし、大多数の推奨基準は、未就学児及びそれより年長の子どもに関するものである。乳児期に直接関連するTask Forceの推奨基準の成分としては、妊婦健診を強化すること、母乳哺育を促進すること、環境における化学的影響物質の影響を評価すること、「画面を見る時間」を低減すること、及び国内の保育環境の質を改善することが挙げられる。
[00234]AAPの専門家委員会の推奨基準は、2才で始まる小児のための小児過体重ガイドラインを提供しており(Barlow S.E.、「Expert committee recommendations regarding the prevention, assessment, and treatment of child and adolescent overweight and obesity:summary report」、Pediatrics、120 Suppl 4:S164〜S192(2007年)を参照のこと)、ADAは、過剰体重を有する2才未満の小児に関しては監視の及ばない介入は推奨していない(American Dietetic Association. Evidence Analysis Library Evidence−based Pediatric Weight Management Nutrition Practice Guideline、http://www.adaevidencelibrary.com、2010年12月にアクセス(2011年);Nicklas T.A.ら、「Position of the American Dietetic Association:nutrition guidance for healthy children ages 2 to 11 years」、J. Am. Diet. Assoc.、108:1038〜7(2008年)を参照のこと)。Guidelines from The Health and Human Services Healthy People 2020は、2才を超える小児を対象とするストラテジー及びプログラムに等しく主眼を置いている。U.S.Department of Health and Human Services, HealthyPeople.gov.、http://www.healthy people.gov/2020/default.aspxで入手可能、2011年1月3日アクセス(2011年)。入手可能なデータを所与として、推奨基準は、因果関係が立証されていない関連因子に基づいている。
[00235]誕生時に始まり、乳児及び歩き始めの子どもの食事及び食パターンに主眼を置く、肥満を予防するための介入が、必要とされるが、研究されていない。妊娠可能な女性への妊娠前介入及び妊婦健診を含む、全年齢における問題の全ての局面に対処する包括的なアプローチがこのような多発に取り組むのに重要であり、必要である一方で、生涯の最初の2年は、個人の一生を通じて続く摂食、食事及び行動パターンを確立する唯一無二の潜在的な絶好の機会を提供する。過体重及び肥満は、乳児期において既に確認でき、この多発の特徴である。生後極めて早期の月齢及び年齢は、柔軟性の高い期間である。この決定的な時期に、食物摂取、食行動及び食事パターンが開始され、急速に推移し、それらは、既に肥満と関連している因子につながる可能性がある。Anzman S.L.ら、「Parental influence on children’s early eating environments and obesity risk:implications for prevention」、Int. J. Obes.(Lond)、34:1116〜24頁(2010年)。
[00236]提示する方法
[00237]上記のように、肥満を阻止するための介入に関する小児の研究の主眼は、学齢児の肥満の治療及び予防であった。これらの取り組みは、ほとんど成果がなかった。2才未満の年齢の小児の体重状態は、歩き始め期から、続いて成人期まで持ち込まれることが立証されている。この若年集団における過体重の比率を成功裏に低減するための介入は、十分に留意されていない。さらに、定量的な摂食推奨基準又は国の食品栄養ガイドラインは、2才未満の年齢の、家庭で保育されている米国の小児に対しては利用できない。2才未満の乳児集団又は小児を対象とする肥満予防のための介入の有効性を調査した又は現在検討している研究はほとんどない。Ciampa P.J.ら、「Interventions Aimed at Decreasing Obesity in Children Younger Than 2 Years」、Arch. Pediatr. Adolesc. Med.、164巻(12号)(2010年)。早期乳児期への特異的な介入を評価している最近の研究はわずか3件しか確認できなかった。Paul I.M.ら、「Preventing Obesity during Infancy:A Pilot Study」、Obesity(Silver Spring)(2010年);Taveras E.M.、「Racial/ethnic differences in early−life risk factors for childhood obesity」、Pediatrics、125:686〜95頁(2010年);Kavanagh K.F.ら、「Educational intervention to modify bottle−feeding behaviors among formula−feeding mothers in the WIC program:impact on infant formula intake and weight gain」、J. Nutr. Educ. Behav.、40:244〜50頁(2008年)。1件の研究のみが、1才の時点の体重状態に対して有意な効果を示した。Paul I.M.ら、「Preventing Obesity during Infancy:A Pilot Study」、Obesity(Silver Spring)(2010年)。生涯の最初の2年間を通じて適切な成長を促進するのに効果的な介入を開発することが依然として必要である。
[00238]2才以下の小児における過体重及び肥満の問題に対処する上で、2つの因子が特に重要である。第1の因子は、子どもの個々の肥満リスクに関する情報を親又は保育者に伝える必要性であり、第2の因子は、これらの方法の有効性を最大限に生かす個別化アプローチの必要性である。
[00239]保育者が小児肥満に対する修正可能なリスク因子に対処する方法に基づいて個々の子どものリスクを計算できることにより、保育者に必須情報が提供され、保育者はインフォームドチョイスを行うことができる。本開示の多成分摂食システム/方法は、全ての人種/民族性及び社会経済学的状態の初めて子どもを持つ母親を対象とした非対面方式の教育システムであり、子どもが過体重又は肥満になるリスクを減少させるための、特化された(個別化された)行動指導を提供するように設計されている。自身の子どものリスクに関する個別化された知識により、保育者は、子どもが肥満になるのをより上手に予防することができる。多成分摂食システムは、以下の4つの主な成分を有する:教育用コンテンツ、乳児の発育段階によって逐次的に送達されるコンテンツの実行をサポートするツール、指導を提供するサポートサービス、及び子どもの個別リスク情報を保育者に提供する肥満リスク計算機。
[00240]第1の成分は、教育的な成分であり、少なくとも8つのすぐ使用可能であり修正可能な、肥満及び過体重に関与するリスクに対処するコアメッセージを含む。以下の因子、(1)母乳を与えること、(2)応答性の摂食方式を利用すること、(3)適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること、(4)子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること、(5)乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること、(6)家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること、(7)TV及び画面を見る時間を制限すること、並びに(8)身体活動の機会を与えることを、種々の手段を介して親又は保育者に送る。
[00241]教育的な成分は必ずしも、列挙した8つの因子のみを含むのではない。小児肥満と関連するすぐに使用可能であり修正可能な因子に関係する多数のメッセージを送達し得る。一実施形態においては、1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上のメッセージがあり得る。また、メッセージは必ずしも、因子であるもののみに制限されない。メッセージは、関連する知識、指示、促進するもの及び動議付け、並びに各コアメッセージの採用を促進するのに必要な、障害を乗り越える方法を含み得る。
[00242]メッセージはまた、メッセージを受け取る個人に対して特化させることもできる。個別化教育は、親又は保育者が、提供された情報及び指導にきっちりと従うよう促す。
[00243]教育的な成分のメッセージは、無作為には送達されない。これらは、妊娠第3期に始まり、乳児の発育段階によって逐次的に送達される。順序は、これらの因子が典型的に起こる発育のマイルストーンに関して予期的なものである(例えば、固形食品の導入に関するメッセージは、補助でおすわり期において固形食を導入する前の新生児期の段階で送達される)。
[00244]第2の成分は、教育用コンテンツの送達の開始及び維持を手助けするツールの提供である。ツールとしては、例えば、メッセージ送達チャネル、例えば、印刷物、電話、専用ウェブサイト、ビデオ及び携帯電話アプリケーションが挙げられる。メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの及び成長チャート/追跡ツールなどの追加のツールも、ウェブサイト及び携帯電話アプリケーションを通じて又は印刷物の形態で提供することができる。
[00245]第3成分は、メッセージの情報を増加及び補完するためのサポートサービスの提供を含む。追加のサポートは、登録栄養士及び/又は認定された乳汁分泌専門家の形態で、無料電話サービス、ウェブサービス、ビデオチャットなどを通じて提供し得る。
[00246]第4の成分は、肥満リスク計算機である。肥満リスク計算機により、母親又は他の保育者は、0〜2才の子どもが持っている肥満になるリスクの正確なレベルを理解できるようになる。また、肥満リスク計算機によって、前記の修正可能なリスク因子のうちどれがその肥満リスクレベルを得る際に作用するかを正確に理解することができる。その情報により、特化された及び個別化された、肥満リスクを軽減するプランを、母親又は他の保育者に提供することができる。肥満リスク計算機は、8つの鍵となる修正可能なリスク因子に関して保育者が子どもに対して行う決定に関係する情報のインプットを処理する。これらの8つの修正可能なリスク因子は、教育的な成分において同様に検討し、教育的な成分から得た情報が子どもの個々の肥満リスクに直接関連することがわかるようにする。肥満リスクの計算に使用できる8つの因子は、以下の通りである:1)保育者が子どもに母乳を与えるか否か、2)保育者が、応答性の摂食方式を用いて子どもに摂食させるか否か、3)保育者が、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えるか否か、4)保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否か、5)保育者が、乳児に対して砂糖入り飲料をどの程度与えず、歩き始めの子どもに対してそれらをどの程度制限するか、6)保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否か、7)保育者が、どのくらいの時間、子どもがTVを観て過ごすこと又は他の画面を見る時間を持つことを許すか、並びに最後に、8)保育者が、子どもに身体活動の機会をどのくらい与えるか。情報は、年齢に応じた段階を予想して、8つの修正可能なリスク行動の各々に関して収集し、その情報を、肥満リスク計算機へのインプットとして使用して、子どもの個々のリスクを決定する。
[00247]一定の間隔で、母親又は他の保育者を、肥満リスク計算機に向かわせて、子どもの2歳以内のいずれかの時点で過体重又は肥満になる、子どもの個々のリスクを評価する。計算機は、2つの副成分を有する。第1の副成分は、簡単で短い質問票であり、質問票は、基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報(例えば、母親のボディマスインデックス、教育レベルなど)と共に、修正可能なリスク因子を行う母親の現時点でのレベルに関して母親に質問するものである。1つから全ての範囲の修正可能なリスク因子を、子どもの年齢に応じて評価する。
[00248]第2の副成分は、2歳以内に過体重又は肥満になる子どもの個々のリスクを決定する、科学的基礎に基づいたアルゴリズムである。質問票項目からの応答を、アルゴリズムにインプットする。アウトプットが、2歳以内に過体重又は肥満になる子どもの確率パーセントである。
[00249]肥満リスク計算機は、個々の子どもに関する全体的リスクを提供する。さらに、ツールは、子どものその発育段階に適用できる各修正可能なリスク因子に関する保育者の決定から特異的なリスクを特定する。次に、情報を、進行中の他の3つの成分に組み込む。多成分摂食システムは、アルゴリズムからのアウトプットを使用して、特化された(個別化された)行動指導プランを母親又は保育者のために開発する。このプランは、母親又は保育者に対して、特定されたリスク因子への注意を促すこと、次いで母親又は保育者を、特定されたリスク因子に関係する特異的な教育用コンテンツ及びツールに向かわせることを含む。子どもの特定されたリスク因子に関係しないモジュール及びコアメッセージもさらに、同じ予期的及び逐次的な方法で送達して、それらの新しいコアメッセージの採用を促進するのを助ける。
[00250]計算機を用いた定期的な再評価により、母親又は保育者は、個々の子どもの過体重又は肥満のリスクの変化を監視するようにし向けられ、それによって、個々の子どもに対する行動指導プランの継続的な最適化が可能となる。
[00251]母親又は保育者は、妊娠第3期にそのシステムに入ること、及び子どもの誕生に備えて肥満リスク計算機成分を使用することができる。別法として、子どもの誕生後にシステムに入ることも可能である。これらの場合、システムは最初に、母親又は保育者を、肥満リスク計算機を使用するようにし向けて、子どもの現在の過体重/肥満リスクを決定する。それがわかったら、母親又は保育者は次に、システムに入り、最初に特化された(個別化された)行動指導ブランを受け取る。子どもの年齢に基づき、母親又は保育者は、新しいコアメッセージの採用を促進するための、予期的及び逐次的に新しいメッセージを送達するのに適切な教育モジュールを受け取り始める。
[00252]肥満リスク計算機から得た情報は、親又は保育者に示し得るだけでなく、医師又は他の医療従事者と共有するか又は医師又は他の医療従事者に伝達することができる。したがって、この情報を用いれば、医療的ケアを子どもに対して特化させ、ヘルスケア専門家によって保育者に与えられた助言をいっそう効果的にすることができるであろう。
[00253]当業者ならば、肥満リスク計算の結果を、保育者又はヘルスケア専門家に様々な方法で伝達し得ることがわかるであろう。情報は、図で若しくはチャートとして又は説明書などで提供できる。情報は、テキストメッセージによって、電子メールで、安全なウェブサイトを通じて又は他の同様な手段を通じて保育者又はヘルスケア専門家に送ることができる。
[00254]開示した個別化された多成分摂食システム/方法の1つの利点は、それが、肥満リスク計算機を用いて、個々に最適化された方法で、肥満と関連する8つ全ての修正可能なリスク因子に対処する最初のシステム/方法であることである。
[00255]多成分摂食システム/方法の別の利点は、それが、個別化された予期的指導を使用し、誕生前に始まる有効なシステムであって、2才の時点でのBMIを低下させ、並びに小児期及び成人期を通じて肥満に対する保護を提供する、2才の時点での良い摂食方式及び摂食関連方式を構築するシステムであることである。本システム及び方法の別の利点は、最低限の人材育成しか必要とせず並びに高い治療フィデリティー及び対費用効果を確実にする非対面方式の介入であるため、個別化された多成分摂食システムを任意の公衆衛生プログラムによって送達して肥満を予防できることである。本システム及び方法のさらに別の利点は、個別化された多成分摂食システムを、あらゆる集団群(例えば、人種/民族性、SES状態)に送達して、肥満を予防できることである。
[00256]使用が簡単で効率的であることに加えて、本方法は、同一の使用者に多くの利点をもたらし得る。例えば、母乳哺育に関しては、本方法は、母乳哺育の開始率を増加させ、完全母乳哺育の持続期間を長くし、あらゆる母乳哺育の持続期間を長くするのに役立ち得る。補完食品への導入に関しては、本方法は、固形食の早期導入(月齢4ヶ月未満)を減少させ、果汁の早期導入(月齢6ヶ月未満)を減少させ及び母乳哺育されている子どもに対して月齢6ヶ月での肉の導入を増加させるのに役立ち得る。
[00257]食事の質に関しては、本システム/方法は、ファストフードレストランでの食事及び間食の頻度を減少させ、果物としてのエネルギーの割合を増加させ、果物の摂取量を増加させ、野菜としてのエネルギーの割合を増加させ及び野菜全般の摂取量を増加させるのに役立ち得る。特に、本方法は、例えば、ブロッコリー、ホウレンソウと他の葉野菜並びにロメインレタスを含む濃緑色の野菜の摂取量を増加させ並びに例えば、ニンジン、パンプキン、サツマイモ及び冬カボチャを含む濃黄色の野菜の摂取量を増加させるのに役立ち得る。さらに、この方法は、例えば、アーティチョーク、アスパラガス、ビート、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、セロリ、キュウリ、ナス、グリーンビーンズ(green bean)、レタス、キノコ、オクラ、タマネギ、ピーポッド(pea pod)、ピーマン、トマト/トマトソース、ワックスビーン/イエロービーンズ(yellow bean)及びズッキーニ/夏カボチャを含む他の野菜の摂取量を増加させ、でん粉質の野菜(例えば、これらに限定するものではないが、ジャガイモ、コーン、グリーンピース、未熟なライマメ、ササゲ(black−eyed pea)(未乾燥)、カッサバ及びルタバガ)に対する濃緑色野菜及び濃黄色野菜の摂取比を増加させるのに役立ち得る。一般的に言えば、本システム及び方法は、濃緑色野菜、濃黄色野菜、他の野菜及びでん粉質野菜のカテゴリーに基づく種々の野菜の摂取量を増加するのに役立ち得る。
[00258]さらに、本方法は、未精白穀物としてのエネルギーの割合を増加させ及び未精白穀物の摂取量を増加させるのに役立ち得る。加糖飲料、デザート食品、塩気のあるスナック、及び高脂肪低栄養の食品、並びに高ナトリウム高脂肪の加工肉の摂取量の低減も、本システム及び方法のメリットである。
[00259]さらに、食事の量に関しては、本方法は、適切なカロリー摂取量(kcal数/kg/day)、適切な主要栄養素分布(総エネルギーの%)及び適切な微量栄養素摂取量(通常摂取量≧EAR)を制御するのに役立つ。
[00260]さらにまた、肥満の予防及び/又は低減に加えて、本方法は、他の医学的疾患に関して役立ち得る。例えば、本方法は、2型糖尿病、高血圧症、心臓疾患、慢性疾患、シンドロームXなどの予防及び/又はそのリスクの低減にも役立ち得る。
[00261]個別化された多成分摂食システムのさらなる利点は、肥満リスク計算機をヘルスケア提供者が独立して使用して、患者相談を改善できることである。ヘルスケア提供者は、肥満リスク計算機からの結果を使用して、患者に対して与える助言を個別化及び特化させることができ、その結果、ヘルスケア提供者は、小児肥満の予防及び低減においてより良い転帰を達成できる。肥満リスク計算機によってレポートを作成する場合には、提示されたデータは、子どもを保育するあらゆるヘルスケア提供者及び保育者に送達することができる。
[00262]本方法の第1の成分に関しては、小児肥満と関連するすぐに使用可能であり修正可能な因子に関係するコアメッセージを、保育者及び乳児に送達し得る。コアメッセージは、すぐに使用可能な、潜在的に修正可能な、親又は保育者の関連摂食行動に主眼を置くことができる。コアメッセージの例は、表2で要約してあり、2つのタイプのメッセージに分けてある。しかし、当業者ならば、他の同様なコアメッセージも提供できること及びメッセージの他のタイプ又はカテゴリー化も使用できることがわかるであろう。メッセージは、摂食及び栄養摂取のコアメッセージを含み得る。これらのメッセージの例としては、以下を挙げることができる:母乳を与えること、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること、並びに乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること。メッセージはまた、摂食関連行動のコアメッセージを含み得る。このタイプのメッセージの例としては以下を挙げることができる:子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること、TV及び画面を見る時間を制限すること、身体活動の機会を与えること。
[00263]メッセージは、サブメッセージを含み得る。例えば、一次レベルメッセージとして、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えるように、母親又は保育者に指示することができる。母親又は保育者に、例えば、月齢2ヶ月から、赤ん坊の果汁及び加糖飲料摂取を制限し始めるよう、又は月齢4ヶ月から、赤ん坊が自宅以外で取る食事の回数を最小限にする制限し始めるよう告げることができる。当業者ならば、サブメッセージが、コアメッセージの主題と関連する栄養上及び発育上適切なメッセージを包含し得ることがわかるであろう。実際に、当業者ならば、サブメッセージが、本明細書中に記載した例に限定されないことがわかるであろう。
[00264] 表2−コアメッセージ送達のタイミングの例
Figure 2014522032

Figure 2014522032

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[00265]表2に示すように、コアメッセージはそれぞれ、特定の時間に特定の順序で母親又は保育者に送達し得る。しかし、当業者ならば、表2に示した特定のタイミングは、肥満リスク計算機の結果に基づき、それぞれの特定の乳児/歩き始めの子ども/親などの要求に合わせてわずかに修正すべきであることがわかるであろう。他方で、前述のように、コアメッセージは、乳児の発育段階に関して予期的及び逐次的に送達する。例えば、コアメッセージは、妊娠第3期に始まり、乳児の発育段階によって逐次的に送達し得る。すなわち、順序は、これらの因子が典型的に起こる発育のマイルストーンに関して予期的なものである(例えば、固形食の導入に関するメッセージは、月齢4〜6ヶ月の補助でおすわり期において固形食を導入する前の、月齢0〜4ヶ月の新生児期の段階で送達される)。異なる発育のマイルストーン/段階の例を、以下の表3に示す。
[00266] 表3−発育のマイルストーン/段階
Figure 2014522032

Figure 2014522032

Figure 2014522032
[00267]さらに、本方法の別の成分は、メディアツールの形態でのコアメッセージの送達を含む。教育モジュールコンテンツのサポートに役立つメディアツールは、空腹及び満腹の合図の視覚的な又は書面による説明、メニュープランナー、一人前の分量のサンプル、母乳哺育トラッカー、成長追跡ツール又はそれらの組合せからなる群から選択できる。例えば、メディアツールは、各発育段階に適切な空腹及び満腹の合図のビデオ、メニュープランナー、典型的な一人前の分量を視覚化したもの、印刷された成長チャート、母乳哺育トラッカー、成長追跡ツールなどであることができる。当業者ならば、これらのツールはまた、対象となる親及び保育者に特化すべきことがわかるであろう。例えば、母親が、一人前の分量を決めるのが困難である場合には、一人前の分量の画像及び例が提供されるであろう。これに対して、一人前の分量が特定の母親又は保育者にとって問題とならない場合には、これらのツールはそれほど重視されず、肥満計算機の結果に基づく、より高いリスク因子と関連するツールが優先されるであろう。
[00268]コアメッセージ及びツールは、例えば、文書(例えば、送達される米国郵便物)、電話、ウェブベースのもの(例えば、電子メール、専用ウェブサイトなど)、ビデオ、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム又は他のこのようなソースを含むメディアソースの1つ又は組合せによって送達できる。実際に、当業者ならば、メッセージ及びツールの送達に使用するメディアソースが、本明細書中に記載したそれらの例に限定されるものではないことがわかるであろう。当業者ならば、メッセージ及びツールを送達するための方法もまた、子どもの特定の親又は保育者に特化させて、最も成功裏に特定の個人に届く送達方法に主眼を置き得ることがわかるであろう。
[00269]一実施形態において、保育者又は母親がメッセージの送達によって順調に物事を順調に進める助けになるように、追加のサポートソースを提供することができる。例えば、追加のサポートソースとしては、登録栄養士及び/又は認定された乳汁分泌専門家を挙げることができる。栄養士及び/又は認定された乳汁分泌専門家は、保育者又は母親に対して、助言を与え、質問に答え及び保育者又は母親にメッセージを実施し続ける気にさせる状態であり得る。一実施形態において、栄養士及び/又は認定された乳汁分泌専門家は、フリーダイヤルプロバイダーを介して母親に電話サポートを提供できる状態である。栄養士又は専門家はまた、ウェブチャット若しくはビデオチャット又は他の同様なテクノロジーを介して利用できるようにし得る。
[00270]前述のように、コアメッセージ及びツールは、各乳児の発育のマイルストーンに同期するときに送達し得る。例えば、コアメッセージ及びツールは、各乳児が近づきつつある発育段階より前に送達されるように予期的であり得る。また、コアメッセージ及びツールは、予期される発育段階に関係のある食事、摂食及び摂食行動のみに対処して、逐次的に送達することもできる。コアメッセージ及びツールを予期的、逐次的に送達することによって、保育者は、既に確立された行動を変えようとするのではなく、むしろ、行われる前に行動を決めようとする。これは、行動が行われる前にパターンを決めるのではなく行動を変えることに向けられる、小児肥満の低減又は予防のためのほとんどの先行技術の方法とは、正反対のものである。教育的な介入の時期及び対象の例は、前記表2に示してある。また、送達のタイミングは、肥満リスク計算機からの結果によって必然的に影響されることになる。
[00271]様子を見ながら種々の時点で、肥満リスク計算機を使用して、肥満及び過体重の状態を予防するアプローチを自身の子どもに特化させるよう親又は保育者に促す。例えば、妊娠第3期に、また子どもが特定の発育のマイルストーンに達したときに、肥満リスク計算機を使用するよう親に求めることができる。当業者ならば、肥満リスク計算機の使用のタイミングは、子ども及び親又は保育者の要求によって異なり得ることがわかるであろう。
[00272]肥満リスク計算機は、2つの部分:背景情報を扱う短い質問票及び各修正可能なリスク因子を行う現時点でのレベルについての短い質問票を含む。質問票は、書面で、電子的に又は電話で記入することができる。
[00273]次に、結果を、子どもの個々のリスクを決定するための科学的基礎に基づいたアルゴリズムに入力する。当業者ならば、計算されるリスクが、質問票の結果、及び特定された修正可能な因子のそれぞれからのリスクを最小限にするように親又は保育者が行動している程度に左右されることがわかるであろう。アルゴリズムより計算された結果は、子どもが、生涯の最初の2年において過体重又は肥満になる確率パーセント、及び各修正可能なリスク因子からの特異的なリスクのレベルがどの程度であるかである。
[00274]当業者ならば、次に結果を用いて本システム/方法を特化させ及び個別化することによって、最もリスクの高い修正可能な因子が特定され、保育者が測定された因子からのリスクを軽減するよう促されることがわかるであろう。計算機からの個別化情報は、2才未満の小児における肥満又は過体重の状態を予防するための、特に効率的で効果的なシステム又は方法を可能にする。
[00275]また、当業者ならば、開示したシステム/方法は、コンピューターを使用して実施できることもわかるであろう。本システム/方法は、コンピューター及び必要なデータを含むコンピューター可読媒体、並びに肥満リスクの計算に使用する少なくとも1つのアルゴリズムを実装する適切なソフトフェアを実行するコンピューターの使用説明書を用いて効率的に実施できる。一実施形態において、1つのアルゴリズムのみを使用する。
[00276]子どもの保育者から収集された情報は、コンピューター上のデータベースに保存できる。子どもの全体的な健康の背景、人口統計学的及び生物学的情報、並びに小児肥満リスクと関連する各修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関する収集された情報を、コンピューターで実行されるプログラムにインプットし、科学的基礎に基づいたアルゴリズムを用いて処理して、子どもが、生後最初の2年以内に過体重又は肥満になる確率パーセントを計算することができる。アルゴリズムを実装するプログラムは、各修正可能なリスク因子から、その子どもに特異的なリスクを計算することができる。
[00277]さらに、コンピューターを用いて、個々の子どもに特化された行動指導プランを作成できる。当業者ならば、コンピュータープログラムが、子どもが、過体重又は肥満になる計算された確率パーセント及び修正因子からの子どもの特異的なリスクレベルに対して最適化された指導プランを作成できることがわかるであろう。
[00278]要約すると、肥満と関連して多発する健康危機は、世界的にも米国国内でも存在していることは明らかである。この危機に対する解決策が、全ての社会階層、政府、並びにエネルギー摂取量及び身体活動を決定する個人及び環境の側面に対処する民間団体の参加を必要とすることは疑いない。
[00279]この開示は、小児期の過体重の問題の大きさ、及び早期介入の必要性を要約するものである。問題の発生は年少期にみられることを示す文献は、多く、増えつつある。今日現在、問題を改善するための取り組みの大多数は、肥満者及びその合併症の管理及び治療法に主眼を置いている。明らかに、遺伝子因子、母体因子及び一般的な環境因子に対処することが必要であるが、修正可能でない可能性があるものも、よりゆっくりした速度で発生し得るものもある。これまで、食品(そのカロリー密度及び組成を修正すること)に多くの注意が向けられている。これでは、少なすぎる。年少期におけるエネルギー摂取量及び消費量を決定する食事全般並びに個人及び環境の修正可能な因子にはほとんど注意が向けられていない。最近になって、学齢期及びそれより年長の集団での潜在的介入に真剣な取り組みがなされている。これらは依然として必要であるが、これでは遅すぎる。摂食パターン、食事習慣及び関連行動は、極めて年少期に確立されることはますます明白になりつつあるが、より大きな効果をもたらす可能性がより高い、潜在的に予防的な介入(すなわち、乳児期の、誕生から始める、又はそれ以前の介入)に関する研究には、いまだに主眼が置かれていない。
[00280]乳児期における肥満関連因子を含む、肥満と関連する非常に多くの因子があるが、因果関係の実証は手探り状態である。出願人は、これらの因子の一部を使用して、小児に主眼を置く大規模な肥満予防への独自の、実際的なアプローチを開発した。このアプローチには、誕生前における、及び長期にわたって影響を及ぼし得る食事に関係する行動に関する適正なプログラミングの影響を最も受けやすいライフステージにおける、母親の教育から始める介入を用いた。
[00281]実際には、出願人は、肥満と関連する、8つの鍵となる修正可能な因子全てを系統的に扱う、個別化されたシステム/方法を開発した。出願人のシステム/方法は、8つの修正可能なリスク因子に関する、特化された(個別化された)行動指導システムを提供する。これは、子どもの肥満リスクを低減し、母親又は他の保育者が子どもの生涯の最初の2年間及びそれ以降において良い摂食方式及び摂食関連方式を構築するのを助けるためのものである。
[00282]これらのシステム/方法は、肥満リスク計算機によって特定された個々の小児のリスクに対して特化され、そのリスクに対処できるようになっているメッセージ、ツール及びサービスは、計算機の結果に基づいて親又は保育者の要求に同様に対処するようにカスタマイズできる。本システム/方法は、実際には、肥満に関する追加情報を提供する。この追加情報は、例えば、個別化された治療及び相談を提供するヘルスケア提供者によって、本システム/方法の他の部分と独立して使用することさえ可能である。さらに、本開示は、良くない行動が形成され続けるのを予防するために、行動が現れる前に行動の選択に影響を与える教育を、特化された逐次的及び予期的な方法で送達する介入を提供する(例えば、母乳哺育に関する妊娠期の決断から生涯の最初の2年を通じて)。最後に、本開示は、完全に非対面方式である介入を提供する。したがって、この介入は、対面方式の介入よりも対費用効果の高く、スケールアップして大規模な集団に影響を及ぼすことがより容易である。
[00283]
[00284]出願人は、妊娠第3期から開始する、大規模な全国的に代表的な健常乳児集団における前向き無作為化対照臨床試験を計画した。この試験は、計算された肥満リスクに基づいて個別化され、特化された多成分摂食システムの、食事、成長及び他の健康転帰に対する効果を、生涯の最初の2年を通じて及びその後の小児期において評価するものである。計算された肥満リスクに基づく多成分摂食システムは、完全な、栄養上及び発育上適切なプログラムであって、健康的な食事摂取、摂食習慣及び成長を乳児期及びそれ以降において促進するように科学的に設計され、個々の子ども及び親又は保育者に特化されたものである。特に、この研究は、コアとなる摂食メッセージ、ストラテジー、並びに健康的な食事と、肥満と関連する8つの修正可能な因子に基づく小児肥満の予防とに関連する実際的な親への摂食提案を送達する予期的な指導アプローチを利用する。これらのコアとなる摂食メッセージは、以下の通りである:(1)母乳を与えること、(2)応答性の摂食方式を利用すること、(3)適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること、(4)子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること、(5)乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること、(6)家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること、(7)TV及び画面を見る時間を制限すること、並びに(8)身体活動の機会を与えること。メッセージは、乳児の発育段階(例えば、月齢0〜約4ヶ月の「新生児期」、月齢4〜6ヶ月の「補助でおすわり期」、月齢6ヶ月+の「おすわり期」、月齢8ヶ月+の「ハイハイ期」、月齢12ヶ月+の「歩き始め期」及び月齢24ヶ月+の「未就学期」)を予期して、適切な時期に行うものとする。エビデンスに基づく摂食ガイドラインは、前記表2に示すように、母乳哺育、補完食品の適切な導入、良い親の摂食方式、並びに乳児及び若年小児の健康的で自立した食行動及び活性行動に関する、教育、鼓舞及び積極的なサポートに主眼を置くものである。提供されるメッセージ、ツール及びサポートは、個々の子どもの肥満リスクの計算結果に基づいて、その子どもに特化させる。リスクは、背景及び各リスク因子に関して取った行為を扱う、親又は保育者に与えられた短い質問票によって計算する。質問票の結果を、科学的基礎に基づいたアルゴリズムにインプットし、2才までに肥満になる子どもの個々のリスクを得る。
[00285]研究の対象及び目的
[00286]小児肥満と関連するすぐに使用可能であり修正可能な因子に基づき、食事及び摂食方式を最適化する、生涯の最初の2年間における個別化された、エビデンスに基づく多成分摂食システムを開発及び実施すること。摂食システムは、背景情報及び前記の8つの修正可能なリスク因子のそれぞれを含む短い質問票から計算された各子どもの個別肥満リスクに基づいて実施する。質問票の回答をアルゴリズムにインプットし、生涯の最初の2年間に子どもが肥満になるリスクを得る。研究の間に、出願人は、システムの有効性を以下に関して実証する:(i)介入期間中の、介入期間後の及び場合によっては長期にわたる食事及び摂食パターンの改善;並びに(ii)乳児期及び小児期早期における乳児の成長(例えば、BMI)。本実施例の研究は、前向き無作為対照試験で生涯の最初の2年を通じて、個々の肥満リスクに基づく個別化された多成分摂食システムを非介入対照と比較して、並びに個々の子どもに特化していない一般的な介入と比較して、実施及び検討することを目標とする。
[00287]研究の仮説
[00288]対照群と比較して、出願人は、乳児及び歩き始めの子どもの介入群が、一次転帰及び二児転帰の両方を示すと考える。一次転帰としては、例えば、体重増加率、体重対身長及び/又はBMIの低下が挙げられる。二次転帰としては、例えば、母乳哺育の開始率及び持続時間の増加;食事の質(例えば、エネルギー、食品群)の改善;かなり遅い導入年齢における固形食の摂取;果汁、加糖飲料、デザート食品及び高脂肪低栄養の食品の摂取量の減少及び/又は導入の遅延;果物、野菜及び繊維の摂取量の増加;適切なカロリー及び主要栄養素の分布;栄養状態の生化学マーカーの改善;毎夜の睡眠時間の推奨基準の達成;TV/画面を見る時間の減少と身体をよく動かす遊びの時間の増加;ファストフードレストランでの食事及び間食の減少;並びに家族の食事により頻繁に参加することが挙げられる。出願人はまた、個々の子どもの肥満リスクに特化していない一般的な介入と比較して、目下試験するシステムが、乳児及び歩き始めの子どもにおける肥満又は過体重の状態を予防するのにより効果的であると考える。
[00289]対照群と比較して、出願人は、介入群の親は、乳児及び小児の食事及び摂食行動に関する知識の増加;並びに良い摂食行動の開始及び維持(例えば、乳児の空腹及び満腹の合図に対する認識及び応答の増加、並びに摂食における責任の分割など)、制限的な摂食方式を使用しているという認識を示すと考える。出願人は、計算された子どもの肥満リスクに基づき、そのリスクに特化されたシステムを受け取っている群は、乳児及び小児の食事及び摂食行動並びに良い摂食行動の開始及び維持に関する知識の改善レベルが最も大きいと考える。
[00290]全体的な研究計画
[00291]この研究は、米国住民を全国的に代表する、母親−乳児の対の前向き無作為対照試験として計画されている。このために、全国的に代表的なサンプルの、初めて子どもを持つ母親を、妊娠第3期におけるそのWIC参加状況によって層別化し、肥満計算機を用いて子どものリスクにシステムを特化させる多成分摂食システム、子どもの個々の肥満リスクに特化させない一般的な介入方法、又は通常のケア実施基準を提供される対照群のいずれかに無作為に割り付けるものとする。
[00292]介入は妊娠第3期において開始し、その時点で、母乳育児の鼓舞及び教育を提供し、研究の最初のフェーズは、子どもが2才になった時点で終了する。初期の転帰が持続されていることを確認するために、4才まで及び場合によってはそれ以降まで研究を継続する可能性も考えられる。
[00293]個人化多成分摂食介入群:
[00294]この介入は、妊娠30〜36週から始まる、母親に送達される教育及び指示モジュールと、それに続いて、誕生時とそれ以後少なくとも2ヶ月毎に子どもが2才になるまでの教育モジュールの送達を含む。多成分摂食教育システムは、特異的なコアメッセージを送達する教育モジュールと、教育モジュールコンテンツをサポートするメディアツールとを含み得る。介入は、2つの副成分を含む肥満リスク計算機の結果に基づく。母親は、研究の開始時に、背景情報と、前に列挙した8つの修正可能なリスク因子に関係する現時点の実践に関する情報を含む短い質問票に記入する。次に、結果を、科学的基礎に基づいたアルゴリズムにインプットして、子どもが2才までに肥満になるリスク及び修正可能なリスク因子によるリスクの破壊を計算する。次いで、その情報を用いて、特定の母親−子どもの対に最も適用可能なリスク因子に主眼が置かれるように系を特化させる。
[00295]母親を、一定の間隔で肥満リスク計算機に向かわせ(訪問毎に又は電話で)、系を、計算機の結果に基づいて継続的に修正する。
[00296]教育モジュールは、簡単で、実際的であり、発表された観察研究に基づいて、小児肥満との関連が大きい因子の対処に特に主眼を置く。コアメッセージはまた、すぐに使用可能な、潜在的に修正可能な親の関連した摂食行動に主眼を置く。
[00297]教育モジュールコンテンツのサポートに役立つメディアツールとしては、例えば、各発育段階に適切な空腹及び満腹の合図のビデオ、メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの、成長チャート、母乳哺育トラッカー、及び成長追跡ツールなどを挙げることができる。コアメッセージ及びツールの送達は、伝達手段:文書(例えば、送達される米国郵便物)、ウェブベースのもの、ビデオ及び携帯電話アプリケーションの組合せによって、遂行できる。
[00298]コアメッセージ及びツールは、各乳児の発育のマイルストーンに同期したときに送達し得る。
[00299]教育的な介入の時期及び対象の要約は、下記表4に示してある。登録栄養士及び/又は認定された乳汁分泌専門家は、事後対応の電話サポートを24時間中提供できる状態である。
[00300] 表4−コアメッセージ送達及び転帰測定のタイミング
Figure 2014522032

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[00301]一般的な多成分摂食介入群:
[00302]この介入は、妊娠30〜36週から始まる、母親に送達される教育及び指示モジュールと、それに続いて、誕生時とそれ以後少なくとも2ヶ月毎に子どもが2才になるまでの教育モジュールの送達を含む。多成分摂食教育システムは、特異的なコアメッセージを送達する教育モジュールと、教育モジュールコンテンツをサポートする特異的なメディアツールとを含み得る。全ての対は、同じメッセージングを受ける。
[00303]教育モジュールは、簡単で、実際的であり、発表された観察研究に基づいて、小児肥満との関連が大きい因子の対処に特に主眼を置く。コアメッセージはまた、すぐに使用可能な、潜在的に修正可能な親の関連した摂食行動に主眼を置く。
[00304]教育モジュールコンテンツのサポートに役立つメディアツールとしては、例えば、各発育段階に適切な空腹及び満腹の合図のビデオ、メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの、成長チャート、母乳哺育トラッカー、及び成長追跡ツールなどを挙げることができる。コアメッセージ及びツールの送達は、伝達手段:文書(例えば、送達される米国郵便物)、ウェブベースのもの、ビデオ及び携帯電話アプリケーションの組合せによって、遂行できる。
[00305]コアメッセージ及びツールは、各乳児の発育のマイルストーンに同期したときに送達し得る。例えば、コアメッセージ及びツールは、各乳児が近づきつつある発育段階より前に送達されるように予期的であり得る。コアメッセージ及びツールは、子どもの食事、摂食及び摂食行動が発達するにつれて、逐次的に送達することができる。
[00306]教育的な介入の時期及び対象の要約は、前記表4に示してある。登録栄養士及び/又は認定された乳汁分泌専門家は、事後対応の電話サポートを24時間中提供できる状態である。
[00307]対照群:
[00308]対照群の家族は、公表されている母乳哺育教材並びに乳児及び歩き始めの子どものための摂食推奨基準の標準的なケアを受ける。
[00309]転帰の測定:
[00310]親及び乳児のデータの収集は、ウェブ及び/又は電話による親の質問票、電話面接による24時間食事思い出し法(マルチパススルーアプローチ法(multiple pass through approach methodology)を使用)(FITS調査と同様)、身体計測、並びに栄養状態と関連する生物学的マーカーの評価のための採血を用いて行った。前記表3は、転帰の測定のタイミングの概要を示す。
[00311]選択基準/除外基準:
[00312]これまでに子どもを持ったことがなく、妊娠第3期である18〜45才の妊娠女性は、同意書の提出、電話へのアクセス及びワールドワイドウェブへのアクセスを自由に行うことができ、英語で意思疎通ができ、並びに最低でも2年間にわたって研究プロトコールに従う意思があるならば、参加に適格である。自己申告の妊娠前BMIが40kg/m以上である女性であって、医師による妊娠診断前に、慢性内科疾患(1型及び2型糖尿病、PKU、重度の精神及び情動障害、妊娠糖尿病を伴うセリアック病を含む)があると医師又はヘルスケア提供者によって診断されている女性は、研究から除外する。重度の先天性異常を持って生まれた、或いは妊娠37未満で生まれた、代謝性疾患、又は成長及び/若しくは経口的に摂食する能力及び/若しくは身体活動を妨げる可能性がある、精神障害若しくは身体障害のある乳児は除外した。食事摂取、健全な成長及び発育又は活動に悪影響を及ぼすことが知られている慢性の健康問題を有する乳児は、その後に分析から除外するが、研究への参加は認めた。
[00313]サンプルサイズ:
[00314]2才の時点での平均BMIzスコアの群間差を検出するために、1515組の母親/乳児の対のサンプルを、研究のために募集した。このサンプルは、50%の減少率を想定し、検出力を80%として、有意水準5%での両側検定でこのようなBMI変化を検出する。
[00315]本明細書中に記載した現在好ましい実施形態の種々の変更及び修正は、当業者には明白であることを理解すべきである。このような変更及び修正は、本発明の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、また、所期の利点を損なうことなく、実施できる。したがって、このような変更及び修正は添付の特許請求の範囲によって網羅されることを意図する。

Claims (20)

  1. 小児肥満を低減するための方法であって、
    子どもの発育段階に関して予期的及び逐次的に、保育者に複数のメッセージを送達するステップであって、メッセージが、小児肥満と関連する修正可能な因子に関係し、送達が、非対面方式の伝達方法を用いて実施される、当該ステップ、を含み、
    前記メッセージが、肥満リスク計算機を用いて計算された、子どもが肥満になるリスクに基づいて、子どもに対して個別化され、
    前記肥満リスク計算機が、肥満リスクを計算するための、質問票と科学的基礎に基づいたアルゴリズムとを含む少なくとも2つの副成分を含み、
    前記送達が、母親の妊娠第3期に始まって少なくとも2年間持続する、
    方法。
  2. 前記子どもが肥満になるリスクが、肥満リスク計算機を用いて、小児肥満と関連する修正可能な因子に関して収集された情報に基づいて計算され、
    修正可能なリスク因子の1つから全てが、肥満リスク計算機で子どもの年齢に応じて評価される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記質問票が、母親及び子どもに関する基本的な生物学的情報又は人口統計学的情報と共に、修正可能なリスク因子を行う保育者の現時点でのレベルに関する質問、を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 肥満リスク計算機で評価される修正可能なリスク因子の少なくとも1つが、
    1)保育者が、子どもに母乳を与えるか否か、
    2)保育者が、応答性の摂食方式を用いて子どもに摂食させるか否か、
    3)保育者が、適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えるか否か、
    4)保育者が、子どもが十分な睡眠を取ることを確実にするか否か、
    5)保育者が、乳児に対して砂糖入り飲料をどの程度与えず、歩き始めの子どもに対してそれらをどの程度制限するか、
    6)保育者が、家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成するか否か、
    7)保育者が、どのくらいの時間、子どもがTVを観て過ごすこと若しくは他の画面を見る時間を持つことを許すか、並びに
    8)保育者が、子どもに身体活動の機会をどの程度与えるか、
    又は、前記1)〜8)の組合せ、
    のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記質問票の項目からの応答がアルゴリズムにインプットされ、アウトプットが、2歳以内に過体重/肥満になる子どもの確率パーセントである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記肥満リスク計算機が、小児肥満と関連するそれぞれの関連のある修正可能な因子に特異的なリスクレベルを計算する、請求項2に記載の方法。
  7. 保育者を一定の間隔で前記肥満リスク計算機に向かわせる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記肥満リスク計算機からの情報を使用して、小児肥満を低減する方法に対して、個別化された修正を行う、請求項1に記載の方法。
  9. 前記方法は、
    メニュープランナー、一人前の分量を視覚化したもの、母乳哺育トラッカー、成長追跡ツール及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの教育ツールを保育者に提供するステップ、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの教育ツールが、郵送物、電子メール、ビデオ、電話、印刷された情報源、ウェブ関連アプリケーション、携帯電話アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム及びそれらの組合せからなる群から選択されるメディアソースによって保育者に提供される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記方法は、
    各修正可能なリスク因子から子どもに特異的なリスクを得るステップと、
    子どもの肥満になる確率パーセント及び各因子からの特異的なリスクを、電子メッセージ、印刷されたレポート、印刷された図、テキストメッセージ、電話、ウェブ関連アプリケーション、コンピューターで実行されるプログラム、携帯電話アプリケーション及びそれらの組合せからなる群から選択されるソースを介して、示すステップと、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記方法は、
    登録栄養士、認定された乳汁分泌専門家及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのサポートソースを保育者に提供するステップ、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 発育段階が、新生児期、補助でおすわり期、おすわり期、ハイハイ期、歩き始め期、未就学期及びそれらの組合せからなる群、から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 小児肥満の低減が、子どものボディマスインデックスの低減である、請求項1に記載の方法。
  15. 複数のメッセージの少なくとも1つが、摂食及び栄養摂取因子に関係し、
    「自身の赤ん坊を母乳哺育すること」、「適切な発育段階で自身の赤ん坊を固形食及びカップからの飲料摂取に導くこと」、「適切な発育段階で栄養価の高い補完食品及び飲料を与えること」、「乳児に対して砂糖入り飲料を与えず、歩き始めの子どもに対してはそれらを制限すること」、「自身の赤ん坊の果汁及び砂糖入り飲料の摂取を制限すること」、「自宅以外での食物及び食事の頻度を最小限にすること」及びそれらの組合せからなる群、から選択される、請求項1に記載の方法。
  16. 複数のメッセージの少なくとも1つが、摂食関連行動因子に関係し、
    「自身の赤ん坊に、空腹及び満腹の合図に基づいて摂食させること」、「家族の食事に自身の赤ん坊を含めること」、「テレビ及び画面を見る時間を制限すること」、「自身の赤ん坊に十分な睡眠を取らせること」、「自身の赤ん坊が身体をよく動かす機会を与えること」、「応答性の摂食方式を利用すること」、「子どもが十分な睡眠を取ることを確実にすること」、「家族と共通の食事及び決まった食事時間を通じて健康的な食行動を育成すること」、「TV及び画面を見る時間を制限すること」、「身体活動の機会を与えること」及びそれらの組合せからなる群、から選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記保育者に複数のメッセージを送達するステップが、
    子どもに摂食させることに関係する少なくとも1つの行為をするよう、保育者に指示すること、を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記方法は、
    子どもの保育に関与する子どもの保育者及びヘルスケア提供者にレポートを配布するステップ、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記方法は、
    2型糖尿病、高血圧症、心臓疾患、慢性疾患又はシンドロームXを発症するリスクを低減するステップ、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  20. 小児肥満を低減する、コンピューターによって実行される方法であって、
    請求項1〜請求項19からなる群から選択される方法、
    を含む、当該方法。
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