本発明は、請求項1の冒頭部分に記載の、直線移動によってガスが漏れない方法で流路を閉鎖するための真空バルブ、及び、請求項11の冒頭部分に記載の、対応する閉鎖部材に関する。
請求項1の冒頭部分に記載の真空バルブ及び請求項11の冒頭部分に記載の閉鎖部材は、スイス国、ハーグのVAT Vakuumventile AGによって製品名「MONOVAT Series 02 and 03」で矩形挿入バルブとして開発された切換バルブの形で、特に公知である。例えば、米国特許第4,809,950号(Geiser)及び米国特許第4,881,717号(Geiser)に、このようなバルブの設計及び操作方法が、概略的な方法で説明される。
一般に、バルブハウジングに実現された開口に通じる流路を実質的にガスが漏れない方法で閉鎖するための真空バルブが、従来技術の様々な実施形態で公知である。汚染粒子が存在できない、保護された雰囲気で行われる必要がある特に集積回路と半導体の製造分野で、真空ゲートバルブが使用される。例えば、半導体ウエハ又は液晶基板の製造プラントでは、感度の高い半導体又は液晶素子が、いくつかのプロセスチャンバを順に通過し、チャンバでは、プロセスチャンバ内にある半導体素子が、処理デバイスによってその都度処理される。プロセスチャンバ内で処理している間も、プロセスチャンバからプロセスチャンバへ搬送している間も、感度の高い半導体素子は、常に保護された雰囲気、特に真空中に保たれなければならない。プロセスチャンバは、例えば連絡路によって、互いに接続されており、1つのプロセスチャンバから次のプロセスチャンバへ部品を移動させるために、真空ゲートバルブによってプロセスチャンバを開くことができ、各処理段階を実行するために、続いて、ガスが漏れない方法でプロセスチャンバを閉じることができる。このタイプのバルブは、説明された適用分野により、真空切換バルブとも呼ばれ、また、それらの矩形開口断面により、矩形ゲートバルブとも呼ばれる。
切換バルブが用いられる際、とりわけ感度の高い半導体素子の製造の間、特にバルブの動作によってもたらされる粒子の生成や、バルブチャンバ内の自由粒子の数が、可能な限り低く保たれる必要がある。粒子は、主として、例えば金属−金属間接触及び擦過による摩擦の結果として生成される。
真空バルブで使用されるシールに対する要求は、非常に高い。一方で、バルブの閉鎖状態では、バルブの緊密性が、確保されなければならない。これは、特に、真空領域の大きな差圧、及び、結果として生じるバルブ閉鎖体に作用する大きな力のため、大きな課題となる。極端に大きな加圧の場合、使用されるシールは、平均を超える高いレベルの摩耗を被り、又は、破壊されるので、差圧力がシールに作用できないように、又は、限られた方法でシールに作用できるだけであるように、バルブを設計しなければならない。更に、シール上の横断方向の荷重及び長手方向の荷重を、できる限り小さく保たなければならない。特に、シールの長手方向に対する横断方向の荷重の場合、O−リング形状のシールでは、ホルダ、特に固定された溝から、シールが引き離される危険性がある。加硫されたシールであっても、非常に限られた横断方向の力に晒すことしかできない。バルブの開放及び閉鎖状態の両方で、シールは活動的な媒体に部分的に晒されるので、影響に耐えることができるように、及び/又は、媒体の流路外に移動して、擦過を回避するように、シールを作成しなければならない。極端に大きなシールの摩耗は、プロセスの信頼性に対する不確定要素に相当し、シールの定期的な交換を必要とし、結果としてプロセスの停止時間の増加をもたらす。
真空バルブ、特にバルブのシール及び駆動技術、の様々な実施形態が、従来技術から公知であり、特に、これらの実施形態の目的は、プロセスの信頼性を改善すること、そして、使用されるシールの耐用年数を増加させることである。
各駆動技術に応じて、特に、バルブゲート又は矩形ゲートとも呼ばれるゲートバルブと、シャトルバルブの間に差異が生じ、従来技術における開閉は、多くの場合、2段階で実行される。第1段階では、バルブ閉鎖部材、特に閉鎖アクチュエータが、例えば米国特許第6,416,037号(Geiser)又は米国特許第6,056,266号(Blecha)から公知の、特にL−型の、ゲートバルブの場合には、弁座と実質的に平行に開口を覆って直線的に移動をし、又は、例えば米国特許第6,089,537号(Olmsted)から公知のシャトルバルブの場合には、閉鎖アクチュエータとバルブハウジングの弁座との間に同時にいかなる接触も生じさせずに、開口を覆って旋回軸のまわりを旋回する。第2段階では、開口がガスが漏れない方法で閉鎖されるように、閉鎖アクチュエータをバルブハウジングの弁座上へその閉鎖側により押圧する。例えば、閉鎖アクチュエータの閉鎖側に配置され、開口まわりの弁座上に押圧されるシールか、又は、閉鎖アクチュエータの閉鎖側が押圧される弁座上のシールリングによって、シーリングを実行可能である。シール、特にシールリングを、溝中で保持及び/又は加硫することが可能である。
様々なシールデバイスが、従来技術、例えば、米国特許第6,629,682 B2号(Duelli)から公知である。シールリングに適切な材料としては、例えば、Viton(登録商標)の商品名で公知の弾性シール材料がある。
とりわけ、まず第1に、弁座にシールを接触させずに開口を覆って閉鎖部材が横断方向に押され、続いて、弁座上へ実質的に垂直に閉鎖部材が押圧される、説明された2段階移動の利点は、精密な方法で通過流を制御する可能性に加え、シールが横断方向又は長手方向に荷重をかけられずにほとんど垂直に押圧されることである。しかしながら、特に、閉鎖部材のL字状の移動を可能にする単一の駆動装置によって、又は、例えば2つの直線駆動装置若しくは1つの直線及び1つの拡張駆動装置といった、複数の駆動装置によって、形成される駆動装置の比較的複雑な設計は、欠点となる。拡張駆動装置は、多くの場合閉鎖アクチュエータの後ろに直接位置し、拡張駆動装置を設けるシャフトに関連して垂直方向に弁座上へ前記閉鎖アクチュエータを調節するが、互いに対して相対的な移動を実行する多数の機械部品が弁内部に配置される欠点も有する。多数の機械部品の配置は、一方では、設計の複雑さ、他方では、プロセスに害を及ぼす摩擦粒子の生成を増加させる。多段階移動の更なる欠点は、完全開放状態と完全閉鎖状態間の閉鎖部材の制限された調整速度である。直線的な方法でのみ調節されるウェッジバルブは、高い調整速度を確実に可能にするが、シール上への横断方向の荷重のため、真空領域でのメインシールとしての使用に、限られた方法で適切なだけであり、仮に適切であったとしても、いくらかの調整サイクルに対してだけとなる。
閉鎖及びシール操作が単一の直線移動によって確実に実行されるゲートバルブによって、前記の問題は、解決されるが、シールは、シール上への横断方向の荷重が完全に回避されるような形状となる。このようなバルブとしては、例えば製品名「MONOVAT Series 02 and 03」で公知の、矩形挿入バルブとして開発された、スイス国ハーグのVAT Vakuumventile AG製の切換バルブが挙げられる。例えば、米国特許第4,809,950号(Geiser)及び米国特許第4,881,717号(Geiser)に、このようなバルブの設計及び操作方法が、説明される。
前記文献に説明されるバルブは、ハウジングにシール面を有し、バルブ経路開口の軸方向に見た場合に、一方が他方の後ろに連なり、絶えまなく広がる湾曲により横断方向外側に広がる平坦なシール面部となる部分を、シール面は有するが、いくつかの部分を有する前記一部シール面の母線は、バルブ経路開口の軸と平行になる。シール面は、機械加工される。閉鎖部材は、周辺閉鎖シールのための対応した支持面を有する。より詳細に説明すると、いわゆるバルブゲートは、ゲートハウジング、及び、平面で移動可能な閉鎖部材によって閉鎖可能なゲート経路開口を有する。ゲート経路開口の領域には、閉鎖部材に配置された周辺閉鎖シールが閉鎖部材の閉鎖位置で当接するシール面が、提供され、このシール面の直線の母線が、ゲート経路開口の軸と平行になる。一まとまりの周辺閉鎖シールは、異なる平面に設けられた、様々な長さ及び/又は形状の部分を有しており、周辺閉鎖シールの2つの主要部分は、ゲート経路開口の軸と直角な平面に設けられ、互いに間隔を置いて配置される。周辺閉鎖シールの2つの主要部分は、側部によって接続される。ハウジングのシール面の展開のために、閉鎖部材は、対応して広がり周辺閉鎖シールを支承する面を有する。周辺閉鎖シールの側部は、U字状に広がる。U字状に広がる前記側部の脚部は、いずれも、平面に設けられる。ゲート経路開口の軸方向に見た場合に一方が他方の後ろに連なるシール面の一部は、主要部分が共通な、直線の、軸方向に平行な母線を有する領域で、シールの主要部分を当接するための横断方向外側に広がる平坦なシール面部となる。互いに平行で、ゲート経路開口の軸と平行な平面に、前記平坦なシール面部は設けられる。
直線移動によって閉鎖可能なこのような切換バルブのための適切な駆動装置が、特開平6−241344号公報(Buriida Fuuberuto)に提供される。前記文献に説明される駆動装置は、閉鎖部材が装着されたコネクティングロッドの直線変位のための、偏心して装着されたレバーを有する。
米国特許第2008/0053957 A1号(Wakabayashi)は、とりわけ、複数段階のL字状の移動によって、又は、直線移動によって、閉鎖可能な、ねじれた又は曲がったバルブ断面を有する基板処理装置のためのバルブゲートを説明する。
従来技術から公知の、米国特許第4,809,950号(Geiser)で説明されるバルブゲートが、図8a及び図8bを利用して、以下で説明される。「MONOVAT Series 02 and 03」の製品名で公知の、スイス国ハーグのVAT Vakuumventile AGによって矩形挿入バルブとして開発された、切換バルブは、高さより幅がかなり大きい、矩形開口断面を有するが、単に概略的な方法で図に示されるバルブゲートは、シール面の展開をより適切に図示するように、丸い開口断面を有する。
図8aに示されるように、直線移動によってガスが漏れない方法で流路を閉鎖するためのバルブ101は、流路のための開口103を有したバルブハウジング102を含み、開口103は、流路に沿った幾何学的開口軸104を有する。図8bに示される閉鎖部材105は、図8aに示されるように、開口103を放つ開放位置から開口103を覆うように直線的に押される閉鎖位置へと、閉鎖部材平面107上に、開口軸104に対して垂直に延びる幾何学的調整軸106に沿って、閉じる方向108に直線的に移動可能で、そして、開く方向109へと逆に移動可能である。
図8a及び図8bは、別々に分解した状態のバルブハウジング102及び閉鎖部材105を示し、特に調整軸106が2つの部品102及び105の相対位置及び調整機能を明らかにする。
曲線状の第1シール面110は、バルブハウジング102の開口103を取り囲む。閉鎖部材105の第2シール面111は、第1シール面110と対応し、第1シール面110と対応する形状を有し、そして、閉鎖部材105に配置される。バルブハウジング102の第1シール面110の設計は、特に以下で説明される。第1シール面110と対応した同等の設計のため、対応する第2シール面111の詳細な説明は、省略可能である。
シール(図示せず)は、例えば加硫されたシール又はO−リングの形で、第2シール面111及び/又は第1シール面110上に好ましくは配置され、前記シールは、それぞれのシール面に沿って、特に示された鎖線に沿って広がる。簡略化のために、シール表面110及び111は、シーリングされる面、すなわちシール又は弁座として以下で扱われる。
第1シール面110は、いずれも調整軸106と平行ではない、様々に成形された部分112a、112b、114a、114bから組み立てられる。第1シール面110の部分112a、112b、114a、114bの面法線120は、いずれも調整軸106と平行な方向成分を有する。言い換えると、短い線によって図示される面法線120として図8aに示されるように、第1シール面110のすべての面法線120は、少なくとも部分的に、開く方向109に向けられる。すなわち、開く方向への方向成分を有する。更に言い換えると、第1シール面110は、開く方向109に垂直又は傾斜して向けられ、どの部分も調整軸106と平行に広がらない。結果として、第1シール面のどの面法線120も、調整軸106が垂直に貫通する幾何学的法平面と平行に延びない。
図8aの第1シール面110の第1主要部分112a、及び、図8bの第2シール面111の対応する第1主要部分112a’は、幾何学的第1主面113aに沿って広がる。第1主要部分112aの面法線120は、第1主面113a内に存在する。図8aの第1シール面110の第2主要部分112b、及び、図8bの第2シール面111の対応する第2主要部分112b’は、幾何学的第2主面113bに沿って対照的に広がる。前記主要部分112bの面法線120は、第2主面113b内に存在する。第1主面113a及び第2主面113bは、互いに間隔を置いて配置され、互いに平行に、そして、閉鎖部材平面107と平行に広がる。結果として、第1主要部分112a及び反対の第2主要部分112bは、調整軸106に対して横断方向、開口軸104の方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。開口103は、調整軸106に沿って広がる領域の、2つの対向する主要部分112aと112bの間に、配置される。
第1シール面110の横断方向の第1U字状側部114aは、第1シール面110の一方の側で第1主要部分112a及び第2主要部分112bを接続し、第1シール面110の横断方向の第2U字状側部114bは、第1シール面110の他方の側で第1主要部分112a及び第2主要部分112bを接続する。
第1U字状側部114a及び第2U字状側部114bは、いずれも、第1主要部分112aと連なった第1脚部115a、第2主要部分112bと連なった第2脚部115b、及び、基部115cを含む。いずれも調整軸6に平行で、いずれも第1主面113aに存在する、第1脚部平面に沿って、2つの第1脚部115aは、いずれも広がる。言い換えると、2つの第1脚部115a及び第1主要部分112aは、平面、すなわち、第1主面113aに沿って広がり、第1脚部115aの、及び、第1主要部分112aの面法線は、前記第1主面113a内に存在する。また、調整軸6に平行で、いずれも第2主面113b内に存在する、第2脚部平面に沿って、2つの第2脚部115bはいずれも広がる。言い換えると、第2脚部115b及び第2主要部分112bは、平面、すなわち、第2主面113bに沿って広がり、2つの第2脚部115bの、及び、第2主要部分112bの面法線は、前記第2主面113b内に存在する。また、第1主要部分112a及び第2主要部分112bと同様に、2つの第1脚部115aは、結果として、調整軸106に対して横断方向、開口軸104の方向に、2つの第2脚部115bに対して、幾何学的オフセットを有する。
第1U字状側部114a及び第2U字状側部114bのそれぞれの基部115cは、いずれも、第1脚部115a及び第2脚部115bを互いに接続し、そして、調整軸106に対して横断方向、開口軸104に平行な方向に、幾何学的オフセットを橋絡する。2つの基部115cは、調整軸106が垂直に貫通し、開口軸104に平行な、共通の幾何学的平面E上に存在する。
閉じる方向108に調整軸106に沿って直線的に閉鎖部材105を移動させることによって、第2シール面111が第1シール面110上を閉じる方向8へ押圧し結果として第1シール面110と封止する接触をする閉鎖位置に、第2シール面111を移動させることができ、その結果、閉鎖部材105がその横断方向の閉鎖体面119でガスが漏れない方法で開口103を閉鎖する。
前記真空バルブは、従来技術から公知で、単一の直線移動によって閉鎖可能だが、2つの移動によって閉鎖可能で、比較的複雑に設計された駆動装置を必要とする切換バルブと関連して、又は、横断方向にシールに作用するウェッジバルブと関連して、多数の利点を有する。上記の真空バルブの閉鎖部材は1つの部品であるので、速動及び緊急の閉鎖のために前記バルブを同様に使用できるように、閉鎖部材は高い加速力を受けることができる。バルブの非常に高速な開閉が可能となるように、閉鎖とシーリングを、単一の直線移動によって実行することができる。周囲のシールは、部分のすべてで、多様な閉鎖操作のための、明らかに再現可能な状態を提供する。閉鎖の間に及び閉鎖圧が発生する場合に、シールへの垂直方向又は部分的に長手方向ではあるが、シールへの横断方向の力が回避されるように長手方向の広がりに対して横断方向ではない、直線閉鎖移動の方向にだけ、シールに実質的に作用するので、前記真空バルブは、真空及び高真空範囲での質の高いシーリングタスクに適切である。また、シールへの高い要求を満たすために、シール面を機械加工することができる。閉鎖部材自体は、互いに対して移動をするできるだけ少ない部品を含み、プロセスに害を及ぼす、特に摩擦によって、とりわけ金属擦過並びに金属及びプラスチック材要素の研磨粒子によって生じる、部品からの粒子の生成を、広範な方法で回避することができる。
しかしながら、図8a及び図8bから見てとれるように、説明されたバルブ101の欠点は、開口103近くに横断方向に配置された、2つの側部114a及び114bが、開口103の幅に対してバルブハウジング102の幅を増加させることである。2つのシール面110及び111のU字状の遷移領域は、バルブハウジング102の幅の広がりを結果として増加させる。L字状の移動展開を伴うL−型のゲートバルブと比較して、説明された直線的に調節可能なバルブ101は、比較的幅が広い。多くの用途の場合、問題ではないが、予め定められたハウジング幅を維持しながら、開口幅をできる限り広くしなければならない、特に切換バルブの、操作範囲が存在する。主要部分112a及び112bの横側面をより急勾配にし、結果として面法線120と調整軸106間の角度を拡大することが、確かに可能であり、その結果、シール面110及び111の構成は、調整軸106に対して平行な構成に近づくが、シール上の長手方向の荷重は、急勾配の側面の領域でシールの長手方向の展開に沿って増加する。これにより、開口幅に対してバルブの設置幅が確実に減少するが、シールはより大きな摩耗に晒される。
説明されたバルブの大きな利点は、バルブの展開によって、閉鎖の間、シールの長手方向の広がりに対して横断方向に、シールが横断方向の荷重に晒されないことである。他方で、開口軸104に対するバルブの横断方向の広がりによって、特に、大きな差圧がある場合に、開口軸104に沿って閉鎖部材105に生じる、閉鎖部材105に作用することがあり得る力を、シールは、ほとんど吸収できず、閉鎖部材105、部材の駆動装置及び部材の装着配列がしっかりとした方法で設計されることを必要とする。
説明されたバルブは、非常に小さな粒子の生成によって既に特徴づけられているが、バルブでの不必要な粒子の生成を更に減少させる試みも行われている。
数多くのプロセスで、シールのシール材料を化学的に相当な程度まで腐食する活動的な気体−例えば活動的なプラズマ流−が、使用される。この状況は、特に半導体産業分野のエッチング処理又はコーティング処理で見受けられる。閉鎖部材の閉鎖位置の場合、特に閉鎖した弁体の場合であっても、媒体は動的なメインシールへ移動し、シールによって遮断されるため、弁体の動的なメインシールはバルブの一方の側に存在する活動的な媒体に絶えまなく晒される。したがって、弁体の動的なメインシールは、活動的な媒体に晒されて、摩耗をある程度増加させる。
半導体技術の発展の結果、真空バルブ技術に関する要求は、過去数年に渡り、絶えまなく増加し続けている。新しい半導体製造法は、結果として、真空バルブのシールが更に短い間隔で交換されることを要求する。従来技術から現在まで公知の真空バルブは、例えば静的シールとして実現されるO−リングを交換することによって、シールの部分的な交換を可能にする。加硫された静的なシールを、対照的に、含んだ接続の真空バルブでは、シールの迅速な交換が行われるが、時折必要とされる弁体全体の交換は不可能である。
このため、例えば、シールが配置される弁体を除去して、弁体を新しい弁体に交換することによって、動的なシールの簡単な交換が可能となるように、上記のタイプの真空バルブは一様に設計される。弁体の簡単な除去のためのメンテナンス開口、及び、弁体とバルブ駆動部のコネクティングロッドの間の迅速な交換に適したインターフェイス、及び、適切な多機能ツールを提供する、上記目的のために設計された真空ゲートバルブが、米国特許第7,134,642号(Seitz)に説明される。
しかしながら、比較的迅速な、シール、複数のシール又はバルブ閉鎖体全体の簡単な交換でさえ、プロセスの遮断、場合によっては周囲空気によるチャンバのフラッディング、及び、交換部品の使用を必要とする。シールの耐用年数を増加させて、結果として、メンテナンス及び交換間隔を増加させることが望ましい。
したがって、実質的にガスが漏れない方法で流路を遮断するバルブ、及び、対応する閉鎖部材、そして、増加した耐用年数を有するそれらの動的なシールを提供することが、本発明の目的である。
冒頭部分に記載したタイプの真空バルブ、並びに、簡単な設計、高い調整速度、シールへの小さな荷重、減少した設置幅及び増加した耐荷重性によって特徴づけられる対応する閉鎖部材を作成することが、本発明の更なる目的である。
前記の目的は、独立請求項の特徴の実現により達成される。代替的又は有益な方法で本発明を更に発展させる特徴は、従属請求項に見いだすことができる。
直線移動によってガスが漏れない方法で流路を閉鎖するための本発明の請求項に係わる真空バルブは、流路のための開口を有するバルブハウジング及び調整軸に沿って直線的な方法で移動可能な閉鎖部材を含む。流路は、−特に、例えばソーラー若しくは他の用途のための、任意のタイプの2つのコーティングプラントの間、又は、半導体製造のためのプロセスチャンバと、更なるプロセスチャンバ若しくは外部のどちらかの間といった、2つの領域間で閉鎖される開放経路として、一般に理解すべきである。流路は、例えば、2つの相互接続されたプロセスチャンバ間の通路であり、1つのプロセスチャンバから次のプロセスチャンバへ半導体部品を移動させるために、真空バルブによってプロセスチャンバを開くことができ、続いて、各製造段階を実行するために、ガスが漏れない方法でプロセスチャンバを閉じることができる。説明された適用分野によって、このタイプのバルブは、真空切換バルブとも呼ばれており、またバルブの矩形断面により、多くの場合、矩形ゲートとも呼ばれている。しかしながら、明らかに、実質的にガスが漏れない方法で任意の流路を閉鎖するための、本発明の請求項に係わる真空バルブの任意の他の適用が、可能である。
開口は、任意の、特に矩形、円形又は楕円形の、断面を有することができる。真空バルブは、好ましくは、細長い、特に実質的に矩形の、開口断面を有する切換バルブとして実現され、調整軸に対して直角な開口幅が、好ましくは、調整軸と平行な開口の高さの、少なくとも2倍、少なくとも3倍又は少なくとも5倍となる。しかしながら、別の方法で、例えば円形に、開口断面を展開することも可能で、真空バルブを例えばポンプバルブとすることができる。開口は、前記流路と平行な流路の中心を、開口の領域に延びる中心軸を有する。前記幾何学的開口軸は、例えば、開口が広がる面に垂直に、流路に沿って延びる。
閉鎖部材は、一般に、ガスが漏れない方法で開口を閉鎖することができる閉鎖体である。弁体として実現することができる閉鎖部材は、開放位置及び閉鎖位置間の閉鎖部材面内を、開口軸に対して横断方向に延びる幾何学的調整軸に沿って、直線的な方法で移動可能である。調整軸は、好ましくは、開口軸に対して垂直に延び、開口軸が垂直に貫通する平面上に設けられる。代替としては、調整軸が、傾斜して開口軸と非平行に延び、交角が特に90度と45度の間となる。幾何学的調整軸は、幾何学的閉鎖部材面上に設けられる。閉鎖部材面を、閉鎖要素によって定められる閉鎖体面と平行に広げることが可能で、閉鎖部材面は、開口が広がる面と好ましくは実質的に平行となる。閉鎖体面の実際の形状とは無関係に、その上に調整軸が設けられ、特別な実施形態では、開口軸が面法線を形成する幾何学的な面として、閉鎖部材面を一般に理解すべきである。
閉鎖部材の開放位置では、開口の投影範囲の外側に部分的又は完全に閉鎖部材が配置されることによって、閉鎖部材が部分的又は完全に開口を放つ。閉鎖位置では、閉鎖部材が、開口の投影範囲に完全に位置し、閉鎖部材の閉鎖体面が、開口に向き、好ましくは完全に開口を覆う。開放位置から閉鎖位置への調整軸に沿った閉鎖部材の調整方向は、閉じる方向と呼ばれ、閉鎖位置から開放位置への反対の調整方向は、開く方向と定められる。
バルブハウジングと連なる少なくとも部分的に曲線状の第1シール面に、開口は、取り囲まれる。これは、第1シール面が開口周辺全体に配置されることを意味する。形状が第1シール面と対応する第2シール面は、閉鎖部材上に位置する。したがって、第2シール面は第1シール面と対応し、第2シール面が第1シール面上に静止することができるようにシール面は互いに対応する形状を有し、シール面の展開に沿って調整軸と平行な方向に一定量間隔を置いてシール面は配置される。完全に開口を覆うことができるように寸法を決められた閉鎖部材の閉鎖体面を、閉鎖部材の第2シール面は取り囲む。
第1シール面及び第2シール面は、互いに対向して設けられ、調整軸に沿って閉鎖部材を調節することによって、反対の位置に対する間隔を減少又は増加させることができる。
閉鎖部材の閉鎖位置では、第2シール面は第1シール面上に存在し、第2シール面を閉じる方向に第1シール面上へ押圧することによって、シール面間のガスが漏れない接触が優勢となる。
第1シール面及び第2シール面は、いずれも調整軸と平行ではない様々に成形された部分から、いずれも組み立てられる。言い換えると、第1シール面及び第2シール面の部分の面法線は、いずれも調整軸と平行な方向成分を有する。したがって、第1シール面は、垂直又は傾斜して開く方向に向き、第2シール面は、垂直又は傾斜して閉じる方向に向く。シール面が、閉鎖位置で一方が他方に接するように存在し、閉じる方向に互いに押圧される場合、間に存在しているシールは、長手方向にだけ、又は、横断方向にさえ影響を受けないが、垂直には、少なくとも部分的に絶えまなく押圧される。閉鎖位置で一方が他方に接するように存在する範囲で、第1及び第2シール面の個々の部分は、互いに対応する。したがって、第1シール面の各部分だけが、部分的に、以下で説明される。
一般に、閉鎖位置で一方が他方に接するように存在し、封止する接触を形成するバルブハウジング及び閉鎖部材の面を、シール面として理解すべきである。したがって、一方のシール面を、垂直外側に向けられるシールの部分、特にO−リングシール又は加硫されたシールによって、形成することができ、他方のシール面を、シールのための支持面である、弁座によって形成する。その結果、シール面は、閉鎖位置での相互接触によってガスが漏れないシーリングを実際にもたらす面となる。好ましくは、シールを、閉鎖部材に配置することができるが、代替として、バルブハウジング上に、又は、両方の部品上に、配置することもできる。
第1シール面及び第2シール面は、いずれも、幾何学的第1主要面に実質的に沿って広がる第1主要部分を有する。言い換えると、第1主要部分は、いずれも、第1主要面に沿って長手方向に広がる。第1主要部分を、第1主要面内で直線状若しくは非直線状に、又は、第1主要面に実質的に沿って、広げることができる。特に、第1主要部分は、曲線状の形状を有することができる。第1主要部分を、第1主要面内で、幾何学的な正確さで、無理に広げる必要はない。
更に、第1シール面及び第2シール面は、特別な実施形態では形体を第1主要部分と実質的に対応させることが可能な、第2主要部分を有する。しかしながら、第1主要部分及び第2主要部分が異なる形状を有することも可能である。第1及び第2シール面のそれぞれの第2主要部分は、共通の幾何学的第2主要面に沿って広がり、第1主要部分と全く同様に、第2主要部分を、第2主要面内で直線状又は非直線状に広げることも、又は、第2主要面に単に実質的に沿って広げることも可能である。
幾何学的第1主要面及び幾何学的第2主要面は、わずかに逸れる位置もあり得るが、実質的に互いに平行に広がり、少なくともシール面の領域に間隔を置いて配置される。第1及び第2主要面は、閉鎖部材面と実質的に平行に設けられる。したがって、閉鎖軸は、第1及び第2主要面と実質的に平行に延びる。2つの主要面間の間隔により、第1主要部分及び反対の第2主要部分は、調整軸に対して横断方向、実質的に開口軸の方向に、互いに対して、幾何学的オフセット有する。
バルブハウジングの第1シール面の、第1主要部分及び反対の第2主要部分間の、調整軸に沿って広がる領域に、開口は配置される。閉鎖部材の閉鎖体面は、第2シール面の第1及び第2主要部分間に設けられる。
第1シール面の横断方向の第1U字状側部は、第1シール面の一方の側で第1主要部分及び第2主要部分を互いに接続し、第1シール面の横断方向の第2U字状側部は、第1シール面の他方の側で第1主要部分及び第2主要部分を互いに接続し、これにより、第1シール面は閉じられる。対応するU字状側部が、第2シール面に配置される。
第1U字状側部及び第2U字状側部は、いずれも、第1主要部分と連なる第1脚部、第2主要部分と連なり、特別な実施形態では、第2主要部分によって形成される第2脚部及び基部から組み立てられる。前記基部は、例えば、2次元の円弧、平面として若しくは螺旋の3次元セグメントとして実現されるか、又は、脚部を接続するための別の形状を有する。
第1シール面の第1U字状側部の第1脚部は、特に、第1U字状側部の第1脚部平面に実質的に沿って広がる。同様に、第1シール面の第2U字状側部の第1脚部も、特に、第2U字状側部の第1脚部平面に実質的に沿って広がる。第1シール面の前記2つの第1脚部平面は、好ましくは、調整軸と平行に広がる。言い換えると、2つの第1脚部は、いずれも、調整軸と平行な第1脚部平面に実質的に沿って広がる。主要面の場合と同様に、第1脚部が第1脚部平面上に正確に設けられることは、強制されない。例えば、脚部平面に沿ったわずかに曲線状の脚部の展開が可能である。代替として、脚部を、自由な形状の面上に設けることができる。
第1シール面の2つの第2脚部も、同様に、特に、調整軸といずれも平行な第2脚部平面に実質的に沿って、いずれも広がる。特別な実施形態では、前記第2脚部平面を、第2主要面によって形成することができる。
第1脚部及び第2脚部は、いずれも、調整軸に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。特別な実施形態では、前記オフセットを2つの主要部分のオフセットと対応させることができる。一組の脚部間にいずれも配置されるそれぞれの基部は、いずれも、第1脚部及び第2脚部を互いに接続し、調整軸に対して横断方向に幾何学的オフセットを橋絡する。
本発明の第1の態様に記載されるように、バルブの閉鎖位置では、バルブの2つの主要シール面の間に封止する接触がもたらされるだけでなく、開口周辺又は閉鎖部材上に、閉鎖部材の調整軸と非平行に配置される2つの傾斜面の結果として、近接又は接触対向位置にあるためバルブの2つの主要シール面から大きく離れて活動的な媒体を保持する閉鎖位置の2つ傾斜面によって、開口の領域及びシール面の間にバリアが発生する。言い換えると、2つの傾斜面は、開口及び主要シール間に作用する楔状の追加的なシール又はプレシールを形成する。
バルブハウジングは、開口及び第1シール面の間の領域に、開口を取り囲む第1傾斜面を有する。言い換えると、開口及び第1シール面のいろいろな部分の間に放射状に広がる、特に環状又はフレーム状の第1傾斜面が、開口周辺全体に配置される。第1傾斜面は、好ましくは、開口によって内側を、第1シール面によって外側を、直接的に又は間接的に、定められる。第1傾斜面と対応し、第1傾斜面と対応する形状を有する、第1傾斜面と平行に広がる第2傾斜面を、閉鎖部材は有する。これは、2つの傾斜面が、開口周辺全体の少なくとも一部位で、機能的に互いに対応する形状を有し、一方が他方に接するように、又は、開口の外周に沿って一定の間隙で一方が他方にほとんど接するように、移動できることを意味する。
バルブハウジングの第1傾斜面が傾斜して開く方向に向き、閉鎖部材の第2傾斜面が傾斜して閉じる方向に向くように、第1傾斜面及び第2傾斜面は共に、傾斜して、つまり−少なくとも閉鎖部材の閉鎖位置で、又は、開放位置でも同様に−閉鎖部材面に対していずれも一定の傾斜角で、確実にわずかに傾斜して延びる。これは、互いに平行である2つの傾斜面が非平行、つまり閉鎖部材面とほぼ平行でありながらも非平行に設けられ、調整軸とほぼ平行だが、調整軸に対して傾斜して、すなわち上記の一定の傾斜角で延びることを意味する。第1傾斜面及び第2傾斜面は、前記特定の傾斜角で、幾何学的調整軸と、幾何的広がりで交差する。
本発明の請求項に記載されるように、前記傾斜角は、3度から15度の間である。言い換えると、2つの傾斜面は、閉鎖部材面に対して3度から15度傾斜して設置される。
閉鎖部材の閉鎖位置での第2傾斜面が、第1傾斜面の反対の平行な位置に、互いに0mmと0.6mmの間の相対間隔で配置されるように、第1傾斜面及び第2傾斜面は互いに設けられる。言い換えると、閉鎖位置の傾斜面間の垂直間隔が常に0mmから0.6mmだけとなるように開放位置から閉鎖位置へ閉鎖部材を調節することにより、2つの傾斜面は、互いに対して閉じる方向に楔状に移動可能で、結果として、バルブの開口を圧迫する活動的な媒体が、バルブの第1及び第2シール面に直接入り込むことを阻止する。開口周辺全体の間隔は、10%未満が好ましくは拒絶される実質的に同じ値であることが好ましい。間隔が0に等しい限り、傾斜面間に、開口周辺全体に渡る接触が存在する。
可能な実施形態では、バルブハウジングの第1傾斜面及び閉鎖部材の第2傾斜面が共に、非弾性的に実現される。これは、2つの傾斜面が所望の弾性材料からならないという事実を表す。特に、2つの傾斜面は、バルブハウジング又は閉鎖部材の基本的な材料の機械加工された面となる。特に、2つの傾斜面は、金属面によって形成される。前記実施形態では、閉鎖部材の閉鎖位置での傾斜面間の間隔ができる限り小さくなるように、真空バルブが実現されるが、閉鎖位置での2つの傾斜表面間の互いの接触は、回避される。2つの金属傾斜面を使用したこのような接触は、結果として摩擦粒子の生成をもたらし、プロセスの純度が、粒子の生成によって、危険に晒される可能性がある。活動的な媒体のタイプにもよるが、非常に良好な結果は、0.05mmと0.6mmの間の2つの傾斜面間の間隔によって達成され、最良の結果は、0.05mmと0.3mm間の間隔で達成される。0.6mm未満のこのような小さな間隙によって、活動的な媒体は、広範囲に保護されるような主要シールへ、妨害されずに通過することができなくなる。
活動的な媒体との直接接触から主要シールをほとんど完全に保護するために、本発明は、また、第1傾斜面又は第2傾斜面が追加的な弾性シールによって形成される場合を提供する。第1及び第2傾斜面が共に追加的な弾性シールによって形成されることも、可能である。この場合、閉鎖部材の閉鎖位置での2つの傾斜面間の間隔は、0に等しい。言い換えると、この場合、2つの傾斜面が、閉鎖位置で互いに接触し、そして、開口周辺全体の傾斜面によって−少なくともわずかに−封止する接触が発生するように、特にわずかに押し付けられるため、主要シール面は更に外側に設けられ、特に、弾性主要シールが保護される。例えば、バルブハウジング及び/又は閉鎖部材上の溝に配置されるO−リングによって、少なくとも1つの追加的な弾性シールを、形成することができる。O−リングは任意の断面形状を有することができるが、円形断面、腎臓形断面又はX字状断面が好ましい。このタイプの断面を有するO−リングは、例えば、TRELLEBORGによって製造された商品名QUADRING(登録商標)が公知である。代替として、バルブハウジング及び/又は閉鎖部材上に加硫されるシールによって追加的な弾性シールを形成することが可能である。
主要シールを保護するだけでなく、バルブによって分離することができる2つの領域の静電シールドを可能にするために、本発明は、更なる展開の枠組み内で、バルブハウジングの第1傾斜面が電位に関してバルブハウジングと結合する導電性金属面として実現され、第2閉鎖面が閉じた導電性保護シールドとして実現される、場合を提供する。閉鎖部材の閉鎖位置で、開口を完全に覆い、そして、開口の周辺全体で第1傾斜面に電気的に接続されるように、前記導電性保護シールドは閉鎖部材上に配置される。開口周辺全体に電気接触をもたらすための、閉鎖位置の間隔は、0に等しい。バルブハウジングとの前記周辺全体での電気接触の結果、保護シールドは、電位的にバルブハウジングと結合される。
本発明の更なる展開は、バルブハウジング及び/又は閉鎖部材が、特にバルブハウジングの第1傾斜面及び第1シール面間の、リング状又はフレーム状領域に、バルブハウジング及び閉鎖部材間の間隔が少なくとも0.8mm、特に、凹部の領域で、0.8mmと6mm間となるようにバルブハウジング及び/又は閉鎖部材に配置及び発展される、特に溝又はアンダーカットの形で第1傾斜面を取り囲む凹部を有する場合を提供する。言い換えると、チャネル状の凹部が、第1傾斜面を取り囲む。傾斜面に対する前記チャネル状の凹部の深さは、0.8mmと5mmの間が好ましい。主要シール面に媒体が更に入り込むことを追加的に妨害するように、傾斜面間の狭い領域を通過して入り込む媒体を掻き回す迷路状の乱流構造が、前記凹部によって発生する。前記凹部の幅は、前記凹部の深さの、特に4分の1から4倍、特に2分の1から2倍となる。
更に、本発明の第1の態様は、閉鎖部材、特に冒頭部分において説明された本発明の請求項に係わる真空バルブを含む。閉鎖部材の特徴は、真空バルブ及び本発明の請求項に係わる真空バルブの様々な更なる展開と関連して、直接又は間接的に既に説明されたので、以上でなされた記載を参照にする。
直線移動によってガスが漏れない方法で流路を閉鎖するための閉鎖部材は、閉鎖部材面及び第2シール面に幾何学的調整軸を有する。前記第2シール面は、いずれも、調整軸と平行ではない、様々に成形された部分から組み立てられる。第2シール面の部分の面法線は、いずれも調整軸と平行な方向成分を有する。したがって、第2シール面は、垂直又は傾斜して、調整軸の開く方向に向く。第2シール面の第1主要部分は、幾何学的第1主要面に沿って実質的に広がる。第2シール面の第2主要部分は、幾何学的第2主要面に沿って実質的に広がる。第1主要面及び第2主要面は、調整軸と平行に広がり、互いに間隔を置いて配置され、そして、閉鎖部材面と実質的に平行に広がる。結果として、第1主要部分及び反対の第2主要部分は、調整軸に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。第2シール面の横断方向の第1U字状側部は、第2シール面の一方の側で第1主要部分及び第2主要部分を接続し、第2シール面の横断方向の第2U字状側部は、第2シール面の他方の側で第1主要部分及び第2主要部分を接続する。第1U字状側部及び第2U字状側部は、いずれも、第1主要部分と連なった第1脚部、第2主要部分と連なった第2脚部、及び、基部を含む。第1脚部及び第2脚部は、調整軸に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。それぞれの基部は、いずれも、第1脚部及び第2脚部を接続し、調整軸に対して横断方向に幾何学的オフセットを橋絡する。閉鎖部材の閉鎖位置での第2シール面によって、ガスが漏れない方法で真空バルブの開口を閉鎖するための真空バルブの第1シール面との封止する接触が、調整軸の閉じる方向に第1シール面上へ第2シール面を直線的に押圧することによりもたらされる。
本発明の請求項に記載されるように、閉鎖部材の第2傾斜面は、第2シール面の部分との間の領域に、配置される。閉じる方向の反対である開く方向に第1傾斜面が傾斜して向くような傾斜角で、第2傾斜面は、閉鎖部材面に対して傾斜し、第1傾斜面は、その傾斜角で、幾何学的調整軸と、幾何的広がりで交差する。傾斜角は、3度から15度の間となる。閉鎖部材の閉鎖位置での第2傾斜面が、開口を取り囲み開口及び第1シール面間の領域に配置される第1傾斜面と対向する平行な位置に移動できるように、第2傾斜面は実現される。
閉鎖部材の第1の更なる展開に記載されるように、第2傾斜面は、閉じた導電性保護シールドとして実現され、この保護シールドにより、閉鎖位置で、開口を完全に覆うことができる。代替として、特に、溝に配置されるO−リング又は閉鎖部材上に加硫されるシールによって形成される、追加的な弾性シールによって、第2傾斜面が形成され、前記O−リングは特に円形断面、腎臓形断面又はX字型断面を有する。
本発明の前記第1の態様は、冒頭部分において既に説明された、特にスイス国ハーグのVAT Vakuumventile AG製の製品名「MONOVAT Series 02 and 03」で、従来技術から公知の、例えば、米国特許第4,809,950号(Geiser)及び米国特許第4,881,717号(Geiser)で説明される切換バルブの特徴と、組み合わせることができる。
前記のバルブ及び閉鎖アクチュエータの公知の残りの設計では、2つの第1脚部が、いずれも、調整軸と平行な第1脚部平面に沿って実質的に広がる。2つの第2脚部も、同様に、調整軸と平行な第2脚部平面に実質的に沿って広がる。第1主要面、第2主要面及び閉鎖部材面、第1傾斜面及び第2傾斜面は、いずれも幾何学的平面によって形成される。第1脚部平面は、第1主要面の幾何学的平面上に設けられ、そして、第2脚部平面は、第2主要面の幾何学的平面上に設けられる。しかしながら、特に調整軸と平行な湾曲軸のまわりに、主要面が湾曲する又はねじれることも可能である。
本発明の第1の態様と組み合わせることも、その逆も可能な、本発明の第2の態様に記載されるように、第1脚部平面は、いずれも、隣接する幾何学的第1接平面及び第1接平面と連なる第1主要面に対して、いずれも、少なくとも15度の角度をつけられる。言い換えると、第1脚部は、第1主要部分の第1主要面又は第1接平面内に広がらないが、少なくとも15度、前記第1主要面又は第1接平面から向きを変え、変向軸が調整軸と平行に延びる。第1主要部分からそれぞれの第1脚部までの第1シール面の遷移を可能にするために、第1シール面の第1湾曲部分が、いずれも、第1シール面の第1主要部分及び2つの第1脚部の間に配置される。第1主要面に沿って第1主要部分に広がる第1シール面は、第1主要部分の2つの端部でそれぞれの第1湾曲部分となる。一方の第1湾曲部分及び他方の第1湾曲部分への第1主要部分からの前記それぞれの遷移は、いずれも、幾何学的第1接平面で実行される。一方の第1接平面は、第1主要部分の一方の端での第1主要面の接平面である。他方の第1接平面は、第1主要部分の他方の端での第1主要面の接平面である。2つの第1接平面は、調整軸と実質的に平行である。2つの第1脚部平面は、いずれも、それぞれの第1接平面に対して少なくとも15度の角度をつけられる。したがって、第1主要面に沿って第1主要部分に広がる第1シール面は、特に幾何学的湾曲によって、少なくとも15度、第1主要面から誘導され、いずれも、それぞれの第1脚部平面となる。前記誘導及び遷移は、いずれも、第1湾曲部分で実行される。したがって、言い換えると、前記それぞれの第1湾曲部分によって、第1主要面に沿って第1主要部分に広がる第1シール面は、前記の少なくとも15度の角度で第1主要面から誘導され、第1脚部平面となる。したがって、それぞれの第1湾曲部分は、変向軸の領域に位置し、第1主要面から第1脚部平面への第1シール面の遷移を可能にする。第1湾曲部分を、例えば円弧、平面間のねじれ又は別の2次元若しくは3次元形状といった、幾何学的湾曲とすることができる。
本発明の更なる展開では、2つの第1脚部平面が、同様に、いずれも、隣接する幾何学的第2接平面及び第2接平面と連なる第2主要面に対して、いずれも、少なくとも約15度の角度をつけられる。第1シール面の第2湾曲部分は、いずれも、第1シール面の第2主要部分及び2つの第2脚部の間に配置される。第2主要面に沿って第2主要部分に広がる第1シール面は、いずれも、第2湾曲部分となり、第2主要部分からそれぞれの第2湾曲部分へのそれぞれの遷移は、いずれも、幾何学的第2接平面及び第2主要面で実行される。2つの第2脚部平面は、いずれも、それぞれの第1、第2接平面に対して少なくとも約15度の角度をつけられる。第2主要面に沿って第2主要部分に広がる第1シール面は、特に幾何学的湾曲によって、第2湾曲部分で、少なくとも15度、第2主要面から誘導され、第2脚部平面となる。言い換えると、第1シール面は、いずれも、少なくとも15度、第2主要面から誘導され、いずれも、2つの第2脚部平面となる。それぞれの第2湾曲部分を、形状において、隣接した第1湾曲部分と対応させることができ、又は、別の方法で展開させることができる。特定の実施形態では、第1U字状側部のそれぞれの第1脚部平面及びそれぞれの第2脚部平面が、実質的に互いに平行に広がり、更なる実施形態では、第2U字状側部のそれぞれの第1脚部平面及びそれぞれの第2脚部平面が、同様に、実質的に互いに平行に広がる。
言い換えると、冒頭部分において説明され、特に、2つの主要部分の幾何学的オフセットを調整軸に対して横断方向に橋絡する2つの側部で従来技術から公知である、直線移動によってガスが漏れない方法で流路を閉鎖するための真空バルブとは異なり、前記本発明の第2の態様は、主要部分のオフセットが集められ、少なくとも15度、開口軸の方向に内側へ向きを変えるか又は外側へ向きを変える。好ましくは調整軸と実質的に平行な変向軸のまわりで行われる、側部の内側又は外側への前記変向は、開口軸に対して横断方向にだけでなく、開口軸の方向にもシーリング部分のオフセットの遷移領域を拡大する。特定の実施形態では、前記遷移領域は、特に90度の軸変向角の場合に、開口軸に沿ってのみ広がる。したがって、バルブハウジングは、開口幅を同じにしたまま、狭くなり、バルブハウジング及び閉鎖部材の深さが多少拡大する。
驚くべきことに、内側又は外側への前記の側部の変向の結果として、多数の更に無視できない利点が同様にもたらされることが明らかにされた。つまり、説明された3次元のシール面の拡張は、更に大きな長手方向の広がりに改造できるような閉鎖部材及びバルブハウジングのための特に強固な展開であるということが証明され、広範な方法で、高い圧力差の場合の変形を回避することが可能である。したがって、開口幅をかなり拡大することが可能で、とりわけ幅広の半導体及び基板ユニットの移動のための切換バルブの場合に、特に有利である。更に、内側への側部の変向の場合、シールが、側部では、長手方向の広がりに対して横断方向にのみもはや影響を受けず、垂直及び長手方向には影響を受けるので、従来技術では閉じる方向のみに荷重がかけることが可能なシールに、今では、開口軸に沿った方向に荷重をかけることができる。結果として、シールは、圧力差がある場合に、閉鎖部材に作用する力の一部を吸収することができる。本発明の請求項に係わるシール形状は、差圧に対して多分に鈍感である。
バルブハウジングに獲得された幅によって、横断方向の設置空間を直線駆動装置を設置するために利用することもできる。その結果、粒子生成を更に減少させるように、直線駆動装置は危険な粒子領域外に移動する。バルブは、前記の駆動装置の配置、更に、設置のコンパクトな方法によって特徴づけられる。直接の運動伝達により、高い加速が可能である。
第1脚部平面及び/又は第2脚部平面は、主要面に対して少なくとも15度の角度をつけられ、すなわち、第1主要面又は第2主要面から向きを変える。本発明の更なる展開では、前記角度は、少なくとも30度、少なくとも45度又は少なくとも60度となる。角度は、最高120度、好ましくは最高90度とすべきである。
第1主要面を、幾何学的平面、すなわち第1主面によって形成することができる。この場合、第1接平面が第1主面によって形成されるように、2つの第1接平面及び第1主面は、一方が他方に接するように設けられる。第2主要面も、同様に、幾何学的平面、すなわち第2主面によって形成することができ、第2接平面が第2主面によって形成されるように、2つの第2接平面及び第2主面は一方が他方に接するように設けられる。また、閉鎖部材面が幾何学的平面を提供し、結果として閉鎖部材平面となることも、可能である。主要面の両方が結果として主面である場合、2つの主要部分はいずれも1つの平面上に広がる。しかしながら、主要部分を、第1主面又は第2主面内に幾何学的な正確さで無理に広げる必要はない。例えばそれぞれの主面に沿った円弧のように、主要部分が、第1又は第2主面に単に実質的に沿って広がる、すなわち、それぞれの主面と幾何学的に正確に平行ではないことも可能である。
しかしながら、一定の用途には、平坦な基本的な断面を有するバルブの代わりに、曲線状の基本的な断面を有するバルブを使用する場合が、有利となる。この場合、閉鎖部材は、平坦な閉鎖部材平面を有する平坦な弁体形状ではないが、特に調整軸と実質的に平行な、湾曲軸のまわりに少なくとも一部位が湾曲した基本的な形状となる。特に幅広の切換バルブの場合、基本的な断面の曲線状の展開は、かなりの利点を有する。例えば60度以上の、大きな湾曲角の場合には、開口軸に対して傾斜して、バルブを通過する移動を実行することができる。90度の湾曲角の場合、例えば、開口軸に対して45度の、第1移動軸に沿って、例えば半導体素子、特にウエハを、開放バルブを通過してプロセスチャンバへ移動させること、そして、例えば第1移動軸に対して90度及び例えば開口軸に対して45度で延びる、第2移動軸に沿って、半導体素子を、開放バルブを通過してプロセスチャンバから外へ、移動させることが可能である。曲線状の基本的な断面の更なる利点は、閉鎖部材の閉鎖位置でのバルブの増加した安定性にある。曲線状の基本的な断面によってもたらされるシール面の3次元の拡張によって、高い圧力差での変形を更に回避することができそして開口幅をかなり拡大することができるような、閉鎖部材及びバルブハウスのための特に強固な展開が、わずか15度の湾曲でもたらされる。これは、特に幅広の半導体及び基板ユニットの移動のための切換バルブの場合に、利点となる。したがって、本発明の更なる態様は、第1主要面、第2主要面及び閉鎖部材面が、少なくとも一部位、特にいくつかの部位又はすべての領域で、特に調整軸と実質的に平行な、湾曲軸のまわりに湾曲している場合を提供する。少なくとも前記部位の湾曲を、円柱状面又は別の自由な形状によって形成することができる。特に、第1主要面、第2主要面及び閉鎖部材面は、少なくとも15度、特に少なくとも30度、特に少なくとも45度、特に45度及び105度の間で、湾曲軸のまわりに、少なくとも一部位湾曲する。いくつかの湾曲軸のまわりに及び様々な湾曲方向に、例えば波状の湾曲の形で、湾曲を実行することができる。湾曲軸は、好ましくは、調整軸と実質的に平行に延びる。しかしながら、湾曲軸が、調整軸と非平行に延びること、及び、90度ではない角度で調整軸と交差すること又はねじれで調整軸に延びることも可能である。概括的に言えば、湾曲軸は、調整軸が垂直に貫通する平面と非平行に延びる。特に、湾曲軸は、90度と60度の間、特に90度と45度の間、特に90度と30度の間の角度で、前記平面と交差する。曲率半径は、開口の幅より大きく、小さく又は等しくすることができる。湾曲がねじれを提供するように、半径を小さくすることもできる。本発明の特定の実施形態では、湾曲軸は、特に約90度の交角で、開口軸と交差する。
主要部分は、主要面に沿って任意に展開することができる。例えば、冒頭部分で説明された、従来技術から公知である真空ゲートの場合のように、主要部分を、それぞれの主要面上に円弧状に広げることができる。
主要面の湾曲を含む本発明の第2の態様の前記部分の態様も、同様に、製品名「MONOVAT Series 02 and 03」で公知で、米国特許第4,809,950号(Geiser)及び米国特許第4,881,717号(Geiser)で説明され、そして、従来技術から公知の、冒頭部分で挙げたタイプのバルブと組み合わせることができる。
しかしながら、とりわけ切換バルブのために好ましい本発明の更なる展開では、主要部分は、主要面に沿って直線状に広がる。第1主要部分は、調整軸が面法線を形成する第1水平面上に広がる。第2主要部分は、調整軸が同様に面法線を形成する第2水平面上に広がる。第1水平面及び第2水平面は、互いに平行に設けられ、互いに間隔を置いて配置される。前記実施形態の場合、主要面は、好ましくは、水平面に対して垂直に設けられる。水平面は、ワールド座標系の絶対水平を表さないが、バルブハウジング及びバルブハウジングの幅の広がりを表す。したがって、2つの主要部分は、好ましくは、互いに平行に広がる。調整軸の方向に前記主要部分のオフセットを橋絡するために、2つの第1脚部、2つの第2脚部及び2つの基部は、第1水平面及び第2水平面の間に広がり、調整軸と平行な方向に少なくとも部分的に広がることによって、2つの第1脚部及び/又は2つの第2脚部及び/又は2つの基部は、第1水平面及び第2水平面の間の間隔を、少なくとも部分的に橋絡する。
特別な更なる展開では、第1水平面及び第2水平面の間に設けられ、調整軸が面法線を形成する、共通の第3水平面上に、2つの基部は広がる。言い換えると、第3水平面は、他の水平面と平行に広がり、本発明の特別な更なる展開では、第1水平面及び第2水平面間の中央に配置される。前記発明の変形態様の場合には、基部が第3水平面上に設けられるので、基部は、調整軸に沿って広がらず、調整軸と平行な方向への主要部分間の間隔の前記橋絡に関与しない。しかしながら、代替的な変形態様では、基部は、水平面上に設けられない。特に調整軸と実質的に平行に広がる螺旋のセグメントとして2つの基部をいずれも実現することにより、2つの基部は、第1水平面及び第2水平面間の間隔を部分的に橋絡する。
第1シール面の2つの第1湾曲部分は、第1主要面上に広がることができ、2つの第2湾曲部分は、第2主要面上に広がることができる。前記の場合、湾曲部分は、調整軸と平行な方向に、主要部分のオフセットを橋絡しない。しかしながら、以上で既に説明されたように、調整軸と平行に延びる湾曲軸のまわりだけでなく、調整軸に対して横断方向に設けられた湾曲軸のまわりで、湾曲部分が湾曲することも可能である。この場合、第1シール面も、第1シール面の反対の部分の方向に、内側へ湾曲する。したがって、2つの第1湾曲部分及び2つの第2湾曲部分は、第1水平面及び第2水平面間に広がり、2つの第1湾曲部分及び2つの第2湾曲部分は、第1水平面及び第2水平面間の間隔を部分的に橋絡する。例えば、調整軸と実質的に平行に広がる螺旋のセグメントとして実現された2つの第1湾曲部分及び2つの第2湾曲部分によって、説明された湾曲を達成することができる。
更に、本発明の第2の態様は、閉鎖部材、特に冒頭部分において説明された本発明の請求項に係わる真空バルブを含む。閉鎖部材の特徴は、真空バルブ及び本発明の請求項に係わる真空バルブの様々な更なる展開と関連して、直接又は間接的に既に説明されたので、以上でなされた記載を参照にする。
一般に、直線移動によってガスが漏れない方法で流路を閉鎖するための閉鎖部材は、閉鎖部材面、及び、いずれも調整軸と平行ではない様々に成形された部分から組み立てられた第2シール面に、幾何学的調整軸を備える。第2シール面の部分の面法線は、いずれも、調整軸と平行な方向成分を有する。したがって、第2シール面は、垂直又は傾斜して、調整軸の開く方向に向く。第2シール面の第1主要部分は、幾何学的第1主要面に沿って、実質的に広がり、第2シール面の第2主要部分は、幾何学的第2主要面に沿って、実質的に広がる。第1主要面及び第2主要面は、互いに間隔を置いて配置され、調整軸と平行にそして閉鎖部材面と実質的に平行に広がる。結果として、第1主要部分及び反対の第2主要部分は、調整軸に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。−特定の実施形態では、閉鎖部材面と実質的に平行に広がる−閉鎖部材の閉鎖体面は、2つの対向する主要部分の間に配置される。第2シール面の横断方向の第1U字状側部は、第2シール面の一方の側で第1主要部分及び第2主要部分を接続し、第2シール面の横断方向の第2U字状側部は、第2シール面の他方の側で第1主要部分及び第2主要部分を接続する。第1U字状側部及び第2U字状側部は、いずれも、第1主要部分と連なった第1脚部、第2主要部分と連なった第2脚部、及び、基部から組み立てられる。2つの第1脚部は、いずれも、調整軸と平行に設けられる第1脚部平面に実質的に沿って広がる。第1脚部及び第2脚部は、調整軸に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有し、それぞれの基部は、いずれも、第1脚部及び第2脚部を接続し、調整軸に対して横断方向に、幾何学的オフセットを橋絡する。ガスが漏れない方法で真空バルブの開口を閉鎖するための真空バルブの第1シール面を伴って、閉鎖部材の閉鎖位置での第2シール面によって、調整軸の閉じる方向に第1シール面上へ第2シール面が直線的に押圧されることにより、封止する接触がもたらされる。
本発明の請求項に係わる閉鎖部材の場合、説明された閉鎖部材を含む、真空バルブの場合と同様に、2つの第1脚部平面が、いずれも、第1主要面に対して少なくとも15度の角度をつけられる。この場合、第2シール面の第1湾曲部分は、第1主要部分及び2つの第1脚部の間に配置される。第1主要面に沿って第1主要部分に広がる第2シール面は、いずれも、第1湾曲部分となり、第1主要部分からそれぞれの第1湾曲部分へのそれぞれの遷移は、いずれも、幾何学的第1接平面及び第1主要面で実行される。2つの第1脚部平面は、いずれも、それぞれの第1接平面に対して少なくとも15度の角度をつけられる。第2シール面が第1脚部平面となるように、第1主要面に沿って第1主要部分に広がる第2シール面は、特に幾何学的湾曲によって、第1湾曲部分で、少なくとも15度、第1主要面から誘導される。
真空バルブと関連して既に説明され、ここで参照される、同じ更なる展開の変形態様を、閉鎖部材は有する。特に、1つの更なる展開は、調整軸と平行な第2脚部平面に沿って実質的に広がる2つの第2脚部を含み、第2シール面の第2湾曲部分が、いずれも、第2主要部分及び2つの第2脚部の間に配置される。第2主要面に沿って第2主要部分に広がる第2シール面は、いずれも、第2湾曲部分となり、第2主要部分からそれぞれの第2湾曲部分へのそれぞれの遷移は、いずれも、幾何学的第2接平面及び第2主要面で実行される。2つの第2脚部平面は、いずれも、それぞれの第2接平面に対して少なくとも15度の角度をつけられる。第2主要面に沿って第2主要部分に広がる第2シール面は、特に幾何学的湾曲によって、第2湾曲部分で、少なくとも15度、第2主要面から誘導され、第2湾曲部分で、第2脚部平面となる。加えて、第1U字状側部の第1脚部平面及び第2脚部平面が、実質的に互いに平行に広がること、更に、第2U字状側部の第1脚部平面及び第2脚部平面が、実質的に互いに平行に広がることが可能である。
真空バルブの場合と同様に、第1主要面を、幾何学的平面、すなわち第1主要面によって形成することができる。この場合、第1接平面が第1主面によって形成されるように、2つの第1接平面及び第1主面は、一方が他方に接するように設けられる。第2主要面も、同様に、幾何学的平面、すなわち第2主面によって形成することができ、第2接平面が第2主面によって形成されるように、2つの第2接平面及び第2主面は一方が他方に接するように設けられる。また、閉鎖部材面が幾何学的平面を提供し、結果として閉鎖部材平面となることも、可能である。主要面の両方が結果として主面である場合、2つの主要部分はいずれも1つの平面上に広がる。しかしながら、主要部分を、第1主面又は第2主面内に幾何学的な正確さで無理に広げる必要はない。例えばそれぞれの主面に沿った円弧のように、主要部分が、第1又は第2主面に単に実質的に沿って広がる、すなわち、それぞれの主面と幾何学的に正確に平行ではないことも可能である。
しかしながら、真空バルブと関連して既に説明されたように、一定の用途には、平坦な基本的な断面を有するバルブの代わりに、曲線状の基本的な断面を有するバルブを使用する場合が、有利となる。この場合、閉鎖部材は、平坦な閉鎖部材平面を有する平坦な弁体形状ではないが、特に調整軸と実質的に平行な、湾曲軸のまわりに少なくとも一部位が湾曲した基本的な形状となる。したがって、本発明の更なる態様は、第1主要面、第2主要面及び閉鎖部材面が、少なくとも一部位、特にいくつかの部位又はすべての領域で、調整軸と実質的に平行な、湾曲軸のまわりに湾曲している場合を提供する。少なくとも前記部位の湾曲を、円柱状面又は別の自由な形状によって形成することができる。特に、第1主要面、第2主要面及び閉鎖部材面は、少なくとも15度、特に少なくとも30度、特に少なくとも45度、特に45度及び105度の間で、湾曲軸のまわりに、少なくとも一部位湾曲する。真空バルブの場合と同様に、いくつかの湾曲軸のまわりに及び様々な湾曲方向に、例えば波状の湾曲の形で、湾曲を実行することができる。曲率半径は、開口の幅より大きく、小さく又は等しくすることができる。湾曲がねじれを提供するように、半径を小さくすることもできる。本発明の特定の実施形態では、湾曲軸は、特に約90度の交角で、開口軸と交差する。
真空バルブと関連して既に説明された更なる展開が、閉鎖部材に関する本発明に含まれ、以上の記載が参照される。
本発明の請求項に係わる真空バルブ及び本発明の請求項に係わる閉鎖部材が、ほんの一例として、図面で概略的に示される具体的な実施形態によって、以下でより詳細に説明され、本発明の更なる利点の詳細が、以下の図面により、提示される。
発明の詳細な説明
図1aから図2e及び図3aから図3eは、真空バルブ1及びその閉鎖部材5の第1実施形態を示す。真空バルブ1を用いることによって、バルブハウジング2の開口3を通過する、流路Fを、閉鎖部材5の直線移動により、ガスが漏れない方法で閉鎖することができる。図3cに示されるように、流路Fのための開口3は、矩形の経路の形で、バルブハウジング2に形成され、示される例示的な実施形態の開口3の幅bは、開口3の高さhの約6倍となる。真空バルブ1は、切換バルブとして実現される。
図1bに示されるように、バルブハウジング2を通って開口3の展開に従って中心に延びる、幾何学的開口軸4は、流路Fに沿って開口3を通過する。図3aから図3eに示されるように、弁体の形でバルブハウジング2に配置される閉鎖部材5は、幾何学的調整軸6に沿って直線的な方法で調節可能である。閉鎖部材平面によって形成され、そして、図1b及び図2cで鎖線によって示される閉鎖部材面7で、調整軸6は、横断方向に、すなわち、開口軸4に対して垂直に延びる。図3c及び図3dに示されるような、開口3が放たれる開放位置Oから、図3a、図3b及び図3eに示されるような、開口3を覆うように直線的に押される閉鎖位置Cに、閉鎖部材5は、駆動装置20によって、調整軸6に沿った直線的な方法で、閉じる方向8に移動可能である。反対の開く方向9へ直線的な方法で閉鎖部材5を移動させることによって、閉鎖部材は、閉鎖位置Cから開放位置Oへと戻る直線的な方法で移動することができる。
図1aで斜線を引いた面で示されるように、バルブハウジング2の開口3は、バルブハウジング2の少なくとも部分的に曲線状の第1シール面10によって、取り囲まれる。図2aから図2eに示されるように、閉鎖部材5は、前記第1シール面10と対応する第2シール面11を有し、第1シール面10と対応する形状を有する。
図3a及び図3bに示されるように、閉鎖部材5がその閉鎖体面19でガスが漏れない方法で開口3を閉鎖するように、第1シール面10上へ閉じる方向8に押圧される第2シール面11によって、ガスが漏れない接触が、閉鎖位置Cの第2シール面11と第1シール面10の間に発生する。例えば、O−リング若しくは加硫されたシールなどの、弾性シールとして実現されるか又はこのようなシールを担持する2つのシール面の1つによって、封止する接触は可能となる。前記シールを、図に示されるように閉鎖部材5上か、又は、バルブハウジング2上のどちらかに配置することができる。言い換えると、第1シール面10が、シールを形成し、そして、第2シール面11が、シール面が気密的な方法で静止することが可能な弁座を形成することができるか、又は、その逆のどちらかとなる。様々なシール材料及びシールのタイプが、従来技術から公知であり、ここで更に説明する必要はない。
以下でより詳細に説明されるように、いずれも調整軸6と平行ではない様々に成形された部分12a、12b、14a、14b、17a及び17bから、バルブハウジング2の第1シール面10は、組み立てられる。第1シール面10の前記すべての部分12a、12b、14a、14b、17a及び17bの面法線は、いずれも調整軸6と平行な方向成分を有する。したがって、図1a及び図1bで見てとれるように、第1シール面10は、開く方向9に垂直又は傾斜して配向される。結果として、第1シール面10全体は、図の上方に向けられる。
図2aから図2eに示されるように、いずれも調整軸6と平行ではなく、第1シール面10の部分12a、12b、14a、14b、17a及び17bと対応する、様々に成形された部分12a’、12b’、14a’、14b’、17a’及び17b’を、閉鎖部材の第2シール面11は有する。第2シール面11が、調整軸6の開く方向9に垂直又は傾斜して配向されるように、第2シール面11の前記部分12a’、12b’、14a’、14b’、17a’及び17b’の面法線も、同様に、いずれも調整軸6と平行な方向成分を有する。したがって、第2シール面11は、示される例示的な実施形態では下方に向けられる。
図1aに示されるように、第1主要部分12a、第1湾曲部分17a、第1脚部15a、基部15c及び第2脚部15bを順番に含む第1U字状側部14a、第2湾曲部分17b、第2主要部分12b、もう1つの第2湾曲部分17b、第2脚部15b、基部15c及び第1脚部15aを順番に含む第2U字状側部14b、並びに、第1主要部分12aの他端に結果として接続されるもう1つの第1湾曲部分17aから、第1シール面10は、その展開に従って組み立てられる。
第1シール面10に対応して、閉鎖部材5の第2シール面11も、同様に、図2aから図2eに示されるように、第1主要部分12a’、第1湾曲部分17a’、第1脚部15a’、基部15c’及び第2脚部15b’を順番に含む第1U字状側部14a’、第2湾曲部分17b’、第2主要部分12b’、もう1つの第2湾曲部分17b’、第2脚部15b’、基部15c’及び第1脚部15a’を順番に含む第2U字状側部14b’、並びに、第1主要部分12a’の他端に結果として接続されるもう1つの第1湾曲部分17a’から、その展開に従って組み立てられる。部分は互いに対応するため、第1シール面10の部分のみを、部分的に以下でより正確に説明する。
図1b、又は、図2c及び図2eに示されるように、第1シール面10の第1主要部分12a及び第2シール面11の第1主要部分12aは、平坦な幾何学的第1主要面13a’に沿って実質的に広がる。第1シール面10の第2主要部分12b及び第2シール面11の第2主要部分12b’も、同様に、平坦な幾何学的第2主要面13b’に沿って実質的に広がる。第1主要面13a’及び第2主要面13b’は、互いに平行で、互いに間隔を置いて存在する。両主要面は、平坦な閉鎖部材面7と平行に広がる。図1a及び図1b、又は、図2a、図2c、図2d及び図2eに示されるように、第1主要部分12a又は12a’及び反対の第2主要部分12b又は12b’は、調整軸6に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。図1aの開口3は、第1シール面10の2つの対向する主要部分12aと12bの間に存在し、そして、図2c及び図2dの閉鎖部材5の閉鎖体面19は、第2シール面11の2つの対向する主要部分12a及び12b’の間に存在する。
図1a又は図2aに示されるように、第1シール面10の横断方向の第1U字状側部14a又は第2シール面11の横断方向の第1U字状側部14a’は、それぞれのシール面10又は11の一方の側で第1主要部分12a又は12a’及び第2主要部分12b又は12b’を接続し、第1シール面10の横断方向の第2U字状側部14b又は第2シール面11の横断方向の第2U字状側部14b’は、それぞれのシール面10又は11の一方の側で第1主要部分12a又は12a’及び第2主要部分12b又は12b’を接続する。
第1U字状側部14a又は14a’及び第2U字状側部14b又は14b’は、いずれも、第1主要部分12a又は12a’と連なった第1脚部15a又は15a’及び第2主要部分12b又は12b’と連なった第2脚部15b又は15b’、並びに、円弧として実現された基部15c又は15c’を含む。それぞれのシール面の一方の側及び他方の側の2つの第1脚部15a又は15a’は、いずれも、調整軸6と平行な第1脚部平面16aに実質的に沿って広がる。2つの第1脚部平面16aのうちの1つが、図2eに破線の形で示される。
図2eに同様に示されるように、2つの第2脚部15b又は15b’も、同様に、調整軸6と平行に広がった第2脚部平面16bに実質的に沿って広がる。図2eで見てとれるように、第1U字状側部14a又は14a’の、及び、第2U字状側部14b又は14b’の両方の、第1脚部平面16a及び第2脚部平面16bは、実質的に互いに平行に広がる。したがって、第1脚部15a又は15a’及び第2脚部15b又は15b’は、調整軸6に対して横断方向に、互いに対して、幾何学的オフセットを有する。それぞれの円弧状の基部15c又は15c’は、いずれも、第1脚部15a又は15a’及び第2脚部15b又は15b’を互いに接続し、調整軸6に対して横断方向に幾何学的オフセットを橋絡する。
第1シール面10の、又は、第2シール面11の第1湾曲部分17a又は17a’は、いずれも、第1主要部分12a又は12a’及び2つの第1脚部15a又は15a’の間に配置される。第1主要面13a’に沿った第1主要部分12a又は12a’に広がる、第1シール面10又は第2シール面11は、いずれも、第1湾曲部分17a又は17a’となり、第1主要部分12a又は12a’からそれぞれの第1湾曲部分17a又は17a’へのそれぞれの遷移は、いずれも、第1主要面13a’に対する幾何学的第1接平面13aで、第1主要部分12a又は12a’の両端で実行される。2つの第1脚部平面16aは、いずれも、少なくとも15度の角度をつけられ、例えば、図2a及び図2eに特に示されるように、例示的な実施形態では、それぞれの第1接平面に対して70度の角度をつけられる。示される例示的な実施形態では円弧状である、前記それぞれの第1湾曲部分17a又は17a’では、第1主要面13a’に沿った第1主要部分12a又は12a’に広がるシール面10又は11は、15度以上で、例えば、示される例示的な実施形態では、幾何学的湾曲によって上記の70度で、第1主要面13a’から外へ誘導され、図2cに示されるように、第1脚部平面16aとなる。第1シール面10の、又は、第2シール面11の第2湾曲部分17b又は17b’も、同様に、いずれも、第2主要部分12b又は12b’及び2つの第2脚部15b又は15b’の間に配置される。第2主要面13b’に沿った第2主要部分12b又は12b’に広がる、第1又は第2シール面10又は11は、いずれも、第2主要部分12b又は12b’の端部で第2湾曲部分17b又は17b’になり、第2主要部分12b又は12b’からそれぞれの第2湾曲部分17b又は17b’へのそれぞれの遷移は、いずれも、第2主要面13b’に対する幾何学的第2接平面13bで実行される。2つの第2脚部平面16bは、いずれも、15度より過剰の、具体的にはそれぞれの第2接平面13bに対して70度の、角度をつけられる。したがって、第2主要面13bに沿った第2主要部分12b又は12b’に広がる、シール面10又は11は、シール面10又は11が第2脚部平面16bとなるように、幾何学的湾曲によって上記の70度で第2主要面13b’から外へ誘導される。
図2eは、曲線状の角度の矢印によって、それぞれの軸変向角を示す。言い換えると、例えば、図2aに示されるように、側部14a、14a’、14b及び14b’は、いずれも、調整軸6と平行に延びる幾何学的変向軸を中心に、いずれも、約70度、互いに向かって内側に向きを変える。
図1aから図2e、図3aから図3e及び図4aから図5eに示される例示的な実施形態では、第1主要面13a’、第2主要面13b’及び閉鎖部材面7は、3つの平行な平面によって形成されるため、図1b、図2c及び図2eに示されるように、2つの第1接平面13aが第1主要面13a’と一致し、2つの第2接平面13bが第2主要面13b’と一致する。しかしながら、本発明の変形態様は、閉鎖部材の上面図である、図2f及び図2gに示されるように、第1主要面13a’、第2主要面13b’及び閉鎖部材面7が、調整軸6と実質的に平行な、湾曲軸21のまわりに、少なくとも一部位で曲線状となる場合を提供する。上記の例示的な実施形態とは対照的に、この態様では、図2f及び図2gに示されるように、主要面13a’又は13b’は、平面ではなく、一部位で湾曲軸21のまわりを湾曲する横断方向の円筒表面部であるため、接平面13a又は13b及び連なった主要面13a’又は13b’は、一方が他方の延長に存在しない。示される2つの変形態様では、開口軸4及び湾曲軸21は、90度の交角で交差する。更に、開口軸4及び調整軸6は90度の交角で交差し、調整軸6及び湾曲軸21は互いに平行に延びる。図2fに示される変形態様では、主要面13a’及び13b’が湾曲し湾曲軸21が存在する側に、脚部15a’及び15b’は、向きを変える。しかしながら、図2gに示される変形態様では、主要面13a’及び13b’が湾曲し湾曲軸21が存在する側とは反対の側に、脚部15a’及び15b’は、向きを変える。図2fに示されるように、第1主要面13a’を外れる第1主要部分12a’から第1湾曲部分17aへの第2シール面11の遷移は、いずれも、第1接平面13aで実行され、第2主要面13b’を外れる第2主要部分12b’から第2湾曲部分17bへの第2シール面11の遷移は、いずれも、第2接平面13bで行われる。本実施例では、湾曲角は、2つの第1接平面の交角及び2つの第2接平面の交角からもたらされる。本実施例の場合は、前記2つの交角は、同一で、90度である。しかしながら、交角を様々な大きさにすることも可能である。図2f及び図2gに示される変形態様の残りの特徴、特に第1U字状側部14a’及び第2U字状側部14b’の特徴は、上記の例示的な実施形態の特徴と対応し、別途に説明する必要はない。図2f及び図2gと関連して示される閉鎖部材5の第2シール面11の特徴は、第2シール面11と対応するバルブハウジング2の第1シール面10の特徴に対応し、対応して変換可能であり、前記対応する特徴の別途の説明を省略できる理由となる。
示される変形態様の共通点は、第1及び第2主要部分12a、12a’、12b及び12b’が、いずれも、U字状側部14a、14a’、14b、14b’によって特別な場合には基部15c又は15c’によって橋絡された、幾何学的オフセットを、調整軸6に対して横断方向に、互いに対して有するだけでなく、調整軸6と平行な方向に、幾何学的オフセットを互いに対して有することである。開口3又は閉鎖体面19は、この領域に広がる。前記領域の橋絡を以下で説明する。
図1aから図2e、図3aから図3e及び図4aから図5eによる例示的な実施形態の場合には、第1主要部分12a又は12a’は直線状に広がり、図2f及び図2gによる変形態様の場合には、図1b又は図2cに示されるように、調整軸6が面法線を形成する第1水平面18a上に、第1主要部分は曲線状に広がる。図1aから図2e、図3aから図3e及び図4aから図5eによる例示的な実施形態の場合には、第1主要部分12b又は12b’も、同様に、直線状に広がり、図2f及び図2gによる変形態様の場合には、調整軸6が同様に面法線を形成する第2水平面18b上に、第1主要部分は曲線状に広がる。図1b又は図2cの第1水平面18a及び第2水平面18bは、互いに平行で、互いに間隔を置いて配置される。2つの第1脚部15a又は15a’、2つの第2脚部15b又は15b’及び2つの基部15c又は15c’は、第1水平面18a及び第2水平面18b間に広がる。円弧として実現される2つの基部15c又は15c’は、第1水平面18a及び第2水平面18bの間の中央に広がる共通の第3水平面18c上に位置する。調整軸6は、同様に、第3水平面18cの面法線を形成する。3つの水平面18a、18b及び18cは、平行である。
2つの第1湾曲部分17a又は17a’も、同様に、第1水平面18a上に存在する。更に、図1a及び図1b又は図2c及び図2dに示されるように、2つの第2湾曲部分17b又は17b’は、第2水平面18b上に広がる。したがって、第1の例示的な実施形態では、脚部15a及び15b又は15a’及び15b’以外の、シール面10又は11のすべての部分が、水平面18a、18b及び18c上に広がり、調整軸6と平行な方向にオフセットを橋絡することができない。結果的に、図1a及び図1b又は図2b及び図2dで見てとれるように、2つの第1脚部15a又は15a’及び2つの第2脚部15b又は15b’が、調整軸6の方向に傾斜して広がり、結果として、第1水平面18a及び第2水平面18bの間の間隔を橋絡する。シールは、閉鎖位置Cへの押圧の場合には、水平面18a、18b及び18cに広がるすべての他の部分とは対照的に前記部分に、垂直に荷重をかけられるだけでなく、シールが押圧される場合には、長手方向にも荷重をかけられるので、前記橋絡は、シールへの荷重に対して、調整軸6と平行な方向で、特に危険である。長手方向の荷重は、本発明の請求項に係わるシール形状の場合には完全に回避することができる横断方向の荷重より、確実に危険ではないが、過度の長手方向の荷重は回避されなければならない。したがって、橋絡の角度は、あまり急勾配であってはならない。図1b及び図2cに示されるように、角をつけた側部により、前記角度を、調整軸6の方向に比較的小さくすることができる。結果として、前記遷移領域の長手方向の広がりは、確実に拡大されるが、図2aに同様に示されるように、遷移領域は、内に向きを変えた側部により、特に開口軸4と平行な方向に広がるので、真空バルブの幅に、わずかな影響を及ぼすだけである。したがって、真空バルブ1及び閉鎖部材5は、多少深くなるが、開口幅bに対しては狭くなる。深さを増加させるシール形状の結果、真空バルブ1の、及び、バルブの閉鎖部材5の剛性の増加が、達成される。
第1の例示的な実施形態の場合には、湾曲部分17a、17a’、17b及び17b’並びに基部15c及び15c’は、水平面18a、18b又は18c上に存在し、結果として、調整軸6と平行に広がらず、主要部分12a及び12b又は12a’及び12b’間の間隔を調整軸6と平行な方向に橋絡しないが、図4aから図5eによる第2の例示的な実施形態では、前記部分も、調整軸6と平行な方向に広がる。図4a及び図4b又は図5c及び図5dに示されるように、いずれも、調整軸6と実質的に平行に広がる螺旋のセグメントとして実現することによって、2つの基部15cは、第1水平面18a及び第2水平面18b間の間隔を部分的に橋絡する。基部15c又は15c’は、図5eの、軽く回転しねじれた直線として実現される脚部15a、15a’、15b又は15b’となる。図4b及び図5cに示されるように、第1脚部15a又は15a’は、第1水平面18a及び第3水平面18cの間に広がる2つの第1湾曲部分17a又は17a’になり、第2脚部15b又は15b’は、第2水平面18b及び第3水平面18cの間に広がる2つの第2湾曲部分17b又は17b’になる。図4a、図4b、図5a、図5b、図5c、図5d及び図5eに示されるように、2つの第1湾曲部分17a又は17a’及び2つの第2湾曲部分17b又は17b’は、いずれも、調整軸6と実質的に平行に広がる螺旋のセグメントとして実現される。したがって、2つの第1湾曲部分17a又は17a’及び2つの第2湾曲部分17b又は17b’は、第1水平面18a及び第2水平面18b間の、並びに、第1主要部分12a又は12a’及び第2主要部分12b又は12b’間の間隔を部分的に橋絡する。第2の例示的な実施形態の残りの特徴は、第1の例示的な実施形態の特徴と実質的に対応するため、対応する以上の記載を参照にする。
図6aから図7eは、本発明の第1の態様に記載されるように更に発展させた、図4aから図5eの第2の例示的な実施形態の変形態様を示す。上記の例示的な実施形態と異なる特徴だけが、部分的に、以下で詳述される。
図6aから図7eによる真空バルブ1は、上記の例示的な実施形態と全く同様に、流路F及び幾何学的開口軸4のための開口3を有したバルブハウジング2を含む。閉鎖部材5は、図4aと比較される、開口3を放つ開放位置Oから、開口3を覆うように直線的に押される閉鎖位置Cに、閉鎖部材面7で、開口軸4に対して横断方向に延びる幾何学的調整軸6に沿って、閉じる方向8に直線的な方法で移動可能で、そして、開く方向9へと逆に移動可能である。バルブハウジング2は、開口3を取り囲む少なくとも部分的に曲線状の第1シール面10を有する。図6aから図7eに示されるように、第1シール面10と対応し、第1シール面10と対応する形状を有する第2シール面11が、加硫された弾性シールの形で閉鎖部材5上に配置される。いずれも、調整軸6と平行ではなく、垂直に又は傾斜して開く方向9に向けられる様々に成形された部分から、第1シール面10は、組み立てられる。図6aから図6fに示されるように、閉鎖位置Cでは、第2シール面11は、閉じる方向8に第1シール面10上を押圧しながら、第1シール面10と封止する接触をする。結果として、閉鎖部材5は、ガスが漏れない方法で、開口3を閉鎖する。
図6aから図7eの変形態様の共通点は、開口3及び第1シール面10間のフレーム形状の領域でフレーム状に開口3を取り囲む第1傾斜面22を、バルブハウジング2が有することである。第1傾斜面22と対応し、第1傾斜面22と対応する形状を有する、第1傾斜面22と平行に広がる第2傾斜面23を、閉鎖部材5は有する。第1傾斜面22が傾斜して開く方向9に向き、第2傾斜面23が傾斜して閉じる方向8に向くように、第1傾斜面22及び第2傾斜面23は、いずれも、閉鎖部材面7に対して、傾斜角24で傾斜する。第1傾斜面22及び第2傾斜面23は、破線によって図示される幾何学的広がりで、傾斜角24で、幾何学的調整軸6と交差する。閉鎖部材面7は、第1傾斜面22及び第2傾斜面23と、平行な傾斜面22及び23間の小さな間隔によって共通の交線28として示される、交線28で交差する。前記交線28は、互いに平行に延び、主要面の平坦な展開によって、幾何学的直線となる。しかしながら、図2f及び図2gに特に示されるように、主要面を曲線状の面とし、結果として、示される例示的な実施形態では幾何学的平面である傾斜面22及び23も、曲線状の面によって形成することも可能で、この場合、交線28は曲線となる。
示される例示的な実施形態では、傾斜角24は、約5度である。図6aから図7eによる変形態様では、閉鎖部材5の閉鎖位置Cで、第2傾斜面23が、第1傾斜面22の反対の平行な位置に配置され、図6aによる変形態様では、傾斜面22及び23間の互いに対する間隔vが、0.05mmより大きく0.6mmより小さくなり、図6bから図6fによる変形態様の場合には、2つの傾斜面が互いに接触すべく間隔vが0に等しくなるように、第1傾斜面22及び第2傾斜面23は互いに対して存在する。
図6aによる変形態様では、第1傾斜面22及び第2傾斜面23は、非弾性金属面として実現される。傾斜面22及び23間の接触がなく、摩擦粒子の生成が回避されるように、閉鎖部材5の閉鎖位置Cでの間隔vは、図6aに示されるように、0.05mmと0.6mmの間となる。閉鎖位置Cでの傾斜面22及び23間の小さな間隔vによって、前記小さな間隙がバリアとしての機能を果たし、シール面10又は11に直接接触している開口4の領域からの活動的な媒体を阻止する。
シール面10及び11に入り込む媒体を更に阻止するために、図6aから図6fによるすべての変形態様の場合に、バルブハウジング2及び閉鎖部材5は、第1傾斜面22及び第1シール面10間の領域に、凹部27を有し、凹部27は、第1傾斜面22を取り囲み、バルブハウジング2及び閉鎖部材5間の間隔zが、凹部27の領域で、少なくとも0.8mm、特に0.8mmと6mmの間となるように配置及び展開される。媒体が、傾斜面22及び23間の間隙に入り込む場合に、この方法で発生させられた乱流により、第2シール11上への媒体の影響は、更に減少する。
図6cは、高周波保護シールドを有する実施形態を示す。電位に関してバルブハウジング1と結合した導電性金属面として、第1傾斜面22は、実現される。図6cに示されるように、第2傾斜面23は、閉じた導電性保護シールド23aであり、閉鎖位置Cで、開口3を完全に覆い、バルブハウジング1と保護シールド23aの電位的な結合のために、開口3周辺全体で、第1傾斜面22に電気的に接続される。前記電気接触をもたらすため、第1傾斜面22及び第2傾斜面23間に電気接触が存在するように、閉鎖位置Cでの間隔vは、0に等しくなる。
図6b、図6d及び図6eによる変形態様の場合には、第2傾斜面23が、いずれも、追加的な弾性シール25a、25b又は25cによって形成されるが、図6fによる変形態様の場合には、第1傾斜面22が、追加的な弾性シール25aによって形成される。追加的な弾性シール25a、25b又は25cがシーリングによりそれぞれ反対の傾斜面22又は23と接触するように、閉鎖部材5の閉鎖位置Cでの間隔vは、いずれも、0に等しい。したがって、第1及び第2シール面10及び11は、開口3の領域に存在する媒体から、広範囲に隔離される。図6b又は図6fの追加的な弾性シール25aは、溝26に配置された、円形断面を有するO−リング25aによって形成されるが、図6dのO−リング25bの断面は腎臓形断面で、そして、図6eのO−リング25cの断面は、X字状断面である。代替として、バルブハウス2及び/又は閉鎖部材5上に加硫されるシールにより、追加的な弾性シール25a、25b又は25cを形成することが可能である。
本発明の2つの態様の、及び、個々の例示的な実施形態の、個々の特定の特徴を、互いに組み合わせることは、明らかに可能である。更に、第1の例示的な実施形態及び曲線状の基本的な断面の2つのその変形態様の特徴と、第2の例示的な実施形態の特徴を組み合わせることは可能で、その逆も可能であり、そして、例えば、特に螺旋のセグメントの形で部分を橋絡するために、1つ又は複数の基部及び/又は1つ又は複数の第1湾曲部分を単に実現することも可能である。曲線又は螺旋の形状の代わりとなる、説明された形状と機能上等しい他の2次元形状又は2次元拡張形状も、同様に、本発明に含まれる。更に、傾斜面の変形態様の特徴と、前記組み合わせを、組み合わせることが可能である。