JP2014520031A - 改良型トレッドを有するタイヤ - Google Patents

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Abstract

タイヤ(10)であって、タイヤの寿命中にすり減るよう設計されたトレッド部分を有し、トレッド部分は、半径方向厚さT、外側エッジ(45)及び内側エッジ(46)を有し、外側エッジ(45)と内側エッジ(46)との間の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lを定め、トレッドは、4つのゴムコンパウンドで作られた4つの隣り合う部分(411〜414)を有し、第1及び第3の部分を構成するゴムコンパウンドには、主として、カーボンブラックフィラーが入っており、第2及び第4の部分を構成するゴムコンパウンドには、主として、非カーボンブラックフィラーが入っており、第1及び第3の部分を構成するゴムコンパウンドは、0.7MPaの応力の場合のtanδについて、第2及び第4の部分を構成するゴムコンパウンドの0℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについての値よりも小さい値を有し、非摩耗状態にあるときのタイヤの転動面からの距離の関数として第1の部分の軸方向幅は減少し、第2の部分の軸方向幅は増加する。

Description

本発明は、乗用車用タイヤに関する。本発明は、特に、スポーティな路上運転に向いたタイヤに関する。
タイヤが転動している路面上に対してタイヤが持つグリップは、タイヤを装着した車両の運転手の安全性の観点から見て最も重要な特徴のうちの1つである。グリップは、スポーティな路上運転(即ち、一般道路又は高速道路条件よりも要求の高い速度条件、加速度条件又はコーナリング条件下で行われる運転)の際の車両の性能を定める上で最も重要な特徴でもある。このタイヤがグリップを失った結果としてかじ取り能力を失った場合、車両は制御不能状態になる場合がある。
当然のことながら、車両は、スポーティな路上運転条件で使用されるよう設計されている場合であっても、変わりやすい天候条件の下、特に濡れた路面及び乾いた路面条件下で運転されなければならない。したがって、タイヤは、乾いた路面及び濡れた路面に対して良好なグリップを提供する手段を備えることが望ましい。特に、例えば水を排出すると共に/或いは貯えることができる凹部を提供することにより又はトレッドと路面との間に形成されている水の膜に切り込むことができるトレッドパターンエッジの数を増やすことによってトレッドパターンの少なくとも一部を濡れた路面上での使用に適合させることが可能である。また、トレッドの構成材料を濡れた路面及び/又は乾いた路面上での使用に特に適したゴムコンパウンドを用いて設計変更することが可能である。2種類のゴムコンパウンドを有するトレッドは、あらゆる状況下において良好なグリップを達成することができる。かかるタイヤの一例が欧州特許第1308319号明細書に与えられている。
スポーティな路上運転条件下において、車両のタイヤは、タイヤを装着している車両がコーナリングしているときに相当大きな横方向応力を受ける。コーナリングの際、横方向応力により、各タイヤが転動している路面に各タイヤが接触する接触領域上に変形が生じ、この変形の結果として、実質的に台形の形になる。カーブの中心から最も遠くに位置する接触領域の側が長くなり、これに対し、カーブの中心の最も近くに位置する接触領域の側が短くなる。
「カーブの中心から最も遠くに位置する接触領域の側」という表現は、タイヤが取り付けられているホイールの中心のドリフト速度の方向においてトレッドの要素が路面に接触する際の側である。この理由で、この側は、「(横方向)前縁」と呼ばれる場合がある。反対の側、即ち、「カーブの中心の最も近くに位置する接触領域の側」は、「(横方向)後縁」と呼ばれる場合がある。
この「台形」変形は、トレッドの種々のリブにより支持される荷重と各リブがタイヤにより生じる横方向力に対してなす貢献度の両方を変えてしまう。車両のタイヤが所与のコーナリング状況において支持しなければならない荷重が所与の場合、長い状態になったリブは、タイヤの支持する全荷重の多くの分担割合を支持する。短くなったリブは、これに対応してタイヤによって支持される全荷重の少ない割合を支持する。所与のコーナリング状況下においてタイヤのうちの1本により送り出される横方向力が所与の場合、最も大きな荷重の加わるリブ(一般に、カーブの中心から最も遠くに位置する側のリブ)は、全横方向力に最も大きな貢献度をなすリブであることが推定される。
濡れた路面上で用いられるのに適したゴムコンパウンドは、一般に、乾いた路面上における過酷なコーナリング条件下においてタイヤの接触領域中に生じる極めて大きな熱的及び機械的応力に対して脆い。タイヤのトレッドが乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られた部分及び濡れた路面に対して良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られた部分を備えている場合、乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドがカーブの中心から最も遠くに位置する接触領域の側に配置されるようにすることが好ましい。かくして、接触領域が台形になった場合であっても、タイヤは、乾いた路面上に対して良好なグリップを維持し、即ち、大きな横方向力を生じさせる良好な能力を維持することになる。さらに、接地圧力が接触領域のこの同じ側(これは、カーブの中心から最も遠くに位置する)では高いので、路面を濡らしている水の排出は、一般に、接触領域のこの側ではかなり満足がいく。その結果、良好なグリップ接触を保証すると共に乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドの使用を可能にする条件は、トレッドのこの領域で確立される。換言すると、タイヤは、この領域では、あたかも乾いた路面上を転動しているかのように振る舞う。したがって、トレッドのこの部分に、濡れた路面上で良好なグリップをもたらすと共に乾いた路面上における性能が乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドの性能よりも低いゴムコンパウンドをもたらす必要がない。ミシュラン(Michelin)社により商業化された”Pilot Sport 2”型タイヤは、トレッド内にかかるゴムコンパウンドの分布状態を有するタイヤの一例である。
欧州特許第1308319号明細書
グリップの面でこのタイヤにより提供される良好な成功にもかかわらず、タイヤ、特にスポーティな路上運転向きに設計されたタイヤの乾いた路面上におけるグリップと濡れた路面上におけるグリップの妥協点を向上させる必要性が依然として高まっている。
したがって、本発明の目的のうちの1つは、タイヤが新品(非摩耗状態)又はほぼ新品であるときとタイヤが相当な摩耗を生じたときの両方において乾いた路面上におけるグリップと濡れた路面上におけるグリップの良好な妥協点をもたらすタイヤを提供することにある。
この目的は、所定の取り付け方向を有するタイヤを用いて達成され、このタイヤでは、伝統的に濡れた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドのために確保されているトレッドの部分の一部が乾いた路面上において良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られている。換言すると、タイヤがこの所定の取り付け方向で車両に(即ち、タイヤの「内部」に対応のサイドウォールは、一般に、刻印”inside”を備えると共に/或いは反対側のサイドウォールは、一般に、刻印”outside”を備えている)取り付けられたときに車両の方へ向く車両の側に位置したトレッドの部分の一部は、乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られる。乾いた路面上のグリップと濡れた路面上のグリップとの有利な妥協点は、乾いた路面上で良好なグリップを有するゴムコンパウンドで作られたトレッド部分のうちの部分の軸方向広がりを巧妙に変化させると共に更に濡れた路面上で良好なグリップを有するゴムコンパウンドで作られたトレッド部分のうちの部分の軸方向広がりを変化させることによってタイヤ摩耗度の関数として最適値として維持される。例えば、各トレッド部分の軸方向広がりは、濡れた路面上において良好なグリップを提供する部分が摩耗度の増大につれて増大するようトレッド深さにつれて変化するのが良い。これにより、トレッドが摩耗状態になったときにハイドロプレーニングを回避すると共に良好な性能が維持される。
具体的に言えば、この目的は、車両のホイールの取り付けリムに取り付けられるよう設計されていて車両への所定の取り付け方向を有するタイヤであって、タイヤは、タイヤが路面上を転動しているときに路面に接触するようになった転動面及びタイヤの寿命中に摩滅するようになっているトレッド部分を備えたトレッドを有し、トレッドは、半径方向厚さTを有する形式のタイヤを用いることによって達成される。トレッドは、非摩耗状態にあるとき、外側エッジ及び内側エッジを有し、外側エッジは、タイヤが所定の取り付け方向で車両に取り付けられると、車両の外側の方へ向くタイヤの側に位置し、内側エッジは、タイヤが所定の取り付け方向で車両に取り付けられると、車両の方へ向くタイヤの側に位置する。外側エッジと内側エッジとの間の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lを定める。
トレッドは、任意の半径方向断面で見て、少なくとも1つの第1のゴムコンパウンドで作られた第1の部分を有し、第1の部分は、第1の軸方向境界位置から第2の軸方向境界位置まで延びている。内側エッジからの第1の軸方向境界位置の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lの95%以上である。
トレッドは、任意の半径方向断面で見て、第1の部分に軸方向に隣接して位置すると共に少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドで作られた第2の部分を有する。第2の部分は、第3の軸方向境界位置から第4の軸方向境界位置まで延びている。
特定の実施形態によれば、第3の軸方向境界位置は、DRの少なくとも幾つかの値に関し又はそれどころかDRの全ての値に関し、第2の軸方向境界位置と一致し、DRは、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離である。別の実施形態によれば、第3の軸方向境界位置及び第2の軸方向境界位置は、トレッド中にトレッドの第1の部分と第2の部分を隔てる切り込みを画定する。この実施形態では、第3の軸方向境界位置は又、DRの幾つかの互いに関し、第2の軸方向境界位置と一致するのが良い。
トレッドは、任意の半径方向断面で見て、第2の部分に軸方向に隣接して位置すると共に少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドで作られた第3の部分を有する。第3の部分は、第5の軸方向境界位置から第6の軸方向境界位置まで延び、第6の軸方向境界位置と外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの80%以上且つ90%以下である。
特定の実施形態によれば、第5の軸方向境界位置は、DRの少なくとも幾つかの値に関し又はそれどころかDRの全ての値に関し、第4の軸方向境界位置と一致する。別の実施形態によれば、第5の軸方向境界位置及び第4の軸方向境界位置は、トレッド中にトレッドの第2の部分と第3の部分を隔てる切り込みを画定する。この実施形態では、第4の軸方向境界位置は又、DRの幾つかの互いに関し、第5の軸方向境界位置と一致するのが良い。
最後に、トレッドは、任意の半径方向断面で見て、第3の部分に軸方向に隣接して位置すると共に少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドで作られた第4の部分を有する。第4の部分は、第7の軸方向境界位置から第8の軸方向境界位置まで延び、外側エッジからの第8の軸方向境界位置の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lの95%以上である。
特定の実施形態によれば、第7の軸方向境界位置は、DRの少なくとも幾つかの値に関し又はそれどころかDRの全ての値に関し、第6の軸方向境界位置と一致する。別の実施形態によれば、第7の軸方向境界位置及び第6の軸方向境界位置は、トレッド中にトレッドの第3の部分と第4の部分を隔てる切り込みを画定する。この実施形態では、第6の軸方向境界位置は又、DRの幾つかの互いに関し、第7の軸方向境界位置と一致するのが良い。
特定の実施形態では、第1、第2、第3及び第4の部分は各々、タイヤの周囲全体にわたって延びると共にタイヤが新品であるとき、又は、少なくともトレッドの摩耗度が10%に達したとき、転動面との交点を有する。
少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、少なくとも1つのエラストマー及びカーボンブラックを含む少なくとも1つの補強充填剤を含み、カーボンブラックは、補強充填剤の全体の重量の50%以上且つ100%以下の百分率PN1を占め、少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドは、少なくとも1つのエラストマー及び場合によってはカーボンブラックを含む少なくとも1つの補強充填剤を含み、カーボンブラックは、補強充填剤の全体の重量の0%以上且つ50%以下の百分率PN2を占める。
少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、0℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについて、同一の温度及び応力条件における少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドのtanδについての値よりも小さい値を有する。
本発明のタイヤでは、以下の条件(C1)及び(C2)のうちの少なくとも一方が満たされる。
(C1)第1の部分は、任意の半径方向断面で見て、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離DRの関数として減少する軸方向幅を有し、第2の軸方向境界位置は、半径方向距離DRの関数として変化し、第2の軸方向境界位置と外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの20%以上且つ40%以下であり、DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの10%以上且つ38%以下であり、但し、DR=0.2・Tの場合の第2の軸方向境界位置がDR=0.8・Tの場合の第2の軸方向境界位置に対し、トレッドの軸方向幅Lの少なくとも2%だけ軸方向内側に位置することを条件とする。
(C2)第2の部分は、任意の半径方向断面で見て、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離DRの関数として増加する軸方向幅を有し、第4の軸方向境界位置は、半径方向距離DRの関数として変化し、第4の軸方向境界位置と外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの50%以上且つ60%以下であり、DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの52%以上且つ70%以下であり、但し、DR=0.2・Tの場合の第4の軸方向境界位置がDR=0.8・Tの場合の第4の軸方向境界位置に対し、トレッドの軸方向幅Lの少なくとも2%だけ軸方向内側に位置することを条件とする。例えば、軸方向幅の所望の増加は、第3の軸方向境界位置がDRの少なくとも幾つかの値に関し、第2の軸方向境界位置と一致する場合又は第3の軸方向境界位置がトレッド中にトレッドの第1の位置と第2の位置を隔てる切り込み、例えば、円周方向切り込みを画定する場合に提供できる。特定の実施形態では、第3の軸方向境界位置は、DRが変化する場合でも一定であるか、或いは、DR=0.2・Tの場合の第3の軸方向境界位置がDR=0.8・Tの場合の第3の軸方向境界位置の軸方向外側に位置するかのいずれかである。
好ましくは、条件(C1)と条件(C2)の両方が同時に満たされる。
本発明のタイヤでは、トレッドが摩耗しているとき、乾いた路面上において比較的良好なグリップを有する第1の部分の軸方向幅は、減少し、濡れた路面上において良好なグリップを有する第2の部分の軸方向幅は、増大する。これは、トレッドが摩耗しているとき、ハイドロプレーニング現象がより問題になり(水貯蔵及び排出は、トレッドの切り込みの深さが減少すると、より困難になる)、これに対し、乾いた路面上におけるタイヤグリップがタイヤの摩耗につれてそれほど変化しないので、有利である。したがって、本発明のタイヤでは、タイヤが摩耗しているとき、濡れた路面上において良好なグリップを有するゴムコンパウンドの相対的比率(転動面内における)が増大し、その結果、全体的なタイヤグリップの妥協点が改善され、これにより、タイヤは、低速(この場合、ハイドロプレーニングは、現れない)では良好な性能を有すると共に濡れた路面上における良好なグリップを有するゴムコンパウンドの大部分により、ハイドロプレーニング後迅速に回復することができる。
有利な一実施形態によれば、少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド、少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド、少なくとも1つの第3のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドで作られた部分は全て、タイヤが新品であるとき、転動面との交点を有する。かくして、タイヤは、その潜在能力全体を発揮することができると共にこれらゴムコンパウンドの各々により最初の使用から適切に提供される特性を利用することができる。
別の有利な実施形態によれば、第6の軸方向境界位置は、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離DRの関数として変化し、外側エッジからの第6の軸方向境界位置の軸方向距離は、DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの70%以上且つ95%以下であり、但し、(a)DR=0.2・Tの場合の第6の軸方向境界位置と(b)DR=0.8・Tの場合の第6の軸方向境界位置の差がトレッドの軸方向幅Lの2%以上であることを条件とする。
さらに別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、少なくとも1つの第1のゴムコンパウンドと同種であり、少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドは、少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドと同種である。この実施形態は、タイヤの製造を単純化すると共に工場でのゴムコンパウンドの在庫の管理を単純化するという顕著な利点を有する。
第4の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、10℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについて、少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド及び少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドの10℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについての値よりも大きい値を有する。事実、10℃及び0.7MPaの応力の場合のゴムコンパウンドの値tanδは、乾いた路面上におけるグリップを適切に特徴付ける。
別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの第1のゴムコンパウンドと少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドについてのtanδの値の差は、0.05以上であり、少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドと少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドについてのtanδの値の差は、0.05以上であり、少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドと少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドについてのtanδの値の差も又、0.05以上である。これは、場合によって0℃におけるtanδ値と10℃におけるtanδの値の両方に当てはまる。
当然のことながら、上述の実施形態のうちの2つ又は3つ以上を組み合わせることが可能であり、それどころかそのようにすることが望ましい。
先行技術のタイヤを示す図である。 先行技術のタイヤの部分切除斜視図である。 先行技術のタイヤの1/4の半径方向断面図である。 トレッドの軸方向エッジをどのようにして定めるかを表す略図である。 トレッドの軸方向エッジをどのようにして定めるかを表す略図である。 トレッドの「内側エッジ」及び「外側エッジ」という用語の内容を示す略図である。 先行技術のタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 タイヤが相当大きな横方向応力を受けた際のタイヤの変形状態を概略的に示す図である。 かかるタイヤの接触領域の台形ひずみを概略的に示す図である。 車両がコーナリングをしている方向に応じて、車両の同一のアクスルに取り付けられた2本のタイヤの接触領域の台形ひずみを概略的に示す図である。 車両がコーナリングをしている方向に応じて、車両の同一のアクスルに取り付けられた2本のタイヤの接触領域の台形ひずみを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示す図である。 タイヤの寿命中に摩耗するトレッド部分の半径方向厚みの概念を概略的に示す図である。
「半径方向」という用語を用いる場合、当業者がこの用語の幾つかの異なる使い方を区別することが重要である。まず第1に、この用語は、タイヤの半径を意味している。この意味では、箇所P1は、これが箇所P2よりもタイヤの回転軸線の近くに位置する場合、箇所P2「の内側に半径方向に」(又は箇所P2「の半径方向内側に」)位置すると呼ばれる。これとは逆に、箇所P3は、これが箇所P4よりもタイヤの回転軸線から遠くに位置する場合、箇所P4「の外側に半径方向に」(又は箇所P4「の半径方向外側に」)位置すると呼ばれる。「半径方向内方(又は半径方向外方)」に進むとは、進行が小さい半径(又は大きい半径)に向かって進むことを意味している。半径方向距離という用語に関し、これ又、当てはまるのは、かかる用語のこの意味である。
これとは対照的に、細線又は補強材、細線又は補強材の補強要素が円周方向と80°以上且つ90°以下の角度をなす場合に「半径方向」であると呼ばれる。指定されるべきこととして、本明細書においては、「細線」という用語は、全く一般的な意味で理解されなければならず、細線は、細線の構成材料又はゴムとのその結合性を促進するために実施される表面処理とは無関係に、モノフィラメント、マルチフィラメント、コード、糸(ヤーン)又はこれらと同等の集成体の形態をした細線を含む。
最後に、「半径方向横断面」又は「半径方向断面」という用語は、本明細書では、タイヤの回転軸線を含む平面に関する横断面又は断面を意味している。
「軸方向」は、タイヤの回転軸線に平行な方向である。箇所P5は、これが箇所P6よりもタイヤの中間平面の近くに位置する場合、箇所P6「の内側に軸方向に」(又は箇所P6「の軸方向内側に」)位置すると呼ばれる。これとは逆に、箇所P7は、これが箇所P8よりもタイヤの中間平面から遠くに位置する場合、箇所P8「の外側に軸方向に」(又は箇所P8「の軸方向外側に」)位置すると呼ばれる。タイヤの「中間平面」は、タイヤの回転軸線に垂直であり且つ各ビードの環状補強構造体から等距離のところに位置する平面である。
トレッドの2つの部分A,Bは、部分Aの箇所P1と部分Bの箇所P2を結ぶ少なくとも1つの軸方向Dが存在する場合、「軸方向に隣接」していると呼ばれ、従って、箇所P1とP2を結ぶ方向Dのセグメントは、部分A,B以外のトレッドの部分とはどこにも交差しないようになる。しかしながら、箇所P1とP2を結ぶ方向Dのセグメントは、トレッドの部分A,Bを互いに隔てる切り込み(溝、サイプ...)との交点を有するが、これが、「軸方向に隣接」していると考えられるA,Bにとって有害であるというわけではない。換言すると、2つの軸方向に隣接した部分は、互いに直接的に接触した状態で又は切り込みによって隔てられているに過ぎない状態で(しかしながら、他のトレッド部分によって隔てられているわけではない)軸方向に並置して位置決めされる。
「円周方向」は、タイヤの半径と軸方向の両方に対して垂直な方向である。「円周方向断面」は、タイヤの回転軸線に垂直な平面に関する断面である。
本明細書において「転動面」と言う用語は、タイヤの転動時に路面に接触するタイヤのトレッド上のあらゆる箇所を意味する。
「ゴムコンパウンド」という用語は、少なくとも1種類のエラストマー及び少なくとも1種類の充填剤(フィラー)を含むゴムの配合物を意味している。
タイヤトレッドの「摩耗レベル」は、トレッドが摩耗に起因して失った半径方向厚さとトレッドが交換を必要とし又は更生(リトレッド)を必要とする前に失うようになったトレッド部分の半径方向厚さの比を意味している。大抵のタイヤでは、溝の底部のところに、トレッドが失うようになった厚さの全てをトレッドが失ったことを示す摩耗インジケータが設けられており、その結果、タイヤが交換され又は更生されなければならないということが明らかになる。25%の摩耗レベルは、トレッドの交換(又は更生)が必要になる前に摩耗可能なゴムコンパウンドの1/4を失ったことを意味している。摩耗レベルは、一般に、百分率として表され、所与の時点では、トレッドのゾーンの全てが必ずしも同一の摩耗レベルを示しているわけではない。(「不均一摩耗」)。
タイヤの寿命中に摩耗するよう設計されたトレッド部分の「半径方向厚さT」は、次のように定められている。各軸方向位置に関し、タイヤの周囲全体にわたって見られる最も深い切り込みの半径方向深さPR(単位mm)―この軸方向位置のところの半径方向厚さT(単位mm)をPR−1.6であると定められているものとする。これは、タイヤが1.6mmという最小切り込み深さを有することが必要であるという規則が存在するからである。所与の軸方向位置に関し、タイヤの周囲全体にわたって切り込みが存在しないが、切り込みが見受けられる検討対象の軸方向位置の両方の側(軸方向)に軸方向位置が存在する場合、検討対象の軸方向位置のところの半径方向厚さは、切り込みが存在する両方の側部上の最も近い軸方向位置の補間厚さであると定義される。所与の軸方向位置に関し、検討対象の軸方向位置の軸方向内側に存在していて、切り込みが見受けられる軸方向位置が存在する場合、検討対象の軸方向位置のところの半径方向厚さは、この軸方向位置の軸方向内側に存在していて、切り込みが設けられている最も近い軸方向位置の厚さに等しいと定められる。図19も又参照されたい。
タイヤの寿命中に摩耗するよう設計されたトレッド部分の摩耗レベルと半径方向厚さTとの間には直接的な関連が存在することが理解されよう。局所的に、厚さTのX%が摩耗したとき、X%の摩耗レベルに達する。
本明細書で用いられる「台形」という用語は、2本の平行な辺を有する四辺形を意味し、即ち、「不等辺四辺形」という用語の同義語として用いられている。
図示の実施形態に関する説明を読みやすくするため、同一の構造を有する要素を示すのに同一の参照符号が用いられている。
図1は、先行技術のタイヤ10の略図である。タイヤ10は、トレッド40を載せたクラウン補強材(図1では見えない)を含むクラウンと、クラウンの半径方向内方の延長部としての2つのサイドウォール30と、サイドウォール30の半径方向内側に設けられた2つのビード20とを有している。
図2は、先行技術の7イヤ10の概略部分斜視図であり、このタイヤの種々のコンポーネントを示している。タイヤ10は、ゴムコンパウンドで被覆された細線61で構成されているカーカス補強材60と、各々がタイヤ10をリム(図示せず)上に取り付けた状態に保持する環状補強構造体70を含む2つのビード20とを有している。カーカス補強材60は、ビード20の各々の中に繋留されている。タイヤ10は、2枚のプライ80,90を含むクラウン補強材を更に有している。プライ80,90の各々は、各層中で平行であり且つ或る1つの層から次の層にクロス掛けされていて、円周方向と10°〜70°の角度をなす細線状補強要素81,91によって補強されている。タイヤは、クラウン補強材の半径方向外側に配置されたたが掛け補強材100を更に有し、このたが掛け補強材は、円周方向に差し向けられると共に螺旋の状態に巻かれた補強要素101で構成されている。トレッド40がたが掛け補強材上に配置されており、タイヤ10が路面と接触するのは、このトレッド40によってである。図示のタイヤ10は、「チューブレス」タイヤであり、このタイヤは、インフレーションガスに対して不透過性であると共にタイヤの内面を覆うゴムコンパウンドで作られた「インナーライナ」50を有する。
図3は、ミシュラン(Michelin)社によって商品化された“Pilot Sport 2 ”型の基準タイヤ10の1/4を半径方向断面図で概略的に示している。タイヤ10は、取り付けリム(図示せず)に接触するよう構成された2つのビード20を有し、各ビード20は、ビードワイヤ70を有する。ビード20の半径方向外方の延長部として2つのサイドウォール30が設けられ、これら2つのサイドウォールは、クラウン25に合体し、クラウン25は、補強要素80の第1の層及び補強要素90の第2の層で形成されたクラウン補強材を有し、クラウン補強材の半径方向上にはたが掛け補強材100が載り、たが掛け補強材100それ自体の半径方向上にはトレッド40が載っている。タイヤの中間平面130も又示され、同様に、転動面47及び円周方向溝141が示されている。
トレッドの軸方向縁を定めるやり方が図4及び図5に示されており、図4及び図5の各々は、トレッド40の一部分の輪郭形状及びこれに隣接して位置するサイドウォール30の部分の輪郭形状を示している。幾つかのタイヤ設計例では、トレッドからサイドウォールへの移行部は、図4に示されている場合のように明確であり、トレッド40の軸方向縁45がはっきりと分かる。しかしながら、トレッドとサイドウォールとの間の移行部が連続しているタイヤ設計例が存在する。その一例が図5に与えられている。この場合、トレッドの縁は、次のようにして判定される。サイドウォール寄りの移行部の付近における転動面上の任意の一点におけるタイヤの転動面の接線をタイヤの半径方向断面上に引く。軸方向縁は、この接線と軸方向とのなす角度α(アルファ)が30°に等しい箇所である。この接線と軸方向とのなす角度α(アルファ)が30°に等しい箇所が幾つか存在する場合、採用されるのは、半径方向最も外側の箇所である。図3に示されているタイヤの場合、軸方向縁45は、このようにして求められる。本明細書においてトレッドの軸方向エッジについて言及する場合にはいつでも、これは、非摩耗状態のトレッドの軸方向エッジであることを意味している。
補強要素80,90の各層は、ゴムコンパウンドで作られたマトリックスで被覆されている細線状補強要素を有する。各層の補強要素は、実質的に互いに平行であり、2つの層の補強要素は、ラジアルタイヤと呼ばれているタイヤに関する当業者には周知であるように、1つの層から次の層に約20°〜30°の角度をなしてクロス掛け関係をなしている。
タイヤ10は、ビード20からサイドウォール30を通ってクラウン25まで延びるカーカス補強材60を更に有している。このカーカス補強材60は、この場合、半径方向に差し向けられ、即ち、円周方向と80°以上且つ90°未満の角度をなす細線状補強要素を有している。
カーカス補強材60は、複数個のカーカス補強要素を有し、このカーカス補強材は、環状補強構造体70相互間で2つのビード20内に繋留されている。
図7は、車両のホイールの取り付けリムに取り付けられるよう設計されると共に車両への所定の取り付け方向を有するタイヤのクラウンを概略的に示している。タイヤは、タイヤが路面(図示せず)上を転動しているときに路面に接触するよう設計された転動面47及びタイヤの寿命中にすり減るよう設計されたトレッド部分を備えたトレッドを有する。トレッドは、非摩耗状態にあるとき、軸方向外側エッジ45及び軸方向内側エッジ46を有し、軸方向外側エッジは、タイヤ10を所定取り付け方向で車両200に取り付けたときに車両200の外側の方へ向くタイヤの側に位置する(図6参照)。軸方向内側エッジは、タイヤ10を所定取り付け方向で車両200に取り付けたときに車両200の方へ向くタイヤの側に位置する(図6参照)。軸方向外側エッジ(45)と軸方向内側エッジ(46)との間の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lを定める。
トレッドは、第1のゴムコンパウンドで作られていて、第1の軸方向境界位置B1から第2の軸方向境界位置B2まで延びる第1の部分411及び第1の部分411に軸方向に隣接して位置していて、第2のゴムコンパウンドで作られた第2の部分412を有する。第2の部分は、第2の軸方向境界位置B2から内側エッジ46の近くに位置する第3の軸方向境界位置B3まで延びている。第1の軸方向境界位置B1及び第3の軸方向境界位置B3は、転動面47からの半径方向距離DRの関数として僅かに変化し、これに対し、第2の軸方向境界位置B2は、半径方向距離DRの関数として変化せず、第2の軸方向境界位置B2と外側エッジ45との間の軸方向距離は、DR=0〜DR=TのDRの値の全てに関し、トレッドの軸方向幅Lの40%に等しい。第1の部分411と第2の部分412の両方は、タイヤが新品(非摩耗状態)であるとき、転動面47との交点を有する。第2のゴムコンパウンドは、第1のゴムコンパウンドの濡れた路面上におけるグリップよりも優れた濡れた路面上におけるグリップを有するが、第1のゴムコンパウンドの乾いた路面上におけるグリップよりも劣った乾いた路面上におけるグリップを有する。
図8及び図9は、3barまでインフレートされると共に大きな荷重(7100Nの荷重)が加えられた先行技術のタイヤが相当大きな横方向応力(キャンバ:−4.4°、横滑り率:3m/s)を受けたときのタイヤの変形状態を概略的に示している。図8は、タイヤの前方移動方向の図に対応している。基準線2は、タイヤ10の回転軸線を示し、基準線3は、タイヤ10が転動している路面を示している。
図9は、タイヤ10が図8に示されている変形を生じているときの路面3上におけるタイヤ10のフットプリントを示している。第一近似として、このフットプリントは、台形(又は不等辺四辺形)4の形をしており、この台形の長い方の側部又は底辺5は、タイヤ10が取り付けられた車両の取るカーブの中心から最も遠くに位置する側である。タイヤのグリップは、濡れた路面上よりも乾いた路面上の方が大きいので、タイヤの受ける場合のある横方向力も又、乾いた路面上の方が大きく、台形変形がより顕著である。したがって、乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドの部分が図7に示されているタイヤの場合のようにカーブの中心から最も遠くに位置する接触領域の側に位置するようにすることが有利である。濡れた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られた部分をカーブの中心の最も近くに位置する接触領域の側に設けることにより、乾いた路面上におけるタイヤのグリップと濡れた路面上におけるタイヤのグリップとの有利な妥協点に達することができる。
本発明のタイヤを説明する際、タイヤがその所定の取り付け方向で車両に取り付けられている場合に車両の外側の方へ向くタイヤの側とタイヤがその所定の取り付け方向において車両に取り付けられている場合に車両の方へ向くタイヤの側とが区別されている。これとは対照的に、先の段落では、物理的作用効果をカーブの中心から最も遠くに位置する側及びカーブの中心の最も近くに位置する側に関して説明した。当然のことながら、これら区別は、互いに一致しているわけではない。と言うのは、カーブの中心と言った場合、これは、カーブの方向で決まり(車両が左側にコーナリングしているか右側にコーナリングしているか)、これに対し、車両の外側の方へ向いた側及び車両の方へ又は内側の方へ向いた側は、これでは決まらない。この見かけの問題は、図10及び図11を用いて説明できる。
図10は、タイヤが転動している路面から上方に見て、車両の同一のアクスル7に取り付けられた2本のタイヤ11,12の接触領域の台形変形を示している。考察しているこの場合は、右回りカーブ(車両の運転手の視点から判断して)、即ち、矢印151を用いて示された方向のカーブである。タイヤ11,12は、これらの所定の取り付け方向に取り付けられており、即ち、これらのトレッドの軸方向内側エッジ46は、車両の車体(車体は、示されていない)の方へ内側に向いた側に位置し、軸方向外側エッジ45は、車両の外部の方へ向いている。厳密に言えば、この状況は、タイヤ11についてのみ最も効果的である。というのは、軸方向外側エッジ45の側に位置した乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドは、カーブの中心から最も遠くに位置する側に存在するからである。これとは対照的に、タイヤ12の場合、乾いた路面上において良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドは、カーブの中心の最も近くに位置する側に存在する。図11に示されているように、状況は、運転手が左側に(自分の視点から見て)、即ち、矢印152を用いて示された方向にコーナリングする場合には逆になる。図11では、最も適しているのは、タイヤ12である。カーブの方向がどちらであるにせよ、「適していない」1本のタイヤが常時存在する。それにもかかわらず、通常の車両は、左側にコーナリングするのと同じほど多く右側にコーナリングするので、カーブの中心から最も遠くに位置する側に存在するタイヤを特別扱いすることが好ましい。というのは、より大きな荷重を支持し、より広い接触面積を有するのがこのタイヤだからである。したがって、車両の全体的グリップにおいて主要な役割を果たすのは、このタイヤである。したがって、かかる構成は、右側にコーナリングするのと同じほど左側にコーナリングする車両にとって有利な妥協点に該当する。同一方向に常時旋回する滅多に起こらない場合(例えば、もっぱら一方向にのみ円形サーキットを走行するために用いられる車両)では、乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドがカーブの中心から最も遠くに位置する側に常時存在するようにするようタイヤの取り付けを最適化することが可能である。
本発明は、全体的グリップ性能を更に一層向上させ、特に、タイヤが新品(非摩耗状態)であり又はほぼ新品であるときとタイヤが相当な摩耗を生じたときの両方に関し、乾いた路面上におけるグリップと濡れた路面上におけるグリップとの間に見出される妥協点を向上させる仕方を提供する。この目的は、とりわけ、所定の取り付け方向を有するタイヤを用いて達成され、このタイヤでは、従来、濡れた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドのために確保されているトレッドの部分の一部が乾いた路面上において良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られている。換言すると、タイヤがこの所定の取り付け方向で車両に(即ち、タイヤの「内側」には、これに対応したサイドウォールは、一般に、刻印”inside”を備えると共に/或いは反対側のサイドウォールは、一般に、刻印”outside”(外側)を備えている)取り付けられたときに車両の方へ向く車両の側に位置したトレッドの部分の一部は、乾いた路面上で良好なグリップをもたらすゴムコンパウンドで作られる。この部分の軸方向広がりは、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離の関数として変化する。加うるに、タイヤが摩耗しているとき、乾いた路面上における良好なグリップを有するゴムコンパウンドが濡れた路面上において良好なグリップを有するゴムコンパウンドに取って代わる転動面の比率が減少する。
図12は、本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンを概略的に示している。このタイヤは、車両のホイールの取り付けリムに取り付けられるよう設計されていて、車両への所定の取り付け方向を有する。タイヤは、タイヤが路面上を転動しているとき、路面(図示せず)に接触するよう設計された転動面47及びタイヤの寿命中、摩耗するよう設計されているトレッド部分を備えたトレッドを有し、このトレッド部分は、半径方向厚さTを有している。
図19は、軸方向位置の関数として変化する場合のある半径方向厚さTをどのようにして定めるかを概略的に示している。各軸方向位置に関し、タイヤの周囲全体にわたって見受けられる最も深い切り込みの半径方向深さPR(単位mm)を考察する。図19に示されたタイヤは、中央溝(軸方向ゾーンZ4)及び1組の横方向切り込み(軸方向ゾーンZ2及びZ6)を有する。溝の最大深さは、軸方向ゾーンZ4中にPRの値を定め、軸方向ゾーンZ2,Z6中の切り込みの最大深さは、これらのゾーン中にPRのそれぞれの値を定める。これらのゾーン中の半径方向厚さTは、PR(単位mm)−1.6であると定められる。これは、タイヤが1.6mmという最小切り込み深さを有することを要求する規則が存在するからである。例えば軸方向ゾーンZ1及びZ7中の所与の軸方向位置に関し、タイヤの周囲全体にわたって切り込みが存在しないが、切り込みが見受けられる検討対象の軸方向位置の両方の側(軸方向)に軸方向位置が存在する場合、検討対象の軸方向位置のところの半径方向厚さは、切り込みが存在する両方の側部上の最も近い軸方向位置の補間厚さであると定義される。例えば軸方向ゾーンZ1及びZ7中の所与の軸方向位置に関し、検討対象の軸方向位置の軸方向内側に存在していて、切り込みが見受けられる軸方向位置(この場合、軸方向ゾーンZ2及びZ6)が存在する場合、検討対象の軸方向位置のところの半径方向厚さは、この軸方向位置の軸方向内側に存在していて、切り込みが設けられている最も近い軸方向位置の厚さに等しいと定められる。軸方向位置の関数としての半径方向厚さTの結果として得られる曲線が点線300として描かれている。
図12に戻ってこれを参照すると、トレッドは、非摩耗状態では、外側エッジ45及び内側エッジ46を有し、外側エッジは、タイヤを所定取り付け方向で車両に取り付けたときに車両の外部の方へ向くタイヤの側に位置し(図6参照)、内側エッジは、タイヤを所定取り付け方向で車両に取り付けたときに車両の方へ向くタイヤの側に位置する(図6参照)。外側エッジ45及び内側エッジ46の正確な位置を求める際に上述したことは、本発明の一実施形態としてのタイヤにも当てはまる。外側エッジ45と内側エッジ46との間の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lを定める。
トレッドは、第1のゴムコンパウンドで作られた第1の部分411を有する。第1の部分411は、第1の軸方向境界位置B1から第2の軸方向境界位置B2まで延びており、内側エッジ46からの第1の軸方向境界位置B1の軸方向距離は、トレッドの軸方向幅Lの95%以上である。
トレッドは、第1の部分411に軸方向に隣接して位置していて、第2のゴムコンパウンドで作られた第2の部分412を更に有する。第2の部分412は、第3の軸方向境界位置B3から第4の軸方向境界位置B4まで延びている。図12の実施形態では、第2の軸方向境界位置B2と第3の軸方向境界位置B3は、DRの全ての値に関し、互いに一致し、この場合、DRは、非摩耗状態のトレッドの転動面47からの半径方向距離である。
トレッドは、第2の部分412に軸方向に隣接して位置していて、第3のゴムコンパウンドで作られた第3の部分413を更に有する。第3の部分413は、第5の軸方向境界位置B5から第6の軸方向境界位置B6まで延びている。第6の軸方向境界位置B6と外側エッジ45との間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの83%に等しい。図12の実施形態では、第5の軸方向境界位置B5と第4の軸方向境界位置B4は、DRの全ての値に関し、互いに一致する。
最後に、トレッドは、第3の部分413に軸方向に隣接して位置していて、第4のゴムコンパウンドで作られた第4の部分414を有する。第4の部分414は、図12に示された実施形態では、DRの全ての値に関し、第6の軸方向境界位置B6に一致した第7の軸方向境界位置B7から第8の軸方向境界位置B8まで延びている。外側エッジ45からの第8の軸方向境界位置の軸方向距離は、DRの全ての値に関し、トレッドの軸方向幅Lの95%以上である。
第1、第2、第3及び第4の部分411〜414は各々、タイヤの周囲全体にわたって延びており、タイヤが新品であるとき、転動面47との交点を有する。
一般的に言えば、本発明のタイヤでは、以下の条件(C1)及び(C2)のうちの少なくとも一方が満たされ、この場合、各条件は事実、それぞれ4つの副条件(1)〜(4)及び(1′)〜(4′)を有する。
条件(C1):(1)第1の部分は、任意の半径方向断面で見て、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離DRの関数として減少する軸方向幅を有し、(2)第2の軸方向境界位置B2は、半径方向距離DRの関数として変化し(より数学的表現で言えば、B2=B2(DR))、第2の軸方向境界位置B2と外側エッジ45との間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの20%以上且つ40%以下であり(破線Q2で示されている)、(3)DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの10%以上且つ38%以下であり(破線Q8で示されている)、但し、(4)DR=0.2・Tの場合の第2の軸方向境界位置B2がDR=0.8・Tの場合の第2の軸方向境界位置B2に対し、トレッドの軸方向幅Lの少なくとも2%だけ軸方向内側に位置することを条件とする(より数学的表現で言えば、B2(0.2・T)−B2(0.8・T)≧0.02・L)。副条件(2)及び副条件(3)は、両方向を示す矢印A1,A2によって図12に視覚化されている。副条件(2)を満足させるためには、第2の軸方向境界位置B2と線Q2の交点は、矢印A1上に位置しなければならず、副条件(3)を満足させるためには、第2の軸方向境界位置B2と線Q8の交点は、矢印A2上に位置しなければならない。
条件(C2):(1′)第2の部分は、任意の半径方向断面で見て、非摩耗状態のトレッドの転動面からの半径方向距離DRの関数として増加する軸方向幅を有し、(2′)第4の軸方向境界位置B4は、半径方向距離DRの関数として変化し(より数学的表現で言えば、B4=B4(DR))、第4の軸方向境界位置B4と外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの50%以上且つ60%以下であり、(3′)DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの52%以上且つ70%以下であり、但し、(4′)DR=0.2・Tの場合の第4の軸方向境界位置B4がDR=0.8・Tの場合の第4の軸方向境界位置B4に対し、トレッドの軸方向幅Lの少なくとも2%だけ軸方向内側に位置することを条件とする(より数学的表現で言えば、B4(0.8・T)−B4(0.2・T)≧0.02・L)。副条件(2′)及び副条件(3′)は、両方向を示す矢印A3,A4によって図12に視覚化されている。副条件(2′)を満足させるためには、第4の軸方向境界位置B4と線Q2の交点は、矢印A3上に位置しなければならず、副条件(3′)を満足させるためには、第4の軸方向境界位置B4と線Q8の交点は、矢印A4上に位置しなければならない。
条件(C1)と条件(C2)の両方は、図12のタイヤに関して満たされる。第1の部分411は、任意の半径方向断面で見て、非摩耗状態のトレッドの転動面47からの半径方向距離DRの関数として減少する軸方向幅を有する。第2の軸方向境界位置B2は、半径方向距離DRの関数として変化し、その結果、第2の軸方向境界位置B2と外側エッジ45との間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの30%に等しく、DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの24%に等しい。かくして、DR=0.2・Tの場合の第2の軸方向境界位置B2は、DR=0.8・Tの場合の第2の軸方向境界位置B2に対し、トレッドの軸方向幅Lの6%だけ軸方向内側に位置する。それにより、このタイヤでは、上述した条件(C1)が満たされる。
さらに、第2の部分412は、任意の半径方向断面で見て、非摩耗状態のトレッドの転動面47からの半径方向距離DRの関数として増加する軸方向幅を有する。第4の軸方向境界位置B4は、半径方向距離DRの関数として変化し、その結果、第4の軸方向境界位置B4と外側エッジ45との間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの58%に等しく、DR=0.8・Tの場合、トレッドの軸方向幅Lの66%に等しい。かくして、DR=0.2・Tの場合の第4の軸方向境界位置B4は、DR=0.8・Tの場合の第4の軸方向境界位置B4に対し、トレッドの軸方向幅Lの8%だけ軸方向内側に位置する。それにより、このタイヤでは、上述した条件(C2)も又満たされる。
図13〜図16は、本発明の実施形態としてのタイヤのクラウンの更に4つの実施形態を示している。表Iは、図12〜図14の実施形態に関し、種々の軸方向境界位置B2〜B7と外側エッジ45との間の軸方向距離を一覧表示している(トレッドの横方向幅Lのパーセントとして)。

Figure 2014520031
表I
図13に示されているタイヤのクラウンは、図12に示されているクラウンに類似していて、同様な利点を有し、本質的な差は、トレッドが完全に摩耗する前に部分413が消えるということにある。したがって、トレッドが摩耗すると、転動面の大部分は、濡れた路面上において良好なグリップを有するゴムコンパウンドで作られたものである。
図14に示されているタイヤのクラウンは、タイヤが摩耗すると、部分413の軸方向幅が増大するという点で図12及び図13に示されているクラウンとは異なっている。図13のクラウンと比較した場合のその利点は、部分413が部分412,414から離脱する恐れが減少するということにある。
クラウンが溝を有する場合(大抵のクラウンが確かにそうであるように、図12のタイヤは、溝なしで描かれているが、これは分かりやすくするためであるに過ぎない)及び隣り合う部分がかかる溝によって隔てられている場合、常に互いに一致しているとは限らないと言える。これは、図15及び図16に示されている。
図15は、溝201が第1の部分411と第2の部分412との間に軸方向に設けられているトレッドを示している。したがって、条件(C1)は、満たされていない。しかしながら、条件(C2)は、第4の軸方向境界位置B4(これは、第5の軸方向境界位置B5に一致している)によって依然として満たされている。
図16は、条件(C1)が第2の軸方向境界位置B2(これは、第3の軸方向境界位置B3に一致している)によって満たされており、これに対し、溝202が第2の部分412と第3の部分413との間に軸方向に設けられているが、条件(C2)が満たされている実施形態を示している。
本発明の実施形態としてのタイヤのトレッドが押出し法によって得られる場合、隣り合う部分相互間の境界は、一般に、半径方向断面で見て、例えば、図12〜図16で見て直線状である。しかしながら、これは、本発明のタイヤの必要不可欠な特徴ではない。図17に示されているように、幾つかの部分又は全ての部分の軸方向幅を段階的に変化させることが可能である。これは、トレッドがゴムストリップを重ね合わせることによって作られる場合に実施するのが特に容易である。また、これらの部分を図17の部分412として隣り合う部分相互間の境界が半径方向断面で見てより複雑な形状を有するよう配置することが可能である。この実施形態における部分412の特定の形状の結果として、タイヤ摩耗が進むと、ウェット(濡れた路面上における)グリップが突然増大する。この実施形態では、段階的境界を例えば段部の各水平部分の中点を結ぶ滑らかな曲線によって近似させることができる。かかる滑らかな曲線による近似は、図12について上述したように半径方向距離DRの関数として変化する。図18では、隣り合う部分相互間の境界は、半径方向断面で見て曲線状である。それにもかかわらず、C1かC2かのいずれか一方又はこれら両方が満たされる。
本発明のタイヤでは、第1のゴムコンパウンド及び第3のゴムコンパウンドは、乾いた路面上において良好なグリップを有するコンパウンドである。これらコンパウンドは、少なくとも1つのエラストマー及びカーボンブラックを含む少なくとも1つの補強充填剤を含み、カーボンブラックは、補強充填剤の全体の重量の50%以上且つ100%以下の百分率PN1を占める。第2のゴムコンパウンド及び第4のゴムコンパウンドは、少なくとも1つのエラストマー及び場合によってはカーボンブラックを含む少なくとも1つの補強充填剤を含み、カーボンブラックは、補強充填剤の全体の重量の0%以上且つ50%以下の百分率PN2を占める。
さらに、第1のゴムコンパウンド及び第3のゴムコンパウンドは、0℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについて、同一の温度及び応力条件における第2のゴムコンパウンド及び第4のゴムコンパウンドのtanδについての値よりも小さい値を有する。
表IIは、一例として、本発明のタイヤに使用できるゴムコンパウンドの組成を記載している。この組成は、pce(「パーセントエラストマー」)、即ち、エラストマーの重量で100部当たりの重量部で表される。

Figure 2014520031
表II
表IIに関する備考
[1]40%スチレン、48%1‐4トランスポリブタジエン群を含むSSBR
[2]カーボンブラック系列230(ASTM)
[3]TDAE(「処理された蒸留芳香族抽出物」)油
[4]N‐(1,3‐ジメチルブチル)‐N′‐フェニル‐p‐フェニレンジアミン
ゴムコンパウンドは、好ましくは、少なくとも、ジエンエラストマー、補強充填剤及び架橋系を主成分としている。
「ジエン」エラストマー(又は、区別なく用いられる表現として「ゴム」)という表現は、公知のように、少なくとも一部がジエンモノマー、即ち、2つの共役又は非共役炭素−炭素2重結合を有するモノマーに由来するエラストマー(即ち、ホモポリマー又はコポリマー)を意味するものと理解されたい。用いられるジエンエラストマーは、好ましくは、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、スチレンブタジエンコポリマー(SBR)、イソプレン‐ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン‐スチレンコポリマー(SIR)、ブタジエン‐スチレン‐イソプレンコポリマー(SBIR)及びこれらエラストマーの配合物から成る群から選択される。
好ましい実施形態では、ジエンエラストマーとして、「イソプレン」エラストマー、即ち、イソプレンのホモポリマー又はコポリマー、換言すると、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、種々のイソプレンコポリマー及びこれらエラストマーの配合物から成る群から選択されたジエンエラストマーが用いられる。
イソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴム又はシス−1,4型の合成ポリイソプレンである。これら合成ポリイソプレンのうち、好ましくは、シス−1,4結合の含有率(mol%)が90%を超え、より好ましくは98%を超えるポリイソプレンが用いられる。他の好ましい実施形態によれば、ジエンエラストマーは、その全体又は一部が、配合物として用いられ又は例えばBR系の別のエラストマーとは一緒には用いられない別の1つのジエンエラストマー、例えばSBR(E‐SBR又はS‐SBR)エラストマーで構成されるのがよい。
ゴムコンパウンドは、タイヤの製造向きのゴムマトリックス中に通常用いられる標準の添加剤、例えば、補強充填剤、例えば上述のカーボンブラック以外のカーボンブラック又は無機充填剤、例えばシリカ、無機充填剤を結合する結合剤、老化防止剤、可塑化剤、又はエキステンダ油(エキステンダ油は、性質上芳香性又は非芳香性のものであり、特に、芳香性ではない或いはほんの僅かに芳香性の油、例えば、粘度の高い又は好ましくは低いナフテン系の油又はパラフィン系の油、MES又はTDAE油、30℃よりも高いTgの可塑化樹脂)、非硬化状態のコンパウンドを処理しやすくする作用剤、粘着性樹脂、硫黄又は硫黄ドナー及び/又は過酸化物、促進剤、加硫活性剤又は遅延剤、加硫戻り防止剤、メチレン受容体及び供与体、例えばHMT(ヘキサメチレンテトラミン)又はH3M(ヘキサメトキシメチルメラミン)、補強樹脂(例えばレソルチノール又はビスマレイミド)を主成分とする架橋系、金属塩系、例えばコバルト、ニッケル又はランタニド塩系の公知の密着性促進(定着)系のうちの幾つか又は全てを更に含むのがよい。
コンパウンドを望ましくは、例えば当業者には周知である2つの連続的な準備段階を用いて、即ち、最高110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃までの高い温度での第1の熱機械加工又は混練段階(「非生産的」段階と呼ばれている)を行い、次に、代表的には110℃以下の低い温度での第2の機械的加工段階(「生産的」段階と呼ばれている)を実施し、最終段階の際に架橋系を混入することによって適当なロール機で製造する。
一例を挙げると、非生産的段階は、数分間(例えば、2〜10分間)の単一の熱機械的ステップで実施され、その間、架橋系又は加硫系とは別に必要な成分及び他の添加物を適当な混合機、例えば従来型密閉式混合機内に導入する。次に、このようにして得られた混合物をいったん冷却すると、加硫系を低い温度(例えば30℃〜100℃)に保たれた開放式混合機、例えば開放式ロール機中に投入する。次に、成分全てを数分間(例えば、5〜15分間)かけて配合する(生産的段階)。
次に、加硫(又は硬化)を公知の仕方で、一般に130℃〜200℃の温度で、好ましくは圧力下で、特に硬化温度、用いられる架橋系及び問題のコンパウンドの加硫反応速度論に応じて、例えば5分から90分までの様々であって良い十分な期間にわたり実施する。
表IIIは、組成が表Iに記載されているゴムコンパウンドの性質を記載している。

Figure 2014520031
表III
これら性質は、規格ASTM・D5992‐96に従って粘度分析装置(Metravib VA4000)で測定される。0.7MPaの一定応力下で0℃〜100℃においてスイープされた温度の間、10Hzの周波数で単純な交番正弦剪断応力を受けた加硫済み組成の試験体(厚さ4mm、断面積400mm2の円筒形試験体)の応答結果、特に0℃で観察されたtanδの値及び10℃で観察されたtanδの値が記録される。
思い起こされるように、当業者には周知であるように、0℃におけるtanδの値は、濡れた路面上におけるグリップの潜在能力を表し、0℃におけるtanδが大きければ大きいほど、グリップはそれだけ一層良好である。10℃を超える温度でのtanδの値は、材料のヒステリシス及び乾いた路面上におけるグリップの潜在能力を表している。
組成が表Iに記載されているコンパウンドに戻ると、理解できることとして、第2の組成物は、第1の組成物と比較して高い0℃における(0.7MPaの応力が加えられている)tanδの値を有し、このことは、濡れた路面上におけるそのグリップが優れていることを表しており、第2の組成物は、第1の組成物と比較して低い10℃におけるtanδの値を有し、このことは、乾いた路面上におけるグリップが劣っていることを表している。
“Pilot Super Sport”型タイヤ、即ち、サイズ245/35R20(フロント)及び295/30R20(リヤ)が装着されたポルシェ997を用いて試験を実施した。図14に示されているトレッドを備えた本発明のタイヤを図7に示されているトレッドを備えた基準(コントロール)タイヤと比較した。表Iのゴムコンパウンドを用いた。本発明のタイヤは、濡れた路面上においてラップ当たりちょうど0.2秒であるという犠牲を払って、乾いた路面上においてラップ当たり平均1秒を短くした(サーキット距離が6.2kmのナルド(伊国)所在の「ハンドリング(handling)」サーキット上において)。これらタイムの向上は、乾いた路面上において良好なグリップを報告し、濡れた路面上において実質的に不変のグリップを報告したドライバの主観的評価によって裏付けされた。したがって、本発明は、乾いた路面上におけるグリップと濡れた路面上におけるグリップの良好な妥協点を提供している。試験を80%に近い摩耗レベルで繰り返し実施し、濡れた路面上における著しく良好なグリップが報告された。したがって、本発明は、異なる摩耗レベルにおいて乾いた路面上におけるグリップと濡れた路面上におけるグリップとの良好な妥協点を提供している。

Claims (9)

  1. 車両(200)のホイールの取り付けリムに取り付けられるようになっていて前記車両への所定の取り付け方向を有するタイヤ(10)であって、前記タイヤは、前記タイヤが路面(3)上を転動しているときに路面(3)に接触するようになった転動面(47)及び前記タイヤの寿命中に摩滅するようになっているトレッド部分を備えたトレッド(40)を有し、前記トレッドは、半径方向厚さTを有し、前記トレッドは、非摩耗状態にあるとき、外側エッジ(45)及び内側エッジ(46)を有し、前記外側エッジは、前記タイヤが前記所定の取り付け方向で前記車両に取り付けられると、前記車両の外側の方へ向く前記タイヤの側に位置し、前記内側エッジは、前記タイヤが前記所定の取り付け方向で前記車両に取り付けられると、前記車両の方へ向く前記タイヤの側に位置し、前記外側エッジと前記内側エッジとの間の軸方向距離は、前記トレッドの軸方向幅Lを定め、前記トレッドは、任意の半径方向断面で見て、
    少なくとも1つの第1のゴムコンパウンドで作られた第1の部分(411)を有し、前記第1の部分は、第1の軸方向境界位置(B1)から第2の軸方向境界位置(B2)まで延び、前記内側エッジからの前記第1の軸方向境界位置の軸方向距離は、前記トレッドの前記軸方向幅Lの95%以上であり、
    前記第1の部分に軸方向に隣接して位置すると共に少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドで作られた第2の部分(412)を有し、前記第2の部分は、第3の軸方向境界位置(B3)から第4の軸方向境界位置(B4)まで延び、
    前記第2の部分に軸方向に隣接して位置すると共に少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドで作られた第3の部分(413)を有し、前記第3の部分は、第5の軸方向境界位置(B5)から第6の軸方向境界位置(B6)まで延び、前記第6の軸方向境界位置と前記外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、前記トレッドの前記軸方向幅Lの80%以上且つ90%以下であり、この式において、DRは、前記非摩耗状態のトレッドの前記転動面からの半径方向距離であり、
    前記第3の部分に軸方向に隣接して位置すると共に少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドで作られた第4の部分(414)を有し、前記第4の部分は、第7の軸方向境界位置(B7)から第8の軸方向境界位置(B8)まで延び、前記外側エッジからの前記第8の軸方向境界位置の軸方向距離は、前記トレッドの前記軸方向幅Lの95%以上であり、
    前記第1、前記第2、前記第3及び前記第4の部分は各々、前記タイヤの周囲全体にわたって延びると共に前記タイヤが新品であるとき、又は、少なくとも前記トレッドの摩耗度が10%に達したとき、前記転動面との交点を有し、
    前記少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド及び前記少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、少なくとも1つのエラストマー及びカーボンブラックを含む少なくとも1つの補強充填剤を含み、前記カーボンブラックは、前記補強充填剤の全体の重量の50%以上且つ100%以下の百分率PN1を占め、前記少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド及び前記少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドは、少なくとも1つのエラストマー及び場合によってはカーボンブラックを含む少なくとも1つの補強充填剤を含み、前記カーボンブラックは、前記補強充填剤の全体の重量の0%以上且つ50%以下の百分率PN2を占め、
    前記少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド及び前記少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、0℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについて、同一の温度及び応力条件における前記少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド及び前記少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドのtanδについての値よりも小さい値を有し、以下の条件(C1)及び(C2)のうちの少なくとも一方が満たされ、
    (C1)前記第1の部分は、任意の半径方向断面で見て、前記非摩耗状態のトレッドの前記転動面からの半径方向距離DRの関数として減少する軸方向幅を有し、前記第2の軸方向境界位置は、前記半径方向距離DRの関数として変化し、前記第2の軸方向境界位置と前記外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、前記トレッドの前記軸方向幅Lの20%以上且つ40%以下であり、DR=0.8・Tの場合、前記トレッドの前記軸方向幅Lの10%以上且つ38%以下であり、但し、DR=0.2・Tの場合の前記第2の軸方向境界位置がDR=0.8・Tの場合の前記第2の軸方向境界位置に対し、前記トレッドの前記軸方向幅Lの少なくとも2%だけ軸方向内側に位置することを条件とし、
    (C2)前記第2の部分は、任意の半径方向断面で見て、前記非摩耗状態のトレッドの前記転動面からの半径方向距離DRの関数として増加する軸方向幅を有し、前記第4の軸方向境界位置は、前記半径方向距離DRの関数として変化し、前記第4の軸方向境界位置と前記外側エッジとの間の軸方向距離は、DR=0.2・Tの場合、前記トレッドの前記軸方向幅Lの50%以上且つ60%以下であり、DR=0.8・Tの場合、前記トレッドの前記軸方向幅Lの52%以上且つ70%以下であり、但し、DR=0.2・Tの場合の前記第4の軸方向境界位置がDR=0.8・Tの場合の前記第4の軸方向境界位置に対し、前記トレッドの前記軸方向幅Lの少なくとも2%だけ軸方向内側に位置することを条件とする、タイヤ。
  2. 前記条件(C1)と前記条件(C2)の両方が満たされる、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記少なくとも1つの前記第1、前記第2、前記第3及び前記第4のゴムコンパウンドで作られた前記部分(411,412,413,414)は全て、前記タイヤが新品であるときに前記転動面との交点を有する、請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 前記半径方向距離DRの少なくとも幾つかの値に関し、前記第2の軸方向境界位置と前記第3の軸方向境界位置が一致すると共に/或いは前記第4の軸方向境界位置と前記第5の軸方向境界位置が一致すると共に/或いは前記第6の軸方向境界位置と前記第7の軸方向境界位置が一致する、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  5. 前記半径方向距離DRの少なくとも幾つかの値に関し、前記第2の軸方向境界位置及び前記第3の軸方向境界位置は、前記トレッド中に切り込みを画定すると共に/或いは前記第4の軸方向境界位置及び前記第5の軸方向境界位置は、前記トレッド中に切り込みを画定すると共に/或いは前記第6の軸方向境界位置及び前記第7の軸方向境界位置は、前記トレッド中に切り込みを画定する、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  6. 前記少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、前記少なくとも1つの第1のゴムコンパウンドと同種であり、前記少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドは、前記少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドと同種である、請求項1〜5のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  7. 前記少なくとも1つの第1のゴムコンパウンド及び前記少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドは、10℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについて、前記少なくとも1つの第2のゴムコンパウンド及び前記少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドの10℃及び0.7MPaの応力の場合のtanδについての値よりも大きい値を有する、請求項1〜6のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  8. 前記少なくとも1つの第1のゴムコンパウンドと前記少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドについてのtanδの値の差は、0.05以上であり、前記少なくとも1つの第2のゴムコンパウンドと前記少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドについてのtanδの値の差は、0.05以上であり、前記少なくとも1つの第3のゴムコンパウンドと前記少なくとも1つの第4のゴムコンパウンドについてのtanδの値の差も又、0.05以上である、請求項1〜7のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  9. 前記第6の軸方向境界位置は、前記非摩耗状態のトレッドの前記転動面からの前記半径方向距離DRの関数として変化し、前記外側エッジからの前記第6の軸方向境界位置の軸方向距離は、DR=0.8・Tの場合、前記トレッドの前記軸方向幅Lの70%以上且つ95%以下であり、但し、(a)DR=0.2・Tの場合の前記第6の軸方向境界位置と(b)DR=0.8・Tの場合の前記第6の軸方向境界位置の差が前記トレッドの前記軸方向幅Lの2%以上であることを条件とする、請求項1〜8のうちいずれか一に記載のタイヤ。
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