JPWO2004026596A1 - ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、ランフラットタイヤ - Google Patents
ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、ランフラットタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2004026596A1 JPWO2004026596A1 JP2004537580A JP2004537580A JPWO2004026596A1 JP WO2004026596 A1 JPWO2004026596 A1 JP WO2004026596A1 JP 2004537580 A JP2004537580 A JP 2004537580A JP 2004537580 A JP2004537580 A JP 2004537580A JP WO2004026596 A1 JPWO2004026596 A1 JP WO2004026596A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- support
- run
- tire
- shell member
- flat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C17/00—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
- B60C17/04—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency
- B60C17/06—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency resilient
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D—WORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D26/00—Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces
- B21D26/14—Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces applying magnetic forces
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D30/00—Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
- B29D30/06—Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
- B29D30/0681—Parts of pneumatic tyres; accessories, auxiliary operations
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C17/00—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
- B60C17/04—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency
- B60C17/043—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency made-up of an annular metallic shell
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D30/00—Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
- B29D30/06—Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
- B29D30/0681—Parts of pneumatic tyres; accessories, auxiliary operations
- B29D2030/0683—Additional internal supports to be positioned inside the tyre, as emergency supports for run-flat tyres
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C17/00—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
- B60C17/04—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency
- B60C17/06—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency resilient
- B60C2017/068—Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor utilising additional non-inflatable supports which become load-supporting in emergency resilient comprising springs, e.g. helical springs
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T29/00—Metal working
- Y10T29/49—Method of mechanical manufacture
- Y10T29/49481—Wheel making
- Y10T29/49492—Land wheel
- Y10T29/49524—Rim making
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Fluid Mechanics (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
所定の強度を確保しつつ軽量化が達成された支持体および支持体の製造方法並びに空気入りランフラットタイヤを提供することを目的とする。このために、アルミ管54を電磁成形して支持体(支持部)を製造する。これにより、加工硬化を回避して所望の形状に成形することができる。また、この際、金型52A、52Bに設けられた排気用孔部64によって、成形時に金型52A、52Bとアルミ管54との間に介在する空気の排出が行なわれ、支持部を精度良く成形ができる。このようにして成形されたアルミ合金からなるシェル26を有する支持体16は、所定の形状に精度良く形成されると共に十分に軽量化されており、この支持体16を含むランフラットタイヤを車両に装着すれば、車両の燃費や操安性を向上できる。
Description
本発明は、タイヤパンク時に、パンク状態のまま相当の距離を走行し得るようにタイヤの内部に配設される環状の空気入りランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、このランフラットタイヤ用の支持体を用いた空気入りランフラットタイヤに関する。
例えば、特開平10−297226号公報には、空気入りタイヤでランフラット走行が可能、即ち、パンクしてタイヤ内圧が略0気圧(ゲージ圧)になっても、ある程度の距離を安定して走行(ランフラット走行)が可能なタイヤ(以下、「ランフラットタイヤ」と言う。)として、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、例えば、高張力鋼、ステンレス鋼等の金属材料からなるランフラットタイヤ用の支持体(以下、単に「支持体」という。)を取り付けたもの(中子タイプ)が開示されている。
また、この種のランフラットタイヤに用いられる支持体としては、円筒状のシェルと、このシェルの両端部にそれぞれ加硫接着されたゴム製の脚部とを備えたものがあり、シェルとしては、リムに取り付けられるタイヤの径方向断面において2個の凸部を有する形状(二山形状)のものが知られている。このようなシェルは、例えば、高張力鋼等からなる金属円筒を成形素材とし、この金属円筒に対するヘラ絞り加工、ロールフォーミング加工、ハイドロフォーム加工等の塑性加工を含む工程を経て製造される。
上記のようなシェルは、十分な強度を確保するために、実用的には多くの場合、高張力鋼やステンレスを素材として成形されるが、これらを素材とした場合には支持体の重量が重くなり、車両の操安性や燃費が低下するという不都合があった。
これらの不都合を解消するために、軽量なアルミ合金(Al純度99%以上のアルミニウムを含む)等を素材として選択することが試みられている。この場合、一般的に、支持体を十分に高強度なものにするためには、熱処理により高強度が得られるJIS呼称5000番台、6000番台及び7000番台のアルミ合金を選択することが好ましい。しかし、これらのアルミ合金からなる成形素材(以下、「アルミ材」という。)は伸びが小さく、従来から行なわれているハイドロフォーム成形やロールフォーミング加工では、材料に割れが生じる等して安定的に支持体を製造することが難しい。
特に、ハイドロフォーム成形では加工(塑性変形)時間が2秒程度かかるため、加工対象であるアルミ材は、その特性により変形時に加工硬化が進み、伸びが小さくなり、アルミ材から成形された支持体(シェル)に割れが発生するという不都合があった。
上記不都合を解消するため、本出願の発明者等は、アルミ合金を素材とする電磁成形(電磁拡管成形)によるシェル製造についての研究及び開発を進めている。この電磁成形によれば、アルミ材を極めて短い時間(通常、0.1秒以内)で所望の形状に加工できるので、アルミ材を超塑性変形の領域で変形させてシェルを成形することが可能になり、塑性変形量が大きい部分にも加工硬化の影響により割れや折曲がりが発生することを効果的に防止できる。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、十分な軽量化及び高い耐久性が実現され、かつ所定の形状に精度良く成形されたシェル部材を有するランフラットタイヤ用の支持体及びその支持体の製造方法、並びに前記支持体を用いた空気入りランフラットタイヤを提供することにある。
また、この種のランフラットタイヤに用いられる支持体としては、円筒状のシェルと、このシェルの両端部にそれぞれ加硫接着されたゴム製の脚部とを備えたものがあり、シェルとしては、リムに取り付けられるタイヤの径方向断面において2個の凸部を有する形状(二山形状)のものが知られている。このようなシェルは、例えば、高張力鋼等からなる金属円筒を成形素材とし、この金属円筒に対するヘラ絞り加工、ロールフォーミング加工、ハイドロフォーム加工等の塑性加工を含む工程を経て製造される。
上記のようなシェルは、十分な強度を確保するために、実用的には多くの場合、高張力鋼やステンレスを素材として成形されるが、これらを素材とした場合には支持体の重量が重くなり、車両の操安性や燃費が低下するという不都合があった。
これらの不都合を解消するために、軽量なアルミ合金(Al純度99%以上のアルミニウムを含む)等を素材として選択することが試みられている。この場合、一般的に、支持体を十分に高強度なものにするためには、熱処理により高強度が得られるJIS呼称5000番台、6000番台及び7000番台のアルミ合金を選択することが好ましい。しかし、これらのアルミ合金からなる成形素材(以下、「アルミ材」という。)は伸びが小さく、従来から行なわれているハイドロフォーム成形やロールフォーミング加工では、材料に割れが生じる等して安定的に支持体を製造することが難しい。
特に、ハイドロフォーム成形では加工(塑性変形)時間が2秒程度かかるため、加工対象であるアルミ材は、その特性により変形時に加工硬化が進み、伸びが小さくなり、アルミ材から成形された支持体(シェル)に割れが発生するという不都合があった。
上記不都合を解消するため、本出願の発明者等は、アルミ合金を素材とする電磁成形(電磁拡管成形)によるシェル製造についての研究及び開発を進めている。この電磁成形によれば、アルミ材を極めて短い時間(通常、0.1秒以内)で所望の形状に加工できるので、アルミ材を超塑性変形の領域で変形させてシェルを成形することが可能になり、塑性変形量が大きい部分にも加工硬化の影響により割れや折曲がりが発生することを効果的に防止できる。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、十分な軽量化及び高い耐久性が実現され、かつ所定の形状に精度良く成形されたシェル部材を有するランフラットタイヤ用の支持体及びその支持体の製造方法、並びに前記支持体を用いた空気入りランフラットタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、該シェル部材がアルミ合金を素材として電磁成形されたことを特徴とする。
第1の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用ついて説明する。
アルミ合金(Al純度99%以上のアルミニウムを含む)からなる成形素材(アルミ材)として、例えば、円筒状のアルミ管を用いた場合、このアルミ筒を電磁成形の一種である電磁拡管成形して支持体のシェル部材を製造することによって、シェル部材が短時間に効率的に成形されると共に、所定の形状とされた軽量のシェル部材を得ることができる。
このように所定の形状で軽量化されたシェル部材を備えた支持体が配設された空気入りランフラットタイヤを車両に装着することによって、車両の操安性や燃費が向上する。
また、第2の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1の発明において、前記シェル部材には、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたことを特徴とする。
第2の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
前記シェル部材を備えた支持体を空気入りタイヤ内に装着した場合、空気入りタイヤ内部の空気室が環状体である支持体によって径方向外側と内側に分断されることになる。したがって、シェル部材に孔部がない場合には、路面からの振動を緩衝する機能を発揮するのが空気室の一部(径方向外側のみ)に限定されると共に、支持体のない場合には走行時に加熱された空気室の空気がリムと接触することによって冷却される放熱作用が空気室の一部(径方向内側のみ)の空気に限定され、その他の部分(径方向外側)の空気がオーバーヒートするおそれがあった。
しかし、第2の発明では、シェル部材に孔部が形成されているため、これを備えた支持体を空気入りタイヤに装着した場合に、空気室において支持体を挟んで径方向外側と径方向内側が連通することになり、上記乗り心地や放熱作用が良好に作用する。
なお、孔部の直径が0.5mmを下回ると、空気の連通状態が損なわれ、上記作用を良好に達成することができない。一方、孔部の直径が10.0mmを上回ると、支持体の強度が不足して車両の荷重を支持することができない。したがって、孔部の直径を0.5mm〜10.0mmの範囲とすることによって、支持体の強度を確保しつつ上記作用を良好に達成することかできる。
また、第3の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1の発明又は第2の発明において、前記アルミ合金は、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金の何れかであることを特徴とする。
第3の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
Al−Mg系アルミ合金(例えば、JIS呼称5000番台)、Al−Mg−Si系アルミ合金(例えば、JIS呼称6000番台)及びAl−Zn系アルミ合金(例えば、JIS呼称7000番台)の何れかを素材としてシェル部材を成形し、このシェル部材に対して必要に応じて所定の熱処理を施すことによって、十分な強度を有する支持体を製造できる。
また、第4の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1〜第3の発明の何れかにおいて、前記シェル部材は、径方向断面において径方向外側に突出する2個の凸部を有することを特徴とする。
第4の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
前記シェル部材を備えた支持体を空気入りタイヤに装着した場合において、空気入りタイヤがパンクしてシェル部材が荷重を支持する際には、径方向外側に突出する凸部がトレッドと当接する。したがって、凸部が2つあることによってシェル部材に作用する荷重を分散して良好に支持することができる。
また、第5の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第4の発明において、前記シェル部材の凸部の最大外径Aと、2個の前記凸部の間に形成された凹部の最小外径Bの比率B/Aが0.60〜0.95であることを特徴とする。
第5の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
ランフラット走行時に、空気入りタイヤのトレッド部が路面からの荷重を受けた場合、トレッド部が幅方向に沿って内周側へ膨らむように変形し、トレッド部の中央付近が2個の凸部間(凹部内)へ入り込むような現象が生じる。このとき、シェル部材における凸部の最大外径Aと2個の凸部の間に形成された凹部の最小外径Bとの比率B/Aを0.6〜0.95にしておくことにより、トレッド部を介して路面からの荷重を受けたシェル部材には2個の凸部にそれぞれ幅方向外側への分力が作用し、この分力により支持体には幅方向外側へ広がるように弾性変形が生じる。この結果、ランフラット走行時には、支持体における両端部(脚部)のリムへの圧接力が増加し、支持体のリムへの連結強度が高くなるので、支持体がリムに対してズレたり、リムから脱落することを防止できる。
また、第6の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1〜第5の発明の何れかにおいて、前記シェル部材の板厚は、0.5mm〜7.0mmであることを特徴とする。
また、第7の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、前記支持体の径方向断面において、径方向外側にそれぞれ突出した少なくとも2個の凸部が設けられ、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、前記凸部の最外周側に位置する頂部付近に、周方向に沿った断面がハニカム状とされたリブを全周に亘って連続的に形成したことを特徴とする。
第7の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
少なくも2個の凸部を有する支持体を空気入りタイヤの内部に配設し、この空気入りタイヤでランフラット走行した場合には、凸部がトレッドと当接しつつランフラット走行が行われる。したがって、凸部を少なくとも2個以上設けることにより、路面からの荷重が多点へ分散してシェル部材に作用するので、ランフラット走行時のシェル部材の負荷を軽減できる。
但し、ランフラット走行時には、シェル部材における凸部の頂部付近に走行時に路面からの荷重が集中することから、シェル部材では凸部の頂部付近が割れや凹み等の損傷が発生し易い部分となり、この頂部付近の強度がシェル部材の耐久性に大きな影響を与える。
そこで、第7の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体では、凸部の頂部付近に周方向に沿って全周に亘って延在するリブが形成されていることにより、凸部の頂部付近における曲げ強度、座屈強度等の耐荷重強度を、リブの厚さと同程度まで肉厚化した場合の強度と略等しくなるように向上させることができるので、路面からの衝撃等の荷重により凸部の頂部付近に割れ、凹み等の損傷が発生することを効果的に防止できる。
このとき、リブの周方向に沿った断面形状を略ハニカム状(通常、六角形状)とすることにより、凸部の頂部付近に対する強度を、他の形状のリブ(例えば、周方向に沿って延在するリング状のリブ)を設ける場合よりも効率的に向上できる。
但し、ここで言う、ハニカム状のリブとは、一般的なハニカム構造で用いられる広義のリブを意味し、例えば、ずれ六角形、4点で6個の隔壁と接合された四角形状、正弦波形状、複波形状等のものも含まれる。
また、第8の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第7の発明において、前記シェル部材には、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたことを特徴とする。
また、第9の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第7の発明又は第8の発明において、前記シェル部材を、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金の何れかを素材として電磁成形により成形したことを特徴とする。
第9の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用については、第3の発明と共通であるので、説明を省略する。
また、第10の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体の製造方法であって、アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を成形する第3工程と、を有することを特徴とする。
第10の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
支持体のシェル部材をハイドロフォームで成形した場合には、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがあった。
しかし、第10の発明に係る支持体の製造方法では、アルミ管を成形治具内に設置し、位置ずれ防止の治具を装填した後、アルミ管内にコイルを挿入してコイルに電流を通電することによって、すなわち、電磁成形(電磁拡管成形)でアルミ管を膨出変形することによってシェル部材を成形している。このように電磁成形でシェル部材を成形しているため、成形時間が0.1秒以下となり、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれはない。すなわち、所望の形状にシェル部材を成形することができる。
なお、頂部付近にハニカム状のリブを有するシェル部材は、例えば、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金を素材として電磁成形(電磁拡管成形)することにより効率的に製造できる。
また、第11の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第10の発明において、前記第3工程の後に、前記シェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を形成する工程を有することを特徴とする。
第11の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
所定の形状に成形されたシェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を設けることによって、このシェル部材を備えた支持体を空気入りタイヤに装着したランフラットタイヤで通常走行した場合の上記乗り心地や放熱作用を良好に確保することができる。
また、第12の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体の製造方法であって、アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を成形すると共に、膨出変形時に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を前記支持体に形成する第3工程と、を有することを特徴とする。
第12の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
支持体のシェル部材を軽量化するためにアルミ合金を材料として選択した場合には、ハイドロフォームで成形すると、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがあった。
しかし、第12の発明に係る支持体の製造方法では、アルミ管を成形治具内に設置し、アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電することによって、すなわち電磁成形(電磁拡管成形)でアルミ管を膨出変形させて、シェル部材を成形している。このように電磁成形でシェル部材を成形しているため、成形時間が非常に短く(0.1秒以下)、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがなくなる。すなわち、所望の形状にシェル部材を成形することができる。
そして、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたシェル部材を備えた支持体を空気入りランフラットタイヤに配設し、この空気入りランフラットタイヤを車両に装着することによって、車両の乗り心地やタイヤの放熱作用を良好に確保することができる。特に、アルミ管の膨出変形(シェル部材の成形)と同時に孔部を形成することができるため、シェル部材の製造効率が一層向上する。
また、第13の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第7〜第9の発明の何れかに係る支持体の製造方法であって、アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて前記シェル部材を成形する第3工程とを有し、前記第3工程では、前記成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面がハニカム状とされた突起部により前記凸部の頂部付近を塑性変形させて該頂部付近に前記リブを形成することを特徴とする。
請求項13の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
支持体のシェル部材を軽量化するためにアルミ合金を材料として選択した場合には、例えば、ハイドロフォームで成形すると、塑性変形時の加工硬化の影響によって変形抵抗が増加し、塑性的な変形が阻害されるおそれがあった。
しかし、本願発明に係る成形方法では、アルミ管を成形治具内に設置し、アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電することによって、すなわち電磁成形(電磁拡管成形)でアルミ管を膨出変形させて、少なくとも2個の凸部を有するシェル部材を成形している。このように電磁成形でシェル部材を成形しているため、ハイドロフォームと比較して成形時間が非常に短く(0.1秒以下)、塑性変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがなくなる。すなわち、加工硬化の影響を受けることなく素材を変形できる超塑性変形の領域でアルミ管の変形が進行するので、割れ、折曲がり等を生じさせることなく、所望の形状にシェル部材を成形することができる。
しかし、上記のような電磁成形により径方向外側へ突出する凸部を有するシェル部材を成形した場合には、変形量が大きい凸部の頂部付近が引き延ばされて、その肉厚が他の部分よりも薄くなる。このシェル部材の凸部の頂部付近は、ランフラット走行時に路面からの荷重が集中する部分であり、このシェルをランフラット走行に用いた場合には、路面からの荷重により凸部の頂部付近に凹みやクラックが生じるおそれがある。
そこで、第13の発明に係る支持体の製造方法では、凸部を有するシェル部材を電磁成形する際に、成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面がハニカム状とされた突起部により凸部の頂部付近を塑性変形させて周方向に沿って全周に亘って延在するリブを形成する。これにより、他の部分よりも薄肉となった凸部の頂部付近を、リブの厚さと同程度まで肉厚化した場合と略同等の効果を得られるので、凸部の頂部付近の曲げ強度、座屈強度等の耐荷重強度を大幅に増加できる。この結果、路面からの衝撃等の荷重により凸部の頂部付近に割れ、凹み等の損傷が発生することを効果的に防止できる。
このとき、シェル部材の凸部と同様に、ハニカム状のリブも加工硬化の影響を受けることなく素材を変形できる超塑性変形の領域で成形されることこから、割れ、折曲がり等を生じさせることなく、所望の形状にリブを成形することができる。
また、リブの周方向に沿った断面形状を略ハニカム状(通常、六角形状)とすることにより、凸部の頂部付近に対する強度を、他の形状のリブ(例えば、周方向に沿って延在するリング状のリブ)を設ける場合よりも効率的に向上できる。
但し、ここで言う、ハニカム状のリブとは、一般的なハニカム構造で用いられる広義のリブを意味し、例えば、ずれ六角形、4点で6個の隔壁と接合された四角形状、正弦波形状、複波形状等のものも含まれる。
また、第14の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第13の発明において、前記第3工程では、前記成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面が略ハニカム状とされた突起部により前記凸部の頂部付近を塑性変形させて該頂部付近に前記リブを形成すると共に、直径0.5mm〜10.0mmの孔部を前記シェル部材に形成することを特徴とする。
また、第15の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第13の発明において、前記第3工程の後に、前記シェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を形成する工程を有することを特徴とする。
また、第16の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第10〜第15の発明の何れかにおいて、前記第3工程において、膨出変形時にアルミ管と成形治具の間に介在する空気を成形治具に設けられた排気孔を介して外部に排出することを特徴とする。
第16の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
第16の発明では、アルミ管を電磁成形によって支持体を成形しているが、電磁成形によればアルミ管を瞬間的(通常、0.1秒以内)に所要の形状に変形できるため、アルミ管と金型との間に介在する空気がアルミ管の膨出変形時に良好に排出されず、支持体が良好に成形されないおそれがある。しかしながら、第16の発明では、電磁成形時に、アルミ管と成形治具の間に介在する空気が成形治具に設けられた排気孔から良好に排出され、支持体が所定の形状に良好に成形される。
また、第17の発明に係る空気入りランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを有し、リムに装着されるタイヤと、前記タイヤの内側に配設され、前記タイヤと共にリムに組み付けられる第1〜第9の発明の何れかに係る支持体と、を有することを特徴とする。
第17の発明に係る空気入りランフラットタイヤの作用について説明する。
空気入りタイヤの内圧低下時には、タイヤ空気室内に配設された支持体がサイドゴム層に替わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。
この際、支持体のシェル部材がアルミ合金から電磁成形によって成形されたものであるため、所定の形状に良好に成形され、しかも軽量化されている。したがって、このランフラットタイヤを装着した車両の操安性や燃費の向上を実現することができる。
また、第18の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、前記支持体の径方向断面において、径方向外側にそれぞれ突出した少なくとも2個の凸部が設けられ、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、前記凸部に、その肉厚方向に沿って貫通する複数の孔部を形成したことを特徴とする。
第18の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用ついて説明する。
ランフラット走行時には、空気入りタイヤに代わってランフラットタイヤ用の支持体に荷重が作用するが、ランフラットタイヤの軽量化を図るためにシェル部材の板厚を減少させた場合、剛性の低下によってシェル部材が変形するおそれがあった。しかし、第18の発明では、シェル部材における凸部に複数の孔部を形成したことにより、シェル部材を薄肉化しなくても、強度低下を抑えつつシェル部材を軽量化することができる。
また、第19の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18の発明において、前記シェル部材は、アルミ合金、高張力鋼及びステンレスの何れかを素材として成形されたことを特徴とする。
第19の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
アルミ合金、高張力鋼及びステンレスの何れかを素材としてシェル部材を成形し、必要に応じて所定の熱処理を施すことにより、他の材料によりシェル部材を形成した場合と比較し、強度と重量とのバランスが良いシェル部材を得られるので、十分な強度を有する軽量の支持体を製造できる。
また、第20の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18〜第19の発明において、前記凸部における複数の前記孔部を含む面積に対する複数の前記孔部の面積比を、1〜50%としたことを特徴とする。
第20の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
凸部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が1%未満である場合には、シェル部材に対する軽量化の効果が小さく、かつシェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性も十分に得られない。一方、凸部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が50%を超える場合には、シェル部材の凸部の強度及び耐久性が大きく低下する。
従って、凸部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比を1%〜50%にすることで、シェル部材に対する軽量化効果を確保しつつ、シェル部材における強度及び耐久性を維持することができる。また、シェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性を十分に確保できるので、リムによる放冷効果により空気入りタイヤにおける外周側の空間に面した部分の過熱を効果的に防止できる。
また、第21の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18〜第20の発明において、前記シェル部材における前記凸部の幅方向外側の端部から外周側へ延出するサイド部に、その肉厚方向に沿って貫通する複数の孔部を形成したことを特徴とする。
第21の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
第21の発明では、シェル部材における凸部に加え、サイド部にも複数の孔部を形成したことにより、凸部のみに孔部を形成した場合と比較し、シェル部材を更に軽量化することができる。
また、第22の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第21の発明において、前記サイド部における複数の前記孔部を含む面積に対する複数の前記孔部の面積比を、1〜50%としたことを特徴とする。
第21の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
サイド部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が1%未満である場合には、シェル部材に対する軽量化の効果が小さく、かつシェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性も十分に得られない。一方、サイド部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が50%を超える場合には、シェル部材の凸部の強度及び耐久性が大きく低下する。
従って、サイド部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比を1%〜50%にすることで、凸部にのみ孔部を形成した場合と比較し、シェル部材における強度及び耐久性を維持しつつ、シェル部材を更に軽量化できる。また、シェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性を更に向上できるので、空気入りタイヤにおける外周側の空間に面した部分の過熱を、リムによる放冷効果により更に効果的に防止できる。
また、第23の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18〜22の発明において、互いに隣接するように配置された前記孔部の孔縁間の間隔を、1mm以上としたことを特徴とする。
第23の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
互いに隣接するように配置された前記孔部の孔縁間の間隔が1mm未満である場合には、ランフラット走行時に、シェル部材における凸部及びサイド部が空気入りタイヤと圧接すると、空気入りタイヤとの摩擦力により互いに隣接するように配置された孔部間に亀裂が発生しやすくなる。従って、互いに隣接するように配置された孔部の孔縁間の間隔を1mm以上とすることで、ランフラット走行時に、孔部の孔縁間の亀裂によりシェル部材が破損することを抑制できる。
また、第24の発明に係るランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを有し、リムに装着される空気入りタイヤと、前記空気入りタイヤの内側に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられる請求項18〜請求項23の何れか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体と、を有することを特徴とする。
第24の発明に係るランフラットタイヤ用の作用について説明する。
空気入りタイヤの内圧低下時には、タイヤ空気室内に配設された支持体がサイドゴム層に替わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。
この際、支持体のシェル部材に複数の孔部が形成されていることにより、支持体の強度及び耐久性を低下させることなく、支持体を軽量化することができる。従って、このランフラットタイヤを装着した車両の操安性や燃費の向上を実現することができる。
第1の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用ついて説明する。
アルミ合金(Al純度99%以上のアルミニウムを含む)からなる成形素材(アルミ材)として、例えば、円筒状のアルミ管を用いた場合、このアルミ筒を電磁成形の一種である電磁拡管成形して支持体のシェル部材を製造することによって、シェル部材が短時間に効率的に成形されると共に、所定の形状とされた軽量のシェル部材を得ることができる。
このように所定の形状で軽量化されたシェル部材を備えた支持体が配設された空気入りランフラットタイヤを車両に装着することによって、車両の操安性や燃費が向上する。
また、第2の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1の発明において、前記シェル部材には、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたことを特徴とする。
第2の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
前記シェル部材を備えた支持体を空気入りタイヤ内に装着した場合、空気入りタイヤ内部の空気室が環状体である支持体によって径方向外側と内側に分断されることになる。したがって、シェル部材に孔部がない場合には、路面からの振動を緩衝する機能を発揮するのが空気室の一部(径方向外側のみ)に限定されると共に、支持体のない場合には走行時に加熱された空気室の空気がリムと接触することによって冷却される放熱作用が空気室の一部(径方向内側のみ)の空気に限定され、その他の部分(径方向外側)の空気がオーバーヒートするおそれがあった。
しかし、第2の発明では、シェル部材に孔部が形成されているため、これを備えた支持体を空気入りタイヤに装着した場合に、空気室において支持体を挟んで径方向外側と径方向内側が連通することになり、上記乗り心地や放熱作用が良好に作用する。
なお、孔部の直径が0.5mmを下回ると、空気の連通状態が損なわれ、上記作用を良好に達成することができない。一方、孔部の直径が10.0mmを上回ると、支持体の強度が不足して車両の荷重を支持することができない。したがって、孔部の直径を0.5mm〜10.0mmの範囲とすることによって、支持体の強度を確保しつつ上記作用を良好に達成することかできる。
また、第3の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1の発明又は第2の発明において、前記アルミ合金は、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金の何れかであることを特徴とする。
第3の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
Al−Mg系アルミ合金(例えば、JIS呼称5000番台)、Al−Mg−Si系アルミ合金(例えば、JIS呼称6000番台)及びAl−Zn系アルミ合金(例えば、JIS呼称7000番台)の何れかを素材としてシェル部材を成形し、このシェル部材に対して必要に応じて所定の熱処理を施すことによって、十分な強度を有する支持体を製造できる。
また、第4の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1〜第3の発明の何れかにおいて、前記シェル部材は、径方向断面において径方向外側に突出する2個の凸部を有することを特徴とする。
第4の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
前記シェル部材を備えた支持体を空気入りタイヤに装着した場合において、空気入りタイヤがパンクしてシェル部材が荷重を支持する際には、径方向外側に突出する凸部がトレッドと当接する。したがって、凸部が2つあることによってシェル部材に作用する荷重を分散して良好に支持することができる。
また、第5の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第4の発明において、前記シェル部材の凸部の最大外径Aと、2個の前記凸部の間に形成された凹部の最小外径Bの比率B/Aが0.60〜0.95であることを特徴とする。
第5の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
ランフラット走行時に、空気入りタイヤのトレッド部が路面からの荷重を受けた場合、トレッド部が幅方向に沿って内周側へ膨らむように変形し、トレッド部の中央付近が2個の凸部間(凹部内)へ入り込むような現象が生じる。このとき、シェル部材における凸部の最大外径Aと2個の凸部の間に形成された凹部の最小外径Bとの比率B/Aを0.6〜0.95にしておくことにより、トレッド部を介して路面からの荷重を受けたシェル部材には2個の凸部にそれぞれ幅方向外側への分力が作用し、この分力により支持体には幅方向外側へ広がるように弾性変形が生じる。この結果、ランフラット走行時には、支持体における両端部(脚部)のリムへの圧接力が増加し、支持体のリムへの連結強度が高くなるので、支持体がリムに対してズレたり、リムから脱落することを防止できる。
また、第6の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第1〜第5の発明の何れかにおいて、前記シェル部材の板厚は、0.5mm〜7.0mmであることを特徴とする。
また、第7の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、前記支持体の径方向断面において、径方向外側にそれぞれ突出した少なくとも2個の凸部が設けられ、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、前記凸部の最外周側に位置する頂部付近に、周方向に沿った断面がハニカム状とされたリブを全周に亘って連続的に形成したことを特徴とする。
第7の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
少なくも2個の凸部を有する支持体を空気入りタイヤの内部に配設し、この空気入りタイヤでランフラット走行した場合には、凸部がトレッドと当接しつつランフラット走行が行われる。したがって、凸部を少なくとも2個以上設けることにより、路面からの荷重が多点へ分散してシェル部材に作用するので、ランフラット走行時のシェル部材の負荷を軽減できる。
但し、ランフラット走行時には、シェル部材における凸部の頂部付近に走行時に路面からの荷重が集中することから、シェル部材では凸部の頂部付近が割れや凹み等の損傷が発生し易い部分となり、この頂部付近の強度がシェル部材の耐久性に大きな影響を与える。
そこで、第7の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体では、凸部の頂部付近に周方向に沿って全周に亘って延在するリブが形成されていることにより、凸部の頂部付近における曲げ強度、座屈強度等の耐荷重強度を、リブの厚さと同程度まで肉厚化した場合の強度と略等しくなるように向上させることができるので、路面からの衝撃等の荷重により凸部の頂部付近に割れ、凹み等の損傷が発生することを効果的に防止できる。
このとき、リブの周方向に沿った断面形状を略ハニカム状(通常、六角形状)とすることにより、凸部の頂部付近に対する強度を、他の形状のリブ(例えば、周方向に沿って延在するリング状のリブ)を設ける場合よりも効率的に向上できる。
但し、ここで言う、ハニカム状のリブとは、一般的なハニカム構造で用いられる広義のリブを意味し、例えば、ずれ六角形、4点で6個の隔壁と接合された四角形状、正弦波形状、複波形状等のものも含まれる。
また、第8の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第7の発明において、前記シェル部材には、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたことを特徴とする。
また、第9の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第7の発明又は第8の発明において、前記シェル部材を、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金の何れかを素材として電磁成形により成形したことを特徴とする。
第9の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用については、第3の発明と共通であるので、説明を省略する。
また、第10の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体の製造方法であって、アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を成形する第3工程と、を有することを特徴とする。
第10の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
支持体のシェル部材をハイドロフォームで成形した場合には、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがあった。
しかし、第10の発明に係る支持体の製造方法では、アルミ管を成形治具内に設置し、位置ずれ防止の治具を装填した後、アルミ管内にコイルを挿入してコイルに電流を通電することによって、すなわち、電磁成形(電磁拡管成形)でアルミ管を膨出変形することによってシェル部材を成形している。このように電磁成形でシェル部材を成形しているため、成形時間が0.1秒以下となり、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれはない。すなわち、所望の形状にシェル部材を成形することができる。
なお、頂部付近にハニカム状のリブを有するシェル部材は、例えば、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金を素材として電磁成形(電磁拡管成形)することにより効率的に製造できる。
また、第11の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第10の発明において、前記第3工程の後に、前記シェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を形成する工程を有することを特徴とする。
第11の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
所定の形状に成形されたシェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を設けることによって、このシェル部材を備えた支持体を空気入りタイヤに装着したランフラットタイヤで通常走行した場合の上記乗り心地や放熱作用を良好に確保することができる。
また、第12の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体の製造方法であって、アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を成形すると共に、膨出変形時に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を前記支持体に形成する第3工程と、を有することを特徴とする。
第12の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
支持体のシェル部材を軽量化するためにアルミ合金を材料として選択した場合には、ハイドロフォームで成形すると、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがあった。
しかし、第12の発明に係る支持体の製造方法では、アルミ管を成形治具内に設置し、アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電することによって、すなわち電磁成形(電磁拡管成形)でアルミ管を膨出変形させて、シェル部材を成形している。このように電磁成形でシェル部材を成形しているため、成形時間が非常に短く(0.1秒以下)、変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがなくなる。すなわち、所望の形状にシェル部材を成形することができる。
そして、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたシェル部材を備えた支持体を空気入りランフラットタイヤに配設し、この空気入りランフラットタイヤを車両に装着することによって、車両の乗り心地やタイヤの放熱作用を良好に確保することができる。特に、アルミ管の膨出変形(シェル部材の成形)と同時に孔部を形成することができるため、シェル部材の製造効率が一層向上する。
また、第13の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第7〜第9の発明の何れかに係る支持体の製造方法であって、アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて前記シェル部材を成形する第3工程とを有し、前記第3工程では、前記成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面がハニカム状とされた突起部により前記凸部の頂部付近を塑性変形させて該頂部付近に前記リブを形成することを特徴とする。
請求項13の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
支持体のシェル部材を軽量化するためにアルミ合金を材料として選択した場合には、例えば、ハイドロフォームで成形すると、塑性変形時の加工硬化の影響によって変形抵抗が増加し、塑性的な変形が阻害されるおそれがあった。
しかし、本願発明に係る成形方法では、アルミ管を成形治具内に設置し、アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電することによって、すなわち電磁成形(電磁拡管成形)でアルミ管を膨出変形させて、少なくとも2個の凸部を有するシェル部材を成形している。このように電磁成形でシェル部材を成形しているため、ハイドロフォームと比較して成形時間が非常に短く(0.1秒以下)、塑性変形時の加工硬化によって変形が阻害されるおそれがなくなる。すなわち、加工硬化の影響を受けることなく素材を変形できる超塑性変形の領域でアルミ管の変形が進行するので、割れ、折曲がり等を生じさせることなく、所望の形状にシェル部材を成形することができる。
しかし、上記のような電磁成形により径方向外側へ突出する凸部を有するシェル部材を成形した場合には、変形量が大きい凸部の頂部付近が引き延ばされて、その肉厚が他の部分よりも薄くなる。このシェル部材の凸部の頂部付近は、ランフラット走行時に路面からの荷重が集中する部分であり、このシェルをランフラット走行に用いた場合には、路面からの荷重により凸部の頂部付近に凹みやクラックが生じるおそれがある。
そこで、第13の発明に係る支持体の製造方法では、凸部を有するシェル部材を電磁成形する際に、成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面がハニカム状とされた突起部により凸部の頂部付近を塑性変形させて周方向に沿って全周に亘って延在するリブを形成する。これにより、他の部分よりも薄肉となった凸部の頂部付近を、リブの厚さと同程度まで肉厚化した場合と略同等の効果を得られるので、凸部の頂部付近の曲げ強度、座屈強度等の耐荷重強度を大幅に増加できる。この結果、路面からの衝撃等の荷重により凸部の頂部付近に割れ、凹み等の損傷が発生することを効果的に防止できる。
このとき、シェル部材の凸部と同様に、ハニカム状のリブも加工硬化の影響を受けることなく素材を変形できる超塑性変形の領域で成形されることこから、割れ、折曲がり等を生じさせることなく、所望の形状にリブを成形することができる。
また、リブの周方向に沿った断面形状を略ハニカム状(通常、六角形状)とすることにより、凸部の頂部付近に対する強度を、他の形状のリブ(例えば、周方向に沿って延在するリング状のリブ)を設ける場合よりも効率的に向上できる。
但し、ここで言う、ハニカム状のリブとは、一般的なハニカム構造で用いられる広義のリブを意味し、例えば、ずれ六角形、4点で6個の隔壁と接合された四角形状、正弦波形状、複波形状等のものも含まれる。
また、第14の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第13の発明において、前記第3工程では、前記成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面が略ハニカム状とされた突起部により前記凸部の頂部付近を塑性変形させて該頂部付近に前記リブを形成すると共に、直径0.5mm〜10.0mmの孔部を前記シェル部材に形成することを特徴とする。
また、第15の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第13の発明において、前記第3工程の後に、前記シェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を形成する工程を有することを特徴とする。
また、第16の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法は、第10〜第15の発明の何れかにおいて、前記第3工程において、膨出変形時にアルミ管と成形治具の間に介在する空気を成形治具に設けられた排気孔を介して外部に排出することを特徴とする。
第16の発明に係る支持体の製造方法の作用について説明する。
第16の発明では、アルミ管を電磁成形によって支持体を成形しているが、電磁成形によればアルミ管を瞬間的(通常、0.1秒以内)に所要の形状に変形できるため、アルミ管と金型との間に介在する空気がアルミ管の膨出変形時に良好に排出されず、支持体が良好に成形されないおそれがある。しかしながら、第16の発明では、電磁成形時に、アルミ管と成形治具の間に介在する空気が成形治具に設けられた排気孔から良好に排出され、支持体が所定の形状に良好に成形される。
また、第17の発明に係る空気入りランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを有し、リムに装着されるタイヤと、前記タイヤの内側に配設され、前記タイヤと共にリムに組み付けられる第1〜第9の発明の何れかに係る支持体と、を有することを特徴とする。
第17の発明に係る空気入りランフラットタイヤの作用について説明する。
空気入りタイヤの内圧低下時には、タイヤ空気室内に配設された支持体がサイドゴム層に替わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。
この際、支持体のシェル部材がアルミ合金から電磁成形によって成形されたものであるため、所定の形状に良好に成形され、しかも軽量化されている。したがって、このランフラットタイヤを装着した車両の操安性や燃費の向上を実現することができる。
また、第18の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、前記支持体の径方向断面において、径方向外側にそれぞれ突出した少なくとも2個の凸部が設けられ、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、前記凸部に、その肉厚方向に沿って貫通する複数の孔部を形成したことを特徴とする。
第18の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用ついて説明する。
ランフラット走行時には、空気入りタイヤに代わってランフラットタイヤ用の支持体に荷重が作用するが、ランフラットタイヤの軽量化を図るためにシェル部材の板厚を減少させた場合、剛性の低下によってシェル部材が変形するおそれがあった。しかし、第18の発明では、シェル部材における凸部に複数の孔部を形成したことにより、シェル部材を薄肉化しなくても、強度低下を抑えつつシェル部材を軽量化することができる。
また、第19の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18の発明において、前記シェル部材は、アルミ合金、高張力鋼及びステンレスの何れかを素材として成形されたことを特徴とする。
第19の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
アルミ合金、高張力鋼及びステンレスの何れかを素材としてシェル部材を成形し、必要に応じて所定の熱処理を施すことにより、他の材料によりシェル部材を形成した場合と比較し、強度と重量とのバランスが良いシェル部材を得られるので、十分な強度を有する軽量の支持体を製造できる。
また、第20の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18〜第19の発明において、前記凸部における複数の前記孔部を含む面積に対する複数の前記孔部の面積比を、1〜50%としたことを特徴とする。
第20の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
凸部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が1%未満である場合には、シェル部材に対する軽量化の効果が小さく、かつシェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性も十分に得られない。一方、凸部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が50%を超える場合には、シェル部材の凸部の強度及び耐久性が大きく低下する。
従って、凸部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比を1%〜50%にすることで、シェル部材に対する軽量化効果を確保しつつ、シェル部材における強度及び耐久性を維持することができる。また、シェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性を十分に確保できるので、リムによる放冷効果により空気入りタイヤにおける外周側の空間に面した部分の過熱を効果的に防止できる。
また、第21の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18〜第20の発明において、前記シェル部材における前記凸部の幅方向外側の端部から外周側へ延出するサイド部に、その肉厚方向に沿って貫通する複数の孔部を形成したことを特徴とする。
第21の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
第21の発明では、シェル部材における凸部に加え、サイド部にも複数の孔部を形成したことにより、凸部のみに孔部を形成した場合と比較し、シェル部材を更に軽量化することができる。
また、第22の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第21の発明において、前記サイド部における複数の前記孔部を含む面積に対する複数の前記孔部の面積比を、1〜50%としたことを特徴とする。
第21の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
サイド部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が1%未満である場合には、シェル部材に対する軽量化の効果が小さく、かつシェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性も十分に得られない。一方、サイド部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比が50%を超える場合には、シェル部材の凸部の強度及び耐久性が大きく低下する。
従って、サイド部における複数の孔部を含む面積に対する複数の孔部の面積比を1%〜50%にすることで、凸部にのみ孔部を形成した場合と比較し、シェル部材における強度及び耐久性を維持しつつ、シェル部材を更に軽量化できる。また、シェル部材により区画されるランフラットタイヤ内の内周側の空間と外周側の空間との空気の流通性を更に向上できるので、空気入りタイヤにおける外周側の空間に面した部分の過熱を、リムによる放冷効果により更に効果的に防止できる。
また、第23の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体は、第18〜22の発明において、互いに隣接するように配置された前記孔部の孔縁間の間隔を、1mm以上としたことを特徴とする。
第23の発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の作用について説明する。
互いに隣接するように配置された前記孔部の孔縁間の間隔が1mm未満である場合には、ランフラット走行時に、シェル部材における凸部及びサイド部が空気入りタイヤと圧接すると、空気入りタイヤとの摩擦力により互いに隣接するように配置された孔部間に亀裂が発生しやすくなる。従って、互いに隣接するように配置された孔部の孔縁間の間隔を1mm以上とすることで、ランフラット走行時に、孔部の孔縁間の亀裂によりシェル部材が破損することを抑制できる。
また、第24の発明に係るランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを有し、リムに装着される空気入りタイヤと、前記空気入りタイヤの内側に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられる請求項18〜請求項23の何れか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体と、を有することを特徴とする。
第24の発明に係るランフラットタイヤ用の作用について説明する。
空気入りタイヤの内圧低下時には、タイヤ空気室内に配設された支持体がサイドゴム層に替わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。
この際、支持体のシェル部材に複数の孔部が形成されていることにより、支持体の強度及び耐久性を低下させることなく、支持体を軽量化することができる。従って、このランフラットタイヤを装着した車両の操安性や燃費の向上を実現することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る支持体のシェルの部分斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る支持体の成形装置の構成図である。
図4A、図4B、図4Cは、本発明の第1実施形態に係る支持体の製造工程説明図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る支持体のシェルの部分斜視図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係る支持体の成形装置の構成図である。
図8A、図8B、図8Cは、本発明の第2実施形態に係る支持体の製造工程説明図である。
図9は、本発明の第3実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
図10は、本発明の第3実施形態に係る支持体のシェルの部分斜視図である。
図11Aは、本発明の第3実施形態に係る支持体の成形装置の構成図である。
図11Bは、図11Aに示される金型の成形面に設けられたリブ転写部の平面図である。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るシェルの変形例を示す斜視図である。
図13は、本発明に係るシェルに丸孔千鳥抜60度の打ち抜きパターンで孔部を形成した例を示す平面図である。
図14は、本発明に係るシェルに丸孔千鳥抜45度の打ち抜きパターンで孔部を形成した例を示す平面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る支持体のシェルの部分斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る支持体の成形装置の構成図である。
図4A、図4B、図4Cは、本発明の第1実施形態に係る支持体の製造工程説明図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る支持体のシェルの部分斜視図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係る支持体の成形装置の構成図である。
図8A、図8B、図8Cは、本発明の第2実施形態に係る支持体の製造工程説明図である。
図9は、本発明の第3実施形態に係る空気入りランフラットタイヤのリム装着時の断面図である。
図10は、本発明の第3実施形態に係る支持体のシェルの部分斜視図である。
図11Aは、本発明の第3実施形態に係る支持体の成形装置の構成図である。
図11Bは、図11Aに示される金型の成形面に設けられたリブ転写部の平面図である。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るシェルの変形例を示す斜視図である。
図13は、本発明に係るシェルに丸孔千鳥抜60度の打ち抜きパターンで孔部を形成した例を示す平面図である。
図14は、本発明に係るシェルに丸孔千鳥抜45度の打ち抜きパターンで孔部を形成した例を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態に係るランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、この支持体を用いたランフラットタイヤについて図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る支持体および支持体の製造方法、並びに空気入りランフラットタイヤについて図1〜図4を参照して説明する。
ここで、ランフラットタイヤ10とは、図1に示されるように、リム12に空気入りタイヤ14と支持体16を組み付けたものをいう。リム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。
ここで、標準リムとはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版規定のリムであり、標準空気圧とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、標準荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。
日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(又は、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)のことである。
規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
空気入りタイヤ14は、図1に示されるように、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部に形成されたトレッド部24とを有する。
空気入りタイヤ14の内部に配設される支持体16は、図1に示される断面形状のものがリング状に形成されたものであり、シェル26と、シェル26の両端部それぞれに加硫成形されたゴム製の脚部28とを有する。
脚部28は、空気入りタイヤ14の内側に支持体16を配設する場合に、空気入りタイヤ14のリム組み付け時に、その内側でリム12に組み付けられるものである。
一方、シェル26は、1枚のプレートを成形することによって図2に示す断面形状としたものであり、径方向外側に凸となる凸部30A、30Bと、その間に形成された径方向内側に凸となる凹部30C、さらには凸部30A、30Bの幅方向(X方向)外側(凹部30Cと反対側)に荷重を支持するサイド部30D、30Eが形成されている。サイド部30D、30Eの径方向内側の端部(リム側端部)には、略タイヤ回転軸方向に沿って外側へ延出するフランジ部30F、30Gが形成されている。
また、シェル26のフランジ部30F、30Gには、それぞれ肉厚方向へ貫通する通孔(図示省略)を周方向に沿って略等ピッチで複数個ずつ穿設するようにしても良い。これにより、フランジ部30F,30Gにおける脚部28との接着部の表面積を増加させると共に、通孔内に充填されたゴム材料によりアンカー効果が生じるので、脚部28とフランジ部30F,30Gとの連結強度を大幅に増加できる。
なお、シェル26は、強度を確保しつつ軽量化を達成するために、熱処理により高強度が得られるAl−Mg系アルミ合金(例えば、JIS呼称5000番台)、Al−Mg−Si系アルミ合金(例えば、JIS呼称6000番台)及びAl−Zn系アルミ合金(例えば、JIS呼称7000番台)の何れかを素材として形成することが望ましい。これら以外のアルミ合金(例えば、JIS呼称1100、3003)からシェル26を成形した場合には、当該アルミ合金の強度が低くく、所定の強度を確保するためにシェル26の肉厚が増加せざるを得ず、鉄等を使用した場合よりも重量が増加してしまう場合があるためである。
また、シェル26は、アルミ合金からなる薄肉円筒状のアルミ管を電磁成形(電磁拡管成形)することによって製造したものである。これは、後述する製造方法で詳細に説明するが、電磁成形で瞬間的に成形することによって、アルミ合金の塑性変形に伴う加工硬化の影響を被ることなく、所定の形状に精度良く形成できるからである。
このように、所定のアルミ合金から電磁成形されたシェル26を含む支持体16が配設されたランフラットタイヤ10は、所定の強度が確保されると共に軽量化されるため、当該ランフラットタイヤ10を装着した車両の操安性や燃費が向上する。
続いて、本実施形態に係る支持体16の製造方法について説明する。
先ず、支持体16のシェル26を電磁成形する成形装置について説明する。図3に示されるように、成形装置50は、左右に分割する金型52A、52Bと、分割された金型52A、52Bに後述する円筒状のアルミ管54がセットされた場合にアルミ管54を所定位置に保持する保持部材56A、56Bと、アルミ管54の内部に挿入されるコイル58とコイル58に電流を通電するための電気回路60とから構成される。この電気回路60は、所謂、衝撃大電流発生回路の等価回路として構成されており、加工に必要な電磁力がコンデンサ70に貯えられるエネルギ(E=1/2CV2)により制御する構成となっている。
金型52A、52Bは、シェル26の形状に対応する成形面62が形成されると共に、成形面62の所定位置には成形面62から外部に連通する排気用孔部64が複数形成されている。
また、電気回路60は、スイッチ68、コンデンサ70、抵抗72を備え、コンデンサ70に予めチャージしておき、スイッチ68をつなぐことによって、高圧電流を流す構成である。
この成形装置50を用いて以下のようにしてシェル26を成形する。
先ず、成形装置50の金型52A、52Bを分割し、円筒状のアルミ管54を分割された金型52A、52Bの間に挿入する。なお、アルミ管54の下端は、保持部材56Bによって支持されている。この状態でコイル58をアルミ管54の内部に挿入する(図4(A)参照)。
続いて、成形装置50の保持部材56Aをスライドさせてアルミ管54の上端を押さえることにより、アルミ管54の上下端を位置決めするする(図4(B)参照)。
この状態で、成形装置50の回路60によってコイル58に電流を通電することによって、アルミ管54には誘導電流が流れると同時に、アルミ管54はフレミングの左手の法則に従った脈状の力(電磁力)を受ける。この電磁力はアルミ管54を外周側へ膨出させるように作用する。この電磁力の作用によって瞬時(通常、0.1秒以下)にアルミ管54が成形面62に押し付けられ、成形面62に沿って変形し、所定の形状に成形される(図4(C)参照)。この際、アルミ管54と金型52A、52Bの成形面62の間に介在する空気は、アルミ管54の変形が瞬時であるため両者の隙間から外部に排出されることは困難であるが、金型52A、52Bに形成された排気用孔部64から外部にスムーズに排出される。したがって、電磁成形時に当該空気の存在(残留)によってシェル26の成形が阻害されることを回避できる。
また、このように得られたシェル26は、アルミ管54から電磁成形で瞬時に成形しているため、アルミ合金に通常の塑性変形に伴う加工硬化が生ずる前に変形が完了する。したがって、当該アルミ合金の成形性が向上して所定の形状に精度良く成形することができる。
特に、シェル26の凸部30A、30Bの最大外径(直径)Aと、凹部30Cの最小外径(直径)Bとの比(B/A)(図2参照)、すなわち、円筒状のアルミ管54において最も伸びの大きい直径と、最も伸びの小さい直径の比が0.60〜0.95の範囲である場合には、従来のハイドロフォーム成形等の成形方法では成形時に加工硬化によって割れや素材折れを生じて良好に成形できないが、電磁成形では上述のように加工硬化の影響を回避できるため、良好に成形可能である。
またランフラット走行時に、空気入りタイヤ14のトレッド部24が路面からの荷重を受けた場合、トレッド部24が幅方向に沿って内周側へ膨らむように変形し、トレッド部24の中央付近が2個の凸部30A,30B間(凹部30C内)へ入り込むような現象が生じる。このとき、シェル26の凸部30A、30Bの最大外径(直径)Aと、凹部30Cの最小外径(直径)Bとの比(B/A)を、0.60〜0.95の範囲にしておけば、トレッド部24を介して路面からの荷重を受けたシェル26には2個の凸部30A,30Bにそれぞれ幅方向外側への分力が作用し、この分力により支持体16には幅方向外側へ広がるように弾性変形が生じる。この結果、ランフラット走行時には、支持体16における一対の脚部28のリム12への圧接力が増加し、支持体16のリムへの連結強度が高くなるので、支持体16がリム12に対して幅方向又は周方向へズレたり、リム12から脱落することを確実に防止できる。
さらに、シェル26を電磁成形によって成形しているため、成形時間の短縮によって製造効率が向上する。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る支持体および支持体の製造方法並びにランフラットタイヤについて図5〜図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る支持体16において、第1実施形態と異なるのは、図6に示されるように、本実施形態のシェル26には、空気の流通性向上及び支持体16の軽量化を目的として孔部32が形成されている点である。
このように、シェル26に孔部32を形成するのは、主として次の理由による。すなわち、図5に示されるように、空気入りタイヤ14の内部の空気室34は、支持体16によって径方向外側の空気室34Aと径方向内側の空気室34Bに分割される。したがって、孔部32が存在しない場合には、トレッド部24を介して路面から伝わる衝撃の緩衝作用を果たす空気室34の空気量が空気室34Aの分だけとなり、車両の乗り心地が低下する。また、支持体16のない(通常の)空気入りタイヤでは走行時に温度上昇した空気室34の空気が金属製のリム12と接触することによって冷却され、所定の温度範囲内に制御される。しかし、空気入りタイヤ14の内側に支持体16が配設されたランフラットタイヤ10では、径方向外側の空気室34Aの空気はリム12と接触しないため良好に冷却されず、当該空気の温度上昇によってタイヤの寿命が低下するおそれがあった。
しかしながら、シェル26に孔部32が形成されることによって、空気室34Aと空気室34Bが連通され、上記緩衝作用と冷却作用が良好に作用する。
また、孔部32の直径は、0.5mm〜10.0mmの範囲で設定することが好ましく、0.5mm〜4.0mmの範囲内で設定することがより好ましい。これは、孔部の直径32を0.5mm以上とすることによって、空気室34Aと空気室34Bの空気の流通性を確保して上述の作用を良好にすると共に、10.0mm以下とすることによって孔部の形成によるシェル26の強度不足を回避したものである。
次に、成形装置および支持体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る成形装置50が第1実施形態と異なる点は、図7に示されるように、金型52A、52Bの成形面62上の排気用孔部64が開口している位置に、孔部64に連通するベント孔を有する刃付きの突起物66が設けられている点である。
このような成形装置50を用いて第1実施形態と同様にシェル26の電磁成形を行なう(図8参照)。
この際、電磁成形によって成形面62に突き当てられるアルミ管54を、成形面62に突出配置された突起物66の刃が突き破り(パンチングを行ない)、シェル26に孔部32を形成することができる。すなわち、シェル26の成形と孔部32の形成を同時に行なうことができ、支持体16の製造効率が向上する。
なお、本実施形態では、アルミ管54からシェル26を電磁成形する際に、孔部64を同時にシェル26に穿設しているが、この孔部64については、アルミ管54からシェル26を電磁成形した後、パンチング加工、ドリル加工、レーザ加工等によりシェル26に穿設するようにしても良い。
ところで、空気入りタイヤ14の内部の空気室34Aと空気室34Bとの流通性を確保することのみを考えた場合、所定の直径を有する孔部32を凸部30A,30Bには、十数個〜数十個程度の孔部32を形成すれば十分であるが、空気の流通性に加え、支持体16の軽量化をも考慮した場合には、このような孔部32は、図12に示されるように、シェル16よりも多数個、シェル126に形成することが好ましい。
図12に示されるシェル126には、凸部30A,30B(凹部30Cを含む)及びサイド部30E,30Fにも孔部32が形成されている。これらの孔部32の直径は、図6に示されるシェル26と同様に、0.5mm〜10.0mmの範囲内(好ましくは、0.5mm〜4.0mmの範囲内)で設定されている。また多数個の孔部32は、その開口面積の総和がシェル126における凸部30A,30B、凹部30C及びサイド部30E,30Fの面積(孔部32の面積を含む)に対して1〜50%の面積比となるように設定されている。これは、次のような理由によるものである。
すなわち、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する多数個の孔部32の面積比が1%未満である場合には、シェル126に対する軽量化の効果が小さく、かつシェル126により区画される空気室34Aと空気室34Bとの間の空気の流通性も十分に得られない。一方、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する多数個の孔部32の面積比が50%を超える場合には、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの強度及び耐久性が大きく低下する。このため、本実施形態に係るシェル126では、孔部32による空気の流通性と凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの強度低下とのバランスが考慮され、凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する多数個の孔部32の面積比が1〜50%の面積比とされている。
さらに、凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fでは、互いに隣接するように配置された孔部32の孔縁間の間隔が1mm以上になっている。これは、次のような理由によるものである。
すなわち、互いに隣接するように配置された孔部32の孔縁間の間隔が1mm未満である場合には、ランフラット走行時に、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fが空気入りタイヤ14と圧接すると、空気入りタイヤ14との摩擦により互いに隣接するように配置された孔部32間に亀裂が発生しやすくなる。このため、シェル126では、互いに隣接するように配置された孔部32の孔縁間の間隔Lが1mm以上とされており、これにより、ランフラット走行時に、孔部32の孔縁間の亀裂によりシェル126が破損することが防止されている。
図12に示されるようなシェル126の孔部32は、図6に示されるシェル26と同様に、電磁成形時に突起物66の刃によりアルミ管54を打ち抜くことにより形成しても良いが、電磁成形と同時に多数個の孔部32を打ち抜き形成するためには、非常に大きな電磁力を発生できる大出力の成形装置50が必要となり、設備投資を含む装置的な制約が増加する。このため、シェル126の素材としては、予め孔部32が打ち抜かれたアルミ製の金属板(所謂、アルミパンチングメタル)を用いることが好ましく、このアルミパンチングメタルからアルミ管54を成形し、電磁成形することにより、電磁成形時に必要となる電磁力を抑制し、装置的な制約を大幅に緩和できる。
孔部32は、強度の観点より千烏抜に配置することが好ましい。このような孔部32の打ち抜きパターンとしては、丸孔千鳥抜60度(図13参照)や丸孔千烏抜45度(図14参照)がある。
図13に示されるように、丸孔千烏抜60度は、孔部32が千鳥に配置されており、孔部32の中心を結ぶ直線の作る角度が60度である。丸孔千鳥抜60度の場合のシェル26における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する開口面積の比(開口率)は、ピッチをPとし、孔径をDとすると、次の式で求められる。
開口率(%)=(90.5×D2)/P2
図14に示すように、丸孔千鳥抜45度は、孔部32が千鳥に配置されており、孔部32の中心を結ぶ直線の作る角度が45度である。丸孔千烏抜45度の場合の開口率は、ピッチをPとし、孔径をDとすると、次の式で求められる。
開口率(%)=(157×D2)/P2
なお、本実施形態では、アルミ管54を成形素材としてシェル26,116を電磁成形した場合について説明したが、孔部32の直径、シェルの面積に対する開口率及び互いに隣接する孔部32の間隔を、支持体16におけるシェルをステンレス(SUS)、高張力鋼(所謂、ハイテン)等の金属材料を素材とし、ヘラ絞り加工、ロールフォーミング加工、ハイドロフォーム加工等の他の加工方法により成形した場合にも、それぞれ以上説明したように設定すれば、このシェルに形成された孔部32により支持体16の軽量化が実現すると共に、空気入りタイヤ24内の空気室34A,34B(図5参照)間の空気の流通性を十分高くし、リム12の放冷効果により空気入りタイヤ24の部分的な過熱を効果的に防止できる。
また、図12に示されるように、シェル126のフランジ部30F、30Gには、それぞれ肉厚方向へ貫通する孔部32が周方向に沿って略等ピッチで複数個ずつ穿設されている。これにより、第1の実施形態にて既に説明したように、フランジ部30F,30Gにおける脚部28との接着部の表面積を増加させると共に、孔部32内に充填されたゴム材料によりアンカー効果が生じるので、ゴム製の脚部28とフランジ部30F,30Gとの連結強度を大幅に増加できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る支持体および支持体の製造方法並びにランフラットタイヤについて図9〜図11を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第3実施形態に係る支持体16において、第1実施形態と異なるのは、図9に示されるように、シェル26における凸部30A,30Bにそれぞれリブ40により補強された補強部42A,42Bが設けられている点である。
このように、シェル26における凸部30A,30Bにそれぞれ補強部42A,42Bを設けるのは、次の理由による。
すなわち、支持体16のシェル26として2個の凸部30A,30Bが形成されたものを用い、この支持体16を空気入りタイヤ10の内部に配設し、この空気入りタイヤ10でランフラット走行した場合には、凸部30A,30Bがそれぞれトレッドと当接しつつランフラット走行が行われる。したがって、凸部30A,30Bを2個設けることにより、路面からの荷重が2点へ分散してシェル26に作用するので、ランフラット走行時におけるシェル26の1点への荷重集中を避けてシェル26に対する荷重負荷を軽減できる。
但し、ランフラット走行時には、シェル26における最も外周側に位置するピークPA,PB付近に走行時に路面からの荷重が集中することから、シェル26ではピークPA,PB付近が割れや凹み等の損傷が発生し易い部分となり、このピークPA,PBの強度がシェル26の耐久性に大きな影響を与える。
一方、電磁成形(電磁拡管成形)により凸部30A,30Bを有するシェル26をアルミ管54から成形した場合には、変形量が大きい凸部30A,30BのピークPA,PB付近が幅方向外側へ引き延ばされて、その肉厚が他の部分よりも薄くなる。前述したように、シェル26の凸部30A,30BのピークPA,PB付近は、ランフラット走行時に路面からの荷重が集中する部分であり、このシェル26をランフラット走行に用いた場合には、路面からの衝撃等の荷重により凸部30A,30BのピークPA,PB付近に凹みやクラックが早期に生じるおそれがある。
そこで、本実施形態のシェル26には、図9及び図10に示されるように、凸部30A,30BのピークPA,PB付近に周方向に沿って全周に亘って延在する補強部42A,42Bがそれぞれ設けられている。補強部42A,42Bは、シェル26におけるピークPA,PB付近に周方向に沿った断面形状が略ハニカム状(本実施形態では、六角形状)のリブ40を連続的に形成することにより設けられている。これにより、肉厚が他の部分よりも薄くなった凸部30A,30BのピークPA,PB付近における曲げ強度、座屈強度等の耐荷重強度を、リブ40の厚さと同程度まで肉厚化した場合の強度と略等しくなるように向上できるので、路面からの衝撃等の荷重により凸部30A,30BのピークPA,PB付近に割れ、凹み等の損傷が発生することを効果的に防止できる。
このとき、リブ40の周方向に沿った断面形状を略ハニカム状(本実施形態では、六角形状)とすることにより、凸部30A,30Bの頂部付近に対する強度を、他の形状のリブ(例えば、周方向に沿って延在するリング状のリブ)を設ける場合よりも効率的に向上できる。但し、ここで言う、ハニカム状のリブ40とは、一般的なハニカム構造で用いられる広義のリブを意味し、例えば、ずれ六角形、4点で6個の隔壁と接合された四角形状、正弦波形状、複波形状等のものも含まれる。
図9に示されるように、リブ40は、シェル26を外周側から内周側へコ字状に凹ませて内周側へ突出した隔壁部46を成形することにより形成されている。従って、補強部42A,42Bをシェル26の外周側から見ると、外周面上において六角形に延在する溝が連続的に続いた領域として見え、またシェル26の内周側から見ると、内周面上において六角形に延在する突起が連続的に続いた領域として見える。
なお、図9〜図10に示されるリブ40及び図11に示されるシェル26にリブ40を転写成形するためのリブ転写部80は、それぞれ理解を容易にするために、リブ40及びリブ転写部80の実寸法に対して数十倍の寸法に拡大して示されている。
ここで、リブ40の径方向に沿った厚さT(図9参照)は、0.2mm以上、5mm以下が好ましい。すなわち、0.2mm以下の場合には、リブとしての補強効果を十分に得られず、また5mm以上の場合には、シェル26に対する加工量(延展量)が過大となってリブの頂点付近に割れが生じ易くなる。
またリブ40の周方向及び幅方向に沿ったピッチは、2mm以上、20mm以下が好ましい。すなわち、2mm以下の場合には、後述する転写成形時の成形性が著しく悪くなり、十分な寸法精度でリブ40を成形することができなくなり、また20mm以上の場合には、リブとしての補強効果を十分に得られなくなる。また本実施形態では、凸部30A,30BにおけるピークPA,PBから幅方向に沿って左右10mm幅の領域(全幅で20mmの領域)がそれぞれ補強部42A,42Bとされている。これは、ランフラット走行時に路面からの荷重がピークPA,PBから幅方向に沿って左右10mm幅の領域内に入力することを考慮したものである。
なお、本実施形態の支持体16にも、第2実施形態の支持体と同様に、シェル26に空気入りタイヤ10内で空気を流通させるための孔部64を穿設しても良い。このような孔部64は、アルミ管54を素材とする電磁成形時に金型の成形面に形成された突起物の刃によりパンチングして穿設しても、また電磁成形完了後に、パンチング、ドリル加工、レーザ加工等によりシェル26に孔部64を穿設するようにしても良い。
次に、成形装置および支持体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る成形装置50が第1実施形態と異なる点は、図11に示されるように、金型52A、52Bの成形面62における補強部42A,42Bにそれぞれ対応する部分に、リブ転写部80が形成されている点である。
このような成形装置50を用いて第1実施形態と同様にシェル26の電磁成形を行なう。この際のシェル26の補強部42A,42Bを除く部分を成形する手順は、基本的に図4に示されるシェル26を成形する手順と同様であるので説明を省略する。
ここで、リブ転写部80は、図11(B)に示されるように、成形面62上において六角形に延在する突起部82が連続的に続いた領域により構成されている。このリブ転写部80は、電磁成形時にアルミ管54が成形面62上に強い力で押圧される際に、アルミ管54における補強部42A,42Bに対応する部分を突起部82に沿って極めて短時間(通常、0.1秒以内)で塑性変形させる。これにより、電磁成形により成形されたシェル26には、凸部30A,30BにおけるピークPA,PBを含む所定の領域にリブ40が連続的に形成され、このリブ40が形成された領域が凸部30A,30Bの補強部42A,42Bとされる。
本実施形態では、上記のように電磁成形によりシェル26を成形すると同時に、シェル26にハニカム状のリブ40を電磁成形することにより、このリブ40も加工硬化の影響を受けることなくアルミ管54を変形できる超塑性変形の領域で成形されることこから、割れ、折曲がり等を生じさせることなく、所望の形状及び寸法精度でリブ40をシェル26に成形することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る支持体および支持体の製造方法、並びに空気入りランフラットタイヤについて図1〜図4を参照して説明する。
ここで、ランフラットタイヤ10とは、図1に示されるように、リム12に空気入りタイヤ14と支持体16を組み付けたものをいう。リム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。
ここで、標準リムとはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版規定のリムであり、標準空気圧とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、標準荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。
日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(又は、”Approved Rim”、”Recommended Rim”)のことである。
規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。
空気入りタイヤ14は、図1に示されるように、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部に形成されたトレッド部24とを有する。
空気入りタイヤ14の内部に配設される支持体16は、図1に示される断面形状のものがリング状に形成されたものであり、シェル26と、シェル26の両端部それぞれに加硫成形されたゴム製の脚部28とを有する。
脚部28は、空気入りタイヤ14の内側に支持体16を配設する場合に、空気入りタイヤ14のリム組み付け時に、その内側でリム12に組み付けられるものである。
一方、シェル26は、1枚のプレートを成形することによって図2に示す断面形状としたものであり、径方向外側に凸となる凸部30A、30Bと、その間に形成された径方向内側に凸となる凹部30C、さらには凸部30A、30Bの幅方向(X方向)外側(凹部30Cと反対側)に荷重を支持するサイド部30D、30Eが形成されている。サイド部30D、30Eの径方向内側の端部(リム側端部)には、略タイヤ回転軸方向に沿って外側へ延出するフランジ部30F、30Gが形成されている。
また、シェル26のフランジ部30F、30Gには、それぞれ肉厚方向へ貫通する通孔(図示省略)を周方向に沿って略等ピッチで複数個ずつ穿設するようにしても良い。これにより、フランジ部30F,30Gにおける脚部28との接着部の表面積を増加させると共に、通孔内に充填されたゴム材料によりアンカー効果が生じるので、脚部28とフランジ部30F,30Gとの連結強度を大幅に増加できる。
なお、シェル26は、強度を確保しつつ軽量化を達成するために、熱処理により高強度が得られるAl−Mg系アルミ合金(例えば、JIS呼称5000番台)、Al−Mg−Si系アルミ合金(例えば、JIS呼称6000番台)及びAl−Zn系アルミ合金(例えば、JIS呼称7000番台)の何れかを素材として形成することが望ましい。これら以外のアルミ合金(例えば、JIS呼称1100、3003)からシェル26を成形した場合には、当該アルミ合金の強度が低くく、所定の強度を確保するためにシェル26の肉厚が増加せざるを得ず、鉄等を使用した場合よりも重量が増加してしまう場合があるためである。
また、シェル26は、アルミ合金からなる薄肉円筒状のアルミ管を電磁成形(電磁拡管成形)することによって製造したものである。これは、後述する製造方法で詳細に説明するが、電磁成形で瞬間的に成形することによって、アルミ合金の塑性変形に伴う加工硬化の影響を被ることなく、所定の形状に精度良く形成できるからである。
このように、所定のアルミ合金から電磁成形されたシェル26を含む支持体16が配設されたランフラットタイヤ10は、所定の強度が確保されると共に軽量化されるため、当該ランフラットタイヤ10を装着した車両の操安性や燃費が向上する。
続いて、本実施形態に係る支持体16の製造方法について説明する。
先ず、支持体16のシェル26を電磁成形する成形装置について説明する。図3に示されるように、成形装置50は、左右に分割する金型52A、52Bと、分割された金型52A、52Bに後述する円筒状のアルミ管54がセットされた場合にアルミ管54を所定位置に保持する保持部材56A、56Bと、アルミ管54の内部に挿入されるコイル58とコイル58に電流を通電するための電気回路60とから構成される。この電気回路60は、所謂、衝撃大電流発生回路の等価回路として構成されており、加工に必要な電磁力がコンデンサ70に貯えられるエネルギ(E=1/2CV2)により制御する構成となっている。
金型52A、52Bは、シェル26の形状に対応する成形面62が形成されると共に、成形面62の所定位置には成形面62から外部に連通する排気用孔部64が複数形成されている。
また、電気回路60は、スイッチ68、コンデンサ70、抵抗72を備え、コンデンサ70に予めチャージしておき、スイッチ68をつなぐことによって、高圧電流を流す構成である。
この成形装置50を用いて以下のようにしてシェル26を成形する。
先ず、成形装置50の金型52A、52Bを分割し、円筒状のアルミ管54を分割された金型52A、52Bの間に挿入する。なお、アルミ管54の下端は、保持部材56Bによって支持されている。この状態でコイル58をアルミ管54の内部に挿入する(図4(A)参照)。
続いて、成形装置50の保持部材56Aをスライドさせてアルミ管54の上端を押さえることにより、アルミ管54の上下端を位置決めするする(図4(B)参照)。
この状態で、成形装置50の回路60によってコイル58に電流を通電することによって、アルミ管54には誘導電流が流れると同時に、アルミ管54はフレミングの左手の法則に従った脈状の力(電磁力)を受ける。この電磁力はアルミ管54を外周側へ膨出させるように作用する。この電磁力の作用によって瞬時(通常、0.1秒以下)にアルミ管54が成形面62に押し付けられ、成形面62に沿って変形し、所定の形状に成形される(図4(C)参照)。この際、アルミ管54と金型52A、52Bの成形面62の間に介在する空気は、アルミ管54の変形が瞬時であるため両者の隙間から外部に排出されることは困難であるが、金型52A、52Bに形成された排気用孔部64から外部にスムーズに排出される。したがって、電磁成形時に当該空気の存在(残留)によってシェル26の成形が阻害されることを回避できる。
また、このように得られたシェル26は、アルミ管54から電磁成形で瞬時に成形しているため、アルミ合金に通常の塑性変形に伴う加工硬化が生ずる前に変形が完了する。したがって、当該アルミ合金の成形性が向上して所定の形状に精度良く成形することができる。
特に、シェル26の凸部30A、30Bの最大外径(直径)Aと、凹部30Cの最小外径(直径)Bとの比(B/A)(図2参照)、すなわち、円筒状のアルミ管54において最も伸びの大きい直径と、最も伸びの小さい直径の比が0.60〜0.95の範囲である場合には、従来のハイドロフォーム成形等の成形方法では成形時に加工硬化によって割れや素材折れを生じて良好に成形できないが、電磁成形では上述のように加工硬化の影響を回避できるため、良好に成形可能である。
またランフラット走行時に、空気入りタイヤ14のトレッド部24が路面からの荷重を受けた場合、トレッド部24が幅方向に沿って内周側へ膨らむように変形し、トレッド部24の中央付近が2個の凸部30A,30B間(凹部30C内)へ入り込むような現象が生じる。このとき、シェル26の凸部30A、30Bの最大外径(直径)Aと、凹部30Cの最小外径(直径)Bとの比(B/A)を、0.60〜0.95の範囲にしておけば、トレッド部24を介して路面からの荷重を受けたシェル26には2個の凸部30A,30Bにそれぞれ幅方向外側への分力が作用し、この分力により支持体16には幅方向外側へ広がるように弾性変形が生じる。この結果、ランフラット走行時には、支持体16における一対の脚部28のリム12への圧接力が増加し、支持体16のリムへの連結強度が高くなるので、支持体16がリム12に対して幅方向又は周方向へズレたり、リム12から脱落することを確実に防止できる。
さらに、シェル26を電磁成形によって成形しているため、成形時間の短縮によって製造効率が向上する。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る支持体および支持体の製造方法並びにランフラットタイヤについて図5〜図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る支持体16において、第1実施形態と異なるのは、図6に示されるように、本実施形態のシェル26には、空気の流通性向上及び支持体16の軽量化を目的として孔部32が形成されている点である。
このように、シェル26に孔部32を形成するのは、主として次の理由による。すなわち、図5に示されるように、空気入りタイヤ14の内部の空気室34は、支持体16によって径方向外側の空気室34Aと径方向内側の空気室34Bに分割される。したがって、孔部32が存在しない場合には、トレッド部24を介して路面から伝わる衝撃の緩衝作用を果たす空気室34の空気量が空気室34Aの分だけとなり、車両の乗り心地が低下する。また、支持体16のない(通常の)空気入りタイヤでは走行時に温度上昇した空気室34の空気が金属製のリム12と接触することによって冷却され、所定の温度範囲内に制御される。しかし、空気入りタイヤ14の内側に支持体16が配設されたランフラットタイヤ10では、径方向外側の空気室34Aの空気はリム12と接触しないため良好に冷却されず、当該空気の温度上昇によってタイヤの寿命が低下するおそれがあった。
しかしながら、シェル26に孔部32が形成されることによって、空気室34Aと空気室34Bが連通され、上記緩衝作用と冷却作用が良好に作用する。
また、孔部32の直径は、0.5mm〜10.0mmの範囲で設定することが好ましく、0.5mm〜4.0mmの範囲内で設定することがより好ましい。これは、孔部の直径32を0.5mm以上とすることによって、空気室34Aと空気室34Bの空気の流通性を確保して上述の作用を良好にすると共に、10.0mm以下とすることによって孔部の形成によるシェル26の強度不足を回避したものである。
次に、成形装置および支持体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る成形装置50が第1実施形態と異なる点は、図7に示されるように、金型52A、52Bの成形面62上の排気用孔部64が開口している位置に、孔部64に連通するベント孔を有する刃付きの突起物66が設けられている点である。
このような成形装置50を用いて第1実施形態と同様にシェル26の電磁成形を行なう(図8参照)。
この際、電磁成形によって成形面62に突き当てられるアルミ管54を、成形面62に突出配置された突起物66の刃が突き破り(パンチングを行ない)、シェル26に孔部32を形成することができる。すなわち、シェル26の成形と孔部32の形成を同時に行なうことができ、支持体16の製造効率が向上する。
なお、本実施形態では、アルミ管54からシェル26を電磁成形する際に、孔部64を同時にシェル26に穿設しているが、この孔部64については、アルミ管54からシェル26を電磁成形した後、パンチング加工、ドリル加工、レーザ加工等によりシェル26に穿設するようにしても良い。
ところで、空気入りタイヤ14の内部の空気室34Aと空気室34Bとの流通性を確保することのみを考えた場合、所定の直径を有する孔部32を凸部30A,30Bには、十数個〜数十個程度の孔部32を形成すれば十分であるが、空気の流通性に加え、支持体16の軽量化をも考慮した場合には、このような孔部32は、図12に示されるように、シェル16よりも多数個、シェル126に形成することが好ましい。
図12に示されるシェル126には、凸部30A,30B(凹部30Cを含む)及びサイド部30E,30Fにも孔部32が形成されている。これらの孔部32の直径は、図6に示されるシェル26と同様に、0.5mm〜10.0mmの範囲内(好ましくは、0.5mm〜4.0mmの範囲内)で設定されている。また多数個の孔部32は、その開口面積の総和がシェル126における凸部30A,30B、凹部30C及びサイド部30E,30Fの面積(孔部32の面積を含む)に対して1〜50%の面積比となるように設定されている。これは、次のような理由によるものである。
すなわち、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する多数個の孔部32の面積比が1%未満である場合には、シェル126に対する軽量化の効果が小さく、かつシェル126により区画される空気室34Aと空気室34Bとの間の空気の流通性も十分に得られない。一方、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する多数個の孔部32の面積比が50%を超える場合には、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの強度及び耐久性が大きく低下する。このため、本実施形態に係るシェル126では、孔部32による空気の流通性と凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの強度低下とのバランスが考慮され、凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する多数個の孔部32の面積比が1〜50%の面積比とされている。
さらに、凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fでは、互いに隣接するように配置された孔部32の孔縁間の間隔が1mm以上になっている。これは、次のような理由によるものである。
すなわち、互いに隣接するように配置された孔部32の孔縁間の間隔が1mm未満である場合には、ランフラット走行時に、シェル126における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fが空気入りタイヤ14と圧接すると、空気入りタイヤ14との摩擦により互いに隣接するように配置された孔部32間に亀裂が発生しやすくなる。このため、シェル126では、互いに隣接するように配置された孔部32の孔縁間の間隔Lが1mm以上とされており、これにより、ランフラット走行時に、孔部32の孔縁間の亀裂によりシェル126が破損することが防止されている。
図12に示されるようなシェル126の孔部32は、図6に示されるシェル26と同様に、電磁成形時に突起物66の刃によりアルミ管54を打ち抜くことにより形成しても良いが、電磁成形と同時に多数個の孔部32を打ち抜き形成するためには、非常に大きな電磁力を発生できる大出力の成形装置50が必要となり、設備投資を含む装置的な制約が増加する。このため、シェル126の素材としては、予め孔部32が打ち抜かれたアルミ製の金属板(所謂、アルミパンチングメタル)を用いることが好ましく、このアルミパンチングメタルからアルミ管54を成形し、電磁成形することにより、電磁成形時に必要となる電磁力を抑制し、装置的な制約を大幅に緩和できる。
孔部32は、強度の観点より千烏抜に配置することが好ましい。このような孔部32の打ち抜きパターンとしては、丸孔千鳥抜60度(図13参照)や丸孔千烏抜45度(図14参照)がある。
図13に示されるように、丸孔千烏抜60度は、孔部32が千鳥に配置されており、孔部32の中心を結ぶ直線の作る角度が60度である。丸孔千鳥抜60度の場合のシェル26における凸部30A,30B及びサイド部30E,30Fの面積に対する開口面積の比(開口率)は、ピッチをPとし、孔径をDとすると、次の式で求められる。
開口率(%)=(90.5×D2)/P2
図14に示すように、丸孔千鳥抜45度は、孔部32が千鳥に配置されており、孔部32の中心を結ぶ直線の作る角度が45度である。丸孔千烏抜45度の場合の開口率は、ピッチをPとし、孔径をDとすると、次の式で求められる。
開口率(%)=(157×D2)/P2
なお、本実施形態では、アルミ管54を成形素材としてシェル26,116を電磁成形した場合について説明したが、孔部32の直径、シェルの面積に対する開口率及び互いに隣接する孔部32の間隔を、支持体16におけるシェルをステンレス(SUS)、高張力鋼(所謂、ハイテン)等の金属材料を素材とし、ヘラ絞り加工、ロールフォーミング加工、ハイドロフォーム加工等の他の加工方法により成形した場合にも、それぞれ以上説明したように設定すれば、このシェルに形成された孔部32により支持体16の軽量化が実現すると共に、空気入りタイヤ24内の空気室34A,34B(図5参照)間の空気の流通性を十分高くし、リム12の放冷効果により空気入りタイヤ24の部分的な過熱を効果的に防止できる。
また、図12に示されるように、シェル126のフランジ部30F、30Gには、それぞれ肉厚方向へ貫通する孔部32が周方向に沿って略等ピッチで複数個ずつ穿設されている。これにより、第1の実施形態にて既に説明したように、フランジ部30F,30Gにおける脚部28との接着部の表面積を増加させると共に、孔部32内に充填されたゴム材料によりアンカー効果が生じるので、ゴム製の脚部28とフランジ部30F,30Gとの連結強度を大幅に増加できる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る支持体および支持体の製造方法並びにランフラットタイヤについて図9〜図11を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第3実施形態に係る支持体16において、第1実施形態と異なるのは、図9に示されるように、シェル26における凸部30A,30Bにそれぞれリブ40により補強された補強部42A,42Bが設けられている点である。
このように、シェル26における凸部30A,30Bにそれぞれ補強部42A,42Bを設けるのは、次の理由による。
すなわち、支持体16のシェル26として2個の凸部30A,30Bが形成されたものを用い、この支持体16を空気入りタイヤ10の内部に配設し、この空気入りタイヤ10でランフラット走行した場合には、凸部30A,30Bがそれぞれトレッドと当接しつつランフラット走行が行われる。したがって、凸部30A,30Bを2個設けることにより、路面からの荷重が2点へ分散してシェル26に作用するので、ランフラット走行時におけるシェル26の1点への荷重集中を避けてシェル26に対する荷重負荷を軽減できる。
但し、ランフラット走行時には、シェル26における最も外周側に位置するピークPA,PB付近に走行時に路面からの荷重が集中することから、シェル26ではピークPA,PB付近が割れや凹み等の損傷が発生し易い部分となり、このピークPA,PBの強度がシェル26の耐久性に大きな影響を与える。
一方、電磁成形(電磁拡管成形)により凸部30A,30Bを有するシェル26をアルミ管54から成形した場合には、変形量が大きい凸部30A,30BのピークPA,PB付近が幅方向外側へ引き延ばされて、その肉厚が他の部分よりも薄くなる。前述したように、シェル26の凸部30A,30BのピークPA,PB付近は、ランフラット走行時に路面からの荷重が集中する部分であり、このシェル26をランフラット走行に用いた場合には、路面からの衝撃等の荷重により凸部30A,30BのピークPA,PB付近に凹みやクラックが早期に生じるおそれがある。
そこで、本実施形態のシェル26には、図9及び図10に示されるように、凸部30A,30BのピークPA,PB付近に周方向に沿って全周に亘って延在する補強部42A,42Bがそれぞれ設けられている。補強部42A,42Bは、シェル26におけるピークPA,PB付近に周方向に沿った断面形状が略ハニカム状(本実施形態では、六角形状)のリブ40を連続的に形成することにより設けられている。これにより、肉厚が他の部分よりも薄くなった凸部30A,30BのピークPA,PB付近における曲げ強度、座屈強度等の耐荷重強度を、リブ40の厚さと同程度まで肉厚化した場合の強度と略等しくなるように向上できるので、路面からの衝撃等の荷重により凸部30A,30BのピークPA,PB付近に割れ、凹み等の損傷が発生することを効果的に防止できる。
このとき、リブ40の周方向に沿った断面形状を略ハニカム状(本実施形態では、六角形状)とすることにより、凸部30A,30Bの頂部付近に対する強度を、他の形状のリブ(例えば、周方向に沿って延在するリング状のリブ)を設ける場合よりも効率的に向上できる。但し、ここで言う、ハニカム状のリブ40とは、一般的なハニカム構造で用いられる広義のリブを意味し、例えば、ずれ六角形、4点で6個の隔壁と接合された四角形状、正弦波形状、複波形状等のものも含まれる。
図9に示されるように、リブ40は、シェル26を外周側から内周側へコ字状に凹ませて内周側へ突出した隔壁部46を成形することにより形成されている。従って、補強部42A,42Bをシェル26の外周側から見ると、外周面上において六角形に延在する溝が連続的に続いた領域として見え、またシェル26の内周側から見ると、内周面上において六角形に延在する突起が連続的に続いた領域として見える。
なお、図9〜図10に示されるリブ40及び図11に示されるシェル26にリブ40を転写成形するためのリブ転写部80は、それぞれ理解を容易にするために、リブ40及びリブ転写部80の実寸法に対して数十倍の寸法に拡大して示されている。
ここで、リブ40の径方向に沿った厚さT(図9参照)は、0.2mm以上、5mm以下が好ましい。すなわち、0.2mm以下の場合には、リブとしての補強効果を十分に得られず、また5mm以上の場合には、シェル26に対する加工量(延展量)が過大となってリブの頂点付近に割れが生じ易くなる。
またリブ40の周方向及び幅方向に沿ったピッチは、2mm以上、20mm以下が好ましい。すなわち、2mm以下の場合には、後述する転写成形時の成形性が著しく悪くなり、十分な寸法精度でリブ40を成形することができなくなり、また20mm以上の場合には、リブとしての補強効果を十分に得られなくなる。また本実施形態では、凸部30A,30BにおけるピークPA,PBから幅方向に沿って左右10mm幅の領域(全幅で20mmの領域)がそれぞれ補強部42A,42Bとされている。これは、ランフラット走行時に路面からの荷重がピークPA,PBから幅方向に沿って左右10mm幅の領域内に入力することを考慮したものである。
なお、本実施形態の支持体16にも、第2実施形態の支持体と同様に、シェル26に空気入りタイヤ10内で空気を流通させるための孔部64を穿設しても良い。このような孔部64は、アルミ管54を素材とする電磁成形時に金型の成形面に形成された突起物の刃によりパンチングして穿設しても、また電磁成形完了後に、パンチング、ドリル加工、レーザ加工等によりシェル26に孔部64を穿設するようにしても良い。
次に、成形装置および支持体の製造方法について説明する。
本実施形態に係る成形装置50が第1実施形態と異なる点は、図11に示されるように、金型52A、52Bの成形面62における補強部42A,42Bにそれぞれ対応する部分に、リブ転写部80が形成されている点である。
このような成形装置50を用いて第1実施形態と同様にシェル26の電磁成形を行なう。この際のシェル26の補強部42A,42Bを除く部分を成形する手順は、基本的に図4に示されるシェル26を成形する手順と同様であるので説明を省略する。
ここで、リブ転写部80は、図11(B)に示されるように、成形面62上において六角形に延在する突起部82が連続的に続いた領域により構成されている。このリブ転写部80は、電磁成形時にアルミ管54が成形面62上に強い力で押圧される際に、アルミ管54における補強部42A,42Bに対応する部分を突起部82に沿って極めて短時間(通常、0.1秒以内)で塑性変形させる。これにより、電磁成形により成形されたシェル26には、凸部30A,30BにおけるピークPA,PBを含む所定の領域にリブ40が連続的に形成され、このリブ40が形成された領域が凸部30A,30Bの補強部42A,42Bとされる。
本実施形態では、上記のように電磁成形によりシェル26を成形すると同時に、シェル26にハニカム状のリブ40を電磁成形することにより、このリブ40も加工硬化の影響を受けることなくアルミ管54を変形できる超塑性変形の領域で成形されることこから、割れ、折曲がり等を生じさせることなく、所望の形状及び寸法精度でリブ40をシェル26に成形することができる。
(比較試験1)
上記実施形態1〜2の成形方法の作用を確認するために、以下に示す実施例1、2に係る支持体(以下、単に実施例1、2という)と比較例Aに係る支持体(以下、単に比較例Aという)の比較試験を行った。
JIS6061のアルミ合金(Al−Mg−Si系アルミ合金)からなるアルミ管(直径400mm、高さ200mm、厚さ2.3mm)を、以下の成形方法によって凸部のピーク(径方向最外位置)の直径A(図2参照)が480mmとなるような金型で以下の方法によってそれぞれ試験を行なった。
ここで、比較例Aは、第1実施形態と同様の成形面を有する金型を用いてハイドロフォームで成形したものである。
一方、実施例1は第1実施形態と同様の成形装置だが、排気用孔部のない金型で電磁成形したものである。成形装置では、回路60の1000μFのコンデンサー70に15kVの電源で蓄電し、アルミ管内にコイルを挿入した後、コイル58に通電することによって支持体を成形したものである。
実施例2は、第2実施形態と同様の構成であり、すなわち、実施例1の金型に排気用孔部64と突起物66を備えたものを利用して成形した場合である。突起物66は支持体26(アルミ管54)に直径2mmの孔部を形成できるように成形面62から3mmの高さに突出形成されている。なお、この排気用孔部64と突起物66は、第2実施形態では断面に4ヶ所形成されているが、実施例2では幅方向両端の8ヶ所とし、周方向に等間隔で20ヶ所設置し、合計160ヶ所とした。また、通電の条件は実施例1と同様である。
試験結果を表1に示す。
このように、比較例A(ハイドロフォーム成形)のように成形時間を要する場合には、支持体の成形(アルミ管の変形)中の加工硬化によって良好な成形ができない(凸部のピークにひび割れが発生する)ことが確認された。これに対して、実施例1、2は、アルミ管を瞬時に変形させる電磁成形のため、比較例Aのように支持体の凸部にひび割れを生ずることはない。しかし、実施例1は、金型に排気用孔部がないため、金型とアルミ管の間に残留する空気によってシェル26の凸部30A、30Bが金型よりも浅く形成されてしまう。これに対して、実施例2の場合には、アルミ管と金型の間にある空気を金型の排気用孔部64によって素早く排出するため、実施例1と比較して寸法精度が一層良好になることが確認された。すなわち、実施例2は、凸部30A、30B等が金型の成形面62通りに形成され、孔部32も所定位置に形成されることが確認された。
(比較試験2)
次に、上記実施形態3の成形方法の作用を確認するために、以下に示す実施例3に係る支持体(以下、単に実施例3という)と比較例Bに係る支持体(以下、単に比較例Bという)の比較試験を行った。
JIS6061(O材)のアルミ合金(Al−Mg−Si系アルミ合金)からなるアルミ管(直径400mm、高さ200mm、厚さ1.6mm)を、以下の成形方法によって凸部のピーク(径方向最外位置)の直径A(図2参照)が480mmとなるような金型で以下の方法によってそれぞれ試験を行なった。
ここで、比較例Bは、第1実施形態と同様の成形面を有する金型を含む成形装置(図3参照)を用いて電磁成形(電磁拡管成形)で成形したものである。
一方、実施例3は、第3実施形態と同様の構成であり、すなわち、実施例1の金型に排気用孔部64及びリブ転写部80を備えたものを利用して成形した場合である。リブ転写部80は、支持体26(アルミ管54)に高さ1mm、リブピッチ5mmでリブ40を連続的に形成できるように成形面62からの突出長等が設定され、またシェル26におけるピークPA,PBを中心として左右の10mmずつの部分に対応する領城に設けられている。また、通電の条件は実施例1と同様とする。
上記のようにして電磁成形したシェルをT6(溶体化処理後、人工時効)の熱処理条件で熱処理した後、ゴム製の脚部を接着して製造した比較例Bのシェルを備えた支持体及び実施例3のシェルを備えた支持体をそれぞれ空気入りタイヤ内へ配設し、輪重が500kgfとなるようにタイヤ荷重を調整してランフラット走行を行った試験結果を表2に示す。
表2から明らかなように、比較例Bをランフラット走行に用いた場合には、50km程度のランフラット走行で、振動発生等を含む走行性能に変化が発生した。この時点で、シェルを観察すると、シェル自体に変形が発生しており、また凸部のピーク付近に軽微な凹み、亀裂が発生していた。
一方、実施例3をランフラット走行に用いた場合には、300km以上以下ランフラット走行を行っても、振動発生等を含む走行性能に明かな変化が発生せず、良好な走行性を維持した。走行距離が300kmを越えた時点で、シェルを観察すると、シェル自体も変形しておらず、また凸部のピーク付近にも走行性能に影響を与えるような凹み、亀裂が発生していなかった。
以上の説明から明かなように、本発明に係るランフラットタイヤ用の支持体によれば、十分な軽量化及び高い耐久性が実現され、かつ所定の形状に精度良く成形されたシェル部材を有する支持体を実現できる。
また、本発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法によれば、シェル部材を十分に軽量化すると共に、シェル部材に高い耐久性を与えることができ、しかもシェル部材を所定の形状に精度良く成形できる。
また、本発明のランフラットタイヤによれば、空気入りタイヤ内に配設される支持体におけるシェル部材が十分に軽量化されると共に、高い耐久性を備えており、しかも所定の形状に精度良く成形されているので、燃費や操安性を向上できる。
(比較試験3)
図12に示されるシェル126の作用を確認するために、以下に示す実施例4に係るシェル(以下、単に実施例4という)と2つの比較例C及びDに係るシェル(以下、これらを比較例C、比較例Dという)の比較試験を行った。
実施例4は、図12に示されるシェル126ととほぼ同一の形状とされており、材質SUS304、厚さ1.0mm、孔部の開口率26%、孔部の直径3.0mm、丸孔千鳥抜45度のプレートより成形した。
一方、比較例Cは、材質SUS304、厚さ1.0mmで孔部なしプレートより成形し、供試体を得た。
また、比較例Dは、材質SUS304、厚さ1.0mm、孔部の開口率60%、孔部の直径3.0mm、丸孔千鳥抜45度のプレートより成形し、供試体を得た。
実車走行試験を実施した結果、実施例4の場合も比較例Cの場合も座屈変形することなく300kmを完走したが、比較例Dの場合は90kmで座屈変形した。また、実施例4の場合は比較例Cの場合に比べて燃費が改善された。
上記実施形態1〜2の成形方法の作用を確認するために、以下に示す実施例1、2に係る支持体(以下、単に実施例1、2という)と比較例Aに係る支持体(以下、単に比較例Aという)の比較試験を行った。
JIS6061のアルミ合金(Al−Mg−Si系アルミ合金)からなるアルミ管(直径400mm、高さ200mm、厚さ2.3mm)を、以下の成形方法によって凸部のピーク(径方向最外位置)の直径A(図2参照)が480mmとなるような金型で以下の方法によってそれぞれ試験を行なった。
ここで、比較例Aは、第1実施形態と同様の成形面を有する金型を用いてハイドロフォームで成形したものである。
一方、実施例1は第1実施形態と同様の成形装置だが、排気用孔部のない金型で電磁成形したものである。成形装置では、回路60の1000μFのコンデンサー70に15kVの電源で蓄電し、アルミ管内にコイルを挿入した後、コイル58に通電することによって支持体を成形したものである。
実施例2は、第2実施形態と同様の構成であり、すなわち、実施例1の金型に排気用孔部64と突起物66を備えたものを利用して成形した場合である。突起物66は支持体26(アルミ管54)に直径2mmの孔部を形成できるように成形面62から3mmの高さに突出形成されている。なお、この排気用孔部64と突起物66は、第2実施形態では断面に4ヶ所形成されているが、実施例2では幅方向両端の8ヶ所とし、周方向に等間隔で20ヶ所設置し、合計160ヶ所とした。また、通電の条件は実施例1と同様である。
試験結果を表1に示す。
(比較試験2)
次に、上記実施形態3の成形方法の作用を確認するために、以下に示す実施例3に係る支持体(以下、単に実施例3という)と比較例Bに係る支持体(以下、単に比較例Bという)の比較試験を行った。
JIS6061(O材)のアルミ合金(Al−Mg−Si系アルミ合金)からなるアルミ管(直径400mm、高さ200mm、厚さ1.6mm)を、以下の成形方法によって凸部のピーク(径方向最外位置)の直径A(図2参照)が480mmとなるような金型で以下の方法によってそれぞれ試験を行なった。
ここで、比較例Bは、第1実施形態と同様の成形面を有する金型を含む成形装置(図3参照)を用いて電磁成形(電磁拡管成形)で成形したものである。
一方、実施例3は、第3実施形態と同様の構成であり、すなわち、実施例1の金型に排気用孔部64及びリブ転写部80を備えたものを利用して成形した場合である。リブ転写部80は、支持体26(アルミ管54)に高さ1mm、リブピッチ5mmでリブ40を連続的に形成できるように成形面62からの突出長等が設定され、またシェル26におけるピークPA,PBを中心として左右の10mmずつの部分に対応する領城に設けられている。また、通電の条件は実施例1と同様とする。
上記のようにして電磁成形したシェルをT6(溶体化処理後、人工時効)の熱処理条件で熱処理した後、ゴム製の脚部を接着して製造した比較例Bのシェルを備えた支持体及び実施例3のシェルを備えた支持体をそれぞれ空気入りタイヤ内へ配設し、輪重が500kgfとなるようにタイヤ荷重を調整してランフラット走行を行った試験結果を表2に示す。
一方、実施例3をランフラット走行に用いた場合には、300km以上以下ランフラット走行を行っても、振動発生等を含む走行性能に明かな変化が発生せず、良好な走行性を維持した。走行距離が300kmを越えた時点で、シェルを観察すると、シェル自体も変形しておらず、また凸部のピーク付近にも走行性能に影響を与えるような凹み、亀裂が発生していなかった。
以上の説明から明かなように、本発明に係るランフラットタイヤ用の支持体によれば、十分な軽量化及び高い耐久性が実現され、かつ所定の形状に精度良く成形されたシェル部材を有する支持体を実現できる。
また、本発明に係るランフラットタイヤ用の支持体の製造方法によれば、シェル部材を十分に軽量化すると共に、シェル部材に高い耐久性を与えることができ、しかもシェル部材を所定の形状に精度良く成形できる。
また、本発明のランフラットタイヤによれば、空気入りタイヤ内に配設される支持体におけるシェル部材が十分に軽量化されると共に、高い耐久性を備えており、しかも所定の形状に精度良く成形されているので、燃費や操安性を向上できる。
(比較試験3)
図12に示されるシェル126の作用を確認するために、以下に示す実施例4に係るシェル(以下、単に実施例4という)と2つの比較例C及びDに係るシェル(以下、これらを比較例C、比較例Dという)の比較試験を行った。
実施例4は、図12に示されるシェル126ととほぼ同一の形状とされており、材質SUS304、厚さ1.0mm、孔部の開口率26%、孔部の直径3.0mm、丸孔千鳥抜45度のプレートより成形した。
一方、比較例Cは、材質SUS304、厚さ1.0mmで孔部なしプレートより成形し、供試体を得た。
また、比較例Dは、材質SUS304、厚さ1.0mm、孔部の開口率60%、孔部の直径3.0mm、丸孔千鳥抜45度のプレートより成形し、供試体を得た。
実車走行試験を実施した結果、実施例4の場合も比較例Cの場合も座屈変形することなく300kmを完走したが、比較例Dの場合は90kmで座屈変形した。また、実施例4の場合は比較例Cの場合に比べて燃費が改善された。
Claims (24)
- 空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、該シェル部材がアルミ合金を素材として電磁成形されたことを特徴とするランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記シェル部材には、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたことを特徴とする請求項1記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記アルミ合金は、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金の何れかであることを特徴とする請求項1又は2記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記シェル部材は、径方向断面において径方向外側に突出する2個の凸部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記シェル部材の凸部の最大外径Aと、2個の前記凸部の間に形成された凹部の最小外径Bの比率B/Aが0.60〜0.95であることを特徴とする請求項4記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記シェル部材の板厚は、0.5mm〜7.0mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、
前記支持体の径方向断面において、径方向外側にそれぞれ突出した少なくとも2個の凸部が設けられ、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、
前記凸部の最外周側に位置する頂部付近に、周方向に沿った断面がハニカム状とされたリブを全周に亘って連続的に形成したことを特徴とするランフラットタイヤ用の支持体。 - 前記シェル部材には、直径0.5mm〜10.0mmの孔部が形成されたことを特徴とする請求項7記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記シェル部材を、Al−Mg系アルミ合金、Al−Mg−Si系アルミ合金及びAl−Zn系アルミ合金の何れかを素材として電磁成形により成形したことを特徴とする請求項7又は8記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体の製造方法であって、
アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、
前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、
前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を成形する第3工程と、
を有することを特徴とするランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。 - 前記第3工程の後に、前記シェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を形成する工程を有することを特徴とする請求項10記載のランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。
- 空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体の製造方法であって、
アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、
前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、
前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を成形すると共に、膨出変形時に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を前記支持体に形成する第3工程と、
を有することを特徴とするランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。 - 請求項7〜請求項9の何れか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体の製造方法であって、
アルミ合金からなる円筒状のアルミ管を成形治具内に設置する第1工程と、
前記アルミ管の上下方向位置ずれを防止するための治具を装填する第2工程と、
前記アルミ管内にコイルを挿入し、コイルに電流を通電し、前記アルミ管を径方向外側に膨出変形させて前記シェル部材を成形する第3工程とを有し、
前記第3工程では、前記成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面がハニカム状とされた突起部により前記凸部の頂部付近を塑性変形させて該頂部付近に前記リブを形成することを特徴とするランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。 - 前記第3工程では、前記成形治具の内周面に設けられ周方向に沿った断面が略ハニカム状とされた突起部により前記凸部の頂部付近を塑性変形させて該頂部付近に前記リブを形成すると共に、直径0.5mm〜10.0mmの孔部を前記シェル部材に形成することを特徴とする請求項13記載のランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。
- 前記第3工程の後に、前記シェル部材に直径0.5mm〜10.0mmの孔部を形成する工程を有することを特徴とする請求項13記載のランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。
- 前記第3工程において、膨出変形時にアルミ管と成形治具の間に介在する空気を成形治具に設けられた排気孔を介して外部に排出することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体の製造方法。
- 一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、
前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを有し、リムに装着される空気入りタイヤと、
前記空気入りタイヤの内側に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられる請求項1〜請求項9の何れか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体と、
を有することを特徴とするランフラットタイヤ。 - 空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、
前記支持体の径方向断面において、径方向外側にそれぞれ突出した少なくとも2個の凸部が設けられ、リムの外周側に装着される円筒状のシェル部材を有し、
前記凸部に、その肉厚方向に沿って貫通する複数の孔部を形成したことを特徴とするランフラットタイヤ用の支持体。 - 前記シェル部材は、アルミ合金、高張力鋼及びステンレスの何れかを素材として成形されたことを特徴とする請求項18記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記凸部における複数の前記孔部を含む面積に対する複数の前記孔部の面積比を、1〜50%としたことを特徴とする請求項18又は19記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記シェル部材における前記凸部の幅方向外側の端部から外周側へ延出するサイド部に、その肉厚方向に沿って貫通する複数の孔部を形成したことを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 前記サイド部における複数の前記孔部を含む面積に対する複数の前記孔部の面積比を、1〜50%としたことを特徴とする請求項21記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 互いに隣接するように配置された前記孔部の孔縁間の間隔を、1mm以上としたことを特徴とする請求項18〜22のいずれか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体。
- 一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、
前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを有し、リムに装着される空気入りタイヤと、
前記空気入りタイヤの内側に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられる請求項18〜請求項23の何れか1項記載のランフラットタイヤ用の支持体と、
を有することを特徴とするランフラットタイヤ。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002269442 | 2002-09-17 | ||
JP2002269442 | 2002-09-17 | ||
JP2003132535 | 2003-05-12 | ||
JP2003132535 | 2003-05-12 | ||
PCT/JP2003/011829 WO2004026596A1 (ja) | 2002-09-17 | 2003-09-17 | ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、ランフラットタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2004026596A1 true JPWO2004026596A1 (ja) | 2006-01-12 |
Family
ID=32032858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004537580A Pending JPWO2004026596A1 (ja) | 2002-09-17 | 2003-09-17 | ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、ランフラットタイヤ |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20060196589A1 (ja) |
EP (1) | EP1561606A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2004026596A1 (ja) |
CN (1) | CN100387447C (ja) |
AU (1) | AU2003264464A1 (ja) |
WO (1) | WO2004026596A1 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006151187A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ランフラット支持体及びタイヤ/ホイール組立体 |
JP4384098B2 (ja) * | 2005-09-07 | 2009-12-16 | 横浜ゴム株式会社 | ランフラット支持体と空気入りタイヤとの固定具 |
GB0817169D0 (en) * | 2008-09-19 | 2008-10-29 | Univ Birmingham | Improved process for forming aluminium alloy sheet components |
TWI351325B (en) * | 2008-12-09 | 2011-11-01 | Metal Ind Res & Dev Ct | Device for producing patterns and a method thereof |
DE102010016770B4 (de) | 2010-05-04 | 2013-01-17 | Martin Locher | Fahrzeug |
CN102451869A (zh) * | 2010-10-28 | 2012-05-16 | 财团法人金属工业研究发展中心 | 金属板件成形装置 |
EP2537685A1 (en) * | 2011-06-23 | 2012-12-26 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Tyre with improved tread |
US9321307B2 (en) * | 2012-12-05 | 2016-04-26 | Shimano Inc. | Bicycle rim |
DE102013006171B4 (de) * | 2013-04-10 | 2015-04-16 | Ulrich Bruhnke | Verfahren und Anlage zur Herstellung von Blechen aus strangförmigen Profilen |
CN103861933B (zh) * | 2014-04-01 | 2015-11-25 | 湖南大学 | 一种波纹管成形装置及用该装置加工的波纹管 |
CN106660101B (zh) * | 2014-05-04 | 2019-05-14 | 贝瓦克生产机械有限公司 | 容器的电磁成形系统和方法 |
US10875073B2 (en) | 2014-05-04 | 2020-12-29 | Belvac Production Machinery, Inc. | Systems and process improvements for high speed forming of containers using porous or other small mold surface features |
NL2014555B1 (en) * | 2014-10-13 | 2016-10-04 | Vmi Holland Bv | Method and drum for manufacturing a tyre, in particular a run-flat tyre. |
CN111823787A (zh) * | 2019-04-19 | 2020-10-27 | 山东泰斯福德科技发展有限公司 | 轻型爆胎应急安全装置 |
CN110936772A (zh) * | 2019-12-05 | 2020-03-31 | 中国飞机强度研究所 | 一种新型缺气保用轮胎 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5459702A (en) * | 1977-10-19 | 1979-05-14 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | Pneumatic run-flat tire |
JP3243291B2 (ja) * | 1992-08-03 | 2002-01-07 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ用中子組立体 |
JPH06312229A (ja) * | 1993-04-28 | 1994-11-08 | Showa Alum Corp | 電磁成形等によるかしめ用嵌合面の形成方法 |
JPH06312226A (ja) * | 1993-04-28 | 1994-11-08 | Showa Alum Corp | 長さ方向に横断面が変化した中空材の製造方法 |
JPH07184350A (ja) * | 1993-12-24 | 1995-07-21 | Hitachi Ltd | 回転電気機械 |
JPH0824969A (ja) * | 1994-07-07 | 1996-01-30 | Japan Steel Works Ltd:The | 拡管用電磁成形器および管状成形品の製造方法 |
DE59606220D1 (de) * | 1996-09-25 | 2001-01-18 | Alusuisse Tech & Man Ag | Verfahren zur Herstellung von Hohlkörpern |
US5826320A (en) * | 1997-01-08 | 1998-10-27 | Northrop Grumman Corporation | Electromagnetically forming a tubular workpiece |
DE19703787B4 (de) * | 1997-02-01 | 2005-11-24 | ZF Lemförder Metallwaren AG | Gehäuse für den Gassack in einem Kraftfahrzeug |
DE19707090A1 (de) * | 1997-02-24 | 1998-08-27 | Continental Ag | Luftbereiftes Fahrzeugrad |
DE19745409C2 (de) * | 1997-10-15 | 2002-06-20 | Continental Ag | Fahrzeugrad mit einem Notlaufstützkörper |
DE19825311C1 (de) * | 1998-06-05 | 2000-02-24 | Continental Ag | Fahrzeugrad mit einem Notlaufstützkörper |
DE19837740B4 (de) * | 1998-08-20 | 2004-03-25 | Continental Aktiengesellschaft | Fahrzeugrad mit - insbesondere einteiliger - Felge und schlauchlosem Luftreifen, das für Notlauf geeignet ist |
JP4270683B2 (ja) * | 1998-11-20 | 2009-06-03 | 大日本印刷株式会社 | チューブ容器 |
DE19955832A1 (de) * | 1999-11-20 | 2001-05-31 | Continental Ag | Fahrzeugrad mit einem Notlaufstützkörper |
CA2406454C (en) * | 2000-04-26 | 2009-08-11 | Cosma International Inc. | Hydroforming a tubular structure of varying diameter from a tubular blank using electromagnetic pulse welding |
-
2003
- 2003-09-17 EP EP03797631A patent/EP1561606A4/en not_active Withdrawn
- 2003-09-17 JP JP2004537580A patent/JPWO2004026596A1/ja active Pending
- 2003-09-17 WO PCT/JP2003/011829 patent/WO2004026596A1/ja active Application Filing
- 2003-09-17 AU AU2003264464A patent/AU2003264464A1/en not_active Abandoned
- 2003-09-17 US US10/528,041 patent/US20060196589A1/en not_active Abandoned
- 2003-09-17 CN CNB038219921A patent/CN100387447C/zh not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20060196589A1 (en) | 2006-09-07 |
EP1561606A1 (en) | 2005-08-10 |
AU2003264464A1 (en) | 2004-04-08 |
EP1561606A4 (en) | 2007-07-25 |
CN1681672A (zh) | 2005-10-12 |
WO2004026596A1 (ja) | 2004-04-01 |
CN100387447C (zh) | 2008-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2004026596A1 (ja) | ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法並びに、ランフラットタイヤ | |
EP2772367A1 (en) | Non-pneumatic tire with reinforcing member having plate wire structure | |
JP2017081199A (ja) | エアレスタイヤ | |
US6499730B1 (en) | Dynamic damper having generally cylindrical shape and method of producing the same | |
US11807052B2 (en) | Tire tread with a band layer | |
CN110091661B (zh) | 一种u型金属弹性支撑体的柔性车轮 | |
US4055068A (en) | Process for manufacturing monobloc vehicle wheels | |
JP2005329881A (ja) | ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法 | |
WO2011104578A2 (en) | Double-ring support for run-flat tire | |
JP2005153605A (ja) | ランフラットタイヤ用の支持体及びその製造方法、並びにランフラットタイヤ | |
JP4277992B2 (ja) | タイヤ/ホイール組立体 | |
JP7232335B2 (ja) | 非空気圧式タイヤ用の金属ウェブ及びその作製方法 | |
JP2004149013A (ja) | 支持体及び空気入りランフラットタイヤ | |
JP2005335598A (ja) | 支持体、及びタイヤ・リム組立体 | |
EP1908611A1 (en) | Run-flat support body, pneumatic tire with run-flat support body, and method of producing the tire | |
JP2005335569A (ja) | ランフラットタイヤ用の支持シェルの製造方法及び製造装置 | |
EP1818192B1 (en) | Run-flat supporting body and tire/wheel assembly | |
JP2004181987A (ja) | 支持体及び空気入りランフラットタイヤ | |
JP2002526264A (ja) | 電磁高エネルギ容量成形法によりホイールを製造する装置および方法 | |
JP4142394B2 (ja) | 支持体および空気入りランフラットタイヤ | |
JP4367916B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2008213225A (ja) | ランフラットタイヤ用支持体の製造方法 | |
JP2005035460A (ja) | 自動車用軽合金ホイール | |
JP2004148707A (ja) | 支持体の製造方法及び空気入りランフラットタイヤ | |
JP2002263765A (ja) | 自動車用補強部材とその製造方法 |