JP2005035460A - 自動車用軽合金ホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】 リム部の中央部にサポートリングを固定するための支持面を持つランフラットタイヤを製造するにあたり、軽量かつ機械的強度の高いリム部形状を規定した自動車用軽合金ホイールを提供する。
【解決手段】 フランジ部4,5、インナービードシート部6、およびタイヤの内圧低下時にタイヤを内周側から支持する支持体を固定するための支持面13を備えたリム部2と、ディスク部3からなる自動車用軽合金ホイールであり、
前記支持面13は少なくとも一部リム部3中央に設けられ、かつ前記支持面13のリム部最小厚さは、前記インナービードシート部6と支持面13の間に形成される連結部12でのリム部最小厚さよりも薄いことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 フランジ部4,5、インナービードシート部6、およびタイヤの内圧低下時にタイヤを内周側から支持する支持体を固定するための支持面13を備えたリム部2と、ディスク部3からなる自動車用軽合金ホイールであり、
前記支持面13は少なくとも一部リム部3中央に設けられ、かつ前記支持面13のリム部最小厚さは、前記インナービードシート部6と支持面13の間に形成される連結部12でのリム部最小厚さよりも薄いことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車に用いられる軽合金ホイールであり、取り付けたタイヤの内圧が低下してもホイール自体に損傷無く長距離走行可能なパンク対策を施したホイールに関するものであり、特にホイールのリム中央外周側に沿って支持体を具備する複合構造ホイールとするための自動車用軽合金ホイールに関する。
自動車の足回りにおける最近の技術開発として、ランフラットタイヤが注目されている。一般的にこのランフラットタイヤとは、空気圧が抜けても一定距離を走行可能なタイヤをさすものと定義されており、大別してa)タイヤのサイド補強タイプ、b)サポートリングタイプに分かれている。
サイド補強型はタイヤ自体にパンク対策性能を持たせたものであり、サイドウォールに内張した補強ゴムを有する。タイヤがパンクしてもこの補強ゴムによりタイヤ全体がつぶれるのを防ぎ、長距離走行を可能としている。従来のホイールにも装着可能であり汎用性が高いのが特徴である。ただし短所としてタイヤのサイドウォールが固くなるため、搭乗者の乗り心地が低下する。主に高級車両用途としてこのランフラットタイヤは使われるため、この対策が急務である。
一方、サポートリングタイプ型はホイールのリム外周面に沿って支持体(サポートリング)を設けるものである。このサポートリングはリムの中央外周面に設けられ、インナー側、アウター側のリム端よりも大きな径のものが使用される。タイヤがパンクしてもこのサポートリングが車両重量を支えてフランジの変形を防ぐ。サポートリング自体の重量増加はあるものの、搭乗者の乗り心地を低下させることがなく、またサイド補強タイプよりもパンク時の走行可能距離が一般的に長いため、高級車両用途としてより多くのメーカが検討している。
サイド補強型はタイヤ自体にパンク対策性能を持たせたものであり、サイドウォールに内張した補強ゴムを有する。タイヤがパンクしてもこの補強ゴムによりタイヤ全体がつぶれるのを防ぎ、長距離走行を可能としている。従来のホイールにも装着可能であり汎用性が高いのが特徴である。ただし短所としてタイヤのサイドウォールが固くなるため、搭乗者の乗り心地が低下する。主に高級車両用途としてこのランフラットタイヤは使われるため、この対策が急務である。
一方、サポートリングタイプ型はホイールのリム外周面に沿って支持体(サポートリング)を設けるものである。このサポートリングはリムの中央外周面に設けられ、インナー側、アウター側のリム端よりも大きな径のものが使用される。タイヤがパンクしてもこのサポートリングが車両重量を支えてフランジの変形を防ぐ。サポートリング自体の重量増加はあるものの、搭乗者の乗り心地を低下させることがなく、またサイド補強タイプよりもパンク時の走行可能距離が一般的に長いため、高級車両用途としてより多くのメーカが検討している。
サポートリングタイプをさらに2分化すれば、従来ホイールを使用できる汎用タイプと専用ホイールを使用する専用タイプに分かれる。汎用タイプはホイールを別途製造する必要がないというメリットがある。ただし、ランフラットタイヤにおいてサポートリングを設けることは、走行のモード(走行、路面状態、ランフラット走行を含む)によってはリムに、通常のホイールには無い荷重がかかることに繋がる。サポートリングの形状に差異はあるが、汎用タイプもサポートリングタイプである以上、走行のモードによっては一般のホイールとは異なる荷重状態があり、リムが専用設計されていない場合、使用状態においてその強度が保証されるものではない。よってその故障のモードを無くすため、リムの形状が専用設計された専用タイプが常に要求としてあげられている。専用タイプの主なものとしてホイールの端にあるフランジ部をサポートリングを設けるリム部の支持面外径よりも小さくするかほぼ同径とし、樹脂製のサポートリングをそのフランジ部側から軸方向に嵌め込む構造が取られる。この構造によりサポートリングが嵌合され長期間安定して使用できるランフラットタイヤが製造可能になる。
図2にサポートリングタイプの専用ホイール1の一例を示す。ホイール1はディスク部3とリム部2から主に形成される。ディスク部は従来のホイールと同様であり、車両のハブに取り付けられるハブ固定部9とそこから略放射状にリム部2まで延びるスポーク部8からなる。またリム部2は従来のホイールと同様にインナーフランジ4、インナービードシート部6、アウタービードシート部7、アウターフランジ5が形成される。これらリムの形状は各社の仕様により各々異なる。また、リムの中央にはサポートリング11が周方向に連続して取り付けられ、タイヤの内圧が低下してもフランジ4,5が地面に設置せず変形することを防止する。
例えば特許文献1にはランフラットタイヤとして、サポートリングのリム部への支持面がリム部中央とアウターフランジ側との2箇所で構成され、その中間部分は半径方向外方に開放した円周方向溝によって分離されているリム断面形状を持つホイールが記載されている。従来この支持面および円周方向溝に該当する部分は凹部又は中空部で分離された浮き彫り形状であり、この支持面に全体的にランフラットタイヤを固定していたが、サポートリングの両端のみを支持面として中間部分を完全な中空とすることでさらなる軽量化が可能であることが記載されている。
また、特許文献2にはランフラットタイヤとして、サポートリングをリム部中央部のみに嵌着させるタイプのホイールが記載されており、その特徴としてビードシート部の軸方向内側に円錐形部分を設けること、円錐形部分の高さを支持面の最小直径の0.01倍の高さにすること、ビードシート部の傾きが一部45度に形成すること等が記載されている。この効果として、耐疲労性を向上させたホイールを製造できるとしている。
特表2002−521251号公報(第4頁、図1)
特開2002−326503号公報(第4頁、図1)
しかしながら、前記特許文献でも記載されているが、ランフラットタイヤのデメリットはタイヤ又はホイールの重量が増えることである。ホイールの強度は従来のものと同じかそれ以上のものが求められ、メーカの実装実験に合格し、なおかつさらに軽量のものを製造することは困難を極める。前記特許文献ではリムの軸方向に沿った凹凸の形状を変えることにより軽量化・耐疲労性を向上させているが、リムの肉厚自体はアウター側からインナー側までほぼ一定の厚さのものとしか記載されていない。
また、特許文献2のようなサポートリングをリム部中央部のみで固定する構造では、インナー側のビードシート部において軸方向に亀裂が発生しやすいことが解ってきた。これらの問題を解決し、さらに軽量化を狙うにはリム部の軸方向に沿った凹凸形状のみでは対応できない状況である。
したがって本発明の目的は、少なくともリム部の中央部にサポートリングを固定するための支持面を持つランフラットタイヤを製造するにあたり、軽量かつ機械的強度の高いリム部形状を規定した自動車用軽合金ホイールを提供することにある。
本発明者らの検討の結果、ホイールリム形状を比較的厚くすれば機械的強度を満足するホイールを一体鋳造できるが重量が増大するという問題がある。本発明はそのさらなる発展として軽量化に取り組み、メーカの要求する機械的強度を満足しつつ大幅な軽量化を達成できたまったく新しいリム部の断面形状を規定するものである。
即ち、本発明は、インナーフランジ部、インナービードシート部、およびタイヤの内圧低下時にタイヤを内周側から支持する支持体を固定するための支持面を備えたリム部と、ディスク部からなる自動車用軽合金ホイールであり、前記支持面はリム部中央に設けられ、かつ前記支持面のリム部最小厚さは、前記インナービードシート部と支持面の間に形成される連結部のリム部最小厚さよりも薄いことを特徴とするものである。
本発明のランフラットタイヤでは当然ながら従来の車両用ホイールとは耐久試験での条件が異なる。つまり荷重がリム部のビードシート部だけにかかる従来の車両用ホイールに対し、タイヤ内の空気圧が低下した場合を想定した荷重条件、つまりリム部中央のサポートリングに最大荷重がかかったことを想定して解析・実装試験が行われる。通常、当業者として荷重がかかる部分の肉厚は厚くし、耐久性を部分的にあげることが行われるが、本発明者らの解析・実装試験の結果、このサポートリングを設ける支持面でのリム部肉厚はさほど強度的に重要ではなく、逆にインナーフランジを端部から所定の間隔だけ厚みを持たせることが重要であることが判明した。
本発明において、支持面とは支持体(サポートリング)を固着する接地面13を指す。また、支持面でのリム部厚さは必ずしも均一の厚みとする必要はなく、規定するリム部最小厚さとはリム部中央の支持面内でのもっとも薄肉となる厚さを指す。また、連結部とは図1に示すように支持面13とインナービードシート部6の間に形成されるリム部12を指す。
支持面のリム部最小厚さtは、前記連結部のリム部最小厚さuに対して0.5u≦t≦0.95uの値を満足することが好ましい。支持面のリム部最小厚さtが連結部のリム部最小厚さuに対して0.95倍超であると軽量化の効果が薄く、一律厚くしたリム部の形状に対して優位性を持たない。
一方、軽合金鋳造ホイールに適用される低圧鋳造、重力鋳造、溶湯鍛造の鋳造法案、特に一般的に低圧鋳造法案を用いて一体鋳造ホイールとするには連結部の厚さは鋳物品質上ある程度の厚みまでしか厚くできない。また金型の抜き勾配の関係から支持面ではいったん厚肉のリム素材を旋盤等の加工で薄肉にする必要がある。支持面のリム部最小厚さtが連結部のリム部最小厚さuに対して0.5倍未満の場合、当該部位の加工代が肉厚に対して非常に大きくなり、鋳物として物性値の高い鋳肌付近を削ってしまい材料強度が低下する。
一方、軽合金鋳造ホイールに適用される低圧鋳造、重力鋳造、溶湯鍛造の鋳造法案、特に一般的に低圧鋳造法案を用いて一体鋳造ホイールとするには連結部の厚さは鋳物品質上ある程度の厚みまでしか厚くできない。また金型の抜き勾配の関係から支持面ではいったん厚肉のリム素材を旋盤等の加工で薄肉にする必要がある。支持面のリム部最小厚さtが連結部のリム部最小厚さuに対して0.5倍未満の場合、当該部位の加工代が肉厚に対して非常に大きくなり、鋳物として物性値の高い鋳肌付近を削ってしまい材料強度が低下する。
リムの肉厚形状として、連結部の内周側はインナーフランジ端部からほぼ凹凸無く形成された内周面14を有し、連結部のリム部厚さよりもインナービードシート部のリム部厚さの方が厚く、かつ前記内周面は前記支持面の内周側まで延出していることが好ましい。連結部の内周側をインナーフランジ端部からほぼ凹凸無く形成した内周面とすることで、鋳造時の湯流れ性を向上した切削部の少ないリム素材形状とすることが可能であり、内周旋盤加工の工程も容易である。連結部のリム部厚さよりインナービードシート部のリム部厚さの方を厚くすることでビードシート部での亀裂発生を防げる。また、この内周面は支持面の内周側まで幅広く形成していることが好ましい。詳細は実施例にて述べるが、支持面全体が薄肉であるとインナービードシート部の軸方向内側に形成される凸部に応力が集中し、亀裂が発生しやすくなる。よってある程度のリム部肉厚に抑えるのであれば、支持面の一部(インナー側)を部分的に厚くすることが好ましい。
ここで凹凸無く形成された内周面とは、図中の14として示すように、インナー側からほぼ同径で円筒状に形成されるものである。当然鋳造ホイールでは金型と離型させるための抜き勾配があるため、完全な同径とはならないが、軸方向に対して15度、さらには10度以内の傾斜、またはそれに実質的に同等の形状となる緩やかな段差程度の形状であれば本発明の範囲に包含される。リム部の内径を旋盤加工するものであればこの傾斜は0度にも設計可能である。
本発明においてはJISに定めるAC4C,またはAC4CH材相当のアルミ合金材料を用いて鋳造を行っている。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明における解析の手法は以下の手順にて行った。まず解析モデルとして3次元のホイール形状を3次元CADで作成する。ランフラットタイヤに用いる専用形状のホイールにおいて、リム部の外周面の形状は主に顧客であるタイヤメーカなどから指定されるものであり、通常ホイールメーカでは変更できない。ホイールメーカ側は、リム部の肉厚形状を最適化することで、強度仕様を満たし且つ軽量なホイールをカーメーカなどに供給する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明における解析の手法は以下の手順にて行った。まず解析モデルとして3次元のホイール形状を3次元CADで作成する。ランフラットタイヤに用いる専用形状のホイールにおいて、リム部の外周面の形状は主に顧客であるタイヤメーカなどから指定されるものであり、通常ホイールメーカでは変更できない。ホイールメーカ側は、リム部の肉厚形状を最適化することで、強度仕様を満たし且つ軽量なホイールをカーメーカなどに供給する。
リム部の設計手順としては、まずリム部の外周面の指定された形状に沿ってリム部が一律な厚みを有するように肉厚形状を設計する。この形状を初期形状とし、強度解析を実施する。タイヤ内の圧力低下によりサポートリングが働いていることを想定し、強度解析は支持面に最も荷重がかかるよう設定する。手法としては有限要素法、境界要素法等の公知の手段が用いられる。
次に強度解析により得られた結果を画面上で視覚化し、さらにリム部、ディスク部のスポークなどホイール各部位に作用している応力を確認する。応力が許容値を超えている場合は、強度に余裕を持たせるために肉厚を厚くするように形状を変更する。また、応力が許容値よりも十分に低い場合は、軽量化のために肉厚を薄くするように肉盗み形状の変更を行う。
このようにして、各部位の応力値が許容値以下にしつつ軽量になるよう、(1)リム部の形状を変更、(2)強度解析の実施、(3)解析結果の判定、を繰り返す。
次に強度解析により得られた結果を画面上で視覚化し、さらにリム部、ディスク部のスポークなどホイール各部位に作用している応力を確認する。応力が許容値を超えている場合は、強度に余裕を持たせるために肉厚を厚くするように形状を変更する。また、応力が許容値よりも十分に低い場合は、軽量化のために肉厚を薄くするように肉盗み形状の変更を行う。
このようにして、各部位の応力値が許容値以下にしつつ軽量になるよう、(1)リム部の形状を変更、(2)強度解析の実施、(3)解析結果の判定、を繰り返す。
(比較例)
上記したように、リム部の外周の凹凸形状はタイヤメーカの指定により指定されたものである。まず、この凹凸形状に沿って、ほぼ一律な従来と同様の車両用ホイールを想定し、強度解析を行った。ただし、必要とされる機械的強度が非常に高く、特にインナーフランジでの機械的強度が要求されるため、ランフラットタイヤではない通常のホイールの平均的な厚みでは強度が不足することがわかった。そのため、図3に示すようなリム部の厚さが通常よりも厚く、ほぼ一律の厚さの断面形状のホイールを製造した。
図3中、破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さは12mm、連結部でのリム部最小厚さは8mmである。この形状のホイールを実装試験にかけたところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部に亀裂が発生しやすいことが解った。そこで強度対策としてこの部分の応力を検討した。
同形状のリム部の厚みを持つホイールの3次元データを製造し、インナー側、アウター側のビードシート部に同じ所定の荷重を、支持面にはその4倍程度の荷重がかかるよう荷重条件を設定し、応力解析を行った。その結果、実装試験で亀裂が入る部分での応力値は158MPaであった。ただし、この形状ではホイール重量は15.2kgと比較的重いものである。
上記したように、リム部の外周の凹凸形状はタイヤメーカの指定により指定されたものである。まず、この凹凸形状に沿って、ほぼ一律な従来と同様の車両用ホイールを想定し、強度解析を行った。ただし、必要とされる機械的強度が非常に高く、特にインナーフランジでの機械的強度が要求されるため、ランフラットタイヤではない通常のホイールの平均的な厚みでは強度が不足することがわかった。そのため、図3に示すようなリム部の厚さが通常よりも厚く、ほぼ一律の厚さの断面形状のホイールを製造した。
図3中、破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さは12mm、連結部でのリム部最小厚さは8mmである。この形状のホイールを実装試験にかけたところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部に亀裂が発生しやすいことが解った。そこで強度対策としてこの部分の応力を検討した。
同形状のリム部の厚みを持つホイールの3次元データを製造し、インナー側、アウター側のビードシート部に同じ所定の荷重を、支持面にはその4倍程度の荷重がかかるよう荷重条件を設定し、応力解析を行った。その結果、実装試験で亀裂が入る部分での応力値は158MPaであった。ただし、この形状ではホイール重量は15.2kgと比較的重いものである。
(実施例1)
比較例のリム部形状を基礎形状とし、軽量かつ強度低下のないリム部形状の検討・解析を行った。まずサポートリングの支持面のリム部厚さを厚くして検討したが、期待した機械的強度の改善結果は得られなかった。そのため、支持面のリム部厚さと連結部およびビードシート部のリム部厚さを一つのパラメータとし、解析を繰り返した結果、支持面のリム部厚さを厚くしてもほとんど機械的強度に寄与することがなく、図1に示すような支持面のリム部最小厚さよりも連結部のリム部最小厚さの方が厚いリム部形状とすることが最も顧客のニーズに沿う軽量化・機械的強度の両方を得られることが解った。
図1中、破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さtは5mm、連結部でのリム部最小厚さuは8mmである。またインナーフランジ側から形成されるほぼ凹凸のない内周面は、支持面の内周側まで連続して形成し、その幅はリム端からのw1を75mmとした。このリム部の厚みを持つホイールの3次元データを製造し、比較例と同様の荷重条件にて応力解析を行ったところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部にかかる応力値は156MPaと比較例に対しほぼ同程度であった。さらにホイール重量を測定したところ、14.2kgと比較例に比べ、6.5%以上の軽量化を達成していることが解った。
比較例のリム部形状を基礎形状とし、軽量かつ強度低下のないリム部形状の検討・解析を行った。まずサポートリングの支持面のリム部厚さを厚くして検討したが、期待した機械的強度の改善結果は得られなかった。そのため、支持面のリム部厚さと連結部およびビードシート部のリム部厚さを一つのパラメータとし、解析を繰り返した結果、支持面のリム部厚さを厚くしてもほとんど機械的強度に寄与することがなく、図1に示すような支持面のリム部最小厚さよりも連結部のリム部最小厚さの方が厚いリム部形状とすることが最も顧客のニーズに沿う軽量化・機械的強度の両方を得られることが解った。
図1中、破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さtは5mm、連結部でのリム部最小厚さuは8mmである。またインナーフランジ側から形成されるほぼ凹凸のない内周面は、支持面の内周側まで連続して形成し、その幅はリム端からのw1を75mmとした。このリム部の厚みを持つホイールの3次元データを製造し、比較例と同様の荷重条件にて応力解析を行ったところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部にかかる応力値は156MPaと比較例に対しほぼ同程度であった。さらにホイール重量を測定したところ、14.2kgと比較例に比べ、6.5%以上の軽量化を達成していることが解った。
(参考例1)
比較例から実施例1に至るまで、様々なパラメータを設けて各所の形状を決定しているが、その過程での結果を示し、本発明の優位性を示す。
最大荷重のかかるサポートリングの支持面のリム部を比較的厚くすることを対処案とし、図4に示すリム断面を持つホイールの3次元データを作成した。破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さtは8mm、連結部でのリム部最小厚さuは5mmとした。インナーフランジ側から形成される凹凸のないリム部の内周面14の幅w2を65mmとした。この3次元データをもとに実施例1と同じ荷重にて応力解析を行ったところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部にかかる応力値は233MPaと非常に高い値となった。さらにホイール重量を測定したところ、13.5kgであった。
比較例から実施例1に至るまで、様々なパラメータを設けて各所の形状を決定しているが、その過程での結果を示し、本発明の優位性を示す。
最大荷重のかかるサポートリングの支持面のリム部を比較的厚くすることを対処案とし、図4に示すリム断面を持つホイールの3次元データを作成した。破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さtは8mm、連結部でのリム部最小厚さuは5mmとした。インナーフランジ側から形成される凹凸のないリム部の内周面14の幅w2を65mmとした。この3次元データをもとに実施例1と同じ荷重にて応力解析を行ったところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部にかかる応力値は233MPaと非常に高い値となった。さらにホイール重量を測定したところ、13.5kgであった。
(参考例2)
図5に示す、リム断面を持つホイールの3次元データを作成し、解析した結果を示す。図5中、破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さtは5mm、連結部でのリム部最小厚さuは8mmと、実施例1と同様とした。ただしインナーフランジ側から形成される凹凸のないリム部の内周面14は、支持面の内周側まで延ばさず連結部までとし、リム端からの幅w3を56mmとした。この3次元データをもとに実施例1と同じ荷重条件にて応力解析を行ったところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部にかかる応力値は211MPaと参考例1よりも低いことが解った。さらにホイール重量を測定したところ、13.2kgであった。
この参考例1と参考例2の測定結果から、ビードシート部の強度を確保する為には支持面の厚みを厚くすることが好ましく、また、連結部の厚みはビードシート部の強度には寄与しないので軽量化の目的から薄くすることが可能である。
また、参考例2と実施例1の測定結果から、インナーフランジ側から形成されるほぼ凹凸のないリム部の内周面14の幅を広く取ることで、機械的強度を効果的に補えることが解る。
図5に示す、リム断面を持つホイールの3次元データを作成し、解析した結果を示す。図5中、破線で示す11がサポートリングを嵌着する位置である。この形状における支持面でのリム部最小厚さtは5mm、連結部でのリム部最小厚さuは8mmと、実施例1と同様とした。ただしインナーフランジ側から形成される凹凸のないリム部の内周面14は、支持面の内周側まで延ばさず連結部までとし、リム端からの幅w3を56mmとした。この3次元データをもとに実施例1と同じ荷重条件にて応力解析を行ったところ、インナービードシート部の軸方向内側に形成された凸部にかかる応力値は211MPaと参考例1よりも低いことが解った。さらにホイール重量を測定したところ、13.2kgであった。
この参考例1と参考例2の測定結果から、ビードシート部の強度を確保する為には支持面の厚みを厚くすることが好ましく、また、連結部の厚みはビードシート部の強度には寄与しないので軽量化の目的から薄くすることが可能である。
また、参考例2と実施例1の測定結果から、インナーフランジ側から形成されるほぼ凹凸のないリム部の内周面14の幅を広く取ることで、機械的強度を効果的に補えることが解る。
本発明は、ランフラットタイヤに使用されるホイールに関し、特に一体鋳造した軽合金ホイールに利用出来る。
1 車両用軽合金ホイール、2 リム部、3 ディスク部、4 インナーフランジ部、5 アウターフランジブ、6 インナービードシート部、7 アウタービードシート部、8 スポーク部、9 ハブ固定部、10 ハブ穴、11 支持体(サポートリング)、12 連結部、13 支持面
Claims (3)
- インナーフランジ部、インナービードシート部、およびタイヤの内圧低下時にタイヤを内周側から支持する支持体を固定するための支持面を備えたリム部と、ディスク部からなる自動車用軽合金ホイールであり、
前記支持面は少なくとも一部リム部中央に設けられ、かつ前記支持面のリム部最小厚さは、前記インナービードシート部と支持面の間に形成される連結部でのリム部最小厚さよりも薄いことを特徴とする自動車用軽合金ホイール。 - 前記支持面のリム部最小厚さtは、前記連結部のリム部最小厚さuに対して0.5u≦t≦0.95uの値を満足することを特徴とする請求項1に記載の自動車用軽合金ホイール。
- 前記連結部の内周側はインナーフランジ端部からほぼ凹凸無く形成された内周面を有し、連結部のリム部厚さよりもインナービードシート部のリム部厚さの方が厚く、かつ前記内周面は前記支持面の内周側まで延出していることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用軽合金ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003276207A JP2005035460A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 自動車用軽合金ホイール |
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JP2003276207A JP2005035460A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | 自動車用軽合金ホイール |
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2005035460A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007290703A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Soc De Technol Michelin | タイヤ及び支承支持体の取付け用車両リム、かかるリムを備えたタイヤ/ホイール組立体の取付け方法 |
WO2010140249A1 (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-09 | 中央精機株式会社 | 自動車用ホイール |
-
2003
- 2003-07-17 JP JP2003276207A patent/JP2005035460A/ja active Pending
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