JP2014519493A - ポリマー共役脂質を含むリポソームおよび関連用途 - Google Patents

ポリマー共役脂質を含むリポソームおよび関連用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれているリポソームを提供する。本発明は、前記リポソームを生成する方法、ならびに核酸を被験体に送達する方法であって混合リポソームに封入された前記核酸を投与するステップを含む方法、被験体において画像診断を実施する方法であって混合リポソームに封入された診断薬を投与するステップを含む方法、および被験体において病理学的状態を処置、阻害または抑制する方法であって前記被験体に混合リポソームを投与することを含む方法も提供する。
【選択図】図6

Description

本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、ポリマー共役脂質が脂質二重層内に組み込まれているリポソームを提供する。本発明は更に、このリポソームを生成する方法、混合リポソーム内に封入された核酸を投与するステップを含む、被験体に核酸を送達する方法、混合リポソーム内に封入された診断用薬剤を投与するステップを含む、被験体において画像診断を実施するための方法、ならびに被験体に混合リポソームを投与することを含む、被験体における病理学的状態を処置、阻害または抑制する方法を提供する。
全身分布および非標的器官の曝露を低減するための、薬剤の遅延放出と、所望の冒された器官/系への薬剤の特異的標的化との双方を提供する薬剤送達システムが長い間探求されてきた。1つの有望な候補物質は、リン脂質(PL)リポソームおよびそれらの誘導体であった。リポソームは、リン脂質から構成された小さな球状のビシクルであり、水性の内部を包囲する1つ以上の脂質二重層からなる。リポソームは、親水性薬剤(水性の内部に)および親油性薬剤(脂質二重層内に)の双方を封入することができ、したがって、薬剤送達に非常に好適である。
リン脂質リポソームは、徐放性または制御放出性薬物デポーとして機能することができ、したがって、薬効における改善に寄与し、投与の頻度における減少を可能にする。封入された薬剤および生物学的環境の双方の保護をもたらすことによって、リポソームは薬剤不活性化および薬剤分解のリスクを低減する。粒子からの遊離薬剤放出の薬物動態は、直接投与される遊離薬剤とは異なるために、これら担体は、毒性および望ましくない副作用を低減するよう使用され得る。
リン脂質リポソームは、広範囲のサイズ(50〜500nm)で調製され得る。炎症性組織においては、細胞間間隙は50nm〜100nmの通常の距離から広げられるために、100nmよりも小さな薬剤を搭載するリポソームは、標的系への薬剤の選択的送達に好適である。
提示された利点にもかかわらず、薬剤封入リポソームを使用することに関連する困難がいくつか存在する。例えば、リポソームは、低い標的化能力、循環における低い保持性および安定性、長期投与時の潜在毒性、ならびに溢出不能性を有する。
既知のナノリポソームの欠点を解決するために、本発明者らは、混合脂質/Po−Lナノリポソームの形成のために、ポリマー共役脂質(Po−Ls)を使用した。
一実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層内に組み込まれているリポソームを提供する。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層およびグリコサミノグリカン(GAG)共役脂質を含み、該ポリマー共役脂質は該脂質二重層内に組み込まれているリポソームを提供する。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は該脂質二重層内に組み込まれ、該ポリマーはグリコサミノグリカンではないリポソームを提供する。
別の実施形態では、本発明は、混合リポソームを生成する方法を提供し、この方法は、脂質をポリマーと共役させてポリマー共役脂質を形成し、該ポリマー共役脂質とリポソームを接触させて、混合リポソームを生成するステップを含む。
別の実施形態では、混合リポソームを提供し、この混合リポソームは、脂質をポリマーと共役させてポリマー共役脂質を形成し、該ポリマー共役脂質とリポソームを接触させて、混合リポソームを生成するステップを含む方法によって生成される。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層内に組み込まれているリポソームを含む組成物を提供する。
脂質二重層とグリコサミノグリカン(GAG)共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層内に組み込まれているリポソームを含む組成物を提供する。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層内に組み込まれ、該ポリマーはグリコサミノグリカンではないリポソームを含む組成物を提供する。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層内に組み込まれているリポソームを含む薬剤送達システムを提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体に核酸を送達させる方法を提供し、この方法は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層に組み込まれているリポソーム内に封入された核酸を被験者に投与するステップを含む。
別の実施形態では、本発明は、被験体において画像診断を実施するための方法を提供し、この方法は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層に組み込まれているリポソーム内に封入された診断用薬剤を被験体に投与し、該被験体を撮像するステップを含む。
別の実施形態では、本発明は、被験体における病理学的状態を処置、阻害、または抑制する方法を提供し、この方法は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層に組み込まれているリポソーム内に封入された診断用薬剤を被験体に投与することを含む。
発明とされる主題は、本明細書の結論部分において具体的に指摘されかつ別個に主張される。しかしながら、本発明は、添付の図面と共に読めば、以下の詳細な説明を参照することによってより深く理解されることができる。
ポリマー共役脂質(Po−L)/リポソーム比およびポリマーサイズにおける変動が、Po−L/リポソームの構造および機能にどのように影響を及ぼすかを表すモデルである:(a)マッシュルーム;より低いPo−L/リポソーム比で得られ、(b)ブラシ;より高いPo−L/リポソーム比で得られ、(c)表面コーティング;高いMW HA(または他のGAGs)で得られた。 リポソームの添加剤充填パラメーター(PP)によって表されたEggPC:Chol:HyPEから構成されるリポソームの安定性に及ぼすHyPEの効果である。図は、PPをリポソーム中のHyPE共役PEのモルパーセントの関数として示す。PPが1.0に近づく(しかし、1以下である)場合、最適な安定性が得られる。縦軸は、リポソーム安定性を増加させるHyPE濃度を示す。EggPCは卵ホスファチジル−コリンであり、Cholはコレステロールであり、HyPEはヒアルロン酸(HA)共役ホスファチジルエタノールアミン(PE)である。 異なるポリマー共役脂質(Po−Ls)を有するリポソームのサイズ安定性である。示されたPo−Lの有無でリポソームを55℃で17日間インキュベートし、それらのサイズの変化を、動的光散乱によって監視した。図は、1日目と17日目でのサイズ(nm)を示す。DMPCは、ジミリストイルホスファチジル−コリンであり、HyPEはヒアルロン酸(HA)共役ホスファチジルエタノールアミン(PE)であり、Dex(5)−PEはデキストラン(MW 5K)共役PEであり、Dex(40)はデキストラン(MW 40K)共役PEであり、Heta−PEはヘタスターチ(ヒドロキシエチルスターチ)共役PEであり、Hem−PEはヘマクセル(ポリゲリン)共役PEである。 Po−Lが、外部PLAによるリポソーム分解を阻害することを示す。ジ−オレオイル−ホスファチジル−コリン(DOPC)および2位の炭素でC−NBD(蛍光脂肪酸)で標識化されたPCから構成されるリポソーム(HyPEの有無で)を外部ホスホリパーゼA2(PLA2)と相互作用させた。リポソームリン脂質の加水分解を、PLA2作用によるC6−NBD−脂肪酸PC放出の蛍光強度の放出によって決定した。図は、リポソームC6−NBD−PC(総リポソームリン脂質を表す)の5%を加水分解するのに必要な時間を示す。 封入薬剤(イヌリンフルオレセイン=InFl)の保持性によって検討されたリポソームの安定性を示す。ジミリストイルホスファチジル−コリン(DMPC)から構成されるInFl含有リポソーム(Pol−PLI(HyPE)の有無で)を、血漿中37℃でインキュベートし、リポソーム外媒体に放出されたIn−Flを6日間監視した。 ラットにおける(インビボでの)リポソームの安定性に及ぼすPol−PLIの効果を示す。InFL含有リポソームを、ラットの尾部静脈に注射し、循環内の薬剤の保持性を、注射後5分と28時間で採取された血液サンプル中の薬剤レベルの測定によって、28時間監視し、最初に注射したInFl量のパーセントとして表した。図は、リポソームへのHem−PEの添加が、リポソームからの薬剤放出を著しく低速化させたことを示す。
ナノリポソーム、またはサブミクロン二重層脂質ビシクルは、生物活性剤の封入および送達のための技術である。ナノリポソームに組み込まれ得る生物活性材料を挙げるとは、医薬品から化粧品および栄養補給品までにわたり、その数は莫大に存在する。そのナノサイズによる、生体適合性および生分解性のために、ナノリポソームは、ナノセラピー(例えば診断、癌療法、遺伝子送達)、化粧品、食品技術および農業を含む非常に広範囲の分野で潜在的な利用可能性を有する。ナノリポソームは、生物活性剤の溶解度および生物学的利用能、インビボおよびインビトロ安定性を改善することによって、ならびにこれらの他の分子との不必要な相互作用を防止することによって、生物活性剤の性能を増強させることが可能である。ナノリポソームの別の利点は、細胞特異的標的化であり、これは、健康な細胞および組織に及ぼす有害な作用を最小限に留めると同時に、標的部位における最適な治療効力に必要とされる薬剤濃度を達成するために欠くことのできないものである。
ポリマー共役脂質(Pol−L)リポソーム
一実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、該ポリマー共役脂質は、前記脂質二重層に組み込まれているリポソームを提供する。
一実施形態では、このリポソームは、第1の脂質から形成され、一方ポリマー共役脂質(複数可)の脂質は、該第1の脂質とは異なる第2の脂質から形成される。例えば、一実施形態では、このリポソームは、コレステロールの有無で、ホスファチジルコリンを使用して形成され、一方、共役は、ホスファチジルエタノールアミンを使用して形成されてもよい。一実施形態では、このポリマーは、多糖である。一実施形態では、この多糖はグリコサミノゴリカンである。
一実施形態では、該ポリマーは、共有結合を介して該脂質に共役される。一実施形態では、該ポリマーは該脂質に架橋結合される。
一実施形態では、本発明は、2種類以上のポリマー共役脂質を含むリポソームを提供し、該ポリマー共役脂質は、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含む。
一実施形態では、このポリマー共役脂質は、ホスホリパーゼA2の阻害剤であるか、または別の実施形態では、このポリマー共役脂質は、ホスホリパーゼA2の活性、機能、または発現を阻害する。
一実施形態では、このポリマーは、アルギニン酸である。一実施形態では、このアルギニン酸は、低分子量アルギニン酸である。別の実施形態では、このアルギン酸は、切断型である。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とグリコサミノグリカン(GAG)共役脂質とを含むリポソームを提供し、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層に組み込まれている。
別の実施形態では、本発明は、2種類以上のグリコサミノグリカン(GAG)共役脂質を含むリポソームを提供し、該GAG共役脂質は、単一のGAGに共役された2種類以上の脂質を含む。
別の実施形態では、本発明は、2種類以上のグリコサミノグリカン(GAG)共役リン脂質を含むリポソームを提供し、該GAG共役リン脂質は、単一のGAGに共役された2種類以上のリン脂質を含む。
一実施形態では、このGAGは、ヒアルロン酸である。一実施形態では、このヒアルロン酸は、低分子量ヒアルロン酸である。別の実施形態では、このヒアルロン酸は、切断型である。
別の実施形態では、本発明は、2種類以上の低分子量ヒアルロン酸共役ホスファチジルエタノールアミンを含むリポソームを提供し、該低分子量ヒアルロン酸共役ホスファチジルエタノールアミンは、単一のヒアルロン酸に共役された2種類以上のヒアルロン酸共役ホスファチジルエタノールアミンを含む。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含むリポソームを提供し、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層に組み込まれ、該ポリマーはグリコサミノグリカンではない。
別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むリポソームを提供し、該ポリマーはグリコサミノグリカンではない。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むリポソームを提供し、該ポリマーは、ヒアルロン酸ではない。
一実施形態では、ポリマーは多糖である。一実施形態では、脂質はリン脂質である。一実施形態では、リポソームは脂質二重層を含む。一実施形態では、ポリマー共役脂質は、リポソームの脂質二重層に組み込まれる。一実施形態では、リポソームは、修飾リポソームである。
一実施形態では、リポソームはナノリポソームである。一実施形態では、リポソームは、直径で100nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径で150nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径で75nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径が50nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径が1〜100nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径が20〜100nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径が50〜100nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径が20〜150nm未満である。別の実施形態では、リポソームは、直径が10〜50nm未満である。
一実施形態では、リポソームは、脂質二重層を含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層の内葉と外葉との両方に組み込まれる。別の実施形態では、リポソームは脂質二重層を含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層の外葉にのみ組み込まれる。別の実施形態では、リポソームは脂質二重層を含み、該ポリマー共役脂質は、該脂質二重層の内葉にのみ組み込まれる。
別の実施形態では、本発明のPo−Lリポソームは、並外れて安定であるリポソームを提供する。一実施形態では、本発明のPo−Lリポソームは、リポソームの内葉と外葉との両方に対称的に装入され、すなわち、両リポソーム表面でポリマーを有し、一実施形態では、このことが、小さなポリマーがリポソームの外部表面(外葉)に装入される場合のリポソームの安定性に比べて、リポソームの安定性を増大させる。一実施形態では、大きなポリマーの外部リポソーム表面のみへの装入は、リポソームにおける過度の非対称性を引き起こし、これがリポソームの安定性を損なう。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層を含む修飾リポソームを提供し、該リポソームは、該脂質二重層に組み込まれた2種類以上の多糖共役リン脂質(PoS−PLs)を含む。
一実施形態では、本発明のリポソームは、その中でリポソームが本明細書に記載されるようなポリマー共役脂質をその脂質二重層に組み込む修飾リポソームであり、一実施形態では、これは、ポリマー共役脂質の脂質とは異なる脂質から構成される。一実施形態では、本発明の修飾リポソームは、混合リポソームと呼ばれる。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層を含む修飾リポソームを提供し、該リポソームは、該脂質二重層に組み込まれた多糖共役リン脂質(PoS−PLs)を含み、該多糖は、グリコサミノグリカンである。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層を含む修飾リポソームを提供し、該リポソームは、該脂質二重層に組み込まれた多糖共役リン脂質(PoS−PLs)を含み、該多糖は、低分子量グリコサミノグリカンである。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層を含む修飾リポソームを提供し、該リポソームは、該脂質二重層に組み込まれた多糖共役リン脂質(PoS−PLs)を含み、該多糖は、グリコサミノグリカンではない。
一実施形態では、本発明はポリマー共役脂質を含むリポソームを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むミセルを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むナノリポソームを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むアルカエオソームを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含む免疫リポソームを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むビロソームを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含む超変形可能なビシクルを提供する。別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むステレスリポソームを提供する。一実施形態では、このポリマーは多糖である。
一実施形態では、ポリマー共役脂質は、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含む。
一実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:2〜1:1000である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、2:4〜2:2000である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:28〜1:62である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:100〜1:500である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:25〜1:35である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:55〜1:65である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:20〜1:70である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:10〜1:100である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:50〜1:500である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の反復ポリマー単位に対する脂質の比は、1:100未満である。
一実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、20〜70である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、28〜62である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、10〜80である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、約30である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、約28である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、25〜30である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、20〜35である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、15〜40である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、約60である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、62である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、60〜65である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、55〜70である。別の実施形態では、該ポリマー共役脂質内の脂質に対する反復ポリマー単位の比は、50〜75である。一実施形態では、数字または範囲は、ほぼ先に記載された数字または範囲である。一実施形態では、脂質に対する反復ポリマー単位の比は、モル比である。
一実施形態では、このポリマーは多糖であり、一実施形態では、これは低分子量多糖である。一実施形態では、反復ポリマー単位は、反復二糖単位である。別の実施形態では、このポリマーは多糖ではなく、一実施形態では、これはヘマクセルである。
一実施形態では、該多糖の分子量は5kD〜20kDである。一実施形態では、PoS−PLは、多糖をリン脂質に、それぞれ約1:50〜約1:1の質量PL:質量GAG比で反応させることによって調製される。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約1:50〜約1:10である。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約1:40〜約1:1である。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約1:10〜約1:40である。
別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約1:25である。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約0.5:15である。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約1:15である。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約2:15である。別の実施形態では、該質量PL:質量GAG比は、約5:15である。
別の実施形態では、該GAGの多分散性は、約1:50から50:50までである。別の実施形態では、該GAGの多分散性は、約1〜1.75である。別の実施形態では、該GAGの多分散性は、約1.25〜1.5である。
一実施形態では、本発明の脂質−ポリマー共役は、低分子量多糖を含み、該多糖の平均分子量は、5kD〜90kDである。別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、5kD〜60kDである。別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、5kD〜40kDである。別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、5kD〜15kDである。別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、5kD〜20kDである。
別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、10kD〜30kDである。別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、10kD〜50kDである。別の実施形態では、該多糖の平均分子量は、10kDを超える。
一実施形態では、多糖はグリコサミノグリカン(GAG)である。一実施形態では、ポリマー共役脂質は、グリコサミノグリカン共役リン脂質である。一実施形態では、グリコサミノグリカンはムコ多糖体である。一実施形態では、グリコサミノグリカンは、反復二糖単位(アミノ糖−酸性糖反復単位)から構成される長鎖である。一実施形態では、このアミノ糖は、グルコサミンまたはガラクトサミンである。一実施形態では、このアミノ糖は、硫酸化されている。一実施形態では、酸性糖はD−グルクロン酸またはL−イズロン酸である。
一実施形態では、グリコサミノグリカンは、グリコサミノグリカンの塩および遊離酸、ならびに化学的に変化されるが、なおそれらの機能を保持するグリコサミノグリカンを包含する。これら修飾としては、エステル化、硫酸化、ポリ硫酸化、およびメチル化を含む。例えば、ヒアルロン酸塩は、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、およびヒアルロン酸カルシウムを含む。
一実施形態では、グリコサミノグリカンは、それらの初期抽出形よりも多くのイオウ基を含有するよう化学的に修飾されてもよい。別の実施形態では、グリコサミノグリカンは、部分的にまたは完全に合成されてもよく、若しくは植物または動物由来のいずれであってもよい。
一実施形態では、グリコサミノグリカンは、天然供給源から取得される。一実施形態では、グリコサミノグリカンの天然供給源としては、植物および動物供給源の双方が挙げられ、すなわち、ブナの木、ならびにサメ軟骨、ウシ気管、クジラ隔膜、ブタ鼻孔を含む動物軟骨の形態、ならびに貝=ペルナ・カナリクルス(Perna canaliculus)およびナマコなどの軟体動物が挙げられる。別の実施形態では、本発明での使用のためのグリコサミノグリカンは、組換えグリコサミノグリカンである。
一実施形態では、グリコサミノグリカンは、本発明の組成物および方法における使用に、約10〜30kDに次いで切断される。
本発明の一実施形態では、グリコサミノグリカンは、特に、ヒアルロン酸、ヘパリン、硫酸ヘパリン、硫酸コンドロイチン、ケラチン、硫酸ケラチン、硫酸デルマタン、またはこれらの誘導体であることができる。
一実施形態では、GAGはヒアルロン酸である。一実施形態では、このヒアルロン酸は、低分子量ヒアルロン酸、切断ヒアルロン酸、またはこれらの組み合わせである。一実施形態では、この低分子量ヒアルロン酸は、約10〜50kDの平均分子量を有する。
一実施形態では、本発明のポリマーは、本発明の脂質に共有結合する。一実施形態では、100kDを超える分子量を有するヒアルロン酸などの高分子量GAGsは、これらがリポソームに非共有的に接着することが確認されたために、本発明のリポソームの調製では使用されない。
一実施形態では、ヒアルロン酸ナトリウムなどの低分子量GAGは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2010/132402号の実施例9に記載されるような、ヒアルロン酸ナトリウムの酸加水分解によって調製される。
一実施形態では、ヒアルロン酸およびその誘導体の分子量は、国際公開第2010/132402号に記載されるように、サイズ排除クロマトグラフィーおよび多角光散乱(SEC−MALS)によって決定される。
一実施形態では、この多糖はグリコサミノグリカン(GAG)ではない。一実施形態では、この多糖は、キトサン、アルギン酸、ヘタスターチ、デキストラン、またはこれらの組み合わせである。
一実施形態では、脂質またはリン脂質が、本発明の組成物および方法に使用され得る。一実施形態では「脂質」とは、特にリン脂質、グリセロ脂質、スフィンゴ脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、糖脂質等を含む任意のタイプの脂質を指す。
一実施形態では、ポリマー共役脂質は、ポリマー共役リン脂質である。別の実施形態では、このリン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、またはホスファチジルグリセロールである。別の実施形態では、該リン脂質は、パルミチン酸、ミリスチン酸、ミリストオレイン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルシン酸またはドコサヘキサエン酸の残基を含む。
一実施形態では、本発明の組成物および方法のためのリン脂質は、異なる鎖の長さを有してもよい。一実施形態では、該リン脂質は、ジミリストイルリン脂質である。別の実施形態では、該リン脂質はジパルミトイルリン脂質である。別の実施形態では、該リン脂質は、ジラウリル−リン脂質である。別の実施形態では、該リン脂質は、ジステアロイル−リン脂質である。別の実施形態では、該リン脂質は、ジオレオイル−リン脂質である。
一実施形態では、本発明は、一般式(A)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
Lは、脂質またはリン脂質であり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、リン酸塩、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さでの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
nは1〜70の数字であり、
式中、L、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドおよびエステル結合のいずれかであり、
式中、該グリコサミノグリカンの分子量は、5kD〜20kDである。
一実施形態では、Lは脂質である。別の実施形態では、Lはリン脂質である。別の実施形態では、Lは、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、またはホスファチジルグリセロールである。別の実施形態では、Lは、パルミチン酸、ミリスチン酸、ミリストオレイン酸パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルシン酸またはドコサヘキサエン酸の残基を含む。別の実施形態では、Lは、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミンである。別の実施形態では、該Lは、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミンである。
別の実施形態では、Xは、ヒアルロン酸、ヘパリン、硫酸ヘパリン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、硫酸デルマタンまたは硫酸ケラチンである。別の実施形態では、Xはヒアルロン酸である。別の実施形態では、Xはヘパリンである。別の実施形態では、Xはコンドロイチンである。別の実施形態では、Xは硫酸コンドロイチンである。別の実施形態では、Xは硫酸デルマタンであり、別の実施形態では、Xは硫酸ケラチンである。別の実施形態では、Xは、ヘマクセル、アルギネート、アルギン酸、キトサン、またはこれらの組み合わせである。
別の実施形態では、該硫酸コンドロイチンは、コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫酸またはこれらの誘導体である。別の実施形態では、該硫酸デルマタンは、デルマタン−6−硫酸、デルマタン−4−硫酸またはこれらの誘導体である。
一実施形態では、Xは多糖ではないポリマーであり、一実施形態では、これはヘマクセルである。一実施形態では、XはPEGではない。
別の実施形態では、本発明は、一般式(I)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたは生理学的に許容可能なポリマーのいずれかであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、Yが不在の場合、このホスファチジルエタノールアミンは、アミド結合を介して、Xに直接結合し、Yがスペーサである場合、このスペーサは、アミドまたはエステル結合を介してXに直接結合し、アミド結合を介してホスファチジルエタノールアミンに直接結合する。
一実施形態では、本発明のリポソームでの使用のための化合物は、共役部分Xとして以下のうちの1つを含む:酢酸塩、ブチレート、グルタレート、スクシネート、ドデカノエート、ジドデカノエート、マルトース、ラクトビオン酸、デキストラン、アルギネート、アスピリン、コレート、コレステリルヘミスクシネート、カルボキシメチル−セルロース、ヘパリン、ヒアルロン酸、硫酸コンドロイチン、ポリゲリン(ヘマクセル)、ポリエチレングリコール、ポリカルボキシル化ポリエチレングリコール、グリコサミノグリカン、多糖、ヘテロ−多糖、ホモ−多糖、またはポリピラノース。PE−共役を調製するために出発物質として使用されるポリマーは、1〜2,000kDaの分子量で異なってもよい。一実施形態では、ヘパリンは、超低分子量ヘパリンであり、一実施形態では、これは、5〜6個の二糖単位を含む。
ホスファチジルエタノールアミン(PE)部分の例は、その中で、リン脂質のグリセロール主鎖に結合された2つの脂肪酸基の鎖長さが、2〜30個の炭素原子の長さで異なり、ならびにその中でこれら脂肪酸鎖が、飽和および/または不飽和炭素原子を含有するリン脂質の類縁体である。脂肪酸鎖の代わりに、リン脂質のグリセロール主鎖に直接結合されるか、またはエーテル結合を介して結合されたアルキル鎖は、PEの類縁体として含める。一実施形態では、PE部分は、ジパルミトイル−ホスファチジル−エタノールアミンである。別の実施形態では、PE部分は、ジミリストイル−ホスファチジル−エタノールアミンである。
ホスファチジル−エタノールアミンおよびその類縁体は、天然、合成、および半合成誘導体ならびにこれらの異性体を含む様々な供給源からのものであってもよい。
PE部分の代わりに使用され得るリン脂質は、共有結合によって、N−メチル−PEのアミノ基を通して結合されたN−メチル−PE誘導体およびこれらの類縁体;共有結合によって、N,N−ジメチル−PEのアミノ基を通して結合されたN,N−ジメチル−PE誘導体およびこれらの類縁体;パルミトイル−ステアロイル−PS、様々な供給源から天然PS、半合成PSs、合成、天然および人工PSs並びのこれらの異性体などのホスファチジルセリン(PS)およびその類縁体である。本発明における共役部分として有用な他のリン脂質は、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸およびホスファチジルグリセロール(PG)、ならびにリン脂質、リソリン脂質、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン、リソスフィングミエリン、セラミド、およびスフィンゴシンのいずれかを含むこれらの誘導体である。
PE−共役およびPS−共役については、リン脂質は、直接的にまたはスペーサ基を介してのいずれかで、リン脂質極性ヘッド基の窒素原子を通して、共役されたモノマーまたはポリマー部分に結合される。PC、PI、およびPG共役については、リン脂質は、直接的にまたはスペーサ基を介してのいずれかで、極性ヘッド基の窒素原子または酸素原子の1つを通して、共役されたモノマーまたはポリマー部分に結合される。
別の実施形態では、本発明は、一般式(II)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、Yが不在の場合、このホスファチジルセリンは、アミド結合を介して、Xに直接結合し、Yがスペーサである場合、このスペーサは、アミドまたはエステル結合を介してXに直接結合し、アミド結合を介してホスファチジルセリンに直接結合する。
一実施形態では、このホスファチジルセリンは、ホスファチジルセリンのCOO部分を介して、Yに結合し、またはYが不在の場合Xに結合する。
別の実施形態では、本発明は、一般式(III)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(IV)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(V)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(VI)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(VII)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
本発明の一実施形態では、Zが不在の場合、ホスファチジルコリン(PC)共役ホスファチジルイノシトール(PI)共役、ホスファチジン酸(PA)共役、およびホスファチジルグリセロール(PG)共役は、本明細書では一般式(III)の化合物として定義される。
別の実施形態では、本発明は、一般式(VIII)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(IX)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素、若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素、若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(IXa)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(IXb)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、リン脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(X)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、セラミド、ホスフォリル、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XI)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、Yが不在の場合、スフィンゴシルは、アミド結合を介してXに直接結合し、Yがスペーサである場合、このスペーサはXおよびスフィンゴシルにはアミド結合を介して直接結合し、Xにアミドまたはエステル結合を介して結合する。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XII)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、エタノールアミン、セリン、イノシトール、コリン、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さでの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、セラミド、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XIII)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、ジグリセリル、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XIV)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、グリセロ脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XV)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、グリセロ脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XVI)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XVII)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖であり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XVIII)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XIX)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XX)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
別の実施形態では、本発明は、一般式(XXI)の構造によって表される脂質−ポリマー共役を含むリポソームを提供する。
Figure 2014519493
式中、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
は、水素若しくは2〜30個の炭素原子の長さの範囲の線状、飽和、モノ不飽和、またはポリ不飽和のアルキル鎖のいずれかであり、
Zは、不在、コリン、リン酸塩、イノシトール、またはグリセロールのいずれかであり、
Yは、不在かまたは2〜30個の原子の長さの範囲のスペーサ基のいずれかであり、
Xは、生理学的に許容可能なモノマー、ダイマー、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでXはグリコサミノグリカンであり、
nは、1〜1000の数字である。
式中、脂質、Z、YおよびXの間のいずれの結合も、アミドまたはエステル結合のいずれかである。
上述の一般式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(IXa)、(IXb)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)、(XVI)、(XVII)、(XVIII)、(XIX)、(XX)、(XXI)、および(XXII)の構造によって表された化合物のいずれかまたは全てについて、一実施形態では、Xはグリコサミノグリカンである。本態様により、かつ一実施形態では、このグリコサミノグリカンは、特に、ヒアルロン酸、ヘパリン、硫酸ヘパリン、硫酸コンドロイチン、ケラチン、硫酸ケラチン、硫酸デルマタンまたはこれらの誘導体である。別の実施形態では、Xは、グリコサミノグリカンではない。別の実施形態では、Xは多糖であり、一実施形態では、これはヘテロ−多糖であり、別の実施形態では、これは、ホモ−多糖である。別の実施形態では、Xはポリピラノースである。
別の実施形態では、グリコサミノグリカンは、二糖単位のポリマーである。別の実施形態では、ポリマー中の二糖単位の数はmである。別の実施形態では、mは2〜10,000の数である。別の実施形態では、mは2〜500の数である。別の実施形態では、mは2〜1000の数である。別の実施形態では、mは2〜2000の数である。別の実施形態では、mは1000〜2000の数である。別の実施形態では、mは2000〜5000の数である。別の実施形態では、mは3000〜7000の数である。別の実施形態では、mは5000〜10,000の数である。別の実施形態では、グリコサミノグリカンの二糖単位は、1つの脂質またはリン脂質部分に結合されてもよい。別の実施形態では、グリコサミノグリカンの各二糖単位は、0または1つの脂質またはリン脂質部分に結合されてもよい。別の実施形態では、脂質またはリン脂質部分は、二糖単位の−COOH基に結合されている。別の実施形態では、脂質またはリン脂質部分と二糖単位との間の結合は、アミド結合である。
別の実施形態では、グリコサミノグリカンは、グリコサミノグリカンの二糖単位モノマーまたは三糖単位モノマーを含む。
別の実施形態では、硫酸コンドロイチンは、特に、コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫酸またはこの誘導体であることができる。
本発明の一実施形態では、Yは不在である。任意の架橋基(これは、一実施形態では、スペーサと呼ばれる)Yを形成する好適な二価基の非限定的例は、直鎖または分岐鎖アルキレン(例えば、2個以上の、好ましくは4〜30個の炭素原子のアルキレン)、−CO−アルキレン−CO、−NH−アルキレン−NH−、−CO−アルキレン−NH−、−NH−アルキレン−NH、CO−アルキレン−NH−、アミノ酸、シクロアルキレンであり、各例におけるアルキレンは、直鎖または分岐鎖であり、鎖−(−O−CH(CH)(CH−)中に2個以上、好ましくは2〜30個の炭素原子を含有し、式中xは1以上の整数である。
本発明の実施形態によると、従来のリン脂質構造に加えて、本発明での使用のための関連する誘導体は、エステル結合の代わりにアルキル結合を含有するように、C1またはC2で修飾されたリン脂質である。本発明の一実施形態では、アルキルリン脂質誘導体およびエーテルリン脂質誘導体が本明細書で例示される。
本発明の一実施形態では、リン脂質結合グリコサミノグリカンの糖環は完全体である。別の実施形態では、完全体とは、閉じられていることを指す。別の実施形態では、完全体とは中性を指す。別の実施形態では、完全体とは破壊されていないことを指す。
本発明の一実施形態では、本発明によるいずれかの化合物における脂質またはリン脂質は完全体である。別の実施形態では、本発明によるいずれかの化合物における脂質またはリン脂質の中性構造は維持される。
一実施形態では、本発明での使用のための化合物は、生体分解性である。
一部の実施形態では、使用のための化合物が、以下の表1に列挙されるようなものである。
Figure 2014519493
Figure 2014519493
Figure 2014519493
一実施形態では、本発明の組成物および方法での使用のためのGAGおよびPLは、スペーサを含み、一実施形態では、これはアミノ酸であり、アミノ酸のアミノ基は、GAGのカルボキシ基に結合し、アミノ酸のカルボキシ基は、リン脂質のアミノ基に結合する。
本発明の一実施形態では、本発明での使用のための化合物は、化合物I〜LXXXVIIIの1つ以上のいずれかである。別の実施形態では、本発明での使用のための化合物は、生理学的に教養可能な担体または溶媒と組み合わせた、化合物XXII、化合物XIII,化合物XXIV、化合物XXV、化合物XXVI、化合物XXVII、化合物XXVIII、化合物XXIX、化合物XXX、またはその薬学的に許容可能な塩である。本発明の実施形態によると、これらポリマーは、共役部分として選択される場合、200〜2,000,000ダルトンの分子量で異なってもよい。本発明の一実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、200〜1000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、200〜1000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、1000〜5000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、5000〜10,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で言及されるポリマーの分子量は、10,000〜20,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、10,000〜50,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、20,000〜70,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、50,000〜100,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、100,000〜200,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、200,000〜500,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、200,000〜1,000,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、500,000〜1,000,000ダルトンである。別の実施形態では、本明細書で参照されるポリマーの分子量は、1,000,000〜2,000,000ダルトンである。種々の分子量種が、所望の生物学的効力を有することが示された。
本発明の一実施形態では、低分子量の脂質共役は、式(I)から(XXI)の化合物として上述の部分で定義され、ここでXは、単糖類または多糖、カルボキシル化二糖、モノカルボン酸またはジカルボン酸、サリシレート、サリチル酸、アスピリン、ラクトビオン酸、マルトース、アミノ酸、グリシン、酢酸、酪酸、ジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、脂肪酸、ドデカン酸、ジドデカン酸、胆汁酸、コリン酸、コレステリルヘミスクシネート、ジペプチドまたはトリペプチド、オリゴペプチド、三糖若しくはヘパリンの二糖または三糖モノマー単位、硫酸ヘパリン、ケラチン、硫酸ケラチン、コンドロイチン、コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチン−4−硫酸、デルマチン、硫酸デルマタン、デキストラン、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン、またはポリピラノースである。
任意の架橋基Yを形成する好適な二価基の例は、直鎖または分岐鎖アルキレン(例えば、2個以上の、好ましくは4〜18個の炭素原子の)、−CO−アルキレン−CO、−NH−アルキレン−NH−、−CO−アルキレン−NH−、シクロアルキレンであり、各例におけるアルキレンは、直鎖または分岐鎖であり、鎖−(−O−CH(CH)(CH−)x中に2個以上、好ましくは2〜18個の炭素原子を含有し、式中xは1以上の整数である。
別の実施形態では、従来のリン脂質に加えて、本発明での使用のための関連する誘導体は、エステル結合の代わりにエーテルまたはアルキル結合を含有するようC1またはC2位で改変されたリン脂質である。これら誘導体は、一般式(VIII)および(IX)によって上記で例示される。
本発明の一実施形態では、Xは、脂質と共有結合で共役される。別の実施形態では、Xはアミド結合を介して、脂質と共有結合で共役される。別の実施形態では、Xはエステル結合を介して、脂質と共有結合で共役される。別の実施形態では、脂質はホスファチジルエタノールアミンである。
一実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むリポソームを提供し、このポリマー共役脂質は、一実施形態では、多糖共役リン脂質(PoS−PL)である。一実施形態では、該PoS−PLは、ヒアルロン酸−ホスファチジル−エタノールアミン(HyPE;化合物A)であり、これは、一実施形態では、交互に並ぶβ−1,3−グルクロニド結合およびβ−1,4−グルコサミニド結合によって結合された交互に並ぶN−アセチル−D−グルコサミンおよびD−グルクロン酸を含む。
Figure 2014519493
一実施形態では、塩化、部分的または全体的エステル化、内部エステル化、脱アセチル化、O−硫酸化、過カルボキシル化およびアミド化による化学修飾から得られたものなどのヒアルロン酸の誘導体は、本発明の組成物または方法において使用され得る。一実施形態では、「n」は、全HyPE共役PE分子内に存在するPEsの数を表し、一方「m」は、分子内に存在する二糖の数を表し、二糖単位の一部は、共役HyPEを含み、他の二糖単位は共役HyPEを含まない。
別の実施形態では、該PoS−PLは、硫酸コンドロイチン−ホスファチジル−エタノールアミン(CSAPE;化合物B)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、該PoS−PLは、硫酸デルマタン−ホスファチジル−エタノールアミン(DerPE;化合物C)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、該PoS−PLは、ヘパリン−ホスファチジル−エタノールアミン(HepPE;化合物D)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、該PoS−PLは、非グリコサミノグリカン共役リン脂質である。
別の実施形態では、該PoS−PLは、キトサン−グルタリル−ホスファチジル−エタノールアミン(ChiPE;化合物E)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、該PoS−PLは、アルギン酸−ホスファチジル−エタノールアミン(AlgPE;化合物F)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、該PoS−PLは、ヘタスターチ−ホスファチジル−エタノールアミン(HetPE;化合物G)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、該PoS−PLは、デキストラン−グルタリル−ホスファチジル−エタノールアミン(DexPE;化合物H)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、前記Po−Lは、ヘマセル−グルタリル−ホスファチジル−エタノールアミン(HemPEまたはポリゲリン;化合物I)である。
Figure 2014519493
一実施形態では、前記PoS−PLは、ケラタン硫酸−ホスファチジル−エタノールアミン(KSPE;化合物J)である。
Figure 2014519493
別の実施形態では、前記PoS−PLは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2010/0022473号に記載されているような脂質またはリン脂質共役である。
一実施形態では、多糖は、リン脂質のアミン残基を介してリン脂質に連結される。一実施形態では、多糖は、多糖のカルボン酸残基を介してリン脂質に連結される。別の実施形態では、多糖は、架橋試薬の不在下で酸化されてアルデヒドとなり得るヒドロキシル単位(例えば、−CH−OH)を介してリン脂質に連結される。
一実施形態では、リポソームは、親水性核を取り囲む1以上の二重脂質層により形成される、50nm〜1000nmの範囲の様々なサイズの中空のミクロスフェアである。この構造は疎水性尾部と親水性頭部を有するリン脂質の特殊な性質のために達成でき、水性媒体中では、疎水性尾部は互いに引き寄せ合うが、親水性頭部は水に面する傾向がある。その結果、閉じて小さな小胞を形成する二重脂質層となり、その内部に種々の親水性環境が存在する。リポソームは1965年に初めて記載され(Standish M M et al., J Mol Biol, 1965, 13:238-252)、薬物および/または有効成分の担体として研究されてきた(例えば、Liposomes as drug carriers, Gregoriadis G. editor, New York: John Wiley & Sons, 1985: 3-18; Banerjee R., J Biomater Appl, 2001, 16:3-21)。リポソームは通常、それらのサイズおよび二重脂質層の数に基づいて分類される。概して言えば、例えば、Callow R A et al.(参照により本明細書に組み入れられる、Cryobiology, 1985:251-267)が記載しているように、a)多重ラメラ小胞:それらはタマネギ様構造を有し、複数の二重脂質層は親水性層を散在させている;b)単ラメラ小胞、大型(直径が1μmを超える)および小型(直径が1μm未満):それらは1つの単一二重脂質層により形成され、強親水性の核を取り囲む;c)著しく疎水性の環境を取り囲むいくつかの二重脂質層から構成されるオリゴラメラ小胞が挙げられる。
一実施形態では、リポソームは、一実施形態では、多重ラメラ小胞(MLV)、微細乳化リポソーム(MEL)または大単ラメラ小胞(LUVET)であり、当技術分野で公知の方法を用いて調製される。一実施形態では、前記リポソームは、ホスファチジルエタノールアミン(PE)を含まない。別の実施形態では、前記リポソームは、ホスファチジルエタノールアミンを含む。
一実施形態では、単ラメラリポソームの生産のための従来の脂質膜技術を用いてリポソームを調製する:二重層からなるであろう選択された脂質を有機溶媒と混合した後、溶媒を蒸発させ乾燥脂質膜を形成されるように設定した環境条件(例えば、圧力および温度の設定パラメーター)に曝す。次に、前記脂質膜を水性媒体および/またはリポソームと会合させるポリマーを含有する溶液で水和させる。この混合物の一部を凍結させ、凍結乾燥させ、次いで好適な媒体を加えることによってその最初の容量に再構成する。この凍結、凍結乾燥および再構成ステップは、ヒアルロン酸および/またはその誘導体が単ラメラリポソーム微小構造に対する凍結保護剤として働き得ることを実証する実験所見に基づいて考案された(参照により本明細書に組み入れられるPeer at al., Biochim Biophys Acta, 2003, 1612:76-82)。一般に、単純な構造化リン脂質懸濁液が凍結され、その後再構成されると、それらのリポソームは元の特徴を失い、組織化されてはるかに大きな多重ラメラ小胞となるが、それらの構造およびそれらが担持している物質の制御放出が効果的でないことから本発明の目的では好適でない。凍結乾燥される混合物中に有意な量の多糖が存在すれば、安定な水素結合の形成によりリポソームの元の構造特性が保持され、再構成後でも制御放出系としてのそれらの有効性を維持する。
別の実施形態では、本発明のリポソームは、当業者に公知のいずれの方法によって得てもよい。一実施形態では、適当なサイズのリポソームは、音波処理/超音波、押出し、またはそれらの組み合わせを用いて調製される。
別の実施形態では、リポソーム製剤は、逆相蒸発(REV)法(参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,235,871号参照)、注入法、または洗剤希釈によって生産することができる。リポソームを生成するためのこれら、およびその他の方法の総説は、教本である、参照により本明細書に組み入れられるLiposomes, Marc Ostro, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1983, Chapter 1に見出せる。また、参照により本明細書に組み入れられるSzoka Jr. et al., (1980, Ann. Rev. Biophys. Bioeng., 9:467)も参照。ULVを形成するための方法は、参照により本明細書に組み入れられる"Extrusion Technique for Producing Unilamellar Vesicles"と題されたCullis et al., PCT Publication No. 87/00238, Jan. 16, 1986に記載されている。多重ラメラリポソーム(MLV)は、脂質膜法によって調製してもよく、この方法では脂質をクロロホルム−メタノール溶液(3:1vol/vol)に溶かし、減圧下で蒸発乾固させ、膨潤溶液で水和させる。その後、この溶液に十分な振盪および例えば2時間、例えば37℃でのインキュベーションを行う。インキュベーション後、押出しにより単ラメラリポソーム(ULV)が得られる。この押出し工程は、リポソームのサイズを好ましい平均直径まで縮小することによりリポソームを改造する。あるいは、濾過またはその他のサイズ選択技術などの技術を用いて所望のサイズのリポソームを選択してもよい。
本発明のサイズ選択リポソームは約300nm未満の平均直径を有すべきであるが、約200nm未満の平均直径を有するように選択されることが好ましく、約100nm未満の平均直径が特に好ましい。本発明のリポソームが単ラメラリポソームである場合、それは好ましくは、約200nm未満の平均直径を有するように選択される。本発明の最も好ましい単ラメラリポソームは、約100nm未満の平均直径を有する。しかしながら、より小さな単ラメラリポソームの由来する本発明の多小胞リポソームは一般に、より大きく、約1000nm未満の平均直径を有し得ると理解される。本発明の好ましい多小胞リポソームは約800nm未満、および約500nm未満の平均直径を有するが、本発明の最も好ましい多小胞リポソームは約300nm未満の平均直径を有する。
一実施形態では、これらのリポソームは、天然または合成由来の単一または複数の飽和または不飽和型の直鎖または分岐鎖を有し得る親水性部分と親油性部分から構成される脂質によって形成される。体液中でリポソームを安定化させるコレステロールまたは所望の効果を有することが当業者に公知の他の任意の要素など、他の要素を添加してもよい。
一実施形態では、本発明のリポソームは、2つ以上の親油性側鎖を含む。一実施形態では、本発明のリポソームは、例えば10〜30個の間の炭素原子を有する2個の飽和およびまたは不飽和脂肪酸、脂肪酸と第四級アミン、アシル基が8〜30個の炭素原子を含む場合には第四級ジメチルジアシルアミンとの塩を含有する親油性陽イオン性鎖を含む。さらなる例は文献に詳細に記載されている(参照によりそれらの全内容が本明細書に組み入れられるFasbender et al., Am J Physiol, 1995, 269:L45-L51; Solodin et al, Biochemistry, 1995, 34:13537-13544; Feigner et al., J Biol Chem, 1994, 269:2550-2561; Stamatatos et al., Biochemistry, 1988, 27:3917-3925を含む)。
一実施形態では、本発明のリポソームは非イオン鎖を含み、この非イオン鎖は一実施形態では、例えば10〜30個の間の炭素原子を有するグリセリンジエステルであり、別の実施形態では、アルコキシル化アミンである。一実施形態では、陰イオン性側鎖の例としては、ホスファチジン酸、およびジパルミトイルホスファチジルグリセロールなどの負電荷リン脂質が含まれる。一実施形態では、単一の非イオン鎖を有する物質の例は、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、リソステアリン酸(lysostearate)グリセリル、ラノリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、リノール酸グリセリルなど、鎖に10〜30個の間の炭素原子を有するモノグリセリンエステルである。
別の実施形態では、リポソームは、親油性鎖がエーテル結合および/またはエステル結合によって結合されているポリオキシエチレン誘導体から構成される。例示のため、本発明者らはセチルおよびステアリン酸エーテル(これらは全て3〜10の間のオキシエチレン単位を有する)、ならびにそれらの誘導体を挙げることができる。
単一の陰イオン性鎖を有する物質としては、限定されるものではないが、オレイン酸などの脂肪酸、ならびにホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールなどの、一本鎖を有する負電荷リン脂質が挙げられる。
一実施形態では、リポソームは、天然または合成由来のいずれかのリン脂質から構成することができる。天然リン脂質には、卵ホスファチジルコリンそれ自体または水素化物、およびダイズまたはその他の植物源からのリン脂質が含まれる。
本発明のリポソームは、当技術分野でリポソームを生成するために周知であり慣例的に使用されている脂質材料の組み合わせから生産することができる。脂質には、スフィンゴミエリンなどの比較的硬質の品種、または不飽和アシル鎖を有するリン脂質などの流動タイプが含まれ得る。「リン脂質」は、リポソームを形成することができるいずれか1種類のリン脂質またはリン脂質の組み合わせを意味する。卵、ダイズもしくはその他の植物源から得られるもの、または部分合成もしくは完全合成されたもの、または様々な脂質鎖長および不飽和度のものを含むホスファチジルコリン(PC)は、本発明において使用するために好適である。限定されるものではないが、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、ダイズホスファチジルコリン(soy PC)、卵ホスファチジルコリン(egg PC)、水素化卵ホスファチジルコリン(HEPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジミリストイルグリセロホスホコリン(DMPC)、ジラウロイルグリセロホスホコリン(DLPC)、パルミトイルオレオイルグリセロホスホコリン(POPC)、ホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、およびホスファチジルセリンを含む合成、半合成および天然ホスファチジルコリンは、本発明において使用するために好適なホスファチジルコリンである。これらのリン脂質は全て市販されている。さらに、ホスファチジルグリセロール(PG)およびリン酸(PA)も本発明において使用するために好適なリン脂質であり、限定されるものではないが、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジラウリルホスファチジルグリセロール(DLPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、ジラウリルホスファチジン酸(DLPA)、およびジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)が挙げられる。別の実施形態では、リポソームは、ジ−オレオイル−ホスファチジル−コリン(DOPC)、2位の炭素においてC−NBD(蛍光脂肪酸)で標識されたPC、またはそれらの組み合わせから構成される。別の実施形態では、リポソームは、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)から構成される。他の好適なリン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ならびにラウリン酸、ミリスチン酸ステアロイル、およびパルミチン酸鎖を含有するホスファチジン酸を含む。脂質膜を安定化させる目的で、コレステロールなどの付加的脂質成分を添加することが好ましい。一実施形態では、本発明のリポソームを生成するための脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルコリン(PC)を、さらにコレステロール(CH)と組み合わせて含む。本発明の一実施形態によれば、本発明のリポソームを生成するための脂質とコレステロールの組み合わせは、PE:PC:Cholモル比3:1:1を含む。
一実施形態では、細胞内皮系へのリポソームの取り込みを防ぎ、目的組織へのリポソームの取り込みを高めるために、リポソームの外面を長時間循環剤で改質してもよい。長時間循環剤としての親水性ポリマーによるリポソームの改質は、血中でリポソームの半減期を延長できることが知られている。親水性ポリマーの例としては、ポリエチレングリコール、ポリメチルエチレングリコール、ポリヒドロキシプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリメチルプロピレングリコールおよびポリヒドロキシプロピレンオキシドが挙げられる。よって、一実施形態において、ポリエチレングリコール(PEG)含有リン脂質を組み込むことも本発明により企図される。
明らかに、目的に好適なリポソームを得るために作り出すことができる、可能性のある組み合わせは多数あり、それらはすでに文献に詳細に報告されているので、当業者ならば最も好適なものを選択することができる。
一実施形態では、本発明の化合物は生分解性である。
ポリマー共役脂質リポソームの生成方法
別の実施形態では、本発明は、混合リポソームを生成する方法であって、脂質をポリマーと共役してポリマー共役脂質を形成するステップと、前記ポリマー共役脂質をリポソームと接触させて混合リポソームを生成するステップとを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、改質リポソームを生成する方法であって、脂質をポリマーと共役してポリマー共役脂質を形成し、前記ポリマー共役脂質をリポソームと接触させて改質リポソームを生成するステップを含む方法を提供する。一実施形態では、前記方法は、PoS−PLをリポソームと接触させるステップの前に、前記ポリマー共役脂質を単離することをさらに含む。一実施形態では、リポソームは2種類以上のポリマー共役脂質を含む。
別の実施形態では、本発明は、脂質をポリマーと共役してポリマー共役脂質を形成するステップと、前記ポリマー共役脂質をリポソームと接触させて混合リポソームを生成するステップとを含む方法によって生産された混合リポソームを提供する。
リポソームの生成方法
一実施形態では、リポソームは、水性環境中にリン脂質を提供し、前記リン脂質にリポソームを形成させることによって調製される。一実施形態では、リポソームの生成を加速化するためにエネルギーが供給される。よって、一実施形態では、音波処理、押出し、およびMozafari法を用いてリポソームを生成することができる。一実施形態では、リポソームは、ホスホリポン90H、ホスホリポン100H、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ステアリルアミン(SA)、ジセチルホスフェート(DCP)、コレステロール、またはそれらの組み合わせを用いて製造することができる。
ナノリポソームの生成方法
一実施形態では、リポソームを分離するために、次のようにそれぞれ4℃で40分間、1.3×10のg力で実施する連続的遠心分離によって粒子が分画される。すなわち、3回実施後のペレットは微粒子富化画分であり、さらに3回実施した微粒子富化画分の上清はナノ粒子富化画分である。
一実施形態では、リポソームは凍結乾燥することができる。
ポリマー共役脂質の生成方法
一実施形態では、架橋試薬を用いてポリマーと脂質とを連結させる。一実施形態では、架橋試薬としては、グルタルアルデヒド(GAD)、水可溶性カルボジイミド(一実施形態では、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)である)、ゲニピン、トランスグルタミナーゼ、ホルムアルデヒドまたはそれらの組み合わせが含まれる。
一実施形態では、ポリマーは、直接またはリンカーを介して脂質に共役されている。一実施形態では、リンカーはグルタリルリンカーであり、これは一実施形態では、式−OC(CHCO−で表される。別の実施形態では、−CO−アルキレン−CO、−NH−アルキレン−NH−、−CO−アルキレン−NH−、−NH−アルキレン−NHCO−アルキレン−NH−、アミノ酸、シクロアルキレンであり、各場合において、アルキレンは直鎖または分岐鎖であり、鎖−(−O−CH(CH)CH−)−(xは1以上の整数である)内に2個以上、好ましくは2〜30個の原子を含む。
一実施形態では、ポリマー(一実施形態では、多糖)と脂質(一実施形態では、リン脂質)の間の結合はアミド結合である。別の実施形態では、多糖とリン脂質の間の結合はエステル結合である。
一実施形態では、ポリマー共役脂質を、溶液中のリポソームと合わせるが、この場合、ポリマー共役脂質の脂質成分がリポソームの脂質二重層に組み込まれる。一実施形態では、共有結合脂質によりリポソームの表面に固定されたポリマーは、マッシュルームのようにリポソーム表面から放射状に(すなわち、リポソーム表面に対して垂直)広がっている(図1a)。一実施形態では、このマッシュルーム状の構造は比較的低いPo−L/リポソーム比から得られるものであり、これらのPo−Lはあまり密に詰まっていない。一実施形態では、共有結合脂質を介してリポソームの表面に固定されたポリマーは、ブラシのようにリポソーム表面から放射状に(すなわち、リポソーム表面に対して垂直)広がっている(図1b)。一実施形態では、このブラシ状の構造は、比較的高いPo−L/リポソーム比から得られるものであり、これらのPo−Lはぎっしり詰まっている。一実施形態では、Po−L/リポソーム比は、中間構造、すなわちマッシュルーム−ブラシ構造が存在するように調節し、これは一実施形態において約3〜10nmの保護を与える。一実施形態では、脂質共役ポリマーは約3〜10nmの保護層を形成し(図1a〜1b)、これは一実施形態において、本明細書で実証したように(図4)、リポソームを分解酵素または他の傷害/溶解剤、例えば、ホスホリパーゼA2(PLA2)から保護する。別の実施形態では、脂質共役ポリマーは、リポソーム上に1nmを超える層を形成する。別の実施形態では、脂質共役ポリマーは、約3.5nmの層を形成する。別の実施形態では、脂質共役ポリマーは、約4.5nmの層を形成する。別の実施形態では、脂質共役ポリマーは、約3.5〜4.5nmの層を形成する。別の実施形態では、脂質共役ポリマーは、約3〜5nmの層を形成する。別の実施形態では、脂質共役ポリマーは、約2〜7nmの層を形成する。脂質共役ポリマーは、PLA2阻害剤として機能することが当技術分野で知られており、本明細書に示されているデータは、脂質共役ポリマーがリポソームを分解から保護し得ることも実証する。
リポソームの外面を被覆する、天然の非末端切断型ヒアルロン酸などの大きな多糖とは対照的に、これは約1nmの層を形成し(図1c)、リポソームを多くの酵素から保護するためには十分でない。さらに、ポリマーを脂質と混合することから形成されるリポソームは、架橋剤の存在下であっても、ポリマー−リポソーム共役のリポソームへの組み込みではなく、前記リポソームの表面へのポリマーの接着を提供し得ることが当技術分野で公知である。
ポリマー共役脂質リポソームの使用
一実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含むリポソームを含む薬物送達システムを提供する。
別の実施形態では、本発明は、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれているリポソームを含む薬物送達システムを提供する。
別の実施形態では、本発明は、2種類以上のポリマー共役脂質を含み、前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームを含む薬物送達システムを提供する。
別の実施形態では、本発明は、2種類以上の低分子量グリコサミノグリカン(GAG)共役脂質を含み、前記低分子量GAG共役脂質が、単一のGAGに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームを含む薬物送達システムを提供する。
別の実施形態では、本発明は、ポリマー共役脂質を含み、前記ポリマーがグリコサミノグリカンであるリポソームを含む薬物送達システムを提供する。
一実施形態では、ポリマー共役脂質は、一実施形態では生体活性薬を含むリポソームの安定性を高める。別の実施形態では、ポリマー共役脂質は、リポソームの分解を軽減する。別の実施形態では、ポリマー共役脂質は、リポソームの半減期を延長する。別の実施形態では、リポソームは、生体活性ポリマー共役脂質を炎症組織に標的化し、それにより、ポリマー共役脂質の有効性を高める。一実施形態では、生体活性ポリマー共役脂質を含むリポソームは、付加的な生体活性薬をさらに含む。一実施形態では、リポソームは、炎症組織には侵入できるが非炎症組織には侵入できないそのサイズのために炎症組織を標的とする。
一実施形態では、本発明の、また、本発明の方法において使用するためのリポソームはいずれも、本発明の1種類以上のポリマー共役脂質を含む。よって、一実施形態では、本発明のリポソームは、HyPEとKSPEを含む。別の実施形態では、本発明のリポソームは、CSAPEとPEG−PEを含む。別の実施形態では、本発明のリポソームは、HyPEとPEG−PEを含む。本発明のリポソームは、前記リポソームの脂質二重層に組み込まれた本発明の2種類、3種類、4種類またはそれを超える異なるポリマー共役脂質を含み得ると理解されるべきである。
一実施形態では、本発明のリポソームは、脂質層に疎水性薬剤を含む。
別の実施形態では、本発明のリポソームは、リポソーム内に封入された親水性薬剤を含む。
一実施形態では、前記薬剤は、プラスミドDNA、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピンRNA、低分子一過性RNA(stRNA)、ミクロRNA(miRNA)、RNAミメティクス、または硫酸プロタミンおよびポリリジンなどの陽イオンペプチド、またはポリエチレンイミン(PEI)、ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンなどの陽イオンポリマーによって凝集されたヘテロクロマチンsiRNAなどの核酸である。
一実施形態では、本発明の組成物は、顕微鏡的薬物送達システム(MDDS)として使用可能である。別の実施形態では、本発明の組成物は、治療薬または診断薬の持続放出または制御放出を提供する。別の実施形態では、本発明の組成物は、薬物の分解または不活性化を軽減する。別の実施形態では、本発明の組成物は薬物の有効性を高め、薬物の投与頻度の低減を可能とする。別の実施形態では、本発明の組成物は、薬物の毒性および望ましくない副作用を軽減する。別の実施形態では、本発明の組成物は、治療および診断において使用するために後に送達するための薬物を封入する。別の実施形態では、本発明の組成物は、薬物、ワクチン、化粧品、減量薬または栄養補助食品の有効性を改善し、副作用を軽減する。別の実施形態では、本発明の組成物は、種々のタイプの生体活性を組み込み、かつ保護することができるとともに、それらをヒトまたは動物の体内の標的部位に送達することができる。
一実施形態では、抗生物質および化学療法薬などの小分子、ならびにタンパク質などの大分子は本明細書に記載の改質リポソーム中に封入することができる。別の実施形態では、改質リポソームはDNAを封入するために使用することができ、大きな改質リポソームであれば、細胞全体および細胞系統を封入できさえする。よって、改質リポソームは、組織工学用のスキャフォールドとしても使用可能である。
本発明の別の実施形態では、まず、他の分子を多糖に結合させることができ、その後、これを脂質と反応させる。これらの粒子は、粒子の外側に前記他の分子を露出させておく。これらの他の分子は、例えば、抗体、葉酸塩、ポルフィリン、またはレクチンであってよく、標的化に用いてもよい。別の実施形態では、標的化薬剤は、多糖と結合させてもよく、一実施形態では、これは特異的モノクローナル抗体、scFv、Fabフラグメント、受容体リガンド、またはそれらの組み合わせである。
一実施形態では、本発明の多糖は、乳房、肺の腫瘍、および前立腺癌を標的とするために、MUC1、MUC2、またはMUC3に対する抗体と共役させてもよい。あるいは、本発明の多糖は、黒色腫を標的とするために、ガングリオシドGM3に対する抗体と共役させてもよい。
一実施形態では、本発明は、1種類以上の薬剤をリポソームに封入するための方法を提供する。この方法は、(1)ポリマーに共役された脂質を有する凍結乾燥リポソームを提供するステップ(前記ポリマーは前記脂質に共有結合されている)と、(2)親水性薬剤を水溶液として提供するステップと、(3)前記凍結乾燥リポソームを、親水性薬剤を含む水溶液で再水和するステップとを含む。一実施形態では、前記ポリマー共役脂質は、前記ポリマー共役脂質に共有結合された標的化部分をさらに含んでよい。
本発明はまた、ポリマー共役脂質を含むリポソームを作製するためのキット、ならびにリポソームとポリマー共役脂質を含む薬物および/または薬剤封入のためのキットを提供する。
別の実施形態では、本発明は、病理学的状態に罹患している被験体を処置する方法であって、前記被験体にポリマー共役脂質を含むリポソームに封入された生体活性剤を投与することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において病理学的状態を処置、阻害、または抑制する方法であって、前記被験体にポリマー共役脂質を含むリポソームに封入された生体活性剤を投与することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において病理学的状態を処置、阻害、または抑制する方法であって、前記被験体に脂質二重層とポリマー共役脂質とを含むリポソームを投与することを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれている方法を提供する。一実施形態では、前記リポソームは、前記病理学的状態の処置、阻害、または抑制に有効な薬剤を含む。
別の実施形態では、本発明は、被験体において病理学的状態を処置、阻害、または抑制する方法であって、前記被験体に、2種類以上のポリマー共役脂質を含み、前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームに封入された生体活性剤を投与することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において病理学的状態を処置、阻害、または抑制する方法であって、前記被験体に、2種類以上の低分子量グリコサミノグリカン(GAG)共役脂質を含み、前記低分子量GAG共役脂質が、単一のGAGに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームに封入された生体活性剤を投与することを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において病理学的状態を処置、阻害、または抑制する方法であって、前記被験体に、ポリマー共役脂質(前記ポリマーはグリコサミノグリカンでない)を含むリポソームに封入された生体活性剤を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、このリポソームの治療効果または予防効果は、ナノリポソームの炎症組織への本来の標的化によるものである。この態様によれば、一実施形態において、ナノリポソームはポリマー共役脂質を炎症組織に標的化し、この場合、前記ポリマー共役脂質は抗炎症効果を示し、それにより被験体における治療効果または予防効果を誘導する。別の実施形態では、前記リポソームは生体活性剤を含み、本発明の組成物および方法の改良された効果は、リポソーム上のポリマー共役脂質により付与される分解からの保護によるものであり、それにより被験体におけるリポソームの半減期が延長され、それにより前記被験体に対するその効果が高まる。別の実施形態では、本発明の組成物および方法の改良効果は、リポソームの脂質二重層に組み込まれたポリマー共役脂質の存在による、リポソームからの生体活性剤のより緩慢な放出によるものである。
一実施形態では、前記病理学的状態は敗血症である。
別の実施形態では、前記病理学的状態は腸管疾患であり、一実施形態では、クローン病、潰瘍性大腸炎、免疫炎症性腸障害、薬剤性腸症、虚血誘発性腸障害、炎症性腸疾患、またはそれらの組み合わせである。
別の実施形態では、前記病理学的状態は、炎症性応答に関連する中枢神経系または末梢神経系の疾患または障害であり、一実施形態では、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、髄膜炎、脳および末梢神経系の脱髄疾患、またはそれらの組み合わせであり、前記脳および末梢神経系の脱髄疾患は、多発性硬化症、特発性脱髄性多発神経障害またはギラン−バレー症候群、アルツハイマー病、疼痛、ハンチントン病(HD)、重症筋無力症(MG)、HIV関連痴呆、前頭側頭型痴呆(FTD)、脳卒中、外傷性脳損傷、加齢性網膜変性、脳脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、脳虚血誘発性損傷、またはそれらの組み合わせである。
別の実施形態では、前記病理学的状態は閉塞性呼吸器疾患であり、一実施形態では、喘息、慢性閉塞性肺疾患、またはそれらの組み合わせである。
別の実施形態では、前記病理学的状態は皮膚科病理学的状態であり、一実施形態では、乾癬、脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、またはそれらの組み合わせである。
別の実施形態では、前記病理学的状態は感染症である。一実施形態では、前記感染症はウイルス感染症である。一実施形態では、前記ウイルス感染症はインフルエンザ感染症、HIV感染症、またはポックスウイルス感染症である。別の実施形態では、前記感染症は細菌感染症である。一実施形態では、前記細菌感染症はクラミジア感染症である。
別の実施形態では、前記病理学的状態は新生物である。別の実施形態では、前記病理学的状態は肉腫、腺癌、結腸癌、黒色腫、乳癌、白血病、リンパ腫、胃癌、膠芽腫、星状細胞腫、膀胱癌、胸膜中皮腫、燕麦細胞癌、気管支原生癌、またはそれらの組み合わせである。
別の実施形態では、本発明は、被験体の疾患、病理学的状態または障害を処置、阻害、または抑制する方法であって、前記被験体に、本発明のリポソームに封入された生体活性剤を投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、前記病理学的状態は結膜炎であり、一実施形態ではウイルス性、別の実施形態では細菌性のものである。別の実施形態では、前記結膜炎はアレルゲンまたは刺激物によるものである。
別の実施形態では、前記病理学的状態は嚢胞性線維症である。
一実施形態では、前記病理学的状態は癌であり、前記生体活性剤は抗癌薬である。一実施形態では、前記癌は転移癌である。別の実施形態では、前記病理学的状態は感染症であり、一実施形態では、細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、または寄生虫感染症である。一実施形態では、前記生体活性剤は抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬または抗寄生虫薬である。別の実施形態では、前記病理学的状態はプリオン感染症である。
一実施形態では、前記薬物は経口、静脈内、鼻腔内、眼内、筋肉内、皮下または局所投与される。
一実施形態では、「処置する」とは、治療的処置または予防もしくは回避処置のいずれかを意味し、この目的は上記のような病的状態または障害を回避または軽減することである。よって、一実施形態では、処置には、疾患、障害もしくは病理学的状態に関連する症状の、直接的影響もしくは治癒、抑制、阻害、回避、重篤度の軽減、発症の遅延、軽減、またはそれらの組み合わせを含み得る。よって、一実施形態では、「処置する」とは、とりわけ、進行の遅延、緩解の促進、緩解の誘発、緩解の増進、回復の加速化、有効性の増強、または別の治療薬に対する耐性の低減、またはそれらの組み合わせを意味する。一実施形態では、「回避する」とは、とりわけ、症状の発症の遅延、疾患再発の回避、再発エピソードの回数または頻度の低減、症候性エピソード間の潜伏期間の延長、またはそれらの組み合わせを意味する。一実施形態では、「抑制する」または「阻害する」とは、とりわけ、症状の重篤度の軽減、急性エピソードの重篤度の軽減、症状数の低減、疾患関連症状の罹患率の低減、症状の潜伏期間の短縮、症状の改善、続発性症状の軽減、続発性感染症の軽減、患者の生存期間の延長、またはそれらの組み合わせを意味する。
一実施形態では、症状は原発性であり、別の実施形態では、症状は続発性である。一実施形態において、「原発性」とは、対象ウイルス感染症の直接的結果である症状を意味し、一実施形態において、「続発性」とは、主因からまたは主因の結果として誘導される症状を意味する。一実施形態では、本発明において使用するための組成物および方法は、その病理学的状態に関連する原発性もしくは続発性症状、または続発性合併症を処置する。
一部の実施形態では、本発明の、および本発明の方法において使用するためのリポソームはいずれも、本明細書に記載のいずれかの形態または実施形態において、1種類以上の本発明のポリマー共役脂質を含む。一部の実施形態では、本発明のリポソームはいずれも、本明細書に記載のいずれかの形態または実施形態において、1種類以上の本発明のポリマー共役脂質からなる。一部の実施形態では、本発明のリポソームは、本明細書に記載のいずれかの形態または実施形態において、本発明の1種類以上のポリマー共役脂質から本質的になる。
一部の実施形態では、用語「含む」は、HyPEなどのポリマー共役脂質の包含、ならびに当技術分野で公知であり得る他の脂質または脂質共役の包含を意味する。一部の実施形態では、用語「から本質的になる」は、標準的リポソームからのその唯一の変更点がポリマー共役脂質の示された包含であるリポソームを意味するが、リポソームの薬物放出プロフィールの改良に直接関与しない他の脂質または脂質共役が含まれてもよい。一部の実施形態では、用語「からなる」は、リポソームに組み込まれた、特定のポリマー共役脂質のみを、あるいはまた、列挙されたポリマー共役脂質のみを含有するリポソームを意味する。
一実施形態では、用語「標的化薬剤」または「標的化部分」は、特定の組織、細胞種、受容体、感染因子または他の対象とする領域を目指す、または好ましくは前記と会合するもしくは結合する薬剤を意味する。標的化薬剤としては、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド、抗原、抗体もしくはその機能的フラグメント、リガンド、受容体、特異的結合対の一方のメンバー、生体受容体に親和性を有するペプチドを含むポリアミド、オリゴ糖、多糖、ステロイドもしくはステロイド誘導体、ホルモン、例えば、エストラジオールもしくはヒスタミン、ホルモンミミック、例えば、モルヒネ、または標的に結合特異性を有するその他の化合物が挙げられる。本発明の方法において、標的化薬剤は、目的とする標的への本発明の脂質粒子の輸送または優先的局在を促進する。
本明細書において、「抗体」または抗体の「機能的フラグメント」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体製剤、ならびにヒト化抗体などのハイブリッドまたはキメラ抗体、改変抗体、F(ab’)フラグメント、F(ab)フラグメント、Fvフラグメント、単一ドメイン抗体、二量体および三量体抗体フラグメント構築物、ミニボディー、および親抗体分子の免疫結合特性を示し、かつ/または細胞表面抗原に結合するそれらの機能的フラグメントを含む製剤を包含する。
標的化薬剤は、標的細胞で差次的に発現される受容体のいずれのリガンドであってもよい。限定されない例としては、トランスフェリン、葉酸塩、他のビタミン、EGF、インスリン、ヘレグリン、RGDペプチドまたはインテグリン受容体に反応性のある他のポリペプチド、抗体またはそれらのフラグメントが挙げられる。糖分子または糖タンパク質、脂質分子またはリポタンパク質も標的化薬剤であり得る。
一実施形態では、病的状態において特異的に発現される細胞表面マーカーに対する抗体は標的化薬剤として使用可能である。腫瘍細胞に特異的に出現する抗原の例としては、黒色腫上のガングリオシドGM3、乳癌、肺癌および前立腺癌の表面のMUC1、MUC2、およびMUC3、ならびに消化管癌の表面のLewis Xが挙げられる。一実施形態において、抗体は、抗体の抗原結合領域を含有する機能的フラグメントである。好ましい抗体フラグメントは、抗体の一本鎖Fvフラグメントである。抗体または抗体フラグメントは、標的細胞の表面の受容体、好ましくは標的細胞上で差次的に発現される受容体と結合するものである。一実施形態では、多種の標的化薬剤が脂質粒子に共有結合され得る。
別の実施形態では、本発明は、被験体において画像診断を実施するための方法であって、ポリマー共役脂質を含むリポソームに封入された診断薬を投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において画像診断を実施するための方法であって、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれているリポソームに封入された診断薬を前記被験体に投与し、前記被験体を撮像するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において画像診断を実施するための方法であって、2種類以上のポリマー共役脂質を含み、前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームに封入された診断薬を投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において画像診断を実施するための方法であって、2種類以上の低分子量グリコサミノグリカン(GAG)共役脂質を含み、前記低分子量GAG共役脂質が、単一のGAGに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームに封入された診断薬を投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体において画像診断を実施するための方法であって、ポリマー共役脂質を含み、前記ポリマーがグリコサミノグリカンでないリポソームに封入された診断薬を投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体においてPLA2を阻害するための方法であって、前記被験体にポリマー共役脂質を含むリポソームを投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体においてPLA2を阻害するための方法であって、前記被験体に、2種類以上のポリマー共役脂質を含み、前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームを投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体においてPLA2を阻害するための方法であって、前記被験体に、2種類以上の低分子量グリコサミノグリカン(GAG)共役脂質を含み、前記低分子量GAG共役脂質が、単一のGAGに共役された2種類以上の脂質を含むリポソームを投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体においてPLA2を阻害するための方法であって、前記被験体に、ポリマー共役脂質を含み、前記ポリマーがグリコサミノグリカンでないリポソームを投与するステップを含む方法を提供する。
本明細書で使用する場合、一実施形態では、用語「封入」および「封入された」とは、脂質粒子中への薬剤の組み込みを意味する。前記薬剤は、脂質粒子の水性内部に存在する。一実施形態では、封入された薬剤の一部は、リポソームの内部に沈殿した塩の形態をとる。前記薬剤はまた、リポソームの内部で自己沈殿してもよい。
一実施形態では、「薬剤」は、身体に治療上影響を及ぼし得るか、または診断のためにin vivoで使用できる任意の薬剤または化合物を意味する。治療薬の例としては、癌治療のための化学療法薬、感染症を治療するための抗生物質、真菌感染症を治療するための抗真菌薬、核酸類似体、例えば、siRNAを含む治療核酸が挙げられる。一実施形態では、対象とする薬剤は、遺伝子、プラスミドDNAなどのポリヌクレオチド、DNAフラグメント、オリゴヌクレオチド、オリゴデオキシヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、キメラRNA/DNAオリゴヌクレオチド、RNA、siRNA、リボザイム、またはウイルス粒子である。一実施形態では、前記薬剤は、増殖因子、サイトカイン、免疫調節薬、または発現した際に免疫系を刺激または抑制する抗原を提示するタンパク質を含むその他のタンパク質である。一実施形態では、前記薬剤は、投与後にin vivoで検出可能な診断薬である。例示的診断薬としては、電子稠密物質、磁気共鳴イメージング剤、放射性医薬品および蛍光分子が挙げられる。撮像に有用な放射性ヌクレオチドとしては、同位元素64Cu、67Cu、111In、99mTc、67Gaまたは68Gaを含む、銅、ガリウム、インジウム、レニウム、およびテクネチウムの放射性同位元素が挙げられる。参照により本明細書に組み入れられる、Lowらが米国特許第5,688,488号で開示しているイメージング剤が本明細書に記載のリポソーム複合体において有用である。
一実施形態では、対象とする薬剤は核酸、例えば、DNA、RNA、siRNA、プラスミドDNA、低分子ヘアピンRNA、低分子一過性RNA(stRNA)、ミクロRNA(miRNA)、RNAミメティクス、またはヘテロクロマチンsiRNAである。対象とする核酸薬剤は、脂質粒子への効率的封入を妨げる荷電骨格を有する。よって、対象とする核酸薬剤は、脂質粒子に封入する前に陽イオンポリマー、例えば、PEI、ポリアミンスペルミジン、およびスペルミン、または陽イオンペプチド、例えば、プロタミンおよびポリリジンと縮合させてもよい。一実施形態では、前記薬剤は、陽イオンポリマーと縮合されない。
一実施形態では、対象とする薬剤は、下記の方法で脂質粒子に封入される。凍結保護剤および標的化薬剤を含む脂質粒子が凍結乾燥して提供される。対象とする薬剤は水溶液である。水溶液としての対象とする薬剤は、凍結乾燥脂質粒子を再水和させるために利用される。従って、対象とする薬剤は、再水和された脂質粒子に封入される。
一実施形態では、対象とする2種類の薬剤を本脂質粒子によって送達することができる。一方の薬剤は疎水性であり、他方は親水性である。疎水性薬剤は、脂質粒子の形成の際に脂質粒子に添加することができる。疎水性薬剤は、その脂質粒子の脂質部分と会合する。親水性薬剤は、凍結乾燥脂質粒子を再水和する水溶液として添加する。
好適な脂質:薬剤の効果的ないずれの比も本発明により意図される。一実施形態では、脂質:薬剤のモル比としては、約2:1〜約30:1、約5:1〜約100:1、約10:1〜約40:1、約15:1〜約25:1が含まれる。
一実施形態では、薬剤の負荷効率は、封入薬剤パーセントとして約50%、約60%、約70%またはそれを超える。一実施形態では、親水性薬剤の負荷効率は50〜100%の範囲である。脂質粒子の脂質部分と会合される薬剤、例えば、水溶液中で可溶性の不十分な薬剤の好ましい負荷効率は、負荷薬剤パーセントとして約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%である。一実施形態では、脂質層における疎水性薬剤の負荷効率は80〜100%の範囲である。
本方法の一態様では、リポソーム製剤は、放射性標識、蛍光標識、非蛍光標識、色素、または磁気共鳴画像法(MRI)を増強する化合物を含む群から選択される標識で検出可能に標識される。一実施形態では、リポソーム製剤は音響反射率によって検出される。標識はリポソームの外側に結合されてもよいし、あるいはリポソームに封入されてもよい。
別の実施形態では、本発明は、被験体に核酸を送達する方法であって、脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれているリポソームに封入された前記核酸を前記被験体に投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体に核酸を送達する方法であって、脂質二重層を含む改質リポソームに封入された前記核酸を前記被験体に投与するステップを含み、前記リポソームが、前記脂質二重層に組み込まれた2種類以上の多糖共役リン脂質(PoS−PLs)を含む方法を提供する。
本発明のさらに別の目的は、脂質粒子を遺伝子送達物質として用いる遺伝子送達を提供することである。例えば、変異型Raf遺伝子は、抗血管新生目的で腫瘍細胞に標的化または送達することができ;細胞毒性の高いサイトカイン(highly ctoxic cytokine)TNF−αの遺伝子は、細胞を促進するために癌に送達することができ;サイトカインIL−12およびIFN−γの遺伝子は、アレルギー誘発性過敏性(AHR)のために肺に送達することができ;また、グリア細胞系由来神経成長因子(glail cell ine derived neurogrowth factor)(GDNF)のcDNAは、パーキンソン病患者の黒質のドーパミン細胞に標的化することができる。
一実施形態では、本発明のリポソームは、抗癌薬を送達するために用いられる。一実施形態では、HYPEを含み、パクリタキセルなどの有糸分裂阻害剤を含有するリポソームが本発明の組成物および関連の方法に包含される。一実施形態では、卵巣癌、乳癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、頭頸部癌、および他の悪性腫瘍を含む多数のヒト腫瘍種が、CD44ファミリーの細胞表面プロテオグリカンの有意な発現を有する。例えば、CD44プロテオグリカンファミリーは、原発性ヒト卵巣腫瘍または腹膜インプラントからの新鮮なサンプルの約90%といった多くで発現される。さらに、頭頸部の扁平上皮癌を用いた研究では、75%を超えるものがCD44の発現を有することが示された。一般に、上皮癌幹細胞もまたCD44を発現する。
CD44プロテオグリカンファミリーには、ヒアルロン酸の主要な受容体である、親型と10を超えるアイソフォームが含まれる。ヒアルロン酸は、細胞挙動に対する直接的受容体媒介作用を含め、細胞外マトリックス内で種々の機能を果たす。これらの作用は細胞内シグナル伝達経路を介して生じ、この場合、ヒアルロン酸がCD44細胞表面受容体に結合し、前記受容体によってインターナライズされる。
本明細書において、用語「抗癌薬」は、被験体、例えば、1以上の癌細胞を死滅させること、1以上の癌細胞にアポトーシスを誘導すること、1以上の癌細胞の成長速度を低下させること、罹患率もしくは転移数を軽減すること、腫瘍サイズを縮小すること、腫瘍成長を阻害すること、腫瘍もしくは1以上の癌細胞への血液供給を低減すること、1以上の癌細胞もしくは腫瘍に対する免疫応答を増進すること、癌の進行を回避もしくは阻害する、または癌を有する被験体の寿命を延長することにより、癌に悪影響を与えることができる化合物を意味する。
一部の実施形態では、本開示の改質リポソームにおいて使用するために好適な抗癌薬はタキサンを含む。一般に、タキサンは典型的には、微小管機能の阻害などの抗腫瘍特性を有するジテルペン類である。好適なタキサンの例としては、限定されるものではないが、パクリタキセル、ドセタキセル、およびそれらの誘導体が挙げられる。一実施形態では、好適な抗癌薬は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(「NHSエステル」)などの活性エステルとして提供されてよい。例えば、一実施形態では、好適な抗癌薬は、「パクリタキセル−NHSエステル」または「タキソール−NHSエステル」とも呼ばれるパクリタキセル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルであり得る。別の実施形態では、本発明のリポソームを用いて送達される抗癌薬は、ドキソルビシン、トポテカン、またはそれらの組み合わせである。
他の抗癌薬もまた、開示される改質リポソームにおいて使用するために好適であり得る。抗癌薬としては、例えば、化学療法薬(化学療法)、放射線療法薬(放射線療法)、免疫療法薬(免疫療法)、遺伝子療法薬(遺伝子療法)、ホルモン療法、他の生物学的薬剤(生物療法)および/または別の療法が挙げられる。本明細書に開示される改質リポソームにおいて抗癌薬として使用するために好適であり得る抗癌薬の非網羅的一覧は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,344,829号の第12段落43行目〜第13段落4行目に記載されている。
一実施形態では、本発明は、本発明のリポソームを含む組成物を提供する。
「治療上有効な」という句は、疾患または障害の治療に使用される有効成分の量を制限することを意図する。この量は、前記疾患または障害を軽減または除去する目標を達成する。
本発明の医薬組成物は、それを必要とする被験体において適応症、すなわち、病理学的状態を処置するために使用することができる。本明細書で用いる場合、用語「被験体」は、ヒトおよびその他、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、ネコ、ラット、マウスなどの哺乳類、ならびに両生類、鳥類、爬虫類および魚類を含む動物を含むものと考えられる。
本発明の医薬組成物は好ましくは経口投与されるが、非経口、例えば、皮下、静脈内、局所的、筋肉内、腹腔内、経皮、直腸、膣、鼻腔内または眼内を含む別の好適な経路によって投与してもよい。別にまたは並行して、投与は経口経路によってもよい。経口投与経路は、頬側および舌下投与経路を含むと理解される。
非経口投与はボーラス注射または経時的漸進灌流によってもよい。非経口投与は一般に、注射、最も一般には皮下、筋肉内または静脈内を特徴とする。
本発明の医薬組成物の有効成分、浸透促進剤、および他の生物学的に活性な薬物または医薬から構成された局所製剤は、多くの方法で適用可能である。液体製剤は、好適な送達装置から皮膚または罹患した皮膚もしくは粘膜の適当な領域へ滴下し、手で擦り込むか、または単に風乾させることができる。前記液体製剤に、好適なゲル化剤を添加することができ、その調製物を適当な領域に適用し、擦り込むことができる。創傷または火傷への投与の場合には、有効成分をオイルおよびエマルションなどの剤形に組み込んでよい。このような調製物は、ローション、クリーム、ペーストおよび軟膏などの形態で罹患領域に直接適用することができる。
あるいは、前記局所用液体製剤を噴霧装置に入れ、スプレーとして送達することもできる。このタイプの薬物送達装置は、皮膚病に侵された大面積の皮膚に、極めて敏感な皮膚に、または鼻腔もしくは口腔に適用するために特によく適用している。所望により、本医薬組成物は軟膏または経皮パッチの形態で投与してもよい。
本発明の医薬組成物はまた、粘膜、例えば、膣(特に膣病理学的状態を処置する場合)、直腸および鼻腔内投与経路による取り込みを最適化する他の経路によって投与してもよい。さらに、本医薬組成は、粘膜組織または上皮を介した送達にも適合させることができる。鼻腔内投与される場合、本医薬組成物は一般にエアゾール形態または滴剤形態で投与される。これは肺病理学的状態を処置するために特に有用であり得る。
好適な製剤は、A. Gennaro (2000) "Remington: The Science and Practice of Pharmacy", 20th edition, Lippincott, Williams, & Wilkins; Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (1999) H. C. Ansel et al., eds 7th ed., Lippincott, Williams, & Wilkins;およびHandbook of Pharmaceutical Excipients (2000) A. H. Kibbe et al., eds. ,3rd ed. Amer. Pharmaceutical Assoc.(それぞれ引用することにより本明細書に組み入れられる)に見出すことができる。
意図される投与様式に応じて、使用する組成物は、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル剤、散剤、液体または懸濁液などの、固体、半固体または液体剤形の形、好ましくは、正確な用量の単回投与に好適な単位剤形であり得る。本発明の医薬組成物および薬学上許容される希釈剤、担体、賦形剤、アジュバント、または補助薬剤。薬学上許容される担体は、活性のある治療タンパク質に対しては化学的に不活性なものであり、使用条件下で有害な副作用または毒性を持たないものであることが好ましい。担体の選択は1つには特定の有効成分によって、ならびにその組成物を投与するために使用される方法によって決定される。よって、本発明の医薬組成物の好適な製剤には多様なものがある。
好適な賦形剤は、特に、糖類(例えば、ラクトースまたはスクロース、マンニトール、ソルビトールなど)、セルロース調製物および/またはリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウムなど)などの増量剤、ならびに例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリジンを用いたデンプンペーストなどの結合剤である。
非経口投与用の注射製剤は、液体懸濁液、注射前に液体中で溶液もしくは懸濁液とするのに好適な固体形態、またはエマルションとして調製することができる。好適な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールなどである。さらに、所望により、投与される医薬組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝剤などの微量の無毒な補助薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンなども含有してよい。
水性注射懸濁液はまた、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含め、懸濁液の粘度を高める物質も含有してよい。所望により、この懸濁液は安定剤も含有してよい。
非経口製剤は、アンプルおよびバイアルなどの単位用量または多用量密閉容器で提供することができ、使用直前に注射用の無菌液体担体、例えば水を加えるだけのフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時調合注射懸濁液は、従前に記載されている種類の無菌散剤、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。
経口投与では、薬学上許容される無毒の組成物は、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、および炭酸マグネシウムなどの、通常使用される賦形剤のいずれかを組み込むことによって形成される。このような組成物には、懸濁液、錠剤、分散錠、丸剤、カプセル剤、散剤、および徐放性製剤などが含まれる。経口投与に好適な製剤は、水、生理食塩水、またはオレンジジュースなどの希釈剤に懸濁させた有効量の薬物封入ガゴマー(gagomer)粒子などの液体懸濁液;それぞれ所定量の有効成分を固体または顆粒として含有する、サシェ剤、ロゼンジ剤、およびトローチ剤;散剤、適当な液体中の懸濁液;および好適なエマルションからなり得る。液体製剤は、水およびアルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコール、およびポリエチレンアルコールなどの希釈剤を、薬学上許容される界面活性剤、沈殿防止剤、または乳化剤の添加を伴ってまたは伴わずに含んでよい。
組成物が丸剤または錠剤である場合、それは有効成分とともに、ラクトース、スクロース、またはリン酸二カルシウムなどの希釈剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;ならびにデンプン、アラビアガム、ゼラチン、ポリビニルピロリジン、セルロースおよびその誘導体などの結合剤を含有する。
錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微晶質セルロース、アラビアガム、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、保存剤、香味剤、薬学上許容される崩壊剤、湿潤剤、および薬理学的に適合する担体のうち1種類以上を含むことができる。
カプセル剤形態は、例えば、界面活性剤、滑沢剤、および不活性増量剤(ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、およびトウモロコシデンプンなど)を含有する、通常のゼラチン硬カプセル種または軟カプセル種であり得る。
ロゼンジ剤形態は、担体、通常にはスクロースおよびアラビアガムまたはトラガカントガム中の薬物封入ガゴマー粒子、ならびにゼラチンもしくはグリセリン、またはスクロースとアラビアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠を含有することができる。
任意の所与の患者に投与される本発明の医薬組成物中の有効成分の量は経験的に決定されなければならず、患者の病理学的状態によって異なる。最初に比較的少量の医薬組成物を投与し、有害な作用が示されなければ用量を着実に増やすことができる。当然のことながら、慣例の動物毒性試験において決定される最大安全毒性用量は決して超えてはならない。
本発明の範囲内の医薬組成物には、有効成分がその意図される目的を達成するために有効な量で含まれる、あらゆる組成物が含まれる。個々の必要は異なるが、各化合物の有効量の最適範囲の決定は当業者の範囲内である。投与する用量は、その個々のレシピエントの年齢、健康、および体重、ならびに任意の併用処置の性質および望まれる効果によって決まる。典型的な用量は0.01〜100mg/kg体重を含む。好ましい用量は約0.1〜100mg/kg体重の範囲である。最も好ましい用量は約1〜50mg/kg体重の範囲である。
実施例1
ポリマー共役脂質(Po−Ls)の調製
ヒアルロン酸共役ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(HyPE)
20.0gのヒアルロン酸を、撹拌および35℃で加熱しながら、770mlの0.1M MESバッファー(5N NaOHでpH=6.4に調整)に溶かした(溶液1)。2.00gのジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)を、DPPEの完全な溶解が達成されるまで撹拌および50℃で加熱しながら、750mlのtert−ブタノール(93%t−BuOH、7%水)と65mlの水の混合物に溶かした(溶液2)。
撹拌下で溶液1に溶液2を加え、2.00gのHOBTを加え、この混合物を30±5℃まで放冷した。20gのEDACを加え、溶解したところで(1〜2分)、この反応混合物を2リットルのRBフラスコに移した。
反応混合物を超音波槽で3時間音波処理した。この音波処理ステップが完了した際に、反応混合物を撹拌しながら室温で一晩維持した。
ヘマセル共役ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(HemPE)
Hem NHの調製
4gのヘキサンジアミンを400mlのHOに溶かした後、pH=6.0となるようにHClで滴定した。500mlの3.5%ヘマセルおよび2gのEDACを加えた。pHを滴定により3〜4時間6.0に維持し、反応を一晩放置した。翌朝、pHを6.0に調整し、0.5gのEDACを加え、反応を4時間続けた。この溶液をpH3.0〜4.0まで酸性化し、10kD Filtronで濾過した。
Hem−NHのグルタリル−PE(Glu−PE)への結合
200mgのGlu−PEをC/M:1/1に溶かし、この溶液を800mgのDCCで1.5時間活性化した。溶媒をローターバキュームで蒸発させた。1mlのDiDABと0.5mlのトリエチルアミンを含有する40mlのHOに溶かした1gのHem−Nhの溶液をすぐに加えた。反応を48時間進行させた。得られた溶液をDCM/MeOH/EtOHで洗浄して遊離のGlu−PEを除去した。水相を水に対して透析し、凍結乾燥させた。HO/MeOH:1/1に溶かし、イオン交換カラム(Amberlite IR 120)に通した。水に対して透析し、凍結乾燥させた。
リポソームの調製
公開されている手順(MacDonald et al., 1991)に従い、tert−ブタノールに溶かした、33モル%コレステロールを含む/含まない、DMPCまたは卵−PCなどの脂質から、単ラメラリポソームを調製し、凍結乾燥させ、tris−バッファーpH=7.4に懸濁させ、ポリカーボネートフィルターから押出し処理して、平均直径が50〜100nmの間にサイズ分画されるナノリポソームを得た。Po−L/脂質リポソームを得るために、押出しの前にこれらの脂質懸濁液をPo−L溶液(例えば、バッファー中のHyPEまたはHem−PE)と所望の比率で混合した。この混合ナノリポソームのサイズを動的光散乱により測定した。
結果
Po−L/脂質は、充填パラメーターが0.8(安定範囲=0.74〜1.0)で、健康組織への浸透を避けつつ、炎症組織の細胞間隙の選択的浸透に好適な100〜130nmのナノリポソームを形成する。図2は、PE−HyPEリポソームに関して最適な安定性を得るために必要とされる、リポソーム中の、HyPEに共役されたPEのモルパーセントを示し、これは充填パラメーター(PP)が1.0に近い(ただし、1より大きくはない)場合に得られる。
Po−L/脂質ナノリポソームのサイズは60℃で少なくとも27日間安定であった(データは示されていない)が、露出した脂質ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)ナノリポソーム(対照)のサイズは17日目までに増大し(図3)、20日目に縮小し始めた(データは示されていない)。1.6%HyPE−2、0.6%HyPE−5、Dex(5)−PE、Dex(40)−PE、Heta−PE、およびHem−PEを含むナノリポソームは全て、対照ナノリポソームよりも安定なナノリポソームサイズを持っていた(図3)。HyPE−2およびHyPE−5は、それらの共役中のヒアルロン酸とPEのモル比を表しているが、これはまたPE当たりのヒアルロン酸二糖単位の数として表すこともできる(表2)。
Figure 2014519493
−HA平均MW=50KD;**DSU=HyPE中のHA二糖単位(MW=379)
Po−L/脂質NLは、外部ホスホリパーゼA2(主要なPL加水分解酵素)による溶解に、対照(図4)またはPEG化(データは示されていない)ナノリポソームよりも著しく高い耐性を示した。さらに、Po−L/脂質ナノリポソームからの封入薬物の放出(37℃、血漿中で2日)は、in vitro実験(図5)およびin vivo実験(図6)の両方で、対照ナノリポソームからのものより有意に遅かった。
これらの結果は、Po−L/脂質NLが薬物の緩徐放出および標的化送達に好適であり、組成物の併用に優る利点を持ち得ることを示唆した。いくつかのPoSPLは抗炎症薬として開発されたものであり、従って、それらの使用は付加的な治療利益を提供し、多くの従前の研究で示されているように、天然、生分解性、非免疫原性かつ無毒なものから構成される。さらに、Po−Lは、異なる治療および器官標的化に使用されるように改質できる組成物のプラットフォームを提供する。
本発明の特定の特徴を本明細書に例示し記載してきたが、当業者ならば、今や多くの改変、置換、変更および等価物が想到できるであろう。よって、添付の特許請求の範囲は、このような改変および変更を全て、本発明の真の趣旨の範囲内にあるとして包含することが意図されると理解すべきである。

Claims (123)

  1. 脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれている、リポソーム。
  2. 前記リポソームがナノリポソームである、請求項1に記載のリポソーム。
  3. 前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層の内葉と外葉との両方に組み込まれている、請求項1に記載のリポソーム。
  4. 前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層の外層に組み込まれている、請求項1に記載のリポソーム。
  5. 前記リポソームが、その中に組み込まれた2種類以上のポリマー共役脂質を含む、請求項1に記載のリポソーム。
  6. 前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含む、請求項1に記載のリポソーム。
  7. 前記ポリマー共役脂質中の脂質とポリマー単位との比が2:4〜2:2000である、請求項6に記載のリポソーム。
  8. 前記ポリマーがヘマセルである、請求項1に記載のリポソーム。
  9. 前記ヘマセルがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項8に記載のリポソーム。
  10. 前記ポリマーが多糖である、請求項1に記載のリポソーム。
  11. 前記多糖が、グリコサミノグリカンである、請求項10に記載のリポソーム。
  12. 前記グリコサミノグリカンが、ヒアルロン酸である、請求項11に記載のリポソーム。
  13. 前記ヒアルロン酸が、約10〜50kDの平均分子量を有する、請求項12に記載のリポソーム。
  14. 前記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸である、請求項11に記載のリポソーム。
  15. 前記グリコサミノグリカンがデルマタン硫酸である、請求項11に記載のリポソーム。
  16. 前記グリコサミノグリカンがヘパリンである、請求項1に記載のリポソーム。
  17. 前記多糖がキトサンである、請求項10に記載のリポソーム。
  18. 前記キトサンが、グルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項17に記載のリポソーム。
  19. 前記多糖がアルギン酸である、請求項10に記載のリポソーム。
  20. 前記多糖がヘタスターチである、請求項10に記載のリポソーム。
  21. 前記多糖がデキストランである、請求項10に記載のリポソーム。
  22. 前記デキストランがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項21に記載のリポソーム。
  23. 前記脂質がリン脂質である、請求項1に記載のリポソーム。
  24. 前記リン脂質がホスファチジルエタノールアミンである、請求項23に記載のリポソーム。
  25. 前記リポソームが、第2のポリマー共役脂質をさらに含む、請求項1に記載のリポソーム。
  26. 前記第2のポリマー共役脂質がポリエチレングリコール(PEG)共役脂質である、請求項25に記載のリポソーム。
  27. 脂質二重層とグリコサミノグリカン(GAG)共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層に組み込まれている、リポソーム。
  28. 前記リポソームがナノリポソームである、請求項27に記載のリポソーム。
  29. 前記GAG共役脂質が前記脂質二重層の内葉と外葉との両方に組み込まれている、請求項27に記載のリポソーム。
  30. 前記GAG共役脂質が前記脂質二重層の外層に組み込まれている、請求項27に記載のリポソーム。
  31. 前記リポソームが、その中に組み込まれた2種類以上のGAG共役脂質を含む、請求項27に記載のリポソーム。
  32. 前記GAG共役脂質が、単一のGAGに共役された2種類以上の脂質を含む、請求項27に記載のリポソーム。
  33. 前記GAG中の脂質と二糖単位との比が2:4〜2:2000である、請求項27に記載のリポソーム。
  34. 前記GAGがヒアルロン酸である、請求項27に記載のリポソーム。
  35. 前記ヒアルロン酸が約10〜50kDの平均分子量を有する、請求項34に記載のリポソーム。
  36. 前記GAGがコンドロイチン硫酸である、請求項27に記載のリポソーム。
  37. 前記GAGがデルマタン硫酸である、請求項27に記載のリポソーム。
  38. 前記GAGがヘパリンである、請求項27に記載のリポソーム。
  39. 前記脂質がリン脂質である、請求項27に記載のリポソーム。
  40. 前記リン脂質がホスファチジルエタノールアミンである、請求項39に記載のリポソーム。
  41. 前記リポソームが第2のポリマー共役脂質をさらに含む、請求項27に記載のリポソーム。
  42. 前記第2のポリマー共役脂質がポリエチレングリコール(PEG)共役脂質である、請求項41に記載のリポソーム。
  43. 脂質二重層とポリマー共役脂質とを含み、前記ポリマー共役脂質は前記脂質二重層に組み込まれており、前記ポリマーがグリコサミノグリカンでない、リポソーム。
  44. 前記リポソームがナノリポソームである、請求項43に記載のリポソーム。
  45. 前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層の内葉と外葉との両方に組み込まれている、請求項43に記載のリポソーム。
  46. 前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層の外葉に組み込まれている、請求項43に記載のリポソーム。
  47. 前記リポソームが、その中に組み込まれた2種類以上のポリマー共役脂質を含む、請求項43に記載のリポソーム。
  48. 前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含む、請求項43に記載のリポソーム。
  49. 前記ポリマー共役脂質中の脂質とポリマー単位との比が2:4〜2:2000である、請求項48に記載のリポソーム。
  50. 前記ポリマーがヘマセルである、請求項43に記載のリポソーム。
  51. 前記ヘマセルがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項43に記載のリポソーム。
  52. 前記ポリマーが多糖である、請求項43に記載のリポソーム。
  53. 前記多糖がキトサンである、請求項52に記載のリポソーム。
  54. 前記キトサンがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項53に記載のリポソーム。
  55. 前記多糖がアルギン酸である、請求項52に記載のリポソーム。
  56. 前記多糖がヘタスターチである、請求項52に記載のリポソーム。
  57. 前記多糖がデキストランである、請求項52に記載のリポソーム。
  58. 前記デキストランがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項57に記載のリポソーム。
  59. 前記脂質がリン脂質である、請求項43に記載のリポソーム。
  60. 前記リン脂質がホスファチジルエタノールアミンである、請求項59に記載のリポソーム。
  61. 前記ポリマー共役脂質の脂質が前記リポソームの前記脂質二重層の脂質とは異なる、請求項43に記載のリポソーム。
  62. 前記リポソームが第2のポリマー共役脂質をさらに含む、請求項43に記載のリポソーム。
  63. 前記第2のポリマー共役脂質がポリエチレングリコール(PEG)共役脂質である、請求項62に記載のリポソーム。
  64. 混合リポソームを生成する方法であって、
    脂質をポリマーと共役させてポリマー共役脂質を形成するステップと、
    前記ポリマー共役脂質をリポソームと接触させて混合リポソームを生成するステップとを含む、方法。
  65. 前記ポリマー共役脂質をリポソームと接触させる前記ステップの前に、前記ポリマー共役脂質を単離するステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記リポソームが2種類以上のポリマー共役脂質を含む、請求項64に記載の方法。
  67. 前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含む、請求項64に記載の方法。
  68. 前記リポソームがナノリポソームである、請求項64に記載の方法。
  69. 前記リポソームが脂質二重層を含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層の内葉と外葉との両方に組み込まれている、請求項64に記載の方法。
  70. 前記リポソームが脂質二重層を含み、前記ポリマー共役脂質が前記脂質二重層の外葉に組み込まれている、請求項64に記載の方法。
  71. 前記リポソームが、その中に組み込まれた2種類以上のポリマー共役脂質を含む、請求項64に記載の方法。
  72. 前記ポリマー共役脂質が、単一のポリマーに共役された2種類以上の脂質を含む、請求項64に記載の方法。
  73. 前記ポリマー共役脂質中の脂質とポリマー単位との比が2:4〜2:2000である、請求項72に記載の方法。
  74. 前記ポリマーがヘマセルである、請求項64に記載の方法。
  75. 前記ヘマセルがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項74に記載の方法。
  76. 前記ポリマーが多糖である、請求項64に記載の方法。
  77. 前記多糖がグリコサミノグリカンである、請求項76に記載の方法。
  78. 前記グリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、請求項77に記載の方法。
  79. 前記ヒアルロン酸が、約10〜50kDの平均分子量を有する、請求項78に記載の方法。
  80. 前記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸である、請求項77に記載の方法。
  81. 前記グリコサミノグリカンがデルマタン硫酸である、請求項77に記載の方法。
  82. 前記グリコサミノグリカンがヘパリンである、請求項77に記載の方法。
  83. 前記多糖がキトサンである、請求項76に記載の方法。
  84. 前記キトサンがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項83に記載の方法。
  85. 前記多糖がアルギン酸である、請求項76に記載の方法。
  86. 前記多糖がヘタスターチである、請求項76に記載の方法。
  87. 前記多糖がデキストランである、請求項76に記載の方法。
  88. 前記デキストランがグルタリルリンカーを介して前記脂質に共役されている、請求項87に記載の方法。
  89. 前記脂質がリン脂質である、請求項64に記載の方法。
  90. 前記リン脂質がホスファチジルエタノールアミンである、請求項89に記載の方法。
  91. 前記リポソームが脂質二重層を含み、前記ポリマー共役脂質の脂質が前記脂質二重層の脂質とは異なる、請求項64に記載の方法。
  92. 第2の脂質を第2のポリマーと共役して第2のポリマー共役脂質を形成し、前記第2のポリマー共役脂質を前記混合リポソームと接触させるステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  93. 前記第2のポリマー共役脂質がポリエチレングリコール(PEG)共役脂質である、請求項92に記載の方法。
  94. 請求項64に記載の方法によって生成される混合リポソーム。
  95. 請求項1に記載のリポソームを含む組成物。
  96. 請求項27に記載のリポソームを含む組成物。
  97. 請求項43に記載のリポソームを含む組成物。
  98. 請求項1に記載のリポソームを含む薬物送達システム。
  99. 被験体に核酸を送達する方法であって、請求項1に記載のリポソームに封入された前記核酸を前記被験体に投与するステップを含む、方法。
  100. 前記核酸が治療目的で前記被験体に送達される、請求項99に記載の方法。
  101. 被験体において画像診断を実施する方法であって、前記被験体に請求項1に記載のリポソームに封入された診断薬を投与し、前記患者を撮像するステップを含む、方法。
  102. 被験体において病理学的状態を処置、阻害または抑制する方法であって、前記被験体に請求項1のリポソームを投与することを含む、方法。
  103. 前記病理学的状態が、癌である、請求項102に記載の方法。
  104. 前記癌が転移癌である、請求項103に記載の方法。
  105. 前記病理学的状態が新生物である、請求項102に記載の方法。
  106. 前記病理学的状態が感染症である、請求項102に記載の方法。
  107. 前記感染症が敗血症である、請求項106に記載の方法。
  108. 前記病理学的状態が閉塞性呼吸器疾患である、請求項102に記載の方法。
  109. 前記病理学的状態が皮膚科病理学的状態である、請求項102に記載の方法。
  110. 前記病理学的状態が嚢胞性線維症である、請求項102に記載の方法。
  111. 前記病理学的状態が結膜炎である、請求項102に記載の方法。
  112. 前記病理学的状態が炎症性腸疾患である、請求項102に記載の方法。
  113. 前記病理学的状態が神経系障害である、請求項102に記載の方法。
  114. 前記神経系障害が多発性硬化症である、請求項102に記載の方法。
  115. 前記リポソームが、前記病理学的状態を処置するための生体活性剤をさらに含む、請求項102に記載の方法。
  116. 前記病理学的状態が癌であり、前記生体活性剤が抗癌薬である、請求項115に記載の方法。
  117. 前記病理学的状態が細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、または寄生虫感染症であり、前記生体活性剤が抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬または抗寄生虫薬である、請求項115に記載の方法。
  118. 前記病理学的状態がプリオン感染症であり、前記生体活性剤がプリオン感染症を処置するために好適な生体活性剤である、請求項115に記載の方法。
  119. 前記薬物が、経口、静脈内、鼻腔内、眼内、筋肉内、皮下または局所投与される、請求項102に記載の方法。
  120. 前記リポソームが、炎症組織を標的とするポリマー−リポソーム共役の担体として機能する、請求項102に記載の方法。
  121. 前記ポリマー−リポソーム共役が抗炎症活性を有する、請求項102に記載の方法。
  122. 前記ポリマー−リポソーム共役が前記リポソームの安定性を高める、請求項102に記載の方法。
  123. 前記ポリマー−リポソーム共役が前記リポソームの半減期を延長する、請求項102に記載の方法。
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