JP2014516400A - 赤外線ガスバーナ - Google Patents

Abstract

赤外線ガスバーナであって、ライター弁体（１）と、ノズル（２）と、エゼクタ（３）と、炉室（４）と、多孔燃焼輻射板（５）と、パイロット針（６）とからなり、炉室（４）のキャビティ内にはパイロットノズル（７）が設置され、多孔燃焼輻射板（５）の下方のパイロットノズル（７）の上方は異物遮断板（８）を有し、多孔燃焼輻射板（５）の表面の上方にはパイロット針（６）が配置されることにより、パイロットノズル（７）から噴射される点火用燃料ガスが、速やかに炉室（４）内の空気と混合され、かつその上方の多孔燃焼輻射板（５）の炎孔から排出される。該混合気の燃料ガス濃度が比較的高くて着火濃度に適し、主バーナに容易に着火し、点火する際に黒煙が発生せず、明確な不完全燃焼が起きることなく、着火率が高い。本発明は、点火性能に優れ、信頼性が高く、構造が簡単でかつ安定で、取り付けが容易で、燃料ガスの適用範囲が広い利点を有する。

Description

本発明は、ガスバーナに関し、特に、家庭用赤外線ガスバーナの点火システムの改善に関する。

人々の生活水準の向上に伴い、家庭用ガスコンロ、アンカ、グリルなどのガス器具製品は広く普及している。赤外線ガスバーナは、省エネー、エコー、清潔衛生性、安全性などに優れた機能を有する製品であるため、多くの家庭消費者、商用業者および産業ユーザに使用されている。赤外線ガスバーナでは、高い１次空気比を用いるが、バーナの燃料ガスと１次空気を混合するための炉室のキャビティが広くて、バーナの炉室内の空気を真空引いてから正常に点火および燃焼することしかできないため、点火時に炎孔から逃げ出された燃料ガスと空気の混合気を、パルス火花放電または圧電点火で直接着火することが難しく、ノッキング現象が容易に発生する。通常、パイロットノズルによってパイロットバーナで主バーナを着火させる。さらに、家庭用赤外線ガスコンロ、特に埋込み式コンロに対して、コンロ表面の美観と気密性が要求されるため、パイロットバーナは、バーナ以外の箇所であるバーナ中心、底部または外部と言う赤外線主バーナの外部において、一定の仰角で上へ向かうように取付けられている。燃料ガスは、パイロットノズルにより引火ブラケットに進入して空気の一部と混合し、電気火花点火によって引火ブラケットで混合気を着火させて点火炎を形成し、点火炎が主バーナに放射されることにより、主バーナを着火させる。現在、市販のこのようなバーナの点火構造と作動については、以下のような欠陥が生じる。

（１） バーナ周囲の外部にあるパイロットバーナによりバーナ周辺からバーナに着火する方法では、バーナと受け皿またはコンロ表面との間に必ず一定の間隔を有するように設計され、そうでない場合は点火炎による主バーナへの着火に影響を及ぼす。このような構造は、製品の外観に大きく影響し、製品の競争力をなくし、市場価値をなくしている。さらに、引火炎ビームが大きいため、バーナ周囲の装飾板またはコンロの表面を黒くし、製品の外観に深刻な影響を与え、不完全燃焼が多く発生する。
（２）パイロットノズルをバーナの底部に配置するバーナ外部火炎着火方法では、バーナの中心通路により主バーナに着火し、パイロットバーナに点火した瞬間に、火炎が出て導火板に衝突することで、逆火が生じしやすく、パイロットノズルの前で燃焼され、主火口または主火板までに伝達できないため、点火不良またはノッキングを起こす。

（３）パイロットノズルをバーナの底部に配置するバーナ外部火炎着火方法では、中心通路により主バーナに着火する必要がある。中心通路の直径に限界があることで、点火炎の広がりに対して一定の抵抗がある。管網の燃料ガスの圧力が低い場合、点火炎は抵抗を克服して主火口に達することができないため不着火を起こす。管網の燃料ガスの圧力が高い場合、中心通路内の空気は、点火炎から発生するスモークによって即時に排出され、通路内で酸素が不足して火炎の広がりを規制する。
（４）パイロットノズルをバーナの底部に配置するバーナ外部火炎着火方法では、中心通路により主バーナに着火する。引火中心通路が狭いため、通常、点火炎が大きくて黒くて、明確な不完全燃焼が起きる。主バーナの燃料ガスと空気の混合気は、燃焼主火口の表面に到達して滞留した後、濃度が低く、点火された瞬間に着火できない場合、引火炎がバーナの底部に案内される。火炎の慣性により、引火炎は、燃焼主炎孔の表面または側面に維持されることができず、正常にバーナに点火することができない。

（５）パイロットノズルをバーナの底部に配置するバーナ外部火炎着火方法では、パイロットノズルおよび引火ブラケットの構造が複雑で、バーナの底部または中心通路の狭い空間に取り付けられることが難しく、取付けの安定性および精度が低く、製品の点火性能が悪くなる。
（６）点火火花によって赤外線燃焼輻射板上の表面で直接点火する点火方法では、赤外線バーナのキャビティの体積が大きく、燃料ガスと空気の混合気によって元のキャビティ内の空気の真空引きに要する時間が長く、かつ燃料ガス濃度が低く、点火が困難で、着火率が低く、特に、圧電点火時に、ほぼ正常に点火することが困難である。

そのため、現在、バーナ構造の設計を変更して、製品の見栄えをよくして点火を安定させることは、家庭用および商用赤外線ガスバーナ器具の製品設計、特に埋め込み式赤外線コンロの設計の技術的課題となる。

本発明の目的は、バーナの点火構造を改善し、製品の見栄えをよくしてバーナの点火安定性を確保し、燃焼性能に優れ、構造が簡単・安定で、かつ取付けが容易で、燃料ガスの適用範囲が広い新型赤外線バーナの点火集積構造を提供する。

上記目的を達成するために、本発明に係る赤外線ガスバーナは、ライター弁体（１）と、ノズル（２）と、エゼクタ（３）と、炉室（４）と、多孔燃焼輻射板（５）と、パイロット針（６）とからなり、パイロットノズル（７）は、炉室（４）を貫通して炉室（４）のキャビティ内に配置されるとともに多孔燃焼輻射板（５）の下方に位置する。炉室（４）内の多孔燃焼輻射板（５）の下方のパイロットノズル（７）の上方は異物遮断板（８）を有し、パイロットノズル（７）の上方の多孔燃焼輻射板（５）の上方はパイロット針（６）を有し、パイロット針（６）の針先は、多孔燃焼輻射板（５）の表面よりも１〜１０ｍｍの上方に位置する。パイロット針（６）は、炉室（４）のハウジングと点火回路を形成して炉室（４）のハウジングを点火用負極部とし、または独立した点火用負極部（９）を増設することができる。バーナがダブルリングバーナである場合、パイロット針（６）と異物遮断板（８）は、ダブルリングバーナの内リングに配置され、またはダブルリングバーナの外リングに配置されることができる。多孔燃焼輻射板（５）は、多孔セラミック輻射板、金属製網状燃焼輻射板、金属製繊維状燃焼輻射板、金属製ハニカム体燃焼輻射板、発泡金属製燃焼輻射板、金属製スクリーン状燃焼輻射板、または金属孔燃焼輻射板である。パイロット針（６）は、同時に不用意な消火の保護装置の炎イオン検出針として使用可能である。このように、ガスバーナに点火する時、ライター弁体（１）を起動し、パイロットノズル（７）およびノズル（２）により同時に給気する場合、パイロット針（６）は、多孔燃焼輻射板（５）の表面の上方に点火火花を発生する。パイロットノズル（７）が炉室（４）内に配置されるため、パイロットノズル（７）から噴射される点火用燃料ガスは、速やかに炉室（４）内の空気と混合し、該燃料ガスと空気の混合気は、その上方にある多孔燃焼輻射板（５）の炎孔から排出され、燃料ガスの濃度が比較的高くて着火濃度に適し、主バーナに速やかに着火することができる。点火炎の分散度および集中度が適切であるため、明確な不完全燃焼が起きることなく、黒煙が発生せず、着火率が高い。パイロットノズル（７）の上方にある多孔燃焼輻射板（５）の下方に配置される異物遮断プレート（８）により、ガスバーナが正常に使用されるとき、スープなどの異物が多孔燃焼輻射板（５）に浸透してパイロットノズル（７）を塞ぐことを防止する。パイロット針（６）は、不用意な消火の保護装置の炎イオン検出針として使用されるともに、点火火花を発生させるパイロット針としても使用される場合、パルスコントローラの回路設計により、点火初期にパイロット針（６）によって点火火花を放出させて、バーナに着火した後、即時にバーナの燃焼火炎信号を検出するための検出針に変換する。
本発明に係る赤外線ガスバーナは、家庭用ガスコンロ、ガスアンカ、ガスグリル、ガス乾燥装置などに適用されることができる。バーナの多孔燃焼輻射板（５）および炉室（４）の構造では、円形、方形、長方形または他の形状を使用してもよい。ダブルリングバーナの構造については、内リング構造を使用してもよく、左右が分離された構造を使用してもよい。長尺構造のバーナについては、２つ群以上の、パイロットノズル（７）、異物遮断板（８）およびパイロット針（６）からなる点火構造を、バーナ全体の点火システムとすることで、バーナが速やかに着火して火炎が速やかに燃焼表面の全体に広がることができる。

本発明は、点火性能に優れ、信頼性が高く、燃焼性能に優れ、構造が簡単かつ安定で、取り付けが容易で、燃料ガスの適用範囲が広い利点をもつ。

図１は、本発明の構造を示す正面断面図である。 図２は、本発明の独立した点火用負極部（９）の構造を示す平面図である。 図３は、本発明の炉室（４）のハウジングを点火用負極部とする構造を示す平面図である。 図４は、本発明のパイロットノズル（７）構造の一部拡大図である。 図５は、本発明によるバーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が内リングに配置される構造を示す正面断面図である。 図６は、本発明によるバーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が外リングに配置される構造を示す正面断面図である。 図７は、本発明によるバーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が外リングに配置されるときのパイロットノズル（７）構造の一部拡大された平面図である。 図８は、本発明によるバーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が内リングに配置されるときに、独立した点火用負極部（９）を有する構造を示す平面図である。 図９は、本発明によるバーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が外リングに配置されるときに、独立した点火用負極部（９）を有する構造を示す平面図である。 図１０は、本発明によるバーナの表面が組合せ形状で、パイロットノズル（７）、異物遮断板（８）およびパイロット針（６）からなる点火構造２つ群を有する場合を示す平面図である。 図１１は、本発明によるバーナの表面が組合せ形状で、パイロットノズル（７）、異物遮断板（８）およびパイロット針（６）からなる点火構造１つ群を有する場合を示す平面図である。 図１２は、本発明によるバーナの表面が長方形であるときの構造を示す平面図である。 図１３は、本発明によるバーナの表面が正方形であるときの構造を示す平面図である。 図１４は、本発明によるバーナの表面が台形であるときの構造を示す平面図である。

以下、本発明を、実施例に合せて詳しく説明する。
実施例１（図１、図２、図４）：
家庭用ガスコンロは、ライター弁体（１）と、ノズル（２）と、エゼクタ（３）と、炉室（４）と、多孔燃焼輻射板（５）と、パイロット針（６）とからなる赤外線ガスバーナを有している。パイロットノズル（７）は、炉室（４）を貫通して炉室（４）のキャビティ内に配置されるとともに多孔燃焼輻射板（５）の下方に位置する。炉室（４）内の多孔燃焼輻射板（５）の下方のパイロットノズル（７）の上方は異物遮断板（８）を有し、パイロットノズル（７）の上方の多孔燃焼輻射板（５）の上方はパイロット針（６）を有する。パイロット針（６）の針先は、多孔燃焼輻射板（５）の表面よりも３ｍｍの上方に位置し、かつ独立した点火用負極部（９）を設置する。パイロット針（６）と点火用負極部（９）とにより、点火回路が形成される。本実施例によるバーナは、シングルリングバーナである。多孔燃焼輻射板（５）は、多孔セラミック輻射板である。このように、ガスバーナに点火する時、ライター弁体（１）を起動し、パイロットノズル（７）およびノズル（２）により同時に給気されると、パイロット針（６）によって、多孔燃焼輻射板（５）の表面の上方に点火火花が発生する。パイロットノズル（７）が炉室（４）内に配置されるため、パイロットノズル（７）から噴射される点火用燃料ガスは、速やかに炉室（４）内の空気と混合し、該燃料ガスと空気の混合気は、その上方にある多孔燃焼輻射板（５）の炎孔から排出され、燃料ガスの濃度が比較的高くて着火濃度に適し、主バーナに速やかに着火することができる。点火炎の分散度および集中度が適切なので、明確な不完全燃焼が起きることなく、黒煙が発生せず、着火率が高い。パイロットノズル（７）の上方にある多孔燃焼輻射板（５）の下方に配置される異物遮断プレート（８）により、ガスバーナが正常に使用されるとき、スープなどの異物が多孔燃焼輻射板（５）に浸透してパイロットノズル（７）を塞ぐことを防止することができる。本発明は、点火性能に優れ、信頼性が高く、構造が簡単かつ安定で、取り付けが容易で、燃料ガスの適用範囲が広い利点をもつ。

実施例２（図１、図３、図４）：
実施例２では、パイロット針（６）の点火用負極部が炉室（４）のハウジングであること以外、実施例１と同様である。

実施例３（図１、図３、図４）：
実施例３では、パイロット針（６）の点火用負極部が炉室（４）のハウジングであり、パイロット針（６）は、不用意な消火の保護装置の炎イオン検出針として使用されながら、点火火花を発生させるパイロット針としても使用される。パルスコントローラの回路設計により、点火初期にパイロット針（６）によって点火火花が放出され、バーナに着火した後、パイロット針（６）は、バーナの燃焼火炎信号を検出するための検出針に即時に変換される。

実施例４（図５、図８、図４）：
実施例４では、バーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が内リングに収納されること以外、実施例１と同様である。

実施例５（図６、図９、図４、図７）：
実施例５では、バーナがダブルリングバーナで、パイロットノズル（７）が外リングに収納されること以外、実施例１と同様である。

実施例６（図１、図２、図４）：
実施例６では、多孔燃焼輻射板（５）が金属製網状燃焼輻射板であること以外、実施例１と同様である。

実施例７（図１０、図４）：
実施例７では、多孔燃焼輻射板（５）が組合せ形状の構造で、パイロット針（６）と、パイロットノズル（７）と、異物遮断板（８）とからなる点火システム２セットを有すること以外、実施例１と同様である。

実施例８（図１１、図１２、図１３、図14、図４）：
実施例８では、多孔燃焼輻射板（５）が組合せ形状、長方形、正方形および台形の構造であること以外、実施例１と同様である。

Claims (6)

1. ライター弁体（１）と、ノズル（２）と、エゼクタ（３）と、炉室（４）と、多孔燃焼輻射板（５）と、パイロット針（６）とからなる赤外線ガスバーナであって、
   パイロットノズル（７）は、炉室（４）を貫通して炉室（４）のキャビティ内に配置されるとともに多孔燃焼輻射板（５）の下方に位置し、
   炉室（４）内の多孔燃焼輻射板（５）の下方のパイロットノズル（７）の上方は、異物遮断板（８）を有し、パイロットノズル（７）の上方の多孔燃焼輻射板（５）の上方はパイロット針（６）を有し、パイロット針（６）の針先は、多孔燃焼輻射板（５）の表面よりも１〜１０ｍｍの上方に位置することを特徴とする赤外線ガスバーナ。
2. パイロット針（６）は、炉室（４）のハウジングと点火回路を形成して、炉室（４）のハウジングを点火用負極部とし、または、独立した点火用負極部（９）を増設することも可能であることを特徴とする請求項１に記載の赤外線ガスバーナ。
3. バーナがダブルリングバーナである場合、パイロット針（６）と異物遮断板（８）は、ダブルリングバーナの内リングに配置され、またはダブルリングバーナの外リングに配置されることを特徴とする請求項１に記載の赤外線ガスバーナ。
4. 多孔燃焼輻射板（５）は、多孔セラミック輻射板、金属製網状燃焼輻射板、金属製繊維状燃焼輻射板、金属製ハニカム体燃焼輻射板、発泡金属製燃焼輻射板、金属製スクリーン状燃焼輻射板、または金属孔燃焼輻射板であることを特徴とする請求項１に記載の赤外線ガスバーナ。
5. パイロット針（６）は、同時に不用意な消火の保護装置の炎イオン検出針として使用可能であることを特徴とする請求項１に記載の赤外線ガスバーナ。
6. 多孔燃焼輻射板（５）の外形は、円形、長方形、正方形、台形、またはこれらの形状の組合せであることを特徴とする請求項１に記載の赤外線ガスバーナ。