JP2014515118A - 自動車の防音トリム部品 - Google Patents

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Abstract

音響質量ばね特性を有する少なくとも1つの遮音領域を具える防音トリム部品であって、遮音領域は、少なくとも1つの質量層(A)と、質量層(A)に隣接したデカップリング層(3)と、を具え、質量層(A)は、多孔質繊維層(1)とバリア層(2)とからなり、バリア層(2)は、多孔質繊維層(1)とデカップリング層(3)との間に配置され、すべての層は、ともに積層され、少なくとも遮音領域の多孔質繊維層(1)は、放射周波数が、少なくとも3000Hzになるように調整された動的ヤング率(Pa)を有する。

Description

本発明は、車両内の防音用の自動車トリム部品に関するものである。
車両内のノイズ源は多数あるが、中でも、パワートレイン、ドライブライン、タイヤの接地面(路面により発生する)、ブレーキおよび風である。これらのノイズ源により車室内で発生するノイズは、比較的広い周波数範囲を有し、通常のディーゼル車およびガソリン車では、6.3kHzになりうる(この周波数超では、車両内のノイズ源からの放射音響パワーは、一般的に無視される)。車両ノイズは、一般的に低、中、および高周波数のノイズに分けられる。一般的に、低周波数ノイズは、50Hzから500Hzまでの周波数範囲をカバーするものとみなされ、「構造由来の(structure-borne)」ノイズに支配される。振動は、様々な構造経路を介して車室を包囲するパネルに伝達され、これらのパネルはノイズを車室自体の内部へ放射する。一方、一般的に高周波数ノイズは、2kHz超の周波数範囲をカバーするものとみなされる。高周波数ノイズは、一般的に、「気中浮遊(airborne)」ノイズに支配される。この場合、振動は、気中経路を介して、車室を包囲するパネルに伝達される。2つの影響が組み合わされるが、2つのうちのいずれも支配的ではない中間範囲が存在することを認識されたい。ここで、乗客の快適のために、低周波数範囲および高周波数範囲と同様に中間周波数範囲において防音することも重要である。
乗用車およびトラックのような車両内の防音のために、遮音材、ダンパーおよび吸音材を使用して、音を反射および消散し、全体的な内部音レベルを減少させることはよく知られている。
遮音は、従来、「質量ばね」バリア系によって得られ、それによって、質量要素は、通常厚層として設計される高密度の不浸透性材料によって形成され、ばね要素は、非圧縮のフェルトあるいは発泡体のような低密度材料の層によって形成される。
「質量ばね」という名称は、「質量」および「ばね」と呼ばれる2つの要素の組み合わせによって遮音を提供するバリア系を定義するものとして、一般的に使用される。部品あるいは装置は、その物理的挙動が質量要素およびばね要素の組み合わせによって表現可能な場合、「質量ばね」として作用するといわれている。理想的な質量ばね系は、主に、ともに結合された要素の機械的特性により、遮音材として機能する。
質量ばね系は、通常、車両内で鋼層上に、ばね要素が鋼と接触した状態で設けられる。全体的に見た場合、完全系(質量ばね+鋼層)は、二重の壁の特性を有する。挿入損失は、質量ばね系が鋼層上に設けられた場合、鋼層自体によって提供される遮音とは無関係に、質量ばね系の作用がどのくらい有効であるかを示す量である。それゆえ、挿入損失は、質量ばね系の遮音性能を示す。
質量ばね系を特徴付ける論理上の挿入損失曲線(dBで測定されたIL)は、特に、以下の特徴を有する。周波数範囲の大部分において、曲線は、周波数に伴ってほぼ線形に増加し、増加率は、約12dB/オクターブである。このような線形傾向は、入力音波に対する良好な遮音を保証するのに非常に有効であるとみなされる。このため、質量ばね系は自動車産業において広く用いられてきた。この傾向は、「質量ばね系の共振周波数」と呼ばれる所定の周波数値より上でのみ達成され、共振周波数では、系は遮音材として有効ではない。共振周波数は、主に、質量要素の質量に依存するとともに(質量が多いほど共振周波数は低い)、ばねの剛性に依存する(剛性が高いほど共振周波数は高い)。質量ばね系の共振周波数において、ばね要素は、下部構造の振動を質量要素に非常に効率的に伝達する。この周波数において、質量要素の振動は、下部構造の振動よりはるかに高いため、質量要素による放射ノイズは、質量ばね系がない場合の下部構造によって放射されるノイズよりはるかに高い。したがって、質量ばね系の共振周波数付近において、挿入損失(IL)曲線は最小値を有する。
音響バリアの遮音性能は、音響透過損失(TL)によって評価される。透過するノイズ強度を減少させるための音響バリアの能力は、バリアを形成する材料の性質に依存する。音響バリアの音響透過損失TLを制御する重要な物理的特性は、コンポーネント層の単位面積あたりの質量である。最高の遮音性能にとって、質量ばね系の厚層は、滑らか高密度の表面を有しノイズ波の反射を最大にし、無孔構造および所定の材料剛性を有し振動を最小にすることが多い。
典型的な従来の質量層は、高度に充填された高密度材料、例えばEPDM、EVA、PU、PPなどから作られる。これらの材料は、通常1000kg/m超の高密度と、ノイズ波の反射を最大化する滑らかな表面と、無孔構造と、振動を最小化する所定の剛性と、を有する。この視点から、薄いおよび/または多孔質構造の多くの織物が遮音に理想的でないことが知られている。
吸音は、通常多孔質層を用いて得られる。音響系の吸音性能は、吸音係数(無次元量)によって評価される。吸音材は、一般に、オープンな多孔質材料、例えばフェルトまたは発泡体から作られる。
吸音系および遮音系の両方は、それ自体では、最適に機能する周波数帯域幅は小さい。一般的に、吸音材は高周波数においてより良く機能し、一方、遮音材は低周波数においてより良く機能する。さらに、両方の系は現代車両における使用には準最適である。遮音材の有効性は、その質量に大きく依存し、質量が高いほど遮音材の有効性は高い。一方、吸音材の有効性は、材料の厚さに大きく依存し、材料が厚いほど有効性は高い。しかしながら、厚さおよび質量の両方は、近年、次第に制限されてきている。例えば、質量は車両の燃費に影響を与え、材料の厚さは車両の空間に影響を与える。
質量ばねタイプの一般の遮音材では、吸音は非常に劣っており、ゼロに近い。なぜなら、質量層の表面は、通常多孔質ではないためである。質量ばね系は、共振周波数周辺の狭帯域において目立つ吸音ピークを示すのみである。しかしながら、これは低周波数であり、吸音に関心のある中間および高周波領域ではない。
従来、音響快適さの同じレベルを維持しながら、その質量(重量)を減少させるように、車両の遮音を最適化する多くの試みがなされてきた。従来の質量ばね系で処理される車両において、この種の質量最適化の可能性は、主に厚層(heavy layer)によって表され、そのために、このような場合従来なされてきた最適化の試みは、厚層の質量を減少させることに集中していた。しかしながら、これらの試みは、厚層の質量が、特定の物理的な制限を越えて減少する場合、遮音系がもはや質量ばね系として機能しないこと、および、音響快適性が必然的に損なわれるということを示した。そのような場合、近年、音響快適性の損失を補償するために、追加の吸音材料を使用することが試されてきた。
従来、この課題を解決する1つの方法は、完全多孔質系を使用することにあった。しかしながら、多孔質吸音材の遮音性能は非常に低い。多孔質系では、IL曲線は周波数によってほぼ線形に増加するが、厚層のような不浸透性のバリア材料を使用するとき見られる12dB/オクターブではなく、約6dB/オクターブの増加率しか有さない。
上述の課題を解決するための他の慣行は、質量ばね系の上に吸音材料を配置することであった。この種の構成では、追加の材料が存在することによって、主に、防音系に吸音特性が追加されることが予想される。同時に、その同一の追加材料が系全体の質量を増大させるので、下部の質量ばね系の遮音にも明らかに影響を与えるということが予想される。
このタイプの製品は、しばしば、ABA(吸音材―バリア―吸音材)系と呼ばれる。大部分のABA系は、第1の吸音層としての発泡体またはフェルトと、例えば、後述する厚層材料の形のバリアと、質量ばね系のためのばね層として機能する吸音層と、から作られる。また、この吸音層は、通常フェルトまたは発泡体によって構成される。バリア層と、系が適用される構造に直接接触している吸音層とは、質量ばね系として機能しなければならず、上部の吸音層は、追加の吸音材として機能しなければならない。
経験に基づいて、追加の質量が質量ばね系の上部に配置されると、この種の追加の質量が系の遮音性能に明らかに影響を及ぼすと予想される。例えば、2kg/mの厚層を有する質量ばね系の上部に、250g/mの材料を追加すると、全体のILを約1dB増加させ、同一系の上部に500g/mの材料を追加すると、ILを2dB増加させる。1dB以上のIL増加は、通常、車室内の全体の防音に関連するとみなされる。1kg/mの厚層では、150g/mの材料を追加すると、1dBの影響が生ずる。
驚くべきことに、質量ばね系の上部に吸音層が追加され、バリアとして厚層を有するABA系が得られるとき、観察される系のILの増加が、追加された質量から予想されるものより著しく低いことが分かった。多くの場合、吸音層の追加は、系のILの減少にさえつながる。
ABA系の多くの用途において、400g/mから600g/mの面積質量を有する非常に柔らかいフェルト(一般に「羊毛」と称される)は、吸音上層として用いられる。この種の吸音材は、機械的に非常に柔らかい(その圧縮ヤング率は非常に低く、典型的には、標準空気の圧縮ヤング率より著しく低い)ので、系の遮音機能に積極的には関与しない。なぜなら、繊維と下部の厚層との間の結合は質量効果を提供するのに十分強くないためである。その結果、吸音材を追加しても系のILを増加させることはなく、系の遮音機能はデカップリング層上に配置された厚層の質量によってのみ決定される。非常に柔らかいフェルト材料(すなわち「羊毛」)は、一般の熱成形可能な繊維材料より高価で、通常質量ばね系の上部にパッチの形で適用される。この種の適用は手動で達成されなければならないので、高価な作業である。
あるいは、ABA系は、例えば、厚層の上部に500g/mから2000g/mの面積質量を有する従来の熱成形可能なフェルトを成形または接着することによって得られ、吸音材として機能することができる。予想外なことに、この場合、上部の吸音層を適用すると、下部の質量ばね系の遮音性能にマイナスの影響を及ぼし、そのIL曲線を悪化させることが判明した。この種の悪化は、厚層および吸音上層によって形成される系のノイズ放射によって生じる。事実、放射周波数と呼ばれる特定の周波数が存在し、この周波数において、振動は厚層によって上部の吸音層に非常に効率的な方法で送信され、上部の吸音層にノイズを放射させる。放射周波数では、上部の吸音層の上面は、下部の厚層よりはるかに多く振動する。この効果のため、ABA系の挿入損失は、放射周波数周辺の周波数範囲において大きく低下する。この周波数範囲において、ABA系のILは、それが得られる質量ばね系のILより低い。このようにして、音響機能(上部に追加された吸音材を介しての吸音)の追加は、系の元の機能(すなわち遮音)を著しく悪化させる。厚層および上部の多孔質層によってともに形成される系の音響放射は、系の遮音を悪化させるが、この場合は、従来技術では考慮されなかった。
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消し、車両の防音にとって重要な周波数範囲にわたって作用する防音トリム部品を得ることにある。本発明の目的は、特に、防音に用いられる質量を最適化することにある。
本発明の目的は、請求項1に記載の防音トリム部品によって達成され、この防音トリム部品は、音響質量ばね特性を有する少なくとも1つの遮音領域を具える防音トリム部品であって、遮音領域は、質量層と、質量層に隣接したデカップリング層と、を少なくとも具え、質量層は、多孔質繊維層とバリア層とからなり、バリア層は、多孔質繊維層とデカップリング層との間に配置され、すべての層は、ともに積層され、少なくとも遮音領域の多孔質繊維層は、少なくとも約、
Figure 2014515118
の動的ヤング率(Pa)を有するように調整され、AWbは、バリア層の面積質量(g/m)であり、AWpは、多孔質繊維層の面積質量(g/m)であり、tpは、多孔質繊維層の厚み(mm)であり、νは、放射周波数(Hz)であり、放射周波数νは、少なくとも3000Hzであり、バリア層は、少なくとも400g/mの面積質量を有する。
車室にとって、800Hzから3000Hzの周波数範囲は、遮音トリム部品が最も効果的である領域である。理想的な質量ばね系は、12dB/オクターブの増加率を有するIL曲線を示す。質量層において使用される実際の質量のみが、得られた全体の遮音を決定する。ABA系を用いてこの同じ増加率を得るために、放射周波数νは、対象の周波数範囲の周波数上限を上回らなければならず、この場合、少なくとも3000Hz超であり、好ましくは4000Hz超であり、より好ましくは5000Hz超である。ただし、上限は用途に依存する。
驚くべきことに、多孔質繊維層を構成している材料の動的ヤング率と放射周波数との間に関係があることが判明した。この関係は、多孔質繊維層の面積質量および厚みと、バリア層の面積質量と、にパラメータ的に依存する。下部の質量ばね系の全体の遮音性能を悪化させないために放射周波数が十分に高い、好ましくは少なくとも3000Hz超の多孔質繊維層の材料を使用するために、動的ヤング率Eは、少なくとも、約
Figure 2014515118
でなければならない。これは、例えば、材料、材料の面積質量、材料の厚み、および、必要な圧縮のレベルの適切な選択によって達成可能である。すべての材料が、必要なヤング率を達成するというわけではない。
多孔質繊維層を構成している材料の動的ヤング率を、請求項にて規定したように、放射周波数が対象の周波数範囲外に存在するのに必要な最小のヤング率を上回るように調整することによって、12dB/オクターブの増加率が、系のIL曲線において得られる。このようにして、本発明によるABA系のIL曲線は、下部の質量ばね系のIL曲線と質的に同様の挙動を示す。同時に、本発明によるABA系のIL曲線が下部の質量ばね系のIL曲線より高いこともまた観察され、この違いは、多孔質繊維層の追加の質量によるものである。このように、多孔質繊維層は系の遮音機能に関与し、バリア層および多孔質繊維層からなる質量層の完全な質量可能性はトリム部品の遮音特性のために用いられる。同時に、調整されたヤング率を有する多孔質繊維層は、吸音特性を維持する。
本発明では、本発明のヤング率を有する多孔質繊維層の形態での吸音上層は、質量ばね効果に積極的に関与する材料の量を増加させる。
本発明のABAを用いて、任意の特定の車両用途、特に、内部ダッシュまたは床仕上げ材のためのトリム部品を調整することができる。調整は、例えば同じ総重量でより良好な遮音性能を得られるという性能の観点、または、例えばより軽量で同じ全体的遮音性能を得られるという質量の観点で得られる。
冒頭で説明した質量ばね系の共振周波数と、本発明において説明した、上部の多孔質繊維層およびバリア層によって形成される質量層の放射周波数とは、種々の独立した影響をIL曲線に与える。両方は、本発明による多層のIL曲線に現れ、遮音性能に悪影響を与え、IL曲線に下落を発生させる。しかし、2つの下落は、通常、IL曲線の2つの別個の領域にて観察される。検討されているタイプの多層では、質量ばねの共振周波数は、通常、200Hzから500Hzの範囲で観察され、質量層の放射周波数は、約800Hz超の範囲で観察される。明確にするために、2つの異なる用語「共振」周波数および「放射」周波数を使用して、2つの異なる周波数を区別する。
表面全体にABAタイプの構成を有するトリム部品を作ることは可能であるが、異なる音響機能(例えば、吸音のみ、遮音のみ)に専用の異なる領域を有する、または、複合領域を有するトリム部品を有することも可能である。
本発明の好適なトリム部品は、遮音領域および吸音領域の両方が、車両の防音を微調整するのに必要であるという考えに基づく。遮音領域および吸音領域の両方ために、トリム部品の全領域にわたって同一の多孔質繊維層を用いることによって、トリム部品において、好ましくは個別の領域において、両方の機能を統合することができる。当業者は、経験から、どの領域がどんなタイプの音響機能を必要とするかを知っており、この知識を用いて、同時に、1つの部品に少ない数の材料を用いて、部品を供給することができ、ニーズに従って部品を設計することができる。本発明のトリム部品は、少なくとも1つの吸音領域および1つの遮音領域を有するが、各音響機能(遮音または吸音)当たりの領域の実際数または領域のサイズは、部品および部品の使用位置に応じて、および、大事なことに、実際の要件に応じて異なりうる。
吸音領域は、主に吸音材として機能するトリム部品の領域として定義される。
遮音領域は、少なくとも良好な遮音材として機能するトリム部品上の領域として定義される。
多孔質繊維層
フェルトまたは不織布のような多孔質繊維様材料を、吸音部品の構造のために使用することは、特にABA系の上部の吸音材の場合周知である。繊維層が厚いほど、吸音は良好である。しかしながら、遮音性能全体の吸音上層の負の影響は、従来技術において周知ではなく、特に、どのように多孔質繊維層の特性を調整し、遮音に対するこの負の影響を回避し、遮音目的のために多孔質繊維層の質量を完全に利用するべきかについては周知ではない。
驚くべきことに、多孔質繊維層の動的ヤング率が、以下の通り、多孔質繊維層およびバリア層によって形成される質量層の放射周波数に関連することが判明した。
Figure 2014515118
(式1)
ここで、Eは、多孔質繊維層を構成している材料の動的ヤング率(Pa)であり、νは、放射周波数(Hz)であり、AWbは、不浸透性のバリア層の面積質量(kg/m)であり、AWpは、多孔質繊維層の面積質量(kg/m)であり、tpは、多孔質繊維層の厚み(m)である。この関係によれば、多孔質繊維材料の動的ヤング率の適当な値によって、対象の周波数範囲外の放射周波数を有するトリム部品の設計が可能になり、したがって、対象の周波数範囲における挿入損失に影響を与えない。特に、多孔質繊維層の動的ヤング率が、ν0=3000Hzのとき、
Figure 2014515118
によって定義される最小値より高い場合、質量ばね系の放射周波数は、車両内、特に車室内のトリム部品の用途の対象の周波数範囲を上回るように現れる。
特に質量ばね系から所定の質量が必要とされるとき、車両内の遮音のための対象の周波数範囲は、ほとんどの場合、最高3000Hzであるが、周波数範囲は、実際の用途およびノイズレベル要件に応じて、4000Hzまで、または、5000Hzまでになりうる。例えば、遮音が3000Hzまでの周波数範囲において必要であるとき、ν0は3000Hzに等しくなければならず、結果として、動的ヤング率は少なくとも
Figure 2014515118
でなければならない。ここで、AWbは、不浸透性の質量層の面積質量(g/m)であり、AWpは、多孔質繊維層の面積質量(g/m)であり、tpは、多孔質繊維層の厚み(mm)である。この式は、繊維材料がもはや容易に圧縮不可能なときの高い動的ヤング率を与える。
本発明のトリム部品は、デカップリング層および質量層を具え、質量層は、少なくとも
Figure 2014515118
の動的ヤング率を有する多孔質繊維層と、少なくとも400g/mの面積質量AWb(g/m)を有する不浸透性のバリア層と、から構成される。
すべての層がともに積層され、1つの部品を形成すると、このトリム部品は、約12dB/オクターブの増加率を有する音響質量ばね系と等価であり、バリア層および多孔質繊維層の複合面積質量の質量に従うILを有する。
さらに、多孔質繊維層は、ABA系を導入する最初の理由であった吸音機能を追加し、この吸音機能は、不浸透性の材料のみから構成された質量層を有する従来の質量ばね系では利用することができない。多孔質繊維層のヤング率の調整のおかげで、多孔質繊維層およびバリア層の放射周波数は、対象の周波数範囲を上回り、系の全体の遮音性能をもはや妨げない。
従来技術で見られるABA系と比較して、本発明は上層、すなわち、多孔質繊維層が、吸音機能に加えて、系の遮音機能に積極的に関与するという事実において異なる。これは、式(1)で示され、実施例にて説明されたように、多孔質繊維層の材料特性の適切な選択および材料設計に基づいてのみ可能である。
多孔質繊維層は、任意の種類のフェルトとすることができる。多孔質繊維層は、天然繊維および/または合成繊維を含む熱成形可能な繊維材料から形成することができる。フェルトは、再生コットンのようなリサイクルされた繊維材料や、ポリエステルのような他の再生繊維から作られることが好ましい。
通常、繊維材料はブランクで、すなわち、繊維がともに集められた半仕上げの製品で製造される。ブランクは、均質であると適切に近似される。ブランクは、初期厚さを有する材料シートから構成され、面積質量に特徴を有している。なぜなら、繊維は領域に均一に分布するためである。ブランクが、例えば圧縮により形成されると、最終形状が想定される。最終的に、ある厚さを有する層が得られる。面積質量、すなわち、単位面積当たりの材料の質量は、形成工程後維持される。同一のブランクから、圧縮のレベルに応じて、複数の最終的な厚さが得られる。
繊維材料の動的ヤング率は、複数のパラメータに依存する。第一は、材料自体の特性、すなわち、材料組成、繊維の種類と量、結合材の種類と量等である。さらに、同一の繊維処方に対して、動的ヤング率は、層の厚さに関連する材料の密度に依存する。それゆえ、所定の組成のフェルトに対して、種々の厚さで動的ヤング率を測定し、その結果として種々の値が想定され、厚さが減少すると通常動的ヤング率は増加する(同一の初期ブランクに対して)。
繊維フェルト材料は、結合繊維として、あるいは、樹脂材料、例えば、熱可塑性または熱硬化性の高分子の結合材料を含むことが好ましい。少なくとも30%のエポキシ樹脂、あるいは、少なくとも25%の複合結合繊維が好ましい。本発明の多孔質繊維層を達成する他の結合繊維あるいは結合材料も可能であり除外されない。多孔質繊維層材料は、ニードリングプロセスまたは材料の動的圧縮剛性を増加させる任意の他のプロセスによって得られる。
多孔質繊維層の面積質量が500g/mから2000g/mであることが好ましく、800g/mから1600g/mであることがさらに好ましい。
さらなる制約は、通常、音響トリム部品が設置可能な車内の利用できる空間である。この制約は、通常、自動車メーカーによって与えられ、最大20mmから25mmの範囲である。トリム部品の全層は、この空間を共有しなければならない。それゆえ、多孔質繊維層の厚さは、1から10mmであることが好ましく、1mmから6mmであることがさらに好ましい。これにより、デカップリング層のための十分な空間が残される。特に、デカップリング層は、厚さが変化し、車内の利用できる空間に適用しなければならない部品の三次元形状に従うことができる。
従来技術では、高圧縮領域が、ケーブルあるいは装着具用に必要な、トリム部品の穴の周囲に存在する。穴という音響的な弱点が、穴の付近における遮音特性を低下させるため、これらの高圧縮領域は、通常、遮音に使用されない。
バリア層
多孔質繊維層とデカップリング層との間の質量層は、理想的な音のバリアとして機能するために、不浸透性(空気不浸透性)でなければならない。バリア層が空気不浸透性である場合だけ、調整されたヤング率を有する多孔質繊維層は、バリア層とともに、ばね質量系のための質量層として機能する。実施例では厚層が与えられるが、代わりの不浸透性の質量バリア材料を用いることもできる。
厚層が不浸透性のバリア層として用いられる場合、厚層の厚みは、0.2mmから5mmであることが好ましく、0.8mmから3mmであることがより好ましい。不浸透性の質量層の面積質量は、少なくとも0.4kg/mであり、0.5kg/mから2kg/mであることが好ましい。しかしながら、不浸透性のバリア層の質量の選択は、多孔質繊維層およびバリア層によってともに形成される質量層の設計に関連する。
不浸透性のバリア層は、熱硬化プラスチックを含む高充填密度材料から作ることができ、熱硬化プラスチックは、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマ/ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)または前述の任意の組合せを含む。
バリア材料の選択は、多孔質繊維層およびデカップリング層に依存し、全層をともに結合する積層体を形成することができなければならない。また、噴霧または接着される材料を用いることもできる。しかしながら、トリム部品の結合後および/または形成後、質量バリアは、最終製品において空気に対して不浸透性でなければならない。
必要に応じて、フィルム、粉末または液体スプレーの形態の接着層を、周知のように用いて、バリア層を、多孔質繊維層またはデカップリング層と積層することができる。
トリム部品の複合領域
通常、車室内の音圧レベルを低減するために、車両において、音響トリム部品によって提供される遮音と吸音のバランスがよいことが必要である。種々の部品が種々の機能を有する(例えば、遮音はダッシュ内部で提供可能であり、吸音はカーペットで提供可能である)。しかしながら、現在の傾向は、1つの領域で、音響機能のより洗練された細分化を達成し、広範囲の音響性能を最適化することにある。例えば、ダッシュ内部を2つの部分に分割し、一方は高い吸音を提供し、他方は高い遮音を提供する。一般的に、ダッシュの低い部分は遮音により適している。なぜなら、エンジンおよび前輪からのノイズは、この低い領域を通るためである。一方、ダッシュの高い部分は吸音により適している。なぜなら、遮音は車の他の要素、例えば、計器パネルによってすでに提供されているためである。さらに、計器パネルの後ろ側は、計器パネル自体の後ろに隠れた上部ダッシュの部品を通って来る音波を反射する。これらの反射音波は、吸音材料を用いて効果的に低減することができる。車の他の音響部品に対しても、同様のことが考えられる。例えば、床に関して、遮音はフットウェル領域およびトンネル領域で主に使用され、一方、吸音は、前の座席の下部および後ろの床板で主に使用される。
異なる局所要件は、主に吸音特性を有する少なくとも1つの領域(吸音領域)と、音響質量ばね特性を有する少なくとも1つの他の領域(遮音領域)と、を有する領域において分割された遮音トリム部品によってカバーすることができ、吸音領域は、少なくとも1つの多孔質繊維層を具え、遮音領域は、少なくとも1つの質量層と、デカップリング層と、からなる。本発明によれば、質量層は、少なくとも3000Hz超の対象周波数の外側の放射周波数を有するように調整された動的ヤング率を有する多孔質繊維層と、少なくとも400g/mを有するバリア層と、からなる。吸音領域のために、同じ多孔質繊維層を用いることができる。従って、多孔質繊維層は、吸音領域と遮音領域とで共有され、遮音領域の第1の部分は、少なくとも3000Hz超の放射周波数を有するように調整されたヤング率を有し、吸音領域の他の部分は、最大の吸音のために最適化される。一般に、多孔質繊維層の厚みは、遮音領域においてより吸音領域において大きい。
吸音領域の多孔質繊維層の空気流抵抗(AFR)は、好ましくは300Nsm−3から3000Nsm−3であり、より好ましくは400Nsm−3から1500Nsm−3である。AFRが高いと、吸音により良い。しかしながら、AFRは、厚みの増加と共に減少するので、8mmから12mmの厚さに対して、400Nsm−3から1500Nsm−3であることが好ましい。
追加の吸音層および/またはスクリム層を、吸音領域に局所的にまたは基本的にトリム部品全体の上に追加の層として追加すると、吸音をさらに強化することができる。追加の層は、多孔質繊維層および/または追加のスクリム層に用いられたのと同一類似のフェルト材料の形態とすることができる。
吸音領域および遮音領域に隣接して、遮音領域と吸音領域の間、または、部品の端周辺の領域を形成する中間領域も存在する。これらの領域は、主に一種の中間ゾーンを形成する処理条件のため、吸音領域または遮音領域として識別するのが容易ではない。中間ゾーンは、厚みを変え、吸音ゾーンの方向に増加し、それゆえ、良好な吸音材と悪くない遮音材として機能する。
他の種類の中間領域が、局所的に存在し、車内で利用可能な空間に整合しなければならない部分の三次元形状に従うことができる。従来技術では、高圧縮領域が、ケーブルまたは装着具用に必要な、トリム部品の穴の周囲に存在する。穴という音響的な弱点が、穴の付近における遮音特性を低下させるため、これらの高圧縮領域は、通常、遮音に使用されない。
デカップリング層
デカップリング層として、従来の音響質量ばね系のばね層に使用された通常の材料を、本発明のトリム部品では、同一の原理に従って用いることができる。デカップリング層は、クローズタイプおよびオープンタイプを含め、任意のタイプの熱可塑性および熱硬化性の発泡体、例えば、ポリウレタンフォームから形成することができる。デカップリング層は、繊維材料、例えば、天然繊維および/または合成繊維を含む熱成形可能な繊維材料から形成することもできる。デカップリング層は、100kPa未満の非常に低い圧縮剛性を有することが好ましい。デカップリング層は、多孔質あるいはオープンな有孔性であり、ばね効果を高めることが好ましい。最適な効果を得るために、原則として、デカップリング層は、バリア層に、部品の全表面にわたって貼り付けられるべきであるが、製造技術により、非常に局所的にしか貼り付けられない場合があってもよい。部品は、音響質量ばね系として全体的に機能すべきであるので、デカップリング層が結合していない小さい局所的な領域は、全体的な防音効果を害することはない。
デカップリング層の厚さを最適化することができるが、厚さは車内の空間的制約に大きく依存する。厚さは、部品の領域にわたって変化して、車内の利用可能な空間に合わせられることが好ましい。厚さは、通常、1mmから100mmであり、大部分の領域で5mmから20mmである。
追加のスクリムを、多孔質繊維層の上部に設け、吸音を強化し、および/または、下部の層を例えば水等に対して保護することができる。追加の吸音材料を、繊維の多孔質層の上部に少なくとも部分的に設け、さらに吸音特性を強化することができる。追加の層の面積質量は、500g/mから2000g/mであることが好ましい。
吸音層は、任意のタイプの熱可塑性および熱硬化性の発泡体、例えば、ポリウレタンフォームから形成することができる。しかしながら、吸音目的のために、発泡体はオープンな有孔性および/または多孔質であり、従来知られている吸音の原則に従って音波の入力を可能にしなければならない。吸音層は、繊維材料、例えば、天然繊維および/または合成繊維を含む熱成形可能な繊維材料から形成することもできる。吸音層は、多孔質繊維質量層と同種類の材料から形成することができるが、好ましくはより上位(lofty)であり、遮音特性の干渉を防止するべきである。吸音層の空気流抵抗(AFR)は、少なくとも200Nsm‐3であることが好ましく、500Nsm‐3から2500Nsm‐3であることがより好ましい。複数の吸音層を有する吸音系を、多孔質繊維層の上部に設けることもできる。
また、追加のスクリムを、吸音材料または多孔質繊維層の上部に設け、吸音性能をさらに高め、および/または、水等に対して下部の層を保護することもできる。スクリムは、薄い不織布であり、厚さは0.1mmから約1mmであり、好ましくは0.25mmから0.5mmである。スクリムの空気流抵抗AFRは、500Nsm‐3から3000Nsm‐3であることが好ましく、1000Nsm‐3から1500Nsm‐3であることがさらに好ましい。それによって、スクリムと下部の吸音層とは、AFRが異なり、吸音性能を向上させることができる。好ましくは、スクリムのAFRは、多孔質繊維層のAFRと異なる。
スクリム層の面積質量は、50g/mから250g/mであり、80g/mから150g/mであることが好ましい。
スクリムは、連続繊維、短繊維(ステープルファイバ)、繊維混合物から作ることができる。繊維は、メルトブロー法あるいはスパンボンド法によって作ることができる。それらは天然繊維と混合することもできる。スクリムは、例えば、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、繊維混合物、例えば、ポリエステルとセルロースの混合物、ポリアミドとポリエチレンの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物から作られる。
本発明の特徴は、添付図面を参照して、以下の好適実施形態を非制限的な令として用いて説明することにより、明らかになる。
製造方法
本発明のトリム部品は、従来一般的に知られている冷間成形法および/または熱間成形法を用いて製造可能である。例えば、バリア層の有り無しの多孔質繊維層を形成し、本発明に従って調整された所望の動的ヤング率特性を有する材料を得るとともに、同時に、必要な次元の形状での部品を形成することができる。次のステップとして、デカップリング層を射出成形で成形可能であり、発泡層あるいは繊維層をバリア層の後ろ側に追加することができる。
機械的剛性および圧縮剛性の定義ならびに測定
機械的剛性は、材料が外部応力の励起(excitation)に与える反応に関連している。圧縮剛性は、圧縮励起に関連し、曲げ剛性は、曲げ励起に関連している。曲げ剛性は、与えられた曲げモーメントを結果として生ずる偏位に関連付ける。一方、圧縮剛性および垂直剛性は、与えられた垂直抗力を結果として生ずる歪に関連付ける。等方性材料から作られた均質平板にとって、それは、材料の弾性率Eおよび平板の表面Aを有する製品である。
等方性材料から作られた平板では、圧縮剛性および曲げ剛性の両方は、材料のヤング率に直接関連し、一方を他方から計算することができる。しかしながら、材料が非等方性の場合、大部分のフェルトはそうであるが、曲げ剛性は面内材料のヤング率に主に関連し、圧縮剛性は面外ヤング率に主に関連するため、説明した関係はもはや適用されない。それゆえ、一方を他方から計算することができない。さらに、圧縮剛性および曲げ剛性の両方は、静的状態あるいは動的状態において測定可能であり、原則として、静的状態および動的状態において異なる。
材料層の放射は、その面に直交する方向に層が振動することに起因し、材料の動的圧縮剛性に主に関連している。多孔質材料の動的ヤング率は、リーターオートモーティブAG社が市販している装置「Elwis‐S」によって測定され、サンプルは圧縮応力によって励起される。Elwis‐Sを用いた測定は、例えば、BERTOLINI等による以下の文献に記載されている。
「Transfer function based method to identify frequency dependent Young's modulus, Poisson's ratio and damping loss factor of poroelastic materials」Symposium on acoustics of poro-elastic materials (SAPEM), Bradford, Dec. 2008
この種の測定は一般的に多孔質材料にはまだ使用されていないので、公式なNEN基準あるいはISO基準は存在しない。しかしながら、他の類似の測定系が知られており、詳細には、LANGLOIS等による以下の文献に記載された類似の物理的原理に基づいて使用されている。
「Polynomial relations for quasi-static mechanical characterization of isotropic poroelastic materials」J. Acoustical Soc. Am. 2001, vol.10, no.6, p.3032‐3040
静的方法で測定されたヤング率と、動的方法で測定されたヤング率と、の間の直接的な相関関係は、単純ではなく、大部分の場合無意味である。なぜなら、動的ヤング率は、所定の周波数範囲(例えば、300Hz〜600Hz)にわたって測定され、静的ヤング率の値は、0Hzの制限された場合に対応し、動的測定から直接得られないためである。
本発明では、圧縮剛性は重要であり、従来技術で通常使用される機械的剛性は重要ではない。
その他の測定
空気流抵抗は、ISO9053に準拠して測定された。
面積質量および厚さは、従来知られている標準的な方法で測定された。
構造の透過損失(TL)は、遮音の基準である。透過損失は、デシベルで表現され、構造に入射する音響パワーと、構造を透過して受信側に伝達される音響パワーと、の比として定義される。音響部品を備えた自動車構造の場合、透過損失は、部品の存在だけではなく、部品が設けられる鋼構造にも依存する。自動車の音響部品の吸音特性を、部品が設けられる鋼構造とは無関係に評価することが重要であるので、挿入損失が導入される。構造上に設けられる音響部品の挿入損失(IL)は、音響部品を備えた構造の透過損失と、構造だけの透過損失と、の差として以下のように定義される。
Figure 2014515118
挿入損失および吸音係数はSISABを使用してシミュレーションされた。SISABとは、伝達行列法に基づいた、音響部品の音響性能の計算用の数値シミュレーションソフトウェアである。伝達行列法は、層状媒体中の音響伝播をシミュレーションするための方法であり、例えば、BROUARD B.等による以下の文献に記載されている。
「A general method for modelling sound propagation in layered media」Journal of Sound and Vibration. 1995, vol.193, no.1, p.129‐142
遮音領域および吸音領域を有する内部ダッシュトリム部品の実施例を示す。 本発明のトリム部品の材料の概略的な配置を示す。 本発明のトリム部品の材料の概略的な配置を示す。 本発明のトリム部品の材料の概略的な配置を示す。 本発明のトリム部品の材料の概略的な配置を示す。 サンプルA〜Dの挿入損失曲線のグラフを示す。 サンプルA〜Dの吸音曲線のグラフを示す。 多孔質繊維層の面積質量および厚みに関する動的ヤング率のグラフを示す。
図1は、遮音および吸音を最適に折衷するために、異なる音響機能を有する2つの別個の領域を備えた内部ダッシュ部品の一例を示す。一般的に、エンジンおよび前輪から下部領域を通って来るノイズ経路はより遮音に関連しているため、内部ダッシュ部分の下部(I)は遮音により適している。一方、他の要素、例えば、計器パネルによってすでにある程度遮音されているため、ダッシュの上部(II)は吸音により適している。これらの領域の間で、パッケージング空間が最小である領域または厳しく制限された3次元形状の領域において、例えば、デカップリング層の悪化または吸音層として機能すべき高い(lofty)層の圧縮のいずれかのために、実際の音響特性を識別することが、通常、不可能である。
内側ダッシュトリム部品全体のためのより良好な防音を達成するために、部品全体は、以下のように、異なる特徴的な領域を有して形成可能である。
1.遮音領域(I)は、不浸透性のバリア層と、調整された動的ヤング率を有する多孔質繊維層の第1部分と、デカップリング層と、を組み合わせることによって形成され、本発明による代替のABA系を形成し、質量ばね系のための単一の質量層としてともに機能している2つの上層の総質量が利用され、多孔質繊維層は、吸音特性を追加するとともに直接的な音反射を防止する。
2.吸音領域(II)は、遮音用に調整されない多孔質繊維層の部分によって形成可能である。
このように、図示の内部ダッシュのトリム部品の領域Iは、本発明による代替のABA系を含む。領域IIは、周知の標準的な吸音材として機能している多孔質繊維層を含む。
図2は、本発明によるトリム部品の概略断面を示す。質量層Aは、本発明によるバリア層2と多孔質繊維層1との組合せからなり、ばね層Bは、デカップリング層3からなり、ともに音響ABA系を形成する。遮音特性は、バリア層2および多孔質繊維層1の質量の組み合わせから予想可能である。さらに、多孔質繊維層1は、吸音特性を維持する。好ましくは、追加のスクリム層5が、多孔質繊維層1の上部に配置され、吸音効果をさらに強化することができる。
図3は、本発明による多層の断面を概略的に示す。本発明による多層は、遮音特性を有し、以下では遮音領域と称する少なくとも1つの領域(I)と、吸音特性を有し、以下では吸音領域と称する領域(II)と、を含む。部品上の領域の位置は、部品が用いられる車両の領域や、その特定の領域における期待されるノイズレベルおよび周波数特性に依存する(一例として、上述した内部ダッシュを参照)。
遮音領域(I)および吸音領域(II)は、少なくとも同一の多孔質繊維層(1)を有し、遮音領域(I)の多孔質繊維層の部分は、圧縮されて、硬い層(1)を形成し、この多孔質繊維層を構成する材料の動的ヤング率は、少なくとも3000Hz超の放射周波数を有するように調整される。この種の挙動に必要な多孔質繊維層を構成する材料のヤング率の最小値は、数式
Figure 2014515118
によって与えられる。この条件が満たされると、多孔質繊維層およびバリア層によって形成された複合層は、剛体質量として作用し、本発明に従う最適な遮音性能を保証する。
本発明では、遮音特性は、バリア層2と多孔質繊維層1とからなる質量層Aと、デカップリング層3からなるばね層Bと、によって与えられ、質量層Aとばね層Bとはともに音響質量ばね系を形成している。それゆえ、領域(I)は、遮音性能が主に期待される。
領域IIにおいて、多孔質繊維層1は、式1に従うヤング率を有さないが、この領域における吸音特性を可能にする。好ましくは、追加のスクリム層(4)が、吸音層の上部に配置され、吸音効果をさらに強化することができる。
図4は、図3(ここで参照される)と同一の原理に基づき、本発明に従う他の多層を示す。差異は、追加のバリア層およびデカップリング層が下部で圧縮され、より平坦な部分を形成していることである。実際、部品は図3および図4にまたがっており、特に、自動車のトリム部品の形状は、通常三次元形状であり、これもまた層形成の最終的な設計に影響する。また、遮音領域と吸音領域との間に、明らかな境界線はなく、むしろ中間領域が存在する。
図5は、本発明による代替の層形成を示し、バリア層およびデカップリング層は、吸音領域を含む部分の全面にわたって利用できる。これは、製造の観点から、製造ステップ数を減少し、および/または、部品全体にわたって完全に層を覆う代わりにパッチを使用する際に含まれる手作業を減少するという効果を有している。
従来技術の様々な防音多層構造の挿入損失および吸音は、測定された材料パラメータを使用して測定またはシミュレーションされ、本発明による防音多層の挿入損失および吸音と比較された。直接比較するために、全サンプルに対して、56kg/mの密度および14mmの厚さを有する同一の発泡体のデカップリング層が用いられた。
比較例サンプルAは、3kg/mのEPDM厚層材料から形成された質量層と、デカップリング層としての注入発泡体と、有する従来の質量ばね系である。サンプルAの総面積質量は3840g/mであった。
比較サンプルBは、質量層を有する従来技術によるABA系であり、質量層は、3kg/mのEPDM厚層物質によって形成され、デカップリング層として発泡体を注入された。上部に、30%の複合バインダ繊維を有する追加のコットンフェルト層が用いられた。フェルト層の面積質量は、1000g/mであり、厚みは9.8mmである。従って、上部のフェルト層およびバリア層の組合せの総面積質量は、4kg/mである。サンプルBの総面積質量は、4960g/mであった。
比較サンプルCもまた、従来技術によるABA系であり、従来の比較サンプルにおいて用いられているように、同一の質量ばね系の上に接着され、11mmの厚さおよび400g/mの高い(lofty)羊毛を有する。上部のフェルト層およびバリア層の組合せの総面積質量は、3.4kg/mである。
図6は、比較サンプルA、B、CおよびサンプルDの挿入損失(IL)曲線を示す。図示のシミュレーションされた挿入損失は、多層およびそれが適用される鋼板によって構成される系の伝送損失から、鋼板自体の伝送損失をマイナスしたものである。
図6は、すべての従来技術の系のIL曲線を示す。サンプルAは、予想通りの12dB/オクターブの増加率を有する従来の質量ばね系であり、ここで基準として用いられる。サンプルBは、両方の上層の合計質量4kg/mを有し、基準サンプルAより大きい挿入損失を示すと予想された。しかしながら、これは、630Hz未満の低周波範囲に対してのみ当てはまる。630Hz以上では、全体の挿入損失は、3kg/mの質量層に対して予想される挿入損失よりも低い性能にまで悪化する。上部の吸音層のために使用される追加の質量は、全体の遮音性能に全く関与せず、下部の質量ばね系の挿入損失に負の影響さえを及ぼす。
サンプルBのフェルトの動的ヤング率は、10mmで108000Paであると測定された。式1によれば、厚層およびフェルトの多孔質層は、ともに、980Hz周辺で放射周波数を有する。事実、図6において、曲線Bに下落(dip)D1が見られる。下落D1は、第3のオクターブ・バンドにおける算出のための800Hzから1000Hzの間の曲線に存在する。この場合、放射周波数は、明らかに、車両の防音にとっての主要な興味の周波数範囲内に存在する。
また、比較サンプルCでは、厚層の上の羊毛層の追加がIL曲線の若干の増加につながると予測されていた。それにもかかわらず、サンプルCのIL曲線は、下部の質量ばね系(すなわちサンプルA)のIL曲線と実質的に等しい。また、このサンプルに対して、質量の増加は、観察された遮音のいかなる増加にもつながらない。この場合、羊毛上層は、遮音性能に全く関与しない。
サンプルDは、本発明に従って作られ、1500g/mの面積質量を有するバリア層の上の1500g/mの多孔質繊維層からなる質量層とデカップリング層とからなり、多孔質繊維層のヤング率は、バリア層および多孔質繊維層の放射周波数がともに、少なくとも3000Hzを上回るように調整されている。挿入損失は、少なくとも対象の周波数範囲の大部分にわたり、サンプルAと同一の12dB/オクターブの増加率および同一のレベルの挿入損失を示す。
サンプルDの質量層の総重量は、基準サンプルAと同等であり、両方とも3kg/mであるため、上部の吸音層の完全な可能性が、本発明によるサンプルの全体の遮音性能のために使用可能であることが明らかになる。
サンプルDのフェルトの動的ヤング率は、3.5mmで550000Paであると測定された。サンプルDのために、3000Hzを上回る放射周波数を有するのに必要な多孔質繊維層の最小のヤング率は、以下の式によると、390000Paである。
Figure 2014515118
測定されたヤング率が必要最小限のヤング率より大きいので、バリア層および多孔質繊維層は、ともに、対象の周波数範囲において質量ばね系の質量として作用する。式1によれば、厚層およびフェルトの多孔質層は、3600Hz周辺の放射周波数を有する。事実、図6において、曲線Dに下落D2が見られる。下落D2は、第3のオクターブ・バンドの算出のための3150Hzから4000Hzの間の曲線に存在する。下落は、3000Hzを上回る周波数に現れ、車両の防音にとって主要な対象の周波数範囲の外に存在する。
図7は、同一の比較サンプルA、CおよびサンプルDの吸音曲線を示す。結果は、従来の質量ばね層であるサンプルAがいかなる目立つ吸音も示さないということを示す。一方、弱い羊毛が、11mmの厚さで良好な吸音を示す。驚くべきことに、本発明のサンプルDは、3.5mmの多孔質繊維層の厚みを有し、依然平均的な吸音を示す。ここで、全体の防音を1dB増加するために、遮音系にとって必要な質量増加はわずかであり、吸音系を選択すると、かなり大きい増加を必要とすることが判明した。それゆえ、使用する材料の完全な質量可能性を用いて達成可能な防音の全体の増加は、吸音特性のわずかな損失を補償する以上である。
それゆえ、本発明による質量層の設計は、次の工程を含む。
工程1.フェルト組成および面積質量を選択する。
工程2.バリア層およびその面積質量を選択する。
工程3.これらの2つの面積質量の合計は、質量ばね系の全体の質量を提供する。
工程4.次に、2つの材料を、各材料が層の形状を仮定し、特定の厚みを仮定するように形成する。
工程5.形成した多孔質繊維層の面積質量(AWp、g/m)および厚み(tp、mm)を測定する。形成したバリア層の面積質量(AWb、g/m)を測定する。
工程6.多孔質繊維層のヤング率を、Elwis―Sで、形成したサンプルに対して、厚みtpにて測定する(測定したヤング率:Emeas)。
工程7.最小の必要なヤング率(Emin)を、式
Figure 2014515118
によって算出する。AWp、AWbおよびtpについて、工程5で測定したデータを用いる。この例では、放射周波数は、少なくとも3000Hzを上回るとみなされる。
工程8.条件Emeas>Eminが満たされていることを確認すべきである。
条件が満たされる場合、材料の選択は、本発明によって満足され、繊維材料は、選択されたバリア層とともに、決定された厚みで使用可能であり、この2つがともに質量ばね系の質量層として作用する。さもなければ、パラメータの選択および特にフェルトのヤング率の選択を変更し、繰り返し、工程1〜4の1つから再開しなければならず、パラメータ(フェルト組成および/またはフェルト面積質量および/またはフェルト厚みおよび/または質量バリアの面積質量)を変更しなければならない。通常、バリアの面積質量単独の選択は、適当な質量層を生じるのに十分でない。条件が満たされない場合、大部分の場合、フェルトのパラメータ、特に動的ヤング率を適切に選択しなければならない。
以下に、上述した設計プロセスは、例を用いてさらに説明される。
図8は、本発明の遮音質量層の動的ヤング率対厚みのグラフを示す。この場合、30%のフェノール樹脂を有するリサイクルコットンから主に製造されたフェルト層が用いられた。この材料は、最近まで、デカップラまたは吸音層として、主に多層構成で用いられた。それは、制限するサンプルとしてではなく、本発明によって技術的に材料を設計する方法を示すための例として選択される。
図8では、線L1000gsmは、1000g/mの面積質量を有する多孔質繊維層が、本発明によって有さなければならない最小の動的ヤング率を、層の厚みの関数として示す。これは、3000Hzの放射周波数および1500g/mの厚層のための面積質量に対して、式
Figure 2014515118
によって算出され、図8に、直線として示される。図8の線L1200gsm、L1400gsmおよびL1600gsmは、多孔質繊維層の面積質量が1200g/m、1400g/mおよび1600g/mの類似のデータを示す。所定の厚みおよびこれらの面積質量の1つを有する多孔質繊維層の動的ヤング率は、その面積質量に対応する線より上にあり、放射周波数が少なくとも3000Hzへシフトし、それゆえ、車両の防音にとっての主要な対象の周波数範囲外にあることを確実にしなければならない。
図8において、線A1000gsmは、測定された主にコットンフェルト層の動的ヤング率を、層の厚さの関数として示す。ここで、コットンフェルト層は、30%フェノール樹脂を含み、面積質量は1000g/mである。同図中、線A1200gsmおよびA1600gsmは、それぞれ、面積質量が1200g/mと1600g/mに対して同様のデータを示す。所定の点にて、動的ヤング率が測定され、これらの測定から、上述した挙動は推定された。この材料は、動的ヤング率の急激な増加を示し、面積質量が1000g/m、厚さが約7.7mmにおいて、3000Hzより高い放射周波数をすでに示している。しかしながら、空間の制約により、この厚さは、車内の例えば、内部ダッシュでは好ましくない。
図8において、線B1200gsmは、主にコットンフェルト材料の層の動的ヤング率を、層の厚さの関数として示す。ここで、コットンフェルト材料の層は、30%のエポキシ樹脂を含み、面積質量は1200g/mである。線B1600gsmは、面積質量が1600g/mの場合に対して同様のデータを示す。所定の点にて、動的ヤング率が測定され、これらの測定から、上述した挙動は推定された。これらのデータを、上述したフェノール樹脂フェルトのデータと比較すると、結合材料が材料の圧縮剛性に影響を与え、それゆえ、所定の面積質量および厚さにおける動的ヤング率に影響を与えるということが明らかである。
線C1400gsmは、主にコットンフェルト材料の層の動的ヤング率を、層の厚さの関数として示す。ここで、コットンフェルト材料の層は、15%の複合結合繊維に結合され、面積質量は1400g/mである。所定の点にて、動的ヤング率が測定され、これらの測定から、上述した挙動は推定された。
一組のサンプルにおいて、バインダ材料、特にバインダの種類および量の影響は、さらに詳細に注目される。
図8は、バインダ材料、特にバインダの種類および量の影響を示す。加えて、図8は、本発明に従って、どのように多孔質繊維層が選択および調整されるかを説明する。
例えば、曲線B1200gsmおよびL1200gsmが考慮される。線L1200gsmは、バリア層の1500g/mの面積質量(AWb)を考慮して描画される。多孔質繊維層の動的なヤング率は、曲線B1200gsmによって与えられ、8mmの厚さでは187000Paである。本発明によるヤング率の下限は、3000Hz超の放射周波数を有するために、線L1200gsmによって与えられ、8mmで、757000Paに設定される。従って、8mmで、30%のエポキシ樹脂および1200g/mの面積質量を有する主にコットンフェルト材料の層は、3000Hz未満の放射周波数を有し、本発明によって機能しない。事実、式(1)によれば、8mmの材料は、1500Hzで、放射周波数を有する。多孔質繊維層の動的ヤング率は、曲線B1200gsmによって与えられ、5.5mmの厚さでは730000Paである。本発明によるヤング率の下限は、3000Hz超の放射周波数を有するために、線L1200gsmによって与えられ、5.5mmで、520000Paに設定される。従って、5.5mmで、30%のエポキシ樹脂および1200g/mの面積質量を有する主にコットンフェルト材料の層は、3000Hz超の放射周波数を有し、本発明によって機能する。事実、式(1)によれば、5.5mmの材料は、3600Hzで、放射周波数を有する。
まとめると、図8は、一旦バリア層の面積質量が決定した後、本発明によるヤング率を有するために多孔質繊維層(材料の種類、面積質量、厚み)の特性を選択および調整する方法もまた示す。
多孔質繊維層が選択され、そのヤング率が本発明に従って調整されると、上層のAFRに強く関連しない、驚くべき遮音効果が得られる。一方、例えば自動車用途の対象となる周波数範囲において下落効果のない一定の遮音を得る要因が本発明の上層のヤング率であると判明した。
上層の厚さが変化すると、AFRおよびヤング率の両方が変化し、一般的に、その層の厚さが減少すると、AFRおよびヤング率の両方は増加する。しかしながら、これらのパラメータの各値は、材料の特性に関連している。AFRおよびヤング率は、多孔質材料の他の音響的および機械的パラメータと同様に、厚さだけの関数ではない。
例えば、同一の厚さを有する2つの比較例のフェルト材料のAFRを比較する。自動車用途で通常使用される「エアレイド(air laid)」フェルト(面積質量:1000g/m)は、約2.5mmで3200Nsm‐3のAFRを示す。厚さが6mmの同一材料は、1050Nsm‐3のAFRを示す。比較として、自動車用途で通常使用される「ニードルド(needled)」フェルト(面積質量はほぼ同一の1000g/m)は、約6mmで220Nsm‐3のAFRを示す。同一の厚さで、2つの材料は異なるAFRを有する。2つのフェルトは、材料層を形成するための繊維の処理方法が主に異なり、これがAFRに影響を与える。
ヤング率に関する同一の考察を適用する。すべての材料に関して、厚さが減少すると、ヤング率は増加する。しかしながら、同一の厚さの2つの異なる材料は、必ずしも同一のヤング率を有するわけではなく、主に、組成および製造方法に依存して、大きく異なるヤング率によって特徴付けられることもある。
さらに、AFRおよびヤング率は独立したパラメータであり、AFRは材料の音響特性に関連し、ヤング率は材料の機械特性に関連する。例えば、同一のAFR(例えば、材料中の繊維の分布が類似している)を有する2つの材料は、異なるヤング率(例えば、材料中の結合材の量が異なる)を有し、それゆえ異なる性能を有することがありうる。
例示された材料から分かるように、ある材料は本発明の質量層を形成するのに適していない。なぜなら、それらは、達成不可能な厚さに、あるいは、極端に高圧力で圧縮されなければならず、工程の費用効率を良くすることがもはやできないためである。しかしながら、結合材料対繊維材料の比、使用する結合材料、面積質量、厚さを調整することにより、材料を、本発明の多孔質繊維質量層として使用するのに適切に設計することができる。
開示される式に従って、バリア層の面積質量とともに、上部の多孔質繊維層を構成している材料の動的剛性を調整することによって、多孔質繊維層およびバリア層の組合せによって形成された質量層の放射周波数は、自動車用途の対象となる主要な範囲外にシフトされ、同時に、多孔質繊維層の存在のおかげで、さらなる質量効果が得られる。全体の挿入損失ILの増加は、バリア層の面積質量とともに多孔質繊維層の面積質量に依存して、妥当な近似値で推定可能である。
本発明の遮音トリム部品では、バリア層は多孔質繊維層とでカップリング層との間に配置され、全ての層がともに積層されることによって、両方の領域が同一の多孔質繊維層を共有する。この遮音トリム部品は、上述したように、車内で、例えば、内部ダッシュとして用いられる。しかしながら、遮音トリム部品を、最終的に装飾層およびカーペット層を上部に備える床仕上げ材として用いることもできる。この場合、カーペット層は好ましくは多孔質系、例えば、房状のカーペットあるいは不織布カーペットである。遮音トリム部品を、外部あるいは内部のホイールライナーに用いることもできる。全用途は乗用車あるいはトラックのような車両内において可能である。
I 遮音領域
II 遮音および吸音の複合領域
A 少なくとも多孔質繊維層(1)およびバリア層(2)を具える質量層
B 少なくともデカップリング層(3)を具えるばね層
4 吸音層
5 スクリム層

Claims (10)

  1. 音響質量ばね特性を有する少なくとも1つの遮音領域(I)を具える防音トリム部品であって、
    前記遮音領域(I)は、少なくとも1つの質量層(A)と、前記質量層(A)に隣接したデカップリング層(3)と、を具え、
    前記質量層(A)は、多孔質繊維層(1)とバリア層(2)とからなり、
    前記バリア層(2)は、前記多孔質繊維層(1)と前記デカップリング層(3)との間に配置され、
    すべての層は、ともに積層され、
    少なくとも前記遮音領域(I)の前記多孔質繊維層(1)は、少なくとも約、
    Figure 2014515118
    の動的ヤング率(Pa)を有するように調整され、
    AWbは、前記バリア層(2)の面積質量(g/m)であり、
    AWpは、前記多孔質繊維層(1)の面積質量(g/m)であり、
    tpは、前記多孔質繊維層(1)の厚み(mm)であり、
    νは、放射周波数(Hz)であり、
    前記放射周波数νは、少なくとも3000Hzであり、
    前記バリア層(2)は、少なくとも400g/mの面積質量を有する、
    防音トリム部品。
  2. 吸音特性を有する少なくとも1つの吸音領域(II)をさらに具え、
    前記吸音領域は、前記同一の多孔質繊維層(1)の少なくとも部分を具え、
    前記吸音領域の前記多孔質繊維層(1)の前記部分の厚みは、前記遮音領域(I)の前記多孔質繊維層(1)の部分の厚みより大きい、
    請求項1に記載の防音トリム部品。
  3. 前記多孔質繊維層(1)の面積質量AWpは、400g/mから2000g/mである、
    請求項1または2に記載の防音トリム部品。
  4. 前記多孔質繊維層(1)の厚みtpは、前記遮音領域(I)において1mmから10mmである、
    請求項1〜3のいずれかに記載の防音トリム部品。
  5. 追加の吸音層が、前記多孔質繊維層(1)上に少なくとも部分的に配置される、
    請求項1〜4のいずれかに記載の防音トリム部品。
  6. 少なくとも前記吸音層は、スクリム層(4、5)により少なくとも部分的に覆われている、
    請求項5に記載の防音トリム部品。
  7. 前記バリア層(2)の面積質量は、好ましくは500g/mから2000g/mである、
    請求項1〜6のいずれかに記載の防音トリム部品。
  8. 前記多孔質繊維層(1)は、スクリム層(4、5)により少なくとも部分的に覆われている、
    請求項1〜7のいずれかに記載の防音トリム部品。
  9. 装飾層またはカーペット層が、好ましくは、房状のカーペットまたは不織布のカーペットが、前記多孔質繊維層(1)および/または前記追加の吸音層の上に配置される、
    請求項1〜8のいずれかに記載の防音トリム部品。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の防音トリム部品を、遮音材として、あるいは、遮音材および吸音材の組み合わせとして、乗用車またはトラックのような車両の内部ダッシュ、床仕上げ材、ホイールライナーのような自動車用のトリム部品としての使用。
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