JP2014513687A - Syk阻害薬としてのピリジルアミノピリジン - Google Patents

Syk阻害薬としてのピリジルアミノピリジン Download PDF

Info

Publication number
JP2014513687A
JP2014513687A JP2014510372A JP2014510372A JP2014513687A JP 2014513687 A JP2014513687 A JP 2014513687A JP 2014510372 A JP2014510372 A JP 2014510372A JP 2014510372 A JP2014510372 A JP 2014510372A JP 2014513687 A JP2014513687 A JP 2014513687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
thiazol
alkyl
pyridin
trans
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014510372A
Other languages
English (en)
Inventor
アルトマン,マイケル,デイー
デイ・フランチエスコ,マリア・エミリア
ヘイドル,アンドリユー,エム
オツト,ライアン,デイー
エリス,ジヨン・マイケル
チヤイルダーズ,カリーン・コンラツド
ノースラツプ,アラン,ビー
ヤーン,リーピーン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Sharp and Dohme LLC
Original Assignee
Merck Sharp and Dohme LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck Sharp and Dohme LLC filed Critical Merck Sharp and Dohme LLC
Publication of JP2014513687A publication Critical patent/JP2014513687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、強力な脾臓チロシンキナーゼ阻害薬であり、前記酵素によって媒介される疾患、例えば、喘息、COPD、関節リウマチおよびがんの処置および予防に有用な式Iの新規なピリミジンアミンを提供する。

Description

脾臓チロシンキナーゼ(Syk)は、宿主の炎症細胞、例えば、肥満細胞、B細胞、マクロファージおよび好中球の免疫受容体シグナル伝達の枢要なメディエータであると説明されているプロテインチロシンキナーゼである。このような免疫受容体、例えば、Fc受容体およびB細胞受容体は、アレルギー性疾患と抗体媒介性自己免疫疾患の両方に重要であり、したがって、Sykの薬理学的干渉により、考えられる限りではこのような障害が処置され得る。
アレルギー性鼻炎および喘息は、多くの細胞型、例えば、肥満細胞、好酸球、T細胞および樹状細胞が関与している過敏反応および炎症事象と関連している疾患である。アレルゲンに曝露されると、IgEおよびIgGに対する高親和性免疫グロブリン受容体が架橋された状態となって肥満細胞および他の細胞型において下流プロセスを活性化させ、炎症促進性メディエータおよび気道スパスモーゲンの放出をもたらす。肥満細胞において、例えば、IgE受容体がアレルゲンによって架橋されると、メディエータ、例えば、既に形成されている顆粒からのヒスタミンの放出、ならびに新たに合成される脂質メディエータ、例えば、プロスタグランジンおよびロイコトリエンの合成および放出がもたらされる。
Sykキナーゼは、FcεRIおよびまたはFcεRI受容体の架橋と関連している下流細胞内シグナルの伝達において重要な非受容体結合型チロシンキナーゼであり、このシグナル伝達カスケードの初期において存在する。肥満細胞において、例えば、アレルゲンが受容体−IgE複合体に架橋した後のFcεRIシグナル伝達の初期シーケンスには、まずLyn(Srcファミリーチロシンキナーゼ)が、次いでSykが関与する。したがって、Syk活性の阻害薬により、下流のすべてのシグナル伝達カスケードが阻害され、それにより、炎症促進性メディエータおよびスパスモーゲンの放出によって起こる即時型アレルギー反応および有害事象が緩和されると予測され得る(Wong et al.2004,Expert Opin.Investig.Drugs(2004)13(7)743−762)。
最近、Sykキナーゼ阻害薬R112(Rigel)をアレルギー性鼻炎の処置のフェーズI/II試験において鼻腔内投与すると、枢要な免疫メディエータであるPGDの統計学的に有意な減少がもたらされることが示され、これは、アレルギー性鼻漏の改善と高度に相関しているとともに、一連のインジケータの中でも安全であり、したがって、経表面Sykキナーゼ阻害薬の臨床的安全性および有効性の最初の証拠が得られた(Meltzer,Eli O.;Berkowitz,Robert B.;Grossbard,Elliott B,Journal of Allergy and Clinical Immunology(2005),115(4),791−796)。もっと最近のアレルギー性鼻炎のフェーズII臨床試験(Clinical Trials.gov Identifier NCT0015089)では、R112は、プラセボと対比して有効性に欠けることが示された。
関節リウマチ(RA)は、およそ人口の1パーセントを侵す自己免疫疾患である。関節ジョイントの炎症により骨および軟骨の消耗性破壊に至ることを特徴とする。可逆的B細胞枯渇をもたらすリツキシマブを用いた最近の臨床試験(J.C.W.Edwards et al.2004,New Eng.J.Med.350:2572−2581)により、B細胞機能の標的化がRAなどの自己免疫疾患における適切な治療ストラテジーであると示された。臨床的有益性は自己反応性抗体(またはリウマチ因子)の低減と相関しており、この試験により、B細胞機能および実際には自己抗体の生成が該疾患の進行中の病態の中心であることが示唆される。
脾臓チロシンキナーゼ(Syk)が欠損しているマウス由来の細胞を用いた試験において、B細胞機能におけるこのキナーゼの非冗長的役割が示された。Sykの欠損はB細胞発生の阻止を特徴とする(M.Turner et al.1995 Nature 379:298−302およびCheng et al.1995,Nature 378:303−306)。この試験により、Syk欠損成熟B細胞に関する試験(Kurasaki et al.2000,Immunol.Rev.176:19−29)とともに、SykはB細胞の分化と活性化に必要とされることが示される。したがって、RA患者においてSykを阻害することにより、おそらくB細胞機能が阻止され、それによりリウマチ因子の生成が低減される。B細胞機能におけるSykの役割に加え、RAの処置においてさらに重要なのは、Fc受容体(FcR)シグナル伝達においてSyk活性の必要条件であることである。RAにおいて免疫複合体によるFcR活性化が、多くの炎症促進性メディエータの放出に寄与していると示唆されている。
米国特許第7,803,801号明細書には、式:
Figure 2014513687
(式中、可変部は該特許に規定のとおりである)
を有するSyk阻害薬が開示されている。
本発明は、Sykキナーゼ活性の阻害薬である新規な化合物に関する。したがって、この化合物は、不適切なSyk活性と関連している障害の処置において、特に、Sykによって媒介される疾患状態の処置および予防において潜在的な治療有益性を有する。かかる疾患状態としては、炎症性、アレルギー性および自己免疫性の疾患、例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸促進症候群(ARDS)、潰瘍性大腸炎、クローン疾患、気管支炎、皮膚炎、アレルギー性鼻炎、乾癬、強皮症、じんま疹、関節リウマチ、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、多発性硬化症、がん、HIVおよび狼瘡が挙げられ得る。
米国特許第7,803,801号明細書
Wong et al.2004,Expert Opin.Investig.Drugs(2004)13(7)743−762 Meltzer,Eli O.;Berkowitz,Robert B.;Grossbard,Elliott B,Journal of Allergy and Clinical Immunology(2005),115(4),791−796 J.C.W.Edwards et al.2004,New Eng.J.Med.350:2572−2581 M.Turner et al.1995 Nature 379:298−302 Cheng et al.1995,Nature 378:303−306 Kurasaki et al.2000,Immunol.Rev.176:19−29
本発明は、強力なSyk阻害薬である新規な化合物ならびに該化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明のSyk阻害薬化合物は、Sykタンパク質によって媒介される疾患および障害の処置および予防に有用である;かかる疾患および障害としては、限定されないが、喘息、COPD、関節リウマチ、がんおよび特発性血小板減少性紫斑病が挙げられる。
本発明は、式I:
Figure 2014513687
(式中
Aは炭素環であるか、あるいは
部分A−(R(R)が
Figure 2014513687
を表し;
nは、0、1、2または3であり;
pおよびqは独立して、1、2および3から選択され;
は、C1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキルまたはC1〜4アルコキシであり;
は、Hまたはハロゲンであり;
は、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜6シクロアルキルまたはC1〜4ヒドロキシアルキルであり;
は、Hまたはハロゲンであり;
は、OH、C1〜4アルコキシ、ハロゲン、NH;またはN(H)(C1〜4アルキル)であり;
は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜6シクロアルキルもしくはC1〜4ヒドロキシアルキルである;または
は、OHおよびC1〜4アルキルから選択され;
は、(CRCO、CONR、テトラゾリル、OH、CHOH、オキソ、CN、NHCOおよびNHSOから選択されるが;Rと−C(R)(R)−が同じ環内炭素原子に結合していることはないものとし;
およびRは各々、独立して、Hおよびメチルから選択され;
は、HまたはC1〜4アルキルであり、
およびRは各々、独立して、HおよびC1〜4アルキルから選択され;
は、C1〜4アルキルまたはベンジルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
式Iの一群では、環Aが炭素環である化合物である。その一亜群では、AがC3〜6シクロアルキルから選択される。一実施形態において、Aはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される。第2の実施形態では、Aはシクロヘキシルである。
式Iの別の群では、RがC1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルである化合物である。その一亜群では、RはC1〜3アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである。その第2のサブセットでは、RはC1〜3フルオロアルキル、例えば、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。一実施形態において、Rはメチルである。第2の実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。第3の実施形態では、Rはシクロプロピルである。
式Iの別の群では、RがHまたはFである化合物である。
式Iの別の群では、RがC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルである化合物である。その一亜群では、RはC1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルである。一実施形態において、Rはメチル、ジフルオロメチルおよびシクロプロピルから選択される。第2の実施形態では、Rはメチルである。
式Iの別の群では、RがOH、C1〜4アルコキシ、ハロゲンまたはNHである化合物である。一実施形態において、RはOHである。
式Iの別の群では、RがH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルである化合物である。その一亜群では、RはH、C1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルである。その別の亜群では、RはH、C1〜3アルキルならびにフルオロ−、ジフルオロ−およびトリフルオロメチルから選択される。一実施形態において、Rはメチルである。
式Iの別の群では、Aが炭素環であり、Rが(CRCOおよびC(O)NRから選択される化合物である。その一亜群では、RはCOおよびC(O)NRから選択される。一実施形態において、AはC3〜6シクロアルキルであり、RはCOである。第2の実施形態では、AはC3〜6シクロアルキルであり、RはC(O)NRである。
式Iの別の群では、
式Ia:
Figure 2014513687
を有し、
式中
Aが炭素環であり;
nが0、1または2であり;
がC1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルであり;
がH、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
がH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルであり;
がC1〜4アルキルであり;
がCOまたはCONRであり;
がHまたはC1〜4アルキルであり、
およびRが各々、独立して、HおよびC1〜4アルキルから選択される、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩である。
式Iaの一群では、RはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルである。その別の群では、RはH、C1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルである。別の群では、RはH、メチル、ジフルオロメチルおよびシクロプロピルである。一実施形態において、RはHまたはメチルである。
式Iaの別の群では、RはH、C1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキルまたはC3〜4シクロアルキルである。
式Iaの別の群では、RはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
はH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルである。
式Iの別の群では、
式Ib:
Figure 2014513687
を有し、
式中
nが0、1または2であり;
がC1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルであり;
がH、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
がH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルであり;
がC1〜4アルキルであり;
がCOまたはCONRであり;
がHまたはC1〜4アルキルであり、
およびRが各々、独立して、HおよびC1〜4アルキルから選択される、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩である。
式Ibの一群では、RはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルである。その別の群では、RはH、C1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルである。別の群では、RはH、メチル、ジフルオロメチルおよびシクロプロピルである。一実施形態において、RはHまたはメチルである。
式Ibの別の群では、RはH、C1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキルまたはC3〜4シクロアルキルである。
式Ibの別の群では、RはC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
はH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルである。
式Ibを有する化合物の特定の実施形態では、部分
Figure 2014513687
は、
Figure 2014513687
の立体配置を有する。
本発明の代表的な化合物は以下のとおりであり、ここで、名称を示した各化合物は、その個々の異性体、その混合物(例えば、ラセミ化合物およびジアステレオマー混合物)、ならびにその薬学的に許容され得る塩を包含していることを意図する:
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル;
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;
1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−(ピロリジン−3−イル)エタノール;および
3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボキサミド。
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{4−メチル−6−[(4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル
トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−[5−(6−{[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−4−メチルピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−クロロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸
3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロペンタンカルボン酸
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]プロピル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{シクロプロピル(ヒドロキシ)[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(プロパン−2−イルオキシ)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]プロピル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{シクロプロピル(ヒドロキシ)[5−(4−メチル−6−{[4−(プロパン−2−イルオキシ)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(プロパン−2−イルオキシ)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{ヒドロキシ[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチル
トランス−4−{ヒドロキシ[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]メチル}シクロヘキサンカルボン酸
(1S,4R)−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{4−メチル−6−[(4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−{1−[5−(6−{[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−4−メチルピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−[5−(6−{[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−[1−ヒドロキシ−1−(5−{6−[(4−メトキシピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
(1S,4S)−4−{1−[5−(6−{[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−[5−(4−クロロ−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル]−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−(1−{5−[4−(ジフルオロメチル)−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル]−1,3−チアゾル−2−イル}−1−ヒドロキシエチル)シクロヘキサンカルボン酸
トランス−4−{1−[5−(4−シクロプロピル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸
(4R)−4−{(1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−2−オン
(4R)−4−{(1R)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−2−オン
4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸
別の実施形態では、該化合物(その薬学的に許容され得る塩を含む)は下記の化合物:
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド;
シス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル;
トランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;
1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−(ピロリジン−3−イル)エタノール;および
3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボキサミド
から選択される。
別の実施形態では、該化合物(その薬学的に許容され得る塩を含む)は下記の化合物:
トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド;
トランス−4−{(1R)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−{(1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−{(1R)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−{(1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸;
トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸;および
トランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸
から選択される。
本出願書類において、特に指定のない限り、種々の用語は以下に定義するとおりである。
「アルキル」は、指定された数の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素原子団をいう。「アルキル」の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチルなどが挙げられる。
「炭素環」は、すべての環内原子が炭素である飽和または部分不飽和の単環式の非芳香族環をいい、該環は、単独であってもよく、かかる環の1つもしくは2つまたはベンゼン環との縮合型(例えば、オルト縮合型、スピロ縮合型および橋かけ型)であってもよい。多環式の炭素環の場合、結合点はいずれの環上であってもよい。炭素環の例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、インダン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、デカリン、テトラヒドロナフタレン、スピロ[3.3]ヘプタン、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、アダマンタン、トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン、ジスピロ[2.1.2.3]デカンが挙げられる。
「シクロアルキル」は、指定された数の環内炭素原子を含有し、ヘテロ原子を含んでいない飽和環をいう。同様の様式で、用語「C3〜6シクロアルキル」は、3〜6個の環内炭素原子を有する飽和環(ring ring)をいう。本発明において有用な例示的な「シクロアルキル」基としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
「ハロアルキル」は、上記に定義したアルキル基において1個〜全部までの水素原子がハロゲンで置換されており;ハロゲンが本明細書において規定したとおりであるアルキル基をいう。本発明において有用なかかる分枝鎖または直鎖のハロアルキル基の例としては、限定されないが、1つ以上のハロ、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードで独立して置換されているメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルおよびn−ブチルが挙げられる。「ハロアルキル」の例としては、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、およびペルフルオロ−n−プロピルが挙げられる。
「ヒドロキシアルキル」は、上記に定義したアルキル基において各炭素原子上の1個の水素がヒドロキシ基で置き換えられたものであり得るアルキル基をいう。「ヒドロキシアルキル」の例としては、限定されないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、プロパン−1,2−ジオールが挙げられる。
用語「組成物」は、医薬組成物の場合、活性成分および担体を構成する不活性成分(薬学的に許容され得る賦形剤)を含む生成物、ならびに該成分の任意の2種類以上の化合、複合体化もしくは凝集によって、または1種類以上の該成分の解離によって、または1種類以上の該成分の他の型の反応もしくは相互作用によって直接または間接的に得られる任意の生成物を包含していることを意図する。したがって、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物と薬学的に許容され得る賦形剤を混合することによって作製される任意の組成物を包含している。
本明細書で用いる場合、用語「〜されていてもよい(optionally)」は、続いて記載する事象が起こってもよく起こらなくてもよいことを意味し、起こる事象と、起こらない事象の両方を包含している。
本明細書で用いる場合、用語「1つ以上の基で置換されている」とは、置換基の数を明示していない限り、名称を示した置換基での置換、許容される多重度の置換(同じまたは異なる置換基で置き換えられる最大すべての水素原子)をいう。置換基の数を明示していない場合は1つ以上を意図している。
各可変部は、一般構造式の定義において存在ごとに独立して定義される。例えば、「A」環上にR置換基が1つより多く存在する場合、各置換基は、各存在において独立して選択され、各置換基は互いに同じであっても異なっていてもよい。
用語「Syk阻害薬」は、Syk酵素を阻害する化合物を意味するために用いている。
用語「Syk媒介性疾患」または「不適切なSyk活性によって媒介される障害または疾患または病状」は、Sykキナーゼ機構によって媒介またはモジュレートされる任意の疾患状態を意味するために用いている。かかる疾患状態としては、炎症性、アレルギー性および自己免疫性の疾患、例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸促進症候群(ARDs)、潰瘍性大腸炎、クローン疾患、気管支炎、皮膚炎、アレルギー性鼻炎、乾癬、強皮症、じんま疹、関節リウマチ、多発性硬化症、がん、HIVおよび狼瘡、特に、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸促進症候群(ARDs)、アレルギー性鼻炎および関節リウマチが挙げられ得る。
本明細書で用いる場合、「本発明の化合物」は、式Iの化合物またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能性の誘導体を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「溶媒和物」は、溶質(本発明の場合、式Iの化合物またはその塩)と溶媒によって形成される種々の化学量論の複合体をいう。本発明の解釈上のかかる溶媒は、溶質の生物学的活性を妨げないものであり得る。好適な溶媒の例としては、限定されないが、水、アセトン、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。好ましくは、使用される溶媒は薬学的に許容され得る溶媒である。好適な薬学的に許容され得る溶媒の例としては、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは、溶媒は水である。
本明細書で用いる場合、用語「生理学的に機能性の誘導体」は、インビボで変換されて式Iの化合物または該化合物の薬学的に許容され得る塩、水和物もしくは溶媒和物を生じる化合物(例えば、薬物前駆体)をいう。該変換は、種々の機構(例えば、代謝的または化学的プロセスによって)、例えば、血中での加水分解などによって起こり得る。プロドラッグはかかる誘導体であり、プロドラッグの使用の論考は、A.C.S.Symposium SeriesのT.Higuchi and W.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」,Vol.14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に示されている。
式Iの化合物は、多形性として知られる特徴である、1つより多くの形態に結晶化する能力を有するものであり得、かかる多形形態(「多形」)は式Iの範囲に含まれることを理解されたい。多形性は、一般的に、温度または圧力または両方の変化に対する応答として生じる得るものであり、晶出プロセスでの変化によっても生じることがあり得る。多形は、当該技術分野で知られた種々の物理的特性、例えば、x−線回折パターン、溶解度および融点によって識別され得る。
式Iの化合物は不斉中心またはキラル中心を含むものであってもよく、したがって、異なる立体異性体形態で存在する場合があり得る。式Iの化合物のあらゆる立体異性体形態ならびにその混合物(例えば、ラセミ体混合物)は本発明の一部を構成することを意図する。ジアステレオマー混合物は、物理的化学的な違いに基づいて、当業者によく知られた方法(例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶など)によって、その個々のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物などのキラル助剤)との反応によってエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することにより分離され得る。また、エナンチオマーは、キラル固定相を備えたカラムを使用するクロマトグラフィーによっても分離することができる。また、一部の式Iの化合物は、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であり得、本発明の一部とみなす。
また、式Iの化合物は互変異性体を形成するものであってもよいことに注意されたい。本発明の化合物のすべての互変異性体および互変異性体混合物は本発明の化合物の範囲に含まれることを理解されたい。一部の本明細書に記載の化合物はオレフィン性二重結合を含むものであり、特に指定のない限り、EおよびZのどちらの幾何異性体も包含していることを意図する。
各可変部に対する実施形態は、各可変部について別々に上記に一般的に示しているが、本発明は、式Iのいくつかの実施形態または各実施形態が上記の各実施形態から選択される化合物も包含している。したがって、本発明は、各可変部の実施形態のあらゆる組合せを包含していることを意図する。
本発明の化合物は、薬学的に許容され得る塩の形態であってもよい、および/または該形態で投与してもよい。好適な塩に関する概説は、Berge et al,J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照されたい。典型的には、本発明の塩は薬学的に許容され得る塩である。用語「薬学的に許容され得る塩」に包含される塩は、本発明の化合物の無毒性の塩をいう。好適な薬学的に許容され得る塩としては、酸付加塩または塩基付加塩が挙げられ得る。
薬学的に許容され得る酸付加塩は、式Iの化合物と適当な無機または有機酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(2−ナフタレンスルホン酸など)、またはヘキサン酸)との反応によって(有機溶媒などの適当な溶媒中であってもよい)塩が得られて形成され得、該塩、通常、例えば晶出および濾過によって単離される、該塩が得られる。式Iの化合物の薬学的に許容され得る酸付加塩は、例えば、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(2−ナフタレンスルホン酸塩など)、またはヘキサン酸塩を構成し得るもの、または該塩であり得る。
薬学的に許容され得る塩基塩は、式Iの化合物と適当な無機または有機塩基との反応によって形成され得るものである。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。特に好ましいのはアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウムの塩である。薬学的に許容され得る無毒性の有機塩基から誘導される塩としては、第1級、第2級および第3級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含む)、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
また、他の非薬学的に許容され得る塩、例えば、シュウ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩も、例えば、本発明の化合物の単離において使用され得、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、その範囲に、考えられ得るすべての式Iの化合物の化学量論的形態および非化学量論的形態を包含している。
一般式Iの化合物において、原子は天然状態の同位体存在度を示すものであってもよく、1個以上の原子において、同じ原子番号を有するが原子量または質量数は自然界に主として見られる原子量または質量数と異なる特定の同位体を人為的に富化したものであってもよい。本発明は、一般式Iの化合物の適当なあらゆる同位体異型形態を包含していることを意図する。例えば、水素(H)の異なる同位体形態としては、プロチウム(H)およびジューテリウム(H)が挙げられる。プロチウムは、自然界に主として見られる水素の同位体である。ジューテリウムの富化により、特定の治療上の利点(インビボ半減期の増大もしくは必要投薬量の低減など)がもたらされ得るか、または生物学的試料の特性評価のための標準として有用な化合物が得られ得る。同位体標識された一般式Iの化合物は、必要以上に実験を行うことなく、当業者によく知られた慣用的な手法によって、または本明細書のスキームおよび実施例に記載のものと同様のプロセスによって、同位体富化した適切な試薬および/または中間体を用いて調製され得る。
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、Syk活性の阻害薬であると考えられ、したがって潜在的に、不適切なSyk活性と関連している疾患および病状の処置に有用である。
式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩ならびに医薬組成物は、脾臓チロシンキナーゼ(Syk)によって媒介されるさまざまな病状または疾患を処置または予防するために使用され得る。かかる病状および疾患としては、限定されないが:(1)関節炎、例えば、関節リウマチ、若年性関節炎、乾癬性関節炎および変形性関節症;(2)喘息および他の閉塞性気道疾患、例えば、慢性喘息、遅発型喘息、気道過敏、気管支炎、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、成人呼吸促進症候群、再発性気道閉塞、および慢性閉塞性肺疾患、例えば、気腫;(3)自己免疫性の疾患または障害、例えば、単独器官または単独細胞型の自己免疫障害として指定されるもの、例えば、橋本甲状腺炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血の自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性精巣炎、グッドパスチャー病、自己免疫性血小板減少症、例えば、特発性血小板減少性紫斑病、交感性眼炎、重症筋無力症、グレーブス病、原発性胆汁性肝硬変、慢性劇症肝炎、潰瘍性大腸炎および膜性糸球体症、全身性自己免疫障害が関連しているものとして指定されるもの、例えば、全身性エリテマトーデス、免疫性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ、シェーグレン症候群、ライター症候群、多発性筋炎−皮膚筋炎、全身性硬化症、結節性多発性動脈炎、多発性硬化症および水疱性類天疱瘡、ならびにB細胞(体液性)系またはT細胞系であり得るさらなる自己免疫疾患、例えば、コーガン症候群、強直性脊椎炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、自己免疫性脱毛症、I型または若年発症型糖尿病、および甲状腺炎;(4)がんまたは腫瘍、例えば、消化管/胃腸管のがん、結腸がん、肝臓がん、皮膚がん、例えば、肥満細胞腫および扁平上皮がん、乳房がんおよび乳がん、卵巣がん、前立腺がん、リンパ腫および白血病(例えば限定されないが、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、マントル細胞リンパ腫、NHL B細胞リンパ腫(例えば、前駆B−ALL、辺縁層B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫、NK細胞およびT細胞リンパ腫;TEL−SykおよびITK−Syk融合駆動型腫瘍)骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害 腎臓がん、肺がん、筋肉のがん、骨のがん、膀胱がん、脳のがん、黒色腫、例えば、口腔黒色腫および転移性黒色腫、カポジ肉腫、増殖性糖尿病網膜症、ならびに血管形成関連障害、例えば、充実性腫瘍および膵がん;(5)糖尿病、例えば、I型糖尿病および糖尿病による合併症;(6)目の疾患、障害または病状、例えば、目の自己免疫疾患、角結膜炎、春季結膜炎、ブドウ膜炎、例えば、ベーチェット病と関連するブドウ膜炎および水晶体原性ブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜炎、角膜上皮ジストロフィ、角膜白斑、眼の天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、フォークト‐小柳−原田症候群、乾性角結膜炎(ドライアイ)、フリクテン、虹彩毛様体炎、サルコイドーシス、内分泌性眼障害、交感性眼炎、アレルギー性結膜炎、および眼新生血管形成;(7)腸の炎症、アレルギーまたは病状、例えば、クローン病および/または潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、ならびに肥満細胞症;(8)神経変性疾患、例えば、運動ニューロン疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンティングトン病、脳虚血、または外傷、打撲(strike)、グルタミン酸神経毒性もしくは低酸素によって引き起こされる神経変性疾患;卒中における虚血性/再灌流障害、心筋虚血(ischemica)、腎虚血、心臓発作、心臓肥大、アテローム性動脈硬化および動脈硬化、器官低酸素状態;(9)血小板凝集および血小板の活性化と関連しているか、またはこれによって引き起こされる疾患、例えば、動脈硬化、血栓症、内膜過形成および血管損傷後の再狭窄;(10)心血管疾患と関連している病状、例えば、再狭窄、急性冠症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、難治性狭心症、血栓溶解療法後または冠動脈血管形成術後に起こる冠動脈内血栓性閉塞、血栓媒介性脳血管症候群、塞栓性卒中、血栓性卒中、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺動脈塞栓、凝固障害、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓性血管炎、ヘパリン誘導性血小板減少症と関連している血栓性疾患、体外循環と関連している血栓性合併症、器具使用(心臓もしくは他の血管内カテーテル法、大動脈内バルーンポンプ、冠動脈ステント挿入または心臓弁など)と関連している血栓性合併症、人工補装具の装着を必要とする病状など;(11)皮膚の疾患、病状または障害、例えば、アトピー性皮膚炎、湿疹、乾癬、強皮症、掻痒および他の掻痒性の病状;(12)アレルギー反応、例えば、アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性じんま疹、血管浮腫、アレルギー性喘息、または虫刺され、食物、薬物もしくは花粉に対するアレルギー反応;(13)移植拒絶、例えば、膵ランゲルハンス島移植拒絶、骨髄移植拒絶、対宿主性移植片病、器官および細胞移植拒絶(骨髄、軟骨、角膜、心臓、椎間板、小島、腎臓、肢節(limb)、肝臓、肺、筋肉、筋芽細胞、神経、膵臓、皮膚、小腸、または気管、および異種移植片移植など);(14)低悪性度瘢痕形成、例えば、強皮症、線維形成増大、ケロイド、術後瘢痕、肺線維症、血管痙攣、片頭痛、再灌流障害、および心筋梗塞後が挙げられる。
したがって、本発明は、治療、特に、不適切なSyk活性によって媒介される疾患および病状の処置における使用のための式Iの化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体を提供する。本明細書でいう不適切なSyk活性は、特定の哺乳類において予測される正常なSyk活性から外れた任意のSyk活性である。不適切なSyk活性は、例えば、活性の異常な増大、またはSyk活性のタイミングおよびもしくは制御の異常の形態であり得る。そのため、かかる不適切な活性は、例えば、不適切または制御不能な活性化をもたらす該プロテインキナーゼの過剰発現または変異に起因するものであり得る。
さらなる実施形態において、本発明は、無秩序なSyk活性に関連する障害の予防および/または処置のためのSykの調節、モジュレーションまたは阻害方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、Syk活性によって媒介される障害に苦しんでいる哺乳類の処置方法であって、前記哺乳類に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能性の誘導体を投与することを含む方法を提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、Syk活性によって媒介される障害の処置のための医薬の調製における式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物あるいはその生理学的に機能性の誘導体の使用を提供する。
さらなる実施形態において、Syk活性によって媒介される前記障害は喘息である。さらなる実施形態では、前記障害は関節リウマチである。また別の実施形態では、前記障害はがんである。さらなる実施形態では、前記障害は眼の結膜炎である。
本発明のまた別の態様は、Fc受容体シグナル伝達カスケード、例えばFceRIおよび/またはFcgRI媒介性脱顆粒の化学メディエータの放出または合成によって引き起こされる、および/またはこれと関連していることを特徴とする疾患の処置または予防に対する治療アプローチとして、かかるFc受容体シグナル伝達カスケードまたは脱顆粒によって引き起こされるか、またはこれに関連している疾患の処置方法を提供する。また、Sykは、イムノチロシン系活性化モチーフ(IT AM)シグナル伝達、B細胞受容体シグナル伝達、T細胞受容体シグナル伝達に緊要な役割を果たしており、好中球におけるインテグリンβ(1)、β(2)およびβ(3)シグナル伝達の必須成分であることが知られている。したがって、本発明の化合物は、Fc受容体、ITAM、B細胞受容体およびインテグリンシグナル伝達カスケード、ならびにこれらのシグナル伝達カスケードによって誘起される細胞応答を調節するために使用され得る。調節または阻害され得る細胞応答の非限定的な例としては、呼吸バースト、細胞接着、細胞脱顆粒、細胞拡延、細胞遊走、食作用、カルシウムイオン流出、血小板凝集および細胞成熟が挙げられる。
治療における使用のために、式Iの化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体がそのままの化学物質で投与され得ることは考えられ得るが、活性成分を医薬組成物として提示することが考えられ得る。したがって、本発明は、さらに、式Iの化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体と薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。式Iの化合物およびその薬学的に許容され得る塩は上記のとおりである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤のその他の成分と適合性であり、そのレシピエントに対して有害でないという意味で許容され得るものでなければならない。また、本発明の別の態様により、式Iの化合物またはその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体を1種類以上の薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む、医薬組成物の調製方法が提供される。
本発明の医薬組成物は、単位用量あたりに所定量の活性成分を含む単位投薬形態で提示され得る。かかる単位には、処置対象の病状、投与経路ならびに患者の年齢、体重および体調に応じて、例えば5μg〜3g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mgの式Iの化合物が内包され得る。したがって、かかる単位用量を1日1回より多くで投与してもよい。好ましい単位投薬組成物は、本明細書において上記に記載のような日用量もしくは下位用量(1日1回より多くでの投与のため)、またはその適切な分割量の活性成分を含むものである。さらに、かかる医薬組成物は、製薬技術分野でよく知られた任意の方法によって調製され得る。
本発明の医薬組成物は、任意の適切な経路、例えば、経口(例えば、口腔内もしくは舌下)、経直腸、経表面、吸入、経鼻、経眼または非経口(例えば、静脈内および筋肉内)経路による投与に適合させ得る。かかる組成物は、製薬技術分野で知られた任意の方法、例えば、活性成分を担体または賦形剤と合わせることによって調製され得る。投薬形態としては、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏、エーロゾル剤などが挙げられる。
さらなる実施形態において、本発明は、例えば関節リウマチの処置のための経口経路による投与に適合させた医薬組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、例えばアレルギー性鼻炎の処置のための経鼻経路による投与に適合させた医薬組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、例えば喘息、COPDまたはARDSの処置のための吸入経路による投与に適合させた医薬組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、目の疾患、例えば結膜炎の処置のための経眼経路による投与に適合させた医薬組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、例えばがんの処置のための非経口(例えば、静脈内)経路による投与に適合させた医薬組成物を提供する。
経口投与に適合させた本発明の医薬組成物は、個別単位、例えば、カプセル剤もしくは錠剤;散剤もしくは顆粒剤;水性もしくは非水性の液体中の液剤もしくは懸濁剤;可食型のフォーム剤またはホイップ剤;または水中油型液状乳剤もしくは油中水型液状乳剤として提示され得る。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態の経口投与では、活性薬物成分は、経口用の無毒性の薬学的に許容され得る不活性な担体(例えば、エタノール、グリセロール、水など)と合わされ得る。散剤は、該化合物を適当な微細サイズに粉砕し、同様に粉砕された医薬用担体(食用糖質、例えば、デンプンまたはマンニトールなど)と混合することにより調製される。また、フレーバー剤、保存料、分散化剤および着色剤を存在させてもよい。
カプセル剤は、上記のような散剤混合物を調製し、成形されたゼラチン鞘に充填することにより作製される。流動促進剤および滑沢剤、例えば、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固形ポリエチレングリコールが該散剤混合物に、充填作業前に添加され得る。また、カプセル剤を摂取したときの医薬の利用可能性を改善するために、崩壊剤または可溶化剤、例えば、アガーアガー、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムも添加してもよい。
さらに、所望される場合、または必要な場合は、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤も該混合物に組み込んでもよい。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖類(グルコースまたはβ−ラクトースなど)、トウモロコシ甘味料、天然および合成ガム、(アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールならびにワックスが挙げられる。このような投薬形態に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、散剤混合物を調製し、造粒またはスラッギングし、滑沢剤と崩壊剤を添加し、錠剤に圧縮することにより製剤化される。散剤混合物は、該化合物(適当に粉砕したもの)を、上記のような希釈剤または基剤と混合することにより調製され、結合剤(カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなど)、溶解遅延物質(パラフィンなど)、吸収加速剤(第4級塩など)および/または吸収剤(ベントナイト、カオリンもしくはリン酸二カルシウムなど)を混合してもよい。散剤混合物は、結合剤(シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム漿またはセルロース系もしくはポリマー系物質の溶液など)で湿潤させ、スクリーンに押し付けて通すことにより造粒され得る。造粒の代替法として、散剤混合物を打錠機で処理し、結果物を不完全にスラッギングして顆粒剤に破砕してもよい。顆粒剤は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を添加する手段によって、錠剤形成ダイへの付着を抑制するために滑らかにされ得る。滑らかにされた混合物は、次いで錠剤に圧縮される。また、本発明の化合物を自由流動性の不活性な担体と合わせ、造粒またはスラッギングする工程を経ることなく直接錠剤に圧縮してもよい。シェラックのシールコート、糖類または高分子物質のコーティングおよびワックスのつや出しコーティングからなる透明または不透明な保護コーティングを施してもよい。種々の単位投薬を識別するために、このようなコーティングに染料を添加してもよい。
経口液状剤、例えば、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤は、所与の量に所定量の該化合物が含有されるように単位投薬形態に調製され得る。シロップ剤は、該化合物を適当なフレーバーを添加した水溶液に溶解させることにより調製され得、一方、エリキシル剤は、無毒性のアルコール性ビヒクルの使用によって調製される。懸濁剤は、該化合物を無毒性のビヒクル中に分散させることにより製剤化され得る。また、可溶化剤および乳化剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル)、保存料、フレーバー添加剤(例えば、ペパーミント油または天然甘味料またはサッカリンまたは他の人工甘味料)などを添加してもよい。
適切な場合は、経口投与のための投薬単位組成物をマイクロカプセル封入してもよい。また、製剤を長期放出または徐放のために、例えば、微粒状物質をポリマー、ワックスなどにコーティングまたは包埋することによって調製してもよい。
また、式Iの化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体をリポソーム送達系、例えば、小型の単層小胞、大型の単層 小胞で多層の小胞の形態で投与してもよい。リポソームは、さまざまなリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンで形成されたものであり得る。
また、式Iの化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体を、該化合物分子をカップリングさせる個々の担体としてモノクローナル抗体を使用することによって送達してもよい。また、該化合物に、標的化可能な薬物担体として可溶性ポリマーをカップリングさせてもよい。かかるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが挙げられ得る。さらに、該化合物を、薬物の制御放出を得るのに有用な類型の生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびハイドロゲルの架橋型または両親媒性ブロックコポリマーにカップリングさせてもよい。
吸入投与のための投薬形態は、エーロゾル剤または乾燥粉末剤として簡便に製剤化され得る。
吸入投与に適した、および/または適合させた組成物では、式Iの化合物または塩が粒径サイズリダクション形態であることが好ましく、より好ましくは、サイズリダクション形態は微粒子化によって得られる、または得られ得るものである。サイズリダクション(例えば、微粒子化)された化合物または塩または溶媒和物の好ましい粒径は、D50値が約0.5〜約10ミクロン(例えば、レーザー回折を用いて測定したとき)と規定される。
例えば吸入投与のためのエーロゾル製剤は、活性物質の薬学的に許容され得る水性または非水性溶媒中の液剤または微細懸濁剤を含むものであり得る。エーロゾル製剤は単回用量または反復用量で滅菌形態で密封容器内に提示され得、該容器は、アトマイザー型デバイスまたは吸入器での使用のためのカートリッジまたはレフィルの形態であり得る。あるいはまた、密封容器は、ユニット型施薬デバイス、例えば、単回用量経鼻吸入器または絞り弁が取り付けられたエーロゾル剤ディスペンサー(定量吸入器)であってもよく、これは、容器内の佩用物が消費されたら廃棄されることが意図されたものである。
投薬形態がエーロゾル剤ディスペンサーを備えたものである場合、好ましくは、これに圧力下の適当な噴射剤(圧縮空気、二酸化炭素など)または有機噴射剤(ハイドロフルオロカーボン(HFC)など)を含有させる。好適なHFC噴射剤としては、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンが挙げられる。また、エーロゾル剤投薬形態はポンプ式アトマイザーの形態であってもよい。加圧エーロゾル剤は、活性化合物の液剤または懸濁液を含有するものであり得る。これには、懸濁剤製剤の分散特性および均質性を改善するために、さらなる賦形剤、例えば、共溶媒および/または界面活性剤の組込みが必要とされ得る。また、液剤製剤でもエタノールなどの共溶媒の添加が必要とされ得る。また、例えば、製剤の安定性および/または味覚および/または微粒子塊特性(量および/またはプロフィール)を改善するための他の賦形剤である改良剤を組み込んでもよい。
吸入投与に適した、および/または適合させた医薬組成物では、医薬組成物が吸入用乾燥粉末剤組成物であることが好ましい。かかる組成物は、粉末基剤(ラクトース、グルコース、トレハロース、マンニトールまたはデンプンなど)、式Iの化合物またはその塩もしくは溶媒和物(好ましくは、粒径サイズリダクション形態、例えば微粒子化形態)を含むものであり得、性能改良剤、例えば、L−ロイシンもしくは別のアミノ酸、および/またはステアリン酸の金属塩(ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウムなど)を含めてもよい。好ましくは、吸入用乾燥粉末剤組成物は、ラクトースと式Iの化合物またはその塩の乾燥粉末剤ブレンドを含むものである。ラクトースは、好ましくはラクトース水和物、例えば、ラクトース一水和物および/または好ましくは吸入等級および/または微粉等級ラクトースである。好ましくは、ラクトースの粒径は、ラクトース粒子の90%以上(重量基準または容量基準)が1000ミクロン(マイクロメートル)未満(例えば10〜1000ミクロン、例えば30〜1000ミクロン)の直径である、および/またはラクトース粒子の50%以上が500ミクロン未満(例えば、10〜500ミクロン)の直径であると規定される。より好ましくは、ラクトースの粒径は、ラクトース粒子の90%以上が300ミクロン未満(例えば、10〜300ミクロン、例えば、50〜300ミクロン)の直径である、および/またはラクトース粒子の50%以上が100ミクロンの直径であると規定される。ラクトースの粒径を、ラクトース粒子の90%以上が100〜200ミクロン未満の直径である、および/またはラクトース粒子の50%以上が40〜70ミクロンの直径であると規定してもよい。粒子の約3〜約30%(例えば、約10%)(重量基準または容量基準)が50ミクロン未満または20ミクロン未満の直径であることが好ましい。例えば、限定されないが、好適な吸入等級ラクトースはE9334ラクトース(10%が微粒)(Borculo Domo Ingredients,Hanzeplein 25,8017 J D Zwolle,Netherlands)である。
特に、吸入用乾燥粉末剤組成物では、吸入投与のための医薬組成物を、適当な吸入デバイス内部の細片またはリボン内に縦方向に載置される複数の密封用量容器(例えば、乾燥粉末剤組成物が内包)内に組み込んでもよい。容器は、必要時に破断可能または剥離開封可能なものであり、例えば、乾燥粉末剤組成物の用量は、DISKUS(登録商標)デバイス(GlaxoSmithKline)などのデバイスからの吸入によって投与され得る。他の乾燥粉末剤吸入器は当業者によく知られており、多くのかかるデバイスが市販されており、代表的なデバイスとしては、Aerolizer(登録商標)(Novartis)、Airmax(商標)(TV AX)、ClickHaler(登録商標)(Innovata Biomed)、Diskhaler(登録商標)(GlaxoSmithKline)、Accuhaler(GlaxoSmithKline)、Easyhaler(登録商標)(Orion Pharma)、Eclipse(商標)(Aventis)、FlowCaps(登録商標)(Hovione)、Handihaler(登録商標)(Boehringer Ingelheim)、Pulvinal(登録商標)(Chiesi)、Rotahaler(登録商標)(GlaxoSmithKline)、SkyeHaler(商標)or Certihaler(商標)(SkyePharma)、Twisthaler(Schering−Plough)、Turbuhaler(登録商標)(AstraZeneca)、Ultrahaler(登録商標)(Aventis)などが挙げられる。
経眼投与のための投薬形態は、眼科使用に適した賦形剤を用いて液剤または懸濁剤として製剤化され得る。
経鼻投与のための投薬形態は、エーロゾル剤、液剤、滴剤、ゲル剤または乾燥粉末剤として簡便に製剤化され得る。
吸入による投与に適合させた医薬組成物としては、微粒子の粉剤もしくはミスト剤が挙げられ、これらは種々の型の定量加圧エーロゾル、ネブライザまたは吹送器によって生成させ得る。
鼻腔内投与に適した、および/または適合させた医薬組成物では、式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、液状剤ディスペンサーからの送達のための液状剤製剤として製剤化され得る。かかる液状剤ディスペンサーは、例えば、液状剤ディスペンサーのポンプ機構にユーザーによって力が加えられると、定量の液状剤製剤が内部を通して施薬される施薬ノズルまたは施薬オリフィスを有するものであり得る。かかる液状剤ディスペンサーは一般的に定量液状剤製剤の多数のレザーバを備えており、該用量は、逐次ポンプを作動させると施薬可能になっている。施薬ノズルまたはオリフィスは、鼻腔内への液状剤製剤の噴霧施薬のためにユーザーの外鼻孔内に挿入されるように構成され得る。上記の型の液状剤ディスペンサーは、国際公開第2005/044354号(その全内容は引用により本明細書に組み込まれる)に説明および図解されている。ディスペンサーはハウジングを有し、該ハウジングには、液状剤製剤を内包している容器上に載置された圧縮ポンプを有する液状剤排出デバイスが収容されている。該ハウジングは、指で操作可能な少なくとも1つのサイドレバーを有し、該サイドレバーは、ハウジング内で該容器が上方にカム動作してポンプを押圧すると定量の製剤がポンプ幹部からハウジングの経鼻ノズルを通してポンプ輸送されるようにハウジングに対して内側に可動性になっている。特に好ましい液状剤ディスペンサーは、国際公開第2005/044354号の図30〜40に図解された一般的な型のものである。
以下は、本発明の化合物の代表的な医薬投薬形態の一例である:
注射用懸濁剤(I.M.) mg/ml
式Iの化合物 10
メチルセルロース 5.0
Tween 80 0.5
ベンジルアルコール 9.0
塩化ベンザルコニウム 1.0
1mlの全容量まで注射用水
錠剤 mg/錠剤
式Iの化合物 25
微晶質セルロース 415
ポビドン 14.0
デンプン 43.5
ステアリン酸マグネシウム 2.5
500
カプセル剤 mg/カプセル剤
式Iの化合物 25
ラクトース粉末 573.5
ステアリン酸マグネシウム 1.5
600
吸入エーロゾル 用量あたり
式Iの化合物 100meg
オレイン酸 5meg
エタノール 1mg
HFA 227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン) 75mg
乾燥粉末吸入エーロゾル 用量あたり
式Iの化合物 100meg
ラクトース 12.5mg
本発明の化合物を、通常、吸入、静脈内、経口または鼻腔内経路によって投与される他の治療用薬剤と併用して投与する場合、得られる医薬組成物を同じ経路で投与してもよいことは認識されよう。
具体的に上記に挙げた成分に加えて、該組成物には、対象の製剤の型を考慮して、当該技術分野で慣用的な他の薬剤を含めてもよいことは理解されよう(例えば、経口投与に適したものとしてはフレーバー剤が挙げられ得る)。
本発明の化合物の治療有効量は、いくつかの要素、例えば、動物の年齢および体重、処置を必要としている厳密な病状およびその重症度、製剤の性質ならびに投与経路などに依存し、最終的には担当医師または獣医の判断にまかされる。しかしながら、不適切なSyk活性と関連している疾患または病状の処置のための有効量の式Iの化合物は、一般的に、5μg〜100mg/kgレシピエント(哺乳動物)体重/日であり、より通常には5μg〜10mg/kg体重/日の範囲である。この量は1日に単回用量で投与してもよく、またはより通常には1日あたり何回か(2回、3回、4回、5回または6回など)の下位用量で全日用量が同じとなるように投与され得る。その塩または溶媒和物の有効量は、式Iの化合物自体の有効量のある割合として決定され得る。
本発明の化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体は、単独で使用してもよく、不適切なSyk活性と関連している疾患および病状の処置のための他の治療用薬剤と併用して使用してもよい。したがって、本発明による併用療法は、少なくとも1種類の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物またはその生理学的に機能性の誘導体の投与と、少なくとも他の医薬活性薬剤の使用とを含むものである。式Iの化合物と該他の医薬活性薬剤は、一緒に投与しても別々に投与してもよく、別々に投与する場合、これは、同時に行ってもよく、任意の順序で逐次行ってもよい。式Iの化合物および該他の医薬活性薬剤の量ならびに相対的な投与のタイミングは、所望の併用治療効果が得られるように選択する。
炎症性疾患、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の処置では、式Iの化合物は:(1)TNF−α阻害薬、例えば、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、エタネルセプト(Enbrel(登録商標))、アダリムマブ(Humira(登録商標))、セルトリズマブペゴール(Cimzia(登録商標))、およびゴリムマブ(Simponi(登録商標));(2)非選択的COX−I/COX−2阻害薬(例えば、ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸、例えば、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えば、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、アザプロパゾン、ピラゾロン、例えば、フェニルブタゾン、サリチラート、例えば、アスピリン);(3)COX−2阻害薬(例えば、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブおよびエトリコキシブ);(4)関節リウマチの処置のための他の薬剤、例えば、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス、ペニシラミン、ブシラミン、アクタリット、ミゾリビン、ロベンザリット、シクレソニド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、アウロチオマレート、オーラノフィンまたは非経口もしくは経口用の金、シクロホスファミド、リンホスタット−B、BAFF/APRIL阻害薬およびCTLA−4−Igまたはその模倣薬;(5)ロイコトリエン生合成阻害薬、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害薬または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬、例えば、ジレウトン;(6)LTD4受容体拮抗薬、例えば、ザフィルルカスト、モンテルカストおよびプランルカスト;(7)PDE4阻害薬、例えば、ロフルミラスト、シロミラスト、AWD−12−281(Elbion)、およびPD−168787(Pfizer);(8)抗ヒスタミンHI受容体拮抗薬、例えば、セチリジン、レボセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパチジン、メタピリレンおよびクロルフェニラミン;(9)αl−およびα2−アドレナリン受容体作動薬 血管収縮薬交感神経様作用剤、例えば、プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、偽エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、および塩酸エチルノルエピネフリン;(10)抗コリン作動剤、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化アクリジニウム(aclindinium)、グリコピロレート、(R,R)−グリコピロレート、ピレンゼピン、およびテレンゼピン;(11)β−アドレナリン受容体作動薬、例えば、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、ホルモテロール(特にフマル酸塩)、サルメテロール(特にキシナホ酸塩)、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロール、フェノテロール、およびピルブテロール、またはメチルキサンタニン(xanthanine)、例えば、テオフィリンおよびアミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム;(12)インスリン様増殖因子I型(IGF−1)模倣薬;(13)糖質コルチコステロイド、特に、全身性服作用の少ない吸入型グルココルチコイド、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドおよびフロ酸モメタゾン;(14)キナーゼ阻害薬、例えば、ヤヌスキナーゼ(JAK1および/またはJAK2および/またはJAK3および/またはTYK2)の阻害薬、例えば、トファシチニブ(Pfizer)、バリシチニブ(Incyte)、VX−509(Vertex)、ASP−015K(Astellas)、GLPG0634(Galapagos)、SB−1578(SBIO)、およびAC−430(Ambit Biosciences);p38 MAPKおよびIKK2;(15)B細胞標的化生物製剤、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標));(16)選択的共刺激モジュレータ、例えば、アバタセプト(Orencia);(17)インターロイキン阻害薬、例えば、IL−1阻害薬アナキンラ(Kineret)およびIL−6阻害薬トシリズマブ(Actemra)などの1種類以上の他の活性薬剤と併用され得る。
また、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩をβ2−アドレナリン受容体作動薬および抗炎症コルチコステロイドとともに含む、いわゆる「三重併用」療法薬を提供する。好ましくは、この併用は、喘息、COPDまたはアレルギー性鼻炎の処置および/または予防のためのものである。β2−アドレナリン受容体作動薬および/または抗炎症コルチコステロイドは、上記のものおよび/または国際公開第03/030939号に記載のものであり得る。かかる「三重」併用の代表例は、式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、Advair(登録商標)(キシナホ酸サルメテロールおよびプロピオン酸フルチカゾン)、Symbicort(登録商標)(ブデソニドおよびフマル酸ホルモテロール)、またはDulera(登録商標)(フロ酸モメタゾンおよびフマル酸ホルモテロール)、サルメテロールまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、キシナホ酸サルメテロール)ならびにプロピオン酸フルチカゾンの成分との併用である。
がんの処置では、式Iの化合物は1種類以上の抗がん剤と併用され得る。かかる薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T.Devita and S.Hellman(編者),第6版(2001年2月15日),Lippincott Williams & Wilkins Publishersにおいて知得され得る。当業者であれば、薬物の具体的な特性および関与しているがんに基づいて、どの薬剤の組合せが有用であり得るかを認識することができよう。かかる抗がん剤としては、限定されないが、以下のもの:(1)エストロゲン受容体モジュレータ、例えば、ジエチルスチベストラル(diethylstibestral)、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルオキシメステロン(fluoxymestero)、およびSH646;(2)他のホルモン剤、例えば、アロマターゼ阻害薬(例えば、アミノグルテチミド、テトラゾール アナストロゾール、レトロゾールおよびエキセメスタン)、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体、ケトコナゾール、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド、酢酸メゲストロールおよびミフェプリストン;(3)アンドロゲン受容体モジュレータ、例えば、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害薬、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、および酢酸アビラテロン;(4)レチノイド受容体モジュレータ、例えば、ベクサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミド、およびN−4−カルボキシフェニルレチンアミド;(5)抗増殖剤、例えば、アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、およびINX3001、ならびに代謝拮抗薬、例えば、エノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、ホステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド(paltitrexid)、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカ−ジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン、トロキサシタビン、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、メトトレキサート、ロイコボリン(leucovarin)、ヒドロキシ尿素、チオグアニン(6−TG)、メルカプトプリン(6−MP)、シタラビン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、クラドリビン(2−CDA)、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、アラノシン、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、および3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒドチオセミカルバゾン;(6)プレニル−タンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、例えば、ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTase−I)、およびゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTase−II,Rab GGPTaseとも称する);(7)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、例えば、ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンおよびロスバスタチン;(8)血管新生阻害薬、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)およびFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害薬、上皮由来、線維芽細胞由来、または血小板由来増殖因子の阻害薬、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害薬、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、エリトロポイエチン(エポエチン−α)、顆粒球−CSF(フィルグラスチム(filgrastin))、顆粒球、マクロファージ−CSF(サルグラモスチン)、ポリ硫酸ペントサン、シクロオキシゲナーゼ阻害薬、ステロイド系抗炎症薬、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンII拮抗薬、ヘパリン、カルボキシペプチダーゼU阻害薬、およびVEGFに対する抗体、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化リン酸マンノペンタオース、および3−[(2,4−ジメチルピロル−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416);(9)PPAR−γ作動薬、PPAR−δ作動薬、チアゾリジンジノン(例えば、DRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾン、およびピオグリタゾン)、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル、クロフィブラート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンゾイソオキサゾル−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(USSN09/782,856に開示)、および(2R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN60/235,708および60/244,697に開示);(9)固有の多剤耐性の阻害薬、例えば、p−糖タンパク質(P−gp)の阻害薬、例えば、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853およびPSC833(バルスポダール);(10)細胞増殖および生存シグナル伝達の阻害薬、例えば、EGFRの阻害薬(例えば、ゲフィチニブおよびエルロチニブ)、ERB−2阻害薬(例えば、トラスツズマブ)、IGF1Rの阻害薬、例えば、MK−0646(ダロツズマブ(dalotuzumab))、CD20の阻害薬(リツキシマブ)、サイトカイン受容体の阻害薬、METの阻害薬、PI3Kファミリーキナーゼ(例えば、LY294002)、セリン/トレオニンキナーゼの阻害薬(例えば限定されないが、Aktの阻害薬、例えば、(国際公開第03/086404号、同第03/086403号、同第03/086394号、同第03/086279号、同第02/083675号、同第02/083139号、同第02/083140号および同第02/083138号に記載)、Rafキナーゼの阻害薬(例えば、BAY−43−9006)、MEKの阻害薬(例えば、CI−1040およびPD−098059)ならびにmTORの阻害薬(例えば、Wyeth CCI−779およびAriad AP23573);(11)ビスホスホネート、例えば、エチドロネート、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート、イバンドロネート、インカドロネートまたはシマドロネート、クロドロネート、EB−1053、ミノドロネート、ネリドロネート、ピリドロネートおよびチルドロネート;(12)γ−セクレターゼ阻害薬,(13)受容体型チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤、例えば、c−Kit、Eph、PDGF、Flt3およびc−Metの阻害薬;(14)細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤、例えば、ATR、ATM、ChklおよびChk2キナーゼの阻害薬ならびにcdkおよびcdcキナーゼ阻害薬、特に、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)およびBMS−387032が例示される;(15)BTK阻害薬、例えば、PCI32765、AVL−292およびAVL−101;(16)PARP阻害薬、例えば、イニパリブ、オラパリブ、AGO14699、ABT888およびMK4827;(16)ERK阻害薬;(17)mTOR阻害薬、例えば、シロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、エベロリムス;(18)細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤が挙げられる。
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」は、主に、細胞の機能発揮を直接妨げることにより、細胞死を引き起こすか、もしくは細胞増殖を抑止する、または細胞の有糸分裂を抑止するまたは妨げる化合物、例えば、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレータ、低酸素活性化性化合物、微小管阻害薬/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンの阻害薬、ヒストンデアセチラーゼの阻害薬、有糸分裂の進行に関与しているキナーゼの阻害薬、代謝拮抗薬;生物学的応答改良剤;ホルモン/抗ホルモン治療用薬剤、造血増殖因子、モノクローナル抗体標的化治療用薬剤、トポイソメラーゼ阻害薬、プロテアソーム阻害薬およびユビキチンリガーゼ阻害薬をいう。
細胞傷害剤の例としては、限定されないが、セルテネフ、カケクチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタード、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニムスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロマイド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デクスイホスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100,(トランス,トランス,トランス)−ビス−μ−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−μ−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、アントラセンジオン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、プリカトマイシン、ビサントレン、ミトザントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシンが挙げられる。
低酸素活性化性化合物の一例はチラパザミンである。
プロテアソーム阻害薬の例としては、限定されないが、ラクタシスチンおよびボルテゾミブが挙げられる。
微小管阻害薬/微小管安定化剤の例としては、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、ビノレルビン、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド(VP−16)およびテニポシド(VM−26))、パクリタキセル、ドセタキセル、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、アウリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン(例えば、米国特許第6,284,781号明細書および同第6,288,237号明細書参照)ならびにBMS188797が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害薬の一例は、トポテカン、ヒカプトアミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−シャールトルーシン、ルートテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾレ−1−カルボキサミド、アスラクリン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−デ]アクリジン−6−オン、N−[1−[2−(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、およびジメスナである。
有糸分裂キネシンの阻害薬の例としては、限定されないが、KSPの阻害薬、MKLP1の阻害薬、CENP−Eの阻害薬、MCAKの阻害薬、Kif14の阻害薬、Mphosph1の阻害薬およびRab6−KIFLの阻害薬が挙げられる。
「ヒストンデアセチラーゼ阻害薬」の例としては、限定されないが、ボリノスタット、トリコスタチンA、オキサムフラチン、PXD101、MG98、バルプロ酸およびスクリプタイドが挙げられる。
「有糸分裂の進行に関与しているキナーゼの阻害薬」としては、限定されないが、オーロラキナーゼの阻害薬、Polo様キナーゼ(PLK)の阻害薬(特に、PLK−1の阻害薬)、bub−1の阻害薬およびbub−R1の阻害薬が挙げられる。「オーロラキナーゼ阻害薬」の一例はVX−680である。
「抗増殖剤」としては、アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、およびINX3001、ならびに代謝拮抗薬、例えば、エノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、ホステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2,4−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン、トロキサシタビン、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、メトトレキサート、ロイコボリン、ヒドロキシ尿素、チオグアニン(6−TG)、メルカプトプリン(6−MP)、シタラビン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、クラドリビン(2−CDA)、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、アラノシン、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、および3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒドチオセミカルバゾンが挙げられる。
式Iの化合物と併用され得るがんの治療に使用される好適な薬剤の非限定的な例としては、限定されないが、アバレリクス;アルデスロイキン;アレムツズマブ;アリトレチノイン;アロプリノール;アルトレタミン;アミホスチン;アナストロゾール;三酸化ヒ素;アスパラギナーゼ;アザシチジン;ベンダムスチン;ベバシズマブ(bevacuzimab);ベクサロテン;ブレオマイシン;ボルテゾミブ;ブスルファン;カルステロン;カペシタビン;カルボプラチン;カルムスチン;セツキシマブ;クロラムブシル;シスプラチン;クラドリビン;クロファラビン;シクロホスファミド;シタラビン;デカルバジン;ダクチノマイシン、アクチノマイシンD;ダルテパリン;ダルベポエチンα;ダサチニブ;ダウノルビシン;デガレリクス;デニロイキンジフチトクス;デクスラゾキサン;ドセタキセル;ドキソルビシン;プロピオン酸ドロモスタノロン;エクリズマブ;エリオットB液;エルトロンボパグ;エピルビシン;エポエチンα;エルロチニブ;エストラムスチン;リン酸エトポシド;エトポシド;エベロリムス;エキセメスタン;フィルグラスチム;フロクスウリジン;フルダラビン;フルオロウラシル;フルベストラント;ゲフィチニブ;ゲムシタビン;ゲムツヅマブオゾガミシン;酢酸ゴセレリン;酢酸ヒストレリン;ヒドロキシ尿素;イブリツモマブチウキセタン;イダルビシン;イホスファミド;メシル酸イマチニブ;インターフェロンα2a;インターフェロンα−2b;イリノテカン;イキサベピロン;ラパチニブ;レナリドミド;レトロゾール;ロイコボリン;酢酸ロイプロリド;レバミゾール;ロムスチン、;メクロレタミン、ナイトロジェンマスタード;酢酸メゲストロール;メルファラン、L−PAM;メルカプトプリン;メンサ;メトトレキサート;メトキサレン;マイトマイシンC;ミトタン;ミトザントロン;ナンドロロンフェンプロピオナート;ネララビン;ニロチニブ;ノフェツモマブ;オファツムマブ;オプレルベキン;オキサリプラチン;パクリタキセル;パリフェルミン;パミドロネート;パニツムマブ;パゾパニブ;ペガデマーゼ;ペガスパルガーゼ;ペグフィルグラスチム;ペメトレキセド二ナトリウム;ペントスタチン;ピポブロマン;プレリキサホル;プリカマイシン、ミトラマイシン);ポルフィマールナトリウム;プララトレキサート;プロカルバジン;キナクリン;ラスブリカーゼ;塩酸ラロキシフェン;リツキシマブ;ロミデプシン;ロミプロスチム;サルグラモスチン;サルグラモスチン;サトラプラチン;ソラフェニブ;ストレプトゾシン;マレイン酸スニチニブ;タモキシフェン;テモゾロミド;テムシロシムス;テニポシド、テストラクトン;チオグアニン;チオテパ;トポテカン;トレミフェン;トシツモマブ;トラスツズマブ;トレチノイン;ウラシルマスタード;バルルビシン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ボリノスタット;およびゾレドロネートが挙げられる。
適切な場合は、治療用成分の活性および/または安定性および/または物理的特性(可溶性など)を最適化するため、該他の治療用成分を塩の形態で、例えば、アルカリ金属もしくはアミンの塩として、または酸付加塩もしくはプロドラッグとして、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)として、あるいは溶媒和物(例えば、水和物)として使用してもよいことは当業者に明白であろう。また、適切な場合は、治療用成分を光学的に純粋な形態で使用してもよいことも明白であろう。
上記の併用薬は医薬組成物の形態での使用に簡便に提示され得、したがって、上記に規定した併用薬を薬学的に許容され得る希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物は、本発明のさらなる態様を表す。このような併用は、呼吸器系の疾患において特に重要であり、吸入送達または鼻腔内送達用に簡便に適合される。
かかる併用の個々の化合物は、別々医薬組成物または併合した医薬組成物にて逐次または同時のいずれかで投与され得る。好ましくは、個々の化合物は、併合した医薬組成物にて同時に投与される。既知の治療用薬剤の適切な用量は当業者によって容易に認識されよう。
Syk阻害は以下のアッセイプロトコルを用いて測定され得る:
生物学的アッセイ
組換えヒトSyk酵素の均質系時間分解蛍光(HTRF)アッセイ:組換えGST−hSyk融合タンパク質を使用し、化合物がヒトSyk活性を阻害する効力を測定した。組換えヒトGST−Syk(Carna Biosciences #08−176)(5pM終濃度)を種々の濃度の阻害薬(DMSO中で希釈(0.1%終濃度))とともに、室温で10分間、15mM Tris−HCl(pH7.5),0.01%tween 20,2mM DTT中で384ウェルプレート形式にてインキュベートした。反応を開始させるため、Sykのリン酸化部位を含むビオチン化基質ペプチド(250nM終濃度)をマグネシウム(5mM終濃度)およびATP(25μM終濃度)とともに添加した。反応液の最終容量は10μLとした。該ペプチドのリン酸化を室温で45分間進行させた。反応液をクエンチしてリン酸化生成物を検出するため、2nMのユーロピウム−抗ホスホチロシン抗体(Perkin Elmer #AD0161)と70nMのSA−APC(Perkin−Elmer #CR130−100)を15mM Tris pH7.5,40mM EDTA,0.01%tween 20中に一緒に添加した。クエンチ溶液の最終容量は10μLとした。得られたHTRFシグナルを30分間後にEnVision(Perkin−Elmer)リーダーで、時間分解蛍光プロトコルを用いて測定した。10用量滴定(10μM〜0.508nM)および4パラメータロジスティック曲線フィッティングに従い、Merck Assay Data Analyzerを用いてIC50を求めた。rhSyk活性(IC50)は+++(100nM以下)、++(100〜1000nM)、+(1〜10μM)として表示している。また、以下の代表的な化合物のIC50値も示す:
Figure 2014513687
本発明の化合物は、さまざまな方法(標準的な化学反応など)によって作製され得る。先に定義した可変部(あれば)は、特に記載のない限り、引き続き、先に定義した意味を有する。実例としての一般的な合成方法を以下に示し、次いで、本発明の具体的な化合物を実施例において調製する。
一般式Iの化合物は、有機合成技術分野で知られた方法(一部を以下の合成スキームに示す)によって調製され得る。以下に記載するスキームではすべて、化学反応の一般原則に従って必要な場合は、感受性または反応性の基に対して保護基が使用されることは充分に理解されよう。保護基は標準的な有機合成法に従って操作される(T.W.Green and P.G.M.Wuts(1991)Protecting Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons)。このような基は、化合物合成の都合のよい段階で、当業者に容易にわかる方法を用いて除去される。保護基の選択ならびに反応条件および反応工程の順序は、式Iの化合物の調製に整合させるものとする。当業者には、式Iの化合物に不斉中心が存在するかどうかが認識されよう。したがって、本発明は、考えられ得るすべての立体異性体を包含し、立体異性体の混合物(ラセミ体の化合物など)だけでなく、個々の立体異性体も同様に包含する。化合物が単独のエナンチオマーであることが所望される場合、これは、立体特異的合成、立体選択的合成または最終生成物もしくは簡便な中間体(あれば)の分割によって得られ得る。最終生成物、中間体または出発物質の分割は、当該技術分野で知られた任意の適当な方法によって行われ得る。例えば、Stereochemistry of Organic Compounds by E.L.Eliel,S.H.Wilen,and L.N.Mander(Wiley−Interscience,1994)を参照のこと。
以下の略号をスキームおよび実施例において使用している:Ac=アセチル;AcOH=酢酸;Bn=ベンジル;Boc(t−Boc)=t−ブチルオキシカルボニル;BOP=(ベンゾトリアゾル−1−イルオキシ)−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;DAST=(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド;dba=ジベンジリデンアセトン;DCE=1,2−ジクロロエタン;DCM=ジクロロメタン;Dibal/Dibal−H=水素化ジイソブチルアルミニウム;DIPEA/DIEA=ジイソプロピルエチルアミン;DMAP=N,N−ジメチル−アミノピリジン;DME=1,2−ジメトキシエタン;DMF=ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;Dppf=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;EDC=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;EtOAc=酢酸エチル;HATU=N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート;HMDS=ヘキサメチルジシラザン;HOBT=1−ヒドロキシベンゾ−トリアゾール;IPA=イソプロピルアルコール;LDA=リチウムジイソプロピルアミド;mCPBA=メタ−クロロペルオキシ安息香酸;Ms=メタンスルホニル(メシル);MTBE=メチルt−ブチルエーテル;NBS=N−ブロモスクシンイミド;Ph=フェニル;TBAF=フッ化t−ブチルアンモニウム;TBDMS/TBS=t−ブチルジメチルシリル;TFA=トリフルオロ酢酸/トリフルオロアセテート;THF=テトラヒドロフラン;TLC=薄層クロマトグラフィー;TMS=トリメチルシリル;Ts=トルエンスルホニル(トリル);TSA=p−トルエンスルホン酸。アルキル/シクロアルキル基の略号:Me=メチル、Et=エチル、nPr=n−プロピル、iPr=イソプロピル、nBu=n−ブチル、t−Bu=ターシャリーブチル、cPr=シクロプロピル、cBu=シクロブチル、cPen=シクロペンチル、cHex=シクロヘキシル、cHept=シクロヘプチル。
スキーム1
Figure 2014513687
式Iの化合物は、置換アミノピリジン(1)とピリジルチアゾール(2)のパラジウム媒介性カップリングによって調製され得る。あるいはまた、式Iの化合物は、置換アミノビスピリジン(3)を置換チアゾール(4)と反応させることによっても得られ得る。
スキーム2
Figure 2014513687
式(2)の化合物は、(5)の型のビス−ハロピリジンをチアゾールとパラジウム触媒を用いてカップリングさせることにより調製され得る。ピリジルチアゾール(6)をLDAなどの強塩基で脱プロトン化し、(7)などの求電子物質と反応させると(2)が得られ得る。
スキーム3
Figure 2014513687
スキーム3に示すように、式(2)の化合物は、まずチアゾールをLDAなどの強塩基で脱プロトン化し、得られた種を(7)などの求電子物質で反応させて置換チアゾール(8)を得ることによっても調製され得る。チアゾール(8)をビス−ハロピリジン(5)と反応させると式(2)の化合物が得られる。
スキーム4
Figure 2014513687
アミノビスピリジン(3)はスキーム4に従って合成され得る。アミノピリジン(9)をビス−ハロピリジン(10)とパラジウム触媒を用いてカップリングさせると式(3)の化合物が得られる。
スキーム5
Figure 2014513687
一例の式Iの化合物はカルボン酸エステル(11)で表される。カルボン酸(12)およびアミド(13)の調製をスキーム5に示す。(11)の型のカルボン酸エステルを塩基性条件下で加水分解するとカルボン酸(12)が得られ得、これをさらに標準的なアミドカップリング試薬とアミンを用いて誘導体化すると、式(13)のアミドが得られ得る。
スキーム6
Figure 2014513687
スキーム6に示すように、式の化合物(15)は、アミン(14)とシアン酸カリウムなどの求電子物質の反応によって調製され得る。
式Iの化合物は、適切な材料を用いて本明細書のスキームおよび実施例に記載の手順に従って調製され得、以下の具体的な実施例にさらに例示する。例示した化合物は本発明の実例であるが、なんら本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。さらに、本実施例に本発明の化合物の調製の詳細の実例を示す。当業者には、保護基、試薬ならびに以下の調製手順の条件およびプロセスの既知のバリエーションを用いてこのような化合物が調製され得ることが容易に理解されよう。また、化学試薬が市販されていない場合はいつでも、かかる化学試薬は、当業者により文献に記載された既知の方法に従うか、または適合させるかのいずれかによって容易に調製され得ることも理解されよう。温度はすべて、特に記載のない限りセ氏温度である。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレーイオン−質量分析(ESI)または大気圧化学イオン化質量分析(APCI)のいずれかを用いて測定した。
中間体1.トランス−4−アセチルシクロヘキサンカルボン酸ブチル
Figure 2014513687
トランス−4−(ブトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1999,20,3023)(18.9g,83mmol)を含むCHCl(150mL)の通気して冷却した溶液(0℃)に窒素下で、触媒量のDMF(30μL)を添加した後、塩化オキサリル(7.97mL,91mmol)を添加した。次いで反応混合物を室温までゆっくり昇温させ、このときこれを14時間攪拌し、この時点でこれを濃縮して黄色油状物にし、3時間真空乾燥させた。主としてトランス−4−(クロロカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸ブチルからなる残渣をTHF(200mL)で希釈し、氷浴中で冷却した。この溶液にPdCl(dppf)−CHCl(3.38g,4.14mmol)を添加した後、ジメチル亜鉛(PhCH中2M,29mL,58mmol)を添加した(内部温度が15℃を超えないような速度で)。次いで冷却浴を除き、室温で2時間の攪拌後、反応混合物を0℃まで再冷却し、このときこれをHOで注意深く希釈した。初期の発熱がおさまった後、充分な1N HClとEtOAcを、均一な二相混合物が形成されるように導入した。層を分離し、有機液の二度目の洗浄をHOで行い、次いでMgSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製残渣をシリカ上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、トランス−4−アセチルシクロヘキサンカルボン酸ブチルを非粘性の橙色油状物として得た。MS ESI C1323の計算値[M+H] 227,実測値227。H NMR(500MHz,CDCl)δ 4.06(t,J=6.6Hz,2H),2.37−2.29(m,1H),2.28−2.20(m,1H),2.14(s,3H),2.11−2.02(m,2H),1.99(d,J=13.8Hz,2H),1.66−1.55(m,2H),1.51−1.40(m,2H),1.39−1.29(m,4H),0.93(t,J=7.4Hz,3H)。
中間体2.トランス−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルおよびトランス−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル
Figure 2014513687
iPrMgCl−LiCl(THF中1.3M,55.2mL,71.8mmol)を入れた冷却(0℃)フラスコに窒素下で、内部温度を<10℃に維持しながらチアゾール(5.10mL,71.8mmol)を添加した。得られた不均一な混合物をRTまで昇温させ、このときこれを10分間攪拌し、次いで−20℃まで再冷却した。次いで、トランス−4−アセチルシクロヘキサンカルボン酸ブチル(12.5g,55.2mmol)のTHF(20+5mL)溶液をシリンジによって添加した。次いで冷却浴を除き、反応混合物を10℃までゆっくり昇温させ、この期間中に、ほぼ完全に均質になることが観察された。40分後、飽和水性NHCl、続いてEtOAcを添加し、層を分離し、有機液をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製残渣をシリカ上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルを淡黄色油状物として得た。エナンチオマーをキラルSFCによって分離した(Chiral Technology AZ−H,2.1×25cm,5uM,45/55のMeOH/CO,流速:80mL/分,6分間の泳動時間,波長:220nm)。溶出は2.98分と4.14分において観察された。各ピークのプールした画分を別々に減圧濃縮した。
ピーク1(保持時間=2.98分):MS ESI C1625NOSの計算値[M+H] 312,実測値312。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.67(d,J=2.9,1H),7.51(d,J=2.9,1H),5.73(s,1H),3.95(t,J=6.5,2H),2.16−2.01(m,1H),1.95−1.74(m,3H),1.62(t,J=11.1,1H),1.54−1.34(m,6H),1.34−1.08(m,5H),1.06−0.91(m,1H),0.85(t,J=7.3,3H)。
ピーク2(保持時間=4.14分):MS ESI C1625NOSの計算値[M+H] 312,実測値312。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.67(d,J=2.9,1H),7.51(d,J=2.9,1H),5.73(s,1H),3.95(t,J=6.5,2H),2.16−2.01(m,1H),1.95−1.74(m,3H),1.62(t,J=11.1,1H),1.54−1.34(m,6H),1.34−1.08(m,5H),1.06−0.91(m,1H),0.85(t,J=7.3,3H)。
中間体3.6−ブロモ−N−(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)−4−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2014513687
乾燥丸底フラスコに2−アミノ−4−シクロプロピルピリジン(5.00g,31.7mmol)と2,6−ジブロモ−4−メチルピリジン(7.95g,31.7mmol)を仕込んだ。反応容器を窒素雰囲気(3回の真空/Nサイクル)下に置き、次いで1,4−ジオキサン(100mL)を添加し、混合物を定常窒素流で30分間脱気した。ナトリウムtert−ブトキシド(3.35g,34.8mmol)と1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.49g,0.75mmol)を反応フラスコに添加し、次いで反応液を室温で15分間攪拌し、次いで50℃まで5時間加熱した。室温まで14時間冷却後、得られた反応混合物を水(200mL)に注入し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水とブライン(200mL分割量)でさらに洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、油状物を得た。この粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(0から30%までの酢酸エチル/ヘキサン)、標題化合物を褐色固形物として得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 9.80(s,1H),8.06(d,J=5.3Hz,1H),7.70(s,1H),7.23(s,1H),6.92(s,1H),6.61(dd,J=1.4,5.3Hz,1H),2.25(s,3H),1.91−1.78(m,1H),1.09−0.98(m,2H),0.82−0.66(m,2H)。
中間体4.トランス−4−{1(R)−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルおよびトランス−4−{1(S)−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル
Figure 2014513687
工程1:2,6−ジブロモピリジン(11.13g,47.0mmol)、ピバル酸(0.545mL,4.70mmol)、炭酸カリウム(6.49g,47.0mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(45mL)懸濁液を、この液中でアルゴンを20分間起泡させることによって脱酸素化した。チアゾール(1.681mL,23.49mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.086g,0.940mmol)を添加し、フラスコを密封し、反応混合物を115℃まで18時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで水(50mL)、酢酸エチル(50mL)およびジエチルエーテル(50mL)で希釈した。層を分離し、次いで有機層を水(2×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(10から60%までの酢酸エチル/ヘキサン)、2−ブロモ−6−(1,3−チアゾル−5−イル)ピリジンを得た。MS ESI CBrNSの計算値[M+H] 241および243,実測値241および243。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 9.19(s,1H),8.64(s,1H),8.06(d,J=7.6Hz,1H),7.83(t,J=7.8Hz,1H),7.58(d,J=7.8Hz,1H)。
工程2:2−ブロモ−6−(1,3−チアゾル−5−イル)ピリジン(457mg,1.895mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン/ヘプタン/エチルベンゼン中1.8M,1.106mmol,1.990mmol)を3分間にわたって添加した。30分後、この反応混合物にトランス−4−アセチルシクロヘキサンカルボン酸ブチル(450mg,1.990mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を添加した。さらに70分後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を添加した。次いで反応混合物を室温まで昇温させた後、酢酸エチル(50mL)、水(2mL)および飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)で希釈した。層を分離し、有機層を逐次、飽和重炭酸ナトリウム水溶液とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(0から20%までの酢酸エチル/ジクロロメタン)、トランス−4−{1−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2127BrNSの計算値[M+H] 467および469,実測値467および469.2種類のエナンチオマーをキラル超臨界液体クロマトグラフィーによって分離した(Chiral Technology IC−H,2.1×25cm,5uM,70/30のエタノール/CO,流速:70mL/分,6分間の泳動時間,波長:220nm)。溶出は3.98分と4.76分間において観察された。各ピークのプールした画分を減圧濃縮した。
エナンチオマー1(保持時間=3.98分):H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.12(s,1H),7.61−7.51(m,2H),7.37(dd,J=2.7,5.9Hz,1H),4.04(t,J=6.6Hz,2H),3.00(s,1H),2.22−2.16(m,1H),2.08−2.01(m,1H),1.99(d,J=13.4Hz,2H),1.83−1.76(m,1H),1.62−1.56(m,3H),1.61(s,3H),144−1.34(m,4H),1.32−1.24(m,1H),1.22−1.15(m,1H),0.92(t,J=7.4Hz,3H).エナンチオマー2(保持時間=4.76分):H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.12(s,1H),7.61−7.51(m,2H),7.37(dd,J=2.7,5.9Hz,1H),4.04(t,J=6.6,2H),2.99(s,1H),2.25−2.17(m,1H),2.08−2.02(m,1H),1.99(d,J=12.8Hz,2H),1.82−1.75(m,1H),1.63(s,3H),1.62−1.56(m,3H),1.43(m,1H),1.40−1.24(m,3H),1.30−1.24(m,1H),1.21−1.15(m,1H),0.92(t,J=7.4Hz,3H)。
中間体5.6−ブロモ−4−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリジン−2−アミン
Figure 2014513687
ナトリウムtert−ブトキシド(5.87g,61.1mmol)と1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.905g,1.4mmol)を、2,6−ジブロモ−4−メチルピリジン(13.9g,55.5mmol)と2−アミノ−4−トリフルオロメチルピリジン(9.0g,55.5mmol)を含む窒素スパージジオキサン(180mL)の溶液に添加した。このスラリーをエバキュエーションし、窒素を再充填した。混合物を25℃で15分間攪拌し、次いで75℃まで12時間加熱した。反応混合物を25℃まで冷却し、水(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−ブロモ−4−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリジン−2−アミンを白色固形物として得た。MS ESI C1210BrFの計算値[M+H] 332および334,実測値332および334。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 10.40(s,1H),8.46(d,J=6.0Hz,1H),7.90(s,1H),7.60(s,1H),7.18(d,J=6.0Hz,1H),7.00(s,1H),2.25(s,3H)。
下記の表の中間体を、中間体5について記載の方法に従って調製した。
Figure 2014513687
Figure 2014513687
中間体6.2,6−ジクロロ−4−シクロプロピルピリジン
Figure 2014513687
臭化シクロプロピル亜鉛(テトラヒドロフラン中0.5M,15mL,7.3mmol)を、2,6−ジクロロ−4−ヨードピリジン(1.0g,3.65mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(211mg,0.182mmol)と無水テトラヒドロフラン(10mL)との混合物に0℃で添加した。室温で4時間攪拌した後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し(石油エーテル:酢酸エチル=100:1)、2,6−ジクロロ−4−シクロプロピルピリジンを得た。MS ESI CClNの計算値[M+H] 188,実測値188。H NMR:(400MHz,CDCl)δ 6.89(s,2H),1.87−1.80(m,1H),1.18−1.13(m,2H),0.84−0.80(m,2H)。
中間体7.6−ブロモ−N−[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−4−メチルピリジン−2−アミン
Figure 2014513687
カリウムt−ブトキシド(THF中1.0M,198mL,198mmol)を、6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−アミン(37g,198mmol)と2−クロロ−4−(ジフルオロメチル)ピリジン(42.1g,257mmol)を含むTHF(60mL)の溶液に0℃で添加した。得られた混合物を30分間加熱還流し、次いで0℃まで冷却し、2回目の一部のカリウムt−ブトキシド(THF中1.0M,80mL,80mmol)を添加した。混合物を再度、30分間加熱還流し、0℃まで冷却し、3回目の一部のカリウムt−ブトキシド(THF中1.0M,80mL,80mmol)を添加した。混合物を再度、30分間加熱還流した。0℃まで冷却した後、4回目の一部のカリウムt−ブトキシド(THF中1.0M,20mL,20mmol)を添加した。30分間還流したら、反応液を室温まで放冷し、次いで飽和水性NHCl(500mL)で希釈し、DCM(500mL)で希釈した。層を分離し、水層の二度目の抽出をDCM(500mL)で行った。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、セライトパッド(150g)に通して濾過し、真空濃縮した。残渣をDCM(100mL)を用いて磨砕し、濾過し、ヘキサン(2×50mL)で洗浄し、一部の6−ブロモ−N−[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−4−メチルピリジン−2−アミンを得た。濾液を濃縮し、シリカゲル上に吸収させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し(EtOAc/ヘキサン)、2回目の一部の6−ブロモ−N−[4−(ジフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−4−メチルピリジン−2−アミンを得た。MS ESI C1211BrFの計算値[M+H]314および316,実測値314および316。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 10.20(s,1H),8.35(d,J=5.1Hz,1H),7.69(s,1H),7.64(s,1H),7.01(d,J=5.1Hz,1H),6.96(t,J=22.3Hz,1H),6.95(s,1H),2.24(s,3H)。
下記の表の中間体を、中間体7について記載の方法に従って調製した。
Figure 2014513687
中間体8.トランス−4−[シクロプロピル(ヒドロキシ)1,3−チアゾル−2−イルメチル]シクロヘキサンカルボン酸メチル
Figure 2014513687
工程1:トランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(500mg,2.69mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液に0℃で塩化オキサリル(0.26mL,2.95mmol)を滴下した。溶液を0℃で30分間攪拌し、次いで室温まで昇温させ、1時間攪拌した。次いで溶液を0℃まで冷却し戻し、2−(トリメチルシリル)−1,3−チアゾール(0.63mL,4.03mmol)を添加した。この溶液を室温まで昇温させ、次いで1時間攪拌した。次いで、この溶液を冷却飽和重炭酸ナトリウムに注入し、次いでジクロロメタン(dichlormethane)で希釈した。有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(0から30%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1216NOSの計算値[M+H] 254,実測値254。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.01(dd,J=1.6,2.9Hz,1H),7.67(dd,J=1.7,2.9Hz,1H),3.77−3.67(m,3H),3.62(t,J=11.1Hz,1H),2.35(t,J=10.4Hz,1H),2.18−2.06(m,4H),1.68−1.48(m,4H)。
工程2:トランス−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル(2.59g,10.22mmol)のTHF(10mL)溶液に−78℃で臭化シクロプロピルマグネシウム(THF中0.5M,24mL,12.00mmol)を添加し、この溶液をこの温度で3時間攪拌した。次いで溶液を15分間昇温させ、次いで水性塩化アンモニウムでクエンチした。この溶液をジクロロメタンで希釈し、有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した(0から30%までの酢酸エチル/ヘキサン)。生成物を逆相クロマトグラフィーによってさらに精製し(25から100%までのアセトニトリル/水(0.1%TFAモディファイアを含む))、トランス−4−[シクロプロピル(ヒドロキシ)1,3−チアゾル−2−イルメチル]シクロヘキサンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1522NOSの計算値[M+H] 296,実測値296。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.77(d,J=3.4Hz,1H),7.37(d,J=3.4Hz,1H),3.65(s,3H),2.28−2.17(m,1H),2.13−2.02(m,3H),2.01−1.90(m,2H),1.56−1.48(m,1H),1.48−1.39(m,1H),1.39−1.32(m,1H),1.33−1.19(m,3H),0.75−0.62(m,1H),0.61−0.50(m,1H),0.42−0.25(m,2H)。
中間体9.トランス−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸メチル
Figure 2014513687
トランス−4−(チアゾール−2−カルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル(1.1g,4.34mmol)のTHF(20mL)溶液に0℃でトリフルオロメチルトリメチルシラン(1.286mL,8.68mmol)を添加した。テトラブチルアンモニウムフルオリド三水和物(THF中1M,17.37mL,17.37mmol)を、温度を0℃に維持しながらゆっくり添加した。反応液を1時間攪拌し、次いで水(30mL)と酢酸エチル(30mL)を添加して反応液をクエンチした。有機層を除去し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(0から20%の酢酸エチルを含むヘキサン)、トランス−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1317NOSの計算値[M+H]324,実測値324。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.79(d,J=3.2Hz,1H),7.49(d,J=3.2Hz,1H),4.77(s,1H),3.65(s,3H),2.40(m,1H),2.30−1.90(m,3H),1.50−1.20(m,6H)。
中間体10 トランス−4−[ヒドロキシ(1,3−チアゾル−2−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸メチル
Figure 2014513687
トランス−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチル(500mg,1.97mmol)のメタノール(20mL)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(224mg,5.92mmol)を添加し、この溶液を1時間攪拌した。次いで溶液を酢酸エチルと水で希釈した。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、トランス−4−[ヒドロキシ(1,3−チアゾル−2−イル)メチル]シクロヘキサンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1218NOSの計算値[M+H] 256,実測値256。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.70(d,J=3.2Hz,1H),7.58(d,J=3.2Hz,1H),6.10(d,J=5.2Hz,1H),4.59(t,J=5.1Hz,1H),3.54(s,3H),2.21−2.11(m,1H),1.92−1.83(m,2H),1.75−1.64(m,1H),1.64−1.53(m,2H),1.33−1.11(m,4H)。
中間体11.(1S,3R)−3−(チアゾール−2−カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチル。
(1S,3R)−3−(チアゾール−2−カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチル
Figure 2014513687
(1R,3S)−3−(メトキシカルボニル)シクロペンタンカルボン酸(130mg,0.76mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液にDMF(5.85μL,0.08mmol)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、塩化オキサリル(73.0μL,0.83mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで室温まで1時間昇温させた。反応液を0℃まで再冷却し、2−(トリメチルシリル)チアゾール(178.0mL,1.13mmol)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、(1S,3R)−3−(チアゾール−2−カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1114NOSの計算値[M+H] 240,実測値240。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 8.21(d,J=3.0Hz,1H),8.14(d,J=3.0Hz,1H),3.58(s,3H),2.96−2.89(m,1H),2.27−2.20(m,1H),1.74−2.04(m,6H)
中間体12.(1S,3R)−3−(1−ヒドロキシ−1−(チアゾル−2−イル)エチル)シクロペンタンカルボン酸メチル
Figure 2014513687
(1S,3R)−3−(チアゾール−2−カルボニル)シクロペンタンカルボン酸メチル(148mg,1.75mmol)のTHF(6mL)溶液に−78℃で臭化メチルマグネシウム(582mL,1.75mmol)を添加し、この溶液を−78℃で30分間攪拌した。飽和水性塩化アンモニウムを添加し、混合物を室温まで昇温させた。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製残渣をシリカ上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、(1S,3R)−3−(1−ヒドロキシ−1−(チアゾル−2−イル)エチル)シクロペンタンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1218NOSの計算値[M+H] 256,実測値256。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.67(t,J=3.0Hz,1H),7.50(d,J=3.0Hz,1H),3.58−3.57(m,3H),3.52(s,1H),2.75−2.62(m,1H),2.43−2.35(m,1H),1.97−1.91(m,1H),1.78−1.51(m,4H),1.46−1.44(m,3H),1.25−1.19(m,1H)。
中間体13.(1S,4S)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチル
(1S,4S)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチル
(1S,4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチル
(1S,4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチル
Figure 2014513687
工程1:(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(38g,111mmol)のTHF(300mL)懸濁液に0℃でカリウムtert−ブトキシド(THF中1.0M,111mL,111mmol)を、内部温度が7℃を超えないような速度で添加した。0℃で1時間攪拌後、(1S)−2,2−ジメチル−4−オキソシクロヘキサンカルボン酸メチル(17g,92mmol)のTHF(100mL)溶液をカニューレによって、内部温度が7℃を超えないような速度で添加した。終了したら、混合物を室温までゆっくり昇温させ、14時間攪拌した。次いで反応混合物を10℃まで冷却し、水(100mL)で、続いて6M HCl(250mL)で希釈した。得られた混合物を3時間攪拌し、次いで、さらに水(400mL)とEtOAc(500mL)を添加した。有機層を分離し、水層の二度目の抽出をEtOAc(500mL)で行った。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカゲル上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(1R,4R)−4−ホルミル−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルと(1R,4S)−4−ホルミル−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルの混合物を得た。生成物を直接、後続の工程に使用した。iPrMgCl−LiCl(THF中1.3M,64mL,83mmol)の冷却(−5℃)溶液にチアゾール(6.27mL,88mmol)を、内部温度が5℃を超えないような速度で添加した。添加が終了した後、得られたスラリーを15℃まで15分間にわたって昇温させ、次いで−10℃まで冷却した。このスラリーに、(1R,4R)−4−ホルミル−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボキシレートと(1R,4S)−4−ホルミル−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチル(13.8g,69.6mmol)の混合物をTHF(30mL)溶液として、内部温度が5℃を超えないような速度で添加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで水(50mL)でクエンチした。EtOAc(500mL)と1N HCl(300mL)を添加した。有機層を分離し、水層をEtOAc(500mL)で抽出した。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカゲル上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、ジアステレオマー混合物を得、これを直接、後続の工程に使用した。
第2級アルコール(16.3g,575mmol)とジクロロメタン(150mL)の上記の混合物に10℃でデス・マーチン ペルヨージナン(25.4g,60mmol)を添加した。室温まで昇温させたら、温度を、内部温度が35℃を超えないように制御した。1時間後、反応混合物を室温まで冷却し、逐次、飽和水性NaHCO溶液(300mL)、5%亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)、およびさらなるジクロロメタン(350mL)で希釈した。この不均一な混合物を両方の層が透明になるまで攪拌し、次いで層を分離し、水層の二度目の抽出をジクロロメタン(500mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(1S,4S)−2,2−ジメチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルと(1S,4R)−2,2−ジメチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルの混合物を得た。混合物をSFCによってさらに精製し、上記の化合物を1種類だけの立体異性体として得た。
(1S,4S)−2,2−ジメチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボキシレートの特性評価データ:MS ESI C1420NOSの計算値[M+H] 282,実測値282。H NMR(600MHz,CDOD)δ 8.04(d,J=3.1Hz,1H),7.93(d,J=3.0Hz,1H),3.85(tt,J=12.5,3.4Hz,1H),3.64(s,3H),2.24(dd,J=12.8,3.6Hz,1H),2.00(ddd,J=12.7,5.6,3.1Hz,1H),1.88(ddd,J=26.6,13.6,3.9Hz,1H),1.75(ddd,J=13.9,7.0,3.7Hz,1H),1.69(ddd,J=13.2,3.1,2.1Hz,1H),1.46−1.35(m,2H),1.05(s,3H),1.01(s,3H)。
(1S,4R)−2,2−ジメチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボキシレートの特性評価データ:MS ESI C1420NOSの計算値[M+H] 282,実測値282。H NMR(600MHz,CDOD)δ 8.02(d,J=3.1Hz,1H),7.91(d,J=3.1Hz,1H),3.81(tt,J=11.9,3.8Hz,1H),3.61(s,3H),2.35(d,J=3.8Hz,1H),2.03(t,J=12.6Hz,1H),1.99−1.88(m,2H),1.84−1.70(m,2H),1.51−1.45(m,1H),1.10(s,3H),0.91(s,3H)。
工程2:(1S,4R)−2,2−ジメチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボキシレート(2.3g,8.2mmol)のTHF(20mL)冷却(−40℃)溶液に、MeMgBr(THF中3.0M,3.3mL,9.8mmol)を、内部温度が−30℃より上に上がらない速度で添加した。次いで混合物を−40℃で15分間攪拌し、飽和水性塩化アンモニウム(40mL)でクエンチし、室温まで昇温させた。EtOAc(20mL)を添加し、層を分離し、水層の二度目の抽出をEtOAc(30mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(1S,4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルと(1S,4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルの混合物を得た。SFCによってさらに精製を行い、単独ジアステレオマーを得た。MS ESI C1524NOSの計算値[M+H] 298,実測値298。
工程3:(1S,4S)−2,2−ジメチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボキシレート(11.6g,41.1mmol)のTHF(110mL)の冷却(−40℃)溶液にMeMgBr(THF中3.0M,16.5mL,49.5mmol)を、内部温度が−30℃より上に上がらない速度で添加した。反応混合物を−40℃で15分間攪拌し、飽和水性塩化アンモニウム(200mL)でクエンチし、室温まで昇温させた。EtOAc(110mL)を添加し、層を分離し、水層の二度目の抽出をEtOAc(110mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(1S,4S)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2,2−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルと(1S,4S)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−22−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルの混合物を得た。SFCによってさらに精製を行い、単独ジアステレオマーを得た。
SFCによるピーク1の特性評価データ:MS ESI C1524NOSの計算値[M+H] 298,実測値298。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.68(d,J=3.3Hz,1H),7.50(d,J=3.2Hz,1H),5.71(s,1H),3.53(s,3H),1.98(dd,J=3.9,12.5Hz,1H),1.89(tt,J=3.3,12.3Hz,1H),1.83−1.75(m,1H),1.65−1.49(m,2H),1.42(s,3H),1.14(t,J=12.7Hz,1H),1.08−1.01(m,1H),0.98−0.88(m,1H),0.84(s,3H),0.77(s,3H)。
SFCによるピーク2の特性評価データ:MS ESI C1524NOSの計算値[M+H] 298,実測値298。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.68(d,J=3.3Hz,1H),7.51(d,J=3.3Hz,1H),5.71(s,1H),3.53(s,3H),1.98(dd,J=3.9,12.4Hz,1H),1.86(tt,J=3.2,12.5Hz,1H),1.58−1.51(m,1H),1.51(s,2H),1.43(s,3H),1.41−1.33(m,1H),1.16−1.06(m,1H),0.93(t,J=12.3Hz,1H),0.90(s,3H),0.83(s,3H)。
中間体14.4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
Figure 2014513687
工程1:(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(155g,452mmol)のTHF(700mL)冷却(0℃)懸濁液にカリウムtert−ブトキシド(THF中1.0M,452mL,452mmol)を、内部温度が7℃を超えないような速度で添加した。混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで、2−メチル−4−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル(64g,347mmol)のTHF(150mL)溶液をカニューレによって、内部温度が7℃を超えないような速度で添加した。次いで混合物を室温までゆっくり昇温させ、14時間攪拌した。次いで反応混合物を10℃まで冷却し、水(200mL)で、続いて6M HCl(500mL)で希釈した。得られた混合物を3時間攪拌し、次いでさらに水(400mL)とEtOAc(700mL)で希釈した。有機層を分離し、水層の二度目の抽出をEtOAc(700mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカゲル上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、4−ホルミル−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチルを得、これを直接、後続の工程に使用した。
iPrMgCl−LiCl(THF中1.3M,187mL,243mmol)冷却溶液に−5℃でチアゾール(17.4mL,243mmol)を、内部温度が5℃を超えないような速度で添加した。得られたスラリーを15℃まで15分間にわたって昇温させ、次いで−10℃まで冷却した。反応混合物に4−ホルミル−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(41g,207mmol)をTHF(100mL)溶液として内部温度が5℃を超えないような速度で添加した。反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで水(100mL)でクエンチし、EtOAc(500mL)と1N HCl(500mL)で希釈した。有機層を分離し、水層を再度EtOAc(700mL)で抽出した。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をDCM(500mL)で希釈し、この混合物にデス・マーチンペルヨージナン(88g,208mmol)を添加した。添加中、温度を、内部温度が35℃を超えないように制御した。1時間後、反応混合物を室温まで冷却し、次いで飽和水性NaHCO(600mL)、水性5%亜硫酸ナトリウム(600mL)およびジクロロメタン(600mL)で希釈した。この不均一な混合物を両方の層が透明になるまで攪拌した。層を分離し、水層の二度目の抽出をジクロロメタン(600mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2−メチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸エチルを得た。MS ESI C1420NOSの計算値[M+H] 282,実測値282。
工程2:2−メチル−4−(1,3−チアゾル−2−イルカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸エチル(2.8g,10mmol)のTHF(28mL)溶液に−40℃でMeMgBr(THF中3.0M,4.0mL,12mmol)を、内部温度が−30℃を超えないような速度で添加した。反応混合物を−40℃で15分間攪拌し、次いで飽和水性塩化アンモニウム(50mL)でクエンチし、室温まで昇温させた。EtOAc(20mL)を添加し、層を分離し、水層の二度目の抽出をEtOAc(50mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸エチルを得た。
立体異性体混合物を、SFC(ES Industries GreenSep Pyridyl Amide,21×250mm,5ミクロン,5%MeOH/95%CO,50mL/分)による溶出時間が大きい順に4つの画分に分離した。次いで、これらの4つの画分を、以下の条件(Chiralpak AD−H 21X250mm,5ミクロン,220nm UV,100バールの排出口圧,70mL/分を用いてさらに分離した。使用したそれぞれの溶媒を以下のダイアグラムに示す。
Figure 2014513687
中間体15:(4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]ピロリジン−2−オン
(4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]ピロリジン−2−オン
Figure 2014513687
工程1:チアゾール(3.13mL,44mmol)のTHF(50mL)溶液に−78℃でnBuLiを、内部温度が−65℃を超えないような速度で添加した。反応混合物を15分間攪拌し、次いで、(4R)−4−アセチル−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オン(10g,38.3mmol)のTHF(50mL)溶液をカニューレによって、内部温度が−65℃を超えないような速度で添加した。混合物を1時間攪拌し、飽和水性塩化アンモニウム(50mL)でクエンチし、室温まで昇温させた。EtOAc(50mL)と水(50mL)を添加した。層を分離し、水層の二度目の抽出をEtOAc(50mL)で行った。有機層を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、シリカ上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オンと(4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オンを得た。
極性が低い方のジアステレオマー(4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オンの特性評価データ:MS ESI C1823Sの計算値[M+H] 347,実測値347。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 7.67(d,J=3.2Hz,1H),7.51(d,J=3.2Hz,1H),7.00(d,J=8.5Hz,2H),6.81(d,J=8.7Hz,2H),6.08(s,1H),5.10(q,J=7.1Hz,1H),3.70(s,3H),3.35(t,J=9.4Hz,1H),2.89(dd,J=9.8,7.1Hz,1H),2.82−2.72(m,1H),2.43(dd,J=16.9,8.2Hz,1H),2.00(dd,J=16.9,9.8Hz,1H),1.37−1.35(m,6H)。
極性が高い方のジアステレオマー(4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オンの特性評価データ:MS ESI C1823Sの計算値[M+H] 347,実測値347。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 7.66(d,J=3.2Hz,1H),7.51(d,J=3.2Hz,1H),7.08(d,J=8.5Hz,2H),6.83(d,J=8.4Hz,2H),6.08(s,1H),5.14(dd,J=14.2,7.0Hz,1H),3.70(s,3H),2.99−2.90(m,1H),2.88−2.78(m,2H),2.40−2.30(m,2H),1.33(s,3H),1.30(d,J=7.1Hz,3H)。
工程2:(4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オン(3.6g,10.4mmol)のTFA(10mL)溶液を70℃まで5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、IPA(30mL)で希釈し、着色が消失するまで攪拌した。次いで反応混合物をシリカゲル上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(4R)−4−[(1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]ピロリジン−2−オンを得た。MS ESI C13Sの計算値[M+H] 213,実測値213。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 7.68(d,J=3.2Hz,1H),7.54(d,J=3.2Hz,1H),7.39(s,1H),6.10(s,1H),3.25(t,J=9.2Hz,1H),3.19(dd,J=9.6,7.4Hz,1H),2.91−2.81(m,1H),2.20(dd,J=16.7,8.6Hz,1H),1.77(dd,J=16.7,9.6Hz,1H),1.43(s,3H)。
工程3:(4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]−1−[(1S)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]ピロリジン−2−オン(3.6g,10.4mmol)のTFA(10mL)溶液を70℃まで5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、IPA(30mL)で希釈し、着色が消失するまで攪拌した。次いで反応混合物をシリカゲル上に吸収させ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、(4R)−4−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]ピロリジン−2−オンを得た。MS ESI C13Sの計算値[M+H] 213,実測値213。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 7.69(d,J=3.2Hz,1H),7.54(d,J=3.2Hz,1H),7.35(s,1H),6.12(s,1H),3.08(dd,J=9.1,7.3Hz,1H),2.96−2.86(m,1H),2.82(t,J=9.0Hz,1H),2.22(dd,J=16.8,8.7Hz,1H),2.14(dd,J=16.8,9.6Hz,1H),1.42(s,3H)。
実施例1
ラセミ体のトランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸、トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸、およびトランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸
Figure 2014513687
工程1:乾燥丸底フラスコにトランス−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(2.00g,10.74mmol)を仕込み、反応容器をアルゴン雰囲気(3回の真空/アルゴンサイクル)下に置いた。ジクロロメタン(11mL)を添加した後、DMF(0.01mL,0.129mmol)を添加した。反応液を0℃まで氷浴中で冷却し、次いで、塩化オキサリル(1.00mL,11.42mmol)を滴下した。1時間後、氷浴を除くと、緩徐なガスの発生が起こったため反応液を周囲温度で14時間攪拌した。次いで反応フラスコに[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)(236.0mg,0.322mmol)を添加した後、テトラヒドロフラン(11mL)、次いで、ジエチル亜鉛のテトラヒドロフラン(1.0M,12.9mL,12.9mmol)溶液を添加した。反応液を周囲温度で2時間攪拌し、次いで冷却飽和水性塩化アンモニウム(100mL)に注入した。得られた二相溶液をジエチルエーテル(100mL)で希釈した。有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(0から100%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−プロパノイルシクロヘキサンカルボン酸メチルを透明な油状物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 3.67(s,3H),2.47(q,J=7.3Hz,2H),2.40−2.21(m,2H),2.12−2.00(m,2H),1.94(d,J=13.9Hz,2H),1.53−1.20(m,4H),1.03(t,J=7.3Hz,3H)。
工程2:塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム(THF中1.3M,6.66mL,8.66mmol)を、チアゾール(0.675mL,9.44mmol)のTHF(5mL)溶液に0℃で滴下した。反応液を30分間攪拌し、氷浴を除いた。次いで、攪拌を10分間継続した後、反応液をアセトン/ドライアイス浴中で再冷却し、次いで、トランス−4−プロパノイルシクロヘキサンカルボン酸メチル(1.56g,7.87mmol)のTHF(15mL)溶液をカニューレによって移した。反応液を1時間攪拌し、冷却浴を除いた。昇温を終了したら(約1時間)、反応液を飽和水性塩化アンモニウム(75mL)で希釈し、得られた二相混合物を分液漏斗に移した。有機相を酢酸エチル(125mL)で希釈した。有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(0から100%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)プロピル]シクロヘキサンカルボン酸メチルを得た。MS ESI C1422NOSの計算値[M+H] 284,実測値284。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 7.70(d,J=3.3Hz,1H),7.49(d,J=3.3Hz,1H),3.53(s,3H),2.07(t,J=12.1Hz,1H),1.95−1.63(m,4H),1.44−1.06(m,6H),1.01−0.81(m,2H),0.65(t,J=7.3Hz,3H)。
工程3:6−ブロモ−N−(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)−4−メチルピリジン−2−アミン(263mg,0.865mmol)、トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)プロピル]シクロヘキサンカルボン酸メチル(245mg,0.865mmol)、ピバル酸(151μl,1.297mmol)、炭酸カリウム(358mg,2.59mmol)、塩化π−アリルパラジウム(II)二量体(31.6mg,0.086mmol)およびブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(124mg,0.346mmol)を合わせ、反応フラスコを不活性雰囲気(3回の真空/アルゴンサイクル)下に置き、次いで脱気し、ジメチルアセトアミド(2mL)を添加した。反応液を100℃まで5時間加熱し、次いで室温まで冷却し、ジエチルエーテル(100mL)に注入した。得られた溶液を分液漏斗に移し、逐次、水(3×50mL)と重炭酸ナトリウム(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。得られた粗製油状物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(0から100%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸メチルを黄色泡状物として得た。MS ESI C2835Sの計算値[M+H] 507,実測値507。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.12−8.04(m,2H),7.71(s,1H),7.23(s,1H),7.05(s,1H),6.86(s,1H),6.66(d,J=5.2Hz,1H),3.64(s,3H),2.35(s,3H),2.28−2.16(m,1H),2.16−1.86(m,8H),1.51−1.30(m,3H),1.26(t,J=7.1Hz,1H),1.21−1.06(m,3H),1.03−0.93(m,2H),0.83(t,J=7.2Hz,3H)。
工程4:トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]−シクロヘキサンカルボン酸メチル(198mg,0.391mmol)と水酸化カリウム(88mg,1.563mmol)を入れたフラスコに、メタノール(1mL)と水(1mL)を添加した。反応容器を密封し、80℃まで14時間加熱した。反応液を冷却した後、塩酸水(1.0M,1.56mL,1.56mmol)を添加した。濁った溶液をさらに水(10mL)で希釈し、攪拌を1時間継続した。クロロホルムとイソプロパノール(4:1;総量20mL)を添加し、二相混合物を分液漏斗に移した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2733Sの計算値[M+H] 493,実測値493。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.60−10.74(br s,1H),8.48(s,1H),8.27(s,1H),7.75−7.29(m,2H),7.26(m,2H),5.68−5.47(m,1H),2.42(s,3H),2.29−2.12(m,1H),2.12−1.84(m,7H),1.84−1.73(m,1H),1.54−1.42(m,1H),1.43−1.13(m,6H),1.13−0.97(m,3H),0.88(t,J=7.3Hz,3H)。rhSyk活性=+++。
2種類のエナンチオマーをキラル超臨界液体クロマトグラフィーによって分離した(Chiral Technology AS−H,2.1×25cm,5uM,3/1のMeOH/CO+0.25%TFA,流速:70mL/分,10分間の泳動時間,波長:220nm)。溶出は7.03分と8.08分において観察された。各ピークのプールした画分を減圧濃縮した。
エナンチオマー1(保持時間=7.03分):MS ESI C2733Sの計算値[M+H] 493,実測値493。H NMR(500MHz,DMSO−d)スペクトルはラセミ体物質のH NMRスペクトルと整合していた。rhSyk活性=+++。
エナンチオマー2(保持時間=8.08分):MS ESI C2733Sの計算値[M+H] 493,実測値493。H NMR(500MHz,DMSO−d)スペクトルはラセミ体物質のH NMRスペクトルと整合していた。rhSyk活性=+++。
実施例2
トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド、トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド、トランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミド
Figure 2014513687
ラセミ体のトランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボン酸(25mg,0.051mmol)を入れたフラスコに、O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(25.1mg,0.066mmol)と塩化アンモニウム(10.9mg,0.203mmol)を添加した。DMF(1mL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.089mL,0.507mmol)を添加し、反応液を密封し、2時間攪拌した。次いでメタノール(0.1mL)を添加して反応液をクエンチし、得られた溶液を濾過した。濾液を逆相HPLCによって精製した(10から100%までのアセトニトリル/水(0.1%TFAを含む))。所望の生成物を含む画分をプールし、凍結させ、凍結乾燥機で濃縮乾固し、トランス−4−[1−(5−{6−[(4−シクロプロピルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシプロピル]シクロヘキサンカルボキサミドを得た。MS ESI C2734Sの計算値[M+H] 492,実測値492。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.31(s,1H),8.49(s,1H),8.30(d,J=6.4Hz,1H),7.53(s,1H),7.38(s,1H),7.15(s,1H),7.04(d,J=6.4Hz,1H),6.94(s,1H),6.68(s,1H),5.84−5.30(m,1H),2.43(s,3H),2.30−2.15(m,1H),2.07−1.87(m,4H),1.87−1.67(m,3H),1.54−1.42(m,1H),1.42−1.18(m,6H),1.12−0.93(m,3H),0.79(t,J=7.3Hz,3H)ppm。rhSyk=+++。
上記の手順を、上記(実施例1,工程4)のラセミ体の出発物質のキラルSFC分割で得られたエナンチオピュアな酸に対して使用した。
(実施例1,工程4,エナンチオマー1,R=7.03分)が出発物質:MS ESI C2734Sの計算値[M+H] 492,実測値492。H NMR(500MHz,DMSO−d)スペクトルはラセミ体物質のH NMRスペクトルと整合していた。rhSyk活性=+++。
(実施例1,工程4,エナンチオマー2,R=8.08分)が出発物質:MS ESI C2734Sの計算値[M+H] 492,実測値492。H NMR(500MHz,DMSO−d)スペクトルはラセミ体物質のH NMRスペクトルと整合していた。rhSyk活性=+++。
実施例3
トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー2)
Figure 2014513687
工程1:フラスコに、シス−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸(20g,116mmol)、ギ酸n−ブチル(581ml,5066mmol)、Dowex 50Wx2樹脂(87グラム)およびオクタン(484ml)を添加した。反応混合物を110℃まで一晩加熱し、次いで冷却し、濾過した。樹脂を300mLの1:1のヘキサン:EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、次いでトルエンに溶解させ、再度濃縮した。得られた残渣をジクロロメタン(119ml)に溶解させ、次いで、塩化チオニル(11.51ml,158mmol)を添加した。反応混合物を38℃まで一晩加熱し、次いで濃縮した。残渣をDCMに溶解させ、再度濃縮し(3×)、残留HClを除去した。得られた残渣を1,4−ジオキサン(413ml)に溶解させ、Arで30分間脱気した。酢酸パラジウム(II)(0.696g,3.10mmol)を添加し、混合物をさらに30分間脱気した。ジメチル亜鉛(トルエン中2M,31.0ml,62.0mmol)を添加した。系を3サイクルのエバキュエーション/アルゴンフラッシングによりアルゴン下に置き、次いで38℃で一晩反応させた。反応混合物を冷却し、水で希釈した。得られた混合物をセライトプラグに通して濾過し、次いで固形物をEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し(0から30%までの酢酸エチル/ヘキサン)、シス−4−アセチルシクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 4.07(t,J=6.6Hz,2H),2.54−2.48(m,1H),2.44−2.38(m,1H),2.13(s,3H),2.01−1.93(m,2H),1.81−1.57(m,9H),1.41−1.32(m,2H),0.92(t,J=7.5Hz,3H)。
工程2:チアゾール(800mg,9.40mmol)のTHF(94mL)溶液を−78℃まで冷却した。n−BuLi(THF中2.5M,3759μl,9.40mmol)を添加し、この溶液を−78℃で30分間攪拌した。シス−4−アセチルシクロヘキサンカルボン酸ブチル(2552mg,11.28mmol)を含むTHF(5mL)を一度に添加し、この溶液を−78℃で1時間攪拌した。反応液を水で希釈し、次いで室温まで昇温させた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し(5から30%までの酢酸エチル/ヘキサン)、シス−4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C1625NOSの計算値[M+H]312,実測値312。
工程3:バイアルに、2,6−ジブロモ−4−メチルピリジン(121mg,0.482mmol)、シス−4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(75mg,0.241mmol)、炭酸カリウム(100mg,0.722mmol)、ピバル酸(5.59μl,0.048mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(11.1mg,9.63μmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド(760μl)を添加した。このバイアルを密封し、3サイクルのエバキュエーション/アルゴンフラッシングによりアルゴン下に置き、次いで80℃で一晩反応させた。得られた混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトプラグに通して濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し(0から100%までの酢酸エチル/ヘキサン)、ラセミ体の−シス−4−{1−[5−(6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}−シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。
2種類のエナンチオマーをキラル超臨界液体クロマトグラフィーによって分離した(Chiral Technology IC−H,2.1×25cm,5uM,70/30のエタノール/CO,流速:70mL/分,8分間の泳動時間,波長:220nm)。溶出は5.20分と6.08分において観察された。各ピークのプールした画分を減圧濃縮した。
エナンチオマー1(保持時間 5.20分):MS ESI C2229BrFSの計算値[M+H]481および483,実測値481および483。
エナンチオマー2(保持時間 6.08分):MS ESI C2229BrFSの計算値[M+H]481および483,実測値481および483。
工程4:バイアルに、4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(10mg,0.062mmol)、シス−4−{1−[5−(6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}−シクロヘキサンカルボン酸ブチル(工程3,エナンチオマー1,R=5.20分)(14.9mg,0.031mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.7mg,3μmol)、キサントホス(2.7mg,4.6μmol)、炭酸セシウム(20.1mg,0.062mmol)および1,4−ジオキサン(308μl)を添加した。このバイアルを密封し、3サイクルのエバキュエーション/アルゴンフラッシングによりアルゴン下に置いた後、100℃で2時間30分加熱した。混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、セライトプラグに通して濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し(0から100%までの酢酸エチル/ヘキサン)、4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2833Sの計算値[M+H]563,実測値563。
工程5:バイアルに、4−{(1Rまたは1S)−1−[5−(6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(10mg,0.018mmol)、MeOH(178μl)およびNaOH(水中1M,89μl,0.089mmol)を添加した。このバイアルを密封し、マイクロ波中、100℃で10分間加熱した。さらに25uLのNaOHを添加し、次いでマイクロ波中で20分間加熱した。次いで、1M水性HClでpHを3〜4に調整した。溶液を10%IPA/CHClで希釈し、水とブラインで洗浄した。有機層を疎水性膜カートリッジに通すことによって分離し、濃縮し、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2425Sの計算値[M+H]507,実測値507。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 10.19(s,1H),8.64(s,1H),8.48(d,J=5.0Hz,1H),8.26(s,1H),7.34(s,1H),7.21(d,J=5.0Hz,1H),7.08(s,1H),2.31(s,3H),2.06−1.67(m,3H),1.67−1.34(m,5H),1.31−0.96(m,5H)。rhSyk活性=+++。
実施例4
トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー1)
Figure 2014513687
工程1:バイアルに、4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(8mg,0.049mmol)、シス−4−{1−[5−(6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}−シクロヘキサンカルボン酸ブチル(実施例3,工程3,エナンチオマー2,R=6.08分)(11.9mg,0.025mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.6mg,2.47μmol)、キサントホス(2.1mg,3.7μmol)、炭酸セシウム(16.1mg,0.049mmol)および1,4−ジオキサン(247μl)を添加した。このバイアルを密封し、3サイクルのエバキュエーション/アルゴンフラッシングによりアルゴン下に置き、次いで100℃で一晩反応させた。得られた混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、セライトプラグに通して濾過し、濃縮した。残渣をシリカでのカラムクロマトグラフィーによって精製し(0から100%までの酢酸エチル/ヘキサン)、4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}−ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2833Sの計算値[M+H]563,実測値563。
工程2:バイアルに、4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}−シクロヘキサンカルボン酸ブチル(10mg,0.018mmol)、MeOH(178μl)およびNaOH(水中1M,89μl,0.089mmol)を添加した。このバイアルを密封し、3サイクルのエバキュエーション/アルゴンフラッシングによりアルゴン下に置き、次いで、マイクロ波中、100℃で10分間加熱した。次いで、1M HClでpHをpH3〜4に調整した。溶液を10%IPA/CHClで希釈し、水とブラインで洗浄した。有機層を疎水性膜カートリッジに通すことによって分離し、濃縮し、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2425Sの計算値[M+H]507,実測値507。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 10.18(s,1H),8.64(s,1H),8.48(d,J=5.3Hz,1H),8.26(s,1H),7.34(s,1H),7.20(d,J=5.5Hz,1H),7.08(s,1H),2.31(s,3H),2.15−1.72(m,3H),1.72−1.32(m,5H),1.31−0.87(m,5H)。rhSyk活性=+++。
実施例5
トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー1)
Figure 2014513687
工程1:5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミン(16.2mg,0.128mmol)、トランス−4−{1−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(中間体4,工程2,エナンチオマー1,R=3.98分)(57mg,0.122mmol)、キサントホス(10.6mg,0.018mmol)、炭酸セシウム(79mg,0.244mmol)および酢酸パラジウム(II)(2.7mg,0.012mmol)を含む1,4−ジオキサン(0.8mL)の溶液(アルゴン雰囲気下)を115℃まで1.5時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)間に分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(25から45%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2733FNSの計算値[M+H] 513,実測値513。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.10(s,1H),8.01(s,1H),7.88(d,J=5.8Hz,1H),7.60(t,J=7.9Hz,1H),7.20(d,J=7.6Hz,1H),7.17(s,1H),7.07(d,J=8.3Hz,1H),4.04(t,J=6.6Hz,2H),3.03(s,1H),2.38(s,3H),2.24−2.17(m,1H),2.10−1.98(m,3H),1.83−1.75(m,1H),1.73−1.67(m,1H),1.65(s,3H),1.62−1.56(m,2H),1.48−1.38(m,2H),1.40−1.32(m,2H),1.32−1.25(m,1H),1.23−1.15(m,1H),0.91(t,J=7.4Hz,3H)。
工程2:トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(54.7mg,0.107mmol)を含むテトラヒドロフラン(0.6mL)とメタノール(1.2mL)の溶液に、水酸化ナトリウム(水中1.0M,0.427mL,0.427mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波オーブン内で110℃にて5分間加熱し、次いで塩酸(水中2.0M,0.220mL,0.440mmol)を添加した。混合物を10%IPA:CHCl(25mL)、酢酸エチル(100mL)およびブラインで希釈した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2325FNSの計算値[M+H] 457,実測値457。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.95(br s,1H),9.74(s,1H),8.26(s,1H),8.15(d,J=6.1Hz,1H),8.11(s,1H),7.66(t,J=7.9Hz,1H),7.36(d,J=7.3Hz,1H),7.23(d,J=8.2Hz,1H),5.82(s,1H),2.32(s,3H),2.07−1.94(m,1H),1.92−1.83(m,3H),1.67−1.60(m,1H),1.54−1.48(m,1H),1.48(s,3H),1.26−1.14(m,3H),1.08−1.02(m,1H)。rhSyk活性=+++。
実施例6
トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー2)
Figure 2014513687
工程1:5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミン(15.6mg,0.124mmol)、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(中間体4,工程2,エナンチオマー2,R=4.76分)(55mg,0.118mmol)、キサントホス(10.2mg,0.018mmol)、炭酸セシウム(77mg,0.235mmol)および酢酸パラジウム(II)(2.6mg,0.012mmol)を含む1,4−ジオキサン(0.8mL)の溶液(アルゴン雰囲気下)を115℃まで2時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)間に分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(25から45%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2733FNSの計算値[M+H] 513,実測値513。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.10(s,1H),8.01(s,1H),7.88(d,J=5.7Hz,1H),7.60(t,J=7.9Hz,1H),7.20(d,J=7.5Hz,1H),7.17(s,1H),7.07(d,J=8.2Hz,1H),4.04(t,J=6.7Hz,2H),3.03(s,1H),2.38(s,3H),2.22−2.16(m,1H),2.10−1.96(m,3H),1.83−1.77(m,1H),1.69−1.64(m,1H),1.65(s,3H),1.62−1.55(m,2H),1.48−1.39(m,2H),1.39−1.32(m,2H),1.32−1.27(m,1H),1.21−1.15(m,1H),0.91(t,J=7.4Hz,4H)。
工程2:トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(48.5mg,0.095mmol)を含むテトラヒドロフラン(0.6mL)とメタノール(1.2mL)の溶液に、水酸化ナトリウム(水中1.0M,0.378mL,0.378mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波オーブン内で110℃にて5分間加熱し、次いで塩酸(水中2.0M,0.192mL,0.384mmol)を添加した。得られた懸濁液を水で希釈し、濾過し、トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]ピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2325FNSの計算値[M+H] 457,実測値457。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.95(br s,1H),9.74(s,1H),8.26(s,1H),8.15(d,J=5.7Hz,1H),8.11(s,1H),7.66(t,J=7.9Hz,1H),7.36(d,J=7.4Hz,1H),7.23(d,J=8.5Hz,1H),5.82(s,1H),2.34(s,1H),2.32(s,3H),2.07−1.94(m,1H),1.91−1.83(m,3H),1.67−1.61(m,1H),1.53−1.47(m,1H),1.48(s,3H),1.26−1.14(m,3H),1.08−1.02(m,1H)。rhSyk活性=+++。
実施例7
トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー1)
Figure 2014513687
工程1:4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(20.8mg,0.128mmol)、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}−シクロヘキサンカルボン酸ブチル(中間体4,工程2,エナンチオマー1,R=3.98分)(57mg,0.122mmol)、キサントホス(10.6mg,0.018mmol)、炭酸セシウム(79mg,0.244mmol)および酢酸パラジウム(II)(2.7mg,0.012mmol)を含む1,4−ジオキサン(0.8mL)の溶液(アルゴン雰囲気下)を115℃まで2時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)間に分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(25から45%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2731Sの計算値[M+H] 549,実測値549。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.61(s,1H),8.41(d,J=5.2Hz,1H),8.10(s,1H),7.65(t,J=7.9Hz,1H),7.48(s,1H),7.28(d,J=7.5Hz,1H),7.11(d,J=4.9Hz,1H),6.94(d,J=8.2Hz,1H),4.04(t,J=6.6Hz,2H),3.20(s,1H),2.22−2.16(m,1H),2.10−1.98(m,3H),1.79(m,1H),1.69−1.64(m,1H),1.65(s,3H),1.62−1.57(m,3H),1.49−1.39(m,2H),1.38−1.33(m,1H),1.32−1.24(m,1H),1.21−1.18(m,1H),0.91(t,J=7.4Hz,3H)。
工程2:トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(59.6mg,0.109mmol)を含むテトラヒドロフラン(0.6mL)とメタノール(1.2mL)の溶液に水酸化ナトリウム(水中1.0M,0.435mL,0.435mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波オーブン内で110℃にて5分間加熱し、次いで塩酸(水中2.0M,0.220mL,0.440mmol)を添加した。得られた混合物を10%IPA:CHClとブラインで希釈し、層を分離した。水層を10%IPA:CHClで抽出し、次いで合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2323Sの計算値[M+H] 493,実測値493。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.95(s,1H),10.27(s,1H),8.64(s,1H),8.49(d,J=5.2Hz,1H),8.28(s,1H),7.73(t,J=7.9Hz,1H),7.46(d,J=7.5Hz,1H),7.26(d,J=8.2Hz,1H),7.22(d,J=5.2Hz,1H),5.75(d,J=10.1Hz,1H),2.01(m,1H),1.94−1.82(m,2H),1.64(m,1H),1.53(m,1H),1.48(s,3H),1.24−1.14(m,4H),1.02(m,1H)。rhSyk活性=+++。
実施例8
トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー2)
Figure 2014513687
工程1:4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(20.0mg,0.124mmol)、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−[5−(6−ブロモピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−ヒドロキシエチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(中間体4,工程2,エナンチオマー2,R=4.76分)(55mg,0.118mmol)、キサントホス(10.2mg,0.018mmol)、炭酸セシウム(77mg,0.235mmol)および酢酸パラジウム(II)(2.6mg,0.012mmol)を含む1,4−ジオキサン(0.8mL)の溶液(アルゴン雰囲気下)を115℃まで2時間加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)間に分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(25から45%までの酢酸エチル/ヘキサン)、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2731Sの計算値[M+H] 549,実測値549。H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.61(s,1H),8.41(d,J=4.7Hz,1H),8.10(s,1H),7.65(t,J=7.9Hz,1H),7.47(s,1H),7.28(d,J=7.0Hz,1H),7.11(d,J=4.3Hz,1H),6.94(d,J=8.1Hz,1H),4.04(t,J=6.6Hz,2H),3.20(s,1H),2.22−2.17(m,1H),2.10−1.98(m,3H),1.82−1.76(m,1H),1.70−1.65(m,1H),1.65(s,3H),1.62−1.57(m,3H),1.48−1.39(m,2H),1.38−1.33(m,1H),1.32−1.24(m,1H),1.20−1.14(m,1H),0.91(t,J=7.4Hz,3H)。
工程2:トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(58.5mg,0.107mmol)を含むテトラヒドロフラン(0.6mL)とメタノール(1.2mL)の溶液に水酸化ナトリウム(水中1.0M,0.427mL,0.427mmol)を添加した。反応混合物をマイクロ波オーブン内で110℃にて5分間加熱し、次いで塩酸(水中2.0M,0.215mL,0.430mmol)を添加した。得られた混合物を10%IPA:CHClとブラインで希釈し、層を分離した。水層を10%IPA:CHClで抽出し、次いで合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸を得た。MS ESI C2323Sの計算値[M+H] 493,実測値493。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.95(br s,1H),10.27(s,1H),8.64(s,1H),8.49(d,J=5.1Hz,1H),8.28(s,1H),7.73(t,J=7.9Hz,1H),7.46(d,J=7.5Hz,1H),7.26(d,J=8.2Hz,1H),7.22(d,J=5.3Hz,1H),5.76(s,1H),2.02−1.95(m,1H),1.94−1.92(m,2H),1.66−1.61(m,1H),1.54−1.49(m,1H),1.48(s,3H),1.24−1.14(m,4H),1.05−0.99(m,1H)。rhSyk活性=+++。
実施例9
トランス−4−[(1R)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルおよびトランス−4−[(1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル
Figure 2014513687
工程1:フラスコ内に2,6ジブロモ−4−メチルピリジン(10.0g,40.0mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(4.4g,46.0mmol)、2−アミノ−4−メチル−5−フルオロピリジン(5.8g,45.8mmol)および1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(1.3g,1.9mmol)を添加した後、窒素スパージ1,4−ジオキサン(100mL)を添加した。スラリーをエバキュエーションし、窒素を3回再充填し、次いで88℃まで5時間加熱した。25℃まで冷却した後、酢酸エチル(100mL)と水(20mL)を添加し、層を分離した。有機層を10%水性塩化ナトリウム溶液(25mL)で洗浄し、次いで減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(10から50%までの酢酸エチル/ヘキサン)、N−(6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミンを得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 9.87(s,1H),8.07(d,J=0.8Hz,1H),7.61(s,1H),7.32(d,J=5.6Hz,1H),6.87(s,1H),2.20(s,3H),2.19(s,3H)。
工程2:フラスコ内にブチルジアダマンチルホスフィン(0.133g,0.37mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.04g,2.2mmol)、炭酸カリウム(0.77g,5.6mmol)、ピバル酸(0.23g,2.2mmol)、トランス−4−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(0.69g,60.0mmol)およびN−(6−ブロモ−4−メチルピリジン−2−イル)−5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−アミン(0.55g,1.86mmol)を添加した後、窒素スパージジメチルアセトアミド(4.4mL)を添加した。スラリーをエバキュエーションし、窒素を3回再充填し、次いで130℃まで15時間ゆっくり加熱した。スラリーを35℃まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈した。次いでスラリーをセライトに通して濾過し、10%水性NaCl(3×100mL)で洗浄し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(酢酸エチル/ヘキサン)、ラセミ体のトランス−4−[1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチルを泡状物として得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 9.62(s,1H),8.21(s,1H),8.12(d,J=5.8Hz,1H),8.08(s,1H),7.21(s,1H),7.04(s,1H),5.79(s,1H),3.93(t,J=6.5Hz,2H),2.29(s,3H),2.25(s,3H),2.14−2.05(m,1H),1.93−1.80(m,3H),1.65−1.60(m,1H),1.53−1.47(m,3H),1.45(s,3H),1.31−1.16(m,5H),1.08−0.99(m,1H),0.83(t,J=7.4Hz,3H)。
2種類のエナンチオマーをキラル超臨界液体クロマトグラフィーによって分離した(Chiral Technology AS−H,2.1×25cm,5uM,20/80のエタノール/CO,流速:70mL/分,11分間の泳動時間,波長:275nm)。溶出は5.77分と7.36分において観察された。各ピークのプールした画分を減圧濃縮した。
エナンチオマー1(保持時間=5.77分):MS ESI C2835FNSの計算値[M+H] 527,実測値527。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 9.65(s,1H),8.24(s,1H),8.15(d,J=5.9Hz,1H),8.10(s,1H),7.24(s,1H),7.06(s,1H),5.82(s,1H),3.96(t,J=6.5Hz,2H),2.31(s,3H),2.27(s,3H),2.14−2.08(m,1H),1.95−1.80(m,3H),1.68−1.63(m,1H),1.57−1.48(m,3H),1.48(s,3H),1.33−1.14(m,5H),1.08−1.01(m,1H),0.85(t,J=7.4Hz,3H)。rhSyk活性=++
エナンチオマー2(保持時間=7.36分):MS ESI C2835FNSの計算値[M+H] 527,実測値527。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 9.65(s,1H),8.24(s,1H),8.14(d,J=5.7Hz,1H),8.10(s,1H),7.24(s,1H),7.06(s,1H),5.82(s,1H),3.96(t,J=6.5Hz,2H),2.31(s,3H),2.27(s,3H),2.11(s,1H),1.95−1.80(m,3H),1.68−1.63(m,1H),1.57−1.48(m,3H),1.48(s,3H),1.33−1.17(m,5H),1.05(m,1H),0.85(t,J=7.4Hz,3H)。rhSyk活性=++
実施例10
トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー1)
Figure 2014513687
トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(実施例9,工程2,エナンチオマー1,R=5.77分)(725mg,1.377mmol)を含むテトラヒドロフラン(8mL)とメタノール(16mL)溶液に水酸化ナトリウム(水中1.0M,5.51mL,5.51mmol)を添加した。反応混合物を70℃まで90分間加熱し、次いで室温まで放冷した。塩酸(水中2.0M,2.75mL,5.50mmol)と水(30mL)を添加し、生じた析出物を濾過によって収集した。固形物を水(2×10mL)で洗浄し、次いで減圧乾燥させ、トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボキシレートを得た。MS ESI C2427FNSの計算値[M+H] 471,実測値471。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.96(br s,1H),9.65(s,1H),8.24(s,1H),8.14(d,J=6.0Hz,1H),8.10(s,1H),7.24(s,1H),7.06(s,1H),5.81(s,1H),2.31(s,3H),2.27(s,3H),2.04−1.98(m,1H),1.94−1.82(m,3H),1.66−1.61(m,1H),1.53−1.48(m,1H),1.48(s,3H),1.28−1.14(m,3H),1.07−1.02(m,1H)。rhSyk活性=+++。
実施例11
トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー2)
Figure 2014513687
トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(実施例9,工程2,エナンチオマー2,R=7.36分)(725mg,1.377mmol)を含むテトラヒドロフラン(8mL)とメタノール(16mL)の溶液に水酸化ナトリウム(水中1.0M,5.51mL,5.51mmol)を添加した。反応混合物を70℃まで90分間加熱し、次いで室温まで放冷した。塩酸(水中2.0M,2.75mL,5.50mmol)と水(30mL)を添加し、生じた析出物を濾過によって収集した。固形物を水(2×10mL)で洗浄し、次いで減圧乾燥させ、トランス−4−[(1Rまたは1S)−1−(5−{6−[(5−フルオロ−4−メチルピリジン−2−イル)アミノ]−4−メチルピリジン−2−イル}−1,3−チアゾル−2−イル)−1−ヒドロキシエチル]シクロヘキサンカルボキシレートを得た。MS ESI C2427FNSの計算値[M+H] 471,実測値471。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 11.96(br s,1H),9.65(s,1H),8.24(s,1H),8.14(d,J=6.0Hz,1H),8.10(s,1H),7.24(s,1H),7.06(s,1H),5.81(s,1H),2.31(s,3H),2.27(s,3H),2.04−1.98(m,1H),1.94−1.82(m,3H),1.66−1.61(m,1H),1.53−1.48(m,1H),1.48(s,3H),1.28−1.14(m,3H),1.07−1.02(m,1H)。rhSyk活性=+++。
実施例12
1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−(ピロリジン−3−イル)エタノール
Figure 2014513687
工程1:塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム(テトラヒドロフラン中1.3M,0.6mL,0.780mmol)を室温で、チアゾール(0.050mL,0.705mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を入れたフラスコに滴下し、フラスコの周囲には水浴を備えた。40分後、3−アセチルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(160mg,0.750mmol)を含むテトラヒドロフラン(5mL)を滴下した。室温で35分間攪拌後、混合物を飽和水性塩化アンモニウムで希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し(0から60%までの酢酸エチル/ヘキサン)、3−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを1:1のジアステレオマーミックスとして得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.69−7.55(m,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2組の二重項オーバーラップ),7.23−7.14(m,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2組の二重項オーバーラップ),3.59−2.98(m,4H),2.80−2.60(m,1H),1.98−1.70(m,2H),1.59(s,3H),1.45−1.30(m,9H,2種類のジアステレオマーに由来する2組のピークオーバーラップ)。
工程2:3−[1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(100mg,0.335mmol)、6−ブロモ−4−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ピリジン−2−アミン(112mg,0.337mmol)、ブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(25mg,0.070mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(16.3mg,0.018mmol)、ピバル酸(0.018mL,0.157mmol)、炭酸カリウム(140mg,1.013mmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド(1mL)を合わせ、混合物をエバキュエーションし、窒素を3回パージし、次いで130℃まで7時間加熱した。混合物を濾過し、次いで酢酸(aceate)エチルで抽出した。有機相を水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮し、3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)−ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得、これをさらに精製せずに後続の工程で使用した。MS ESI C2630Sの計算値[M+H] 550,実測値550。
工程3:トリフルオロ酢酸(0.4mL,5.19mmol)を、3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(100mg,0.182mmol)のジクロロメタン(0.8mL)溶液に添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、次いで減圧濃縮した。残渣を逆相HPLCで精製し(Sunfire分取用C18 OBD 5uM,アセトニトリル/水+0.1%TFA)、1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−(ピロリジン−3−イル)エタノールを1:1のジアステレオマーミックスとして得た。MS ESI C2122OSの計算値[M+H] 450,実測値450。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.55(d,J=5.6Hz,1H),8.37(d,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2つの一重項),8.12(s,1H),7.46(s,1H),7.37(d,J=5.5Hz,1H),7.05(s,1H),3.58−2.95(m,5H,2種類のジアステレオマーに由来する2組のピーク),2.45(s,3H),2.30−1.79(m,2H,2種類のジアステレオマーに由来する2組のピーク),1.69(d,3H、2種類のジアステレオマーに由来する2つの一重項)。rhSyk活性=+++。
実施例13
3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボキサミド
Figure 2014513687
1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]−1−(ピロリジン−3−イル)エタノール(20mg,0.044mmol,1:1のジアステレオマーミックス)のテトラヒドロフラン(0.4mL)溶液にシアン酸カリウム(25mg,0.308mmol)、水(1.2mL)およびHCl(水中2M,0.14mL,0.280mmol)を添加した。混合物を55℃で3時間攪拌し、次いで室温まで冷却した。混合物を逆相HPLCで精製し(Sunfire分取用C18 OBD 5uM,アセトニトリル/水+0.1%TFA)、3−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}ピロリジン−1−カルボキサミドを1:1のジアステレオマー混合物として得た。MS ESI C2223Sの計算値[M+H] 493,実測値493。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.65−8.60(m,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2組の二重項オーバーラップ),8.39(d,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2つの一重項),7.86(s,1H),7.51(d,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2つの一重項),7.46−7.42(m,1H,2種類のジアステレオマーに由来する2組の二重項オーバーラップ),7.05(s,1H),3.65−2.82(m,5H,2種類のジアステレオマーに由来する2組のピーク),2.50(s,3H),2.20−2.00(m,2H),1.69(s,3H)。rhSyk活性=+++。
実施例14
実施例4および3の択一的な調製;式Iの関連化合物の調製
トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー1,実施例4と同じ立体異性体)
Figure 2014513687
工程1:バイアルに窒素下で、酢酸パラジウム(10mg,0.045mmol)、ブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(32mg,0.090mmol)およびジオキサン(1mL)を添加し、混合物を10分間攪拌した。別のフラスコに、6−ブロモ−4−メチル−N−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピリジン−2−アミン(75mg,0.23mmol)、フッ化セシウム(103mg,0.68mmol)、ピバル酸(35mg,0.34mmol)およびトランス−4−[(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−(1,3−チアゾル−2−イル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸ブチル(中間体2,ピーク2,R=4.14分)(70mg,0.23mmol)のジオキサン(1mL)溶液を添加した。フラスコ1内の混合物をフラスコ2内の混合物に添加し、得られた混合物をエバキュエーションし、次いでアルゴンを5回パージした。次いで混合物を100℃まで24時間加熱した。次いで混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトに通して濾過し、セライトを酢酸エチルで洗浄した。濾液を真空濃縮し、粗製生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチルを得た。MS ESI C2834Sの計算値[M+H] 563,実測値563 H NMR(500MHz,DMSO−d)δ 10.18(s,1H),8.65(s,1H),8.48(d,J=5.1Hz,1H),7.34(s,1H),7.19(t,J=12.4Hz,1H),7.06(d,J=16.9Hz,1H),5.76(s,1H),3.95(t,J=6.5Hz,2H),2.31(s,3H),2.17−2.05(m,1H),1.96−1.80(m,3H),1.72−1.59(m,1H),1.59−1.44(m,5H),1.35−1.14(m,6H),1.11−0.96(m,1H),0.84(t,J=7.4Hz,3H)。rhSyk=++
工程2:トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸ブチル(76mg,0.14mmol)を含むメタノール(3mL)を入れたマイクロ波用バイアルに水性水酸化ナトリウム(水中1M,2.0mL,2.0mmol)を添加し、混合物をマイクロ波中、140℃で60分間加熱した。混合物を室温まで放冷し、塩酸水でpH約3に酸性化した。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、トランス−4−{(1Rまたは1S)−1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}シクロヘキサンカルボン酸(エナンチオマー1)を得た。MS ESI C2426Sの計算値[M+H] 507,実測値507。H NMR(500MHz,CDOD)δ 8.62(d,J=5.6Hz,1H),8.38(s,1H),7.92(s,1H),7.51(s,1H),7.40(t,J=16.4Hz,1H),7.05(s,1H),2.50(s,3H),2.24−2.11(m,1H),2.10−1.93(m,3H),1.89−1.76(m,1H),1.66−1.58(m,4H),1.47−1.31(m,3H),1.26−1.11(m,1H)。rhSyk=+++
下記の化合物を実施例14,工程1に、および適切な場合は工程2にも記載のものと同様の様式で調製した。特に指定のない限り、シスおよびトランスという用語は、シクロアルキル環周りの立体化学配置を示す。
化合物3、化合物14−1〜14−10、化合物14−39〜14−43および化合物14−52〜14−54では、エナンチオマー1は中間体2,ピーク2から調製し、一方、エナンチオマー2は中間体2,ピーク1から調製した。
化合物14−30〜14−38および14−44〜14−51では、異性体1は中間体13,工程3,ピーク1から調製し、一方、異性体2は中間体13,工程3,ピーク2から調製した。化合物14−30は中間体13,工程4のジアステレオマー混合物から調製した。化合物14−11〜14,14は中間体12から調製した。化合物14−15、14−16、14−21および14−22は実施例1,工程2から調製した。化合物14−17、14−18、14−23および14−24は中間体8から調製した。化合物14−19、14−20、14−25および14−26は中間体9から調製した。化合物14−27〜14−29は中間体10から調製した。化合物14−55は中間体15,工程2から調製した。化合物14−56は中間体15,工程3から調製した。
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
Figure 2014513687
実施例15
4−{1−ヒドロキシ−1−[5−(4−メチル−6−{[4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]アミノ}ピリジン−2−イル)−1,3−チアゾル−2−イル]エチル}−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸の立体異性体
下記の化合物を、中間体14,工程2の生成物を用いて実施例14,工程1および2に記載のものと同様の様式で調製した。工程2では、場合によっては異性化が起こった。異性化が起こった場合、異性体を分離し、次いで試験した。以下の表に異性化が観察された場合を示す。
Figure 2014513687
Figure 2014513687

Claims (18)

  1. 式I:
    Figure 2014513687
    (式中
    Aは炭素環であるか、あるいは
    部分A−(R(R)が
    Figure 2014513687
    を表し;
    nは、0、1、2または3であり;
    pおよびqは独立して、1、2および3から選択され;
    は、C1〜4アルキル、C1〜4フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキルまたはC1〜4アルコキシであり;
    は、Hまたはハロゲンであり;
    は、H、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜6シクロアルキルまたはC1〜4ヒドロキシアルキルであり;
    は、Hまたはハロゲンであり;
    は、OH、C1〜4アルコキシ、ハロゲン、NH;またはN(H)(C1〜4アルキル)であり;
    は、H、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜6シクロアルキルもしくはC1〜4ヒドロキシアルキルである;または
    は、OHおよびC1〜4アルキルから選択され;
    は、(CRCO、CONR、テトラゾリル、OH、CHOH、オキソ、CN、NHCOおよびNHSOから選択されるが;Rと−C(R)(R)−が同じ環内炭素原子に結合していることはないものとし;
    およびRは各々、独立して、Hおよびメチルから選択され;
    は、HまたはC1〜4アルキルであり、
    およびRは各々、独立して、HおよびC1〜4アルキルから選択され;
    は、C1〜4アルキルまたはベンジルである)
    を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. 環Aが炭素環である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  3. AがC3〜6シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  4. Aがシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  5. がOHである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  6. Aが炭素環であり、Rが(CRCOおよびC(O)NRから選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  7. AがC3〜6シクロアルキルであり、RがCOである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  8. 式Ia:
    Figure 2014513687
    を有し、
    式中
    Aが炭素環であり;
    nが0、1または2であり;
    がC1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルであり;
    がH、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
    がH、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜4シクロアルキルであり;
    がC1〜4アルキルであり;
    がCOまたはCONRであり;
    がHまたはC1〜4アルキルであり、
    およびRが各々、独立して、HおよびC1〜4アルキルから選択される、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  9. がC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
    がH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルである、
    請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  10. 式Ib:
    Figure 2014513687
    を有し、
    式中
    nが0、1または2であり;
    がC1〜4アルキルまたはC1〜4フルオロアルキルであり;
    がH、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
    がH、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜4シクロアルキルであり;
    がC1〜4アルキルであり;
    がCOまたはCONRであり;
    がHまたはC1〜4アルキルであり、
    およびRが各々、独立して、HおよびC1〜4アルキルから選択される、
    請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  11. がCOである、
    請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  12. がC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルまたはC3〜6シクロアルキルであり;
    がH、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルである、
    請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  13. 治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
  14. Syk媒介性疾患の処置または予防のための方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法。
  15. 前記疾患が喘息またはCOPDである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記疾患が関節リウマチである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記疾患ががんである、請求項14に記載の方法。
  18. Syk媒介性疾患の処置のための治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の使用。
JP2014510372A 2011-05-10 2012-05-04 Syk阻害薬としてのピリジルアミノピリジン Pending JP2014513687A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161484431P 2011-05-10 2011-05-10
US61/484,431 2011-05-10
PCT/US2012/036426 WO2012154520A1 (en) 2011-05-10 2012-05-04 Pyridyl aminopyridines as syk inhibitors

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014513687A true JP2014513687A (ja) 2014-06-05

Family

ID=47139532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014510372A Pending JP2014513687A (ja) 2011-05-10 2012-05-04 Syk阻害薬としてのピリジルアミノピリジン

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9120785B2 (ja)
EP (1) EP2707357B1 (ja)
JP (1) JP2014513687A (ja)
AR (1) AR086318A1 (ja)
AU (1) AU2012253886A1 (ja)
CA (1) CA2834062A1 (ja)
TW (1) TW201249839A (ja)
WO (1) WO2012154520A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2013124395A (ru) * 2010-10-28 2014-12-10 Ниппон Синяку Ко., Лтд. Производное пиридина и лекарственное средство
KR20140025500A (ko) 2011-05-04 2014-03-04 머크 샤프 앤드 돔 코포레이션 아미노-피리딘-함유 비장 티로신 키나제 (Syk) 억제제
CA2834604A1 (en) 2011-05-10 2012-11-15 Merck Sharp & Dohme Corp. Aminopyrimidines as syk inhibitors
WO2012154518A1 (en) 2011-05-10 2012-11-15 Merck Sharp & Dohme Corp. Bipyridylaminopyridines as syk inhibitors
BR112014026176A2 (pt) * 2012-05-22 2017-06-27 Hoffmann La Roche dipiridilaminas substituídas e usos das mesmas
WO2013192125A1 (en) 2012-06-20 2013-12-27 Merck Sharp & Dohme Corp. Pyrazolyl derivatives as syk inhibitors
US9487504B2 (en) 2012-06-20 2016-11-08 Merck Sharp & Dohme Corp. Imidazolyl analogs as syk inhibitors
EP2863915B1 (en) 2012-06-22 2017-12-06 Merck Sharp & Dohme Corp. SUBSTITUTED DIAZINE AND TRIAZINE SPLEEN TYROSINE KINASE (Syk) INHIBITORS
WO2013192098A1 (en) 2012-06-22 2013-12-27 Merck Sharp & Dohme Corp. SUBSTITUTED PYRIDINE SPLEEN TYROSINE KINASE (Syk) INHIBITORS
WO2014031438A2 (en) 2012-08-20 2014-02-27 Merck Sharp & Dohme Corp. SUBSTITUTED PHENYL SPLEEN TYROSINE KINASE (Syk) INHIBITORS
WO2014048065A1 (en) 2012-09-28 2014-04-03 Merck Sharp & Dohme Corp. Triazolyl derivatives as syk inhibitors
EP2931281B1 (en) 2012-12-12 2018-01-17 Merck Sharp & Dohme Corp. Amino-pyrimidine-containing spleen tyrosine kinase inhibitors
US9598405B2 (en) 2012-12-21 2017-03-21 Merck Sharp & Dohme Corp. Thiazole-substituted aminopyridines as spleen tyrosine kinase inhibitors
WO2014176210A1 (en) * 2013-04-26 2014-10-30 Merck Sharp & Dohme Corp. Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
US9499534B2 (en) 2013-04-26 2016-11-22 Merck Sharp & Dohme Corp. Thiazole-substituted aminopyrimidines as spleen tyrosine kinase inhibitors
RU2015147601A (ru) 2013-05-01 2017-06-05 Ф. Хоффманн-Ля Рош Аг С-связанные гетероциклоалкилзамещенные пиримидины и их применения
US9822107B2 (en) 2013-12-20 2017-11-21 Merck Sharp & Dohme Corp. Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP3083560B1 (en) * 2013-12-20 2021-10-27 Merck Sharp & Dohme Corp. Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP3082807B1 (en) 2013-12-20 2018-07-04 Merck Sharp & Dohme Corp. Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
US9775839B2 (en) 2014-03-13 2017-10-03 Merck Sharp & Dohme Corp. 2-pyrazine carboxamides as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP3942045A1 (en) 2019-03-21 2022-01-26 Onxeo A dbait molecule in combination with kinase inhibitor for the treatment of cancer
EP4054579A1 (en) 2019-11-08 2022-09-14 Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale (INSERM) Methods for the treatment of cancers that have acquired resistance to kinase inhibitors
WO2021148581A1 (en) 2020-01-22 2021-07-29 Onxeo Novel dbait molecule and its use

Family Cites Families (79)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5710129A (en) 1995-02-23 1998-01-20 Ariad Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of SH2-mediated processes
AU3578695A (en) 1995-10-02 1997-04-28 Eisai Co. Ltd. Acridone derivative
US5958957A (en) 1996-04-19 1999-09-28 Novo Nordisk A/S Modulators of molecules with phosphotyrosine recognition units
ES2208950T3 (es) 1996-08-26 2004-06-16 Altana Pharma Ag Nuevos derivados de tiazol con un efecto inhibidor de fosfodiesterasas.
WO1999031073A1 (fr) 1997-12-15 1999-06-24 Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd. Nouveaux derives de pyrimidine-5-carboxamide
WO2000062778A1 (en) 1999-04-15 2000-10-26 Bristol-Myers Squibb Co. Cyclic protein tyrosine kinase inhibitors
EP1184376B1 (en) 1999-06-09 2005-02-02 Yamanouchi Pharmaceutical Co. Ltd. Novel heterocyclic carboxamide derivatives
GB9918035D0 (en) 1999-07-30 1999-09-29 Novartis Ag Organic compounds
CA2699568C (en) 1999-12-24 2013-03-12 Aventis Pharma Limited Azaindoles
JP2001302667A (ja) 2000-04-28 2001-10-31 Bayer Ag イミダゾピリミジン誘導体およびトリアゾロピリミジン誘導体
US6248790B1 (en) 2000-06-29 2001-06-19 Parker Hughes Institute Treatment of inflammation with 2,4,6-trihydroxy-alpha-rho-methoxyphenylacetophenone, or its pharmaceutically acceptable derivatives
ATE339418T1 (de) 2001-06-01 2006-10-15 Vertex Pharma Thiazolverbindungen, die sich als inhibitoren von proteinkinasen eignen
HUP0402352A2 (hu) 2001-06-19 2005-02-28 Bristol-Myers Squibb Co. Foszfodiészteráz (PDE) 7 inhibitorként alkalmazható pirimidinszármazékok és ezeket tartalmazó gyógyszerkészítmények
GB0115109D0 (en) 2001-06-21 2001-08-15 Aventis Pharma Ltd Chemical compounds
KR100875380B1 (ko) 2001-06-23 2008-12-23 아벤티스 파마슈티칼스 인크. 단백질 키나제 억제제로서의 피롤로피리미딘
US6897208B2 (en) 2001-10-26 2005-05-24 Aventis Pharmaceuticals Inc. Benzimidazoles
JP2005247690A (ja) 2002-01-08 2005-09-15 Nippon Nohyaku Co Ltd 6,6,6−トリフルオロ−3,5−ジオキソヘキサン酸エステル及びその互変異性体の製造方法
TWI329105B (en) 2002-02-01 2010-08-21 Rigel Pharmaceuticals Inc 2,4-pyrimidinediamine compounds and their uses
GB0206215D0 (en) 2002-03-15 2002-05-01 Novartis Ag Organic compounds
US7361665B2 (en) 2002-07-09 2008-04-22 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Inhibitors of c-Jun N-terminal kinases (JNK) and other protein kinases
JP2004203748A (ja) 2002-12-24 2004-07-22 Kissei Pharmaceut Co Ltd 新規なイミダゾ[1,2−c]ピリミジン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途
MXPA05009722A (es) 2003-03-10 2006-03-09 Schering Corp Inhibidores heterociclicos de cinasa: metodos de uso y sintesis.
WO2004087698A2 (en) 2003-03-25 2004-10-14 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Thiazoles useful as inhibitors of protein kinases
JP2006522125A (ja) 2003-03-25 2006-09-28 バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド プロテインキナーゼのインヒビターとして有用なチアゾール
BRPI0410348A (pt) 2003-05-14 2006-05-30 Torreypines Therapeutics Inc compostos e usos dos mesmos na modulação de amilóide-beta
NZ545270A (en) 2003-07-30 2010-04-30 Rigel Pharmaceuticals Inc 2,4-Pyrimidinediamine compounds for use in the treatment or prevention of autoimmune diseases
EP1663242B1 (en) 2003-08-07 2011-04-27 Rigel Pharmaceuticals, Inc. 2,4-pyrimidinediamine compounds and uses as anti-proliferative agents
AR045595A1 (es) 2003-09-04 2005-11-02 Vertex Pharma Composiciones utiles como inhibidores de proteinas quinasas
WO2005033103A1 (en) 2003-09-12 2005-04-14 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Quinoline compounds and their uses
GB0321710D0 (en) 2003-09-16 2003-10-15 Novartis Ag Organic compounds
CA2548172A1 (en) 2003-12-04 2005-06-23 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Quinoxalines useful as inhibitors of protein kinases
US7345043B2 (en) 2004-04-01 2008-03-18 Miikana Therapeutics Inhibitors of histone deacetylase
WO2006004865A1 (en) 2004-06-29 2006-01-12 Rigel Pharmaceuticals, Inc. 2-substituted quinoline compounds and their uses as inhibitors of the ige receptor signaling cascade
EP1794138A2 (en) 2004-08-23 2007-06-13 Wyeth Thiazolo-naphthyl acids as inhibitors of plasminogen activator inhibitor-1
US20060058525A1 (en) 2004-09-01 2006-03-16 Rajinder Singh Synthesis of 2,4-pyrimidinediamine compounds
CA2584808A1 (en) 2004-10-29 2006-05-11 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Substituted pyridines with activity on syk kinase
ES2380550T3 (es) 2004-11-24 2012-05-16 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Compuestos de espiro-2,4-pirimidindiamina y sus usos
US8604055B2 (en) 2004-12-31 2013-12-10 Dr. Reddy's Laboratories Ltd. Substituted benzylamino quinolines as cholesterol ester-transfer protein inhibitors
EP2161275A1 (en) 2005-01-19 2010-03-10 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Prodrugs of 2,4-pyrimidinediamine compounds and their uses
NZ561000A (en) 2005-02-28 2010-01-29 Japan Tobacco Inc Novel aminopyridine compound with Syk inhibitory activity
US7530158B2 (en) 2005-04-19 2009-05-12 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. CPP read sensor fabrication using heat resistant photomask
WO2006129100A1 (en) 2005-06-03 2006-12-07 Glaxo Group Limited Novel compounds
KR101312225B1 (ko) 2005-06-08 2013-09-26 리겔 파마슈티칼스, 인크. Jak 경로의 억제를 위한 조성물 및 방법
WO2006135915A2 (en) 2005-06-13 2006-12-21 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Methods and compositions for treating degenerative bone disorders
PE20070362A1 (es) 2005-07-15 2007-04-23 Glaxo Group Ltd COMPUESTOS DERIVADOS DE INDAZOL-4-IL-2,4-PIRIMIDINDIAMINA COMO INHIBIDORES DE TIROSINA QUINASA (QUINASA Syk)
WO2007028445A1 (en) 2005-07-15 2007-03-15 Glaxo Group Limited 6-indolyl-4-yl-amino-5-halogeno-2-pyrimidinyl-amino derivatives
GB0515026D0 (en) 2005-07-21 2005-08-31 Novartis Ag Organic compounds
JP2009511528A (ja) 2005-10-13 2009-03-19 グラクソ グループ リミテッド Syk阻害物質としてのピロロピリミジン誘導体群
US7713987B2 (en) 2005-12-06 2010-05-11 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Pyrimidine-2,4-diamines and their uses
ES2562428T3 (es) 2005-12-15 2016-03-04 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Inhibidores de cinasa y sus usos
WO2007085540A1 (en) 2006-01-27 2007-08-02 Glaxo Group Limited 1h-indaz0l-4-yl-2 , 4-pyrimidinediamine derivatives
JP4653842B2 (ja) 2006-02-17 2011-03-16 ライジェル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 自己免疫疾患を治療または予防するための2,4−ピリミジンジアミン化合物
JP2009530342A (ja) 2006-03-20 2009-08-27 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー Btkおよびsyk蛋白キナーゼを阻害する方法
JP2009536617A (ja) 2006-04-11 2009-10-15 バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド タンパク質キナーゼの阻害剤として有用なチアゾール、イミダゾール、およびピラゾール
UA95298C2 (ru) 2006-07-07 2011-07-25 Бьёрингер Ингельхайм Интернациональ Гмбх Фенилзамещенные гетероарильные производные и их применение в качестве противоопухолевых средств
WO2008024634A1 (en) 2006-08-25 2008-02-28 Smithkline Beecham Corporation Pyrimdine compounds useful as kinase inhibitors
AU2007333394C1 (en) 2006-12-08 2011-08-18 Novartis Ag Compounds and compositions as protein kinase inhibitors
CN101687853A (zh) 2007-05-04 2010-03-31 Irm责任有限公司 作为c-kit和pdgfr激酶抑制剂的嘧啶衍生物和组合物
CN101903357A (zh) 2007-07-17 2010-12-01 里格尔药品股份有限公司 作为pkc抑制剂的环状胺取代的嘧啶二胺
EP2200436B1 (en) 2007-09-04 2015-01-21 The Scripps Research Institute Substituted pyrimidinyl-amines as protein kinase inhibitors
AU2008294473B2 (en) 2007-09-05 2013-12-05 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Xinafoate salt of N4-(2,2-difluoro-4H-benzo[1,4]oxazin-3-one) -6-yl]-5-fluoro-N2-[3-methylaminocar-bonylmethyleneoxy)phenyl]-2,4-pyrimidinediamine
EP2226315A4 (en) 2007-12-28 2012-01-25 Carna Biosciences Inc 2-AMINOQUINAZOLINE DERIVATIVE
TW200938542A (en) 2008-02-01 2009-09-16 Irm Llc Compounds and compositions as kinase inhibitors
AU2009215191A1 (en) 2008-02-13 2009-08-20 Gilead Connecticut, Inc. 6-aryl-imidaz0[l, 2-a] pyrazine derivatives, method of making, and method of use thereof
WO2009103032A1 (en) 2008-02-15 2009-08-20 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Pyrimidine-2-amine compounds and their use as inhibitors of jak kinases
EP2321283B1 (en) 2008-04-16 2016-07-13 Portola Pharmaceuticals, Inc. 2,6-diamino-pyrimidin-5-yl-carboxamides as syk or jak kinases inhibitors
EP2323993B1 (en) 2008-04-16 2015-06-03 Portola Pharmaceuticals, Inc. 2,6-diamino- pyrimidin- 5-yl-carboxamides as syk or jak kinases inhibitors
JP2011518219A (ja) 2008-04-22 2011-06-23 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド タンパク質キナーゼの阻害剤
TWI453207B (zh) 2008-09-08 2014-09-21 Signal Pharm Llc 胺基三唑并吡啶,其組合物及使用其之治療方法
HUE030427T2 (en) 2008-12-08 2017-05-29 Gilead Connecticut Inc Imidazopyrazine Syk inhibitors
ES2744541T3 (es) 2008-12-08 2020-02-25 Gilead Connecticut Inc Inhibidores de imidazopirazina Syk
WO2011075560A1 (en) 2009-12-17 2011-06-23 Merck Sharp & Dohme Corp. Aminopyrimidines as syk inhibitors
CA2782889C (en) 2009-12-17 2014-08-05 Merck Canada Inc. Aminopyrimidines as syk inhibitors
US8962665B2 (en) 2010-01-12 2015-02-24 Ab Science Thiazole and oxazole kinase inhibitors
EP2441755A1 (en) 2010-09-30 2012-04-18 Almirall, S.A. Pyridine- and isoquinoline-derivatives as Syk and JAK kinase inhibitors
RU2013124395A (ru) 2010-10-28 2014-12-10 Ниппон Синяку Ко., Лтд. Производное пиридина и лекарственное средство
KR20140025500A (ko) 2011-05-04 2014-03-04 머크 샤프 앤드 돔 코포레이션 아미노-피리딘-함유 비장 티로신 키나제 (Syk) 억제제
CA2834604A1 (en) 2011-05-10 2012-11-15 Merck Sharp & Dohme Corp. Aminopyrimidines as syk inhibitors
WO2012154518A1 (en) 2011-05-10 2012-11-15 Merck Sharp & Dohme Corp. Bipyridylaminopyridines as syk inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
US20140100250A1 (en) 2014-04-10
EP2707357A4 (en) 2014-12-03
AU2012253886A1 (en) 2013-10-31
EP2707357A1 (en) 2014-03-19
CA2834062A1 (en) 2012-11-15
EP2707357B1 (en) 2017-01-18
TW201249839A (en) 2012-12-16
WO2012154520A1 (en) 2012-11-15
AR086318A1 (es) 2013-12-04
US9120785B2 (en) 2015-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2707357B1 (en) Pyridyl aminopyridines as syk inhibitors
US9290490B2 (en) Aminopyrimidines as Syk inhibitors
US9145391B2 (en) Bipyridylaminopyridines as Syk inhibitors
US9416111B2 (en) Substituted diazine and triazine spleen tyrosine kinease (Syk) inhibitors
US9487504B2 (en) Imidazolyl analogs as syk inhibitors
EP2934525B1 (en) Thiazole-substituted aminopyridines as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP3083559B1 (en) Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
US9745295B2 (en) Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP2988749B1 (en) Thiazole-substituted aminopyrimidines as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP3082807B1 (en) Thiazole-substituted aminoheteroaryls as spleen tyrosine kinase inhibitors
EP3116506B1 (en) 2-pyrazine carboxamides as spleen tyrosine kinase inhibitors
US20150299125A1 (en) Prodrug bipyridylaminopyridines as syk inhibitors