JP2004203748A - 新規なイミダゾ[1,2−c]ピリミジン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロテインチロシンキナーゼ阻害作用、特にSykファミリーキナーゼ阻害作用を有する新規なイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロテインチロシンキナーゼは、細胞蛋白質の特定のチロシン残基のリン酸化を触媒する酵素であり、細胞の活性化、増殖および分化の調節に重要な役割を果たしている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
本発明が特に関与するSykファミリーキナーゼに属するプロテインチロシンキナーゼとしてZAP-70およびSykが知られている。
ZAP-70は、免疫応答におけるT細胞の活性化に関係している。T細胞が、T細胞受容体(TCR)を介して抗原提示細胞上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に提示された抗原と結合すると、そのシグナルは細胞質内に伝達され、TCR/CD3ζ鎖中の immunoreceptor tyrosine-based activation motifs(ITAM)と称される部位のチロシン残基が、SrcファミリーキナーゼであるLckまたはFynによってリン酸化される。ZAP-70は、このリン酸化されたITAMにリクルートされ、LckによってZAP-70のチロシン残基がリン酸化されるとZAP-70は活性化される。活性化されたZAP-70は、さらに下流へのシグナル伝達を支配し、細胞内Ca2+の動員、インターロイキン2の産生、T細胞の増殖などを引き起こす(例えば、非特許文献2参照)。また近年、ZAP-70欠損患者が報告され、ZAP-70欠損患者では、T細胞の増殖反応が認められないことが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。またZAP-70欠失細胞系では、T細胞受容体を介するシグナル伝達機能(例えば、細胞内Ca2+の動員、IL-2の転写など)が認められないことが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。従ってZAP-70阻害剤は、T細胞が関与する疾患、例えば、自己免疫疾患(乾癬、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群など)、臓器移植による拒絶反応の抑制、移植片対宿主病などの治療薬として有用であると期待される。
【0004】
肥満細胞や好塩基球の表面には、高親和性でイムノグロブリン(IgE)を結合するレセプターであるIgE受容体(FcεRI)が発現している。このFcεRIに捕捉されたIgEが対応する多価抗原により架橋されるとこれらの細胞が活性化され、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどのメディエーターが放出され、即時型アレルギー反応が引き起こされる。また活性化された細胞は、ロイコトリエンやサイトカインを産生し、遅発炎症反応を引き起こすことが知られている。Sykは、このFcεRI活性化に伴う細胞内シグナル伝達に関与するプロテインチロシンキナーゼの1つであり、FcεRI活性化により惹起されるメディエーターの放出やサイトカイン産生亢進にはSykの活性が不可欠であることが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。またSykは、B細胞の活性化(例えば、非特許文献6および7参照)、GM-CSF/IL-5誘導性好酸球生存延長(例えば、非特許文献8参照)、コラーゲン刺激により誘発される血小板の活性化(例えば、非特許文献9参照)に関係している。従ってSyk阻害剤は、即時型アレルギー反応や遅発炎症反応に由来する疾患(例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、結膜炎など)、抗体が関与する疾患、好酸球性炎症、血小板活性化が関与する疾患などの治療薬として有用であると期待される。
【0005】
Abignente E.らは、下記一般式:
【化9】
(式中、RAは、カルボキシ、エトキシカルボニル、カルバモイルまたはカルボキシメチルであり;RBは、メチルまたはメトキシであり;RCは、メトキシ、メチルまたはクロロである)で表される、抗炎症作用を有するイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体を開示している(例えば、非特許文献10参照)。
【0006】
Yura T.らは、下記一般式:
【化10】
(式中、RDは、水素、アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニルまたはカルバモイルであり;REは、−XA−RG、ヘテロシクリル、カルボシクリルまたは縮合環であり:XAは、S、OまたはNHであり;RGは、アリールまたはヘテロアリールであり;RFは、アリールまたはヘテロアリールである)で表される、Syk阻害剤として有用なイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体を開示している(例えば、特許文献1参照)。
【非特許文献1】
Schlessinger J.ら, 「Neuron」, 1992年, 9巻, p.383-391
【非特許文献2】
Chu D.H.ら, 「Immunological Reviews」, 1998年, 165巻, p.167-180
【非特許文献3】
Arpaia E.ら, 「Cell」, 1994年, 76巻, p.947-958
【非特許文献4】
Williams B.L., 「Mol. Cell. Biol.」, 1998年, 18巻, p.1388-1399
【非特許文献5】
Rivera V.M.ら, 「Mol. Cell. Biol.」, 1995年, 15巻, p.1582-1590
【非特許文献6】
Hutchcroft J.E.ら, 「J. Biol. Chem.」, 1992年, 267巻, p.8613-8619
【非特許文献7】
Tanaka M.ら, 「EMBO J.」, 1994年, 13巻, p.1341-1349
【非特許文献8】
Yousefi S.ら, 「J. Exp. Med.」, 1996年, 183巻, p.1407-1414
【非特許文献9】
Poole A.ら,「EMBO J.」, 1997年, 16巻, p.2333-2341
【非特許文献10】
Abignente E.ら, 「IL Farmaco」, 1991年, 46巻, p.1099-1110
【特許文献1】
国際公開第01/83485号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プロテインチロシンキナーゼ阻害作用、好ましくはSykファミリーキナーゼ阻害作用を有する新規な化合物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が、優れたZAP-70および/またはSyk阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、一般式(I):
【化11】
[式中、
R1およびR2は、独立して以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基、あるいは
d)ヘテロアリール基であり;
R3は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基、
e)ヘテロアリール基、あるいは
f)アラルキル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜f):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)ハロ低級アルキル基、
d)低級アルコキシ基、
e)低級アルキルチオ基、
f)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合して−O−(CH2)m−O−、−O−(CH2)n−または−(CH2)P−を形成し、
ここで、mは、1〜3の整数を表し、
nは、2〜4の整数を表し、
pは、3〜5の整数を表し;
Aは、以下のa)〜h):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)R4、
e)ヘテロアリール基、
f)OR5、
g)SR5、または
h)NR6R7であり;
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜k):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)ジ低級アルキルアミノ基、
e)カルボキシ基、
f)低級アルコキシカルボニル基、
g)カルバモイル基、
h)以下からなる群:水酸基、アミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基、および1−イミダゾリル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
i)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基、
j)低級アルキルスルホニル基、または
k)スルファモイル基であり;
R5は、低級アルキル基、シクロアルキル基またはR4であり;
R6は、水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基であり;
R7は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルケニル基、
d)低級アルキニル基、
e)以下からなる群:シアノ基およびカルバモイル基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
f)以下の式:
【化12】
で表される基を表すか、あるいはR6およびR7が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0、1または2であり;
bは、1または2であり;
c、dおよびeは、独立して0または1であり;
Yは、O、S、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R9は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、水酸基、アミノ基、または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R10は、水素原子、低級アルキル基、R4またはカルボキシ基であり;
R11は、水素原子または低級アルキル基であり;
R12は、水素原子、低級アルキル基、R4または水酸基であり;
R13は、水酸基、アミノ基または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基である]で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
【0010】
前記一般式(I)において、下記の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
【0011】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、好適には、フッ素原子または塩素原子である。
【0012】
「低級アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。
【0013】
「ハロ低級アルキル基」とは、1〜3個の同種または異種のハロゲン原子で置換された低級アルキル基を意味し、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
【0014】
「シクロアルキル基」とは、3〜8員の単環式、2環式または橋かけ状の飽和環状炭化水素を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基などが挙げられる。
【0015】
「シクロアルキル低級アルキル基」とは、シクロアルキル基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基などが挙げられる。
【0016】
「低級アルコキシ基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0017】
「低級アルキルチオ基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキルチオ基を意味し、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基などが挙げられる。
【0018】
「ジ低級アルキルアミノ基」とは、同一のまたは異なる低級アルキル基でニ置換されたアミノ基を意味し、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
【0019】
「ジ低級アルキルアミノカルボニル基」とは、ジ低級アルキルアミノ基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
【0020】
「低級アルケニル基」とは、二重結合を有する炭素数2〜6の不飽和炭化水素を意味し、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基などが挙げられる。
【0021】
「低級アルキニル基」とは、三重結合を有する炭素数2〜6の不飽和炭化水素を意味し、例えば、エチニル基、プロパルギル基、3−ブチン−1−イル基などが挙げられる。
【0022】
「C1-6アルキレン基」とは、炭素数1〜6の2価の直鎖飽和炭化水素鎖を意味し、当該炭化水素鎖は必要に応じて1〜3個のメチル基で置換されてもよい。当該C1-6アルキレン基の具体例として、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2CH2CH2−、−C(CH3)2CH2CH(CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−などの基が挙げられる。
【0023】
「ヒドロキシ低級アルキル基」とは、水酸基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基などが挙げられある。
【0024】
「低級アルコキシカルボニル基」とは、(低級アルコキシ)−CO−で表される基を意味し、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0025】
「低級アルコキシカルボニルアミノ基」とは、(低級アルコキシ)−CONH−で表される基を意味し、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert-ブトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。
【0026】
「ヘテロアリール基」とは、1〜5個の炭素原子ならびにO、NおよびS原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員の単環式芳香族複素環、あるいは1〜9個の炭素原子ならびにO、NおよびS原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する8〜10員のニ環式芳香族複素環を意味する。単環式芳香族複素環としては、例えば、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジルおよびピリダジニルなどが挙げられる。ニ環式芳香族複素環としては、例えば、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンズイミダゾリルなどが挙げられる。これらの複素環の全ての位置異性体が考えられる(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルなど)。またこれらの複素環は、必要に応じてハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で置換することができる。
【0027】
「アラルキル基」とは、ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、またはヘテロアリール基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる。
【0028】
「アラルキルオキシ基」とは、(アラルキル)−O−で表される基を意味し、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基などが挙げられる。
【0029】
「ヘテロシクロアルキル基」とは、環内に酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から選択されるヘテロ原子を含み、必要に応じてカルボニル基で置換されてもよい3〜8員の複素環基を意味し、例えば、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、アゼチジニル基、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル基などが挙げられる。
【0030】
「環状アミン」または「環状アミノ基」とは、環内に−NH−、−O−または−S−を含んでもよい、5〜7員の環状アミンを意味し、例えば、1−ピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基などが挙げられる。当該環状アミノ基は、必要に応じて低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、低級アシルアミノ低級アルキル基、ヘテロアリール基または低級アルコキシカルボニル基で置換されてもよい。ここでアミノ低級アルキル基とは、アミノ基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、アミノメチル基、2−アミノエチル基などが挙げられる。低級アシルアミノ低級アルキル基とは、低級アシル基で置換されたアミノ低級アルキル基を意味し、例えば、アセチルアミノメチル基などが挙げられる。このような置換された環状アミノ基として、例えば、4−メチルピペリジノ基、4−(アミノメチル)ピペリジノ基、4−(アセチルアミノメチル)ピペリジノ基、4−メチルピペラジノ基、4−(ピリミジン2−イル)ピペラジノ基、4−(エトキシカルボニル)ピペラジノ基などが挙げられる。
【0031】
「(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基」とは、ジ低級アルキルアミノ基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
【0032】
「低級アルキルスルホニル基」とは、(低級アルキル)−SO2−で表される基を意味し、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基などが挙げられる。
【0033】
「低級アシル基」とは、(低級アルキル)−CO−で表される基を意味し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基などが挙げられる。
【0034】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物において1つまたはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物、およびそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物が本発明の範囲に含まれる。本発明の前記一般式(I)で表される化合物において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。さらに本発明の前記一般式(I)で表される化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0035】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は、塩の形態で存在することができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との付加塩、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、リジン等の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0036】
本発明において「プロドラッグ」とは生体内において前記一般式(I)に変換される化合物を意味し、このようなプロドラッグはまた本発明の範囲内である。プロドラッグの様々な形態が当該分野で周知である。
【0037】
例えば、本発明の前記一般式(I)で表される化合物がカルボン酸官能基を有する場合、プロドラッグとして、当該カルボキシ基の水素原子と、以下のような基:低級アルキル基、低級アシルオキシメチル基、1−(低級アシルオキシ)エチル基、低級アルコキシカルボニルオキシメチル基、1−(低級アルコキシカルボニルオキシ)エチル基、1−メチル−1−(低級アルコキシカルボニルオキシ)エチル基、または3−フタリジル基との置換により形成されるエステルが挙げられる。
【0038】
また本発明の前記一般式(I)で表される化合物が水酸基を有する場合、プロドラッグとして、当該水酸基の水素原子と、以下のような基:低級アシル基、スクシノイル基、低級アシルオキシメチル基、1−(低級アシルオキシ)エチル基、1−メチル−1−(低級アシルオキシ)エチル基、または低級アルコキシカルボニルオキシメチル基との置換により形成される化合物が挙げられる。
【0039】
また本発明の前記一般式(I)で表される化合物が、−NHまたは−NH2のようなアミノ基を有する場合、プロドラッグとして、当該アミノ基の水素原子と、以下のような基:低級アシル基または低級アルコキシカルボニル基との置換により形成される化合物が挙げられる。
【0040】
本発明の化合物の1つの実施態様は、一般式(I):
【化13】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R1およびR2は、独立して以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基、または
d)ヘテロアリール基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
Aは、R4またはNHR7であり;
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜k):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)ジ低級アルキルアミノ基、
e)カルボキシ基、
f)低級アルコキシカルボニル基、
g)カルバモイル基、
h)以下からなる群:水酸基、アミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基、および1−イミダゾリル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
i)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基、
j)低級アルキルスルホニル基、または
k)スルファモイル基であり;
R7は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルケニル基、
d)低級アルキニル基、
e)以下からなる群:シアノ基およびカルバモイル基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
f)以下の式:
【化14】
で表される基を表し;
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0、1または2であり;
bは、1または2であり;
c、dおよびeは、独立して0または1であり;
Yは、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R9は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、水酸基、アミノ基、または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R10は、水素原子、低級アルキル基、R4またはカルボキシ基であり;
R11は、水素原子または低級アルキル基であり;
R12は、水素原子、低級アルキル基、R4または水酸基であり;
R13は、水酸基またはアミノ基であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基である。
【0041】
本発明の化合物の好ましい第一の群は、下記一般式(II):
【化15】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0または1であり;
Yは、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基である。
【0042】
上記一般式(II)で表される化合物の好ましい実施態様の1つは、下記一般式(III):
【化16】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
A2は、C1-6アルキレン基であり、好ましくは−CH2CH2CH2CH2−または−CH2CH2CH2CH2CH2−である。
【0043】
上記一般式(II)で表される化合物の別の好ましい実施態様は、下記一般式(IV):
【化17】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
Yは、CH(R90)またはN(R91)であり;
R90は、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基または−CONHR900であり、ここでR900は、ヘテロアリール基であり;
R91は、−C(=O)R910であり、ここでR910は、カルボキシ低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル低級アルキル基である。
【0044】
本発明の化合物の好ましい第二の群は、下記一般式(V):
【化18】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
cは、0または1であり;
R11およびR12は、独立して水素原子または低級アルキル基である。
【0045】
本発明の化合物の好ましい第三の群は、下記一般式(VI):
【化19】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
eは、0または1であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基であり、
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜f):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基である。
【0046】
本発明の特に好ましい化合物は、以下の化合物群:
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ] イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例28);
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(4−メトキシベンジルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例34)
(±)−cis−5−(2’−アミノシクロヘプタン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例75);
3−({4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ]メチル}フェニル)プロペン酸エチル(実施例76);
3−({4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ]メチル}フェニル)プロペン酸(実施例100);
5−[(1H−ベンゾイミダゾ−ル−5−イルメチル)アミノ]−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例107);
{4−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル(実施例114);
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸(実施例115);
({trans−4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}シクロヘキサンカルボニル)アミノ] 酢酸エチル(実施例119);
({trans−4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}シクロヘキサンカルボニル)アミノ] 酢酸(実施例120);
trans−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−{[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル] アミノ}イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例145);
(2’S)−5−(2’−アミノプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例200);
(±)−cis−5−(2’−アミノインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例209);
(±)−cis−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメチルフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例217);
(1’R,2’S)−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例226);
(1’S,2’R)−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例227);および
5−(2−アミノ−2−メチルプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例228)、
から選択される化合物またはその薬理学的に許容される塩である。
【0047】
また別の局面において、本発明は、前記一般式(I)で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0048】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテインチロシンキナーゼ関連疾患の治療または予防剤に関する。
【0049】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、臓器移植による拒絶反応、移植片対宿主病または自己免疫性疾患の治療または予防剤に関する。
【0050】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギーまたは結膜炎の治療または予防剤に関する。
【0051】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、ZAP-70関連疾患の治療または予防剤に関する。
【0052】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、Syk関連疾患の治療または予防剤に関する。
【0053】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、スキーム1〜6に示す方法により製造することができる。
【0054】
【化20】
(式中、R3、R5、R6およびR7は上記と同義であり、R20は低級アルキル基を表し、X1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などの脱離基を表す)
【0055】
工程1−1
一般式(XX)で表される3,5−ジクロロピリミジン誘導体と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを不活性溶媒中、塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に反応させることにより、一般式(XXII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その温度は通常、室温から還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜3日程度である。
【0056】
工程1−2
この一般式(XXII)で表されるピリミジン誘導体を、不活性溶媒中でアンモニアと反応させると一般式(XXIII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1〜24時間である。
【0057】
工程1−3
この化合物(XXIII)の硫黄原子を、適切な溶媒中、m−クロロ過安息香酸、過マンガン酸カリウム、オキソン(登録商標)、過酢酸等の酸化剤を用いて酸化することにより、一般式(XXIV)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0058】
工程1−4
この一般式(XXIV)で表されるピリミジン誘導体と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXVI)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0059】
工程1−5
このシアノ化合物(XXVI)を適切な溶媒中で塩基を用いて加水分解することにより、一般式(XXVII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられ、必要に応じて過酸化水素水を添加することができる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜3日間である。
【0060】
工程1−6
この一般式(XXVII)で表される化合物と、一般式(XXVIII)で表されるアセトアルデヒド誘導体または一般式(XXIX)で表されるアセタール誘導体とを、不活性溶媒中、必要に応じて塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0061】
工程1−7および1−8
またイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体(Ia)は、以下の反応によっても得ることができる。すなわち、シアノ化合物(XXVI)とアセトアルデヒド誘導体(XXVIII)またはアセタール誘導体(XXIX)とを、工程1−6と同様に反応させることにより一般式(XXX)で表される化合物が得られる。この化合物(XXX)は、工程1−5と同様に反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体へ変換することができる。
【0062】
【化21】
(式中、R3、R5、R6、R7、R20およびX1は上記と同義である)
【0063】
工程2−1〜2−4
シアノピリミジン誘導体(XXIII)を、工程1−5および1−6、または工程1−7および1−8と同様にして反応させることにより、一般式(Ib)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。
【0064】
工程2−5
このイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体(Ib)と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0065】
工程2−6
一般式(Ib)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体とベンジルアルコールとを、無溶媒または不活性溶媒中、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウムなどの塩基存在下反応させることにより、一般式(XXXIII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、水、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0066】
工程2−7
この化合物(XXXIII)と一般式(XXXIV)で表されるアルキルハライドとを、無溶媒または不活性溶媒中、塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に反応させることにより、一般式(Ic)で表される化合物が
得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0067】
【化22】
(式中、R3、R6およびR7は上記と同義である)
【0068】
工程3−1
2,4,6−トリクロロ−5−シアノピリミジン(XXXV)と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVI)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、酢酸エチルなどが挙げられる。その反応温度は通常、−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜12時間である。
【0069】
工程3−2
この(XXXVI)と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0070】
工程3−3
2,4,6−トリクロロ−5−シアノピリミジン(XXXV)と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVIII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜12時間である。
【0071】
工程3−4
この一般式(XXXVIII)で表されるジクロロピリミジン誘導体と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0072】
工程3−5
この一般式(XXXVII)で表されるピリミジン誘導体を、不活性溶媒中でアンモニアと反応させると一般式(XXVI)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1〜24時間である。
この化合物(XXVI)は、工程1−5〜1−8と同様に反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体へと誘導することができる。
【0073】
【化23】
(式中、R1、R2、R3、R5、R6およびR7は上記と同義である)
【0074】
工程4−1
一般式(XXII)で表されるピリミジン誘導体と一般式(XXXVIII)で表されるアミノアルコール誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させると一般式(XXXIX)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1〜24時間である。
【0075】
工程4−2
この化合物(XXXIX)を、工程1−3および1−4と同様にして反応させることにより、一般式(XL)で表されるピリミジン誘導体が得られる。
【0076】
工程4−3
このピリミジン誘導体(XL)で表されるとオキシ塩化リンなどの塩素化剤とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより一般式(XLI)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、トルエンなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜12時間である。
【0077】
工程4−4
この化合物(XLI)を適切な溶媒中、塩基を用いて加水分解することにより、一般式(XLII)で表されるジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられ、必要に応じて過酸化水素水を添加することができる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、12時間〜3日間である。
【0078】
工程4−5
このジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体(XLII)を、適切な溶媒中、パラジウム炭素、二酸化セレン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンなどの酸化剤と反応させることにより、本発明の一般式(Id)で表される化合物が得られる。また本反応は、必要に応じてシクロヘキセンを添加して行うことができる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、2時間〜1日間である。
【0079】
【化24】
(式中、R3、R20、X1およびAは上記と同義である)
【0080】
工程5−1
3,3−ビス(メチルチオ)−2−シアノアクリロニトリル(XLIII)と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または適切な溶媒中で反応させることにより、一般式(XLIV)で表されるジシアノ誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0081】
工程5−2
この一般式(XLIV)で表されるジシアノ誘導体と一般式(XLV)で表されるアミジン誘導体とを、塩基の存在下、適切な溶媒中で反応させることにより一般式(XLVI)で表されるジシアノ誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどが挙げられる。その反応温度は、通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0082】
工程5−3
一般式(XLVI)で表されるジシアノ誘導体を、酸の存在下に不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XLVII)で表されるアミノピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。酸としては、塩酸、硝酸などの鉱酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸、塩化アルミニウム、三フッ化化ホウ素などのルイス酸などが挙げられる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、12時間〜3日間である。
【0083】
工程5−4〜5−7
このアミノピリミジン誘導体(XLVII)を、工程1−5〜1−8と同様に反応させることにより、本発明の一般式(I)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体を製造することができる。
【0084】
【化25】
(式中、R3、R20、X1およびAは上記と同義であり、R21は低級アルキル基を表す)
【0085】
工程6−1
一般式(L)で表されるシアノアクリル酸エステルと一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または適切な溶媒中で反応させることにより、一般式(LI)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0086】
工程6−2
この一般式(LI)で表される化合物と一般式(XLV)で表されるアミジン誘導体とを、塩基の存在下に不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(LII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0087】
工程6−3および6−4
この化合物(LII)を、工程5−3および5−4と同様にして反応させることにより、一般式(LIV)で表される化合物が得られる。
【0088】
工程6−5
この化合物(LIV)を適切な溶媒中でアルカリ加水分解することにより、一般式(LV)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0089】
工程6−6
この化合物(LV)を、カルボニルジイミダゾールなどの活性化剤の存在下にアンモニアと反応させることにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、その反応温度は通常、0℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0090】
上記に示したスキームは、本発明の化合物またはその製造中間体を製造するための方法のいくつかの例示であり、当業者には容易に理解され得るようにこれらのスキームの様々な改変が可能である。
本発明化合物を製造する際、必要に応じて、原料ないし中間体の段階で適切な保護基を導入し、しかる後、適切な段階で保護基を除去し、所望の化合物を得ることが可能である。このような保護基の選択、導入および除去は当業者には周知であり、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基の保護基として、T.W.GreenおよびP.G.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版に記載された保護基が挙げられ、これらの保護基を官能基の種類に応じて、適宜、導入、除去することができる。
【0091】
本発明の一般式(I)で表される化合物、および当該化合物を製造するために使用される中間体は、必要に応じて、当該分野の当業者には周知の単離・精製手段である溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィーなどの操作を行うことにより、単離・精製することができる。
【0092】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
これらの医薬組成物は、その剤型に応じ製剤学的に公知の手法により、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解することにより調剤することができる。
【0093】
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、その有効成分である前記一般式(I)で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩の投与量は患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合成人1日当たり約0.01mg〜約1000mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり約0.001mg〜約100mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。
【0094】
【発明の実施の形態】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0095】
【実施例】
参考例1―1
(3−アミノ−5−メトキシフェノキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
1−メトキシ−3,5−ジニトロベンゼン(0.500g)のテトラメチル尿素(3mL)懸濁液に2−(ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.63g)、炭酸カリウム(1.00g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.660g)を加え、85℃で3日間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1.0mol/L塩酸で逆抽出し、次いで水層に5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性にしたのち、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、(3−メトキシ−5−ニトロフェノキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.575g)を得た。
こうして得られた(3−メトキシ−5−ニトロフェノキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.575g)の酢酸エチル(25mL)溶液に10%パラジウム−カーボン(50%含水、0.325g)を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、表題化合物(0.513g)を得た。
同様にして、市販のアルコール誘導体を用いて参考例1−2〜参考例1−7を製造した。これらを表1に示した。
【0096】
【表1】
【0097】
参考例1−8
4−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボニトリル
4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−5−ピリミジンカルボニトリル(5.00g)のテトラヒドロフラン(120mL)溶液に氷冷下N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.15mL)を加え、次いで3,5−ジメトキシアニリン(3.56g)を加え、室温にて一晩撹拌した。生じた沈殿物を濾取し、水で洗浄し表題化合物を得た。さらに、濾液を濃縮後、残渣に水を加え、生じた沈殿物を濾取して、合計して表題化合物(7.46g)を得た。
同様に市販のアニリン誘導体、または参考例1−1〜参考例1―7で合成したアニリン誘導体を用いて、参考例1−9〜参考例1−23を合成した。これらを表2に示した。
【0098】
【表2】
【0099】
参考例1−24
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例1−8で得られる化合物(6.00g)のN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)懸濁液に28%アンモニア水(15mL)を加え、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水を加え、生じた沈殿物を濾取し、表題化合物(5.40g)を得た。
同様に参考例1−9〜参考例1−23を用いて、対応する参考例1−25〜参考例1−39を合成した。これらを表3に示した。
【0100】
【表3】
【0101】
参考例1−40
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボキサミド
参考例1−24で得られる化合物(7.21g)のジメチルスルホキシド(50mL)−エタノール(50mL)懸濁液に、0℃にて5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(22.7mL)、30%過酸化水素水(12.8mL)を加え、同温にて30分撹拌した。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(4.78g)を得た。
同様にして、参考例1−25〜参考例1−39を用いて、対応する参考例1−41〜参考例1−55を合成した。これらを表4に示した。
【0102】
【表4】
【0103】
実施例1
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−メチルスルファニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
化合物1−40で得られる化合物(4.78g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)懸濁液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(8.4mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、生じた沈殿物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して表題化合物(2.89g)を得た。
同様にして、参考例1−41〜参考例1−55を用いて、対応する実施例2〜実施例16を合成した。これらを表5に示した。
【0104】
【表5】
【0105】
参考例1−56
(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチル
N−(3−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)アセトアミド(0.846g)及び炭酸セシウム(1.64g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)懸濁液にブロモ酢酸エチルを加え、室温で一晩撹拌した。反応液に1.0mol/L塩酸(5mL)と水(10mL)を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、(3−アセチルアミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチルを粗成績体として得た。こうして得られた(3−アセチルアミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチルに6.0mol/L塩酸(10mL)を加え一晩加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、トルエンで共沸後、減圧濃縮した。ついで、本成績体にエタノール(10mL)、p−トルエンスルホン酸(0.08g)を加え室温にて一晩撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム液を加え、減圧濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して表題化合物(0.564g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm: 1.30 (3H, t, J=6.9Hz), 3.66 (2H, br s),3.73 (3H, s), 4.27 (2H, q, J=6.9Hz), 4.55 (2H, s), 5.85-5.95 (3H, m)
【0106】
参考例1−57
3−(6−クロロ−5−シアノ−2−メチルスルファニルピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェノキシ酢酸エチル
4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−5−ピリミジンカルボニトリル(0.530g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.480mL)、(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチルのテトラヒドロフラン(10mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.867g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm: 1.31 (3H, t, J=7.1Hz), 2.55 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.28 (2H, q, J=7.1Hz), 4.61 (2H, s), 6.30-6.40 (1H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 7.15 (1H, br s)
【0107】
参考例1−58
2− [3−(6−アミノ−5−シアノ−2−メチルスルファニルピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェノキシ] アセトアミド
参考例1−57で得られる化合物(0.858g)を1−メチルピロリドン(4mL)に溶解し、28%アンモニア水(2mL)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.756g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm: 2.40 (3H, s), 3.71 (3H, s), 4.36 (2H, s), 6.25-6.30 (1H, m), 6.80-6.95 (2H, m), 9.12 (1H, br s)
【0108】
参考例1−59
4−アミノ−6−(3−カルバモイルメトキシ−5−メトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボキサミド
参考例1−58で得られる化合物(0.756g)のジメチルスルホキシド(5mL)とエタノール(2.5mL)の混合溶液に氷冷下5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.420mL)、30%過酸化水素水(1.20mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え2.0mol/L塩酸(5.1mL)を加えた。析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.492g)を得た。
MS (ESI, m/z):379 (M+H)+
【0109】
参考例1−60
(1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)メタノール
水素化リチウムアルミニウム(0.702g)のテトラヒドロフラン(30mL)懸濁液に1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(1.00g)を少しずつ加えた後、60℃で12時間撹拌した。反応液に水を加え、30分撹拌した後、硫酸マグネシウムを加えてさらに10分撹拌した。不溶物をセライト濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(0.778g)を得た。
MS (ESI, m/z): 149 (M+H)+
【0110】
参考例1−61
5−ヒドロキシメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
参考例1−60で得られる化合物(0.778g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチルを加え、60℃で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物(0.337g)と6−ヒドロキシメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.343g)を得た。
MS (ESI, m/z): 249 (M+H)+
【0111】
参考例1−62
5−アジドメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
参考例1−61で得られる化合物(0.337g)の塩化メチレン(3mL)溶液に、氷零下トリエチルアミン、メタンスルホニルクロリドを加え室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して5−メタンスルホニルメタンオキシメチルメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.456g)を粗成績体として得た。
こうして得られた5−メタンスルホニルメタンオキシメチルメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.456g)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)溶液にアジ化ナトリウム(0.132g)を加え、80℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、表題化合物(0.371g)を得た。
MS (ESI, m/z): 327 (M+H)+
【0112】
参考例1−63
5−アミノメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
参考例1−62で得られる化合物(0.371g)のメタノール(3mL)溶液に10%パラジウム−カーボン(0.04g)を加え、水素雰囲気下2時間撹拌した。パラジウム−カーボンをセライトで濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(0.344g)を粗成績体として得た。
MS (ESI, m/z): 248 (M+H)+
【0113】
参考例1−64
4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸ピリジン−4−イルアミド
trans−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(0.500g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液にベンゾトリアゾール−1−オール1水和物(0.263g)、4−アミノピリジン(0.161g)を加え、室温で30分撹拌した。次いで、(4−ジメチルアミノブチル)エチルカルボジイミド1塩酸塩(0.362g)を加え室温で6時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル]カルバミン酸ベンジル(0.610g)を粗成績体として得た。
こうして得られた[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル]カルバミン酸ベンジル(0.610g)のテトラヒドロフラン(10mL)−エタノール(10mL)混合溶液に10%パラジウム−カーボン(0.03g)を加え、水素雰囲気下2時間撹拌した。パラジウム−カーボンをセライトで濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(0.324g)を粗成績体として得た。
MS (ESI, m/z): 234 (M+H)+
同様にして、本発明に係るトラネキサム酸アミド誘導体を製造した。
【0114】
実施例17
7−(3−カルバモイルメトキシ−5−メトキシフェニルアミノ)−5−メチルスルファニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例1−59で得られる化合物(0.476g)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に懸濁し、40%クロロアセトアルデヒド水溶液(0.495mL)を加え、65℃で3時間撹拌した。反応混合物に水、塩化メチレンおよびメタノールを加え、析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.189g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm: 2.81 (3H, s), 3.76 (3H, s), 4.42 (2H, s), 6.25-6.35 (1H, m), 6.75-6.80 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.30-7.55(3H, m), 7.70-7.80 (1H, m), 7.85-7.95 (1H, m), 9.62 (1H, br s), 12.31 (1H, br s)
MS(ESI, m/z): 403 (M+H)+
【0115】
実施例18
5−ベンジルアミノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
実施例1で得られる化合物(50mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.7mL)懸濁液にベンジルアミン(76μL)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1.0mol/L塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製し、表題化合物(28.9mg)を得た。
【0116】
実施例107
5−[(1H−ベンゾイミダゾ−ル−5−イルメチル)アミノ]−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
実施例1で得られる化合物(0.100g)の1−メチル−2−ピロリドン(3mL)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.237mL)、参考例1−63で得られる化合物(0.344g)を加え、120℃で14時間撹拌した。反応液をメタノールで希釈し、逆相分取カラムクロマトグラフィー(資生堂社製CAPCELL PAK C18 ODS,5μm,120Å,20×50mm,リニアグラ−ジェント,0.1%蟻酸水溶液/アセトニトリル溶=90/10−60/40)で精製した後、ジエチルエーテルから結晶化して表題化合物(0.030g)を得た。これを表6に示した。
【0117】
実施例114
{4−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル
実施例110で得られる化合物(0.150g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液にトリエチルアミン(0.085mL)、クロロオキソ酢酸エチル(0.023mL)を加え、室温で14時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(アミノプロピルシリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=50/1)で精製し、表題化合物(0.082g)を得た。
同様にして、実施例110で得られる化合物と既知の酸ハライド、または実施例110で得られる化合物とカルボン酸誘導体とを、縮合剤を用いて反応させて、実施例112,127,131〜133,165,166,167,181,182を製造した。これらを表6に示した。
【0118】
実施例121
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)酢酸エチル
実施例110で得られる化合物(20mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.15mL)溶液にブロモ酢酸エチルを加え、60℃で5.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル薄層カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、表題化合物(4.1mg)を得た。
同様にして、実施例110と既知のハロゲン化アルキル誘導体を反応させて、実施例122,129,135,147を製造した。これらを表6に示した。
【0119】
実施例134
3−(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)プロピオン酸tert−ブチル
実施例110で得られる化合物(50mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.3mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.036mL)、アクリル酸tert−ブチル(0.016mL)を加え、60℃で17時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル薄層カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、表題化合物(17mg)を得た。これを表6に示した。
【0120】
実施例145
trans−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−{[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル] アミノ}イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
実施例1で得られる化合物(100mg)の1−メチル−2−ピロリドン(2mL)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(237μL)、参考例1−64で得られる化合物(324mg)を加え、120℃で14時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=50/1)で精製し、表題化合物(20mg)を得た。
同様にして、実施例119,136,137,143、144,146,156〜161,179,180を製造した。これらを表6に示した。
上記実施例18,107,114,121,134,145の方法に準じて、実施例1から実施例17の化合物と既知のアミン誘導体を用いて、表6に示すその他の化合物を製造した。これらを表6に示した。
【0121】
【表6】
【0122】
参考例2−1
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルフォニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例1−24で得られる化合物(3.17g)のN,N―ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、0℃にてm−クロロ過安息香酸(3.79g)を加え、室温で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をジエチルエーテル/酢酸エチル=3/1で結晶化し、表題化合物(2.01g)を得た。
【0123】
参考例2−2
(1S)−{2−[4’−アミノ−5’−シアノ−6’−(3”,5”−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2’−イルアミノ] −1−メチルエチル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例2−1で得られる化合物(0.150g)のN,N―ジメチルホルムアミド(2.5mL)溶液に(1S)−(2−アミノ−1−メチルエチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.900g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL)を加え、50℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、表題化合物(0.221g)を得た。
同様にして既知のアミン誘導体を用いて参考例2−3〜参考例2−13を製造した。これらを表7に示した。
【0124】
参考例2−14
(1S)−{2−[4’−アミノ−5’−カルバモイル−6’−(3”,5”−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2’−イルアミノ] −1−メチルエチル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例2−2で得られる化合物(0.221g)のジメチルスルホキシド(1.25mL)−エタノール(0.7mL)溶液に、5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.3mL)と30%過酸化水素水(0.19mL)を加え、室温で30分撹拌した。反応液に水を加え、生じた沈殿物を濾取して表題化合物(0.156g)を得た。
同様にして、参考例2−3〜参考例2−13を用いて、対応する参考例2−15〜参考例2−25を製造した。これらを表7に示した。
【0125】
参考例2−26
(1’S,2’S)−5−(2’−アジドインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例2−23で得られる化合物(43mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.7mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(65μL)、40%クロロアセトアルデヒド水溶液(73μL)を加え、90℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/メタノール=19/1)にて精製し、表題化合物(17mg)を得た。
同様にして、参考例2−24,2−25を用いて、参考例2−27,2−28をそれぞれ製造した。これらを表7に示した。
【0126】
【表7】
【0127】
実施例191
(1S)−{2−[8’−カルバモイル−7’−(3”,5”−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5’−イルアミノ] −1−メチルエチル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例2−14で得られる化合物(0.156g)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(0.17mL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/3)にて精製し、表題化合物(0.045g)を得た。
同様にして、参考例2−15〜参考例2−22を用いて、対応する実施例192〜実施例199を製造した。これらを表8に示した。
【0128】
実施例200
(2’S)−5−(2’−アミノプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド塩酸塩
実施例191で得られる化合物(0.050g)のエタノール(1.5mL)溶液に飽和塩化水素―エタノール溶液を加え、室温で20分撹拌した。反応液を濃縮して、表題化合物(0.043g)を製造した。
同様にして、実施例192〜実施例197を用いて、対応する実施例201〜実施例206を製造した。これらを表8に示した。
【0129】
実施例207
(1’S,2’S)−5−(2’−アミノインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例2−26で得られる化合物(15mg)のテトラヒドロフラン(10mL)およびエタノール(10mL)に溶かし、10%パラジウム−カーボンを加え、室温にて水素雰囲気下3時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、濾液を減圧下濃縮して表題化合物(4.9mg)を得た。
同様にして、参考例2−27,2−28を用いて、実施例208,209をそれぞれ製造した。これらを表8に示した。
【0130】
【表8】
【0131】
参考例3−1
2,4−ジクロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル
2,4,6−トリクロロピリミジン−5−カルボニトリル(3.34g)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液にアルゴン雰囲気下、−70℃にて3,5−ジメトキシアニリン(2.45g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.07mL)をゆっくり滴下、同温で1時間、次いで、0℃にて2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフランを加え、生じた固体を濾取し、4,6−ジクロロ−2−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(参考例3−2)(0.599g)を得た。濾液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えて結晶化し、表題化合物(2.40g)を得た。これらを表9に示した。
【0132】
参考例3−3
(±)−cis−{2−[4−クロロ−5−シアノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−1で得られる化合物(0.836g)のテトラヒドロフラン(15mL)懸濁液に、アルゴン雰囲気下−70℃にてcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンのテトラヒドロフラン溶液(5mL)を加え−20℃で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。こうして得られた残渣を塩化メチレン(15mL)に溶解し、0℃にて二炭酸ジ−tert−ブチルの塩化メチレン溶液(5mL)を加え40℃で1時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、表題化合物(0.540g)を得た。
同様にして2−アミノ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸メチル塩酸塩を用いて、参考例3−4を合成した。これらを表9に示した。
【0133】
参考例3−5
(±)−cis−{2−[4−アミノ−5−シアノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−3で得られる化合物(0.524g)に0.5mol/Lアンモニア−ジオキサン(40mL)溶液を加え、封管中100℃にて2日間撹拌した。溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/10/10)にて精製し、表題化合物(0.435g)を得た。
同様にして参考例3−4を用いて参考例3−6を製造した。これらを表9に示した。
【0134】
参考例3−7
(±)−cis−{2−[8−シアノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−5で得られる化合物(0.415g)のエタノール(20mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液を加え、加熱還流下6時間撹拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣に塩化メチレンを加え生じた結晶を濾取、乾燥して表題化合物を得た。さらに、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/10/10)にて精製し、表題化合物(合計して0.290g)を得た。
同様にして、参考例3−6を用いて参考例3−8を製造した。これらを表9に示した。
【0135】
参考例3−9
(±)−cis−[2−(4,6−ジクロロ−5−シアノピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル] カルバミン酸tert−ブチル
2,4,6−トリクロロピリミジン−5−カルボニトリル(2.16g)の塩化メチレン(40mL)懸濁液にアルゴン雰囲気下、−70℃にてcis−(2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(2.22g)の塩化メチレン溶液(30mL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.98mL)をゆっくり滴下し、0℃にて1時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた生成物を酢酸エチルに懸濁し、85℃で30分撹拌した。反応液を室温まで冷却し、生じた結晶を濾取して、参考例3−9(2.00g)を得た。さらに濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、表題化合物(0.53g)を得た。これを表9に示した。
【0136】
参考例3−10
(±)−cis−{2−[4−クロロ−5−シアノ−6−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ]シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−9で得られる化合物(112mg)、3,5−ジフルオロアニリン(37.4mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(55μL)を加え、70℃で終夜撹拌した。反応液を水に入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、表題化合物(133mg)を得た。
同様に、3,5−ジメチルアニリンを用いて、参考例3−11を製造した。これらを表9に示した。
【0137】
参考例3−12
(±)−cis−{2−[4−アミノ−5−シアノ−6−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−10で得られる化合物(106mg)の1,4−ジオキサン(1mL)溶液に28%アンモニア水(135μL)を加え、60℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(33mg)を得た。
同様にして、参考例3−11を用いて参考例3−13を製造した。これらを表9に示した。
【0138】
参考例3−14
(±)−cis−[2−(4−アミノ−5−シアノ−6−ベンジルアミノピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル]カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−9で得られる化合物(285mg)、ベンジルアミン(85mg)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(138μL)を加え、室温で2時間撹拌した。次いで、28%アンモニア水(2mL)を加え、100℃で終夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/1)にて精製し、表題化合物(68mg)を得た。これを表9に示した。
【0139】
参考例3−15
(±)−cis−{2−[4−アミノ−5−カルバモイル−6−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−12で得られる化合物(29mg)をジメチルスルホキシド(0.2mL)、エタノール(0.1mL)に溶解し、0℃にて5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(63μL)、30%過酸化水素水(36μL)を順次加え、室温で1.5時間撹拌した。1.0mol/L塩酸(315μL)、水(2mL)を加え、生じた固体を濾取、減圧乾燥して表題化合物(26mg)を得た。
同様にして、参考例3−13,3−14を用いて参考例3−16,3−17をそれぞれ製造した。これらを表9に示した。
【0140】
【表9】
【0141】
実施例210
(±)−cis−{2−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−7で得られる化合物(0.105g)をジメチルスルホキシド(8mL)、エタノール(8mL)に溶解し、0℃にて5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.65mL)、30%過酸化水素水(0.945mL)を順次加え、室温で1時間撹拌後、45℃で4日間撹拌した。1.0mol/L塩酸溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/50/50)にて精製し、表題化合物(0.035g)を得た。
同様にして参考例3−8を用いて、実施例214を製造した。これを表10に示した。
【0142】
実施例211
(±)−cis−{2−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−15で得られる化合物(26mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(17.7μL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(19μL)を加え、60℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、生じた固体を濾取した。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、表題化合物(9mg)を得た。
同様にして、参考例3−16、3−17を用いて、実施例212、213をそれぞれ製造した。これらを表10に示した。
【0143】
実施例215
(±)−cis−5−(2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド塩酸塩
実施例210で得られる化合物(0.140g)に飽和塩化水素−エタノール(10mL)溶液を加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を留去した後、残渣に酢酸エチルを加え、生じた結晶を濾取して表題化合物(0.111g)を得た。
同様にして、実施例211〜実施例213を用いて,実施例216〜実施例218をそれぞれ製造した。これらを表10に示した。
【0144】
実施例219
(2’S)−3’−アミノ−2’−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ [1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] プロピオン酸トリフルオロ酢酸塩
実施例214(6.0mg)の塩化メチレン(1mL)懸濁液にトリフルオロ酢酸(50μL)を加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を留去した後、残渣にエーテルを加え、生じた結晶を濾取して表題化合物(5.0mg)を得た。これを表10に示した。
【0145】
【表10】
【0146】
参考例4−1
(S)−4−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−6−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例1−8で得られる化合物(1.09g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に(S)−(+)−2−フェニルグリシノール(0.465g)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.618mL)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、10%食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物(1.67g)を得た。
同様にして、(±)−2−アミノ−2−(4−メトキシフェニル)エタノールを用いて参考例4−2を製造した。これらを表11に示した。
【0147】
参考例4−3
(2’S)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−メチルスルファニル−2’−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボニトリル
参考例4−1で得られる化合物(1.67g)をオキシ塩化リン(15mL)に溶解し、60℃で1時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンを減圧留去し、氷水を加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して表題化合物(1.63g)を得た。
同様にして、参考例4−2を用いて参考例4−4を製造した。これらを表11に示した。
【0148】
参考例4−5及び参考例4−6
(2S),(1’R),(2’S)−{2’−[8−シアノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル、及び
(2S),(1’S),(2’R)−{2’−[8−シアノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例4−3で得られる化合物(0.469g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)懸濁液に(±)−cis−(2―アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルを加え、50℃で一晩、さらに90℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、10%食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=20/1)、次いでアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製し、低極性ジアステレオマー参考例4−5(0.088g)と高極性ジアステレオマー参考例4−6(0.133g)を得た。
同様にして、参考例4−3から対応するアミン誘導体を用いて、参考例4−7、4−9および4−10を、また、参考例4−4を用いて参考例4−8を製造した。これらを表11に示した。
【0149】
参考例4−11
(2S),(1’R),(2’S)−{2’−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例4−5(88mg)のジメチルスルホキシド(0.6mL)、エタノール(0.2mL)混合溶液に5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(210μL)、30%過酸化水素水(119μL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応が終結しなかったので、更に30%過酸化水素水(30μL)ずつを3回に分けて追加した。反応液に1.0mol/L塩酸(1.05mL)、水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製し、表題化合物(62mg)を得た。これを表11に示した。
同様にして、参考例4−6〜参考例4−10を用いて、対応する参考例4−12〜参考例4−16を製造した。これらを表11に示した。
【0150】
【表11】
【0151】
実施例220
(1’R),(2’S)−{2’−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例4−11で得られる化合物(33mg)のジメチルスルホキシド(1.0mL)溶液に10%パラジウム−カーボン(約50%含水品)(12mg)とシクロヘキセン(5.5μL)を加え、70℃で終夜撹拌した。10%パラジウム−カーボン沫を濾去し、濾液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、表題化合物(12mg)を得た。これを表12に示した。
同様にして、参考例4−12〜4−16を用いて、対応する実施例221〜実施例225をそれぞれ製造した。これらを表12に示した。
【0152】
実施例226
(1’R),(2’S)−5−(2’−アミノシクロヘキサン −1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド塩酸塩
実施例220で得られる化合物(15mg)の酢酸エチル(0.5mL)溶液に4.0mol/L塩化水素−酢酸エチル(0.5mL)溶液を加え、室温で30分撹拌した。溶媒を留去して表題化合物(13mg)を得た。これを表12に示した。
同様にして実施例221〜実施例224を用いて、対応する実施例227〜実施例230を製造した。これらを表12に示した。
【0153】
実施例231
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル
実施例230で得られる化合物(11mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.5μL)、エチルオキザリルクロライド(2.7μL)を順次加え、60℃で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。さらに、10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、表題化合物(8.5mg)を得た。これを表12に示した。
【0154】
【表12】
【0155】
参考例5−1
2−[(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)メチルスルファニルメチレン] マロノニトリル
2−(ビス−メチルスルファニルメチレン)マロノニトリル(10.6g)と3,5−ジメトキシアニリン(9.55g)をエタノール(100mL)に溶かし、一晩加熱還流した。一晩冷却し、析出物を濾別して表題化合物(14.0g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ ppm: 2.33 (3H, s), 3.80(6H, s), 6.41-6.43 (2H, m), 6.36-6.38 (1H, m)
【0156】
参考例5−2
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例5−1で得られる化合物(50.0mg)のエタノール(1mL)懸濁液にベンズアミジン塩酸塩(28.4mg)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(35μL)を加え、加熱還流下5日間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をトルエン(2mL)に懸濁し、p−トルエンスルホン酸(31.3mg)を加えて115℃で8時間撹拌した。反応溶液を冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、表題化合物(15.0mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ ppm:3.84 (6H, s), 5.43 (2H, br s), 6.30-6.35 (1H, m), 6.90-7.00 (3H, m), 7.40-7.60 (3H, m), 8.35-8.40 (2H, m)
【0157】
実施例232
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例5−2で得られる化合物(15.0mg)のブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(400μL)懸濁液を80℃にて終夜撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/エタノール=10/1で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を1,4−ジオキサン(500μL)/エタノール(250μL)に溶解し、10%(W/V)炭酸カリウム水溶液(250μL)、過酸化水素水(60μL)を加え室温で8時間撹拌した。反応液を冷却した塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、表題化合物(2.5mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:3.76 (6H, s), 5.82 (1H, br s), 6.21 (1H,t, J=2.0Hz), 6.98 (2H, d, J=2.0Hz), 7.42 (1H, d, J=1.5Hz), 7.50-7.75 (4H, m), 7.90-8.00 (2H, m), 10.3 (1H, br s), 12.1 (1H, br s)MS(ESI, m/z): 390 (M+H)+
【0158】
下記の表13に示す化合物は、スキーム1〜6に記載した方法、または当業者に自明の変法に従い、適切な試薬を使用して製造することができる。
【0159】
【表13】
【0160】
試験例1
ZAP−70 チロシンキナーゼ阻害作用試験
1)ZAP−70タンパク質のクローニング、発現、および精製
ヒトZAP−70のキナーゼドメイン(Leu325−Ala619)は、ヒト胸腺Marathon−Ready(登録商標) cDNA(CLONTECH社)から、PCR(polymerase chain reaction)法を用いて、pET−19b発現ベクター(Novagen社)のNdeIおよびXhoI部位へクローニングした。更に、このヒトZAP−70キナーゼドメインを、その5’末端にpET−19bのHisタグの遺伝子を結合した形で、BAC−TO−BAC(登録商標)バキュロウイルス発現システム(GIBCO BRL社)に含まれるベクターpFASTBAC1に組み込んだ。このプラスミドDNAをバキュロウイルス発現システムに含まれるコンピテントセルDH10BACに形質導入し、組み換えウイルスのDNAを作製した。さらに組み換えウイルスのDNAをSf−9細胞(Invitrogen社)にトランスフェクションすることにより組み換えウイルス(培養上清)を得た。
この組み換えウイルスを感染させたHigh Five(登録商標)昆虫細胞(Invitrogen社)を回収し、超音波処理によって細胞を溶解した。可溶性画分を遠心分離した後、上清をTALON(登録商標)メタルアフィニティーレジン(CLONTECH社)と混合し、レジンにZAP−70キナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を吸着させた。レジンを数回洗浄した後、イミダゾールを含むバッファーでZAP−70キナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を溶出した。
【0161】
2)ZAP−70チロシンキナーゼ阻害アッセイ
被験化合物のZAP−70阻害活性を、分光光度計を用いた共役酵素アッセイで測定した。100nmol/L ZAP−70キナーゼドメインタンパク質とジメチルスルホキシドで溶解した様々な濃度の被験化合物を0.1mol/L HEPES緩衝液(pH7.6、20mmol/L MgCl2、2.5mmol/Lホスホエノールピルベート、0.2mmol/L NADH、150μg/mLピルベートキナーゼ、50μg/mLラクテートデヒドロゲナーゼ、0.5mmol/L SLP−76ペプチド)中で37℃、10分間静置した。SLP−76ペプチド(アミノ酸配列: EDDYESP)は、ZAP−70チロシンキナーゼ触媒反応のリン酸基受容体基質として使用した。酵素反応は、10μmol/LのATP添加で開始し、37℃に設定した分光光度計で単位時間あたりの340nm の吸収減少量(速度V(mOD/min))を測定した。阻害剤濃度に対する速度値V(mOD/min)を酵素速度解析ソフトウェアーPlate Ki (Bio Kin,Ltd.)に入力し、Ki値を算出した。これらの結果を表14に示した。
【0162】
【表14】
【0163】
試験例2
Sykチロシンキナーゼ阻害作用試験
1)Sykタンパク質のクローニング、発現、および精製
ヒトSykのキナーゼドメイン(Met343−Asn635)は、ヒト脾臓Marathon−Ready(登録商標) cDNA(CLONTECH社)から、PCR(polymerase chain reaction)法を用いて、pET−19b発現ベクター(Novagen社)のNdeIおよびXhoI部位へクローニングした。更に、このヒトSykキナーゼドメインを、その5’末端にpET−19bのHisタグの遺伝子を結合した形で、BAC−TO−BAC(登録商標)バキュロウイルス発現システム(GIBCO BRL社)に含まれるベクターpFASTBAC1に組み込んだ。このプラスミドDNAをバキュロウイルス発現システムに含まれるコンピテントセルDH10BACに形質導入し、組み換えウイルスのDNAを作製した。さらに組み換えウイルスのDNAをSf−9細胞(Invitrogen社)にトランスフェクションすることにより組み換えウイルス(培養上清)を得た。
この組み換えウイルスを感染させたHigh Five(登録商標)昆虫細胞(Invitrogen社)を回収し、超音波処理によって細胞を溶解した。可溶性画分を遠心分離した後、上清をTALON(登録商標)メタルアフィニティーレジン(CLONTECH社)と混合し、レジンにSykキナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を吸着させた。レジンを数回洗浄した後、イミダゾールを含むバッファーでSykキナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を溶出した。
【0164】
2)Sykチロシンキナーゼ阻害アッセイ
被験化合物のSyk阻害活性を、分光光度計を用いた共役酵素アッセイで測定した。3.6nmol/L Sykキナーゼドメインタンパク質とジメチルスルホキシドで溶解した様々な濃度の被験化合物を0.1mol/L HEPES緩衝液(pH7.6、40mmol/L MgCl2、2.5mmol/Lホスホエノールピルベート、0.2mmol/L NADH、150μg/mLピルベートキナーゼ、50μg/mLラクテートデヒドロゲナーゼ、0.1mmol/L SLP−76ペプチド)中で37°C、10分間静置した。 SLP−76ペプチド(アミノ酸配列:EDDYESP)は、Sykチロシンキナーゼ触媒反応のリン酸基受容体基質として使用した。酵素反応は、50μmol/LのATP添加で開始し、37℃に設定した分光光度計で単位時間あたりの340nm の吸収減少量(速度V(mOD/min))を測定した。阻害剤濃度に対する速度値V(mOD/min)を酵素速度解析ソフトウェアーPlate Ki (Bio Kin,Ltd.)に入力し、Ki値を算出した。これらの結果を表15に示した。
【0165】
【表15】
【0166】
【発明の効果】
本発明の一般式(I)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体は、プロテインチロシンキナーゼ阻害作用、特にSykファミリーキナーゼに属するZAP−70チロシンキナーゼおよび/またはSykチロシンキナーゼに対して強力な阻害作用を有する。従って本発明の化合物は、ZAP−70および/またはSykチロシンキナーゼ関連疾患の治療または予防薬として有用であり、特に臓器移植による拒絶反応、移植片対宿主病、自己免疫性疾患、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、結膜炎などの治療または予防剤として好適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロテインチロシンキナーゼ阻害作用、特にSykファミリーキナーゼ阻害作用を有する新規なイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロテインチロシンキナーゼは、細胞蛋白質の特定のチロシン残基のリン酸化を触媒する酵素であり、細胞の活性化、増殖および分化の調節に重要な役割を果たしている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
本発明が特に関与するSykファミリーキナーゼに属するプロテインチロシンキナーゼとしてZAP-70およびSykが知られている。
ZAP-70は、免疫応答におけるT細胞の活性化に関係している。T細胞が、T細胞受容体(TCR)を介して抗原提示細胞上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に提示された抗原と結合すると、そのシグナルは細胞質内に伝達され、TCR/CD3ζ鎖中の immunoreceptor tyrosine-based activation motifs(ITAM)と称される部位のチロシン残基が、SrcファミリーキナーゼであるLckまたはFynによってリン酸化される。ZAP-70は、このリン酸化されたITAMにリクルートされ、LckによってZAP-70のチロシン残基がリン酸化されるとZAP-70は活性化される。活性化されたZAP-70は、さらに下流へのシグナル伝達を支配し、細胞内Ca2+の動員、インターロイキン2の産生、T細胞の増殖などを引き起こす(例えば、非特許文献2参照)。また近年、ZAP-70欠損患者が報告され、ZAP-70欠損患者では、T細胞の増殖反応が認められないことが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。またZAP-70欠失細胞系では、T細胞受容体を介するシグナル伝達機能(例えば、細胞内Ca2+の動員、IL-2の転写など)が認められないことが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。従ってZAP-70阻害剤は、T細胞が関与する疾患、例えば、自己免疫疾患(乾癬、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群など)、臓器移植による拒絶反応の抑制、移植片対宿主病などの治療薬として有用であると期待される。
【0004】
肥満細胞や好塩基球の表面には、高親和性でイムノグロブリン(IgE)を結合するレセプターであるIgE受容体(FcεRI)が発現している。このFcεRIに捕捉されたIgEが対応する多価抗原により架橋されるとこれらの細胞が活性化され、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどのメディエーターが放出され、即時型アレルギー反応が引き起こされる。また活性化された細胞は、ロイコトリエンやサイトカインを産生し、遅発炎症反応を引き起こすことが知られている。Sykは、このFcεRI活性化に伴う細胞内シグナル伝達に関与するプロテインチロシンキナーゼの1つであり、FcεRI活性化により惹起されるメディエーターの放出やサイトカイン産生亢進にはSykの活性が不可欠であることが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。またSykは、B細胞の活性化(例えば、非特許文献6および7参照)、GM-CSF/IL-5誘導性好酸球生存延長(例えば、非特許文献8参照)、コラーゲン刺激により誘発される血小板の活性化(例えば、非特許文献9参照)に関係している。従ってSyk阻害剤は、即時型アレルギー反応や遅発炎症反応に由来する疾患(例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、結膜炎など)、抗体が関与する疾患、好酸球性炎症、血小板活性化が関与する疾患などの治療薬として有用であると期待される。
【0005】
Abignente E.らは、下記一般式:
【化9】
(式中、RAは、カルボキシ、エトキシカルボニル、カルバモイルまたはカルボキシメチルであり;RBは、メチルまたはメトキシであり;RCは、メトキシ、メチルまたはクロロである)で表される、抗炎症作用を有するイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体を開示している(例えば、非特許文献10参照)。
【0006】
Yura T.らは、下記一般式:
【化10】
(式中、RDは、水素、アルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニルまたはカルバモイルであり;REは、−XA−RG、ヘテロシクリル、カルボシクリルまたは縮合環であり:XAは、S、OまたはNHであり;RGは、アリールまたはヘテロアリールであり;RFは、アリールまたはヘテロアリールである)で表される、Syk阻害剤として有用なイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体を開示している(例えば、特許文献1参照)。
【非特許文献1】
Schlessinger J.ら, 「Neuron」, 1992年, 9巻, p.383-391
【非特許文献2】
Chu D.H.ら, 「Immunological Reviews」, 1998年, 165巻, p.167-180
【非特許文献3】
Arpaia E.ら, 「Cell」, 1994年, 76巻, p.947-958
【非特許文献4】
Williams B.L., 「Mol. Cell. Biol.」, 1998年, 18巻, p.1388-1399
【非特許文献5】
Rivera V.M.ら, 「Mol. Cell. Biol.」, 1995年, 15巻, p.1582-1590
【非特許文献6】
Hutchcroft J.E.ら, 「J. Biol. Chem.」, 1992年, 267巻, p.8613-8619
【非特許文献7】
Tanaka M.ら, 「EMBO J.」, 1994年, 13巻, p.1341-1349
【非特許文献8】
Yousefi S.ら, 「J. Exp. Med.」, 1996年, 183巻, p.1407-1414
【非特許文献9】
Poole A.ら,「EMBO J.」, 1997年, 16巻, p.2333-2341
【非特許文献10】
Abignente E.ら, 「IL Farmaco」, 1991年, 46巻, p.1099-1110
【特許文献1】
国際公開第01/83485号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プロテインチロシンキナーゼ阻害作用、好ましくはSykファミリーキナーゼ阻害作用を有する新規な化合物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が、優れたZAP-70および/またはSyk阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、一般式(I):
【化11】
[式中、
R1およびR2は、独立して以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基、あるいは
d)ヘテロアリール基であり;
R3は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基、
e)ヘテロアリール基、あるいは
f)アラルキル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜f):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)ハロ低級アルキル基、
d)低級アルコキシ基、
e)低級アルキルチオ基、
f)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合して−O−(CH2)m−O−、−O−(CH2)n−または−(CH2)P−を形成し、
ここで、mは、1〜3の整数を表し、
nは、2〜4の整数を表し、
pは、3〜5の整数を表し;
Aは、以下のa)〜h):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)R4、
e)ヘテロアリール基、
f)OR5、
g)SR5、または
h)NR6R7であり;
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜k):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)ジ低級アルキルアミノ基、
e)カルボキシ基、
f)低級アルコキシカルボニル基、
g)カルバモイル基、
h)以下からなる群:水酸基、アミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基、および1−イミダゾリル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
i)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基、
j)低級アルキルスルホニル基、または
k)スルファモイル基であり;
R5は、低級アルキル基、シクロアルキル基またはR4であり;
R6は、水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基であり;
R7は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルケニル基、
d)低級アルキニル基、
e)以下からなる群:シアノ基およびカルバモイル基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
f)以下の式:
【化12】
で表される基を表すか、あるいはR6およびR7が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0、1または2であり;
bは、1または2であり;
c、dおよびeは、独立して0または1であり;
Yは、O、S、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R9は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、水酸基、アミノ基、または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R10は、水素原子、低級アルキル基、R4またはカルボキシ基であり;
R11は、水素原子または低級アルキル基であり;
R12は、水素原子、低級アルキル基、R4または水酸基であり;
R13は、水酸基、アミノ基または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基である]で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
【0010】
前記一般式(I)において、下記の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
【0011】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、好適には、フッ素原子または塩素原子である。
【0012】
「低級アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。
【0013】
「ハロ低級アルキル基」とは、1〜3個の同種または異種のハロゲン原子で置換された低級アルキル基を意味し、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
【0014】
「シクロアルキル基」とは、3〜8員の単環式、2環式または橋かけ状の飽和環状炭化水素を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基などが挙げられる。
【0015】
「シクロアルキル低級アルキル基」とは、シクロアルキル基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基などが挙げられる。
【0016】
「低級アルコキシ基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0017】
「低級アルキルチオ基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキルチオ基を意味し、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基などが挙げられる。
【0018】
「ジ低級アルキルアミノ基」とは、同一のまたは異なる低級アルキル基でニ置換されたアミノ基を意味し、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
【0019】
「ジ低級アルキルアミノカルボニル基」とは、ジ低級アルキルアミノ基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
【0020】
「低級アルケニル基」とは、二重結合を有する炭素数2〜6の不飽和炭化水素を意味し、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基などが挙げられる。
【0021】
「低級アルキニル基」とは、三重結合を有する炭素数2〜6の不飽和炭化水素を意味し、例えば、エチニル基、プロパルギル基、3−ブチン−1−イル基などが挙げられる。
【0022】
「C1-6アルキレン基」とは、炭素数1〜6の2価の直鎖飽和炭化水素鎖を意味し、当該炭化水素鎖は必要に応じて1〜3個のメチル基で置換されてもよい。当該C1-6アルキレン基の具体例として、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2CH2CH2−、−C(CH3)2CH2CH(CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−などの基が挙げられる。
【0023】
「ヒドロキシ低級アルキル基」とは、水酸基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基などが挙げられある。
【0024】
「低級アルコキシカルボニル基」とは、(低級アルコキシ)−CO−で表される基を意味し、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0025】
「低級アルコキシカルボニルアミノ基」とは、(低級アルコキシ)−CONH−で表される基を意味し、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert-ブトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。
【0026】
「ヘテロアリール基」とは、1〜5個の炭素原子ならびにO、NおよびS原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員の単環式芳香族複素環、あるいは1〜9個の炭素原子ならびにO、NおよびS原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する8〜10員のニ環式芳香族複素環を意味する。単環式芳香族複素環としては、例えば、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジルおよびピリダジニルなどが挙げられる。ニ環式芳香族複素環としては、例えば、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンズイミダゾリルなどが挙げられる。これらの複素環の全ての位置異性体が考えられる(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルなど)。またこれらの複素環は、必要に応じてハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基から独立して選択される1〜5個の基で置換することができる。
【0027】
「アラルキル基」とは、ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されてもよいフェニル基、またはヘテロアリール基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる。
【0028】
「アラルキルオキシ基」とは、(アラルキル)−O−で表される基を意味し、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基などが挙げられる。
【0029】
「ヘテロシクロアルキル基」とは、環内に酸素原子、硫黄原子、および窒素原子から選択されるヘテロ原子を含み、必要に応じてカルボニル基で置換されてもよい3〜8員の複素環基を意味し、例えば、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、アゼチジニル基、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル基などが挙げられる。
【0030】
「環状アミン」または「環状アミノ基」とは、環内に−NH−、−O−または−S−を含んでもよい、5〜7員の環状アミンを意味し、例えば、1−ピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基などが挙げられる。当該環状アミノ基は、必要に応じて低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、低級アシルアミノ低級アルキル基、ヘテロアリール基または低級アルコキシカルボニル基で置換されてもよい。ここでアミノ低級アルキル基とは、アミノ基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、アミノメチル基、2−アミノエチル基などが挙げられる。低級アシルアミノ低級アルキル基とは、低級アシル基で置換されたアミノ低級アルキル基を意味し、例えば、アセチルアミノメチル基などが挙げられる。このような置換された環状アミノ基として、例えば、4−メチルピペリジノ基、4−(アミノメチル)ピペリジノ基、4−(アセチルアミノメチル)ピペリジノ基、4−メチルピペラジノ基、4−(ピリミジン2−イル)ピペラジノ基、4−(エトキシカルボニル)ピペラジノ基などが挙げられる。
【0031】
「(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基」とは、ジ低級アルキルアミノ基で置換されたカルボニル基を意味し、例えば、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル基などが挙げられる。
【0032】
「低級アルキルスルホニル基」とは、(低級アルキル)−SO2−で表される基を意味し、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、イソプロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基などが挙げられる。
【0033】
「低級アシル基」とは、(低級アルキル)−CO−で表される基を意味し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基などが挙げられる。
【0034】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物において1つまたはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物、およびそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物が本発明の範囲に含まれる。本発明の前記一般式(I)で表される化合物において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。さらに本発明の前記一般式(I)で表される化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0035】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は、塩の形態で存在することができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との付加塩、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、リジン等の有機塩基との塩を挙げることができる。
【0036】
本発明において「プロドラッグ」とは生体内において前記一般式(I)に変換される化合物を意味し、このようなプロドラッグはまた本発明の範囲内である。プロドラッグの様々な形態が当該分野で周知である。
【0037】
例えば、本発明の前記一般式(I)で表される化合物がカルボン酸官能基を有する場合、プロドラッグとして、当該カルボキシ基の水素原子と、以下のような基:低級アルキル基、低級アシルオキシメチル基、1−(低級アシルオキシ)エチル基、低級アルコキシカルボニルオキシメチル基、1−(低級アルコキシカルボニルオキシ)エチル基、1−メチル−1−(低級アルコキシカルボニルオキシ)エチル基、または3−フタリジル基との置換により形成されるエステルが挙げられる。
【0038】
また本発明の前記一般式(I)で表される化合物が水酸基を有する場合、プロドラッグとして、当該水酸基の水素原子と、以下のような基:低級アシル基、スクシノイル基、低級アシルオキシメチル基、1−(低級アシルオキシ)エチル基、1−メチル−1−(低級アシルオキシ)エチル基、または低級アルコキシカルボニルオキシメチル基との置換により形成される化合物が挙げられる。
【0039】
また本発明の前記一般式(I)で表される化合物が、−NHまたは−NH2のようなアミノ基を有する場合、プロドラッグとして、当該アミノ基の水素原子と、以下のような基:低級アシル基または低級アルコキシカルボニル基との置換により形成される化合物が挙げられる。
【0040】
本発明の化合物の1つの実施態様は、一般式(I):
【化13】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R1およびR2は、独立して以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基、または
d)ヘテロアリール基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
Aは、R4またはNHR7であり;
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜k):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)ジ低級アルキルアミノ基、
e)カルボキシ基、
f)低級アルコキシカルボニル基、
g)カルバモイル基、
h)以下からなる群:水酸基、アミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基、および1−イミダゾリル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
i)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基、
j)低級アルキルスルホニル基、または
k)スルファモイル基であり;
R7は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルケニル基、
d)低級アルキニル基、
e)以下からなる群:シアノ基およびカルバモイル基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
f)以下の式:
【化14】
で表される基を表し;
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0、1または2であり;
bは、1または2であり;
c、dおよびeは、独立して0または1であり;
Yは、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R9は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、水酸基、アミノ基、または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R10は、水素原子、低級アルキル基、R4またはカルボキシ基であり;
R11は、水素原子または低級アルキル基であり;
R12は、水素原子、低級アルキル基、R4または水酸基であり;
R13は、水酸基またはアミノ基であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基である。
【0041】
本発明の化合物の好ましい第一の群は、下記一般式(II):
【化15】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0または1であり;
Yは、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基である。
【0042】
上記一般式(II)で表される化合物の好ましい実施態様の1つは、下記一般式(III):
【化16】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
A2は、C1-6アルキレン基であり、好ましくは−CH2CH2CH2CH2−または−CH2CH2CH2CH2CH2−である。
【0043】
上記一般式(II)で表される化合物の別の好ましい実施態様は、下記一般式(IV):
【化17】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
Yは、CH(R90)またはN(R91)であり;
R90は、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基または−CONHR900であり、ここでR900は、ヘテロアリール基であり;
R91は、−C(=O)R910であり、ここでR910は、カルボキシ低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル低級アルキル基である。
【0044】
本発明の化合物の好ましい第二の群は、下記一般式(V):
【化18】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
cは、0または1であり;
R11およびR12は、独立して水素原子または低級アルキル基である。
【0045】
本発明の化合物の好ましい第三の群は、下記一般式(VI):
【化19】
で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩であり、
ここで、R2は、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3は、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
eは、0または1であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基であり、
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜f):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基である。
【0046】
本発明の特に好ましい化合物は、以下の化合物群:
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ] イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例28);
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(4−メトキシベンジルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例34)
(±)−cis−5−(2’−アミノシクロヘプタン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例75);
3−({4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ]メチル}フェニル)プロペン酸エチル(実施例76);
3−({4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ]メチル}フェニル)プロペン酸(実施例100);
5−[(1H−ベンゾイミダゾ−ル−5−イルメチル)アミノ]−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例107);
{4−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル(実施例114);
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸(実施例115);
({trans−4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}シクロヘキサンカルボニル)アミノ] 酢酸エチル(実施例119);
({trans−4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}シクロヘキサンカルボニル)アミノ] 酢酸(実施例120);
trans−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−{[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル] アミノ}イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例145);
(2’S)−5−(2’−アミノプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例200);
(±)−cis−5−(2’−アミノインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例209);
(±)−cis−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメチルフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例217);
(1’R,2’S)−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例226);
(1’S,2’R)−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例227);および
5−(2−アミノ−2−メチルプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド(実施例228)、
から選択される化合物またはその薬理学的に許容される塩である。
【0047】
また別の局面において、本発明は、前記一般式(I)で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0048】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテインチロシンキナーゼ関連疾患の治療または予防剤に関する。
【0049】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、臓器移植による拒絶反応、移植片対宿主病または自己免疫性疾患の治療または予防剤に関する。
【0050】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギーまたは結膜炎の治療または予防剤に関する。
【0051】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、ZAP-70関連疾患の治療または予防剤に関する。
【0052】
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)に記載の化合物またはそのプロドラッグ、あるいはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、Syk関連疾患の治療または予防剤に関する。
【0053】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、スキーム1〜6に示す方法により製造することができる。
【0054】
【化20】
(式中、R3、R5、R6およびR7は上記と同義であり、R20は低級アルキル基を表し、X1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などの脱離基を表す)
【0055】
工程1−1
一般式(XX)で表される3,5−ジクロロピリミジン誘導体と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを不活性溶媒中、塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に反応させることにより、一般式(XXII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その温度は通常、室温から還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜3日程度である。
【0056】
工程1−2
この一般式(XXII)で表されるピリミジン誘導体を、不活性溶媒中でアンモニアと反応させると一般式(XXIII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1〜24時間である。
【0057】
工程1−3
この化合物(XXIII)の硫黄原子を、適切な溶媒中、m−クロロ過安息香酸、過マンガン酸カリウム、オキソン(登録商標)、過酢酸等の酸化剤を用いて酸化することにより、一般式(XXIV)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0058】
工程1−4
この一般式(XXIV)で表されるピリミジン誘導体と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXVI)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0059】
工程1−5
このシアノ化合物(XXVI)を適切な溶媒中で塩基を用いて加水分解することにより、一般式(XXVII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられ、必要に応じて過酸化水素水を添加することができる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜3日間である。
【0060】
工程1−6
この一般式(XXVII)で表される化合物と、一般式(XXVIII)で表されるアセトアルデヒド誘導体または一般式(XXIX)で表されるアセタール誘導体とを、不活性溶媒中、必要に応じて塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0061】
工程1−7および1−8
またイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体(Ia)は、以下の反応によっても得ることができる。すなわち、シアノ化合物(XXVI)とアセトアルデヒド誘導体(XXVIII)またはアセタール誘導体(XXIX)とを、工程1−6と同様に反応させることにより一般式(XXX)で表される化合物が得られる。この化合物(XXX)は、工程1−5と同様に反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体へ変換することができる。
【0062】
【化21】
(式中、R3、R5、R6、R7、R20およびX1は上記と同義である)
【0063】
工程2−1〜2−4
シアノピリミジン誘導体(XXIII)を、工程1−5および1−6、または工程1−7および1−8と同様にして反応させることにより、一般式(Ib)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。
【0064】
工程2−5
このイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体(Ib)と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0065】
工程2−6
一般式(Ib)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体とベンジルアルコールとを、無溶媒または不活性溶媒中、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウムなどの塩基存在下反応させることにより、一般式(XXXIII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、水、およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0066】
工程2−7
この化合物(XXXIII)と一般式(XXXIV)で表されるアルキルハライドとを、無溶媒または不活性溶媒中、塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に反応させることにより、一般式(Ic)で表される化合物が
得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜2日間である。
【0067】
【化22】
(式中、R3、R6およびR7は上記と同義である)
【0068】
工程3−1
2,4,6−トリクロロ−5−シアノピリミジン(XXXV)と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVI)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、酢酸エチルなどが挙げられる。その反応温度は通常、−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜12時間である。
【0069】
工程3−2
この(XXXVI)と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0070】
工程3−3
2,4,6−トリクロロ−5−シアノピリミジン(XXXV)と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVIII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、−78℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜12時間である。
【0071】
工程3−4
この一般式(XXXVIII)で表されるジクロロピリミジン誘導体と一般式(XXV)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XXXVII)で表されるピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0072】
工程3−5
この一般式(XXXVII)で表されるピリミジン誘導体を、不活性溶媒中でアンモニアと反応させると一般式(XXVI)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1〜24時間である。
この化合物(XXVI)は、工程1−5〜1−8と同様に反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体へと誘導することができる。
【0073】
【化23】
(式中、R1、R2、R3、R5、R6およびR7は上記と同義である)
【0074】
工程4−1
一般式(XXII)で表されるピリミジン誘導体と一般式(XXXVIII)で表されるアミノアルコール誘導体とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させると一般式(XXXIX)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1〜24時間である。
【0075】
工程4−2
この化合物(XXXIX)を、工程1−3および1−4と同様にして反応させることにより、一般式(XL)で表されるピリミジン誘導体が得られる。
【0076】
工程4−3
このピリミジン誘導体(XL)で表されるとオキシ塩化リンなどの塩素化剤とを、無溶媒または不活性溶媒中で反応させることにより一般式(XLI)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、トルエンなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1時間〜12時間である。
【0077】
工程4−4
この化合物(XLI)を適切な溶媒中、塩基を用いて加水分解することにより、一般式(XLII)で表されるジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられ、必要に応じて過酸化水素水を添加することができる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、12時間〜3日間である。
【0078】
工程4−5
このジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体(XLII)を、適切な溶媒中、パラジウム炭素、二酸化セレン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンなどの酸化剤と反応させることにより、本発明の一般式(Id)で表される化合物が得られる。また本反応は、必要に応じてシクロヘキセンを添加して行うことができる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、2時間〜1日間である。
【0079】
【化24】
(式中、R3、R20、X1およびAは上記と同義である)
【0080】
工程5−1
3,3−ビス(メチルチオ)−2−シアノアクリロニトリル(XLIII)と一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または適切な溶媒中で反応させることにより、一般式(XLIV)で表されるジシアノ誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0081】
工程5−2
この一般式(XLIV)で表されるジシアノ誘導体と一般式(XLV)で表されるアミジン誘導体とを、塩基の存在下、適切な溶媒中で反応させることにより一般式(XLVI)で表されるジシアノ誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどが挙げられる。その反応温度は、通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0082】
工程5−3
一般式(XLVI)で表されるジシアノ誘導体を、酸の存在下に不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(XLVII)で表されるアミノピリミジン誘導体が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。酸としては、塩酸、硝酸などの鉱酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸、塩化アルミニウム、三フッ化化ホウ素などのルイス酸などが挙げられる。その反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、12時間〜3日間である。
【0083】
工程5−4〜5−7
このアミノピリミジン誘導体(XLVII)を、工程1−5〜1−8と同様に反応させることにより、本発明の一般式(I)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体を製造することができる。
【0084】
【化25】
(式中、R3、R20、X1およびAは上記と同義であり、R21は低級アルキル基を表す)
【0085】
工程6−1
一般式(L)で表されるシアノアクリル酸エステルと一般式(XXI)で表されるアミン誘導体とを、無溶媒または適切な溶媒中で反応させることにより、一般式(LI)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0086】
工程6−2
この一般式(LI)で表される化合物と一般式(XLV)で表されるアミジン誘導体とを、塩基の存在下に不活性溶媒中で反応させることにより、一般式(LII)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度によって異なるが、通常、1日間〜3日間である。
【0087】
工程6−3および6−4
この化合物(LII)を、工程5−3および5−4と同様にして反応させることにより、一般式(LIV)で表される化合物が得られる。
【0088】
工程6−5
この化合物(LIV)を適切な溶媒中でアルカリ加水分解することにより、一般式(LV)で表される化合物が得られる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、水、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサンおよびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられる。その反応温度は通常、0℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0089】
工程6−6
この化合物(LV)を、カルボニルジイミダゾールなどの活性化剤の存在下にアンモニアと反応させることにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。当該反応に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、塩化メチレン、およびそれらの混合溶媒等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、その反応温度は通常、0℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、1時間〜1日間である。
【0090】
上記に示したスキームは、本発明の化合物またはその製造中間体を製造するための方法のいくつかの例示であり、当業者には容易に理解され得るようにこれらのスキームの様々な改変が可能である。
本発明化合物を製造する際、必要に応じて、原料ないし中間体の段階で適切な保護基を導入し、しかる後、適切な段階で保護基を除去し、所望の化合物を得ることが可能である。このような保護基の選択、導入および除去は当業者には周知であり、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等の官能基の保護基として、T.W.GreenおよびP.G.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版に記載された保護基が挙げられ、これらの保護基を官能基の種類に応じて、適宜、導入、除去することができる。
【0091】
本発明の一般式(I)で表される化合物、および当該化合物を製造するために使用される中間体は、必要に応じて、当該分野の当業者には周知の単離・精製手段である溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィーなどの操作を行うことにより、単離・精製することができる。
【0092】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物を実際の治療に用いる場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
これらの医薬組成物は、その剤型に応じ製剤学的に公知の手法により、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解することにより調剤することができる。
【0093】
本発明の医薬組成物を実際の治療に用いる場合、その有効成分である前記一般式(I)で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩の投与量は患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合成人1日当たり約0.01mg〜約1000mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり約0.001mg〜約100mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。
【0094】
【発明の実施の形態】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0095】
【実施例】
参考例1―1
(3−アミノ−5−メトキシフェノキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル
1−メトキシ−3,5−ジニトロベンゼン(0.500g)のテトラメチル尿素(3mL)懸濁液に2−(ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.63g)、炭酸カリウム(1.00g)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.660g)を加え、85℃で3日間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1.0mol/L塩酸で逆抽出し、次いで水層に5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性にしたのち、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、(3−メトキシ−5−ニトロフェノキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.575g)を得た。
こうして得られた(3−メトキシ−5−ニトロフェノキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.575g)の酢酸エチル(25mL)溶液に10%パラジウム−カーボン(50%含水、0.325g)を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮して、表題化合物(0.513g)を得た。
同様にして、市販のアルコール誘導体を用いて参考例1−2〜参考例1−7を製造した。これらを表1に示した。
【0096】
【表1】
【0097】
参考例1−8
4−クロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボニトリル
4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−5−ピリミジンカルボニトリル(5.00g)のテトラヒドロフラン(120mL)溶液に氷冷下N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.15mL)を加え、次いで3,5−ジメトキシアニリン(3.56g)を加え、室温にて一晩撹拌した。生じた沈殿物を濾取し、水で洗浄し表題化合物を得た。さらに、濾液を濃縮後、残渣に水を加え、生じた沈殿物を濾取して、合計して表題化合物(7.46g)を得た。
同様に市販のアニリン誘導体、または参考例1−1〜参考例1―7で合成したアニリン誘導体を用いて、参考例1−9〜参考例1−23を合成した。これらを表2に示した。
【0098】
【表2】
【0099】
参考例1−24
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例1−8で得られる化合物(6.00g)のN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)懸濁液に28%アンモニア水(15mL)を加え、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に水を加え、生じた沈殿物を濾取し、表題化合物(5.40g)を得た。
同様に参考例1−9〜参考例1−23を用いて、対応する参考例1−25〜参考例1−39を合成した。これらを表3に示した。
【0100】
【表3】
【0101】
参考例1−40
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボキサミド
参考例1−24で得られる化合物(7.21g)のジメチルスルホキシド(50mL)−エタノール(50mL)懸濁液に、0℃にて5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(22.7mL)、30%過酸化水素水(12.8mL)を加え、同温にて30分撹拌した。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(4.78g)を得た。
同様にして、参考例1−25〜参考例1−39を用いて、対応する参考例1−41〜参考例1−55を合成した。これらを表4に示した。
【0102】
【表4】
【0103】
実施例1
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−メチルスルファニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
化合物1−40で得られる化合物(4.78g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)懸濁液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(8.4mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、生じた沈殿物を濾取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して表題化合物(2.89g)を得た。
同様にして、参考例1−41〜参考例1−55を用いて、対応する実施例2〜実施例16を合成した。これらを表5に示した。
【0104】
【表5】
【0105】
参考例1−56
(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチル
N−(3−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)アセトアミド(0.846g)及び炭酸セシウム(1.64g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)懸濁液にブロモ酢酸エチルを加え、室温で一晩撹拌した。反応液に1.0mol/L塩酸(5mL)と水(10mL)を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、(3−アセチルアミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチルを粗成績体として得た。こうして得られた(3−アセチルアミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチルに6.0mol/L塩酸(10mL)を加え一晩加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、トルエンで共沸後、減圧濃縮した。ついで、本成績体にエタノール(10mL)、p−トルエンスルホン酸(0.08g)を加え室温にて一晩撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム液を加え、減圧濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して表題化合物(0.564g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm: 1.30 (3H, t, J=6.9Hz), 3.66 (2H, br s),3.73 (3H, s), 4.27 (2H, q, J=6.9Hz), 4.55 (2H, s), 5.85-5.95 (3H, m)
【0106】
参考例1−57
3−(6−クロロ−5−シアノ−2−メチルスルファニルピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェノキシ酢酸エチル
4,6−ジクロロ−2−メチルスルファニル−5−ピリミジンカルボニトリル(0.530g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.480mL)、(3−アミノ−5−メトキシフェノキシ)酢酸エチルのテトラヒドロフラン(10mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.867g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm: 1.31 (3H, t, J=7.1Hz), 2.55 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.28 (2H, q, J=7.1Hz), 4.61 (2H, s), 6.30-6.40 (1H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 7.15 (1H, br s)
【0107】
参考例1−58
2− [3−(6−アミノ−5−シアノ−2−メチルスルファニルピリミジン−4−イルアミノ)−5−メトキシフェノキシ] アセトアミド
参考例1−57で得られる化合物(0.858g)を1−メチルピロリドン(4mL)に溶解し、28%アンモニア水(2mL)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.756g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm: 2.40 (3H, s), 3.71 (3H, s), 4.36 (2H, s), 6.25-6.30 (1H, m), 6.80-6.95 (2H, m), 9.12 (1H, br s)
【0108】
参考例1−59
4−アミノ−6−(3−カルバモイルメトキシ−5−メトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボキサミド
参考例1−58で得られる化合物(0.756g)のジメチルスルホキシド(5mL)とエタノール(2.5mL)の混合溶液に氷冷下5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.420mL)、30%過酸化水素水(1.20mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え2.0mol/L塩酸(5.1mL)を加えた。析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.492g)を得た。
MS (ESI, m/z):379 (M+H)+
【0109】
参考例1−60
(1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)メタノール
水素化リチウムアルミニウム(0.702g)のテトラヒドロフラン(30mL)懸濁液に1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(1.00g)を少しずつ加えた後、60℃で12時間撹拌した。反応液に水を加え、30分撹拌した後、硫酸マグネシウムを加えてさらに10分撹拌した。不溶物をセライト濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(0.778g)を得た。
MS (ESI, m/z): 149 (M+H)+
【0110】
参考例1−61
5−ヒドロキシメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
参考例1−60で得られる化合物(0.778g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチルを加え、60℃で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物(0.337g)と6−ヒドロキシメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.343g)を得た。
MS (ESI, m/z): 249 (M+H)+
【0111】
参考例1−62
5−アジドメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
参考例1−61で得られる化合物(0.337g)の塩化メチレン(3mL)溶液に、氷零下トリエチルアミン、メタンスルホニルクロリドを加え室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して5−メタンスルホニルメタンオキシメチルメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.456g)を粗成績体として得た。
こうして得られた5−メタンスルホニルメタンオキシメチルメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル(0.456g)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)溶液にアジ化ナトリウム(0.132g)を加え、80℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、表題化合物(0.371g)を得た。
MS (ESI, m/z): 327 (M+H)+
【0112】
参考例1−63
5−アミノメチルベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチル
参考例1−62で得られる化合物(0.371g)のメタノール(3mL)溶液に10%パラジウム−カーボン(0.04g)を加え、水素雰囲気下2時間撹拌した。パラジウム−カーボンをセライトで濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(0.344g)を粗成績体として得た。
MS (ESI, m/z): 248 (M+H)+
【0113】
参考例1−64
4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸ピリジン−4−イルアミド
trans−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(0.500g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液にベンゾトリアゾール−1−オール1水和物(0.263g)、4−アミノピリジン(0.161g)を加え、室温で30分撹拌した。次いで、(4−ジメチルアミノブチル)エチルカルボジイミド1塩酸塩(0.362g)を加え室温で6時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル]カルバミン酸ベンジル(0.610g)を粗成績体として得た。
こうして得られた[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル]カルバミン酸ベンジル(0.610g)のテトラヒドロフラン(10mL)−エタノール(10mL)混合溶液に10%パラジウム−カーボン(0.03g)を加え、水素雰囲気下2時間撹拌した。パラジウム−カーボンをセライトで濾過し、濾液を濃縮して表題化合物(0.324g)を粗成績体として得た。
MS (ESI, m/z): 234 (M+H)+
同様にして、本発明に係るトラネキサム酸アミド誘導体を製造した。
【0114】
実施例17
7−(3−カルバモイルメトキシ−5−メトキシフェニルアミノ)−5−メチルスルファニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例1−59で得られる化合物(0.476g)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に懸濁し、40%クロロアセトアルデヒド水溶液(0.495mL)を加え、65℃で3時間撹拌した。反応混合物に水、塩化メチレンおよびメタノールを加え、析出した沈殿物を濾取、減圧乾燥して表題化合物(0.189g)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ ppm: 2.81 (3H, s), 3.76 (3H, s), 4.42 (2H, s), 6.25-6.35 (1H, m), 6.75-6.80 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.30-7.55(3H, m), 7.70-7.80 (1H, m), 7.85-7.95 (1H, m), 9.62 (1H, br s), 12.31 (1H, br s)
MS(ESI, m/z): 403 (M+H)+
【0115】
実施例18
5−ベンジルアミノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
実施例1で得られる化合物(50mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.7mL)懸濁液にベンジルアミン(76μL)を加え、90℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1.0mol/L塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製し、表題化合物(28.9mg)を得た。
【0116】
実施例107
5−[(1H−ベンゾイミダゾ−ル−5−イルメチル)アミノ]−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
実施例1で得られる化合物(0.100g)の1−メチル−2−ピロリドン(3mL)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.237mL)、参考例1−63で得られる化合物(0.344g)を加え、120℃で14時間撹拌した。反応液をメタノールで希釈し、逆相分取カラムクロマトグラフィー(資生堂社製CAPCELL PAK C18 ODS,5μm,120Å,20×50mm,リニアグラ−ジェント,0.1%蟻酸水溶液/アセトニトリル溶=90/10−60/40)で精製した後、ジエチルエーテルから結晶化して表題化合物(0.030g)を得た。これを表6に示した。
【0117】
実施例114
{4−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル
実施例110で得られる化合物(0.150g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液にトリエチルアミン(0.085mL)、クロロオキソ酢酸エチル(0.023mL)を加え、室温で14時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(アミノプロピルシリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=50/1)で精製し、表題化合物(0.082g)を得た。
同様にして、実施例110で得られる化合物と既知の酸ハライド、または実施例110で得られる化合物とカルボン酸誘導体とを、縮合剤を用いて反応させて、実施例112,127,131〜133,165,166,167,181,182を製造した。これらを表6に示した。
【0118】
実施例121
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)酢酸エチル
実施例110で得られる化合物(20mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.15mL)溶液にブロモ酢酸エチルを加え、60℃で5.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル薄層カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、表題化合物(4.1mg)を得た。
同様にして、実施例110と既知のハロゲン化アルキル誘導体を反応させて、実施例122,129,135,147を製造した。これらを表6に示した。
【0119】
実施例134
3−(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)プロピオン酸tert−ブチル
実施例110で得られる化合物(50mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.3mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.036mL)、アクリル酸tert−ブチル(0.016mL)を加え、60℃で17時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル薄層カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、表題化合物(17mg)を得た。これを表6に示した。
【0120】
実施例145
trans−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−{[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル] アミノ}イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
実施例1で得られる化合物(100mg)の1−メチル−2−ピロリドン(2mL)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(237μL)、参考例1−64で得られる化合物(324mg)を加え、120℃で14時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取用中圧液体カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=50/1)で精製し、表題化合物(20mg)を得た。
同様にして、実施例119,136,137,143、144,146,156〜161,179,180を製造した。これらを表6に示した。
上記実施例18,107,114,121,134,145の方法に準じて、実施例1から実施例17の化合物と既知のアミン誘導体を用いて、表6に示すその他の化合物を製造した。これらを表6に示した。
【0121】
【表6】
【0122】
参考例2−1
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−メチルスルフォニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例1−24で得られる化合物(3.17g)のN,N―ジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、0℃にてm−クロロ過安息香酸(3.79g)を加え、室温で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をジエチルエーテル/酢酸エチル=3/1で結晶化し、表題化合物(2.01g)を得た。
【0123】
参考例2−2
(1S)−{2−[4’−アミノ−5’−シアノ−6’−(3”,5”−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2’−イルアミノ] −1−メチルエチル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例2−1で得られる化合物(0.150g)のN,N―ジメチルホルムアミド(2.5mL)溶液に(1S)−(2−アミノ−1−メチルエチル)カルバミン酸tert−ブチル(0.900g)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.15mL)を加え、50℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、表題化合物(0.221g)を得た。
同様にして既知のアミン誘導体を用いて参考例2−3〜参考例2−13を製造した。これらを表7に示した。
【0124】
参考例2−14
(1S)−{2−[4’−アミノ−5’−カルバモイル−6’−(3”,5”−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2’−イルアミノ] −1−メチルエチル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例2−2で得られる化合物(0.221g)のジメチルスルホキシド(1.25mL)−エタノール(0.7mL)溶液に、5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.3mL)と30%過酸化水素水(0.19mL)を加え、室温で30分撹拌した。反応液に水を加え、生じた沈殿物を濾取して表題化合物(0.156g)を得た。
同様にして、参考例2−3〜参考例2−13を用いて、対応する参考例2−15〜参考例2−25を製造した。これらを表7に示した。
【0125】
参考例2−26
(1’S,2’S)−5−(2’−アジドインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例2−23で得られる化合物(43mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.7mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(65μL)、40%クロロアセトアルデヒド水溶液(73μL)を加え、90℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/メタノール=19/1)にて精製し、表題化合物(17mg)を得た。
同様にして、参考例2−24,2−25を用いて、参考例2−27,2−28をそれぞれ製造した。これらを表7に示した。
【0126】
【表7】
【0127】
実施例191
(1S)−{2−[8’−カルバモイル−7’−(3”,5”−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5’−イルアミノ] −1−メチルエチル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例2−14で得られる化合物(0.156g)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(0.17mL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL)を加え、60℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/3)にて精製し、表題化合物(0.045g)を得た。
同様にして、参考例2−15〜参考例2−22を用いて、対応する実施例192〜実施例199を製造した。これらを表8に示した。
【0128】
実施例200
(2’S)−5−(2’−アミノプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド塩酸塩
実施例191で得られる化合物(0.050g)のエタノール(1.5mL)溶液に飽和塩化水素―エタノール溶液を加え、室温で20分撹拌した。反応液を濃縮して、表題化合物(0.043g)を製造した。
同様にして、実施例192〜実施例197を用いて、対応する実施例201〜実施例206を製造した。これらを表8に示した。
【0129】
実施例207
(1’S,2’S)−5−(2’−アミノインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例2−26で得られる化合物(15mg)のテトラヒドロフラン(10mL)およびエタノール(10mL)に溶かし、10%パラジウム−カーボンを加え、室温にて水素雰囲気下3時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、濾液を減圧下濃縮して表題化合物(4.9mg)を得た。
同様にして、参考例2−27,2−28を用いて、実施例208,209をそれぞれ製造した。これらを表8に示した。
【0130】
【表8】
【0131】
参考例3−1
2,4−ジクロロ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル
2,4,6−トリクロロピリミジン−5−カルボニトリル(3.34g)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液にアルゴン雰囲気下、−70℃にて3,5−ジメトキシアニリン(2.45g)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.07mL)をゆっくり滴下、同温で1時間、次いで、0℃にて2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフランを加え、生じた固体を濾取し、4,6−ジクロロ−2−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(参考例3−2)(0.599g)を得た。濾液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えて結晶化し、表題化合物(2.40g)を得た。これらを表9に示した。
【0132】
参考例3−3
(±)−cis−{2−[4−クロロ−5−シアノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−1で得られる化合物(0.836g)のテトラヒドロフラン(15mL)懸濁液に、アルゴン雰囲気下−70℃にてcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンのテトラヒドロフラン溶液(5mL)を加え−20℃で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。こうして得られた残渣を塩化メチレン(15mL)に溶解し、0℃にて二炭酸ジ−tert−ブチルの塩化メチレン溶液(5mL)を加え40℃で1時間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、表題化合物(0.540g)を得た。
同様にして2−アミノ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸メチル塩酸塩を用いて、参考例3−4を合成した。これらを表9に示した。
【0133】
参考例3−5
(±)−cis−{2−[4−アミノ−5−シアノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−3で得られる化合物(0.524g)に0.5mol/Lアンモニア−ジオキサン(40mL)溶液を加え、封管中100℃にて2日間撹拌した。溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/10/10)にて精製し、表題化合物(0.435g)を得た。
同様にして参考例3−4を用いて参考例3−6を製造した。これらを表9に示した。
【0134】
参考例3−7
(±)−cis−{2−[8−シアノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−5で得られる化合物(0.415g)のエタノール(20mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液を加え、加熱還流下6時間撹拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣に塩化メチレンを加え生じた結晶を濾取、乾燥して表題化合物を得た。さらに、濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/10/10)にて精製し、表題化合物(合計して0.290g)を得た。
同様にして、参考例3−6を用いて参考例3−8を製造した。これらを表9に示した。
【0135】
参考例3−9
(±)−cis−[2−(4,6−ジクロロ−5−シアノピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル] カルバミン酸tert−ブチル
2,4,6−トリクロロピリミジン−5−カルボニトリル(2.16g)の塩化メチレン(40mL)懸濁液にアルゴン雰囲気下、−70℃にてcis−(2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(2.22g)の塩化メチレン溶液(30mL)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.98mL)をゆっくり滴下し、0℃にて1時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた生成物を酢酸エチルに懸濁し、85℃で30分撹拌した。反応液を室温まで冷却し、生じた結晶を濾取して、参考例3−9(2.00g)を得た。さらに濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、表題化合物(0.53g)を得た。これを表9に示した。
【0136】
参考例3−10
(±)−cis−{2−[4−クロロ−5−シアノ−6−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ]シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−9で得られる化合物(112mg)、3,5−ジフルオロアニリン(37.4mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(55μL)を加え、70℃で終夜撹拌した。反応液を水に入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、表題化合物(133mg)を得た。
同様に、3,5−ジメチルアニリンを用いて、参考例3−11を製造した。これらを表9に示した。
【0137】
参考例3−12
(±)−cis−{2−[4−アミノ−5−シアノ−6−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−10で得られる化合物(106mg)の1,4−ジオキサン(1mL)溶液に28%アンモニア水(135μL)を加え、60℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(33mg)を得た。
同様にして、参考例3−11を用いて参考例3−13を製造した。これらを表9に示した。
【0138】
参考例3−14
(±)−cis−[2−(4−アミノ−5−シアノ−6−ベンジルアミノピリミジン−2−イルアミノ)シクロヘキシル]カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−9で得られる化合物(285mg)、ベンジルアミン(85mg)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(138μL)を加え、室温で2時間撹拌した。次いで、28%アンモニア水(2mL)を加え、100℃で終夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/1)にて精製し、表題化合物(68mg)を得た。これを表9に示した。
【0139】
参考例3−15
(±)−cis−{2−[4−アミノ−5−カルバモイル−6−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−12で得られる化合物(29mg)をジメチルスルホキシド(0.2mL)、エタノール(0.1mL)に溶解し、0℃にて5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(63μL)、30%過酸化水素水(36μL)を順次加え、室温で1.5時間撹拌した。1.0mol/L塩酸(315μL)、水(2mL)を加え、生じた固体を濾取、減圧乾燥して表題化合物(26mg)を得た。
同様にして、参考例3−13,3−14を用いて参考例3−16,3−17をそれぞれ製造した。これらを表9に示した。
【0140】
【表9】
【0141】
実施例210
(±)−cis−{2−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−7で得られる化合物(0.105g)をジメチルスルホキシド(8mL)、エタノール(8mL)に溶解し、0℃にて5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.65mL)、30%過酸化水素水(0.945mL)を順次加え、室温で1時間撹拌後、45℃で4日間撹拌した。1.0mol/L塩酸溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/塩化メチレン/ジエチルエーテル=1/50/50)にて精製し、表題化合物(0.035g)を得た。
同様にして参考例3−8を用いて、実施例214を製造した。これを表10に示した。
【0142】
実施例211
(±)−cis−{2−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジフルオロフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキシル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例3−15で得られる化合物(26mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液に40%クロロアセトアルデヒド水溶液(17.7μL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(19μL)を加え、60℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、生じた固体を濾取した。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、表題化合物(9mg)を得た。
同様にして、参考例3−16、3−17を用いて、実施例212、213をそれぞれ製造した。これらを表10に示した。
【0143】
実施例215
(±)−cis−5−(2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド塩酸塩
実施例210で得られる化合物(0.140g)に飽和塩化水素−エタノール(10mL)溶液を加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を留去した後、残渣に酢酸エチルを加え、生じた結晶を濾取して表題化合物(0.111g)を得た。
同様にして、実施例211〜実施例213を用いて,実施例216〜実施例218をそれぞれ製造した。これらを表10に示した。
【0144】
実施例219
(2’S)−3’−アミノ−2’−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ [1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] プロピオン酸トリフルオロ酢酸塩
実施例214(6.0mg)の塩化メチレン(1mL)懸濁液にトリフルオロ酢酸(50μL)を加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を留去した後、残渣にエーテルを加え、生じた結晶を濾取して表題化合物(5.0mg)を得た。これを表10に示した。
【0145】
【表10】
【0146】
参考例4−1
(S)−4−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−6−(2−ヒドロキシ−1−フェニルエチルアミノ)−2−メチルスルファニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例1−8で得られる化合物(1.09g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に(S)−(+)−2−フェニルグリシノール(0.465g)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.618mL)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、10%食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、表題化合物(1.67g)を得た。
同様にして、(±)−2−アミノ−2−(4−メトキシフェニル)エタノールを用いて参考例4−2を製造した。これらを表11に示した。
【0147】
参考例4−3
(2’S)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−メチルスルファニル−2’−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボニトリル
参考例4−1で得られる化合物(1.67g)をオキシ塩化リン(15mL)に溶解し、60℃で1時間撹拌した。過剰のオキシ塩化リンを減圧留去し、氷水を加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して表題化合物(1.63g)を得た。
同様にして、参考例4−2を用いて参考例4−4を製造した。これらを表11に示した。
【0148】
参考例4−5及び参考例4−6
(2S),(1’R),(2’S)−{2’−[8−シアノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル、及び
(2S),(1’S),(2’R)−{2’−[8−シアノ−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例4−3で得られる化合物(0.469g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)懸濁液に(±)−cis−(2―アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルを加え、50℃で一晩、さらに90℃で終夜撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、10%食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=20/1)、次いでアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製し、低極性ジアステレオマー参考例4−5(0.088g)と高極性ジアステレオマー参考例4−6(0.133g)を得た。
同様にして、参考例4−3から対応するアミン誘導体を用いて、参考例4−7、4−9および4−10を、また、参考例4−4を用いて参考例4−8を製造した。これらを表11に示した。
【0149】
参考例4−11
(2S),(1’R),(2’S)−{2’−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例4−5(88mg)のジメチルスルホキシド(0.6mL)、エタノール(0.2mL)混合溶液に5.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液(210μL)、30%過酸化水素水(119μL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応が終結しなかったので、更に30%過酸化水素水(30μL)ずつを3回に分けて追加した。反応液に1.0mol/L塩酸(1.05mL)、水(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を10%食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製し、表題化合物(62mg)を得た。これを表11に示した。
同様にして、参考例4−6〜参考例4−10を用いて、対応する参考例4−12〜参考例4−16を製造した。これらを表11に示した。
【0150】
【表11】
【0151】
実施例220
(1’R),(2’S)−{2’−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] シクロヘキサン−1’−イル}カルバミン酸tert−ブチル
参考例4−11で得られる化合物(33mg)のジメチルスルホキシド(1.0mL)溶液に10%パラジウム−カーボン(約50%含水品)(12mg)とシクロヘキセン(5.5μL)を加え、70℃で終夜撹拌した。10%パラジウム−カーボン沫を濾去し、濾液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、表題化合物(12mg)を得た。これを表12に示した。
同様にして、参考例4−12〜4−16を用いて、対応する実施例221〜実施例225をそれぞれ製造した。これらを表12に示した。
【0152】
実施例226
(1’R),(2’S)−5−(2’−アミノシクロヘキサン −1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド塩酸塩
実施例220で得られる化合物(15mg)の酢酸エチル(0.5mL)溶液に4.0mol/L塩化水素−酢酸エチル(0.5mL)溶液を加え、室温で30分撹拌した。溶媒を留去して表題化合物(13mg)を得た。これを表12に示した。
同様にして実施例221〜実施例224を用いて、対応する実施例227〜実施例230を製造した。これらを表12に示した。
【0153】
実施例231
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル
実施例230で得られる化合物(11mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.5μL)、エチルオキザリルクロライド(2.7μL)を順次加え、60℃で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した。さらに、10%食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して、表題化合物(8.5mg)を得た。これを表12に示した。
【0154】
【表12】
【0155】
参考例5−1
2−[(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)メチルスルファニルメチレン] マロノニトリル
2−(ビス−メチルスルファニルメチレン)マロノニトリル(10.6g)と3,5−ジメトキシアニリン(9.55g)をエタノール(100mL)に溶かし、一晩加熱還流した。一晩冷却し、析出物を濾別して表題化合物(14.0g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ ppm: 2.33 (3H, s), 3.80(6H, s), 6.41-6.43 (2H, m), 6.36-6.38 (1H, m)
【0156】
参考例5−2
4−アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルピリミジン−5−カルボニトリル
参考例5−1で得られる化合物(50.0mg)のエタノール(1mL)懸濁液にベンズアミジン塩酸塩(28.4mg)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(35μL)を加え、加熱還流下5日間撹拌した。溶媒を留去した後、残渣をトルエン(2mL)に懸濁し、p−トルエンスルホン酸(31.3mg)を加えて115℃で8時間撹拌した。反応溶液を冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、表題化合物(15.0mg)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ ppm:3.84 (6H, s), 5.43 (2H, br s), 6.30-6.35 (1H, m), 6.90-7.00 (3H, m), 7.40-7.60 (3H, m), 8.35-8.40 (2H, m)
【0157】
実施例232
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド
参考例5−2で得られる化合物(15.0mg)のブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(400μL)懸濁液を80℃にて終夜撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/エタノール=10/1で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を1,4−ジオキサン(500μL)/エタノール(250μL)に溶解し、10%(W/V)炭酸カリウム水溶液(250μL)、過酸化水素水(60μL)を加え室温で8時間撹拌した。反応液を冷却した塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、表題化合物(2.5mg)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:3.76 (6H, s), 5.82 (1H, br s), 6.21 (1H,t, J=2.0Hz), 6.98 (2H, d, J=2.0Hz), 7.42 (1H, d, J=1.5Hz), 7.50-7.75 (4H, m), 7.90-8.00 (2H, m), 10.3 (1H, br s), 12.1 (1H, br s)MS(ESI, m/z): 390 (M+H)+
【0158】
下記の表13に示す化合物は、スキーム1〜6に記載した方法、または当業者に自明の変法に従い、適切な試薬を使用して製造することができる。
【0159】
【表13】
【0160】
試験例1
ZAP−70 チロシンキナーゼ阻害作用試験
1)ZAP−70タンパク質のクローニング、発現、および精製
ヒトZAP−70のキナーゼドメイン(Leu325−Ala619)は、ヒト胸腺Marathon−Ready(登録商標) cDNA(CLONTECH社)から、PCR(polymerase chain reaction)法を用いて、pET−19b発現ベクター(Novagen社)のNdeIおよびXhoI部位へクローニングした。更に、このヒトZAP−70キナーゼドメインを、その5’末端にpET−19bのHisタグの遺伝子を結合した形で、BAC−TO−BAC(登録商標)バキュロウイルス発現システム(GIBCO BRL社)に含まれるベクターpFASTBAC1に組み込んだ。このプラスミドDNAをバキュロウイルス発現システムに含まれるコンピテントセルDH10BACに形質導入し、組み換えウイルスのDNAを作製した。さらに組み換えウイルスのDNAをSf−9細胞(Invitrogen社)にトランスフェクションすることにより組み換えウイルス(培養上清)を得た。
この組み換えウイルスを感染させたHigh Five(登録商標)昆虫細胞(Invitrogen社)を回収し、超音波処理によって細胞を溶解した。可溶性画分を遠心分離した後、上清をTALON(登録商標)メタルアフィニティーレジン(CLONTECH社)と混合し、レジンにZAP−70キナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を吸着させた。レジンを数回洗浄した後、イミダゾールを含むバッファーでZAP−70キナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を溶出した。
【0161】
2)ZAP−70チロシンキナーゼ阻害アッセイ
被験化合物のZAP−70阻害活性を、分光光度計を用いた共役酵素アッセイで測定した。100nmol/L ZAP−70キナーゼドメインタンパク質とジメチルスルホキシドで溶解した様々な濃度の被験化合物を0.1mol/L HEPES緩衝液(pH7.6、20mmol/L MgCl2、2.5mmol/Lホスホエノールピルベート、0.2mmol/L NADH、150μg/mLピルベートキナーゼ、50μg/mLラクテートデヒドロゲナーゼ、0.5mmol/L SLP−76ペプチド)中で37℃、10分間静置した。SLP−76ペプチド(アミノ酸配列: EDDYESP)は、ZAP−70チロシンキナーゼ触媒反応のリン酸基受容体基質として使用した。酵素反応は、10μmol/LのATP添加で開始し、37℃に設定した分光光度計で単位時間あたりの340nm の吸収減少量(速度V(mOD/min))を測定した。阻害剤濃度に対する速度値V(mOD/min)を酵素速度解析ソフトウェアーPlate Ki (Bio Kin,Ltd.)に入力し、Ki値を算出した。これらの結果を表14に示した。
【0162】
【表14】
【0163】
試験例2
Sykチロシンキナーゼ阻害作用試験
1)Sykタンパク質のクローニング、発現、および精製
ヒトSykのキナーゼドメイン(Met343−Asn635)は、ヒト脾臓Marathon−Ready(登録商標) cDNA(CLONTECH社)から、PCR(polymerase chain reaction)法を用いて、pET−19b発現ベクター(Novagen社)のNdeIおよびXhoI部位へクローニングした。更に、このヒトSykキナーゼドメインを、その5’末端にpET−19bのHisタグの遺伝子を結合した形で、BAC−TO−BAC(登録商標)バキュロウイルス発現システム(GIBCO BRL社)に含まれるベクターpFASTBAC1に組み込んだ。このプラスミドDNAをバキュロウイルス発現システムに含まれるコンピテントセルDH10BACに形質導入し、組み換えウイルスのDNAを作製した。さらに組み換えウイルスのDNAをSf−9細胞(Invitrogen社)にトランスフェクションすることにより組み換えウイルス(培養上清)を得た。
この組み換えウイルスを感染させたHigh Five(登録商標)昆虫細胞(Invitrogen社)を回収し、超音波処理によって細胞を溶解した。可溶性画分を遠心分離した後、上清をTALON(登録商標)メタルアフィニティーレジン(CLONTECH社)と混合し、レジンにSykキナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を吸着させた。レジンを数回洗浄した後、イミダゾールを含むバッファーでSykキナーゼドメインのHisタグ融合タンパク質を溶出した。
【0164】
2)Sykチロシンキナーゼ阻害アッセイ
被験化合物のSyk阻害活性を、分光光度計を用いた共役酵素アッセイで測定した。3.6nmol/L Sykキナーゼドメインタンパク質とジメチルスルホキシドで溶解した様々な濃度の被験化合物を0.1mol/L HEPES緩衝液(pH7.6、40mmol/L MgCl2、2.5mmol/Lホスホエノールピルベート、0.2mmol/L NADH、150μg/mLピルベートキナーゼ、50μg/mLラクテートデヒドロゲナーゼ、0.1mmol/L SLP−76ペプチド)中で37°C、10分間静置した。 SLP−76ペプチド(アミノ酸配列:EDDYESP)は、Sykチロシンキナーゼ触媒反応のリン酸基受容体基質として使用した。酵素反応は、50μmol/LのATP添加で開始し、37℃に設定した分光光度計で単位時間あたりの340nm の吸収減少量(速度V(mOD/min))を測定した。阻害剤濃度に対する速度値V(mOD/min)を酵素速度解析ソフトウェアーPlate Ki (Bio Kin,Ltd.)に入力し、Ki値を算出した。これらの結果を表15に示した。
【0165】
【表15】
【0166】
【発明の効果】
本発明の一般式(I)で表されるイミダゾ[1,2-c]ピリミジン誘導体は、プロテインチロシンキナーゼ阻害作用、特にSykファミリーキナーゼに属するZAP−70チロシンキナーゼおよび/またはSykチロシンキナーゼに対して強力な阻害作用を有する。従って本発明の化合物は、ZAP−70および/またはSykチロシンキナーゼ関連疾患の治療または予防薬として有用であり、特に臓器移植による拒絶反応、移植片対宿主病、自己免疫性疾患、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、結膜炎などの治療または予防剤として好適である。
Claims (14)
- 一般式(I):
R1およびR2は、独立して以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基、あるいは
d)ヘテロアリール基であり;
R3は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基、
e)ヘテロアリール基、あるいは
f)アラルキル基であり;
X1、X2およびX3は、独立して以下のa)〜f):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)ハロ低級アルキル基、
d)低級アルコキシ基、
e)低級アルキルチオ基、
f)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合して−O−(CH2)m−O−、−O−(CH2)n−または−(CH2)P−を形成し、
ここで、mは、1〜3の整数を表し、
nは、2〜4の整数を表し、
pは、3〜5の整数を表し;
Aは、以下のa)〜h):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)シクロアルキル基、
d)R4、
e)ヘテロアリール基、
f)OR5、
g)SR5、または
h)NR6R7であり;
R4は、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換される、フェニル基またはナフチル基であり、
X4、X5およびX6は、独立して以下のa)〜k):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)ジ低級アルキルアミノ基、
e)カルボキシ基、
f)低級アルコキシカルボニル基、
g)カルバモイル基、
h)以下からなる群:水酸基、アミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基、および1−イミダゾリル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
i)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基、
j)低級アルキルスルホニル基、または
k)スルファモイル基であり;
R5は、低級アルキル基、シクロアルキル基またはR4であり;
R6は、水素原子、低級アルキル基またはアラルキル基であり;
R7は、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルケニル基、
d)低級アルキニル基、
e)以下からなる群:シアノ基およびカルバモイル基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
f)以下の式:
A1は、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2は、C1-6アルキレン基であり;
aは、0、1または2であり;
bは、1または2であり;
c、dおよびeは、独立して0または1であり;
Yは、O、S、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8は、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81は、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82は、水素原子または低級アルキル基であり;
R83は、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84は、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R9は、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、水酸基、アミノ基、または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R10は、水素原子、低級アルキル基、R4またはカルボキシ基であり;
R11は、水素原子または低級アルキル基であり;
R12は、水素原子、低級アルキル基、R4または水酸基であり;
R13は、水酸基、アミノ基または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R14は、水素原子または低級アルキル基であり;
R15は、R4またはヘテロアリール基である]で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩。 - R3が、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
Aが、R4またはNHR7であり;
R4が、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり、
X4、X5およびX6が、独立して以下のa)〜k):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)ジ低級アルキルアミノ基、
e)カルボキシ基、
f)低級アルコキシカルボニル基、
g)カルバモイル基、
h)以下からなる群:水酸基、アミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基、および1−イミダゾリル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
i)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基、
j)低級アルキルスルホニル基、または
k)スルファモイル基であり;
R7が、以下のa)〜f):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルケニル基、
d)低級アルキニル基、
e)以下からなる群:シアノ基およびカルバモイル基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
f)以下の式:
A1が、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2が、C1-6アルキレン基であり;
aが、0、1または2であり;
bが、1または2であり;
c、dおよびeが、独立して0または1であり;
Yが、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8が、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81が、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82が、水素原子または低級アルキル基であり;
R83が、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84が、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R9が、水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、水酸基、アミノ基、または低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R10が、水素原子、低級アルキル基、R4またはカルボキシ基であり;
R11が、水素原子または低級アルキル基であり;
R12が、水素原子、低級アルキル基、R4または水酸基であり;
R13が、水酸基またはアミノ基であり;
R14が、水素原子または低級アルキル基であり;
R15が、R4またはヘテロアリール基である、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(II):
R2が、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3が、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
A1が、結合またはC1-6アルキレン基であり;
A2が、C1-6アルキレン基であり;
aが、0または1であり;
Yが、CH(R8)またはN(R8)であり;
R8が、以下のa)〜l):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)アラルキル基、
d)−C(=O)R81、
e)−C(=O)NR82R83、
f)−SO2R84、
g)以下からなる群:水酸基、アラルキルオキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基およびカルバモイル基から選択される基で置換される低級アルキル基、
h)ヘテロアリール基、
i)ヘテロシクロアルキル基、
j)水酸基、
k)アミノ基、または
l)低級アルコキシカルボニルアミノ基であり;
R81が、以下のa)〜g):
a)低級アルキル基、
b)水酸基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基およびヘテロアリール基から独立して選択される1〜2個の基で置換される低級アルキル基、または
g)ヘテロシクロアルキル基であり;
R82が、水素原子または低級アルキル基であり;
R83が、以下のa)〜d):
a)水素原子、
b)低級アルキル基、
c)ヘテロアリール基、または
d)以下からなる群:カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ低級アルキルアミノ)カルボニル基およびヘテロアリール基から選択される基で置換される低級アルキル基を表すか、あるいはR82およびR83が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し;
R84が、以下のa)またはb):
a)低級アルキル基、または
b)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基である]で表される、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(III):
R2が、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3が、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
A2が、C1-6アルキレン基である]で表される、請求項3に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(IV):
R2が、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3が、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
Yが、CH(R90)またはN(R91)であり;
R90が、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基または−CONHR900であり、ここでR900が、ヘテロアリール基であり;
R91が、−C(=O)R910であり;
R910が、カルボキシ低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル低級アルキル基である]で表される、請求項3に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(V):
R2が、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3が、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
cが、0または1であり;
R11およびR12が、独立して水素原子または低級アルキル基である]で表される、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(VI):
R2が、水素原子、または非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
R3が、非置換もしくはX1、X2およびX3から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり;
X1、X2およびX3が、独立して以下のa)〜d):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)以下からなる群:水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選択される基で置換される低級アルコキシ基を表すか、あるいはX1、X2およびX3のうち2つが隣接する場合、それらが結合してメチレンジオキシ基を形成し;
eが、0または1であり;
R14が、水素原子または低級アルキル基であり;
R15が、R4またはヘテロアリール基であり、
R4が、非置換もしくはX4、X5およびX6から独立して選択される1〜3個の基で置換されるフェニル基であり、
X4、X5およびX6が、独立して以下のa)〜f):
a)ハロゲン原子、
b)低級アルキル基、
c)低級アルコキシ基、
d)カルボキシ基、
e)低級アルコキシカルボニル基、または
f)以下からなる群:カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から選択される基で置換される低級アルケニル基である]で表される、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 以下の化合物群:
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ] イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−(4−メトキシベンジルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
(±)−cis−5−(2’−アミノシクロヘプタン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
3−({4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ]メチル}フェニル)プロペン酸エチル;
3−({4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ]メチル}フェニル)プロペン酸;
5−[(1H−ベンゾイミダゾ−ル−5−イルメチル)アミノ]−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
{4−[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸エチル;
(4−{[8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}ピペリジン−1−イル)オキソ酢酸;
({trans−4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}シクロヘキサンカルボニル)アミノ] 酢酸エチル;
({trans−4− [8−カルバモイル−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−5−イルアミノ] メチル}シクロヘキサンカルボニル)アミノ] 酢酸;
trans−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−5−{[4−(ピリジン−4−イルカルバモイル)シクロヘキシルメチル] アミノ}イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
(2’S)−5−(2’−アミノプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
(±)−cis−5−(2’−アミノインダン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
(±)−cis−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメチルフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
(1’R,2’S)−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;
(1’S,2’R)−5−(2’−アミノシクロヘキサン−1’−イルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド;および
5−(2−アミノ−2−メチルプロピルアミノ)−7−(3,5−ジメトキシフェニルアミノ)−2−フェニルイミダゾ[1,2-c]ピリミジン−8−カルボキサミド、
またはその薬理学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテインチロシンキナーゼ関連疾患の治療または予防剤。
- 前記プロテインチロシンキナーゼ関連疾患が、臓器移植による拒絶反応、移植片対宿主病、自己免疫性疾患である、請求項10に記載の治療または予防剤。
- 前記プロテインチロシンキナーゼ関連疾患が、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、結膜炎である、請求項10に記載の治療または予防剤。
- 前記プロテインチロシンキナーゼが、ZAP-70である、請求項10に記載の治療または予防剤。
- 前記プロテインチロシンキナーゼが、Sykである、請求項10に記載の治療または予防剤。
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