JP2014513037A - アリールスルファペンタフロリドの工業的製造方法 - Google Patents

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Abstract

[0097]アリールスルファペンタフロリドの工業的な製造方法を開示する。当該方法は、アリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、フッ化物塩、非フッ化物塩、および不飽和有機化合物から選択される一つ以上の添加剤の存在下または不存在下で反応させて、アリールスルファペンタフロリドを生成する工程を含む。
【選択図】なし

Description

[0001]本発明は、アリールスルファペンタフロリドの製造に有用な工業的製造方法に関する。
[0002]アリールスルファペンタフロリドは種々の市販されている有機化合物に一以上のスルファペンタフロリド基を導入するのに有用な化合物である。特にアリールスルファペンタフロリドは、最終化合物または中間体として、液晶、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、抗寄生虫剤、抗がん剤、酵素阻害剤、抗マラリヤ剤、およびその他の化合物のような生物活性物質として有用である(例えば、J. Pestic. Sci., Vol. 32, pp. 255-259 (2007)、Chimia Vol. 58, pp. 138-142 (2004)、ChemBioChem 2009, 10, pp. 79-83、Tetrahedron Lett. Vol. 51 (2010), pp. 5137-5140、J. Med. Chem. 2011, Vol. 54, pp. 3935-3949、J. Med. Chem. 2011, Vol. 54, pp. 5540-5561、国際公開第99/47139号、国際公開第2003/093228号、国際公開第2006/108700号A1、米国特許出願公開第2005/0197370号明細書、米国特許第7,381,841号明細書B2、米国特許第2008/176865号明細書、米国特許第7,446,225号明細書B2、国際公開第2010/138588号A2、国際公開第2011/44184号を参照]。
[0003]アリールスルファペンタフロリドは、これまで、以下に挙げる合成方法の一つによって合成されてきた。
(1)ジアリールジスルフィドまたはアリールスルファトリフロリドの、AgFによるフッ素化 [参照J. Am. Chem. Soc.,V ol. 82 (1962),pp . 3064・3072,及び J. Fluorine Chem. Vol. 112 (2001),pp. 287-295]
(2)ビス(ニトロフェニル)ジスルフィド、ニトロベンゼンチオール、またはニトロフェニル三フッ化イオウの、フッ素分子(F)によるフッ素化 [参照 Tetrahedron,Vol.56 (2000),pp. 3399-3408; Eur. J. Org. Chem.,Vol. 2005,pp . 3095-3100; and 米国特許第5,741,935号明細書]
(3)ジアリールジスルフィドまたはアレーンチオールの、フッ素源存在下または不存在下でのF、CFOF、またはCF(OF)によるフッ素化 [参照 米国特許出願第 2004/0249209号明細書]
(4)ジアリールジスルフィドのXeFによるフッ素化 [参照 J. Fluorine Chem.,Vol. 101 (2000),pp . 279-283]
(5)1,4−ビス(アセトキシ)−2−シクロヘキセンとSFBrを反応させ、次いで脱臭酸または加水分解し、さらに芳香族化する方法 [参照 J. Fluorine Chem.,Vol. 125 (2004),pp . 549-552]
(6)4,5−ジクロロ−1−シクロヘキセンとSFClを反応させ、次いで脱塩酸する方法 [参照 Organic Letters,Vol. 6( 2004),pp . 2417-2419 及び国際公開第2004/011422号A1]
(7)SFClとアセチレンを反応させ、次いで臭素化および脱臭酸し、さらに亜鉛で還元してペンタフルオロスルファニルアセチレンを得て、これをブタジエンと反応させ、さらに高温にて芳香族化する方法 [参照 J. Org. Chem.,Vol. 29 (1964),pp . 3567-3570].
[0004]これらの合成方法は、時間および/または収量の面で実用的でない、全体的に高価である、および/または実施に危険を伴うなどの1つ以上の欠点を有する。例えば、方法(1)および(4)は低い収率を与え、AgFやXeFなどの高価な試薬を必要とする。方法(2)および(3)はF、CFOF、またはCF(OF)を必要とするが、これらは毒性、爆発性、および/または腐食性のガスであり、さらにこれらを用いて得られた化合物の収率は比較的低い。これらのガスの使用は、製造、貯蔵、および使用の面においても高価である。さらに、F、CFOF、および/またはCF(OF)を使用する合成方法は、それらが極度に反応性が高いため、ニトロフェニルスルファペンタフロリドのような不活性化されたアリールスルファペンタフロリドの合成に限られる。不活性化されていないと、芳香環のフッ素化等の副反応が生じる。方法(5)および(6)でもSFClやSFBrのような高価な試薬を必要とする。また方法(5)および(6)は、出発物質であるシクロヘキサン誘導体の入手可能性に限りがあるので応用の幅が狭い。最後に方法(7)はSFClのような高価な試薬を必要とし、かつアリールスルファペンタフロリドを合成するのに多数の工程を必要とする(収率も低い)。
[0005]このように、アリールスルファペンタフロリドを製造するための従来の合成方法は困難であり技術的に懸念がある。
[0006]近年、前述の課題を解決できる有用な方法が開発されている(国際公開第2008/118787A1、国際公開第2010/014665A1、米国特許出願公開第2010/0130790号明細書A1、米国特許出願公開第2011/0004022号明細書A1、米国特許第7,592,491号明細書B2、米国特許第7,820,864号明細書B2、米国特許第7,851,646号明細書B2を参照)。これらの方法における一つの鍵となる工程は、アリールスルファハロテトラフロリドを、周期表1、2、13〜17族の元素、および遷移元素を含む種々のフッ化物等のフッ化物源と反応させる工程である。特にフッ化水素は工業的な製造方法において有用なフッ化物源である。フッ化水素は入手しやすく、低コストであり、さらには沸点が19℃の液体であるからである。遷移元素のフッ化物のような固体に比べて、液体のフッ化物源は輸送性、流動性、リサイクル性を有するので、大スケールの工業的製造に適している。しかしながら、フッ化水素を用いる製造方法は、依然としていくつかの欠点を有する。すなわち、(1)フッ化水素は極めて毒性が高いので、安全性および環境への影響を考慮して、反応に使用するフッ化水素の量は極力少なくしなければならない、(2)アリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素の反応により、ガス状であり、毒性、腐食性であるハロゲン化水素、例えばHCl(HClの沸点は−85℃)を大量に生成する、(3)場合によっては、塩化アリールスルファペンタフロリドが副生する等の副反応により、低収率または低純度の生成物しか得られない、等の欠点がある。これらの欠点は、工業的なアリールスルファペンタフロリドの製造において、深刻なコスト上の問題を引き起こす。
国際公開第2008/118787 国際公開第2010/014665 米国特許出願公開第2010/0130790号明細書 米国特許出願公開第2011/0004022号明細書 米国特許第7,592,491号明細書 米国特許第7,820,864号明細書 米国特許第7,851,646号明細書 米国特許第5,741,935号明細書 米国特許出願第2004/0249209号明細書 国際公開第2004/011422
J. Am. Chem. Soc.,V ol. 82 (1962),pp . 3064・3072 J. Fluorine Chem. Vol. 112 (2001),pp. 287-295 Tetrahedron,Vol.56 (2000),pp. 3399-3408 Eur. J. Org. Chem.,Vol. 2005,pp. 3095-3100 J. Fluorine Chem.,Vol. 101 (2000),pp . 279-283 Organic Letters,Vol. 6( 2004),pp. 2417-2419 J. Org. Chem.,Vol. 29 (1964),pp. 3567-3570
[0007]本発明は、アリールスルファペンタフロリドを工業的スケールで製造するのに好適であり、かつ前述の課題のうち一つ以上を解決する方法を提供することを目的とする。
発明の概要
[0008]本発明の態様は、式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドを工業的スケールで製造するのに好適な方法を提供する。
Figure 2014513037
下記式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドと、無水フッ化水素(HF)を反応させて、アリールスルファペンタフロリド(I)を生成する。アリールスルファハロテトラフロリドと無水フッ化水素のモル比(アリールスルファハロテトラフロリド/無水フッ化水素)は、約1/10〜1/150の範囲である。
Figure 2014513037
[0009]また、本発明のいくつかの態様は、アリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を添加剤の存在下で反応させてアリールスルファペンタフロリド(I)を製造する方法を提供する。当該添加剤は、M(HF)で表されるフッ化物塩、Mで表される非フッ化物塩、および分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物からなる群より選択される。
[0010]本発明の態様を特徴づけるこれらの特徴、他の種々の特徴、および利点は、以下の詳細な説明および請求の範囲を参照することでより明確になるであろう。
[0011]本発明のいくつかの態様は、式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドを工業的に製造するのに有用な方法を提供する。製造されたアリールスルファペンタフロリドは、特に、一つ以上のスルファペンタフロリド基(SF基)を種々の標的有機化合物中に導入することに使用できる。背景技術で述べたとおり、これらの標的有機化合物は一つ以上のスルファペンタフロリド基を導入された後、医薬品、農薬、または液晶材料として有用となる。本発明の製造方法は、高純度なアリールスルファペンタフロリドを高収率にて、工業的、経済的に製造する方法を提供する。本発明において標的有機化合物は、通常、SF基によって修飾される標的置換部位を一つ以上有する。
[0012]本発明のいくつかの態様は、式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、アリールスルファハロテトラフロリド/フッ化水素のモル比が約1/10〜約1/150、好ましくは約1/15〜約1/100、より好ましくは約1/15〜約1/50となる範囲で反応させて、式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドを生成する工程を含む(例えばスキーム1:プロセス1を参照)。
Figure 2014513037
[0013]式(I)および(II)の化合物において、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であるハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜18好ましくは1〜10のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30好ましくは6〜15のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換の炭素数1〜18好ましくは1〜10のアルカンスルホニル基、置換または非置換の炭素数6〜30、好ましくは6〜15のアレーンスルホニル基、置換または非置換の炭素数1〜18好ましくは1〜10のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30好ましくは6〜15のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18好ましくは1〜10のアシルオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18好ましくは1〜10のアルカンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30好ましくは6〜15のアレーンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜18好ましくは2〜10のアルコキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数7〜30好ましくは7〜15のアリールオキシカルボニル基、置換の炭素数2〜18好ましくは2〜10のカルバモイル基、置換の炭素数1〜18好ましくは1〜10のアミノ基、あるいはSF基である。
[0014]Xに関して、式(II)におけるXは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である。
[0015]「アルキル」との語は、線状、分岐状、または環状のアルキルとして使用する。アルカンスルホニル、アルコキシ、アルカンスルホニルオキシ、またはアルコキシカルボニル基におけるアルキル部分もまた、線状、分岐状、または環状のアルキルを意味する。
[0016]「置換アルキル」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアルキル部位を意味するとして使用される。
[0017]「置換アリール」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアリール部位を意味するとして使用される。
[0018]「置換アルカンスルホニル」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアルカンスルホニル部位を意味するとして使用される。
[0019]「置換アレーンスルホニル」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアレーンスルホニル部位を意味するとして使用される。
[0020]「置換アルコキシ」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアルコキシ部位を意味するとして使用される。
[0021]「置換アリールオキシ」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアリールオキシ部位を意味するとして使用される。
[0022]「置換アシルオキシ」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアシルオキシ部位を意味するとして使用される。
[0023]「置換アルカンスルホニルオキシ」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアルカンスルホニルオキシ部位を意味するとして使用される。
[0024]「置換アレーンスルホニルオキシ」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアレーンスルホニルオキシ部位を意味するとして使用される。
[0025]「置換アルコキシカルボニル」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアルコキシカルボニル部位を意味するとして使用される。
[0026]「置換アリールオキシカルボニル」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアリールオキシカルボニル部位を意味するとして使用される。
[0027]「置換カルバモイル」との語は、一つ以上の置換基(例えばハロゲン原子;置換または非置換のアルキル基;置換または非置換のアリール基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するカルバモイル部位を意味するとして使用される。
[0028]「置換アミノ」との語は、一つ以上の置換基(例えば、置換または非置換のアシル基;置換または非置換のアルカンスルホニル基;置換または非置換のアレーンスルホニル基;酸素原子、窒素原子、および/または硫黄原子等のヘテロ原子を持つまたは持たない他の基であって本発明の反応を制限しない基)を有するアミノ部位を意味するとして使用される。
[0029]置換基R、R、R、R、およびRは、前述のとおり、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換のアルカンスルホニル基、置換または非置換のアレーンスルホニル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアリールオキシ基、置換または非置換のアシルオキシ基、あるいは、置換または非置換のアルコキシカルボニル基が好ましい。水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、および、ニトロ基は、出発物質として比較的入手しやすいので、より好ましい。
[0030]Chemical Abstract Index Nameの命名法、および本願明細書によれば、例えばC−SFは「sulfur, pentafluorophenyl-」 (ペンタフルオロフェニル硫黄)、p−Cl−C−SFは「sulfur, (4-chlorophenyl)pentafluoro-」 ((4−クロロフェニル)ペンタフルオロ硫黄)、p−CH−C−SFは「sulfur, pentafluoro(4-methylphenyl)-」 (ペンタフルオロ(4−メチルフェニル)硫黄)、C−SFClは「sulfur, chlorotetrafluorophenyl-」 (クロロテトラフルオロフェニル硫黄)、p−CH−C−SFClは「sulfur, chlorotetrafluoro(4-methylphenyl)-」 (クロロテトラフルオロ(4−メチルフェニル)硫黄)、p−NO−C−SFClは「sulfur, chlorotetrafluoro(4-nitrophenyl)-」 (クロロテトラフルオロ(4−ニトロフェニル)硫黄)である。
[0031]式(II)のアリールスルファペンタフロリドは、以下に示すようにトランス体とシス体の異性体を含む。アリールスルファペンタフロリドはArSFXと表される。
Figure 2014513037
[0032]プロセスIのいくつかの態様は、式(II)のアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、アリールスルファハロテトラフロリド/フッ化水素のモル比が約1/10〜約1/150、好ましくは約1/15〜約1/100、より好ましくは約1/15〜約1/50で反応させて、式(I)のアリールスルファペンタフロリドを生成することを含む。1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対して、フッ化水素の量が10モル未満であると収率が比較的低くなる。1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対して、フッ化水素の量が150モルを超えると、費用対効果の低下を招く。
[0033]本発明のいくつかの態様においてフッ化水素は無水または含水のフッ化水素である。無水のフッ化水素を用いた特別な一態様がプロセスIに示されている。含水のフッ化水素を用いる場合、含水量は最少とすべきである。水はアリールスルホニルフロリドまたはアリールスルホニルクロリドを副生物として生成し、これにより収率が低下し、さらには副生物の分離が問題となるからである。
[0034]生成物の置換基R、R、R、R、およびRは、式(II)で表される出発物質の置換基R、R、R、R、およびRと異なっていてもよい。従って、本発明の態様は、−SFX部位が−SF基に変換される限りは、本発明の反応または反応条件において置換基R、R、R、R、およびRが異なった置換基R、R、R、R、およびRに変換されることを含む。
[0035]具体的な式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドは、限定されないが、フェニルスルファクロロテトラフロリド、フルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体(o−、m−、またはp−異性体)、ジフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、トリフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、テトラフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ペンタフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、クロロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ジクロロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、トリクロロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ブロモフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ジブロモフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ヨードフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、クロロフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ブロモフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ブロモクロロフルオロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、フルオロヨードフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、メチルフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、クロロ(メチル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ジメチルフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ブロモ(メチル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ブロモ(ジメチル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(トリフルオロメチル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ビフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(メタンスルホニル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(ベンゼンスルホニル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(トリフルオロメトキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリド、(トリフルオロエトキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリド、(テトラフルオロエトキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリド、フェノキシフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ブロモフェノキシフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ニトロフェノキシフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、ニトロフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性、クロロ(ニトロ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性、シアノフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、アセトキシフェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(ベンゾイルオキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(メタンスルフォニルオキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(メトキシカルボニル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(エトキシカルボニル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(フェノキシカルボニル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(N,N−ジフェニルカルバモイル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(アセチルアミノ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、(N−アセチル−N−ベンジルアミノ)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体、および(ペンタスルファニル)フェニルスルファクロロテトラフロリドの各異性体等である。それぞれの式(II)の化合物は公知の方法によって調製できる(例えば、本願に包含される国際公開2008/118787A1を参照)。
[0036]本発明で用いるアリールスルファハロテトラフロリド(式(II))は、前述のとおり公知の方法で調製できる。例えば、アリールスルファハロテトラフロリド(ArSFX、X=Cl)は、下記の式1で示されるように、通常、ジアリールジスルフィド(ArSSAr)またはアリールチオール(ArSH)を、塩素(Cl)およびフッ化カリウム等の金属フッ化物と、アセトニトリル溶媒中で反応させて得られる(国際公開2008/118787参照)。
Figure 2014513037
反応後、反応混合物をろ過して、KCl等の固体金属ハロゲン化物および過剰の固体KFを除去する。ろ液を減圧下で濃縮して、通常は約5〜80重量%のアセトニトリルを含む粗生成物を得る。精製のため、粗生成物を好ましくは減圧下で蒸留するか、あるいは生成物が結晶性である場合は適切な溶媒を用いて再結晶する。
[0037]蒸留または再結晶されたアリールスルファハロテトラフロリド(式(II))は本発明の反応に用いられる。前述の粗生成物であるアリールスルファハロテトラフロリド(式(II))もまた本発明の反応に有用である(実施例6(ArSFX:CHCN=71:29重量比)、実施例8(ArSFX:CHCN=57:43重量比)、実施例14(ArSFX:CHCN=74:26重量比)を参照)。すなわち、本発明に有用な粗生成物は、金属ハロゲン化物および過剰の金属フッ化物を除くためのろ過工程、次いで、蒸留または再結晶等の最終精製工程の前に行われる溶媒を除くための濃縮工程を経て得られた物質である。蒸留または再結晶等の精製工程を省略できるので、粗生成物を使用することによりコストを優位に低減できる。
[0038]コストと収率の観点から、プロセスIのいくつかの態様は溶媒なしで実施される。しかしながら、アリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物であるアリールスルファハロペンタフロリドが、フッ化水素に対して不溶性もしくは難溶性である場合、反応率と収率を向上させるためにアリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物を溶解する溶媒を加えてもよい。好ましい溶媒は、出発物質、最終生成物、および/またはフッ化水素と実質的に反応しない。適切な溶媒は、限定されないが、ニトリル、エーテル、ニトロ化合物、ハロゲン化炭素、芳香族化合物、炭化水素等、およびこれらの混合物である。具体的なニトリルは、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ベンゾニトリル等である。具体的なエーテルは、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、グライム、ジグライム、トリグライム等である。具体的なニトロ化合物は、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等である。具体的なハロゲン化炭素は、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロトリフルオロエタン等である。具体的な芳香族化合物は、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、ベンゾトリフロリド等である。具体的な炭化水素は、線状、分岐状、もしくは環状のペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン等である。目的物が高収率で得られることから、これらの溶媒のうちアセトニトリルが好ましい。使用する溶媒の量は、アリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素との反応を促進する、あるいは反応を阻害しないように決定される。
[0039]プロセスIにおいて高収率を達成するために、反応温度は約−80℃〜約+250℃、好ましくは約−60℃〜約+200℃の範囲から選択できる。アリールスルファハロテトラフロリド上の置換基(R〜R)に起因するアリールスルファハロテトラフロリドのベンゼン環上の電子密度によって適正な温度は変動しうる。電子密度は、置換基(R〜R)の電子供与効果または電子吸引効果によって変化する。例えば、電子供与基は電子密度を増加させるが、電子吸引基は電子密度を減少させる。ベンゼン環上の電子密度が高いアリールスルファハロテトラフロリドは比較的低い温度で反応が進行する。一方、ベンゼン環上の電子密度が低いアリールスルファハロテトラフロリドは比較的高い温度で反応がスムーズに進行する。従って、反応温度は、所期の反応が好ましくは1週間以内に、より好ましくは数日以内に完了するように選択されうる。
[0040]本発明のいくつかの態様は、式(II)のアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、M(HF)の式のフッ化物塩と反応させて、式(I)のアリールスルファペンタフロリドを生成することを含む(スキーム2のプロセスII参照)。
Figure 2014513037
[0041]式(I)および(II)においてR、R、R、R、R、およびXはすでに述べたとおりである。
[0042]また、プロセスIIで使用されるアリールスルファハロテトラフロリド(式II)もプロセスIで述べたとおりである。
[0043]M(HF)において、Mはカチオン部位であり、nは0または0よりも大きい混数である。好ましくは、Mは金属原子、アンモニウム部位、またはホスホニウム部位である。好ましいフッ化物塩としては、限定されないが、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、等のアルカリ金属フッ化物塩、ならびにこれらのフッ化水素塩である、LiF(HF)n’、NaF(HF)n’、KF(HF)n’、RbF(HF)n’、CsF(HF)n’等(ただしn’は0より大きい混数である);BeF、BeFCl、MgF、MgFCl、CaF、SrF、BaF等のアルカリ土類金属フッ化物塩;アンモニウムフロリド、メチルアンモニウムフロリド、ジメチルアンモニウムフロリド、トリメチルアンモニウムフロリド、テトラメチルアンモニウムフロリド、エチルアンモニウムフロリド、ジエチルアンモニウムフロリド、トリエチルアンモニウムフロリド、テトラエチルアンモニウムフロリド、トリプロピルアンモニウムフロリド、トリブチルアンモニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムフロリド、ベンジルジメチルアンモニウムフロリド、ピリジニウムフロリド、メチルピリジニウムフロリド、ジメチルピリジニウムフロリド、トリメチルピリジニウムフロリド等のアンモニウムフッ化物塩、ならびにこれらのフッ化水素塩である、NHF(HF)n’、CHNHF(HF)n’、(CHNHF(HF)n’、(CHNHF(HF)n’、(CHNF(HF)n’、(CNHF(HF)n’、(CNF(HF)n’、(CNF(HF)n’、(CNF(HF)n’、ピリジン・HF(HF)n’等(ただし、n’ は0より大きい混数である);テトラメチルホスホニウムフロリド、テトラエチルホスホニウムフロリド、テトラプロピルホスホニウムフロリド、テトラブチルホスホニウムフロリド、テトラフェニルホスホニウムフロリド等のホスホニウムフッ化物塩、およびこれらの(HF)n’塩(ただし、n’は0より大きい混数である)が挙げられる。ここで混数とは、すべての数および端数、例えば0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.75、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.25、1.3、1.5、1.75、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5等を意味する。
[0044]前述のフッ化物塩のうち、アルカリ金属フッ化物塩およびこれらのフッ化水素塩が好ましい。コストパフォーマンスの面から、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、およびこれらの(HF)n’塩がより好ましい。
[0045]Mはフッ化水素と反応しうるので、Mは、フッ化水素中において、実際にはM(HF)n’(n’は0より大きい混数である)として存在する。
[0046]塩化水素のようなハロゲン化水素はフッ化水素よりもより酸性であるので、塩化水素はM(HF)と以下のように反応して中性塩であるMClを形成しうる。
Figure 2014513037
よって、フッ化物塩は、中性塩であるMを形成して、非常に酸性である気体のハロゲン化水素を中和することができる。
[0047]プロセスIIによる態様は、無水のフッ化水素または含水のフッ化水素の双方の使用を許容する。典型的な場合は、フッ化水素は無水のフッ化水素である。しかしながら、反応中にいくらかの水が存在する場合は、その量は最少であるべきである。水はアリールスルホニルフロリドまたはアリールスルホニルクロリド副生成物を生じさせうる。水分量を最少にするとは、フッ化水素中の水分を、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約3重量%未満にすることを意味する。
[0048]プロセスIIで使用されるフッ化水素の量は、通常、アリールスルファハロテトラフロリド/フッ化水素のモル比が約1/10〜約1/150となる範囲から選択される。より好ましい範囲は約1/15〜約1/100、さらに好ましい範囲は約1/15〜約1/50である。1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対してフッ化水素が10モル未満のときは、収率が比較的低くなる。1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対してフッ化水素が150モルを超えるときは、費用対効果の低下を招く。
[0049]本反応に添加剤として使用するフッ化物塩M(HF)の量は、通常、アリールスルファハロテトラフロリド1モルに対して、約0.1〜約5モル、より好ましくは約0.2〜約3モル、さらに好ましくは約0.5〜約2モルの範囲から選択される。フッ化物塩の量が0.1モル未満のときは、添加による効果が過度に小さくなる。フッ化物塩の量が5モルを超えるときは、効果はそこで限界となる。
[0050]コストと収率の観点から、プロセスIIは通常は溶媒なしで実施される。しかしながら、アリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物であるアリールスルファハロペンタフロリドが、フッ化水素に対して不溶性もしくは難溶性である場合、反応率と収率を向上させるためにアリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物を溶解する溶媒を加えてもよい。プロセスIIにおける好ましい溶媒はプロセスIで述べたとおりである。
[0051]反応温度と時間はプロセスIで述べたとおりである。
[0052]本発明のいくつかの態様は、式(II)のアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、非フッ化物塩であるM(ただしYはF(HF)でない)の存在下で反応させて式(I)のアリールスルファペンタフロリドを生成する反応を含む(スキーム3のプロセスIIIを参照)。
Figure 2014513037
[0053]プロセスIIIで使用されるフッ化水素およびその量は、プロセスIIで述べたとおりである。
[0054]式(I)および(II)で表される化合物におけるR、R、R、R、R、およびXは、前述のとおり定義される。
[0055]プロセスIIIで使用されるアリールスルファハロテトラフロリド(式II)は、プロセスIで述べたとおりである。
[0056]Mに関して、Mは前述のとおり定義される。Yはアニオン部位(ただしF(HF)を除く)であって、共役酸HYの酸性度がHX(例えばHCl)よりも低いアニオン部位である。
Figure 2014513037
[0057]典型的なMはプロセスIIで述べたとおりである。典型的なYとしては、限定されないが、OSONa、OSOK、OSOLi、OSONH、OSOMg1/2、OSOCa1/2等の硫酸塩;ベンゼンスルホネート(CSO)、メチルベンゼンスルホネート、ジメチルベンゼンスルホネート、トリメチルベンゼンスルホネート、ブロモベンゼンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、ニトロベンゼンスルホネート、ビニルベンゼンスルホネート、メタンスルホネート、エタンスルホネート等;OCOH、OCONa、OCOK、OCOLi、OCONH等の炭酸塩;ホルメート(HCOO)、アセテート(CHCOO)、プロピオネート(CCOO)、ブタノエート(CCOO)、ベンゾエート(CCOO)、メチルベンゾエート(CHCOO)、ジメチルベンゾエート、トリメチルベンゾエート、(メトキシ)ベンゾエート、ニトロベンゾエート、ブロモベンゾエート、クロロベンゾエート、シンナメート(CCH=CHCOO)、アクリレート(CH=CHCOO)、1−メチルアクリレート、2−メチルアクリレート、1−フェニルアクリレート等のカルボキシレート、が挙げられる。
[0058]典型的なMとしては、限定されないが、NaOSONa(NaSO)、KOSOK(KSO)、LiOSOLi(LiSO)、NHOSONH[(NHSO]、MgSO、CaSO、CSONa、CSOK、CSONH、CSOHNEt、メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、メチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジメチルベンゼンスルホン酸カリウム、トリメチルベンゼンスルホン酸カリウム、クロロメチルベンゼンスルホン酸カリウム、ニトロメチルベンゼンスルホン酸カリウム、ビニルメチルベンゼンスルホン酸カリウム、メタンスルホン酸カリウム、エタンスルホン酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ギ酸リチウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、メチル安息香酸ナトリウム、メチル安息香酸カリウム、ジメチル安息香酸カリウム、トリメチル安息香酸カリウム、(メトキシ)安息香酸カリウム、ニトロ安息香酸カリウム、ブロモ安息香酸カリウム、クロロ安息香酸カリウム、ケイ皮酸カリウム、プロペン酸(アクリル酸)カリウム、2−メチルプロペン酸カリウム、2−ブテン酸カリウム等、が挙げられる。
[0059]アリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素の反応においてハロゲン化アリールスルファペンタフロリドが副生成物として生成する場合、通常、M(ただし、一以上の不飽和結合を有するアニオン部位が前述のYから選ばれる)を使用する。Yは例えば、ベンゼンスルホネート(CSO)、メチルベンゼンスルホネート、ジメチルベンゼンスルホネート、トリメチルベンゼンスルホネート、ブロモベンゼンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、ニトロベンゼンスルホネート、ビニルベンゼンスルホネート、ベンゾエート(CCOO),メチルベンゾエート(CHCOO)、ジメチルベンゾエート、トリメチルベンゾエート、(メトキシ)ベンゾエート、ブロモベンゾエート、クロロベンゾエート、ニトロベンゾエート、シンナメート(CCH=CHCOO)、プロペノエート(CH=CHCOO)、2−メチルプロペノエート、2−ブテノエート等である。一以上の不飽和結合を有するYは、副生成物であるハロゲン化アリールスルファペンタフロリドを劇的に低減しうる(表6中、実施例26の不純物(1a)を参照)。
[0060]本反応で使用される非フッ化物塩であるMの量は、1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対して、典型的には約0.1〜約5モル、より典型的には約0.2〜約3モル、さらに典型的には約0.5〜約2モルである。非フッ化物塩が0.1モル未満のときはフッ化物塩による効果が過小となり、5モルを超えると効果はそこで限界となる。
[0061]塩化水素(HCl)のようなハロゲン化水素はHYよりも酸性であるので、塩化水素はMの非フッ化物塩と以下のように反応して、中性塩であるMClを生成する。
Figure 2014513037
よって、非フッ化物塩はガス状であって非常に酸性なハロゲン化水素を中和して、中性塩であるMを生成しうる。
[0062]コストと収率の観点から、プロセスIIIのいくつかの態様は追加の溶媒なしで実施される。しかしながら、アリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物であるアリールスルファハロペンタフロリドが、フッ化水素に対して不溶性もしくは難溶性である場合、反応率と収率を向上させるためにアリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物を溶解する溶媒を加えてもよい。プロセスIIIにおける好ましい溶媒は、プロセスIで述べたとおりである。
[0063]プロセスIIIにおける温度と時間はプロセスIで述べたとおりである。
[0064]本発明のいくつかの態様は、式(II)のアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物の存在下で反応させてアリールスルファペンタフロリド(I)を製造する方法を提供する(スキーム4、プロセスIV参照)。
Figure 2014513037
[0065]プロセスIVで使用されるフッ化水素およびその量は、プロセスIIで述べたとおりである。
[0066]式(I)および(II)の化合物において、R、R、R、R、R、およびXはすでに述べたとおりである。
[0067]プロセスIVで使用できるアリールスルファハロテトラフロリド(式II)はプロセスIで述べたとおりである。
[0068]分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物に関して、当該有機化合物は典型的にはアレーン、アルケン、およびアルキンからなる群より選択される。これらの有機化合物としては、限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、フェノール、アニソール、クレゾール、ナフタレン、アントラセン、等のアレーン;エチレン、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等のアルケン;アセチレン、プロピン等のアルキンが挙げられる。入手性および収率の観点から、これらの中ではアレーンが典型的である。
[0069]アリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素の反応においてハロゲン化アリールスルファペンタフロリドが副生成物として生成する場合、プロセスIVにおいて分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物を使用することが好ましい。副生成物(ハロゲン化アリールスルファペンタフロリド)の生成を劇的に減少できるからである(表6中の実施例21〜25における不純物(1a)を参照)。
[0070]本反応に使用される有機化合物の量は、1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対して、好ましくは約0.01モルから大過剰の範囲で選択される。このことは、当該有機化合物が所望の反応に影響を与えずかつ反応後に反応混合物から容易に除去できる(例えば低沸点である等の理由で)場合に、有機化合物が溶媒としてあるいは一部の溶媒として反応に使用されることを含む。その量は、1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対して、より好ましくは約0.05モル〜約5モル、さらに好ましくは約0.05モル〜約1モルである。この量が0.01モル未満であると、添加による効果が過小となる。
[0071]コストと収率の観点から、プロセスIVは溶媒なしで実施される。しかしながら、アリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物であるアリールスルファハロペンタフロリドが、フッ化水素に対して不溶性もしくは難溶性である場合、反応率と収率を向上させるためにアリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物を溶解する溶媒を加えてもよい。プロセスIVにおける適切な溶媒は、プロセスIで述べたとおりである。
[0072]プロセスIVにおける反応温度と時間はプロセスIで述べたとおりである。
[0073]本発明のいくつかの態様は、式(II)のアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素を、添加剤の存在下で反応させてアリールスルファペンタフロリド(I)を製造する方法を提供する(スキーム5、プロセスV参照)。ここで、添加剤の少なくとも二つは式M(HF)で表されるフッ化物塩、M(ただしYはF(HF)ではない)で表される非フッ化物塩、および分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物からなる群より選択される。
Figure 2014513037
[0074]プロセスVで使用されるフッ化水素およびその量はプロセスIIで述べたとおりである。
[0075]式(I)および(II)の化合物において、R、R、R、R、R、およびXは上述のとおりである。
[0076]プロセスVで使用しうるアリーススルファハロテトラスルフィド(式II)は、プロセスIで述べたとおりである。
[0077]M(HF)で表されるフッ化物塩、M(ただしYはF(HF)ではない)で表される非フッ化物塩、および分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物はすでに述べたとおり定義される。
[0078]プロセスVにおいて使用される添加剤の総量は、1モルのアリールスルファハロテトラフロリドに対して、約0.05モルから大過剰、より好ましくは約0.1モル〜約5モル、さらに好ましくは約0.5モル〜約3モルの範囲で選択される。添加剤間の量比は、最良の収率を得るように選択されうる。添加剤の総量が0.05モル未満であると、添加剤の効果が過小となる。
[0079]コストと収率の観点から、プロセスVは溶媒なしで実施される。しかしながら、アリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物であるアリールスルファハロペンタフロリドが、フッ化水素に対して不溶性もしくは難溶性である場合、反応率と収率を向上させるためにアリールスルファハロテトラフロリドおよび/またはこれからの生成物を溶解する溶媒を加えてもよい。プロセスVにおける適切な溶媒は、プロセスIで述べたとおりである。
[0080]プロセスVにおける反応温度と時間はプロセスIで述べたとおりである。
[0081]本発明によれば、高純度の、式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドを商業的な製造方法によってコスト的に有利に製造できる。この効果は、コストと収率の両面において従来の製造方法からは予測できない。このことは、従来の製造方法では、固体のフッ素源が非流動性のために生じるコスト高、昇温下での固液反応時の発熱の制御、低純度であるための精製工程の必要性、ならびに、安全性および環境維持の問題等の工業的側面における重大な障壁を、本発明が克服したことを示している。
[0082]以下の実施例は本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は実施例に限定して解釈されるべきではない。
実施例1 フェニルスルファクロロテトラフロリドと無水フッ化水素との反応による、フェニルスルファペンタフロリドの合成
Figure 2014513037
[0082]冷却管を備えた250mLのフッ素ポリマー(FEP)製容器にNガスを流しながら、当該容器を浴に漬けて−11℃に冷却した。冷媒(−25℃)を冷却管の中に流した。−20℃に冷却された無水フッ化水素72.3g(3.62モル)を−11℃に冷却した容器の中に加えた。35.0g(0.152モル)のフェニルスルファクロロテトラフロリド(純度は96重量%で他の4重量%はフェニルスルファトリフロリドである)を、シリンジポンプを備えたシリンジを用いて90分よりも長い時間をかけて容器内に添加した。フェニルスルファクロロテトラフロリドとフッ化水素のモル比は、1/24であった。添加後、反応混合物を−10℃で20時間撹拌した。その後、反応混合物を25℃に加熱して、大気圧下、当該温度にてフッ化水素を除去した。残留物を10%KOH水溶液100mLと混合し、ジクロロメタンを用いて抽出した。有機相を分離して、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、そしてろ過した。ろ液を70℃大気圧下で蒸留して濃縮した。濃縮物を減圧下(浴温度約110℃、32mmHg)で蒸留してフェニルスルファペンタフロリド20.6g(収率66%)を得た。GC分析により生成物の純度が99.7%であることを確認した。基準試料とのスペクトル比較により生成物を同定した。
実施例2〜11 アリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素との反応による、アリールスルファペンタフロリド(I)の合成
Figure 2014513037
[0084]対応するアリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素との反応により、種々のアリールスルファペンタフロリド(I)を合成した。表1には、実施例1と合わせて、結果、反応に用いた原料および無水フッ化水素、ならびに反応条件を示した。反応は、実施例7を除いて、実施例1と同様に行った。実施例7では、15.0g(46.1ミリモル)の化合物(II)を容器に仕込み、それから−20℃に冷却した無水フッ化水素と混合した。化合物(II)は固体であるためである。実施例11では、33.6g(93.1ミリモル)の化合物(II)と3.0gの乾燥アセトニトリルの混合物を、シリンジを用いて反応容器に添加した。
[0085]実施例11を除いて、基準試料とのスペクトル比較により生成物を同定した。実施例11では、生成物である4−ブロモ−3−フルオロフェニルスルファペンタフロリドをスペクトル分析にて同定した。物性値およびスペクトルのデータは以下のとおりである。
沸点:74〜79C/6mmHg
1H NMR (CDCl3) δ 7.45 (dd, J=9.0 Hz, 1.7 Hz, 1H), 7.54 (dd, J=8.6 Hz, 2.4 Hz, 1H), 7.67 (t, J=7.9 Hz, 1H); 19F NMR (CDCl3) δ 63.03 (d, J=154 Hz, 4F), 82.07 (quintet, J=154 Hz, 1F), -102.98 (s, 1F); 13C NMR (CD3CN) δ 113.2 (d, J=21 Hz), 114.9 (doublet-quintet, J=27 Hz, 5 Hz), 123.1 (m), 134.0 (s), 152.9 (doublet-quintet, J=7 Hz, 20 Hz), 158.2 (d, J=250 Hz); GC-Mass 302 (M+), 300 (M+).
Figure 2014513037
実施例12 フェニルスルファクロロテトラフロリドと無水フッ化水素とを、添加剤K・HFの存在下で反応させることによるフェニルスルファペンタフロリドの合成
Figure 2014513037
[0086]乾燥した125mLのフッ素ポリマー(FEP)製容器に、Nガスを流しながら、−20℃に冷却された無水フッ化水素48.0g(2.40ミリモル)を仕込んだ。当該容器には冷却管(フッ素ポリマー製)と温度計を装備し、当該容器を−20℃冷却した浴にて冷却した。冷却管に冷媒(−15℃)を流した。容器内に8.6g(0.11モル)のKF・HFを加えた。混合物を+15℃に加熱し、22.1g(96.2ミリモル)のフェニルスルファクロロテトラフロリド(純度は96重量%で他の4重量%はフェニルスルファトリフロリドである)を、シリンジポンプを備えたシリンジを用いて1時間より長い時間をかけて添加した。反応混合物の温度は、添加開始時は3.4℃であり、添加終了時は13.6℃であった。添加の後、反応混合物を15℃で18時間撹拌した。その後、反応混合物を25℃に加熱し、大気圧下でフッ化水素を除去した。残留物を15%KOH水溶液で中和して、ジクロロメタンを用いて抽出した。有機相を分離して、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、そしてろ過した。ろ液を70℃大気圧下で蒸留して濃縮した。濃縮物を減圧下で蒸留してフェニルスルファペンタフロリド14.4g(収率73%)を得た(沸点は57.5℃/35mmHg)。GC分析により生成物の純度が100%であることを確認した。基準試料とのスペクトル比較により生成物を同定した。
実施例13〜19 アリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素とを、添加剤としてのフッ化物塩M(HF)の存在下で反応させることによるアリールスルファペンタフロリド(I)の合成
Figure 2014513037
[0087]対応するアリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素を、添加剤としてのフッ化物塩M(HF)の存在下で反応させることにより、種々のアリールスルファペンタフロリド(I)を合成した。実施例12と同様に反応を実施した。実施例12と合わせて、結果、反応に用いた原料、無水フッ化水素およびフッ化物塩、ならびに反応条件を表2に示した。
Figure 2014513037
[0088]参照資料とのスペクトルを比較することにより生成物を同定した。ただし、実施例19については生成物である3,4−ジフルオロフェニルスルファペンタフロリドをスペクトル分析により同定した。物性値およびスペクトルのデータは以下のとおりである。
沸点:75〜76C/25mmHg
1H NMR (CDCl3) δ 7.27 (m, 1H), 7.53-7.58 (m, 1H), 7.62-7.66 (m, 1H); 19F NMR (CDCl3) δ -133.75 (d, J=26 Hz, 1F), -130.93 (d, J=26 Hz, 1F), 63.60 (d, J=147 Hz, 4F), 82.56 (quintet, J=147 Hz, 1F); 13C NMR (CDCl3) δ 116.6 (dt, J=22 Hz, 4 Hz), 117.4 (d, J=19 Hz), 123.0 (m), 49.2 (quintet, J=20 Hz), 149.3 (dd, J=254 Hz, 13 Hz), 152.0 (dd, J=257 Hz, 12 Hz); GC-Mass 240 (M+).
[0089]前述のとおり、フッ化物塩は反応によって生じる塩化水素を中和しうる。さらに、例えば実施例3と12の比較、および実施例10と15の比較から分かるように、フッ化物塩の添加は生成物の収率および純度を、添加しない場合に比べて向上させる。これはこの添加剤が反応を温和にし、かつタールの生成を抑制するためである。
実施例20 アリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素とを、非フッ化物塩の存在下で反応させることによる、アリールスルファペンタフロリド(I)の合成
Figure 2014513037
[0090]実施例12と同様にして、乾燥した125mLのフッ素ポリマー製容易に液体の無水フッ化水素(61g、3.05ミリモル)を仕込んだ。容器にフッ素ポリマー製の冷却管と温度計を設置し、−20℃の浴に漬けて冷却した。容器内の液体フッ化水素を撹拌しながら、酢酸ナトリウム(9.0g、0.11モル)を徐々に添加した。混合物は均一になった。−15℃の冷媒を冷却管に流し、浴温を−10℃に上げた。フェニルスルファクロロテトラフロリド(23.4g、95重量%純度、0.010モル)を、シリンジポンプを備えたシリンジを用いて30分より長い時間をかけて混合物に添加した。反応混合物の温度は、添加開始時は−8℃であり、添加終了時は−6℃であった。浴温を+5℃に上げ、反応混合物を+5℃で70分間撹拌した。その後、浴温を+10℃に上げ、反応混合物を50分間撹拌した。次いで浴温を+15℃に上げ、反応混合物を+15℃で20時間撹拌した。反応後、浴温を室温まで上げ、室温でフッ化水素を蒸発させて除去した。残留物を、400gの23%KOH水溶液にゆっくりと注ぎ、混合物を30分間撹拌した。下層の有機相を分離し、上層の水相をジクロロメタンを用いて抽出した。有機相を一緒にし、NaCl飽和水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、さらにろ過した。大気圧下、70℃のオイルバスで溶媒を留去し、ろ液を濃縮した。残留物を180℃以上のオイルバスを用いて大気圧下で蒸留し、145〜150℃の留分として11.5gのフェニルスルファペンタフロリドを得た。GC分析により純度が99.6%であることを確認した。生成物を参照試料とのスペクトル比較によって同定した。表3に反応条件と結果を示す。
Figure 2014513037
[実施例21]アリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素との有機化合物存在下での反応によるアリールスルファペンタフロリド(I)の合成
Figure 2014513037
[0091]実施例12と同様にして実施例21を行った。ただし、フッ化物塩の代わりに有機化合物を用いた。表4は、本反応に用いた出発物質、無塩フッ化水素、および添加剤としての芳香族化合物、ならびに結果を示す。生成物は、参照試料とのスペクトル比較を行うことによって同定した。
Figure 2014513037
[0092]実施例21で生成した副生成物である3−クロロ−4−メチルフェニルスルファペンタフロリド(Ia)を表6に示す。同じ反応温度での比較として、添加剤を使用しない実施例10も表6に示す。実施例21では副生成物(Ia)は1.0%であったが、実施例10では副生成物(Ia)は8.1%であった。このことは、添加剤としての有機化合物(ベンゼン)が、副反応(生成物の塩素化)を抑制して副生成物(Ia)の生成を有効に阻害することを明確に示している。
[実施例22〜26]フッ化物塩、非フッ化物塩、および有機化合物からなる群より選択される二つ以上の添加剤の存在下でのアリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素との反応による、アリールスルファペンタフロリド(I)の合成
Figure 2014513037
[0093]二つ以上の添加剤の存在下で、対応するアリールスルファハロテトラフロリド(II)と無水フッ化水素を反応させて種々のアリールスルファペンタフロリド(I)を合成した。ただし添加剤は、フッ化物塩、非フッ化物塩、および分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物からなる群より選択される。実施例12と同様にして反応を行った。ただし、フッ化物塩の代わりに前記二つ以上の添加剤を用いた。実施例22〜25は添加剤としてフッ化物塩と有機化合物を用いて実施し、実施例26は添加剤としてフッ化物塩および非フッ化物塩を用いて実施した。生成物は、参照試料とのスペクトル比較を行うことによって同定した。
[0094]表5は、結果、本反応で用いた出発物質、フッ化水素、および添加剤、ならびに反応条件を示す。二つ以上の添加剤を用いる本反応によって、高純度の生成物を比較的良い収率で得ることができた。同じ温度(+15℃)においては、実施例22〜26の生成物の純度(96〜99%)は、添加剤を使用しない実施例10の純度(90.9%)および一つの添加剤(ベンゼン)を用いる実施例21の純度(90%)に比べて、非常に高い。
Figure 2014513037
[0095]更なる議論のため、表6に、実施例10、15、および21〜26で得た生成物中に含まれる不純物(Ia)とその他の副生成物(IIIa〜c)の量を示す。不純物(Ia)の生成は生成物(I)の収率および純度を非常に低下させる。他の副生成物(IIIa〜c)は反応を阻害しない。これは、他の副生成物は添加剤から派生するので、反応に対して適切な条件や添加剤を選択できるためである。実施例10では添加剤を使用せず、実施例15では添加剤としてKF・HFを使用し、実施例21では添加剤としてベンゼンを使用し、実施例22〜25ではKF・HFおよびベンゼンを2つの添加剤として使用し、実施例26ではKF・HFおよびp−メチルベンゼンスルホン酸カリウムを2つの添加剤として使用した。不純物(Ia)の量は実施例10では8.1%、実施例15では1.9%、実施例21では1.0%、実施例22では0.2%、実施例22〜25では生成せず、実施例26では0.7%であった。添加剤としてのKF・HFまたはベンゼンは不純物(Ia)の生成をかなり阻害すること、ならびに、2つの添加剤としてのKF・HFと、ベンゼンまたはp−メチルベンゼンスルホン酸カリウムとは、不純物(Ia)の生成をかなり低減させるかあるいはほとんど消滅させることが明らかである。すなわち、これらの添加剤によって、不純物(Ia)の生成はかなり低減されるか、あるいは不純物(Ia)はほとんど生成されない。このことは本発明の有用性を示している。
Figure 2014513037
[0096]いくつかの態様を示すことにより本発明を具体的に説明したが、ここに示した種々の態様について、形態および詳細な部分の変動が本発明の精神および範疇を逸脱しないで範囲で認められることを当業者は理解できる。そしてここに示した種々の態様が特許請求の範囲を限定するために開示されている訳ではないことも当業者は理解できる。本明細書において引用するすべての刊行物は、参照として本発明に包含される。

Claims (15)

  1. 式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドの製造方法であって、
    Figure 2014513037
    式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドと無水フッ化水素とを、アリールスルファハロテトラフロリド:無水フッ化水素のモル比が約1:10〜約1:150の範囲で反応させて、前記アリールスルファペンタフロリドを生成することを含む、
    Figure 2014513037
    ただし、上記式において、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニル基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアシルオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換の炭素数2〜18のカルバモイル基、置換の炭素数1〜18のアミノ基、あるいはSF基であり、
    Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である、
    前記アリールスルファペンタフロリドの製造方法。
  2. 前記アリールスルファハロテトラフロリド:無水フッ化水素のモル比が約1:15〜約1:100の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記XがClである請求項1に記載の方法。
  4. 式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドの製造方法であって、
    Figure 2014513037
    式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素とを、M(HF)のフッ化物塩の存在下で、
    アリールスルファハロテトラフロリド:フッ化物塩のモル比が約1:0.1〜約1:5の範囲、かつ
    アリールスルファハロテトラフロリド:フッ化水素のモル比が約1:10〜約1:150の範囲で反応させて、前記アリールスルファペンタフロリドを生成することを含む、
    Figure 2014513037
    ただし、上記式において、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニル基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアシルオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換の炭素数2〜18のカルバモイル基、置換の炭素数1〜18のアミノ基、あるいはSF基であり、
    Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である、
    Mは金属原子、アンモニウム部位、ホスホニウム部位であり、
    nは0または0より大きい混数である、
    前記アリールスルファペンタフロリドの製造方法。
  5. 前記XがClである請求項4に記載の方法。
  6. 前記フッ化物塩が、LiF(HF)、NaF(HF)、KF(HF)、RbF(HF)、およびCsF(HF)等(ただしnは0または0より大きい混数である)からなる群より選択されるアルカリ金属フッ化物塩である、請求項4に記載の方法。
  7. 式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドの製造方法であって、
    Figure 2014513037
    式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素とを、Mの非フッ化物塩の存在下で反応させて、前記アリールスルファペンタフロリドを生成することを含む、
    Figure 2014513037
    ただし、上記式において、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニル基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアシルオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換の炭素数2〜18のカルバモイル基、置換の炭素数1〜18のアミノ基、あるいはSF基であり、
    Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である、
    Mは金属原子、アンモニウム部位、ホスホニウム部位であり、
    YはF(HF)以外のアニオン部位であって、共役酸HYの酸性度がHXよりも低いアニオン部位であり、nは0または0より大きい混数である、
    前記アリールスルファペンタフロリドの製造方法。
  8. 前記XがClである請求項7に記載の方法。
  9. 前記アリールスルファハロテトラフロリド:非フッ化物塩のモル比が約1:0.1〜約1:5の範囲である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記アリールスルファハロテトラフロリド:フッ化水素のモル比が約1:10〜約1:150の範囲である、請求項7に記載の方法。
  11. 式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドの製造方法であって、
    Figure 2014513037
    式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素とを、分子内に一つ以上の不飽和結合を有する有機化合物の存在下で反応させて、前記アリールスルファペンタフロリドを生成することを含む、
    Figure 2014513037
    ただし、上記式において、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニル基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアシルオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換の炭素数2〜18のカルバモイル基、置換の炭素数1〜18のアミノ基、あるいはSF基であり、
    Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子である、
    前記アリールスルファペンタフロリドの製造方法。
  12. 前記XがClである請求項11に記載の方法。
  13. 前記アリールスルファハロテトラフロリド:有機化合物のモル比が約1:0.05〜約1:5の範囲である、請求項11に記載の方法。
  14. 式(I)で表されるアリールスルファペンタフロリドの製造方法であって、
    Figure 2014513037
    式(II)で表されるアリールスルファハロテトラフロリドとフッ化水素とを、複数の添加物の存在下で反応させて、前記アリールスルファペンタフロリドを生成することを含み、
    Figure 2014513037
    ただし、上記式において、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜18のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、ニトロ基、シアノ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニル基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニル基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアシルオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜18のアルカンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアレーンスルホニルオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、置換または非置換の炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、置換の炭素数2〜18のカルバモイル基、置換の炭素数1〜18のアミノ基、あるいはSF基であり、
    Xは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、
    前記添加物のうち少なくとも2つはM(HF)のフッ化物塩、Mのフッ化物塩、および分子内に一以上の不飽和結合を有する有機化合物からなる群より選択され、
    ここで、Mは金属原子、アンモニウム部位、ホスホニウム部位であり、
    nは0または0より大きい混数であり、
    YはF(HF)以外のアニオン部位であって、共役酸HYの酸性度がHXよりも低いアニオン部位である、
    前記アリールスルファペンタフロリドの製造方法。
  15. 前記アリールスルファハロテトラフロリド:総添加物のモル比が約1:0.1〜約1:5の範囲である、請求項14に記載の方法。
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