JP2014511946A - グルカンを用いることによるセルロース材のコーティング方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する、少なくとも1種のグルカン(G)、特にシゾフィラン、及び少なくとも1種の溶媒(S)、特にイオン性液体を含む組成物を、シート状材の表面の上に適用することによる、シート状セルロース含有材のコーティング方法に関する。

Description

本発明は、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖及び主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基を有する少なくとも1つのグルカンを含む組成物を適用することによる、シート状セルロース材、例えば、紙又は木綿布のコーティング方法に関する。好ましいグルカンの1つはシゾフィランである。組成物はしばしば少なくとも1種の溶媒を含み且つセルロース材の表面の上に適用され得る。本発明は更に被覆されたシート状セルロース材に関する。
更に、本発明は、少なくとも1種のグルカン、特にシゾフィラン、及び少なくとも1種のイオン液体を含む組成物に関する。
紙及び紙製品(例えば、ボール紙)は、多くの用途分野において欠点と見なされ得る親水性で知られている。紙表面は、しばしば、紙の疎水性及び品質(例えば、印刷適性、寸法安定性)を改善するためにコーティング又はサイジングによって処理されている。いわゆる「サイジング」は、紙表面を更に疎水性にし且つ水の浸透を防止するか又は遅らせ且つ寸法安定性を確保する。これは全てのタイプの印刷用紙だけでなく荷造り紙及びボール紙にとっても重要である。一般に使用される「サイジング剤」は、例えば、ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー(AKD)及びアルケニルコハク酸無水物(ASA)である。
生態学的な及び経済的な理由で、水及び油に対するバリア特性を高め、それによって疎水性又は更に高度な疎水性表面が求められる紙及び紙製品の適用分野を広げるために紙用のバイオベースのコーティングへの関心が高まっている。
複数のグルカン化合物、例えば、スターチが紙のコーティング及びサイジングに使用され得ることが当該技術分野の水準で広く知られている。米国特許第7,348,065号の文献は、コーティングがオレフィン−カルボン酸コポリマーとスターチ、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド又はアルギン酸ナトリウムから選択される第2級ポリマーを含む、滑り特性の改善された被覆紙を記載している。
米国特許第5,348,065号は、多糖誘導体のオリゴマー、例えば、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシメチルスターチの混合物である分解生成物を用いる紙の処理方法を開示しており、その際、該処理は、例えば、パルプの含浸又は紙製品のコーティングを含み得る。
一般的に、多くのグルコース単位(D−グルコース)からなる多糖はグルカンと呼ばれている。一般的なグルカンは、例えば、セルロース及びスターチである。セルロースは、本質的に、β(ベータ)−1,4−グリコシド結合されたグルコース単位からなる。スターチは、本質的に、α(アルファ)−1,4−グリコシド結合されたグルコース単位からなり且つ任意にα(アルファ)−1,6−グリコシド結合した側鎖を有する。
β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖にβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合した側鎖を有するグルカンが、種々の真菌株によって分泌されている。例えば、いわゆる「シゾフィラン」は、真菌スエヒロタケ(Schizophyllum commune)、担子菌によって生成されており、これはフィラメント成長を示し且つ成長の間に特に前記グルカン生成物を分泌する。かかる多糖の水溶液は、有利な生理化学特性(例えば、高粘度、高剪断速度への安定性、高温及び高塩濃度への安定性)を示す。
シゾフィランの他に、生体スエヒロタケは、他の主要なバイオポリマーを液体成長培地、即ち、ペプチドヒドロホビン(24kDa)及び真菌細胞壁にも見出される、更なるタンパク質(17kDa)に分泌する。
一般的に、シゾフィランは、主鎖として3つのβ(ベータ)−1,3−結合D−グルコース単位からなる繰り返し単位を有する多糖として記載されており、該単位のうちの1つはβ(ベータ)−1,6−結合を通して単一のD−グルコース分子に結合されている。
シゾフィランの繰り返し単位の構造は以下の式
Figure 2014511946
によって記載され得る。
通常、シゾフィランの分子量Mは、約5×10〜約25×10g/モルの範囲である。
真菌スエヒロタケを用いた発酵による前記グルカンの調製は、例えば、EP−A271907号、EP−A504673号及びDE−A4012238号に記載されている。
β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖及びβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する側基を有するグルカンの別の例は、いわゆるホモ多糖「スクレログルカン(Sceleroglucan)」であり、これは例えば、真菌白絹病菌(Sclerotium rolfsii)によって分泌されている。
前述のグルカンを分泌する多くの真菌株は当業者に公知である。例はスエヒロタケ、白絹病菌、不完全菌類(Sclerotium glucanicum)、リンゴ灰星病菌(Monilinia fructigena)、シイタケ(Lentinula edodes)又は灰色かび病菌(Botrytis cinerea)を含む。真菌株を生成するグルカンは更にEP−A271907号及びEP−A504673号に記載されている。
シゾフィランは一般的に網目構造と高分子量を有し、従って、例えば、高粘度及び/又は向上した結合が求められる用途で使用され得る。シゾフィランは、粘度調整剤(Fangら、Biomacromolecules, 2005, 6, 3202; Konyら、Biophys.J., 2007, 93,442)として広範囲にわたって研究されてきた。
刊行物G. Martinら、Biopolymers, 1999, 49, 621は、真菌タンパク質ヒドロホビン、更にはヒドロホビン及びシゾフィランを含むスエヒロタケの真菌培養上澄み液が、疎水性と親水性の両方の表面で安定なコーティングを形成し得ることを記載している。
米国特許第5,215,681号は、表面活性剤が添加されたポリマーの希釈液の限外濾過によって調製された多糖の濃縮された液体溶液を記載している。多糖は、例えば、スクレログルカン又はシゾフィランであってよい。これらの溶液は、増粘剤として、例えば、炭化水素の回収で使用され得る。
他の用途として、天然水中の金属類及び汚染物質のためのキャリア及びヒトの免疫系の刺激作用が挙げられる。シゾフィランは通常、高い安定性(水溶液中で120℃まで)、高い水溶性及び不良なゲル化能力を有することが報告されている。また、その非毒性と生体適合性で知られている。更に、シゾフィランは、脆く弱いゲルを形成し且つナノ繊維構造体の製造に使用されていることが報告されていた。
本発明の課題の1つは、高充填された、無孔のコーティングを用いて新規な疎水性の被覆されたセルロース材を提供し、その結果、水及び油の両方に対する不透性が向上することである。このコーティングは更にバイオベースで、好ましくは生分解性であるべきである。これらの被覆されたセルロース含有材は、例えば、食品包装材料で又は織物材料として適用され得る。
驚くことに、セルロース材、例えば、紙の上で、シゾフィランの疎水性フィルム、特に、ほぼ無孔性のフィルムが得られることが判明した。シゾフィランの網目状構造のために、孔のない高度に充填したフィルムが得られると考えられる。
本発明は、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する少なくとも1種のグルカン(G)、及び少なくとも1種の溶媒(S)を含む組成物を、シート状材の表面の上に適用することによる、シート状セルロース含有材のコーティング方法に関する。好ましくは、少なくとも1種のグルカン(G)はシゾフィランである。
紙の疎水性は、水の浸透を防ぐことによって向上し得る。更に、この新規な被覆セルロース材は、油と他の疎水性化合物の浸透の抑制が強化されたことを示す。シゾフィランが紙製品の純粋なバイオベースのコーティングとして使用され且つ疎水性を与えることによって紙製品の特性を強化し得ることが判明した。これは複数の用途における紙製品の重要な特性である。
セルロース含有材の上に適用される新規なシゾフィランコーティング(例えば、シゾフィランフィルム)は、驚くほど疎水性の表面特性を示す。新規なコーティング方法は、例えば、紙の疎水性を高めるための方法を提供する。該方法は、紙表面への水滴の浸透を抑制することができる。新規なフィルムもその高い安定性と優れた付着性を特徴とし得る。
シゾフィランが、再生可能資源を使用し且つ自然の生物学的なプロセスに由来する、完全なバイオベースのポリマーであることが更に有利である。従って、本発明による新規なコーティング組成物は、完全なバイオベース、更に特に40〜99%バイオベース、好ましくは40〜90%バイオベースであると考えられ得る。
シゾフィランの特性を理解するために、幾らかの構造な調査が実施された。シゾフィランの特に興味深い構造的な特徴は、可逆性であり且つ水中の3本鎖らせん構造とDMSO及び/又は水酸化ナトリウム(NaOH)などの溶媒中の個々の1本鎖(乱巻コイル)との間で溶媒誘起された構造的転移であると考えられる。
本発明に関しては、「コーティング」とは、層、特に薄膜を用いて材料の表面を被覆することを意味する。この薄い層は、例えば、0.1〜1,000マイクロメートル(μm)、好ましくは0.1〜500マイクロメートル、好ましくは0.5〜500マイクロメートルの厚さを有し、且つ例えば、充填剤などの他の成分を含み得る。組成物によって適用されるコーティングも本質的に少なくとも1種のグルカンからなり得る。
本発明に関しては、「グルカン」とは、(該当する場合、末端基は別として)専らグルコース単位(D−グルコース)から構成されるホモ多糖類を意味すると理解されている。β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖とβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する側基とを有するグルカンは、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合したグルコース単位の主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを含み、その際、側基が少なくとも1つのグルコース単位を含むと理解されている。
好ましくは、組成物は、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する少なくとも1種のグルカン(G)を含み、その際、側基は単一のβ−1,6−グリコシド結合したグルコース単位からなる。好ましくは、統計学的に言えば、主鎖は3単位毎に更なる側基へのβ−1,6−グリコシド結合を有する。更に好ましくは、使用されるグルカン(G)は、統計学的に言えば、3単位毎に単一のグルコース単位へのβ−1,6−グリコシド結合を有する主鎖を有する。通常、本発明で使用されるシゾフィランの分子量Mは、約5×10g/モル〜約25×10g/モルの範囲である。
好ましくは、少なくとも1種のグルカンは、スクレログルカン及び/又はシゾフィラン、好ましくはシゾフィランである。更に好ましくは、スクレログルカン及び/又はシゾフィラン、好ましくは、シゾフィランは、単独のグルカン成分(G)であるか又は該成分として使用される。
コーティング方法に使用されるグルカン(G)は、特に、グルカンを分泌する真菌株、例えば、スエヒロタケ、白絹病菌、不完全菌類、リンゴ灰星病菌、シイタケ及び灰色かび病菌から選択される真菌株を使用することによって調製され得る。好適な真菌株は、更に、例えば、EP−A271907号及びEP−A504673号に記載されている。好ましくは、グルカンは、真菌株スエヒロタケ又は白絹病菌、更に好ましくはスエヒロタケを使用することによって調製され得る。
かかる真菌株を発酵させるための種々の方法が当業者に公知である。これらの方法は例えば、EP−A271907号、EP−A504673号、DE−A4012238号及びWO2003/016545号に記載されており、いずれの場合も好適な培養媒体を記載している。一般的に、第1のプロセス工程では、真菌は適した水性の培養媒体で培養されている。発酵としても知られた、培養の過程では、真菌は上記の種類のグルカンを水性の発酵ブロス中に分泌している。真菌は、例えば、水性の培養媒体中で、15℃〜40℃の温度で培養され得る。
特に、グルカン(G)は、全ての組成物を基準として、0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%、しばしば0.1〜1質量%の量で組成物中に存在している。
本発明の一実施態様では、組成物は少なくとも1種の溶媒(S)を含む。この溶媒は、しばしば極性溶媒であり、好ましくは、水;アルコール、好ましくはC1〜6アルコール(好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール);グリコール(好ましくはブチルモノグリコール、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール)、エーテル(好ましくはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル;グリコールエーテル)、エステル(好ましくは酢酸エチル、n−ブチルアセテート、プロピレンベースのグリコールエステル)及びイオン性液体からなる群から選択される。
好ましい実施態様では、溶媒(S)は水を含む。好ましくは、少なくとも1種の溶媒(S)は水である。
好ましい実施態様では、本発明は、少なくとも1種のイオン性液体が溶媒(S)として使用される、コーティング方法に関する。好ましくは、イオン性液体(又は2種以上の異なるイオン性液体の混合物)が単独の溶媒(S)として使用される。
適した溶媒(S)は、上記の溶媒の混合物又は組み合わせであってもよい。本発明に関して「溶媒」とは、溶媒(分子性溶液、コロイド状溶液、マイクロ分散液又はゲルに関して)及び/又は膨潤剤であると理解され得る。
好ましくは、溶媒(S)は、全ての組成物を基準として、70〜99.9質量%、好ましくは90〜99.9質量%、しばしば95〜99.9質量%の範囲で組成物中に存在する。
組成物は、少なくとも1種の更なる添加剤(A)、例えば、充填剤(例えば、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム(GCC)、軽質炭酸カルシウム(PCC)、チャイナクレー及び二酸化チタン)、染料、蛍光増白剤、ポリマー結合剤、界面活性剤、サイジング剤、例えば、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、ロジンを含み得る。
通常、添加剤(A)は、全組成物を基準として0〜15質量%の範囲で組成物中に存在する。好ましくは、添加剤(A)は、グルカン(G)に関して0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%の範囲で存在する。
好ましいのは、少なくとも1種のグルカン(G)を含む組成物を適用することによるシート状セルロース含有材をコーティングするための方法であり、その際、組成物は、
(全組成物を基準として)70〜99.9質量%、特に70〜85質量%の少なくとも1種の溶媒(S)、(好ましくは水及び/又は少なくとも1種のイオン性液体)、
(全組成物を基準として)0.1〜30質量%の少なくとも1種のグルカン(G)、(好ましくはシゾフィラン)及び
任意に(全組成物を基準として)0〜15質量%、特に0.1〜15質量%の少なくとも1種の更なる添加剤(A)
を含む(又はからなる)。
全組成物を基準として質量%(質量パーセント)で示される組成物の成分量の合計は、100%を超えない。
種々のイオン性液体を、セルロースなどの多糖類の溶媒として使用できることが当業者に公知である。従って、科学的刊行物S. ZhuらのGreen Chem. 2006, 8, 325-327及びR. SwatloskiらのJ. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 4974-4975には、一般論として、セルロースをイオン性液体中に溶解させ且つこれを水、エタノール、又はアセトンなどの適した沈殿の添加によって回収し得ることが記載されている。適したイオン性液体としては、特に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(BMIMCl)及び1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(AMIMCl)が記載されている。更に、イオン性液体を用いるセルロースの溶解が、例えば、US−A2003/0157351号に記載されている。
WO2003/029329号は、水又は窒素の不在下で、セルロースと、溶融イオン性液体、例えば、小さいカチオン及びハロゲン化物又は擬ハロゲン化物アニオンとを混合することによってセルロースを溶解するための方法を記載している。WO2008/090156号は、多原子アニオンを含むイオン性液体を用いてリグノセルロース含有材から得られるセルロースの酵素加水分解によるグルコースの製造方法に関する。
本特許出願の目的のために、イオン性液体は、180℃未満の温度で液体である有機塩である。イオン性液体は、好ましくは150℃未満、好ましくは100℃未満、更に好ましくは20℃未満の融点を有する。室温でも液体状態で存在するイオン性液体は、例えば、K. N. Marshら、Fluid Phase Equilibria 219 (2004), 93-98及びJ. G. Huddlestonら、Green Chemistry, 2001, 3, 156-164によって記載されている。
通常、カチオン及びアニオンはイオン性液体中に存在する。プロトン又はアルキル基が、イオン性液体内でカチオンからアニオンに移り、2つの非荷電分子を得ることが可能であり得る。
従って、アニオン、カチオン及び非荷電分子の間の平衡状態が、本発明によって使用されるイオン性液体中に存在し得る。本発明によって使用されるイオン性液体は、多原子の、即ち、2つ以上の原子を有する多原子アニオンを有する。原則的に、多原子アニオンをベースとした全てのイオン性液体は、本発明の方法での使用に適している。適したイオン性液体は、例えば、WO2008/090156号に記載されている。
好ましいイオン性液体は、以下のものである:
a)以下の一般式(I)の塩
[A] [Y]n− (I)
(式中、nは1、2、3又は4であり、[A]は第四級アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン又はホスホニウムカチオンであり且つ[Y]n−は多原子の、一価の、二価の、三価の又は四価のアニオン又はこれらのアニオンの混合物である);
b)以下の一般式(II)の混合塩
[A[A[Y]n− (II.a)(式中、n=2)、
[A[A[A[Y]n− (II.b)(式中、n=3)、
[A[A[A[A[Y]n− (II.c)(式中、n=4)
(式中、[A、[A、[A及び[Aは独立して[A]について記載された群の中から選択され、且つ[Y]n−はa)の下で定義された通りである)
c)以下の一般式(III)の混合塩
[A[A[A[M[Y]n− (III.a)(式中、n=4)、
[A[A[M[M[Y]n− (III.b)(式中、n=4)、
[A[M[M[M[Y]n− (III.c)(式中、n=4)、
[A[A[M[Y] (III.d)(式中、n=3)、
[A[M[M][Y]n− (III.e)(式中、n=3)、
[A[M][Y]n− (III.f)(式中、n=2)、
[A[A[M2+[Y]n− (III.g)(式中、n=4)、
[A[M[M2+[Y]n− (III.h)(式中、n=4)、
[A[M3+[Y]n− (III.i)(式中、n=4)、
[A[M2+[Y]n− (III.j)(式中、n=3)
(式中、[A、[A、及び[Aは独立して[A]について記載された群の中から選択され、[Y]n−はa)の下で定義された通りであり且つ[M、[M、及び[Mは一価の金属カチオンであり、[M2+は二価の金属カチオンであり且つ[M3+は三価の金属カチオンである)。式(III.a)〜(III.j)の金属カチオン[M、[M、[M、[M2+及び[M3+は、一般的に、周期表の第1族、第2族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族及び第14族の金属カチオンである。好適な金属カチオンは、例えば、Li、Na、K、Cs、Ag、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びAl3+である。
好ましいのは、群A及び群Bの塩、特に群Aの塩である。
式(I)、(II)及び(III)による適したイオン性液体はWO2008/090156号に記載されている。イオン性液体のカチオン[A]を形成するのに適した化合物は、DE−A10202838号に記載されている。これらの化合物は、好ましくは、少なくとも1個のヘテロ原子、例えば、1〜10個のヘテロ原子を含み、該原子は、好ましくは窒素、酸素、リン及び硫黄原子の中から選択される。好ましいのは、少なくとも1個の窒素原子を含み、適切であれば、追加的に、窒素とは異なる少なくとも1個の更なるヘテロ原子を含む化合物である。好ましいのは、少なくとも1個の窒素原子、特に好ましくは1〜10個の窒素原子、特に1〜5個の窒素原子、非常に特に好ましくは1〜3個の窒素原子、特に1個又は2個の窒素原子を含む化合物である。該窒素化合物は、酸素、硫黄又はリン原子などの更なるヘテロ原子を含み得る。
窒素原子は、例えば、イオン性液体のカチオンにおいて適した正電荷のキャリアである。窒素原子がイオン性液体のカチオンの正電荷のキャリアである場合、カチオンは、最初に、イオン性液体の合成において、窒素原子、例えば、アミン又は窒素複素環の四級化によって生成し得る。四級化は窒素原子のプロトン付加によって実施され得る。使用されるプロトン化剤に応じて、異なるアニオンを有する塩が得られる。それ自体の四級化で所望のアニオンを形成することができない場合、合成の更なる工程がもたらされ得る。例えば、アンモニウムハロゲン化物から出発する場合、ハロゲン化物は、ルイス酸と反応してハロゲン化物とルイス酸から錯アニオンを形成し得る。代替的に、ハロゲン化物イオンを所望のアニオンで置き換えることも可能である。これは、イオン交換によって又は強酸によるハロゲン化物イオンの置換によって(ハロゲン化水素の遊離による)、形成された金属ハロゲン化物の沈殿を用いて、金属塩の添加によって達成され得る。好適な方法は、例えば、Angew. Chem. 2000, 112、第3926頁〜第3945頁、及びそこに引用された参考文献に記載されている。
好ましいのは、少なくとも1つの5員環又は6員環の複素環、特に、少なくとも1つの窒素原子を有し、適切であれば、酸素又は硫黄原子を有する、5員環の複素環を含む化合物である。特に好ましいのは、1つ、2つ又は3つの窒素原子及び硫黄原子又は酸素原子を有する少なくとも1つの5員又は6員の複素環を含む化合物、非常に特に好ましくは2つの窒素原子を有する化合物である。更に好ましいのは芳香族複素環である。
特に好ましい化合物は、1000g/モル未満、非常に特に好ましくは800g/モル未満、特に500g/モル未満のモル分子量を有する化合物である。
好ましいカチオン[A]は、複素環化合物、例えば、WO2008/090156号に記載されたピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、イミダゾリニウムイオン、チアゾリウムイオン、オキサゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、イミダゾリジニウムイオン、アンモニウムイオン、グアニジニウムイオン、コリンイオン、ホスホニウムイオン及びスルホニウムイオンから選択される。
特に有用なイミダゾリウムイオンは、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−(1−プロピル)イミダゾリウム、1−(1−アリル)イミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)−イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−メチルイミダゾリウム、3−エチルイミダゾリウム、3−n−プロピルイミダゾリウム、3−n−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−プロプ−1−エン−3−イル−3−メチルイミダゾリウム及び1−プロプ−1−エン−3−イル−3−ブチルイミダゾリウムである。
特に有用なイミダゾリウムイオンは、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムである。
好ましい第三級アミンは、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチル−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルブチルアミン、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、N,N−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミン及びペンチル異性体から誘導される第三級アミンである。
特に好ましい第三級アミンは、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミンとペンチル異性体から誘導される第三級アミンである。3つの同一の基を有する更に好ましい第三級アミンは、トリアリルアミンである。
第四級アンモニウムイオンがC1〜18アルキルを用いる四級化によって誘導される第三級アミンの例は、ジエチル−n−ブチルアミン、ジエチル−tert−ブチルアミン、ジエチル−n−ペンチルアミン、ジエチルヘキシルアミン、ジエチルオクチルアミン、ジエチル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジ−n−プロピルブチルアミン、ジ−n−プロピル−n−ペンチルアミン、ジ−n−プロピルヘキシルアミン、ジ−n−プロピルオクチルアミン、ジ−n−プロピル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピル−n−プロピルアミン、ジイソプロピル−ブチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、ジイソプロピルヘキシルアミン、ジイソプロピルオクチルアミン、ジイソプロピル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジ−n−ブチルエチルアミン、ジ−n−ブチル−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、ジ−n−ブチルヘキシルアミン、ジ−n−ブチルオクチルアミン、ジ−n−ブチル−(2−エチルヘキシル)アミン、N−n−ブチルピロリジン、N−sec−ブチルピロリジン、N−tert−ブチルピロリジン、N−n−ペンチルピロリジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、Ν,Ν−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミン、N−n−プロピルピペリジン、N−イソプロピルピペリジン、N−n−ブチル−ピペリジン、N−sec−ブチルピペリジン、N−tert−ブチルピペリジン、N−n−ペンチルピペリジン、N−n−ブチルモルホリン、N−sec−ブチルモルホリン、N−tert−ブチルモルホリン、N−n−ペンチルモルホリン、N−ベンジル−N−エチルアニリン、N−ベンジル−N−n−プロピルアニリン、N−ベンジル−N−イソプロピルアニリン、N−ベンジル−N−n−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ−n−ブチル−p−トルイジン、ジエチルベンジルアミン、ジ−n−プロピルベンジルアミン、ジ−n−ブチルベンジルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジ−n−プロピルフェニルアミン及びジ−n−ブチルフェニルアミンである。
特に好ましいグアニジニウムイオンは、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサメチルグアニジニウムである。
カチオン[A]は、特に1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のカチオンの中から選択される。
上記の複素環カチオンの中では、イミダゾリウムイオン、イミダゾリニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピラゾリニウムイオン及びピラゾリウムイオンが好ましい。特に好ましいのは、イミダゾリウムイオンとDBU及びDBNのカチオンである。
アニオンとしては、原則的に全ての多原子アニオン、即ち、多原子アニオン(2つ以上の原子を有するアニオン)を使用することが可能である。
好ましいアニオン[Y]n−は、WO2008/090156号に記載される通り、擬ハロゲン化物及びハロゲン含有化合物、硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、燐酸塩、ホスホン酸塩、亜燐酸塩、ヒドロキシカルボン酸のアニオン、糖酸、サッカリン(o−安息香酸スルフィミド)、ホウ酸塩、炭酸塩、カルボン酸エステル、ケイ酸塩、ケイ酸エステル(salicic esters)、カルボキシルイミド(carboxylmides)、ビス(スルホニル)イミド、スルホニルイミド、メチド、アルコキシド、アリールオキシド、硫化水素、ポリスルフィド、多硫化水素及びチオレートから選択される。
イオン性液体のアニオン[Y]n−は、例えば、擬ハロゲン化物及び式:BF 、PF 、CFSO 、(CFSO、CFCO 、CClCO 、CN、SCN、OCNのハロゲン含有化合物の群から選択される。
好ましいアニオンは、例えば、擬ハロゲン化物及びハロゲン含有化合物の群、カルボン酸の群、硫酸塩、亜硫酸塩及びスルホン酸塩の群並びに燐酸塩の群から選択される。
好ましいアニオン[Y]n−は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、乳酸塩、サッカリン、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、亜硫酸塩、C1〜C4−アルキル硫酸塩、メタンスルホン酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、C1〜C4−ジアルキルリン酸塩及び硫酸水素塩である。特に好ましいアニオンは、ギ酸イオン(HCOO)、酢酸イオン(CHCOO)、プロパン酸イオン(CHCHCOO)、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン(CHSO )及びメトキシスルホン酸イオン(CHOSO )からなる群から選択される。
最も好ましくは、アニオン[Y]n−は酢酸イオン(CHCOO)である。
本発明の方法での使用に適したイオン性液体は、例えば、BASF Aktiengesellschaft社からBasionic(登録商標)の商品名で市販されている。本発明の方法で有利に使用され得る市販のイオン性液体の例は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート(EMIM CHSO、Basionic ST 35)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート(BMIM CHSO、 Basionic ST 78)、メチルイミダゾリウム硫酸水素塩(HMIM HSO Basionic AC 39)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩(EMIM HSO Basionic AC 25)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム硫酸水素塩(BMIM HSO Basionic AC 28)1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(EMIM Acetat、Basionic BC 01)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(BMIM Acetat、Basionic BC 02)である。
特に好ましいのは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(EMIM)、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセテート及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートである。
好ましくは、本発明は、上記のようにシート状セルロース含有材のコーティング方法であって、以下の工程:
a)少なくとも1種のグルカン(G)と少なくとも1種の溶媒(S)、好ましくはイオン性液体を含む組成物を調製する工程;
b)工程a)で得られた組成物を、フィルムを形成することによってシート状セルロース含有材の上に適用する工程;
c)任意にフィルムを乾燥する工程
を含む、前記コーティング方法に関する。
本発明の好ましい一実施態様では、少なくとも1種のグルカン(G)と溶媒(S)としての少なくとも1種のイオン性液体とを含む組成物をシート状セルロース材の上に適用する。好ましくは、グルカン(G)はイオン性液体に溶解する。
本発明の目的のために、「溶解した」(「溶液」又は「可溶化」)との用語は、液体状態への変換を指し且つグルカン材の溶液の生成、更に異なる可溶化状態への変換を含む。グルカン材が可溶化状態に変換される場合、個々のポリマー分子は、必ずしも完全に溶媒和殻で囲まれなくてもよい。重要なことは、グルカンが、可溶化の結果、液体状態になることである。従って、本発明の意味における可溶化質には、コロイド状溶液、微粒分散液、ゲル等も含まれる。溶解されない材料が残る場合、これは本発明のコーティング方法の達成にとって重要ではないことが多い。
組成物は、原則的に当業者に公知の方法を用いて、シート状セルロース含有材の上に適用され得る。好ましくは、組成物は、浸漬、吹付け、ローラ塗布、スキージング及びブレード塗布から選択される方法を用いて塗布される。好ましくは、組成物はブレードを用いて塗布される。組成物の塗布は、公知のサイジング又はコーティング装置、例えば、ブレードコーター、エアーナイフ、バーコーター、サイズプレス、フィルムプレス、トレイリングブレード(trailing blade)、ビルブレード、反転ブレード及びローラーブレードのうち少なくとも1つを用いて実施され得る。
グルカンフィルム、好ましくは、シゾフィランフィルムは、前記組成物をシート状材に直接適用することによって、例えば、上記のコーティング方法のうちの1つを用いて得られる。
別の実施態様では、グルカンフィルムが、最初に上記の塗布方法及び/又は装置のうちの1つを用いて移動材の上に形成され、その後、該フィルムがシート状セルロース含有材の上に移され得る。
前記移動材は、好ましくは疎水性ポリマー材料(例えば、ポリマー箔)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリシロキサン、Teflon(登録商標)、及びGoretex(登録商標)である。
特に、本発明は、上記のようなシート状セルロース含有材のコーティング方法であって、組成物のシート状セルロース含有材上への適用を、以下の工程:
b1)少なくとも1種のグルカン(G)及び少なくとも1種の溶媒(S)を含む組成物を、フィルムの形成によって疎水性移動材の上に適用する工程;それによって、移動材は好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリシロキサン、Teflon(登録商標)、及びGoretex(登録商標)から選択されるポリマーを含む(又はからなる);
b2)任意に工程b1)で得られるフィルムを、少なくとも1種の溶媒(S)、好ましくはC1〜6アルコール、好ましくはエタノールに曝す工程;
b3)工程b2)で得られるフィルムを、セルロース含有シート状材の上に、好ましくはローラ塗布及び/又はスキージングによって移す工程
によって実施する、前記コーティング方法に関する。
得られるフィルムは、好ましくは水;アルコール(好ましくはC1〜6アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール)、グリコール(好ましくはブチルモノグリコール、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール)、エーテル(好ましくはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチル−プロピルエーテル、グリコールエーテル)及びエステル(好ましくは酢酸エチル、n−ブチルアセテート、プロピレンベースのグリコールエステル)又は前記溶媒の混合物、更に好ましくはC1〜6アルコール、更に好ましくはエタノールから選択される少なくとも1種の溶媒(S)(工程b2)に曝され得る。特にイオン性液体が、この工程でフィルムから部分的に又はほぼ完全に除去される。
好ましくは、移動材からシート状セルロース含有材上へのフィルムの移動は、グルカンフィルムを有する移動材をシート状材の上に置き、その際、フィルム側がセルロース含有材に面して配置され、そして該材のローラ塗布及び/又はスキージングを行うことによって実施してよい。
任意に、移動材は工程b3)の後にフィルムから除去される。
グルカンフィルムは、安定な自立フィルムでもあり得る。本発明の一実施態様では、工程b1)及び/又は工程b2)で得られるグルカンフィルムは、好ましくはグルカンフィルムを移動材から剥離することによって、移動材から離され得る。本発明は、フィルムが移動材から離され、その後、シート状セルロース含有材の上に移される、上記のようなコーティング方法に関する。任意に、グルカンフィルムは、移動材からの剥離の前後に乾燥されてよい。
この態様では、本発明は、グルカンフィルムの製造方法であって、以下の工程:
i)β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する、少なくとも1種のグルカン(G)、並びに少なくとも1種の溶媒(S)、好ましくは少なくとも1種のイオン性液体を含む組成物を、疎水性移動材の上に、グルカンフィルムを形成することによって適用する工程;それによって、移動材が好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリシロキサン、Teflon(登録商標)及びGoretex(登録商標)から選択されるポリマーを含む(又はからなる);
ii)任意に、得られたグルカンフィルムを少なくとも1種の溶媒(S)、好ましくはC1〜6アルコール、更に好ましくはエタノールに曝す工程;
iii)得られたグルカンフィルムを、好ましくはグルカンフィルムを移動材から剥離することによって、移動材から離す工程;
iv)任意に得られたグルカンフィルムを乾燥させる工程
を含む、前記製造方法に関する。
更に、本発明は、本質的にグルカン(G)を含む又はそれからなる自立フィルムであって、該グルカンが、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する、前記フィルムに関する。好ましくは、本発明は、自立シゾフィランフィルムに関する。本発明は、上記のようなグルカンフィルムの製造方法によって得られるグルカンフィルムに関する。
特に、シート状セルロース含有材は、紙、ボール紙、画用紙及び木綿布から選択される。好ましくは、本発明は、セルロース含有材が紙、ボール紙、画用紙及び木綿布から選択され、コーティングによって1〜1,000μm、好ましくは10〜200μm、更に好ましくは1〜100μmの範囲の膜厚のコーティング層が得られる、方法に関する。
本発明に関して「紙」又は「紙製品」とは、繊維のシート状材、特に機械的又は化学的処理した植物繊維のシート状材を意味しており、その際、紙は、通常、特に更なる添加剤、例えば、充填剤、染料又はサイズ剤の添加の下で、篩いを用いて繊維懸濁液の脱水によって作られる。本発明に関して「紙」又は「紙の製品」は、グラフィック用紙(例えば、印刷紙)、荷造り紙(例えば、ボール紙、段ボール)、家庭用及び生理用紙及び特殊紙として理解され得る。紙製品は、それらの位置関連の質量を特徴とし得る。DIN6730によれば、紙は、通常、225g/m以下の範囲で位置関連質量(site-related weight)を有し、ボール紙は、225g/mを上回る位置関連質量を有する。
得られるコーティング層は、好ましくは1〜1,000μm、好ましくは10〜200μm、更に好ましくは1〜100μmの範囲の膜厚を有する。
更に、本発明は、
i)β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する、少なくとも1種のグルカン(G)、好ましくはシゾフィラン及び/又はスクレログルカン、最も好ましくはシゾフィラン;
ii)少なくとも1種のイオン性液体;及び
iii)任意に少なくとも1種の更なる添加剤(A)
を含む組成物に関する。
特に好ましいのは、コーティング方法に関連した上記のような成分(グルカン(G)、溶媒(S)、添加剤(A))である。
好ましくは、該組成物は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(EMIM)、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセテート及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートから選択される少なくとも1種の液体を含む。
特に、グルカン(G)、好ましくはシゾフィランの量は、(全組成物を基準として)0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
更に、本発明は、コーティング層を含む被覆されたシート状セルロース含有材であって、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する、少なくとも1種のグルカンを含む、該セルロース含有材に関する。好ましいのは、コーティング方法に関連した上記のグルカン(G)であり、特に、コーティング層は、シゾフィラン及び/又はスクレログルカン、好ましくはシゾフィランを含む(好ましくは本質的にそれからなる)。
好ましくは、シート状材は、1〜1,000マイクロメートル(μm)、好ましくは10〜200μm、更に好ましくは1〜100μmの範囲の厚さを有するコーティング層を含む。
本発明は更に上記の方法によって得られるコーティング層を含むシート状セルロース含有材に関する。
好ましくは、被覆されたシート状セルロース含有材は、疎水性の表面を示す。疎水性表面又は疎水性コーティングは、本発明に関しては、表面が、水に対して測定された100°よりも高い接触角(CA)の値を示すことを意味し、その際、100°よりも高い接触角は、少なくとも60秒、好ましくは少なくとも100秒、更に好ましくは少なくとも180秒の間安定である。
更に、本発明は、前記被覆シート状セルロース含有材を、食品用の包装材、例えば、全種類の疎水性表面の紙及び紙製品、例えば、コーヒーカップ、紙皿、サンドイッチ紙として用いる使用に関する。
更に、本発明は、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と該主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有するグルカンを、シート状セルロース含有材、好ましくは紙製品のコーティングに用いる使用に関する。好ましいのは、上記のようなグルカンの使用、特にシゾフィランの使用である。
本発明は、以下の実施例によって更に詳細に記載されている。
図1は基本紙及びシゾフィラン被覆紙の時間依存性の接触角(CA)を示す。
実施例1:シゾフィランの調製:
スエヒロタケを実験に使用し、即ち、"Udo Rau, Biopolymers, Editor A. Steinbuechel, WILEY-VCH Publishers, 2002, 第6巻、第63頁〜第79頁"に記載されるようなシゾフィランを、バッチ発酵で調製した。発酵時間は約96時間であった。この発酵ブロス(=供給物)99.6kgを容器に導入し、ポンプにより4バールの圧力で7m/時の循環速度で45分間循環させた。容器の含有量を分析し、1リットル当り9.8グラムのシゾフィランの含有量を測定した。
次に、循環速度を5.1m/時に設定し、1.1バールの膜内外圧力をかけた。膜内外流量は5m/秒であった。フィルターモジュールから出る透過水を集めて、重さを量った。実験の最初の10分間は、0.75kgの透過水が得られた。これは20.4kg/時/mの透過水量に相当する。膜内外圧力は2.9バールであった。濾過を16時間行った。
グルカン含有量は8.97g/lグルカンとして測定した。真菌タンパク質、特にヒドロホビンは、使用される精製された発酵ブロスでは検出されなかった。
実施例2:シゾフィランの単離及び特性決定
実施例1で得られる水溶液を、4〜8.97g/lグルカン含有量の濃度でエタノールに注ぎ、シゾフィランを沈殿させた。
この沈殿を濾過し、真空下で乾燥させるか又は冷凍乾燥させた。材料を空気中で乾燥させると、半乾燥ゲル状材が得られた。構造的な調査を、分析方法に応じてオーブン乾燥材で又はゲルで実施した。材料を、クライオSEM(走査電子顕微鏡)及びクライオTEM(透過型電子顕徽鏡法)によってエタノール中のゲルとして及びIR(赤外分光法)及びCP−MAS NMR(交差偏波マジック角スピン核磁気共鳴分光法)によって乾燥形として分析した。
実施例3に記載されるような紙コーティング用のフィルムを、乾燥されていないゲル状材(ゲル)を用いて作った。イオン性液体を用いて実施例4に記載されるような紙コーティング用のフィルムは、未乾燥のゲル状材(ゲル)、更には空気で半乾燥させたゲルを用いて作った。
ゲルの一部を真空オーブン内で乾燥させると硬い固体物質が得られた。水が完全に構造物から除去された時に、水素結合が、個々のポリマー鎖の間に形成され、より大きな構造物の実体、即ち、アグリゲートを形成した。ゲル状材が、完全に乾燥した材料よりも良好な溶解性を示すことが判明した。ゲルに含有される有意量の水が、取り扱いをより適切にするので、該材を紙コーティングの研究に使用した。
構造的な調査の結果を以下にまとめた:オーブンで乾燥した材料から固体状態CP−MAS NMRを記録した。シゾフィラン構造が、XRD(粉末X線回析)でも見える三重らせん構造を非常に硬く形成することが判明した。この三重らせんは、5×10g/モルの分子量までほぼ完全に硬質であると考えられる。
この非常に規則的な構造と乾燥した材料の結晶充填がCP−MAS NMR(交差偏波マジック角スピンNMR)スペクトルで見られた。更にCP−MAS NMRスペクトルでは、シゾフィラン溶液中に存在する幾らかの不純物と他の分泌された分子を特徴付けた(例えば、真菌によって生成したタンパク質(例えば、ヒドロホビン))。
視覚化するために、シゾフィランクライオ−TEMとクライオ−SEMの可能な網目状構造の像がエタノール中のゲルから取られた。試料は、網目状の多孔質構造を示し、更には、整列した長いフィブリルを示した。フィブリルの長さは、狭い直径と比較的高いアスペクト比で数百マイクロメートルにわたって良好であると思われる。
実施例3:紙のシゾフィランコーティング
実施例2に記載される通りに調製された、シゾフィラン含有ゲルを、正規の印刷紙の上に及びポリマーフィルム(疎水性移動材)、Goretex(登録商標)層又はTeflon(登録商標)紙のいずれかを用いることによって未被覆の原料紙の上に適用した。
シゾフィランコーティング用の基本紙として次の異なる紙を使用した:
基本紙I:原料紙(カバノキのパルプ/マツのパルプ70:30を含む未被覆紙)
基本紙II:標準的な印刷紙(被覆紙、Future multitech)
シゾフィランゲルを、紙とフィルム(Goretex(登録商標)又はTeflon(登録商標))との間でスキージングして、乾燥させた。Goretex(登録商標)又はTeflon(登録商標)の乾燥後、フィルムを取出した。
光沢があり且つ薄いシゾフィランのフィルムが紙の表面で得られた。これらのフィルムの疎水性を調べるために、接触角(CA)並びに時間依存CAを、実施例5に記載される通りに測定して表1と図1にまとめた。
更に、得られた乾燥フィルムを、実施例6に記載される通りにSEM走査型電子顕微鏡法によって分析し、その際、膜形状と厚さを測定した。
実施例4:シゾフィランとイオン性液体を含む組成物を用いる紙のシゾフィランコーティング
実施例1による1リットルのグルカン混合透過水(8.97g/lグルカン)を水で1:1に希釈し、2リットルのエタノールに注ぎ込んだ。この沈殿を濾過しプレスした。8.24gのエタノール水含有シゾフィランを、412gのイオン性液体1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−アセテート(EMIM)中に85℃で一晩溶解すると、約2質量%のシゾフィランの溶液が得られた。約2質量%のシゾフィランの溶液を、それに応じて半乾燥したゲル状シゾフィラン材を用いて調製し、空気中で乾燥させた(実施例2を参照のこと)。
この溶液を、次いでブレードを用いてPE(ポリエチレン)プラスチックフィルムに適用した。次の異なるブレードを使用してフィルムを得た:150μm、200μm、500μm及び1200μm。
イオン性液体をフィルムから溶出させるためにシゾフィランでコーティングされたPEフィルムをエタノール中に置いた。その後、得られたシゾフィラン含有フィルムを印刷紙に移し、PEプラスチックフィルムを、紙側にグルカンフィルムを有する基本紙(基本紙I及びII)の上に置いて、グルカンフィルムをスキージングによって紙に移した。PEフィルムを取り除いた。移したグルカンフィルムを、室温で乾燥させた。得られたシゾフィラン含有フィルムS1は、実施例6に記載される通りに電子顕微鏡によって測定して約4μmの厚さを示した。
次の異なる紙を、シゾフィランコーティング用の基本紙として使用した:
基本紙I:原料紙(カバノキのパルプ/マツのパルプ70:30を含む未被覆紙)
基本紙II:標準的な印刷紙(被覆紙、Future multitech)
上記の通りに得られた第2のシゾフィランコーティングフィルムS2を最初に乾燥されたフィルムの上に置いた。得られたシゾフィランフィルムS2は、約8μmの厚さを示す。更に、被覆紙の試料を、200μmのブレードを用いて得られる3つの単独フィルムの合計を適用することによって調製した。この得られたシゾフィランフィルムS3は約12μmの厚さを示す。
ブレード200μm/20cmによって得られる12μm(S3)の厚さを有するシゾフィラン含有フィルムを、実施例7に記載される通りに油の浸透試験に使用した。
更に、4μm(S1)及び12μm(S3)の厚さを有する、ブレード200μm/20cmによって上記の通りに得られたシゾフィランコーティングから得られた、接触角(CA)測定の結果を、実施例5に記載される通りに測定し且つ表1及び図1にまとめた。
実施例5:接触角(CA)測定
実施例3及び4に記載される通りに調製された基本紙上でのシゾフィランフィルムの疎水安定性を、時間依存性のCAによって測定した。3つの水の液滴を、それぞれ、紙表面に接触したフィルム表面に置いた。接触角を120秒にわたり秒毎に測定した。測定は3回行った。表1では、0秒、10秒、60秒及び100秒後の接触角の結果をまとめた。図1は時間依存性の接触角(CA)を示す。
更に、次の使用される基本紙の時間依存性の接触角を測定した:
i)基本紙I:原料紙(カバノキのパルプ/マツのパルプ70:30を含む未被覆紙)
ii)基本紙II:標準的な印刷紙(被覆紙、Future multitech)
標準的な印刷紙(基本紙II)の表面と裏面を試験した。
シゾフィランコーティングの接触角が使用される基本紙I及びIIの両方についてほぼ同じであることが更に判明した。
Figure 2014511946
接触角が記載されていない場合、水滴は既に完全に表面に吸収されていた。
結果を更に図1に示す。図1は、水滴を用いることによる基本紙の及びシゾフィラン被覆紙の時間依存性の接触角(CA)を示す。
図1の説明:
x軸:秒で示した時間t(秒)
y軸:°で示した水に関する接触角CA(度)
白の四角:試料5
黒の三角:試料6
黒の菱形:試料2
黒の四角:試料3
白の菱形:試料4
十字:試料1
一般的に、100°よりも高い水に対して測定されたCA値を有する材料は疎水性であると考えられる。図1から分かるように、これは未処理のセルロース表面(紙)が水を非常に急速に吸収することを示す。十字を有する曲線は、未被覆の原料紙(基本紙I)の接触角(CA)を示す。黒の菱形及び黒の四角を有する曲線は、未被覆の印刷紙(基本紙II)の時間依存性の接触角(CA)を示す。基本紙IIの初期の疎水性は、シゾフィラン被覆紙とほぼ同じであるが、未処理紙の疎水性は、20秒後に既に劇的に低下した。このことから、表面上の水滴の接触角が非常に速く低下し、水滴が数秒から最大100秒以内にほぼ完全に紙表面に吸収されたことが判明し得る。
ところが、異なるシゾフィラン被覆表面の疎水性(白の四角、黒の三角及び白の菱形によって示す)は少なくとも180秒間一定のままである。図1と表1から分かるように、これらの接触角は、シゾフィラン被覆紙の場合、時間と共にわずかな減少が示すようにほぼ同様のままであった。接触角は、60秒でおよそ3°減少した。これは明らかにフィルムの疎水性を示す。
表面粗さ及び可能な配向係数の効果を見るために、紙上のシゾフィランフィルムを機械的に擦った。この処理後、CA値を再び測定すると、前とほぼ同じ値が得られた。これらの結果は、機械的応力に対するシゾフィランフィルムの安定性とシゾフィランフィルムの配向性の欠如を実証した。
実施例6:紙の上のシゾフィランコーティングの特性
実施例4によって得られるシゾフィランコーティングの形態を、走査型電子顕微鏡法(SEM)によって調べた。シゾフィランコーティングは、増大した膜厚を有する滑らかな表面であると考えられた。コーティングが厚い場合の切片中では、このフィルムの形態は非常に滑らかであり、未被覆紙の繊維のフィブリル構造を完全に覆っている。明らかに分かるのは、シゾフィランが一定の形態で紙の上の均質なフィルムを形成することが可能であったことである。このフィルムが紙のフィブリル構造内部への水滴の浸透を防止する障壁として機能するので、フィルムの形態は向上した紙の疎水性を十分に説明している。
試験片を被覆紙の中心からカットした。試験片をEpofix樹脂中に埋込んだ。最初に埋込まれた試験片を室温でカットし、電子顕微鏡を用いて画像化し、その際、走査型電子顕微鏡(SEM)、Hitachi 4700、2kVを使用した。
実施例7:油浸透試験
格子パターンを有するサイズ10cm×10cmの紙を底部に置いた。バリア被覆した試料(例えば、シゾフィラン被覆紙)を、上側をコーティングして格子パターン紙の上に置いた。最後の層はサイズ10cm×10cmの吸取紙であった。
2mlのオレイン酸を吸取紙の上に(例えば、ピペットで)滴加した。3つの紙層を一緒に60℃の温度で乾燥棚に置いた。下部の紙の上の染みのある正方形を、60℃で1時間、2時間及び16時間後に係数した。染みの全領域を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014511946
これらの実験は、シゾフィラン層で被覆された紙が、未処理の紙と比較して優れた耐油性を有することを示す。

Claims (15)

  1. β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する少なくとも1種のグルカン(G)、及び少なくとも1種の溶媒(S)を含む組成物を、シート状材の表面の上に適用することによる、シート状セルロース含有材のコーティング方法。
  2. 少なくとも1種のグルカン(G)がシゾフィランである、請求項1に記載の方法。
  3. 適用される組成物が70〜99.9質量%の少なくとも1種の溶媒(S)、0.1〜30質量%の少なくとも1種のグルカン(G)及び任意に0〜15質量%の少なくとも1種の更なる添加剤(A)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 少なくとも1種のイオン性液体が溶媒(S)として使用される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 以下の工程:
    a)少なくとも1種のグルカン(G)及び少なくとも1種の溶媒(S)を含む組成物を調製する工程;
    b)工程a)で得られる組成物を、フィルムを形成することによってシート状セルロース含有材の上に適用する工程;
    c)任意にフィルムを乾燥させる工程
    を含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 組成物の、シート状セルロース含有材の上への適用を、以下の工程:
    b1)少なくとも1種のグルカン(G)及び少なくとも1種の溶媒(S)を含む組成物をフィルムを形成することによって疎水性移動材の上に適用する工程;
    b2)任意に工程b1)で得られるフィルムを少なくとも1種の溶媒(S)に曝す工程、
    b3)工程b2)で得られるフィルムをセルロース含有シート状材の上に移す工程
    によって実施する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. セルロース含有材が、紙、ボール紙、画用紙及び木綿布から選択され、コーティングによって1〜1,000μmの範囲の膜厚のコーティング層が得られる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 組成物を、浸漬、吹付け、ローラ塗布、スキージング及びブレード塗布から選択される方法を用いて適用する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 組成物であって、
    i)β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する少なくとも1種のグルカン(G);
    ii)少なくとも1種のイオン性液体;及び
    iii)任意に少なくとも1種の更なる添加剤(A)
    を含む前記組成物。
  10. 少なくとも1種のイオン性液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(EMIM)、1,3−ジエチルイミダゾリウムアセテート及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテートから選択される、請求項9に記載の組成物。
  11. グルカン(G)の量が0.1〜30質量%の範囲である、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. コーティング層を含む被覆されたシート状セルロース含有材であって、β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と、主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有する、少なくとも1種のグルカンを含む、前記被覆されたシート状セルロース含有材。
  13. シート状材が1〜1000μmの範囲の厚さを有するコーティング層を含む、請求項12に記載の被覆されたシート状材。
  14. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法によって得られるコーティング層を含む、被覆されたシート状セルロース含有材。
  15. β(ベータ)−1,3−グリコシド結合した主鎖と該主鎖へのβ(ベータ)−1,6−グリコシド結合を有する少なくとも1つの側基とを有するグルカンを、シート状セルロース含有材のコーティングに用いる使用。
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