JP2014510171A - 印刷可能な酸化アルミニウムインクの処方物 - Google Patents
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Abstract
Description
● 例えば光学コンポーネントなどのための、抗反射被覆
● 例えば鋼鉄などの、腐食保護被覆
● 引っかき保護シール
● 表面シール
● 表面の疎水化または親水化
● 膜または膜材料の合成
● 触媒用途のための支持材料の合成
● 焼結セラミックおよび焼結セラミックコンポーネントの前駆体
○ 集積回路の製造におけるスピンオンガラス(「SoG」)
○ 集積回路の製造における個々のメタライゼーション平面の間の誘電体バッファ層(「孔質MSQ」)
○ プリント回路のための印刷可能な誘電体層、一般的に印刷可能な電子機器および特に印刷可能な有機電子機器
○ 電気スイッチおよび回路のための印刷可能な誘電体層
○ 一般的に半導体のための
○ 特にシリコンのための、および殊にシリコンウエハーのための、および特に結晶シリコン太陽電池の製造のための物のための
○ 一般的に半導体
○ 特にシリコンおよび殊にシリコンウエハーのための、および特に結晶シリコン太陽電池の製造のための物のための
● 一般的に半導体表面のおよび特にシリコンの電気的不導体化
さまざまなSiO2層の潜在的な使用およびかかる層の特性を変化させるさまざまな方法があるが、被覆表面の新規のおよび改善された特性を生じせしめる匹敵する特性を有する利用可能な代替の被覆を有することができることが所望される。それゆえ本発明の目的は、この種の代替の層の製造方法を提供することおよび薄い障壁層または拡散層を製造するためのこの種の新規組成物の使用を促進することの両方である。
本発明の目的はAl2O3被覆または混合Al2O3ハイブリッド層の形成のための、印刷可能な、立体的に安定化されたインクを使用することにより達成される。本発明によるインクは、Al2O3およびホウ素、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、亜鉛、スズ、リン、チタン、ジルコニウム、イットリウム、ニッケル、コバルト、鉄、セリウム、ニオブ、ヒ素および鉛酸化物の群から選択される元素の1種または2種以上の酸化物の形成のための前駆体からなることができ、ここで該インクは対応する前駆体の導入により得られる。好ましいのは、少なくとも1種の疎水性成分および少なくとも1種の親水性成分との、および任意に少なくとも1種のキレート剤との混合により獲得される、立体的に安定化されたインクの使用である。さらに、これらのインクは好ましくは、1,3−シクロヘキサジオン、サリチル酸および構造的に関連する化合物の群から選択される少なくとも1種の疎水性成分、ならびにアセチルアセトン、ジヒドロキシ安息香酸およびトリヒドロキシ安息香酸の群から選択される少なくとも1種の中程度の親水性化合物またはその構造的に関連する化合物、キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミテトラメチレンホスホン酸(EDTPA)またはジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DETPPA)などあるいは構造的に関連する錯化剤または対応するキレート剤を含む。
SiO2およびシラン末端シリコンウエハー表面に対して非常に良好なぬれおよび接着特性を有する、アルコール性およびポリオキシル化(polyoxylated)溶媒に基づく、4〜5の範囲の、好ましくは4.5未満の酸性pHを有する、本発明による立体的に安定化されたAl2O3インクは、均質な、不浸透性の、つまり拡散不浸透性の、層の形成のために、有利に採用することができる。
○ 例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、プロパルギルアルコールおよび10個以下のC原子(C≦10)を有する同族体など
○ 例えばアルキル化された、任意の所望の程度の分枝を有する2級および3級アルコール、例えば、イソプロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールおよびその同族体など、好ましくはイソプロパノールおよび2−ブタノール
○ 例えばグリコール、ピナコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパントリオールおよびさらなる分枝同族体など
○ モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン
○ メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノールフェノキシエタノールおよび他の物など
○ ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジペンチルエーテルおよび他の物
○ プロピレングリコール、メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、フェノキシプロピレングリコールおよび他の物。
● ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,4−じおきさん、1,3−ジオキサン、アセトン、アセチルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチルメチルケトン、ジエチルケトンおよび他の物。
○ ギ酸、酢酸、アセト酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ〜トリクロロ酢酸、フェノキシ酢酸、グリコール酸、ピルビン酸、グリオキシル酸、シュウ酸、プロピオン酸、クロロプロピオン酸、乳酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、グリセリン酸、吉草酸、トリメチル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、グリシンおよびさらにα−アミノ酸、β−アラニン、マロン酸、コハク酸、マレイン酸およびフマル酸、リンゴ酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、アセチレンジカルボン酸、酒石酸、クエン酸、オキサロ酢酸、安息香酸、アルキル化およびハロゲン化、ニトロ化および水酸化安息香酸、例えばサリチル酸、およびさらに同族体、
● ニトリロ三酢酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)。エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレングリコールジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレングリコールトリアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレンテトラアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラアミン六酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサキス(メチレンホスホン酸)、シクロヘキサンジアミン四酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、エチドロン酸、イミノ二酢酸、イミノビス(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、MIDA、MIDAPO、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン四酢酸、トリメチレンジニトリロ四酢酸、2−ヒドロキシトリメチレンジニトリロ四酢酸、マルトール、エチルマルトール、イソマルトール、コウジ酸、ミモシン、ミモシン酸、ミモシンメチルエーテル、1,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、1,2−ジエチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、1−メチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、1−エチル−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、1−メチル−2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、1−プロピル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、3−ヒドロキシ−2−ピリジノン(複数)、3−ヒドロキシ−1−ピリジンチオン(複数)、3−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(複数)、乳酸、マレイン酸、D−グルコン酸、酒石酸、8−ヒドロキシキノリン、カテコール、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ナフタル酸(ナフタレン−1,8−ジカルボン酸)、3,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、ドーパミン、L−ドーパ、デスフェラールまたはデスフェリフェリオキサミン−B、アセトンヒドロキサム酸、1プロピル−および1−ブチル−および1−ヘキシル−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、1−フェニル−および1−p−トリル−および1−p−メトキシフェニルおよび1−p−ニトロフェニル−2−メチル−3−ヒドロキシ−4−ピリジノン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−2−オキサゾリン、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−2−ベンゾオキサゾール、2,X−ジヒドロキシ安息香酸(ここで、X=3,4,5.6)、他のアルキル化、ハロゲン化、ニトロ化2,X−ジヒドロキシ安息香酸、サリチル酸およびそのアルキル化、ハロゲン化およびニトロ化誘導体、例えば4−ニトロ−および5−ニトロ−サリチル酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、他のアルキル化、ハロゲン化、ニトロ化3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、他のアルキル化、ハロゲン化、ニトロ化2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシテレフタル酸、他のアルキル化、ハロゲン化、ニトロ化2,3−ジヒドロキシテレフタル酸、モノ−、ジ−およびトリヒドロキシフタル酸、および他のそのアルキル化、ハロゲン化、ニトロ化誘導体、2−(3’、4’−ジヒドロキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3,5,7−トリオール(タンニンからの成分)、マロン酸、オキシ二酢酸、オキサロ酢酸、タルトロン酸、リンゴ酸、コハク酸、馬尿酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、アセト酢酸、エタノールアミン(複数)、グリシン、アラニン、β−アラニン、アラニンヒドロキサム酸、α−アミノヒドロキサム酸、ロドトルル酸、1,1’,1’’−ニトリロ−2−プロパノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、N−(トリス(ヒドロキシメチル)メチル)グリシン、エチレンジアミンテトラ−2−プロパノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N−(トリス(ヒドロキシメチル)メチル)−2−アミノエタンスルホン酸、ペンタエリトリトール、N−ブチル−2,2’−イミノジエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アセチルアセトン、1,3−シクロヘキサンジオン、およびさらなる置換(またはアルキル化、ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化、カルボキシル化)類似体および上述の錯化およびキレート剤の誘導体、ならびにその塩、好ましくはアンモニウム塩、および
かかる添加剤は、以下のものであることができる:
● 界面活性剤、ぬれおよび乾燥挙動に影響を与えるための界面活性化合物
● 乾燥特性に影響を与えるための消泡剤および澄泡剤、
● 粒子径分布、前縮合の程度、縮合、ぬれおよび乾燥挙動および印刷特性に影響を与えるための、さらなる高沸点および低沸点極性プロトン性および非プロトン性溶媒
● 粒子径分布、前縮合の程度、縮合、ぬれおよび乾燥挙動および印刷特性に影響を与えるための、さらなる高沸点および低沸点非極性溶媒
● レオロジー特性(構造粘度、チキソトロピー、流動限界、など)に影響を与えるためのポリマー、
● レオロジー特性に影響を与えるための粒子状添加剤、
● 乾燥フィルムの引っかき抵抗に影響を与えるための粒子状添加剤(例えば水酸化アルミニウムおよび酸化アルミニウム、二酸化ケイ素)、
● ハイブリッドゾルの形成のためのホウ素、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、亜鉛、スズ、リン、チタン、ジルコニウム、イットリウム、ニッケル、コバルト、鉄、セリウム、ニオブ、ヒ素、鉛およびその他のものの酸化物、水酸化物、塩基性酸化物、アルコキシド、前縮合アルコキシド、
● 半導体、特にケイ素に対しドーピング作用を有する処方物の処方のための、ホウ素およびリンの特に単純およびポリマー酸化物、水酸化物、アルコキシド。
● スピンコートまたは浸漬被覆、ドロップキャスティング、カーテンまたはスロットダイ被覆、スクリーンまたはフレキソ印刷、グラビアまたはインクジェットまたはアエロゾルジェット印刷、オフセット印刷、ミクロ接触印刷、電気流体力学分配、ローラーまたはスプレー被覆、超音波スプレー被覆、パイプ噴射、レーザー転写印刷、パッド印刷、回転スクリーン印刷および他のもの。
この一覧は限定的であると考えられるべきではなく、そして本発明によるインクの印刷または選択的適用のためのさらなる方法が追加的に可能である。
薄膜太陽電池モジュールからの薄膜セルの製造、
有機太陽電池の製造、
印刷回路および有機エレクトロニクスの製造、
薄膜トランジスタ(TFT)、液晶(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)および接触感知容量性および抵抗性センサーの技術に基づくディスプレイ素子の製造。
例1:
50mlのイソプロパノール中の0.6gのアセチルアセトンをまず、100mlの丸底フラスコの中に導入する。2.5gのアルミニウムトリ−sec−ブトキシドを溶液へと添加し、そして混合物を10分間攪拌する。2.3gの酢酸を添加してブトキシドを中性化させそしてインクのpHを調整し、そして混合物を再び10分攪拌する。1.2gの水を添加し、部分的に保護されたアルミニウムアルコキシドを加水分解し、そして溶液を10分間攪拌しそして放置して熟成させる。約3時間後、溶液は濁り、約3日後に粘液性の沈殿が堆積する。沈殿は25mlの水の添加により溶解させることができる。しかし、得られた溶液はHFおよびRCA洗浄ウエハー上の両方において貧弱な被覆特性を有する。インクのぬれ挙動はこのようにして調製されたインクへの界面活性剤の添加により改善されたが、得られた層内に固体の蓄積が形成され、これはインク内の主要な凝縮物のミセル様安定化により示される。同じ結果がアセチルアセトンに対するアルミニウムの0.5〜3の混合比において得られるが、沈殿物を溶解させるのに必要な水の量は低減する。より多量の水がまた、クエン酸、シュウ酸およびアスコルビン酸での沈殿を溶解させるために必要とされる。
50mlのメタノール中の0.6gのアセチルアセトンをまず、100mlの丸底フラスコ中に導入する。2.5gのアルミニウムトリ−sec−ブトキシドを溶液へと添加し、混合物を10分間攪拌する。2.3gの酢酸を添加して、ブトキシドを中性化してインクのpHを調整し、そして混合物を再び10分間攪拌する。1.2gの水を添加し、部分的に保護されたアルミニウムアルコキシドを加水分解し、そして溶液を10分間攪拌しそして放置して熟成させる。溶液中の固体含有量は6重量%へと増加させることができ、ここで対応する量の酢酸およびアセチルアセトンが用いられるべきである。溶液は数か月間安定であるが、メタノールは、さまざまな印刷法による適用に対しては好適であるためには、不適切な粘性を有する。メタノールのグリコールエーテルまたはイソプロパノールとの混合物の場合、沈殿形成は同じ条件下で数日以内に生じる。
50mlのイソプロパノール中の0.8gのサリチル酸をまず、100mlの丸底フラスコ中に導入する。2.5gのアルミニウムtri−sec−ブトキシドを添加し、そして混合物を10分間攪拌する。2.3gの酢酸を添加し、ブトキシドを中性化しそしてインクのpHを調整し、そして混合物を再び10分間攪拌する。1.2gの水を添加して部分的に保護されたアルミニウムアルコキシドを加水分解し、そして溶液を10分間攪拌し、そして放置して熟成される。水の添加の直後に、濁った懸濁液が形成し、そこから沈殿のみが非常にゆっくりと堆積する(20日の経過をかけて)。沈殿は水の添加によっても溶解させることができない。
25mlのイソプロパノールおよび25mlのジエチレングリコールモノエチルエーテル中の3gのサリチル酸および1gのアセチルアセトンをまず、100mlの丸底フラスコ中に導入する。4.9gのアルミニウムトリ−sec−ブトキシドを溶液中へと添加し、そして混合物を10分間攪拌する。5gの酢酸を添加して、ブトキシドを中性化してインクのpHを調整し、そして混合物を再び10分間攪拌する。1.7gの水を添加して部分的に保護されたアルミニウムアルコキシドを加水分解し、そしてわずかに黄色の溶液を10分間攪拌しそして放置して熟成させる。固体含有量は6%へと増加させることができる。インクは、理想的な被覆特性および効率的な乾燥を有する、>3か月の安定性を呈する(図1および2を参照)。
30gのジエチレングリコールモノエチルエーテル中の2gのサリチル酸および0.8gのアセチルアセトンをまず、100mlの丸底フラスコ中に導入する。5.2gのアルミニウムトリ−sec−ブトキシドおよび0.2gの酢酸を溶液へと添加し、そして混合物を10分間攪拌する。そして1.5gの水を添加し、部分的に保護されたアルミニウムアルコキシドを加水分解させ、そしてわずかに黄色の溶液を10分間攪拌してそして放置して熟成させる。
より低い濃度(<0.7g)においてもまた、酢酸または他の酸を添加することなく理想的な被覆特性および効率的な乾燥を保持する安定したインク(>3か月)を合成することができる(図1および2を参照)。加えて、ハイブリッド仕上げのウエハー(HF洗浄)をスピンコートによりこのインクで均質に被覆することができる。アセチルアセトンの代わりのさらなる錯化剤として好適なのは、錯化剤の添加により顕著に影響される、得られるゾルの粘性を有する、ポリヒドロキシ安息香酸である。
例5によりインクを、酸化ホウ素の添加により修飾する。酸化ホウ素のこのインクへの導入により、スピンオンドーパント層を製造することができ、これは>1000℃での拡散後の単純なHF浸漬により容易にエッチングすることができる。この種のスピンオンドーパント層で被覆された、150Ω/平方のn−タイプウエハーの層抵抗は、1050℃での拡散後は80Ω/平方であり、これは従来のホウ素ドープシリコンウエハーのウィンドー(50〜100Ω/平方)へと、良好に適合する。
酸化チタン/酸化アルミニウムハイブリッドゾルを、例5に従って調製する。この目的を達成するために、0.8の錯化剤に対する前駆体のモル比での、50/50のモル比での前駆体アルミニウムトリ−sec−ブトキシドおよびチタンテトラエトキシドをまず、例5で概説した溶液へと導入する。次いで水を前駆体溶液へと添加し(前駆体の全量に対する水の混合比: 3:1)、そして溶液を夜通しで攪拌する。
酸化ジルコニウム/酸化アルミニウムハイブリッドゾルを例5に従って調製する。この目的を達成するために、0.8の前駆体:錯化剤のモル比での50:50のモル比の前駆体アルミニウムトリ−sec−ブトキシドおよびジルコニウムテトラヒドロキシドをまず、例5において概説されるように溶液中に導入する。次いで水を前駆体溶液へと添加し(前駆体に対する水の混合比: 3:1)、溶液を夜通しで攪拌する。
RCA−1での走査後、磨かれたシリコン(100)ウエハーピースをインクジェット印刷により、例4に従ってアルミニウムゾルインクで印刷する。基質の温度は70℃であり、印刷の間の滴下分離は50μmである。1×1cm2を計測する領域が印刷される。圧抵抗性層の層厚さは、〜120nmである。
RCA−1での洗浄後、磨かれたシリコン(100)ウエハーピースは、インクジェット印刷の様式により、例4に従って、アルミニウムゾルインクで印刷される。基質の温度は90℃であり、印刷の間の滴下分離は50μmである。様々な幅および様々な間隔を含有する、1×2cm2を計測する領域が印刷される。
RCA−1での洗浄後、磨かれたシリコン(100)ウエハーピースは、スピンコートおよびホットプレート上の100℃での乾燥により、例4に従ってアルミニウムゾルインクで被覆される。
30gのジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび1.5gの酢酸をまず、100mlの丸底フラスコ中に導入する。1.0gのアルミニウムトリ−sec−ブトキシドを、この溶液にゆっくりと溶解させる。0.2gの水を加水分解のために添加し、そして得られたゾルを170℃で60分間加熱する。冷却後、淡黄色の、透明なおよび粘性のゾルが残存し、これは錯化剤により安定化される必要がない。このゾルにおける酸化アルミニウムの重量での濃度は、約1%である。ゾルにおける酸化アルミニウムの重量での濃度が1.5〜2%へと増加することにより、白色沈殿の形成が起こる。それゆえ1%の酸化アルミニウムの重量での濃度からの安定化および保護錯化剤の添加が必要であると想定することができる。
希釈HFでの洗浄後、両面を磨いたp−ドープされたFZシリコンウエハー(100)ピースを、スピンコートにより例5による酸化アルミニウムゾルインクで両面を被覆し、ホットプレート上で450℃で乾燥させる。得られた層厚さは60nmである。次いでウエハーの電荷担体寿命をWCT−120光伝導減衰寿命試験機(QSPPC、準安定状態光伝導減衰)により調査する。
HFでの洗浄後、一側を磨かれたn−ドープされたCzシリコンウエハー(100)ピースを、スピンコートにより例5による酸化アルミニウムゾルインクで両面を被覆し、そしてホットプレート上で450℃で乾燥させる。偏光解析法で決定される、層厚さは、60nmである。次いで、ウエハーの電荷担体寿命をWCT−120光伝導減衰寿命試験機(QSPPC、準安定状態光伝導減衰)により調査する。非被覆であるかまたは湿式化学キンヒドロン/メタノール法により処理した同一の試料が、参照としての役割を果たす。キンヒドロン/メタノール法(1,4−ベンゾキノン、1,4−ベンゾヒドロキノンおよびメタノールの混合物)は湿式化学のおよび一時的に有効な、つまり非長期安定性の、電子的表面不動態化である。全てのウエハー試料は、希釈HFによって前もってエッチングする。
HFでの洗浄後、一側を磨いたp−ドープされたCzシリコンウエハー(100)ピースを、スピンコートにより例5による酸化アルミニウムゾルインクで両面を被覆し、そしてホットプレート上で450℃で乾燥させる。偏光解析法で決定される、層厚さは60nmである。次いで、ウエハーの電荷担体寿命をWCT−120光伝導減衰寿命試験機(QSSPC、準安定状態光伝導減衰)により調査する。非被覆であるかまたは湿式化学キンヒドロン/メタノール法により処理されたかのいずれかである同一のウエハーサンプルが、参照としての役割を果たす。キンヒドロン/メタノール法(1,4−ベンゾキノン、1,4−ベンゾヒドロキノンおよびメタノールの混合物)は湿式化学の、および一時的に有効である、つまり非長期安定性の、電子的表面不動態化である。全てのウエハー試料は、前もって、希釈HFによりエッチングした。
HFでの洗浄後に、両面を磨いたp−ドープされたFZシリコンウエハー(100)ピースをスピンコートにより例5による酸化アルミニウムゾルインクで両面を被覆し、ホットプレート上で450℃で乾燥させる。その後、偏光乾燥法により決定される、層厚さは60nmである。次いで、ウエハーの電荷担体寿命がWCT−120光伝導減衰寿命試験機(QSSPC、準安定状態光伝導減衰)により調査される。非被覆であるかまたは湿式化学キンヒドロン/メタノール法により処理されたかのいずれかである同一のウエハー試料が、参照としての役割を果たす。キンヒドロン/メタノール法(1,4−ベンゾキノン、1,4−ベンゾヒドロキノンおよびメタノールの混合物)は、湿式化学でありおよび一時的に有効な、つまり非長期安定性の、電子科学的表面不動態化である。全てのウエハー試料は、希釈HFにより前もってエッチングした。
ホウ素ベースのドーピングインクを、例4により調製する。そこでの重量比は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:アルミニウムトリ−sec−ブトキシド:酢酸:水:サリチル酸 30:5:1:1.2:1である。三酸化ホウ素の比率は0.05〜0.3である。2000rpmで30秒間のn−タイプシリコンウエハー(Cz、10Ω*cm、一側を磨かれた、(100))のスピンコートおよび引き続き300℃のホットプレート上の5分の乾燥後、約70nmの層厚さを生じせしめる。この試料に、標準大気圧条件下のマッフル炉において拡散工程に施す(拡散条件:950℃において30分間)。図13および14は、0.15および0.3の相対重量比の酸化ホウ素での試料の得られたドーピングプロファイルを示す。ドーピングプロファイルを、ECV(電気化学容量電圧プロファイリング)技術により決定した。
25mlのジエチレングリコールモノエチルエーテル中の1.5gのサリチル酸および1gのアセチルアセトンをまず、100mlの丸底フラスコに導入する。5.7gのアルミニウムトリ−sec−ブトキシドをこの溶液へと添加し、そして混合物を10分間攪拌する。0.75gの三酸化二ホウ素をドーパントとしてこの溶液へと添加し、酸化ホウ素が残渣を残すことなく溶解するまで混合物を攪拌する。1gの酢酸を添加してブトキシドを中性化してインクのpHを調整し、再び混合物を10分間攪拌する。1.7gの水を添加して部分的に保護されたアルミニウムアルコキシドを加水分解し、わずかに黄色の溶液を10分間攪拌し、放置して熟成させる。固体含有量は6%へと増加させることができる。インクは理想的な被覆特性および効率的な乾燥を有しながらの>3か月の安定性を呈する。n−タイプシリコンウエハーピース(Cz、10Ω*cm、一側を磨かれた、(100))の1000rpmでのスピンコート、次いで標準大気圧下での標準的なマッフル炉における30分間1000℃での拡散後、<80Ω/平方の関連する層抵抗を有する図14に示されるドーピングプロファイルを、ECV(電気化学容量電圧プロファイリング)技術により決定付けることができる。
Claims (16)
- Al2O3被覆または混合Al2O3ハイブリッド層の形成のための、印刷可能な、立体的に安定化されたインクの使用。
- 請求項1に記載のインクの使用であって、Al2O3の形成のための、ならびにホウ素、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、亜鉛、スズ、リン、チタン、ジルコニウム、イットリウム、ニッケル、コバルト、鉄、セリウム、ニオブ、ヒ素および鉛の群から選択される、1種または2種以上の元素の酸化物の形成のための前駆体を含み、インクが対応する前駆体のインクへの導入により得られる、前記使用。
- 少なくとも1種の親水性成分および少なくとも1種の疎水性成分との、ならびに任意に少なくとも1種のキレート剤との混合により立体的に安定化された、請求項1または2に記載のインクの使用。
- 1,3−シクロヘキサジオン、サリチル酸および構造的に関連する化合物の群から選択される少なくとも1種の疎水性成分、ならびにアセチルアセトン、ジヒドロキシ安息香酸およびトリヒドロキシ安息香酸の群から選択される少なくとも1種の親水性化合物またはその構造的に関連する化合物、キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTPA)およびジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DETPPA)あるいは構造的に関連する錯化剤または対応するキレート剤を含む、請求項3に記載のインクの使用。
- 好ましくはエタノールおよびイソプロパノールの群から選択される、低沸点アルコール類の群から選択される溶媒、ならびに好ましくはジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルの群から選択される、高沸点グリコールエーテル類の群から選択される少なくとも1種の高沸点アルコールあるいはそれらの混合物、ならびに任意にアセトン、DMSO、スルホランおよび酢酸エチルの群から選択される極性溶媒、あるいは類似の極性溶媒を含む、請求項3または4に記載のインクの使用。
- 4〜5の範囲の酸性pHを有し、および、酸として、残渣のない乾燥を引き起こす1種または2種以上の有機酸を含む、請求項3、4または5に記載のインクの使用。
- 加水分解のための水が、1:1〜1:9の、好ましくは1:1,5〜1:2.5の範囲の前駆体に対する水のモル比で添加される、不浸透性の、均質な層の形成のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクの使用であって、固体含有量が0.5〜10重量%にある、好ましくは1〜6重量%の範囲にある、前記使用。
- 拡散障壁、印刷誘電体、電子および電気不動態化、抗反射被覆、水に対する機械的保護層、酸化または酸による作用に対する化学的保護層の生産のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの使用。
- 半導体、好ましくはケイ素の全領域または局所ドーピングのための、単純またはポリマーホウ素および酸化リンおよびそのアルコキシドを含むハイブリッド材料を製造するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの使用。
- 5〜55モル%の範囲の、好ましくは20〜45モル%の範囲の三酸化ホウ素の含有量を有するハイブリッド層を製造するための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの使用。
- LCD技術におけるナトリウムおよびカリウム拡散障壁としてのAl2O3層の製造のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの使用。
- 単結晶性または多結晶性シリコンウエハー、サファイアウエハー、薄膜ソーラーモジュール、機能性材料(例えば、ITO、FTO、AZO、IZOまたは類似物)で被覆されたガラス、非被覆ガラス、鋼元素および合金上に、およびミクロ電子工学において用いられる他の材料上に純粋な残渣のないアモルファスAl2O3層を製造するための方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの薄層の適用後に、乾燥が300〜1000℃の温度で、好ましくは300〜450℃で実行されることを特徴とする、前記方法。
- インクの適用前に、任意に疎水性または親水性仕上げの形態である、表面が、好ましくはHF溶液または水のエッチングにより、洗浄されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 乾燥および1000℃〜の温度での熱処理により、コランダムに匹敵する特性を有する硬い、結晶性の層を得ることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
- 請求項12または13に記載の方法であって、乾燥が数分以内に、好ましくは5分未満の時間内に実行され、ここで表面保護特性を有する、20〜300nmの範囲の、好ましくは100nm未満の厚さを有する層が、印刷されるゾル−ゲル組成物から形成されることを特徴とする、前記方法。
- 純粋な、残渣のない、アモルファスな、構造化可能なAl2O3層を製造するための請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクの薄層の適用後に乾燥が300℃〜500℃の温度で、次いで任意に、窒素および/またはフォーミングガス雰囲気下で350〜550℃の温度で実行される熱処理ステップが実行されることを特徴とする、前記方法。
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