JP2014508385A - 発光装置用の多孔質膜 - Google Patents

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Abstract

一部の多孔質膜、たとえば、有機非高分子多孔質膜は、発光装置効率を増す光取り出しに有用であり得る。それらは、他の装置での光散乱にも有用であり得、および光の伝達に関連した他の用途にも有用であり得る。
【選択図】図82

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2011年3月3日に出願された米国特許仮出願第61/449,032号に対する優先権を合衆国法典35巻119条(e)項に従って主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用されている。
(技術分野)
一部の実施形態は、多孔質膜、たとえば、発光装置などの装置用の多孔質膜に関する。
有機発光装置(OLED)は、省エネルギー発光器具または装置への組み込みに有用である。残念なことに、OLEDの効率は、出射光の生成、および該装置を逃れて照明を施す出射光の能力、両方に関するあらゆる固有の効率の悪さにより制限され得る。出射光が前記装置を逃れることができないことを閉じ込め(trapping)と呼ぶこともある。閉じ込めのため、装置の効率は、発光効率の約10〜30%に低減されることがある。光抽出は、閉じ込めを低減させることができ、したがって、効率を実質的に向上させることができる。
一部の実施形態は、多孔質膜を含み得る。多孔質膜は、約1.1から約1.8の範囲の屈折率を有する非高分子有機化合物;複数の不規則に配列されたナノ突起、ナノ粒子、もしくはそれらの集合体;および/または複数の空隙を含有し得、該複数の空隙は、該膜の体積の少なくとも約50%である全体積を有し、および該複数の空隙の少なくとも約10%は、約0.5μmから約5μmの範囲の最長寸法を有する。前記多孔質膜は、約500nmから約20マイクロメートルの範囲の厚さを有することがあり;および/または前記空隙を含む多孔質膜の密度は、約0.5ピコグラム/μm以下であり得る。
一部の実施形態は、多孔質膜を含有する発光装置であって、該多孔質膜が、該発光装置内の部分内部反射層との第1の界面(この場合、該部分内部反射層の屈折率は、該多孔質膜の屈折率より高いことがある)と、該多孔質膜の屈折率より低い屈折率を有し得る物質との第2の界面とを含有し得、および該第2の界面が複数の不規則に配列されたナノ突起またはナノ粒子を含有し得るものである発光装置を含み得る。
一部の実施形態は、陽極または陰極の上方に配置され得る多孔質膜を含有する発光装置であって、該多孔質膜が、該陽極の屈折率および該陰極の屈折率より低い屈折率を有し得るものである発光装置を含み得る。
一部の実施形態は、発光ダイオードを含有する発光装置であって、該発光ダイオードが、陽極と、陰極と、該陽極と該陰極の間に配置され得る発光層と、多孔質膜とを含有し得、該多孔質膜が、該陽極もしくは該陰極の上に配置され得るものである発光装置;または前記陽極と前記多孔質膜の間にもしくは前記陰極と前記多孔質膜の間に配置された透明層をさらに含有し得る前記発光装置を含む。
一部の実施形態において、前記多孔質膜は、有機膜を堆積させる工程、および該有機膜を約100℃から約290℃の範囲の温度で加熱する工程を含む製法によって調製することができる。
一部の実施形態は、発光ダイオードを含有する発光装置であって、該発光ダイオードが、多孔質膜を含み、該多孔質膜が、内部反射層上に配置されており、該内部反射層が、陽極、陰極、該陽極と該多孔質膜の間に配置された透明層、または該陰極と該多孔質膜の間に配置された透明層からなる群より選択され、該内部反射層の屈折率が、該多孔質膜の屈折率より高く、該多孔質膜が、本明細書に記載する化合物を含有し得るものである発光装置を含み得る。
これらのおよび他の実施形態を本明細書において詳細に説明する。
図1は、粒子または突起のx方向寸法(x dimension)、y方向寸法(y dimension)およびz方向寸法(z dimension)の決定を支援するための描画である。
図2Aは、xz面で見たときの略長方形として、擬似平面状として、またはナノフレークとして描写することができる粒子の理想化例を図示するものである。
図2Bは、曲線状または波状ナノフレークとして描写することができる粒子の例を図示するものである。
図3は、その平面にある実質的にすべてが略直角である粒子の理想化例を図示するものである。
図4は、略直角でないことがある角度を有する擬似平行四辺形(pseudo−paralellogramatic)粒子の理想化例である。
図5は、略カプセル形粒子の理想化例を図示するものである。
図6は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図7は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図8は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図9は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図10は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図11は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図12は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図13は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図14は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図15は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図16は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図17は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図18は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図19は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図20は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図21は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図22は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図23は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図24は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図25は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図26は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図27は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図28は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図29は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図30は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図31は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図32は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図33は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図34は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図35は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図36は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図37は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図38は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図39は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図40は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図41は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図42は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図43は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図44は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図45は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図46は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図47は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図48は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図49は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図50は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図51は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図52は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図53は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図54は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図55は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図56は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図57A〜Bは、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図58は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図59は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図60は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図61は、発光装置の調製方法の実施形態における一定の工程を図解する流れ図である。
図62Aは、本明細書に記載する装置の実施形態に関する概要図である。
図62Bは、発光装置の調製方法の実施形態における一定の工程を図解する流れ図である。
図63は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図64は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図65は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
図66は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図67は、前記装置の多孔質膜の表面のSEM像を図示するものである。
図68は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
図69は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての概要図である。
図70は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
図71は、本明細書に記載する化合物を含有する多孔質膜の厚さの関数としての電力効率のプロットである。
図72は、透明基板の実施形態において閉じ込めを判定するために用いた方法の概要図である。
図73は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
図74A〜Bは、本明細書に記載する装置の一部の実施形態の写真である。
図75は、本明細書に記載する多孔質膜の一部の実施形態の写真である。
図76は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図77は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図78は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図79は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。
図80は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
図81は、本明細書に記載する多孔質膜の実施形態の写真である。
図82は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
図83は、本明細書に記載する装置の一部の実施形態についての輝度の関数としての電力効率のプロットである。
本明細書に記載する多孔質膜は、ある層から別の層への光の透過を伴う様々な装置、たとえば、発光ダイオード、太陽電池、検出器などに有用であり得る。一部の実施形態において、多孔質膜は、照明などの用途用の有機発光ダイオードに効率的な光取り出しをもたらすことができる。一部の装置に関しては、基板からの90%に近い、またはことによるとそれ以上の光抽出を達成することができる。前記多孔質膜は、容易な加工をもたらすことができ、および低コストで装置効率を向上させることができる可能性を秘めている。
一部の実施形態において、本明細書に記載する多孔質膜は、装置の層における全内部反射量を低減させることにより、装置の効率を向上させることができる。全内部反射は、閉じ込めの有意な原因であり得る。光が高屈折率材料から低屈折率材料に進むと、光は法線角度から離れて界面に向かう方向に曲がり得る。より屈折率の高い材料中の光が、より屈折率の低い材料との界面に実質的に90°逸れる角度で遭遇すると、光の屈曲は光が界面に進入する角度より大きくなり得るので、光は、より屈折率の高い材料から出て進むのではなく、より屈折率の高い材料に戻るだろう。これは、全内部反射と呼ばれることがある。空気は、多くの材料より低い屈折率を有し得るので、装置と空気の間の多くの界面は、全内部反射に起因する損失を被り得る。さらに、光がより屈折率の高い層からより屈折率の低い層に行く装置では、全内部反射に起因する閉じ込めがあらゆる界面で発生し得る。本明細書に記載する多孔質膜を含有する装置は、低減された全内部反射または閉じ込めを有することができ、したがって、向上した効率を有することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載する多孔質膜は、光を吸収または出射する装置をはじめとする、ある材料から別の材料に進む光を伴う様々な装置に光散乱をもたらすことができる。光散乱は、ある装置では、光を見る角度にかかわらず色が実質的に同様であるように視野角色を一致させるのに有用であり得る。光散乱層を有さない装置は、見る人が光を見る角度によって違い色を認めるように光を出射し得る。
一部の実施形態において、本明細書に記載する多孔質膜は、光を吸収または出射する装置をはじめとする、ある材料から別の材料に進む光を伴う様々な装置のためのフィルターとしても有用であり得る。
多孔質膜としては、複数の細孔を含有する任意の膜をあげることができる。たとえば、多孔質膜は、不規則に配向した、相互に絡み合ったナノ構造を含むことがある。
一部の実施形態において、多孔質膜は、透明基板上に配置することができ、該基板内での光の全内部反射を低減させることができる。
一部の実施形態において、多孔質膜は、第1表面および第2表面を含有することがあり、この場合、該第1表面は、該第2表面の共面面積(coplanar area)より実質的に大きい共面面積を有する。「共面面積」は、広義の用語であり、ある表面の共面面積を決定する1つの方法は、考慮中の表面を平滑平坦表面の上に置き、該表面の該平滑平坦表面と接触する面積を測定する方法である。
多孔質膜は、様々な構造を有し得る。一部の実施形態において、多孔質膜は、複数の不規則に配列された突起、粒子、またはそれらの集合体を含有する表面を有することがある。前記突起または粒子は、ナノメートルからミクロン範囲の1つ以上の寸法を有するナノ突起をはじめとする、ナノ突起であり得る。たとえば、ナノ突起またはナノ粒子は、約400nm、約500nm、約1000nm、約1500nm、約2000nm、約2500nm、約3000nm、またはこれらの長さのいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの長さのいずれかの間の範囲の任意の値の平均x方向寸法;約50nm、約100nm、約300nm、約500nm、約700nm、約1000nm、約1200nm、約1500nm、約1800nm、約2000nm、またはこれらの長さのいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの長さのいずれかの間の範囲の任意の値の平均y方向寸法;および/または約10nm、約30nm、約50nm、約70nm、約90nm、約100nm、またはこれらの長さのいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの長さのいずれかの間の範囲の任意の値の平均z方向寸法を有し得る。一部の実施形態において、前記膜中の少なくとも1個の粒子、または前記膜中の粒子の平均は、約5nm、約0.01μm、約0.02μm、約0.05μm、約0.1μm、約0.5μm、約1μm、約2μm、約5μm、約10μm、約20μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約500μm、約1000μm、またはこれらの値のいずれかによって拘束されるもしくはこれらの値のいずれかの間の任意の長さの、x方向寸法、y方向寸法またはz方向寸法を有し得る。一部の実施形態において、前記ナノ突起またはナノ粒子は、約400nmから約3000nm、約1000nmから約3000nm、もしくは約2000nmから約3000nmの範囲の平均x方向寸法;約100nmから約2000nm、約100nmから約1500nm、もしくは約100nmから約1000nmの範囲の平均y方向寸法;および/または約10nmから約100nm、大体、約30nmから約90nm、もしくは約30nmから約70nmの平均z方向寸法を有し得る。一部の実施形態において、前記膜中の少なくとも1個の粒子、または前記膜中の粒子の平均は、約5nmから約1000μm、約0.02μmから約1μm、または約1μmから約200μmの範囲のx方向寸法、y方向寸法またはz方向寸法を有し得る。
一部の実施形態において、前記突起、粒子、またはそれらの集合体は、実質的に透明または実質的に半透明であることがある。
前記粒子、突起、または空隙は、不規則な形状であることがあり、図1に図示するように3つの寸法、x、yおよびzを定量することができる。箱が、その中に収容された粒子を(または可能な限り多くの突起を、箱の開放端の寸法を変えることなく)依然として有するができる限り小さくなるように、箱120・直方柱形を粒子110の周囲に作った場合、または開放箱・直方柱形を突起の周囲に作った場合、x方向寸法は、その箱の最長寸法であり、y方向寸法は、その箱の2番目に長い寸法であり、およびz方向寸法は、その箱の3番目に長い寸法である。
前記粒子または突起の3次元形状を、一定の面から見たときの該粒子または突起の形状を描写することにより特徴づけることができる。たとえば、粒子または突起は、xy、xzまたはyz面の2次元で見たとき、略長方形、略正方形、略楕円形、略円形、略三角形(triagonal)、略平行四辺形などであることがある。個々の形状は、幾何学的に完全である必要なく、公知の形状に適度に似ていると認識できるだけでいい。前記粒子または突起の3次元形状を、他の用語を用いて特徴づけるまたは描写することもできよう。
図2Aは、xz面で見たとき略長方形220である粒子210の理想化例を図示するものである。この図に図示するように、粒子は、完全に長方形に見えるが、その形状は、xz面または任意の他の面で見たときに略長方形であるように長方形に似ていると認識できるだけでいい。
図2Aに関して、粒子210は、x方向寸法がz方向寸法よりはるかに大きいので、xy面で見たとき略線形と描写することもできる。この図に図示するように、粒子は、x方向寸法では完全に直線形に見えるが、その形状は、xz面または任意の他の面で見たとき略線形であるように線に似ていると認識できるだけでいい。
粒子210をナノフレークとして描写することもできる。用語「ナノフレーク」は、形状がフレーク様であり、かつナノメートルからマイクロメートル範囲の任意の寸法を有する粒子を含む、広義の用語である。これは、1つの次元(たとえば、z)に関して比較的薄く、かつ別の2つの次元(たとえば、xy)に関して比較的大きい面積を有する粒子を含み得る。
前記のより大きい面積表面は、識別できるだけでよく、平面である必要はない。たとえば、前記のより大きい面積表面が、粒子210のように実質的にxy面内にあることもあるが、該表面の相当な部分が該面内にないような曲線状または波状であることもある。
粒子210を擬似平面状と描写することもできる。用語「擬似平面状」は、本質的に平面状である粒子を含む広義の用語である。たとえば、擬似平面状粒子は、実質的にxy面内にある粒子のxy面積と比較して相対的に些少であるz方向寸法を有することがある。
図2Bにおける粒子250は、曲線状または波状フレークの例である。表面の相当な部分が平面内にない場合、ナノフレークは、大きい曲線状または波状の表面260と該表面上の所与の点280に対して垂直な小さな厚さ270とを有する粒子を含み得る。
粒子210、粒子250およびこれらに類するものをはじめとする、任意のナノフレークまたは擬似平面状粒子または突起に関して、より大きい表面積の平方根の最小寸法に対するまたは該より大きい表面上のある点に対して垂直な厚さに対する比(たとえば、xy面積の平方根のz寸法に対する比)は、約3、約5、約10、約20、約100、約1000、約10,000、約100,000、またはこれらの比のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの比のいずれかの間の範囲の任意の値であり得る。一部の実施形態において、より大きい表面積の平方根の最小寸法に対するまたは該より大きい表面上のある点に対して垂直な厚さに対する比は、約3から約100,000、約5から約1000、または約1000から約10,000であり得る。
図3は、xy面にある実質的にすべてが略直角である粒子310の理想化例を図示するものである。この図には図示していないが、一部の粒子は、少なくとも1つの略直角を有することができるが、必ずしも実質的にすべてが略直角を有するとは限らないことがある。この図の粒子310を擬似平行四辺形と描写することもできる。擬似平行四辺形の粒子は、xy、xzまたはyz面の2次元で見て実質的に平行である粒子であって、2つの略線形の外縁部分を含むことができる。
前記粒子の外縁部は、複数の線形縁部分から本質的になり得る。
擬似平行四辺形の粒子、たとえば、図3に図示するものは、略直角を有することがあり、またはそれらは、略直角でないことがある角を有することがある。
図4は、略直角でないことがある角度を有する擬似平行四辺形(pseudo−paralellogramatic)粒子410の理想化例である。
粒子または突起が、針の形状に似ていると合理的に認識できる形状を有する場合、該粒子または突起を針様と描写することができる。
粒子または突起が、繊維の形状に似ていると合理的に認識できる形状を有する場合、該粒子または突起を線維形と描写することができる。
粒子または突起が、リボンの形状に似ていると合理的に認識できる形状を有する場合、該粒子または突起をリボン形と描写することができる。これは、ある次元では細長く、別の次元では薄い平坦長方形表面を有する、粒子および突起を含み得る。前記リボン形は、湾曲しているまたはねじれていることもあるので、前記粒子は、リボン形であるために実質的に共面性である必要がない。
図5は、略カプセル形の粒子1010の理想化例を図示するものである。xyまたはxz面で見ると、粒子1010を略卵形と描写することもできる。yz面で見ると、粒子1010を略円形と描写することもできる。
粒子または突起が、棒の形状に似ていると合理的に認識できる形状を有する場合、該粒子または突起を棒形と描写することができる。これは、1つの次元が細長い粒子または突起を含み得る。棒形の粒子または突起は、実質的に直線形であることがあり、または多少の湾曲もしくは屈曲を有することもある。
x、yおよびz方向寸法が同様である、たとえば、互いに同じ桁の範囲内である場合、粒子または突起を顆粒状と描写することができる。
図6〜53は、実際の多孔質膜のSEM像を図示するものである。すべてのSEM画像は、FEIxTm「Inspect F」SEM;2007年モデル、バージョン3.3.2を使用して記録した。これらの図中、「mag」は、画像の拡大レベルを示し、「mode」は、画像を生成するために使用した検出器のタイプを示し、ここでの「SE」は、二次電子モードを表し、「HV」は、画像を生成するために使用した電子ビームの加速電圧を示し、「WD」は、検出器と撮像した実際の表面の間の作業距離を示し、「spot」は、電子ビーム径の単位なしインジケータであり、および「pressure」は、画像収集時の顕微鏡チャンバ内の圧力をパスカルで示す。
図6は、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平行四辺形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーをSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。相当数の粒子が、約10から約100の範囲のxy面積の平方根のz寸法に対する比も有し得る。たとえば、図中の丸で囲んだ粒子は、見える端部の長さがその面積の平方根にほぼ等しいと仮定して、約40の比:
[xy面積]1/2

を有するようである。この方法は、この図の中に見える他のナノフレークに基づき、大きい面積、すなわちxy面積が、yz面で見られる1辺の長さにほぼ等しい膜、たとえば、ここに図示するもの、に用いることができる。さらに、前記表面の粒子の少なくとも約50%、約70%または約90%は、約10から約1000の範囲のxy面積の平方根のz方向寸法に対する比を有し得る。
図7も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平行四辺形および略平行四辺形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る50μmのスケールバーを図7のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約500μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。相当数の粒子が、約5から約100の範囲のxy面積の平方根のz寸法に対する比も有し得る。
図8も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平行四辺形および略平行四辺形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る100μmのスケールバーを図8のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約500μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。相当数の粒子が、約5から約100の範囲のxy面積の平方根のz寸法に対する比も有し得る。
図9も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平行四辺形および略平行四辺形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る50μmのスケールバーを図9のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約500μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図10も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまる:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る4μmのスケールバーを図10のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図11も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面、xz面および/またはyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形および針様。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る100μmのスケールバーを図11のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約20μmから約1000μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図12も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、擬似平行四辺形、および略平行四辺形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、擬似平行四辺形、および略平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形および針様。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る10μmのスケールバーを図12のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約100μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図13も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形、針様、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る20μmのスケールバーを図13のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約2μmから約100μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図13は、粒子または突起が、擬似花状(pseudofloral)配列を有する集合体を形成することも示す。たとえば、粒子の一部が共通中心領域から突出する様子が、花に似ていると認識できる外観を与える。これらの擬似花状集合体の相当数が、約10μmから約50μmの範囲の直径を有し得る。
図14も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略平行四辺形、および擬似平行四辺形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略平行四辺形、および擬似平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形、針様、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図15のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.5μmから約50μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図15も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図15のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図16も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:針様および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図16のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図17も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、擬似平行四辺形、略平行四辺形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、擬似平行四辺形、略平行四辺形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、繊維形、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図17のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図18も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、擬似平行四辺形、略平行四辺形、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略長方形、略平行四辺形、および擬似平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図19のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図19も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図19のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図20も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る30μmのスケールバーを図20のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約50μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図21も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る50μmのスケールバーを図21のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約200μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図22も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図22のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図23も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る500nmのスケールバーを図23のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約50nmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図24も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy、xy、および/yz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略卵形、略楕円形、および略円形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:棒形、略カプセル形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る3μmのスケールバーを図24のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約1μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図25も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起、粒子および/または集合体の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図25のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図25は、繊維束構造を有するナノ粒子またはナノ突起の集合体も含む。一部の実施形態において、前記集合体は、それらが、末端が束の中心より大きく分岐するように、束の中心でそれを一緒に保持するストラップまたは紐を有する線維の束に似ていることがあることから、中心結合線維束構造を有すると描写することができる。
図26も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起、粒子および/または集合体の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る2μmのスケールバーを図26のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図26は、線維束構造および/または中心結合線維束構造を有するナノ粒子またはナノ突起の集合体も含む。
図27も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る500nmのスケールバーを図27のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約5nmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図28も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:針様および繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図28のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約100μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図29も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略平行四辺形、少なくとも1つの略直角、および略線形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:針様および繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る50μmのスケールバーを図29のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約1μmから約500μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図30も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:擬似平行四辺形、略平行四辺形、および略線形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:針様、および繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る20μmのスケールバーを図30のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約150μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図31も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る500nmのスケールバーを図31のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約10nmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図32も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy、xzまたはyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、実質的にすべて略直角、および略線形。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略平行四辺形、および擬似平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:顆粒状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図32のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図33も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図33のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図34も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、および略長方形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形およびリボン形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る2μmのスケールバーを図34のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図35も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形および顆粒状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図35のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図36も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図36のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図37も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:棒形および繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る4μmのスケールバーを図37のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.05μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図38も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:棒形および繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る4μmのスケールバーを図38のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.05μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図39も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:リボン形、ナノフレークおよび擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図39のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図40も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、擬似平行四辺形、略平行四辺形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略平行四辺形、および擬似平行四辺形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:リボン形、繊維形、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図40のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図41も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:棒形および繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る10μmのスケールバーを図41のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図42も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形およびリボン形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図42のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図43も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、リボン形、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る500nmのスケールバーを図43のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約50nmから約2μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図44も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:リボン形、ナノフレーク、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図44のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約1μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図45も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:リボン形、ナノフレーク、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図45のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.1μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図46も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、略線形、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:リボン形、繊維形、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る4μmのスケールバーを図46のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.05μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図47も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図47のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.05μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図48も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、および少なくとも1つの略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、および略長方形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、リボン形、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図48のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図49も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、および少なくとも1つの略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、および略長方形。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、リボン形、および擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る1μmのスケールバーを図49のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.02μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図50も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:繊維形およびリボン形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る5μmのスケールバーを図50のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約20μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図51も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:顆粒、カプセル形、繊維形、リボン形、および棒形。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る3μmのスケールバーを図51のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.01μmから約5μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図52も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、擬似平面状、リボン形、および顆粒状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る4μmのスケールバーを図52のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.05μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図53も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、擬似平面状、リボン形、および顆粒状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る3μmのスケールバーを図53のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約0.05μmから約10μmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
図54も、多孔質膜の実施形態の表面のSEM像を図示するものである。網羅的ではないが、次の描写がxy面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の描写がyz面で見たときのこの図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:略線形、略長方形、少なくとも1つの略直角、および実質的にすべて略直角。網羅的ではないが、次の他の描写も、この図中の突起または粒子の少なくとも1つに当てはまり得る:ナノフレーク、リボン形、擬似平面状。
この膜のナノ粒子、ナノ突起、または空隙のサイズの目安になり得る400nmのスケールバーを図54のSEM中に示す。この図は、相当数の粒子または空隙が、約50nmから約2000nmの範囲のx、y、および/またはz方向寸法を有し得ること示す。
多孔質膜の様々な実施例に関連した画像および図の幾つかの例に関して様々な形状および寸法を本明細書中に列挙する。これらの形状および寸法は、単に、用いる専門用語の理解を与えることに役立てるために与えるものであり、いずれかの特定の実施例または図についての網羅的説明であることを意図したものではない。したがって、いずれの特定の実施例または図に関してのいずれの特定の用語の省略も、その特定の用語がその特定の実施例および図に当てはまらないことを示唆しない。
一部の実施形態において、前記個々のナノ構造の面と前記膜の間の角度は、等確率で0度と90度の間の任意の値であることがあり、および/または好ましい特定の角度がないことがある。言い換えると、特定の一般的配列または実質的配向がこの膜のナノ構造により呈示されないことがある。
多孔質膜の厚さは様々であり得る。一部の実施形態において、多孔質膜は、ナノメートルからミクロ範囲の厚さを有し得る。たとえば、前記膜の厚さは、約500nm、約0.1μm、約1μm、約1.3μm、約3μm、もしくは約4μm、約5μm、約7μm、約10μm、約20μm、約100μm、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の厚さであり得る。一部の実施形態において、前記膜の厚さは、約500nmから約100μm、約0.1μmから約10μm、または約1μmから約5μmであり得る。
多孔質膜は、多数の細孔または空隙を含有し得る。たとえば、多孔質膜は複数の空隙を含有し得、該空隙は、該空隙を含む該膜の体積の約50%、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%もしくは約99%であり得る全体積、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の百分率の全体積を有する。したがって、前記空隙の全体積が、前記膜の体積の50%である場合、該膜の体積の50%は、該膜の材料であり、そして該膜の体積の50%は、前記複数の空隙である。一部の実施形態において、前記多孔質膜は、該膜の体積の約50%から約99%、約70%から約99%、約80%から約99%、または約90%から約99%であり得る全体積を有する複数の空隙を含有し得る。
一部の実施形態における膜は、該膜が、空隙を有さない同じ材料の膜の厚さの約2倍である、約10倍である、約50倍以下である、もしくは約100倍である厚さを有するような、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の厚さ比を有するような数およびサイズの複数の空隙を含有し得る。たとえば、ある膜は、同じ材料の膜が、その膜が空隙を有さなかった場合に約800nmの厚さを有するであろうとき、約5μmの厚さを有し得る。一部の実施形態において、前記膜は、空隙を有さない同じ材料の膜の厚さの約2倍から約100倍、または約2から約10倍の範囲である厚さを有し得る。
前記空隙のサイズは、様々であり得る。空隙の寸法は、粒子または突起について上で説明したように定量することができる。一部の実施形態において、前記空隙の少なくとも約10%は、約0.5μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の長さの最大寸法、すなわちx方向寸法を有する。一部の実施形態において、前記膜中の少なくとも1つの空隙、または前記膜中の空隙の平均は、約5nm、約0.01μm、約0.02μm、約0.05μm、約0.1μm、約0.5μm、約1μm、約2μm、約5μm、約10μm、約20μm、約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約500μm、約1000μm、またはこれらの値のいずれかによって拘束されるもしくはこれらの値のいずれかの間の任意の長さの、x方向寸法、y方向寸法またはz方向寸法を有し得る。一部の実施形態において、前記膜中の少なくとも1つの空隙、または前記膜中の空隙の平均は、約0.01μmから約5μm、約0.01μmから約1μm、約0.01μmから約10μm、約0.01μmから約20μm、約0.01μmから約5μm、約0.02μmから約10μm、約0.05μmから約10μm、約0.1μmから約10μm、約0.1μmから約100μm、約0.1μmから約150μm、約0.1μmから約20μm、約0.1μmから約5μm、約0.5μmから約50μm、約1μmから約100μm、約1μmから約20μm、約1μmから約200μm、約1μmから約50μm、約1μmから約500μm、約10μmから約50μm、約10nmから約5μm、約2μmから約100μm、約20μmから約1000μm、約5nmから約5μm、約50nmから約2μm、または約50nmから約5μmの範囲のx方向寸法、y方向寸法、またはz方向寸法を有し得る。多孔質膜の密度は様々であり得、空隙、材料および他の要因による影響を受け得る。一部の実施形態において、空隙を含む前記膜の密度は、約0.005ピコグラム/μm、約0.05ピコグラム/μm、約0.1ピコグラム/μm、約0.3ピコグラム/μm、約0.5ピコグラム/μm、約0.7ピコグラム/μm、約0.9ピコグラム/μm、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の密度であり得る。一部の実施形態において、前記空隙の包含は、大体、約0.005ピコグラム/μmから約0.9ピコグラム/μm、約0.05ピコグラム/μmから約0.7ピコグラム/μm、または約0.1ピコグラム/μmから約0.5ピコグラム/μmの範囲であり得る。
前記多孔質膜の材料の屈折率は、様々であり得る。一部の実施形態において、前記多孔質膜の材料の屈折率は、基板の屈折率以上であり得る。一部の実施形態において、陽極の屈折率、陰極の屈折率、陽極と多孔質層の間の透明層の屈折率、および/または陰極と多孔質層の間の透明層の屈折率は、多孔質層の屈折率より高いことがある。たとえば、前記屈折率は、約1.1.約1.5、約1.7、約1.8、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の屈折率であり得る。一部の実施形態において、前記屈折率は、約1.1から約1.8、約1.1から約1.7、または約1.1から約1.5の範囲であり得る。
一部の実施形態において、多孔質膜の粒子、突起または空隙の少なくとも1つ、少なくとも50%または少なくとも90%は、約0.01μmから約5μm、約0.01μmから約1μm、約0.01μmから約10μm、約0.01μmから約20μm、約0.01μmから約5μm、約0.02μmから約10μm、約0.05μmから約10μm、約0.1μmから約10μm、約0.1μmから約100μm、約0.1μmから約150μm、約0.1μmから約20μm、約0.1μmから約5μm、約0.5μmから約50μm、約1μmから約100μm、約1μmから約20μm、約1μmから約200μm、約1μmから約50μm、約1μmから約500μm、約10μmから約50μm、約10nmから約5μm、約2μmから約100μm、約20μmから約1000μm、約5nmから約5μm、約50nmから約2μm、または約50nmから約5μmの範囲のx、yおよび/またはz方向寸法を有し得る。
多孔質膜は、基板などの表面に有機膜を堆積させることによって調製することができる。たとえば、前記堆積は、高温および/もしくは高真空条件下で行うことができる蒸着であることがあり、または多孔質膜をドロップキャスト法もしくはスピンキャスト法によって堆積させることができる。一部の実施形態では、前記材料を実質的に透明な基板上に堆積させることができる。堆積および/またはアニール条件は、前記膜の特性に影響を及ぼし得る。
表面への前記材料の堆積速度は、様々である。たとえば、前記有機膜を、約0.1Å/秒、約0.2Å/秒、約1Å/秒、約10Å/秒、約20Å/秒、約60Å/秒、約100Å/秒、約500Å/秒、約1000Å/秒の速度で、またはこれらの堆積速度のいずれかによって拘束される範囲もしくはまたはこれらの堆積速度のいずれかの間の範囲の値の速度で堆積させることができる。一部の実施形態では、前記有機膜を、大体、約0.1Å/秒から約1000Å/秒、約1Å/秒から約100Å/秒、または約2Å/秒から約60Å/秒の範囲の速度で堆積させることができる。
前記材料を様々な表面に堆積させて多孔質膜または有機膜を形成することができる。一部の装置については、前記材料を陽極、陰極または透明層上に堆積させることができる。
表面に堆積させた有機膜を加熱またはアニールによりさらに処理することができる。その加熱温度は、様々であり得る。たとえば、有機膜を約80℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、約150℃、約180℃、約200℃、約240℃、大体、約260℃、約290℃の温度で、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の温度で加熱することができる。一部の実施形態では、有機膜を約100℃から約290℃、約100℃から約260℃、約80℃から約240℃、約80℃から約200℃、約200℃から約260℃、または約200℃から約240℃の範囲の温度で加熱することができる。
その加熱時間も様々であり得る。たとえば、有機膜を約5分、約15分、約30分、約60分、約2時間、約5時間、約10時間、約20時間、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の量の時間、加熱することができる。一部の実施形態では、有機膜を約5分から約20時間、約4分から約2時間、または約5分から約30分間、加熱することができる。一部の実施形態では、材料を約100℃から約260℃で約5分から約30分間、加熱することができる。
多孔質膜または有機膜は、非高分子有機化合物を含む材料であって、場合により置換されている芳香族環を含有し得る材料を、含有し得る。一部の実施形態において、多孔質膜または有機膜は、以下の化合物の少なくとも1つを含有し得る:
Figure 2014508385
Figure 2014508385
Figure 2014508385
多孔質膜または有機膜において有用であり得る他の化合物としては、次の文献のうちの1つに記載されている任意の化合物があげられる:2009年6月29日出願の米国特許仮出願第61/221,427号明細書(これは、その全体が参照により本明細書に援用されている);2010年6月29日出願の米国特許出願第12/825,953号明細書(これは、その全体が参照により本明細書に援用されている);2010年9月16日出願の米国特許仮出願第61/383,602号明細書(これは、その全体が参照により本明細書に援用されている);2010年12月22日出願の米国特許仮出願第61/426,259号明細書;2011年3月3日に発明の名称「SUBSTITUTED BIPYRIDINES FOR USE IN LIGHT−EMITTING DEVICES」で発明者Shijun Zhengにより出願された米国特許仮出願第61/449,001号明細書(これは、その全体が参照により本明細書に援用されている);および2011年3月3日に発明の名称「COMPOUNDS FOR POROUS FILMS IN LIGHT−EMITTING DEVICES」で発明者Shijun ZhengおよびJensen Cayasにより出願された米国特許仮出願第61/449,034号明細書(これは、その全体が参照により本明細書に援用されている)。
一部の実施形態において、多孔質膜は、化合物−2を含有し得、ならびに約80%の密度および/または約4μmより厚い厚さを有し得る。一部の実施形態では、化合物−2を約110℃で加熱することができ、および/または加熱を約60分間行うことができる。
一部の実施形態において、多孔質膜は、化合物−3を含有し得、ならびに約1.3μmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、化合物−3を約180℃で加熱することができ、および/または加熱を約15分間行うことができる。
下の表1は、図6〜54に図示した膜を調製するために用いた材料および製法を記載するものである。
Figure 2014508385
Figure 2014508385
一般に、装置内の1層の表面の少なくとも一部分に多孔質膜を堆積させて、取り出しまたは散乱効果を生じさせることができる。取り出しのために、多孔質膜を任意の部分内部反射層の表面の少なくとも一部の上に堆積させることができ、該反射層としては、光を内部に反射させることもでき、該部分内部反射層を通って近接層、たとえば、発光層、陽極、陰極、任意の透明層など、に光を進ませることもできる任意の層があげられる。一部の実施形態では、前記陽極と前記膜の間、前記陰極と前記膜の間などに透明層を配置することができる。
多孔質膜を含有する発光装置は、様々な構成を有することができる。たとえば、発光装置は、陽極、陰極、および該陽極と該陰極の間に堆積された発光層を含むことができる。
本明細書に記載する装置に関して、第1層が第2層「の上方に配置されている」場合、該第1層は、該第2層の少なくとも一部分を覆っているが、場合により、それら2層間への1層以上の追加の層の配置が可能である。第1層が第2相「の上に配置されている」場合、該第1層は、該第2層の少なくとも一部分と直接接触している。簡単に言うと、「上方に配置されている」を本明細書中で用いるいずれの状況においても、それは、「上方に配置されている、または上に配置されている」を意味すると解さねばならない。
図55および56を参照して、多孔質5430を、OLED5410の出射面5415の上方に配置することができる。一部の実施形態において、多孔質膜5430は、OLED5410の出射面5410の上に直接配置され(図55)、取り出し膜として機能する。OLED5410からの出射光5440は、多孔質膜5430を通過することができる。一部の実施形態では、ガラス基板5420をOLED5410と多孔質膜5430の間に配置することができ、この場合、ガラス基板5420は、OLED5410の光出射面5415と接触している、またはOLED5410の光出射面5415に近接している。出射光5440は、OLED5410からガラス基板5420を通って進み、多孔質膜5430から出ることができる。多孔質膜5430は、取り出し膜として機能する。
上で説明した装置に好適であるOLED5410は、陽極5560と陰極5510の間に配置された発光層5425を一般に含む。他の層、たとえば、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、追加の発光層などが、発光層5425と陽極5560および/または陰極5510の間に存在することもある。図57Aを参照して、陽極5560の上方に発光層5425を配置し、そして発光層5425の上方に陰極5510を配置する。この装置の頂部および/または底部から光を出射させることができる。図57Bは、陰極5510の上方に発光層5425を配置することができ、そしてその発光層5425の上方に陽極5560を配置することができる実施例を図示するものである。この装置の頂部および/または底部から光を出射させることができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載する取り出し膜または多孔質層5430を、陽極5560または陰極5510の上方に配置することができ、したがって、光は該陽極または該陰極、(もしあれば)任意の介在層を通過し、そして該取り出し膜または多孔質層5430を通過する。一部の実施形態では、透明基板またはガラス基板を陽極5560と多孔質層5430の間に、または陰極5510と多孔質層5430の間に配置することができる。一部の実施形態では、多孔質層5430を透明基板の上に配置する。OLEDから陽極5560を通して光を出射させる場合には、陽極5560上に透明基板を配置する。他の実施形態において、OLEDから陰極5510を通して光を出射させるときには、陰極5510上に透明基板を配置する。
一部の実施形態では、発光層5425と陽極5560の間に、または発光層5425と陰極5510の間に、追加の層が存在することがある。図58を参照して、電子輸送層5530を発光層5425と陰極の5510の間に配置することができ、正孔注入層5550を発光層5425と陽極5560の間に配置することができ、および正孔輸送層5540を発光層5425と正孔注入層5550の間に配置することができる。陽極5560側から光を出射させるときには、陽極5560の上方に多孔質層5430を配置することができる。一部の実施形態では、透明基板5570を陽極5560と多孔質層5430の間に配置することができる。この装置の底部を通してこの装置により出射される光5440を提供するために、発光層5425によって出射された光は、正孔輸送層5540、正孔注入層5550、陽極5560、透明基板5570、そして多孔質膜5430を通過することができる。
一部の実施形態において、陽極は反射性であり、陰極5510側から光を出射することができる。図59を参照して、電子輸送層5530を発光層5425と陰極5510の間に配置することができ、正孔注入層5550を発光層5425と反射陽極5610の間に配置することができ、および正孔輸送層5540を発光層5425と正孔注入層5550の間に配置することができる。キャッピング層5710を陰極5510上に配置することができる。その陰極5510の上方に多孔質層5430を配置することができる。一部の実施形態では、キャッピング層5710を陰極5510上の、該陰極5510と多孔質層5430の間に配置することができる。この装置の頂部を通してこの装置により出射される光5440を提供するために、発光層5425によって出射される光は、電子輸送層5530、陰極5510、キャッピング層5710、そして多孔質膜5430を通過することができる。一部の実施形態では、OLED装置を基板5620、たとえば、インジウム錫酸化物(ITO)/ガラス基板上に配置することができる。反射陽極5610が存在する実施形態では、基板5620は、反射陽極5610と接触していることもあり、または反射陽極5610に近接していることがある。この装置の頂部を通してこの装置により出射される光5440を提供するために、発光層5425によって出射され得る光は、電子輸送層5530、陰極5510、キャッピング層5710、そして多孔質膜5430を通過することができる。
一部の実施形態では、透明陽極5560を通して光を出射することができる。図60を参照して、発光層5425を陰極5510と透明陽極5560の間に配置する。多孔質膜または層5430をその透明陽極5560上に配置する。一部の実施形態では、電子輸送層5530を発光層5425と陰極5510の間に配置することができ、正孔注入層5550を発光層5425と透明陽極5560の間に配置することができ、および正孔輸送層5540を発光層5425と正孔注入層5550の間に配置することができる。一部の実施形態では、OLEDを基板5620、たとえば、インジウム錫酸化物(ITO)/ガラス基板上に配置することができる。基板5620は、陰極5510と接触していることもあり、または陰極5510に近接していることもある。この装置の頂部を通して出射される光5440を提供するために、光は発光層5425により出射され、正孔輸送層5540、正孔注入層5550、陽極5560、そして多孔質膜5430を通過することができる。
陽極は、従来の材料、たとえば、金属、混合金属、合金、金属酸化物もしくは混合金属酸化物、導電性ポリマー、ならびに/または無機材料、たとえば、カーボンナノチューブ(CNT)を含有する層であり得る。好適な金属の例としては、1族金属、4、5、6族の中の金属および8〜10族遷移金属があげられる。陽極層が、光透過性であるべきである場合、10および11族金属、たとえば、Au、PtおよびAg、もしくはこれらの合金;または12、13および14族金属の混合金属酸化物、たとえば、インジウム・錫・酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛・酸化物(IZO)、およびこれらに類するものを使用することができる。一部の実施形態において、陽極層は、ポリアニリンなどの有機金属であり得る。ポリアニリンの使用は、「Flexible light−emitting diodes made from soluble conducting polymer」、Nature、第357巻、477〜479頁(1992年6月11日)に記載されている。好適な高仕事関数金属および金属酸化物の例としては、Au、Pt、またはこれらの合金;ITO;IZO;ならびにこれらの類するものがあげられるが、それらに限定されない。一部の実施形態において、陽極層は、約1nmから約1000nmの範囲の厚さを有し得る。
陰極は、陽極層より低い仕事関数を有する材料を含む層であり得る。陰極層用の好適な材料の例としては、希土類元素、ランタニドおよびアクチニドを含めて、1族のアルカリ金属、2族金属、12族金属から選択されるもの、アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウムおよびマグネシウムなどの材料、ならびにそれらの組み合わせがあげられる。Li含有有機金属化合物、LiFおよびLiOを、有機層と陰極層の間に堆積させて、動作電圧を下げることもできる。一部の実施形態において、陰極は、Al、Ag、Mg、Ca、Cu、Mg/Ag、LiF/Al、CsF、CsF/Al、またはこれらの合金を含有し得る。一部の実施形態において、陰極層は、約1nmから約1000nmの範囲の厚さを有し得る。
透明電極は、多少の光が通過できる陽極または陰極を含み得る。一部の実施形態において、透明電極は、約50%、約80%、約90%、約100%の相対透過率、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の透過率を有し得る。一部の実施形態において、透明電極は、約50%から約100%、約80%から約100%、または約90%から約100%の相対透過率を有し得る。
発光層は、光を出射することができる任意の層であり得る。一部の実施形態において、発光層は、発光成分および場合によりホストを含むことがある。正孔を陽極から発光層に伝達することができるように、および/または電子を陰極から発光層に伝達することができるように、装置を構成することができる。存在する場合、発光層中のホストの量は様々であり得る。たとえば、前記ホストは、前記発光層の約50重量%、約60重量%、約90重量%、約97重量%、もしくは約99重量%であり得、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の百分率であり得る。一部の実施形態において、前記ホストは、前記発光層の約50重量%から約99重量%、約90重量%から約99重量%、または約97重量%から約99重量%であり得る。
一部の実施形態において、化合物10は、発光層中のホストであり得る。
Figure 2014508385
発光層中の発光成分の量は、様々であり得る。たとえば、前記発光成分は、前記発光層の重量の約0.1%、約1%、約3%、約5%、約10%もしくは約100%であり得、またはこれらの値のいずれかによって拘束される範囲もしくはこれらの値のいずれかの間の範囲の任意の百分率であり得る。一部の実施形態において、前記発光層は、ニート発光層である(これは、発光成分が発光層の約100重量%であることを意味する)ことがあり、または代替的に、前記発光層は、発光成分から本質的になる。一部の実施形態において、前記発光成分は、前記発光層の約0.1重量%から約10重量%、約0.1重量%から約3重量%、または約1重量%から約3重量%であり得る。
前記発光成分は、蛍光および/またはリン光性化合物であり得る。一部の実施形態において、前記発光成分は、リン光材料を含有する。発光化合物の一部の非限定的な例としては、次のものをあげることができる:PO−01、ビス−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)−ピコリナート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)ピコリナート、ビス(2−[4,6−ジフルオロフェニル]ピリジナト−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトナート)、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−3−(トリフルオロメチル)−5−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−トリアゾラート、イリジウム(III)ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジナト)−5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾラート、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラ(1−ピラゾリル)ボラート、ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート);ビス[(2−フェニルキノリル)−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート);ビス[(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)]イリジウム(III)(アセチルアセトナート);ビス[(ジベンゾ[f,h]キノキサリノ−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトナート);トリス(2,5−ビス−2’−(9’,9’−ジヘキシルフルオレン)ピリジン)イリジウム(III);トリス[1−フェニルイソキノリナト−N,C2’]イリジウム(III);トリス−[2−(2’−ベンゾチエチル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III);トリス[1−チオフェン−2−イルイソキノリナト−N,C3’]イリジウム(III);およびトリス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリナト−(N,C3’)イリジウム(III))、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトナート)[Ir(ppy)(acac)]、ビス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトナート)[Ir(mppy)(acac)]、ビス(2−(4−tert−ブチル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトナート)[Ir(t−Buppy)(acac)]、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)[Ir(ppy)]、ビス(2−フェニルオキサゾリナト−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトナート)[Ir(op)(acac)]、トリス(2−(4−トリル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)[Ir(mppy)]、ビス[2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)ベンゾチアゾラト−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)、ビス[(2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’)]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)、トリス[2−(9.9−ジメチルフルオレン−2−イル)ピリジナト−(N,C3’)]イリジウム(III)、トリス[2−(9.9−ジメチルフルオレン−2−イル)ピリジナト−(N,C3’)]イリジウム(III)、ビス[5−トリフルオロメチル−2−[3−(N−フェニルカルバゾリル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)、(2−PhPyCz)Ir(III)(acac)など。
Figure 2014508385
Figure 2014508385
1.(Btp)Ir(III)(acac);ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)
2.(Pq)Ir(III)(acac);ビス[(2−フェニルキノリル)−N,C2’]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)
3.(Piq)Ir(III)(acac);ビス[(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)]イリジウム(III)(アセチルアセトナート)
4.(DBQ)Ir(III)(acac);ビス[(ジベンゾ[f,h]キノキサリノ−N,C2’)イリジウム(III)(アセチルアセトナート)
5.[Ir(HFP)]、トリス(2,5−ビス−2’−(9’,9’−ジヘキシルフルオレン)ピリジン)イリジウム(III)
6.Ir(piq);トリス[1−フェニルイソキノリナト−N,C2’]イリジウム(III)
7.Ir(btp);トリス−[2−(2’−ベンゾチエチル)−ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)
8.Ir(tiq)、トリス[1−チオフェン−2−イルイソキノリナト−N,C3’]イリジウム(III)
9.Ir(fliq);トリス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリナト−(N,C3’)イリジウム(III))
Figure 2014508385
発光層の厚さは、様々であり得る。一部の実施形態において、発光層は、約1nmから約150nmまたは約200nmの範囲の厚さを有し得る。
正孔輸送層は、少なくとも1つの正孔輸送材料を含有し得る。正孔輸送材料の例としては、次のものをあげることができる:芳香族置換アミン、カルバゾール、ポリビニルカルバゾール(PVK)、たとえば、ポリ(9−ビニルカルバゾール);ポリフルオレン;ポリフルオレンコポリマー;ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−alt−ベンゾチアジアゾール);ポリ(パラフェニレン);ポリ[2−(5−シアノ−5−メチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン];ベンジジン;フェニレンジアミン;フタロシアニン金属錯体;ポリアセチレン;ポリチオフェン;トリフェニルアミン;銅フタロシアニン;1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)シクロヘキサン;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン;3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル[1,2,4]トリアゾール;3,4,5−トリフェニル−1,2,3−トリアゾール;4,4’,4’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA);N,N’−ビス(3−メチルフェニル)N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD);4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)−トリフェニルアミン(TCTA);4,4’−ビス[N,N’−(3−トリル)アミノ]−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD);4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP);1,3−N,N−ジカルバゾール−ベンゼン(mCP);ビス[4−(p,p’−ジトリル−アミノ)フェニル]ジフェニルシラン(DTASi);2,2’−ビス(4−カルバゾリルフェニル)−1,1’−ビフェニル(4CzPBP);N,N’N’’−1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン(tricarbazoloylbenzene)(tCP);N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン;これらの組み合わせ;または正孔輸送材料として有用であることが当該技術分野において公知の任意の他の材料。
電子輸送層は、少なくとも1つの電子輸送材料を含有し得る。電子輸送材料の例としては、次のものをあげることができる:2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD);1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7)、1,3−ビス[2−(2,2’−ピピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン;3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ);2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP);アルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノラート)(Alq3);および1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンゾイミダゾリル)ベンゼン;1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(BPY−OXD);3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バトクプロインまたはBCP);および1,3,5−トリス[2−N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)。一部の実施形態において、前記電子輸送層は、アルミニウムキノラート(Alq)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、フェナントロリン、キノキサリン、1,3,5−トリス[N−フェニルベンゾイミダゾール−z−イル]ベンゼン(TPBI)、これらの誘導体もしくは組み合わせ、または電子輸送材料として有用であることが当該技術分野において公知の任意の他の材料であり得る。
正孔注入層は、電子を注入することができる任意の材料を含み得る。正孔注入材料の一部の例としては、次のものから選択される、場合により置換されている化合物をあげることができる:ポリチオフェン誘導体、たとえば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ベンジジン誘導体、たとえば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、ポリ(N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン)、トリフェニルアミンもしくはフェニレンジアミン誘導体、たとえば、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−1,4−フェニレンジアミン、4,4’,4”−トリス(N−(ナフチレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、オキサジアゾール誘導体、たとえば、1,3−ビス(5−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン、ポリアセチレン誘導体、たとえば、ポリ(1,2−ビス−ベンジルチオ−アセチレン)、フタロシアニン金属錯体誘導体、たとえば、銅フタロシアニン(CuPc)、これらの組み合わせ、または正孔注入材料として有用であることが当該技術分野において公知の任意の他の材料。一部の実施形態において、正孔注入材料は、依然として正孔を輸送できるが、従来の正孔輸送材料の正孔移動度より実質的に低い正孔移動度を有することがある。
様々な方法を用いて多孔質膜層を発光装置に設けることができる。図61は、用いることができる方法の例を図示するものである。第1工程5910は、透明基板上に多孔質膜の材料を堆積させることを含む。次に、その透明基板上に堆積された材料に対する自由選択の加熱工程5930を行って、多孔質膜を生じさせることができる。次に、工程5950において結合媒体を使用してその基板にOLEDを結合する。
結合媒体は、ガラス基板に類似した屈折率を有する、およびガラス基板をOLEDに接着などにより貼着させることができる、任意の材料であってよい。例としては、屈折率整合油または両面粘着テープをあげることができる。一部の実施形態において、ガラス基板は、約1.5の屈折率を有することがあり、および結合媒体は、約1.4の屈折率を有することがある。これにより、光損失なく、光がガラス基板および結合媒体を通って来ることが可能になり得る。
一部の実施形態では、前記多孔質膜の材料をOLED上に直接堆積させることができる。その堆積された材料に対する自由選択の加熱工程を行って多孔質膜を生じさせることもできる。
一部の実施形態において、その加熱温度は、許容され得ない程の悪影響をOLEDに及ぼさない、十分に低いものであり得る。前記多孔質膜の材料が化合物−1を含む一定の実施形態では、アニール(すなわち、加熱工程)が必要ないこともある。
発光装置は、環境損傷、たとえば、湿気、機械的変形などに起因する損傷、から多孔質膜要素を保護するための封止層または保護層をさらに含むことがある。たとえば、多孔質膜と環境の間に保護バリアを設けるように保護層を設置することができる。
多孔質膜を封止または保護するための多くの方法があるが、図62Aは、封止された装置の構造の概略図であり、図62Bは、その装置を調製するために用いることができる1つの方法を示す。この方法の場合、工程6200は、透明基板5570上に多孔質膜5430を配置することを含み、工程6201は、透明シート6210を多孔質膜5430の上方に貼着する貼着することを含む。透明シート6210を多孔質膜5430の上方に配置したら、工程6202に示すように透明シート6210および透明基板5570の縁部をシール材6220によって互いにシールすることができる。シール材6220は、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ、または別の架橋性材料であり得る。場合により、透明シート6210と多孔質材料5430の間に間隙6280が存在することがある。保護層6250および透明基板5570の縁部をシールせずに、保護層(すなわち、透明シート)で多孔質膜5430をコーティングすることもできる。次に、工程6205では、その封止された多孔質膜を結合媒体5960によってOLED5410に結合させることができる。必要に応じて、追加の層を前記発光装置に含めることができる。これらの追加の層としては、電子注入層(EIL)、正孔ブロック層(HBL)、および/または励起子ブロック層(EBL)をあげることができる。
存在する場合、電子注入層は、発光装置内の様々な位置、たとえば、陰極層と光出射層の間の任意の位置にあり得る。一部の実施形態において、電子注入材料(単数または複数)の最低空軌道(LUMO)エネルギーレベルは、光出射層からの電子の受け取りを防止するほど高い。他の実施形態において、電子注入材料(単数または複数)のLUMOと陰極層の仕事関数の間のエネルギー差は、電子注入層による陰極から発光層への電子の効率的注入を可能にするほど小さい。多数の好適な電子注入材料が当業者に公知である。好適な電子注入材料の例としては、次のものから選択される、場合によっては置換されている化合物を挙ることができるが、それらに限定されない:LiF、CsF、上記の電子輸送材料にドープされたCs、またはそれらの誘導体もしくは組み合わせ。
存在する場合、正孔ブロック層は、発光装置内の様々な位置、たとえば、陰極と発光層の間の任意の位置にあり得る。正孔ブロック層に含めることができる様々な好適な正孔ブロック材料が当業者に公知である。好適な正孔ブロック材料(単数または複数)としては、次のものから選択される、場合によっては置換されている化合物があげられるが、それらに限定されない:バトクプロイン(BCP)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−4−フェニル−[1,2,4]トリアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、1,1−ビス(4−ビス(4−メチルフェニル)アミノフェニル)−シクロヘキサンなど、およびこれらの組み合わせ。
存在する場合、励起子ブロック層は、発光装置内の様々な位置、たとえば、発光層と陽極の間の任意の位置にあり得る。一部実施形態において、励起子ブロック層を構成する材料(単数または複数)のバンドギャップエネルギーは、励起子の拡散を実質的に防止するほど大きいだろう。励起子ブロック層に含めることができる多数の好適な励起子ブロック材料が当業者に公知である。励起子ブロック層を構成することができる材料(単数または複数)の例としては、次のものから選択される、場合によっては置換されている化合物があげられる:アルミニウムキノラート(Alq)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)およびバトクプロイン(BCP)、ならびに励起子の拡散を実質的に防止するのに十分な大きさのバンドギャップを有する他の材料(単数または複数)。
Figure 2014508385
5−ブロモニコチノイルクロリド:
塩化チオニル(25mL)中の5−ブロモニコチン酸(10g)の混合物に無水DMF(0.5mL)を添加した。全体を一晩、還流させた。室温(RT)に冷却した後、過剰な塩化チオニルを減圧下で除去した。白色固体(11g)を得、それをさらに精製せずに次の工程に用いた。
Figure 2014508385
5−ブロモ−N−(2−ブロモフェニル)ニコチンアミド:
無水ジクロロメタン(100mL)中の5−ブロモニコチノイルクロリド(7.5g、33mmol)、2−ブロモアニリン(5.86g、33mmol)およびトリエチルアミン(14mL、100mmol)の混合物をアルゴン下で一晩撹拌した。得られた混合物を水で処理し、ジクロロメタン(200mLx2)で抽出した。有機相を回収し、NaSOで乾燥させた。有機相を150mLに濃縮した後、白色結晶質固体を破壊した。濾過およびヘキサンによる洗浄によって白色固体(10.0g、収率85%)を得た。
Figure 2014508385
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール:
無水1,4−ジオキサン(50mL)中の5−ブロモ−N−(2−ブロモフェニル)ニコチンアミド(3.44g、9.7mmol)、CuI(0.106g、0.56mmol)、CsCO(3.91g、12mmol)および1,10−フェナントロリン(0.20g、1.12mmol)の混合物を100℃で一晩加熱した。RTに冷却した後、その混合物を酢酸エチル(200mL)に注入し、その後、水で洗浄した。水性相を酢酸エチル(200mLx2)で抽出し、有機相を回収し、NaSOで乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 3:1)によって精製して、薄黄色固体(2.0g、収率75%)を得た。
Figure 2014508385
化合物−1:
DMSO中の2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(550mg、2mmol)、酢酸カリウム(600mg、6.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(254mg、1mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(73mg、0.1mmol)の混合物を脱気し、アルゴン雰囲気下で一晩、90℃で加熱した。冷却後、全体を水に注入し、濾過により固体を得、それをイソプロパノール、塩化メチレンで洗浄した。白色固体を生成物である化合物−1として得た(250mg、収率64%)。
Figure 2014508385
Figure 2014508385
2−(3−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール:
無水1,4−ジオキサン(110mL)中の3−ブロモベンゾイルクロリド(10.0g、45.6mmol)、2−ブロモアニリン(7.91g、46mmol)、CsCO(30g、92mmol)、CuI(0.437g、2.3mmol)および1,10−フェナントロリン(0.829g、4.6mmol)の混合物を120℃で8時間加熱した。RTに冷却した後、その混合物を酢酸エチル(300mL)に注入し、水(250mL)で処理した。その水溶液をジクロロメタン(300mL)で抽出した。有機相を回収し、併せ、NaSOで乾燥させた。ショートシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル 3:1)による精製によって固体を得、それをヘキサンで洗浄して、薄黄色固体(9.54g、収率76%)を得た。
Figure 2014508385
2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール:
無水1,4−ジオキサン(50mL)中の2−(3−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(2.4g、8.8mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.29g、9.0mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.27g、0.37mmol)および酢酸カリウム(2.0g、9.0mmol)の混合物を脱気し、その後、80℃で一晩加熱した。RTに冷却した後、その混合物を酢酸エチル(100mL)に注入した。濾過後、その溶液をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 4:1)によって精製して、白色固体(収率75%で、2.1g)を得た。
Figure 2014508385
化合物−2:
ジオキサン/水(40mL/8mL)中の3,5−ジブロモピリジン(0.38g、1.6mmol)、2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(1.04g、3.1mol)、Pd(PPh(0.20g、0.17mmol)および炭酸カリウム(0.96g、7.0mmol)の混合物を脱気し、90℃で一晩、アルゴン下で加熱した。RTに冷却した後、沈殿を濾過し、メタノールで洗浄して、白色固体(収率95%で、0.73g)を得た。
Figure 2014508385
1,3−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン:
1,3−ジブロモベンゼン(2.5g、10.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.0g、23.5mmol)、Pd(dppf)Cl(.9g、1.2mmol)、および酢酸カリウム(7.1g、72.1mmol)を50mLの1,4−ジオキサンに溶解した。その反応混合物をアルゴンで脱気し、その後、アルゴン下で18時間、85℃に加熱した。反応混合物を濾過し、酢酸エチルでの抽出を行った。有機相を水およびブラインで洗浄した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。1:9 酢酸エチル:ヘキサンを溶離剤として用いてシリカゲルカラムにより、その得られた残留物を精製した。溶剤を除去し、その生成物をジクロロメタン/メタノールから再結晶させて、生成物をオフホワイト固体として得た(3.008g、収率86%)。
Figure 2014508385
5−ブロモニコチノイルクロリド:
塩化チオニル(25mL)中の5−ブロモニコチン酸(10g)の混合物に無水DMF(0.5mL)を添加した。全体を、一晩、加熱して還流させた。RTに冷却した後、過剰な塩化チオニルを減圧下で除去した。白色固体(11g)を得、それをさらに精製せずに次の工程に用いた。
Figure 2014508385
5−ブロモ−N−(2−ブロモフェニル)ニコチンアミド:
無水ジクロロメタン(100mL)中の5−ブロモニコチノイルクロリド(7.5g、33mmol)、2−ブロモアニリン(5.86g、33mmol)およびトリエチルアミン(14mL、100mmol)の混合物をアルゴン下で一晩撹拌した。得られた混合物を水で処理し、ジクロロメタン(200mL×2)で抽出した。有機相を回収し、NaSOで乾燥させた。150mLに濃縮した後、白色結晶質固体を破壊した。濾過およびヘキサンによる洗浄によって白色固体(10.0g、収率85%)を得た。
Figure 2014508385
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール:
無水1,4−ジオキサン(50mL)中の5−ブロモ−N−(2−ブロモフェニル)ニコチンアミド(3.44g、9.7mmol)、CuI(0.106g、0.56mmol)、CsCO(3.91g、12mmol)および1,10−フェナントロリン(0.20g、1.12mmol)の混合物を100℃で一晩加熱した。RTに冷却した後、その混合物を酢酸エチル(200mL)に注入し、その後、水で洗浄した。水性相を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機相を回収し、NaSOで乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 3:1)によって精製して、薄黄色固体(2.0g、収率75%)を得た。
Figure 2014508385
化合物−3:
ジオキサン/水(30mL/6mL)中の1,3−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(0.63g、1.92mmol)、2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(1.05g、3.83mmol)、Pd(PPh(0.219g、0.19mmol)および炭酸カリウム(1.1g、8mmol)の混合物を脱気し、85℃で一晩、アルゴン下で加熱した。RTに冷却した後、沈殿を濾過し、メタノール(300mL×3)で洗浄し、真空下で乾燥させて、白色固体(0.88g、収率98%)を得た。
Figure 2014508385
2−(4−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(X1):
無水1,4−ジオキサン(80mL)中の4−ブロモベンゾイルクロリド(4.84g、22mmol)、2−ブロモアニリン(3.8g、22mmol)、CuI(0.21g、1.1mmol)、CsCO(14.3g、44mmol)および1,10−フェナントロリン(0.398g、2.2mmol)の混合物を脱気し、アルゴン下で一晩、約125℃で加熱した。その混合物を冷却し、酢酸エチル(〜200mL)に注入し、濾過した。濾液をシリカゲルに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 4:1)によって精製し、ヘキサンにより沈殿させて、白色固体(収率87%で、5.2g)を得た。
Figure 2014508385
2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(X2):
無水1,4−ジオキサン(80mL)中のX1(4.45g、16mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(4.09g、16.1mmol)、無水酢酸カリウム(3.14g、32mmol)およびPd(dppf)Cl(0.48g、0.66mmol)の混合物を脱気し、約85℃で約48時間、アルゴン下で加熱した。RTに冷却した後、その混合物を酢酸エチル(〜200mL)に注入し、濾過した。濾液をシリカゲルに吸着させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 4:1)によって精製して、白色固体(収率81%で、4.15g)を得た。
Figure 2014508385
4’−ブロモ−N,N−ジ−p−トリルビフェニル−4−アミン(22):
ジ−p−トリルアミン(6.0g、30.4mmol)、4,4’−ジブロモビフェニル(23.7g、76.0mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(7.26g、91.2mmol)および[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(Pd(dppf)Cl)(666mg、0.912mmol、3mol%)を無水トルエン(約250mL)に添加し、アルゴン中で30分間脱気した。得られた混合物を約80℃で約6時間加熱し、その後、TLC分析は、ジ−p−トリルアミンの大部分が消費されたことを示した。RTに冷却した後、その混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液に注入し、酢酸エチルで2回洗浄した。有機層をプールし、水およびブラインで洗浄し、その後、MgSOで乾燥させた。濾過後、その抽出液をロータリーエバポレータで濃縮乾固させ、その後、シリカゲルに負荷した。フラッシュカラム(100%ヘキサンからヘキサン中1%塩化メチレンへの勾配)により、結果として、CDCl中でのH NMRによって確認して9.4g(72%)の白色固体を得た。
Figure 2014508385
化合物−4:
THF/HO(10mL/6mL)中のX2(0.66g、2.05mmol)、化合物22(0.80g、1.87mmol)、NaCO(0.708g、6.68mmol)およびPd(PPh(0.065g、56.1mmol)の混合物を脱気し、80℃で一晩、アルゴン雰囲気下で加熱した。冷却後、混合物をジクロロメタン(100mL)に注入し、水(2x200mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機相を回収し、NaSOで乾燥させ、その後、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 40:1から9:1)によって精製して、固体(収率93%で、0.936g)を得た。
Figure 2014508385
4’−ブロモ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(X3):
THF/HO(28mL/17mL)中の(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)ボロン酸(1.5g、5.19mmol)、4−ヨード−1−ブロモベンゼン(1.33g、4.71mmol)、NaCO(1.78g、16.8mmol)およびPd(PPh(0.163g、0.141mmol)の混合物を脱気し、一晩、アルゴン雰囲気下で還流させながら加熱した。冷却後、混合物をジクロロメタン(150mL)に注入し、その後、水(2x150mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 50:1)で精製し、その後、ジクロロメタン/メタノール中で再結晶させて、白色固体(収率87%で、1.64g)を得た。
Figure 2014508385
化合物−5:
THF/HO(21mL/12.5mL)中のX3(1.40g、3.5mmol)、化合物10(1.52g、3.85mmol)、NaCO(1.32g、12.5mmol)およびPd(PPh(121mg、0.105mmol)の混合物を脱気し、一晩、アルゴン雰囲気下で還流させながら加熱した。RTに冷却した後、混合物をジクロロメタン(150mL)に注入し、その後、水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、シリカゲルに吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として、ヘキサン/酢酸エチル 5:1から2:1、その後、ジクロロメタン)を用いて精製した。生成物を回収し、アセトン/ヘキサンから再結晶させて、固体(1.69g)を得た。それをジクロロメタン/酢酸エチル中で再び再結晶させて、固体(1.4g、収率68%)を得た。
Figure 2014508385
4−(5−ブロモピリジン−2−イル)−N,N−ジフェニルアニリン(1)。
4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(7.00g、24.2mmol)、5−ブロモ−2−ヨードピリジン(7.56g、26.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.40g、1.21mmol)、NaCO(9.18g、86.6mmol)、HO(84mL)およびTHF(140mL)の混合物を撹拌しながら1.5時間、アルゴンで脱気した。その後、その撹拌反応混合物をアルゴン下、80℃で19時間維持した。TLC(SiO、19:1 ヘキサン−EtOAc)により出発原料の消費を確認し次第、その反応物をRTに冷却し、EtOAc(500mL)上に注いだ。その後、有機部分を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。その粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2:1 ヘキサン−ジクロロメタン)によって精製して、化合物1(9.54g、98%)を薄黄色の結晶質固体として得た。
N,N−ジフェニル−4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)アニリン(2)。
1(6.00g、15.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(4.18g、16.4mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.656g、0.897mmol)、酢酸カリウム(4.40g、44.9mmol)および無水1,4−ジオキサン(90mL)の混合物を撹拌しながら50分間、アルゴンで脱気した。その後、その撹拌反応混合物をアルゴン下、80℃で67時間維持した。TLC(SiO、4:1 ヘキサン−アセトン)により出発原料の消費を確認し次第、その反応物をRTに冷却し、濾過し、大量にEtOAc(約200mL)を用いて濾過物(filtrant)を洗浄した。その後、有機部分を飽和NaHCO、HO、飽和NHClおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。その後、その粗製物をヘキサン(約300mL)に溶かし、不溶物を濾過して除去し、濾液を濃縮して、2(6.34g、95%)を黄色フォームとして得、それをさらに精製せずに先の工程に持って行った。
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)ベンゾ[d]チアゾール(9)。
2−アミノチオフェノール(5.01g、40.0mmol)、5−ブロモ−2−ホルミルピリジン(7.44g、40.0mmol)およびエタノール(40mL)の混合物を、大気に開放したまま3日間、加熱して還流させた(100℃)。TLC(SiO、29:1 ヘキサン−アセトン)により出発原料の消費を確認し次第、その反応物をRTに冷却し、得られた混合物を濾過し、大量にエタノールを用いて濾過物を洗浄して、9(5.62g、48%)をオフホワイト固体として得た。
4−(6’−ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)−N,N−ジフェニルアニリン(化合物−6)。
9(3.05g、7.59mmol)、2(3.40g、7.59mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.438g、0.379mmol)、NaCO(7.42g、70.0mmol)、HO(70mL)およびTHF(115mL)の混合物を撹拌しながら1.25時間、アルゴンで脱気した。その後、その撹拌反応混合物をアルゴン下、80℃で65時間維持した。TLC(SiO、CHCl)により出発原料の消費を確認し次第、その反応物をRTに冷却し、CHCl(400mL)上に注いだ。その後、有機部分を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、100%CHClから49:1 CHCl−アセトン)によるその粗製生成物の精製により、化合物−6(3.98g、82%)を黄色固体として得た。
Figure 2014508385
9−(4−ブロモフェニル)−9H−カルバゾール(4)。
カルバゾール(6.30g、37.7mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(15.99g、56.52mmol)、銅粉(4.79g、75.4mmol)、KCO(20.83g、150.7mmol)および無水DMF(100mL)の混合物を撹拌しながら1時間、アルゴンで脱気した。その後、その撹拌反応混合物をアルゴン下、130℃で42時間維持した。TLC(SiO、4:1 ヘキサン−ジクロロメタン)によって出発原料の消費を確認し次第、その混合物をRTに冷却し、濾過し、大量にEtOAc(約200mL)を用いてその濾過物を洗浄し、得られた濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン)によるその粗製生成物の精製により、4(11.7g、96%)を淡黄色固体として得た。
9−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール(5)。
4(11.64g、36.12mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(19.26g、75.85mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.59g、2.17mmol)、酢酸カリウム(10.64g、108.4mmol)および無水1,4−ジオキサン(200mL)の混合物を撹拌しながら2時間、アルゴンで脱気した。その後、その撹拌反応混合物をアルゴン下、80℃で67時間維持した。TLC(SiO、ヘキサン)により出発原料の消費を確認し次第、その混合物をRTに冷却し、シリカゲルショートプラグに通して濾過し、大量にEtOAc(約400mL)を用いて濾過物を洗浄した。その後、有機部分を飽和NaHCO、HO、およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、7:3から1:1 ヘキサン−ジクロロメタン)によるその粗製生成物の精製により、5(10.8g、81%)を無色固体として得た。
9−(4−(5−ブロモピリジン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール(6)。
1についての手順に従って、5(4.84g、13.1mmol)、5−ブロモ−2−ヨードピリジン(3.72g、13.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.757g、0.655mmol)、NaCO(4.97g、46.9mmol)、HO(45mL)およびTHF(75mL)により、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:1 ヘキサン−ジクロロメタン)およびその後のEtOAcでの倍散の後、6(4.73g、90%)を無色固体として得た。
9−(4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾール(7)。
2についての手順に従って、6(6.22g、15.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(4.35g、17.1mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.684g、0.935mmol)、酢酸カリウム(4.59、46.7mmol)および無水1,4−ジオキサン(93mL)により、7(6.55g、94%)を茶色がかった灰色の固体として得た。
2−(6’−(4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)ベンゾ[d]チアゾール(化合物−7)。
7(0.841g、1.89mmol)、9(0.549g、1.89mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(109mg、94.2μmol)、NaCO(1.59g、15.0mmol)、HO(15mL)およびTHF(25mL)の混合物を撹拌しながら20分間、アルゴンで脱気した。その後、その撹拌反応混合物をアルゴン下、80℃で18時間維持した。TLC(SiO、CHCl)により出発原料の消費を確認し次第、その混合物をRTに冷却し、CHCl(300mL)上に注いだ。その後、有機部分を飽和NaHCO、HO、およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、100%CHClから49:1 CHCl−アセトン)によるその粗製生成物の精製により、化合物−7(0.72g、72%)を薄黄色固体として得た。
2−(6’−(4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)−3,3’−ビピリジン−6−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(化合物−8)。
化合物−7についての手順に従って、7(0.868g、1.95mmol)、10(0.535g、1.95mmol)(これは、9についての手順と同じ手順に従って作製する)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(112mg、97.2μmol)、NaCO(1.59g、15.0mmol)、HO(15mL)およびTHF(25mL)の混合物により、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、100% CHClから19:1 CHCl−アセトン)後、化合物−8(0.81g、81%)を白色固体として得た。
Figure 2014508385
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]チアゾール(X4):
2−アミノチオフェノール(500mg、3.99mmol)と5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシアルデヒド(743mg、3.99mmol)の混合物にエタノール(10mL)を添加した。その後、その混合物を一晩、周囲空気下で加熱して還流させた(100℃)。冷却後、混合物を真空下で乾燥させ、その後、塩化メチレン(100mL)に再溶解した。溶液を水(100mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その粗製材料をシリカのプラグ(ヘキサン中の16%酢酸エチル)に通し、メタノールから沈殿させて、564mgの材料を収率49%で得た。
Figure 2014508385
2,2’−(5−メチル−1,3−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(X5):
1,3−ジブロモ−5−メチルベンゼン(5.0g、20.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(11.3g、44.4mmol)、Pd(dppf)Cl(1.6g、2.2mmol)、および酢酸カリウム(13.3g、136.0mmol)を75mLの1,4−ジオキサンに溶解した。その反応混合物をアルゴンで脱気し、その後、アルゴン下で18時間、85℃に加熱した。反応混合物を濾過し、酢酸エチルでの抽出を行った。有機相を水およびブラインで洗浄し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。1:4 酢酸エチル:ヘキサンを溶離剤として用いてシリカゲルカラムにより、その得られた残留物を精製して、生成物をオフホワイト固体として得た(0.399g、収率58%)。
Figure 2014508385
化合物−9:
THF/水(30mL/17mL)中の2,2’−(5−メチル−1,3−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(0.747g、2.17mmol)、2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]チアゾール(1.39g、4.77mmol)、Pd(PPh(0.165g、0.143mmol)および炭酸カリウム(1.81g、17.0mmol)の混合物を脱気し、一晩、アルゴン下で還流させながら加熱した(85℃)。RTに冷却した後、その混合物を濾過し、固体を水、メタノールおよびTHFで洗浄した。固体を回収し、濾液を水(150mL)に添加し、ジクロロメタン(150mL×2)で抽出した。その有機溶液をNaSOで乾燥させ、シリカゲルに負荷し、ヘキサン/アセトン(4:1から3:1)を使用してフラッシュカラムにより精製した。所望の画分を回収し、第1濾過からの固体と併せた。その固体を熱ジクロロメタンで洗浄し、濾過し、メタノールで洗浄して、0.91gの生成物を収率82%で得た。
Figure 2014508385
化合物−10 3,5−ジ([1,1’−ビフェニル]−3−イル)ピリジン:
3,5−ジブロモピリジン(1.235g、5.215mmol)、[1,1’−ビフェニル]−3−イルボロン酸(2.169g、10.95mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.362g、0.313mmol)、NaCO(2.544g、24.00mmol)、HO(24mL)およびTHF(40mL)の混合物を撹拌しながら43分間、アルゴンで脱気した。その後、TLC(SiO、7:3 ヘキサン−酢酸エチル)により出発原料の消費が確認されるまで(4日間)、撹拌しながらその反応混合物をアルゴン下、80℃で維持した。完了したら、反応物をRTに冷却し、ジクロロメタン(約250mL)上に注いだ。その後、有機部分をHOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、100%ジクロロメタン)によるその粗製生成物の精製によって、化合物−10(1.38g、69%)をオフホワイト固体として得た。
Figure 2014508385
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール:
5−ブロモニコチノイルクロリド(13.46g、61.04mmol)、2−ブロモアニリン(10.00g、58.13mmol)、CsCO(37.88g、116.3mmol)、CuI(0.554g、2.907mmol)、1,10−フェナントロリン(1.048g、5.813mmol)および無水1,4−ジオキサン(110mL)の混合物を撹拌しながら1時間、アルゴンで脱気した。その後、TLC(SiO、1:1 ヘキサン−ジクロロメタン)により出発原料の消費が確認されるまで(48時間)、撹拌しながらその反応混合物をアルゴン下、120℃で維持した。RTに冷却し次第、ジクロロメタン(約200mL)をその反応物に添加し、その混合物を濾過し、大量にジクロロメタン(約200mL)および酢酸エチル(約200mL)を用いてその濾過物を洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、100%ジクロロメタンから29:1−ジクロロメタン:アセトン)によるその粗製生成物の精製によって、2−(5−(ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(7.32g、46%)を薄褐色結晶質固体として得た。
Figure 2014508385
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール:
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(7.119g、25.88mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(7.229g、28.47mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.947g、1.294mmol)、酢酸カリウム(7.619g、77.63mmol)および無水1,4−ジオキサン(150mL)の混合物を、TLC(SiO、9:1 ジクロロメタン:アセトン)により出発原料の消費が確認されるまで(3日間)、撹拌しながらアルゴン下、100℃で維持した。RTに冷却し次第、ジクロロメタン(約300mL)をその反応物に添加し、その混合物を濾過し、濾過物をジクロロメタン(約100mL)で洗浄した。その後、濾液(filtrate)を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。その粗生成物を熱ヘキサンからの濾過によって精製し、得られた濾液を濃縮して、再結晶により、2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(6.423g、77%)をオレンジ色がかった褐色の固体として得た。
Figure 2014508385
5,5”−ビス(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)−3,3’:5’,3”−テルピリジン(化合物11):
2−(5−ブロモピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール(2.000g、6.208mmol)、3,5−ジブロモピリジン(0.7003g、2.956mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.205g、0.177mmol)、NaCO(3.18g、30.0mmol)、HO(15mL)およびTHF(25mL)の混合物を撹拌しながら27分間、アルゴンで脱気した。その後、その反応混合物をアルゴン下、85℃で16時間維持した。RTに冷却し次第、反応混合物を濾過し、大量にHOおよびメタノールを用いてその濾過物を洗浄して、化合物−11(1.36g、99%)をオフホワイト固体として得た。
Figure 2014508385
2−(3−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール:
3−ブロモベンゾイルクロリド(6.005g、27.36mmol)、2−ブロモアニリン(4.707g、27.36mmol)、CsCO(17.83g、54.73mmol)、CuI(0.261g、1.37mmol)、1,10−フェナントロリン(0.493g、2.74mmol)および無水1,4−ジオキサン(50mL)の混合物を撹拌しながら40℃で30分間、アルゴンで脱気した。その後、TLC(SiO、4:1 ヘキサン−酢酸エチル)により出発原料の消費が確認されるまで(24時間)、撹拌しながらその反応混合物をアルゴン下、120℃で維持した。RTに冷却し次第、その混合物を濾過し、大量に酢酸エチル(約350mL)を用いてその濾過物を洗浄した。その後、濾液を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、4:1−ヘキサン:酢酸エチル)によるその粗製生成物の精製によって、2−(3−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(7.50g、100%)をオフホワイト固体として得た。
Figure 2014508385
2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール:
2−(3−ブロモフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(7.500g、27.36mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(7.296g、28.73mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(1.001g、1.368mmol)、酢酸カリウム(6.176g、62.93mmol)および無水1,4−ジオキサン(71mL)の混合物を撹拌しながら40℃で37分間、アルゴンで脱気した。その後、TLC(SiO、2:1 ヘキサン−ジクロロメタン)により出発原料の消費が確認されるまで(21時間)、撹拌しながらその反応混合物をアルゴン下、100℃で維持した。RTに冷却し次第、その混合物を濾過し、大量に酢酸エチル(約700mL)を用いてその濾液を洗浄した。その後、濾液を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、9:1−ジクロロメタン:ヘキサンから19:1−ジクロロメタン:アセトン)によるその粗生成物の精製によって、2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(6.76g、77%)をオフホワイト固体として得た。
Figure 2014508385
3,3”−ビス(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)−1,1’:3’,1”−テルフェニル(化合物12)。
2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]オキサゾール(2.25g、7.01mmol)、1,3−ジヨードベンゼン(1.101g、3.337mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.193g、0.167mmol)、NaCO(2.555g、24.11mmol)、HO(24mL)およびTHF(40mL)の混合物を撹拌しながら33分間、アルゴンで脱気した。その後、TLC(SiO、9:1 ヘキサン−アセトン)により出発原料の消費が確認されるまで(22時間)、撹拌しながらその反応混合物をアルゴン下、80℃で維持した。完了したら、反応物をRTに冷却し、ジクロロメタン(約350mL)上に注いだ。その後、その得られた混合物を濾過し、濾液を飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、19:1−ジクロロメタン:ヘキサンから100%ジクロロメタン)によるその粗製生成物の精製によって、化合物−12(0.98g、63%)を薄黄色固体として得た。
(装置実施例)
Keithley 2400 SourceMeterおよびNewport 2832−C電力計および818UV検出器を用いてI−V−L特性を調べた。
(対照実施例1)
(OLED A(装置A)調製)
図63に示す概略図に従って、OLED A 6401を調製した。OLED A 6401は、透明基板6400上に配置された陽極6410、その上に配置された正孔注入層6420、その上に配置された正孔輸送層6430、その上に配置された発光層6440、その上に配置された電子輸送層6450、その上に配置された陰極6460を備えていた。
OLED Aなどの装置の層は、様々な材料を含有し得るが、OLED Aの場合、陰極6460は、LiF/Alであり、電子輸送層6450は、TPBIであり、発光層6440は、エミッタとして約5%PO−01、およびホストとして化合物−10を含有し、正孔輸送層6430は、α−NPDであり、正孔注入層6420は、PEDOTであり、陽極6410は、ITOであり、ならびに透明基板6400は、ガラスであった。
OLED Aを次の手順によって調製した。前もって清浄にしておいたITO/ガラスの頂部にPEDOT正孔注入層をスピンコートし、その後、30nmの厚さのα−NPD正孔輸送層を約1Å/秒の蒸着速度で真空蒸着させた。黄色エミッタPO−01とホストである化合物−10のそれぞれ約0.05および約1Å/秒の蒸着速度での共蒸着によって発光層を付加して、約30nmの厚さを有する発光層を形成した。TPBIを約1Å/秒で約30nmの厚さに蒸着させた。LiFをETLの頂部に0.1Å/秒の蒸着速度で約1nmの厚さに蒸着させ、続いてAlを2Å/秒の速度で約100nmの厚さに蒸着させた。このチャンバのベース真空は、約3x10−7トルであった。
(比較例2)
図64に示す概略図に従って、装置B 6501を調製した。50nmの厚さを有するα−NPDの層6500をOLED A6401の透明基板6400の底面にコーティングした。このα−NPD 6500は、平滑な形態を特徴とした。
装置Bは、50nmの厚さのα−NPD層をガラス基板の外面に約4x10−7トルの真空下、約2Å/秒の蒸着速度で蒸着させたことを除き、装置Aと同じ手順によって調製した。
Figure 2014508385
図65は、装置Bと比較した場合のOLED Aについての輝度(B)の関数としての電力効率のプロットである。このプロットは、装置Bが、得られる輝度範囲に関してOLED Aと比較して約2%の電力効率減少を有することを示す。したがって、平滑なα−NPD層は、装置効率を向上させないようであった。
(比較例3)
図66に示す概略図に従って、装置C 6701を調製した。約50nmの厚さを有する化合物−9の層6700をOLED A6401の透明基板6400の底面にコーティングした。図67に図示する化合物−9の層6700は、高多孔質でない規則的ナノ構造を特徴とした。
装置Cは、600nmの厚さの化合物−9層をガラス基板の外面の頂部に約4x10−7トルの真空下、約2Å/秒の蒸着速度で蒸着させたことを除き、装置Aと同じ手順によって調製した。
図68は、装置Cと比較した場合のOLED Aについての輝度(B)の関数としての電力効率のプロットである。このプロットは、装置Cが、得られる輝度範囲に関してOLED Aと同様の電力効率を有することを示す。したがって、化合物−9の規則正しいナノ構造は、装置効率を向上させないようであった。
(装置実施例1)
図69に示す概略図に従って、装置D 7000を調製した。3μmの厚さを有する化合物−2の層7010をOLED A 6401の透明基板6400の底面にコーティングした。化合物−2の層7010のSEMは、図54に図示し、上で説明している。
装置Dは、600nmの厚さの化合物−2の層をガラス基板の外面に蒸着させたことを除き、装置Aと同じ手順によって調製した。蒸着速度を記録する蒸着源付近に備え付けられた膜厚センサによって、その厚さを判定した。膜厚センサによって得られる厚さは、その膜が稠密であるという仮定に依存する。材料を、約4x10−7トルの真空下で、稠密材料の約2Å/sに対応する速度で蒸着させた。SEMおよび厚さ測定値は、蒸着された化合物−2層が高多孔質であり、無孔質膜の厚さの約5倍である約3μmの厚さを有することを示した。
図70は、装置Dと比較した場合のOLED Dについての輝度(B)の関数としての電力効率のプロットである。全範囲にわたって、装置Dの効率は、OLED Aのほぼ2倍高かった。したがって、この実施例において、複数の不規則に配列されたナノ突起またはナノ粒子を含有する多孔質膜は、装置効率の相当な向上をもたらした。
装置実施例2
(装置実施例2)
化合物−2層の厚さを変えて、装置Dと同様の装置の電力効率を得た。図71は、化合物−2層の一定範囲の厚さに対する1000cd/m2での電力効率のプロットである。図71は、PE効率が、約3μm以上の厚さで約1.94倍になることを示す。
多孔質膜による透明基板からの光抽出効率を以下の方法によって決定した。この実験の構成を図72に図示する。
図72の左側に示すように、OLED装置Aのガラス基板6410と光検出センサ6407(Si光ダイオード)の表面の間に空気6405しかないOLED A 6401の電力効率を得た。OLEDの発光層から出射される一部の光は、ガラスの屈折率(n=1.5)と空気の屈折率(n=1)の不整合のため、ガラス基板内に閉じ込められて残存することとなる(ガラスモード)。
次に、透明基板の屈折率と同じである約1.5の屈折率を有する油6403にOLED Aを浸漬した。油6403が装置6401と光検出センサ6407(Si光ダイオード)の間の間隙を満たしたので、ガラスの中に閉じ込められたすべての光は、ガラス−油界面を通過した。したがって、Si光ダイオード検出器は、理想的場合ではあろうが、100%光抽出の光の量を受け取る。
図73は、油に浸漬したOLED Aの効率および浸漬なしに直接得た効率(参照)のプロットである。浸漬した装置の電力効率は、浸漬なしの装置の電力効率の約2倍(たとえば、1000cd/mで2.18倍)である。浸漬した装置の電力効率のすべてが、透明基板からの100%光抽出を表すと仮定すると、装置Dは、約89%(たとえば、1.94/2.18=0.89)の光抽出効率を有する。
図74は、点灯されたOLED A(A)および点灯された装置D(B)の写真である。
(装置実施例3)
化合物−3をガラス基板上に堆積させた。その基板上の膜の写真を図75のスライド1として示す。この膜のSEMを図76に図示する。このSEMの外観は、図51のものに似ており、図51に関して列挙した形状および寸法のすべてが図76に当てはまり得る。この膜における粒子または突起の少なくとも一部は、約300nmのx方向寸法、約50nmのy方向寸法、および/または約50nmのz方向寸法を有し得る。
化合物−3もガラス基板上に堆積させ、その後、約200℃で約5分間加熱した。この加熱した膜の写真を図75のスライド2として示す。この膜のSEMを図77に図示する。このSEMの外観は、図52のものに似ており、図51に関して列挙した形状および寸法のすべてが図77に当てはまり得る。この膜における粒子または突起の少なくとも一部は、約800nmのx方向寸法、約300nmのy方向寸法、および/または約50nmのz方向寸法を有し得る。
また、化合物−3をガラス基板上に堆積させ、その後、約200℃で約30分間加熱した。この加熱した膜の写真を図75のスライド5として示す。この膜のSEMを図78に図示する。このSEMの外観は、図53のものに似ており、図53に関して列挙した形状および寸法のすべてが図78に当てはまり得る。この膜における粒子または突起の少なくとも一部は、約900nmのx方向寸法、約300nmのy方向寸法、および/または約50nmのz方向寸法を有し得る。
また、化合物−3をガラス基板上に堆積させ、その後、約240℃で約5分間加熱した。この加熱した膜の写真を図75のスライド6として示す。この膜のSEMを図79に図示する。このSEMの外観は、図6のものに似ており、図6に関して列挙した形状および寸法のすべてが図79に当てはまり得る。この膜における粒子または突起の少なくとも一部は、約2200nmのx方向寸法、約1200nmのy方向寸法、および/または約50nmのz方向寸法を有し得る。
また、化合物−3をガラス基板上に堆積させ、その後、約300℃で約5分間加熱した。これは、膜の相当量を蒸発させたようである。この加熱した膜の写真を図75のスライド7として示す。
上で説明したように調製した膜をOLED Aの透明基板の外面上にコーティングし、図80に示すようにその電力効率を輝度の関数として測定した。このプロットは、化合物−3の堆積および約200から約240℃での約5から約30分以上の間の加熱により、この装置の効率を実質的に向上させるような有意な多孔質膜効果を有する膜が得られることを示す。たとえば、200℃で約30分間の膜の加熱は、約2000cd/mの輝度で電力効率を約1.82倍向上させた。
(装置実施例4)
装置Dでの化合物−2の層と同じ方法により真空蒸着によって化合物−2をポリエチレンテレフタラート(PET)可撓性基板上にコーティングして、約6umの厚さを有する層を形成した。このコーティングを有する基板を110℃で1時間加熱した。図81は、このコーティングした可撓性基板の写真である。
そのコーティングした可撓性基板を、屈折率整合油を使用してOLED Aに結合させて、装置Eを得た。図82は、OLED Aと比較した場合の装置Eの輝度の関数としての電力効率のプロットである。多孔質膜を有する装置Eは、多孔質膜のないOLED Aより有意に高い効率を有する。たとえば、装置Eの電力効率は、2000cd/mでOLED Aより1.8倍大きい。
(装置実施例5)
(装置F)
図62に関して説明したとおり。高散乱層(化合物層、3um厚、110℃で1時間)を透明基板(ガラス)の頂部に蒸着させた。その後、結合媒体として屈折率整合油を使用して、この光散乱膜を装置Aの底部に結合させて、装置Fを形成した。
(装置G)
封止層または保護層を次のように装置Fに付加させて装置Gを得た:エポキシ樹脂を光散乱層の縁部周囲に塗布し、それを硬化させることにより、透明基板と、別の透明カバーガラスである封止/保護層との間に間隙を造った。
図83は、OLED A、装置Fおよび装置Gについての輝度の関数としての電力効率のプロットである。このプロットは、封止された装置(装置G)が、封止されていない装置(装置F)と同様の光取り出し効率を示すことを示す。
本請求項を一定の好ましい実施形態および実施例に関連して説明したが、本請求項の範囲が、具体的に開示した実施形態を超えて、他の代替実施形態および/または使用ならびに明白な変形およびそれらの等価物にわたることは、当業者には理解されるであろう。

Claims (28)

  1. 発光装置であって、
    陽極または陰極の上方に配置された多孔質膜を含有し;ならびに
    該多孔質膜が、該陽極の屈折率および該陰極の屈折率より低い屈折率を有する、発光装置。
  2. 前記多孔質膜が、前記陽極または前記陰極上に配置されている、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記陽極の屈折率および前記陰極の屈折率が、前記多孔質層の屈折率より高い、請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記多孔質膜と前記陽極の間にまたは前記多孔質膜と前記陰極の間に透明層をさらに含有する、請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記透明層の屈折率が、前記多孔質層の屈折率より高い、請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記多孔質膜が、
    Figure 2014508385
    からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記多孔質膜が、
    Figure 2014508385
    を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記多孔質膜が、
    Figure 2014508385
    を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 多孔質膜を含有する発光装置であって、
    該多孔質膜が、
    該発光装置内の部分内部反射層との第1の界面(この場合、該部分内部反射層の屈折率は、該多孔質膜の屈折率より高い)と、
    該多孔質膜の屈折率より低い屈折率を有する物質との第2の界面とを含有し;および
    該第2の界面が、複数の不規則に配列されたナノ突起またはナノ粒子を含有する、発光装置。
  10. 前記ナノ突起またはナノ粒子が、約400nmから約3000nmの範囲の平均x方向寸法を有する、請求項9に記載の発光装置。
  11. 前記ナノ突起またはナノ粒子が、約10nmから約100nmの範囲の平均z方向寸法を有する、請求項9または10に記載の発光装置。
  12. 前記ナノ突起またはナノ粒子が、約100nmから約2000nmの範囲の平均y方向寸法を有する、請求項11に記載の発光装置。
  13. 前記ナノ突起またはナノ粒子が、ナノフレークを含む、請求項9に記載の発光装置。
  14. 前記多孔質膜が、約0.1μmから約10μmの範囲の厚さを有する、請求項9に記載の発光装置。
  15. 前記多孔質膜が、約1μmから約5μmの範囲の厚さを有する、請求項9に記載の発光装置。
  16. 前記多孔質固体が、該多孔質固体の体積の約50%から約99%である全体積を有する複数の細孔を含有する、請求項9〜15のいずれか一項に記載の発光装置。
  17. 発光ダイオードを含む発光装置であって、
    該発光ダイオードが、
    陽極;陰極;および
    該陽極と該陰極の間に配置された発光層;および多孔質膜を含み、
    該多孔質膜が、該陽極もしくは陰極上に配置されており;または
    該発光装置が、該陽極と該多孔質膜の間にもしくは該陰極と該多孔質膜の間に配置された透明層をさらに含有し;
    該多孔質膜が、
    有機膜を堆積させる工程;および
    該有機膜を約100℃から約290℃の範囲の温度で加熱する工程を含む製法によって調製される、発光装置。
  18. 前記有機膜が、約200℃から約260℃の範囲の温度で加熱された、請求項17に記載の発光装置。
  19. 前記有機膜が、約0.1Å/秒から約1000Å/秒の速度で堆積される、請求項17に記載の発光装置。
  20. 約1.1から約1.8の範囲の屈折率を有する非高分子有機化合物を含有する多孔質膜であって、
    複数の不規則に配列されたナノ突起、ナノ粒子、またはそれらの集合体;
    該膜の体積の少なくとも約50%である全体積を有する複数の空隙であって、その少なくとも約10%が約0.5μmから約5μmの範囲の最長寸法を有するものである複数の空隙を含有し;
    約500nmから約20マイクロメートルの範囲の厚さを有し;および
    前記空隙を含む多孔質膜の密度が、約0.5ピコグラム/μm以下である、多孔質膜。
  21. 前記非高分子有機化合物が、芳香族環を含有する、請求項20に記載の多孔質膜。
  22. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、xy面から見たとき、略長方形、略正方形、略平行四辺形、擬似平行四辺形である、または少なくとも1つの略直角を有する、請求項20に記載の多孔質膜。
  23. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、xy面、xy面、またはyz面から見たとき、略楕円形、略円形、または略卵形である、請求項20に記載の多孔質膜。
  24. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、yz面から見たとき略線形である、請求項20に記載の多孔質膜。
  25. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、ナノフレーク、擬似平面状、またはリボン形である、請求項20に記載の多孔質膜。
  26. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、針様または線維形状である、請求項20に記載の多孔質膜。
  27. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、棒形またはカプセル形である、請求項20に記載の多孔質膜。
  28. 前記ナノ突起、ナノ粒子またはそれらの集合体の少なくとも一部分が、顆粒状である、請求項20に記載の多孔質膜。
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