JP2014507400A - Notaによって錯体化されたアルミニウム−[18f]フッ化物で標識されたher2結合ペプチド - Google Patents

Notaによって錯体化されたアルミニウム−[18f]フッ化物で標識されたher2結合ペプチド Download PDF

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Abstract

放射性核種及びキレーターとコンジュゲートされた単離ポリペプチドを含んでなるイメージング剤であって、単離ポリペプチドがHER2又はその変異体と特異的に結合するイメージング剤、並びにこれらのイメージング剤の製造方法及び使用方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は一般に、ヒト上皮増殖因子受容体タイプ2(HER2)と結合するイメージング剤並びにかかる薬剤の製造方法及び使用方法に関する。
ヒト上皮増殖因子受容体タイプ2(HER2)は、膜貫通タンパク質であると共に、erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼタンパク質の一員である。HER2は、乳癌、卵巣癌、肺癌、胃癌及び口腔癌を含む多種多様の癌において過剰発現される十分に確立されたバイオマーカーである。したがってHER2は、分子標的として、及び患者生存の診断又は予後判定指標、或いは抗腫瘍手術に対する応答の予測マーカーとして大きな価値を有する。
最近の10年間を通じ、様々なイメージングモダリティーを用いたHER2発現の非侵襲的分子イメージングが広範囲に研究されてきた。これらのモダリティーには、陽電子放出断層撮影法(PET)及び単光子放出断層撮影法(SPECT)による放射性核種イメージングが含まれる。HER2のPET及びSPECTイメージング(それぞれHER2−PET及びHER2−SPECT)は、高い感度及び高い空間分解能を与える。HER2のPETイメージングはまた、強い定量化能力も与える。HER2−PET及びHER2−SPECTは、患者における全体的な腫瘍HER2発現のリアルタイムアッセイ、HER標的化治療(例えば、トラスツズマブに基づく療法)のための患者の選択、治療に対する応答の予測、薬物効力の評価及びその他多くの用途において特に有用である。しかし、臨床用途に適するような化学的性質を有しかつインビボ挙動を示すPET又はSPECT標識HER2リガンドは開発されていない。
天然のブドウ球菌プロテインAは、免疫グロブリンアイソタイプG(IgG)の結晶性領域(Fc)であるフラグメントと結合する三重ヘリックス構造(足場)を形成するドメインを含んでいる。プロテインAのZドメインから導かれるある種のポリペプチドは、ループによって連結された3本のαヘリックスからなる足場を含んでいる。これらのヘリックスの2本上に位置する特定のアミノ酸残基は、IgGのFc領域に対する結合部位をなしている。ヘリックス1及び2上に位置する表面に露出したアミノ酸残基(13の残基)を置換してこれらの分子の結合能力を変化させることで、別の結合剤分子が製造された。その一例がHER2結合分子又はHER2結合剤である。これらのHER2結合剤がPET又はSPECT活性の放射性核種で標識された。かかるPET及びSPECT標識結合剤は、患者におけるインビボHER2発現パターンを測定する能力を与え、したがって臨床医達及び研究者達にとってHER2関連疾患状態を診断、予後判定及び治療する際の助けとなろう。
PET活性の放射性核種18Fで放射性標識されたHER2結合性Affibody(登録商標)分子は、HER2を過剰発現する悪性腫瘍に関するイメージング剤として評価されてきた。maGGG(メルカプトアセチルトリグリシル)、CGG(システイン−ジグリシル)、CGGG(配列番号6)(システイン−トリグリシル)又はAA3のようなキレーターを介して99mTcとコンジュゲートされたHER2結合性Affibody(登録商標)分子もまた、診断イメージングのために使用されてきた。標的HER2発現腫瘍に対するこれらの分子の結合はマウスで実証されている。
大抵の場合、信号生成18F基はチオール反応性マレイミド基を介してAffibody(登録商標)中に導入される。チオール反応性マレイミド基は、18F組込み後に多段階合成法を用いて製造される。しかし、この化学的原理は低い放射化学収率しか与えない。同様に、Affibody(登録商標)への99mTcのコンジュゲーションは多段階プロセスである。加えて、Tc還元及びキレーターとの錯体形成には、高いpH条件(例えば、pH=11)及び長い反応時間が要求される。
18F標識Affibody(登録商標)分子のインビボ性能は適度に良好であるものの、かなりの改良の余地が存在する。例えば、若干の研究では、腫瘍取込みはイメージング剤の注射後2時間で6.36±1.26%ID/gにすぎないことが判明した。
したがって、例えば18Fのような放射性部分を最終段階で導入でき、ひいては高い放射化学収率を与える放射性標識ポリペプチドを合成するための化学的原理及び方法に対するニーズが存在している。加えて、特に腎クリアランス及び毒性効果に関して改善された性質を有する、PET又はSPECTイメージング用の新規なHER2標的化イメージング剤に対するニーズも存在している。
国際公開第2008/118601号パンフレット
本発明の組成物は、HER2又はその変異体と特異的に結合し得る新規な種類のイメージング剤である。
1以上の実施形態では、本イメージング剤組成物は、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを、ジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcとコンジュゲートしたものを含んでいる。ジアミンジオキシムキレーターは、Pn216、cPn216、Pn44又はこれらの誘導体からなり得る。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体と特異的に結合する。
1以上の実施形態では、本イメージング剤組成物は、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを、NOTAキレーターを介して67Ga又は68Gaとコンジュゲートしたものを含んでいる。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体と特異的に結合する。
1以上の実施形態では、本イメージング剤組成物は、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドをAl18F−NOTAキレーターとコンジュゲートしたものを含んでいる。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体と特異的に結合する。
1以上の実施形態では、本イメージング剤組成物は、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを、リンカーを介して18Fとコンジュゲートしたものを含んでいる。リンカーは、アミノオキシ基、アジド基及びアルキン基から導かれる基を含んでいる。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体と特異的に結合する。
1以上の実施形態では、本イメージング剤組成物は、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを、同位体フッ素交換化学によって18Fとコンジュゲートしたものを含んでいる。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体と特異的に結合する。
1以上の実施形態では、本明細書中に記載されるようなイメージング剤組成物の製造方法が提供される。イメージング剤組成物を製造するための本発明の方法の一例は、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意する段階、及び(ii)ジアミンジオキシムキレーターをポリペプチドと反応させてキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階を含んでいる。別の例では、本方法は、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意する段階、(ii)ポリペプチドをリンカーと反応させる段階、及び(iii)リンカーを18F部分と反応させて18Fコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階を含んでいる。リンカーは、アミノオキシ基、アジド基又はアルキン基を含み得る。
別の例では、本方法は、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意する段階、(ii)ポリペプチドをNOTAキレーターと反応させてNOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階、及び(iii)NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドをAl18F部分と反応させてAl18F−NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階を含んでいる。
別の例では、本方法は、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意する段階、(ii)ポリペプチドをフッ化ケイ素(例えば、[18F]−フッ化ケイ素)含有部分と反応させてフッ化ケイ素コンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階、及び(iii)フッ化ケイ素コンジュゲート化ポリペプチドを18F部分と反応させて18F−フッ化ケイ素コンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階を含んでいる。
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読んだ場合に一層よく理解されよう。
図1Aは、8種の濃度の抗HER2ポリペプチドZ477(配列番号3)のヒトHER2に対する結合親和性の表面プラズモン共鳴(SPR)のグラフである。 図1Bは、8種の濃度の抗HER2ポリペプチド(Z477)2(配列番号5)のヒトHER2に対する結合親和性の表面プラズモン共鳴(SPR)のグラフである。 図2Aは、C6(ラット神経膠腫)の定性的フローサイトメトリーのグラフである。 図2Bは、SKOV3(ヒト卵巣癌)に対するヒト抗HER2抗体の定性的フローサイトメトリーのグラフである。 図2Cは、SKOV3及びC6細胞株に関する細胞当たりのHer2受容体についての棒グラフを示している。 図3は、腫瘍タイプSKOV3 2−1、SKOV3 3−1、SKOV3 3−4のパネル、SKOV3細胞及びブランクに関するHer2のELISAアッセイの棒グラフである。 図4は、99mTc標識Z00477(配列番号3)の逆相HPLCガンマクロマトグラムである。 図5Aは、pH9での凝集99mTc(CO)3(His6)Z00477(配列番号4)(‘His6’は配列番号7として開示されている)のサイズ排除HPLCガンマクロマトグラムである。 図5Bは、非凝集99mTc(CO)3(His6)Z00477(‘His6’は配列番号7として開示されている)標識Affibody(登録商標)標準のサイズ排除HPLCガンマクロマトグラムである。 図6は、経時的な腫瘍:血液比を含む、SKOV3腫瘍担持マウスからの血液、腫瘍、肝臓、腎臓及び脾臓試料におけるZ00477(配列番号3)の体内分布プロファイルのグラフである。 図7は、Mal−cPN216リンカーの化学構造の図式である。 図8Aは、精製Z00477(配列番号3)−cPN216に関するエレクトロスプレーイオン化飛行時間質量スペクトル(ESI−TOF−MS)のグラフである。 図8Bは、精製Z00477(配列番号3)−cPN216に関する質量デコンボリューション結果のグラフである。 図9は、99mTcで標識されたZ02891−cPN216(配列番号2)に関する逆相HPLCガンマトレースクロマトグラムである。 図10は、SKOV3腫瘍担持マウスからの血液、肝臓、腎臓、脾臓及び尾試料における、cPN216を介して99mTcで標識されたZ02891(配列番号2)の体内分布プロファイル(%ID、%注射量)のグラフである。 図11は、SKOV3腫瘍担持マウスからの腫瘍、血液、肝臓、腎臓、膀胱/尿、尾、腸及び脾臓試料における、cPN216を介して99mTcで標識されたZ02891(配列番号2)の体内分布プロファイル(%ID、%注射量)のグラフである。 図12は、SKOV3腫瘍担持マウスにおけるZ02891(配列番号2)の体内分布プロファイルのグラフであって、腫瘍:血液比を示している。 図13Aは、Boc保護マルイミド−アミノオキシ(Mal−AO−Boc)リンカーの化学構造の図式であって、tert−ブチル2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ビロル−1−イル)エチルアミノ)−2−オキソエトキシカルバメート(Mal−AO−Boc)の化学構造を示している。 図13Bは、マルイミド−アミノオキシ(Mal−AO)リンカーの化学構造の図式であって、2−(アミノオキシ)−N−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ビロル−1−イル)エチル)アセトアミド塩酸塩(Mal−AO・HCl)の化学構造を示している。 図14Aは、280nmで分析したZ00342(配列番号1)出発原料の逆相HPLCクロマトグラムである。 図14Bは、280nmで分析した精製Z00342(配列番号1)−AOイメージング剤組成物の逆相HPLCクロマトグラムである。 図15は、18F−フルオロベンジル−Z00342(配列番号1)及び18F−フルオロベンジル−Z02891(配列番号2)の粗反応混合物並びに精製最終生成物に関する逆相HPLCガンマクロマトグラムである。 図16は、SKOV3腫瘍担持動物における、18Fで標識したZ02891(配列番号2)ポリペプチドの体内分布プロファイル(%ID、%注射量)のグラフである。 図17は、SKOV3腫瘍担持動物における、18Fで標識したZ02891(配列番号2)ポリペプチドの体内分布プロファイル(%ID、%注射量)及び腫瘍:血液比のグラフである。 図18は、血液、腫瘍、肝臓、腎臓、脾臓及び骨試料における、18F標識Z00342(配列番号1)及び18F標識Z02891(配列番号2)の体内分布プロファイル(%ID、%注射量)の棒グラフである。 図19は、Mal−NOTAリンカーの化学構造の図式である。 図20Aは、Z00477(配列番号3)−NOTAに関するエレクトロスプレーイオン化飛行時間質量スペクトル(ESI−TOF−MS)のグラフである。 図20Bは、Z00477(配列番号3)−NOTAに関するESI−TOF−MSの質量デコンボリューション結果のグラフである。 図21は、1時間の反応後における67Ga標識Z00477(配列番号3)−NOTAの粗反応混合物に関する逆相HPLCガンマトレースのグラフである。 図22は、精製67Ga標識NOTA Z00477(配列番号3)−NOTAポリペプチドに関する逆相HPLCガンマトレースのグラフである。 図23は、製剤化の分析HPLCである[上段は280nmでのUVチャネルであって、0.5分にアスコルビン酸塩及び4.5分にペプチド前駆体を示しており、下段は放射能チャネルであって、5.1分に(RCP 95%)及び4.6分に分解生成物を示している。]。 図24は、tC2 SepPak精製を用いてを製造するためのFASTlab(商標)カセットレイアウトである。 図25は、FASTlab(商標)を用いて製造された製剤化の分析HPLCである[上段は放射能チャネルであって、(7.7分)、18F−FBA(10.4分)及び未知不純物(12.2分)を示しており、中段は280nmでのUVチャネルであって、p−アミノ安息香酸製剤添加剤(3分)を示しており、下段は350nmでのUVチャネルであって、ジメチルアミノベンズアルデヒド副生物(10.2分)及び未知不純物(3.8分)を示している。]。 図26は、Sephadex精製を用いてを製造するためのFASTlab(商標)カセットレイアウトである。 図27は、FASTlabをSephadex精製と共にを用いて製造された製剤化の分析HPLCである[上段は放射能チャネルであって、(7.1分)、18F−FBA(8.8分)及び未知不純物(10.2分)を示しており、中段は280nmでのUVチャネルであり、下段は350nmでのUVチャネルであって、ジメチルアミノベンズアルデヒド副生物(10.0分)を示している。]。 図28は、製剤化の分析HPLCである[上段は放射能チャネルであって、生成物(4.7分、92%)及び副生物(3.9分、8%)を示しており、下段は280nmでのUVチャネルである。]。 図29は、の経時試験を表していて、分析ラジオHPLCによって測定した標識効率を示している。 図30は、ペプチド/AlCl3濃度を高めた後におけるの分析RCYである(P:生成物、BP:副生物、図28参照)。 図31は、の標識混合物の分析HPLCプロファイルである(上段のトレースは放射能チャネルであり、下段のトレースは280nmでのUVチャネルである。)。 図32は、単離7の分析放射能チャネルHPLCである(赤色は放射能チャネルであり、青色は280nmでのUVチャネルである。)。 図33は、免疫組織化学(DAKO社製HERCEPTEST)による、NCI−N87及びA431異種移植モデルからの腫瘍切片におけるHER2タンパク質発現を表している。左側の画像は倍率2×のものであり、右側の画像はハイライトされた正方形の10×のものである。 図34は、及びのナイーブマウス体内分布を示している。 図35は、NC87/A431腫瘍担持マウスにおける及びの体内分布を示している。 図36は、二重腫瘍異種移植モデルにおけるの体内分布プロファイルを示している。 図37は、増加する濃度の非放射性前駆体を用いたのNCI−N87異種移植体内分布プロファイルを示している。 図38は、二重腫瘍異種移植モデルにおけるの予備的イメージング(A)及びAffibody(登録商標)のイメージング試験(B)との比較を示している。
本発明のイメージング剤組成物は、一般に、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体の単離ポリペプチドを放射性同位体(例えば、18F、99mTc、67Ga又は68Ga、111In、123I、124I、89Zr或いは64Cu)とコンジュゲートしたものを含んでいる。また、かかる組成物の製造方法及び使用方法も提供される。かかる単離ポリペプチドはHER2又はその変異体と特異的に結合する。一実施形態では、単離ポリペプチドの配列は、配列番号1、配列番号2及びこれらの保存的変異体のいずれかに対して90%以上の配列類似性を有している。
単離ポリペプチドは、天然アミノ酸、合成アミノ酸、又は天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸模倣体を含み得る。天然アミノ酸は、遺伝暗号によってエンコードされるもの、並びに後に修飾されたアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、O−ホスホセリン、ホスホトレオニン及びホスホチロシンである。
単離ポリペプチドは、標準的な固相合成技法を用いて製造できる。別法として、ポリペプチドは組換え技法を用いて製造することもできる。組換え技法を用いてポリペプチドを製造する場合には、ポリペプチド又はその保存的変異体をエンコードするDNAを単離すればよい。ポリペプチド又はその保存的変異体をエンコードするDNAをクローニングベクター中に挿入し、宿主細胞(例えば、真核細胞、植物細胞又は原核細胞)中に導入し、当技術分野で認められている任意の発現系を用いて発現させればよい。
ポリペプチドは、実質的にただ1種のキラル形のアミノ酸残基からなり得る。したがって、本発明のポリペプチドは実質的にL−アミノ酸又はD−アミノ酸からなり得るが、L−アミノ酸及びD−アミノ酸の組合せも使用できる。
本明細書中に示されるポリペプチドはプロテインAのZドメインから導かれるので、結合界面上の残基は、結合活性を保存しながら非保存的に置換又は保存的に置換されていてもよい。若干の実施形態では、置換残基は20の天然アミノ酸のいずれか又はその任意の類似体から導くことができる。
ポリペプチドの長さは、約49残基乃至約130残基であり得る。詳細なポリペプチド配列を表1中に示す。
選択された機能性を付与するため、末端に追加の配列を付加することができる。即ち、単独の又は(例えば、ポリペプチドにHisタグを付加することで)結合標的に連結したポリペプチドの精製又は単離を容易にするため、一方又は両方の末端に追加の配列を付加することができる。
表1中に示したポリペプチドは、リンカーを介して18Fと、ジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcと、NOTAキレーターを介して67Ga又は68Gaと、Al18F−NOTAキレーターを介して18Fと、SiFA(即ち、フッ化ケイ素アクセプター)又はフッ化ケイ素交換化学によって18Fと、DOTAキレーター化学によって111Inと、ヨードベンズアルデヒドを用いるフルオロベンズアルデヒド様化学によって123Iと、或いはNOTAキレーター化学によって64Cuとコンジュゲートすることができる。表2は。これらのポリペプチドの等電点(pI)を示している。
1以上の実施形態では、配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドは18Fとコンジュゲートし得る。18Fは、単離ポリペプチドのC末端、N末端又は中間位置に組み込むことができる。
1以上の実施形態では、18Fはリンカーを介して単離ポリペプチドとコンジュゲートし得る。リンカーは、アミノオキシ基、アジド基又はアルキン基を含み得る。リンカーのアミノオキシ基は、アルデヒド(例えば、フッ素置換アルデヒド)と結合し得る。リンカーのアジド基は、フッ素置換アルキンと結合し得る。同様に、リンカーのアルキン基はフッ素置換アジドと結合し得る。リンカーはまた、チオール反応基を含み得る。リンカーは、マレイミド−アミノオキシ基、マレイミド−アルキン基又はマレイミド−アジド基を含み得る。18Fコンジュゲート化ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)ポリマーラベルを、アミノオキシ基、アジド基又はアルキン基を含むリンカーと反応させてリンカーコンジュゲート化ポリペプチドを形成し、リンカーを18F部分と反応させて18Fコンジュゲート化ポリペプチドを形成することによって製造できる。
18Fコンジュゲート化ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)ポリマーラベルを、マレイミド−アミノオキシ基、マレイミド−アルキン基又はマレイミド−アジド基を含むリンカーと反応させてリンカーコンジュゲート化ポリペプチドを形成し、リンカーを18F部分と反応させて18Fコンジュゲート化ポリペプチドを形成することによって製造できる。
別の実施形態では、本方法は、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)リンカーを用意し、(iii)リンカーを18F部分と反応させて18F標識リンカーを形成し、(iv)18F標識リンカーを配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体の単離ポリペプチドと反応させて18Fコンジュゲート化ポリペプチドを形成することを含み得る。
上述した例を用いて、フッ素又は放射性フッ素原子(例えば、18F)をポリペプチド上に導入することができる。フッ素置換アルデヒドをリンカーコンジュゲート化ポリペプチドのアミノオキシ基と反応させた場合には、フッ素置換ポリペプチドが得られる。同様に、フッ素置換アジド又はアルキンをリンカーコンジュゲート化ポリペプチドのそれぞれアルキン基又はアジド基と反応させた場合には、フッ素置換ポリペプチドが得られる。放射性フッ素置換アルデヒド、アジド又はアルキンをリンカーコンジュゲート化ポリペプチドのそれぞれアミノオキシ基、アルキン基又はアジド基と反応させた場合には、放射性フッ素標識ポリペプチド又はイメージング剤組成物が得られる。さらに、放射性フッ素標識イメージング剤組成物を製造するため、リンカーは放射性フッ素(18F)置換基を有し得る。ポリペプチド上にフッ素を導入するための方法は、任意の長さのフッ素化イメージング剤組成物を製造するためにも使用できる。かくして、若干の実施形態では、イメージング剤組成物のポリペプチドは例えば40〜130のアミノ酸残基を含み得る。
本発明のイメージング剤又はイメージング剤組成物の製造で使用するためのリンカーコンジュゲート化ポリペプチド又は18Fコンジュゲート化リンカーは、以前に知られていた方法より効率的でありかつ一層高い収率をもたらす本発明の方法によって製造できる。本方法は実施が容易であり、迅速であり、より温和でユーザーフレンドリーな条件下で実行される。例えば、ポリペプチドを18Fコンジュゲート化リンカー(例えば、18F−フルオロベンズアルデヒド)(「18F−FBA」)で標識するための方法は、当技術分野で知られている方法より簡単である。18Fコンジュゲート化リンカーは、トリメチルアニリニウム前駆体上への18Fの直接求核組込みにより、一段階で製造される。次いで、18F−リンカー(即ち、18F−FBA)がポリペプチド(例えば、Affibody(登録商標)及び本明細書中に記載されるもの)にコンジュゲートされる。リンカーの製造もまた、当技術分野で以前に知られていた方法より容易である。その上、放射性標識アミノオキシ系リンカーコンジュゲート化ポリペプチド及びcPnファミリーキレーターコンジュゲート化ポリペプチド(例えば、Affibody(登録商標))は、著しく良好な体内分布及び良好な腫瘍取込み並びに肝臓取込みの少ない良好なクリアランスを示す。
フッ素標識イメージング剤組成物は、診断用途において大いに所望される材料である。18F標識イメージング剤組成物は、PETのような確立されたイメージング技法を用いて可視化することができる。
別の実施形態では、ポリペプチドは次の式(1)のジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcとコンジュゲートし得る。
式中、R'、R''、R'''及びR''''は独立にH、C1-10アルキル、C3-10アルキルアリール、C2-10アルコキシアルキル、C1-10ヒドロキシアルキル、C1-10アルキルアミン又はC1-10フルオロアルキルであるか、或いは2以上のR基がこれらの結合した原子と共に炭素環式又は複素環式の飽和又は不飽和環を形成する。この場合、RはH、C1-10アルキル、C3-10アルキルアリール、C2-10アルコキシアルキル、C1-10ヒドロキシアルキル、C1-10アルキルアミン又はC1-10フルオロアルキルであり得る。一実施形態では、nは0〜5であり得る。ジアミンジオキシムキレーターの製造方法の例は、“Methods of radio fluorination of biologically active vector”と題する国際公開第2004/080492号、及び“Radio labelled conjugates of RGD−containing peptides and methods for their preparation via click−chemistry”と題する国際公開第2006/067376号に記載されており、これらの開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなしている。
99mTcは、単離ポリペプチドのN末端において、ジアミンジオキシムを介して単離ポリペプチドとコンジュゲートし得る。キレーターは二官能性化合物であり得る。一実施形態では、二官能性化合物はMal−cPN216であり得る。Mal−cPN216は、配列番号1又は配列番号2のポリペプチドの末端システインへのコンジュゲーションのためのチオール反応性マレイミド基、及び99mTcとのキレート化のためのビス−アミンオキシム基(ジアミンジオキシムキレーター)を含んでいる。Mal−cPN216は次の式(II)を有し得る。
ジアミンジオキシムキレーターコンジュゲート化ペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)ジアミンジオキシムキレーターをポリペプチドと反応させてジアミンジオキシムキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成することによって製造できる。ジアミンジオキシムキレーターは、さらに99mTcとコンジュゲートし得る。
1以上の実施形態では、ポリペプチドはNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N',N"−三酢酸)キレーターを介して67Ga又は68Gaとコンジュゲートし得る。NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)NOTAキレーターをポリペプチドと反応させてNOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成することによって製造できる。NOTAキレーターは、さらに67Ga又は68Gaとコンジュゲートし得る。
一実施形態では、Ga(具体的には67Ga)はNOTAキレーターを介して単離ポリペプチドとコンジュゲートし得る。NOTAキレーターは、次の式(III)に示されるように、マレイミド基で官能化することができる。
1以上の実施形態では、ポリペプチドはNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N',N"−三酢酸)キレーターを介してAl18Fとコンジュゲートし得る。NOTAコンジュゲート化ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)NOTAキレーターをポリペプチドと反応させてNOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成することによって製造できる。次いで、NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドをさらにAl18FとコンジュゲートしてAl18F−NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成し得る。
1以上の実施形態では、ポリペプチドはNOTAキレーターを介して18Fとコンジュゲートし得る。NOTAコンジュゲート化ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)NOTAキレーターを18F源(例えば、Al18F)と反応させて18F−NOTAキレーターを形成し、(iii)18F−NOTAキレーターを単離ポリペプチドと反応させて18F−NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成することによって製造できる。
1以上の実施形態では、キレーターはキレーター部分(例えば、NOTA、DOTA)を単独で含むか、或いは(本明細書中にそれぞれ記載されているような)キレーター部分及びリンカーを含むことができる。例えば、NOTAキレーターは、NOTAキレーター部分単独或いは本明細書中に記載されているようなリンカーに結合したNOTAキレーター部分を表すことができる。
1以上の実施形態では、ポリペプチドはSiFA化学によって18Fとコンジュゲートし得る。18F−SiFAコンジュゲート化ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意し、(ii)ポリペプチドを、フッ化ケイ素アクセプター(SiFA)基を含むリンカーと反応させてSiFAコンジュゲート化ポリペプチドを形成し、(iii)SiFAコンジュゲート化ポリペプチドを18F部分又は18F源と反応させることによって製造できる。18F部分又は18F源は、SiFA基と反応して同位体フッ素交換化学を受けることができる任意のかかる部分又は源であり得る。下記のスキーム1は、[18F]SiFカップリングを用いたZ02891(配列番号2)の放射性標識を示している。
1以上の実施形態では、本明細書中に記載されているような本発明の放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物の製造方法は自動化される。例えば、本発明の放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物は、自動放射合成装置の使用により、自動化方式で簡便に製造できる。かかるプラットホーム装置には、TRACERlab(商標)(例えば、TRACERlab(商標)MX)及びFASTlab(商標)(共にGE Healthcare Ltd製)をはじめとするいくつかの市販例が存在している。かかる装置は通常、放射化学を実施するための(大抵は使い捨ての)「カセット」を含んでいて、これは放射合成を実施するため装置に取り付けられる。カセットは、普通、流体通路、反応器、及び試薬バイアルを受け入れるためのポート並びに放射合成後の清掃段階で使用される任意の固相抽出カートリッジを含んでいる。任意には、本発明のさらに別の実施形態では、自動放射合成装置を高速液体クロマトグラフ(HPLC)に連結することができる。
したがって本発明は、本明細書中にそれぞれ記載されているような本発明の放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物の自動化合成のためのカセットを提供する。
本発明はまた、被験体の少なくとも一部をイメージングする方法も提供する。一実施形態てば、本方法は、本発明の放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物を被験体に投与する段階、及び被験体をイメージングする段階を含んでいる。被験体は、例えば診断装置を用いてイメージングすることができる。
1以上の実施形態では、イメージング方法はさらに、被験体への薬剤又は組成物の送達ょモニターする段階、及びHER2関連疾患状態(例えば、乳癌)について被験体を診断する段階を含み得る。一実施形態では、被験体は哺乳動物、例えばヒトであり得る。別の実施形態では、被験体は細胞又は組織であり得る。組織は生検に際して使用できる。診断装置は、磁気共鳴イメージング、光学イメージング、光学コヒーレンス断層撮影、X線、単光子放出コンピューター断層撮影(SPECT)、陽電子放出断層撮影(PET)及びこれらの組合せから選択されるイメージング方法を使用できる。
本発明の放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物は、ヒト及び他の動物に、医薬組成物として非経口的に投与できる。本発明の医薬組成物は、本明細書中に記載されているような放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物、及び薬学的に許容されるキャリヤー、溶媒又は希釈剤を含んでいる。
例えば、非経口注射用の本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される無菌の水性若しくは非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液を含むか、或いは使用直前に無菌の注射可能な溶液又は分散液に再構成するための無菌粉末を含んでいる。好適な水性及び非水性キャリヤー、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びこれらの適当な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)並びに注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)がある。例えば、レシチンのようなコーティング材料を使用すること、分散液中の粒度を調整すること、及び界面活性剤を使用することにより、適切な流動性を維持できる。
本発明の医薬組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤のような補助剤を含み得る。微生物の作用の防止は、各種の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を含めることによって確保できる。糖類、塩化ナトリウムなどの等張化剤を含めることが望ましい場合もある。注射可能な医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン)を含めることで達成できる。
本発明の放射性標識イメージング剤又はイメージング剤組成物は、潜在的な毒性を最小化するため、生理学的に許容されるキャリヤー中に分散させることができる。即ち、イメージング剤は約6〜約8のpHを有する生体適合性溶液中に分散させ得る。若干の実施形態では、約7〜約7.4のpHを有する生体適合性溶液中に薬剤を分散させる。他の実施形態では、約7.4のpHを有する生体適合性溶液中に薬剤を分散させる。
本発明のイメージング剤組成物又は医薬組成物は、化合物を水性媒質中に懸濁又は溶解するため製薬業界で常用される他の添加剤と併用でき、次いで懸濁液又は溶液を当技術分野で知られている技法によって滅菌できる。イメージング剤組成物は各種の形態で投与できると共に、選択された投与経路に合わせて製剤化できる。例えば、薬剤は局所に(即ち、組織又は粘膜経由で)、静脈内に、筋肉内に、皮内に、又は皮下に投与できる。注射に適した形態には、無菌の水性溶液又は分散液、及び無菌の注射可能な溶液、分散液、リポソーム製剤又はエマルジョン製剤を調製するための無菌粉末がある。吸入用に適した形態には、エーロゾル中に分散させたもののような薬剤がある。局所投与に適した形態には、クリーム、ローション、軟膏などがある。
好ましい量の薬剤を被験体に簡便に送達するため、本発明のイメージング剤組成物又は医薬組成を濃縮し、所望形態の容器内にパッケージすることができる。薬剤を生理学的に許容される溶液中に分散させるための容器内に小分けすることで、被験体の体重1kg当たり薬剤0.1〜50mgの濃度で薬剤を投与することが簡便に達成できる。
1以上の実施形態では、薬剤の投与から約4時間後に標的組織をイメージングし得る。代わりの実施形態では、被験体に薬剤を投与してから約24時間後に標的組織をイメージングし得る。
以下の実施例は例示のみのために示すものであって、本発明を限定するものと解すべきでない。
材料
妥当なHER2発現確率を有する腫瘍形成性細胞株のパネルを、表3に記載されるように、利用可能な文献(Bruskin,et.al.Nucl.Med.Biol.2004:31:205及びTran,et.al.Imaging agent composition Chem.2007:18:1956)に基づいて選択した。
すべての細胞株はAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手し、推奨された通りに培養した。細胞を>90%のコンフルエンスまで培養した後に使用した。間接免疫蛍光染色の定量分析のために抗HER2一次抗体(R&D Systems社,PN MAB1129)及びDako QIFIKIT(PN K0078)を使用しながら、表4に記載した細胞株に関してフローサイトメトリー(Beckman Coulter Cytomics FC500 MPL)を実施した。異なる数のMab分子を担持する5つの異なる集団を含む較正ビーズを細胞株と共に使用することで、細胞当たりの表面受容体の数を求めた。いずれの場合にも、対応する販売者から適切なアイソタイプ対照が得られた。
細胞表面受容体のタンパク質分解を回避するため、トリプシンではなく細胞解離緩衝液(PBS+10mM EDTA)を用いて付着細胞をフラスコから遊離させた。細胞をPBSで2回洗浄し、氷冷FC緩衝液(PBS+0.5%(w/v)BSA)中に5〜10×106細胞/mlの濃度に再懸濁した。100μLアリコートの細胞を5μgの一次抗体と混合し、氷上で45分間インキュベートした。次いで、細胞を1mlのフローサイトメトリー(FC)緩衝液(0.2%のウシ血清アルブミンを含むPBS)で洗浄し、300×gで5分間遠心し、0.5μLのFC緩衝液中に再懸濁した。二次抗体フラグメント(F(ab)2FITCコンジュゲート化ヤギ抗マウス免疫グロブリン)をPBSで希釈した1:50希釈液100μLを添加し、暗所において氷上で45分間インキュベートした。次いで、細胞を1mLの氷冷FC緩衝液で2回洗浄し、300×gで5分間遠心し、500μLのFC緩衝液中に再懸濁した。フローセルの目詰まりを防止するため、フローサイトメトリーに先立ってすべての染色細胞を100ミクロンフィルターに通した。
フローサイトメトリーはBeckman Coulter Cytomics FC500 MPL上で実施した。各管について最小5×104のイベントを収集した。すべての分析は、FL1中のFITCの検出による単色分析であった。前方散乱(FS)及び側方散乱(SS)データは、すべての細胞集団がきっちりと分類されることを実証していた。フローサイトメトリーを用いて、細胞のHER2発現をインビトロで評価したところ(図2A、図2B及び図2C)、SKOV3細胞は最高レベルのHER2発現を示した(図3)。図3の結果は再現可能であった(n=3)。
最高発現細胞株はSKOV3であった。これらの細胞を6〜12週齢の免疫無防備マウスに注射し、腫瘍を増殖させた。腫瘍増殖曲線及び成功率は接種細胞数に依存していた。マウス1頭当たり3〜4百万個の細胞を用いると最適の腫瘍増殖が得られた。
6〜15週齢の範囲内の雌CD−1ヌードマウス(Charles River Labs社、ホプキントン、米国マサチューセッツ州)を用いてインビボ試験を実施した。マウスは換気ラック内に収容し、食物及び水を随意に与えると共に、標準的な12時間昼夜照明サイクル下に置いた。異種移植のため、PBS中の細胞100μlを動物に注射した。細胞は右後四半部の皮下に移植した。移植はイソフルラン麻酔下で行った。SKOV3に関しては、各マウスに3×106〜4×106個の細胞を移植した。これらの条件下では、80%を超える注射動物において3〜4週間で使用可能な腫瘍(100〜300μg)が得られた。
摘出によってマウスから腫瘍を集め、全腫瘍を処理まで−20℃に貯蔵した。Dounceホモジナイザーにより、腫瘍を氷上においてプロテアーゼ阻害剤カクテルを補充したRIPA緩衝液(Santa Cruz Biotech社、サンタクルズ、米国カリフォルニア州#24948)1ml中で粉砕した。次に、ホモジネートを氷上で30分間インキュベートし、次いで冷却遠心機において10000×Gで10分間遠心した。上澄み液を集め、さらなる処理まで氷上又は4℃で貯蔵した。BCAタンパク質アッセイキット(Pierce Biotechnology 23225)を用いて、細胞溶解物中のタンパク質濃度を測定した。細胞溶解物を標準濃度に希釈することで、マイクロタイタープレート中に20μg/ウェルのタンパク質を得た。製造者の指示に従い、市販のヒトHER2キット(R&D Systems社、DYC1129)を用いてELISAを実施した。各試料の三重反復試験を実施し、データをpg HER2/μg総タンパク質として報告し、誤差を標準偏差として報告する。
インビボでの標的発現をELISAによって測定した。摘出した腫瘍をホモジナイズし、市販のマッチドペアキット(R&D Systems社、DYC1129、ミネアポリス、米国ミネソタ州)を用いてHER2について分析した。図3の結果は、SKOV3細胞株が高発現腫瘍を増殖させることを示している。ELISA対照は、フローサイトメトリーのために使用した陰性対照株の培養細胞溶解物であった。これらの結果は、SKOV3の腫瘍異種移植片がヒトHER2を標的化する分子のインビボ試験のために適切であることを示している。
すべてのポリペプチドはスウェーデンのAffibody(登録商標)ABから受け入れた。ポリペプチドは、「Z」に続く内部開発番号コードによって表される。表1には、本明細書中に記載されるポリペプチドが詳しく示されている。かかるポリペプチドは、ポリペプチドZ00342(配列番号1)、ポリペプチドZ02891(配列番号2)、ポリペプチドZ00477(配列番号3及び配列番号4)並びにZ00477の二量体、即ち(Z00477)2(配列番号5)を含んでいる。
ポリペプチドとHER2/neu抗体との結合相互作用は、Biacore(商標)3000計測器(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、米国ニュージャージー州)上での表面プラズモン共鳴(SPR)検出を用いてインビボでで測定した。HER2/neu抗体の細胞外ドメインをR&D Systems社(ミネアポリス、米国ミネソタ州)からヒトIgGのFc領域とのコンジュゲート(Fc−HER2)として入手し、10μL/分のHBS−EP緩衝液(0.01M HEPES pH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005%(v/v)界面活性剤P20)で予備平衡化し、続いてEDC及びNHSで活性化したCM−5デキストラン官能化センサーチップ(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、米国ニュージャージー州)に共有結合させた。所望の固定化レベル(約3000共鳴単位)が達成されるまで(2分)、10mM酢酸ナトリウム(pH5.5)中のFc−HER2(5μg/ml)を活性化センサーチップ上に注入した。センサーチップ上の残留活性化基を、エタノールアミン(1M、pH8.5)の注入によってブロックした。2.5M NaCl,50mM NaOHで繰返し(5×)洗浄することで、非共有結合コンジュゲートを除去した。屈折率変化及びセンサーチップとの非特異的結合相互作用に関する対照表面として役立てるため、Fc−HER2の固定化を行わない点を除き、同じセンサーチップ上の第2のフローセルを全く同様に処理した。動態学的試験に先立ち、両表面に関して標的検体の結合を試験すると共に、2.5M NaCl,50mM NaOHでの処理後における結合検体の十分な除去及びセンサーチップの再生を保証するための表面安定性実験を行った。 BIA評価ソフトウェア(GE Healthcare社、ピスカタウェイ、米国ニュージャージー州)を用いてSPRセンサーグラムを分析した。各々の計算動態学的パラメーターに関する残差及び標準誤差の評価、「当てはめの良さ」(Χ2<10)並びにモデル化センサーグラムと実験データとの直接比較によって動態学的モデルの頑健性を決定した。SPR測定値を8種の検体濃度(0〜100nMタンパク質)で収集し、得られたセンサーグラムを1:1 Langmuir結合モデルに当てはめた。
図1は、Z00477(配列番号3)及び(Z00477)2(配列番号5)をヒトHER2官能化表面上で試験した場合に得られた例示的な表面プラズモン共鳴(SPR)データを示している。この関係は、親和性が知られているすべてのポリペプチド(表2)に関
して成り立つ。ここで、二量体Z(477)2(配列番号5)に関する値は結合活性効果に基づく推定値である。
fac−[99mTc(CO)3]+コアによるHis6(配列番号7)タグ付きポリペプチドの標識は、以前に発表された方法(Waibel,R.,et al.,A.Nat.Biotechnol.1999,17,897)の変法を用いて行った。簡単に述べれば、食塩水中のNa[99mTcO4](4mCi、2mL)をIsolink(登録商標)ボラノカーボネートキット(Alberto,R.et al,J.Am.Chem.Soc.2001,123,3135)に添加した。得られた溶液を95℃で15〜20分間加熱することでfac−[99mTc(CO)3(H2O)3]+を得た。溶液の一部(2mCi、1mL)を取り出し、1N HClでpH約7に中和した。325μLのアリコートを取り出し、His6−ポリペプチド(配列番号7)(40μg)に添加した。得られた溶液を35〜37℃の水浴中で40分間加熱した。典型的な放射化学収率は、(ITLC−SG、Biodex社、0.9%NaClで測定して)80〜95%の範囲内にあった。粗反応生成物をNAP−5カラム(GE Healthcare社、10mM PBS)上でのクロマトグラフィーに付すことで、放射化学純度>99%の生成物を得た。得られた典型的な比放射能は3〜4μCi/μgであった。次いで、得られた溶液を10mM PBSで希釈することで、以後の体内分布試験のために適した濃度を得た。
Grace−Vydac Peptide/Protein C4(4.6×250mm)カラム及びRaytest GABI放射能検出器を備えたAgilent 1100シリーズHPLC上でHPLCを実施した。溶媒Aは0.1%TFAを含む95:5の水:MeCNであり、溶媒Bは0.1%TFAを含む5:95の水:MeCNであった。勾配は次の通りである(すべて直線的に変化する、時間/%B):0/0、4/20、16/60、20/100、25/100、26/0、31/0。
精製前に、各ポリペプチドをトリカルボニルテクネチウムコアによって高収率(>90%)で標識した。NAP−5クロマトグラフィーで精製したところ、99mTc標識ポリペプチドの試料が>99%の放射化学純度で得られた(表4)。
NAP−5で精製された放射性標識ポリペプチドの代表的なHPLCクロマトグラムを図4に示す。各放射性標識化学種の保持時間は、(UV検出器及びγ線検出器の物理的分離に原因する時間差(データは示さず)を除けば)220nm UVクロマトグラム中での対応する非標識ポリペプチドの保持時間から実質的に変化していなかった。
99m Tc(CO) 3 (His 6 )−ポリペプチド(‘His 6 ’は配列番号7として開示されている)を試験するために使用した動物モデル
6〜15週齢の範囲内の雌CD−1ヌードマウス(Charles River Labs社、ホプキントン、米国マサチューセッツ州)を用いてインビボ試験を実施した。マウスは換気ラック内に収容し、食物及び水を随意に与えると共に、標準的な12時間昼夜照明サイクル下に置いた。異種移植のため、PBS中の細胞100μlを動物に注射した。細胞は右後四半部の皮下に移植した。移植はイソフルラン麻酔下で行った。SKOV3に関しては、各マウスに3×106〜4×106個の細胞を移植した。これらの条件下では、80%を超える注射動物において3〜4週間で使用可能な腫瘍(100〜300μg)が得られた。
体内分布
マウスに、約1μgの99mTc標識ポリペプチド(約3μCi/1μg)の尾静脈注射を行った。マウスは、安楽死まで濾紙で内張りしたケージ内に置いた。各時点で3頭のマウスを安楽死させ、検査対象組織を摘出し、Perkin Elmer Wallac Wizard 1480 Gamma Counter上でカウントした。血液、腎臓、肝臓、脾臓及び注射部位(尾)に関してデータを収集した。ケージからの尿を膀胱と共にプールし、やはりカウントした。残りの組織をカウントし、各動物についてすべての組織及び尿の和を合計して総注射量を得た。この総量に基づいて各器官に関する%注射量を求め、器官を秤量することで1グラム当たりの%注射量(%ID/g)を求めた。データは、各時点における全部で3頭のマウスに関する平均値として、群の標準偏差を表す誤差バーと共に報告される。
99mTc標識Z00477(配列番号4)ポリペプチドをSKOV3マウスに注射した。図6は。これらの実験に関する腫瘍及び血液曲線を示している。Z00477(配列番号4)ポリペプチドは、標的発現SKOV3腫瘍において良好な腫瘍取込みを示し、注射後(PI)30分で組織1グラム当たり約3%注射量の最大値及び注射後240分で8を超えるピーク腫瘍:血液比を有している。
ポリペプチドは、2分未満の半減期を有する血液からの単一指数関数的なクリアランスを示す。このクリアランスは、主として肝臓及び腎臓によって媒介される。表5に示されるように、脾臓へのポリペプチド取込みは中程度であり、肝臓においては中程度乃至高度の取込みが認められる。
二価ポリペプチドは、恐らくは結合活性効果のため、対応する単量体より高い親和性を示す。しかし、大きいサイズが腫瘍侵入を妨げることがある。HER2ポリペプチドに関しては、4種の高親和性ポリペプチドのそれぞれの二価形態が利用可能であった。Z00477(配列番号3)の二量体(Z00477)2(配列番号5)を放射性標識し、SKOV3腫瘍担持マウスにおける4時間体内分布実験のために使用した。
一価及び二価ポリペプチドは他の点では同様な体内分布特性を示し、いずれについても1〜2分の範囲内に血中半減期が認められる。結果は、単量体及び二価ポリペプチドの両方がインビボでHER2を標的化し得ることを明確に示している。
99mTcキレーターcPN216(図7)を導入するため、ポリペプチドの末端システインへのコンジュゲーションのためのチオール反応性マレイミド基及び99mTcをキレート化するためのアミンオキシム基を含む二官能性化合物Mal−cPN216を合成した。
cPN216−アミンは、GE Healthcare社から入手した。N−β−マレイミドプロピオン酸はPierce Technologies社(ロックフォード、米国イリノイ州)から購入した。N−メチルモルホリン、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBoP)、ジチオトレイトール(DTT)、重炭酸アンモニウム及び無水DMFは、Aldrich社(ミルウォーキー、米国ウィスコンシン州)から購入した。PBS緩衝液(1×、pH7.4)はInvitrogen社(カールスバッド、米国カリフォルニア州)から入手した。HPLC精製のためには、HPLC用アセトニトリル(CH3CN)、HPLC用トリフルオロ酢酸(TFA)及びMillipore 18mΩ水を使用した。
実施例1
0℃の無水DMF中のN−β−マレイミドプロピオン酸(108mg、0.64mmol)、cPN216−アミン(200mg、0.58mmol)及びPyBoP(333mg、0.64mmol)の氷冷溶液に、DMF中の0.4M N−メチルモルホリン(128μL、1.16mmol)を添加した。2時間後に氷浴を取り除き、混合物を室温で一晩撹拌した後、HPLC精製に付した。生成物Mal−cPN216は白色粉末(230mg、80%収率)として得られた。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 1.35(m,2H),1.43(s,12H),1.56(m,5H),1.85(s,6H),2.33(dd,J1=8Hz,J2=4Hz,2H),2.78(m,4H),3.04(m,2H),3.61(dd,J1=8Hz,J2=4Hz,2H),7.02(s,2H),8.02(s,1H),8.68(s,4H),11.26(s,2H);m/z=[M+H]+に関して495.2(C244365,MW計算値=495.3)。
新鮮な脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)を用いて、ポリペプチドZ00477(配列番号3)を約1mg/mLの濃度で溶解した。ポリペプチド中のジスルフィド結合を、新鮮な脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)中のDTT溶液の添加によって還元した。DTTの最終濃度は20mMであった。反応混合物を2時間渦動させ、脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)で予備平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Pierce Technologies社)に通して過剰のDTT試薬を除去した。溶出する還元ポリペプチド分子を集め、(ポリペプチド1当量当たり20当量の)二官能性化合物Mal−cPN216をDMF溶液として添加し、混合物を室温で3時間渦動させ、液体窒素で凍結した。反応混合物を一晩貯蔵した後、逆相HPLC精製に付した(図8A及び図8B)。
HPLC精製は、MiCHROM Magic C18AQ 5μ 200Aカラム(MiCHROM Bioresources社、オーバーン、米国カリフォルニア州)上で行った。溶媒A:H2O(0.1%ギ酸を含む)、溶媒B:CH3CN(0.1%ギ酸を含む)。勾配:30分で5〜100%B。
所望生成物を含む画分を合わせ、100mM重炭酸アンモニウム溶液で中和し、凍結乾燥によって溶媒を除去することで、所望のイメージング剤組成物を白色固体(収率41%)として得た。
精製生成物のLC−MS分析によって所望生成物の存在が確認され、MWはポリペプチド構築物にただ1つのcPN216が付加されたことを示唆していた(Z00477(配列番号3)−cPN216、MW計算値:7429Da、実測値:7429Da、Z02891(配列番号2)−cPN216、MW計算値:7524Da、実測値:7524Da)。
実施例2
20mLバイアルに10.00mLの蒸留脱イオン水を添加した。この溶液中に窒素ガスを約30分間吹き込んだ後、NaHCO3(450mg、5.36×10-3mol)、Na2CO3(60mg、5.66×10-4mol)及びp−アミノ安息香酸ナトリウム(20mg、1.26×10-4mol)を添加した。すべての試薬を独立に秤量し、水を含むバイアルに添加した。塩化スズ(1.6mg、7.09×10-6mol)及びMDP(2.5mg、1.42×10-5mol)を一緒に1ドラムバイアル中に秤取し、続いて約1mLの炭酸塩緩衝液混合物中に手早く懸濁することで移した(続いて1回洗浄した)。10μLアリコートを取り出し、窒素流下でシラン化バイアルに移し、直ちに凍結し、凍結乾燥まで液体窒素浴中に保存した。各バイアルをゴム隔膜で部分的にキャップし、トレー式凍結乾燥機内に一晩配置した。バイアルを真空下で密封し、凍結乾燥機から取り出し、アルミニウムキャップでクリンプシールし、無水窒素で再加圧し、将来の使用までフリーザー内に貯蔵した。
実施例3
テクネチウム用還元剤としての塩化第一スズ、メチレンジホスホン酸、フリーラジカルスカベンジャーとしてのp−アミノ安息香酸塩、及び緩衝剤としての重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム(pH9.2)の凍結乾燥混合物を含む自家製造した一段階キット配合物(Chelakit A+)を用いて、放射性標識ポリペプチドの合成を行った。手早く連続して、ポリペプチドの2μg/μL食塩水溶液20μLをChelakitに添加し、続いて直ちにCardinal Health社(アルバニー、米国ニューヨーク州)から入手した0.080mL食塩水(0.15M NaCl)中のNa99mTcO4(0.8mCi、29.6MBq)を添加した。混合物を1回撹拌し、周囲温度で20分間静置した。完了後、粗放射化学収率をITLC(ITLC−SG、Biodex社、0.9%NaCl)によって測定した(下記表6)。
0.35mLの150mM無菌NaClで反応容量を0.45mLに増加させ、最終生成物をサイズ排除クロマトグラフィー(NAP5、GE Healthcare社、10mM PBSを充填)によって精製した。粗反応混合物をNAP5カラム上に装填し、ゲルベッド中に入れ、0.8mLの10mM PBSで溶出した後に最終精製生成物を単離した。最終放射能は、標準的な線量キャリブレーター(CRC−15R、Capintec社、ラムゼー、米国ニュージャージー州)中で評価した。放射化学収率(表6)及び純度は、ITLC(>98.5%)、C4 RP−HPLC(図9)及びSEC−HPLC分析によって測定した。最終生成物(10〜15μCi/μg、0.2〜0.5μCi/μL(0.37MBq/μg、7.4MBq/mL))を直ちに体内分布試験で使用した。
この実験のために使用したHPLC条件は次の通りであった。C4 RP−HPLC方法1:溶媒A:95/5 H2O/CH3CN(0.05%TFAを含む)、溶媒B:95/5 CH3CN/H2O(蒸留脱イオン水)(0.05%TFAを含む)。勾配溶出:0分,0%B、4分,20%B、16分,60%B、20分,100%B、25分,100%B、26分,0%B、31分,0%B。
C4 RP−HPLC方法2:溶媒A:水中0.06%NH3、溶媒B:CH3CN。勾配溶出:0分,0%B、4分,20%B、16分,60%B、20分,100%B、25分,100%B、26分,0%B、31分,0%B。
RP−HPLC分析は、G1311A QuatPump、100μLシリンジ及び2.0mLシートキャピラリーを有するG1313Aオートインジェクター、Grace Vydac−protein C4カラム(S/N E050929−2−1、4.6mm×150mm)、G1316Aカラムヒーター、G1315A DAD並びにRamon Star−GABIγ線検出器を備えたHP Agilent 1100上で行った。
SEC HPLC:溶媒:1×(10mM)PBS(Gibco社、Invitrogen社、pH7.4、CaCl2及びMgCl2含有)。30分間のイソクラティック溶出。分析は、Perkin Elmer SEC−4溶媒環境制御装置、Series 400 LCポンプ、ISS 200 Advanced LCサンプルプロセッサー及びSeries 200ダイオードアレイ検出器上で行った。Raytest GABI with Socket 8103 0111ピンホール(内径0.7mmで容積250μL)フローセルγ線検出器が、Perkin Elmer NCI 900 Network Chromatography Interfaceを介してインターフェースされた。使用したカラムは、Superdex 75 10/300 GL High Performance SECカラム(GE Healthcare社、コード:17−5174−01、ID no.0639059)であった。
cPN216キレート中に99mTcを組み込むために使用したChelakitの動作pH(pH=9.2)は、Z00477(配列番号3)ポリペプチドの計算pIにほぼ合致していた。これらの条件下での標識は、最終生成物中に凝集を引き起こすことがわかった(図5A及び図5B)。凝集はサイズ排除HPLCによって確認され、また体内分布試験で観察された血中滞留時間及び肝臓取込みの増加によって確認された。ポリペプチドの等電点を変えることにより、99mTcはZ02891(配列番号2)構築物上に成功裡に組み込まれた。サイズ排除HPLCによって適当な分子量を有する化学種の存在が確認され、体内分布試験によって腫瘍異種移植片中へのトレーサーの取込みが示された。
6〜15週齢の範囲内の雌CD−1ヌードマウス(Charles River Labs社、ホプキントン、米国マサチューセッツ州)を用いてインビボ試験を実施した。マウスは換気ラック内に収容し、食物及び水を随意に与えると共に、標準的な12時間昼夜照明サイクル下に置いた。異種移植のため、PBS中の細胞100μlを動物に注射した。細胞は右後四半部の皮下に移植した。移植はイソフルラン麻酔下で行った。SKOV3に関しては、各マウスに3×106〜4×106個の細胞を移植した。これらの条件下では、80%を超える注射動物において3〜4週間で使用可能な腫瘍(100〜300μg)が得られた。
マウスに、約1μgの99mTc標識ポリペプチド(約10μCi/1μg)の尾静脈注射を行った。マウスは、安楽死まで濾紙で内張りしたケージ内に置いた。各時点で3頭のマウスを安楽死させ、検査対象組織を摘出し、Perkin Elmer Wallac Wizard 1480 Gamma Counter上でカウントした。血液、腎臓、肝臓、脾臓及び注射部位(尾)に関してデータを収集した。ケージからの尿を膀胱と共にプールし、やはりカウントした。残りの組織をカウントし、各動物についてすべての組織及び尿の和を合計して総注射量を得た。この総量に基づいて各器官に関する%注射量を求め、器官を秤量することで1グラム当たりの%注射量(%ID/g)を求めた。データは、各時点における全部で3〜4頭のマウスに関する平均値として、群の標準偏差を表す誤差バーと共に報告される。4時間にわたって4つの時点を選択した(注射後5分、30分、120分及び240分)。
Z02891(配列番号2)−cPN216−99mTcポリペプチドは、標的発現SKOV3腫瘍において強い腫瘍取込みを示し、注射後(PI)30分で組織1グラム当たり注射量の7.11±1.69%(n=5)の値を有し、これは注射後240分までの試験期間を通じてかなり一定に保たれる。腫瘍:血液比は、注射後30分、120分及び240分においてそれぞれ2、5及び5であった。図10、図11及び図12は、これらの実験に関する腫瘍曲線、血液曲線及び腫瘍:血液曲線を示している。
ポリペプチドは、2分未満の半減期を有する血液からの単一指数関数的なクリアランスを示す。このクリアランスは主として腎臓によって媒介され、注射後(PI)240分において10.58±2.96%(n=5)ID/器官である。放射能は主として尿中に排出される。脾臓へのポリペプチド取込みは起こり得る凝集のために中程度乃至高度であり、肝臓においては中程度の取込みが認められ、例えば試験期間を通じて12%ID/器官(マウスにおける値は%ID/gと同等)である。
Z02891(配列番号2)−cPN216− 99m Tcに関する体内分布の結果
実施例4
Z00477(配列番号4)、Z00342(配列番号1)及びZ02891(配列番号2)−システインポリペプチドを、人工のC末端システインを介してアミノオキシ基で官能化した。用意されたポリペプチド分子の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって>95%と測定された。
実施例5
ポリペプチド分子中に18Fを組み込むため、2つの直交基(即ち、人工システインへのコンジュゲーションのためのチオール反応性マレイミド基及びアルデヒド反応性アミノオキシ基(図13A及び図13B))を含む二官能性リンカーMal−アミノオキシを合成した。このリンカーを製造するためには、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド(EDC)媒介カップリング条件を用いてN−(2−アミノエチル)マレイミドを2−(tert−ブトキシカルボニルアミノオキシ)酢酸と反応させてBoc保護形態のリンカーを生成した。次いで、Boc保護基を酸開裂によって脱保護することで、最終のMal−AO生成物を定量的収率で得た。最終生成物は、それ以上精製せずに直接使用した。
一般的記載
ジクロロメタン、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノオキシ)酢酸、トリエチルアミン、N−(2−アミノエチル)マレイミドトリフルオロ酢酸(TFA)塩、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド(EDC)、ジチオトレイトール(DTT)及びその他すべての標準合成試薬は、Sigma−Aldrich Chemical Co.(セントルイス、米国ミズーリ州)から購入した。すべての化学薬品は、それ以上精製せずに使用した。PBS緩衝液(1×、pH7.4)は、Invitrogen社(カールスバッド、米国カリフォルニア州)から入手した。精製のためには、HPLC用酢酸エチル、ヘキサン、アセトニトリル(CH3CN)、トリフルオロ酢酸(TFA)及びMillipore 18mΩ水を使用した。
実施例6
無水ジクロロメタン(20mL)中の2−(tert−ブトキシカルボニルアミノオキシ)酢酸(382mg、2mmol)の溶液に、トリエチルアミン(307μL、2.2mmol)、N−(2−アミノエチル)マレイミドTFA塩(508mg、2mmol)、HOBT(306mg、2mmol)及びEDC(420mg、2.2mmol)を順次に添加した。室温で24時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(3×30mL)、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して淡黄色固体とし、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中70%酢酸エチル)で精製することで、生成物を白色粉末(500mg、80%収率)として得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ 1.50(s,9H),3.55(tt,J1=6.0Hz,J2=6.5Hz,2H),3.77(dd,J=7.6Hz,2H),4.30(s,2H),6.3(s,2H)。
実施例7
1mLのメタノール中3M HClに9.3mgのMal−AO−Bocを溶解した溶液を室温で18時間撹拌した。真空下で溶媒を除去することで、Mal−AOを淡黄色固体として得た。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 3.27CH2(t,J=4.0Hz,2H),3.49CH2(t,J=4.0Hz,2H),4.39CH2O(s,2H),7.00CH=CH(s,2H);m/z=[M+H]+に関して214.07(C81234,MW計算値=214.11)。
実施例8
新鮮な脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)を用いて、ポリペプチド(Z00477(配列番号4)、Z00342(配列番号1)又はZ02891(配列番号2))を約1mg/mLの濃度で溶解した。ポリペプチド中のジスルフィド結合を、新鮮な脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)中のジチオトレイトール(DTT)溶液の添加によって還元した。DTTの最終濃度は20mMであった。反応混合物を2時間渦動させ、脱気PBS緩衝液で予備平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Pierce Technologies社)に通して過剰のDTT試薬を除去した。還元ポリペプチドを集め、(ポリペプチド1当量当たり20当量の)二官能性Mal−AO化合物をDMSO溶液として添加した。室温で一晩渦動させた後、反応混合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製した(図14AA及び図14B)。
HPLC精製は、MiCHROM Magic C18AQ 5μ 200Aカラム(MiCHROM Bioresources社、オーバーン、米国カリフォルニア州)上で行った。溶媒A:H2O(0.1%ギ酸を含む)、溶媒B:CH3CN(0.1%ギ酸を含む)。勾配:30分で5〜100%B。所望生成物を含む画分を合わせ、100mM重炭酸アンモニウム溶液で中和し、凍結乾燥によって溶媒を除去することで、アミノオキシ修飾ポリペプチドを白色固体として得た。
ESI−TOF−MS分析により、予想分子量を有する標的生成物の存在が確認された。即ち、それぞれZ00477(配列番号4)−ONH2、Z00342(配列番号1)−ONH2及びZ02891(配列番号2)−ONH2に関して、MW計算値:6964Da、8531Da及び7243Da、実測値:6963Da、8532Da及び7244Daであった。
実施例9: 18 FBAの製造
方法:すべての反応は、窒素雰囲気下又は使用前に窒素でパージしたクリンプトップ密封バイアル中で実施した。Kryptofix 222(Aldrich社)及びK2CO3(EMD Science社)は購入し、受け入れたままで使用した。Optima(商標)グレードのアセトニトリルをHPLC溶媒及び反応溶媒として使用した。
18F(精製水中で40mCi・mL-1(1480MBq・mL-1))をIBA Molecular社(アルバニー、米国ニューヨーク州)及びPETNET Solutions社(アルバニー、米国ニューヨーク州)から入手し、受け入れたままで使用した。[18-]フッ化物をまずChromafix 30−PS−HCO3陰イオン交換カートリッジ(ABX社、ラーデベルク、ドイツ)上に固定化し、次いでKryptofix K222(376g・mol-1、8mg、2.13×10-5mol)及び炭酸カリウム(138.2g・mol-1、2.1mg、1.52×10-5mol)を含むアセトニトリル及び蒸留脱イオンH2O(ddH2O)の4:1混合物1mLを用いてドライダウン容器内に溶出した。穏やかに加熱(約45℃)しながら部分真空及び窒素流下で溶媒を除去した(約15分)。次に、K222(8mg)を含む0.5mLのアセトニトリルで供給源バイアル及び陰イオン交換カートリッジを洗浄し、再び反応混合物を部分真空及び穏やかな加熱下で乾固した(約10分)。反応器を窒素で再加圧し、さらに0.5mLのアセトニトリルを用いて共沸ドライダウンを1回繰り返した。4−ホルミル−N,N,N−トリメチルアニリニウムトリフレート(313.30g・mol-1、3.1mg、9.89×10-6mol)を0.35mLの無水DMSO(Acros社)に溶解し、K18F・K222及びK2CO3を含む反応器に直接添加した。反応混合物を90℃で15分間加熱し、直ちに3mLのddH2Oで冷却しかつ奪活した。続いて、この混合物を陽イオン交換カートリッジ(Waters SepPak Light Accell Plus CM)に通し、ddH2Oで10mLに希釈し、逆相C18 SepPak(Waters SepPak Plus C18)上に装填した。SepPakを10mLのddH2Oでフラッシュし、次いで30mLの空気でパージした。[18F]4−フルオロベンズアルデヒド(18FBA)を1.0mLのメタノールで溶出した。
実施例10
別途、高回収バイアル(2mL、National Scientific社)に、Z00477(配列番号3)−ONH2(0.35〜0.5mg)、Z00342(配列番号1)−ONH2(0.35〜0.5mg)又はZ02891(配列番号2)−ONH2(0.35〜0.5mg)を仕込んだ。固体を25μLのddH2O及び8μLのトリフルオロ酢酸中に懸濁した。メタノール中の18FBA(実施例9参照)25μLを反応バイアルに移した。容器にキャップを付け、クリンプ加工し、加熱ブロック中に配置し、60℃に15分間保った。この時点で分析HPLCでの分析のために小アリコート(<5μL)を取り出した。半分取HPLC精製のための準備として、0.1%TFAを含む450μLのddH2Oを用いて溶液を約500μLに希釈した。18FB−ポリペプチドを半分取HPLCによって単離精製した。生成物(0.113mCi/4.18MBq)を含むHPLC画分をddH2Oで5:1に希釈し、次いでtC18 Plus SepPak(Waters社)上に固定化した。SepPakをまず5mLのddH2Oで、次いで30mLの空気でフラッシュした。まずボイド容積(約0.5mL)を溶出させ、続いて250〜300μLの溶出液を独立のフラスコ内に集めることにより、18FB−ポリペプチドを最小量のエタノール中に単離した。放射化学純度及び化学純度を確定するため、単離した生成物に関してRP−HPLC分析を行った。通例、製剤化後分析のためには10μLの0.1μCi/μL溶液を注入した。単離放射化学収率は表9に示されていて、18FBAへのポリペプチド添加からの崩壊補正値であり、放射化学純度は>99%であった。別法として、18F標識ポリペプチドをNAP5サイズ排除クロマトグラフィーによって単離した。即ち、反応混合物を10mM PBSで約0.5mLに希釈し、ゲル上に装填した。カラムを0.8mLの10mM PBSで溶出することで18F標識ポリペプチドを単離し、それ以上修飾せずに使用した。結果を表8及び図15に示す。
使用した分析HPLC条件は次の通りである。分析は、G1311A QuatPump、100μLシリンジ及び2.0mLシートキャピラリーを有するG1313Aオートインジェクター、Phenomenex Gemini C18カラム(4.6mm×150mm、5μ、100Å(S/N 420477−10))、G1316Aカラムヒーター、G1315A DAD並びにRamon Star−GABIγ線検出器を備えたHP Agilent 1100上で行った。95:5 ddH2O:CH3CN(0.05%TFAを含む)、溶媒B:CH3CN(0.05%TFAを含む)。勾配溶出(1.0mL・min-1):0分,0%B、1分,15%B、21分,50%B、22分,100%B、26分,100%B、27分,0%B、32分,0%B、又は勾配溶出(1.2mL・min-1):0分,0%B、1分,15%B、10分,31%B、10.5分,100%B、13.5分,100%B、14分,0%B、17分,0%B。
使用した半分取HPLC条件は次の通りである。精製は、DG−2080−54 4ラインデガッサー、MX−2080−32ダイナミックミキサー、2台のPU−2086 Plus Prepポンプ、大容量注入キットを取り付けたAS−2055 Plus Intelligentオートインジェクター、ガード(S/N 295860−1、P/N 00G−4252−N0)付きのPhenomenex 5μ Luna C18(2)100Å,250×10mm,5μカラム、MD−2055 PDA、及び固体SiPINフォトダイオードγ線検出器に取り付けたCarrol & Ramsey Associates Model 105Sアナログレートメーターを備えたJasco LC上で行った。勾配溶出:0分,5%B、32分,20%B、43分,95%B、46分,95%B、49分,5%B。溶媒A:ddH2O:CH3CN(0.05%TFAを含む)、溶媒B:CH3CN(0.05%TFAを含む)。
実施例11
6〜15週齢の範囲内の雌CD−1ヌードマウス(Charles River Labs社、ホプキントン、米国マサチューセッツ州)を用いてインビボ試験を実施した。マウスは換気ラック内に収容し、食物及び水を随意に与えると共に、標準的な12時間昼夜照明サイクル下に置いた。異種移植のため、PBS中の細胞100μlを動物に注射した。細胞は右後四半部の皮下に移植した。移植はイソフルラン麻酔下で行った。SKOV3に関しては、各マウスに3×106〜4×106個の細胞を移植した。これらの条件下では、80%を超える注射動物において3〜4週間で使用可能な腫瘍(100〜300μg)が得られた。
マウスに、約1μgの18F標識ポリペプチド(約4μCi/1μg)の尾静脈注射を行った。マウスは、安楽死まで濾紙で内張りしたケージ内に置いた。各時点で3頭のマウスを安楽死させ、検査対象組織を摘出し、Perkin Elmer Wallac Wizard 1480 Gamma Counter上でカウントした。血液、腎臓、肝臓、脾臓及び注射部位(尾)に関してデータを収集した。ケージからの尿を膀胱と共にプールし、やはりカウントした。残りの組織をカウントし、各動物についてすべての組織及び尿の和を合計して総注射量を得た。この総量に基づいて各器官に関する%注射量を求め、器官を秤量することで1グラム当たりの%注射量(%ID/g)を求めた。データは、各時点における全部で3頭のマウスに関する平均値として、群の標準偏差を表す誤差バーと共に報告される。
ポリペプチドに関し、SKOV3細胞異種移植モデルにおける体内分布試験を行った。4時間にわたって4つの時点を選択した(注射後5分、30分、120分及び240分)。完全な体内分布データは、表12(SKOV3腫瘍担持マウスにおけるZ02891(配列番号2)18F−フルオロベンジルオキシムの%ID/g)及び表13(SKOV3腫瘍担持マウスにおけるZ00342(配列番号1)18F−フルオロベンジルオキシムの%ID/g)中に含まれている。図16、図17及び図18は、これらの試験に関する腫瘍曲線、血液曲線、腫瘍:血液曲線及びクリアランス曲線を示している。
Z02891(配列番号2)18F−フルオロベンジルオキシムポリペプチドは、標的発現SKOV3腫瘍において強い腫瘍取込みを示し、注射後(PI)240分で組織1グラム当たり注射量の17.47±2.89%(n=3)の値を有する。腫瘍:血液比は、注射後30分、120分及び240分においてそれぞれ3、34及び128であった。Z00342(配列番号1)18F−フルオロベンジルオキシムポリペプチドは、標的発現SKOV3腫瘍において強い腫瘍取込みを示し、注射後240分で組織1グラム当たり注射量の12.45±2.52%(n=3)の値を有する。腫瘍:血液比は、注射後30分、120分及び240分においてそれぞれ3、32及び53であった。
ポリペプチドは、2分未満の半減期を有する血液からの単一指数関数的なクリアランスを示す。Z02891(配列番号2)のクリアランスは主として腎臓によって媒介され、注射後240分において0.95±0.07%(n=5)ID/器官である。放射能は主として尿中に排出される。脾臓へのポリペプチド取込みは微小であり、肝臓においては低い取込みが認められ、試験期間(注射後4時間)を通じて約1.8%ID/器官(マウスにおける値は%ID/gと同等)である。
一般的記載
すべての反応は、窒素雰囲気下又は窒素でパージしたクリンプトップ密封バイアル中で実施する。Optima(商標)グレードのアセトニトリルをHPLC溶媒及び反応溶媒として使用する。
実施例12
ポリペプチド−ONH2(Z02891、配列番号2、0.35〜0.5mg)を含む高回収バイアル(2mL、National Scientific社)に[123I]4−ヨードベンズアルデヒド(123IBA)を添加する。反応は、ポリペプチドを25μLのddH2Oに溶解し、8μLのトリフルオロ酢酸を添加し、続いてメタノール中の123IBAを添加することで開始する。容器にキャップを付け、クリンプ加工し、加熱ブロック中に配置し、60℃に15分間保つ。反応状態を評価するため、分析HPLCでの分析のためのアリコート(<5μL)を取り出す。半分取HPLC精製のための準備として、0.1%TFAを含むddH2O及びアセトニトリルの1:1混合物の最小量に反応混合物を希釈する。123IB−ポリペプチドを半分取HPLC又はNAP5サイズ排除クロマトグラフィーによって単離精製する。生成物を含むHPLC画分をddH2Oでさらに希釈(5:1)し、続いてtC18 Plus SepPak(Waters社)上に固定化する。SepPakをまず5mLのddH2Oで、次いで30mLの空気でフラッシュした後、まずボイド容積(約0.5mL)を溶出させ、続いて250〜300μLの溶出液を独立のフラスコ内に集めることにより、123IB−ポリペプチドを最小量のエタノール中に得る。放射化学純度及び化学純度を確定するため、単離した生成物に関してRP−HPLC分析を行う。
実施例13: 67 Ga−NOTA−Z00477(配列番号3)の製造
ポリペプチドZ00477(配列番号3)にNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N',N"−三酢酸)キレーター(図19)をコンジュゲートした後、ポリペプチドをGa(詳しくは67Ga)で標識した。
ポリペプチド分子に対するMal−DOTAのバイオコンジュゲーションを次のようにして行った。新鮮な脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)を用いて、ポリペプチドを約1mg/mLの濃度で溶解した。ポリペプチド中のジスルフィド結合を、新鮮な脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)中のDTT溶液の添加によって還元した。DTTの最終濃度は20mMであった。反応混合物を2時間渦動させ、脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)で予備平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Pierce Technologies社)に通して過剰のDTT試薬を除去した。溶出する還元ポリペプチド分子を集め、(ポリペプチド1当量当たり15当量の)二官能性化合物mal−DOTAをDMSO溶液として添加し、混合物を室温で渦動させた。ポリペプチド分子の完全な転化を保証するため、反応を一晩進行させた。
HPLC精製は、MiCHROM Magic C18AQ 5μ 200Aカラム(MiChrom Bioresources社、オーバーン、米国カリフォルニア州)上で行った。溶媒A:H2O(0.1%ギ酸を含む)、溶媒B:CH3CN(0.1%ギ酸を含む)。勾配:30分で5〜100%B(図20A)。
所望生成物を含む画分を合わせ、100mM重炭酸アンモニウム溶液で中和し、凍結乾燥によって溶媒を除去することで、コンジュゲート化ポリペプチドを白色固体として得た。
精製生成物のLC−MS分析によって所望生成物の存在が確認され、MWはポリペプチド構築物にただ1つのNOTAキレーターが付加されたことを示唆していた(Z00477(配列番号3)−NOTAに関するMW計算値:7504Da、実測値:7506Da)(図20B)。
続いて、放射性標識を次のようにして行った。最初に25μlのHEPES溶液(63mM)をスクリュートップバイアルに添加し、続いて0.04M HCl中の67GaCl3(GE Healthcare社)10μl(40.5MBq)を添加した。次いで、30μlのH2O中のNOTA−Z00477(配列番号3)30μg(MW=7506、4.0×10-9mol)を反応混合物に添加して、61μMの最終NOTA−Z00477(配列番号3)濃度及び3.5〜4.0のpHを得た。反応バイアルを密封し、反応物を周囲温度に保った。粗反応混合物の逆相HPLC分析の結果、67Ga−NOTA−Z00477(配列番号3)の放射化学純度は室温で2時間後のHPLCによって95%であることがわかった(図21)。67Ga−NOTA−Z00477(配列番号3)を1日の反応時間後にHPLCで精製した。精製のためには、22MBqの67Ga−NOTA−Z00477(配列番号3)をHPLC上に注入した。かかる精製により、15MBqの67Ga標識生成物が得られた(放射化学収率=68%)。HPLC溶媒を真空下で除去することで、概略容量0.5mLの溶液を得た。次いで、約1.45mLのダルベッコリン酸緩衝食塩水を添加することで、7.7MBq/mLの放射能濃度を有するpH6〜6.5の最終溶液を得た(HPLCによればRCP=96%)(図22)。
使用した分析HPLC条件は次の通りである。Grace Vydac C4 protein 5ミクロン,300Å,4.6×250mm HPLCカラム。溶媒A=0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)中の95/5 H2O/MeCN、溶媒B=0.05%TFA中の95/5 CH3CN/H2O。HPLC勾配(分/%B):0/0、4/20、16/60、20/100、25/100、26/0。
使用した半分取HPLC条件は次の通りである。カラム:Grace Vydac C4 protein 5ミクロン,300Å,4.6×250mm。溶媒A=0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)中の95/5 H2O/MeCN、溶媒B=0.05%TFA中の95/5 CH3CN/H2O。HPLC勾配(分/%B):0/0、4/20、16/60、20/100、25/100、26/0。
一般的記載
組換えHER2−Z28921−CysはAffibody AB(スウェーデン)から、Eei−アミノオキシ酢酸スクシニックエステルはIRIS Biotech社から、ジ−tert−ブチルジフルオロシランはFluorochem社から購入した。試薬及び溶媒は、IRIS Biotech社、Merck社、Romil社及びFluka社から購入した。
分析LC−MSスペクトルは、下記の条件を使用するThermo Finnigan Surveyor PDAクロマトグラフィーシステムに連結された、正モードで動作するエレクトロスプレーイオン化(ESI)によるThermo Finnigan MSQ計測器上で記録した。クロマトグラフィーシステムの条件は、特記しない限り溶媒A=H2O/0.1%TFA及び溶媒B=ACN/0.1%TFA、流量:0.6mL/分、カラム:Phenomenex Luna 3μm C18(2)20×2mm、検出:UV 214/254nmであった。
半分取逆相HPLC操作は、次の条件を使用するBeckman System Goldクロマトグラフィーシステム上で行った。その条件は、特記しない限り溶媒A=H2O/0.1%TFA及び溶媒B=ACN/0.1%TFA、流量:10mL/分、カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)250×21.2mm、検出:UV 214nmであった。
分取逆相HPLC操作は、次の条件を使用するWaters Prep 4000システム上で行った。その条件は、特記しない限り溶媒A=H2O/0.1%TFA及び溶媒B=ACN/0.1%TFA、流量:50mL/分、カラム:Phenomenex Luna 10μm C18(2)250×50mm、検出:UV 214/254nmであった。
略語
Ala(A): アラニン
Arg(R): アルギニン
Asn(N): アスパラギン
Asp(D): アスパラギン酸
ACN: アセトニトリル
Boc: tert−ブチルオキシカルボニル Cys(C): システイン
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
DMAB: 4−ジメチルアミノ−ベンズアルデヒド
DOTA: 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10
−四酢酸
EDT: 1,2−エタンジチオール
EMS: エチルメチルスルフィド
ESI: エレクトロスプレーイオン化
eq: 当量
FBA: 4−フルオロベンズアルデヒド
Gln(Q): グルタミン
Glu(E): グルタミン酸
hr(s): 時間
HER2: ヒト上皮増殖因子受容体
HOAt: 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
Ile(I): イソロイシン
LC−MS: 液体クロマトグラフィー−質量分析法
Leu(L): ロイシン
Lys(K): リシン
Met(M): メチオニン
min: 分
μm: マイクロメートル
nm: ナノメートル
NMP: 1−メチル−2−ピロリジノン
NOTA: 1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸
PDA: フォトダイオードアレイ
PET: 陽電子放出断層撮影法
Phe(F): フェニルアラニン
Pro(P): プロリン
PyAOP: (7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノ
ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Ser(S): セリン
SiFA: 4−(ジ−tert−ブチルフルオロシリル)ベンズアルデヒド TFA: トリフルオロ酢酸 Thr(T): トレオニン
TIS: トリイソプロピルシラン
Trp(W): トリプトファン
Tyr(Y): チロシン
Val(V): バリン
実施例14:化合物2の半自動化放射合成
FASTlab(商標)プラットホーム(GE Healthcare社)を用いて[18F]フルオロベンズアルデヒド(「[18F]FBA」)を製造することで、エタノール中に通例7GBqの[18F]FBA(1.5mL、非崩壊補正収率12〜54%)を得た。次いで、シラン化P6バイアル内において、この[18F]FBA溶液の小部分(92μL)を、水(138μL)中のアニリン塩酸塩(3.2mg、25μmol)の存在下でアミノオキシ前駆体(0.4mg、55nmol)に手作業でコンジュゲートした。Peltierヒーターを用いて、混合物を70℃で20分間加熱した。サイズ排除クロマトグラフィー(NAP5カートリッジ、GE Healthcare社)によってを単離した。0.25mLの食塩水/0.1%アスコルビン酸ナトリウムによる最初の溶出液は廃棄した。続く0.75mLのを含む食塩水/0.1%アスコルビン酸ナトリウム溶出液を集め、同じ溶出混合物を用いてpH5〜5.5で製剤化して所望の放射能濃度を得た。コンジュゲーション段階から単離されたの非崩壊補正収率は17〜38%であり、手作業で製造したに関する放射化学純度(RCP)値は≧95%であった。(TLCシステム:水/30%(v/v)アセトニトリルを移動相としてC18逆相シートを用いるPerkin Elmer Instant Imager。標識ペプチドは元の位置に残った。)生成物を、Gilson UV/ViS 156検出器付きのGilson 322ポンプ、Bioscan Flow−Count放射能検出器及びLuna C18 Phenomenexカラム(150×4.6mm、5μm)を用いるHPLCによってさらに分析した。移動相は、直線的勾配(15分で5〜95%B)をもって1mL/分で流動する溶媒A(0.1M酢酸アンモニウム)及びB(アセトニトリル)からなっていた。UV吸光度を280nm及び350nmで測定した。図23は、の製剤の分析HPLCトレースの代表例を示している。
実施例14a:化合物3の製造
(i)Eei−アミノオキシアセチル−マレイミドの製造
N−(2−アミノエチル)マレイミドTFA塩(51mg、0.20mmol)及びEei−AOAc−OSu(77mg、0.30mmol)をNMP(2mL)に溶解した。sym−コリジン(80μL、0.6mmol)を添加し、反応混合物を70分間撹拌した。反応混合物を水(7mL)で希釈し、生成物Eei−アミノオキシアセチル−マレイミドを半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:40分で15〜30%B、ここでA=水/0.1%酢酸及びB=ACN)を用いた精製により、43mg(75%)の純粋なEei−アミノオキシアセチル−マレイミドを得た。精製物質(Eei−アミノオキシアセチル−マレイミド)をLC−MS(勾配:5で10〜40%B)によって特性決定した。tR:1.93分、実測m/z:284.1、予想MH+:284.1。
(ii)化合物3の製造
組換えZ02891−Cys(144mg、0.205mmol)(Affibody AB(スウェーデン)から購入)及びEei−アミノオキシアセチル−マレイミド(17mg、0.60mmol)を水(3mL)に溶解した。溶液を酢酸アンモニウムの添加によってpH6に調整し、反応混合物を90分間振盪した。反応混合物を水(7mL)で希釈し、生成物を半分取HPLCによって精製することで、126mgの凍結乾燥Eei保護生成物を得た。アルゴンブランケット下で、Eei保護生成物を2.5%TFA/水(16mL)で20分間処理した。溶液を水(144mL)で希釈し、アルゴンブランケット下でイソプロパノール/ドライアイス浴を用いて凍結し、凍結乾燥して149mg(100%)のZ02891−Cys−マレイミド−アミノオキシアセチル()を得た。凍結乾燥Z02891−Cys−マレイミド−アミノオキシアセチル()をLC−MS(勾配:5分で10〜40%B)によって分析した。tR:3.28分、実測m/z:1811.8、予想MH4 4+:1811.4。
実施例15:tC2 SepPak精製を用いる化合物2の自動化放射合成
第1のバイアル(8.25mg/21.9μmolのKryptofix、1.16mg/8.4μmolのK2CO3、165μLの水、660μLのアセトニトリル)、第2のバイアル(1.5mg/4.8μmolのトリフレート、1.5mLの無水DMSO)、第3のバイアル(5.5mg/0.76μmolの、8.2mg/63μmolのアニリン塩酸塩、0.7mLの酢酸アンモニウム緩衝液 pH4.5/0.25M)、第4のバイアル(4mLの4%(w/v)アンモニア水)、エタノール(25mL)及びリン酸(1%(w/w)、25mL)の外部バイアル、プレコンディションドQMA light SepPakカートリッジ、OASIS MCX SepPakカートリッジ並びに2つのtC2 SepPakカートリッジを含むFASTlab(商標)カセットを組み立てた。生成物バイアルはp−アミノ安息香酸の水溶液(0.08%(w/w)、19mL)を含んでいた。カセットレイアウトを図24に示す。
必要なプログラムシーケンスをPC制御装置から合成装置モジュールにアップロードし、カセットを機械上に装着した。水バッグ及び生成物バイアルを取り付けた。[18F]水(300MBq、1mL)を含むバイアルをFASTlab(商標)モジュールに取り付け、放射合成を開始した。このプロセスは、QMAカートリッジから溶出される[18F]−Kryptofix/炭酸カリウム錯体の共沸乾燥段階、[18F]FBAの放射合成、MCXカートリッジ、アンモニア溶液及びエタノールでの溶出を用いる[18F]FBAの精製、を製造するためのコンジュゲーション段階、並びにtC2カートリッジ上でリン酸/エタノールを用いる精製及び製剤化段階を含んでいる。全プロセスは1時間を要し、33%の非崩壊補正放射化学収率及び94%の放射化学純度でを生成した。
実施例16:Sephadex精製を用いる化合物2の自動化放射合成
第1のバイアル(8.25mg/21.9μmolのKryptofix、1.16mg/8.4μmolのK2CO3、165μLの水、660μLのアセトニトリル)、第2のバイアル(1.5mg/4.8μmolのトリフレート、1.5mLの無水DMSO)、第3のバイアル(5.0mg/0.69μmolの、8.2mg/63μmolのアニリン塩酸塩、0.7mLの酢酸アンモニウム緩衝液 pH4.5/0.25M)、第4のバイアル(4mLの4%(w/v)アンモニア水)、エタノール(25mL)及び食塩水(Polyfusor、0.9%(w/v)、25mL)の外部バイアル、プレコンディションドQMA light SepPakカートリッジ、OASIS MCX SepPakカートリッジ、並びに乾燥Sephadex G10(500mg、Sigma−Aldrich社、Cat.#G10120)を含むカスタム充填サイズ排除カートリッジ(2mL、Supelco社、Cat.#57608−U)を含むFASTlab(商標)カセットを組み立てた。カセットレイアウトを図26に示す。実施例15に記載したようにして2の放射合成を行った。Sephadexカートリッジを食塩水(5mL)でプライミングした後、Sephadexカートリッジを通して粗反応混合物をポンプ送入し、純粋なを生成物バイアル中に集めた。合成時間は40分であり、非崩壊補正放射化学収率は10%であった。生成物の放射合成純度は95%であり、DMABのレベルは0.8μg/mLであった。図27は、最終生成物のHPLC分析を示している。
実施例17:[ 18 F]AlF−NOTA(COOH) 2 −Z02891(配列番号2)(5)の放射合成
円錐ポリプロピレン遠心バイアル(1.5mL)内において、酢酸ナトリウム緩衝液(50μL、pH4.0、0.5M)中のNOTA(COOH)2−Z02891()(746μg、100nmol)の溶液を、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0、0.5M)中のAlCl3溶液(3μL、3.33μg、25nmol)と混合した。このバイアルを100℃で15分間加熱した。食塩水(100μL)で希釈した後、反応溶液をNAP5サイズ排除カートリッジ(GE Healthcare社)に移した。食塩水(750μL)を用いて最終生成物をP6バイアル中に溶出した。標識ペプチドを11%の非崩壊補正放射化学収率で得た。図28は、製剤化生成物の分析HPLCを示している。表11は個別操作のデータを要約して示している。
実施例17a:化合物4の製造
(i)NOTA(ビス−tBu)の製造
(a)テトラトシル−N,N'−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンの合成
N,N'−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(Aldrich社、14.8g、100mmol)及びピリジン(Fluka社、200mL)を窒素下0℃で撹拌しながら、トルエン−4−スルホニルクロリド(Fluka社、77g、400mmol)をピリジン(Fluka社、100mL)に溶解した溶液を75分かけて上記溶液中に滴下した。温度を室温までゆっくりと上昇させ、4時間撹拌し続けた。溶液を氷(250mL)と塩酸(濃、250mL)との混合物中に撹拌しながら注ぎ込んで、暗色の粘着性油状物を得た。溶媒をデカンテーションによって除去し、粗生成物を水で洗浄し、デカントし、メタノール(250mL)に再溶解した。得られたスラリーを濾過によって単離し、粗生成物を熱メタノール(60℃、600mL)に再溶解し、冷却した。固体生成物を濾別し、真空中で乾燥した。収量36.36g(47.5%)。生成物はNMRによって確認された。
(b)1−ベンジル−4,7−ジトシル−1,4,7−トリアゾナンの合成
テトラトシル−N,N'−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(実施例17a(i)(a)参照、2.0g、2.6mmol)、ベンジルアミン(500μl、4.6mmol)、炭酸カリウム(Fluka社、792mg、5.7mmol)及びアセトニトリル(Merck社、25mL)を100℃に加熱し、一晩撹拌した。溶媒を濾過によって固体生成物から除去した。固体をアセトニトリル(2×10mL)で洗浄し、溶媒を蒸発除去した。固体を熱エタノール(15mL)に溶解し、室温で3日間放置した。結晶を濾過によって集め、真空中で一晩乾燥した。生成物をLC−MS(Phenomenex Luna C18(2)2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜80%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS)によって確認した。tR=3.66分。収量1g(72%)。
(c)(4−ベンジル−7−tert−ブトキシカルボニルメチル−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステルの合成
硫酸(Sigma社、濃、25mL)を1−ベンジル−4,7−ジトシル−1,4,7−トリアゾナン(実施例17a(i)(b)参照、2.5g、4.7mmol)に撹拌しながら添加し、100℃に加熱し、20時間放置した。反応混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(VWR社、500mL)中に滴下した。(沈殿した)生成物を濾別し、アセトニトリル、クロロホルム及びジクロロメタンで洗浄した。溶媒を真空中で除去した。粗生成物(986.3mg、4.54mmol)を、アセトニトリル(50mL)中のトリエチルアミン(Fluka社、1.4mL、10mmol)と混合した。tert−ブチルブロモアセテート(Fluka社、1.47mL、10mmol)をアセトニトリル(25mL)に溶解し、滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。pHを調節し、必要ならばトリエチルアミンを添加した。溶媒を真空中で除去し、粗物質をジクロロメタン(150mL)に溶解し、水(2×25mL)、0.1M塩酸(1×25mL)及び水(1×25mL)で洗浄した。有機相を濾過し、溶媒を蒸発除去した。粗物質をアセトニトリル/水(1:1)に溶解し、分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)5μ 250×21.2mm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:60分で10〜80%B)によって精製し、凍結乾燥した。LC−MS(Phenomenex Luna C18(2)2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜80%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS):tR=3.99分、(M1)447.4。生成物はNMRによって確認された。
生成物をPd/C(10%、235mg)及びメタノール(25mL)と混合し、アルゴン下で撹拌した。次いで、アルゴンを真空によって除去し、水素ガスの供給を開始した。撹拌及び水素ガスの連続供給を行いながら、反応混合物を3時間放置した。触媒を遠心によって除去し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物を分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)5μ 250×21.2mm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:60分で2〜80%B)によって精製した。LC−MS(Phenomenex Luna C18(2)2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜80%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS):tR=2.55分、(M1)357.9。収量150mg。生成物はNMRによって確認された。
(d)(4,7−ビス−tert−ブトキシカルボニルメチル−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル)酢酸[NOTA(ビス−tBu)]の合成
(4−tert−ブトキシカルボニルメチル−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル)酢酸tert−ブチルエステル(実施例17a(i)(d)参照、280μmol、100mg)及びブロモ酢酸(Fluka社、1mmol、138.21mg)をメタノール(1mL)に溶解した。水(1mL)に溶解した炭酸カリウムを撹拌しながら添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を水(2.5mL)に溶解し、塩酸(1M)でpHを4に調整した。粗生成物を分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)5μ 250×21.2mm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:60分で10〜80%B)によって精製した。LC−MS(Phenomenex Luna C18(2)2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜80%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS):tR=2.40分、(M1)357.9。収量117.7mg。生成物はNMRによって確認された。
NOTA(ビス−tBu)を分取HPLC(勾配:40分で20〜40%B)によって精製することで、72mgの純粋なNOTA(ビス−tBu)を得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で10〜40%B)によって特性決定した。tR:3.75分、実測m/z:416.2、予想MH+:416.3。
(ii)NOTA(ビス−tBu)−マレイミドの製造
N−(2−アミノエチル)マレイミドトリフルオロ酢酸(23mg、0.090mmol)、NOTA(ビス−tBu)(30mg、0.072mmol)及びPyAOP(51mg、0.10mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)に溶解した。sym−コリジン(29μL、0.40mmol)を添加し、反応混合物を1時間振盪した。混合物を水/トリフルオロ酢酸(TFA)(6mL)で希釈し、生成物を半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:60分で20〜50%B)を用いた精製により、33mg(87%)の純粋なNOTA(ビス−tBu)−マレイミドを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5分で10〜40%B)によって特性決定した。tR:4.09分、実測m/z:538.2、予想MH+:538.3。
(iii)NOTA(ビス−酸)−マレイミドの製造
NOTA(ビス−tBu)−マレイミド(33mg、61μmol)を、TFA(10mL)中の2.5%トリイソプロピルシラン(TIS)及び2.5%水の溶液で4時間30分間処理した。TFAを真空中で蒸発させ、残留物を水/0.1%TFA(8mL)に溶解し、生成物を半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:40分で0〜20%B)を用いた精製により、15mg(58%)の純粋なNOTA(ビス−酸)−マレイミドを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で0〜30%B)によって特性決定した。tR:1.34分、実測m/z:426.0、予想MH+:426.2。
(iv)4の製造
組換えZ02891−Cys(40mg、5.7μmol)(Affibody AB(スウェーデン)から購入)及びNOTA(ビス−酸)−マレイミド(6.1mg、14μmol)を水(1.5mL)に溶解した。溶液を酢酸アンモニウムの添加によってpH6に調整し、混合物を1時間振盪した。反応混合物を水/0.1%TFA(6mL)で希釈し、半分取HPLCを用いて生成物を精製した。半分取HPLC(勾配:40分で20〜30%B)を用いた精製により、38mg(90%)の純粋な化合物を得た。精製されたを分析LC−MS(勾配:5分で10〜40%B)によって特性決定した。tR:3.31分、実測m/z:1864.5、予想MH4 4+:1864.5。
実施例18
18 F]AlF−NOTA(COOH) 3 −Z02891(配列番号2)(5a)の放射合成に関する経時的研究
W.J.McBride et al(Bioconj.Chem.2010,21,1331)によって記載されているように、QMAカートリッジを用いてフッ素−18を精製し、食塩水で溶出した。18F−水の溶液(25μL、12MBq)を、酢酸ナトリウム緩衝液(1.5μL、pH4.0、0.5M)中のAlCl3(1.667μg、12.5nmol)及び酢酸ナトリウム緩衝液(25μL、pH4.0、0.5M)に溶解した次式の化合物(380μg、580nmol)と混合した。
混合物を100℃で加熱し、アリコートをHPLCによって分析した。分析データを図29に示す。
実施例18a:化合物6の製造
(i)NOTA(トリス−tBu)の製造
(a)α−ブロモグルタル酸5−ベンジルエステルの合成
0℃に冷却した臭化水素酸水溶液(Fluka社、1M、22.5mL)中のL−グルタル酸5−ベンジルエステル(Fluka社、3.0g、0.013mol)及び臭化ナトリウム(Fisher社、4.6g、0.044mol)の溶液に、亜硝酸ナトリウム(Fluka社、1.6g、0.023mol)を少しずつ添加した。0℃で2時間撹拌した後、濃硫酸(Merck社、1.2mL)を添加し、続いてジエチルエーテル(Eternell社)を添加した。水相をジエチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで4回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。常相クロマトグラフィー(シリカカラム(40g)、溶媒:A=ヘキサン、B=酢酸エチル、勾配:20分で10〜35%B、流量:4.0mL/分、UV検出:214nm及び254nm)を用いて粗生成物を精製することで、1.81gの純粋な生成物を得た。収率46%。構造はNMRによって確認された。
(b)α−ブロモグルタル酸5−ベンジルエステル1−tert−ブチルエステルの合成
(Bioorg.Med.Chem.Lett.2000 10,2133−2135)
クロロホルム(Merck社、5mL)中のα−ブロモグルタル酸5−ベンジルエステル(実施例18a(i)(a)参照、1.2g、4.0mmol)の溶液に、シクロヘキサン(Merck社、5mL)中のtert−ブチル2,2,2−トリクロロアセチミデート(Fluka社、1.57mL、8.52mmol)の溶液を5分かけて滴下した。N,N−ジメチルアセトアミド(Fluka社、0.88mL)を添加し、続いて三フッ化ホウ素エチルエーテレート(Aldrich社、80μL)を触媒として添加した。反応混合物を室温で5日間撹拌した。ヘキサンを添加し、有機相をブラインで3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。常相クロマトグラフィー(シリカカラム(40g)、溶媒:A=ヘキサン、B=酢酸エチル、勾配:15分で10〜35%B、流量:4.0mL/分、UV検出:214nm及び254nm)を用いて粗生成物を精製することで、1.13g(79%)の純粋な生成物を得た。構造はNMRによって確認された。
(c)2−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル−ペンタン二酸5−ベンジルエステル1−tert−ブチルエステルの合成
クロロホルム(Merck社、20mL)中のα−ブロモグルタル酸5−ベンジルエステル1−tert−ブチルエステル(実施例18a(i)(a)参照、513mg、1.44mmol)の溶液を、クロロホルム(Merck社、20mL)中の1,4,7−トリアザシクロノナン(Fluka社、557mg、4.31mmol)の溶液に3時間かけて添加した。混合物を室温で3日間撹拌し、真空中で濃縮して淡黄色の油状物とした。常相クロマトグラフィー(シリカカラム(40g)、溶媒:A=エタノール:アンモニア水(95:5)、B=クロロホルム:エタノール:アンモニア水(385:175:20)、勾配:0%Bで6分、100%Bで12分、流量:4.0mL/分、UV検出:214nm及び254nm)を用いて粗生成物を精製することで、半純粋な生成物(289mg)を得た。収率49%。生成物をLC−MS(カラム:Phenomenex Luna C18(2)2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜50%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS)によって確認した。tR=2.5分、m/z(MH+)406.3。
(d)2−(4,7−ビス−tert−ブトキシカルボニルメチル−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル−ペンタン二酸5−ベンジルエステル1−tert−ブチルエステルの合成
乾燥アセトニトリル(40mL)中の2−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル−ペンタン二酸5−ベンジルエステル1−tert−ブチルエステル(実施例18a(i)(b)参照、600mg、1.48mmol)を0℃に冷却した後、乾燥アセトニトリル(10mL)中のtert−ブチルブロモアセテート(Fluka社、1.548mg、414μL、2.81mmol)を15分かけて滴下した。反応混合物をさらに15分間撹拌した後、反応混合物を4時間かけてゆっくりと室温まで温めた。混合物をセライトで濾過し、蒸発乾固して粗生成物を得た。生成物をLC−MS(カラム:Phenomenex Luna C18(2)2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜80%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS)によって確認した。tR=3.9分、m/z(MH+)634.4。
(e)2−(4,7−ビス−tert−ブトキシカルボニルメチル−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル−ペンタン二酸1−tert−ブチルエステル[NOTA(トリス−tBu)]の合成
2−(4,7−ビス−tert−ブトキシカルボニルメチル−[1,4,7]トリアゾナン−1−イル−ペンタン二酸5−ベンジルエステル1−tert−ブチルエステル(実施例18a(i)(c)参照、938mg、1.48mmol)を2−プロパノール(Arcus社、115mL)に溶解し、水(3mL)中に懸濁した10%Pd/C(Koch−Light社、315mg)を添加した。混合物を水素(4気圧)で3時間処理し、セライトで濾過し、蒸発乾固した。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(シリカカラム(4g)、溶媒:2−プロパノール:アンモニア(95:5)、流量:40mL/分、UV検出:214nm及び254nm)に付すことで、半純粋な生成物(225mg)を得た。生成物をLC−MS(Phenomenex Luna C18(2)、2.0×50mm、3μm、溶媒:A=水/0.1%トリフルオロ酢酸及びB=アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配:5分で10〜80%B、流量:0.6mL/分、UV検出:214nm及び254nm、ESI−MS)によって確認した。tR=2.4分、MH+ 544.5。
精製NOTA(トリス−tBu)を分析LC−MS(勾配:5で10〜80%B)によって特性決定した。tR:2.4分、実測m/z:544.5、予想MH+:544.4。
(ii)NOTA(トリス−tBu)−NH−CH 2 CH 2 −NH 2 の製造
NMP(1mL)に溶解したPyAOP(96mg、0.18mmol)を、NMP(1mL)中のNOTA(トリス−tBu)(100mg、0.18mmol)及びエチレンジアミン(1.2mL、18mmol)の溶液に添加した。反応混合物を1時間振盪し、次いでPyAOPの第2のアリコート(38mg、0.073mmol)を添加した。振盪を30分間続けた。20%ACN/水(5mL)を添加し、生成物を半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:40分で20〜50%B)を用いた精製により、123mg(98%)の純粋なNOTA(トリス−tBu)−NH−CH2CH2−NH2を得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で20〜50%B)によって特性決定した。tR:1.95分、実測m/z:586.4、予想MH+:586.4。
(iii)NOTA(トリス−tBu)−NH−CH 2 CH 2 −NH−マレイミド
NOTA(トリス−tBu)−NH−CH2CH2−NH2(123mg、0.176mmol)、3−マレイミドプロピオン酸NHSエステル(70mg、0.26mmol)及びsym−コリジン(346μL、2.60mmol)をNMP(2mL)に溶解した。反応混合物を6時間撹拌した。水(6mL)を添加し、生成物を半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:40分で20〜50%B)を用いた精製により、115mg(87%)の純粋なNOTA(トリス−tBu)−NH−CH2CH2−NH−マレイミドを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で10〜60%B)によって特性決定した。tR:3.36分、実測m/z:737.4、予想MH+:737.4。
(iv)NOTA(トリス−酸)−NH−CH 2 CH 2 −NH−マレイミドの製造
NOTA(トリス−tBu)−NH−CH2CH2−NH−マレイミド(115mg、0.150mmol)を、TFA(10mL)中の2.5%TIS及び2.5%水の溶液で4時間処理した。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を水(8mL)に再溶解し、生成物を半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:40分で0〜20%B)を用いた精製により、80mg(90%)の純粋なNOTA(トリス−酸)−NH−CH2CH2−NH−マレイミドを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で0〜30%B)によって特性決定した。tR:2.74分、実測m/z:569.5、予想MH+:569.2。
(v)化合物6の製造
(a)合成Z02891−Cysの製造
0.05mmolのNovaPEG Rink Amide樹脂から出発するFmoc化学を用いて、CEM Libertyマイクロ波ペプチド合成装置上で配列EAKYAKEMRNAYWEIALLPNLTNQQKRAFIRKLYDDPSQSSELLSEAKKLNDSQAPKVDCをアセンブリした。各カップリング段階(75℃で5分)では、インサイチュ活性化のために0.45mmol HBTU/0.45mmol HOAt/1.0mmol DIPEAを使用しながら0.5mmolのアミノ酸を適用した。FmocはDMF中の5%ピペラジンによって除去した。両Argの二重カップリングを適用した。Asp−Ser及びLeu−Serプソイドプロリンジペプチド(0.5mmol)を配列中に組み込んだ。
2.5%のTIS、2.5%のEDT、2.5%のEMS及び2.5%の水を含むTFA(40mL)中で、側鎖保護基の同時除去及び樹脂からのペプチドの切断を1時間実施した。樹脂を濾過によって除去し、TFAで洗浄し、合わせた濾液を真空中で蒸発させた。残留物にジエチルエーテルを添加し、生じた沈殿をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。切断操作をもう一度繰り返した。乾燥した沈殿を20%ACN/水に溶解し、残留するTrp保護基を除去するために一晩放置した。溶液を凍結乾燥して148mg(42%)の粗Z02891−Cysを得た。148mgの粗Z02891−Cysを半分取HPLC(4回の操作、勾配:40分で25〜30%B)によって精製することで、33mg(9%)の純粋なZ02891−Cysを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で10〜40%B)によって特性決定した。tR:3.40分、実測m/z:1758.3、予想MH4 4+:1758.4。
合成Z02891−Cys(13.7mg、1.95μmol)及びNOTA(トリス−酸)−NH−CH2CH2−NH−マレイミド(11mg、19.3μmol)を水(1mL)に溶解した。溶液を酢酸アンモニウムの添加によってpH6に調整し、混合物を3時間振盪した。反応混合物を水/0.1%TFA(6.5mL)で希釈し、半分取HPLCを用いて生成物を精製した。半分取HPLC(勾配:40分で15〜35%B)を用いた精製により、8.4mg(57%)の純粋なを得た。化合物を分析LC−MS(勾配:5分で10〜40%B)によって分析した。tR:3.31分、実測m/z:1900.7、予想MH4 4+:1900.2。
実施例19:[ 18 F]AlF−NOTA(COOH) 2 −Z02891(配列番号2)(5)の放射化学収率に対するAlCl 3 /ペプチド比の影響
円錐ポリプロピレン遠心バイアル(1.5mL)内において、酢酸ナトリウム緩衝液(10μL、pH4.0、0.5M)中の(140μg、20nmol)の3つの溶液を、酢酸ナトリウム緩衝液(10μL、pH4.0、0.5M)中のAlCl3(それぞれ0.33μg,2.49nmol、0.66μg,4.98nmol及び1.33μg,9.96nmol)の溶液と混合した。これらのバイアルに少量の[18F]フッ化物イオン(10μL)を添加した。バイアルを100℃で15分間加熱し、続いてHPLCによって分析した。組込み収率を表12に示す。
実施例20:[ 18 F]AlF−NOTA(COOH) 2 −Z02891(配列番号2)(5)の放射化学収率に対する試薬希釈度の影響
円錐ポリプロピレン遠心バイアル(1.5mL)内において、酢酸ナトリウム緩衝液(25μL、pH4.0、0.5M)中の(373μg、50nmol)の溶液を、酢酸ナトリウム緩衝液(1.5μL、pH4.0、0.5M)中のAlCl3(1.66μg,12.5nmol)の溶液と混合した。少量の[18F]フッ化物イオン(10μL、80MBq)を添加した。酢酸ナトリウム緩衝液(1.5μL、pH4.0、0.5M)を用いてこの混合物の2種の段階希釈液(50%及び25%(v/v))を調製した。次いで、3つのバイアルを100℃で15分間加熱し、続いてHPLCによって分析した。組データを表13に示す。
実施例21:[ 18 F]AlF−NOTA(COOH) 2 −Z02891(配列番号2)(5)の放射化学収率に対するペプチド/AlCl 3 濃度の影響
18F]フッ化物イオン(25μL、23〜25MBq)、1.5μLの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0、0.5M)中のAlCl3(ペプチドの1/4当量)、及び酢酸ナトリウム緩衝液(25μL、pH4.0、0.5M)中の(50、100及び150nmol)を含む3つのバイアルを100℃で30分間加熱した。図30は、15分及び30分後の組込みデータを示している。
実施例22:[ 18 F]AlF−NOTA(COOH) 2 −Z02891(配列番号2)(5)の放射化学収率に対するマイクロ波加熱の影響
18F]フッ化物イオン(25μL、29MBq)、1.5μLの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0、0.5M)中のAlCl3(1.66μg、12.5nmol)、及び酢酸ナトリウム緩衝液(25μL、pH4.0、0.5M)中の(373μg、50nmol)を含むホイートンバイアル(3mL)を、マイクロ波装置(Resonance Instruments Model 521、設定温度80℃、50W)を用いて5,10及び15秒間加熱した。表14は、これらの時点後におけるHPLC分析結果の要約を示している。
実施例23:[ 18 F]AlF−NOTA(COOH) 3 −Z02891(配列番号2)(5a)の製造
18F]フッ化物イオン(25μL、29MBq)、1.5μLの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0、0.5M)中のAlCl3(1.66μg、12.5nmol)、及び酢酸ナトリウム緩衝液(25μL、pH4.0、0.5M)中の(380μg、50nmol)を含むPP遠心バイアル(1.5mL)を100℃で15分間加熱した。5aの分析RCYは15〜20%であった。図31は、反応混合物のHPLCプロファイルを示している。
実施例24:[ 18 F]SiFA−Z02891(配列番号2)(7)の製造
ポリプロピレン遠心バイアル(1.5mL)内において、酢酸ナトリウム緩衝液(50μL、pH4.0、0.5M)中のペプチド前駆体(750μg、100nmol)の溶液を水(50μL)中の[18F]フッ化物イオン溶液に添加し、95℃で15分間加熱した。食塩水(100μL、0.9%(w/v))を添加した後、食塩水でコンディショニングしたNAP5カラム(GE Healthcare社)を用いて混合物を精製した。26分後、18%の非崩壊補正放射化学収率及び87%の放射化学純度で生成物を得た。図32は、最終生成物のHPLC分析を示している。
実施例24a:化合物8の製造
(i)SiFaの合成
ヘキサン中のn−ブチルリチウム(2.5M、7.9mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(THF)(6mL)中の2−(4−ブロモフェニル)−1,3−ジオキソラン(1.8g、7.9mmol)の冷却(−78℃)溶液にアルゴン下で滴下した。−78℃で2時間撹拌した後、得られた黄色の懸濁液を注射器に吸い込み、THF(15mL)中のジ−tert−ブチルジフルオロシラン(1.5mL、8.33mmol)の冷却溶液(−70℃)に20分かけて滴下した。反応混合物を−70℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度まで放温した。2時間30分後に反応混合物から試料(3mL)を抜き取り、水/0.1%TFAで脱活することでジオキソラン保護基を除去した。脱保護生成物を分取HPLCによって精製した。分取HPLC(勾配:60分で40〜95%B)を用いた精製により、純粋なSiFAを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で50〜95%B)によって特性決定した。tR:2.05分、実測m/z:検出せず、予想MH+:267.2。
(ii)SiFA−アミノオキシアセチル−マレイミドの製造
Eei−アミノオキシアセチル−マレイミド(20mg、71μmol)を、(HPLC分取画分からの)水/ACN/0.1%TFA中のSiFAに添加した。1M HCl(1mL)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した。生成物を半分取HPLCによって精製した。半分取HPLC(勾配:40分で40〜80%B)を用いた精製により、15mg(45%)の純粋なSiFA−アミノオキシアセチル−マレイミドを得た。精製物質をLC−MS(勾配:5で40〜70%B)によって特性決定した。tR:3.00分、実測m/z:462.1、予想MH+:462.2。
(iii)化合物8の製造
組換えZ02891−Cys Affibody(24mg、3.4μmol)及びSiFA−アミノオキシアセチル−マレイミド(4.7mg、10μmol)を50%ACN/水(1mL)に溶解した。溶液を酢酸アンモニウムの添加によってpH6に調整し、混合物を1時間振盪した。反応混合物を10%ACN/水/0.1%TFA(8mL)で希釈し、半分取HPLCを用いて生成物を精製した。半分取HPLC(勾配:40分で20〜40%B)を用いた精製により、26mg(100%)の純粋なZ02891−Cys−マレイミド−アミノオキシアセチル−SiFA()を得た。精製されたZ02891−Cys−マレイミド−アミノオキシアセチル−SiFA()をLC−MS(勾配:5分で10〜40%B)によって分析した。tR:3.87分、実測m/z:1873.6、予想MH4 4+:1873.5。
実施例25:腫瘍モデルの妥当性確認
A431及びNCI−N87異種移植モデルの妥当性を、腫瘍増殖及びHER2発現に関して確認した。動物モデルの構成は、動物1頭当たり(100μlの50%PBS/50%Matrigel中の)2×106のNCI−N87細胞又は107のA431細胞を右脇腹に皮下接種し、続いて30日の接種期間を置くことを含んでいた。これらの腫瘍におけるHER2発現は、FDA認可のHercepTest(Dako社、K5204)を用いて免疫組織化学により評価した。
図33は、推奨強度スケール(0→+3)によれば、NCI−N87腫瘍は強く染色される(+3)のに対し、A431細胞はかなり弱い染色強度を示すことを表している。これらのデータは、腫瘍モデルが顕著に異なるHER2発現を有し、したがってHER2標的化Affibody分子の取込みを比較するのに適することを示唆している。IHCスコアの十分な分離に基づけば、さらなる定量的評価は不要であると考えられた。
実施例26:正常マウスにおける化合物2、5及び7の体内分布
食塩水で製剤化したトレーサー化合物及びを、ナイーブCDlマウスを用いて評価した。3MBqの放射能(2分の時点で2.5MBq)を静脈内注射した後、動物を注射後2分、90分、120分及び180分に屠殺し、主要器官における放射性の保持を評価した。体内分布測定では、は顕著な腎臓保持(注射後90分で70.3%ID)を示したが、又はに関しては認められなかった(注射後90分でそれぞれ4.8%ID及び10%ID)。7の脱フッ素化が認められた(注射後90分で骨取込み5.3%ID/g)。図34は、体内分布データを次式の対応する[111In]DOTA−Z02891(配列番号2)()化合物と比較している。
実施例27:化合物2、5及び7の腫瘍取込み
高いHER2レベル及び低いHER2レベルを発現する腫瘍細胞を有する腫瘍マウスモデル(それぞれNC87及びA431)において、化合物及びの差別的取込みが予想通りに観察された。図35、表15及び表16は、体内分布データを対応する[111In]DOTA−Z02891(配列番号2)()化合物と比較している。
実施例28:二重腫瘍異種移植モデルにおける2のイメージング
2つの脇腹の各々にA431及びNCI−N87を移植することにより、二重腫瘍異種移植マウスを生成した。これらのマウスを用いての体内分布を評価することで、低HER2発現腫瘍及び高HER2発現腫瘍の両方への取込みを同一動物で評価することを可能にした。時点は注射後30分及び60分を含んでいた。
図36は、の性能が単一腫瘍動物試験で観察されたものと同等であり、注射後30分という早い時期から始めて、A431腫瘍とNCI−N87腫瘍との間には結合剤取込みに良好な分離が見られることを示している。バックグラウンド組織クリアランスに関する限りでは(主要組織の比に関しては表7を参照されたい)、注射後60分での血中レベルは顕著に低下して4.52のNCI−N87腫瘍:血液比を与える一方、30分では部分的な血中クリアランスが2.39の比を与えると共に、1.39という正の腫瘍:肝臓比を与える。これらの性質は、の薬物動態学が適当なイメージングウィンドウ内でヒト被験体をイメージングするのに十分であることを示唆している。
実施例29:NCI−N87腫瘍担持マウスにおける化合物2のアドバック試験
結合剤効力に対する過剰の非放射性リガンドの効果を評価するためにNCI−N87腫瘍モデルにおいて実施したアドバック試験に関しては、次の4種の製剤を注射後90分に評価した。
1.標準の化合物製剤、
2.標準製剤+マウスごとに100μg/kgの非放射性前駆体、
3.標準製剤+マウスごとに500μg/kgの非放射性前駆体、及び
4.標準製剤+マウスごとに1000μg/kgの非放射性前駆体。
標準製剤中における非放射性前駆体の濃度は120μg/kg/マウスであり、したがってこの試験は(マウスにおいて)使用した元の濃度の10×の非放射性前駆体の効果を調べた。図37は、腫瘍取込みに対する効果が顕著でなく、また他の組織からのクリアランスも顕著な影響を受けなかったことを示している。
実施例30:二重脇腹A431/NCI−N87腫瘍担持マウスにおける化合物2のインビボイメージング試験
実施例28に記載した二重腫瘍マウスモデルを用いて、予備的イメージング試験を実施した。動物ごとに10MBqのを静脈内注射し、注射後120分から始めてマウスを30分間イメージングした。図38の画像は、以前に体内分布試験で実証されたように、クリアランスが腎臓を通して行われることを示している。横断イメージングは2つの腫瘍中への取込みを示していて、NCI−N87腫瘍はA431腫瘍より顕著に高い信号強度を示しており、これは実施例28における二重腫瘍体内分布試験と一致している。
今回のイメージング試験をAffibody(登録商標)のイメージング試験(図38)と比較すれば、高HER2発現腫瘍と低HER2発現腫瘍との間における同様な取込みの差が示される。しかしは、体内分布でも見られる微小な腎臓保持のため、腎臓からのバックグラウンドの顕著な改善を有している。
上記に論議及び/又は引用されたすべての特許、雑誌論文、刊行物及び他の文書の内容は、援用によって本明細書中に組み込まれる。

Claims (6)

  1. 配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドをAl18F−NOTAキレーターとコンジュゲートして形成されたAl18F−NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを含んでなるイメージング剤組成物であって、単離されたAl18F−NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドがHER2又はその変異体と特異的に結合する、イメージング剤組成物。
  2. 請求項1記載のイメージング剤組成物の製造方法であって、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意する段階、(ii)ポリペプチドをNOTAキレーターと反応させてNOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階、及び(iii)NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドをAl18F部分と反応させてAl18F−NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階を含んでなる方法。
  3. 18F−NOTAキレーターの製造方法であって、NOTAキレーターをAl18F源と反応させる段階を含んでなる方法。
  4. 前記NOTAキレーターがNOTAキレーター部分及びリンカーを含む、請求項3記載の方法。
  5. 請求項1記載のイメージング剤組成物の製造方法であって、(i)配列番号1、配列番号2又はこれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意する段階、(ii)ポリペプチドを、NOTAキレーター部分及びリンカーを含むNOTAキレーターと反応させてNOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを形成する段階、並びに(iii)NOTAキレーターコンジュゲート化ポリペプチドを18F部分又は18F源と反応させる段階を含んでなる方法。
  6. 請求項1記載のイメージング剤組成物及び薬学的に許容されるキャリヤーを含んでなる医薬組成物。
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