JP2014503546A - 放射性標識her2結合ペプチド - Google Patents

放射性標識her2結合ペプチド Download PDF

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Abstract

放射性核種及びキレーターと結合した単離ポリペプチドを含むイメージング剤であって、該単離ポリペプチドがHER2又はその変異体に特異的に結合する、イメージング剤。これらイメージング剤を調製及び使用する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は一般に、ヒト上皮成長因子受容体タイプ2(HER2)に結合するイメージング剤並びにかかる剤を作成及び使用する方法に関する。
ヒト上皮成長因子受容体タイプ2(HER2)は膜貫通型タンパク質で、受容体型チロシンキナーゼタンパク質であるerbBファミリーのメンバーである。HER2は、乳がん、卵巣がん、肺がん、胃がん及び口腔がんを包含する幅広い種類のがんにおいて過剰発現している、十分に確立した腫瘍バイオマーカーである。それ故にHER2は、分子標的として、及び患者生存の診断若しくは予後の指標として、又は抗悪性腫瘍外科手術への応答の予測マーカーとして、大きな価値がある。
この10年間にわたって、様々なイメージングモダリティを用いた非侵襲性のHER2発現分子イメージングが広範に研究されてきた。これらのモダリティとしては、陽電子放射断層撮影(PET)及び単光子放射断層撮影(SPECT)を使用した放射性核種イメージングが挙げられる。HER2のPET及びSPECTイメージング(それぞれHER2−PET及びHER2−SPECT)は、高感度、高空間分解能をもたらす。HER2のPETイメージングはまた、強力な定量化能力をもたらす。HER2−PET及びHER2−SPECTは、患者における全身的な腫瘍HER2発現のリアルタイムアッセイ、腫瘍におけるHER2発現の経時的な同定、HERを標的とした治療(例として、トラスツズマブをベースにした療法)のための患者の選択、療法に対する応答の予測、薬効の評価及び多くの他の用途で特に有用である。しかしながら、化学作用を有し、臨床応用に適しているであろうインビボでの挙動を呈するPET又はSPECT標識のHER2リガンドは開発されていない。
自然に存在するブドウ球菌タンパク質Aは、免疫グロブリンアイソタイプG(IgG)の結晶化可能領域(Fc)断片に結合する3ヘリックス構造(足場)を形成するドメインを含む。タンパク質AのZ−ドメイン由来のあるポリペプチドは、ループにより接続された3つのα−ヘリックスから構成される足場を含有する。2つのこれらヘリックス上に位置する、あるアミノ酸残基は、IgGのFc領域に対する結合部位を構成する。別のバインダー分子は、これらの分子の結合能力を変えるために、ヘリックス1及び2上に位置する表面に露出したアミノ酸残基(13残基)を置き換えることにより調製されている。その一例はHER2結合分子又はHER2バインダーである。これらのHER2バインダーは、PET又はSPECT活性放射性核種で標識されている。かかるPET及びSPECT標識のバインダーはインビボのHER2発現パターンを患者の中で測定する能力を与え、それ故にHER2に関連した病態の診断、予後判定及び治療において臨床医及び研究者を補助する。
PET活性放射性核種の18Fで放射性標識されたHER2結合アフィボディ分子は、HER2を過剰発現する悪性腫瘍用のイメージング剤として評価されている。キレーター、例えばmaGGG(メルカプトアセチルトリグリシル)、CGG(システイン−ジグリシル)、CGGG(配列番号6)(システイン−トリグリシル)又はAA3などによって99mTcと結合したHER2結合Affibody分子もまた、診断イメージングに用いられている。これら分子の標的HER2発現腫瘍への結合は、マウスにおいて実証されている。
多くの場合、シグナルを生成する18F基は、チオール反応性のマレイミド基を通じてAffibodyに導入される。チオール反応性のマレイミド基は、18F導入後、多段階合成を用いて調製される。しかしながら、この化学作用は低い放射化学的収率をもたらすのみである。同様に、99mTcのAffibodyとのコンジュゲーションは多段階低収率プロセスである。加えて、Tcの還元及びキレートとの錯体形成には、高いpH(例として、pH=11)条件及び長い反応時間が必要である。
18F標識Affibody分子のインビボでの性能は中程度に良好であるが、顕著な改良の余地がある。例えば、いくつかの研究において、腫瘍への取り込みはイメージング剤注入後2時間でたったの6.36±1.26%ID/gであったことが見出された。他方、99mTc標識Affibody分子は肝胆道クリアランスが優勢であって、このことは腸内への高い放射活性蓄積を引き起こし、腹部においてHER2腫瘍及び転移を検出するための使用を制限する。
それ故に、放射性部分、例えば18Fを最終ステージで導入することが可能で、結果として高い放射化学的収率をもたらす放射性標識ポリペプチドを合成する化学作用及び方法へのニーズがある。加えて、改良された性質、特に腎クリアランス及び毒性作用に関連した性質を有する、PET又はSPECTイメージングのための新たなHER2系イメージング剤へのニーズがある。
国際公開第2008/118601号
本発明の組成物は、HER2又はその変異体に特異的に結合する能力がある新たな種類のイメージング剤である。
1以上の実施形態では、イメージング剤組成物は、ジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを含む。ジアミンジオキシムキレーターは、Pn216、cPn216、Pn44又はそれらの誘導体を含むことができる。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体に特異的に結合する。
1以上の実施形態では、イメージング剤組成物は、NOTAキレーターを介して67Ga又は68Gaと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを含む。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体に特異的に結合する。
1以上の実施形態では、イメージング剤組成物は、リンカーを介して18Fと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを含む。リンカーは、アミノキシ基、アジド基又はアルキン基から得られる基を含む。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体に特異的に結合する。
本発明のイメージング剤組成物を調製する方法の例は、(i)配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、及び(ii)ジアミンジオキシムキレーターをポリペプチドと反応させて、キレーター結合ポリペプチドを形成させることを含む。別の例において、方法は、(i)配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、(ii)ポリペプチドをリンカーと反応させること、及び(iii)リンカーを18F部分と反応させて、18F結合ポリペプチドを形成させることを含む。リンカーはアミノキシ基、アジド基又はアルキン基を含むことができる。
本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図を参照しながら読むと、より良く理解されるようになろう。
それぞれ8つの異なる濃度での2つの抗HER2ポリペプチド、Z477(配列番号3)及び(Z477)2(配列番号5)の、ヒトHER2に対する結合アフィニティーの表面プラスモン共鳴(SPR)のグラフである。 図2A及び図2Bは、それぞれC6(ラットグリオーマ、対照)及びSKOV3(ヒト卵巣がん)に対するヒト抗HER2抗体の定性的フローサイトメトリーのグラフである。図2Cは、SKOV3及びC6細胞株についての細胞当たりのHer2受容体の棒グラフである。 SKOV3細胞に関する腫瘍タイプSKOV3 2−1、SKOV3 3−1、SKOV3 3−4のパネル及びブランクに関する、Her2についてのELISAアッセイの棒グラフである。 99mTc標識Z00477(配列番号3)の逆相HPLCγクロマトグラムである。 図5Aは、凝集99mTc(CO)3(His6)Z00477(配列番号4)(「His6」は配列番号7として開示)のpH9でのサイズ排除HPLCγクロマトグラムである。図5Bは、非凝集99mTc(CO)3(His6)Z00477(「His6」は配列番号7として開示)標識アフィボディ標品のサイズ排除HPLCγクロマトグラムである。 SKOV3担がんマウスからの血液、腫瘍、肝臓、腎臓及び脾臓試料におけるZ00477(配列番号3)の生体分布プロファイルを、経時的な腫瘍:血液比を包含して表したグラフである。 Mal−cPN216リンカーの化学構造の図である。 図8Aはエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量スペクトル(ESI−TOF−MS)のグラフであり、図8Bは精製されたZ00477(配列番号3)−cPN216についての質量デコンボリューション結果のグラフである。 99mTc標識Z02891−cPN216(配列番号2)についての逆相HPLCγトレースクロマトグラムである。 SKOV3担がんマウスからの血液、肝臓、腎臓、脾臓及び尾部試料における、cPN216によって99mTc標識Z02891(配列番号2)の生体分布プロファイル(%ID、%注入用量)のグラフである。 SKOV3担がんマウスからの腫瘍、血液、肝臓、腎臓、膀胱/尿、尾部、腸及び脾臓試料における、cPN216によって99mTc標識Z02891(配列番号2)の生体分布プロファイル(%ID、%注入用量)のグラフである。 SKOV3担がんマウスにおけるZ02891(配列番号2)についての生体分布プロファイルのグラフであり、腫瘍:血液比を示す。 Boc保護されたマレイミド−アミノキシ(Mal−AO−Boc)及びマレイミド−アミノキシ(Mal−AO)リンカーの化学構造の図である。図13Aはtert−ブチル 2−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルアミノ)−2−オキソエトキシカルバメート(Mal−AO−Boc)の化学構造であり、図13Bは2−(アミノオキシ)−N−(2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル)アセトアミド塩酸塩(Mal−AO.HCl)の化学構造である。 図14AはZ00342(配列番号1)出発物質の逆相HPLCクロマトグラム、図14Bは精製されたZ00342(配列番号1)−AOイメージング剤組成物の逆相HPLCクロマトグラムであり、いずれも280nmで分析されたものである。 18F−フルオロベンジル−Z00342(配列番号1)及び18F−フルオロベンジル−Z02891'(配列番号2)の粗反応混合物及び精製された最終生成物についての逆相HPLCγクロマトグラムである。 SKOV3腫瘍動物からの18F標識Z02891(配列番号2)ポリペプチドの生体分布プロファイル(%ID、%注入用量)のグラフである。 SKOV3腫瘍動物からの18F標識Z02891(配列番号2)ポリペプチドの生体分布プロファイル(%ID、%注入用量)及び腫瘍:血液比のグラフである。 血液、腫瘍、肝臓、腎臓、脾臓及び骨試料における18F標識Z00342(配列番号1)及び18F標識Z02891(配列番号2)の生体分布プロファイル(%ID、%注入用量)の棒グラフである。 Mal−NOTAリンカーの化学構造の図である。 図20AはZ00477(配列番号3)−NOTAについてのエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量スペクトル(ESI−TOF−MS)のグラフであり、図20BはESI−TOF−MS質量デコンボリューション結果のグラフである。 67Ga標識Z00477(配列番号3)−NOTAの反応1時間後の粗反応混合物についての逆相HPLCγトレースのグラフである。 精製された67Ga標識NOTA Z00477(配列番号3)−NOTAポリペプチドについての逆相HPLCγトレースのグラフである。
本発明のイメージング剤は、一般に、18F、99mTc、67Ga又は68Gaと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体の単離ポリペプチド及び該組成物を作成及び使用する方法を含む。単離ポリペプチドはHER2又はその変異体に特異的に結合する。1以上の実施形態では、単離ポリペプチドの配列は、配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体のいずれかに対して90%以上の配列類似性を有する。
単離ポリペプチドは、天然アミノ酸、合成アミノ酸又は自然に存在するアミノ酸と類似の様式で機能するアミノ酸模倣物を含むことができる。自然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によりコードされたものや、同様に後から修飾されたアミノ酸であり、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、O−ホスホセリン、ホスホスレオニン及びホスホチロシンである。
単離ポリペプチドは標準的な固相合成技術を用いて調製することができる。あるいは、ポリペプチドは組換え技術を用いて調製してもよい。ポリペプチドが組換え技術を用いて調製される場合、ポリペプチド又はその保存的変異体をコードするDNAを単離することができる。ポリペプチド又はその保存的変異体をコードするDNAは、クローニングベクター内に挿入し、宿主細胞(例として、真核生物細胞、植物細胞又は原核生物細胞)中に導入して、当該技術分野で認められている任意の発現系を用いて発現させることができる。
ポリペプチドは、単一のキラル型のアミノ酸残基から実質的に構成することができる。従って、本発明のポリペプチドは、L−アミノ酸又はD−アミノ酸のいずれかから実質的に構成することができる。しかし、L−アミノ酸とD−アミノ酸との組合せもまた利用することができる。
本明細書で提供されるポリペプチドはタンパク質AのZ−ドメインに由来することから、結合面上の残基は、結合活性を保つ限り、非保存的に置換されてもよく、保存的に置換されてもよい。いくつかの実施形態では、置換される残基は20個の自然に存在するアミノ酸又はそれらの任意のアナログのいずれかに由来し得る。
ポリペプチドは約49残基から約130残基の長さであることができる。具体的なポリペプチド配列は表1に記載される。
選択的機能性を付与するため、付加配列を末端に加えることができる。従って、付加配列は、ポリペプチドの精製又は単離を促進するため、片方又は両方の末端に、単独又は結合標的と連結して付け加えることができる(例として、Hisタグをポリペプチドに付け加えることによって)。
表1に記載されたポリペプチドは、リンカーを介して18Fと、ジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcと、又はNOTAキレーターを介して67Ga若しくは68Gaと、結合させることができる。表2はこれらポリペプチドの等電点(pI)を提供する。
1以上の実施形態では、配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドは、18Fと結合させることができる。18Fは、単離ポリペプチドのC末端、N末端又は内部位置に組み込むことができる。
1以上の実施形態では、18Fはリンカーを介して単離ポリペプチドに結合させることができる。リンカーはアミノキシ基、アジド基又はアルキン基を含むことができる。リンカーのアミノキシ基はアルデヒド、例えばフッ素置換アルデヒドなどと結合することができる。リンカーのアジド基はフッ素置換アルキンと結合することができる。同様に、リンカーのアルキン基はフッ素置換アジドと結合することができる。リンカーはまた、チオール反応性基を含んでもよい。リンカーはマレイミド−アミノキシ、マレイミド−アルキン又はマレイミド−アジド基から構成されてもよい。18F結合ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、(ii)ポリペプチドをアミノキシ基、アジド基又はアルキン基を含むリンカーと反応させて、リンカー結合ポリペプチドを形成させること、及びリンカーを18F部分と反応させることにより、調製することができる。
別の実施形態では、方法は、(i)配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、(ii)リンカーを用意すること、(iii)リンカーを18F部分と反応させて、18F標識リンカーを形成させること、及び(iv)18F標識リンカーを配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体の単離ポリペプチドと反応させて、リンカー結合ポリペプチドを形成させることを含むことができる。
上記の例を用いて、フッ素又は放射性フッ素原子(例えば18Fなど)を、ポリペプチド上に導入することができる。フッ素置換アルデヒドをリンカー結合ポリペプチドのアミノキシ基と反応させる場合、フッ素置換ポリペプチドが結果として得られる。同様に、フッ素置換アジド又はアルキン基をリンカー結合ポリペプチドの各アルキン又はアジド基と反応させる場合、フッ素置換ポリペプチドが結果として得られる。放射性フッ素置換アルデヒド、アジド又はアルキンをリンカー結合ポリペプチドの各アミノキシ、アルキン又はアジド基と反応させる場合、放射性フッ素標識ポリペプチド又はイメージング剤組成物が結果として得られる。さらに、アルデヒド、アジド又はアルキンの各々は、放射性フッ素(18F)標識のイメージング剤組成物を調製するため、放射性フッ素置換基を有してもよい。ポリペプチド上にフッ素を導入する方法はまた、任意の長さのフッ化イメージング剤組成物を調製するのに用いてもよい。従って、いくつかの実施形態では、イメージング剤組成物のポリペプチドは、例えば、40から130個のアミノ酸残基を含むことができる。
イメージング剤のリンカー結合ポリペプチドを合成するための化学作用は手軽であり、この方法の1段階反応は今まで知られていた方法より効率的で高い収率につながるものである。この方法はより容易に行うことができ、より早く、及びより緩やかでよりユーザーフレンドリーな条件下で実施される。例えば、ポリペプチドを、リンカーと結合した18F(例として、18F−フルオロベンズアルデヒド)で標識する方法は、当技術分野で公知の手順より簡単である。18F結合リンカーは、トリメチルアニリニウム前駆体上に18Fを直接求核導入することにより1段階で調製される。18F−リンカー(すなわち18F−FBA)は次いでポリペプチド、例えばアフィボディに結合させる。リンカーの調製もまた、当技術分野で公知の方法より容易である。その上、放射性標識アミノキシ系リンカーと結合したポリペプチド及びcPnファミリーのキレーターと結合したポリペプチド(例として、アフィボディ)は、顕著により良好な生体分布及びより良好な腫瘍取り込み、同様により少ない肝臓取り込みを伴うより良好なクリアランスを示す。
フッ素標識組成物は、診断用途で大変望ましい物質である。18F標識イメージング剤組成物は、確立したイメージング技術、例えばPETを用いて可視化することができる。
別の実施形態では、ポリペプチドは式(1)のジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcと結合することができる。
式中、R'、R''、R'''、R''''は独立してH若しくはC1-10アルキル、C3-10アルキルアリール、C2-10アルコキシアルキル、C1-10ヒドロキシアルキル、C1-10アルキルアミン、C1-10フルオロアルキルであり、又は2以上のR基は、それらが結合している原子と共に炭素環、複素環、飽和若しくは不飽和環を形成し、ここでRはH、C1-10アルキル、C3-10アルキルアリール、C2-10アルコキシアルキル、C1-10ヒドロキシアルキル、C1-10アルキルアミン若しくはC1-10フルオロアルキルであることができる。1つの実施形態では、nは0〜5まで変わり得る。ジアミンジオキシムキレーターを調製する方法の例は、「Methods of radio fluorination of biologically active vector」と題するPCT出願の国際公開第2004/080492号及び「Radio labelled conjugates of RGD−containing peptides and methods for their preparation via click−chemistry」と題するPCT出願の国際公開第2006/067376号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
99mTcは、ジアミンジオキシムによって単離ポリペプチドのN末端で、単離ポリペプチドに結合させることができる。キレーターは二官能性化合物であることができる。1つの実施形態では、二官能性化合物はMal−cPN216であることができる。Mal−cPN216は、配列番号1又は配列番号2のポリペプチドの末端システインへのコンジュゲーションのためのチオール反応性マレイミド基、及び99mTcをキレートするためのビス−アミノオキシム基(ジアミンジオキシムキレーター)を含む。Mal−cPN216は式(2)を有することができる。
ジアミンジオキシムキレーター結合ペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、(ii)ジアミンジオキシムキレーターをポリペプチドと反応させて、ジアミンジオキシム結合ポリペプチドを形成させることにより、調製することができる。ジアミンジオキシムキレーターはさらに99mTcと結合させてもよい。
1以上の実施形態では、ポリペプチドはNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N',N''−トリ酢酸)キレーターを介して67Ga又は68Gaと結合することができる。NOTA結合ポリペプチドは、(i)配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、(ii)NOTAキレーターをポリペプチドと反応させて、NOTA結合ポリペプチドを形成させることにより、調製することができる。NOTAキレーターはさらに67Ga又は68Gaと結合させてもよい。
1つの実施形態では、Ga、特に67Gaは、NOTAキレーターを介して単離ポリペプチドに結合させることができる。NOTAキレーターは、式(3)に記載の通り、マレイミド基で官能化することができる。
本発明はまた、対象の少なくとも一部をイメージングする方法を含む。1つの実施形態では、方法は、イメージング剤組成物を対象に投与すること及び対象をイメージングすることを含む。対象は、例えば、診断デバイスを使用してイメージングすることができる。
方法は、組成物が対象に送達されるのをモニターする段階、及び対象をHER2関連の病態(例として、乳がん)と診断する段階をさらに含んでもよい。1つの実施形態では、対象は哺乳類、例えばヒトであることができる。別の実施形態では、対象は細胞又は組織を含むことができる。組織は生検において用いることができる。診断デバイスは、磁気共鳴イメージング、光学イメージング、光干渉断層撮影、X線、コンピュータ断層撮影法、陽電子放射断層撮影又はそれらの組合せから選ばれるイメージング方法を利用することができる。
イメージング剤組成物は、ヒト及び他の動物に非経口で投与することができる。非経口注入のための本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される滅菌された水性若しくは非水性溶液、分散液、懸濁液又はエマルジョン、同様に使用直前に滅菌された注入可能な溶液若しくは分散液へと再構成するための滅菌粉末を含む。適した水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒又は媒体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びそれらの適した混合物、植物油(例えばオリーブ油など)、並びに注入可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルなどが挙げられる。例えばコーティング材料、例えばレシチンなどを用いることにより、分散液中の粒子サイズを調整することにより、及び界面活性剤を用いることにより、適切な流動性を維持可能である。
これらのイメージング剤組成物はまた、アジュバント、例えば保存料、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などを含有してもよい。微生物作用の予防は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを包含させることにより、確実にできる。等張性の剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを包含させることもまた望ましい。注入可能な医薬形態の持続性吸収は、吸収を遅らせる剤、例えばアルミニウムモノステアレート及びゼラチンなどを包含させることにより、もたらされ得る。
イメージング剤組成物は、潜在的な毒性を最小化するため、生理的に許容される担体中に分散することができる。従って、イメージング剤はpHが約6から約8の生体適合性溶液中に分散することができる。いくつかの実施形態では、該剤はpHが約7から約7.4の生体適合性溶液中に分散することができる。他の実施形態では、該剤はpHが約7.4の生体適合性溶液中に分散される。
イメージング剤組成物は、医薬産業において化合物を水性媒体中に懸濁又は溶解するのに一般に用いられる他の添加物と組合せ、次いで懸濁液又は溶液は当技術分野で公知の技術で滅菌することができる。イメージング剤組成物は、種々の形態で投与し、選ばれた投与経路に適合させることができる。例えば、該剤は、局所的に(すなわち組織又は粘膜経由で)、静脈内に、筋肉内に、皮内に又は皮下に投与することができる。注入に適した形態としては、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌された注入可能な溶液、分散液、リポソーム製剤若しくはエマルジョン製剤を調製するための滅菌粉末が挙げられる。吸入使用に適した形態としては、エアロゾル中に分散されたような剤が挙げられる。局所投与に適した形態としては、クリーム、ローション、軟膏などが挙げられる。
イメージング剤組成物は、好ましい量の剤を対象へと好都合に送達するように濃縮し、所望の形態で容器中に包装することができる。剤は容器中に分注することができ、この中で剤は、対象のkg体重当たり0.1mgから50mgの間の剤濃度での剤の投与を好都合に促進する、生理的に許容される溶液中に分散される。
1以上の実施形態では、標的組織は、該剤の投与後約4時間でイメージングすることができる。代替的実施形態では、標的組織は、対象への該剤の投与後約24時間でイメージングすることができる。
以下の例は説明の目的のみのために提供されるものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
合理的なHER2発現の可能性を有する腫瘍原性細胞株のパネルを、利用可能な文献(Bruskin, et. al. Nucl. Med. Biol. 2004: 31: 205; Tran, et. al. Imaging agent composition Chem. 2007: 18: 1956)に基づいて、表3に記載の通り選択した。
全ての細胞株はAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手し、推奨されるように培養した。細胞は、使用前に>90%コンフルエンスまで培養した。フローサイトメトリー(Beckman Coulter Cytomics FC500 MPL)は、間接的な免疫蛍光染色の定量分析のため、表4に記載された細胞株に対して、抗Her2一次抗体(R&D Systems、PN MAB1129)及びDako QIFIKIT(PN K0078)を用いて行った。異なる数のMab分子を有する5つの異なる集団を持つ較正ビーズを、細胞株と一緒に、細胞当たりの表面受容体数を決定するのに用いた。全ての場合、適切なアイソタイプの対照を該当する販売業者から入手した。
付着細胞は、細胞表面受容体のタンパク質分解を避けるため、トリプシンよりむしろ細胞分離緩衝液(PBS+10mM EDTA)を用いてフラスコから遊離させた。細胞をPBSで2回洗浄し、氷冷FC緩衝液(PBS+0.5%BSAw/v)中に濃度5〜10×106細胞/mlになるように再懸濁した。100μLの一定分量の細胞を5μgの一次抗体と混合し、氷上で45分間インキュベートした。細胞を次いで1mlの氷冷フローサイトメトリー(FC)緩衝液(2%ウシ血清アルブミンを添加したPBS)で洗浄し、300×gで5分間遠心分離して、0.5μLのFC緩衝液中に再懸濁した。PBSで1:50に希釈した二次抗体断片(F(ab)2FITC−結合ヤギ抗マウス免疫グロブリン)を100μL加え、氷上、暗所で45分間インキュベートした。細胞を次いで1mLの氷冷FC緩衝液で2回洗浄し、300×gで5分間遠心分離して、500μLのFC緩衝液中に再懸濁した。全ての染色細胞は、フローセルが詰まるのを防ぐため、フローサイトメトリーの前に100ミクロンのフィルターを通過させた。
フローサイトメトリーはBeckman Coulter Cytomics FC500 MPL上で行った。各チューブについて最少で5×104のイベントを収集した。全ての分析は単一色で、FL1におけるFITCの検出を使用したものであった。前方散乱(FS)及び側方散乱(SS)のデータは、全ての細胞集団がしっかりグループ分けされることを実証した。
フローサイトメトリーはインビトロでのHER2発現について細胞を評価するのに用いられ(図2A、2B及び2C)、SKOV3細胞は最も高いHER2発現レベルを示した(図3)。図3の結果は再現性があった(n=3)。
最も高発現の細胞株はSKOV3であった。これらの細胞を6〜12週齢の免疫不全マウスに注射し、腫瘍を増殖させた。腫瘍増殖曲線及び成功率は、接種した細胞数に依存した。最適な腫瘍増殖は300万から400万個の細胞/マウスを使用して得られた。
インビボ研究は、週齢が6週から15週の間の範囲である雌性CD−1ヌードマウス(Charles River Labs、Hopkinton、MA)を使用して行った。マウスは換気ラック中で、食餌及び水を自由摂取させて、標準的な12時間の昼夜照明サイクルで飼育した。異種移植のため、動物に100μlのPBS中の細胞を注入した。細胞を右後部に皮下移植した。移植はイソフルラン麻酔下で実施した。SKOV3の場合、3×106〜4×106の細胞を各マウスに移植した。これらの条件下で、使用可能な腫瘍(100〜300μg)が注入された動物の80%超で3から4週の間に得られた。
剥離によりマウスから腫瘍を回収し、全腫瘍を処理まで−20℃で保存した。腫瘍はプロテアーゼ阻害剤カクテル(Santa Cruz Biotech、Santa Cruz、CA#24948)添加RIPA緩衝液1mlの中で、Dounceホモジナイザー中で氷上で粉砕した。ホモジネートは次いで氷上で30分間インキュベートし、次いで冷却遠心分離機中で10,000×Gで10分間、遠心分離した。上清を回収して、さらなる処理まで氷上又は4℃で保存した。溶解液中のタンパク質濃度は、BCAタンパク質アッセイキット(Pierce Biotechnology 23225)を用いて決定した。溶解液は、マイクロタイタープレート中で20μgのタンパク質/ウェルが得られるよう、標準的な濃度に希釈した。ELISAは市販のヒトHER2キット(R&D Systems、DYC1129)を使用して、製造業者の説明書に従って行った。各試料について3回測定を行い、データをpg HER2/μg総タンパク質として報告し、誤差を標準偏差として報告した。
インビボでの標的の発現は、ELISAにより測定した。切除した腫瘍をホモジナイズし、市販のマッチドペアキット(R&D systems、DYC1129、Minneapolis、MN)を用いてHER2について分析した。図3の結果は、SKOV3細胞株が高発現腫瘍を増殖させることを示す。ELISAの対照は、フローサイトメトリーに用いた陰性対照株の細胞培養物溶解液であった。これらの結果は、SKOV3の腫瘍異種移植片がヒトHER2を標的とする分子のインビボ研究に適切であることを指し示す。
全てのポリペプチドは、SwedenにあるAffibody ABから受け入れた。ポリペプチドは、「Z」を前に付けた、数字で表される内部開発コードで呼ばれる。表1は本明細書で記載されるポリペプチドを詳述する。ポリペプチドとしては、ポリペプチドZ00342(配列番号1)、ポリペプチドZ02891(配列番号2)、ポリペプチドZ00477(配列番号3及び4)及びZ00477のダイマー、すなわち(Z00477)2(配列番号5)が挙げられる。
ポリペプチドとHER2/neu抗原との間の結合相互作用は、インビトロで表面プラスモン共鳴(SPR)の検出を用いて、Biacore(商標)3000機器(GE Healthcare、Piscataway、NJ)上で測定した。Her2/neu抗原の細胞外ドメインは、R&D Systems(Minneapolis、MN)からヒトIgGのFc領域とのコンジュゲート(Fc−Her2)として入手し、CM−5デキストラン官能化センサーチップ(GE Healthcare、Piscataway、NJ)に共有結合で結合させたが、このセンサーチップはHBS−EP緩衝液(0.01M HEPES pH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005%v/v界面活性剤P20)を10μL/分で使用して予め平衡化し、続いてEDC及びNHSで活性化したものである。10mM酢酸ナトリウム(pH5.5)中のFc−HER2(5μg/ml)は、所望の固定化レベル(約3000Resonance Unit)に達するまで(2分)、活性化センサーチップ上に注入した。センサーチップ上の残りの活性化基は、エタノールアミン(1M、pH8.5)を注入してブロックした。非共有結合的に結合したあらゆるコンジュゲートは、2.5M NaCl、50mM NaOHを使用して繰り返し(5回)洗浄することで除去した。同じセンサーチップ上の2つ目のフローセルは、屈折率変化及びセンサーチップとの非特異的な結合相互作用の対照表面として働かせるため、Fc−HER2固定化を行わない点を除いて同様に処理した。動態研究の前に標的分析物の結合を両表面上で試験して表面安定性実験を実施し、結合した分析物の十分な除去と、2.5M NaCl、50mM NaOHでの処理後のセンサーチップ再生とを確実にした。SPRセンサーグラムはBIAevaluationソフトウェア(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を用いて分析した。動態学的モデルのロバスト性は、計算された動態学的パラメーターの各々についての残差及び標準誤差、「適合度」(χ2<10)を評価することにより、並びにモデル化したセンサーグラムを実験データと直接的に比較することにより決定した。SPR測定値を8つの分析物濃度(0〜100nMタンパク質)で収集し、結果として得られたセンサーグラムを1:1のLangmuir結合モデルに適合させた。
図1は、ヒトHER2官能化表面上で測定したときのZ00477(配列番号3)及び(Z00477)2(配列番号5)について得られた、例の表面プラスモン共鳴(SPR)データを示す。この関係はアフィニティーが知られている全てのポリペプチド(表2)について当てはまり、この中でダイマーZ(477)2(配列番号5)の値は親和性の性向に基づく推定である。
His6(配列番号7)タグ付加ポリペプチドのfac−[99mTc(CO)3+コアでの標識は、以前に公表された手順(Waibel, R.; et al., A. Nat. Biotechnol. 1999, 17, 897)を改変したものを用いて達成した。簡潔には、生理食塩水中のNa[99mTcO4](4mCi、2mL)をIsolink(登録商標)ボラノカーボネートキット(Alberto, R. et al, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 3135)に加えた。結果として得られた溶液を95℃まで15〜20分間加熱することで、fac−[99mTc(CO)3(H2O)3+が生じた。溶液の一定分量(2mCi、1mL)を取り出し、1N HClを使用してpH約7に中和した。325μLの一定分量を取り出し、His6−ポリペプチド(配列番号7)(40μg)の溶液に加えた。結果として得られた溶液を35〜37℃の水浴中で40分間加熱した。典型的な放射化学的収率は80〜95%の範囲であった(ITLC−SG、Biodex、0.9%NaClにより決定)。粗反応生成物についてNAP−5カラム(GE Healthcare、10mM PBS)上でクロマトグラフィーにかけて、>99%放射化学的純度の生成物が生じた。得られた典型的活性は3〜4μCi/μgであった。結果として得られた溶液を次いで10mM PBSで希釈することで、その後の生体分布研究に適当な濃度を与えた。
HPLCは、Grace−Vydac Peptide/Protein C4(4.6×250mm)カラム及びRaytest GABI放射能検出器を備えたAgilent 1100シリーズHPLC上で行った。溶媒Aは0.1%TFAを添加した95:5 水:MeCNで、溶媒Bは0.1%TFAを添加した5:95 水:MeCNであった。グラジエントは以下であった(全ては直線的に変化する。時間/%B):0/0、4/20、16/60、20/100、25/100、26/0、31/0。
各ポリペプチドは、精製前にトリカルボニルテクネチウムのコアで高収率(>90%)に標識した。NAP−5クロマトグラフィーによる精製で、99mTc標識ポリペプチド試料が>99%の放射化学的純度で生じた(表4)。
NAP−5で精製された放射性標識ポリペプチドの代表的なHPLCクロマトグラムを図4に示す。放射性標識種の保持時間は、220nmのUVクロマトグラムにおける対応する非標識ポリペプチドの保持時間と実質的に変わらなかった(UV検出器及びγ検出器の物理的分離が原因である時間差を除く。データは図示せず)。
99mTc(CO)3(His6)−ポリペプチドの研究に用いた動物モデル(「His6」は配列番号7として開示)
インビボ研究は、週齢が6週から15週の間の範囲である雌性CD−1ヌードマウス(Charles River Labs、Hopkinton、MA)を使用して行った。マウスは換気ラック中で、食餌及び水を自由摂取させて、標準的な12時間の昼夜照明サイクルで飼育した。異種移植のため、動物に100μlのPBS中の細胞を注入した。細胞を右後部に皮下移植した。移植はイソフルラン麻酔下で実施した。SKOV3の場合、3×106〜4×106の細胞を各マウスに移植した。これらの条件下で、使用可能な腫瘍(100〜300μg)が注入された動物の80%超で3から4週の間に得られた。
生体分布
マウスに約1μgの99mTc標識ポリペプチド(約3μCi/1μg)を尾静脈注射した。マウスは安楽死までろ紙を並べたケージの中に置かれた。各時点で3匹のマウスを安楽死させ、目的の組織を切除してPerkin Elmer Wallac Wizard 1480γCounter上でカウントした。血液、腎臓、肝臓、脾臓及び注入部位(尾部)についてデータを収集した。ケージからの尿を膀胱と共にプールして、これもまたカウントした。残りの組織をカウントし、各動物について全組織+尿の和を合計して、全注入用量が与えられた。各器官についての%注入用量はこの全量に基づいて決定し、器官はグラム当たりの%注入用量(%ID/g)を決定するために秤量した。データは、その時点での全3匹のマウスについての平均値として、群の標準偏差を表すエラーバーと共に報告される。
99mTc標識Z00477(配列番号4)ポリペプチドをSKOV3マウスに注入した。図6はこれらの実験についての腫瘍及び血液曲線を示す。Z00477(配列番号4)ポリペプチドは標的発現SKOV3腫瘍において良好な腫瘍への取り込みを示し、最大値は注入後(PI)30分で組織のグラム当たりの注入用量のおよそ3%であり、ピークの腫瘍:血液比はPI240分で8より大きい。
ポリペプチドは単指数関数的な血液からのクリアランスを呈し、半減期は2分未満である。このクリアランスは主として肝臓及び腎臓が媒介する。表5に記載の通り、脾臓におけるポリペプチドの取り込みは中程度で、肝臓において中程度から高度の取り込みが観察されている。
二価のポリペプチドは対応するモノマーより高いアフィニティーを呈するが、これはおそらく親和性効果のためである。それらのより大きなサイズは、しかしながら、腫瘍の浸透を妨げ得る。HER2ポリペプチドの場合、各々4つの高アフィニティーポリペプチドの二価形態が利用可能であった。Z00477(配列番号3)のダイマーである(Z00477)2(配列番号5)を放射性標識し、SKOV3腫瘍マウスにおける4時間の生体分布実験に用いた。
一価及び二価のポリペプチドはその他の点では似たような生体分布特性を呈し、血中半減期はいずれについても1から2分の範囲内に観察されている。結果は、モノマー及び二価ポリペプチドのいずれもインビボでHER2を標的にすることが可能であることを明確に指し示す。
99mTcキレーターのcPN216(図7)を導入するため、二官能性化合物のMal−cPN216を、ポリペプチドの末端システインへのコンジュゲーションのためのチオール反応性マレイミド基、及び99mTcをキレートするためのアミンオキシム基を含んで合成した。
cPN216−アミンはGE Healthcareから入手した。N−β−マレイミドプロピオン酸はPierce Technologies(Rockford、IL)から購入した。N−メチルモルフォリン、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBoP)、ジチオスレイトール(DTT)、炭酸水素アンモニウム及び無水DMFはAldrich(Milwaukee、WI)から購入した。PBS緩衝液(1×、pH7.4)はInvitrogen(Carlsbad、CA)から入手した。HPLCグレードのアセトニトリル(CH3CN)、HPLCグレードのトリフルオロ酢酸(TFA)及びMillipore 18mΩ水をHPLC精製に用いた。
N−β−マレイミドプロピオン酸(108mg、0.64mmol)、cPN216−アミン(200mg、0.58mmol)及びPyBoP(333mg、0.64mmol)を0℃の無水DMF中に溶解した氷冷溶液に、0.4MのDMF中N−メチルモルフォリン(128μL、1.16mmol)を加えた。氷浴を2時間後に除去し、混合物を室温で一晩撹拌し、HPLC精製に供した。生成物は白色粉末として得られた(230mg、80%収率)。1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ1.35(m、2H)、1.43(s、12H)、1.56(m、5H)、1.85(s、6H)、2.33(dd、J1=8Hz、J2=4Hz、2H)、2.78(m、4H)、3.04(m、2H)、3.61(dd、J1=8Hz、J2=4Hz、2H)、7.02(s、2H)、8.02(s、1H)、8.68(s、4H)、11.26(s、2H);[M+H]+についてのm/z=495.2(C24H43N6O5、計算されたMW=495.3)。
ポリペプチドを、脱気したばかりのPBS緩衝液(1×、pH7.4)を使用して濃度およそ1mg/mLで溶解した。ポリペプチド内のジスルフィド結合は、脱気したばかりのPBS緩衝液(1×、pH7.4)中にDTT溶液を加えることにより還元した。DTTの最終濃度は20mMであった。反応混合物を2時間ボルテックスし、脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)で予め平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Pierce Technologies)を通過させて、過剰なDTT試薬を除去した。溶出した還元ポリペプチド分子を回収し、二官能性化合物のMal−cPN216をDMSO溶液として加え(等価のポリペプチド当たり20当量)、混合物を室温で3時間ボルテックスして、液体窒素で凍らせた。反応混合物を一晩保存して、逆相HPLC精製に供した(図8A及び8B)。
HPLC精製は、MiCHROM Magic C18AQ 5μ 200Aカラム(MiChrom Bioresources、Auburn、CA)上で実施した。溶媒A:H2O(0.1%ギ酸を添加)、溶媒B:CH3CN(0.1%ギ酸を添加)。グラジエント:30分間かけて5〜100%のB。
所望の生成物を含有する画分を合わせ、100mM炭酸水素アンモニウム溶液を使用して中和し、凍結乾燥により溶媒を除去することで、所望のイメージング剤組成物を白色固体として生じた(収率41%)。
精製生成物のLC−MS分析により所望の生成物の存在を確認し、MWによりcPN216標識は1つだけがポリペプチドコンストラクトに加えられたことが示唆された(Z00477(配列番号3)−cPN216:計算されたMW:7429Da、見出されたもの:7429Da;Z02891(配列番号2)−cPN216 計算されたMW:7524Da、見出されたもの:7524Da)。
20mLバイアルに10.00mLの蒸留脱イオン水を加えた。窒素ガスをこの溶液に通しておよそ30分間バブリングした後、NaHCO3(450mg、5.36×10-3mol)、Na2CO3(60mg、5.66×10-4mol)及びパラ−アミノ安息香酸ナトリウム(20mg、1.26×10-4mol)を加えた。全ての試薬は独立して秤量し、水を含有するバイアルに加えた。塩化スズ(1.6mg、7.09×10-6mol)及びMDP(2.5mg、1.42×10-5mol)を1ドラムバイアル中に合わせて秤量し、その後におよそ1mLの炭酸塩緩衝液混合物中に迅速に懸濁することにより移動させた(その後に1回洗浄した)。10μLの一定分量を取り出して、窒素流下でシラン処理されたバイアルに移し、直ちに凍らせて凍結乾燥まで液体窒素浴の中で維持した。各バイアルはゴムのセプタムを使用して部分的に蓋をかぶせ、トレー式凍結乾燥機の中に一晩置いた。バイアルは真空下で密封し、凍結乾燥機から取り出し、アルミニウムキャップでクリンプシールし、無水窒素で再加圧して、将来使用するまで冷凍庫の中で保存した。
放射性標識ポリペプチドの合成は、テクネチウム還元剤としての塩化第一スズ、フリーラジカルスカベンジャーとしてのメチレンジホスホン酸、p−アミノ安息香酸及び緩衝液としての炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウム(pH9.2)からなる凍結乾燥混合物を含有する内製の1段階キット処方(Chelakit A+)を用いて実施した。間断なく、20μLの2μg/μLポリペプチド生理食塩水溶液をChelakitに加え、その後直ちにCardinal Health(Albany、NY)から入手した0.080mLの生理食塩水(0.15M NaCl)中のNa99mTcO4(0.8mCi、29.6MBq)を加えた。混合物を1回かき混ぜ、周囲温度で20分間置いた。終了次第、粗放射化学的収率をITLCにより決定した(下の表6はITLC−SG、Biodex、0.9%NaClによる)。
0.35mLの150mM滅菌NaClを使用して反応容量を0.45mLに増量し、最終生成物をサイズ排除クロマトグラフィー(NAP5、GE Healthcare、10mM PBSを使用して飽和させたもの)により精製した。粗反応混合物をNAP5カラム上にロードし、ゲル層に入り込ませ、0.8mLの10mL PBSを使用して溶出した後に最終精製生成物を単離した。最終活性は標準的な用量キャリブレーター(CRC−15R、Capintec、Ramsey、NJ)中でアッセイした。放射化学的収率(表6)及び純度は、ITLC(>98.5%)、C4 RP−HPLC(図9)及びSEC−HPLC分析により決定した。最終生成物(10〜15μCi/μg、0.2〜0.5μCi/μL(0.37MBq/μg、7.4MBq/mL))は直ちに生体分布研究に用いた。
この実験に用いたHPLC条件は以下であった。C4 RP−HPLC方法1:溶媒A:95/5 H2O/CH3CN(0.05%TFAを添加)、溶媒B:0.05%TFAを添加した95/5 CH3CN/ddH2O(蒸留脱イオン水)。グラジエント溶出:0分 0%B、4分 20%B、16分 60%B、20分 100%B、25分 100%B、26分 0%B、31分 0%B。
C4 RP−HPLC方法2:溶媒A:0.06%NH3水、溶媒B:CH3CN。グラジエント溶出:0分 0%B、4分 20%B、16分 60%B、20分 100%B、25分 100%B、26分 0%B、31分 0%B。
RP−HPLC分析は、G1311A QuatPump、100μLシリンジ及び2.0mLシートキャピラリーの付いたG1313Aオートインジェクター、Grace Vydac−タンパク質C4カラム(S/N E050929−2−1、4.6mm×150mm)、G1316Aカラムヒーター、G1315A DAD並びにRamon Star−GABIγ検出器を備えたHP Agilent 1100上で実施した。
SEC HPLC:溶媒:1×(10mM)PBS(Gibco、Invitrogen、pH7.4、CaCl2及びMgCl2を含有する)。30分間均一濃度で溶出。分析は、Perkin Elmer SEC−4 Solvent Enviromentalコントロール、Series 410 LCポンプ、ISS 200 Advanced LCサンプルプロセッサー及びSeries 200 Diode Array Detector上で実施した。Socket 8103 0111ピンホール(0.7のmm内径、250μLの容量を有する)を備えたRaytest GABIフローセルγ検出器はPerkin Elmer NCI 900 Network Chromatography Interfaceによってインターフェーズ接続した。用いたカラムはSuperdex 75 10/300 GL High Performance SECカラム(GE Healthcare.コード:17−5174−01、ID番号0639059)であった。
99mTcをcPN216キレートに組み込むのに用いたChelakitの動作pH(pH=9.2)は、計算されたZ00477(配列番号3)ポリペプチドのpIとほとんど一致した。これらの条件下での標識は、最終生成物中の凝集の原因になると決定された(図5A及び5B)。凝集は、サイズ排除HPLCにより、及び生体分布研究において観察された血液滞留時間及び肝臓取り込みの増加を通じて確認された。ポリペプチドの等電点を変えることにより、99mTcはZ02891(配列番号2)コンストラクト上に成功裡に組み込まれた。サイズ排除HPLCにより適切な分子量を有する種の存在を確認し、生体分布研究により腫瘍異種移植片へのトレーサーの取り込みが示された。
インビボ研究は、週齢が6週から15週の間の範囲である雌性CD−1ヌードマウス(Charles River Labs、Hopkinton、MA)を使用して行った。マウスは換気ラック中で、食餌及び水を自由摂取させて、標準的な12時間の昼夜照明サイクルで飼育した。異種移植のため、動物に100μlのPBS中の細胞を注入した。細胞を右後部に皮下移植した。移植はイソフルラン麻酔下で実施した。SKOV3の場合、3×106〜4×106の細胞を各マウスに移植した。これらの条件下で、使用可能な腫瘍(100〜300μg)が注入された動物の80%超で3から4週の間に得られた。
マウスに約1μgの99mTc標識ポリペプチド(約10μCi/1μg)を尾静脈注射した。マウスは安楽死までろ紙を並べたケージの中に置かれた。各時点で3匹のマウスを安楽死させ、目的の組織を切除してPerkin Elmer Wallac Wizard 1480γCounter上でカウントした。血液、腎臓、肝臓、脾臓及び注入部位(尾部)についてデータを収集した。ケージからの尿を膀胱と共にプールして、これもまたカウントした。残りの組織をカウントし、各動物について全組織+尿の和を合計して、全注入用量が与えられた。各器官についての%注入用量はこの全量に基づいて決定し、器官はグラム当たりの%注入用量(%ID/g)を決定するために秤量した。データは、その時点での全4から5匹のマウスについての平均値として、群の標準偏差を表すエラーバーと共に報告される。4時間の間に4つの時点が取られた(注入後5、30、120及び240分)。
Z02891(配列番号2)−cPN216−99mTcポリペプチドは標的発現SKOV3腫瘍において強い腫瘍への取り込みを示し、注入後(PI)30分での組織のグラム当たりの注入用量の7.11±1.69%(n=5)という値であって、この値はPI240分までの研究のタイムコースにわたってほとんど一定のままである。腫瘍:血液比は注入後30、120及び240分でそれぞれ2、5及び5であった。図10、11及び12はこれらの実験についての腫瘍、血液及び腫瘍:血液曲線を示す。
ポリペプチドは単指数関数的な血液からのクリアランスを呈し、半減期は2分未満である。このクリアランスは主として腎臓が媒介し、注入後PI240分で10.58±2.96(n=5)ID/器官である。活性は主として尿中に分泌されている。脾臓におけるポリペプチドの取り込みは潜在的な凝集が原因で中程度から高いものであって、肝臓において中程度の、例として、研究経過全体にわたって12%ID/器官(マウスにおける値で%ID/gと等価)の取り込みが観察されている。
Z02891(配列番号2)−cPN216− 99m Tcの生体分布結果
Z00477(配列番号4)、Z00342(配列番号1)及びZ02891(配列番号2)−システインポリペプチドを、人工的に作り出されたC末端システインによって、アミノキシ基で官能化した。与えられたポリペプチド分子の純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により>95%と決定した。
18Fをポリペプチド分子に組み込むため、2つの直交性の基:人工的に作り出されたシステインへのコンジュゲーションのためのチオール反応性マレイミド基及びアルデヒド反応性アミノキシ基を含む二官能性リンカーのMal−AOを合成した(図13A及び13B)。このリンカーは、Boc保護形態のリンカーを生じる1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド(EDC)を介したカップリング条件を用いて、N−(2−アミノエチル)マレイミドを2−(tert−ブトキシカルボニルアミノオキシ)酢酸と反応させることにより調製した。Boc保護基を次いで酸切断により脱保護することで、最終のMal−AO生成物が定量的収率で生じた。最終生成物はさらに精製せずに直接的に用いた。
ジクロロメタン、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノオキシ)酢酸、トリエチルアミン、N−(2−アミノエチル)マレイミドトリフルオロ酢酸(TFA)塩、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド(EDC)、ジチオスレイトール(DTT)及び全ての他の標準的合成試薬はSigma−Aldrich Chemical Co.(St.Louis、MO)から購入した。全ての化学物質はさらに精製せずに用いた。PBS緩衝液(1×、pH7.4)はInvitrogen(Carlsbad、CA)から入手した。HPLCグレードの酢酸エチル、ヘキサン、アセトニトリル(CH3CN)、トリフルオロ酢酸(TFA)及びMillipore 18mΩ水を精製に用いた。
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノオキシ)酢酸(382mg、2mmol)の無水ジクロロメタン溶液(20mL)にトリエチルアミン(307μL、2.2mmol)、N−(2−アミノエチル)マレイミドTFA塩(508mg、2mmol)、HOBT(306mg、2mmol)及びEDC(420mg、2.2mmol)を順次加えた。室温で24時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3×30mL)、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過した。ろ液を淡黄色固体へと濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中に70%の酢酸エチル)で精製することで、生成物が白色粉末として生じた(500mg、80%収率)。1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.50(s、9H)、3.55(tt、J1=6.0Hz、J2=6.5Hz、2H)、3.77(dd、J=7.6Hz、2H)、4.30(s、2H)、6.3(s、2H)。
9.3mgのMal−AO−Bocを1mLのメタノール中3M HClに溶解した溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去することで、Mal−AOが薄黄色の固体として生じた(80%収率)。1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ3.27 CH2(t、J=4.0Hz、2H)、3.49 CH2(t、J=4.0Hz、2H)、4.39 CH2O(s、2H)、7.00 CH=CH(s、2H);[M+H]+についてのm/z=214.07(C81234、計算されたMW=214.11))
ポリペプチドを、脱気したばかりのPBS緩衝液(1×、pH7.4)を使用して濃度およそ1mg/mLで溶解した。ポリペプチド内のジスルフィド結合は、脱気したばかりのPBS緩衝液(1×、pH7.4)中にジチオスレイトール(DTT)溶液を加えることにより還元した。DTTの最終濃度は20mMである。反応混合物を2時間ボルテックスし、脱気PBS緩衝液で予め平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Pierce Technologies)を通過させて、過剰なDTT試薬を除去した。還元したポリペプチドを回収し、二官能性Mal−AO化合物をDMSO溶液として加えた(ポリペプチド1当量当たり15当量)。室温で一晩ボルテックスした後、反応混合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して精製した(図14A及び14B)。
HPLC精製は、MiCHROM Magic C18AQ 5μ 200Aカラム(MiChrom Bioresources、Auburn、CA)上で実施した。溶媒A:H2O(0.1%ギ酸を添加)、溶媒B:CH3CN(0.1%ギ酸を添加)。グラジエント:30分間かけて5〜100%のB。所望の生成物を含有する画分を合わせ、100mM炭酸水素アンモニウム溶液を使用して中和し、凍結乾燥により溶媒を除去することで、アミノキシ修飾ポリペプチドが白色固体として生じた。
ESI−TOF−MS分析により予想された分子量を有する標的生成物の存在を確認した(Z00477(配列番号4)−ONH2、Z00342(配列番号1)−ONH2及びZ02891(配列番号2)−ONH2それぞれについて計算されたMW:6964Da、8531Da及び7243Da、見出されたもの:6963Da、8532Da及び7244Da)。
方法:全ての反応は、窒素雰囲気下又は使用前に窒素パージしたクリンプトップの密封バイアル中のいずれかで実施した。Kryptofix 222(Aldrich)及びK2CO3(EMD Science)は購入して受け取ったらすぐに用いた。Optima(商標)グレードのアセトニトリルをHPLC及び反応溶媒の両方として用いた。
18F(精製水中に40mCi・mL-1(1480MBq・mL-1))はIBA Molecular(Albany、NY)及びPETNET Solutions(Albany、NY)から入手し、受け取ったらすぐに用いた。[18-]フッ化物は最初にChromafix 30−PS−HCO3アニオン交換カートリッジ(ABX、Radeberg、ドイツ)上に固定化し、次いで、Kryptofix K222(376g.mol-1、8mg、2.13×10-5mol)及び炭酸カリウム(138.2g.mol-1、2.1mg、1.52×10-5mol)を含有するアセトニトリル:蒸留脱イオン化H2O(ddH2O)の4:1混合物を1mL使用してドライダウン(drydown)容器中に溶出した。部分的な真空下、窒素流下で穏やかに加温しながら溶媒を除去した(約45℃)(約15分間)。供給源のバイアル及びアニオン交換カートリッジを次いでK222(8mg)を含有するアセトニトリル0.5mLで洗浄し、反応混合物を再び部分的な真空下で穏やかに加温しながら乾燥させた(約10分間)。反応器は窒素を使用して再加圧し、共沸性ドライダウンを0.5mLのアセトニトリルを添加して1回繰り返した。4−ホルミル−N,N,N−トリメチルアニリニウムトリフレート(313.30g・mol-1、3.1mg、9.89×10-6mol)を0.35mLの無水DMSO(Acros)中に溶解し、K18F・K222、K2CO3を含有する反応器に直接的に加えた。反応混合物を90℃まで15分間加温し、直ちに3mLのddH2Oを使用してクエンチした。この混合物を続いてカチオン交換カートリッジ(Waters SepPak Light Accell Plus CM)を通過させ、ddH2Oで10mLに希釈し、逆相C18 SepPak(Waters SepPak Plus C18)上にロードした。SepPakは10mLのddH2Oでフラッシュし、次いで30mLの空気でパージした。[18F]4−フルオロベンズアルデヒド(18FBA)を1.0mLのメタノール中に溶出した。
別々に、高回収バイアル(2mL、National Scientific)にZ00477−(配列番号3)−ONH2(0.35〜0.5mg)、Z00342−(配列番号1)−ONH2(0.35〜0.5mg)又はZ02891−(配列番号2)−ONH2(0.35〜0.5mg)のいずれかを充填した。固体を25μLのddH2O及び8μLのトリフルオロ酢酸中に懸濁した。25μLのメタノール中の18FBA(上記参照)を反応バイアルに移した。容器は蓋をかぶせ、クリンプし、ヒートブロック中に置いて、60℃で15分間維持した。この時点で小分量(<5μL)を分析HPLC分析用に取り出した。450μLの0.1%TFA添加ddH2Oは、セミ分取HPLC精製のための調製において、溶液をおよそ500μLに希釈するのに用いた。18FB−ポリペプチドはセミ分取HPLCにより単離精製された。生成物(0.113mCi/4.18MBq)を含有するHPLC画分をddH2Oで5:1希釈し、続いてtC18 Plus Sep Pak(Waters)上に固定化した。SepPakは最初に5mLのddH2O、次いで30mLの空気でフラッシュした。18FB−ポリペプチドは、最初に空隙容量(およそ0.5mL)を溶出し、その後に250から300μLの溶出液を別々のフラスコ中に回収することにより、最小限の量のエタノール中に単離した。放射化学的及び化学的純度を確立するため、単離生成物に対してRP−HPLC分析を実施した。典型的には、処方後分析のため、10μLの0.1μCi/μL溶液を注入した。単離放射化学的収率は表9中に指し示され、18FBAへのポリペプチド添加量及び放射化学的純度>99%から崩壊補正されている。あるいは、反応混合物を10mM PBSでおよそ0.5mLに希釈してゲル上にロードすることにより、18F標識ポリペプチドをNAP5サイズ排除クロマトグラフィーにより単離した。18F標識ポリペプチドは0.8mLの10mM PBSでカラムを溶出することにより単離し、さらなる修飾はせずに用いた。これらの結果を表8及び図15中で説明する。
用いた分析HPLC条件は以下である。分析は、G1311A QuatPump、100μLシリンジ及び2.0mLシートキャピラリーの付いたG1313Aオートインジェクター、Phenomenex Gemini C18カラム(4.6mm×150mm)、5μ、100Å(S/N 420477−10)、G1316Aカラムヒーター、G1315A DAD並びにRamon Star−GABIγ検出器を備えたHP Agilent 1100上で実施した。0.05%TFAを添加した95:5 ddH2O:CH3CN、溶媒B:0.05%TFAを添加したCH3CN。グラジエント溶出(1.0mL・min-1):0分 0%B、1分 15%B、21分 50%B、22分 100%B、26分 100%B、27分 0%B、32分 0%B又はグラジエント溶出(1.2mL・min-1):0分 0%B、1分 15%B、10分 31%B、10.5分 100%B、13.5分 100%B、14分 0%B、17分 0%B。
用いたセミ分取HPLC条件は以下である。精製は、DG−2080−54 4ラインDegasser、MX−2080−32 Dynamic Mixer及び2個のPU−2086 Plus Prepポンプ、大容量注入キットがインストールされたAS−2055 Plus Intelligentオートインジェクター、ガード付きPhenomenex 5μ Luna C18(2)100Å、250×10mm、5μカラム(S/N295860−1、P/N00G−4252−N0)、MD−2055 PDA及びCarroll & Ramsey Associates Model 105S Analogue Ratemeterを取り付けた固体SiPINフォトダイオードγ検出器を備えたJasco LC上で実施した。グラジエント溶出:0分 5%B、32分 20%B、43分 95%B、46分 95%B、49分 5%B、溶媒A:0.05%TFAを添加したddH2O:CH3CN、溶媒B:0.05%TFAを添加したCH3CN。
インビボ研究は、週齢が6週から15週の間の範囲である雌性CD−1ヌードマウス(Charles River Labs、Hopkinton、MA)を使用して行った。マウスは換気ラック中で、食餌及び水を自由摂取させて、標準的な12時間の昼夜照明サイクルで飼育した。異種移植のため、動物に100μlのPBS中の細胞を注入した。細胞を右後部に皮下移植した。移植はイソフルラン麻酔下で実施した。SKOV3の場合、3×106〜4×106の細胞を各マウスに移植した。これらの条件下で、使用可能な腫瘍(100〜300μg)が注入された動物の80%超で3から4週の間に得られた。
マウスに約1μgの18F標識ポリペプチド(約4μCi/1μg)を尾静脈注射した。マウスは安楽死までろ紙を並べたケージの中に置かれた。各時点で3匹のマウスを安楽死させ、目的の組織を切除してPerkin Elmer Wallac Wizard 1480γCounter上でカウントした。血液、腎臓、肝臓、脾臓、骨及び注入部位(尾部)についてデータを収集した。ケージからの尿を膀胱と共にプールして、これもまたカウントした。残りの組織をカウントし、各動物について全組織+尿の和を合計して、全注入用量が与えられた。各器官についてのパーセント注入用量はこの全量に基づいて決定し、器官はグラム当たりのパーセント注入用量(%ID/g)を決定するために秤量した。データは、その時点での全3匹のマウスについての平均値として、群の標準偏差を表すエラーバーと共に報告される。
ポリペプチドに対し、SKOV3細胞異種移植モデルにおける生体分布研究を行った。4時間の間に4つの時点が取られた(注入後5、30、120及び240分)。完全な生体分布データを表12(SKOV3担がんマウスにおける%ID/g Z02891(配列番号2)−18F−フルオロベンジルオキシム)及び表13(SKOV3担がんマウスにおける%ID/g Z00342(配列番号1)18F−フルオロベンジルオキシム)中に記載する。図16、17及び18はこれらの試験についての腫瘍、血液、腫瘍:血液及びクリアランス曲線を示す。
Z02891(配列番号2)18F−フルオロベンジルオキシムポリペプチドは標的発現SKOV3腫瘍において強い腫瘍への取り込みを示し、注入後(PI)240分での組織のグラム当たりの注入用量の17.47±2.89(n=3)という値である。腫瘍:血液比は注入後30、120及び240分でそれぞれおよそ3、34及び128であった。Z00342(配列番号1)18F−フルオロベンジルオキシムポリペプチドは標的発現SKOV3腫瘍において強い腫瘍への取り込みを示し、PI240分での組織のグラム当たりの注入用量の12.45±2.52(n=3)という値である。腫瘍:血液比は注入後30、120及び240分でそれぞれおよそ3、32及び53であった。
ポリペプチドは単指数関数的な血液からのクリアランスを呈し、半減期は2分未満である。このZ02891(配列番号2)のクリアランスは主として腎臓が媒介し、PI240分で0.95±0.07(n=3)ID/器官である。活性は主として尿中に分泌されている。脾臓におけるポリペプチドの取り込みはごくわずかであって、肝臓において低い取り込み、例として、研究経過全体(注入後4時間)にわたって約1.8%ID/器官(マウスにおける値で%ID/gと等価)の取り込みが観察されている。
全ての反応は、窒素雰囲気下又は窒素パージしたクリンプトップの密封バイアル中のいずれかで実施する。Optima(商標)グレードのアセトニトリルをHPLC及び反応溶媒の両方として用いる。
123I]4−ヨードベンズアルデヒド(123IBA)を、ポリペプチド−ONH2(Z02891、配列番号2)、0.35〜0.5mg)を含有する高回収バイアル(2mL、National Scientific)に加える。反応は、ポリペプチドを25μLのddH2O中に溶解し、8μLのトリフルオロ酢酸、その後にメタノール中の123IIBAを添加することにより、始まる。容器は蓋をかぶせ、クリンプし、ヒートブロック中に置いて、60℃で15分間維持する。反応状況を査定するため、小分量(<5μL)を分析HPLC分析用に取り出す。反応混合物は、セミ分取HPLC精製のための調製において、0.1%TFAを含有するddH2O:アセトニトリル混合物の1:1混合物の最少量に希釈される。123IB−ポリペプチドはセミ分取HPLC又はNAP5サイズ排除クロマトグラフィーにより単離精製される。生成物を含有するHPLC画分をddH2Oでさらに希釈(5:1)し、続いてtC18 Plus Sep Pak(Waters)上に固定化する。SepPakを最初に5mLのddH2O、次いで30mLの空気でフラッシュすることで、最小限の量のエタノール中に123IB−ポリペプチドが生じるが、これは最初に空隙容量(およそ0.5mL)を溶出し、その後に250から300μLの溶出液を別々のフラスコ中に回収することにより、得られるものである。放射化学的及び化学的純度を確立するため、単離生成物に対してRP−HPLC分析を実施する。
NOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N',N''−トリ酢酸)キレーターをポリペプチドに結合した後、ポリペプチドZ00477(配列番号3)をGa、特に67Gaで標識した(図19)。
Mal−NOTAのポリペプチド分子へのバイオコンジュゲーションは、次のように達成した。脱気したばかりのPBS緩衝液(1×、pH7.4)を使用して濃度およそ1mg/mLで溶解した。ポリペプチド内のジスルフィド結合は、脱気したばかりのPBS緩衝液(1×、pH7.4)中にDTT溶液を加えることにより還元させた。DTTの最終濃度は20mMであった。反応混合物を2時間ボルテックスし、脱気PBS緩衝液(1×、pH7.4)で予め平衡化したZeba脱塩スピンカラム(Pierce Technologies)を通過させて、過剰なDTT試薬を除去した。溶出した還元ポリペプチドを回収し、二官能性化合物mal−NOTAをDMSO溶液として加え(ポリペプチド1当量当たり15当量)、混合物を室温でボルテックスした。反応は、ポリペプチド分子の完全な変換を確実にするため、一晩続けられた。
HPLC精製は、MiCHROM Magic C18AQ 5μ 200Aカラム(MiChrom Bioresources、Auburn、CA)上で実施された。溶媒A:H2O(0.1%ギ酸を添加)、溶媒B:CH3CN(0.1%ギ酸を添加)。グラジエント:30分間かけて5〜100%のB(図20A)。
所望の生成物を含有する画分を合わせ、100mM炭酸水素アンモニウム溶液を使用して中和し、凍結乾燥により溶媒を除去することで、結合ポリペプチドが白色固体として生じた。
精製生成物のLC−MS分析により所望の生成物の存在を確認し、MWによりNOTAキレーターは1つだけがポリペプチドコンストラクトに加えられたことが示唆された(Z00477(配列番号3)−NOTAについて計算されたMW:7504Da、見出されたもの:7506Da)(図20B)。
放射性標識は続いて次のように達成した。25μlのHEPES溶液(63mM)を始めにスクリュートップバイアルに加え、その後に0.04M HCl中の40.5MBq 67GaCl3(GE Healthcare)を10μl加えた。30μl H2O中の30μg(MW=7506、4.0×10-9mol)のNOTA Z00477(配列番号3)を次いで反応混合物に加えることで、濃度が61μMでpHが3.5〜4.0である最終NOTA Z00477(配列番号3)が生じた。反応バイアルを密封して、反応を周囲温度で維持した。粗反応混合物の逆相HPLC分析により、67Ga−NOTA Z00477(配列番号3)の放射化学的純度は、室温で2時間の後にHPLCによると95%であると決定された(図21)。1日の反応時間の後、67Ga−NOTA Z00477(配列番号3)をHPLCにより精製した。22MBqの67Ga−NOTA Z00477(配列番号3)を精製のためにHPLC上に注入した。15MBqの67Ga標識生成物が精製から得られた(放射化学的収率=68%)。HPLC溶媒を真空下で除去することで、容量がおよそ0.5mLの溶液を生じた。およそ1.45mLのダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水を次いで添加することで、pH6〜6.5で放射能濃度が7.7MBq/mLである最終溶液を生じた。精製された処方物67Ga−NOTA Z00477(配列番号3)は室温で2時間以上安定であることが見出された(RCP=96%、HPLCによる)(図22)。
用いた分析HPLC条件は以下である。Grace Vydac C4タンパク質5ミクロン、300Å、4.6×250mm HPLCカラム。溶媒A=0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)中の95/5 H2O/MeCN、溶媒B=0.05%TFA中の95/5 CH3CN/H2O。HPLCグラジエント(分/%B):0/0、4/20、16/60、20/100、25/100、26/0。
用いたセミ分取HPLC条件は以下である。カラム:Grace Vydac C4タンパク質5ミクロン、300Å、4.6×250mm。溶媒A=0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)中の95/5 H2O/MeCN、溶媒B=0.05%TFA中の95/5 CH3CN/H2O。HPLCグラジエント(分/%B):0/0、4/20、16/60、20/100、25/100、26/0。
本発明のある一定の特徴だけが本明細書に記載及び説明してきたが、当業者は多くの改変及び変更を想到するであろう。それ故に、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨内にある限り、全てのかかる改変及び変更に及ぶことを意図すると理解されるものである。

Claims (17)

  1. ジアミンジオキシムキレーターを介して99mTcと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを含むイメージング剤組成物であって、単離ポリペプチドがHER2又はその変異体に特異的に結合する、組成物。
  2. NOTAキレーターを介して67Ga又は68Gaと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを含むイメージング剤組成物であって、単離ポリペプチドがHER2又はその変異体に特異的に結合する、組成物。
  3. リンカーを介して18Fと結合した配列番号1、配列番号2又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを含むイメージング剤組成物であって、リンカーがアミノキシ基、アジド基又はアルキン基から得られる基を含んでおり、、単離ポリペプチドがHER2又はその変異体に特異的に結合する、組成物。
  4. ジアミンジオキシムキレーターがPn216、cPn216、Pn44又はそれらの誘導体を含む、請求項1記載の組成物。
  5. 18Fが単離ポリペプチドのN末端のアミノキシリンカーを介して単離ポリペプチドに結合している、請求項3記載の組成物。
  6. 99mTcが単離ポリペプチドのN末端のcPn216キレーターを介して単離ポリペプチドに結合している、請求項4記載の組成物。
  7. 請求項1記載の組成物を対象に投与すること、及び
    対象を診断デバイスを使用してイメージングすること
    を含む、対象の少なくとも一部をイメージングする方法。
  8. 請求項1記載の組成物が対象に送達されるのをモニターする段階、及び
    対象をHER2関連の病態と診断する段階
    をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 請求項2記載の組成物を対象に投与すること、及び
    対象を診断デバイスを使用してイメージングすること
    を含む、対象の少なくとも一部をイメージングする方法。
  10. 請求項2記載の組成物が対象に送達されるのをモニターする段階、及び
    対象をHER2関連の病態と診断する段階
    をさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. 請求項3記載の組成物を対象に投与すること、及び
    対象を診断デバイスを使用してイメージングすること
    を含む、対象の少なくとも一部をイメージングする方法。
  12. 請求項3記載の組成物が対象に送達されるのをモニターする段階、及び
    対象をHER2関連の病態と診断する段階
    をさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. HER2関連の病態が乳がんである、請求項12記載の方法。
  14. 診断デバイスがMRI、PET、SPECT、放射性イメージング及びそれらの組合せからなる群から選択されるイメージング方法を利用する、請求項11記載の方法。
  15. (i)配列番号1若しくは配列番号2、又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、
    (ii)ジアミンジオキシムキレーターをポリペプチドと反応させて、キレーター結合ポリペプチドを形成させること
    を含む、キレーター結合ポリペプチド組成物を調製する方法。
  16. ジアミンジオキシムキレーターが99mTcと結合している、請求項15記載の方法。
  17. (i)配列番号1若しくは配列番号2、又はそれらの保存的変異体を含む単離ポリペプチドを用意すること、
    (ii)ポリペプチドをアミノキシ基、アジド基又はアルキン基から得られる基を含むリンカーと反応させること、及び
    (iii)リンカーを18F部分と反応させて、18F結合ポリペプチドを形成させること
    を含む、18F結合ポリペプチド組成物を調製する方法。
JP2013546277A 2010-12-22 2011-12-19 放射性標識her2結合ペプチド Pending JP2014503546A (ja)

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