JP2014505105A - エチレン性不飽和付加開裂剤を含む歯科用組成物 - Google Patents

エチレン性不飽和付加開裂剤を含む歯科用組成物 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つのエチレン性不飽和末端基及びα,β−不飽和カルボニルを含む骨格ユニットを含む付加開裂剤と、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む少なくとも1つのモノマーと、無機酸化物充填剤と、を含む歯科用組成物について記載する。付加開裂剤は、好ましくは、フリーラジカル的に切断可能である。付加開裂剤は、好ましくは、少なくとも2つの(メタ)アクリレート基等のエチレン性不飽和末端基を含む。幾つかの実施形態では、付加開裂剤は、式:
Figure 2014505105

(式中、
、R及びRは、各々独立して、Z−Q−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であるが、ただし、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、Z−Q−であり;
Qは、m+1の価数を有する連結基であり;
Zは、エチレン性不飽和重合性基であり;
mは、1〜6であり;
各Xは、独立して、−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり;
nは0又は1である)を有する。
また、付加開裂剤を含む歯科用組成物から調製される歯科用物品、及び歯表面を処理する方法についても記載する。

Description

様々な固化性歯科用組成物が報告されているが、十分な機械的特性又は硬化深度を維持しながら、応力たわみの低減及び/又は収縮の低減等の改善された特性を有する組成物の利点が業界で見出されている。
1つの実施形態では、少なくとも1つのエチレン性不飽和末端基及びα,β−不飽和カルボニルを含む骨格ユニットを含む付加開裂剤と、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む少なくとも1つのモノマーと、無機酸化物充填剤と、を含む歯科用組成物について記載される。付加開裂剤は、好ましくは、フリーラジカル的に切断可能である。付加開裂剤は、好ましくは、(メタ)アクリレート基等の少なくとも2つのエチレン性不飽和末端基を含む。幾つかの実施形態では、付加開裂剤は、式:
Figure 2014505105
(式中、
、R及びRは、各々独立して、Z−Q−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であるが、ただし、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、Z−Q−であり、
Qは、m+1の価数を有する連結基であり、
Zは、エチレン性不飽和重合性基であり、
mは、1〜6であり、
各Xは、独立して、−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり、
nは0又は1である)を有する。
別の実施形態では、少なくとも部分的に固化している本明細書に記載する付加開裂剤を含む固化性歯科用組成物を含む歯科用物品について記載する。
他の実施形態では、歯表面の治療方法について記載する。1つの実施形態では、前記方法は、本明細書に記載する付加開裂剤を含む固化性歯科用組成物を提供する工程と、歯科用組成物を被験体の口内の歯表面上に配置する工程と、固化性歯科用組成物を固化させる工程と、を含む。別の実施形態では、該方法は、本明細書に記載される付加開裂剤を含む少なくとも部分的に固化している歯科用物品を提供する工程と、前記歯科用物品を被験体の口内の歯表面上に接着させる工程と、を含む。
応力たわみ試験中に硬化性組成物のサンプルホルダーとして利用される機械加工されたアルミニウムブロックを示す。 応力たわみ試験装置を示す。
本明細書で使用するとき、「歯科用組成物」は、所望により充填剤を含む、口腔表面に接着又は固着し得る材料を指す。硬化性歯科用組成物は、歯表面に歯科用物品を固着させるために用いられたり、コーティング(例えば、シーラント又はバーニッシュ)を歯表面上に形成するために用いられたり、口内に直接配置され、その場で硬化する修復材として用いられたり、あるいは、後に口内で接着される義歯を口の外で製作したりするために用いることができる。
硬化性歯科用組成物としては、例えば、接着剤(例えば、歯科用及び/又は歯科矯正用接着剤)、セメント(例えば、樹脂変性グラスアイオノマーセメント及び/又は歯科矯正用セメント)、プライマー(例えば、歯科矯正用プライマー)、ライナー(歯の過敏性を低減するために窩洞の基部に適用される)、シーラント等のコーティング(例えば、くぼみ及び亀裂)、及びバーニッシュ;並びに歯科用充填材等のレジン修復材(直接コンポジットとも呼ばれる)に加えて、クラウン、ブリッジ、及び歯科インプラント用物品が挙げられる。充填剤を多く含む歯科用組成物は、歯冠のための被切削材料として使用可能なミルブランクにもまた使用される。コンポジットは、歯牙構造の実質的な欠損を充填するために好適なように設計される、充填剤を多く含むペーストである。歯科用セメントは、コンポジットと比べて比較的充填剤が少なく粘ちょう度の低い材料であり、通常、インレー及びオンレー等のような追加的材料の結合剤として作用するか、又は、層に適用されて硬化される場合は、それ自体で充填材料として作用する。また、歯科用セメントは、歯表面又はインプラントアバットメントにクラウン又はブリッジ等の歯科用修復材を永続的に固着させるために用いられる。
本明細書で使用する場合、
「歯科用物品」とは、歯牙構造体又は歯科用インプラントに接着(例えば、固着)することが可能な物品をいう。歯科用物品としては、例えば、クラウン、ブリッジ、ベニヤ、インレー、オンレー、充填材、歯科矯正装具及び装置が挙げられる。
「歯列矯正装具」は、歯列矯正用ブラケット、バッカルチューブ、舌固定装置、歯列矯正用バンド、開口器(bite openers)、ボタン、及びクリートが挙げられるが、これらに限定されない、歯牙構造に固着させることを意図する任意の装置を指す。装具は、接着剤を受け入れる基部を有し、それは金属、プラスチック、セラミック、又はそれらの組み合わせで作られるフランジであることができる。あるいは、基部は、1つ以上の硬化した接着剤層(即ち、単層若しくは多層接着剤)から形成される特注基部であることができる。
「口腔表面」とは、口腔環境における軟質の又は硬質の表面をいう。硬質表面としては典型的に、例えば、天然の及び人口の歯の表面、骨等を含む歯牙構造が挙げられる。
「固化性」及び「硬化性」は、重合及び/若しくは架橋を誘発するために加熱することによって、重合及び/若しくは架橋を誘発するために化学線照射することによって、並びに/又は重合及び/若しくは架橋を誘発するために1つ以上の成分を混合することによって、硬化(例えば、重合又は架橋)させることができる材料又は組成物を記載する。「混合」は、例えば、2つ以上の部分を組み合わせ、混合して、均質な組成物を形成することにより実施できる。あるいは、2つ以上の成分を、接触面で(例えば、自然発生的に又は剪断応力の印加により)相互混合する、個別の層として提供し、重合を開始させることができる。
「固化した」は、硬化(例えば、重合又は架橋)した物質又は組成物を指す。
「固化剤」は、樹脂の固化を開始させるものを指す。固化剤としては、例えば、重合開始剤系、光反応開始剤系、熱反応開始剤系及び/又は酸化還元開始剤系を挙げることができる。
用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はこれらの組み合わせを指す省略形であり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの組み合わせを指す省略形であり、「(メタ)アクリル」は、アクリル、メタクリル又はこれらの組み合わせを指す省略形である。
「アクリロキシ」は一般的な意味で用いられ、アクリル酸の誘導体だけなくアミン誘導体及びアルコール誘導体もそれぞれ意味する。
「(メタ)アクリロキシ」は、アクリロキシ基及びメタクリロイル基の両方を包含する。即ち、エステル及びアミドの両方を含む。
「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、及び環状アルキル基を含み、非置換及び置換アルキル基の両方を含む。特に指定がない限り、アルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。本明細書で使用するとき、「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、n−オクチル、n−ヘプチル、エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、及びノルボルニル等が挙げられるが、これらに限定されない。特に記載しない限り、アルキル基は、一価であっても多価であってもよく、すなわち、一価アルキルであっても多価アルキレンであってもよい。
「ヘテロアルキル」は、未置換及び置換アルキル基の両方と共にS、O及びNから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を有する直鎖、分枝鎖及び環状アルキル基の両方を含む。別途記載のない限り、ヘテロアルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。「ヘテロアルキル」は、以下に記載の「1個以上のS、N、O、P又はSi原子を含有するヒドロカルビル」の部分集合である。本明細書で使用するとき、「ヘテロアルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、3,6−ジオキサへプチル、3−(トリメチルシリル)−プロピル、4−ジメチルアミノブチル及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。特に記載しない限り、ヘテロアルキル基は、一価であっても多価であってもよく、すなわち、一価ヘテロアルキルであっても多価ヘテロアルキレンであってもよい。
「アリール」は、6〜18個の環原子を含有する芳香族であり、任意の縮合環を含有してもよく、これは、飽和であっても、不飽和であっても、芳香族であってもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、及びアントラシルが挙げられる。ヘテロアリールは、窒素、酸素、又は硫黄等の1〜3個のヘテロ原子を含有するアリールであり、縮合環を含有してもよい。ヘテロアリール基の幾つかの例は、ピリジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチアゾリルである。特に記載しない限り、アリール及びヘテロアリール基は、一価であっても多価であってもよく、すなわち、一価アリールであっても多価アリーレンであってもよい。
「(ヘテロ)ヒドロカルビル」は、ヒドロカルビルアルキル及びアリール基、並びにヘテロヒドロカルビルヘテロアルキル及びヘテロアリール基を含み、後者は、エーテル又はアミノ基等の1つ以上のカテナリー酸素ヘテロ原子を含む。ヘテロヒドロカルビルは、所望により、エステル、アミド、尿素、ウレタン、及びカーボネート官能性基等の1つ以上のカテナリー(鎖内)官能性基を含有してもよい。別途記載のない限り、非ポリマー(ヘテロ)ヒドロカルビル基は、典型的に、1〜60個の炭素原子を含有する。このようなヘテロヒドロカルビルの幾つかの例には、本明細書で使用するとき、上記「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」について記載したものに加えて、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、4−ジフェニルアミノブチル、2−(2’−フェノキシエトキシ)エチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサへキシル−6−フェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上」は交換可能に使用される。
また、本明細書における端点による数の範囲の記載には、その範囲に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、等が含まれる)。
詳細な説明
歯科用組成物、歯科用物品、及び使用方法を本明細書に記載する。歯科用組成物は、少なくとも1つの付加開裂剤を含む。付加開裂剤は、少なくとも1つのエチレン性不飽和末端基及びα,β−不飽和カルボニルを含む骨格ユニットを含む。付加開裂剤は、フリーラジカル的に切断可能である。
付加開裂剤は、好ましくは、下式:
Figure 2014505105
(式中、
、R及びRは、各々独立して、Z−Q−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であるが、ただし、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、Z−Q−であり、
Qは、m+1の価数を有する連結基であり、
Zは、エチレン性不飽和重合性基であり、
mは、1〜6、好ましくは1〜2であり、
各Xは、独立して、−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり、
nは0又は1である)を有する。
式Iに係る付加開裂剤は、参照により本明細書に援用される2011年2月15日に同時に出願された米国仮特許出願第61/442980号に記載されている。
好ましい実施形態では、付加開裂物質(「AFM」)は、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーを含む歯科用組成物に添加してよい。理論に縛られるものではないが、米国仮特許出願第61/442980号に記載されている機構等により、このような付加開裂物質を含むことによって、重合によって誘導される応力が減少すると推測される。AFMが多官能性であり、少なくとも2つのエチレン性不飽和基(例えば、式IにおけるZが2以上である)を含む実施形態では、該物質は、架橋剤として機能し得、その場合、架橋は不安定である。
モノマーのエチレン性不飽和部分Zとしては、以下の化合物の調製に関してより十分に記載される、(メタ)アクリロキシ、ビニル、スチレン、及びエチニルを含む以下の構造を挙げることができるが、これらに限定されない。
Figure 2014505105
(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)。
幾つかの実施形態では、Qは、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−PO−、−CO−、−OCO−、−R−、−NR−CO−NR−、NR−CO−O−、NR−CO−NR−−CO−O−R−、−CO−NR−R−、−R−CO−O−R−、−O−R−、−S−R−−、−NR−R−、−SO−R−、−PO−R−、−CO−R−、−OCO−R−、−NR−CO−R−、NR−R−CO−O−、及びNR−CO−NR−(式中、各Rは、水素、C〜Cアルキル基又はアリール基であり、各Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜10個の炭素原子を有する5若しくは6員シクロアルキレン基、又は6〜16個の炭素原子を有する二価アリーレン基であるが、ただしQ−Zは、過酸化結合を含有しない)から選択される。
幾つかの実施形態では、Qは、式−C2r−(式中、rは1〜10である)等のアルキレンである。他の実施形態では、Qは、−CH−CH(OH)−CH−等のヒドロキシル置換アルキレンである。幾つかの実施形態では、Qは、アリールオキシ置換アルキレンである。幾つかの実施形態では、Rは、アルコキシ置換アルキレンである。
R−X−基(及び所望によりR−X−基)は、典型的に、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C(CH)=CH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CHCH−N(H)−C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、CH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−及びHC=C(H)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−.HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−、及びCH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−から選択される。
式Iの化合物は、置換、変位、又は縮合反応によって、(メタ)アクリレートダイマー及びトリマーから調製することができる。出発(メタ)アクリレートダイマー及びトリマーは、参照により本明細書に援用される米国特許第4,547,323号の方法を用いて、フリーラジカル反応開始剤及びコバルト(II)錯体触媒の存在下で、(メタ)アクリロキシモノマーのフリーラジカル付加によって調製することができる。あるいは、(メタ)アクリロキシダイマー及びトリマーは、参照により本明細書に援用される米国特許第4,886,861号(Janowicz)又は同第5,324,879号(Hawthorne)の方法を用いて、コバルトキレート錯体を用いて調製することができる。いずれのプロセスでも、反応混合物は、ダイマー、トリマー、より高級なオリゴマー、及びポリマーの複合混合物を含有し得、所望のダイマー又はトリマーは、蒸留によって該混合物から分離することができる。このような合成については、米国仮特許出願第61/442980号及び後述の実施例に更に記載する。
本明細書に記載する固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物の成分の濃度は、前記歯科用組成物の(すなわち、無充填)重合性樹脂部分に対して表すことができる。組成物が充填剤を更に含む好ましい実施形態では、モノマーの濃度は、総(すなわち、充填)組成物に対して表すこともできる。組成物が充填剤を含まない場合、重合性樹脂部分は、総組成物と同じである。
本明細書に記載する固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物の重合性樹脂部分は、少なくとも0.5重量%、又は1重量%、1.5重量%、又は2重量%の付加開裂剤を含む。付加開裂剤は、単一のモノマー、又は2以上の付加開裂剤のブレンドを含んでよい。固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物の重合性樹脂部分における付加開裂剤の総量は、典型的に、30重量%、25重量%、20重量%、又は15重量%以下である。付加開裂モノマーの濃度が上昇するにつれて、応力たわみ及びワット収縮は、典型的に、低下する。しかし、付加開裂剤が最適量を超える場合、ダイヤメトラル引張強度及び/若しくはバーコル硬度等の機械的特性、又は硬化深度が不十分になる場合がある。
硬化時に高重合応力が発生する材料は、歯表面にひずみを生じさせる。このような応力の1つの臨床的帰結は、修復の寿命の短縮であり得る。コンポジット中に存在する応力は、接着剤界面を通過して歯表面に達し、周囲の象牙質及びエナメル質において咬合たわみ及び亀裂を生じさせ、それによってR.R.Cara et al,Particulate Science and Technology 28;191〜206(2010)に記載の通り術後過敏が引き起こされる場合がある。本明細書に記載する好ましい(例えば、充填)歯科用組成物(充填材及びクラウン等の修復材に有用)は、典型的に、2.0、又は1.8、又は1.6、又は1.4、又は1.2、又は1.0、又は0.8、又は0.6マイクロメートル以下の応力たわみを呈する。
他の実施形態では、付加開裂剤を含むと、応力たわみが2.0マイクロメートル超であっても、応力が著しく減少する。例えば、付加開裂剤を含むことによって、約7マイクロメートルから約6、又は約5、又は約4、又は約3マイクロメートルに応力が減少し得る。
幾つかの実施形態では、固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物の重合性樹脂部分における付加開裂剤の総量は、14重量%、13重量%、又は12重量%、又は11重量%、又は10重量%以下である。
本明細書に記載する充填固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物は、典型的に、少なくとも0.1重量%、又は0.15重量%、又は0.20重量%の付加開裂剤を含む。充填固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物における付加開裂剤の総量は、典型的に、5重量%、又は4重量%、又は3重量%、又は2重量%以下である。
本明細書に記載する固化性(例えば、歯科用)組成物は、付加開裂剤と共に、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーを更に含む。プライマー等の幾つかの実施形態では、エチレン性不飽和モノマーは、単一の(例えば、末端の)エチレン性不飽和基を有する単官能性であってよい。歯科用修復材等の他の実施形態では、エチレン性不飽和モノマーは、多官能性である。句「多官能性エチレン性不飽和」は、モノマーがそれぞれ少なくとも2つの(メタ)アクリレート基等のエチレン性不飽和(例えば、フリーラジカル)重合性基を含むことを意味する。
好ましい実施形態では、このようなエチレン性不飽和基は、(メタ)アクリルアミド(HC=CHCON−及びHC=CH(CH)CON−)及び(メタ)アクリレート(CHCHCOO−及びCHC(CH)COO−)等の(メタ)アクリルを含む(例えば、末端の)フリーラジカル重合性基である。他のエチレン性不飽和重合性基としては、ビニルエーテル(HC=CHOCH−)を含むビニル(HC=C−)が挙げられる。エチレン性不飽和末端重合性基は、好ましくは、特に化学線(例えば、UV)に曝露することによって固化される組成物の場合、(メタ)アクリレート基である。更に、メタクリレート官能性は、典型的に、硬化性歯科用組成物においてアクリレート官能性よりも好ましい。
エチレン性不飽和モノマーは、歯科用組成物で使用する場合、当該技術分野において公知である通り、様々なエチレン性不飽和モノマーを含んでよい。
好ましい実施形態では、(例えば、歯科用)組成物は、低体積収縮モノマーを有する1以上のエチレン性不飽和(例えば、(メタ)アクリレート)モノマーを含む。本明細書に記載する好ましい(例えば、充填)歯科用組成物(充填材及びクラウン等の修復材に有用)は、組成物が約2%未満のワット収縮を呈するように1以上の低体積収縮モノマーを含む。幾つかの実施形態では、ワット収縮は、1.90%以下、又は1.80%以下、又は1.70%以下、又は1.60%以下である。好ましい実施形態では、ワット収縮は、1.50%以下、又は1.40%以下、又は1.30%以下であり、幾つかの実施形態では、1.25%以下、又は1.20%以下、又は1.15%以下、又は1.10%以下である。
好ましい低体積収縮モノマーとしては、例えば、国際公開第2011/126647号に記載のイソシアヌレートモノマー;例えば、2010年7月2日出願の欧州特許出願第10168240.9号に記載のトリシクロデカンモノマー;例えば、米国特許出願公開第2008/0194722号に記載の少なくとも1つの環状アリルスルフィド部分を有する重合性化合物;米国特許第6,794,520号に記載のメチレンジチエパンシラン;例えば、米国特許第6,284,898号に記載のオキセタンシラン;並びに国際公開第2008/082881号に記載のジ−、トリ、及び/又はテトラ−(メタ)アクリロキシ含有物質が挙げられ;これらはそれぞれ参照により本明細書に援用される。
好ましい実施形態では、(例えば、無充填)重合性樹脂組成物の大部分は、1以上の低体積収縮モノマーを含む。例えば、(例えば、無充填)重合性樹脂組成物のうちの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上は、低体積収縮モノマーを含んでよい。
1つの実施形態では、歯科用組成物は、少なくとも1つのイソシアヌレートモノマーを含む。イソシアヌレートモノマーは、一般的に、イソシアヌレートコア構造としての三価イソシアヌル酸環と、(例えば、二価)連結基を介してイソシアヌレートコア構造の窒素原子のうちの少なくとも2つに結合している少なくとも2つのエチレン性不飽和(例えば、フリーラジカル)重合性基とを含む。連結基は、イソシアヌレートコア構造の窒素原子と末端エチレン性不飽和基との間の原子の鎖全体である。エチレン性不飽和(例えば、フリーラジカル)重合性基は、一般的に、(例えば、二価)連結基を介してコア又は骨格ユニットに結合する。
三価イソシアヌレートコア構造は、一般的に、式:
Figure 2014505105
を有する。
二価連結基は、少なくとも1つの窒素、酸素、又は硫黄原子を含む。このような窒素、酸素、又は硫黄原子は、ウレタン、エステル、チオエステル、エーテル、又はチオエーテル結合を形成する。エーテル及び特にエステル結合は、収縮の低減等の改善された特性、及び/又は、例えば、ダイヤメトラル引張強度(DTS)等の高い機械的特性を提供するためにウレタン結合を含むイソシアヌレートモノマーよりも有益であり得る。したがって、幾つかの実施形態では、イソシアヌレートモノマーの二価連結基は、ウレタン結合を含まない。幾つかの好ましい実施形態では、二価連結基は、脂肪族又は芳香族のジエステル結合等のエステル結合を含む。
イソシアヌレートモノマーは、典型的に、以下の一般式を有する。
Figure 2014505105
式中、Rは、所望によりヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、又は硫黄)を含む直鎖、分枝鎖、又は環状のアルキレン、アリーレン、又はアルカリレンであり;Rは、水素又はメチルであり;Zは、ウレタン、エステル、チオエステル、又はチオエーテル、及びこのような部分の組み合わせから選択される少なくとも1つの部分を含むアルキレン、アリーレン、又はアルカリレン連結基であり;R又はRのうちの少なくとも1つは、以下である。
Figure 2014505105
は、典型的に、所望によりヘテロ原子を含む、12個以下の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状のアルキレンである。幾つかの好ましい実施形態では、Rは8個以下、6個以下、又は4個以下の炭素原子を有する。幾つかの好ましい実施形態では、Rは、少なくとも1つのヒドロキシル部分を含む。
幾つかの実施形態では、Zは、ジエステル結合等の脂肪族又は芳香族エステル結合を含む。
幾つかの実施形態では、Zは1つ以上のエーテル部分を更に含む。したがって、連結基はエステル又はジエステル部分と1つ以上のエーテル部分との組み合わせを含むことができる。
イソシアヌレートモノマーがジ(メタ)アクリレートモノマーである実施形態では、R又はRは、所望によりヘテロ原子を含む水素、アルキル、アリール、又はアルカリルである。
は、一般に、出発物質(例えば、ヒドロキシ終端)イソシアヌレート前駆体から誘導される。様々なイソシアヌレート前駆体材料は、TCI America、Portland、ORから市販されている。代表的なイソシアヌレート前駆体の構造は、以下の通り示される。
Figure 2014505105
エステル部分の酸素原子を含む連結基を有する本明細書に開示するイソシアヌレート(メタ)アクリレートモノマーは、一般的に、ヒドロキシ又はエポキシ終端イソシアヌレートとモノ−(2−メタクリルオキシエチル)フタル酸及びモノ−(2−メタクリルオキシエチル)コハク酸等の(メタ)アクリレート化カルボン酸との反応によって調製した。
好適な(メタ)アクリレート化カルボン酸としては、例えば、モノ−(2−メタクリルオキシエチル)フタル酸、モノ−(2−メタクリルオキシエチル)コハク酸、及びモノ−(2−メタクリルオキシエチル)マレイン酸が挙げられる。あるいは、カルボン酸は、メタクリルアミドグリシン、メタクリルアミドロイシン、メタクリルアミドアラニン等の天然に存在するアミノ酸のメタクリルアミド誘導体等の(メタ)アクリルアミド官能性を含み得る。
幾つかの実施形態では、単一の(メタ)アクリレート化カルボン酸を、単一のヒドロキシル終端イソシアヌレート(例えば、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート)と反応させる。環の全てのヒドロキシル基が反応するように、十分なモル比の(メタ)アクリレートカルボン酸を利用する場合、このような合成によって、三価イソシアヌル酸環の窒素原子に結合しているフリーラジカル終端基のそれぞれが同じである単一の反応生成物が生成され得る。しかし、単一のエポキシ末端イソシアヌレートを単一のカルボン酸と反応させる場合、反応生成物は、一般的に、反応生成物中に1を超える異性体を含む。
2つの異なるヒドロキシ若しくはエポキシ終端イソシアヌレート及び/又は2つの異なる(例えば、(メタ)アクリレート化)カルボン酸を利用する場合、反応物質の相対量に基づいて反応生成物の統計的混合物が得られる。例えば、(メタ)アクリレート化芳香族カルボン酸と(メタ)アクリレート脂肪族カルボン酸との混合物を利用する場合、三価イソシアヌル酸環の窒素原子に結合しているフリーラジカル終端二価連結基の一部は、芳香族基を含むが、その他は、含まない。更に、(例えば、1当量の)ヒドロキシル終端カルボン酸と(例えば、2当量の)モノカルボン酸(例えば、オクタン酸)との組み合わせを単一のヒドロキシル終端イソシアヌレート(例えば、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート)と反応させる場合、モノ(メタ)アクリレートイソシアヌレートは、国際公開第2011/126647号に更に記載されている通り調製することができる。このようなモノ(メタ)アクリレートイソシアヌレートは、反応性希釈剤として使用するのに好適である。
あるいは、連結基を含有するエーテル基を有するイソシアヌレート(メタ)アクリレートモノマーを合成してもよい。例えば、いつの例示的な合成では、
無水フタル酸を95℃で3〜6時間、触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)及びブチル化ヒドロキシトルエン阻害剤(BHT)の存在下で、モノメタクリレート化ジ、トリ、テトラ、又はポリエチレングリコールと反応させて、モノメタクリレート化ポリエチレングリコールフタル酸モノエステルを形成することができる。得られるメタクリレート化酸を、アセトン中で、ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)を用いてトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと、0〜5℃で、次いで室温で反応させてよい。このような反応スキームを以下に記載する。
Figure 2014505105
別の例示的な合成では、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートをエチレンオキシドと反応させて、ヒドロキシル基で終端するポリエチレングリコールを形成することができる。OH末端は、メタ(アクリル)酸でエステル化して、連結基がポリエーテルである生成物を提供することができる。このような反応スキームを以下に記載する。
Figure 2014505105
イソシアヌレートモノマーは、好ましくは、ジ(メタ)アクリレートイソシアヌレートモノマー又はトリ(メタ)アクリレートイソシアヌレートモノマー等のマルチ(メタ)アクリレートである。
ジ(メタ)アクリレートモノマーは、以下の一般構造:
Figure 2014505105
(式中、R、R、R及びZは、既に記載した通りであり;Rは、所望によりヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、又は硫黄)を含む直鎖、分枝鎖、又は環状アルキレン、アリーレン、又はアルカリレンであり;Yは、ウレタン、エステル、チオエステル、エーテル又はチオエーテル、及びこのような部分の組み合わせから選択される少なくとも1つの部分を含むアルキレン、アリーレン、又はアルカリレン連結基である)を有する。
例示的なジ(メタ)アクリレートイソシアヌレートモノマーとしては、以下が挙げられる。
Figure 2014505105
幾つかの好ましい実施形態では、トリ(メタ)アクリレートモノマーは、以下の一般構造:
Figure 2014505105
(式中、
、R、及びRは、独立して、所望によりヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、又は硫黄)を含む直鎖、分枝鎖、又は環状のアルキレン、アリーレン、又はアルカリレンであり;Rは、水素又はメチルであり;X、Y、及びZは、独立して、ウレタン、エステル、チオエステル、エーテル、チオエーテル、又はこのような部分の組み合わせから選択される少なくとも1つの部分を含むアルキレン、アリーレン、又はアルカリレン連結基であり;Rは、水素又はメチルである)を有する。
幾つかの実施形態では、R、R、及びRは、少なくとも1つのヒドロキシル部分を含む。
例示的なトリ(メタ)アクリレートイソシアヌレートモノマーとしては、例えば、
Figure 2014505105
が挙げられる。
本明細書に記載する固化性の無充填歯科用組成物の重合性樹脂部分は、少なくとも10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%の多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレートモノマーを含んでよい。イソシアヌレートモノマーは、単一のモノマー、又は2以上のイソシアヌレートモノマーのブレンドを含んでよい。固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物の無充填重合性樹脂部分におけるイソシアヌレートモノマーの総量は、典型的に、90重量%、85重量%、80重量%、又は75重量%以下である。
幾つかの実施形態では、固化性の無充填歯科用組成物におけるイソシアヌレートモノマーの総量は、少なくとも30重量%、35重量%、又は40重量%、且つ70重量%、65重量%、又は60重量%以下である。
本明細書に記載する充填固化性歯科用組成物は、
典型的に、少なくとも5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、又は9重量%の多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレートモノマーを含む。充填固化性(すなわち、重合性)歯科用組成物のイソシアヌレートモノマーの総量は、典型的に、20重量%、又は19重量%、又は18重量%、又は17重量%、又は16重量%、又は15重量%以下である。
別の実施形態では、歯科用組成物は、少なくとも1つのトリシクロデカンモノマーを含む。トリシクロデカンモノマーは、単一のモノマー、又は2以上のトリシクロデカンモノマーのブレンドを含んでよい。(すなわち、無充填)重合性樹脂部分又は充填固化性(すなわち、重合性)組成物中の多官能性エチレン性不飽和トリシクロデカンモノマーの濃度は、多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレートモノマーについて上述したものと同じであってよい。
幾つかの実施形態では、組成物は、約1.5:1〜1:1.5の重量比で、多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレートモノマーと多官能性エチレン性不飽和トリシクロデカンモノマーとを含む。
トリシクロデカンモノマーは、一般的に、コア構造(すなわち、骨格ユニット(U)):
Figure 2014505105
を有する。幾つかの好ましい実施形態では、トリシクロデカンモノマーは、一般的に、コア構造(すなわち、骨格ユニット(U)):
Figure 2014505105
を有する。
このようなトリシクロデカンモノマーは、例えば、出発物質:
Figure 2014505105
から調製することができる。
骨格ユニット(U)は、典型的に、エーテル結合を介して骨格ユニット(U)に結合している1又は2つのスペーサーユニット(S)を含む。少なくとも1つのスペーサーユニット(S)は、CH(Q)−OG鎖(各基Gは、(メタ)アクリレート部分を含み、Qは、水素、アルキル、アリール、アルカリル、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの基を含む)を含む。幾つかの実施形態では、Qは、水素、メチル、フェニル、フェノキシメチル、及びこれらの組み合わせである。Gは、ウレタン部分を介してスペーサーユニット(S)に結合してよい。
幾つかの実施形態では、スペーサーユニット(S)は、典型的に、以下を含む:
Figure 2014505105
(式中、mは1〜3であり;nは1〜3であり;Qは、水素、メチル、フェニル、フェノキシメチルである)。
他の実施形態では、スペーサーユニット(S)は、典型的に、以下を含む:
Figure 2014505105
(式中、M=フェニルである)。
幾つかの実施形態では、トリシクロデカンモノマーは、以下の構造を特徴とし得る:
Figure 2014505105
(式中、これらトリシクロデカンモノマー構造のそれぞれについて、a、bは0〜3であり;c、d=0〜3であり;(a+b)は1〜6であり;(c+d)は1〜6であり;Qは、独立して、水素、メチル、フェニル、又はフェノキシメチルである)。
このような多官能性エチレン性不飽和トリシクロデカンモノマーの幾つかの例示的な種を以下の表に記載する:
Figure 2014505105
Figure 2014505105
Figure 2014505105
イソシアヌレート及びトリシクロデカンモノマーの連結基は、典型的に、モノマーが25℃で安定な液体であるように、分子量が十分に低い。しかし、連結基は、典型的に、例えば、芳香環に(メタ)アクリレート基を連結させる、歯科用組成物で利用される一般的なモノマーである2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(「BisGMA」)の酸素原子よりも分子量が高い。記載するモノマーの連結基の分子量は、典型的に、少なくとも50g/モル又は100g/モルである。幾つかの実施形態では、連結基の分子量は、少なくとも150g/モルである。連結基の分子量は、典型的に、約500g/モル以下である。幾つかの実施形態では、連結基の分子量は、400g/モル又は300g/モル以下である。
幾つかの実施形態では、低収縮(すなわち、イソシアヌレート及びトリシクロデカン)モノマーの(すなわち、計算)分子量は、典型的に、2000g/モル以下である。幾つかの実施形態では、モノマーの分子量は、約1500g/モル又は1200g/モル又は1000g/モル以下である。モノマーの分子量は、典型的に、少なくとも600g/モルである。
上記のような様々な合成アプローチによって、25℃で固体を形成することなく分子量を増加させることができる。幾つかの実施形態では、連結基は、1以上のペンダント置換基を有する。例えば、連結基は、アルコキシセグメントを含む連結基の場合等、1以上のヒドロキシル基置換基を含んでよい。他の実施形態では、連結基は、分岐している、及び/又は少なくとも1つの(すなわち、脂肪族)環状部分を含む、及び/又は少なくとも1つの芳香族部分を含む。
幾つかの実施形態では、約25℃(すなわち、+/−2℃)で固体であり得るモノマーの合成中に副生成物が形成される。このような副生成物は、典型的に、液体モノマーから除去される。したがって、液体モノマーは、このような固体画分を実質的に含まない。しかし、液体モノマーは、液体モノマーに可溶性である(例えば、非結晶質の)固体反応副生成物を更に含む場合もあると想到される。
幾つかの実施形態では、歯科用組成物は、少なくとも1つの(メタ)アクリロキシ部分と共に少なくとも1つの環状アリルスルフィド部分を有する重合性化合物を含む。
このような重合性化合物は、本明細書では、ハイブリッドモノマー又はハイブリッド化合物と呼ばれる。環状アリルスルフィド部分は、典型的に、環内に2つのヘテロ原子を有し、そのうちの1つが硫黄である、少なくとも1つの7又は8員環を含む。最も典型的には、ヘテロ原子の両方が硫黄であり、これらは、所望により、SO、SO、又はS−S部分の一部として存在してよい。他の実施形態では、環は、硫黄原子に加えて、酸素又は窒素等、環内に第2の異なるヘテロ原子を含んでもよい。更に、該環状アリル部分は、複数の環構造を含んでもよい、すなわち、2以上の環状アリルスルフィド部分を有してもよい。(メタ)アクリロキシ部分は、好ましくは、(メタ)アクリロキシオキシ(すなわち、(メタ)アクリレート部分)又は(メタ)アクリロイルアミノ(すなわち、(メタ)アクリルアミド部分)である。
1つの実施形態では、低収縮モノマーは、以下の式によって表されるもの:
Figure 2014505105
を含む。上記式中、各Xは、独立して、S、O、N、C(例えば、CH又はCRR、式中、各Rは、独立して、H又は有機基である)、SO、SO、N−アルキル、N−アシル、NH、N−アリール、カルボキシル、又はカルボニル基から選択してよいが、ただし、少なくとも1つのXは、Sであるか又はSを含む基である。好ましくは、各XはSである。
Yは、所望によりヘテロ原子、カルボニル、若しくはアシルを含むアルキレン(例えば、メチレン、エチレン等)であるか、又は、存在せず、それによって、典型的に7〜10員環である環の大きさを示すが、より大きな環も想到される。好ましくは、環は、Yを含む7又は8員環であり、したがって、それぞれ、存在しないか又はメチレンである。幾つかの実施形態では、Yは、存在しないか、又は所望によりヘテロ原子、カルボニル、アシル、若しくはこれらの組み合わせを含むC1〜C3アルキレンである。
Zは、O、NH、N−アルキル(直鎖又は分枝鎖)、又はN−アリール(フェニル又は置換フェニル)である。
R’基は、アルキレン(典型的に、1超の炭素原子を有する、すなわち、メチレンを除く)、所望によりヘテロ原子(例えば、O、N、S、S−S、SO、SO2)を含むアルキレン、アリーレン、脂環式、カルボニル、シロキサン、アミド(−CO−NH−)、アシル(−CO−O−)、ウレタン(−O−CO−NH−)、及びウレア(−NH−CO−NH−)基、並びにこれらの組み合わせから選択されるリンカーを表す。特定の実施形態では、R’は、直鎖又は分枝鎖のいずれであってもよく、且つ非置換であっても、アリール、シクロアルキル、ハロゲン、ニトリル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、カルボニル、アシル、アシルオキシ、アミド、ウレタン基、ウレア基、環状アリルスルフィド部分、又はこれらの組み合わせで置換されていてもよいアルキレン基、典型的に、メチレン又はより長い基を含む。
R”は、H及びCHから選択され、「a」及び「b」は、独立して、1〜3である。
所望により、環状アリルスルフィド部分は、環において、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アリール、シクロアルキル、ハロゲン、ニトリル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、カルボニル、アシル、アシルオキシ、アミド、ウレタン基、及びウレア基から選択される1以上の基で更に置換されてもよい。好ましくは、選択される置換基は、固化反応に干渉しない。非置換メチレンメンバーを含む環状アリルスルフィド構造が好ましい。
典型的な低収縮モノマーは、環内の2つの硫黄原子、及びアシル基で環の3位に直接結合するリンカー(すなわち、環−OC(O)−)と共に8員環状アリルスルフィド部分を含んでよい。典型的に、ハイブリッドモノマーの重量平均分子量(MW)は、約400〜約900の範囲であり、幾つかの実施形態では、少なくとも250、より典型的には少なくとも500、最も典型的には少なくとも800である。
少なくとも1つの(メタ)アクリロイル部分と共に少なくとも1つの環状アリルスルフィド部分を有する代表的な重合性化合物としては、以下が挙げられる。
Figure 2014505105
少なくとも1つの環状アリルスルフィド部分を有する重合性化合物を含むと、高いダイヤメトラル引張強度と低体積収縮との相乗的組み合わせを得ることができる。
別の実施形態では、歯科用組成物は、以下の一般式を有する少なくとも1つのジ−、トリ−、及び/又はテトラ(メタ)アクリロイル含有物質を含む低収縮モノマーを含む。
Figure 2014505105
(式中、各Xは、独立して、酸素原子(O)又は窒素原子(N)を表し;Y及びAはそれぞれ、独立して有機基を表し;Rは、−C(O)C(CH)=CHを表し、及び/又は(ii)q=0であり、Rは、−C(O)C(CH)=CHを表し;m=1〜5であり;n=0〜5であり、p及びqは、独立して0又は1であり、R及びRは、それぞれ独立して、H、−C(O)CH=CH、又は−C(O)C(CH)=CHを表す)。幾つかの実施形態では、p=0であるとき、Yは、−NHCHCH−を表さない。この物質はビスフェノールAの誘導体であるが、イソシアヌレート及び/又はトリシクロデカンモノマー等の他の低体積収縮モノマーを使用する場合、歯科用組成物は、ビスフェノールAに由来する(メタ)アクリレートモノマーを含まない。
多官能性低収縮モノマー(例えば、イソシアヌレート及びトリシクロデカン)モノマーは、約25℃で(例えば、高度に)粘稠な液体であるが、流動可能である。2010年7月2日出願の欧州特許出願第10168240.9号に記載のようなHaake RotoVisco RV1装置で測定することができるとき、粘度は、典型的に、少なくとも300、又は400、又は500Pas且つ10,000Pas以下である。幾つかの実施形態では、粘度は、5000又は2500Pas以下である。
歯科用組成物のエチレン性不飽和モノマーは、典型的に、約25℃で安定な液体であり、これは、モノマーが、少なくとも30、60、又は90日間の典型的な貯蔵寿命の間室温(約25℃)で保存したとき、実質的に重合、結晶化、又は他の方法で固化しないことを意味する。モノマーの粘度は、典型的に、初期粘度の10%を超える変化(例えば、増加)ではない。
特に、歯科用修復材組成物の場合、エチレン性不飽和モノマーは、一般的に、少なくとも1.50の屈折率を有する。幾つかの実施形態では、屈折率は、少なくとも1.51、1.52、1.53又はそれ以上である。硫黄原子を含むこと及び/又は1以上の芳香族部分の存在は、(このような置換基を含まない同じ分子量のモノマーに対して)屈折率を上昇させ得る。
幾つかの実施形態では、(無充填)重合性樹脂は、単独で、付加開裂剤と共に1以上の低収縮モノマーを含んでもよい。他の実施形態では、(無充填)重合性樹脂は、低濃度の他のモノマーを含む。「他の」とは、低体積収縮モノマーではない(メタ)アクリレートモノマー等のエチレン性不飽和モノマーを意味する。
このような他のモノマーの濃度は、典型的に、(無充填)重合性樹脂部分の20重量%、19重量%、18重量%、17重量%、16重量%、又は15重量%以下である。このような他のモノマーの濃度は、典型的に、充填重合性歯科用組成物の5重量%、4重量%、3重量%、又は2重量%以下である。
幾つかの実施形態では、歯科用組成物は、低粘度の反応性(すなわち、重合性)希釈剤を含む。2010年7月2日出願の欧州特許出願第10168240.9号に記載のようなHaake RotoVisco RV1装置で測定することができるとき、反応性希釈剤は、典型的に、300Pas以下、好ましくは、100Pas、又は50Pas、又は10Pas以下の粘度を有する。幾つかの実施形態では、反応性希釈剤は、1又は0.5Pas以下の粘度を有する。反応性希釈剤は、典型的に、600g/モル、又は550g/モル、又は500g/モル未満の分子量を有する、比較的低分子量である。反応性希釈剤は、典型的に、モノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートモノマーの場合等、1又は2つのエチレン性不飽和基を含む。
幾つかの実施形態では、反応性希釈剤は、イソシアヌレート又はトリシクロデカンモノマーである。トリシクロデカン反応性希釈剤は、上記と同じ一般的構造を有してよい。好ましい実施形態では、トリシクロデカン反応性希釈剤は、
参照により本明細書に援用される2010年7月2日出願の欧州特許出願第10168240.9号に記載のような、エーテル結合を介して骨格ユニット(U)に結合している1又は2つのスペーサーユニット(S)を含む。1つの例示的なトリシクロデカン反応性希釈剤は、以下の一般式:
Figure 2014505105
を有する。
低体積収縮モノマー中に付加開裂剤を含むことは、典型的に、最低応力及び/又は最低収縮を提供するが、本明細書に記載する付加開裂剤は、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMMA)等の従来の固化性(メタ)アクリレートモノマーを含む歯科用組成物の応力及び収縮も低減することができる。
硬化性歯科用組成物の硬化性成分は、広範囲の他のエチレン性不飽和化合物(酸官能性を有する又は有しない)、エポキシ官能性(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエーテル等を含むことができる。
(例えば、光重合性)歯科用組成物は、1以上のエチレン性不飽和基を有するフリーラジカル重合性モノマー、オリゴマー、及びポリマーを含んでよい。好適な化合物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を含有し、付加重合を受けることが可能である。有用なエチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。このようなフリーラジカル重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)メタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリゴールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[l−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[l−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等のモノ−、ジ−又はポリ(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレート及びメタアクリレート);(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド及びジアセトン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミド及びメタアクリルアミド);ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールのビス−(メタ)アクリレート(分子量が200〜500のものが好ましい)、並びにスチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート、及びジビニルフタレート等のビニル化合物が挙げられる。他の好適なフリーラジカル重合性化合物としては、シロキサン官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。必要に応じて、2つ以上のフリーラジカル重合性化合物の混合物を使用することが可能である。
硬化性組成物はまた、単一分子内にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基とを有するモノマーを含有し得る。そのような材料の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−、及びトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又はペンタ−(メタ)アクリレート;2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−エタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビスGMA)が挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物は、多種多様な商業的供給元、例えば、Sigma−Aldrich,St.Louisから入手可能である。
本明細書に記載する歯科用組成物は、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物の形態の、1つ以上の硬化性成分を含むこともできる。このような成分は、単一分子内に酸性基及びエチレン性不飽和基を含有する。存在する場合、重合性成分は、所望により、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含む。好ましくは、酸官能性は、炭素、硫黄、リン、又はホウ素のオキシ酸(すなわち、酸素含有酸)を含む。
本明細書で使用する時、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和並びに酸官能性及び/又は酸前駆体官能性を有する、モノマー、オリゴマー、及びポリマーを含むことを意味する。酸前駆体官能性としては、例えば、無水物、酸ハロゲン化物、及びピロリン酸塩が挙げられる。酸性官能性としては、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、グリセロールリン酸モノ(メタ)アクリレート、グリセロールリン酸ジ(メタ)アクリレート(GDMA−P)、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート(例えば、HEMA)リン酸、ビス((メタ)アクリロキシエチル)リン酸、((メタ)アクリロキシプロピル)リン酸、ビス((メタ)アクリロキシプロピル)リン酸、ビス((メタ)アクリロキシ)プロピルオキシリン酸、(メタ)アクリロキシヘキシルリン酸、ビス((メタ)アクリロキシヘキシル)リン酸、(メタ)アクリロキシオクチルリン酸、ビス((メタ)アクリロキシオクチル)リン酸、(メタ)アクリロキシデシルリン酸、ビス((メタ)アクリロキシデシル)リン酸、カプロラクトンメタクリレートリン酸、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリレート化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリクロロホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリホウ酸等のα,β−不飽和酸性化合物が挙げられ、成分として使用することができる。(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリル化酸(例えば、メタクリレート化トリメリット酸)等の不飽和炭酸のモノマー、オリゴマー、及びポリマー、並びにこれらの無水物を使用することも可能である。
歯科用組成物は、少なくとも1つのP−OH部分を有する酸官能性を有する、エチレン性不飽和化合物を含んでよい。このような組成物は、自己接着性及び非水性である。例えば、かかる組成物には、少なくとも1つの(メタ)アクリロキシ基と少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基が含まれている化合物であって、式中のxが1又は2であり、少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基と少なくとも1つの(メタ)アクリロキシ基がC1〜C4の炭化水素基によって接着し合っている第1の化合物と、少なくとも1つの(メタ)アクリロキシ基と少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基が含まれている化合物であって、式中のxが1又は2であり、少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基と少なくとも1つの(メタ)アクリロキシ基がC5〜12の炭化水素基によって接着し合っている第2の化合物と、酸性官能性を有していないエチレン性不飽和化合物と、反応開始剤系と、充填剤を含有させることができる。
硬化性歯科用組成物は、無充填組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%の酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含み得る。組成物は、最高80重量%、最高70重量%、又は最高60重量%の酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含み得る。幾つかの実施形態では、少なくとも10重量%〜約30重量%の、HEMAとGDMA−Pとの混合物等の酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含む硬化性歯科用組成物を記載する。
硬化性歯科用組成物は、米国特許第5,130,347号(Mitra)、同第5,154,762号(Mitra)、同第5,962,550号(Akahane)に記載されているもの等の樹脂変性ガラスアイオノマーセメントを含んでよい。このような組成物は、粉末−液体、ペースト−液体、又はペースト−ペースト系であってよい。あるいは、米国特許第6,126,922号(Rozzi)に記載されているもの等のコポリマー製剤は、本発明の範囲に含まれる。
反応開始剤は、典型的に、重合性成分の混合物に添加される。開始剤は、重合性組成物を容易に溶解する(及び、重合性組成物からの分離を阻止する)ことを可能にするために、樹脂系と十分に混和性があるべきである。典型的に、開始剤は、組成物中に、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約5.0重量%等の有効な量で存在する。
付加開裂剤は、一般的に、フリーラジカル的に切断可能である。光重合は、フリーラジカルを発生させるための1つの機構であるが、他の硬化機構もフリーラジカルを発生させる。したがって、付加開裂剤は、硬化中の応力を低減するために、化学線の照射(例えば、光硬化)を必要としない。
幾つかの実施形態では、モノマーの混合物は、光重合性であり、この組成物は、化学線の照射時に組成物の重合(又は固化)を開始させる光反応開始剤(すなわち、光反応開始剤系)を含有する。こうした光重合性組成物は、フリーラジカル重合性であることができる。光開始剤は、典型的には、約250nm〜約800nmの機能性波長範囲を有する。フリーラジカル光重合性組成物を重合するのに好適な光開始剤(すなわち、1つ以上の化合物を含む光開始剤系)としては、二成分及び三成分系が挙げられる。典型的な三成分光開始剤は、米国特許第5,545,676号(Palazzottoら)に記載されたようなヨードニウム塩、光増感剤及び電子供与体化合物を含む。ヨードニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート(tetrafluoroboarate)が挙げられる。一部の好ましい光開始剤としては、約300nm〜約800nm(好ましくは約400nm〜約500nm)の範囲内の一部の光を吸収するモノケトン及びジケトン(例えば、アルファジケトン)、例えば、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン及び他の環式アルファジケトンを挙げてもよい。これらのうち、カンファーキノンが典型的には好ましい。好ましい電子供与体化合物としては、置換アミン、例えば、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートが挙げられる。
フリーラジカル光重合性組成物を重合するために好適な他の光開始剤としては、典型的には約380nm〜約1200nmの範囲の有効波長を有するホスフィンオキシドの部類が挙げられる。約380nm〜約450nmの機能性波長範囲を有する好ましいホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤は、アシル及びビスアシルホスフィンオキシドである。
約380〜約450nmの波長範囲で照射されるとフリーラジカル反応を開始することができる市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,N.Y.)))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI 403(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で25:75の混合物(IRGACURE 1700(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で1:1の混合物(DAROCUR 4265(Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN LR8893X(BASF Corp.(Charlotte,N.C.))が挙げられる。
三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。代表的な三級アミンとしては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。存在する場合、アミン還元剤は、光重合可能な組成物中に、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%〜約5.0重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、硬化性歯科組成物は、紫外線(UV)で照射されてもよい。この実施形態では、好適な光反応開始剤としては、Ciba Speciality Chemical Corp.,Tarrytown,N.Y.からIRGACURE及びDAROCURの商品名で入手可能なものが挙げられ、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン(IRGACURE 369)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173)が挙げられる。
光重合可能な組成物は、典型的には、組成物の様々な構成成分を混合することにより、調製される。光重合可能な組成物が空気の存在下で硬化しない実施形態では、光開始剤は、「安全な光」条件(すなわち、組成物の硬化を早発させない条件)下で組み合わせられる。混合物を調製する際、必要であれば、好適な不活性溶媒を取り入れてもよい。好適な溶媒の例としては、アセトン及びジクロロメタンが挙げられる。
固化は、線源、好ましくは可視光源に組成物を曝露することによって起こる。石英ハロゲン電球、タングステンハロゲン電球、水銀アーク、炭素アーク、低、中、及び高圧水銀電球、プラズマアーク、発光ダイオード、並びにレーザ等の250nm〜800nmの化学線(特に、380nm〜520nmの波長の青色光)を発する光源を使用するのが便利である。通常、有用な光源は、0.200〜1000W/cmの範囲の強度を有する。このような組成物を硬化させるための様々な従来の光を使用することができる。
この曝露は、複数の方法で達成され得る。例えば、重合性組成物は、全硬化プロセス(例えば、約2秒〜約60秒)にわたって放射線に持続的に曝露されてもよい。また、組成物を、放射線の単回投与に曝露し、その後、放射線源を取り外し、それにより重合を生じさせておくこともまた可能である。一部の場合には、物質は、低強度から高強度へ徐々に増強する光源に曝すことができる。二重曝露が採用される場合、それぞれの投与の強度は、同一でもよく、又は異なっていてもよい。同様に、各曝露の全体のエネルギーは、同一でもよく、又は異なっていてもよい。
多官能性エチレン性不飽和モノマーを含む歯科用組成物は、化学的に固化性であってもよく、すなわち、組成物は、化学放射線の照射に依存せずに組成物を重合、硬化、又は他の方法で固化させることができる化学反応開始剤(すなわち、開始剤系)を含有する。このような化学硬化性(例えば、重合性又は硬化性)組成物は、場合により、「自己硬化」組成物とも呼ばれ、レドックス硬化系、熱硬化系及びこれらの組み合わせを包含してもよい。更に、重合性組成物は、異なる複数の開始剤の組み合わせを含んでもよく、これらの開始剤のうちの少なくとも1つはフリーラジカル重合を開始するのに好適である。
化学硬化性組成物は、重合性成分(例えば、エチレン性不飽和重合性成分)並びに酸化剤及び還元剤を包含するレドックス剤を含むレドックス硬化系を包含してもよい。
樹脂系(例えば、エチレン性不飽和成分)の重合を開始することが可能なフリーラジカルを製造するために、還元剤及び酸化剤は、互いに反応するか、ないしは別の方法で協働する。この種の硬化は、暗反応である、すなわち、光の存在に依存せずかつ光が存在しない状態下で進行可能である。還元剤及び酸化剤は、好ましくは十分に貯蔵安定性があり、不快な着色がなく、典型的条件下においての保存及び使用を可能にする。
有用な還元剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及び米国特許第5,501,727号(Wangら)に記載されているようなアスコルビン酸化合物;アミン、特に4−t−ブチルジメチルアニリン等の三級アミン;p−トルエンスルフィン酸塩及びベンゼンスルフィン酸塩等の芳香族スルフィン酸塩;1−エチル−2−チオウレア、テトラエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、1,1−ジブチルチオウレア及び1,3−ジブチルチオウレア等のチオウレア;及びこれらの混合物が挙げられる。他の二級還元剤としては、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存する)、亜ジチオン酸塩又は亜硫酸塩アニオンの塩、及びこれらの混合物を挙げてもよい。好ましくは、還元剤はアミンである。
好適な酸化剤はまた、当業者によく知られており、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、及びアルキルアンモニウム塩等の過硫酸及びその塩が挙げられるが、これらに限定されない。更なる酸化剤としては、過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、ヒドロペルオキシド(例えば、クミルヒドロペルオキシド)、t−ブチルヒドロペルオキシド、及びアミルヒドロペルオキシド、並びに遷移金属の塩、例えば、塩化コバルト(III)及び塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)、過ホウ酸並びにそれらの塩、過マンガン酸及びその塩、過リン酸及びその塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
1以上の酸化剤又は1以上の還元剤を使用することが望ましい場合がある。少量の遷移金属化合物を添加して、レドックス硬化速度を速めてもよい。還元剤又は酸化剤は、米国特許第5,154,762号(Mitraら)に記載されているように、マイクロカプセル化することができる。これは、一般に、重合性組成物の貯蔵安定性を増強し、必要であれば、還元剤及び酸化剤を共にパッケージングすることを許容するであろう。例えば、封入剤を適切に選択することにより、酸化剤及び還元剤を酸官能性成分及び任意の充填剤と組み合わせて、貯蔵安定状態に維持することができる。
硬化性歯科用組成物はまた、熱的に活性化されたすなわち熱により活性化されたフリーラジカル開始剤を用いて硬化することができる。典型的な熱反応開始剤としては、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、及びアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、並びにミルブランクに好ましい過酸化ジクミル等が挙げられる。
歯科用組成物が歯科用修復材(例えば、歯科用充填材又はクラウン)又は歯列矯正用セメントとして使用される好ましい実施形態では、歯科用組成物は、典型的に、相当量の(例えばナノ粒子)充填剤を含む。このような組成物は、組成物の総重量に基づいて好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、並びに最も好ましくは50重量%の充填剤を含む。一部の実施形態では、充填剤の総量は、最大で90重量%、好ましくは最大で80重量%、並びにより好ましくは最大で75重量%の充填剤である。
(例えば、充填)歯科用コンポジット材料は、典型的に、少なくとも約70、75、又は80MPaのダイヤメトラル引張強度(DTS)及び/又は少なくとも約60、又は65、又は70、又は75のバーコル硬度を呈する。硬化深度は、市販の修復材用の(例えば、充填)歯科用組成物と同等である、約4〜約5の範囲である。
幾つかの実施形態では、圧縮強度は、少なくとも300、325、350、又は375MPaである。
酸官能性を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを更に含む組成物等の幾つかの実施形態では、エナメル質及び/又は象牙質に対する接着は、少なくとも5、6、7、8、9、又は10MPaである。
歯科用接着剤としての使用に好適な歯科用組成物はまた、所望により、組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、2重量%、3重量%、4重量%又は5重量%の量の充填剤を含むことができる。このような実施形態では、充填剤の総濃度は、組成物の総重量に基づいて、最大で40重量%、好ましくは最大で20重量%、並びに好ましくは最大で15重量%である。
充填剤は、例えば歯科修復剤組成物に現在使用されている充填剤等、歯科用途に使用されている組成物内への組み込みに適した多種多様な物質の1種以上から選択されてよい。
充填剤は、無機物質であり得る。また、充填剤は、重合性樹脂に不溶性である架橋済み有機材料であることもでき、それは場合により無機充填剤と一緒に充填される。充填剤は概して非毒性で、口内の使用に好適であるべきである。充填剤は、放射線不透過性、放射線透過性又は非放射線不透過性であり得る。歯科用途に使用される充填剤の性質は通常、セラミックである。
酸非反応性の無機充填剤粒子としては、石英(即ち、シリカ)、サブマイクロメートルのシリカ、ジルコニア、サブマイクロメートルのジルコニア、及び米国特許第4,503,169号(Randklev)に記載されている種類の非ガラス質微小粒子が挙げられる。
充填剤はまた、酸反応性充填剤であってもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物、ガラス、及び金属塩が挙げられる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラスとしては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、及びフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。ガラスがハードニング性組成物の構成成分と混合される時、ハードニングされた歯科用組成物が形成されるように、FASガラスは、典型的に十分な溶出性カチオンを含有する。ガラスは更に、典型的には、十分な溶出性フッ化物イオンを含有し、これにより硬化した組成物が抗う蝕性を有する。このガラスは、フッ化物、アルミナ、及び他のガラス形成成分を含有する溶解物から、FASガラス製造技術における当業者に周知の技術を使用して作製することができる。FASガラスは、典型的には、十分に超微粒子状の粒子の形態であるので、他のセメント構成成分と都合よく混合することができ、得られた混合物が口内に使用される時に良好に機能する。
一般に、FASガラスの平均粒径(典型的には直径)は、例えば、沈殿分析器を使用して測定した場合、12マイクロメートル以下、典型的には10マイクロメートル以下、より典型的には5マイクロメートル以下である。好適なFASガラスは、当業者によく知られており、かつ多種多様な供給元から入手可能であり、多くは、商品名VITREMER、VITREBOND、RELY X LUTING CEMENT、RELY X LUTING PLUS CEMENT、PHOTAC−FIL QUICK、KETAC−MOLAR、及びKETAC−FIL PLUS(3M ESPE Dental Products,St.Paul,MN)、FUJI II LC及びFUJI IX(G−C Dental Industrial Corp.,Tokyo,Japan)、及びCHEMFIL Superior(Dentsply International,York,PA)として市販されているもの等現在利用可能なガラスアイオノマーセメント内に見出される。必要に応じて、充填剤の混合物を使用することが可能である。
他の好適な充填剤は、米国特許第6,387,981号(Zhangら)及び同第6,572,693号(Wuら)、並びに国際公開第01/30305号(Zhangら)、米国特許第6,730,156号(Windischら)、国際公開第01/30307号(Zhangら)、及び同第03/063804号(Wuら)に開示されている。これらの参考文献に記載された充填剤構成要素としては、ナノサイズのシリカ粒子、ナノサイズの金属酸化物粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ナノ充填剤はまた、米国特許第7,090,721号(Craigら)、同第7,090,722号(Buddら)、同第7,156,911号、及び同第7,649,029号(Kolbら)に記載されている。
好適な有機充填剤粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート、ポリエポキシド、ポリ(メタ)アクリレート及びこれらに類するものが挙げられる。共通に採用される歯科用充填剤粒子は、石英、サブマイクロメートルシリカ、及び米国特許第4,503,169号(Randklev)に記載されている種類の非ガラス質微小粒子である。
また、これらの充填剤、並びに有機及び無機材料から作製された組み合わせ充填剤を使用してもよい。
充填剤は、本質的に、粒子状又は繊維状のいずれかであり得る。粒子状充填剤は、一般に、20:1以下、より一般的には10:1以下である長さ対幅の比率、即ち縦横比を有するものとして定義され得る。繊維は、20:1より大きい、より一般的には100:1より大きい縦横比を有するものとして定義され得る。球形から楕円形、又はフレーク若しくはディスクのようなより平面的なものの範囲で、粒子の形状は多様であり得る。巨視的特性は、充填剤粒子の形状、具体的には形状の均一性に大きく依存し得る。
マイクロメートルサイズ粒子は、硬化後の磨耗性を改善するために非常に有効である。対照的に、ナノスケール充填剤は、一般的に、粘度及びチキソトロピー変性剤として使用される。それらのサイズの小ささ、高い表面積及び関連する水素結合のために、これらの物質は、凝集したネットワーク構造を構築することが知られている。
幾つかの実施形態では、歯科用組成物は、好ましくは約0.100マイクロメートル(すなわち、マイクロメートル)未満、並びにより好ましくは0.075マイクロメートル未満の平均一次粒径を有するナノスケール粒子状充填剤(すなわち、ナノ粒子を含む充填剤)を含む。本明細書で使用するとき、用語「一次粒径」は、非会合型の単一粒子のサイズを指す。平均一次粒径は、硬化した歯科用組成物の細長い試料を切断し、300,000倍で透過電子顕微鏡を使用して約50〜100個の粒子の粒径を測定し、平均を計算することにより、決定することができる。充填剤は、単峰性又は複峰性(例えば、二峰性)の粒径分布を有することができる。ナノスケール粒子状物質は、典型的には、少なくとも約2ナノメートル(nm)、並びに好ましくは少なくとも約7nmの平均一次粒径を有する。好ましくは、ナノスケール粒子状物質は、約50nm以下、より好ましくは約20nm以下のサイズの平均一次粒径を有する。このような充填剤の平均表面積は、好ましくは約20平方メートル毎グラム(m/g)、より好ましくは少なくとも約50m/g、並びに最も好ましくは少なくとも約100m/gである。
幾つかの好ましい実施形態では、歯科用組成物は、シリカナノ粒子を含む。好ましいナノサイズのシリカはNalco Chemical Co.(Naperville,IL)から製品表記NALCO COLLOIDAL SILICASで市販されている。例えば、好ましいシリカ粒子は、NALCO製品1040、1042、1050、1060、2327、及び2329を使用することで得られる。
シリカ粒子は、好ましくは、シリカの水性コロイド分散系(すなわち、ゾル又はアクアゾル)から製造される。コロイドシリカは、典型的には、シリカゾル中に約1〜50重量パーセントの濃度で存在する。使用できるコロイドシリカゾルは、様々なコロイドサイズを有して市販されており、Surface & Colloid Science,Vol.6,ed.Matijevic,E.,Wiley Interscience,1973を参照されたい。充填剤の作製に使用するために好ましいシリカゾルは、水性媒質中の非晶質シリカの分散液として供給されており(例えば、Nalco Chemical Company製のNalcoコロイドシリカ)、ナトリウム濃度が低く、好適な酸と混合することにより酸性化することができる(例えば、E.I.Dupont de Nemours & Co.製のLudoxコロイドシリカ又はNalco Chemical Co.製のNalco 2326)。
好ましくは、ゾル中のシリカ粒子は、約5〜100nm、より好ましくは10〜50nm、並びに最も好ましくは12〜40nmの平均粒径を有する。特に好ましいシリカゾルは、NALCO 1041である。
幾つかの実施形態では、歯科用組成物は、ジルコニアナノ粒子を含む。
好適なナノサイズのジルコニアナノ粒子は、米国特許第7,241,437号(Davidsonら)に記載されているように水熱技術を使用して調製することができる。
一部の実施形態では、より低い屈折率の(例えば、シリカ)ナノ粒子は、重合性樹脂の屈折率に充填剤の屈折率を調和させる(0.02以内の屈折率)ために、より高い屈折率の(例えば、ジルコニア)ナノ粒子と組み合わせて採用される。
幾つかの実施形態では、ナノ粒子は、ナノクラスター、すなわち、固化性樹脂中に分散させた場合でも粒子を凝集させる比較的弱い分子間力により会合した2個以上の粒子の集団の形態である。
好ましいナノクラスターは、非重(例えば、シリカ)粒子とジルコニア等の非晶質重金属酸化物(すなわち、原子番号が28よりも大きい)粒子の実質的に非晶質のクラスターを含むことができる。ナノクラスターの粒子は、好ましくは、約100nm未満の平均直径を有する。好適なナノクラスター充填剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,730,156号(Windischら)に記載されている。
幾つかの好ましい実施形態では、歯科用組成物は、充填剤と樹脂の間の結合を強化するために、有機金属カップリング剤で処理されたナノ粒子及び/又はナノクラスター表面を含む。有機金属カップリング剤は、アクリレート、メタクリレート、ビニル基及びこれらに類するもの等の反応性硬化基で官能化され得る。
好適な共重合性有機金属化合物は、次の一般式を有し得る:CH=C(CHSi(OR)又はCH=C(CHC=OOASi(OR);式中、mは0又は1であり、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Aは二価有機結合基であり、nは1〜3である。好ましいカップリング剤としては、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びこれらに類するものが挙げられる。
一部の実施形態では、表面改質剤の組み合わせが有用な可能性があり、剤の少なくとも1つは、硬化性樹脂と共重合可能な官能性基を有する。硬化性樹脂と一般に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために含まれ得る。この種類のシランの例としては、例えば、アリールポリエーテル、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
表面変性は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。樹脂へ組み込む前に、オルガノシラン表面処理化合物をナノ粒子と組み合わせることが一般的に好ましい。表面変性剤の必要量は、粒子サイズ、粒子タイプ、変性剤の分子量、及び変性剤のタイプのような幾つかの要素に依存する。一般的には、ほぼ単層の変性剤を粒子の表面に付着させることが好ましい。
表面改質ナノ粒子は、実質的に完全に凝縮可能である。完全凝縮ナノ粒子(シリカを例外として)の結晶化度(単離金属酸化物粒子として測定した場合)は、典型的には55%を超え、好ましくは60%を超え、より好ましくは70%を超える。例えば、結晶化度は、約86%まで又はそれ以上の範囲にすることができる。結晶化度は、X線回折法によって割り出すことができる。凝縮結晶性(例えばジルコニア)のナノ粒子は屈折率が高いが、非晶質ナノ粒子は典型的には屈折率がより低い。
幾つかの実施形態では、歯科用組成物は、硬化した歯科用構造とは明らかに異なる初期色を有し得る。色は、光退色性又は熱変色性の染料を使用することによって組成物に付与され得る。本明細書で使用するとき、「光退色性」は、化学線に曝露した際の色の消失を指す。組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.001重量%の光退色性又は熱変色性染料、典型的には少なくとも0.002重量%の光退色性又は熱変色性染料を含み得る。組成物は、典型的に、組成物の総重量に基づいて、最高1重量%の光退色性又は熱変色性染料、より典型的には、最高0.1重量%の光退色性又は熱変色性染料を含む。光退色性及び/又は熱変色性染料の量は、その吸光係数、人間の目が初期色を識別する能力、及び所望の色変化に応じて変えることができる。好適な熱変色性染料が、例えば米国特許第6,670,436号(バーガス(Burgath)他)において開示されている。
光退色性染料を含む実施形態において、光退色性染料の色形成及び退色特性は、例えば、酸強度、誘電率、極性、酸素量、及び大気の湿分含量を含む様々な要因によって変動する。しかしながら、染料の退色特性は、組成物を放射線照射し、色の変化を評価することによって容易に判定できる。光退色染料は、一般的に、固化性樹脂に少なくとも部分的に可溶性である。
光退色性染料には、例えば、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルイッシュ、エオシンB、エリトロシンB、エリトロシンイエロイッシュブレンド、トルイジンブルー、4’,5’−ジブロモフルオレセイン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
色変化は、十分な量の時間、可視光又は近赤外(IR)光を放射する歯科用硬化光によって提供される等の化学線によって開始され得る。組成物において変色を開始させる機構は、樹脂を固化する固化機構とは別個であってもよいし、又は実質的に同時であってもよい。例えば、化学的(例えば、酸化還元開始)又は熱的に重合が開始されると組成物は固化し、初期色から最終色への色変化は、この固化プロセスの後に化学線に暴露されて発生してもよい。
場合により、組成物は、溶媒(例えば、アルコール(例えば、プロパノール、エタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル)、他の非水性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリジノン))、及び水を含有してもよい。
所望により、組成物は、添加剤、例えば、インジケーター、色素、顔料、阻害剤、促進剤、粘度調整剤、湿潤剤、緩衝剤、ラジカル及びカチオン性安定剤(例えば、BHT)、並びに、当業者には明白である他の類似成分を含有することができる。
更に、薬剤又は他の治療用物質を、所望により歯科用組成物に添加することができる。例としては、歯科用組成物に使用されることが多い種類の、フッ化物源、増白剤、抗う歯剤(例えば、キシリトール)、カルシウム源、リン源、無機成分補給剤(例えば、リン酸カルシウム化合物)、酵素、息清涼剤、麻酔剤、凝固剤、酸中和剤、化学療法剤、免疫反応変性剤、チキソトロピー剤、ポリオール、抗炎症剤、抗菌剤(抗菌性脂質成分に加えて)、抗真菌剤、口腔乾燥症治療剤、減感剤等が挙げられるが、これらに限定されない。上述の添加剤のうち任意のものの組み合わせもまた用いてよい。このような添加剤のどれか1つの選択及び量は、過度な実験なしで所望の結果を達成するために、当業者によって選択することができる。
当該技術上周知のように、硬化性歯科用組成物は歯等の経口表面を取り扱う用途に使用できる。一部の実施形態において組成物は、歯科用組成物の適用後に硬化することによって固化できる。例えば、歯科用硬化性組成物が歯科用詰め物として修復のために使用される場合、この方法は一般的に、硬化性組成物を経口表面(例えば空洞)に適用する工程と、組成物を硬化する工程と、を含んで構成される。幾つかの実施形態では、歯科用接着剤は、本明細書に記載する硬化性歯科用修復材の塗布前に塗布してよい。また、歯科用接着剤は、典型的に、高度に充填された歯科用修復組成物の硬化と同時に硬化することによって固化する。経口表面を取り扱う方法は、歯科用物品を提供する工程と、経口(例えば歯)表面に歯科用物品を接着する工程と、を含み得る。
他の実施形態において組成物は、適用前に歯科用物品に固化(例えば、重合)し得る。例えば、クラウン等の歯科用物品は、本明細書に記載の硬化性歯科用組成物から予備成形し得る。歯科用複合材(例えば、クラウン)物品は、成形型に接触させながら硬化性組成物を流延し、組成物を硬化させることにより、本明細書に記載の硬化性組成物から製造することができる。あるいは、歯科用複合材(例えば歯冠)物品は、まず組成物を硬化し、ミルブランクを形成した後、組成物を機械にかけて所望の物品に成型することによって製造できる。
歯面を取り扱う別の方法としては、硬化可能な(部分的に固化された)自己担持型の可鍛性構造の形態を備え第1の半仕上げ形状を有する、本明細書に記載の歯科用組成物を提供する工程と、固化性歯科用組成物を被検者の口の歯面に配置する工程と、固化性歯科用組成物の形状をカスタマイズする工程と、固化性歯科用の組成物を固化する工程と、を含む。本願明細書に参照により引用されている米国特許第7,674,850号(Karimら)に記載されているように、カスタマイゼーションは患者の口内、又は患者の口外のモデルで発生し得る。
目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。別段の指定がない限り、部及び百分率は全て、質量基準である。
付加開裂モノマー(AFM)の合成
一般的手順:全ての反応は、未精製の市販の試薬を用いて、丸底フラスコ又はガラス広口瓶又はバイアル瓶で行った。
材料:市販の試薬を入手時の状態で使用した。ジクロロメタン、酢酸エチル、及びトルエンは、EMD Chemicals Inc.,Gibbstown,NJ,USAから入手した。グリシジルメタクリレート、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、塩化メタクリロイル、トリフェニルホスフィン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、及びジブチルスズジラウレートは、Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USAから入手した。2−イソシアントエチルメタクリレート、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、及び1,2−エポキシデカンは、TCI America,Portland,OR,USAから入手した。塩化アクリロイル、トリエチルアミン、及びトリフェニルアンチモンは、Sigma Aldrich,St.Louis,MO,USAから入手した。4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルは、Nippon Kasei Chemical,Tokyo,Japanから入手した。グリシジルアクリレートは、Polysciences Inc.,Warringotn,PA,USAから入手した。メチルメタクリレートオリゴマー混合物は、米国特許第4,547,323号(Carlson,G.M.)の実施例1に詳述されている手順に従って入手した。
計測装置:プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトル及び炭素核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルは、400MHzの分光計で記録した。
メチルメタクリレートオリゴマー混合物の蒸留
Figure 2014505105
蒸留は、以下に詳述する通り、Moad,C.L.;Moad,G.;Rizzardo,E.;及びThang,S.H.Macromolecules,1996,29,7717〜7726に記載の通り実施した。
電磁撹拌棒を備える1Lの丸底フラスコに、500gのメチルメタクリレートオリゴマー混合物を充填した。フラスコにVigreuxカラム、凝縮器、分布アダプター、及び4つの収集フラスコを取り付けた。撹拌しながら、蒸留装置を減圧0.25mm Hg(33.3Pa))下に置いた。ガスの発生(メチルメタクリレートモノマーの除去)が大体おさまるまで、室温で減圧下にてオリゴマー混合物を撹拌した。次いで、蒸留ポットを油浴中で加熱還流して、オリゴマー混合物を蒸留した。この手順によって単離された画分を表1に列挙する。
Figure 2014505105
Figure 2014505105
ダイマーの二塩基酸1への加水分解は、Hutson,L.;Krstina,J.;Moad,G.;Morrow,G.R.;Postma,A.;Rizzardo,E.;及びThang,S.H.Macromolecules,2004,37,4441〜4452に記載の通り実施した。
電磁撹拌棒を備える1Lの丸底フラスコに、脱イオン水(240mL)及び水酸化カリウム(60.0g、1007mmol)を充填した。均質になるまで混合物を撹拌した。メチルメタクリレートダイマー(75.0g、374.6mmol)を添加した。反応物に還流凝縮器を取り付け、油浴中で90℃まで加熱した。17時間後、反応物を油浴から取り出し、室温まで冷却した。濃HClを用いて反応溶液をpH約1まで酸性化した。酸性化した際、白色の沈殿物が形成された。不均質な混合物を真空濾過し、50〜100mLの脱イオン水で素早く2回洗浄した。白色の固体を、約4時間かけて固体から空気を引くことによって乾燥させた。次いで、白色の固体を約1750mLのジクロロメタンに溶解させた。非常に僅かな量(1g未満)の固体が不溶性のまま残った。溶液を24時間静置した。次いで、ジクロロメタン溶液を真空濾過して、未溶解の白色固体を除去した。濾過したジクロロメタン溶液を真空下で濃縮して、白色の固体を得た。固体を高真空下で更に乾燥させて、白色の粉末として二塩基酸1(55.95g、325.0mmol、87%)を得た。
AFM−1の調製
Figure 2014505105
電磁撹拌棒を備える約250mLの琥珀色の瓶に、グリシジルメタクリレート(23.0mL、24.8g、174mmol)及びトリフェニルアンチモン(0.369g、1.04mmol)を充填した。反応物に空気を供給するために2本の16ゲージの針が貫通しているプラスチックの蓋で反応物を覆った。撹拌しながら、混合物を油浴中で100℃まで加熱した。二塩基酸1(15.0g、87.1mmol)を、1.5時間かけて少しずつ反応物に添加した。21時間後、トリフェニルホスフィン(0.091g、0.35mmol)を添加した。反応物を100℃で撹拌しながら維持した。更に6.5時間後、反応物からサンプルを採取したところ、1H NMR分析は異性体の混合物としての所望の生成物と一致し、グリシジルメタクリレートの消費が示された。反応物を室温まで冷却して、透明で非常に薄い黄色の粘稠な物質としてAFM−1を得た。
ジオール2を介するAFM−2の調製
Figure 2014505105
ジオール2の調製
電磁撹拌棒を備える約30mLのガラス瓶に、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン(3.93mL、4.36g、29.0mmol)及びトリフェニルアンチモン(0.0593g、0.168mmol)を充填した。反応物をプラスチックの蓋で密封した。撹拌しながら、混合物を油浴中で100℃まで加熱した。二塩基酸1(2.50g、14.5mmol)を、35分間かけて少しずつ反応物に添加した。18時間後、トリフェニルホスフィン(0.0162g、0.0618mmol)を添加した。反応物を100℃で撹拌しながら維持した。更に24時間後、反応物からサンプルを採取したところ、1H NMR分析は異性体の混合物としての所望の生成物と一致した。反応物を室温まで冷却して、無色透明のガラス質の物質としてジオール2を得た。
Figure 2014505105
AFM−2の調製
電磁撹拌棒を備える100mLの丸底フラスコに、ジオール2(4.956g、10.49mmol)及びジクロロメタン(20mL)を充填した。撹拌しながら、2−イソシアントエチルメタクリレート(2.20mL、2.416g、20.98mmol)を添加した。ジブチルスズジラウレート(ガラスピペットから3滴)を透明且つ均質な溶液に添加した。反応物を、通気するために付加された16ゲージの針を備えるプラスチックの蓋で密封した。72時間後、反応混合物を減圧下で濃縮して、透明で粘稠な液体を得た。液体を、少量のジクロロメタンを用いて25mLの琥珀色の瓶に移した。粘稠な物質に空気を吹き込んで溶媒を除去した。1H NMR分析は、異性体の混合物としての所望の生成物と一致していた。AFM−2(7.522g、9.63mmol、92%)を、非常に粘稠な透明の油状物として得た。
AFM−3の調製
Figure 2014505105
電磁撹拌棒を備える2口の500mLの丸底フラスコに、AFM−1(20.00g、43.81mmol)及びジクロロメタン(160mL)を充填した。反応フラスコの口をプラスチックの蓋で密封し、各蓋に16ゲージの針を付加して反応物を通気した。反応物を、撹拌しながら0℃まで冷却した。トリエチルアミン(30.5mL、22.1g、219mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.609g、13.17mmol)を添加した。塩化メタクリロイル(17.0mL、18.4g、176mmol)を、40分間かけて反応混合物に滴下した。薄い黄色の不均質な反応物をゆっくりと室温まで加温した。24時間後、薄い黄色の反応溶液を真空下で濃縮した。酢酸エチル(400mL)を残渣に添加し、混合物を1Lの分液漏斗に移した。反応フラスコを水性塩酸(1N、200mL)で洗浄し、水性塩酸溶液を分液漏斗に添加した。溶液を十分に混合し、水層を除去した。有機溶液を200mLの水性塩酸(1N)で2回、200mLの脱イオン水で1回、200mLの水性水酸化ナトリウム(1N)で3回、及び200mLの塩化ナトリウム飽和水溶液で1回、更に洗浄した。有機溶液を30分間硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、濾過した。2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(0.011g)を添加し、溶液を真空下で(20℃未満の浴温)で粘稠な溶液になるまで濃縮した。濃縮溶液を、確実に定量的移動を行うために少量のジクロロメタンを用いて琥珀色の瓶に移した。粘稠な物質に空気を吹き込んで溶媒を除去した。1H NMR分析は、異性体の混合物としての所望の生成物と一致していた。AFM−3(23.44g、39.55mmol、90%)を非常に粘稠な非常に薄い黄色の油状物として得た。
AFM−4の調製
Figure 2014505105
3つ口の250mLの丸底フラスコに、電磁撹拌棒を取り付けた。ジオール2(6.86g、14.52mmol)をジクロロメタン(25mL)に溶解させ、反応フラスコに添加した。5つの更なる一回分5mLのジクロロメタンを用いて、ジオール2を確実に定量的移動させ、これらのすすぎ液を反応フラスコに添加した。反応フラスコに、プラスチックの蓋で蓋をした均圧添加漏斗を取り付けた。反応フラスコの他の2つの口もプラスチックの蓋で密封し、各蓋に16ゲージの針を付加して反応物を通気した。反応物を、撹拌しながら0℃まで冷却した。トリエチルアミン(10.0mL、7.26g、71.8mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.532g、4.36mmol)を添加した。塩化メタクリロイルの37.3重量%のトルエン溶液(16.28gの溶液、6.07gの塩化メタクリロイル、58.1mmol)を添加漏斗に添加した。塩化メタクリロイルのトルエン溶液を、30分間かけて反応混合物に滴下した。反応物は、薄い黄色になった。18時間後、薄い黄色の反応溶液を、ジクロロメタン(200mL)を用いて500mLの分液漏斗に移した。有機溶液を150mLの水性塩酸(1N)で2回、150mLの脱イオン水で1回、150mLの水性水酸化ナトリウム(1N)で2回、及び200mLの塩化ナトリウム飽和水溶液で1回、洗浄した。有機溶液を30分間硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、濾過し、真空下で(20℃未満の浴温)で粘稠な溶液になるまで濃縮した。濃縮溶液を、確実に定量的移動を行うために少量のジクロロメタンを用いて琥珀色の瓶に移した。粘稠な物質に空気を吹き込んで溶媒を除去した。1H NMR分析は、異性体の混合物としての所望の生成物と一致していた。AFM−4(8.463g、13.95mmol、96%)を非常に粘稠な薄い黄色の油状物として得た。
BisGMA(2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Sigma Aldrich,St.Louis,MO)
TEGDMA(トリエチレングリコールジメタクリレート、Sartomer Co.,Inc.,Exton,PA)
UDMA(ジウレタンジメタクリレート、CAS番号41137−60−4、Rohamere 6661−0として市販、Rohm Tech,Inc.,Malden,MA)
BisEMA6(米国特許第6,030,606号に更に記載されているようなエトキシル化ビスフェノールAメタクリレート、Sartomerから「CD541」として入手可能)
Procrylat(国際公開第2006/020760号に記載の通り調製された2,2−ビス−4−(3−ヒドロキシ−プロポキシ−フェニル)プロパンジメタクリル酸、CAS 27689−2−9)
CAPA2125 IEM(米国特許第6,506,816号に本質的に記載の通りの、CAPA2125(Solvay Chemical Company,Warrington,UKから入手可能なポリカプロラクトンポリオール)と2当量の2−イソシアナトエチルメタクリレートとの反応生成物を指す)
GDMA−P(25重量%のTEGDMAと混合された75重量%のグリセロールジメタクリレートホスフェート(J.Dent.Res.,35、8466(1956)に記載の通り調製されてもよく)、米国特許第6,187,838号の実施例2に記載の通りに調製してもよい)。
CPQ(カンファーキノン、Sigma Aldrich、St.Louis,MO)
EDMAB(エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート、Sigma Aldrich)
DPIHFP(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、Alpha Aesar,Ward Hill,MA)
BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン、Sigma Aldrich)
BZT(2−(2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを指す;Ciba,Inc.,Tarrytown,NY)
HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、Sigma−Aldrich)
トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(TCI America,Portland,OR)
DCC(ジシクロヘキシルカルボジミド、TCI)
YbF(フッ化イッテルビウム、Treibacher,Germany)
MEHQ(ヒドロキノンモノメチルエーテル、Sigma−Aldrich)
「Irgacure 819」(ホスフィンオキシド光開始剤、Ciba Specialty Chemicals Corp.,Tarrytown,NYから入手可能)
Zr/Si充填剤(表面処理されている、平均粒径0.6〜0.9マイクロメートルのジルコニアシリカ充填剤100部を20〜30℃の溶液温度にて脱イオン水と混合し、pHをトリフルオロ酢酸(0.278部)で3〜3.3に調整する)。A−174シラン(SILQUEST A−174、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、Crompton Corporation,Naugatuck,CT)を7部の量でスラリーに添加し、ブレンドを2時間混合した。2時間経過時点で、pHを水酸化カルシウムで中和する。充填剤を乾燥させ、破砕し、74又は100マイクロメートルの篩を通して選別する。
Zr/Siナノクラスター充填剤(本質的には米国特許第6,730,156号(予備実施例A(51〜64行目)及び実施例B(25段65行目〜26段40行目))に記載のように調製されたシラン処理されたジルコニア/シリカナノクラスター充填剤)
75nmシリカ充填剤(米国特許第7,393,882号の22段において充填剤Aについて記載の通り調製)
20nmシリカ充填剤(本質的に米国特許第6,572,693 B1号(ナノサイズの粒子充填剤については21段、63〜67行目、タイプ#2)に記載のように調製された、およそ20ナノメートルの公称粒径を有する、シラン処理されたナノサイズのシリカ)
Aerosil R812S(ヒュームドシリカ、Degussa,Germany)
イソシアヌレートトリマー−トリ−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリスHEMAフタレートの合成
無水フタル酸(57.0g、0.385mol、CAS番号85−33−9、Alfa Aesar、ロットG30T004)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP、4.9g、0.04mol、CAS番号1122−58−3、Alfa Aesar、ロットL125009)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、50.9g、0.391mol)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT、0.140g)を、機械的攪拌機、温度制御機に接続された熱電対、反応器、次いで油バブラーにT字形接続を通して移動する乾燥気流、及び加熱マントルを備える2リットルの3つ口反応フラスコに充填した。連続的に撹拌しながら、フラスコの内容物を95℃まで加熱し、それによって全ての成分を溶解させ、透明な液体を得た。95℃における加熱及び撹拌を、5時間続けた。加熱をやめ、乾燥空気下で撹拌しながらフラスコの内容物を室温まで冷却した。アセトン(250mL)を添加し、次いで、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(33.58g、0.158mol、TCI製)を添加した。加熱マントルを氷浴と置換し、そこで混合物を0〜5℃まで冷却した。120mLのアセトン中ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC、81g、0.393mol)から作製した溶液を500mLの滴下漏斗に入れ、それを反応フラスコと乾燥空気入口との間に置いた。DCC溶液を、反応混合物の温度が10℃を超えない速度で、連続的に撹拌されている反応混合物にゆっくりと添加した。DCC溶液の添加完了後、反応物を一晩室温で2時間氷浴中で撹拌した。2日目に、形成された固体を真空濾過によって除去し、残渣を40〜45℃の浴でロータリーエバポレーターにおいて濃縮した。残渣を300mLの酢酸エチル:ヘキサンの2:1(体積)溶液に溶解させた。得られた溶液を1.0NのHCl 200mL、10%水性200mL、HO 200mL、及びブライン200mLで抽出した。有機層を40℃の浴を用いてロータリーエバポレーターにおいて濃縮した。全期間にわたって生成物に空気を吹込みながら3時間50℃で真空ポンプ下で更なる乾燥を行って、ほぼ無色の曇った粘稠な液体を得た。
屈折率を測定したところ、1.5386であると見出された。NMRを用いることによって、液体が、以下の反応スキームに示される生成物であると判定された。図示されている最終生成物の計算分子量は、1041g/モルであると決定された。
連結基の計算分子量は、220g/モルであると決定された。
Figure 2014505105
TGP−IEMの合成
一般的手順1:触媒としてTEAAを用いる、ジオール前駆体とエポキシ成分との反応
例えば、TCDアルコールと対応するエポキシ官能試薬としてのGMAとを、撹拌しながら、例えば、シクロヘキサンと混合する。1.5重量%のTEA及び1.5重量%のGAA(全ての反応物質の合計質量に対して、その場でTEAAを形成するため)、1000ppmのHQ、200ppmのBHT、及び200ppmのHQMEを、撹拌しながら添加する。次いで、付加反応が完了するまで(1H−NMRを介して測定:残留エポキシ基のシグナルが検出されなくなるまで)、約70℃の温度で撹拌しながら混合物を加熱する。任意で、3〜5重量%のMSAを撹拌しながらゆっくり添加し、約70℃で約60分間撹拌を続ける。次いで、撹拌しながら混合物を室温に冷却させる。上方のシクロヘキサン相を、存在する場合、下方の油状粘稠相から分離する。分離したシクロヘキサン相を水で1回洗浄し、次いで、2NのNaOH溶液で2回抽出し、次いで、水で1回洗浄し、次いで、無水NaSO上で乾燥させる。濾過後、塩基性アルミナを通して濾液を再度濾過する。100ppmのBHT及び100ppmのHQMEを濾液に添加する。次いで、空気を粗サンプルに吹込みながら、溶媒を取り除く。
一般的手順1に従って、100gのTCDアルコールと、155gのGPと、3.00gのMSAとを反応させた。253gのTGP(509mmol、99%)を黄色の油状物として単離した。一般的手順4に従って、100gのTGPと59.4gのIEMとを反応させた。158gのTGP−IEM(196mmol、99%)を黄色の油状物として単離した:η=1400Pas、n 20=1.531。
TTEO−IEMの合成
一般的手順2:触媒としてBF THFを用いるジオール前駆体様とエポキシ成分含有混合物(例えば、THF中EO)との反応
例えば、TCDアルコールを無水THFで希釈し、次いで、撹拌しながらBF THFを添加する。反応混合物の温度が約30〜40℃を超えないように撹拌しながら気体状EOを添加する。EO添加が完了した後、約30分間室温で撹拌を続ける。13重量%の水(反応物質の合計質量に対して)を添加し、約30分後、撹拌しながら13重量%の塩基性アルミナも添加する。更に約60分間撹拌した後、13重量%のナトリウムメタノエートのメタノール溶液(メタノール中30%)を添加する。次いで、懸濁液を約12時間室温で撹拌する。濾過後、溶媒を真空中で取り除く。
一般的手順2に従って、300gのTCDアルコールと、64.6gのEOと、600gのTHFと、37.9gのBF THFとを反応させた。429gのTTEOを無色の油状物として単離した。一般的手順4に従って、55.3gのTTEOと54.7gのIEMとを反応させた。100gのTTEO−IEM(95%)を無色の油状物として単離した:η=45Pas、n 20=1.503。
TTEO−MAの合成:
一般的手順3:例えば、触媒としてBF THFを用いるジオール前駆体様とエポキシ成分含有混合物(例えば、THF中EO)との反応
例えば、TCDアルコールを無水THFで希釈し、次いで、撹拌しながらBF THFを添加する。反応混合物の温度が約30〜40℃を超えないように撹拌しながら気体状EOを添加する。EO添加が完了した後、約30分間室温で撹拌を続ける。13重量%の水(反応物質の合計質量に対して)を添加し、約30分後、撹拌しながら13重量%の塩基性アルミナも添加する。更に約60分間撹拌した後、13重量%のナトリウムメタノエートのメタノール溶液(メタノール中30%)を添加する。次いで、懸濁液を約12時間室温で撹拌する。濾過後、溶媒を真空中で取り除く。
一般的手順3に従って、300gのTCDアルコールと、64.6gのEOと、600gのTHFと、37.9gのBF THFとを反応させた。429gのTTEOを無色の油状物として単離した。一般的手順4に従って、213gのTTEO、161gのMA、44.8mgのBHT、121mgのHQME、89.6mgのメチレンブルー、及び12.8gのMSAを、触媒としてヘキサンを用いて反応させた。237gのTTEO−MA(67%)を無色の液体として単離した:η=0.1Pas、n 20=1.499。
試験方法
応力試験法
硬化プロセス中に発生する応力を測定するために、図1に示すように、矩形の15×8×8mmのアルミニウムブロックにスロットを機械加工した。スロットは、長さ8mm、深さ2.5mm、及び直径2mmであり、縁から2mmのところに配置し、それによって、試験される歯科用組成物を含有する幅2mmの空洞に隣接する幅2mmのアルミニウム尖点を形成した。線状可変変位変換器(モデルGT 1000、E309アナログ増幅器とともに使用、両方ともRDP Electronics,United Kingdom製)を図示の通りに配置して、歯科用組成物を室温で光硬化させたときの尖点の変位を測定した。試験前に、アルミニウムブロックにおけるスロットをRocatec Plus Special Surface Coating Blasting Material(3M ESPE)を用いて砂で磨き、RelyX Ceramic Primer(3M ESPE)で処理し、最後に、歯科用接着剤Adper Easy Bond(3M ESPE)で処理した。
スロットに、約100mgの材料に等しい、表に示す混合物を十分に詰めた。スロット中の材料とほぼ接触するように(<1mm)配置された歯科用硬化ランプ(Elipar S−10、3M ESPE)を用いて材料に1分間照射し、次いで、ランプを消した9分後に尖点の変位をマイクロメートルで記録した。
ワッツ収縮試験方法
ワッツ収縮(ワッツ)試験方法は、硬化後の体積変化により、試験試料の収縮を測定する。試料調製(90mgの非硬化複合材の試験試料)及び試験手順は、次の参考文献に記載されたように行なわれた:Determination of Polymerization Shrinkage Kinetics in Visible−Light−Cured Materials:Methods Development,Dental Materials,October 1991,pages 281〜286。結果を負の収縮率(%)として報告する。
ダイヤメトラル引張強度(DTS)試験方法
試験サンプルのダイヤメトラル引張強度を以下の手順に従って測定した。未硬化の複合材サンプルを4mm(内径)のガラス管に注入し、該管にシリコーンゴムのプラグで蓋をした。管を5分間、約2.88kg/cmの圧力で軸方向に圧縮した。その後、XL 1500歯科用硬化光(3M Company,St.Paul,MN)に曝露することにより、サンプルを80秒間光硬化させ、続いてKulzer UniXS硬化ボックス(Heraeus Kulzer GmbH,Germany)内で90秒間照射した。硬化したサンプルを約37℃/相対湿度90%+で1時間静置した。サンプルをダイヤモンドの鋸で切断して、厚さ約2.2mmのディスクを形成し、これを試験前に約24時間37℃の蒸留水中で保存した。測定は、ISO規格7489(又はAmerican Dental Association(ADA)規格番号27)に従って、10キロニュートン(kN)のロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm/分でInstron試験機(Instron 4505、Instron Corp.,Canton,MA)で実施した。硬化したサンプルの6枚のディスクを調製して測定し、結果を6枚の測定値の平均としてMPaで報告した。
バーコル硬度試験方法
試験試料のバーコル硬度を、次の手順に従って測定した。未硬化複合材のサンプルを、ポリエステル(PET)フィルムのシートとスライドグラスとの間に挟まれた厚さ2.5mm又は4mmのTEFLON成形型の中で20秒間硬化させ、ELIPAR Freelight 2歯科用硬化光(3M Company)で硬化させた。照射後、PETフィルムを除去し、成形型の上面と底面との両方での試料の硬度を、インデンターを備えたBarber−Coleman Impressor(手持ち式の携帯用硬度テスター;モデルGYZJ 934−1;Barber−Coleman Company,Industrial Instruments Division,Lovas Park,Ind.)を使用して測定した。光曝露の5分後に、上面及び底面のバーコル硬度値を測定した。
硬化深度の試験方法
硬化深度は、10ミリメートルのステンレス鋼の成形型の空洞に複合材を充填し、前記成形型の上下をポリエステルフィルムのシートで覆い、前記シートを加圧して平坦化された組成物表面を得、前記充填された成形型を白色の背景の表面上に置き、歯科用硬化光(3M Dental Products Curing Light 2500又は3M ESPE Elipar FreeLight2,3M ESPE Dental Products)を用いて20秒間、歯科用組成物に照射し、前記ポリエステルフィルムを前記成形型の各側から分離し、サンプルの底(すなわち、歯科用硬化光が照射されていなかった側)から材料を(掻きとることによって)穏やかに除去し、前記成形型中に残る材料の厚さを測定することによって決定した。報告する深度は、実際の硬化された厚さ(ミリメートル)を2で除したものである。
曲げ強度及び曲げ弾性率の試験方法
ペースト状のサンプルを2mm×2mm×25mmの石英ガラス成形型に押し出し、試験バーを形成した。次いで、2つの標準的な歯科用硬化光(3M ESPE XL2500又は3M ESPE XL3000)を用いて成形型を通して材料を硬化させた。サンプルバーの中心に1つの光を配置し、20秒間硬化させ、次いで、20秒間バーの両端を同時に硬化させ、ひっくり返し、繰り返すことによってサンプルを硬化させた。
サンプルを、試験前に37℃で蒸留水に浸漬して保存した(16〜24時間)。バーの曲げ強度及び曲げ弾性率を、ANSI/ADA(American National Standard/American Dental Association)の規格番号27(1993)に従って、Instron試験機(Instron 4505又はInstron 1123、Instron Corp.,Canton,Mass)で0.75mm/分のクロスヘッド速度で測定した。結果をメガパスカル(MPa)で報告した。
圧縮強度の試験方法
試験サンプルの圧縮強度を以下の手順に従って測定した。未硬化の複合材サンプルを4mm(内径)のガラス管に注入し、該管にシリコーンゴムプラグで蓋をし、次いで、およそ2.88kg/cmの圧力で5分間、該管を軸方向に圧縮した。その後、XL 1500歯科用硬化光(3M Company,St.Paul,MN)に曝露することにより、サンプルを80秒間光硬化させ、続いてKulzer UniXS硬化ボックス(Heraeus Kulzer GmbH,Germany)内で90秒間照射した。硬化試料を約37℃/90%+相対湿度に1時間置いた後、ダイヤモンドのこぎりで切断し、圧縮強度の測定のための長さ8mmの円筒形のプラグを形成した。試験に先立ち、プラグは蒸留水中に37℃で約24時間保存した。測定は、ISO規格7489(又はAmerican Dental Association(ADA)規格番号27)に従って、10キロニュートン(kN)のロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm/分でInstron試験機(Instron 4505、Instron Corp.,Canton,MA)で実施した。硬化試料の5つのシリンダーを調製して測定し、結果を5つの測定値の平均としてMPaで報告した。
エナメル質又は象牙質に対する接着剪断固着強度の試験方法
歯の調製:軟組織を含まないウシの切開歯を円形アクリル製ディスクに埋め込んだ。使用前、埋め込まれた歯は、水に入れて冷却装置の中で保存した。試験する接着剤の調製において、埋め込まれた歯は、平坦なエナメル質又は象牙質の表面を露出させるために、宝石研磨ホイールに実装した120グリットのサンドペーパーを用いて研削した。宝石研磨ホイール上の320グリットのサンドペーパーを用いて、歯の表面を更に研削し研磨した。研削工程中は水を用いて歯を連続的にすすいだ。研磨された歯を脱イオン水中に貯蔵し、研磨後2時間以内に試験に使用した。使用前に、歯を36℃のオーブンで室温(23℃)〜36℃に加温した。
歯の処理:強化ラベル(厚さ150マイクロメートル及び直径5mmの開口部を有する)を調製した歯の表面に塗布し、コンポジットの薄層を、ラベルの開口部内に歯科用アプリケータブラシを用いて塗布し、20秒間ブラッシングした。コンポジット層を、Elipar S10硬化光(3M ESPE)を用いて20秒間硬化させた。次に、開口部(厚さ2mm×直径5mm)を有するテフロン型をコンポジットの硬化した層上に置き、同じコンポジットを更に充填し、コンポジットをS10硬化光を用いて20秒間硬化させた。これによって、調製した歯表面に接着している硬化したコンポジットのボタンを形成した。
接着固着強度試験:組立品(上述)を、INSTRON試験機(Instron 4505(Instron Corp.,Canton,Mass.))のつかみ具に固定されたホルダー内に、研磨された歯表面を引っ張り方向と平行に配向した状態で取り付けることによって、硬化された試験例の接着強度を評価した。歯科矯正用ワイヤ(直径0.44mm)のループを、磨いた歯表面と隣接するコンポジットのボタンの周りに配置した。矯正歯科用ワイヤの端部をINSTRON装置の引っ張り用つかみ具に固定し、及びクロスヘッド速度2mm/分で引っ張り、それによって接着剤固着を剪断応力下に置いた。接着が破壊したときの力をキログラム(kg)で記録し、この数値を既知であるボタンの表面積を用いて、単位面積あたりの力(kg/cm、又はMPaの単位)に変換した。エナメル質に対する接着力又は象牙質に対する接着力についての各々の報告値は、4〜5回の反復試験の平均を表わす。
ペーストの組成
表に示す成分を測定し、均一になるまで混合した。
Figure 2014505105
Figure 2014505105
Figure 2014505105
試験結果を以下の通り報告する。各試験について、平均値を報告し、次いで、括弧内に標準偏差を報告する。各試験に利用したサンプル数を「n」として最初の列に報告する。したがって、n=3は、3つのサンプルを試験したことを意味する。
Figure 2014505105
試験結果は、付加開裂物質を含まないCE1〜CE5と比べて、付加開裂物質を含む実施例1〜20の特性が改善されていることを示す。具体的には、付加開裂物質の濃度が上昇したとき、組成物は、十分なダイヤメトラル引張強度、バーコル硬度、及び硬化深度を維持しながら、応力低下及びワット収縮の低下を示す。
また、付加開裂モノマーを従来の歯科用組成物に添加した歯科用組成物も調製した。また、組成物CE6及び21は、0.108のDFIHFP及び0.03のBHTを含有していた。
Figure 2014505105
試験結果を以下の通り報告する。各試験について、平均値を報告し、次いで、括弧内に標準偏差を報告する。各試験に利用したサンプル数を「n」として最初の列に報告する。
Figure 2014505105
また、組成物CE7−26は、以下の通り、0.06のCPQ、0.108のDFIHFP、0.216のEDMAB、0.03のBHT、0.22のBZT、及び3.0のYbF3を含有していた。
Figure 2014505105
試験結果を以下の通り報告する。各試験について、平均値を報告し、次いで、括弧内に標準偏差を報告する。各試験に利用したサンプル数を「n」として最初の列に報告する。
Figure 2014505105
幾つかの実施形態では、従来の歯科用モノマー及び付加開裂剤を含む歯科用組成物は、低収縮モノマー及び付加開裂物質を含む実施例1〜20よりも高い応力たわみ結果(例えば、>2.0)を呈した。しかし、付加開裂物質を含むと、このような付加開裂物質を含まない実質的に同じ組成物と比べて応力たわみが低減された。
Figure 2014505105
Figure 2014505105
Figure 2014505105

Claims (34)

  1. 少なくとも1つのエチレン性不飽和末端基及びα,β−不飽和カルボニルを含む骨格ユニットを含む付加開裂剤と、
    少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む少なくとも1つのモノマーと、
    無機酸化物充填剤と、
    を含む歯科用組成物。
  2. 前記付加開裂剤が、フリーラジカルによって切断可能である、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 前記付加開裂剤が、少なくとも2つのエチレン性不飽和末端基を含む、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  4. 前記エチレン性不飽和基が、(メタ)アクリレート基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  5. 前記付加開裂剤が、以下の式:
    Figure 2014505105
    (式中、
    、R及びRは、各々独立して、Z−Q−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であるが、ただし、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、Z−Q−であり;
    Qは、m+1の価数を有する連結基であり;
    Zは、エチレン性不飽和重合性基であり;
    mは、1〜6であり;
    各Xは、独立して、−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり;
    nは0又は1である)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  6. Zが、ビニル、ビニルオキシ、(メタ)アクリロキシ、(メタ)アクリルアミド、スチレン及びアセチレン性官能基を含む、請求項5に記載の歯科用組成物。
  7. Zが、以下:
    Figure 2014505105
    (式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)から選択される、請求項5に記載の歯科用組成物。
  8. Qが、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−PO−、−CO−、−OCO−、−R−、−NR−CO−NR−、NR−CO−O−、NR−CO−NR−−CO−O−R−、−CO−NR−R−、−R−CO−O−R−、−O−R−.−S−R−−、−NR−R−、−SO−R−、−PO−R−、−CO−R−、−OCO−R−、−NR−CO−R−、NR−R−CO−O−、及びNR−CO−NR
    (式中、各Rは、水素、C〜Cアルキル基又はアリール基であり、各Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜10個の炭素原子を有する5若しくは6員シクロアルキレン基、又は6〜16個の炭素原子を有する二価アリーレン基であるが、ただし、Q−Zは、過酸化結合を含有しない)から選択される、請求項5に記載の歯科用組成物。
  9. Qが、アルキレンである、請求項5に記載の歯科用組成物。
  10. Qが、式−C2r−(式中、rは1〜10である)のアルキレンである、請求項5に記載の歯科用組成物。
  11. Qが、ヒドロキシル置換アルキレンである、請求項5に記載の歯科用組成物。
  12. Qが、−CH−CH(OH)−CH
    である、請求項5に記載の歯科用組成物。
  13. Qが、アリールオキシ置換アルキレンである、請求項5に記載の歯科用組成物。
  14. が、アルコキシ置換アルキレンである、請求項5に記載の歯科用組成物。
  15. −X−基(及び所望によりR−X−基)が、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C(CH)=CH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CHCH−N(H)−C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、CH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−及びHC=C(H)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−.HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−、及びCH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−から選択される、請求項5に記載の歯科用組成物。
  16. 前記モノマーの前記エチレン性不飽和基が、(メタ)アクリレート基である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  17. 前記モノマーが、少なくとも1.50の屈折率を有する芳香族モノマーである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  18. 前記モノマーが、約600〜1500g/モルの範囲の分子量(Mw)を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  19. 前記モノマーが、低体積収縮モノマーである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  20. 前記モノマーが、イソシアヌレートモノマー、トリシクロデカンモノマー、又はこれらの混合物である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  21. 固化した前記歯科用組成物が、2.0、又は1.8、又は1.6、又は1.4、又は1.2、又は1.0、又は0.8、又は0.6以下の応力たわみを呈する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  22. 前記歯科用組成物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMMA)、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  23. 前記充填剤無機酸化物充填剤が、ナノ粒子を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  24. 前記無機ナノ粒子が、シリカ、ジルコニア、又はこれらの混合物を含む、請求項23に記載の歯科用組成物。
  25. 前記無機ナノ粒子が、ナノクラスターの形態である、請求項23又は24に記載の歯科用組成物。
  26. 歯表面を処理する方法であって、
    以下の式:
    Figure 2014505105
    (式中、
    、R及びRは、各々独立して、Z−Q−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であるが、ただし、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、Z−Q−であり;
    Qは、m+1の価数を有する連結基であり;
    Zは、エチレン性不飽和重合性基であり;
    mは、1〜6であり;
    各Xは、独立して、−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり;
    nは0又は1である)の付加開裂剤を含む固化性歯科用組成物を提供する工程と、
    前記歯科用組成物を被験体の口内の歯表面上に配置する工程と、
    前記固化性歯科用組成物を固化させる工程と、
    を含む方法。
  27. 前記歯科用組成物が、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを更に含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記歯科用組成物が、酸官能性を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを更に含む、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 前記歯科用組成物が、無機酸化物充填剤を更に含む、請求項26〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記歯科用組成物が、請求項5〜25のいずれか一項又は組み合わせに従って更に特徴付けられる、請求項26〜28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記歯科用組成物が、歯科用修復材である、請求項26〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 少なくとも部分的に固化している請求項1〜25のいずれか一項に記載の固化性歯科用組成物を含む、歯科用物品。
  33. 歯表面を処理する方法であって、
    請求項32に記載の少なくとも部分的に固化している歯科用物品を提供する工程と、
    前記歯科用物品を被験体の口内の歯表面上に接着させる工程と、
    を含む方法。
  34. 前記組成物が、酸官能性を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
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