JP2014504617A - 緊急時に使用される装置を備え、生体試料の低温保存を主用途とした冷却システム - Google Patents

緊急時に使用される装置を備え、生体試料の低温保存を主用途とした冷却システム Download PDF

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Abstract

生体試料2の低温保存を主用途とした冷却システム1は、低温室100と、液体窒素220により低温室100を冷却する冷却装置200とを備える。少なくとも一の側壁120は、周囲の耐力壁と実質的に同様に構成され、壁開口部が側壁120に形成可能なように、当該耐力壁に対して移動可能な少なくとも一の所定の壁構成部125を有する。前記冷却システムはさらに、作業員3に局地的な保護環境を提供する、ドームに代表される保護装置を備えてもよい。例えば洪水に対する保護を提供する昇降装置及び/又は冷却システム全体の保護環境を作成する外皮装置がさらに設けられてもよい。さらに、異常事態時に冷却システム1を運転する方法も記載される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体窒素(LN2)により冷却される低温室を備え、生体試料の低温保存を主用途とした冷却システムに関する。さらに本発明は、異常事態(緊急時、事故時)における冷却システムの運転方法に関する。本発明は試料の冷却状態での長期保存、特に生体試料の低温保存に利用される。
生体試料を凍結保存するため、例えば精子バンク等の冷却システム内に貯蔵することが知られている(低温保存)。精子バンクは通常、−80℃未満、特に水氷の再結晶化温度未満(−138℃)で運転される。精子バンクは、液体窒素(温度=約−195℃)入りの冷媒容器と、複数の個別のタンク(いわゆる凍結用タンク。多くの場合、二重壁鋼製デュワーフラスコ)を具備する。タンクの大きさは、数リットル〜約2又は3m3にまで及ぶ。凍結用タンクは常温(室温)の室内に立設し、冷媒容器から前述の液体窒素が供給される。凍結用タンク内では、試料(例えば液体、細胞、細胞成分、血清、血液、細胞懸濁液、組織片等)が入ったチューブ、袋、又はその他密閉型容器を収容した箱が棚に並べられる。試料は完全に液体窒素内に配置されてもよいが、液体窒素による試料の汚染を防ぐため、多くの場合液体窒素蒸気内の、約−145℃という低温の気相内に保存される。この気相は凍結用タンクの床の窒素水域上に形成される。
従来の凍結用タンクは、通常運転モードでは極めて安全に運転される。液体窒素が供給され続ける限り、安全な試料保存が保障されるのである。しかし、異常事態がおきて、窒素供給が中断されたり、デュワーフラスコ内の真空状態が損なわれたりすると、試料を別の凍結用タンクに移さねばならない。そして特に多数の凍結用タンクが対象となった場合、移している間、試料が温められてしまう可能性が高い。さらにもっと危機的状況となるのは、火災又は浸水による異常事態である。
しかしながら、複数の個別の凍結用タンクを具備する従来の精子バンクは、例えば一万〜百万以上の大量の試料を低温保存することには問題がある。特に試料取扱い時には、常時冷却状態を提供し、精子バンクを自動運転する凍結用タンクの運転効果には限界がある。そのため、従来の凍結用タンクの代用として、例えば食品貯蔵に用いられるより大きな貯蔵施設が注目されている。そして効果的な食品保存や自動化を可能とする低温室が知られている。しかし、従来の低温室は、稼働温度が−50℃を下回らないため、生体試料の長期低温保存には不向きである。
生体試料低温保存に適した広範囲冷却システムが、本発明の発明者らによる、本発明とは別の特許出願明細書に記載されている(本発明の優先日時点では未公開)。この冷却システムは、床部、側壁、天井部により形成される低温室と、液体窒素により低温室を冷却する冷却装置を備える。広範囲低温室(冷凍室)による低温保存は、冷却、及び試料操作の自動化の効果の観点からは有効だが、従来の凍結用タンクよりも異常事態時のリスクが高い。例えば、冷却装置が故障した場合、凍結用タンクよりも、低温室のほうが試料の取り出しに時間がかかってしまう。従来の食品保存用低温室を対象とした、冷凍品の取り出しに関する方策も特に知られていない。
さらに、低温室運転中の、低温室内の作業員の保護に関しても問題がある。作業員が低温室内で命にかかわるような事態に陥るといった異常事態に対する具体的な方策は知られていない。
欧州特許第1252471B1号、独国特許出願公開第DE102007015390A1号、米国特許第4576010A号、米国特許第4060400A号、米国特許第3287925A号、米国特許第3385073A号、及び米国特許第3127755A号に、液体窒素冷却による冷却手段が記載されている。冷却手段において、各低温室は、冷凍品の取扱いを可能にする扉を有する扉開口部を備える。しかしこれら冷却手段の、生体試料の低温保存への利用は現実的ではない。扉開口部より外気が侵入してしまい、低温室内で着氷が生じてしまうのである。
欧州特許第1252471B1号明細書 独国特許出願公開第DE102007015390A1号明細書 米国特許第4576010A号明細書 米国特許第4060400A号明細書 米国特許第3287925A号明細書 米国特許第3385073A号明細書 米国特許第3127755A号明細書
本発明の目的は、従来の冷却システムの欠点や限界を克服可能な、生体試料の低温保存を主用途とした、改良された冷却システムを提供することにある。冷却システムは特に、異常事態時に低温保存試料及び/又は作業員の保護を可能とするものである。本発明の更なる目的は、異常事態時の従来の方法における欠点や限界を克服可能な、生体試料の低温保存を主用途とした冷却システムの改良された運転方法を提供することにある。
これらの目的は、独立請求項に記載された特徴を有する冷却システム及び冷却システム運転方法により達成される。本発明の好適な実施形態や用途は、従属請求項から導き出される。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第一の態様によれば、低温室と、液体窒素により低温室を冷却する冷却装置を備え、生体試料の低温保存を主用途とした冷却システムが提供される。低温室は通常、床部、側壁、及び天井部により形成された部屋であり、冷却装置により全体的に冷却され、保存用試料の収容に用いられる。低温室は動かないように固定した状態で配置されるのが好ましい。低温室は液体窒素により直接、又は液体窒素蒸気により冷却されることが特に好ましい。本発明によれば、少なくとも一の側壁が、当該側壁に対し移動可能な少なくとも一の壁構成部を有する。当該少なくとも一の壁構成部は、当該壁構成部の側壁に対する移動により、当該側壁に壁開口部が形成可能となるように構成される。壁構成部は側壁の一部である。壁構成部部位の移動としては、具体的には壁構成部が、側壁が壁構成部で完全に閉じられた閉状態から側壁の中間部に壁開口部が形成される開状態まで移動可能である。そのため、異常事態において試料及び/又は人を低温室から迅速に移動(退避)させられるよう、少なくとも一の壁構成部により低温室の緊急開放が可能となるという利点がある。
壁構成部は壁開口部を形成するように、側壁に対して即座に移動可能である。すなわち、低温保存された試料に悪影響が与えられるような移動の遅れは発生しない。試料の取扱いがタンク蓋を通じて上方からのみ行われる従来の凍結用タンクに対し、本発明において設けられる少なくとも一の壁構成部は、側方から低温室内部の試料の取扱いを可能とする。これにより、試料の退避を大幅に迅速化できるという利点がある。従来の食品用低温室の、通常の試料取扱い用の扉と違い、本発明において設けられる少なくとも一の壁構成部は、あくまで壁の一部である。従って低温室内でヒートシンクが形成されてしまうことがなくなるという利点がある。
本発明の第2の態様によれば、上述した本発明の第一態様の冷却システムの運転方法が提供される。当該方法において、冷却システムにおける異常事態が検出されると、その周辺状態が所望の通常状態になるまで、低温室内の作業員及び/又は試料に対する処理が行われる。低温室内の作業員及び/又は試料が所定の通常状態と異なる動作状態にさらされた場合に、異常事態となる。本発明によれば、作業員及び/又は試料の周辺状態が所望の通常状態になるまで、作業員及び/又は試料の状態と、異常事態に対する、冷却システム用の一つ又は複数の保護手段の使用状態とが変更される。
作業員に関する動作状態は、例えば温度及び/又は作業員の防護服内の酸素濃度及び/又は防護服における結合部等の機械部品の動作性を含む。作業員の通常状態とは、例えば、0℃を超える温度で、作業員が直に接する環境に呼吸可能な空気が提供されていることであり、防護服に関しては結合部が可動であることである。
試料に関する動作状態は、低温室内の温度及び/又は異物の有無を含む。試料の通常状態とは、例えば、−138℃未満の温度及び/又は低温室内の空気が乾燥していることである。
本発明によれば、低温室は少なくとも一人の作業員がその内部で静止及び移動できる程度の大きさに設定される。低温室の容積は、少なくとも一人の作業員を完全に収容でき、作業員がその中で直立及び/又は歩行可能なように設定される。好ましいのは10m3以上の容積である。さらに好ましいのは、500m3以上さらには1000m3以上等の100m3以上の容積である。
本発明の冷却システムの低温室は、試料収容装置の収容に利用される。試料収容装置としては、試料の収容に適した任意の保持構造、特に生体試料を収容する試料容器が使用可能である。試料収容装置は例えば、試験管、細管、毛細管、いわゆる「ストロー管」、袋、又はその他の密閉型容器である。試料収容装置は低温室内に常置されてもよいし(具体的には固定)、少なくとも部分的に取り外し可能であってもよい。本発明によれば、低温室は、試料収容装置が配置された状態で、作業員がその内部で静止又は移動可能な大きさに設定されることが好ましい。
本発明の好適な実施形態によれば、側壁の厚さ方向において、少なくとも一の側壁と、対応する側壁に設けられる少なくとも一の壁構成部は同一の構造を有する。壁構成部は、周囲の側壁に型嵌め又は所定の破壊点が設定された上で接続される壁部分を形成する。このような壁構成部を有する側壁のモジュール構造により、側壁に沿った熱的性質が実質的に一定となり、ヒートシンクの形成を防ぐことが可能となるという利点がある。
また本発明の他の好適な実施形態によれば、少なくとも一の壁構成部が、対応する側壁の表面方向に対して垂直に移動可能である。壁構成部は側壁の厚さ方向に対し平行な方向に移動可能である。そのため、壁構成部を低温室の外部から内部、又は冷却システムの内部から外部まで移動させることで、壁開口部を非常に容易に形成できる。
壁構成部が手動で移動可能、具体的には手動で側壁に対し移動可能であればさらに有効である。この場合、人間の作業員が、自力で壁開口部を形成可能である。従って、人力に加え機械工具を使用する必要がなくなる。
本発明の特に好ましい本発明の変形例において、壁構成部は側壁から完全に分離可能である。これにより対応する側壁の両側から、容易に壁開口部に出入り可能となる。
冷却システムに下記方策の内、少なくとも一が取り入れられた場合、低温室からの退避が非常に容易となるという利点がある。第一変形例によれば、少なくとも一の壁構成部を有する少なくとも一の側壁の外側の退避コンテナ用に、ドッキング装置が設けられる。ドッキング装置は、結合された退避コンテナが、側壁の壁開口部に対応する壁構成部に隣接するように、対応する側壁の外側に配置される。ドッキング装置は、例えば、壁構成部又は壁開口部を側壁の外側から囲い、退避コンテナの結合に用いられるフレームを有する。ドッキング装置は、低温室と退避コンテナとを、冷却システム外部に対して断熱的、気密的に結合するよう構成されることが好ましい。ドッキング装置の代わりに、又はそれに加えて、少なくとも一の壁構成部を有する少なくとも一の側壁の外側に傾斜路が設けられる。傾斜路は、側壁の壁構成部又は壁開口部の下端から、冷却システム周辺の床まで延びる支持部を備える。傾斜路により、低温室からの試料の退避が容易になるという利点が得られる。
本発明の更なる特徴によれば、低温室内の作業員の周辺に、局地的に保護環境を作成可能な保護装置が低温室内に設けられる。低温室内に設けられた保護装置を備えた冷却システムは上述の第一態様に関して、本発明に係る冷却システムの好適な実施形態をなす。一方で、保護装置は、低温室の少なくとも一の側壁が壁構成部を備えないような、低温室と、液体窒素により低温室を冷却する冷却装置とを備える冷却システムに設けられてよい。すなわち、低温室内に設けられた保護装置を備える冷却システムは本発明の独立した主題をなす。保護装置は、命に関わる危険性のある環境的状況から作業員を保護することが可能であるという利点がある。当該状況とは、具体的には異常事態における過冷却や酸素不足等である。
好適な変形例においては、保護装置は低温室内で移動可能で、外部の換気システムに接続可能な被覆部材(カバー)を備える。外部換気システムにより、被覆部材の内部に温風を送り込める。被覆部材は、金属箔のような、低温室内の動作温度で可撓性を有する素材で構成することが好ましい。さらに他の変形例おいては、保護装置は低温室内で移動可能な、可動隔壁を有する。隔壁により、低温室内で他部と隔離された隔室を形成可能である。この場合にも、当該隔室内に温風を送りこむことが可能な外部換気システムが設けられる。異常事態において、低温室内の作業員は被覆部材に覆われた作業員、又は可動隔壁により作業員の周囲に形成された隔室により救助可能である。被覆部材及び隔室内には、温風が送り込まれている。
別の変形例によれば、保護装置には、例えばプラスチック材製の断熱マットが設けられてもよい。断熱マットにより、作業員を床部から断熱可能である。
本発明の更なる好適な特徴によれば、低温室には警報機が設けられてもよい。警報機は低温室内へのあらゆる不法侵入に対し警報を発する。これにより、試料の保護が容易となるという利点がある。
冷却システムの周辺で、思わしくない状況の変化が起きてしまった場合にも、本発明に係る冷却システムの異常事態は起こる。例えば、冷却システムが上又は下から浸水してしまう可能性がある。このような状況で試料を保護するため、冷却システムには昇降装置及び/又は外郭装置が設けられる。昇降装置及び外郭装置は前記第一態様に係る冷却システムの好適な実施形態の特徴をなすが、可変壁構成部により壁開口部を形成する側壁が設けられていないような、低温室と、液体窒素を利用した冷却装置とを有する冷却システムにも利用可能である。すなわち、昇降装置及び/又は外郭装置が設けられた冷却システムは本発明の独立した主題をなす。
昇降装置は、低温室の動作高度、又はその一部、例えば室単位で動作高度を変化させ、必要に応じて、冷却システム周辺の床に対する冷却装置の高さを変化させるように構成される。これにより浸水の際、低温室を高水位上まで上昇させることができるという利点がある。このために、昇降装置はクレーン及び/又は油圧式運搬機を備えることが好ましい。外郭装置は、冷却システム全体、特に低温室全体を囲むシステム保護環境を作成するよう構成される。外郭装置は、例えばプラスチック製の可撓性箔を有することが好ましい。可撓性箔により、冷却システム又は少なくとも低温室を、上からの浸水に対して保護可能である。
以下、本発明の他の利点や詳細について、添付の図面を参照しながら説明する。図面は以下の通りである。
本発明に係る冷却システムの好適な実施形態の概略断面図である。 退避コンテナが結合された図1の冷却システムの概略断面図である。 低温室からの退避用に傾斜路が設けられた図1の冷却システムの概略断面図である。 被覆部材状の保護装置による作業員の救助工程が示された、図1の冷却システムの概略断面図である。 被覆部材状の保護装置による作業員の救助工程が示された、図1の冷却システムの概略断面図である。 隔室状の保護装置形成用の可動壁を備えた低温室の概略斜視図である。 本発明において設けられた昇降装置の特徴を示す概略断面図である。 本発明において設けられた外郭装置の特徴を示す概略断面図である。
以下に、本発明に係る冷却システム及びその運転方法の好適な実施形態を、低温室を有する例示的な冷却システムを基に説明する。低温室は、作業員がその内部を数歩歩行可能な大きさに設定される。本発明は例示される冷凍室のサイズに限られるものではなく、サイズが格段に大きな低温室(大型低温室)又は小さな低温室によっても実現可能である。本発明の実施形態は、本発明の冷却システムにおいて、特に異常事態における試料又は作業員の保護のための方策に基づいて説明され、更に異常事態における冷却システム運転方法についても説明される。本発明に係る冷却システムにより、試料作成、特定の冷却報告の実施、又は記録された試料データと共に試料を配置すること等の先行技術により周知である生体試料の低温保存の詳細が実現される。
図1は、低温室100、第一冷却装置200、第二冷却装置300、及びオペレーションルーム400を備えた本発明に係る冷却システム1の一実施形態の概略的断面図である。低温室100は下部が床部110、側部が側壁120、上部が天井部130により形成されている。低温室100の容積は、例えば10m×5m×3mである。棚141を有する試料収容装置140が床部110から立設し、側壁120に隣接した状態で低温室100に配置される。
床部110は、槽210を有する第一冷却装置200全体に延在するプラットホーム111を備える。槽210は、内側が真空であり、外側に断熱部を有する二重壁構造の槽本体を有する。断熱部は側壁120と同一の構造を有する。断熱部に代えて又は断熱部に加え、槽は赤外線反射真空領域で断熱される。冷却システム1の運転中、槽210に液体窒素220が貯蔵される。液体窒素220は好ましくは、床部110に面する自由水面を有し、窒素水域を形成する。冷却システム1の運転中において、槽210の充填及び液体窒素220水域の維持は冷媒供給器(図示せず)により行われる。
プラットホーム111は槽210全体に延在し、階段状プラットホームが設けられた、例えばスチール製の格子を備える。階段状プラットホームにより、作業員3とプラットホーム111のあらゆる機械的接触の可能性が低くなる。従って、作業員3からプラットホーム111へのあらゆる熱移動が最小限に抑えられる。プラットホーム111は作業員3用の支持領域及び試料収容装置を形成するため、追加部材(図示せず)により槽210内に機械的に支持されてもよい。
第二冷却装置300は少なくとも一の側壁120、特に側壁120の内側に突出した表面上、又はその内部に設けられる。第二冷却装置300は電気的冷却を行うよう構成され、統合型ヒートポンプ(図示せず)に接続された冷却素子310を備える。統合型ヒートポンプは低温室100の外側、好ましくはその上部に配置される。第二冷却装置300は、例えば−150℃までの電気的冷却を可能とする。本発明の変形例によれば、第二冷却装置300は窒素冷却又は液体ヘリウムによる冷却を行う予備装置として形成されてもよい。
冷却システム1の運転中、低温室内で、例えば、第一冷却装置が主冷却に用いられ、第二冷却装置が補助安全冷却システムをなしてもよい。逆に、第二冷却装置が主冷却を行い、第一冷却装置が補助安全冷却システムをなしてもよい。
試料収容装置140は、試料容器に生体試料2が保存される棚141(いわゆる低温ラック)を有する。棚141は熱伝導率の高い素材、例えば金属製のフレームを有する。フレームはプラットホーム111と熱的接触し、熱橋142を通じて第一冷却装置200内の液体窒素220に直接接触する。これにより、棚141上部までの効果的な冷却が保証される。
本発明によれば、少なくとも一の側壁120内に、当該側壁に対し移動可能な少なくとも一の壁構成部125が設けられる。少なくとも一の壁構成部125は壁の一部であり、側壁120の内側から外側まで延在し、周囲の側壁120に開口接合部126を介して接続される。壁構成部125は摺動することで又は衝撃運動を受けることにより側壁120から分離可能である。それにより壁開口部127(図2参照)が形成される。側壁120の外側に、概略的に図示された、可動退避コンテナ用のドッキング装置128が配置される(図2参照)。壁構成部125は周囲の側壁120と基本的に同じ構造を有する。例えば側壁120が複数の層状壁層を有する場合、壁構成部125にも同様な層状壁層が設けられる。図1には示されていないが、一つ以上の側壁120に壁開口部を形成するため、壁構成部125が複数設けられてもよい。
壁構成部125は、側壁120の壁開口部が低温室100からの試料2及び/又は作業員3の迅速な退避に適するような大きさに設定される。壁構成部125は、例えば直径100cmの例えば円形断面形状を有してもよく、一辺の長さが100cmの四角形断面形状を有してもよい。
側壁120は、好ましくは内部真空層121及び外部プラスチック層122を有する複数の層状壁層を備える。真空層121は、真空構造要素(いわゆる「真空部」)及び真空中空壁123を備える。真空構造要素は、特に従来の建築用石材又は煉瓦同様、直方体形状を有し、プラスチック製で、内部が真空処理済み又は真空処理可能となっている。中空壁123は側壁120全体、又は一部に延在する。少なくとも一の壁構成部125の領域において、中空壁123は凹部を有する。中空壁123は通常運転モードでは真空状態であってもよく、又は任意に冷却液で満たされていてもよい。中空壁123は特に、一つの冷却装置が故障した場合に有効な機能を発揮する。低温室100が温められてしまわないように、液体窒素等の冷却液が、作業員により選択可能な外部予備容器(図示せず)から充填されてもよい。プラスチック層122は、例えばポリウレタンフォーム等のポリマーフォーム製の層を備える。プラスチック層の122の厚さは、10cm〜1mの範囲内で選択でき、或いは1mを超える厚さとすることもできる。
天井部130は、天井開口部131が形成される、例えばポリマー発泡体製のプラスチック層を備える。天井開口部131の上方に駆動装置410と、低温室100内に入り込む機械制御部材411とを備えるオペレーションルーム400が設けられる。図1に、駆動装置410により作動可能な移動部を有するロッドアッセンブリを例示する。試料は、移動部により試料収容装置内の棚141内外に導入又は取り出し可能となる。さらにロープ式引上げ機151を有する運搬機150を備えたフードチャンバー400.1(収容塔)が設けられる。試料収容装置140、特に塔状の棚141は、故障時又は低温室100の設置時に、フードチャンバー400.1内へ移動可能である。ロープ式引上げ機151と、梯子152はオペレーションルーム400から、天井開口部131を通じて低温室100内に入る。オペレーションルーム400は更なる操作装置を収容してもよく、さらに、又はこれに代えて人用ゲート装置450に接続してもよい。
オペレーションルーム400は、低温室100及びオペレーションルーム400内のセンサに接続された警報機401をさらに収容する。警報機401は、低温室100内へのあらゆる不法侵入に反応して警報信号を生成する。更に、外部の換気システム630に接続される可撓性通気路620がオペレーションルーム400内に配置される。通気路620は被覆部材610内に局地的な保護環境を作るため、低温室100内に引き出されてもよい(図5参照)。
低温室100の点検の際、作業員は人用ゲート装置450を通りオペレーションルーム400に入室する。人用ゲート装置450とオペレーションルーム400の間の鍵を開けると、作業員3は階段457からオペレーションルーム400に入室可能となる。オペレーションルーム400から、天井開口部131を通り、梯子152を下って低温室100の点検が行われる。作業員3は別の特許出願(本発明の優先日時点では未公開)に記載の防護服を着用する。
それぞれ床部110からの距離が異なる複数の温度計が低温室100内と、オペレーションルーム400内に設けられる。これにより、低温室100内の温度分布を検出できる。必要に応じて、温度を均一にするため、特に低温室100の上部の温度を下げるため、低温室100内で第二冷装置300及び/又は図示しない換気装置によるさらなる冷却が行われてもよい。
さらに、窒素スプリンクラーシステム108が低温室100内に設けられる。窒素スプリンクラーシステム108は好ましくは天井部130の底側に位置する。窒素スプリンクラーシステム108により、低温室の初期使用時又は冷却装置の故障の際に、急速冷却が可能であるという利点がある。窒素スプリンクラーシステム108は冷媒供給路を通じて、冷媒供給装置(図示せず)から供給を受ける。
本発明に係る冷却システムの重要な構造を、図1に示す。低温室100内への供給接続、具体的には供給路及び開口部を通じた供給接続はすべて、天井部130を通じて、即ち上方から行われる。これにより、熱供給を最小限に抑えられる。さらに、低温では作動不能な装置のために、オペレーションルーム400内部又はその上方に、高温度の頂部を設けてもよい。具体的には、温度の高い、ひいてはモータのような可動部の操作用に内部ヒータを有するチャンバーを、頂部に置いてもよい。ガスが第一冷却装置200から明らかな容積の増大と共に連続的に形成され、冷却システム1は圧力がかからないような構造を有する、即ち密閉されていないため、窒素は下方から低温室100に連続的に流れる。冷却システム1の操作の信頼性を向上させるため、異常事態、特に冷却装置の故障の場合、できるだけ長く温まらないことが重要である。これは特に側壁120の断熱構造で達成される。
緊急時にも内部で歩行可能であり、自動化を可能とする低温室による生体試料の低温保存のための、本発明に係る冷却システムにおいては、所定の装置及び/又は予め定められた手順により、空間的要件に関して異常事態対策が構築されている。従って、異常事態において対象となる低温室からの可能な限り迅速な試料の回収、ひいては作業員が巻き込まれた場合、対象となる低温室への作業員の出入りのための手順が確定され、さらに必要な装置が提供される。異常事態をよりよく理解できるようにするため、ここではまず本発明に係る冷却システムの通常運転モードを説明する。
[1.通常運転]
通常運転の際、冷却システムは、低温室の初期冷却、通常冷却、技術点検、保全・修理作業、スタンバイ動作、低温室内の試料保管の閉鎖を含む運転モードの内のいずれかで運転される。
初期冷却に際して、全設備及びあらゆる予備室を含む低温室全体が完全に乾燥される。乾燥は、例えば加熱、低温室の外部からの密閉及び乾燥ガスの導入によってなされる。低温室の密閉には、例えば図8を参照して後述する外郭装置が使用される。その後、液体窒素が第一冷却装置200に充填される。第一冷却装置200の冷却中に、大量に乾燥窒素ガスが生成され、内部空気を低温室から押し上げる。これは第一冷却装置200が冷却され、窒素ガスがこれ以上生成されなくなり、外郭装置下で酸素濃度が限りなく低くなるまで続けられる。その後、外郭装置が取り外され、低温室がさらに−140℃未満まで冷却されれば、冷却システムの試料保存用運転が可能となる。
通常冷却中、第一冷却装置には継続的に液体窒素が充填される。液体窒素は揮発し、低温室内の窒素雰囲気が維持される。窒素雰囲気で低温室内の温度は直線的に変化し、床部では−190℃、天井部では−140℃となっている。乾燥した低温の窒素ガスは低温室から上方のオペレーションルーム内に押し上げられ、そこから外部に放出される。試料の貯蔵、取り出しは、通常冷却中に自動で行われる。低温室内のカメラにより、着氷が生じてしまったことが検知された場合、それは側壁からの漏出を示唆するため、例えば漏出路内で氷結する液体を圧入して漏出路を塞ぐ。
技術的点検として、冷却システムのセンサ、カメラ、供給要素が検査される。特に、センサの検査として、第一冷却装置による弱冷却期の後、液体窒素を充填し、その結果生じる低温室内の温度変化をセンサで捉える。
保全・修理作業のため、作業員3が低温室に入室する(図1参照)。精子バンクは数10年ものあいだ間断なく冷却を行うよう運転されるため、保全・修理作業中も低温室内の温度は上げてはならない。従って、作業員3は独自に空気、電気の供給源を持ち、温められた防護服を着用する。低温室内には酸素がないため、防護服を着用したもう一人の作業員4が低温室内100内の作業員3の安全のために上部オペレーションルーム400内に待機している。両作業員3,4は無線でつながっており、カメラシステム又は防護服を着用した第3の作業員5により外部から監視される。機械的救助システム(ロープウィンチ)が起動され使用準備完了となる。防護服は救助ロープに接続されている。防護服内の温度及び呼吸空気供給はセンサにより検出され、ユーザ及び外部スタッフに伝達される。限界値を下回った場合、異常事態が記録され、必要に応じて警報が鳴る。
また通常運転に代えて、スタンバイ運転を行ってもよい。冷却装置の故障や液体窒素不足が起きると、低温室は可能な限り長く冷却状態を維持する。この場合は、必要でない装置の電源は全て切られる。低温室の検査は実施されず、開口部はすべて閉じられる。可能であれば、追加の液体窒素貯蔵装置を接続して、第一冷却装置の床槽を充填する。また電気的補助冷却を起動させる。スタンバイ運転モードは、低温室内の温度を一定期間(数日、数週間、数か月)−80℃まで上昇させることを含むこともできる。スタンバイ運転モードにおいて、低温室100内の温度等が限界値を上回ると、異常事態が記録され、必要に応じて警報が発せられる。
低温室内の在庫試料の一掃は、所定の一連の方策を含む。上部オペレーションルーム内は−50℃から−80℃の間の温度となる。試料容器は自動的に上部オペレーションルーム内に送られ、重冷却済み輸送容器に入れられる。着氷を避けるため、容器は閉じられ、輸送される。必要に応じて、本作業は上部オペレーションルーム内の、防護服を着用した作業員により補助されてもよい。
[2.異常事態]
少なくとも以下の動作状態によって、冷却システム内に異常事態が起こりうる。具体的には、冷媒供給障害及び/又は技術障害による第一又は第二冷却装置の故障、急激な温度上昇による全冷却装置の完全故障、作業員の防護服の動作不良、停電、ショート、冷却システム内部又は外部の火災、浸水、あらゆる不法侵入、犯罪行為等である。
停電又はショートの場合、窒素冷却に大きな問題はない。無停電電源及び緊急用電源が設けられることが好ましい。低温室自体では火災はまずおこらない。装置の床でも、室内に酸素がない限り火災は起こりえない。通常、異常事態で換気システムを通じて室内に酸素が侵入している場合にのみ問題が生じる。そして火災が起きたとしても、粉末消火剤が冷却システムの室内に配置されており、さらに非常スイッチが全室にあるため、電気故障により起こりうるいかなる火災も容易に防ぐことができる。外部の火災の場合、消防署は単に、浸水に対して水漏れしないよう設計される必要のある低温室装置を冷却し、壁が破壊されないようにすればよい。低温室の外部に耐火コーティングを施すとよい。不法侵入又は犯罪行為はセンサ(人感センサ、IR検知器)及びカメラで検出され、必要に応じて警報機401により警報が発せられる(図1参照)。
具体的に異常事態が検出されるかは、各動作状態の期間とその間の動作によって決まる。異常事態においては、作業員及び/又は試料は、低温室内で所定の通常状態と異なる動作状態に置かれる。
一つ以上の冷却装置の故障の影響は、どの冷却装置が主要冷却システムであり、どの冷却装置が補助安全冷却システムなのかによって決まる。主要冷却装置が電気的冷却システム(図1における第二冷却装置)である場合、停電又はその他故障が起きると、低温室は数時間内に温められる。そこで、臨界温度、例えば−138℃に達すると同時に、補助安全冷却システム(図1の第一冷却装置)の運転を開始する必要がある。このため、床槽210内に液体窒素が送り込まれる。液体窒素は冷却システム外の貯蔵装置、例えば窒素タンクローリーから供給される。一方、主要冷却システムが液体窒素により作動し、補助安全冷却システムが電気的冷却を行う場合、例えば液体窒素供給中断による主要冷却システムの故障はそう重大ではない。低温室100内の床槽210に液体窒素がある限り、冷凍室内の運転温度は例えば数日から一週間の間保たれる。そして床槽210内の液体窒素220が完全に蒸発する前に、補助安全冷却システムが起動される。
主要冷却が修復不能な故障を起こし、補助安全システムで補いきれない場合及び/又は低温室を温めなければならないような修理が主要冷却又は補助安全冷却システムに必要になった場合、異常事態となる。更に、すべての冷却装置、即ち主要冷却と、補助安全冷却システムが故障した場合、低温室100の温度は−138℃を超える可能性が高く、その場合にも異常事態となる。この場合、以下に図2、図3を参照に説明するように試料を退避させる必要がある。
低温室100からの試料退避用に、側壁120の外側のドッキング装置128に退避ゲートを510有する退避コンテナ500が配置される(図2)。退避コンテナ500は開口部503により壁開口部127に連通し、液体窒素を収容する容器槽501と扉504を有する断熱室を備える。容器槽501上方に、開口部503から退避コンテナ500と扉504を通じて退避ゲート510内まで延在する作業プラットホーム502,511が配置される。退避コンテナ500と退避ゲート510の間に、ガス通路505が設けられる。ガス通路505を通じて、退避コンテナ500からの窒素ガスが退避ゲート510から流出する。これにより、湿った空気の侵入が最小限にとどめられ、着氷が防止されるという利点がある。
異常事態下の低温室100からの試料の退避は以下の工程を含む。まず、退避コンテナ500は側壁120の外側に配置され、ドッキング装置128に固着される。続いて、退避コンテナ500内部が冷却される。容器槽501内の液体窒素により温度が、−50℃未満、特に−80℃未満に調整される。その後、壁構成部125を除去することで壁開口部127が形成される(図1参照)。
そして試料退避のその後の工程として、試料が低温室100内の試料保持装置140から取り出され、回転可能な凍結用タンク506(デューワタンク)内に移される。このために、防護服を着用した作業員3が退避ゲート510及び扉504から退避コンテナ500に入り、扉開口部127から冷凍室100に入室する。退避コンテナ500がドッキング装置128と固く結合しているため、試料の退避は中断可能という利点がある。壁開口部127は、例えば、後に退避を再開するために閉鎖可能である。
本発明の変形例によれば、退避コンテナ500は側壁120の外側に固定的に接続可能である。この場合、低温室100と退避コンテナ500とが断熱的及び気密的に接続されていることが有効である。
冷却システム内の動作状態として、低温室100から試料やけが人を即座に移動させなければならない状況が生じうる。これは例えば、火災や機械的作用により低温室内の試料が破壊される虞がある場合及び/又は、作業員が低温室内で負傷した場合である。この場合、図2の退避コンテナ500を通じての退避は時間がかかりすぎる可能性があるため、代わりに作業員及び試料の迅速な回収が行われる。当該の迅速な回収中には、試料の冷却を保ちながらも着氷に係わらず低温室100から試料及び又は作業員を移動させる。
迅速回収のために、図3のように傾斜路520が側壁120の外側に設けられる。傾斜路は側壁120内の壁開口部127の下端から冷却システム周辺の床521まで延びる。壁開口部127及び傾斜路520は退避ゲート530により囲われてもよい。退避ゲート530により、壁開口部127外部に、局地的に乾燥した、更に必要に応じて冷却された環境を作り出すことができる。退避は傾斜路520を通じて、下記の工程を通じて行われる。
異常事態が検出されると、傾斜路520が側壁120の外側に配置される。壁構成部125が除去され、壁開口部127が形成される。壁構成部125は、機械工具により手動で又は指向性爆破により除去可能である。機械工具による動作は、例えば切り出しや機械的圧出である。
防護服を着用した補助員4は、壁開口部127を通じて低温室100に入室し、負傷した作業員3及び/又は試料入りの棚141を低温室100から傾斜路520を通じて移動できる。傾斜路520から、試料は準備されていた凍結用タンク522内に移され、固定される。異常事態で、低温室100内に暖気が入り込む可能性があれば、補助員4は防護服を着用する必要がない。この場合は、補助員4は暖かい服装をし、フェイスシールドを着用すればよい。
図4及び図5に、保護装置600を使用した、低温室100内の作業員3の救出を概略的に示す。本変形例においては、保護装置600は外部換気システム630に通気路620を通じて接続される被覆部材610を備える。被覆部材610は金属箔等の、低温室内の動作温度で可撓性を有する部材で構成される。冷却システムの通常状態において、低温室100内で被覆部材610は折り畳まれた状態である。異常事態において、下記のように、被覆部材610は補助員4により広げられ、負傷した作業員3の保護に使用される。
低温室100内で、作業員3は例えば気絶又は怪我をしたり、防護服の動作不良による悪影響を受けたり、照明不良にさらされたり不安発作を起こす可能性がある。自助不能な状態で作業員3は低温室100の床部に横たわる。この異常事態が検出されると、第二救助員4がオペレーションルーム400から梯子で低温室100内に降り、第二救助員5は安全のために待機する。
まず、第二救助員4は異常状態の原因を特定する。作業員3の動作限界度は第二救助員5及び必要とあれば冷却システム外のその他の救助員に伝達される。作業員3の防護服の動作不良により異常事態が引き起こされたのであれば、救助員4は自身の防護服の供給部を一時的に作業員3の防護服に接続してもよい。
例えば防護服の主要機能の故障により作業員3に命の危険が迫っている場合、低温室100内でのこのような問題のある動作状態は呼吸空気の提供、温度の上昇により、即座に、例えば1分以内に変更される必要がある。このために被覆部材610が使用される。救助員4は被覆部材610を広げ、作業員3を覆う。可能であれば、局地的環境の作成を容易とするため、これ以前に断熱マット611を床に広げてもよい。被覆部材610は外部換気システム630に通気路620を通じて結合される。外部換気システム630は換気装置及び加熱装置を収容する。外部換気システム630により、暖かい呼吸空気を被覆部材610内に送り込む。空気のスループットが高い場合、局地的環境は急速に温められ、作業員3は防護服を使用する必要がなくなる。乾燥空気を使用する場合、霧が生じることはなく、作業員3の防護ヘルメットを取り外してもよい。
作業員3が回復後動けるようになれば、防護服を再度着用の上、梯子で低温室100を出てもよい。逆に動けなければ、作業員3はまず被覆部材610内にとどまり、低温室100内にさらに救助員が入り、必要ならばロープ式引上げ機151を使用し、天井開口部を通じて退避されるまで待つ。
また本発明の変形例によれば、図6に概略的に示すように、保護装置は低温室100内に局地的に保護環境を作るための可動隔壁640を備えることもできる。低温室100には、上方、例えばオペレーションルーム400(図1参照)から低温室100内に挿入される可動隔壁640系が設けられる。隔壁640により、外部換気システム(図示せず)に通気路を通じて結合される複数の個別の隔室641が形成できる。
隔壁640による低温室100の区画化によっても、試料を低温室100から退避し易くなる。例えば、隔壁640により、隔室642等の箇所が低温室100の他部から断熱的に隔離される。その後、試料は別々の部分から、例えば天井開口部131を通じて持ち上げて退避可能である(図1参照)。複数の低温室が前後に又は同心状に並べられた低温室システムにおいては、試料は棚の状態で又は個別に迅速かつ容易に水平移動可能であり、試料が隔室642内に収容されるまで隔壁640の引き上げ、引き下げが行われる。その後、例えば試料と共に完全に移動(持ち上げ、移動、運搬)可能な隔室642から完全退避が実行可能である。
図7は、昇降装置700を備える冷却システム1の概略断面図を示す。冷却システム1は大型フレーム720及びベースプレート730に嵌め込まれる。昇降装置700により、例えば洪水から冷却システム1を守るため、低温室100の動作高度が変更可能となる。昇降装置700は例えば、油圧式運搬機710及び/又はクレーン(図示せず)を備える。ベースプレート730は油圧式支持部710により持ち上げ可能である。フレーム720には、冷却システム1をクレーンにより持ち上げ可能とする係合部材721が設けられる。
冷却システム1が通常の輸送コンテナ程度の大きさならば、冷却システム1はクレーンにより持ち上げられることが好ましい。それ以外の場合、例えば1〜2mの範囲の上昇に用いられる油圧式支持部710により持ち上げられる。或いは、クレーンによる隔室642等の低温室の一部の上昇(図6参照)が行われてもよい。
図8はシステム保護環境を作り出すことが可能な外郭装置800を概略的に示す。外郭装置800は冷却システム全体を保護環境下に置くよう構成される。外郭装置800は例えば上からの浸水及び/又は気象現象に対する保護が可能である。
外郭装置800は、換気装置830に空気供給部820を通じて接続され、冷却システム1周辺の床に固定部850により固定される気密性可撓性箔810を備える。供給された空気は排気口840から排出可能である。箔810は、例えば(ポリエチレンのような)ポリオレフィン、ポリプロピレン、又はポリカーボネート等のプラスチック製であり、単層又は多層複合箔として形成される。
以上、明細書、図面及び特許請求の範囲で開示した本発明の特徴は、単独でも、又は組み合わせた状態でも、種々の実施形態において本発明を実現するために重要となり得る。

Claims (18)

  1. 床部(110)と、側壁(120)と、天井部(130)により形成される低温室(100)と、
    液体窒素(220)により前記低温室(100)を冷却する冷却装置(200)と
    を備え、生体試料(2)の低温保存を主用途とする冷却システム(1)であって、
    少なくとも一の前記側壁(120)に、当該少なくとも一の側壁(120)の一部であって、対応する側壁(120)に壁開口部(127)が形成可能なように、当該側壁(120)に対して移動可能な、少なくとも一の所定の壁構成部(125)を設けてなることを特徴とする冷却システム。
  2. 請求項1に記載の冷却システムであって、
    前記少なくとも一の壁構成部(125)は、
    前記側壁(120)の取り外し可能な壁部位であること、
    前記側壁(120)に対して垂直に移動可能であること、
    作業員(3)により手動で移動可能であること、
    前記側壁(120)から分離可能であること、
    の少なくともいずれかであることを特徴とする冷却システム。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却システムであって、
    退避コンテナ(500)用のドッキング装置(128)及び/又は前記壁構成部(125)又は前記壁開口部(127)の下端から冷却システム(1)周辺の床まで下降する傾斜路(520)が、前記少なくとも一の壁構成部(125)を備える側壁(120)の外側に配置されてなることを特徴とする冷却システム。
  4. 請求項3に記載の冷却システムであって、
    前記ドッキング装置(128)は、前記低温室(100)と、前記退避コンテナ(500)とを、冷却システム(1)外部に対し、断熱的及び気密的に接続するように構成されてなることを特徴とする冷却システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の冷却システムであって、
    前記低温室(100)内に、前記低温室(100)内部へのあらゆる不法侵入に対し警報を発するように構成された警報機(401)が設けられてなることを特徴とする冷却システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一に記載の冷却システムであって、
    作業員(3)の周囲に局地的な保護環境を作るように構成される保護装置(600)が、前記低温室内に設けられてなることを特徴とする冷却システム。
  7. 請求項6に記載の冷却システムであって、
    前記保護装置(600)が、前記低温室内で移動可能な被覆部材(610)を備え、
    前記被覆部材(610)内に温風を送り込むよう構成された外部換気システム(630)が設けられてなることを特徴とする冷却システム。
  8. 請求項6又は7に記載の冷却システムであって、
    前記保護装置(600)が、前記低温室内で移動可能であって、前記低温室(100)内で隔室(641,642)を形成可能な可動隔壁(640)を備え、
    前記隔室(641,642)内に温風を送り込むよう構成された外部換気システム(630)が設けられてなることを特徴とする冷却システム。
  9. 請求項6〜8のいずれか一に記載の冷却システムであって、
    前記保護装置(600)に、前記作業員(3)を前記床部(110)から断熱可能な断熱マット(611)を設けてなることを特徴とする冷却システム。
  10. 請求項1〜9のいずれか一に記載の冷却システムであって、さらに
    前記冷却システム(1)周辺の床に対し、前記低温室(100)又はその一部の動作高度を変化させるよう構成された昇降装置(700)を備えることを特徴とする冷却システム。
  11. 請求項10に記載の冷却システムであって、
    前記昇降装置(700)が、クレーン及び/又は油圧式運搬機(710)を備えることを特徴とする冷却システム。
  12. 請求項1〜11のいずれか一に記載の冷却システムであって、
    前記冷却システム(1)を囲うシステム保護環境を作るように構成された外郭装置(800)が設けられてなることを特徴とする冷却システム。
  13. 請求項1〜12のいずれか一に記載の冷却システム(1)を運転する方法であって、
    作業員(3)及び/又は試料(2)が、低温室(100)内で所定の通常状態と異なる動作状態に晒される、前記冷却システム(1)の異常事態を検知する工程と、
    前記作業員及び/又は前記試料が、前記通常状態と同等の動作状態に置かれるよう、前記作業員(3)及び/又は試料(2)の状態を変更する工程と
    を含むことを特徴とする冷却システムの運転方法。
  14. 請求項13に記載の冷却システムの運転方法であって、
    前記作業員(3)及び/又は前記試料(2)の状態を変更する工程が、
    少なくとも一の前記側壁(120)に前記壁開口部(127)を形成し、前記作業員及び/又は前記試料を、前記壁開口部(127)を通じて前記低温室(100)から退避させる工程と、
    前記保護装置(600)により、前記低温室内の作業員(3)の周囲に局地的な保護環境を作る工程と、
    前記冷却システム(1)周辺の床に対する前記低温室(100)又はその一部の動作高度を、前記昇降装置(700)により変更する工程と、
    前記外郭装置(800)により、前記冷却システム(1)を囲むシステム保護環境を作る工程
    の少なくとも一を含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項14に記載の冷却システムの運転方法であって、
    前記壁開口部(127)を形成し、前記作業員(3)及び/又は前記試料(2)を退避させる工程が、デュワーフラスコを用いて前記試料(2)を、前記壁開口部(127)を通じて前記退避コンテナ(500)内に移動する工程を含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項14に記載の冷却システムの運転方法であって、
    前記局地的な保護環境を作る工程が、
    前記作業員(3)を前記低温室内で移動可能な前記可撓性被覆部材(610)で覆う、又は前記低温室内で可動な前記可動隔壁(640)により、前記作業員を収容する隔室(641,642)を形成する工程と、
    前記被覆部材(610)又は前記隔室(641,642)内に温風を送り込む工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項14に記載の冷却システムの運転方法であって、
    前記低温室(100)の動作高度を、クレーン及び/又は油圧式運搬機(710)で変更することを特徴とする方法。
  18. 請求項14に記載の冷却システムの運転方法であって、
    前記システム保護環境を作る工程は、
    気密性箔(810)で前記冷却システム(1)を覆う工程と、
    前記気密性箔(810)に覆われた空間に温風を送り込む工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
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