JP2014503232A - 磁気標的装置、システム、及び方法 - Google Patents
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Abstract
治療システムは、磁気標的カテーテルと、複数のMNPとを含む。MNPは1種以上の磁場応答剤及び1種以上の治療薬を含むことができる。カテーテルは、少なくとも1つのルーメンを有する内側シャフトと、内側シャフトから、カテーテルを取り囲む空間内に流体を投与するようになっている流体送達バルーンとを含むことができる。磁化可能な材料から形成された拡張可能なメッシュが流体送達バルーンを取り囲むことができる。カテーテルは、さらに、カテーテルが設置された血管を通る血流を制御するために1つ以上の閉塞バルーンを含むことができる。医学的状態を治療する方法は、所定の部位に磁気標的カテーテルを前進させるステップと、カテーテルに結合された拡張可能なメッシュを展開するステップと、メッシュに磁場を印加するステップと、複数のMNP又はMNPをローディングされた細胞をメッシュの近くに堆積するステップとを含むことができる。
Description
関連出願
本願は、2010年11月4日付けで出願された米国特許出願第61/410,156号明細書の優先権と、2011年5月2日付けで出願された米国特許出願第61/481,447号明細書の優先権とを主張する。両方の出願の内容は全体を参照することにより組み入れられる。
本願は、2010年11月4日付けで出願された米国特許出願第61/410,156号明細書の優先権と、2011年5月2日付けで出願された米国特許出願第61/481,447号明細書の優先権とを主張する。両方の出願の内容は全体を参照することにより組み入れられる。
本発明は、概して、人間及び動物の治療に関し、より具体的には、人間及び動物内に容易に挿入可能であり且つ人間及び動物から容易に取り外し可能な磁気標的装置を使用して治療化合物を送達するためのシステム及び方法に関する。
発明者は、治療薬を含有する酸化鉄含有の磁気応答型生分解性ナノ粒子の、生体内に永久的に展開された超常磁性ステントへの磁気標的のための処置を以前に開発してきた。このアプローチの実現可能性は、薬物、遺伝子ベクター及び細胞治療薬の送達に関して実証されている。発明者はまた、永久ステントに対するMNPの標的化を比較的均一な磁場を印加することによって増強し得ることを示してきた。磁気標的処置の種々の態様が記載された次の特許明細書及び特許出願公開明細書、すなわち米国特許第7,846,201号明細書、米国特許出願公開第2009/0216320号明細書、同第2009/0082611号明細書、同第2010/0260780号明細書、及び国際公開第2004/093643号が、参照することにより本明細書中に組み入れられる。
超常磁性材料から成る永久ステントへ均一磁場を印加することによって、磁気ナノ粒子(MNP)の標的送達が実施されている。永久ステントは、永久インプラントが標的部位における長いMNP保持時間を保証するという想定に基づいて、標的として使用されている。残念ながら、このアプローチは、所定の位置に永久インプラントを有してはいないが治療を必要とする部位に対する選択肢にはならない。
本発明の1実施態様による、医学的状態を治療するシステムは、超常磁性材料を含む磁気標的カテーテルと、複数のMNPとを含む。MNPは1種以上の磁場応答剤及び1種以上の治療薬を含む。
本発明による、医学的状態を治療する装置は、中空管状体を含むカテーテルと、カテーテルの遠位端に取り付けられた送達アセンブリとを含んでいてよい。送達アセンブリは、カテーテルを通って延び且つ遠位端を有する膨張管を含んでよい。膨張管の遠位端には内側バルーンが取り付けられていてよい。カテーテルを通って、遠位端を有する注入管が延びていてよい。注入管の遠位端には外側バルーンが取り付けられていて、この外側バルーンは内側バルーンを包囲していてよい。外側バルーンは壁を含んでいてよく、壁は、壁を通して延びている複数の細孔によって穿孔されている。カテーテルを通って、遠位端を有する制御ロッドが延びていてよい。メッシュが制御ロッドの遠位端に取り付けられ且つ外側バルーンの少なくとも一部を取り囲んでいてよい。
本発明による、1種以上の治療薬で医学的状態を治療する方法は、1種以上の治療薬を必要とする人間又は動物の部位に磁気標的カテーテルを前進させるステップと、超常磁性材料を含む、磁気標的カテーテルの遠位端に結合された拡張可能なメッシュを展開するステップとを含んでよい。この方法は、メッシュを一時的に磁化するのに十分な均一磁場を、この磁場を生成するためにダイポール以上の複素磁石アレイを使用してメッシュに印加するステップと、磁場の印加の間に、1種以上の磁場応答剤及び1種以上の治療薬を含む複数のMNPをメッシュの近くに堆積するステップとを含んでもよい。磁気媒介送達がいくつかのステップによって行われてよい。均一磁場の印加中、MNPは、動脈壁の内膜と直接接触している標的カテーテルの先端のメッシュ構造に吸引される。標的カテーテル先端のメッシュに束縛されていない、局所的に送達される他のMNPは動脈壁内に装置のメッシュ構造内の空間を通って散乱される。このことは、均一磁場によって標的カテーテル先端のメッシュ構造内に形成された高い磁力勾配に起因して発生する。均一磁場が断絶されると、装置に付着するMNPはもはや超常磁性メッシュに吸引されることはなく、メッシュから放出され、ひいては近くの動脈壁組織(細胞外マトリックス及び細胞)によって取り込まれる。MNPは、部位の組織に対する付着力を高めることができるリガンドを表面上に有していてよい。この方法はさらに、メッシュを展開解除するステップと、人間又は動物の別の個所に磁気標的カテーテルを動かすステップとを含んでよい。
本発明による、1種以上の治療薬で医学的状態を治療する別の方法は、1種以上の治療薬を必要とする人間又は動物の部位に磁気標的カテーテルを前進させるステップと、超常磁性材料を含む、磁気標的カテーテルの遠位端に結合された拡張可能なメッシュを展開するステップとを含んでよい。この方法はまた、メッシュを一時的に磁化するのに十分な磁場をメッシュに印加するステップと、磁場の印加の間に、1種以上の磁場応答剤及び1種以上の治療薬を含むMNPをローディングされた複数の細胞をメッシュの近くに堆積するステップとを含んでもよい。この方法はさらに、メッシュを展開解除するステップと、人間又は動物の別の個所に磁気標的カテーテルを動かすステップとを含んでよい。
流体を血管内に送達するための装置は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる中空体とを含む内側シャフトを含んでいてよい。中空体は、内側シャフトを通って近位端から遠位端に延びる少なくとも1つのルーメンを含んでいてよい。内側シャフトから血管内に流体を投与するようになっている流体送達バルーンが、カテーテルを取り囲んでいてよい。流体送達バルーンは、内部空間を取り囲むバルーン壁を含んでいて、バルーン壁は、バルーン壁を通して延びる少なくとも1つの開口を形成していてよい。バルーン壁は内側シャフトの遠位部分の周りに配置されていて、内側シャフトの遠位部分は、流体送達バルーンの内部空間と流体連通する少なくとも1つのポートを含んでいてよい。拡張可能なメッシュが流体送達バルーンを取り囲んでいてよい。拡張可能なメッシュは近位端と遠位端とを含み且つ磁化可能な材料から形成されていてよい。
発明者は最近、治療個所におけるMNPの保持を確立するために、ステント又は他のインプラントの永久的な存在は必要でないことを見いだした。むしろ、発明者は、取り外し可能又は「一時的」な磁気標的装置、例えば磁気標的カテーテルを使用して、MNPを、MNPが保持されることになる特定部位に標的化し得ることを見いだした。発明者は、永久インプラントとは対照的に、磁気標的カテーテルの使用に多くの利点があることを見いだした。磁気標的カテーテルを使用することによって、永久インプラントを含有する領域を含む事実上あらゆる環境、例えば動脈、又は他の組織個所にMNPを磁気送達することができる(例えば非磁性金属、例えばニチノール、生分解性ステントなどを標的化することもできる)。磁気標的カテーテルは、インプラントが展開されていない部位、例えばバルーン血管形成処置、すなわち末梢動脈疾患(PAD)のいくつかの事例に対して未だに用いられる処置だけで治療されている動脈に使用することもできる。永久インプラントとは異なり、磁気標的カテーテルは、疾患動脈内部の他の個所、又は他の個所に動かされることができ、磁気標的カテーテルを取り除く前に、異なる個所に同じ一時的装置を用いて治療を施すことが可能になる。磁気標的及び動脈壁取り込み(arterial wall uptake)が迅速に行われるので、カテーテル処置で採用され得る磁気標的カテーテルを使用して、多数の疾患動脈領域を治療することができる。
従って、本発明の1態様は、疾患を有する動脈内又はその他の個所内で一時的磁気標的装置に、治療薬を含有するMNPを送達するシステム及び方法を提供する。一時的な装置、システム、及び方法によって、ステント又は他のインプラントを留置することなしに、MNPを部位に標的化して堆積することができる。
本発明の装置、システム、及び方法を、人間又は動物の患者におけるカテーテル・アクセス可能な部位に、治療薬を含むMNPを送達するために用いることができる。種々の医学的状態をこのような態様で治療することができる。例えば、種々の病理学的状態、例えば動脈疾患、及び泌尿器系疾患、気管支ステントを必要とする状態、及びステント展開、例えば胆管ステントの使用によって治療される胃腸状態を含む目下のところステント介入によって治療されるその他の障害を治療することができる。便宜上、発明者は本発明の説明を動脈疾患の治療に集中して行うことにするが、最も広い形態において、人間又は動物の患者における数多くの種々異なる部位の治療に本発明を適用することができる。
本発明の装置、システム、及び方法は、治療を必要とする動脈又はその他の部位内に一時的に設置されるのに適した設計を有し、且つ、超常磁性材料を含む磁気標的装置を特徴とすることができる。好ましい実施態様の場合、磁気標的カテーテルは、カテーテルと拡張可能なワイヤメッシュとを含んでおり、メッシュはカテーテルと一体的であるか又はカテーテルに永久的に固定されている。本発明の装置、システム、及び方法は、複数のMNPを特徴とすることもできる。好ましい実施態様では、MNPは、動脈壁への付着力(又は上記のようなその他の関連する標的部位、例えば胆管などの組織に対する付着力)を高めるための表面改質を有している。MNPの代わりとして、本発明の装置、システム、及び方法は、MNPをローディングされた細胞を送達する。
本発明の装置、システム、及び方法はさらに、非標的MNPを捕捉して取り除くために磁気標的カテーテルよりも「下流側」の個所で使用することができる磁気フィルタを含んでいてもよい。本明細書中に使用される「非標的」という用語は、磁気標的カテーテル及び動脈壁による捕捉から逃れた磁気ナノ粒子を意味する。フィルタは、下記の例において明らかになるように、磁気標的カテーテルとは完全に別個の構成要素であってよく、又は磁気標的カテーテルの構成要素であってもよい。
さらに、本発明の装置、システム、及び方法は、MNPが動脈壁に標的化されている間、動脈を一時的に閉塞して動脈内の流れを制限するように設計された1つ以上の閉塞バルーンを含んでいてよい。動脈内の流れを制限することにより「流失(washout)」を低減することができる。流失は、MNP又は細胞が動脈壁に達した後、動脈流が動脈壁からMNP又は細胞を引き出すときに発生する。流失を低減することによって、標的化された動脈セグメント内のMNP及び細胞の保持力を増強する。フィルタと同様に、閉塞バルーンも磁気標的カテーテルとは完全に別個であり又は磁気標的カテーテルの構成要素であってもよい。
超常磁性材料(例えば304ステンレス鋼、420ステンレス鋼、430ステンレス鋼、及び他のもの)を含有する磁気標的カテーテルを使用すると、優れた標的化及び保持が可能である。超常磁性材料を使用するのに加えて、標的MNPの親和性表面改質によって動脈壁への付着力が高められたMNPによっても、優れた標的化及び保持が可能である。磁気標的カテーテルはカスタム・メイドのカテーテルから構成されうる。カテーテルを使用して、疾患動脈内部の個所にアクセスすることができる。この個所は以前に、非磁気応答型のステントによってステント留置されたことがあるかもしれず、或いは未だにステントを含有している場合もある。一旦磁気標的カテーテルが動脈を通って治療部位に達すると、その部位にMNPを良好に捕捉できるのに十分な時間にわたって、磁気標的カテーテルの部位内に均一磁場が印加される。MNPの保持を確立するには5分間(又は状態に応じた他の継続時間)で十分である。このことは図1に示されている。図1は、5分間にわたって印加された均一磁場(0.1T)の存在及び不在における超常磁性ステント上及び動脈壁(ラット頸動脈)上の磁気ナノ粒子の保持レベルを示す図である。5分間の磁場曝露の終了時に、動物を直ちに安楽死させ、ステント留置された動脈壁セグメントと比較した磁気ナノ粒子レベルに関する別々の分析を行うために、ステントを取り出した。この記述の終わりに、実施した試験を要約し、試験手順及び収集データを記載する。
脆弱なプラーク領域における治癒を促進すべく、閉塞を敏感に軽減することと、動脈に「足場(scaffold)」を形成すること、すなわち適切な機械的な支持を動脈に提供することとの両方のために、PADのほとんどの事例では、永久埋め込み型ステントが必要とされることに留意されたい。従って、本発明の1実施態様は、一次処置においてPADのために永久ステントを設置し、そして安定な展開が達成されたら、磁気標的カテーテルによる血管磁気介入を、磁気標的だけを目的として実施する。同様に、動脈が以前に所定の位置において永久ステントによるステント処置を受けたことがあるならば、好適な一連の処置は、MNPを治療カーゴ(therapeutic cargo)とともに動脈壁に送達すべく、1)閉塞部位を診断することと、2)閉塞を機械的に軽減するための処置を実行すること、例えばバルーン拡張、又は回転ブレード・アテローム切除カテーテル(rotating-blade atherectomy catheter)を使用することと、3)磁気標的装置を使用して血管磁気介入を実施することとを含むことができる。
装置、システム、及び方法の構成要素のそれぞれをここで詳細に説明する。
磁気標的装置
一般に使用される永久ステントは、超常磁性材料を採用しておらず、従って、外部から印加された磁場によって相当なレベルまで一時的に磁化されることはできない。このように、永久ステントは磁気ナノ粒子を強く引き付けることができない。対照的に、本発明による磁気標的装置、例えば磁気標的カテーテルは、超常磁性材料、例えばステンレス鋼、HyMu80(登録商標)合金、及び本発明による使用に適したその他の材料から形成されている。このような磁気標的カテーテルは、所定の場所に既にステントがあるかないかとは無関係に、動脈領域内に展開されることができ、次いで均一磁場に曝露されることによって、磁気標的装置を一時的に磁化し、そして装置がMNPで標的化されることを可能にする。下記は、本発明の種々異なる模範的な実施態様による磁気標的装置のいくつかの例である。
一般に使用される永久ステントは、超常磁性材料を採用しておらず、従って、外部から印加された磁場によって相当なレベルまで一時的に磁化されることはできない。このように、永久ステントは磁気ナノ粒子を強く引き付けることができない。対照的に、本発明による磁気標的装置、例えば磁気標的カテーテルは、超常磁性材料、例えばステンレス鋼、HyMu80(登録商標)合金、及び本発明による使用に適したその他の材料から形成されている。このような磁気標的カテーテルは、所定の場所に既にステントがあるかないかとは無関係に、動脈領域内に展開されることができ、次いで均一磁場に曝露されることによって、磁気標的装置を一時的に磁化し、そして装置がMNPで標的化されることを可能にする。下記は、本発明の種々異なる模範的な実施態様による磁気標的装置のいくつかの例である。
例1
図2A〜2Cに示された第1の例において、カテーテル1150に設けられた一時的動脈ステント1100が本発明による磁気標的装置として使用される。ステント1100は、カテーテル1150の先端に永久的に位置決めされた超常磁性材料(ステンレス鋼)から形成されている。図2Aに示されているように、ステント110及びカテーテル1150を動脈Aの内部で閉塞領域に前進させる。次いで、図2Bに示されているように、ステント1100を、まだカテーテル1150に付着している状態で展開する。次いで、(参照することによって本明細書中に組み入れられる)Proc. Natl. Acad. U.S.A. 2010 May 4;107(18):8346-51に記載された技術を用いて、動脈領域全体にわたって、均一磁場(典型的には約0.1T)を形成する。磁場が形成されると、治療MNPがステント110の近くに堆積される。短い時間の後、例えば1〜5分後、磁場を断絶する。ステント110の展開を解除し、そして図2Cに示されているように、カテーテル及びステントを取り出す。
図2A〜2Cに示された第1の例において、カテーテル1150に設けられた一時的動脈ステント1100が本発明による磁気標的装置として使用される。ステント1100は、カテーテル1150の先端に永久的に位置決めされた超常磁性材料(ステンレス鋼)から形成されている。図2Aに示されているように、ステント110及びカテーテル1150を動脈Aの内部で閉塞領域に前進させる。次いで、図2Bに示されているように、ステント1100を、まだカテーテル1150に付着している状態で展開する。次いで、(参照することによって本明細書中に組み入れられる)Proc. Natl. Acad. U.S.A. 2010 May 4;107(18):8346-51に記載された技術を用いて、動脈領域全体にわたって、均一磁場(典型的には約0.1T)を形成する。磁場が形成されると、治療MNPがステント110の近くに堆積される。短い時間の後、例えば1〜5分後、磁場を断絶する。ステント110の展開を解除し、そして図2Cに示されているように、カテーテル及びステントを取り出す。
例2
図3A及び3Bは、本発明による磁気標的装置としての使用に適した別の装置1200を示している。装置1200は、より典型的にはカテーテル送達式の収縮可能なスネア(snare)と呼ばれるが、これは本発明の目的では磁気標的装置の実施態様として使用し得る。装置1200は、商業的に入手可能なニチノール製ループ・スネア・カテーテル、Merit Medical ,Inc.によってEN Snare(登録商標)として販売されているカテーテルを修正することによって形成されることができる。このカテーテルは、カテーテル端部から出るニチノール製の3つの自己拡張型ループ1210を有しており、典型的には、下大静脈(IVC)フィルタのような血管内装置をスネアリングするために使用される。ループ1210は304ステンレス鋼製ワイヤ1220によって取り囲まれている。これらワイヤはループのそれぞれの周りにらせん状に巻き付けられている。ループ1210の外側に位置決めされた鋼ワイヤ1220は、展開されると動脈との接触を提供し、且つ収縮によって引き込まれることができる。このような装置は、上記の一時的304ステンレス鋼ステントと極めて同じ機能を発揮することができ、すなわち均一磁場曝露中の磁化によって、局地的な動脈壁へのMNP標的を可能にする。本発明に基づく使用に適した他の一時的ステントが、Ham他の米国特許第4,456,667号明細書に開示され、この明細書の全体が参照することによって本明細書中に組み入れられる。
図3A及び3Bは、本発明による磁気標的装置としての使用に適した別の装置1200を示している。装置1200は、より典型的にはカテーテル送達式の収縮可能なスネア(snare)と呼ばれるが、これは本発明の目的では磁気標的装置の実施態様として使用し得る。装置1200は、商業的に入手可能なニチノール製ループ・スネア・カテーテル、Merit Medical ,Inc.によってEN Snare(登録商標)として販売されているカテーテルを修正することによって形成されることができる。このカテーテルは、カテーテル端部から出るニチノール製の3つの自己拡張型ループ1210を有しており、典型的には、下大静脈(IVC)フィルタのような血管内装置をスネアリングするために使用される。ループ1210は304ステンレス鋼製ワイヤ1220によって取り囲まれている。これらワイヤはループのそれぞれの周りにらせん状に巻き付けられている。ループ1210の外側に位置決めされた鋼ワイヤ1220は、展開されると動脈との接触を提供し、且つ収縮によって引き込まれることができる。このような装置は、上記の一時的304ステンレス鋼ステントと極めて同じ機能を発揮することができ、すなわち均一磁場曝露中の磁化によって、局地的な動脈壁へのMNP標的を可能にする。本発明に基づく使用に適した他の一時的ステントが、Ham他の米国特許第4,456,667号明細書に開示され、この明細書の全体が参照することによって本明細書中に組み入れられる。
例3
本発明による動脈用途の一時的標的装置は、カテーテル端部に固定される必要はない。例えば、下肢から肺への血栓塞栓の移動(これらは致命的な肺動脈塞栓を引き起こすおそれがある)をブロックするために使用されたIVCフィルタを、本発明による標的装置として使用してもよい。IVCフィルタは、カテーテルの取り付けなしに所定の場所に展開され且つ残されるように設計されてよい。これらは、肺塞栓がもはや存在しなくなった後で、カスタム設計されたスネア・カテーテルを使用して回収される。模範的なIVCフィルタ900が図4に示されている。フィルタ900はフック910を含んでいる。フック910は、装置の回収を可能とすべく、スネアを先端に有するカテーテルでアクセスされることができる。
本発明による動脈用途の一時的標的装置は、カテーテル端部に固定される必要はない。例えば、下肢から肺への血栓塞栓の移動(これらは致命的な肺動脈塞栓を引き起こすおそれがある)をブロックするために使用されたIVCフィルタを、本発明による標的装置として使用してもよい。IVCフィルタは、カテーテルの取り付けなしに所定の場所に展開され且つ残されるように設計されてよい。これらは、肺塞栓がもはや存在しなくなった後で、カスタム設計されたスネア・カテーテルを使用して回収される。模範的なIVCフィルタ900が図4に示されている。フィルタ900はフック910を含んでいる。フック910は、装置の回収を可能とすべく、スネアを先端に有するカテーテルでアクセスされることができる。
例4
図5及び6を参照すると、本発明による別の磁気標的カテーテル100が概略的に示されている。磁気標的カテーテル100は、図5に示された押し潰し状態、及び図6に示された拡張状態において操作可能である。磁気標的カテーテル100は、カテーテル部分110と送達アセンブリ120とを含む。明確さを目的として切断されたカテーテル部分110は、遠位端114を備えた中空管状体112を有している。遠位端114は送達アセンブリ120に取り付けられている。送達アセンブリ120は、動脈又は他の個所内の治療部位にMNPを送達するために、身体外部の遠隔個所から操作可能である。
図5及び6を参照すると、本発明による別の磁気標的カテーテル100が概略的に示されている。磁気標的カテーテル100は、図5に示された押し潰し状態、及び図6に示された拡張状態において操作可能である。磁気標的カテーテル100は、カテーテル部分110と送達アセンブリ120とを含む。明確さを目的として切断されたカテーテル部分110は、遠位端114を備えた中空管状体112を有している。遠位端114は送達アセンブリ120に取り付けられている。送達アセンブリ120は、動脈又は他の個所内の治療部位にMNPを送達するために、身体外部の遠隔個所から操作可能である。
磁気標的カテーテル100を使用して、MNP、又はMNPを含有する細胞を、均一磁場を印加しながら動脈壁に導くことができる。単純さを目的として、符号188を、MNP、MNPをローディングされた細胞、或いは、MNP、又はMNPをローディングされた細胞を含有する懸濁液に対する符号として用いることにする。
磁気標的カテーテル100は多くの構成要素を含み、多くの構成要素は、動脈内を前進するために狭い外形に押し潰され又は収縮されることができ、その後、動脈壁に接触又は接近するために拡張されることができる。具体的には、送達アセンブリ120は、拡張可能なステントと極めて類似して構成された拡張可能なワイヤメッシュ130を含んでいる。メッシュ130はカテーテル部分110の遠位端114に取り付けられている。カテーテル部分110を通って制御ロッド140が延びており、制御ロッド140はメッシュ130の遠位端132と結合している。
押し動作によって制御ロッド140をカテーテルに対して遠位側に前進させることができる。すなわち、制御ロッド140を遠位側に押し進めることができるので、図5に示されているように、メッシュの断面積が動脈内部の断面積よりも著しく小さいサイズまで減少される。押し潰し状態において、磁気標的カテーテル100を、動脈壁と接触することなしに動脈内部で容易に動かすことができる。メッシュを拡張するために、制御ロッド140をカテーテル部分に対して近位側に引き寄せることもできる。すなわち制御ロッド140を引き戻す(すなわち後方に向かって)ことによって、図6に示されているようにメッシュ130の断面積を拡大することができる。メッシュ130を拡張することができるので、メッシュの周囲は、治療されるべき動脈壁区分と接触状態又は近接状態になる。図6は、磁気標的カテーテル100で標的化されようとする動脈閉塞を有する領域Aを示している。
メッシュ130は、可撓性を有する弾性材料から形成された複数のメッシュワイヤ136を含む。材料の弾性は好ましくは、制御ロッド140を引くとメッシュが容易に拡張し、且つ制御ロッドを押すとメッシュが元の非拡張形状に押し潰されることを可能にする。メッシュ130はまた、超常磁性材料、例えばステンレス鋼304、420又は430から形成されている。ワイヤ136間の間隔は、送達されるべきMNP又は細胞のサイズに応じて特別に設計されている。MNPが送達される場合、ワイヤ136の間隔は好ましくはMNP直径の約5倍〜MNP直径の約10倍である。さらに、それぞれのワイヤ136の直径は好ましくはMNP直径の約2倍〜MNP直径の約10倍である。MNPの直径は概して約50nm〜約500nmのサイズである。
細胞が送達される場合には、メッシュワイヤの間隔は好ましくは細胞直径の約5倍〜細胞直径の約10倍である。各ワイヤ136の直径は好ましくは細胞直径の約2倍〜細胞直径の約10倍である。細胞の直径は一般に約5マイクロメートル〜約15マイクロメートルのサイズである。
メッシュ130は内側バルーン150と外側バルーン170とを含んでいる。外側バルーンは図示のように内側バルーンとメッシュとの間に延びている。カテーテル部分110は、内側バルーン150の近位端152と流体接続する膨張管160を含んでいる。カテーテル部分110は、外側バルーン170の近位端172と流体接続する注入管180も含有している。内側バルーン150は、流体138を内側バルーン内に導入することによって膨張されることができ、且つ流体138を内側バルーンから除去することによって収縮されることができる。流体138は気体(例えばCO2)又は液体(例えば食塩水)であってよい。内側バルーン150が膨張するのに伴って、内側バルーンの外周が外側バルーン170の壁と接触するまで、内側バルーンの断面積は拡大する。外側バルーン170は、内側バルーンが外側バルーンに接触した後に、内側バルーン150の拡張に応じて拡張することを可能にする小さい肉厚の可撓性材料から形成されている。
外側バルーン170は上記のように内側バルーン150を取り囲んでいて、バルーン間のプレナム(plenum)又は空間165を形成している。外側バルーン170の壁171は穿孔されており、バルーン壁を貫通する多数の小さな開口又は細孔172を形成している。それぞれの細孔172は空間165と外側バルーン170の外部との間の流体通路を提供する。細孔172は、外側バルーン170の周りに均一に配列されていてよい。それぞれの細孔172は外側バルーン170が拡張するのに伴って拡大又は拡張する。細孔172は、細孔が拡大されたときにMNP又は細胞188が外側バルーン170を通って放出されることを可能とするのに十分に大きいようにサイズ設定される。注入管180は、MNP又は細胞188の源に接続可能な近位端(図示せず)を有している。この配列において、MNP又は細胞188は、遠隔個所から注入管180内に、そして内側バルーン150と外側バルーン170との間の空間内に注入されることができる。
磁気標的カテーテル100を体内に挿入する前に、磁気標的カテーテルを、図5に示されているような展開解除状態にする。すなわち、一例としてメッシュ130と内側バルーン150と外側バルーン170とを含む、送達装置120の構成要素が押し潰される。具体的にはメッシュ130が収縮され、そして内側及び外側のバルーン150及び170が収縮される。このことは、磁気標的カテーテル100の断面外形を減少させ、磁気標的カテーテルを動脈に挿入して動脈内で操縦することを容易にする。一例としてメッシュ130と内側バルーン150と膨張管160と外側バルーン170と注入管180とを含む、送達装置120の全ての構成要素を、カテーテル部分110の近位端から操作し且つ制御することができる。
送達部分120が、所望の治療個所、例えば図6の閉塞個所Aに位置決めされるまで、カテーテル部分110を動脈内に前進させる。次いで、制御ロッド140を引き戻すことによってメッシュ130を拡張する。具体的には、制御ロッド140を後方に向かって又はカテーテル部分110に対して近位方向に引っ張ることによってメッシュ130を拡張して、メッシュワイヤ136が閉塞個所A及び動脈壁に接触するようにする。次いで内側バルーン150を膨張させることによって内側バルーン及び外側バルーン170を拡張し、そして外側バルーンを丁度メッシュ130の内側で動脈壁に近接させる。拡張状態において、外側バルーン170の細孔172は拡大され、MNP懸濁液又は細胞懸濁液が外側バルーン壁171を通過するのに十分に大きい導管を広げる。
外側バルーン170が拡張された後、メッシュ130の周りの動脈領域に均一磁場を印加し、メッシュワイヤ136に磁気勾配を形成する。均一磁場(典型的には約0.1T)は動脈領域全体にわたって形成され、これは、(参照することによって本明細書中に組み入れられる)Proc. Natl. Acad. U.S.A. 2010 May 4;107(18):8346-51に記載された技術を用いて形成されてよい。
次いで、MNP懸濁液又は細胞懸濁液188を注入管180を通して、内側バルーン150と外側バルーン170との間の空間165内に注入する。空間165に入ったMNP懸濁液又は細胞懸濁液188は細孔172を通って排出されて外側バルーン170を出る。この段階では、MNP又は細胞188は、磁場の影響下でメッシュワイヤ136に引き付けられている。メッシュワイヤ136のいくらか又は全ては動脈壁と接触している。この結果、MNP又は細胞188はこれらがワイヤと接触するのに伴って動脈壁上に堆積される。磁場は、MNP又は細胞を動脈壁上に堆積するのに十分な時間にわたって印加される。その時間はいくつかの変数に応じて変化しうる。ほとんどの条件下では、時間は約1分〜約5分間となる。しかしながら、これよりも短い又は長い時間でMNP及び細胞の十分な保持力を達成することもある。
磁場が十分な時間にわたって印加された後、磁場を取り除く。内側バルーン150は収縮されて内側バルーンと外側バルーン170とを押し潰す。次いで、制御ロッド140を押すことによってメッシュ130を収縮させ、これによりメッシュの長さを拡張して、磁気標的カテーテル100の断面外形を減少させる。次いで、磁気標的カテーテル100を動脈から引き抜くか、或いは、上記治療ステップが繰り返される場合には別の動脈個所に前進させる。
例5
本発明による装置及びシステムは、下流側の動脈フィルタ又はトラップを含んでいてよい。フィルタを本発明に従って使用して、非標的MNPを捕捉することができる。フィルタは、例えばメッシュ(304、420、430ステンレス鋼)の形態の超常磁性材料を含んでいてよく、これにより、ステントを一時的に磁化したものと同じ磁場によって一時的に磁化されるようになる。いくつかのMNPは、図1に示されたステント付着力において示されるように、磁場停止後にタンパク質−表面相互作用によってフィルタに対する保持力を保ったままである。或いは、フィルタは、非標的MNPを捕捉するために小さな永久磁石を含有していてもよい。
本発明による装置及びシステムは、下流側の動脈フィルタ又はトラップを含んでいてよい。フィルタを本発明に従って使用して、非標的MNPを捕捉することができる。フィルタは、例えばメッシュ(304、420、430ステンレス鋼)の形態の超常磁性材料を含んでいてよく、これにより、ステントを一時的に磁化したものと同じ磁場によって一時的に磁化されるようになる。いくつかのMNPは、図1に示されたステント付着力において示されるように、磁場停止後にタンパク質−表面相互作用によってフィルタに対する保持力を保ったままである。或いは、フィルタは、非標的MNPを捕捉するために小さな永久磁石を含有していてもよい。
加えて、フィルタは、MNPに対する付着力を促進する部分で表面改質されていてよい。例えば、フィルタをビオチン−アビジン親和性対(biotin-avidin affinity pair)のうちの一方の要素で官能化する一方、対の他方の要素を、ナノ粒子のコアに結合されるリガンドとして使用することができる。1つの模範的実施態様の場合、MNPは次のようにビオチンで表面官能化されてよい。MNPを、表面安定剤としてウシ血清アルブミンを用いて既に記載のとおり(Proc. Natl. Acad. U.S.A. 2010 May 4;107(18):8346-51)調製し、次いでビオチンで誘導体化する。模範的な手順の場合、1mlのMNP懸濁液に5mgのスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミジルビオチンを添加し、そして1時間にわたって4℃で反応させておく。次いで、ビオチン改質粒子を、2サイクルの磁気デカンテーションによって、組み込まれなかった物質から分離する。
フィルタが磁気成分又は磁化可能な成分に加えて高分子成分(例えば膜)を含む場合、米国特許第7,635,734号明細書に記載されているようなベンゾフェノン含有ポリマーを使用することによってフィルタにアビジンを付着させることができる。高分子フィルタ膜の表面上でこのポリマーを光活性化することによって、ピリジルジチオ富化表面(pyridyldithio-enriched surface)が形成される。次いで、この表面は、チオール改質アビジンとの反応によって官能化されてよい。このチオール改質アビジンは、アビジンと、二官能性架橋剤、例えばN−スクシンイミジル3−[2−ピリジルジチオ」−プロピオネート(SPDP)との反応によって、又はアビジン上のリシンアミノ基を、トラウト試薬を使用してチオールに変化させることによって生成されうる。
フィルタが、高分子成分を含まず、例えば金属、例えばステンレス鋼だけを含む場合、(参照することにより本明細書中に組み入れられる)米国特許第7,589,070号明細書に記載されたポリビスホスホネート配位化学物質を、金属にアビジンを付着させるために使用してよい。本発明による下流側の動脈フィルタは別個の独立した装置であってよく又は磁気標的カテーテルの構成要素であってもよい。
図7A〜7Dは、本発明による動脈フィルタ2000の1つの好ましい実施態様を示している。フィルタ2000は、超常磁性鋼、例えば304、420、430ステンレス鋼から形成されたストランドを有する押し潰し可能なメッシュを含んでいてよい。或いは、ストランドは、下記の例8において記載される複合構造を有する取り出し充填管(drawn filled tubing)から形成されていてもよい。使用中、フィルタ2000は、均一磁場内で磁化されることができるトラップを形成する。磁化されると、フィルタ2000は、磁気標的中に標的装置によって保持されない外来MNPを捕捉する。このことは、末端器官毒性及び全身MNP曝露の可能性を低減する。
本発明によるフィルタ・トラップは種々異なる手順で種々の標的装置と一緒に使用されることができる。図7A〜7Dにおいて、例えばフィルタ2000はステント展開及びバルーン・カテーテル処置との組み合わせで使用される。第1ステップでは、図7Aに示すように、フィルタ2000を治療部位Sよりも下流側に設置する。フィルタ2000が適切に位置決めされた後、図7Bに示されているように、バルーン・カテーテルBによってバルーン血管形成処置を施すことができる。次いでバルーンBを収縮させて治療部位Sにおいてステントを展開する。図7Cは、治療部位Sで拡張される過程のステント3000を示す。フィルタ2000と同様に、ステント3000は、超常磁性鋼、例えば304、420、430ステンレス鋼、又は複合構造を有する取り出し充填管から形成されていてもよい。ステントには均一磁場(0.1T)が印加され、続いてMNPの注入が行われる。一時的に磁化されたステントによって複数のMNPが捕捉される一方、ステントによる捕捉から逃れた粒子をフィルタ2000が捕捉する。均一磁場が除去された後、標的・送達システムが取り除かれる。図7Dに示されているようにフィルタ2000を押し潰し、これを、ステント3000を通して引き抜くことができる。
例6
図8を参照すると、本発明の別の模範的な実施態様による磁気標的カテーテル200が示されている。磁気標的カテーテル200は、磁気標的カテーテル100が含んでいるのと全く同じ構成要素、及び拡張可能なフィルタ又はトラップ270を含んでいる。トラップ270は、動脈壁又はメッシュに付着しないMNP又は細胞を捕捉するために、治療部位よりも下流側に設置されるように設計されている。トラップ270は弾性超常磁性材料から形成され、弾性超常磁性材料は、メッシュのために使用されているものと同じ材料であってもよい。トラップ270は、メッシュを展開するために使用される制御ロッドと同様に、第2制御ロッド260によって拡張可能且つ収縮可能である。
図8を参照すると、本発明の別の模範的な実施態様による磁気標的カテーテル200が示されている。磁気標的カテーテル200は、磁気標的カテーテル100が含んでいるのと全く同じ構成要素、及び拡張可能なフィルタ又はトラップ270を含んでいる。トラップ270は、動脈壁又はメッシュに付着しないMNP又は細胞を捕捉するために、治療部位よりも下流側に設置されるように設計されている。トラップ270は弾性超常磁性材料から形成され、弾性超常磁性材料は、メッシュのために使用されているものと同じ材料であってもよい。トラップ270は、メッシュを展開するために使用される制御ロッドと同様に、第2制御ロッド260によって拡張可能且つ収縮可能である。
使用中、トラップ270は磁場の印加前に拡張される。トラップ270が拡張されて磁場が印加されたら、MNP又は細胞を注入する。メッシュ及び動脈壁によって保持されない非標的MNP又は細胞を、下流側のトラップ270内で捕捉することができる。
例7
システムはさらに、MNPが動脈壁に標的化されている間、動脈を一時的に閉塞して動脈内の流れを制限するように意図された1つ以上の閉塞バルーンを特徴とする装置を検討する。動脈内の流れを制限することにより「流失」を低減することができる。流失は、MNP又は細胞が動脈壁に達した後、動脈流が動脈壁からMNP又は細胞を引き出すときに発生する。このことは標的動脈セグメント内のMNP及び細胞の保持力を増強する。
システムはさらに、MNPが動脈壁に標的化されている間、動脈を一時的に閉塞して動脈内の流れを制限するように意図された1つ以上の閉塞バルーンを特徴とする装置を検討する。動脈内の流れを制限することにより「流失」を低減することができる。流失は、MNP又は細胞が動脈壁に達した後、動脈流が動脈壁からMNP又は細胞を引き出すときに発生する。このことは標的動脈セグメント内のMNP及び細胞の保持力を増強する。
図9を参照すると、本発明の別の模範的な実施態様による磁気標的カテーテル300が示されている。磁気標的カテーテル300は、磁気標的カテーテル100が含んでいるのと全く同じ構成要素、及び閉塞バルーン390を含んでいる。閉塞バルーン390を、膨張管380によって膨張させることができる。膨張管380は、内側バルーン370を膨張させる膨張管360とは別個の管として示されている。代替的に、閉塞管に結合された膨張管は、内側バルーンに結合された膨張管の延長部であってもよい。使用中、MNP又は細胞の注入直前に閉塞バルーン390を膨張させる。磁場の断絶後、閉塞バルーン390を収縮して動脈流を回復させる。
例8
図10〜13をここで参照すると、本発明の別の模範的な実施態様による、閉塞バルーンが一体化された磁気標的カテーテル600が示されている。磁気標的カテーテル600は内側シャフト610を含み、内側シャフト610は、近位端612と、遠位端614と、近位端と遠位端との間に延びる中空体613とを含んでいる。下でより詳細に説明するように、中空体613は、内側シャフトを通って近位端から遠位端へ延びる複数のルーメンを含んでいる。磁気標的カテーテル600はまた、流体送達バルーン620と、流体送達バルーンを取り囲む拡張可能なメッシュ630とを含んでいる。流体送達バルーンは、内側シャフト610からカテーテルを取り囲む血管内へ流体を投与するようになっている。流体送達バルーン620は、内部空間621を取り囲むバルーン壁622を含んでいる。バルーン壁622は、バルーン壁を通して延びる複数の小さな開口624を形成している。開口624は、均一磁場がメッシュに印加されると、MNP懸濁液が拡張可能なメッシュ630に標的化されることを可能にするように適合されている。バルーン壁622は、内側シャフト610の遠位部分の周りに設置されていて、内側シャフトの遠位部分は、流体送達バルーンの内部空間と流体連通した第1ポート616と第2ポート618とを有している。第1ポート616は、MNP懸濁液で流体送達バルーン620を満たすように構成されていて、第2ポート618は、流体送達バルーン620から流体をフラッシング(flush)又は除去するように構成されている。
図10〜13をここで参照すると、本発明の別の模範的な実施態様による、閉塞バルーンが一体化された磁気標的カテーテル600が示されている。磁気標的カテーテル600は内側シャフト610を含み、内側シャフト610は、近位端612と、遠位端614と、近位端と遠位端との間に延びる中空体613とを含んでいる。下でより詳細に説明するように、中空体613は、内側シャフトを通って近位端から遠位端へ延びる複数のルーメンを含んでいる。磁気標的カテーテル600はまた、流体送達バルーン620と、流体送達バルーンを取り囲む拡張可能なメッシュ630とを含んでいる。流体送達バルーンは、内側シャフト610からカテーテルを取り囲む血管内へ流体を投与するようになっている。流体送達バルーン620は、内部空間621を取り囲むバルーン壁622を含んでいる。バルーン壁622は、バルーン壁を通して延びる複数の小さな開口624を形成している。開口624は、均一磁場がメッシュに印加されると、MNP懸濁液が拡張可能なメッシュ630に標的化されることを可能にするように適合されている。バルーン壁622は、内側シャフト610の遠位部分の周りに設置されていて、内側シャフトの遠位部分は、流体送達バルーンの内部空間と流体連通した第1ポート616と第2ポート618とを有している。第1ポート616は、MNP懸濁液で流体送達バルーン620を満たすように構成されていて、第2ポート618は、流体送達バルーン620から流体をフラッシング(flush)又は除去するように構成されている。
拡張可能なメッシュ630は、近位端632と遠位端634とを有していて、磁化可能な材料から形成されている。メッシュ634は、304ステンレス鋼ワイヤから形成されたストランド635を有していてよい。或いは、ストランド635は、取り出し充填管形成プロセスで形成された複合構造を有していてよい。メッシュ630は例えば、ニッケル−鉄−モリブデン合金、例えばCarpenter Technology Corp.製のHyMu80(登録商標)合金から形成された内側コアと、35N LT合金から形成された外側シェル又はシースとを有する取り出し充填管の形態で形成されていてよい。HyMu80(登録商標)合金は、無指向性の80%ニッケル−鉄−モリブデン合金である。HyMu80(登録商標)合金から形成されたストランドは、メッシュからの磁場除去後の残留磁化を減少させることが判っている。残留磁化を減少させると、磁場の除去後、そしてメッシュが収縮されて治療部位から取り除かれた後にMNPが治療部位ではなくメッシュ上に保持される可能性を制限する。Ni合金を取り出し充填管内部でシーリングすることによって、ニッケル曝露を事実上防止する。35N LT合金は、メッシュ・ストランドをより弾力性にする機械的ばね機能を提供する。
磁気標的カテーテル600は、カテーテルを取り囲む血管区分を膨張させ且つ収縮させるように適合された一体型閉塞バルーン対を含んでいる。第1閉塞バルーン640は、拡張可能なメッシュ630に対して近位側に設置されており、第2閉塞バルーン650は、拡張可能なメッシュに対して遠位側に設置されている。第1閉塞バルーン640を気体又は液体で膨張させることにより、治療部位から上流側の個所で動脈を収縮させ、治療部位への血液の流れを一時的に停止させることができる。同様に第2閉塞バルーン650を膨張させることにより、治療部位から下流側の個所で動脈を収縮させ、そして治療部位からの血液の流れを一時的に停止させることができる。第1及び第2閉塞バルーン640及び650は、動脈を通って治療部位の傍らを過ぎる流れを制御するために独立して操作されることができ、またそのような操作の必要性が生じた場合には、一方を収縮させた状態で他方を膨張させることもできる。動脈を収縮させるために第1及び第2閉塞バルーン640及び650を両方とも膨張させると、治療部位への流れ及び治療部位からの流れが停止され、静的状態を形成する。静的状態において、MNP懸濁液を均一磁場下で治療部位へ投与し、そして血管壁へ標的化することができる。静的状態は、前述のように、MNPが血流中に引き入れられて治療部位から運び去られる可能性を最小化する。
磁性カテーテル装置600はさらに、内側シャフト610の少なくとも一部を覆って延びる外側シャフト660を含んでいる。外側シャフト660は、近位端662、遠位端664、及び近位端と遠位端との間に延びる中空体663を含む。図14を参照すると、中空体663は一次ルーメン665と二次ルーメン667とを形成しており、一次ルーメン及び二次ルーメンは、外側シャフトの近位端662から遠位端664へ延びている。一次ルーメン665は図示のように、外側シャフト660の中心長手方向軸線からオフセットされている。内側シャフト610は外側シャフトの一次ルーメン665を通って延びている。第1ルーメン611、第2ルーメン615、第3ルーメン617、及び第4ルーメン619は内側シャフト610を通って延びている。
流体送達バルーン620、第1閉塞バルーン640、及び第2閉塞バルーン650は、内側シャフト610及び外側シャフト660を通って延びる種々のルーメンによって流体操作される。具体的には、第1ルーメン611は、第2閉塞バルーン650と流体連通状態で接続しており、且つ、気体又は液体で第2閉塞バルーンを膨張させ且つ収縮させるように構成されている。二次ルーメン667は、第1閉塞バルーン640と流体連通状態で接続しており、且つ、気体又は液体で第2閉塞バルーンを膨張させ且つ収縮させるように構成されている。第2ルーメン615及び第3ルーメン617は流体送達バルーン620の内部と流体連通状態で接続している。第2ルーメン615は、流体送達バルーン620をMNP懸濁液で充填するように構成されており、第3ルーメン617は、流体送達バルーンをフラッシングするように構成されている。第4ルーメン619は、カテーテルを通されるガイドワイヤ670を受容して保持する。
図11及び12に戻ると、拡張可能なメッシュ630は、2つの基本状態、つまり拡張状態及び収縮状態において操作可能である。図11に示される拡張状態では、拡張可能なメッシュ630は、血管壁Vに対して比較的近接して内側シャフト610から半径方向外側に向かって延びている。図12に示される収縮状態では、拡張可能なメッシュ630は内側シャフト610に対して比較的近接して位置決めされている。この収縮状態は、拡張可能なメッシュ630の外端を血管壁Vから離れる方向に維持するので、カテーテル600を、血管を通してより容易に操縦することができる。
外側シャフト660の遠位端664は拡張可能なメッシュ630の近位端632に結合されている。拡張可能なメッシュ630の拡張及び収縮は、内側シャフト610に対する外側シャフト660の軸線方向の位置を調節することによって制御される。外側シャフト660は、拡張可能なメッシュを収縮状態へ動かすために、内側シャフト610に対して近位位置へ軸線方向変位可能であり、また拡張可能なメッシュを拡張状態へ動かすために、遠位位置へ軸線方向変位可能である。この結果、外側シャフト660を内側シャフト610に対して遠位方向に「押し進める」ことによってメッシュ630を拡張し、外側シャフト660を内側シャフト610に対して近位方向に「引き寄せる」ことによってメッシュを収縮させることができる。
種々のメカニズムを使用してメッシュを拡張させ且つ収縮させることができる。図15及び16を参照すると、磁気標的カテーテル600は一体型制御ハンドル680を特徴としている。制御ハンドル680は、内側チャンバ684を形成するハンドル本体682を含んでいる。内側チャンバは内側シャフト610と外側シャフト660とガイドワイヤ670とを受容している。スライド部材686をチャンバ684内で摺動自在に変位させることができ、スライド部材は外側シャフト660の近位端662に固定されている。ハンドル本体682を通って延びるスロット683を通るスライド部材686には、親指用パッド又はボタン688が取り付けられている。ハンドル本体682に対するボタン688のスライド動作に応じて、外側シャフト660は、内側シャフトを覆って摺動自在に変位可能である。外側シャフトを遠位方向に押し進めてメッシュ630を拡張状態にするように、ボタン688を図16に示された遠位位置に動かすことができる。外側シャフトを近位方向に引き寄せてメッシュ630を収縮状態にするように、ボタン688をさらに図17に示された近位位置に動かすこともできる。
磁気ナノ粒子
本発明によるMNPは磁場応答剤を含んでいてよい。本明細書中に使用される「磁場応答剤」という用語は、磁力の影響下で運動することができる常磁性、超常磁性、又は強磁性物質を意味する。超常磁性材料が好ましい材料である。所定の実施態様において磁場応答剤は、鉄、コバルト、又はニッケル、これらの合金、これらの酸化物、及び、Fe(II)及び/又はFe(III)と、Co(II)、Mn(II)、Cu(II)、Ni(II)、Cr(III)、Gd(III)、Dy(III)、及びSm(III)のうちの1つとの混合酸化物/水酸化物から成る群から選択された部材である。好ましくは、磁場応答剤は、Fe3O4、ガンマ−Fe2O3、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1つである。好ましくは、磁場応答剤はナノ結晶の形状の酸化鉄である。これはマグネタイト/マグヘマイト・ナノ結晶を含んでよい。
本発明によるMNPは磁場応答剤を含んでいてよい。本明細書中に使用される「磁場応答剤」という用語は、磁力の影響下で運動することができる常磁性、超常磁性、又は強磁性物質を意味する。超常磁性材料が好ましい材料である。所定の実施態様において磁場応答剤は、鉄、コバルト、又はニッケル、これらの合金、これらの酸化物、及び、Fe(II)及び/又はFe(III)と、Co(II)、Mn(II)、Cu(II)、Ni(II)、Cr(III)、Gd(III)、Dy(III)、及びSm(III)のうちの1つとの混合酸化物/水酸化物から成る群から選択された部材である。好ましくは、磁場応答剤は、Fe3O4、ガンマ−Fe2O3、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1つである。好ましくは、磁場応答剤はナノ結晶の形状の酸化鉄である。これはマグネタイト/マグヘマイト・ナノ結晶を含んでよい。
磁場応答剤は、種々の形状及びサイズにおいて、当業者に知られている方法によって調製されることができる。(参照することにより本明細書中に組み入れられる)Hyeon T., Chemical Synthesis of Magnetic Nanoparticles, The Royal Society of Chemistry 2003, Chem. Commun., 2003, 927-934を参照されたい。所定の実施態様の場合、磁場応答剤は、(参照することにより本明細書中に組み入れられる)Magnetic Fluids, Chemtech 1975, September: 540-547においてKhalafalla S E.によって記載されているように、水性媒体中の塩基の存在において混合塩化鉄を析出させることによって得られる酸化鉄ナノ結晶であってよい。超常磁性材料を伴う磁気標的は、磁場の断絶後には永久磁性吸引をもたらさないので、本発明のシステムは好ましくは、磁気標的後の動脈壁に対する付着力を高めるために、MNPの表面改質を含む。
図17は、本発明に基づいて使用し得る磁気ナノ粒子500の1つのタイプを示している。磁気ナノ粒子500は、酸化鉄502と、徐放(sustained release)のためにバルク全体にわたって分散された治療薬504、例えば再狭窄防止薬(例えばパクリタキセル、タキサン、又はシロリムス若しくはこれらの類似物)とを含有している。代わりに/加えて、例えば(参照することにより本明細書中に組み入れられる)米国特許出願公開第2009/0082611号明細書に記載されているような遺伝子治療ベクターを含む、上記以外の治療薬を本発明によるMNPと関連させてもよい。或いは、(参照することにより本明細書中に組み入れられる)Endothelial Delivery of Antioxidant Enzymes Loaded into Non-polymeric Magnetic Nanoparticles, Michael Chorny et al., Journal of Controlled Release 146 (2010) 144-151に記載されているような組み換えタンパク質をMNPと関連させてもよい。例えば(参照することにより本明細書中に組み入れられる)High Field Gradient Targeting of Magnetic Nanoparticle-loaded Endothelial Cells to the Surfaces of Steel Stents, Boris Polyak et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 2008 January 15; 105(2):698-703に記載されているように、本発明によるMNPを、MNPが予めローディングされた標的細胞と関連させてもよい。
MNPは、付着力をもたらすために、血管形成された動脈壁の表面に結合されることができる適切なリガンドで表面改質されてよい。図17では、磁気ナノ粒子500はリガンド510で表面改質されている。本発明によるリガンドは抗体−抗原親和性対の一方の部分であってよく、この場合、相補的な部分は動脈壁上に位置している。或いは、リガンドは、親和性ペプチド、又は細胞付着分子、例えばカドヘリン、N−CAM、セレクチン、又は免疫グロブリンであってよい。両タイプのリガンドは組み合わせで使用されてもよい。リガンドによるナノ粒子の表面改質は、当業者に知られた任意の手段によってもたらしてよく、またリガンドは、ナノ粒子との共有結合及び/又は会合及び/又はイオン相互作用を介して、ナノ粒子に付着されてよい。好適な表面改質方法の例が、(参照することにより本明細書中に組み入れられる)米国特許第7,635,734号明細書に記載されている。
例えば上記のようなMNPの表面改質は、所望の個所におけるMNP保持力を改善し、遠位側の器官への薬物の予期せぬ送達を低減し、これにより治療効果を最大化して、生じ得る不所望の副作用を最小化する。
試験−MNP標的によるインビボ・ラット頸動脈ステント血管形成(In Vivo Rat Carotid Stent Angioplasty)
全身麻酔下で500グラムのラット(n=6ラット、3磁性、mag+、及び3非磁性、mag−)で試験を実施した。Proc. Natl. Acad. U.S.A. 2010 May 4;107(18):8346-51(この内容は参照することによって本明細書中に組み入れられる)に記載されているような304ステンレス鋼ステントで左頸動脈ステント血管形成をラットに施した。分離頸動脈セグメント内に局所注入カテーテルを設置し、ポリ(D,L−ラクチド)とBODIPY 564/570で共有結合的に改質されたポリ(D,L−ラクチド)との9:1混合物、ナノ結晶性マグネタイト(30重量%)、及びコロイド安定剤としてのウシ血清アルブミンを含む所定量の蛍光磁気ナノ粒子を、5分間にわたってステント領域にわたって均一磁場を印加しながら注入した。次いで、それぞれの動物を直ちに安楽死させ、そしてステント動脈区分を動脈壁における蛍光MNP含有率に関して分析した。磁気ナノ粒子レベルを別々に分析するためにステントを取り出し、これらのレベルを、ステント動脈壁区分で観察されたレベルと比較した。対照動物に同じステント及びMNP投与を施したが、対照動物を磁場には曝露しなかった。
全身麻酔下で500グラムのラット(n=6ラット、3磁性、mag+、及び3非磁性、mag−)で試験を実施した。Proc. Natl. Acad. U.S.A. 2010 May 4;107(18):8346-51(この内容は参照することによって本明細書中に組み入れられる)に記載されているような304ステンレス鋼ステントで左頸動脈ステント血管形成をラットに施した。分離頸動脈セグメント内に局所注入カテーテルを設置し、ポリ(D,L−ラクチド)とBODIPY 564/570で共有結合的に改質されたポリ(D,L−ラクチド)との9:1混合物、ナノ結晶性マグネタイト(30重量%)、及びコロイド安定剤としてのウシ血清アルブミンを含む所定量の蛍光磁気ナノ粒子を、5分間にわたってステント領域にわたって均一磁場を印加しながら注入した。次いで、それぞれの動物を直ちに安楽死させ、そしてステント動脈区分を動脈壁における蛍光MNP含有率に関して分析した。磁気ナノ粒子レベルを別々に分析するためにステントを取り出し、これらのレベルを、ステント動脈壁区分で観察されたレベルと比較した。対照動物に同じステント及びMNP投与を施したが、対照動物を磁場には曝露しなかった。
図1は、5分間にわたって印加された均一磁場(0.1T)の存在及び不在における超常磁性ステント上及び動脈壁(ラット頸動脈)上の磁気ナノ粒子保持レベルを示す図である。蛍光アッセイを用いて、取り込み値を計算した(図1、平均値+/−s.d.)を計算した。僅か5分後において、磁場曝露を伴うステント動脈による動脈壁取り込み量が、磁場曝露なしの対照よりも4倍超多いことを結果が示している。磁場に曝露された試料の場合、5分後に保持されるMNPのおよそ60%がステントに付随し(おそらくは付着性組織、血栓、タンパク質に起因する)、そして40%は動脈壁に付随する。超常磁性である304ステントは、磁場曝露に続いて永久磁化されるようにはならず、ひいては磁場断絶後に残留磁気を有することはなかった。このように、これらインビボ・データは、一時的ステント及び短時間のみの磁場曝露を用いた磁気標的を明らかにし、治療後にステントを所定の場所に残す必要を無くす。従って、このデータは、一時的に設置された装置、例えば本発明による磁気標的カテーテルによって同等の結果を達成し得ることを示す。
本発明の装置、システム、及び方法は、磁気ナノ粒子のための標的として永久埋め込み型の超常磁性鋼ステントを使用する場合を凌ぐ顕著な利点を提供する。本発明による磁気標的カテーテルは、カテーテルのアクセスを許す事実上いかなる部位にも使用することができる。加えて、磁気標的カテーテルは、1つ以上のステントが既に存在し得る部位へのMNP送達も可能にする。本発明は、医師が、永久ステントを埋め込む前に所望の領域をMNPで前処理することも可能にする。このことは、ステントの有無とは無関係に、動脈区分の長さに沿った多様な介入を行う能力を提供する。
本発明のシステム及び方法は、永久ステント設置が望ましくない状況において用いることもできる。例えばTASC II (the TransAtlantic Inter-Society Consensus group for treating PAD)による現時点の推奨事項では、浅大腿動脈の起源ではない、長さ3cm以下と定義される、重篤な肢虚血を引き起こすTASC A病変部は、永久ステント設置に対してその結果が同等であるという観点から、もっぱらバルーン血管形成処置によって治療されることが推奨されている。本発明の1態様の場合、このような部位は、バルーン血管形成処置の前若しくは後又はバルーン血管形成処置の代わりに、均一磁場内に位置決めされた磁気標的カテーテルだけを使用して、MNPで標的化することができる。
本発明のいくつかの実施態様の場合、磁気標的カテーテルが、以前に設置された永久ステントを通過するようにし、次いで、このカテーテルを展開して、永久ステントの位置を超えた部位においてMNPで標的化する。同様に、例えばステント内再狭窄が生じた場合、既に展開された永久ステント内部に磁気標的カテーテルを展開して標的化してもよい。これらの能力は、事実上任意の所望の個所、及び任意の所望の時間間隔における再介入を可能にするフレキシブルな治療選択肢を提供する。上述のように、磁気標的カテーテルを用いて利用可能な選択肢の多くが、永久ステントが使用される場合には利用できないことは、当業者には明らかである。
上述のように、本発明による磁気標的カテーテルは、カスタム・メイドのカテーテルを使用して形成されてよい。このような設計において、カテーテル部分は種々の流体接続及び制御を利用することができる。例えばカテーテルは膨張管を流体源に接続するための標準的な接続を含んでよい。同様に、カテーテル部分は、注入管をMNP源、又はMNPをローディングされた細胞の源に接続するための標準的な接続を含んでもよい。或いは、磁気標的カテーテルを患者に挿入する前に、注入管にMNP、又はMNPをローディングされた細胞をローディングすることもできる。装置が制御ロッドを含む場合、制御ロッドは、制御ロッドを把持して動かすための別個の装置、又はカテーテルの近位端内に組み込まれた制御アセンブリに接続されることができる。それぞれの制御ロッドを、バッテリ駆動式ギア・アセンブリ、又はその他の手段の補助によって、手で動かすことができる。
本発明によるシステムは、キットの形態でパッケージングされ、且つ、販売され、さもなければ流通される。図10は、例えば、磁気標的カテーテル600と、磁気標的カテーテルを通して投与されるべきMNP懸濁液700と、均一磁場の発生源、例えば永久磁石又は電磁石とを含むキット1000を示している。
本明細書中では具体的な実施態様を参照しながら本発明を例示して説明しているが、本発明は、ここに示した詳細に限定されるものではない。むしろ、本発明を逸脱することなしに請求項の同等物の範囲内で詳細において種々の変更を加えることができる。加えて、いくつかの実施態様において示され記載された特徴、及び/又はいくつかの請求項において示された特徴は、本発明を逸脱することなし、記載され且つ主張された他の実施態様の特徴と組み合わされ且つ/又は互いに交換されうる。
Claims (46)
- 人間又は動物の医学的状態を治療するためのシステムであって、
a) 超常磁性材料を含む磁気標的カテーテルと、
b) 1種以上の磁場応答剤及び1種以上の治療薬を含む磁気ナノ粒子と
を含む、システム。 - 前記ナノ粒子は、その表面上に、前記人間又は動物の標的部位に対する付着力を高めることができるリガンドを有している、請求項1に記載のシステム。
- 前記磁気標的カテーテルは、該磁気標的カテーテルに対するMNPの可逆的付着力を促進する部分で表面改質されている、請求項1又は2に記載のシステム。
- 前記超常磁性材料は、ステンレス鋼及びニッケル−鉄−モリブデン合金から成る群からの材料を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記1種以上の磁場応答剤は超常磁性材料を含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記1種以上の磁場応答剤は酸化鉄を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記1種以上の治療薬はタキソール又はタキサンを含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記1種以上の治療薬はシロリムス又はこれの類似体を含む、請求項1から7までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記1種以上の治療薬は遺伝子治療ベクター及び/又は組み換えタンパク質を含み、且つ/又は、前記磁気ナノ粒子は、該磁気ナノ粒子が予めローディングされた標的細胞内に含まれる、請求項1から7までのいずれか1項に記載のシステム。
- さらに、磁気動脈フィルタ又は磁化可能な動脈フィルタを含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記磁気動脈フィルタ又は磁化可能な動脈フィルタは、前記磁気標的カテーテルの遠位端よりも下流側の個所において展開可能である、請求項10に記載のシステム。
- さらに閉塞バルーンを含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載のシステム。
- 前記磁気標的カテーテルは前記閉塞バルーンを一体的な構成要素として含む、請求項12に記載のシステム。
- 1種以上の治療薬で人間又は動物の医学的状態を治療する方法であって、
a) 前記1種以上の治療薬を必要とする前記人間又は動物の部位に磁気標的カテーテルを前進させるステップと、
b) 超常磁性材料を含む、前記磁気標的カテーテルの遠位端に結合された拡張可能なメッシュを展開するステップと、
c) 前記メッシュを一時的に磁化するのに十分な均一磁場を前記メッシュに印加するステップと、
d) ステップc)の磁場の印加の間に、1種以上の磁場応答剤及び前記1種以上の治療薬を含む複数のMNPを前記メッシュの近くに堆積するステップであって、前記ナノ粒子は、その表面上に、前記部位の組織に対する付着力を高めることができるリガンドを有している、ステップと、
e) 前記メッシュを展開解除するステップと、
f) 前記人間又は動物の別の個所に前記磁気標的カテーテルを動かすステップと
を含む、方法。 - さらに、ステップe)の後であるがステップf)の前に、治療を必要とする1つ以上の追加部位において、ステップa)〜e)を少なくとも1回繰り返すことを含む、請求項14に記載の方法。
- さらに、前記複数のMNPを堆積する前に、治療を必要とする部位よりも下流側に、磁気動脈フィルタ又は磁化可能な動脈フィルタを展開するステップを含む、請求項14又は15に記載の方法。
- さらに、ステップf)の後に、ステップa)〜f)に従って治療された部位に永久ステントを埋め込むことを含むステップg)を含む、請求項14から16までのいずれか1項に記載の方法。
- ステップa)は、前記メッシュを、以前に設置された永久ステントを通過させることを含む、請求項14から17までのいずれか1項に記載の方法。
- ステップb)の前記展開するステップは、既に展開された永久ステントの内側で実施される、請求項14から18までのいずれか1項に記載の方法。
- 前記部位が動脈内である、請求項14から19までのいずれか1項に記載の方法。
- 人間又は動物の医学的状態を治療するための装置であって、
中空管状体を含むカテーテルと、
前記カテーテルの遠位端に取り付けられた送達アセンブリであって、
前記カテーテルを通って延び且つ遠位端を有している膨張管と、
前記膨張管の遠位端に取り付けられた内側バルーンと、
前記カテーテルを通って延び且つ遠位端を有している注入管と、
前記注入管の遠位端に取り付けられ且つ前記内側バルーンを包囲している外側バルーンであって、壁を含み、該壁は、該壁を通して延びている複数の細孔によって穿孔されている、外側バルーンと、
前記カテーテルを通して延び且つ遠位端を有している制御ロッドと、
前記制御ロッドの遠位端に取り付けられ且つ前記外側バルーンの少なくとも一部を取り囲んでいるメッシュと
を含む送達アセンブリと
を含む、装置。 - さらに、前記膨張管に流体接続された気体又は液体の源を含む、請求項21に記載の装置。
- さらに、MNP又はMNPをローディングされた細胞の懸濁液を含む、請求項21に記載の装置。
- 前記MNP又はMNPをローディングされた細胞の懸濁液は、前記注入管に流体接続されている源内に含有されている、請求項23に記載の装置。
- 前記MNP又はMNPをローディングされた細胞の懸濁液は、前記注入管内に含有されている、請求項23に記載の装置。
- 前記メッシュは超常磁性材料から形成されている、請求項21に記載の装置。
- 前記超常磁性材料は、304ステンレス鋼及びニッケル−鉄−モリブデン合金から成る群から選択される、請求項26に記載の装置。
- 1種以上の治療薬で人間又は動物の医学的状態を治療する方法であって、
a) 前記1種以上の治療薬を必要とする前記人間又は動物の部位に磁気標的カテーテルを前進させるステップと、
b) 超常磁性材料を含む、前記磁気標的カテーテルの遠位端に結合された拡張可能なメッシュを展開するステップと、
c) 前記メッシュを一時的に磁化するのに十分な磁場を前記メッシュに印加するステップと、
d) ステップc)の磁場の印加の間に、1種以上の磁場応答剤及び前記1種以上の治療薬を含むMNPをローディングされた複数の細胞を前記メッシュの近くに堆積するステップと、
e) 前記メッシュを展開解除するステップと、
f) 前記人間又は動物の別の個所に前記磁気標的カテーテルを動かすステップと
を含む、方法。 - 流体を血管内に送達するためのカテーテル装置であって、
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に延びる中空体とを含んでいる内側シャフトであって、前記中空体は、該内側シャフトを通って前記近位端から前記遠位端に延びる少なくとも1つのルーメンを形成している、内側シャフトと、
前記内側シャフトから前記カテーテルを取り囲む血管内に流体を投与するようになっている流体送達バルーンであって、内部空間を取り囲むバルーン壁を含んでおり、該バルーン壁は、該バルーン壁を通して延びる少なくとも1つの開口を形成し且つ前記内側シャフトの遠位部分の周りに配置されており、該内側シャフトの遠位部分は、該流体送達バルーンの内部空間と流体連通する少なくとも1つのポートを含んでいる、流体送達バルーンと、
前記流体送達バルーンを取り囲んでいる拡張可能なメッシュであって、近位端と遠位端とを有し且つ磁化可能な材料から形成されている拡張可能なメッシュと
を含む、カテーテル装置。 - さらに、当該カテーテル装置を取り囲む血管区分を膨張させ且つ収縮させるようになっている少なくとも1つの閉塞バルーンを含む、請求項29に記載のカテーテル装置。
- 前記少なくとも1つの閉塞バルーンは、前記拡張可能なメッシュに対して近位側に設置された第1閉塞バルーンと、前記拡張可能なメッシュに対して遠位側に設置された第2閉塞バルーンとを含む、請求項30に記載のカテーテル装置。
- さらに、前記内側シャフトの少なくとも一部を覆って延びる外側シャフトを含んでおり、該外側シャフトは、近位端と、遠位端と、該外側シャフトの前記近位端と前記遠位端との間に延びる中空体とを含んでいる、請求項31に記載のカテーテル装置。
- 前記外側シャフトの前記中空体が一次ルーメンと二次ルーメンとを形成しており、該一次ルーメン及び二次ルーメンは前記外側シャフトの近位端から前記外側シャフトの遠位端へ延びている、請求項32に記載のカテーテル装置。
- 前記内側シャフトは前記外側シャフトの一次ルーメンを通って延びている、請求項33に記載のカテーテル装置。
- 前記内側シャフトの二次ルーメンは前記第1閉塞バルーンと流体連通状態で接続している、請求項33に記載のカテーテル装置。
- 前記内側シャフトの少なくとも1つのルーメンは、前記第2閉塞バルーンと流体連通する第1ルーメンを含む、請求項33に記載のカテーテル装置。
- 前記少なくとも1つのルーメンは、前記流体送達バルーンの内部と流体連通する第2ルーメンを含む、請求項36に記載のカテーテル装置。
- 前記少なくとも1つのルーメンは、前記流体送達バルーンの内部と流体連通する第3ルーメンを含む、請求項37に記載のカテーテル装置。
- 前記少なくとも1つのルーメンは、前記カテーテル装置を通るガイドワイヤを受容するようになっている第4ルーメンを含む、請求項38に記載のカテーテル装置。
- さらに、前記第4ルーメンを通って延びるガイドワイヤを含む、請求項39に記載のカテーテル装置。
- 前記外側シャフトの遠位端は前記拡張可能なメッシュの近位端と結合されている、請求項32に記載のカテーテル装置。
- 前記拡張可能なメッシュは、該拡張可能なメッシュが前記血管を通して当該カテーテル装置を操縦するために前記内側シャフトに比較的近接して位置決めされる収縮状態と、該拡張可能なメッシュが血管壁に比較的近接して位置するために前記内側シャフトから半径方向外側に向かって延びている拡張状態とにおいて操作可能である、請求項41に記載のカテーテル装置。
- 前記外側シャフトは、前記拡張可能なメッシュを前記収縮状態へ動かすべく前記内側シャフトに対して近位位置へ軸線方向に変位可能であり、且つ、前記拡張可能なメッシュを前記拡張状態へ動かすべく前記内側シャフトに対して遠位位置へ軸線方向に変位可能である、請求項42に記載のカテーテル装置。
- さらに、前記外側シャフトに結合された制御ハンドルと制御ボタンとを含み、前記制御ボタンは、前記外側シャフトを前記近位位置に動かして前記拡張可能なメッシュを前記収縮状態に設置すべく前記制御ハンドルに対して第1位置へ摺動自在に変位可能であり、且つ、前記外側シャフトを前記遠位位置に動かして前記拡張可能なメッシュを前記拡張状態に設置すべく前記制御ハンドルに対して第2位置へ摺動自在に変位可能である、請求項43に記載のカテーテル装置。
- 前記均一磁場を印加するステップは、ダイポール以上の複素磁石アレイを使用するステップを含む、請求項14に記載の方法。
- さらに、前記メッシュからの前記均一磁場の印加を停止するステップを含み、前記MNPは、前記均一磁場が停止すると前記MNPが前記部位内に放出される、請求項14に記載の方法。
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