上で述べたように、光ネットワークの性能は、ノイズ、フィルタ非線形性、色分散(CD)、偏波モード分散(PMD)、偏光依存損失(PDL)など、多くの要因(すなわちパラメータ)によって悪化し得る。高容量の大規模な光ネットワークを管理するため、ネットワーク事業者が、光ネットワークにおけるこれらのパラメータを監視することは必須である。これらのパラメータは、信号劣化評価、障害位置特定、ルーティングなどのために使用することができる。光ネットワークを適切に運営するため、ネットワーク事業者は、光ネットワークのこれらのパラメータについて知る必要があるばかりでなく、ネットワークが許容できるパラメータの範囲についても同様に知る必要がある。したがって、システムベンダが、自らのネットワーク製品について、そのような情報を提供することが重要である。
PMDは、高速光伝送システムにおける制限要因の1つであると見なされている。述べたように、最近になって、光デジタルコヒーレント検波が、光ネットワークのための有望技術として出現した。デジタルコヒーレント検波の利点の1つは、コヒーレント受信機内の電子イコライザが十分に複雑であるならば、CDおよびPMDを含む線形劣化が、原理的には、デジタル信号処理によって、電気的領域において完全に補償され得ることである。偏波多重信号における2つの一般偏光の間のPDL誘起クロストークも除去することができる。したがって、従来の考えでは、CDおよびPMDは光デジタルコヒーレント検波システムにおける問題であるとは見なされておらず、大きなPDLに対して光デジタルコヒーレント検波システムは許容性があると考えられている。
しかし、現実には、電子イコライザの複雑さには限界があり、したがって、光コヒーレント受信機が扱う(すなわち補償する)ことができるCDおよびPMD、ならびにPDLにも限界がある。さらに、偏波分割多重(PDM)コヒーレント受信機の場合、ひとたびシステムのPMDがある値よりも大きくなると、システムのペナルティが急激に増加し、システムのビット誤り率(BER)が許容不可能なレベルまで直ちに増加する。システムが、コヒーレント受信機によって補償できるよりも大きなPMD値を有する場合、システムは、障害を起こし、ネットワーク事業者は、障害の原因を特定できないことがある。これは、CDおよびPDLの場合も同様である。したがって、従来の監視および監視装置によって行われる、異常を検出するためのBERの監視では、障害が発生する前に、積極的にそれに従って動作できるような、コヒーレント光システムに関する情報は提供されない。
概して、一実施形態では、光コヒーレントシステムのために、CD、PMD、もしくはPDL、またはそれらの組合せを監視するための監視および警告装置が提供される。監視および警告装置は、スタンドアロンの専用コンピュータデバイス(すなわち特定の機械)として実施することができ、または光コヒーレントシステムのための受信機内のプロセッサによって実施することができる。例えば、監視および警告装置は、光コヒーレントシステムのリンクにおけるCD、PMD、およびPDLを監視するように構成することができる。CD、PMD、およびPDLの限界値および/または関連する閾値は、関連するコヒーレント受信機についてのパラメータ(例えば、コヒーレント受信機のフィルタの係数)に従って設定することができる。監視および警告装置は、光コヒーレントシステムのリンクにおけるCD、PMD、およびPDLを監視し、システムにおいて監視されるCD、PMD、およびPDL値と、コヒーレント受信機が補償できる事前設定されたCD、PMD、およびPDL限界値とを表示するように構成することができる。監視対象のCD、PMD、およびPDLが、対応する限界値の近傍内(例えば、対応する限界値の閾値内)にある場合、アラーム(例えばアラーム音)が示される。システムが障害を起こした場合、監視対象のCD、PMD、およびPDLがシステムの対応する限界値に近いかどうかをチェックすることによって、システム障害がCD、PMD、またはPDLによって引き起こされたものかどうかを事業者が決定するのを助けることができる。
図1は、例示的な光コヒーレントネットワークの図である。光コヒーレントネットワーク1では、通常はアド/ドロップマルチプレクサ(ADM:add/drop multiplexer)と呼ばれる、多くのネットワークノードが接続される。図1では、ADMは、再構成可能光アド/ドロップマルチプレクサ(ROADM:reconfigurable optical add−drop multiplexer)10である。ROADMは、波長レイヤにおいて波長分割多重(wavelength−division−multiplexing)システムからのトラフィックを遠隔から切り換える能力を追加した、光アド/ドロップマルチプレクサの一形態である。これは、スイッチングモジュールの使用を通して達成される。これは、すべてのWDMチャネル上の信号を電子信号に変換し、再び光信号に変換し戻すことを必要とせずに、データチャネルを搬送する個々の波長または複数の波長が、アドされ、および/またはトランスポート光ファイバからドロップされることを可能にする。
ROADM10は、増幅器24による前増幅または後増幅を含むことができる、1つまたは複数のファイバスパン(fiber span)22を備えるリンク20を介して接続される。ROADMには、1つまたは複数のアクセスノード(AN)30が接続される。ROADMは、対応するANからトラフィックを受信し、トラフィックを光コヒーレントネットワークに挿入する。同様に、ROADMは、接続されたANの1つを宛先とするトラフィックを取り除き、トラフィックを宛先に転送する。各ANは、トラフィックを送信するための送信機32と、トラフィックを受信するための受信機34とを含む。ANは、ROADMに直接的に接続することができ、またはROADMは、アクセスノードへの配送を行うリンクを介してトラフィックを送信することができる。トラフィックは、ROADMと対応するANとの間のトランスポートのために、多重化/逆多重化42を行ってもよい。
図2aは、光送信機と光コヒーレント受信機の間に配置されるスタンドアロンデバイス内で実施される、本発明の1つまたは複数の原理による監視装置の例示的な一実施形態の図である。システム100は、光送信機110と、光受信機190とを有し、それらは、ファイバリンク150を介して接続される。一実施形態では、ファイバリンク150は、(図2aには明示的に示されていない)1つまたは複数の光増幅器を有する、増幅ファイバリンクである。
送信機110は、受信機190に送信するための2つの独立したデータストリーム102、104を受け取る。デジタル信号プロセッサ(DSP)120は、データストリーム102、104を処理して、デジタル信号1221−1224を発生させる。具体的には、プロセッサ120は、入力データストリーム102を処理して、デジタル出力信号1221、1222を発生させ、入力データストリーム104を処理して、デジタル出力信号1223、1224を発生させる。代表的な一実施形態では、プロセッサ120は、互いに並行して動作するように構成された2つのプロセッサを使用して実施される。入力データストリーム102は、プロセッサ120の符号化モジュールに適用され、符号化モジュールにおいて、任意選択的にインタリーブされ、前方誤り訂正(FEC:forward−error−correction)符号化を施される。符号化モジュールによって生成された符号化ビットストリームは、コンステレーションマッピング(constellation−mapping)モジュールに適用され、コンステレーションマッピングモジュールにおいて、コンステレーションシンボルからなる対応する系列に変換される。コンステレーションマッピングモジュールによって使用されるコンステレーションは、例えば、QAM(直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation))コンステレーション、またはQPSK(4位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying))コンステレーションとすることができる。シンボル系列は、フレーミングモジュールに適用され、フレーミングモジュールにおいて、データフレームからなる対応する系列に変換される。フレーミングモジュールによって生成されたフレーム系列は、その後、パルス整形モジュールに適用され、パルス整形モジュールにおいて、出力信号1221、1222に変換される。
デジタル信号1221−1224は、それぞれ、デジタルアナログ変換器(DAC)1241−1244において、デジタルアナログ変換され、駆動信号1261−1264が生成される。駆動信号1261および1262は、それぞれ、データストリーム102に対応する同位相(I)駆動信号および直交位相(Q)駆動信号である。駆動信号1263および1264は、同様に、データストリーム104に対応する同位相駆動信号および直交位相駆動信号である。
光IQ変調器140Xは、駆動信号1261、1262を使用して、レーザ源130が発生させた光キャリア信号132Xを変調し、変調信号142Xを生成する。光IQ変調器140Yも、同様に、駆動信号1263、1264を使用して、レーザ源130が発生させた光キャリア信号132Yを変調し、変調信号142Yを生成する。偏光ビームコンバイナ146は、変調信号142Xおよび142Yを組み合わせて、光偏波分割多重(PDM)信号148を生成する。光キャリア信号132Xおよび132Yは、同じキャリア周波数を有することに留意されたい。駆動信号126の各々は、対応する光IQ変調器140に適用されて、それを駆動する前に、RF増幅器(明示的に図示されず)によって増幅することができる。
ファイバリンク150は、受信機190に送信するために、ビームコンバイナ146から信号148を受け取る。ファイバリンク150を伝搬中、信号148は、色分散(CD)、偏波モード分散(PMD)、偏光依存損失(PDL)などの、様々な伝送妨害を受け、ファイバリンクの受信機側の端部において、光信号152として現れる。タップ152は、リンクを伝わる光信号を特徴付ける少なくとも1つのパラメータの値を監視するための監視装置154に、光信号の一部を送る。少なくとも1つの対応するパラメータは、偏波モード分散、偏光依存損失、および色分散のうちの少なくとも1つである。パラメータについて値が対応する閾値を上回る場合、監視装置は、アラームインジケータを設定する。
受信機190は、(i)SおよびRと符号付けされた2つの入力ポートと、(ii)1から4と符号付けされた4つの出力ポートとを有する、光電気(O/E)変換器160を有する。入力ポートSは、光信号152を受け取る。入力ポートRは、光局所発振器(OLO)156が発生させた光基準信号158を受け取る。基準信号158は、信号152と実質的に同じ光キャリア周波数(波長)を有する。基準信号158は、例えば、波長可変レーザを使用して発生させることができ、波長可変レーザは、波長可変レーザの出力波長を信号152のキャリア波長に実質的に追随させる(図1には明示的に示されていない)波長制御ループによって制御される。様々な実施形態では、光局所発振器156は、基準信号158の発生を可能にするために互いに適切に接続された、波長可変および/または不変レーザ、光周波数変換器、光変調器、ならびに光ファイバの組合せを備えることができる。
O/E変換器160は、入力信号152と基準信号158とを混合して、(図1には明示的に示されていない)8つの混合光信号を発生させる。その後、O/E変換器160は、8つの混合光信号を、信号152の2つの直交偏光成分に対応する複素数値を表す、4つの電気信号1621−1624に変換する。例えば、電気信号1621および1622は、それぞれ、信号152のx偏光成分に対応するアナログ同位相信号およびアナログ直交位相信号とすることができる。同様に、電気信号1623および1624は、それぞれ、信号152のy偏光成分に対応するアナログ同位相信号およびアナログ直交位相信号とすることができる。
一実施形態では、O/E変換器160は、8つの出力ポートに結合された4つのバランス型光検知器を有する、偏波ダイバーシティ90度光ハイブリッド(PDOH:polarization−diverse 90−degree optical hybrid)である。様々な適切なPDOHは、例えば、カリフォルニア州フリーモントに所在するOptoplex Corporation、およびメリーランド州シルバースプリングに所在するCeLight, Inc.などが市販している。
O/E変換器160が発生させた電気信号1621−1624の各々は、アナログデジタル変換器(ADC)1661−1664の対応する1つにおいて、デジタル形式に変換される。任意選択的に、電気信号1621−1624の各々は、対応する増幅器(明示的に図示されず)において増幅することができ、その後、増幅された信号が、デジタル形式に変換される。ADC1661−1664によって生成されたデジタル信号1681−1684は、デジタル信号プロセッサ170によって処理されて、データストリーム102、104によって送信機110に適用されたデータが回復される。特に、プロセッサ170は、シングルキャリアまたはマルチキャリア光信号に対応する変調キャリアによって搬送されたデータを回復するために、デジタル形式の検出出力信号を処理する。DSPは、劣化補償、ならびにキャリア分離および回復を実行するために、変調キャリアを処理する。代表的な一実施形態では、プロセッサ170は、色分散、PMD、および自己位相変調(self−phase modulation)などの、伝送劣化を補償するようにさらに構成されている。したがって、DSPは、分散補償モジュール、定包絡線アルゴリズム(CMA:constant modulus algorithm)ベースのブラインド等化(blind equalization)モジュールおよび/または判定指向型(decision−directed)最小2乗平均(LMS)等化モジュール、自己位相変調(SPM)補償モジュール、マルチキャリア信号を受信した場合のキャリア分離モジュール、周波数推定および補償モジュール、位相推定および補償モジュール、復調モジュール、ならびに受信したシングルキャリアまたはマルチキャリア光信号を処理するためのデータ回復モジュールのうちの少なくとも1つを含むことができる。名前を挙げたモジュールは、モジュールの名前が表す機能を実施するのに必要な処理を実行することに留意されたい。例えば、分散補償モジュールは、処理されるキャリアに対して分散補償を実行し、データ回復モジュールは、変調キャリアによって搬送されたデータを回復するなどである。
回復されたデータは、それぞれ出力信号192、194を介して、受信機190から出力される。
図2bは、光コヒーレント受信機のデジタル信号プロセッサによって実施される、本発明の1つまたは複数の原理による監視装置の図である。示されるように、リンクを伝わる光信号を特徴付ける、偏波モード分散、偏光依存損失、または色分散の値を監視するための監視装置154は、受信機のデジタル信号プロセッサの一部である。
図3は、例示的な監視装置の概略図である。監視装置300は、偏波モード分散モニタ310、偏光依存損失モニタ312、または色分散モニタ314のうちの少なくとも1つを含む。各モニタは、リンクを伝わる光信号を特徴付ける対応するパラメータの値を決定する。値は、入力光信号305に基づいて決定することができる。例えば、値は、光信号と、光信号を補償するのに利用可能なフィルタのフィルタ係数との関数として計算することができる。
例えば、PMDおよびPDLは、米国特許出願第12/827473号(2010年6月30日出願)、C.Xie他、Two−Stage Constant Modulus Algorithm Equalizer for Singularity Free Operation and Optical Performance Monitoring in Optical Coherent Receiver、OFC’2010、paper OMK3、2010年、およびJ.C.Geyer他、Channel Parameter Estimation for Polarization Diverse Coherent Receivers、PTL Vol.20、No.10、2008年5月15日において開示されるように、コヒーレント受信機のイコライザパラメータから決定すること、または推定することができ、上記の文献はすべて、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。
受信機の一部として実施されないスタンドアロン監視装置の一実施形態は、(図2(b)の190)受信機と同様の要素を有することができるが、例外は、光信号に対応する変調キャリアによって搬送されるデータを回復するために、デジタル形式の検出出力信号を処理するための、上で説明された1つまたは複数のDSPモジュールが必要とされないことである。
別の実施形態では、送信機においてパイロットトーンを追加し、パイロットトーンの偏光状態を検出することによって、またはパイロットトーンの位相もしくはRFパワーを検出することによって、PMDの値を決定/推定することができる。
例えば、CDは、J.C.Geyer他、Channel Parameter Estimation for Polarization Diverse Coherent Receivers、PTL Vol.20、No.10、2008年5月15日において開示されるように、コヒーレント受信機のイコライザパラメータから決定すること、または推定することができ、あるいはB.Fu他、Fiber Chromatic Dispersion and Polarization−Mode Dispersion Monitoring Using Coherent Detection、PTL Vol.17、No.7、2005年7月、およびF.N.Khan他、Chromatic Dispersion Monitoring using Coherent Detection and Tone Power Measurement、OECC’2009、paper ThLP74、2009年において開示されるように、少数のパイロットトーンの間の位相差を検出することから、またはパイロットトーンの位相もしくはRFパワーを検出することから決定/検出することができ、上記の文献はすべて、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。
別の実施形態では、監視ユニット(例えば、PMDモニタ310、PDLモニタ312、またはCDモニタ314)は、少なくとも1つのパラメータの値305を、光信号に基づいて値を計算した監視装置から受け取る。
ひとたび決定されると、値は、対象パラメータに対応する閾値(すなわち、PMD閾値、PDL閾値、またはCD閾値)との比較のために、コントローラ320に提供される。コントローラは、パラメータの値が対応する閾値を上回る場合、アラームインジケータを設定する。CD、PMD、およびPDL限界値、ならびに/または関連する閾値は、関連するコヒーレント受信機のパラメータ(例えば、コヒーレント受信機のフィルタの係数)に従って設定することができる。対応する閾値は、コヒーレント受信機の補償を提供する能力に関連する、CD、PMD、およびPDL限界値と連動するように、確立することができる。監視対象のCD、PMD、およびPDLが、対応する限界値の近傍内(例えば、対応する限界値の閾値内)にある場合、アラームが示される。
一実施形態では、コントローラは、ユーザインタフェースを介して値を表示するための表示情報を決定するように構成することができる。したがって、監視装置は、コントローラによって提供される表示情報を表示するための関連する表示ユニット330(例えばグラフィカルユーザディスプレイ)を含む。監視装置は、アラームを発生させるためのアラームユニット340も含むことができ、コントローラは、アラームインジケータに基づいて、アラームユニットを起動するように構成されている。アラームユニットによって起動されるアラームは、可視アラーム、可聴アラーム、関係者に転送されるメッセージ、および関係者にアラームの発生を通報する同様の方法とすることができる。監視装置は、その活動に関連するイベントレコードを記憶するためのメモリデバイスも含むことができる。例えば、任意のパラメータについてのイベントレコードは、決定された値、関連するアラームインジケータ、対応する閾値、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。コントローラは、複数の記憶されたイベントレコードに基づいてレポートを生成できる、レポートジェネレータも含むことができる。光コヒーレントシステムまたはシステムのリンクが障害を起こした場合、監視対象のCD、PMD、およびPDLがシステムの対応する限界値に近いかどうかをチェックすることによって、システム障害がCD、PMD、またはPDLによって引き起こされたものかどうかを事業者が決定するのを助けることができる。
図4は、本発明の1つまたは複数の原理による、光コヒーレントシステムのリンクを監視するための例示的な方法400の図である。ステップ410において、光コヒーレントネットワークのリンクを伝わる光信号のPMD、PDL、またはCDのうちの少なくとも1つの値を監視することによって、方法が開始する。ステップ420において、監視データが、監視装置の制御ユニット(すなわちコントローラ)に送られ/制御ユニットにおいて受け取られる。
ステップ430において、コントローラは、ユーザインタフェースを介して値を表示するための表示情報を生成し、監視値に関する表示情報が、ユーザインタフェース上に表示される。CD、PMD、およびPDL監視装置は、リアルタイムにCD、PMD、およびPDLを監視することができ、ユーザインタフェースは、それらの監視値と、コヒーレント受信機が有するCD、PMD、およびPDL限界とを示す。例えば、監視値は、閾値も一緒に示された、ヒストグラム形式で示すことができ、監視値が閾値に接近および/または到達した場合は、色付きの柱で示される。この情報は、ネットワーク事業者のシステムがCD、PMD、およびPDL限界からどれだけ離れて動作しているかを、ネットワーク事業者に知らせる。
ステップ440において、光信号を特徴付けるPMD、PDL、またはCDの値が、対応する閾値と比較される。ステップ450において、光信号を特徴付けるPMD、PDL、またはCDの値が、対応する閾値を上回っているかどうかが判定される。
値が対応する閾値よりも大きい場合、ステップ460において、アラームインジケータが設定され、関係ユーザのディスプレイにアラームを提供することができる。このステップは、アラームインジケータに対応するアラームを発生させるステップを含むことができる。アラームは、可視アラーム、可聴アラーム、および関係者に転送されるメッセージなど、またはそれらの組合せとすることができる。値が対応する閾値よりも大きくない場合、アラームは与えられない。どの1つのパラメータにも複数の閾値が存在することがあり、対応する複数のアラームを示すことができる。
ステップ460において、リンクの監視に関連するイベントレコードが記憶される。イベントレコードは、値、アラームインジケータ、もしくは対応する閾値、またはそれらの任意の組合せを含むことができ、メモリデバイスに記憶される。その後、メモリデバイス内に記憶された複数のイベントレコードに基づいて、レポートを生成することができる。
監視装置のコントローラは、独立した物理ユニット(例えば、特別にプログラムされたコンピュータ)として、または光コヒーレント受信機の部分として実現できる、論理モジュールであることに留意されたい。後者の場合、多くの実施形態が可能である。例えば、一実施形態では、コントローラをサポートするソフトウェアを管理者によって構成することができる。別の実施形態では、各光コヒーレント受信機は、少なくとも1つのパラメータ(すなわち、CD、PMD、PDL、またはそれらの組合せ)の値と、監視装置、例えば、コマンドセンタにある監視装置に提供される、複数の光コヒーレント受信機からの値とを決定するためのモニタを含むことができる。
最も単純な実施形態では、監視装置は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータなどの独立した物理ユニットであり、適切なパラメータの値を受け取るための、各光コヒーレント受信機への直接リンクを有する。
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、この説明が限定的な意味で解釈されることは意図していない。
本発明の実施形態は、回路ベースのプロセスとして実施することができ、単一の集積回路上で実施することも可能である。
別途明示的に述べない限り、各数値および範囲は、「about(約)」または「approximately(近似的に)」という単語が値または範囲の値の前に置かれているかのように、近似的なものと解釈されるべきである。
本発明の本質を説明するために説明し、示された、部品の詳細、材料、および配置についての様々な変更を、添付の特許請求の範囲において明らかにされる本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって行い得ることがさらに理解されよう。
請求項における図中の番号および/または図中の参照符号の使用は、請求項の解釈を容易にするために、特許請求される本発明の1つまたは複数の可能な実施形態を識別すること意図したものである。そのような使用は、それらの請求項の範囲を、対応する図に示される実施形態に必ずしも限定するものと解釈すべきではない。
添付の方法クレームが、もし存在するならば、その中では、対応する符号を有するステップが特定の順序で言及されるが、クレーム中の文言が、それらのステップの一部または全部を実施するための特定の順序を別途示唆していない限り、それらのステップをその特定の順序による実施に限定することを必ずしも意図しているわけではない。
本明細書において「one embodiment(一実施形態)」または「an embodiment(一実施形態)」に言及する場合、そのような言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味している。「in one embodiment(一実施形態では)」という文言が本明細書の様々な箇所に出現するが、そのすべてが、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではなく、個々または代替の実施形態が、他の実施形態と必ずしも相互に排他的であるわけではない。同じことが「implementation(実装形態)」という語にも当てはまる。
また、本説明の目的では、「couple(結合する)」、「coupling(結合する)」、「coupled(結合される)」、「connect(接続する)」、「connecting(接続する)」、または「connected(接続される)」という語は、2つ以上の要素の間でエネルギーを伝達することを可能にする、当技術分野で知られた、または今後開発される任意の方法を指しており、必要ではないが、1つまたは複数の追加の要素の介在も企図されている。反対に、「directly coupled(直接的に結合される)」、「directly connected(直接的に接続される)」などの語は、そのような追加の要素が存在しないことを含意している。
特許請求の範囲に包含される実施形態は、(1)本明細書によって可能な実施形態、および(2)法定主題に対応する実施形態に限定される。可能ではない実施形態および非法定主題に対応する実施形態は、それらが形式上特許請求の範囲内に包含されるとしても、明示的に請求権が放棄される。
説明および図面は、本発明の原理を説明するにすぎない。したがって本明細書において明示的に説明され、示されていなくても、本発明の原理を具体化する様々な構成を、当業者が考案でき、それらは、本発明の主旨および範囲内に含まれることが理解されよう。さらに、本明細書において挙げられたすべての例は、明らかに、その主たる意図が、本発明の原理および発明者らがもたらした当技術分野を発展させる概念が理解されるのを助けるという、もっぱら教育的な目的にあり、そのような具体的に挙げられた実施例および条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびに本発明の特定の例について述べる本明細書のすべての言明は、それらの均等物を包含することが意図されている。
「プロセッサ」、「コントローラ」、または「モジュール」という符号付けされた任意の機能ブロックを含む、図に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、および適切なソフトウェアと連携する、ソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通して提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、またはいくつかは共用されてもよい複数の個別プロセッサによって提供することができる。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」または「モジュール」という語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指していると解釈すべきではなく、限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを暗黙的に含むことができる。従来型および/またはカスタマイズされた他のハードウェアも含むことができる。同様に、図に示されるスイッチはいずれも、概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックの対話を通して、または手動でさえも実行することができ、文脈からより具体的に理解されるように、特定の技法は、実施者によって選択可能である。
本明細書のブロック図がいずれも、本発明の原理を具体化する例示的な回路の概念図を表していることを当業者であれば理解されたい。同様に、フローチャート、フロー図、状態遷移図、および疑似コードなどはいずれも、コンピュータ可読媒体内に実質的に表すことができ、そのため、コンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかに係わらず、実行することができる、様々なプロセスを表していることが理解されよう。