JP2014502499A - 植物においてミュラー管抑制因子を産生する方法 - Google Patents

植物においてミュラー管抑制因子を産生する方法 Download PDF

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Abstract

一側面において、本発明は、植物においてミュラー管抑制因子を産生する方法であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する、融合タンパク質パートナーを含むミュラー管抑制因子融合タンパク質をコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物が導入またはインフィルトレーションされた植物をインキュベートするかまたは生育する工程を含む前記方法において、好ましくは、インキュベートするかまたは生育する工程の前に、植物に導入またはインフィルトレーションされる工程が行われる前記方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ミュラー管抑制因子(Mullerian inhibitor substance)(MIS)をタンパク質顆粒に蓄積することによる、植物においてミュラー管抑制因子(MIS)を産生する方法に関する。本方法を実施するための核酸配列、核酸構築物(核酸コンストラクト)、ベクター、発現ベクターなどもまた開示される。
TGF-βファミリーのタンパク質は、走化性、細胞外マトリックスの産生、細胞増殖および分化ならびに免疫系の発生および制御を含む重要な胚形成能および免疫機能を媒介する。従って、これらの分子は、もし十分な量で入手できれば、種々様々な治療用途を有する。ミュラー管抑制因子(MIS)は、抗ミュラー管ホルモン(AMH)としても知られ、TGF-βファミリーのメンバーである。MISは、140kDaの二量体糖タンパク質ホルモンである。他のTGF-βタンパク質と同様に、MISは、短いシグナル配列に続く、ホモ二量体を形成するプレプロホルモンを有する大きな前駆体として合成される。分泌の前に成熟ホルモンはグリコシル化を受け、二量体化されて、同じ70kDaモノマーサブユニットがジスルフィド結合した140kDaの二量体を生じる。各モノマーは、N末端ドメイン("プロ"領域とも呼ばれる)およびC末端ドメイン("成熟"領域とも呼ばれる)を含む。次いで、MISの5〜20%は、細胞質への移動中に、70kDaモノマーのN末端ドメイン(プロ領域)とC末端ドメイン(成熟領域)の間の特定部位でKEXセリンプロテアーゼによって切断されて、58kDa(プロ領域)および12kDa(成熟領域)の2つのポリペプチドを生じる。モノマーのこれらの2つの部分は非共有結合で引き続き結合している。MISをコードするヒト遺伝子は単離、配列決定されており、19番染色体短腕上に位置する(Proc. Natl. Acad. Sci. (1986), 83, 5464-5468)。MISの特異的受容体構造もまた単離、特性決定されている。
MISは、発生期の性分化に重要な役割を有する。MISは、男性の精巣のセルトリ細胞および女性の卵巣顆粒膜細胞によって産生される。男性の胎児発生期において、精巣のセルトリ細胞からのMISの分泌は、ミュラー管の退縮、従って男性生殖器系の正常な発生に必須である。ミュラー管は、女性の子宮、卵管および膣の上側の原基である。男性において、セルトリ細胞によるMISの分泌は、胚発生期に開始され、一生を通じて継続する。女性において、血清MISは、男性と比較して比較的低レベルに維持される。マウスにおいて、AMH機能の喪失は、卵巣濾胞の減少の増加および卵巣周期の早期停止を引き起こす。MISは、癌、呼吸窮迫症候群および受精能/避妊の効果的な治療剤となりうる。MIS受容体を含む任意の癌はMISで治療できる。これらの癌には、外陰癌、一部の眼球黒色腫、上皮性卵巣癌、前立腺癌および乳癌が含まれる。
既存の原核発現系および真核発現系についての生化学的、技術的および経済的な限界によって、異種タンパク質の新規かつ最適化された産生系の開発に実質的な利益がもたらされた。その目的のために、組換えタンパク質を産生するための植物発現系を用いることができる。しかしながら、植物由来の産生系の開発および工業化に際して、作物種の選択、組織の選択、発現および回収戦略ならびに翻訳後プロセシングを含む多くの変数を考慮に入れなければならなかった。従って、植物由来の産生系の開発は簡単ではなく、最終的に開発される系が、選択されたタンパク質の効果的な産生、特に工業規模での産生を必ずしも確実にもたらすものであるとは言えない。特に、多くの場合、植物発現系から組換えタンパク質を精製する場合に問題が生じる。このことは、植物における組換えタンパク質産生の最も大きなネックの1つである。植物からのタンパク質精製は、その植物系の複雑さのために難しい仕事である。植物の固形物は、一般的には、大きく、高密度で、重量%が約10〜20%と比較的高い。これらの問題はすべて、特に、植物における組換えタンパク質の工業的産生の視点から重要であり、複数の、または複雑なステップによって、その方法が不適当となる場合がある。
現行のMIS産生系では、臨床試験または工業用途に必要なレベルでMISを産生することができない。組換えMISはまた、特に工業的に有用な規模で発現および産生するのに魅力的なタンパク質である。本発明によって提供される方法は、この要求を満たしている。
本発明は、植物由来の発現系において、MISのC末端フラグメント(成熟MIS)などのMISを産生する方法であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する融合タンパク質パートナーを用いる前記方法を提供する。好都合には、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質が、配列中に1以上の天然に存在しない反復配列モチーフを含む場合、それによって、植物細胞における高い効率のMISの発現をもたらすことができ、さらなる反復配列モチーフを含まない場合よりもMISの発現レベルを約30倍高くすることもできる。さらに、植物タンパク質顆粒におけるMISの効率的な発現によって、組換えMIS融合タンパク質の回収が容易になり、本明細書に記載の方法は、工業規模で、実質的に精製された形でMISを得るために用いることができる。従って、本方法は、実質的に精製されたMISの産生に有用であり、該タンパク質の大量産生に容易に拡張することができる。
第1の側面において、植物においてミュラー管抑制因子を産生する方法であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する、融合タンパク質パートナーを含むミュラー管抑制因子融合タンパク質をコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物が導入またはインフィルトレーションされた植物をインキュベートするかまたは生育させる工程を含む前記方法が提供される。
第1の側面において、植物においてミュラー管抑制因子を産生する方法であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する、融合タンパク質パートナーを含むミュラー管抑制因子融合タンパク質をコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物を含む植物をインキュベートするかまたは生育させる工程を含む前記方法において、好ましくは、インキュベートするかまたは生育させる工程の前に、植物に核酸構築物が導入またはインフィルトレーションされる前記方法が提供される。
他の側面において、植物においてMISを産生する方法であって、(a)植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする核酸配列;およびMISをコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物を植物に導入する工程;および(b)前記植物において融合タンパク質としてのMISの発現を可能にする条件下で前記植物をインキュベートする工程を含む前記方法が提供される。
他の側面において、植物においてMISを発現する方法であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする核酸配列;およびMISをコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物の使用を含む前記方法が提供される。
他の側面において、植物においてMISを発現する方法であって、(a)植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする核酸配列;およびMISをコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物を含む植物を提供する工程;および(b)前記植物において融合タンパク質としてのMISの発現を可能にする条件下で前記植物をインキュベートする工程を含む前記方法が提供される。
一実施形態において、インキュベートするかまたは生育させる工程の前に、植物に導入またはインフィルトレーションされる工程が行われる。
一実施形態において、本方法に用いられる核酸構築物は、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする第1核酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列をさらに含む前記第1核酸配列;MISをコードする第2核酸配列;および、場合により、アミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記第3核酸配列を含み、ここで前記第1、第2および第3核酸配列は互いに作動可能に連結されている。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する前記タンパク質はγ-ゼインである。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、本方法に用いられ、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする核酸配列は、植物細胞の小胞体にその融合タンパク質を先導するペプチド、好ましくはシグナルペプチドをコードする(第4)核酸配列をさらに含む。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、本方法は、植物から融合タンパク質を含むタンパク質顆粒を回収するさらなる工程を含み、前記工程は、好ましくは、(i)植物材料をホモジナイズする工程;(ii)ホモジナイズした植物材料を、低速、好ましくは約200 x gで遠心分離する工程;(iii)(iii)場合によりペレット分画を除去する工程;(iv)ホモジナイズした植物材料を工程(ii)よりも高速、好ましくは、約6000x gで遠心分離する工程;および(v)融合タンパク質を含むタンパク質顆粒をペレット分画に回収する工程を含む。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、本方法は、融合タンパク質を含むペレット分画を可溶化するさらなる工程を含み、前記可溶化工程は、好ましくは、尿素、ジチオスレイトールおよび(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる混合物の使用を含む。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、本方法は、前記融合タンパク質からMISを放出するさらなる工程を含み、前記工程では、好ましくは、前記融合タンパク質からMISを放出させるために、プロテアーゼ、好ましくは、TEVプロテアーゼ、またはタンパク質スプライシング手段、好ましくはインテインが用いられる。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、前記プロテアーゼまたは前記タンパク質スプライシング手段は、融合タンパク質からMISを切断して、MISの切断末端に3未満、2または1の余分なアミノ酸を残す。一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、前記プロテアーゼまたは前記タンパク質スプライシング手段は、MISの切断末端に余分なアミノ酸を残すことなく、融合タンパク質からMISを切断する。
一実施形態または上記の実施形態の組み合わせにおいて、本方法は、放出されたMISタンパク質を精製するさらなる工程を含む。
他の側面において、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする第1核酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列を含む前記第1核酸配列;MISをコードする第2核酸配列;および、場合により、アミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記第3核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記第1、第2および第3核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物が提供される。
他の側面において、(i)前記核酸配列;および(ii)前記核酸配列の転写を制御する制御ヌクレオチド配列を含む核酸構築物が提供される。
他の側面において、前記核酸配列または前記核酸構築物を含むベクターが提供される。
他の側面において、(i)植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードするアミノ酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードするアミノ酸配列をさらに含む前記アミノ酸配列(ii)場合により、リンカーをコードするアミノ酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記アミノ酸配列;(iii)MISをコードするアミノ酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる融合タンパク質が提供される。
他の側面において、本明細書に記載の核酸配列または核酸構築物またはベクターまたは融合タンパク質を含む、それに由来する植物または植物材料が提供される。適切には、植物または植物材料は、形質転換またはインフィルトレーションされた植物または植物材料である。
他の側面において、前記融合タンパク質を含む植物タンパク質顆粒が提供される。
他の側面において、植物細胞においてMISを発現および/または産生するための核酸配列または核酸構築物またはベクターの使用が提供される。
植物においてMISを産生するための方法(単数または複数)に関して前述した実施形態および実施形態の組み合わせはまた、前述のさらなる側面の実施形態としても開示される。
本明細書に記載の方法を用い、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質であって、場合により、1以上の天然に存在しない反復配列モチーフも含むタンパク質をコードする核酸配列に融合される場合、MISは、植物において高レベルで発現されることができる。植物において達成されるMISの発現レベルは、タンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質の存在下で著しく高く、1以上の天然に存在しない反復配列モチーフが存在しない場合と比較して、1以上の天然に存在しない反復配列モチーフが含まれる場合、より高くすることができる。タンパク質顆粒における組換えMISの高レベルの発現によって、植物において存在し得るタンパク質分解活性および酵素活性から該タンパク質を保護することができる。
組換えMIS融合タンパク質を含むタンパク質顆粒は、高密度を保持することができ、それにより、MISタンパク質の回収を容易にすることができる。
本方法の下流の回収および精製プロトコルは、組換えMISを調製するための現行のアプローチより簡単であり、コストがかからないようにすることができる。例として、融合タンパク質からのMISの分離を可能にするために、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができるアミノ酸リンカーが含まれる。一実施形態において、アミノ酸リンカーは切断認識部位である。
組換えMISタンパク質は、天然タンパク質とアミノ酸配列が同一であることができ、それによって、臨床応用に使用するのに適したものであることができる。
本方法は、実質的に精製されたMISを工業規模で産生するために使用することができる。
本発明によって得られる精製された組換えMISのSDS-PAGEゲルの図である。精製されたMISは、レーンB2に示されている。 本発明の方法の一実施形態を示す図である。
定義
本願の範囲内で用いられる専門用語および表現は、植物および分子生物学の関連技術においてそれらに一般に用いられている意味を一般に有するものとする。以下の用語の定義は、すべて、本願の全内容に適用される。語"含んでいる(comprising)"は、他の要素または工程を排除せず、不定冠詞"ある(a)"または"ある(an)"は、複数であることを排除しない。個々の工程は、請求項に記載のいくつかの特徴の機能を満たすことができる。属性または属性値と関連する用語“本質的に”、“約”、“おおよそ”などはまた、特に、それぞれ、属性を正確に定義するか、または属性値を正確に定義する。所定の数値または数値範囲との関係において、用語“約”とは、所定の数値または範囲の20%以内、10%以内または5%以内の数値または範囲のことを言う。
"相同性、同一性または類似性"は、配列のアラインメントによって比較された、2つのポリペプチド間または2つのポリヌクレオチド分子間の配列類似度を指す。比較される2つの別々のポリヌクレオチド配列間の類似度は、相当する位置における一致するまたはマッチングするヌクレオチド数の関数である。同一性パーセントで表される類似度は、目視検査または数学的計算によって決定することができる。あるいは、2つのポリヌクレオチド配列の同一性パーセントは、Devereuxら(Nucl. Acids Res. 12:387, 1984)によって記載されたGAPコンピュータプログラム、バージョン6.0を用い、配列情報を比較することによって決定することができ、University of Wisconsin Genetics Computer Group (UWGCG)から入手できる。GAPプログラムの典型的なデフォルトパラメータは、(1)Schwartz and Dayhoff, eds., Atlas of Protein Sequence and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp. 353-358, 1979 に記載されているように、単項比較マトリックス(unary comparison matrix)(一致に対して1の値を、不一致に対して0の値を含むもの)およびGribskov and Burgess, Nucl. Acids Res. 14:6745, 1986 の加重比較マトリックス;(2)各ギャップに対して3.0のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対して0.10の追加ペナルティ;ならびに(3)エンドギャップ(end gap)に対するペナルティなしを含む。配列比較に関する当業者に公知の種々のプログラムを用いることができる。
用語"上流"とは、直鎖状ポリヌクレオチド配列に沿った参照エレメントに対する相対方向/相対位置のことを言い、ポリヌクレオチド配列の5’末端の方の方向/位置を示す。"上流"は、"参照エレメントの5’末端"と同義で使用することができる。
用語"下流"とは、直鎖状ポリヌクレオチド配列に沿った参照エレメントに対する相対方向/相対位置のことを言い、ポリヌクレオチド配列の3'末端の方の方向/位置を示す。"下流"は、"参照エレメントの3'末端"と同義で使用することができる。
"断片"または"短縮体"(例え短縮型タンパク質)は、翻訳後の対象酵素またはポリペプチドの構造的または機能的特徴の少なくとも1つを保持するポリペプチドのアミノ酸配列の任意の部分を含む。
"融合タンパク質"は、異なるタンパク質からのペプチド配列が、1以上のペプチド結合によって共有結合したタンパク質を含む。"融合タンパク質パートナー"とは、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する融合タンパク質の部分のことを言う。
用語"作動可能に連結された"とは、異なるDNAエレメント、断片または配列を結合させて機能的転写ユニットを生じさせることを言う。従って、適切には、前記DNAエレメント、断片または配列の転写を制御する調節配列は、それらの上流に配置される。
用語“精製する”および“単離する”ならびにそれらの文法的変異形は、混合物からの少なくとも1つの不純物の完全なまたは部分的な分離または除去であって、それによって組成物中のMISの純度のレベルが改善されることを意味するために用いられる。
"形質転換"とは、細胞への外因性遺伝物質の導入によって生じる細胞の遺伝物質の改変のことを言う。植物細胞を形質転換するために、粒子銃、遺伝子銃技術、アグロバクテリウムによる形質転換、ウイルスベクターを用いた形質転換およびエレクトロポレーションを含む多くの方法が利用でき、それらはすべて本明細書に組み込まれる。遺伝的に形質転換された植物細胞を再生することによってトランスジェニック植物を作成することができる。
“アグロインフィルトレーション”または“インフィルトレーション”は、植物において遺伝子の一過性発現を誘導するかまたは所望のタンパク質を産生させる方法である。一側面において、本技術は、植物葉の裏面にアグロバクテリウム(Agrobacterium)細胞の懸濁液を注入し、それによって所望の遺伝子を植物細胞に導入することを含む。バキュームインフィルトレーションは、植物組織に多数のアグロバクテリウム細胞を導入するためのもう1つの方法である。本手順において、リーフディスク、葉または全植物が該懸濁液の入った容器中に沈められ、その容器が真空チャンバー中に置かれる。次いで、気孔から空気が出ていくように真空がかけられる。真空が解除されるとき、その圧力差によって気孔を介して植物組織に懸濁液が押し込まれる。
用語“植物”とは、その生活環または発生の任意のステージにおける任意の植物およびその子孫のことを言う。該植物は、天然に存在する植物、変異植物、天然に存在しない植物またはトランスジェニック植物であることもできるし、それらに由来することもできる。
用語“植物細胞”とは、植物の構造的および生理学的単位のことを言う。該植物細胞は、細胞壁のないプロトプラスト、単離された単一細胞、培養された細胞、2以上の細胞の凝集塊であることもできるし、限定するものではないが、植物組織、植物器官または全植物などの高度に組織化された単位の一部であることもできる。
用語“植物材料”とは、葉、茎、根、花もしくは花の部分、果実、花粉、卵細胞、接合子、種子、挿し木、分泌物、抽出物、細胞もしくは組織培養物または植物の任意の他の部分もしくは産物を含む、植物から入手されるかまたは入手可能な任意の固体もしくは液体組成物またはそれらの組み合わせのことを言う。一実施形態において、植物材料は、緑葉などの葉であるか、またはそれに由来する。
発明の詳細な説明
一側面において、植物においてMISを産生する方法は、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする核酸配列;およびMISをコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物が導入された植物をインキュベートする工程を含む。
ミュラー管抑制因子(Mullerian inhibitor)をコードする核酸配列は、MIS、好ましくはヒトMISの核酸配列に対して実質的相同性(すなわち配列類似性)または実質的同一性を有する核酸配列を含む。MISは、ヒトにおいては、AMH遺伝子(Cell (1986) 45 (5): 685-98)によってコードされる。ヒトにおいては、MISの遺伝子は、染色体19p13.3に位置し、Genbankアクセッション番号NG_012190を有する。用語MISは、プレプロMIS、プロMISおよびMISの断片(C末端フラグメント(成熟MISとも呼ばれる)など)またはそれらに対して実質的相同性(すなわち配列類似性)または実質的同一性を有するポリペプチドもまた含む。好ましい実施形態において、MISはC末端フラグメント(成熟MISとも呼ばれる)またはそれに対して実質的相同性(すなわち配列類似性)または実質的同一性を有するポリペプチドである。本明細書に記載されるように、MISポリヌクレオチドのバリアントは、Genbankアクセッション番号NG_012190に報告された配列に対して、少なくとも60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有することができる。MISバリアントは、MISタンパク質の生物活性および/または免疫学的活性を示すMISバリアントであることができる。本明細書において、語句"MISタンパク質の生物活性"は、そのMIS様ポリペプチドが、ミュラー管の退縮を促すかまたは1種類以上の卵巣腫瘍細胞、例えば細胞株HOC-21に対して細胞傷害性である能力などの、少なくとも1つの天然に存在するMISタンパク質と実質的に同じであるかまたは同等である少なくとも1つの生物活性を有し、好ましくは、そのペプチドがミュラー管の退縮を促し、かつ1種類以上の卵巣腫瘍細胞に対して細胞傷害性であることを意味する。本明細書において、語句"MISタンパク質の免疫学的活性"は、天然に存在するMISタンパク質に特異的な抗体と交差反応するMIS様ポリペプチドの能力のことを言う。このような抗体の例は、US4,487,833に開示されている。MISのバリアントは、天然のMISタンパク質のアミノ酸に加えてアミノ酸を含む場合もあり、天然のMISタンパク質のアミノ酸のすべてを含むとは限らない場合もある。該バリアントは、サイレント変異を生じ、機能的に同等なタンパク質をもたらす、アミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有することができる。その物質の二次結合活性が保持されている限り、残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/または両親媒性における類似性に基づいて人工的なアミノ酸置換を行うことができる。例えば、負に荷電したアミノ酸はアスパラギン酸およびグルタミン酸を含み、正に荷電したアミノ酸はリジンおよびアルギニンを含み、非荷電極性頭部基を有し類似した親水性値を有するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンを含む。例えば以下の表に従って保存的置換を行うことができる。第2列における同じブロックのアミノ酸、好ましくは第3列における同じラインにおけるアミノ酸を、互いに置換することができる。
また、このポリペプチドは、成熟タンパク質または未成熟タンパク質または未成熟タンパク質由来のタンパク質(例えば、シグナル配列の一部のみが切断されたタンパク質)であることができる。ポリペプチドは、MISアミノ酸配列の改変によって調製されて、特性の改善、例えばより優れた貯蔵安定性またはin vivoでの半減期の増加が達成されたMISポリペプチドの誘導体であることができる。
前記方法はまた、無傷の535アミノ酸ヒトMISモノマーの残基427におけるタンパク質切断によって生じる約12.5kDa(非還元条件下で約25kDa)のMISのC末端フラグメントに対応するかまたはそれに構造的に類似するタンパク質を含むMISのC末端フラグメント(“成熟MIS”)を産生するために用いることができる。タンパク質切断認識部位は、551アミノ酸ウシMIS分子の残基443である。特に、この断片は、MISの約25kDaのホモ二量体C末端フラグメントを含む。ミュラー管退縮活性および抗増殖活性はMISのC末端ドメインに存在するので、用途によっては、MISのこの部位のみが必要な可能性がある。本方法はまた、無傷の535アミノ酸ヒトMISモノマーの残基427(551アミノ酸ウシMISの残基443)における切断によって生じる約57kDaの断片を含むMISのN末端断片を発現するために用いることもできる。
前記核酸配列は、それがMISまたはMISのバリアントをコードする限り、天然に存在するMISと同一でないことができる。従って、前記核酸配列は、天然に存在するMISのコード配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有することができる。好ましい実施形態において、本発明に用いられるMISをコードする核酸配列は、植物におけるコドン使用頻度に従って、特定のコドンを代替コドンに置換することによって、植物における発現に最適化される。
一実施形態において、MISの核酸配列は、植物における発現に最適化されたコード配列であり、配列番号1に示す配列またはそのバリアント、断片もしくはホモログを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。一実施形態において、MISのアミノ酸配列は、配列番号2に示す配列またはそのバリアント、断片もしくはホモログを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする核酸配列もまた含まれる。タンパク質顆粒は、正確な折りたたみおよび生物活性を保持したまま真核細胞の細胞内に貯蔵タンパク質を濃縮するように進化した、特定の植物の種子における天然に存在する構造体である。タンパク質顆粒は、細菌からの封入体の特徴の一部を共有する。タンパク質顆粒は高密度であり、疎水性相互作用によってきつく詰まった多量の凝集タンパク質を含む。貯蔵タンパク質は、シグナルペプチドによって小胞体内腔に挿入されることができ、小胞体由来タンパク質顆粒と呼ばれる特異的細胞小器官を発達させている小胞体またはタンパク質貯蔵空胞のいずれかに集積される。植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質の例は、貯蔵タンパク質または改変貯蔵タンパク質(プロラミンもしくは改変プロラミンまたはプロラミンドメインなど)を含む。γ-ゼインはトウモロコシ貯蔵タンパク質であり、4つのトウモロコシプロラミンの1つである。他の穀類プロラミンと同様に、α-およびγ-ゼインは、粗面小胞体の細胞質側の膜結合型ポリソームにおいて生合成され、内腔に集積され、次いで小胞体由来タンパク質顆粒に隔離される。
適切なプロラミンは、限定するものではないが、γ-ゼイン、αグリアジン、コメrP13タンパク質およびトウモロコシα-ゼイン22kDa N末端断片を含む。
好ましい実施形態において、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質は、4つの特徴的ドメインi)19アミノ酸からなるペプチドシグナルii)ヘキサペプチドPPPVHLを8単位含むリピートドメイン(53aa)、iii)プロリン残基が他のアミノ酸と交互に来るProXドメイン(29aa)およびiv)疎水性システインリッチC末端ドメイン、で構成されるγ-ゼインである。
植物細胞においてMISの発現レベルを改善することができる1以上の天然に存在しない反復配列モチーフがγ-ゼインに組み込まれるか置換されることができる。天然に存在しない反復配列モチーフの例は、PPPVHL以外の反復配列モチーフである。天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)が置換される場合、これらのドメインのリピートドメインもしくはProXドメインまたはその両方は変異されて天然に存在しない配列モチーフを生じる。反復配列は天然に存在しない配列モチーフなので、それは天然γ-ゼイン(例えば天然トウモロコシγゼイン)配列には存在しない。一実施形態において、天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)が、γ-ゼインのリピートドメインに組み込まれるか置換される。他の実施形態において、天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)が、γ-ゼインのProXドメインに組み込まれる。他の実施形態において、天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)が、γ-ゼインのリピートドメインおよびProXドメインに組み込まれる。好ましい実施形態において、天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)が、本質的にγ-ゼインリピートドメインおよびProXドメインからなる断片に置換される。このような断片の例は、γ-ゼインの少なくともアミノ酸残基22〜109、22〜110、22〜111、22〜112、22〜113、22〜114または22〜115を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。すなわち、融合タンパク質パートナーのN末端は、γ-ゼインのシグナルペプチドならびに、前述の記載に従った種々の置換を有するγ-ゼインの最初の105〜115アミノ酸を含む。
天然に存在しない反復配列モチーフの限定するものではない例は、(PPPVAL)nもしくは(Pro Pro Pro Val Ala Leu)n;(PPPVEL)nもしくは(Pro Pro Pro Val Glu Leu)n;(PPPAPA)nもしくは(Pro Pro Pro Ala Pro Ala)n;および(PPPEPE)nもしくは(Pro Pro Pro Glu Pro Glu)nまたはそれらの2以上の組み合わせ(式中、n=1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20または1〜25などである)からなる群から選択される。好ましい実施形態において、n=7または8である。アラニンおよびグルタミン酸に加えて、他のアミノ酸(限定するものではないがトレオニンなど)もまたプロリンリッチ非天然反復配列(例えば(PPPVTL)に用いることができる。
他の実施形態において、リピートドメイン、ProXドメインまたはその両方において、2以上の異なる天然に存在しない反復配列モチーフの組み合わせ、例えば(PPPVAL)nおよび(PPPVEL)n;または(PPPAPA)nおよび(PPPEPE)n;または(PPPVAL)nおよび(PPPVEL)nおよび(PPPAPA)n;または(PPPVEL)nおよび(PPPAPA)nおよび(PPPEPE)n;または(PPPVAL)nおよび(PPPVEL)nおよび(PPPAPA)nおよび(PPPEPE)nを用いることができる。
一実施形態において、γゼインのリピートドメインにおける(PPPAPA)n配列は、配列番号6に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
一実施形態において、γゼインのリピートドメインにおける(PPPEPE)n配列は、配列番号7に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
一実施形態において、γゼインのリピートドメインにおける(PPPVEL)n配列は、配列番号8に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
一実施形態において、γゼインのリピートドメインにおける(PPPVAL)n配列は、配列番号9に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
一実施形態において、γゼインのリピートドメインにおける(PPPVTL)n配列は、配列番号10に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
一実施形態において、γ-ゼインのProXドメインにおける(PPPAPA)n配列は、配列番号11に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
一実施形態において、γ-ゼインのProXドメインにおける(PPPEPE)n配列は、配列番号12に示す配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)は、γ-ゼインのリピートドメインおよび/またはProXドメインの5'末端または3'末端に位置することができる。天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)は、γ-ゼインのリピートドメインおよび/またはProXドメインの5'末端または3'末端に位置することができる。適切な実施形態において、天然に存在しない反復配列モチーフ(単数または複数)は、γ-ゼインのリピートドメインおよび/またはProXドメイン内に位置する。適切には、前記植物細胞は、融合タンパク質をコードする核酸の非存在下でタンパク質顆粒を産生しない。
適切には、タンパク質顆粒誘導配列は、さらに、植物細胞の小胞体に融合タンパク質を先導するペプチドをコードする配列を含む。該ペプチドは、多くの場合、リーダー配列またはシグナルペプチドと呼ばれ、融合タンパク質が発現される植物と同じ植物由来であることもできるし、異なる植物由来であることもできる。シグナルペプチドの例は、19残基γ-ゼインシグナルペプチド配列(WO2004003207参照);α-グリアジンの19残基シグナルペプチド配列または21残基γ-グリアジンシグナルペプチド配列(例えば、Plant Cell (1993) 5:443-450 and EMBO J (1984) 3 (6), 1409-11415 参照)である。同様に、他の植物からのシグナルペプチドの官能基化もまた前記文献に報告されている。シグナルペプチドは、γゼインおよび/またはMISに対して天然であるシグナルペプチドであることができる。シグナルペプチドをコードする核酸は、それがタンパク質のN末端またはC末端で発現されるように、核酸構築物中に位置することができる。一実施形態において、シグナルペプチドはN末端で発現される。
本明細書において、γ-ゼインに対して実質的相同性(すなわち配列類似性)または実質的同一性を有するバリアントもまた含まれる。γ-ゼインポリヌクレオチドのバリアントは、Genbankアクセッション番号NM_001111884に報告されている配列に対して少なくとも60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有することができる。本用語はまた、γ-ゼインに対する実質的相同性(すなわち配列類似性)または実質的同一性を有するγ-ゼインの断片を含む。γ-ゼインバリアントは、γ-ゼインの生物活性および/または免疫学的活性を示すバリアントであることができる。本明細書において、語句"γ-ゼインの生物活性"は、γ-ゼインバリアントが、天然に存在するγ-ゼインと実質的に同じであるかまたは同等である少なくとも1つの生物活性を有することを意味する。本明細書において、語句"γ-ゼインの免疫学的活性"は、天然に存在するγ-ゼインに特異的な抗体と交差反応するγ-ゼインバリアントの能力のことを言う。γ-ゼインのバリアントは、天然のγ-ゼインタンパク質のアミノ酸に加えてアミノ酸を含む場合もあり、天然のγ-ゼインタンパク質のアミノ酸のすべてを含むとは限らない場合もある。該バリアントは、サイレント変異を生じ、機能的に同等なタンパク質をもたらす、アミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有することができる。その物質の二次結合活性が保持されている限り、残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/または両親媒性における類似性に基づいて人工的なアミノ酸置換を行うことができる。例えば、負に荷電したアミノ酸はアスパラギン酸およびグルタミン酸を含み、正に荷電したアミノ酸はリジンおよびアルギニンを含み、非荷電極性頭部基を有し類似した親水性値を有するアミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンを含む。例えば以下の表に従って保存的置換を行うことができる。第2列における同じブロックのアミノ酸、好ましくは第3列における同じラインにおけるアミノ酸を、互いに置換することができる。
γ-ゼインは、γ-ゼインタンパク質の断片であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む前記断片であることができる。従って、例として、γ-ゼインは、タンパク質γ-ゼインの反復ドメインの全部または一部をコードすることもできるし、ProXドメインの全部または一部をコードすることもできる。
一実施形態において、γゼインの核酸配列は、配列番号3に示す配列を含むか、またはそのバリアント、断片もしくはホモログである。
一実施形態において、γゼインのアミノ酸配列は、配列番号4に示す配列を含むか、またはそのバリアント、断片もしくはホモログである。
他の実施形態において、γゼインの断片のアミノ酸配列は、配列番号5に示す配列を含むか、またはそのバリアント、断片もしくはホモログである。
適切には、核酸配列は、MISおよびγ-ゼインを含む融合タンパク質が植物細胞内で互いに作動可能に連結されている。一実施形態において、核酸分子は5’末端にMISを含み、3'末端にγ-ゼインを含む。他の実施形態において、核酸分子は3'末端にMISを含み、5’末端にγ-ゼインを含む。
適切には、核酸分子は、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する核酸配列とMISをコードする核酸配列との間にリンカー配列を含む。前記リンカー配列は、それらに作動可能に連結されることができる。一実施形態において、リンカー配列は、その配列中の1以上のペプチド結合が特異的に切断されることができるアミノ酸リンカーをコードする。従って、それは、2つのタンパク質を互いに分離できるように、酵素またはインテインなどの認識部位として機能できる。リンカーは、1以上のペプチド結合を特異的に切断することができる任意の実体(entity)によって切断されることができる。好都合には、リンカーは、融合タンパク質からMISの分離を可能にし、それによって、続いて、必要に応じてMISが精製され、それによって実質的に均一な組換えMISタンパク質を得ることを可能にする。適切には、MISは内部で切断されず、従ってMISの断片は生成されない。適切には、MISは、MISのN末端またはC末端で3未満、2または1の余分なアミノ酸が残るように切断される。適切には、MISは、MISのN末端またはC末端に余分なアミノ酸を残すことなく切断される。一実施形態において、融合タンパク質は、エンテロキナーゼを用いて切断されない。なぜなら、エンテロキナーゼはMISを内部で切断するからである。
融合タンパク質を切断してMISを放出させる好ましい方法は、融合パートナーのN末端がアミノ酸リンカーを介してMISのC末端に結合され、ここで配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができ、このアミノ酸リンカーが融合タンパク質中の他の部位には存在しないように融合タンパク質を設計することである。このアプローチの利点は、特異的認識配列などの特異的アミノ酸配列を参照することにより切断手段を選択することができることである。このリンカーは、1以上のペプチド結合の特異的切断を指示するのに必要な絶対最少配列を超えて含むことができる。このリンカーは、2つの核酸配列間の結合の結果として生成されることができる。この実施形態において、各配列は、切断可能なリンカー(例えば切断可能な認識部位)を形成するために連結されることができるいくつかのヌクレオチドを含む。
リンカーにおける1以上のペプチド結合を特異的に切断するために、プロテアーゼを用いることができる。このプロテアーゼはAla-Cエンドプロテアーゼであることができる。他の実施形態において、このプロテアーゼはGlu-Cエンドプロテアーゼであり、これはスタフィロコッカス・アウレウスプロテアーゼ(Staphylococcus aureus)V8とも呼ばれる。このプロテアーゼは、グルタミン酸残基のC末端のペプチド結合を特異的に切断するセリンプロテアーゼである。このプロテアーゼはまた、グルタミン酸残基よりも100〜300倍低い速度でアスパラギン酸残基を切断する。
他の実施形態において、プロテアーゼはTEVプロテアーゼである。TEVプロテアーゼはタバコエッチウイルスにおいて見られる高度に部位特異的なシステインプロテアーゼである。このプロテアーゼの最適切断認識部位は、配列Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-(Gly/Ser)であり、GlnとGly/Ser残基の間で切断が行われる。
従って、限定するものではない適切なリンカーの例は、Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-(Gly/Ser)、(Gly)x(式中、xは2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10またはそれ以上、または(Gly4Ser)yであり、ここでyは2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10またはそれ以上である)を含む。一実施形態において、リンカーは(Gly)4である。他の実施形態において、リンカーは(Gly4Ser)3である。他の実施形態において、MISをコードする配列は、前記リンカーの3'末端に位置する。
他の実施形態によれば、2つのタンパク質を分離するために、非蛋白分解性手段を用いることができる。従って、例えば、インテインを用いることができる。定義された条件下、例えば還元条件下で切断を誘導することができる種々様々なインテインが当該技術分野で公知である。従って、一実施形態によれば、アミノ酸リンカーはインテインをコードすることができる。インテインは、種々の細菌種由来であることができ、例えばシネコシスティス種(Synechocystis sp.)またはマイコバクテリウム種(Mycobacterium sp.)(例えばマイコバクテリウム・ゼノピ(Mycobacterium xenopi)であることができる。インテインは、サッカロミセス種(Saccharomyces sp.)、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来であることができ、例えば、サッカロミセス・セレビシエの液胞膜ATPアーゼインテインであることができる。一実施形態において、インテインはマイコバクテリウム・ゼノピのジャイレースAインテインである。融合タンパク質からMISを分離するために化学物質を用いることもでき、その場合はアミノ酸リンカーを必要としないこともできる。
さらなる実施形態によれば、本発明の方法に使用するための核酸構築物は、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする第1核酸配列であって、場合により天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列をさらに含む前記第1核酸配列;MISをコードする第2核酸配列;および場合により、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができるアミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列を含み、ここで前記第1、第2および第3核酸配列は互いに作動可能に連結されている。
従って、前記核酸配列の転写を制御する種々の制御ヌクレオチド配列もまた含むことができる。これらには、植物の発生における特定の時期における特定の細胞または組織、例えば栄養組織または生殖組織においてのみ活性な転写調節エレメントが含まれる。このような例の1つはプロモーターであり、これは、一般的には上流に位置し、二本鎖DNA断片に作動可能に連結されたポリヌクレオチドエレメント/配列のことを言う。適切なプロモーターは、RNA合成を開始するために、RNAポリメラーゼおよび種々の因子を含む転写複合体を動員することによって核酸配列の転写活性化を可能にする。プロモーターは、もっぱらネイティブ遺伝子に隣接する領域に由来することもできるし、異なる天然プロモーターまたは合成DNAセグメント由来の異なるエレメントから構成されることもできる。一実施形態によれば、組織特異的発現を用いることができ、これは、特定の組織における1以上のポリヌクレオチドの発現が好ましい場合に好都合であるであることができる。発生制御下での組織特異的プロモーターの例は、特定の組織、例えば栄養組織(例えば根もしくは葉)、または生殖組織、例えば果実、卵子、種子、花粉、雌しべ(ピストル)、花もしくは任意の胚組織のみにおいて(または主としてそれのみにおいて)転写を開始することができるプロモーターを含む。生殖組織特異的プロモーターは、例えば、葯特異的、卵子特異的、胚特異的、胚乳特異的、珠皮特異的、種子および種皮特異的、花粉特異的、花弁特異的、萼片特異的またはそれらの組み合わせであることができる。適切な葉特異的プロモーターは、C4植物(トウモロコシ)からのピルビン酸正リン酸ジキナーゼ(PPDK)プロモーター、トウモロコシからのcab-m1Ca+2プロモーター、アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)myb関連遺伝子プロモーター(Atmyb5)、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ(RBCS)プロモーター(例えば、トマトRBCS1、RBCS2およびRBCS3A遺伝子は葉および光照射下種苗において発現され、RBCS1およびRBCS2は発育中のトマト果実において発現され、あるいはリブロースビスリン酸カルボキシラーゼプロモーターは、葉身および葉鞘における葉肉細胞においてほぼ限定的に高レベルで発現される)を含む。適切な老化特異的プロモーターは、果実成熟、葉の老化および離脱に際して活性なトマトプロモーター、システインプロテアーゼをコードする遺伝子のトウモロコシプロモーターを含む。適切な葯特異的プロモーターを用いることができる。当業者に公知の適切な根優先的プロモーターを選択することができる。適切な種子選択的プロモーターは、種子特異的プロモーター(種子貯蔵タンパク質のプロモーターなどの、種子形成中に活性なプロモーター)および種子発芽プロモーター(種子発芽中に活性なプロモーター)の両方を含む。このような種子優先的プロモーターは、限定するものではないが、Cim1(サイトカイニン誘導性メッセージ);milps(ミオイノシトール-1-リン酸シンターゼ);mZE40-2(別名Zm-40);nuclc;およびcelA(セルロースシンターゼ)を含む。Glob-1は胚特異的プロモーターである。双子葉植物に関しては、種子特異的プロモーターは、限定するものではないが、マメβファセオリン、ナピン、β-コングリシニン、ダイズレクチン、クルシフェリンなどを含む。単子葉植物に関しては、種子特異的プロモーターは、限定するものではないが、トウモロコシ15kDaゼインプロモーター、22kDaゼインプロモーター、27kDaゼインプロモーター、g-ゼインプロモーター、27kDaγ-ゼインプロモーター(例えばgzw64Aプロモーター、Genbank Accession番号S78780参照)、waxyプロモーター、shrunken 1プロモーター、shrunken 2プロモーター、グロブリン1プロモーター(Genbank Accession番号L22344参照)、Itp2プロモーター、cim1プロモーター、トウモロコシend1およびend2プロモーター、nuc1プロモーター、Zm40プロモーター、eep1およびeep2;lec1、チオレドキシンHプロモーター;mlip15プロモーター、PCNA2プロモーター;ならびにshrunken-2プロモーターを含む。誘導性プロモーターの例は、病原菌攻撃、嫌気性条件、高温、光、干ばつ、冷温または高塩濃度に感受性のあるプロモーターを含む。病原体誘導性プロモーターは、病原体による感染後に誘導される病因関連タンパク質(PRタンパク質)(例えば、PRタンパク質、SARタンパク質、β-1,3-グルカナーゼ、キチナーゼ)に由来するものを含む。
植物プロモーターに加えて、他の適切なプロモーターは、細菌起源、例えばオクトピンシンターゼプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーターおよびTiプラスミド由来の他のプロモーター由来であることもできるし、ウイルスプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sおよび19S RNAプロモーター、タバコモザイクウイルスの構成的プロモーター、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sおよび35Sプロモーターまたはゴマノハグサモザイクウイルス35Sプロモーター)由来であることもできる。調節配列は、植物において機能しうる転写終結配列を含むこともできる。調節配列は、植物において機能しうる翻訳エンハンサーを含むこともできる。エンハンサーは、転写活性化因子などの転写制御タンパク質を動員してプロモーター活性を増強することによって転写活性化を増強することができる核酸配列である。適切なエンハンサーは、目的とする天然プロモーター(同種起源)に隣接する領域に由来することもできるし、非天然構造(異種起源)に由来し、プロモーターの活性または組織特異性を増強するために、目的とする任意のプロモーターに作動可能に連結されることもできる。転写ユニットの配向に対して任意の配向で作動するエンハンサーもある。例えば、エンハンサーは、プロモーターおよび核酸構築物を含む転写ユニットの上流または下流に位置することができる。
他の実施形態において、核酸配列、核酸構築物またはベクターなどは、例えばウイルス起源の遺伝子サイレンシングサプレッサーをコードする核酸配列を含む。一実施形態において、遺伝子サイレンシングサプレッサーは、ハーフェル川ウイルス(Havel river virus)(HaRV)、セイヨウナシ潜伏ウイルス(Pear latent virus)(PeLV)、トルコギキョウネクローシスウイルス(Lisianthus necrosis virus)、ブドウアルジェリア潜在ウイルス、ぺラルゴニウムネクローシス斑点ウイルス(Pelargonium necrotic spot virus)(PeNSV)、シンビジウムリングスポットウイルス(CymRSV)、アーチチョークモトルドクリンクルウイルス(AMCV)、カーネーションイタリアンリングスポットウイルス(CIRV)、レタスネクローシススタントウイルス、イネ黄色まだらウイルス(RYMV)、ジャガイモウイルスX(PVX)、アフリカカッサバモザイクウイルス(ACMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)、キュウリネクローシスウイルス(CNV)、ジャガイモウイルスY(PVY)、タバコエッチウイルス(TEV)およびトマトブッシースタントウイルス(TBSV)またはそれらの2以上の組み合わせからなる群から選択されるウイルスの遺伝子サイレンシングサプレッサーである。本発明に用いることができる遺伝子サイレンシングサプレッサーの例は、限定するものではないが、イネ黄色まだらウイルス(RYMV)のp1タンパク質、ジャガイモウイルスX(PVX)のp25タンパク質、アフリカカッサバモザイクウイルス(ACMV)のAC2タンパク質、キュウリモザイクウイルス(CMV)の2bタンパク質、キュウリネクローシスウイルス(CNV)の19kDa p19タンパク質、ジャガイモウイルスY(PVY)、タバコエッチウイルス(TEV)およびトマトブッシースタントウイルス(TBSV)のヘルパー成分プロテアーゼ(HcPro)を含む。一実施形態において、遺伝子サイレンシングサプレッサーはタバコエッチウイルス(TEV)のHcProである。他の実施形態において、遺伝子サイレンシングサプレッサーはトマトブッシースタントウイルス(TBSV)のp19タンパク質である。従って、他の実施形態において、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする第1核酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列をさらに含む前記第1核酸配列;MISをコードする第2核酸配列;および場合により、アミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記第3核酸配列;を含む核酸構築物であって、前記第1、第2および第3核酸配列が互いに作動可能に連結され、場合により、前記核酸配列(単数または複数)の転写を制御する制御ヌクレオチド配列および場合により遺伝子サイレンシングサプレッサーをコードする発現可能な核酸が、適切にはウイルス起源である前記核酸構築物が提供される。別の実施形態において、遺伝子サイレンシングサプレッサーをコードする発現可能な核酸は、該植物または植物細胞に導入され、MISもまた産生する該植物または植物細胞において同時発現される異なる第2核酸分子または第2核酸の一部であることができる。
組換えMISの発現に用いられる植物宿主細胞は、植物由来であることも植物から誘導可能であることもでき、また植物以外に培養された培養植物細胞であることもできる。従って、一実施形態において、植物は、in vitroで栽培された植物細胞または凝集細胞塊などの、培養でまたは植物以外に栽培された植物細胞などの植物細胞である。限定するものではない植物の例は、単子葉植物および双子葉植物の植物、例えば作物、観賞用植物および非栽培植物または野生植物を含む。さらなる例は、商業利益または農業利益に関する植物、例えば、作物(特にヒト食料または動物飼料に用いられる作物)、木材またはパルプ製造用樹木、野菜植物、果実植物および観賞用植物を含む。
植物、例えば単子葉植物および双子葉植物の植物に1以上の核酸分子を導入する(例えば形質転換するかまたは挿入する)技術は当該技術分野で公知である。核酸分子(単数または複数)、ベクター、構築物などを植物に導入するために任意の方法を用いることができる。例として、それらは、構築物(単数または複数)でコーティングされたミクロ粒子を用いる粒子銃または遺伝子銃技術、アグロバクテリウムによる形質転換(例えば、A.ラジオバクター(A. radiobacter)、A.リゾゲネス(A. rhizogenes)、A.ルビ(A. rubi)またはA.ツメファシエンス(A. tumefaciens)を用いる)、ウイルスベクターを用いた形質転換エレクトロポレーションおよびアグロバクテリウム細胞によるインフィルトレーション(アグロインフィルトレーションとも呼ばれる)によって植物に導入されることができる。一実施形態において、植物細胞のアグロバクテリウムによる形質転換が用いられる。他の実施形態において、全植物、無傷の植物、またはその一部に核酸を導入するためにアグロインフィルトレーションが用いられる。アグロインフィルトレーションは、当該技術分野で公知の技術および装置によって、低空気圧下または真空下で行うことができる。
植物への核酸の導入によって、核酸によってコードされるタンパク質の安定発現をもたらすことができる。一般的には、宿主ゲノムへの核酸の組み込みが行われ、それによってトランスジェニック植物が作成されることによって安定発現がもたらされ、該核酸は次世代に伝えられる。植物への核酸の導入によって、核酸によってコードされるタンパク質の一過性発現をもたらすことができる。一過性発現は、必ずしも、宿主ゲノムへの核酸への組み込みに依存しない。一般的には、アグロバクテリウム細胞によってインフィルトレーションされたタバコ植物が、5、10、15もしくは20日間またはそれ以上インキュベートされ、次いで植物部分が採取され、組換えにより製造されたタンパク質が回収される。発現の両方の形態が本発明によって考えられる。
核酸が導入された植物は、選択マーカー遺伝子が用いられる場合は、場合により選択下で、インキュベートし、子孫を得ることができる。これらの子孫は、トランスジェニック種子を製造するために用いることもできるし、あるいは他の植物によって育種することもできる。このような子孫によって得られた種子は、発芽させ、培養し、最初に導入された核酸を含む子孫のその後の世代の製造に用いることができる。植物からの未成熟胚または胚発生カルスを出発材料として用いることができる。これらの技術は、ルーチンであり、当業者に公知である。植物が成熟したら、該ヌクレオチド配列が発現される組織が採取され、本明細書に記載の方法を用いそれらから回収される。
例えば、安定な植物形質転換は、以下のように行うことができる。ベクターをアグロバクテリウム・ツメファキエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入する。Draper et al. (1988) In: Plant Genetic Transformation and Gene Expression. A Laboratory Manual (Eds. Draper, J. , Scott, R., Armitage, P. and Walden, R.), Blackwell Scientific Publications の方法に従って、タバコ(ニコチアナ・ベンサミアナ(Nicotiana benthamiana)またはN.タバカム(N. tabacum))のリーフディスクが形質転換される。再生される植物は、200mg/Lカナマイシンを含む培地で選択され、温室に移される。最も高い導入遺伝子産物レベルを有する形質転換タバコ植物を培養し、T1世代を得る。生育している葉(長さおおよそ12cm)を採取し、直ちに液体窒素で凍結し、さらなる実験のために-80℃で保存する。
植物宿主細胞は、穀類作物植物(例えば小麦、オートムギ、大麦、トウモロコシ、ライ麦、ライコムギ、米、ミレット、ソルガム、キノア、アマランサスおよびソバ);飼料作物植物(例えばアルファルファ、ベッチ、クローバーなどを含む飼料草および飼料双子葉植物);油種作物植物(例えば綿、ベニバナ、ヒマワリ、ダイズ、カノーラ、ナタネ、アマ、ピーナッツおよびアブラヤシ);ツリーナッツ(例えばウォールナッツ、カシュー、へーゼルナッツ、ペカン、アーモンドなど);サトウキビ、ココヤシ、ナツメヤシ、オリーブ、テンサイ、チャノキおよびコーヒーノキ;木材またはパルプ製造用樹木;野菜作物植物、例えばマメ科植物(例えば、マメ、エンドウ、レンズマメ、アルファルファ、ピーナッツ)、レタス、アスパラガス、アーティチョーク、セロリ、ニンジン、ハツカダイコン、ブラシカ属の各種(例えば、キャベツ、ケール、カラシナおよび他の葉物ブラシカ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、カブ、コールラビ)、ウリ科(例えば、キュウリ、メロン、夏スカッシュ、冬スカッシュ)、アリウム属の各種(例えば、タマネギ、ニンニク、ニラネギ、ワケギ、チャイブ)、ナス科のメンバー(例えば、トマト、ナス、ジャガイモ、コショウ、ホオズキ)およびアカザ科のメンバー(例えば、ビート、フダンソウ、ホウレンソウ、キノア、アマランサス);果実作物植物、例えばリンゴ、西洋ナシ、柑橘類の果物(例えば、オレンジ、ライム、レモン、グレープフルーツなど)、核果類(例えば、アプリコット、モモ、プラム、ネクタリン)、バナナ、パイナップル、ブドウ、キーウィ、パパイヤ、アボカドおよびベリー;ならびに観賞用顕花植物、観賞用樹木、観賞用グランドカバーおよび観賞用草を含む観賞用植物であることができる。さらなる双子葉植物の例は、限定するものではないが、カノーラ、綿、ジャガイモ、キノア、アマランサス、ソバ、ベニバナ、ダイズ、テンサイおよびヒマワリを含み、より適切にはダイズ、カノーラおよび綿を含む。さらなる単子葉植物の例は、限定するものではないが、小麦、オートムギ、大麦、トウモロコシ、ライ麦、ライコムギ、米、観賞用および飼料草、ソルガム、ミレットおよびサトウキビを含む。
植物宿主細胞は、以下の科の1つからの種を含む、単子葉植物または双子葉植物の植物または植物細胞系であることもできるし、それに由来することもできる:キツネノマゴ科(Acanthaceae)、ネギ科(Alliaceae)、ユリズイセン科(Alstroemeriaceae)、ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)、キョウチクトウ科(Apocynaceae)、ヤシ科(Arecaceae)、キク科(Asteraceae)、メギ科(Berberidaceae)、ベニノキ科(Bixaceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、パイナップル科(Bromeliaceae)、アサ科(Cannabaceae)、ナデシコ科(Caryophyllaceae)、イヌガヤ科(Cephalotaxaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)、イヌサフラン科(Colchicaceae)、Cucurbitaceae(ウリ科)、ヤマノイモ科(Dioscoreaceae)、マオウ科(Ephedraceae)、コカノキ科(Erythroxylaceae)、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)、マメ科(Fabaceae)、シソ科(Lamiaceae)、アマ科(Linaceae)、ヒカゲノカズラ科(Lycopodiaceae)、アオイ科(Malvaceae)、メランチウム科(Melanthiaceae)、バショウ科(Musaceae)、フトモモ科(Myrtaceae)、ヌマミズキ科(Nyssaceae)、ケシ科(Papaveraceae)、マツ科(Pinaceae)、オオバコ科(Plantaginaceae)、イネ科(Poaceae)、バラ科(Rosaceae)、アカネ科(Rubiaceae)、ヤナギ科(Salicaceae)、ムクロジ科(Sapindaceae)、ナス科(Solanaceae)、イチイ科(Taxaceae)、ツバキ科(Theaceae)またはブドウ科(Vitaceae)。
適切な種は、アベルモスクス属(Abelmoschus)、アビエス属(Abies)、アセル属(Acer)、アグロスチス属(Agrostis)、アリウム属(Allium)、アルストロメリア属(Alstroemeria)、アナナス属(Ananas)、アンドログラフィス属(Andrographis)、アンドロポゴン属(Andropogon)、アルテミシア属(Artemisia)、アルンド属(Arundo)、アトローパ属(Atropa)、ベルベリス属(Berberis)、ベタ属(Beta)、ビクサ属(Bixa)、ブラシカ属(Brassica)、カレンデュラ属(Calendula)、カメリア属(Camellia)、カンプトテカ属(Camptotheca)、カンナビス属(Cannabis)、カプシクム属(Capsicum)、カルタムス属(Carthamus)、カタランサス属(Catharanthus)、ケファロタクスス属(Cephalotaxus)、クリサンセマム属(Chrysanthemum)、シンコナ属(Cinchona)、キトルルス属(Citrullus)、コフィア属(Coffea)、コルチカム属(Colchicum)、コリウス属(Coleus)、ククミス属(Cucumis)、ククルビタ属(Cucurbita)、キノドン属(Cynodon)、ダツラ属(Datura)、ダイアンサス属(Dianthus)、ジギタリス属(digitalis)、ディオスコレア属(Dioscorea)、エラエイス属(Elaeis)、エフェドラ属(Ephedra)、エリアンサス属(Erianthus)、エリスロキシルム属(Erythroxylum)、ユーカリプタス属(Eucalyptus)、フェスツカ属(Festuca)、フラガリア属(Fragaria)、ガランツス属(Galanthus)、グリシン属(Glycine)、ゴシピウム属(Gossypium)、ヘリアンサス属(Helianthus)、ヘベア属(Hevea)、ホルデウム属(Hordeum)、ヒヨスチアムス属(Hyoscyamus)、ジャトロファ属(Jatropha)、ラクツカ属(Lactuca)、リナム属(Linum)、ロリウム属(Lolium)、ルピナス属(Lupinus)、リコペルシコン属(Lycopersicon)、リコポディウム属(Lycopodium)、マニホット属(Manihot)、メディカゴ属(Medicago)、メンタ属(Mentha)、ミスカンツス属(Miscanthus)、ムサ属(Musa)、ニコチアナ属(Nicotiana)、オリザ属(Oryza)、パニクム属(Panicum)、パパベル属(Papaver)、パルテニウム属(Parthenium)、ペンニセツム属(Pennisetum)、ペチュニア属(Petunia)、ファラリス属(Phalaris)、フレウム属(Phleum)、ピヌス属(Pinus)、ポア属(Poa)、ポインセチア属(Poinsettia)、ポプルス属(Populus)、ラウオルフィア属(Rauwolfia)、リシヌス属(Ricinus)、ロサ属(Rosa)、サッカルム属(Saccharum)、サリクス属(Salix)、サンギナリア属(Sanguinaria)、スコポリア属(Scopolia)、セカレ属(Secale)、ソラヌム属(Solanum)、ソルガム属(Sorghum)、スパルティナ属(Spartina)、スピナキア属(Spinacea)、タナセタム属(Tanacetum)、タクサス属(Taxus)、テオブロマ属(Theobroma)、トリチコセカレ属(Triticosecale)、トリチクム属(Triticum)、ウニオラ属(Uniola)、ベラトルム属(Veratrum)、ビンカ属(Vinca)、ヴィティス属(Vitis)およびゼア属(Zea)のメンバーを含むことができる。
他の適切な種は、パニクム種(Panicum spp.)、ソルガム種(Sorghum spp.)、ミスカンサス種(Miscanthus spp.)、サッカルム種(Saccharum spp.)、エリアンサス種(Erianthus spp.)、ポプルス種(Populus spp.)、アンドロポゴン・ゲラルディイ(Andropogon gerardii)(ビッグブルーステム)、ペンニセツム・プルプレウム(Pennisetum purpureum)(力芝)、ファラリス・アルンディナケア(Phalaris arundinacea)(クサヨシ)、キノドン・ダクティロン(Cynodon dactylon)(バミューダグラス)、フェスツカ・アルンディナケア(Festuca arundinacea)(鬼牛の毛草)、スパルティナ・ペクティナタ(Spartina pectinata)(プレーリーコード草)、メディカゴ・サティウァ(Medicago sativa)(アルファルファ)、アルンド・ドナックス(Arundo donax)(ジャイアントリード)、セカレ・ケレアレ(Secale cereale)(ライ麦)、サリクス種(Salix spp.)(ヤナギ)、ユーカリプタス種(Eucalyptus spp.)(ユーカリノキ)、トリチコセカレ(Triticosecale)(トリチクム(triticum)--小麦.タイム.ライ麦)、タケ、ヘリアンサス・アンヌス(Helianthus annuus)(ヒマワリ)、カルタムス・ティンクトリウス(Carthamus tinctorius)(ベニバナ)、ジャトロファ・クルカス(Jatropha curcas)(ジャトロファ)、リキヌス・コムムニス(Ricinus communis)(ヒマシ)、エラエイス・ギネエンシス(Elaeis guineensis)(ヤシ)、リヌム・ウシタティッシムム(Linum usitatissimum)亜麻仁油(アマ)、ブラッシカ・ユンケア(Brassica juncea)、ベタ・ブルガリス(Beta vulgaris)(テンサイ)、マニホット・エスクレンタ(Manihot esculenta)(キャッサバ)、リコペルシコン・エクスレンタム(Lycopersicon esculentum)(トマト)、ラクツカ・サティバ(Lactuca sativa)(レタス)、ムサ・パラディシアカ(Musa paradisiaca)(バナナ)、ソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum)(ジャガイモ)、ブラシカ・オレラシア(Brassica oleracea)(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)(チャノキ)、フラガリア・アナナッサ(Fragaria ananassa)(イチゴ)、テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao)(カカオノキ)、コフィア・アラビカ(Coffea arabica)(コーヒーノキ)、ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)(ブドウ)、アナナス・コモサス(Ananas comosus)(パイナップル)、カプシクム・アンヌウム(Capsicum annum)(唐辛子およびシシトウ)、アリウム・セパ(Allium cepa)(タマネギ)、ククミス・メロ(Cucumis melo)(メロン)、ククミス・サティウス(Cucumis sativus)(キュウリ)、ククルビタ・マクシマ(Cucurbita maxima)(スカッシュ)、ククルビタ・モスカータ(Cucurbita moschata)(スカッシュ)、スピナキア・オレラケア(Spinacea oleracea)(ホウレンソウ)、シトルルス・ラナタス(Citrullus lanatus)(スイカ)、アベルモスクス・エスクレンツス(Abelmoschus esculentus)(オクラ)、Solanum melongena(ソラナム・メロンゲーナ)(ナス)、ロサ種(Rosa spp.)(バラ)、ディアンツス・カリオフィルス(Dianthus caryophyllus)(カーネーション)、ペチュニア種(Petunia spp.)(ペチュニア)、ポインセチア・プルケリマ(Poinsettia pulcherrima)(ポインセチア)、ルピナス・アルブス(Lupinus albus)(ルピナス)、ウニオラ・パニクラータ(Uniola paniculata)(オートムギ)、ベントグラス(アグロスチス種(Agrostis spp.))、ポプルス・トレムロイデス(Populus tremuloides)(アスペン)、ピヌス種(Pinus spp.)(マツ)、アビエス種(Abies spp.)(モミ)、アセル種(Acer spp.)(カエデ)、ホルデウム・ウルガレ(Hordeum vulgare)(大麦)、ポア・プラテンシス(Poa pratensis)(ケンタッキーブルーグラス)、ロリウム種(Lolium spp.)(ライグラス)およびフレウム・プラテンセ(Phleum pratense)(オオアワガエリ)、パニクム・ウィルガツム(Panicum virgatum)(スイッチグラス)、ソルガム・ビカラー(Sorghum bicolor)(ソルガム、スーダングラス)、ミスカンサス・ギガンテウス(Miscanthus giganteus)(ミスカンサス)、サッカルム種(Saccharum sp.)(エネルギーケイン)、ポプルス・バルサミフェラ(Populus balsamifera)(ポプラ)、ゼア・マイス(Zea mays)(コーン)、グリシン・マックス(Glycine max)(ダイズ)、ブラッシカ・ナプス(Brassica napus)(カノーラ)、トリチクム・アエスチウム(Triticum aestivum)(小麦)、ゴシピウム・ヒルスツム(Gossypium hirsutum)(綿)、オリザ・サティバ(Oryza sativa)(米)、ヘリアンサス・アンヌス(Helianthus annuus)(ヒマワリ)、メディカゴ・サティウァ(Medicago sativa)(アルファルファ)、ベタ・ブルガリス(Beta vulgaris)(テンサイ)またはペンニセツム・グラウクム(Pennisetum glaucum)(トウジンビエ)を含むことができる。
特に適切な実施形態において、植物宿主細胞は、天然に存在するタバコ植物、変異タバコ植物、天然に存在しないタバコ植物またはトランスジェニックタバコ植物であることもできるし、それらに由来することもできる。タバコ植物は、ニコチアナ属の植物であって、N.ルスチカ(N. rustica)および/またはN.タバカムを含むニコチアナ属の種々の種を含む。他の種は、N.アカウリス(N. acaulis)、N.アクミナタ(N. acuminata)、N.アクミナタ・変種マルチフロラ(N. acuminata var. multiflora)、N.アフリカナ(N. africana)、N.アラタ(N. alata)、N.アムプレキシカウリス(N. amplexicaulis)、N.アレントシ(N. arentsii)、N.アテヌアタ(N. attenuata)、N.ベナビデシ(N. benavidesii)、N.ベンサミアナ(N. benthamiana)、N.ビゲロビ(N. bigelovii)、N.ボナリエンシス(N. bonariensis)、N.カビコラ(N. cavicola)、N.クレベランジ(N. clevelandii)、N.コルジフォリア(N. cordifolia)、N.コリンボサ(N. corymbosa)、N.デブネイ(N. debneyi)、N.エクセルシオル(N. excelsior)、N.フォルゲチア(N. forgetiana)、N.フラグランス(N. fragrans)、N.グラウカ(N. glauca)、N.グルチノサ(N. glutinosa)、N.グッドスピーディ(N. goodspeedii)、N.ゴセイ(N. gossei)、N.ハイブリッド(N.hybrid)、N.イングルバ(N. ingulba)、N.カワカミ(N. kawakamii)、N.ナイチアナ(N. knightiana)、N.ラングスドルフィ(N. langsdorffii)、N.リネアリス(N. linearis)、N.ロンギフロラ(N. longiflora)、N.マリチマ(N. maritima)、N.メガロシホン(N. megalosiphon)、N.ミエルシ(N. miersii)、N.ノクチフロラ(N. noctiflora)、N.ヌジカウリス(N. nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N. obtusifolia)、N.オシデンタリス(N. occidentalis)、N.オシデンタリス・亜種ヘスペリス(N. occidentalis subsp. hesperis)、N.オトホラ(N. otophora)、N.パニクラータ(N.paniculata)、N.パウシフロラ(N. pauciflora)、N.ペツニオイデス(N. petunioides)、N.プルムバギニフォリア(N. plumbaginifolia)、N.クアドリバルビス(N. quadrivalvis)、N.ライモンジ(N. raimondii)、N.レパンダ(N. repanda)、N.ロスラタ(N. rosulata)、N.ロスラタ・亜種イングルバ(N. rosulata subsp. ingulba)、N.ロツンジホリア(N. rotundifolia)、N.セトケリ(N. setchellii)、N.シムランス(N. simulans)、N.ソラニフォリア(N. solanifolia)、N.スペガジニ(N. spegazzinii)、N.ストクトニ(N. stocktonii)、N.スアベオレンス(N. suaveolens)、N.シルベストリス(N. sylvestris)、N.タバカム(N. tabacum)、N.チルシフロラ(N. thyrsiflora)、N.トメントサ(N. tomentosa)、N.トメントシホルミス(N. tomentosiformis)、N.トリゴノフィラ(N. trigonophylla)、N.アンブラチカ(N. umbratica)、N.アンドゥラタ(N. undulata)、N.ベルチナ(N. velutina)、N.ウィガンジオイデス(N. wigandioides)およびN.xサンデラエ(N. x sanderae)を含む。
栽培品種もしくは優良栽培品種であるかまたはそれら由来である植物宿主細胞の使用も考えられる。限定するものではない変種または栽培品種の例は、BD 64、CC 101、CC 200、CC 27、CC 301、CC 400、CC 500、CC 600、CC 700、CC 800、CC 900、Coker 176、Coker 319、Coker 371 Gold、Coker 48、CD 263、Denzizli、DF911、Galpaoタバコ、GL 26H、GL 350、GL 600、GL 737、GL 939、GL 973、HB 04P、K 149、K 326、K 346、K 358、K394、K 399、K 730、KDH 959、KT 200、KT204LC、KY10、KY14、KY 160、KY 17、KY 171、KY 907、KY907LC、KTY14xL8 LC、Karabaglar、Little Crittenden、McNair 373、McNair 944、msKY 14xL8、Narrow Leaf Madole、NC 100、NC 102、NC 2000、NC 291、NC 297、NC 299、NC 3、NC 4、NC 5、NC 6、NC7、NC 606、NC 71、NC 72、NC 810、NC BH 129、NC 2002、Neal Smith Madole、OXFORD 207、'Perique'タバコ、PVH03、PVH09、PVH19、PVH50、PVH51、R 610、R 630、R 7-11、R 7-12、RG 17、RG 81、RG H51、RGH 4、RGH 51、RS 1410、Speight 168、Speight 172、Speight 179、Speight 210、Speight 220、Speight 225、Speight 227、Speight 234、Speight G-28、Speight G-70、Speight H-6、Speight H20、Speight NF3、TI 1406、TI 1269、TN 86、TN86LC、TN 90、TN 97、TN97LC、TN D94、TN D950、TR (Tom Rosson) Madole、Turkish Samson、VA 309、VA359、DAC、Mata、Fina、PO2、BY-64、AS44、RG17、RG8、HB04P、Basma Xanthi BX 2A、Coker 319、Hicks、McNair 944 (MN 944)、Burley 21、K149、Yaka JB 125/3、Kasturi Mawar、NC 297、Coker 371 Gold、PO2、Wislica、Simmaba、Turkish Samsun、AA37-1、B13P、交配種BU21 x Hoja Parado 97株からのF4、Samsun、PO1、LA B21、LN KY171、TI 1406、Basma、Galpao、Beinhart 1000-1またはPeticoである。N.タバカム栽培品種の限定するものではない例は、AA37-1、B13P、Xanthi(Mitchell-Mor)、KTRD#3ハイブリッド107、Bel-W3、79-615、Samsun Holmes NN、KTRDC#2ハイブリッド49、KTRDC#4 Hybrid 110、Burley 21、BY-64、KTRDC#5 KY 160 SI、KTRDC#7 FCA、KTRDC#6 TN 86 SI、Coker 371 Gold、K 149、K 326、K 346、K 358、K 394、K 399、K 730、KY 10、KY 14、KY 160、KY 17、KY 8959、KY 9、KY 907、MD 609、McNair 373、NC 2000、PG 01、PG 04、M066、PO1、PO2、PO3、RG 11、RG 17、RG 8、Speight G-28、TN 86、TN 90、VA 509、AS44、Banket A1、Basma Drama B84/31、Basma I Zichna ZP4/B、 Basma Xanthi BX 2A、Batek、Besuki Jember、C104、Coker 319、Coker 347、Criollo Misionero、DAC Mata Fina、Delcrest、Djebel 81、DVH 405、Galpao Comum、HB04P、 Hicks Broadleaf、Kabakulak Elassona、Kasturi Mawar、Kutsage E1、KY 14xL8、 KY 171、LA BU 21、McNair 944、NC 2326、NC 71、NC 297、NC 3、PVH 03、PVH 09、 PVH 19、PVH 2110、Red Russian、Samsun、Saplak、Simmaba、Talgar 28、Turkish Samsun、Wislica、Yayaldag、NC 4、TR Madole、Prilep HC-72、Prilep P23、Prilep PB 156/1、Prilep P12-2/1、Yaka JK-48、Yaka JB 125/3、TI-1068、KDH-960、TI-1070、 TW136、Samsun NN、Izmir、Basma、TKF 4028、L8、TKF 2002、TN90、GR141、Basma xanthi、GR149、GR153、Petit HavanaまたはXanthi NNである。
植物宿主細胞は、組換えMISタンパク質の発現および/または活性を改善するように改変されることができる。宿主細胞は、例えば、MISの生成をさらに促進させるためにシャペロンタンパク質を含むように改変されることができる。宿主細胞は、MISの発現をより効率的に制御するためにリプレッサータンパク質をまたはさらには発現レベルを改善するためにエンハンサータンパク質を含むように改変されることができる。
植物においてMISを産生する方法は、前記植物において、融合タンパク質としてのMISの発現を可能にする条件下で前記植物を生育させる第2工程を含む。従って、MISポリペプチドは、融合タンパク質として該ポリペプチドを発現させるのに適切な培養条件下で植物細胞をインキュベートする(例えば培養する)ことによって製造される。得られたポリペプチドは、タンパク質顆粒の形態で植物細胞の小胞体内に発現される。
MISの発現は、細胞内のMISポリペプチドをコードするmRNAの量を検出することによって測定でき、これは、例えば、PCRまたはノーザンブロットによって定量することができる。試料中のMISポリペプチドの量の変化を測定しようとする場合は、公知の技術を用い、抗MIS抗体の使用によるMISの検出を用いて、細胞内のMISポリペプチドの量を定量することができる。あるいは、MISの生物活性は、本明細書に記載されるように測定することができる。
融合タンパク質を含むタンパク質顆粒を回収するために、種々の方法を用いることができる。組換えタンパク質顆粒様集積体は、特定の融合タンパク質に関する所定の密度を有する。所定の密度は、一般的には、ホモジネート中に存在する内因性宿主細胞タンパク質の全部の密度を実質的に超え、一般的には約1.1〜約1.35g/mlである。このタンパク質顆粒の高密度は、多量体として集積し、蓄積する組換え融合タンパク質の一般的能力によるものであることができる。植物内で発現される場合、該タンパク質顆粒は、一般的には約1ミクロンの直径を有する球形の形状であり、周囲の膜を有する。
密度によるタンパク質顆粒の回収は、一般的には、遠心機を用いて行われる。遠心分離は、密度勾配を与える溶質(例えば塩(例えば塩化セシウム)または糖(例えばショ糖))の存在下で行うことができる。ホモジネート中に異なる密度の領域を形成して、比較的高い濃度のタンパク質顆粒を含む領域と、比較的低い濃度のタンパク質顆粒を含む領域とを得ることができる。タンパク質顆粒の少ない領域から比較的高い濃度のタンパク質顆粒を含む領域を分離して、前記融合タンパク質を回収することができる。本明細書に記載されるように、融合タンパク質を含むタンパク質顆粒の単離の前に、タンパク質顆粒を採取するか、または1以上の試薬で処理するか、または1以上の手順に供することができる。いくつかの実施形態において、採取したタンパク質顆粒は、融合タンパクの単離を必要とすることなく、そのまま用いられる。
いくつかの実施形態において、1回の低速遠心分離工程で、ペレットの形態でタンパク質顆粒を十分に回収することができる。従って、例として、4℃、200x gで10分間の遠心分離で十分であることができる。他の実施形態において、低速遠心分離工程を1以上の高速遠心分離工程と組み合わせた2以上の遠心分離工程を行うことができる。従って、例として、固形物および細胞の破片を除去するための4℃、約200x gで10分間の遠心分離工程と、融合タンパク質をペレットに回収するための、例えば4℃、約6000x gで10分間の高速遠心分離工程とを組み合わせることができる。
この遠心分離工程は、場合により、次に、タンパク質顆粒の可溶化の前に、融合タンパク質を含むタンパク質顆粒を濃縮および富化するために、さらなる任意の遠心分離工程と共に、界面活性剤を含む溶液での1以上の洗浄工程を行うことができる、さらなる任意の遠心分離工程は、洗浄の合間に行うことができる。一実施形態において、用いられる界面活性剤はトリトンX-100であり、適切には1%トリトンX-100である。他の実施形態において、さらなる遠心分離工程が4℃、約6000x gで10分間行われ、これは洗浄の合間に行うことができる。
従って、本発明の一実施形態によれば、本方法は、植物または植物材料から融合タンパク質を含むタンパク質顆粒を回収するさらなる工程(c)であって、前記工程(c)は、好ましくは、(i)植物材料をホモジナイズする工程;(ii)ホモジナイズした植物材料を、低速、好ましくは約200x gで遠心分離する工程;(iii)ホモジナイズした植物材料を工程(ii)よりも高速、好ましくは、約6000x gで遠心分離する工程;(iv)融合タンパク質を含むタンパク質顆粒をペレット分画に回収する工程を含む。
融合タンパク質を可溶化するために、種々の緩衝液および試薬を用いることができる。例として、洗剤および/または還元剤を含む水性緩衝液に周囲の膜を溶出することによって、採取したタンパク質顆粒からMISを含む融合タンパク質を得ることができる。還元剤の例は、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸塩、ジチオスレイトール(DTT)、亜硫酸塩または亜硫酸水素イオンを含む。洗剤の例は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、イオン性洗剤(例えばデオキシコール酸塩およびラウロイルサルコシン)、非イオン性洗剤(例えばツイーン20、Nonidet P-40およびオクチルグルコシド)ならびに双性イオン洗剤(例えばCHAPS)を含む。結合したMISタンパク質を破壊しアンフォールドしないように条件が選択される。
適切な可溶化条件を見出すために試験することができる変数は、pH、塩、洗剤、還元剤ならびに他の変数例えば、成分比、時間および温度を含む。一実施形態において、尿素、ジチオスレイトールおよびトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)を含む緩衝液を用い、適切には1:10(w/v)のタンパク質顆粒:緩衝液比で可溶化を行うことができる。タンパク質顆粒は、終夜室温で緩衝液と共にインキュベートすることもできるし、かつ/または細胞破砕機と共にインキュベートすることもできる。緩衝液の所望のpHに応じて、種々の緩衝液を用いることができる。pH範囲を調節するために用いることができる緩衝液成分の限定するものではない例は、アセタート、シトラート、ヒスチジン、ホスファート、アンモニウム緩衝液、例えば酢酸アンモニウム、スクシナート、MES、CHAPS、MOPS、MOPSO、HEPES、トリスなど、ならびにこれらのトリス-リンゴ酸-NaOHの組み合わせ、マレアート、クロロアセタート、ホルマート、ベンゾアート、プロピオナート、ピリジン、ピペラジン、ADA、PIPES、ACES、BES、TES、トリシン、ビシン、TAPS、エタノールアミン、CHES、CAPS、メチルアミン、ピペリジン、ホウ酸、炭酸、乳酸、ブタネアン二酸、ジエチルマロン酸、グリシルグリシン、HEPPS、HEPPSO、イミダゾール、フェノール、POPSO、コハク酸、TAPS、アミンベースのベンジルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、フェニルアミン、エチレンジアミンまたはモホリンを含む。一実施形態において、緩衝液はpH約9を含む。他の実施形態において、緩衝液は、TCEP、DTTおよび尿素を含む50mMトリスpH9である。他の実施形態において、緩衝液は、約5mM TCEP、約50mM DTTおよび約4M尿素を含む50mMトリスpH9である。
従って、本発明の方法は、融合タンパク質を可溶化するさらなる工程(d)であって、前記可溶化工程(d)は、好ましくは、尿素、ジチオスレイトールおよび(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる混合物の使用を含むを含むことができる。場合により、調製物は、次の方法工程の前に、例えば20000x gで10分間遠心分離されることができる。
MISタンパク質を含む、分離され、可溶化された融合タンパク質が採取される。この工程で、MISタンパク質は、そのまま用いることができる。好ましくは、MISタンパク質は、さらに処理される。
従って、一実施形態において、本方法は、前記融合タンパク質からMISを放出するさらなる工程を含む。融合タンパク質からのMISの分離は、本明細書に記載されている。
他の実施形態において、融合タンパク質からのMISの分離に続いて、本方法は、切断/放出されたMISタンパク質を精製するさらなる工程(f)を含む。従って、一実施形態において、このように精製された組換えMISは、例えばSDS-PAGEまたはELISAによって測定される他のポリペプチドを実質的に含まない。他の実施形態において、精製されたMISは、例えばSDS-PAGEまたはELISAによって測定された100ppm未満の宿主タンパク質、適切には90ppm未満、80ppm未満、70ppm未満、60ppm未満、50ppm未満、40ppm未満、30ppm未満、20ppm未満、10ppm未満または5ppm未満の宿主タンパク質を含むMIS組成物であるとみなされる。本発明によって得られた、または得られるMISタンパク質は、その配列が由来する天然タンパク質の比活性の少なくとも50%、60%または70%、そして最も適切には少なくとも80%、90%、95%または100%の比活性を有することができる。
タンパク質精製は、負に荷電し、吸着剤または固相を横切るまたは通過する水溶液中のカチオンとの交換のための遊離カチオンを有する"陽イオン交換樹脂"を用いることができる。下記のように、陽イオン交換樹脂を形成するのに適切な任意の負に荷電したリガンド、例えばカルボキシラート、スルホナートなどを用いることができる。市販陽イオン交換樹脂は、限定するものではないが、例えば、スルホナートベースの基を有する樹脂(例えば、GEヘルスケア社製のMonoS、MiniS、Source 15Sおよび3OS、SP Sepharose Fast Flow(登録商標)、SP Sepharose High Performance、Tosoh社製のToyopearl SP-650SおよびSP-650M、BioRad社製のMacro-Prep High S、Pall Technologies社製のCeramic HyperD S、Trisacryl MおよびLS SPおよびSpherodex LS SP);スルホエチルベースの基を有する樹脂(例えば、EMD社製のFractogel SE、Applied Biosystems社製のPoros S-10およびS-20);スルホプロピルベースの基を有する樹脂(例えばTosoh社製のTSK Gel SP 5PWおよびSP-5PW-HR、Applied Biosystems社製のPoros HS-20およびHS 50;スルホイソブチルベースの基を有する樹脂(例えば、(EMD社製のFractogel EMD SO3");スルホキシエチルベースの基を有する樹脂(例えばWhatman社のSE52、SE53およびExpress-Ion S)、カルボキシメチルベースの基を有する樹脂(例えばGEヘルスケア社製のCM Sepharose Fast Flow、Biochrom Labs社製のHydrocell、BioRad社製のMacro-Prep CM、Pall Technologies社製のCeramic HyperD CM、Trisacryl MCM、Trisacryl LS CM、ミリポア社製のMatrx Cellufme C500およびC200、Whatman社製のCM52、CM32、CM23およびExpress-Ion C、Tosoh社製のToyopearl CM-650S、CM-650MおよびCM-650C);スルホン酸およびカルボン酸ベースの基を有する樹脂(例えばJ.T. Baker社製のBAKEPVBOND Carbpxy-Sulfon);カルボン酸ベースの基を有する樹脂(例えば、J.T Baker社製のWP CBX、Dow Liquid Sepations社製のDOWEX MAC-3、Sigma-Aldrich社製のAmberlite Weak Cation Exchangers、DOWEX Weak Cation ExchangerおよびDiaion Weak Cation ExchangersならびにEMD社製のFractogel EMD COO-);スルホン酸ベースの基を有する樹脂(例えば、Biochrom Labs社製のHydrocell SP、Dow Liquid Sepations社製のDOWEX Fine Mesh Strong Cation Exchangers、J.T. Baker社製のUNOsphere S、WP Sulfonic、Sartorius社製のSartobind S膜、Sigma-Aldrich社製のAmberlite Strong Cation Exchangers、DOWEX Strong CationおよびDiaion Strong Cation Exchanger);ならびにオルトリン酸塩ベースの基を有する樹脂(例えば、Whatman社製のPl 1)を含む。
タンパク質精製には、正に荷電し、従ってそれに結合した1以上の正に荷電したリガンドを有する"陰イオン交換樹脂"を用いることができる。吸着剤または固相に結合した、陰イオン交換樹脂を形成するのに適切な任意の正に荷電したリガンド、例えば第四級アミノ基を用いることができる。市販の陰イオン交換樹脂は、Applied Biosystems社製のDEAEセルロース、Poros PI 20、PI 50、HQ 10、HQ 20、HQ 50、D 50、Sartorius社製のSartobind Q、(GEヘルスケア社製)のMonoQ、MiniQ、Source15Qおよび3OQ、Q、DEAEおよびANX Sepharose Fast Flow、Q Sepharose high Performance、QAE SEPHADEX(登録商標)およびFAST QSepharose(登録商標)、J.T. Baker社製のWP PEI、WP DEAM、WP QUAT、Biochrom Labs社製のHydrocell DEAE and Hydrocell、Biorad社製のUNOsphere Q、Macro-Prep DEAEおよびMacro-Prep High Q、Pall Technologies社製のCeramic HyperD Q、ceramic HyperD DEAE、Trisacryl Mand LS DEAE、Spherodex LS DEAE、QMA Spherosil LS、QMA Spherosil MおよびMustang Q、Dow Liquid Separations製のDOWEX Fine Mesh Strong Base Type IおよびType II Anion ResinsおよびDOWEX MONOSPHER E77(弱塩基アニオン)、ミリポア社製のIntercept Q膜、Matrex Cellufme A200、A500、Q500およびQ800、EMD社製のFractogel EMD TMAE、Fractogel EMD DEAEおよびFractogel EMD DMAE、Sigma-Aldrich社製のAmberiite weak strong anion exchangers type Iand II、DOWEX weak and strong anion exchangers type Iand II、Diaion weak and strong anion exchangers type Iand II、Duolite、Tosoh社製のTSKゲルQおよびDEAE 5PWおよび5PW-HR、Toyopearl SuperQ-650S、650Mおよび650C、QAE-550Cおよび650S、DEAE-650Mおよび650C、Whatman社製のQA52、DE23、DE32、DE51、DE52、DE53、Express-Ion DおよびExpress-Ion Qを含む。
"アフィニティークロマトグラフィー"は、通例、空間的相補性および結合部位における1以上のタイプの化学的相互作用、例えば、静電力、水素結合、疎水性力およびファンデルワールス力の組み合わせでタンパク質が生物学的に特異的なリガンドに可逆的かつ特異的に結合する分離技術のことを言う、タンパク質精製のもう1つの方法である。これらの相互作用は、例えば等電点、疎水性またはサイズなどの分子の一般的特性によるものではなく、タンパク質とリガンドとの間の特異的相互作用、例えばエピトープに対する免疫グロブリン結合、免疫グロブリンに対するプロテインA結合、生物学的反応修飾剤とその細胞表面受容体との間の相互作用の結果によるものである。多くの場合、生物学的に特異的なリガンドはまた、タンパク質またはポリペプチドであり、固相、例えばビーズに固定されることができる。
"混合モードイオン交換樹脂"は、タンパク質精製のもう1つの方法であり、陽イオン部分、陰イオン部分または疎水性部分で共有結合的に改変された固相のことを言う。混合モードイオン交換樹脂の例は、BAKERBOND ABX(登録商標)(J. T. Baker社;ニュージャージー州フィリップスバーグ)、セラミックヒドロキシアパタイトタイプIおよびIIならびにフルオリドヒドロキシアパタイト(BioRad社;カリフォルニア州ハーキュリーズ)ならびにMEPおよびMBI HyperCel(Pall Corporation社;ニューヨーク州イーストヒルズ)を含む。疎水性電荷誘導クロマトグラフィー(または"HCIC")は、混合物中のタンパク質が、添加塩(例えば離液性塩)の非存在下で弱い疎水性相互作用によって、イオン化可能なリガンドに結合する混合モードクロマトグラフィープロセスの1つのタイプである。混合モードは、結合のためのあるモードおよび溶離のためのもう1つのモードのことをいう。例えば、HCICに有用な固相は、その分離能力のために、チオフィリック作用の特性を組み合わせたリガンドである(すなわち、チオフィリッククロマトグラフィーの特性を利用する)疎水性基およびイオン化可能基を含む。従って、本発明の方法に用いる吸着剤は、中性(生理学的)または弱酸性のpH、例えばpH約5〜10、好ましくはpH約6〜9.5でイオン化可能であり、弱い疎水性のリガンドを含む。このpHでは、リガンドは主に非荷電性であり、弱い非特異的疎水性相互作用によってタンパク質に結合する。pHが低下すると、そのpHシフトによる溶質に対する帯電反発によって、リガンドは電荷を獲得し、疎水性結合は破壊される。HCICに使用するための適切なリガンドの例は、任意のイオン化可能な芳香族または複素環構造(例えば、ピリジン構造、例えば2-アミノメチルピリジン、3-アミノメチルピリジンおよび4-アミノメチルピリジン、2-メルカプトピリジン、4-メルカプトピリジンまたは4-メルカプトエチルピリジン、メルカプト酸、メルカプトアルコール、イミダゾリルベース、メルカプトメチルイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、アミノメチルベンゾイミダゾール、ヒスタミン、メルカプトベンゾイミダゾール、ジエチルアンモプロピルアミン、アミノプロピーノルホリン、アミノプロピルイミダゾール、アミノカプロン酸、ニトロヒドロキシ安息香酸、ニトロチロシン/エタノールアミン、ジクロロサリチル酸、ジブロモチラミン、クロロヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニル酢酸、チラミン、チオフェノール、グルタチオン、ビスルファートおよび色素ならびにそれらの誘導体を含む。
一実施形態において、逆相クロマトグラフィーが用いられる。これは、非極性固定相を用いるクロマトグラフ法のことをいう。他の実施形態において、高速逆相タンパク質液体クロマトグラフィーが用いられる。
他の実施形態において、塩基性緩衝液を用いてタンパク質精製法が行われる。
他の実施形態において、タンパク質精製法は、1工程方法または2工程方法を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。
当該技術分野で記載されているMISの精製法もまた用いることができる。例として、US4,404,188は、陰イオン交換樹脂でMISの水溶液をクロマトグラフィーにかけ、前記生物活性MISを含む非結合分画を採取し、前記陰イオン交換樹脂からの前記非結合生物活性分画を陽イオン樹脂でクロマトグラフィーにかけ、前記生物活性MISを含む非結合分画を採取するMISの精製法を記載している。US5,310,880は、(a)抗体-クロマトグラフィーマトリックスに組換えMISを結合させる工程であって、ここで前記抗体はMISに特異的である前記工程;(b)アルカリ金属ハリド溶液であって、キレート剤の有効量を含む前記溶液の有効量を前記マトリックスに加えることによって、混在するMISタンパク質分解活性を有する酵素またはMIS抗増殖活性の阻害薬を実質的に除去する工程、(c)約2.5〜4.0のpHを有する酸溶液で溶出することによって組換えMISを回収する工程を含むMISの精製法を記載している。
一実施形態において、植物においてMISを産生する方法は、(a)植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードする第1核酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列をさらに含む前記核酸配列、第2核酸配列をコードするMIS;および場合により、アミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記第3核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記第1、第2および第3核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物が導入された植物をインキュベートする工程、(b)前記植物において、融合タンパク質としてのMISの発現を可能にする条件下で前記植物をインキュベート(例えば生育)する工程;(c)植物から融合タンパク質を含むタンパク質顆粒を回収する工程;(d)融合タンパク質を含むペレット分画を可溶化する工程;(e)前記融合タンパク質からMISを放出させる工程;(f)放出されたMISタンパク質を精製する工程を含む。
さらなる側面は、本明細書に記載されるように、前記核酸配列および、前記核酸配列の転写を制御する制御ヌクレオチド配列を含む核酸構築物に関する。該構築物は、1以上のMIS核酸を含む、二本鎖の組換えDNA断片であることができる。
さらなる側面は、核酸配列、核酸分子または核酸構築物を含むベクターに関する。適切なベクターは、限定するものではないが、染色体外複製が可能なエピゾーム、例えば環状二本鎖DNAプラスミド;線状化二本鎖DNAプラスミド;および任意の起源の他のベクターを含む。該ベクターは、細菌の形質転換および/または植物への導入に適したベクターを含む。本明細書に記載の核酸配列、核酸分子または構築物を含むベクターは、細胞に導入されたとき、前記細胞のゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体(単数または複数)に加えて複製されるプラスミド、コスミドまたは植物ベクターであることができる。基本的な細菌または植物ベクターは、適切には、広宿主域複製起点;選択マーカー;および、アグロバクテリウムによる形質転換のために、アグロバクテリウムによる植物染色体への導入のためのT-DNA配列を含む。異種配列の植物ゲノムへの組み込みを可能にするのに適した配列もまた用いることができる。これらには、トランスポゾン配列など、Cre/lox配列および相同組換えのための宿主ゲノム断片ならびに植物ゲノムへのランダム挿入を可能にするTi配列を含むことができる。
本明細書に記載の融合タンパク質を発現するのに特に有用であることができる発現ベクターを作成するために、プロモーターをベクターに組み込むことができる。適切な発現ベクターは、染色体外複製が可能なエピゾーム、例えば環状二本鎖DNAプラスミド;線状化二本鎖DNAプラスミド;および他の機能的に同等な任意の起源の発現ベクターを含む。発現ベクターは、MIS核酸またはMIS核酸構築物などに作動可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。プロモーターは、MIS核酸に直接に結合されることもできるし、中間にある介在核酸、例えば融合タンパク質の1以上の成分をコードする核酸であることもできる。
核酸配列、核酸構築物、核酸ベクターなどの製造において、それらの種々の断片を、種々の処理条件、例えばライゲーション、制限酵素消化、PCR、in vitro変異誘発、リンカーおよびアダプター付加などに供することができる。従って、MISの発現のための構築物に用いられるDNAに、ヌクレオチド移行、塩基転換、挿入、欠失などを行うことができる。制限酵素消化、クレノウ平滑末端処理、ライゲーションなどのための方法は、当業者に公知であり、例えばManiatisら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)に記載されている。
他の側面において、(i)植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導するタンパク質をコードするアミノ酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードするアミノ酸配列をさらに含む前記アミノ酸配列;(ii)場合により、リンカーをコードするアミノ酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記アミノ酸配列;および(iii)MISをコードするアミノ酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる融合タンパク質が記載される。
融合タンパク質は、植物細胞における、本明細書に記載の核酸配列または核酸分子の発現産物である。融合タンパク質は、植物細胞内の安定な小胞体由来タンパク質顆粒に蓄積される。
他の側面において、本明細書に記載の核酸配列、核酸構築物、ベクターまたは融合タンパク質を含む植物または植物材料が記載される。
他の側面において、本発明の方法によって入手されるかまたは入手可能なMISが記載される。
本発明によって入手されるかもしくは入手可能な組換えMISまたはMISを含み、所望の純度を有するタンパク質顆粒の凍結乾燥製剤または水溶液の形態の製剤は、任意の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)を参照のこと)と混合することによって、貯蔵のために調製することができる。許容される担体、賦形剤または安定剤は、用いられる用量および濃度でレシピエントに毒性がなく、緩衝液、例えばリン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐薬(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばオリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジン;グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む単糖、二糖および他の炭水化物;キレート剤、例えばEDTA;糖、例えばショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成性対イオン例えばナトリウム;金属錯体;または非イオン性界面活性剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)を含む。
組換えMISタンパク質はまた、公知の方法を用いてPEG化することもできるし、ポリエチレングリコールに結合させることもできる。PEG化MISタンパク質は、in vivoでより安定であることができ、治療を必要とする哺乳動物に投与されるとき、体内でより長い半減期をもたらす。一般に、他の薬学的に重要なポリペプチドに用いる方法と同様な方法を用いて医薬組成物を処方し、投与することができる。組換えMISタンパク質は、凍結乾燥形で保存され、投与の直前に滅菌水で再構成され、静脈内に投与されることができる。好ましくは、医薬製剤は、治療される特定の状態のためのルーチン用量滴定実験によって決定される用量で投与される。
以下の実施例は例として提供されるものであり、限定のために提供されるものではない。特記しない限り、本発明は、分子生物学、植物生物学および植物育種の慣用法および方法を用いる。
材料および方法
クローニングおよびインフィルトレーション
γ-ゼイン野生型遺伝子、その断片およびバリアントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸構築物は、それぞれ成熟MISをコードする合成配列に連結される。γ-ゼインの断片またはバリアントが用いられる場合、その断片またはバリアントに天然γ-ゼインシグナルペプチドが存在するとき、該核酸構築物は、さらに、その5’末端に天然γ-ゼインシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。特定の実験に関して、その構築物中にγ-ゼインとMISコード配列の間に位置する、プロテアーゼ切断部位を含むリンカーをコードする合成核酸配列もまた含まれる。成熟MISのコード配列は、植物における発現のために最適化された。核酸構築物は、タバコ植物細胞における核酸構築物の発現をmin35Sプロモーターが促進する部位で、ベクターにクローニングされる。
クローニングされる核酸構築物を含むベクターは、アグロバクテリウム・ツマファキエンス(Agrobacterium tumafaciens)Agl1株に導入される。アグロバクテリウム細胞は、ロータリーシェーカー上でOD600が1.6を超えるまで、28℃、250rpmで増殖される。増殖後、細菌を、4℃、8’000gで15分間遠心分離することによって採取し、10mM MgCl2および5mM(2-(n-モルホリノ)-エタンスルホン酸、MES)を含むインフィルトレーション溶液に再懸濁し、最終的にpHを5.6、OD600を2にする。
植物(ニコチアナ・ベンサミアナ)は、通常条件下で生育され、個々の葉は、シリンジを用い、標準法によってインフィルトレーションされる。木の葉を注意深く逆さにし、背軸面を暴露し、細菌懸濁液を含む1mL無針シリンジを用いて、その葉の細胞内スペースに圧力でインフィルトレーションする。インフィルトレーション後6日から10日で、熱シールポーチ中にリーフディスクを採取し、シールし、ドライアイス層の間に少なくとも10分間置く。
組換えタンパク質の抽出
タバコ葉を液体窒素中で粉砕し、抽出緩衝液(新鮮葉材料1g当たり、50mMトリス-HCl pH8、200mMジチオスレイトール(DTT)および任意のプロテアーゼインヒビター(アプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチン、フッ化フェニルメチルスルホニルおよびE64[(N-(N-(L-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル)-Lロイシル)-アグマチン]を用いてホモジナイズする。ホモジネートを4℃で20分間撹拌し、次いで遠心分離する(24000rpm、20分間、4℃)。この材料を、Miraclothで重力によって濾過し、次いで遠心分離し(200 x g、10分間、4℃)、続いてさらに遠心分離する(6000 x g、10分間、4℃)。ペレット分画を1%トリトンX-100で洗浄し、20分間撹拌する。
ウェスタンブロット分析
15%SDSポリアクリルアミドゲルでタンパク質を分離し、セミドライ装置を用いてニトロセルロース膜(0.22ptM)に移行させる。膜をγ-ゼイン特異的抗体(Ludevid et al. (1985) Plant Sci. 41: 41-48.)と共にインキュベートし、西洋ワサビペルオキシダーゼ共役抗体と共にインキュベートする。免疫反応性バンドを増強化学発光(ECLウェスタンブロットシステム、アマシャム社)によって検出する。
ELISAアッセイ
可溶性葉タンパク質抽出物についてのMISの定量のためにELISAアッセイを行い、融合タンパク質を部分精製する。マイクロタイタープレート(MaxiSorp、Nalgene Nunc International社)に、リン酸緩衝化生理食塩水pH7.5(PBS)で希釈した可溶性タンパク質(100μl)を負荷し、終夜4℃でインキュベートする。ウェルを3回洗浄後、PBS-T(0.1%ツイーン20を含むPBS)による3%ウシ血清アルブミン(BSA)を用い、室温で1時間特異的結合をブロックする。このプレートをMIS抗血清と共に2時間インキュベートし、PBS-Tで4回洗浄した後、ペルオキシダーゼ共役二次抗体と共に2時間インキュベートする。一次抗体および二次抗体を1%BSAを含むPBS-Tで希釈する。PBS-Tでよく洗浄した後、過酸化水素を含む基質緩衝液を用い、37℃で酵素反応を行う。10分後に2N硫酸を用いてこの反応を停止させ、Multiskan EX分光光度計(Labsystems社)を用いて450nmで吸光度を測定する。MIS抗血清を用いて得た検量線から、植物抽出物中の抗原濃度を外挿する。
融合タンパク質の可溶化
可溶化のために選択された緩衝液中、終夜室温で融合タンパク質をインキュベートする。
融合タンパク質の切断
切断のために、消化用緩衝液(消化緩衝液)(例えば50mMトリス-HCl pH8、0.5M EDTA、1mM DTT、0.2%TEV)30マイクロリットル中で切断剤と共に融合タンパク質を30℃で3時間インキュベートする。18%トリス-トリシンポリアクリルアミドゲル電気泳動で消化産物を分析し、放出されたMISをイムノブロットによって検出する。
放出されたMISの精製
MISタンパク質を20mMトリス-HCl pH8.6に再懸濁し、PD 10カラム(Sephadex G-25M、Amersham Pharmacia社)で脱塩する。RESOURCE RPC 3mlカラム(ID0010)を備えたAKTA Explorerを用いて、高速逆相タンパク質液体クロマトグラフィーによって脱塩したタンパク質抽出物を分画する。2%アセトニトリル、0.1%TCAおよび20mM β-メルカプトエタノールを含む第1緩衝液ならびに80%アセトニトリル、0.1%TCAおよび20mM β-メルカプトエタノールを含む第2緩衝液を用いる。流速を2ml/分に調整し、0〜60%の緩衝液(80%アセトニトリル、0.1%TCAおよび20mM β-メルカプトエタノール)10CVならびに60〜100%の緩衝液(80%アセトニトリル、0.1%TCAおよび20mM β-メルカプトエタノール)20m CVの勾配を用いた。1ml+0.5mlの容量で分画を溶出する。溶離分画におけるMISの存在は、15%SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動および、MIS抗血清を用いるイムノブロット検出によって評価する。陽性分画を脱塩し、5 K NMWL遠心濾過機(BIOMAX、ミリポア社)で濃縮する。
MIS-γ-ゼイン融合タンパク質の発現レベル
アグロバクテリウムによるアグロインフィルトレーションを用いてタバコ植物にγ-ゼイン-エンテロキナーゼMIS融合タンパク質構築物(γ-ゼイン-MIS)を導入する。総タンパク質を抽出し、γ-ゼイン特異的抗体を用いるウェスタンブロットによって定量する。γ-ゼインを含まない同一条件下で発現したMISを用いる対照実験もまた実施する(MIS)。4つのアグロインフィルトレーション事象の平均からの発現レベルは次のとおりである。
γ-ゼイン-MISに関しては、発現レベルは約0.2〜0.6gγ-ゼイン-MIS/kg新鮮重である。
γゼインを含まないMISに関しては、発現レベルは、約0.1〜0.3gγ-ゼイン-MIS/kg新鮮重である。
これらの平均結果に基づけば、γ-ゼインを含まない発現レベルよりは、γ-ゼイン-MISの発現が約30高いということが結論される。
γ-ゼインにおいて天然に存在しない種々のリピートモチーフの分析
γ-ゼインにおいて天然に存在しない種々のリピートモチーフを用いてγ-ゼイン-MIS融合構築物を製造する。以下の構築物試験する:γ-ゼインペプチドのみ(γ-ゼイン-wt);(PPPVAL)nリピートモチーフを含むγ-ゼイン;(PPPVEL)nリピートモチーフを含むγ-ゼイン;(PPPAPA)nリピートモチーフを含むγ-ゼインおよび(PPPEPE)nリピートモチーフを含むγ-ゼイン。
アグロバクテリウムによるアグロインフィルトレーションを用いて、種々のタバコ植物に構築物を別々にインフィルトレーションする。総タンパク質を抽出し、γ-ゼイン特異的抗体を用いるウェスタンブロットによって定量する。γ-ゼイン-wtに対する2つのアグロインフィルトレーション事象の平均からの発現レベルは次のとおりである。
試験した5つの構築物のうち3つ(γ-ゼイン-Glu、γ-ゼイン-(PPPAPA)nおよびγ-ゼイン-(PPPEPE)nは、γ-ゼイン-wt単独と比較して、発現レベルが顕著に増加している。
C末端MISを用いる種々のγゼインリピートモチーフの分析
構築物のC末端にMISを有するγ-ゼインにおいて、種々の天然に存在しないリピートモチーフを用いてγ-ゼイン-MIS融合構築物を製造する。以下の構築物を用いる:γ-ゼインペプチドのみ(γ-ゼイン-wt);(PPPVAL)nリピートモチーフを含むγ-ゼイン;(PPPVEL)nリピートモチーフを含むγ-ゼイン;(PAPA)nリピートモチーフを含むγ-ゼインおよび(PEPE)nリピートモチーフを含むγ-ゼイン。
アグロバクテリウムによるアグロインフィルトレーションを用い、種々のタバコ植物に構築物を別々にインフィルトレーションする。総タンパク質を抽出し、γ-ゼイン特異的抗体を用いるウェスタンブロットによって定量する。γ-ゼイン-wtに対して、4つのアグロインフィルトレーション事象の平均からの相対的発現は次のとおりである:
トランスジェニックタバコ植物の葉からMIS融合タンパク質の可溶性抽出物を得、次いで低速(200 x g)で遠心分離する。沈殿したタンパク質を緩衝液に再懸濁し、可溶化する。γ-ゼイン-wtに対する可溶化後の収量は次のとおりである:
γ-ゼイン-(PPPVAL)n、γ-ゼイン-(PPPVEL)n、γ-ゼイン-(PPPAPA)nおよびγ-ゼイン-(PPPEPE)nはMISの発現レベルを顕著に増加させる。低速遠心分離後のペレットにおけるタンパク質の回収によってみられるように、上清においてタンパク質の明らかな損失が見られないことから、すべての構築物は、密な構造での融合タンパク質の蓄積を可能にする。本実験において、γ-ゼイン-(PPPVEL)n-MISは、最も良い収量をもたらす。
融合タンパク質を含むタンパク質顆粒の回収
γ-ゼイン-(PPPVEL)n-MISおよびγ-ゼイン-(PPPAPA)n-MIS融合タンパク質顆粒を回収するために、以下の方法を用いる。
タバコ葉を液体窒素中で粉砕し、抽出緩衝液(新鮮葉材料1g当たり、50mMトリス-HCl pH8、200mMジチオスレイトール(DTT)および任意のプロテアーゼインヒビター(アプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチン、フッ化フェニルメチルスルホニルおよびE64[(N-(N-(L-3-トランス-カルボキシオキシラン-2-カルボニル)-Lロイシル)-アグマチン]を用いてホモジナイズする。ホモジネートを20分間撹拌し、20分間遠心分離し(24000rpm、4℃)、20分間撹拌する。この混合物を、Miraclothの1層を介し、重力によって濾過する。さらなる遠心分離工程(4℃、200x gで10分間)で固形物および細胞の破片を除去し、次いで第2遠心分離工程(4℃、6000x gで10分間)によってペレットに融合タンパク質を回収する。これに続いて、1%トリトンX-100で2回洗浄し、20分間撹拌し、次いで、さらなる遠心分離工程(4℃、1500x gで10分間)を行う。この方法もまた、タンパク質顆粒の濃縮および富化を可能にする。
融合タンパク質の可溶化
融合タンパク質を可溶化するために、種々のセットの緩衝液を試験する。試験される変数は、pH、塩、洗剤、尿素、還元剤、比率、時間および温度を含む。γ-ゼイン-Glu-MISおよびγ-ゼイン-PAPA-MISタンパク質顆粒を可溶化するために本実験で見出される条件セットは、タンパク質顆粒:緩衝液の比率が1:10(w/v)での50mMトリスpH9、約5mM TCEP、約50mM DTTおよび約4M尿素を含む緩衝液である。タンパク質顆粒は、終夜室温で、緩衝液と共にインキュベートされる。
融合タンパク質の切断
MISのN末端で余分なアミノ酸を残すことなくMISを切断するために、種々様々な切断剤を分析する。30℃、50mMトリスpH8.0、0.5mM EDTA、1mM DTTおよび0.2%切断剤中で3時間、切断が行われる。試験される切断剤は、エンテロキナーゼ、プラスミン、TEVプロテアーゼおよびインテインを含む。
本実験において、TEVプロテアーゼは、MISタンパク質上に余分なアミノ酸を残すことなく、(Gly)5リンカーを用いる試験される構築物中の正しい位置で切断することが見出される。構築物はまた、天然に存在しない配列モチーフ(単数または複数)であるPAPAまたはGluを含む。
融合タンパク質からのMISの首尾よい分離のために、マイコバクテリウム・ゼノピジャイレースAインテインもまた用いられる。
切断MISタンパク質の精製
MISに関して所望のレベルの純度をもたらす方法を見出すために、種々のクロマトグラフ法を試験する。以下の条件下で、高速逆相タンパク質液体クロマトグラフィーを用いてMISを精製する。
CV=カラム体積。図1に示すように、溶離分画をSDS-PAGEで分析する。精製されたMISの分画が得られる。
MISアッセイ
例えば、すべての植物生成試料の生物活性に関してスクリーニングするために、MISに関する標準的器官培養バイオアッセイ(Endocrinology (1992) 131, 291-296)を用いて、生物活性に関してMISをアッセイし、その結果を、CHO細胞 (Cell (1986) 45, 685-698)から分泌される精製されたMISと比較することができる。簡潔に言えば、10%雌ウシ胎児血清および試験される試料を含むMISを含む強化CMRL 1066培地(GIBCO/BRL社、メリーランド州ゲイザースバーグ)上の寒天コーティングされたステンレススチールグリッドに雌胎児ラット泌尿生殖器隆腺を置く。インキュベーション3日後、試料を15%ホルマリンで固定し、パラフィン包埋し、8mm連続切片を作り、染色し、グレード0(退縮なし)からグレード5(完全退縮)までスコアを付ける。
本明細書に引用または記載したすべての文献は、本願の出願日以前に開示された関連情報を提供する。ここでの記載は、本発明者が、そのような開示に先行しないものと認めるものとして解釈してはならない。上記の明細書に記載のすべての公報は、参照により本願に組み込まれる。本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、種々の改変および本発明の変形が可能であることは当業者に明らかであろう。特定の好ましい実施形態と関連して本発明を詳細に説明してきたが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、本発明を実施するための記載されたモードの種々の改変は、細胞、分子および植物生物学または関連分野の当業者には明らかであり、以下の請求項の範囲内であるものとする。
配列の概要
配列番号1
植物における発現に最適化されたヒト成熟MISのヌクレオチド配列
tcagctggtgctaccgctgctgatgggccttgcgccttgagggagttatctgtggacctgcgagcagaaaggtcagttctaatacctgagacttatcaagcaaacaattgtcaaggtgtctgcggttggccccaaagtgataggaatccacgttatggtaaccatgtagttcttctcttgaaaatgcaagctcgtggtgctgccctagctcgaccaccctgttgtgttcctacagcctacgccggaaagttacttatcagtttatcagaagaaagaatcagtgctcaccacgttcctaatatggtcgctacagagtgtggatgcagataa
配列番号2
植物における発現に最適化されたヒト成熟MISのタンパク質配列
SAGATAADGPCALRELSVDLRAERSVLIPETYQANNCQGVCGWPQSDRNPRYGNHVVLLLKMQARGAALARPPCCVPTAYAGKLLISLSEERISAHHVPNMVATECGCR
配列番号3
ゼア・マイス(Zea mays)γゼインのDNA配列(Genbankアクセッション番号NM_001111884)
1 gcaccagttt caacgatcgt cccgcgtcaa tattattaaa aaactcttac atttctttat
61 aatcaacccg cactcttata atctcttctc tactactata ataagagagt ttatgtacaa
121 aataaggtga aattatgtat aagtgttctg gatattggtt gttggctcca tattcacaca
181 acctaatcaa tagaaaacat atgttttatt aaaacaaaat ttatcatata tcatatatat
241 atatatacat atatatatat atatataaac cgtagcaatg cacgggcata taactagtgc
301 aacttaatac atgtgtgtat taagatgaat aagagggtat ccaaataaaa aacttgttcg
361 cttacgtctg gatcgaaagg ggttggaaac gattaaatct cttcctagtc aaaattgaat
421 agaaggagat ttaatctctc ccaatcccct tcgatcatcc aggtgcaacc gtataagtcc
481 taaagtggtg aggaacacga aacaaccatg cattggcatg taaagctcca agaatttgtt
541 gtatccttaa caactcacag aacatcaacc aaaattgcac gtcaagggta ttgggtaaga
601 aacaatcaaa caaatcctct ctgtgtgcaa agaaacacgg tgagtcatgc cgagatcata
661 ctcatctgat atacatgctt acagctcaca agacattaca aacaactcat attgcattac
721 aaagatcgtt tcatgaaaaa taaaataggc cggacaggac aaaaatcctt gacgtgtaaa
781 gtaaatttac aacaaaaaaa aagccatatg tcaagctaaa tctaattcgt tttacgtaga
841 tcaacaacct gtagaaggca acaaaactga gccacgcaga agtacagaat gattccagat
901 gaaccatcga cgtgctacgt aaagagagtg acgagtcata tacatttggc aagaaaccat
961 gaagctgcct acagccgtct cggtggcata agaacacaag aaattgtgtt aattaatcaa
1021 agctataaat aacgctcgca tgcctgtgca cttctccatc accaccactg ggtcttcaga
1081 ccattagctt tatctactcc agagcgcaga agaacccgat cgacaccatg agggtgttgc
1141 tcgttgccct cgctctcctg gctctcgctg cgagcgccac ctccacgcat acaagcggcg
1201 gctgcggctg ccagccaccg ccgccggttc atctaccgcc gccggtgcat ctgccacctc
1261 cggttcacct gccacctccg gtgcatctcc caccgccggt ccacctgccg ccgccggtcc
1321 acctgccacc gccggtccat gtgccgccgc cggttcatct gccgccgcca ccatgccact
1381 accctactca accgccccgg cctcagcctc atccccagcc acacccatgc ccgtgccaac
1441 agccgcatcc aagcccgtgc cagctgcagg gaacctgcgg cgttggcagc accccgatcc
1501 tgggccagtg cgtcgagttc ctgaggcatc agtgcagccc gacggcgacg ccctactgct
1561 cgcctcagtg ccagtcgttg cggcagcagt gttgccagca gctcaggcag gtggagccgc
1621 agcaccggta ccaggcgatc ttcggcttgg tcctccagtc catcctgcag cagcagccgc
1681 aaagcggcca ggtcgcgggg ctgttggcgg cgcagatagc gcagcaactg acggcgatgt
1741 gcggcctgca gcagccgact ccatgcccct acgctgctgc cggcggtgtc ccccactgaa
1801 gaaactatgt gctgtagtat agccgctggc tagctagcta gttgagtcat ttagcggcga
1861 tgattgagta ataatgtgtc acgcatcac
配列番号4
配列番号3の翻訳されたアミノ酸配列
MRVLLVALALLALAASATSTHTSGGCGCQPPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHVPPPVHLPPPPCHYPTQPPRPQPHPQPHPCPCQQPHPSPCQLQGTCGVGSTPILGQCVEFLRHQCSPTATPYCSPQCQSLRQQCCQQLRQVEPQHRYQAIFGLVLQSILQQQPQSGQVAGLLAAQIAQQLTAMCGLQQPTPCPYAAAGGVPH
配列番号5
γ-ゼインの断片のアミノ酸配列
MRVLLVALALLALAASATSTHTSGGCGCQPPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHLPPPVHVPPPVHLPPPPCHYPTQPPRPQPHPQPHPCPCQQPHPSPCQ
配列番号6
(PPPAPA)nのアミノ酸配列
APAPPPAPAPPPAPAPPPAPAPPPAPAPPPAPAPPPAPAPPPA
配列番号7
(PPPEPE)nのアミノ酸配列
EPAPPPEPEPPPEPEPPPEPEPPPEPEPPPEPEPPPEPEPPPE
配列番号8
(PPPVEL)nのアミノ酸配列
VELPPPVELPPPVELPPPVELPPPVELPPPVELPPPVEVPPPVE
配列番号9
(PPPVAL)nのアミノ酸配列
VALPPPVALPPPVALPPPVALPPPVALPPPVALPPPVAVPPPVA
配列番号10
(PPPVTL)nのアミノ酸配列
VTLPPPVTLPPPVTLPPPVTLPPPVTLPPPVTLPPPVTVPPPVT
配列番号11
(PPPAPA)nのアミノ酸配列
PPPAPAPPPAPAPPPAPCPCPAPAPPPCP
配列番号12
(PPPEPE)nのアミノ酸配列
PPPEPEPPPEPEPPPEPCPCPEPEPPPCP

Claims (15)

  1. 植物においてミュラー管抑制因子を産生する方法であって、植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する、融合タンパク質パートナーを含むミュラー管抑制因子融合タンパク質をコードする核酸配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物を含む植物をインキュベートするかまたは生育する工程を含む前記方法において、好ましくは、インキュベートするかまたは生育する工程の前に、植物に核酸構築物が導入またはインフィルトレーションされる前記方法。
  2. ミュラー管抑制因子が、ミュラー管抑制因子のC末端フラグメント(成熟ミュラー管抑制因子)である、請求項1に記載の方法。
  3. 核酸構築物が、
    植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する融合タンパク質パートナーをコードする第1核酸配列であって、場合により、1以上の天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列をさらに含む前記配列;
    ミュラー管抑制因子をコードする第2核酸配列;および
    場合により、アミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記第3核酸配列
    を含み、ここで前記第1、第2および第3核酸配列が互いに作動可能に連結されている、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する前記融合タンパク質パートナーがγ-ゼインまたはその断片である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する融合タンパク質パートナーをコードする核酸配列が、植物細胞の小胞体にミュラー管抑制因子融合タンパク質を先導するペプチド、好ましくはシグナルペプチドをコードする核酸配列をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 植物からミュラー管抑制因子融合タンパク質を含むタンパク質顆粒を回収するさらなる工程を含み、前記工程が、好ましくは、
    (i)植物材料をホモジナイズする工程;
    (ii)ホモジナイズした植物材料を、低速、好ましくは約200x gで遠心分離する工程;
    (iii)ホモジナイズした植物材料を、工程(ii)よりも高速、好ましくは約6000x gで遠心分離する工程;
    (iv)ミュラー管抑制因子融合タンパク質を含むタンパク質顆粒をペレット分画に回収する工程
    を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 融合タンパク質を可溶化するさらなる工程を含み、前記可溶化工程が、好ましくは、尿素、ジチオスレイトールおよび(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる混合物の使用を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ミュラー管抑制因子融合タンパク質からミュラー管抑制因子を放出させるさらなる工程であって、好ましくは、前記融合タンパク質からミュラー管抑制因子を放出させるために、プロテアーゼ、好ましくはTEVプロテアーゼ、またはタンパク質スプライシング手段、好ましくはインテインが用いられる前記工程を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記プロテアーゼまたは前記タンパク質スプライシング手段が、ミュラー管抑制因子の切断末端に余分なアミノ酸を残すことなく、ミュラー管抑制因子融合タンパク質からミュラー管抑制因子を切断する、請求項8に記載の方法。
  10. 植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する融合タンパク質パートナーをコードする第1核酸配列であって、場合により、天然に存在しない反復配列モチーフをコードする核酸配列を含む前記配列;
    ミュラー管抑制因子、好ましくはミュラー管抑制因子のC末端フラグメント(成熟ミュラー管抑制因子)をコードする第2核酸配列;および
    場合により、アミノ酸リンカーをコードする第3核酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記第3核酸配列
    を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる核酸構築物であって、前記第1、第2および第3核酸配列が互いに作動可能に連結されている前記核酸構築物。
  11. 前記核酸配列の転写を制御する制御ヌクレオチド配列をさらに含む、請求項10に記載の核酸構築物。
  12. 請求項10または請求項11に記載の核酸構築物を含むベクター。
  13. (i)植物においてタンパク質顆粒の生成を誘導する融合タンパク質パートナーをコードするアミノ酸配列であって、場合により、1以上の天然に存在しない反復配列モチーフをコードするアミノ酸配列をさらに含む前記アミノ酸配列;
    (ii)場合により、リンカーをコードするアミノ酸配列であって、配列中のペプチド結合が特異的に切断されることができる前記アミノ酸配列;
    (iii)ミュラー管抑制因子、好ましくはミュラー管抑制因子のC末端フラグメント(成熟ミュラー管抑制因子)をコードするアミノ酸配列;
    を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなるミュラー管抑制因子融合タンパク質。
  14. 請求項10もしくは請求項11に記載の核酸構築物または請求項12に記載のベクターまたは請求項13に記載のミュラー管抑制因子融合タンパク質を含む、それに由来するトランスジェニック植物または植物材料。
  15. 請求項14に記載のミュラー管抑制因子融合タンパク質を含む植物タンパク質顆粒。
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