JP6101627B2 - 対象粒子を混合物から捕捉する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウイルス様粒子(例えば組換えにより発現させた自己集合VLP)等の対象となる粒子の混合物からの捕捉に関する。本発明は、対象となる粒子を効果的に捕捉することを可能にし、工業規模での使用のために大量にスケールアップすることができる。
遺伝子工学革命は、ヒトおよび動物の治療剤を含む、様々な異なる適用において使用できる組換えタンパク質の開発にまで展開している。医学的使用のために米国FDAによって承認された100をはるかに超えるバイオテクノロジー由来の治療剤およびワクチンがあり、1000を超える追加の薬物およびワクチンが臨床試験の様々な相にある。細菌、酵母、昆虫、植物および哺乳類の細胞発現システムは、成功の程度は変動するが、組換えタンパク質の産生に現在使用されている。技術におけるこのような開発は医薬用および治療用の産物の産生および送達を革新したが、得られる分子の精製について問題がまだ残る。例えば、細菌からのタンパク質の精製は、数工程を必要とし得る細胞の溶解および溶液の清澄化を必要とする。精製プロセスにおいて使用されるクロマトグラフィー樹脂はそのとき詰まりがちであり、細胞抽出物は他のプロセス(遠心分離または濾過等)によるさらなる清澄化を必要とし得る。精製の複数ステージも必要となる可能性があり、それは時間をとり、サンプル損失および収率減少も引き起こし得る。対象となるタンパク質の精製は高価であり、技術的に難しくなり得る。下流の加工は全体の価格のうちの最大80%を含み得る。
充填ベッド吸着クロマトグラフィーはタンパク質の精製のために広く用いられる。充填ベッドの使用は全細胞またはコロイド状残屑の除去を必要とする。実験室スケールプロセスの開発では多くの場合無視されているが、残屑の除去は高効率で達成するために最も挑戦的な操作の1つである。拡張ベッド吸着(expanded bed adsorption)は、可溶性タンパク質の精製に使用できプロセス流の清澄化に対する要求がほとんどない、最近開発されている方法論である。それは、最初に充填されたベッド構造を通した流体のフローを使用して高流体空隙率で接触を達成する。
組換えタンパク質、特に免疫原性ウイルス組換えタンパク質等の免疫原性組換えタンパク質を産生するための1つのアプローチは、ウイルス様粒子(VLP)を使用することであった。多くのウイルスは、VLPの形成において構造タンパク質および組換えタンパク質が発現されるインビボの細胞内、ならびに単離および精製後に細胞の外側の両方で、個別に発現された構造タンパク質から集合させることができるカプシドを有する。しかしながら、典型的には植物に由来する材料を含む状況において、高懸濁固形内容物および変動サイズの粒子を含む混合物中のかかるVLPの捕捉は、技術的に非常に挑戦的である。感染を遮断することができる抗ウイルス抗体の産生を誘導するために動物へと注射された場合VLPは免疫原性であり得る。従って、例えば、H5N1トリ系統からのタンパク質により産生されたウイルス様粒子によりワクチン接種されたマウスは、致死性H5N1ウイルスによる攻撃から保護され得る。改善された効率および収率で対象となる粒子を捕捉する方法についての必要性が産業界において残っている。コスト効率の良い様式で対象となる粒子を商業的レベルで捕捉するためのスケールアップ可能な方法についての必要性もある。
本発明は、拡張ベッド吸着(EBA)クロマトグラフィーが対象となる粒子の混合物からの捕捉に特に効率的であると見出されたことに少なくとも部分的に基づいている。特定の実施形態において、方法は、商業的レベルにスケールアップ可能な1工程の結合および溶出プロセスにおいて対象となる粒子の捕捉に有利に使用することができる。
一般的な態様において、吸着剤の拡張ベッドの使用を含む、対象となる粒子を混合物から捕捉する方法が提供される。
一実施形態において、方法は、(a)吸着剤の拡張ベッドを提供する工程と;(b)混合物の組成が吸着剤の拡張ベッドと接触し相互作用するように、混合物を吸着剤と接触させる工程と;(c)任意で吸着剤を洗浄する工程と;(d)任意で対象となる粒子を吸着剤から溶出する工程とを含む。
一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子は対象となる生物学的粒子である。
一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子は少なくとも1つのタンパク質を含む。
一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子は少なくとも2つのタンパク質を含み、その少なくとも1つは対象となるタンパク質である。
一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子はウイルス様粒子である。
本発明の第1の態様において、吸着剤の拡張ベッドの使用を含み;好適には、前記方法が、(a)吸着剤の拡張ベッドを提供する工程と;(b)混合物中のウイルス様粒子が吸着剤に結合するように、混合物を吸着剤と接触させる工程と;(c)任意で吸着剤を洗浄する工程と;(d)任意で吸着剤からウイルス様粒子を溶出する工程とを含む、対象となるウイルス様粒子を混合物から捕捉する方法が提供される。
この第1の態様の一実施形態において、本発明は、ウイルス様粒子が、インフルエンザウイルスのタンパク質、特に赤血球凝集素;好適には、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15もしくはH16またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される赤血球凝集素サブタイプを含む、前述の実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせに記載の方法にさらに関する。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、吸着剤はカラム中に含まれる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、混合物は植物であるかまたは植物に由来する。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、植物は、天然に存在する植物、突然変異植物、天然に存在しない植物または遺伝子導入植物である。
一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、混合物は植物の葉であるかまたは植物の葉に由来する。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、混合物は吸着剤との接触の前に植物材料を均質化することによって産生される。従って、この実施形態によれば、混合物は均質化された植物材料である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、植物は、ニンジン細胞等の植物細胞(インビトロで成長させた植物細胞または細胞塊等の培養でまたは植物の外部で成長させた植物細胞等)である。
本発明の第1の態様の一実施形態において、本発明は、混合物が植物の破壊細胞を含み;好適には植物が、タンパク質を植物中で一過性に発現する核酸分子によりインフィルトレーションされたタバコ植物であり、前記タンパク質がウイルス様粒子中に存在し;より好適には混合物が植物の地上部であるかまたは植物の地上部に由来する、前述の実施形態または前述の実施形態(複数可)の組み合わせのいずれかに記載の方法を提供する。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、吸着剤は複数のビーズを含む。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、ビーズは不活性コア材料を含む複合ビーズである。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、ビーズは、プラスチック、メタクリレート、陰イオン交換体、ジエチルアミノエチル、陽イオン交換体、多糖、シリカ、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミックおよびその誘導体またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含むか、それらからなるか、または本質的になる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、ビーズは、多糖;好適にはセルロース、アガロース、デキストランもしくはその誘導体、または2つ以上の前述のものの組み合わせを含むか、それらからなるか、または本質的になる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、不活性コア材料は、石英、シリカ、Nd−Fe−B合金、ステンレス鋼、酸化ジルコニウム、ジルコニア、金属ケイ酸塩、金属硼ケイ酸塩、セラミック(二硼化チタン、炭化チタン、二硼化ジルコニウム、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化イットリウム、ケイ素金属粉末および二ケイ化モリブデンを含む);酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロミウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅および酸化銀を含む、金属酸化物および硫化物;非金属酸化物;硫酸バリウムを含む金属塩;タングステン、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、インジウム、銅、銀、金、パラジウム、プラチナ、ルテニウム、オスミウム、ロジウムおよびイリジウムを含む、金属元素、ならびに前記金属元素およびその誘導体またはその2つ以上の組み合わせの間に形成された合金等の金属元素の合金からなる群から選択される材料を含むか、それらからなるか、または本質的になる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、ビーズのサイズは約5μm〜500μmの間またはそれ以上である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子を結合するビーズのサイズは約25μm〜100μmの間;好適には約50μmである。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子以外の材料(例えば植物材料)を結合するビーズのサイズは、約125μm〜250μmの間;好適には約150μmである。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、方法は追加の吸着剤の拡張ベッドの使用を含む前捕捉工程を含む。この第1の吸着剤の拡張ベッドは;好適には約125μm〜250μmの間;より好適には約150μmであるサイズ範囲のビーズを含む。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、吸着剤はリガンドを含む。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、リガンドは、(i)ベンジルアミンもしくはその誘導体;(ii)アルキルアミンもしくはその誘導体;(iii)アルケニルアミンもしくはその誘導体;(iv)アルキニルアミンもしくはその誘導体;(v)アルコキシルアミンもしくはその誘導体;および(vi)単環式もしくは二環式の芳香族もしくはヘテロ芳香族のモイエティもしくはその誘導体のアミン、またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるリガンドを含むか、それらからなるか、または本質的になる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、リガンドは、陰イオン交換樹脂を含むか、それからなるか、または本質的になる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、陰イオン交換樹脂は、ジエチルアミノエチルセルロースベースのイオン交換樹脂;好適にはジエチルアミノエチルセルロースデキストランベースのイオン交換樹脂を含むか、それらからなるか、もしくは本質的になるか、またはそれらである。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、吸着剤との接触の前の混合物の伝導率は、約1mS/cm〜10mS/cm;好適には2mS/cm〜3mS/cmの間である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、吸着剤との接触の前の混合物のpHは約pH6.0〜pH8.0の間である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、混合物を約1cm/分〜15cm/分の間の範囲の直線的フロー率でカラム上にロードして対象となる粒子を結合させる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、吸着剤の密度は約1g/ml〜20g/mlの間の範囲である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、拡張ベッドの拡張度は約1〜5の範囲である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、前記方法は混合物を吸着剤と接触させる前に前捕捉工程を含む。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、前捕捉工程は、濾過、精密濾過、遠心分離、デカンテーションおよび沈降またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、前捕捉工程は、(i)材料をイオン交換樹脂と接触させる工程;または(ii)酸により沈殿させ、材料を濾過する工程を含む。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、材料は、静的結合またはバッチインキュベーションモードでイオン交換樹脂と接触させられる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、工程(d)において得られた溶出物または1つまたは複数のその画分はさらなる処理工程にかけられる。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、さらなる処理工程は、精製、濾過、精密濾過、遠心分離、デカンテーションおよび沈降またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子は対象となるタンパク質を含む。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となるタンパク質は抗原である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となるタンパク質は赤血球凝集素である。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、赤血球凝集素は、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15もしくはH16またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される赤血球凝集素サブタイプである。
この第1の態様の実施形態を含む一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、溶出工程の間の拡張ベッドの膨張率は約0.5〜5の間である。
第2の態様において、(i)吸着剤の密度が約1g/ml〜20g/mlの間であり、拡張ベッドの拡張度が約1〜5の間であり、平均吸着剤粒子サイズが約5μm〜約500μmの間である、リガンドを含む吸着剤の拡張ベッドを10cmを超える沈降ベッド高でカラム中に提供する工程と;(ii)約pH6.0〜8.0範囲のpHで樹脂材料を平衡化する工程と;(iii)対象となる粒子を含む混合物であって、約1mS/cm〜10mS/cmの間の伝導率を有する前記混合物を提供する工程と;(iv)約1cm/分〜15cm/分の間の範囲のフロー率(例えば直線的フロー率)でカラム上に混合物をロードして対象となる粒子を結合する工程と;(v)約pH6.0〜8.0の範囲のpHを有するバッファーを使用してロードしたカラムを洗浄する工程と;(vi)1つまたは複数の画分でカラムから対象となる結合粒子を溶出する工程とを含む、対象となる粒子を混合物から捕捉する方法が提供される。
この第2の態様の一実施形態において、対象となる粒子はウイルス様粒子(VLP)またはゴースト様粒子である。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、混合物は植物であるかまたは植物に由来する。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、植物は、天然に存在する植物、突然変異植物、天然に存在しない植物または遺伝子導入植物である。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、混合物は植物の葉であるかまたは植物の葉に由来する。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子は対象となるタンパク質を含む。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となるタンパク質は抗原である。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となるタンパク質は赤血球凝集素である。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、赤血球凝集素は、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15もしくはH16またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される赤血球凝集素サブタイプである。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子を結合するビーズのサイズは約25μm〜100μmの間;好適には約50μmである。
この第2の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子以外の材料(例えば植物材料)を結合するビーズのサイズは、約125μm〜250μmの間;好適には約150μmである。
この第2の態様の一実施形態またはこの第2の態様の上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、方法は、
(i)吸着剤の密度が約2.5g/ml〜3.5g/mlの間であり、平均吸着剤粒子サイズが約50である、ジエチルアミノエチルセルロースデキストランを含む吸着剤の拡張ベッドをカラム中に提供する工程と;
(ii)約pH6.0〜8.0範囲のpHで樹脂材料を平衡化する工程と;
(iii)タバコ植物材料を含む混合物であって、約2mS/cm〜3mS/cmの間の伝導率を有する前記混合物を提供する工程と;
(iv)カラム中の拡張ベッドの拡張度が約2で、約2.5cm/分のフロー率で、混合物をカラム上にロードしてウイルス様粒子を結合させる工程と;
(v)約pH6.0〜8.0の範囲のpHを有するバッファーを使用してロードしたカラムを洗浄する工程と;
(vi)1つまたは複数の画分でカラムから対象となる結合粒子を溶出する工程と
を含む、対象となるウイルス様粒子を混合物から捕捉するために提供される。
一実施形態において、この第2の態様の前述の実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせの方法は、(a)ウイルス様粒子中に存在するタンパク質を一過性に発現する全体のタバコ植物を提供することと;(b)タバコ植物の葉および茎の細胞を破壊してタバコ植物材料を産生することと;(c)バッファーまたは純水による希釈によって混合物のpHおよび伝導率を合わせることとを含む工程(iii)を含む。
一実施形態において、この第2の態様の前述の実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせの方法は、工程(iv)の前に、工程(iii)の混合物を濾過することおよび工程(iii)の濾過された混合物をビーズのサイズが約150μmであるポリエチレンイミンを含む吸着剤の第1の拡張ベッドと接触させて所望されない物質を混合物から除去することを含む工程を含む。
第3のさらなる態様において、吸着剤へ可逆的に結合される対象となる粒子を含む吸着剤の拡張ベッドが提供される。
この第3の態様の一実施形態において、吸着剤は複数のビーズを含む。
この第3の態様の一実施形態または上述の実施形態(複数可)の組み合わせにおいて、対象となる粒子を結合するビーズのサイズは約25μm〜100μmの間;好適には約50μmである。
第4のさらなる態様において、対象となる粒子(特に対象となるウイルス様粒子)を、混合物(より特にタンパク質を一過性に発現する植物に由来し、前記タンパク質がウイルス様粒子中に存在する混合物)から捕捉するための吸着剤の拡張ベッドの使用が提供される。
この第4の態様の一実施形態において、粒子はウイルス様粒子(VLP)またはゴースト様粒子である。
第5の態様は、対象となる粒子;好適には吸着剤へ可逆的に結合される対象となるウイルス様粒子を含み、特に吸着剤が拡張ベッドクロマトグラフィーモードである、吸着剤の拡張ベッドに関する。
第6の態様は、対象となる粒子;好適にはウイルス様粒子を混合物から;捕捉するための拡張ベッドクロマトグラフィーの使用に関する。
本発明の一般的な第1の態様について上記された実施形態(複数可)および実施形態の組み合わせは、少なくとも本発明の第2、第3、第4、第5および第6の態様の実施形態も形成することができる。
定義
本出願の範囲内で使用される専門的な用語および表現は、概して植物生物学および分子生物学の関連技術において一般に適用される意味が与えられるべきである。すべての以下の定義は本出願の全部の内容へ適用される。単語「含むこと」は他のエレメントまたは工程を除外せず、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は複数を除外しない。単工程は請求項中に列挙された複数の特徴の機能を満たすことができる。「本質的に」、「約」、「近似的に」という用語および同種のものは、特に属性または値と関連して、正確な属性または正確な値もそれぞれ定義する。「約」という用語は、与えられた数の値または範囲の文脈において、与えられた値または範囲の20%内、10%内、または5%内にある値または範囲を指す。「百万分の一」または「ppm」という用語は本明細書において互換的に使用されて、対象となる粒子または精製された対象となるタンパク質の純度の測定値を指す。単位ppmは、ミリグラム/ミリリットルにおける対象となるタンパク質あたりのナノグラム/ミリリットルにおける宿主タンパク質の量を指し、タンパク質が溶液中にある場合、宿主タンパク質ppm=(宿主タンパク質ng/ml)/(対象となるタンパク質mg/ml)である。タンパク質が凍結乾燥等によって乾燥されている場合、ppmは(宿主タンパク質ng)/(対象となるタンパク質mg)を指す。
「拡張ベッド」という用語は、方向付けられた液体フロー;好適には吸着剤の最小の軸方向混合による上向きの液体フローによって、安定的に流動体化されて、分類された(階層化された)サイズ範囲、濃度範囲または両方である吸着剤のベッドによりクロマトグラフィープロセスが操作され、液体および液体中の固体の成分の両方がベッドを通して移動しながら吸着剤に接触することを可能にする実施形態に関する。好適には液体はほぼプラグフロー条件でベッドを通して移動する。
「吸着剤」は、分子間力によってその表面上に対象となる粒子を吸着することができる任意の物質を指す。典型的には、対象となる粒子の吸着剤への結合は、所望される時間で吸着剤から対象となる粒子を溶出することができるように可逆的であるだろう。
本明細書において使用される時、「対象となる粒子」という用語は、混合物からの捕捉が所望される分子的実体を指す。特定の実施形態において、対象となる粒子は1つまたは複数のタンパク質を含む。他の実施形態において、対象となる粒子は1つ以上または2つ以上(例えば複数)のタンパク質を含み、その少なくとも1つは対象となるタンパク質である。一実施形態において、捕捉される粒子は生物学的起源の複数のマクロ分子を含む粒子であり、それゆえ対象となる生物学的粒子である。別の実施形態において、捕捉される粒子はウイルス様粒子である。別の実施形態において、捕捉される粒子は細菌のゴースト粒子である。本明細書において使用される時、「捕捉された対象となる粒子」という用語は、調製物の重量で少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%が対象となる所望される粒子である、対象となる粒子の調製物を指す。複数の実施形態において、本発明の方法は、混合物中に最初に存在する対象となる粒子の合計量の少なくとも50%(対象となる粒子の少なくとも60%、70%、80%または90%を含む)を捕捉する。少なくとも92.5%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%等のさらに高い捕捉率を達成することができる。「精製された対象となる粒子」という用語は、調製物の重量で少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%が対象となる所望される粒子であり、精製された対象となる粒子と共に共精製され得る混入不純物または混入物、特に宿主細胞に由来するもの等の他のタンパク質、核酸、脂質もしくは炭水化物、またはその組み合わせが占める残りの重量を伴う、対象となる粒子の調製物を指す。一実施形態において、捕捉された対象となる粒子または精製された対象となる粒子は、マクロ分子の混入が実質的にない(溶媒は除外する)。本明細書において記載された粒子は、当該技術分野において公知の様々な方法(エレクトロスプレー微分型電気移動度分析(ES−DMA)、多角度光散乱検出(AFFFF−MALS)による非対称のフローフィールドフロー分画および透過電子顕微鏡法(TEM)等)によって特徴づけることができる。一実施形態において、対象となる粒子測定値は、直径で約1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04または0.03μm未満(直径で1.0〜0.03、0.8〜0.03、0.6〜0.03、0.4〜0.03、0.2〜0.03、0.1〜0.03、0.08〜0.03、0.06〜0.03、0.05〜0.03または0.04〜0.03μm等)である。
本明細書において使用される時「ウイルス様粒子」(VLP)、「ウイルス様粒子」(VLP)または対象となるVLPという用語は、自己集合によって形成され、少なくとも1つの対象となるタンパク質を含む複数のタンパク質を含み、少なくとも1つの属性の点でウイルスと類似する分子的実体を指す。特に、ウイルス粒子またはビリオンとは異なり、VLPはウイルスゲノム核酸を欠く。サイズ分布が製造プロセスにおける変化によって影響を受け得る場合、VLPは多様性のある多重モードのサイズ分布を有することができる。例えば、植物において産生されたVLPのサイズ分布は異なる宿主において産生されたVLPのサイズ分布とは異なり得る。複数の実施形態において、VLP(例えば植物材料から捕捉されたVLP)は、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nmまたは75nmの平均直径を有し得る。複数の実施形態において、本発明の方法を使用して、捕捉されたVLP(例えば植物材料から)の直径は、35nm〜75nm;好適には35nm〜70nm;より好適には35nm〜65nm;なおより好適には35nm〜60nm;特に好適には35nm〜55nm;なおより特に好適には35nm〜50nm;さらにより好適には35nm〜45nm;最も好適には35nm〜40nmの範囲である。
本明細書において使用される時、「混合物」は、望まれない1つまたは複数の材料(不純物または混入物等)と共に対象となる粒子を含む。「不純物」および「混入物」という用語は互換的に使用されて、それが宿主生物から生じるかどうかにかかわらず、対象となる粒子を含む組成物から除去されることが所望される、対象となる粒子以外の任意の材料を意味する。混合物は対象となる粒子を産生している宿主生物または宿主細胞から直接得ることができる。限定されるものではないが、本発明の方法に記載の処理することができる混合物の実例は、原料、破壊した宿主細胞材料、宿主組織ホモジネート、宿主組織溶解物、宿主組織抽出物、発酵ブロスおよび宿主細胞培養上清を含む。不純物は、任意の生物学的マクロ分子(対象となるタンパク質以外のタンパク質、対象となるタンパク質、核酸(例えばDNAおよびRNA)、脂質、多糖(例えばスターチ、セルロース)、リグニン、フェノール類、炭水化物および色素を含み得る対象となる粒子以外の粒子等)を含み得るが、これらに限定されない。
「条件付けた混合物」は、pH、伝導率範囲、バッファー条件または組み合わせをそれぞれ設定するために1つまたは複数のバッファー交換、希釈、塩添加、pH滴定または前述のものの組み合わせを混合物に行うことによって、本発明の方法において使用されるクロマトグラフィー工程のために調製されて、所望されるクロマトグラフィー性能を達成する混合物である。「条件付けた混合物」は原料であり得、クロマトグラフィーカラムへのローディング条件の標準化に使用することができる。
「対象となるタンパク質」という用語(本明細書において「標的タンパク質」という用語と互換的に使用される)は、対象となる粒子中に存在し、非集合タンパク質、タンパク質の多量体形態または部分的に集合した粒子として対象となる粒子と共に捕捉され得る、組換えにより産生された1つまたは複数のタンパク質を指す。
「宿主タンパク質」という用語は、標的タンパク質を含み、宿主のゲノムから発現される任意のタンパク質または組換えにより発現されるタンパク質(それらは対象となる粒子の組成でない)を含む、対象となる粒子(複数可)を産生する宿主の細胞に由来するタンパク質のいずれかを指す。少なくとも対象となる粒子または対象となるタンパク質を含む混合物中に存在する宿主タンパク質の量は純度の程度の尺度を提供する。典型的には、タンパク質混合物中の宿主タンパク質の量は、混合物中の対象となる粒子または対象となるタンパク質の量と比較して百万分の一で表現される。
「捕捉する」という用語およびその文法的な変化形は、対象となる粒子を混合物から保持または集めて、対象となる粒子が混合物中での濃度よりも高い濃度になることを意味するように本明細書において互換的に使用される。対象となる粒子の混合物からの捕捉は不完全であり得る。捕捉された対象となる粒子は、混合物中の対象となる粒子の合計のうちの一部分であり得、約2%、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%もしくは90%またはそれ以上等であるがこれらに限定されない。
「精製する」および「単離する」という用語ならびにその文法的な変化形は、少なくとも1つの不純物を完全か部分的かにかかわらず混合物から分離または除去して、それによって組成物中の対象となる粒子の純度のレベルを改善することを意味するように使用される。対象となるタンパク質を精製して、典型的にはELISAによって決定されるように、100ppm未満の宿主タンパク質および好適には90ppm未満、80ppm未満、70ppm未満、60ppm未満、50ppm未満、40ppm未満、30ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、5ppm未満の宿主タンパク質を含む組成物を達成することができる。
「リガンド」は、それを特異的に結合する1つまたは複数の対象となる粒子または対象となるタンパク質を捕捉することに使用することができる。好適には、生物学的に特異的なリガンドは、クロマトグラフィーシステムの静止相を形成する吸着剤または固体支持体に共有結合で付加され、移動相中に存在する対象となる粒子または対象となるタンパク質に接近可能である。対象となる粒子または対象となるタンパク質は、クロマトグラフィー工程の間にリガンドについてのその特異的な結合親和性を保持するが、混合物中の他の溶質およびタンパク質は、リガンドにあまりまたは特異的に結合しない。対象となる粒子または対象となるタンパク質の静止相中のリガンドへの結合は、対象となる粒子または対象となるタンパク質がリガンドに特異的に結合されている間に、移動相中の混入物または不純物が拡張ベッドを通して通過することを可能にする。特異的に結合された対象となる粒子またはタンパク質はリガンドから溶出することができる。一例として、これは低pH、高pH、低塩、高塩、競合するリガンドもしくは同種のものまたはさらにその1つまたは複数の組み合わせ、および溶出バッファーによる拡張ベッドを通した通過を使用して達成することができる。
「特異的に結合すること」および「結合特異性」という用語は、対象となる粒子または対象となるタンパク質とリガンドとの間の特異的および可逆的な相互作用を一般的に記載する。リガンドは、その結合活性を破壊せずに吸着剤または固体支持体に付加されることを可能にする化学的に修飾可能な基を有し得る。リガンドは自由溶液中で104〜108Mの範囲で典型的には対象となる粒子またはタンパク質への親和性を有するだろう。「植物」という用語はその生活環または発生の任意のステージでの任意の植物およびその子孫を指す。植物は、天然に存在する植物、突然変異植物、天然に存在しない植物または遺伝子導入植物であり得る。植物は、タンパク質をコードしインフィルトレーションされた植物中でタンパク質を発現する核酸分子によりインフィルトレーションすることができる。核酸分子が植物ゲノムへと挿入される必要がなく子孫へと伝達されないので、かかるインフィルトレーションされた植物は遺伝子導入植物ではない。「植物細胞」という用語は、植物の構造的および生理的な単位を指す。植物細胞は、細胞壁のないプロトプラスト、単離された単一細胞、培養された細胞、2つ以上の細胞の塊またはより高度に組織化された単位の一部としての形態(植物組織、植物器官または植物全体等であるがこれらに限定されない)であり得る。「植物材料」という用語は、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、花粉、卵子、接合子、種子、切り枝、分泌物、抽出物、細胞または組織培養を含む、植物または植物の他の部分もしくは産物から得られるかまたは得ることができる任意の固形物もしくは液体の組成物またはその組み合わせを指す。一実施形態において、植物材料は葉(緑色葉等)であるかまたはそれに由来する。
範囲が本明細書において提供されるならば、範囲のより下側およびより上側の最大限の値が、前記範囲中に含まれていることが意味される。例えば、約125μmおよび250μmの間の範囲が提供されるならば、この範囲は最大限の値で125μmおよび250μmをそれぞれ含むことが意味される。
本発明は拡張ベッド吸着によって対象となる粒子を混合物から捕捉する方法を提供する。対象となる粒子は1つまたは複数の対象となるタンパク質を含み、そのうちの1つまたは複数は宿主細胞によって組換えにより産生することができる。
拡張ベッド吸着(EBA)は固体−液体分離および産物精製を組み合わせる単位操作である。プロセスは、上向きの液体フローにより拡張された、異なるサイズ、密度または両方である吸着剤のベッドにより操作される。様々な実施形態において、カラムは、乱流および過剰な液体混合(特にカラムの軸に沿った逆混合)を回避し、一方個別のビーズは、カラム中の局所的ゾーンでのみ狭く移動する固定されない動的状態で維持されるようにデザインされる。拡張ベッドはカラムの下部において小さな混合ゾーンを有することができ、そこでは入って来る液体がカラムの断面の全体にわたって分布し;好適には拡張ベッドはプラグフロー条件下で一般的に操作される。ロセスは原料中の液体および固体の成分の両方が吸着剤と接触し相互作用することを可能にし、それによってカラム中での多段階クロマトグラフィー分離の実行を可能にする。ベッド拡張は、原料中の固形微粒子がベッドを通して差異的に通過することを可能にし、それによって清澄化機能を提供する。
従来の充填ベッドクロマトグラフィー法において、樹脂がカラムの下部とフローアダプターとの間で拘束されているところでは、微粒子物質および細胞残屑が緊密に充填された樹脂の周囲で流れることができない時に目詰まりが起こる。これとは対照的に、EBAにおける液体のフローは下から供給され、アダプターは充填された樹脂レベルから離れて保たれて、吸着剤の拡張する余地を与え、従って空間をその間に生ずる。ベッドの拡張度は、混合物のフロー率、混合物の粘度に加えて、吸着剤の密度によって影響を受ける。吸着剤がカラム中に充填される場合、それはともに密接して位置し、大きな凝集およびクランプが動く余地がほとんど残されない。バッファーが下から注入されるので、吸着剤は流動体化されるようになり、吸着剤の沈降速度が上向きの液体フロー速度と等しい場合安定した濃度勾配を形成する。EBAの様々な形式は利用可能であり、そのいくつかはカラムの基部での濾過手段を含み、他のものは含まない。一実施形態において、カラムは濾過手段をカラムの基部で含まない。
ベッドは好適な容器(カラム等)中に存在し得る。本文脈において、「カラム」という用語は、カラムへの混合物のインプットのための少なくとも1つの注入口、および続いて対象となる粒子または対象となるタンパク質を混合物から溶出するための少なくとも1つの流出口を供給することができる、任意の種類の容器に関する。一実施形態において、容器はカラム形状である。典型的には拡張ベッド吸着カラムは、吸着剤ベッドにおける最小のバックミキシングおよび乱流によるプラグフロー条件下で操作される。本発明によれば、混合物は吸着剤を含む拡張ベッドカラムへと導入され、そこで混合物の組成はカラム中で吸着剤と接触し相互作用する。当業者は、混合物のインプット体積に応じて、特定の直径および高さを備えたカラムをデザインすることができるだろう。
混合物がカラムの中へ導入されるにつれて、固体粒子および細胞残屑は吸着剤の周囲に自由に移動し、最終的にはカラムの上部を通して出る。任意のクロマトグラフィー工程と同様に、吸着剤は典型的には激しい洗浄を受けて非特異的相互作用を限定する。その間に、対象となる粒子および対象となるタンパク質は吸着剤と相互作用し、吸着剤に結合し、カラム上で保持される。次いでカラムを充填させ、フローを逆にし、対象となる粒子を従来の方法でのようにビーズから溶出させることができる。
さらなる態様は、吸着剤へ可逆的に結合された対象となる粒子を含む吸着剤の拡張ベッドに関する。吸着剤は、好適には吸着剤について本明細書において記載された1つまたは複数の特性を有する。さらなる態様は、拡張ベッド吸着剤の使用または対象となる粒子を混合物から捕捉するためのEBAクロマトグラフィーの使用に関する。
対象となる粒子の混合物からの捕捉のためのプロセスは、EBAにおいて使用できる任意の形状および形式の任意のタイプの固相材料への吸着に基づく。さらに、吸着は、選択的吸着剤特徴、リガンド化学またはその組み合わせの使用によって特徴づけることができ、実質的に対象となる粒子のみの特異的な結合および後続の溶出を可能にするか、または代わりに少数の生体分子物質群に特異的な結合と続いて吸着剤からの対象となる粒子の選択的で連続的な溶出を可能にする。
様々な実施形態において、吸着剤はビーズの形態である。ビーズは、サイズ、密度、重量もしくは組み合わせにおいて一様であり得るか、またはサイズ、密度、重量もしくはその組み合わせにおいて変動し得る。一実施形態は、サイズにおいては一様であるが、変動する密度もしくは重量または両方を有するビーズに関する。この構成はビーズの分布を生成し得る。ビーズのサイズは典型的には5μm〜500μmにわたるだろう。ビーズの好適なサイズは、約5μm〜500μm、約5μm〜400μm等、または約5μm〜300μm、または約5μm〜200μm、約5μm〜100μm、約50μm〜400μm、または約50μm〜300μm、または約50μm〜200μm、または約50μm〜150μmまたは50μm〜100μm、約20μm〜80μm等、約150μm、約100μm、または約50μmの直径範囲であり得る。体積で少なくとも約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%の個別のビーズがこの体積を有し得る。より大きなビーズは流動体化されたベッドのより下の部分を占め、一方より小さなビーズがより上の部分を占める。ビーズが小さすぎれば、微粒子混入物の脱出速度に匹敵する速度で拡張が起こり、捕捉効率を低下させる。同様に、ビーズが大きすぎるならば、流動化はより高いフロー率を必要とし、タンパク質結合はビーズの中での不適切な拡散のために損なわれる。ビーズは、本質的に球状、細長い形状、円筒状、柱状、または不規則な形状等であるがこれらに限定されない任意の形状であり得る。一実施形態において、ビーズは球状である。当業者は、使用されるプロセスに応じて、好適なビーズのサイズ、形状および孔隙率を選択することができる。
別の実施形態において、対象となる粒子を捕捉するビーズのサイズは約25μm〜125μm;好適には約25μm〜100μm;より好適には約25μm〜95μm;さらにより好適には約25μm〜90μm;特に好適には約30μm〜90μm;より特に好適には約30μm〜85μm;さらにより特に好適には約35μm〜85μm;より好適には約35μm〜80μm;より好適には約40μm〜80μm;より好適には約40μm〜75μm;より好適には約45μm〜75μm;より好適には約45μm〜70μm;より好適には約40μm〜70μm;より好適には約40μm〜65μm;より好適には約45μm〜65μm;より好適には約45μm〜60μm;より好適には約45μm〜55μmの間;最も好適には約50μmである。
別の実施形態において、対象となる粒子以外の材料(例えば植物材料)を捕捉するビーズのサイズは、約130μm〜250μm;好適には約135μm〜250μm;より好適には約135μm〜225μm;より好適には約135μm〜200μm;より好適には約135μm〜175μm;より好適には約135μm〜170μm;より好適には約140μm〜170μm;より好適には約140μm〜165μm;より好適には約140μm〜160μm;より好適には約145μm〜160μm;より好適には約145μm〜145μmの間;最も好適には約150μmである。好適には、これらのビーズは、拡張ベッド吸着剤を使用して前捕捉する工程において使用することができる。
別の実施形態において、吸着剤粒子の密度は、約1g/ml〜20g/mlの範囲;より好適には約2g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約3g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約4g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約4g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約5g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約6g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約7g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約8g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約9g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約10g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約11g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約12g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約13g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約14g/mlから20g/mlの範囲で;より好適には約14g/mlから19g/mlの範囲で;より好適には約14g/mlから18g/mlの範囲で;より好適には約14g/mlから17g/mlの範囲で;より好適には約15g/mlから17g/mlの範囲で;最も好適には16g/mlであり得る。
本発明は吸着剤としての使用のために任意の特定の材料に限定されておらず、当業者は適切な材料を選択できるだろう。方法は、異なるビーズの新規の組み合わせまたは同じビーズ上の官能基もしくはリガンドの新規の組み合わせを使用することができる。ビーズは、非常に多孔性、マクロ多孔性、わずかに多孔性、非多孔性、親水性、疎水性、高荷電性、わずかに荷電性、非電荷性、剛性、または膨潤性であり得るが、これらに限定されない。ビーズは、プラスチック、メタクリレート、多糖(アガロースおよびセルロース等)、シリカ(例えば制御された孔径のガラス)、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミックビーズおよびこれらのいずれかの誘導体であり得るが、これらに限定されない。さらなる例は、高結合能力、低結合能力(例えばQ)を備えた強陰イオン交換体、弱陰イオン交換ビーズ(例えばジエチルアミノエチル(DEAE)、ANX)、強陽イオン交換材料(例えばSP)、または弱陽イオン交換材料(例えばCM)を含む。
上向きのフローにおける原料中の吸着剤の速度と微粒子の速度との間の差異を強調するために、様々な吸着剤材料を使用することができる。極めて粘稠な原料を加工するために、または高フロー率を達成するために、サイズ、密度または両方での増加が所望される。本発明の様々な実施形態において、密度の増加は、高密度多孔性材料の使用によって、または多孔性材料により高密度非多孔性材料をコートすることによって遂行することができる。有機材料のみから作製されたビーズは限定された密度を有し、従来のクロマトグラフィーの考慮(高い沈降速度等)のためには非常に大きな直径を有する必要があるだろう。かかる大きなビーズ直径は長い拡散の経路長をもたらし、それは多くの物質移動抵抗を引き起こし、生産性を打ち消す。本発明は、有機材料よりも密度の高い不活性コア材料を含む複合ビーズの使用を意図する。本文脈において、「コア」という用語はビーズ内部に存在する非多孔性コアに関する。コアはビーズの中心に位置すると限定されていない。かかるビーズが本発明の方法に適する高密度およびビーズサイズを有することは利益がある。材料の密度は、約1.2〜約4.0、例えば石英(1.2)、シリカ(1.4〜1.6)、Nd−Fe−B合金(1.8〜2.1)、ステンレス鋼、炭化タングステン(2.5〜3.5)、酸化ジルコニウム(3.2)またはジルコニア(3.85)にわたり得る。コアのコートに使用できる多孔性材料は、アガロース、セラミックハイドロキシアパタイト、セルロース、酸化ジルコニウムゲル、シリカゲルおよびヒドロキシエチルメタクリレート−エチレンジメチルアクリレートコポリマーを含むが、これらに限定されない。好適な非多孔性コア材料のさらなる例は、無機化合物、金属、重金属、非金属元素、金属酸化物、非金属酸化物、金属塩および金属合金である。かかるコア材料の例は、金属ケイ酸塩、金属硼ケイ酸塩;二硼化チタン、炭化チタン、二硼化ジルコニウム、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化イットリウム、ケイ素金属粉末およびケイ化モリブデンを含む、セラミック;酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロミウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅および酸化銀を含む、金属酸化物および硫化物;非金属酸化物;硫酸バリウムを含む金属塩;タングステン、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、インジウム、銅、銀、金、パラジウム、プラチナ、ルテニウム、オスミウム、ロジウムおよびイリジウムを含む、金属元素、ならびに前記金属元素の間で形成された合金等の金属元素の合金、例えばステンレス鋼;グラファイト、カーボンブラックおよび活性炭を含む、炭素の結晶性形態および非晶性形態である。好適な非多孔性コア材料は、炭化タングステンビーズ、タングステンビーズ、鋼ビーズおよびチタンビーズ(ステンレス鋼ビーズ等)である。非多孔性コアは、典型的には吸着剤粒子の全体積のうちの多くとも70%(多くとも60%、好適には多くとも50%、好適には多くとも40%、好適には多くとも30%、好適には多くとも20%、好適には多くとも15%、好適には多くとも10%、最も好適には多くとも5%等)を構成する。
吸着剤として使用される一般に使用される材料はアガロースであり、工業規模のクロマトグラフィーについてうまく機能することが証明された材料である。従って、一実施形態において、吸着剤はアガロースまたはアガロースベースのものである。(おそらく高度に架橋された)アガロースマトリックスのマクロ多孔性構造は、高い化学的および機械的な高安定性と巨大分子(タンパク質等)についての良好な結合能力を組み合わせる。別の実施形態において、吸着剤はデキストランまたはデキストランベースのものである。高い機械的安定性は使用されるマトリックスの重要な特性であり、ビーズが自由に移動している時の消耗の効果を弱めるものである。拡張ベッド法のデザインはカラムクロマトグラフィーとは異なる考慮を可能にするので、アガロースビーズはより小さいかもしくはより大きいかまたは架橋量において標準的ビーズとは異なり得る。これらの変更または非変更はベッド材料中のすべての構造材料について意図される。修飾されたアガロースマトリックスは、無機材料(いくつかのガラスまたはセラミック材料等)よりも脆弱ではないだろう。
カラム内のビーズ多分散性は本発明によって意図される。サイズおよび密度勾配により、ビーズはカラムまたはベッドで特異的な所在に配置される。より小さくより軽ビーズはある位置におよびより大きくより重いビーズは異なる位置に移動する。他のビーズ特徴における多分散性または多様性は本発明によって意図される。サイズ、密度、結合能、排除孔サイズ、支持体材料の差異は、本発明の方法で使用される幅広いバラエティーの構成要素および因子の組み合わせのうちの少数である。
本発明の特定の実施形態において、吸着剤は対象となる粒子を捕捉するのに好適なリガンドを含む。本発明の特定の実施形態において、吸着剤は対象となる粒子または対象となるタンパク質を精製するのに好適なリガンドを含む。
本発明において使用されるリガンドは、(i)ベンジルアミンまたはその誘導体と;(ii)直鎖状、分岐状、または環状であり得る1〜12の炭素原子を有するアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはデカリニル等であり、前記アルキル基は任意で酸性基以外の少なくとも1つの基により置換される)を有するアルキルアミンを含む、アルキルアミンと;(iii)直鎖状、分岐状、または環状であり得、二重結合(複数可)が鎖または環(複数可)中のどこでも存在し得る2〜12の炭素原子を持つ一価不飽和、二価不飽和、または多価不飽和のアルキル基を含むアルケニル基(前記アルケニル基は任意で酸性基以外の少なくとも1つの基により置換される)を含む、アルケニルアミンと;(iv)酸性基以外の少なくとも1つの基により置換され得るアルキニル基(アルケニルアミンと本質的に同様に定義されたC2-12アルキニル基を含む)を含む、アルキニルアミンと;(v)任意で酸性基以外の少なくとも1つの基と置換されるC2-12アルコキシ基を持つ、アルコキシルアミンと;(vi)任意で酸性基以外の少なくとも1つの基により置換される、単環式または二環式の芳香族またはヘテロ芳香族のモイエティのアミンとを含むか、それらからなるか、または本質的になるリガンドを含むが、これらに限定されない。
さらなる実施形態において、対象となる粒子(VLP等)を捕捉できるリガンドは、(i)ベンジルアミンまたはその誘導体と;(ii)直鎖状、分岐状、または環状であり得る1〜12の炭素原子を有するアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはデカリニル等であり、前記アルキル基は任意で酸性基以外の少なくとも1つの基により置換される)を有するアルキルアミンを含む、アルキルアミンと;(iii)直鎖状、分岐状、または環状であり得、二重結合(複数可)が鎖または環(複数可)中のどこでも存在し得る2〜12の炭素原子を持つ一価不飽和、二価不飽和、または多価不飽和のアルキル基を含むアルケニル基(前記アルケニル基は任意で酸性基以外の少なくとも1つの基により置換される)を含む、アルケニルアミンと;(iv)酸性基以外の少なくとも1つの基により置換され得るアルキニル基(アルケニルアミンと本質的に同様に定義されたC2-12アルキニル基を含む)を含む、アルキニルアミンと;(v)任意で酸性基以外の少なくとも1つの基と置換されるC2-12アルコキシ基を持つ、アルコキシルアミンと;(vi)任意で酸性基以外の少なくとも1つの基により置換される、単環式または二環式の芳香族またはヘテロ芳香族のモイエティのアミンとまたはその組み合わせを含むか、それらからなるか、または本質的になるリガンドからなる群から選択される。
さらなる実施形態において、リガンドは、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびボロン酸からなる群から選択される芳香族酸またはヘテロ芳香族酸を含むか、それらからなるか、または本質的になる。好適には、リガンドは、2−メルカプト安息香酸、2−メルカプトニコチン酸、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸および4−アミノ安息香酸、4−ヒドロキシフェニル−メルカプト−酢酸、4−ヒドロキシフェニル−メルカプト−プロピオン酸、4−ヒドロキシフェニル−メルカプト−ブタン酸、2,3−ジヒドロキシ−安息香酸、2,4ジヒドロキシ−安息香酸、2,5ジ−ヒドロキシ−安息香酸、2,6ジヒドロキシ−安息香酸、3,4−ジヒドロキシ−安息香酸、3,5−ジヒドロキシ−安息香酸、メルカプトベンズイミダゾールスルホン酸、オルタニル酸、メタニル酸、スルファニル酸、4−メチルアニリン−2−スルホン酸、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、N−メチルメタニル酸、7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ナフトール−6−スルホン酸および2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸および2−メルカプトベンズイミダゾール−スルホン酸からなる群から選択される。
さらなる実施形態において、リガンドは、i)安息香酸(2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−メルカプト安息香酸、4−アミノ−2−クロロ安息香酸、2−アミノ−5−クロロ安息香酸、2−アミノ−4−クロロ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、5−アミノイソフタル酸および4−アミノフタル酸等);桂皮酸(ヒドロキシ−桂皮酸等);ニコチン酸(2−メルカプトニコチン酸等);ナフトエ酸(2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸等);キノリン(2−メルカプトキノリン等);テトラゾール酢酸(5−メルカプト−1−テトラゾール酢酸等);チアジアゾール(2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール等);ベンズイミダゾール(2−アミノ−ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび2−メルカプト−5−ニトロベンズイミダゾール等);ベンゾチアゾール(2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールおよび2−メルカプト−6−エトキシベンゾチアゾール等);ベンズオキサゾール(2−メルカプトベンズオキサゾール等);チオフェノール(チオフェノールおよび2−アミノチオフェノール等);2−(4−アミノフェニルチオ)酢酸;芳香族またはヘテロ芳香族のスルホン酸およびホスホン酸(1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸等)ならびにフェノール(2−アミノ−4−ニトロ−フェノール等)の官能基タイプを含むリガンドと;ii)2−ヒドロキシ−桂皮酸、3−ヒドロキシ−桂皮酸および4−ヒドロキシ−桂皮酸を含むリガンドと;iii)置換基としてカルボン酸およびアミノ基(2−アミノ−ニコチン酸、2−メルカプト−ニコチン酸、6−アミノ−ニコチン酸および2−アミノ−4−ヒドロキシピリミジン−カルボン酸)を含むリガンドと;iv)ヘテロ芳香族環系と融合したベンゼン環に由来するラジカルを含むリガンド、例えば、ベンゾイミダゾール(2−メルカプト−ベンズイミダゾールおよび2−メルカプト−5−ニトロ−ベンズイミダゾール等);ベンゾチアゾール(2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールおよび2−メルカプト−6−エトキシベンゾチアゾール等);ベンズオキサゾール(2−メルカプトベンズオキサゾール等);から選択されるリガンドと;v)チオフェノール(チオフェノールおよび2−アミノチオフェノール等)の群から選択されたリガンドとからなる群から選択される芳香族基またはヘテロ芳香族基(ラジカル)を含むか、それらからなるか、または本質的になる。
リガンドは対象となる粒子または対象となるタンパク質への親和性を有することができる。従って、リガンドは、高度に特異的な生物学的相互作用(抗原と抗体、酵素と基質、または受容体と受容体リガンド等との間に起こり得るもの)が可能であり得る。従って、リガンドは、抗体、抗原、酵素、酵素基質、受容体、受容体リガンドまたはアプタマーおよび同種のものであり得る。一実施形態において、リガンドは抗体である。生物学的リガンドは、単独でまたは本明細書において記載される1つもしくは複数の化学的リガンドと組み合わせて使用することができる。生物学的リガンドは、任意で本明細書において記載されるような1つまたは複数の化学的リガンドと組み合わせて1つまたは複数の同じまたは異なるリガンドを含むことができる。
リガンドを含む吸着剤は、典型的には対象となる粒子の結合が最適に起こるpH条件に平衡化される。平衡工程は、約3〜10の範囲(約5〜7の範囲等)pH7のpHのバッファーを適用することによって典型的には実行される。
リガンドを含むビーズは一般に複数のリガンドを含むだろう。特定の実施形態において、ビーズは、第2の種類のリガンドと組み合わせて上記のようなリガンドを含み、本発明に記載のリガンドは、全リガンド量のうちの少なくとも約30%、好適には少なくとも約50%、より好適には少なくとも約70%および最も好適には少なくとも約90%まで存在する。かかる組み合わせたリガンド分離マトリックスは、特定の事例のためにデザインすることができ、さらなる相互作用のエレメントはその分離特性を改善する。第2の種類のリガンドは、1つまたは複数の荷電基(電荷反発作用による化合物の溶出に使用する陽イオン交換体等);疎水基;水素結合が可能な基;親和性基または同種のものを含み得る。従って、本明細書において記載されるような対象となる粒子を結合できる異なるリガンドの組み合わせも意図され、それは等しい比率または異なる比率であり得る。
様々な実施形態において、原料中の微粒子の最終速度を上回るがビーズの最終速度は上回らないフロー率で方法を操作することが所望される。一実施形態において、拡張ベッドにおける直線的フロー率は少なくとも約2cm/分、少なくとも約3cm/分、少なくとも約4cm/分、少なくとも約5cm/分、少なくとも約6cm/分、少なくとも約7cm/分、少なくとも約8cm/分、少なくとも約10cm/分、少なくとも約12cm/分、少なくとも約15cm/分、少なくとも約20cm/分、少なくとも約25cm/分、少なくとも約30cm/分、少なくとも約40cm/分、または少なくとも約50cm/分である。別の実施形態において、直線的フロー率は、約1cm/分〜15cm/分、(約2cm/分〜10cm/分、または約2cm/分〜9cm/分、または約2cm/分〜8cm/分、または約3cm/分〜8cm/分、または約3.5cm/分〜7.5cm/分等)の範囲である。一実施形態において、フロー率は約3.8cm/分である。別の実施形態において、フロー率は約7.5cm/分である。定義された期間で排出口で液体の体積を採取することによって、フロー率を測定することができる。
他の実施形態において、拡張ベッド中の原料のインプットは、少なくとも約150cm/時間(少なくとも約180cm/時間、少なくとも約200cm/時間、少なくとも約210cm/時間、少なくとも約220cm/時間、少なくとも約230cm/時間、少なくとも約240cm/時間、少なくとも約250cm/時間、少なくとも約300cm/時間、少なくとも約400cm/時間、少なくとも約425cm/時間、少なくとも約450cm/時間、少なくとも約475cm/時間、少なくとも約500cm/時間、または少なくとも約600cm/時間等)の直線的フロー率により実行することができる。別の実施形態において、拡張ベッド中の原料のインプットは、約200〜500cm/時間(約300〜500cm/時間または約400cm/時間等)の直線的フロー率により実行することができる。一実施形態において、フロー率は約228cm/時間である。別の実施形態において、フロー率は約450cm/時間である。
方程式:高さ0/高さ1(式中、高さ1はカラムを通るフローのない充填ベッドモードにおけるベッドの高さであり、高さ0はカラムを通るフローのある拡張モードにおけるベッドの高さである)を使用して、ベッドの拡張度を測定することができる。一実施形態において、拡張度は1〜5の範囲例えば、1〜4または1〜3または1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等)である。いくつかの実施形態については、拡張度は多くとも約1.2である。別の実施形態において、フロー率は約5cm/分であり、拡張度は1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約6cm/分であり、拡張度は1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約7cm/分であり、拡張度は1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約8cm/分であり、拡張度は1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約9cm/分であり、拡張度は1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約10cm/分であり、拡張度は1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約4cm/分(例えば約3.8cm/分)であり、拡張度は、1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。別の実施形態において、フロー率は約8cm/分(例えば約7.8cm/分)であり、拡張度は、1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等);好適には1.2である。
混合物からの対象となる粒子の捕捉のためにリガンドとカップルさせた拡張ベッド吸着剤の使用は、1つまたは複数の対象となる粒子を含む混合物を最初に提供する工程を含むことができる。混合物は定義されたpHを有するか、または混合物のpHを調整して所望されるpHを得ることができる。混合物は拡張ベッド吸着剤と接触させられ、任意で1つまたは複数のバッファーにより洗浄される。1つまたは複数の対象となる粒子は吸着剤に可逆的に結合されるようになり得るか、またはそれらは未結合のままであり得る。次いで吸着剤をバッファーにより洗浄して非結合材料を含む画分を得ることができる。次いで吸着剤を少なくとも1つの溶出バッファーにより洗浄して吸着剤に可逆的に結合された1つまたは複数の対象となる粒子を含む少なくとも1つの溶出物を得ることができる。洗浄工程、溶出工程または両方は、吸着剤と最初に接触させる混合物のpHよりも高いpHを有するバッファーにより実行することができる。バッファー(複数可)は1つまたは複数のさらなる化合物(1つまたは複数の界面活性剤等)を含み得る。吸着剤は各々の溶出工程間でバッファーにより洗浄することができる。溶出工程において得られる非結合材料もしくは対象となる粒子または両方を含む画分は、限定されずに、クロマトグラフィー、免疫精製、濾過、精密濾過、遠心分離、デカンテーション、沈降および同種のもの、または2つ以上の前述の技法の組み合わせを含む、本明細書において論じられるようなさらなる下流の加工にかけることができる。
溶出工程の間のベッドの拡張度は、0.5〜5の範囲、例えば、1〜4または1〜3または1〜2(1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9等)である。いくつかの実施形態については、拡張度は多くとも約1.2である。
一実施形態において、2つ以上の対象となる粒子は2つ以上の異なる吸着剤の使用によって混合物から捕捉することができ、そこで吸着剤の1つ以上(例えばすべて)は拡張ベッドモードである。従って、本発明は、対象となる粒子の捕捉のために2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上の異なる吸着剤の使用を意図する。
さらなる態様において、本発明は、対象となる粒子を混合物から捕捉する方法であって、対象となる粒子が吸着剤に結合する条件下で混合物を拡張ベッド吸着剤と接触させることおよび対象となる粒子が吸着剤から溶出されるように条件を変化させることを含む方法に関する。複数の実施形態において、方法は、混合物中に最初に存在する対象となる粒子の合計量の少なくとも50%(対象となる粒子の少なくとも60%、70%、80%または90%を含む)を捕捉する。少なくとも92.5%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%等のさらに高い捕捉率を達成することができる。
本発明のさらなる実施形態はここで記載される。捕捉の前に、対象となる粒子を含む宿主細胞を、溶解、均質化、破砕、粉末化、粉砕、乾燥(例えば凍結乾燥)、押出、または前述のものの2つ以上の組み合わせにかけることができる。バルク材のサイズを減少、細胞(複数可)を破壊、または細胞(複数可)の内容物を放出する他の公知の方法も使用することができる。宿主細胞が植物宿主細胞であるならば、細胞は、ねじプレス(例えばコーンに対して少なくとも45psiの圧力を使用して約15kg/時間〜20kg/時間で、Vincent CP−4ねじプレス)、パスタカッター、またはタバコの加工において一般に使用される1つまたは複数の機械(例えば押出し機)等であるがこれらに限定されない、当該技術分野において公知の方法を使用して、破壊またはホモジナイズすることができる。得られた抽出物は採取され、任意で保存される。緑色葉が出発材料において優勢な場合は、抽出物は緑色ジュースまたは緑色抽出物とも称される。かかる抽出物は、細胞間隙(すなわちアポプラスト)中の内容物だけでなく細胞の細胞内内容物も含む。一実施形態において、抽出物を1つまたは複数の化学物質または組成物および同種のものの添加によってさらに処理することができる。従って、一実施形態において、メタ重亜硫酸ナトリウムを抽出物に添加することができる。対象となる粒子が細胞から分泌され得るので、これはオプションの工程である。当該技術分野において公知の方法(Condutimeter Multi 350i/セットの使用によって等)を使用して、抽出物の伝導率を測定することができる。
伝導率が所望される範囲でないならば、抽出物は使用前に純水により希釈することができる。例えば、タバコの茎および葉の均質化により約20mS/cmの伝導率を有する植物材料がもたらされることが観察されている。この値は、N.tabacum およびN.bentamianaに由来するホモジナイズされた植物材料において一貫して観察された。一実施形態によれば、伝導率は、1mS/cm〜10mS/cm;好適には2mS/cm〜8mS/cm;好適には3mS/cm〜7mS/cm;好適には4mS/cm〜6mS/cmの範囲、例えば、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8または5.9mS/cmでなくてはならない。他の実施形態によれば、伝導率は、1mS/cm〜5mS/cm;好適には2mS/cm〜3mS/cmの範囲、例えば、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8または2.9mS/cmでなくてはならない。別の実施形態において、抽出物のpHは、約pH6.0〜8.0の間;好適には約pH7.0である。
捕捉の前に原料を前処理することは所望され得る。対象となる粒子が植物抽出物中に存在する場合、捕捉プロセスの間に目詰まりおよび閉塞を引き起こし得る植物に由来するマクロ分子のうちのいくつかを除去することは有利であろう。一実施形態によれば、イオン交換体(ポリエチレンイミン(PEI)イオン交換体等)を使用して所望されない植物由来マクロ分子を結合する。この工程は好適には第1のカラムにおいてバッチインキュベーションモードで行うことができ、それから得られた溶出材料は拡張ベッドを含む第2のカラムと任意で接触される。好適には、この前捕捉工程において使用されるイオン交換体は、約100μm〜200μm;好適には約pH7で約150μmの平均吸着剤粒子サイズを有する。典型的には、イオン交換体は、好適なバッファー(0.5Mトリス/HClバッファーpH7、続いて10mMトリス/HClバッファーpH7.0等)により平衡化されるだろう。濾過、精密濾過、遠心分離(例えば低速遠心分離)、デカンテーションもしくは沈降またはこれらの方法の2つ以上の組み合わせを含み得る他の前捕捉工程が意図される。
他の実施形態によれば、前捕捉工程は吸着剤の拡張ベッドの使用を含む。好適には、前捕捉工程において使用されるビーズのサイズは、約130μm〜250μm;好適には約135μm〜250μm;より好適には約135μm〜225μm;より好適には約135μm〜200μm;より好適には約135μm〜175μm;より好適には約135μm〜170μm;より好適には約140μm〜170μm;より好適には約140μm〜165μm;より好適には約140μm〜160μm;より好適には約145μm〜160μm;より好適には約145μm〜145μmの間;最も好適には約150μmである。好適には、これらのビーズは、拡張ベッド吸着剤を使用して前捕捉する工程において使用することができる。従って、本発明のさらなる態様は、(a)吸着剤の第1の拡張ベッドを提供する工程と;(b)混合物中の望まれない材料が第1の吸着剤に結合するような条件下で、混合物を第1の吸着剤と接触させる工程と;(c)吸着剤の第2の拡張ベッドを提供する工程と;(d)対象となる粒子が第2の吸着剤に結合するような条件下で、工程(b)からの対象となる粒子を第2の吸着剤と接触させる工程と;(e)任意で第2の吸着剤を洗浄する工程と;(f)任意で対象となる粒子を第2の吸着剤から溶出する工程と;(g)任意で1つまたは複数のさらなる回数で工程(a)〜(f)を反復する工程とを含む、混合物から対象となる粒子を捕捉する方法に関する。
一実施形態において、拡張ベッドモードにおいて使用される吸着剤は、陰イオン交換樹脂(ジエチルアミノエチルセルロースベースのイオン交換樹脂、好適にはジエチルアミノエチルセルロースデキストランベースのイオン交換樹脂等)である。樹脂は、典型的には、例えば、0.5Mトリス/HClバッファーpH7、続いて10mMトリス/HCl pH7.0を使用して、約pH6.0〜8.0の間;好適にはpH7.0のpHにバッファーにより平衡化されるだろう。一実施形態において、吸着剤の平均吸着剤粒子サイズは、約25μm〜200μm;好適には約25μm〜75μmの間、および最も好適には約50μmである。方法が拡張ベッドカラムにおいて実行されるならば、当業者は、カラムの様々なサイズを使用できることを認識するだろう。一実施形態において、カラムは、約70cmのカラム高および約15cmのベッド高で直径1cmである。より大きなカラム(工業規模で使用できるカラム等)のこの使用も本発明によって包含される。例えば、カラムは、直径で直径約1cm〜少なくとも1500cm(直径で最大約10cm、直径で最大約100cm、直径で最大約250cm、直径で最大約500cm、直径で最大約750cm、直径で最大約1000cm、直径で最大約1250cm、直径で最大約1500cm、直径で最大約1750cmまたは少なくとも直径で最大約2000cm等)のサイズにわたり得る。他の直径は2cmの直径、10cmの直径、45cmの直径および150cmの直径を含む。本明細書において記載されるように、上清は所望されるフロー率でカラム上にロードされ、カラムはロード後に約pH6.0〜8.0の間;好適にはpH7.0のpHを備えた洗浄バッファー(10mMトリス/HCl pH7.0等)により典型的には洗浄される。次いで結合された材料は典型的には洗浄バッファーより高いまたは低いpHの好適な溶出バッファーを使用して溶出することができる。一実施形態において、洗浄バッファーは50mMトリス/HClおよび1M NaCl、pH9.0を含む。好適には、溶出物を1つの画分で回収し、pHは、溶出物の回収前にチューブにバッファー(1Mトリス/HCl、pH6.5溶液等)を添加することによって、溶出の間にpH7に調節する。
操作の1つのモードによれば、植物抽出物中に存在する対象となる粒子の結合および溶出は、DEAEイオン交換体、続いてPEIイオン交換体による前捕捉を使用して達成される。
別の実施形態において、抽出物は1工程の結合および溶出プロセスにおいて対象となる粒子を単離することができるように前処理されない。操作のこのモードは、拡張ベッド吸着を使用する対象となる粒子の大スケール捕捉のために、特に適している。従って、少なくとも100リットル(例えば少なくとも250リットル、少なくとも500リットル、少なくとも750リットル、少なくとも1000リットル、少なくとも1250リットル、少なくとも1500リットル、少なくとも1750リットル、および少なくとも2000リットル)の抽出物は、この方法に従って加工され得る。
一実施形態において、ビーズ組成物は、エピクロルヒドリン架橋アガロース(例えば4%w/vで)等のアガロースベースである。ビーズは、残りのビーズに異なる組成物のコア(炭化タングステンコア等)を含み得る。好適なリガンドは、典型的には約50μmの平均直径を備えたDEAEイオン交換体である。吸着剤粒子の平均密度は好適には約16kg/Lである。好適なカラム直径は約45cmであり、空隙体積は沈殿した状態で充填体積の約40%を構成する。一実施形態において、カラムを0.5Mトリス−Clバッファー、pH7、続いて10mMトリス−Clバッファー、pH7により平衡化する。好適には、抽出物のローディングは、本明細書において記載されるようなフロー率で抽出物を上に向かってポンプで入れることによって達成される。拡張係数は典型的には2.0〜2.5の領域中であり、未結合の材料を同じ拡張率で10mMトリス/HCl、pH7により洗浄する。EBAクロマトグラフィー工程に続いて、対象となる粒子は約1.2の拡張率で50mMトリス−Clおよび1M NaCl、pH9により溶出され得る。溶出された画分を、溶出ピークの回収前に1Mトリス/HCl、pH6.5を容器に添加することによって中和することができる。対象となる粒子を含むかまたはそれらから構成される画分は、さらなる捕捉および精製のためにプールすることができる。ビーズの平均密度は約1g/ml〜20g/mlであり得、直線的フロー率は少なくとも約150cm/時間であり得、拡張ベッドの拡張度は約1〜5であり得る。
本発明の一実施形態において、吸着剤に、1つまたは複数の洗浄バッファーおよび平衡バッファーにより、任意でそれぞれ洗浄もしくは平衡化または両方を行うことができる。吸着剤に適用される混合物は条件付けた混合物であり得る。吸着剤がカラム内で保持されないケースにおいて、それは、固相(膜ベースの吸着のためのもの等で、例えば膜フィルター、繊維またはシート)であり得、リガンドはそこへカップルされる。
従って、さらなる態様は、(i)吸着剤の密度が約1g/ml〜20g/mlの間であり、拡張ベッドの拡張度が約1〜5の間であり、平均吸着剤粒子のサイズが約25μm〜約200μmの間である、リガンドを含む吸着剤の拡張ベッドを10cmを超える沈降ベッド高でカラム中に提供する工程と;(ii)約pH6.0〜8.0範囲のpHで樹脂材料を平衡化する工程と;(iii)対象となる粒子を含む混合物であって、約1mS/cm〜10mS/cmの間の伝導率を有する前記混合物を提供する工程と;(iv)約1cm/分〜15cm/分の間の範囲の直線的フロー率でカラム上に混合物をロードして対象となる粒子を結合する工程と;(iv)約pH6.0〜8.0の範囲のpHを有するバッファーを使用してロードしたカラムを洗浄する工程と;(v)1つまたは複数の画分でカラムから対象となる結合粒子を溶出する工程とを含む、混合物から対象となる粒子を捕捉する方法に関する。
本明細書において参照されるとき、「バッファー」は、その酸−塩基のコンジュゲート成分の作用による酸または塩基の添加によってpHにおける変化に耐える溶液である。様々なバッファーは、バッファーの所望されるpHおよび捕捉プロセスにおける特定の工程に応じて用いることができる。本発明の方法のためのpH範囲の所望される制御に使用できるバッファー成分の非限定的例は、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、リン酸塩、アンモニウムバッファー(酢酸アンモニウム等)、コハク酸塩、MES、CHAPS、MOPS、MOPSO、HEPES、トリスおよび同種のものに加えて、これらのトリス−リンゴ酸−NaOHの組み合わせ、マレイン酸塩、クロロ酢酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、プロピオン酸塩、ピリジン、ピペラジン、ADA、PIPES、ACES、BES、TES、トリシン、ビシン、TAPS、エタノールアミン、CHES、CAPS、メチルアミン、ピペリジン、ホウ酸、炭酸、乳酸、ブタンアンジオン酸(butaneandioic acid)、ジエチルマロン酸、グリシルグリシン、HEPPS、HEPPSO、イミダゾール、フェノール、POPSO、コハク酸塩、TAPS、ベンジルアミン、トリメチルアミンもしくはジメチルアミンもしくはエチルアミンもしくはフェニルアミン、エチレンジアミン、またはモルホリンを含む。追加成分(添加剤)は、バッファー中に必要に応じて存在することができ、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムおよび塩化カリウム等の塩;ならびにアミノ酸(グリシンおよびヒスチジン等)、カオトロープ(尿素等)、アルコール(エタノール、マンニトール、グリセロールおよびベンジルアルコール等)、界面活性剤(上を参照)および糖(ショ糖、マンニトール、マルトース、トレハロース、グルコースおよびフルクトース等)等の他の添加剤をバッファーのイオン強度の調節に使用することができる。バッファーの成分および添加剤ならびに使用される濃度は、本発明において実施されるクロマトグラフィーのタイプに従って変動させることができる。
「界面活性剤」という用語はイオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を指し、それはタンパク質の凝集を防止することおよび非特異的相互作用または対象となるタンパク質への混入物の結合を防止することに有用であり、清浄化バッファー、平衡化バッファー、ローディングバッファー、ロード洗浄(複数可)バッファー、溶出バッファーまたはストリップバッファーを含む本発明において使用される様々なバッファー中に存在することができる。特定の実施形態において、界面活性剤は洗浄バッファーへ添加される。本発明において使用することができる界面活性剤の例は、ポリソルベート(例えばポリソルベート20または80);ポロキサマー(例えばポロキサマー188);トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;オクチルグリコシドナトリウム;ラウリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、リノレイルスルホベタイン、またはステアリルスルホベタイン;ラウリルサルコシン、ミリスチルサルコシン、リノレイルサルコシンまたはステアリルサルコシン;リノレイルベタイン、ミリスチルベタイン、またはセチルベタイン;ラウロアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、リノレアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、パルミドプロピルベタイン、またはイソステアラミドプロピルベタイン(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピルジメチルアミン、パルミドプロピルジメチルアミン、またはイソステアラミドプロピルジメチルアミン;ココイルメチルタウリンナトリウム、またはオレイルメチルタウリン二ナトリウム;MONAQUAT(商標)シリーズ(Mona Industries,Inc.、Paterson、NJ.);Igepal CA−630、Pluronic、トリトン、BRIJ、Atlas G2127、Genapol、HECAMEG、LUBROL PX、MEGA、NP、THESIT、TOPPS、CHAPS、CHAPSO、DDMAU、EMPIGEN BB、AWITTERGENTおよびC12E8を含むが、これらに限定されない。界面活性剤は任意のワーキングバッファー中に添加することができ、対象となる分子を含むフィード中に含むことができる。界面活性剤は、本明細書において記載された方法での使用のために好適な任意の量、例えば、約0.001%〜約20%、および典型的には約0.01%〜約1%で存在することができる。特定の実施形態において、ポリソルベート80はCEXCのための洗浄バッファー中で使用される。
クロマトグラフィー性能は、当該技術分野において周知の様々な方法を使用して(280nmおよび600nmでのUV吸収の測定によって、伝導率によってもしくはpHによってまたはその組み合わせによって等)、モニタリングすることができる。
所望される対象となる粒子の捕捉は、対象となるタンパク質に特異的な適切なアッセイを使用してモニタリングすることができる。アッセイ(周知のBradfordアッセイ等)を使用して画分の全タンパク質含有量を決定することができる。SDS−PAGEを使用して純度を確立することができる。ウエスタンブロットは対象となるタンパク質の同定および特徴づけのために使用することができる。本明細書において記載されるような赤血球凝集素アッセイ等のタンパク質活性を測定する方法も使用することができる。
他の実施形態によれば、拡張ベッドおよびカラムを使用後に浄化および再生する。従って、例えば、溶出後に、樹脂を0.5M NaOH続いて蒸留水による洗浄によって浄化および再生する。再平衡化は10mMトリス−Clバッファー、pH7を使用して達成することができる。
従って、本発明の態様は対象となる粒子の植物からの捕捉に関する。従って、一態様は、拡張ベッドまたはEBAのクロマトグラフィーの使用を含む、植物、植物細胞または植物抽出物から対象となる粒子を捕捉する方法に関する。一実施形態によれば、この方法は、(a)吸着剤;好適にはDEAEベースの吸着剤の拡張ベッドを提供する工程と;(b)植物材料を吸着剤と接触させる工程と;(c)任意で吸着剤をリンスする工程と;(d)任意で対象となる粒子を吸着剤から溶出する工程とを含む。好適には、吸着剤との接触の前の植物抽出物の伝導率は、約1mS/cm〜10mS/cm、好適には2mS/cm〜3mS/cmである。好適には、吸着剤は複数のビーズ(アガロースおよび対象となる粒子を結合するのに好適なリガンドを含むビーズ等)を含む。ビーズは約50μmの平均直径を有し得る。好適には、リガンドは、陰イオン交換樹脂(ジエチルアミノエチルセルロースベースのイオン交換樹脂、好適にはジエチルアミノエチルセルロースデキストランベースのイオン交換樹脂等)を含むか、それらからなるか、または本質的になる。好適には、ビーズの平均密度は約1g/ml〜20g/mlである。好適には、直線的フロー率は少なくとも約150cm/時間である。好適には、拡張ベッドの拡張度は約1〜5である。
VLPは一般的に感染において産生されるビリオンに抗原性的に類似するが、複製に十分な遺伝情報を欠き、従って典型的には非感染性である。VLPは感染において産生されるビリオンに形態学的に類似し得るが、必ずしもそうだとは限らない。VLP(植物由来するVLP等)は多くのサイズ分布を有し、感染において産生されるビリオンと異なる形状であり得、球状ではないか、長い軸であるか、または押しつぶされた外観等を有する。
VLPは、パルボウイルス科(例えばアデノ随伴ウイルス)、レトロウイルス科(例えばHIV)およびフラビウイルス科(例えばC型肝炎ウイルス)を含む、様々なウイルス科の構成要素から産生されている。VLPは、哺乳類細胞株、昆虫細胞株、酵母および植物細胞を含む様々な細胞培養システムにおいて産生することができる。特定の実施形態において、VLP中に存在する1つまたは複数のタンパク種は、天然に存在する配列から修飾され得る。VLPは、哺乳類細胞、細菌細胞、植物細胞および昆虫細胞を含む好適な宿主細胞において産生され得る。一実施形態において、VLPは植物の細胞において産生される。VLPは多くの場合異種発現によって大量に産生することができる。VLPはインタクトな構造として宿主または宿主細胞から単離され得る。VLPは、例えば免疫アッセイ、機能的アッセイ(例えば凝集)、電子顕微鏡検査、またはサイズ排除クロマトグラフィーによって、構造およびサイズについて査定され得る。
VLPは1つ以上または2つ以上の異なる対象となるタンパク質を含むことができる。タンパク質は異なる生物学的起源であり得るが、その少なくとも1つはウイルス起源である。1つ以上のタンパク種を含むVLPについて、タンパク種は、ウイルスの同じ種からのものであり得るか、または異なる種、属、亜科または科のウイルスからのタンパク質を含み得る。VLPは、非タンパク性の他のタイプの分子(脂質および炭水化物等であるがこれらに限定されない)を加えて含み得る。
一実施形態において、VLPは、対象となるタンパク質の単量体単位の多量体集合体である。様々な実施形態において、対象となるタンパク質はウイルスタンパク質(カプシド等であるがこれらに限定されない)である。大部分のウイルス構造はそれらのカプシドの構造に基づき、螺旋状形態、20面体形態もしくは等軸形態またはエンベロープを有する形態で存在することができる。螺旋対称はウイルスの円周の周囲のタンパク質サブユニットをアレンジして、ディスクを形成する。20面体対称のカプシドは疑似球状構造を形成し;エンベロープウイルスと共にタンパク質サブユニットは外部環境に曝露される。様々な実施形態において、VLPは3〜約200のカプシドを含むカプシドから構成される。一実施形態において、VLPは、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも90または少なくとも120のカプシドを含む。別の実施形態において、各々のVLPは、少なくとも150のカプシド、少なくとも160、少なくとも170または少なくとも180のカプシドを含む。他の実施形態において、対象となるタンパク質は、ウイルスマトリックスタンパク質またはウイルス糖タンパク質および同種のものであり得る。
一実施形態において、VLPは20面体構造として発現される。別の実施形態において、VLPは、カプシド配列が由来する生来のウイルスと同じ幾何学的形状で発現される。別の実施形態において、VLPは生来のウイルスと同一の幾何学的形状を有していない。一実施形態において、カプシドの少なくとも1つは、少なくとも1つの対象となるタンパク質を含む。
一実施形態において、本発明によって捕捉されたVLPを使用して、ワクチン(インフルエンザまたは鳥インフルエンザのワクチン等)を含むがこれらに限定されない医薬組成物を作製することができる。かかるワクチンをはヒトまたは動物に投与して、病原体(ウイルス、細菌、原生動物、線虫、寄生動物等であるがこれらに限定されない)による感染を防止することまたはかかる病原体による感染を処理することができる。
対象となる粒子は細菌のゴースト粒子であり得る。このタイプの粒子は、細菌(グラム陰性菌等)の空の細菌細胞エンベロープである。それらは、典型的には細菌(特にグラム陰性菌)の部分的溶解をもたらす遺伝子の制御された異種発現によって調製される。例えば、溶菌遺伝子はポリペプチドをコードするバクテリオファージφX174遺伝子Eであり得、このポリペプチドはグラム陰性菌の細胞エンベロープ複合体の中へ挿入され、内膜および外膜を介する膜貫通トンネル構造の形成を引き起こす。このトンネル構造の内径は、適用される溶解条件に応じて、約20nm〜400nm、特に40nm〜200nm、500nm〜1,000nmの範囲中であり得る。細胞質成分はこのトンネル構造によって放たれ、インタクトな形態を有する空の細胞エンベロープ複合体(いわゆる細菌のゴースト)が得られる。WO91/13555およびWO93/01791で細菌のゴーストの使用を開示する。細菌のゴースト粒子は組換えゴースト粒子であり得る。細菌のゴースト粒子は、その表面上で1つまたは複数の対象となるタンパク質(ワクチン抗原等)を提示する組換えゴースト粒子であり得る。
プロセスはVLPの形態で少なくとも0.1g/Lのタンパク質を産生することができる。別の実施形態において、プロセスはVLPの形態で0.1g/L〜10g/Lのタンパク質を産生する。他の実施形態において、プロセスは、VLPの形態で少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9または1.0g/Lのタンパク質を産生する。一実施形態において、産生されたVLPの全量は少なくとも1.0g/Lである。
対象となるタンパク質に作動可能に連結された発現されるウイルスカプシドの部分は、細胞中で不溶性の凝集物として形成され得る。一実施形態において、対象となるタンパク質は、本明細書において論じられるような不溶性の凝集物から復元される。一実施形態において、ウイルスカプシド配列に作動可能に連結されたタンパク質は少なくとも2つのアミノ酸を含む。別の実施形態において、タンパク質は、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、または少なくとも6アミノ酸を含む。別の実施形態において、タンパク質は、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、または少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、45、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000またはそれ以上のアミノ酸長である。一実施形態において、タンパク質は、少なくとも25kDa、50kDa、100kDaまたは150kDaまたはそれ以上の分子量を有する。
対象となるタンパク質は、ウイルスに由来せず、任意で宿主細胞と同じ種に由来しない異種タンパク質であり得る。
対象となるタンパク質は機能的タンパク質;構造タンパク質;抗原;免疫原;毒素;ヒトまたは動物の疾患の処理もしくは防止または両方に有用な抗微生物タンパク質、治療的タンパク質または予防的タンパク質であり得る。本明細書において記載されたタンパク質の断片、融合タンパク質、前駆体またはコンカテマーも意図される。機能的タンパク質の非限定的例は、免疫活性タンパク質(例えば抗原性タンパク質、アレルゲン性タンパク質、免疫調節因子、免疫修飾因子);シグナリングおよびシグナル伝達タンパク質ならびに阻害タンパク質(例えば、タンパク質毒素および抗微生物タンパク質等の、毒性タンパク質、殺生物性タンパク質、または静生物性タンパク質)を含むが、これらに限定されない。構造タンパク質は、アプタマー;折り畳みタンパク質、接着促進タンパク質、接触面タンパク質、マイクロ構造およびナノ構造の建築タンパク質ならびに前活性化タンパク質を含むが、これらに限定されない。触媒タンパク質は、例えばRNA編集タンパク質;tRNAシンセターゼの触媒タンパク質;リボソーム不活性化タンパク質;およびウイルス触媒タンパク質を含む。対象となるタンパク質は、関連するタンパク質のエピトープ、ハプテン(例えば、抗原性ウイルスタンパク質;ウイルス関連タンパク質、抗体のイディオタイプドメイン;細胞表面タンパク質;ヒト、動物、原生生物、植物、真菌、細菌、または古細菌起源の抗原性タンパク質;アレルゲン性タンパク質およびアレルゲン脱感作タンパク質)であり得る。
タンパク質は、免疫調節因子または免疫修飾因子(例えばインターフェロン、インターロイキン、免疫抑制因子および免疫強化因子);抗体(例えば、単一鎖抗体;単一鎖抗体断片およびコンストラクト、例えば単一鎖Fv分子;抗体軽鎖分子、抗体重鎖分子、ドメイン欠失抗体の軽鎖分子または重鎖分子;単一鎖抗体のドメインおよび分子、例えばCH1、CH1−3、CH3、CH1−4、CH4、VHCH1、CL、CDR1、FR1−CDR1−FR2ドメイン;パラトープペプチド;マイクロ抗体);他の結合タンパク質(例えば、アプタマー、細胞内および細胞表面の受容体タンパク質、受容体断片)でもあり得る。
タンパク質は、酵素基質もしくは酵素抑制物質または細胞表面の受容体、リガンド、アゴニストおよびアンタゴニスト、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、ウイロカインおよびウイロセプター、ホルモン放出タンパク質およびホルモン放出阻害タンパク質、神経伝達物質またはチャンネルブロッカー、毒素または毒素前駆体であり得る。タンパク質は、代謝および消化に関連するタンパク質、細胞接着を修飾または媒介するタンパク質、細胞外基質タンパク質、神経保護因子または髄鞘形成促進タンパク質;または凝集阻害タンパク質でもあり得る。対象となるタンパク質は分泌タンパク質であり得る。
タンパク質についてのコード配列は生来のコード配列であり得るが、より典型的には選択された発現宿主細胞中での使用のために、例えば、宿主動物種のコドン使用優先性を反映する遺伝子を合成することまたはシグナルペプチドを組み入れることによって、選択、改善または最適化されたコード配列であるだろう。
一実施形態において、対象となるタンパク質はワクチンまたはワクチン組成物中で使用することができる抗原である。好適には、ワクチンは、薬学的に許容されるキャリアーもしくはアジュバントまたは両方も含む。ワクチンは予防的または治療的であることが意図される。「予防的」処理は、病変を生じるリスクを低下させる目的のために、疾患の徴候を示さないかまたは初期徴候のみを示す被験体に投与される処理である。ワクチンは、病変を生じる可能性を減少させるかまたはもし生じていれば病変の重症度を最小限にする予防的処理として与えることができる。「治療的」処理は、徴候または症状を減じるかまたは消失させる目的のために、病変の徴候または症状を示す被験体に投与される処理である。徴候または症状は、生化学的、細胞性、組織学的、機能的、主観的または客観的であり得る。
一実施形態において、抗原は、赤血球凝集素(HA)またはその断片もしくは誘導体である。HAは、約560アミノ酸を含むウイルス表面の糖タンパク質である。それは、感染の早期ステージにおけるウイルスの接着および宿主細胞の中への浸透に関与する。H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15またはH16サブタイプとして分類される少なくとも16の公知のHAサブタイプがある。赤血球凝集素は、インフルエンザウイルスに加えて他の多くの細菌およびウイルスの表面上で見出される。現在、ヒトにおけるインフルエンザ感染の最も重要な原因は、インフルエンザタイプAのサブタイプH1N1およびH3N2に起因するものである。しかしながら、パンデミック感染を引き起こし得る、典型的なインフルエンザワクチンによって保護されないインフルエンザ株は、例えばH5N1サブタイプである。H2、H7およびH9サブタイプもパンデミックの可能性を有する。高病原性鳥インフルエンザウイルスは、鳥類における、重篤な呼吸器疾患および死亡を引き起こし得る。この特徴は、H5およびH7のサブタイプのHAのみについて知られている。いくつかの鳥ウイルスにはヒトに伝達する能力があるので、ヒトの健康の不安にもなっている。鳥インフルエンザウイルスの病原性はポリジーンの特性であるが、HAタンパク質が感染において主要な役割を有することが示されている。HAタンパク質は単量体、二量体または、三量体の形態で発現され得る。任意のHAサブタイプおよびバリアントに加えて任意のHAの単量体、二量体または三量体の形態は、対象となるタンパク質であり得、本明細書において記載されたVLP中に存在することができる。
赤血球凝集素タンパク質は、抗体の使用を含む標準的方法を使用して、ELISAによって検出することができる。赤血球凝集の活性を測定する方法は、当該技術分野において周知であり、WO2004/098533中に記載されるような赤血球によるインキュベーションを含む。
対象となる粒子の産生のための宿主は、典型的にはウイルスタンパク質が細胞の複製または感染を可能にしないものであるだろう。一実施形態において、ウイルスタンパク質は、宿主細胞に由来する細胞種に感染しないウイルスに由来するだろう。例えば、一実施形態において、ウイルス種は哺乳動物に感染し、発現システムは植物宿主細胞を利用する。宿主細胞は対象となる粒子の集合を改善するように修飾され得る。宿主細胞は、例えば発現されたウイルスタンパク質から対象となる粒子の形成を促進するシャペロンタンパク質を含むように修飾され得る。別の実施形態において、宿主細胞をリプレッサータンパク質を含むように修飾し、より効率的にカプシドの発現を調節して対象となる粒子の調節された形成を促進する。
宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、藻細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞および植物細胞を含む。
本発明のいくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Agrobacterium属(例えばA.radiobacter、A.rhizogenes、A.rubi)である。本発明のいくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Arthrobacter属(例えばA.aurescens、A.citreus、A.globformis、A.hydrocarboglutamicus、A.mysorens、A.nicotianae、A.paraffineus、A.protophonniae、A.roseoparqffinus、A.sulfureusおよびA.ureafaciens)である。本発明のいくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Bacillus属(例えばB.thuringiensis、B.anthracis、B.megaterium、B.subtilis、B.lentos、B.circulans、B.pumilus、B.lautus、B.coagulans、B.brevis、B.firmus、B.alkaophius、B.licheniformis、B.clausii、B.stearothermophilus、B.haloduransおよびB.amyloliquefaciens)である。特定の実施形態において、宿主細胞は、B.subtilis、B.pumilus、B.licheniformis、B.megaterium、B.clausii、B.stearothermophilusおよびB.amyloliquefaciensを含むがこれらに限定されない産業用のBacillus系統であるだろう。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Clostridium属(例えばC.acetobutylicum、C.tetani E88、C.lituseburense、C.saccharobutylicum、C.perfringens、C.beijerinckii)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Corynebacterium属(例えばC.glutamicum、C.acetoacidophilum)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Escherichia属(例えばE.coli)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Erwinia属(例えばE.uredovora、E.carotovora、E.ananas、E.herbicola、E.punctata、E.terreus)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Pantoea属(例えばP.citreaおよびP.agglomerans)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Pseudomonas属(例えばP.putida、P.aeruginosa、P.mevalonii)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Streptococcus属(例えばS.equisimiles、S.pyogenes、S.uberis)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Streptomyces属(例えばS.ambofaciens、S.achromogenes、S.avermitilis、S.coelicolor、S.aureofaciens、S.aureus、S.fungicidicus、S.griseus、S.lividans)である。いくつかの実施形態において、細菌宿主細胞は、Zymomonas属(例えばZ.mobilisおよびZ.lipolytica)である。組換えタンパク質には、迅速で効果的で低費用で多量の収率の可能性があるので、対象となる粒子(VLP等の)の産生のための発現システムにおける宿主細胞として細菌を検査した。研究者は、非熱帯性腸内細菌において、組換えタンパク質挿入物のない特定の野生型ウイルスカプシドを遺伝子導入により発現させることができることを示している。研究者は、これらのカプシドをインビボおよびインビトロの両方で集合させて対象となる粒子(VLP等)を形成できることも示している。
酵母宿主細胞は、Candida属、Hansenula属、Saccharomyces属、Schizosaccharomyces属、Pichia属、Kluyveromyces属およびYarrowia属であるがこれらに限定されない細胞であり得る。本発明のいくつかの実施形態において、酵母細胞は、Hansenula polymorpha、Saccharomyces cerevisiae、Saccaromyces carlsbergensis、Saccharomyces diastaticus、Saccharomyces norbensis、Saccharomyces kluyveri、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia kodamae、Pichia membranaefaciens、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia quercuum、Pichia pijperi、Pichia stipitis、Pichia methanolica、Pichia angusta、Kluyveromyces lactis、Candida albicansおよびYarrowia lipolyticaである。
真菌宿主細胞は、Achlya属、Acremonium属、Aspergillus属、Aureobasidium属、Bjerkandera属、Ceriporiopsis属、Cephalosporium属、Chrysosporium属、Cochliobolus属、Corynascus属、Cryphonectria属、Cryptococcus属、Coprinus属、Coriolus属、Diplodia属、Endothis属、Fusarium属、Gibberella属、Gliocladium属、Humicola属、Hypocrea属、Myceliophthora属、Mucor属、Neurospora属、Penicillium属、Podospora属、Phlebia属、Piromyce属「、Pyricularia属、Rhizomucor属;Rhizopus属、Schizophyllum属、Scytalidium属、Sporotrichum属、Talaromyces属、Thermoascus属、Thielavia属、Trametes属、Tolypocladium属、Trichoderma属、Verticillium属、Volvariella属、またはその有性世代もしくは無性世代および異名もしくは分類学的同等物であるがこれらに限定されない細胞であり得る。
本発明のいくつかの実施形態において、宿主細胞は、Chlamydomonas(例えばC.Reinhardtii)およびPhormidium(P.種ATCC29409)等の藻細胞である。
昆虫宿主細胞の例は、Spodoptera frugiperda(Sf9またはSf21)またはTrichoplusioani細胞(High Five)等の鱗翅目細胞株を含む。
哺乳類宿主細胞の例は、チャイニーズハムスター(CHO)細胞株(例えばCHO−K1;ATCC CCL−61)、ミドリザル細胞株(COS)(例えばCOS1(ATCC CRL−1650)、COS7(ATCC CRL−1651));マウス細胞(例えばNS/O)、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞株(例えばATCC CRL−1632またはATCC CCL−10)、およびヒト細胞(例えばHEK 293(ATCC CRL−1573))を含む。
一実施形態において、宿主は植物であり、宿主細胞は植物細胞である。植物細胞は植物に由来または由来可能であるか、または植物の外部で培養された培養植物細胞であり得る。従って、一実施形態において、植物は、植物細胞(インビトロで成長させた植物細胞または細胞のクランプ等の培養でまたは植物の外部で成長させた植物細胞等)である。植物の非限定的例は、単子葉植物および双子葉植物(作物植物、観賞植物、および非栽培植物または野生植物等)を含む。さらなる例は、作物植物(特にヒト食品または動物食物のために使用される作物植物)、木材またはパルプを産生する樹木、野菜植物、果実植物および観賞用植物等の商業用または農業用に興味を持たれる植物を含む。
植物の非限定的例は、穀類作物植物(コムギ、カラスムギ、オオムギ、トウモロコシ、ライムギ、ライコムギ、コメ、キビ、ソルガム、キノア、アマランサスおよびソバ等);飼料作物植物(アルファルファ、カラスノエンドウ、クローバおよび同種のものを含む飼料用草および飼料用双子葉植物等);脂肪種子作物植物(綿、ベニバナ、ヒマワリ、ダイズ、キャノーラ、ナタネ、アマ、ピーナッツおよびアブラヤシ等);樹木の木の実(クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、ピーカン、アーモンドおよび同種のもの等);サトウキビ、ココナッツ、ナツメヤシ、オリーブ、テンサイ、茶およびコーヒー;木材またはパルプを産生する樹木;マメ科植物(例えばマメ、エンドウ、ヒラマメ、アルファルファ、ピーナッツ)、レタス、アスパラガス、アーティチョーク、セロリ、ニンジン、ラディッシュ、アブラナ科植物(例えばキャベツ、ケール、カラシナおよび他の葉が多いアブラナ科植物、ブロッコリ、カリフラワー、メキャベツ、カブ、コールラビ)、ウリ科植物(例えばキュウリ、メロン、夏カボチャ、冬カボチャ)、ネギ科植物(例えば玉ねぎ、ニンニク、リーキ、エシャロット、チャイブ)、ナス科植物のメンバー(例えばトマト、ナス、じゃがいも、胡椒、ホオズキ)、およびアカザ科の植物のメンバー(例えばビート、フダンソウ、ホウレンソウ、キノア、アマランサス)等の野菜作物植物;リンゴ、西洋ナシ、柑橘類(例えばオレンジ、ライム、レモン、グレープフルーツおよび他のもの)、核果(例えばアプリコット、モモ、プラム、ネクタリン)、バナナ、パイナップル、ブドウ、キーウィフルーツ、パパイア、アボカドおよびベリー等の果実作物植物;ならびに観賞用顕花植物、観賞用樹木および低木、観賞用地被植物ならびに観賞用草を含む観賞用植物を含む。双子葉植物のさらなる例は、キャノーラ、綿、ジャガイモ、キノア、アマランサス、ソバ、ベニバナ、ダイズ、テンサイおよびヒマワリ、より好適にはダイズ、キャノーラおよび綿を含むが、これらに限定されない。単子葉植物のさらなる例は、コムギ、カラスムギ、オオムギ、トウモロコシ、ライムギ、ライコムギ、コメ、観賞用草および飼料草、ソルガム、キビならびにサトウキビを含むが、これらに限定されない。組換えタンパク質産生宿主としての植物は、対象となる粒子の捕捉および精製の間に除去され得る混入物のユニークなセットを含む。さらに、植物固形物(抽出後の早期除去が要求される)は、一般的に従来の細菌および哺乳類の細胞培養残屑よりも、より高い濃度でより広い範囲でより稠密なものである。典型的な植物の加工および精製のスキームは、組換えタンパク質を含む植物組織の単離、粒子サイズ減少に加えて組織の分画、水性媒質の中への標的タンパク質の抽出、粗製抽出物の清澄化、および最終的な生産物の精製からなる。それゆえ、植物細胞からの対象となる粒子の捕捉における改良は、全体的な生産コストに有利な影響を与えるだろう。
本発明において使用のために好適な植物材料は、以下の科のうちの1つからの種を含む単子葉植物もしくは双子葉植物またはそれらの植物細胞システムであり得るかまたはそれらに由来し得る。Acanthaceae、Alliaceae、Alstroemeriaceae、Amaryllidaceae、Apocynaceae、Arecaceae、Asteraceae、Berberidaceae、Bixaceae、Brassicaceae、Bromeliaceae、Cannabaceae、Caryophyllaceae、Cephalotaxaceae、Chenopodiaceae、Colchicaceae、Cucurbitaceae、Dioscoreaceae、Ephedraceae、Erythroxylaceae、Euphorbiaceae、Fabaceae、Lamiaceae、Linaceae、Lycopodiaceae、Malvaceae、Melanthiaceae、Musaceae、Myrtaceae、Nyssaceae、Papaveraceae、Pinaceae、Plantaginaceae、Poaceae、Rosaceae、Rubiaceae、Salicaceae、Sapindaceae、Solanaceae、Taxaceae、またはVitaceae。
好適な種は、属、Abelmoschus、Abies、Acer、Agrostis、Allium、Alstroemeria、Ananas、Andrographis、Andropogon、Artemisia、Arundo、Atropa、Berberis、Beta、Bixa、Brassica、Calendula、Camellia、Camptotheca、Cannabis、Capsicum、Carthamus、Catharanthus、Cephalotaxus、Chrysanthemum、Cinchona、Citrullus、Coffea、Colchicum、Coleus、Cucumis、Cucurbita、Cynodon、Datura、Dianthus、Digitalis、Dioscorea、Elaeis、Ephedra、Erianthus、Erythroxylum、Festuca、Fragaria、Galanthus、Glycine、Gossypium、Helianthus、Hevea、Hordeum、Hyoscyamus、Jatropha、Lactuca、Linum、Lolium、Lupinus、Lycopersicon、Lycopodium、Manihot、Medicago、Mentha、Miscanthus、Musa、Nicotiana、Oryza、Panicum、Papaver、Parthenium、Pennisetum、Petunia、Phalaris、Phleum、Pinus、Poa、Poinsettia、Populus、Rauwolfia、Ricinus、Rosa、Saccharum、Salix、Sanguinaria、Secale、Solanum、Sorghum、Spartina、Spinacea、Tanacetum、Taxus、Theobroma、Triticosecale、Triticum、Uniola、Veratrum、Vinca、Vitis、およびZeaのメンバーを含み得る。
好適な種は、Panicum属の種、Sorghum属の種、Miscanthus属の種、Saccharum属の種、Erianthus属の種、Populus属の種、Andropogon gerardii(ビッグブルーステム)、Pennisetum purpureum(エレファントグラス)、Phalaris arundinacea(クサヨシ)、Cynodon dactylon(バミューダグラス)、Festuca arundinacea(ヒロハノウシノケグサ)、Spartina pectinata(プレーリーコードグラス)、Medicago sativa(アルファルファ)、Arundo donax(ダンチク)、Secale cereale(ライムギ)、Salix属の種(ヤナギ)、Eucalyptus属の種(ユーカリ)、Triticosecale属(コムギ類 −コムギ×ライムギ)、タケ、Helianthus annuus(ヒマワリ)、Carthamus tinctorius(ベニバナ)、Jatropha curcas(ジャトロファ)、Ricinus communis(キャスター)、Elaeis guineensis(ヤシ)、Linum usitatissimum(アマ)、Brassica juncea、Beta vulgaris(テンサイ)、Manihot esculenta(キャッサバ)、Lycopersicon esculentum(トマト)、Lactuca sativa(レタス)、Musa paradisiaca(バナナ)、Solanum tuberosum(ジャガイモ)、Brassica oleracea(ブロッコリ、カリフラワー、メキャベツ)、Camellia sinensis(茶)、Fragaria ananassa(イチゴ)、Theobroma cacao(ココア)、Coffeaアラビカ(コーヒー)、Vitis vinifera(ブドウ)、Ananas comosus(パイナップル)、Capsicum annum(トウガラシおよび甘トウガラシ)、Allium cepa(玉ねぎ)、Cucumis melo(メロン)、Cucumis sativus(キュウリ)、Cucurbita maxima(カボチャ)、Cucurbita moschata(カボチャ)、Spinacea oleracea(ホウレンソウ)、Citrullus lanatus(スイカ)、Abelmoschus esculentus(オクラ)、Solanum melongena(ナス)、Rosa属の種(バラ)、Dianthus caryophyllus(カーネーション)、Petunia属の種(ペチュニア)、Poinsettia pulcherrima(ポインセチア)、Lupinus albus(ルピナス)、Uniola paniculata(カラスムギ)、ベントグラス(Agrostis属の種)、Populus tremuloides(アスペン)、Pinus属の種(マツ)、Abies属の種(モミ)、Acer属の種(モミジ)、Hordeum vulgare(オオムギ)、Poa pratensis(ブルーグラス)、Lolium属の種(ライグラス)およびPhleum pratense(オオアワガエリ)、Panicum virgatum(スイッチグラス)、Sorghum bicolor(ソルガム、スーダングラス)、Miscanthus giganteus(ススキ)、Saccharum属の種(エネルギー用サトウキビ)、Populus balsamifera(ポプラ)、Zea mays(トウモロコシ)、Glycine max(ダイズ)、Brassica napus(キャノーラ)、Triticum aestivum(コムギ)、Gossypium hirsutum(綿)、Oryza sativa(コメ)、Helianthus annuus(ヒマワリ)、Medicago sativa(アルファルファ)、Beta vulgaris(テンサイ)またはPennisetum glaucum(トウジンヒエ)を含み得る。
植物材料は、属Nicotiana(Nicotiana属の様々な種)の植物を含み、N.benthamianaおよびN.tabacum(例えばLA B21、LN KY171、TI 1406、Basma、Galpao、Perique、Beinhart 1000−1およびPetico)を含む、天然に存在、突然変異、天然に存在しない、またはトランスジェニックのタバコ植物であり得るかまたはそれらに由来し得る。他の種は、N.acaulis、N.acuminata、N.acuminata多花性変種、N.africana、N.alata、N.amplexicaulis、N.arentsii、N.attenuata、N.benavidesii、N.rustica、N.bigelovii、N.bonariensis、N.cavicola、N.clevelandii、N.cordifolia、N.corymbosa、N.debneyi、N.excelsior、N.forgetiana、N.fragrans、N.glauca、N.glutinosa、N.goodspeedii、N.gossei、N.hybrid、N.ingulba、N.kawakamii、N.knightiana、N.langsdorffii、N.linearis、N.longiflora、N.maritima、N.megalosiphon、N.miersii、N.noctiflora、N.nudicaulis、N.obtusifolia、N.occidentalis、N.occidentalis亜種hesperis、N.otophora、N.paniculata、N.pauciflora、N.petunioides、N.plumbaginifolia、N.quadrivalvis、N.raimondii、N.repanda、N.rosulata、N.rosulata亜種ingulba、N.rotundifolia、N.setchellii、N.simulans、N.solanifolia、N.spegazzinii、N.stocktonii、N.suaveolens、N.sylvestris、N.tabacum、N.thyrsiflora、N.tomentosa、N.tomentosiformis、N.trigonophylla、N.umbratica、N.undulata、N.velutina、N.wigandioides、およびN.xsanderaeを含む。
栽培品種または選良栽培品種からのまたはそれらに由来する植物材料の使用も意図される。品種または栽培品種の非限定的例は、BD 64、CC 101、CC 200、CC 27、CC 301、CC 400、CC 500、CC 600、CC 700、CC 800、CC 900、Coker 176、Coker 319、Coker 371 Gold、Coker 48、CD 263、Denzizli、DF911、Galpaoタバコ、GL 26H、GL 350、GL 600、GL 737、GL 939、GL 973、HB 04P、K 149、K 326、K 346、K 358、K394、K 399、K 730、KDH 959、KT 200、KT204LC、KY10、KY14、KY 160、KY 17、KY 171、KY 907、KY907LC、KTY14xL8 LC、Karabaglar、Little Crittenden、McNair 373、McNair 944、msKY 14xL8、Narrow Leaf Madole、NC 100、NC 102、NC 2000、NC 291、NC 297、NC 299、NC 3、NC 4、NC 5、NC 6、NC7、NC 606、NC 71、NC 72、NC 810、NC BH 129、NC 2002、Neal Smith Madole、OXFORD 207、「Perique」タバコ、PVH03、PVH09、PVH19、PVH50、PVH51、R 610、R 630、R 7−11、R 7−12、RG 17、RG 81、RG H51、RGH 4、RGH 51、RS 1410、Speight 168、Speight 172、Speight 179、Speight 210、Speight 220、Speight 225、Speight 227、Speight、Speight G−28 234、Speight G−70、Speight H−6、Speight H20、Speight NF3、TI 1406、TI 1269、TN、TN86LC 86、TN 90、TN 97、TN97LC、TN D94、TN D950、TR(Tom Rosson)Madole、Turkish Samson、VA 309、VA359、DAC、Mata、Fina、PO2、BY−64、AS44、RG17、RG8、HB04P、Basma Xanthi BX 2A、Coker 319、Hicks、McNair 944(MN 944)、Burley、K149、Yaka JB 125/3、Kasturi Mawar 21、NC 297、Coker 371 Gold、PO2、Wislica、Simmaba、Turkish Samsun、AA37−1、B13P、BU21×Hoja Parado系統97の交配からのF4、SamsunまたはPO1である。N.tabacum栽培品種の非限定的例は、AA 37−1、B 13P、Xanthi(Mitchell−Mor)、KTRD#3ハイブリッド107、Bel−W3、79−615、Samsun Holmes NN、KTRDC#2ハイブリッド49、KTRDC#4ハイブリッド110、Burley 21、BY−64、KTRDC#5 KY 160 SI、KTRDC#7 FCA、KTRDC#6 TN 86 SI、Coker 371 Gold、K 149、K 326、K 346、K 358、K 394、K 399、K 730、KY 10、KY 14、KY 160、KY 17、KY 8959、KY 9、KY 907、MD 609、McNair 373、NC 2000、PG 01、PG 04、M066、PO1、PO2、PO3、RG 11、RG 17、RG 8、Speight G−28、TN 86、TN 90、VA 509、AS44、Banket A1、Basma Drama B84/31、Basma I Zichna ZP4/B、Basma Xanthi BX 2A、Batek、Besuki Jember、C104、Coker 319、Coker 347、Criollo Misionero、DAC Mata Fina、Delcrest、Djebel 81、DVH 405、Galpao Comum、HB04P、Hicks Broadleaf、Kabakulak Elassona、Kasturi Mawar、Kutsage E1、KY 14xL8、KY 171、LA BU 21、McNair 944、NC 2326、NC 71、NC 297、NC 3、PVH 03、PVH 09、PVH 19、PVH 2110、Red Russian、Samsun、Saplak、Simmaba、Talgar 28、Turkish Samsun、Wislica、Yayaldag、NC、TR Madole 4、Prilep HC−72、Prilep P23、Prilep PB 156/1、Prilep P12−2/1、Yaka JK−48、Yaka JB 125/3、TI−1068、KDH−960、TI−1070、TW136、Samsun NN、Izmir、Basma、TKF 4028、L8、TKF 2002、TN90、GR141、Basma xanthi、GR149、GR153、Petit HavanaまたはXanthi NNである。
一過性の発現システムは、本発明の方法において使用される植物を生成するのに特に好適である。かかる一過性の発現システム(好適にはNicotiana属の様々な種およびN.tabacumの品種と共に使用される)は、当該技術分野において公知であり、アグロバクテリウムが植物細胞の中へ対象となるタンパク質をコードする核酸分子(典型的にはアグロバクテリウム中で複製することができる発現コンストラクト)を移行させる能力に依存する、物理的方法(例えば真空または大気圧を超える圧力の適用)を介する遺伝子操作されたAgrobacterium tumefaciensの懸濁物の植物全体の葉の中へのインフィルトレーションを含む。インフィルトレーションされた植物細胞中での発現コンストラクトのコピー数は、遺伝子導入植物の生成に使用されるものよりも高い。アグロバクテリウムのインフィルトレーションは組み込みをもたらし得るが、本発明において使用される植物の生成に使用している一過性の発現は、植物ゲノムの中への発現コンストラクトの組み込みを要求しないことによって特徴づけられる。従って、大多数のインフィルトレーションしされた植物細胞は、組み込まれた発現コンストラクトを含むゲノムを含まない。一過性の発現は、子孫植物の中への発現コンストラクトの伝達も要求しない。一般的に、インフィルトレーション後の2〜15日または好適には4〜6日内に、組換えタンパク質はインフィルトレーションされた植物細胞中に蓄積し、ウイルス様粒子を形成する。バイオマス(特にインフィルトレーションされた葉)をこの時に収穫し、粒子の単離のために加工することができる。従って、植物材料は、ウイルス様粒子中に存在するタンパク質を一過性に発現する植物(Nicotiana benthamianaまたはNicotiana tabacumの品種等)、好適にはタンパク質をコードし、インフィルトレーションした植物細胞中でタンパク質の発現を一過性に可能にする発現コンストラクトを含むアグロバクテリウム細胞によりインフィルトレーションされた植物に由来し得る。
原料としての植物材料の使用は、例えば5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%w/wを超える固形物の高含有量のためにさらなる難題となる。原料は、細胞培養上清中で見出されたものよりも高い、高濃度の材料、例えば、10-4〜10-2、10-4〜10-1、10-3〜10-1、10-4〜1mm、10-3〜1mm、または10-2〜1mmの範囲中の対象となる粒子を含み得る。原料は、典型的には、脂質、デンプン、リグニン、フェノール化合物および色素を含む化学的な複合体である。細胞培養と比較して植物中の組換えタンパク質の低い収率は、原料のより高い体積のローディングを要求する。
混合物が植物であるかまたは植物に由来するならば、それは植物ジュース抽出物の形態であり得る。本明細書において使用される時、「植物ジュース抽出物」という用語は、葉緑素を含む植物に由来する液体材料を指す。植物ジュース抽出物は条件付けた植物ジュース抽出物であり得る。
対象となるタンパク質が1つまたは複数の対象となる粒子中に含まれ得ることを当業者は理解するが、いくつかの実施形態については、対象となる粒子から対象となるタンパク質を単離または精製することが所望され得る。従って、本明細書において記載された方法は、対象となる粒子にタンパク質を精製する任意のさらなる工程を含むことができる。従って、対象となる粒子中に含まれる対象となるタンパク質は、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ニッケルクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、分取電気泳動、界面活性剤可溶化、カラムクロマトグラフィーのような物質による選択的沈殿、免疫精製法、および他の物を含むがこれらに限定されない当該技術分野において周知の標準的技法によって、実質的な純度に精製することができる。例えば、確立された分子接着特性を有するタンパク質をリガンドに可逆的に融合させることができる。適切なリガンドにより、タンパク質は精製カラムに選択的に吸着され、次いで比較的純粋な形態でカラムから遊離させることができる。加えて、タンパク質は免疫親和性カラムまたはNi−NTAカラムを使用して精製することができる。
本発明の方法は、拡張ベッドとの接触の前または後のいずれかで材料を加工するさらなる工程を含み得ることも理解すべきである。従って、本明細書において記載された方法はさらに上流または下流の加工工程を含み得る。従って、一実施形態において、方法は、拡張ベッドとの接触の前または後に材料を処理する任意のさらなる工程を含む。別の実施形態において、方法は、対象となる粒子が吸着剤から溶出されたならばそれを処理する任意のさらなる工程を含む。従って、例示として、材料は、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ニッケルクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、分取電気泳動、界面活性剤可溶化、カラムクロマトグラフィーのような物質による選択的沈殿、免疫精製法、濾過、精密濾過、遠心分離、デカンテーション、もしくは沈降または前述のものの組み合わせにかけられ得る。
「陽イオン交換樹脂」は負に荷電しており、それは吸着剤または固相の上またはそれらを通って通過される水溶液中の陽イオンとの交換のための遊離陽イオンを有する。陽イオン交換樹脂の形成に好適な任意の負に荷電したリガンド、例えばカルボン酸塩、スルホン酸塩および以下で記載されるような他のものを使用することができる。商業的に入手可能な陽イオン交換樹脂は、例えば、スルホナートベースの基を有するもの(例えばGE HealthcareからのMonoS、MiniSおよびSource 15Sおよび3OS、SP Sepharose Fast Flow(商標)、SP Sepharose High Performance、TosohからのToyopearl SP−650SおよびSP−650M、BioRadからのMacro−Prep High S、Pall TechnologiesからのCeramic HyperD S、Trisacryl M、およびLS SPおよびSpherodex LS SP);スルホエチルベースの基を有するもの(例えばEMDからのFractogel SE、Applied BiosystemsからのPoros S−10およびS−20);スルホプロピルのベースの基を有するもの(例えばTosohからのTSK Gel SP 5PWおよびSP−5PW−HR、Applied BiosystemsからのPoros HS−20およびHS 50);スルホイソブチルベースの基を有するもの(例えばEMDからのFractogel EMD SO3);スルホキシエチルベースの基を有するもの(例えばWhatmanからのSE52およびSE53およびExpress−Ion S)、カルボキシメチルベースの基を有するもの(例えばGE HealthcareからのCM Sepharose Fast Flow、Biochrom Labs Inc.からのHydrocell CM、BioRadからのMacro−Prep CM、Pall TechnologiesからのCeramic HyperD CM、Trisacryl M CM、Trisacryl LS CM、MilliporeからのMatrx Cellufme C500およびC200、WhatmanからのCM52、CM32およびCM23およびExpress−Ion C、TosohからのToyopearl CM−650S、CM−650MおよびCM−650C);スルホンおよびカルボン酸ベースの基を有するもの(例えばJ.T.BakerからのBAKEPVBONDカルボキシ−スルホン);カルボン酸ベースの基を有するもの(例えばJ.T BakerからのWP CBX、Dow Liquid SeparationsからのDOWEX MAC−3、Sigma−AldrichからのAmberlite Weak Cation Exchangers、DOWEX Weak Cation ExchangerおよびDiaion Weak Cation ExchangersおよびEMDからのFractogel EMD COO−);スルホン酸ベースの基を有するもの(例えばBiochrom Labs Inc.からのHydrocell SP、Dow Liquid SeparationsからのDOWEX Fine Mesh Strong Acid Cation Resin、J.T.BakerからのUNOsphere S、WP Sulfonic、SartoriusからのSartobind S膜、Sigma−AldrichからのAmberlite Strong Cation Exchangers、DOWEX Strong CationおよびDiaion Strong Cation Exchanger);ならびにオルトエステルのベースの基を有するもの(例えばWhatmanからのPI 1)を含むが、これらに限定されない。
「陰イオン交換樹脂」は正に荷電しており、従ってそれへ付加された1つまたは複数の正に荷電したリガンドを有する。陰イオン交換樹脂の形成に好適な吸着剤または固相に付加された任意の正に荷電したリガンド(四級アミノ基等)を使用することができる。商業的に入手可能な陰イオン交換樹脂は、Applied BiosystemsからのDEAEセルロース、Poros PI 20、PI 50、HQ 10、HQ 20、HQ 50、D 50、SartoriusからのSartobind Q、MonoQ、MiniQ、Source 15Qおよび3OQ、Q、DEAEおよびANX Sepharose Fast Flow、Q Sepharose high Performance、QAE SEPHADEX(商標)ならびにFAST Q SEPHAROSE(商標)(GE Healthcare)、J.T.BakerからのWP PEI、WP DEAM、WP QUAT、Biochrom Labs Inc.からのHydrocell DEAEおよびHydrocell QA、BioradからのUNOsphere Q、Macro−Prep DEAEおよびMacro−Prep High Q、Pall TechnologiesからのCeramic HyperD Q、Ceramic HyperD DEAE、Trisacryl MおよびLS DEAE、Spherodex LS DEAE、QMA Spherosil LS、QMA Spherosil MおよびMustang Q、Dow Liquid SeparationsからのDOWEX Fine Mesh Strong Base Type IおよびType II Anion ResinsおよびDOWEX MONOSPHER E 77、弱塩基陰イオン、MilliporeからのIntercept Q膜、Matrex Cellufme A200、A500、Q500およびQ800、EMDからのFractogel EMD TMAE、Fractogel EMD DEAEおよびFractogel EMD DMAE、Sigma−AldrichからのAmberiiteの弱および強陰イオン交換体タイプIおよびII、DOWEXの弱および強陰イオン交換体タイプIおよびII、Diaionの弱および強陰イオン交換体タイプIおよびII、Duolite、TosohからのTSKゲルQおよびDEAE 5PWおよび5PW−HR、Toyopearl SuperQ−650S、650Mおよび650C、QAE−550Cおよび650S、DEAE−650Mおよび650C、WhatmanからのQA52、DE23、DE32、DE51、DE52、DE53、 Express−Ion DおよびExpress−Ion Qを含む。
チオフィリッククロマトグラフィーの使用も意図され、チオフィリック吸着クロマトグラフィーとして公知である。「チオフィリック」という用語は、チオエーテル基に近接して位置するスルホン基についてタンパク質が有する選択性を指す。これは非親和性クロマトグラフィーの1タイプであり、対象となるタンパク質(それはチオフィリック領域および芳香族アミノ残基を含む)は、タンパク質の単離のための硫黄含有リガンドに結合する。チオフィリックゲルはβ−メルカプトエタノールによりジビニルスルホン(Sepharose 4Bにカップルされた)を還元することによって調製することができる。チオフィリック吸着クロマトグラフィーは電子供与体−受容体特性に基づき、疎水性に基づいたクロマトグラフィーとは異なる。チオ−エチルスルホン構造が明らかな疎水性またはイオン電荷を持たないので、疎水性会合およびイオン相互作用はチオフィリック吸着剤により起こらない。
商業的に入手可能なチオフィリッククロマトグラフィー樹脂の例はFractogel EMD TA(Merck;Rahway、NJ)、UniflowおよびSuperflow樹脂(Clontech)およびT−Gel(Pierce)を含む。
「親和性クロマトグラフィー」という用語は、対象となるタンパク質が、通常空間的相補性および1つまたは複数のタイプの化学的相互作用(例えば結合部位での静電力、水素結合、疎水性力および分子間力)の組み合わせとして、生物学的に特異的なリガンドに可逆的および特異的に結合される分離技法を指す。これらの相互作用は、分子の一般的特性(等電点、疎水性またはサイズ等)起因するものではないが、対象となるタンパク質とリガンドとの間の特異的な相互作用(例えばエピトープに結合する免疫グロブリン、免疫グロブリンに結合するプロテインA、生物学的応答修飾因子とその細胞表面受容体との間の相互作用)の結果である。多くの実例において、生物学的に特異的なリガンドはタンパク質またはポリペプチドでもあり、固相(ビーズ等)上に固定化され得る。
「ミックストモードイオン交換樹脂」も本明細書において意図され、カチオン性モイエティ、アニオン性モイエティまたは疎水性モイエティにより共有結合で修飾される固相を指す。ミックストモードイオン交換樹脂の例は、BAKERBOND ABX(商標)(J.T.Baker;Phillipsburg、NJ)、セラミックハイドロキシアパタイトタイプIおよびIIならびにフッ化ハイドロキシアパタイト(BioRad;Hercules、CA)ならびにMEPおよびMBI HyperCel(Pall Corporation;East Hills、NY)を含む。
「疎水性電荷誘導クロマトグラフィー」(または「HCIC」)という用語は、添加塩(例えばリオトロピック塩)の非存在下において穏やかな疎水性相互作用を介してイオン化リガンドに混合物中の対象となるタンパク質が結合するタイプのミックストモードクロマトグラフィープロセスである。ミックストモードは、結合のための1つのモードおよび溶出のための他のモードを指す。例えば、HCICにおいて有用な固相は、その分離性能のためにチオフィリック効果(すなわち、チオフィリッククロマトグラフィーの特性を利用する)、疎水性およびイオン化基の組み合わせた特性を有するリガンドを含む。従って、本発明の方法において使用される吸着剤は、イオン化リガンドを含み、中性(生理的)または弱酸性のpH(例えば約pH5〜10、好ましくは約pH6〜9.5)で穏やかに疎水性である.このpH範囲で、リガンドの大部分は非荷電であり、穏やかな非特異的疎水性相互作用によって対象となるタンパク質を結合する。pHが減少するにつれて、リガンドは電荷を獲得し、疎水性結合はpHシフトに起因して溶質への静電荷反発作用によって破壊される。HCICで使用される好適なリガンドの例は、任意のイオン化芳香族または複素環構造(例えば2−アミノメチルピリジン、3−アミノメチルピリジンおよび4−アミノメチルピリジン、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジンまたは4−メルカプトエチルピリジン等のピリジン構造を有するもの)、メルカプト酸、メルカプトアルコール、メルカプトメチルイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、アミノメチルベンズイミダゾール、ヒスタミン、メルカプトベンズイミダゾール、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノプロピルモルホリン、アミノプロピルイミダゾール、アミノカプロン酸、ニトロヒドロキシ安息香酸、ニトロチロシン/エタノールアミン、ジクロロサリチル酸、ジブロモチラミン、クロロヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニル酢酸、チラミン、チオフェノール、グルタチオン、重硫酸塩、および色素を含み、その誘導体を含む。
対象となる粒子中で発現される1つまたは複数のタンパク質は、配列が由来する生来のタンパク質の少なくとも20%、30%または40%、および好適には少なくとも50%、60%または70%、ならびに最も好適には少なくとも80%、90%または95%の特異的な活性を有することができる。さらに、基質特異性(kcat/km)は生来のタンパク質のものに任意で実質的に類似する。典型的には、kcat/kmは、生来のタンパク質の少なとも30%、40%または50%;およびより好適には少なくとも60%、70%、80%または90%になるだろう。タンパク質およびタンパク質活性ならびに基質特異性(kcat/km)のアッセイおよび測定値の定量化の方法は、当業者に周知である。
組換えタンパク質の活性は、従来確立されている生来のタンパク質標準活性と比較することができる。あるいは、組換えタンパク質の活性は、生来のタンパク質と共に同時または実質的に同時に、比較アッセイにおいて決定することができる。例えば、インビトロのアッセイを使用して、組換えタンパク質と標的との間の、例えば発現された酵素と基質との間の、発現されたホルモンとホルモン受容体との間の、発現された抗体と抗原との間のなどの任意の検出可能な相互作用を決定することができる。かかる検出は、熱量変化、増殖変化、細胞死、細胞反発、放射能の変化、可溶性の変化、ゲル電気泳動またはゲル排除方法によって測定された分子量の変化、リン酸化能力、ELISAアッセイなどの抗体特異性アッセイの測定を含むことができる。加えて、インビボのアッセイは、産生されたタンパク質の生理的作用(例えば免疫反応または炎症の誘導)を、生来のタンパク質の生理的作用に比較して検出するアッセイを含むが、これらに限定されない。一般的に、任意のインビトロまたはインビボのアッセイを使用して、対象となる粒子の活性本質を決定することができる。あるいは、本発明において産生されたタンパク質は、タンパク質と、通常はタンパク質と相互作用する分子(例えば基質)との間の相互作用を刺激または阻害する能力についてアッセイすることができる。かかるアッセイは、典型的には相互作用を可能にする条件下で基質分子とタンパク質を組み合わせる工程を含み、相互作用の生化学的帰結を検出することができる。
発現されたタンパク質が不溶性タンパクとして発現されるならば、次いでそれを復元または再び折り畳んで、二次および三次のタンパク質構造立体配座を生成することができる。タンパク質を再び折り畳む工程は、組換え生産物の立体配置の完成において必要に応じて使用することができる。再折り畳みおよび復元は、当該技術分野においてタンパク質の解離/会合を促進することが公知の薬剤を使用して遂行することができる。例えば、タンパク質をジチオスレイトールによりインキュベーション、続いて酸化されたグルタチオンジナトリウム塩によりインキュベーション、続いて再折り畳み薬剤(尿素等)を含むバッファーによりインキュベーションすることができる。
組換えタンパク質は、例えばリン酸緩衝生理食塩水(PBS)または50mM Na−酢酸塩、pH6バッファー+200mM NaClに対して透析することによっても復元することができる。あるいは、500mM NaCl、20%グリセロール、20mMトリス/HCl、pH7.4、プロテアーゼ阻害剤含有中で、直線的6M−1M尿素勾配を使用することによって、カラム(Ni NTAカラム等)上で固定化される間にタンパク質を再び折り畳むことができる。復元は1.5時間またはそれ以上の期間にわたって実行することができる。復元後に、タンパク質は250mMイミダゾールの添加によって溶出することができる。イミダゾールは、PBSまたは50mM酢酸ナトリウムpH6バッファー+200mM NaClに対する最終的な透析工程によって除去することができる。精製されたタンパク質は、4℃で保存または−80℃で凍結することができる。
本発明に従って得られるかまたは得ることができる所望の純度を有する対象となる粒子の配合は、任意の薬学的に許容されるキャリアー、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、Osol,A.編(1980)を参照)と混合することによって、凍結乾燥された配合または水溶液の形態で、保存のために調製することができる。許容可能なキャリアー、賦形剤または安定剤は、用いられた用量および濃度でレシピエントに無毒であり、バッファー(リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸等);アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム等;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール;メチルパラベンまたはプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール等);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質(血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン等);親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン等);アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジン等);単糖、二糖類、および他の炭水化物(グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む);キレート試薬(EDTA等);糖(ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール等);塩形成カウンターイオン(ナトリウム等);金属複合体(例えばZnタンパク質複合体);または非イオン性界面活性剤(TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)等)を含む。
本発明は以下の実施例中にさらに記載され、それは請求項中に記載される本発明の範囲を限定することを意図しない。
以下の実施例は限定としてではなく例証として提供される。特別の指示の無い限り、本発明は、生化学、分子生物学および植物生物学の従来の技法および方法を用いる。
実施例1 Nicotiana benthamianaにおけるインフルエンザウイルス様の粒子の一過性の発現
インフルエンザウイルス様粒子は、D’Aoust,M.−A.,Lavoie,P.−O.,Couture,M.M.−J.,Trepanier,S.,Guay,J.−M.,Dargis,M.,Mongrand,S.,Landry,N.,Ward,B.J.,Vezina,L.−P.Influenza virus−like particles produced by transient expression in Nicotiana benthamiana induce a protective immune response against a lethal viral challenge.Plant Biotechnology Journal 6 (2008) 930−940中で記載されるようなNicotiana benthamiana植物において生産される。
実施例2 赤血球凝集素の検出
赤血球凝集はWO2004/098533中で記載されるような赤血球によるインキュベーションによって測定される。赤血球凝集素タンパク質は標準的方法を使用してELISAによって検出される。赤血球凝集素H5タンパク質の検出については、Immunetechからのウサギ抗H5抗体(カタログIT−003−005V)およびJacksonからのホースラディシュペルオキシダーゼ標識二次抗体(カタログ11−035−046)を使用する。
実施例3 N.benthamianaの抽出
実施例1中におよびD’Aoust et al.(2008年、前出)によって記載されるように、インフィルトレーションされたN.benthamiana植物を収穫前に6日間温室でインキュベーションする。葉の収穫に際して、バイオマスを暗所で4℃で一晩維持し、コーン上に少なくとも45psiの圧力を使用する15〜20kg/時間のねじプレス(Vincent CP−4)を使用してホモジナイズする。緑色ジュース抽出物を回収し、メタ重亜硫酸ナトリウムを10mMの最終濃度に緑色ジュースに添加する。伝導率を測定し、必要に応じて抽出物を捕捉実験での使用前に水で希釈する。
実施例4 植物ジュース抽出物からのウイルス様粒子を結合するためのリガンド
抽出物。赤血球凝集素H5ウイルス様粒子(D’Aoust et al.(2008)、前出)を含むN.benthamiana緑色ジュース抽出物を実施例3中に記載されるようなねじプレスを使用して得た。緑色ジュース抽出物を純水中で5倍に希釈し(最終pH7)、伝導率を測定した。伝導率は5.6mS/cmであった。以下の異なる4つのリガンドを結合について試験した。ジエチルアミノエチル(DEAE)イオン交換体、デキストランベースのDEAEイオン交換体、デキストランベースのクロロメチル−2−ベンズイミダゾールおよびデキストランベースの1−(2−クロロエチル)塩酸ピペリジンリガンド。様々な吸着剤対使用されるサンプルの比率は1:5であった。静的モードにおけるバッチインキュベーション後に、上清を回収し、赤血球凝集を実施例2の手順に従って測定した。
結果 DEAE、デキストランベースのDEAE、デキストランベースのクロロメチル−2−ベンズイミダゾール、およびデキストランベースの1−(2−クロロエチル)塩酸ピペリジンリガンドとのインキュベーションに際して、赤血球凝集アッセイを使用して測定した、上清中の赤血球凝集素に加えてリガンドに結合した赤血球凝集素の量は、表1中に与えられる。この実験において、緑色植物ジュース抽出物中の赤血球凝集素を含むウイルス様粒子は、DEAEベースのイオン交換体吸着剤に最も良好に結合した。
表1 様々な吸着剤対赤血球凝集素ウイルス様粒子を含む緑色ジュース抽出物の比率、ならびに静的モードにおける様々な吸着剤との抽出物のインキュベーションに際して、上清および結合した材料の赤血球凝集活性(初期抽出物の%)。
Figure 0006101627
実施例5 DEAEイオン交換体への結合への伝導率の影響
実施例1および3中の記述に従って得られるような、赤血球凝集素H5ウイルス様粒子を含む緑色ジュース抽出物の伝導率の、静的結合モードにおけるDEAEリガンドへのウイルス様粒子の結合に対する効果を測定して、どのくらい高い伝導率でも緑色ジュース抽出物中のウイルス様粒子がDEAEイオン交換体に結合できるかを調べる。
DEAEイオン交換体を、5ベッド体積の0.5Mトリス/HCl、pH7バッファー、続いて10ベッド体積の2mM NaCl、pH7により平衡化した。緑色ジュース抽出物を、脱イオン水により2.5、3、3.4、4、5、6および7倍に希釈し、pHを7に調節した。様々に希釈された緑色ジュース抽出物の伝導率を測定し、抽出物を静的結合バッチモードにおいてDEAEイオン交換体により2時間インキュベーションした。様々な伝導率を表2中に示す。各々についての比率は希釈していない抽出物による1:1に対応した。バッチインキュベーション後に、上清を回収し、赤血球凝集を実施例2の方法に従って測定した。結果を表2中に示す。この実験において、緑色ジュース抽出物中のウイルス様粒子の結合は、低伝導率および高伝導率でならびに高希釈および低希釈の緑色ジュース抽出物において等しく効果的だった。
表2 緑色ジュース抽出物の異なる伝導率での静的モードにおけるDEAEイオン交換体への赤血球凝集素の結合。
Figure 0006101627
実施例6 植物に由来するウイルス様粒子の2工程の捕捉プロセス
2工程プロセス。抽出物および特に緑色の原因となる抽出物中の任意の材料が、大部分のリガンドに粘着し、カラムの目詰まりおよび閉塞を引き起こすので、実施例3中に記載される方法に従って得られた緑色植物ジュース抽出物は、前捕捉を利用する。この目的のために、植物に由来するウイルス様粒子のための2工程の捕捉プロセスを設定した。プロセスは以下のものを含んでいた。
工程1、ポリエチレンイミン(PEI)(pH7で150μmの平均粒子径を備えたイオン交換体)を使用して、静的結合/バッチインキュベーションモードにおいて、緑色植物ジュース抽出物の緑色を決定する不純物および材料を結合させること;
工程2、pH7で50μmの平均粒子径を備えたDEAEイオン交換体を使用して、拡張ベッド吸着モードにおいて、工程1の上清からのウイルス様粒子を結合させること。
実験的なセットアップ。実施例3において記載されるようにN.benthamiana抽出物を調製し、濾過し、使用前に脱イオン水により5倍に希釈した。最終pHは7であり、工程1におけるインキュベーションの全体積は150mLであった。伝導率は5.3mS/cmであった。PEIイオン交換体を、5ベッド体積の0.5Mトリス/HClバッファーpH7、続いて10ベッド体積の10mMトリス/HClバッファーpH7.0により平衡化した。静的モードにおいてPEI吸着剤対緑色ジュース抽出物の比率は1:15であった。合計9.5mLのPEI吸着剤が使用された。工程2について、インキュベーションは室温で30分間であり、140mLの上清をインキュベーション後に回収した。工程2において、120mLの工程1の上清をpH7.0に調整し、拡張ベッド吸着モードにおいて実行した。伝導率は5.4mS/cmであり、拡張ベッドモードにおいて使用されるDEAEイオン交換体を、5ベッド体積の0.5Mトリス/HClバッファーpH7、続いて10ベッド体積の10mMトリス/HClバッファーpH7.0により平衡化させた。合計12mLのDEAE吸着剤が使用された。拡張ベッドカラムは70cmのカラム高で直径1cmであった。ベッド高は15cmであった。DEAE吸着剤対サンプルの比率は1:10であった。工程1の上清を3.8cm/分のフロー率でカラム上にロードし、ローディング後に、カラムを10mMトリス/HCl pH7.0を含む洗浄バッファーにより洗浄した。結合材料を、50mMトリス/HClおよび1M NaCl、pH9.0を含む溶出バッファーを使用して溶出した。素通りおよび洗浄画分を25mLの体積で回収した。溶出物を1つの画分で回収し、pHは、溶出物の回収前にチューブに1/10体積の1Mトリス/HCl、pH6.5の溶液を添加することによって、溶出の間にpH7に調節した。
赤血球凝集素の検出。赤血球凝集素タンパク質の量を、実施例2において記載されるように、工程1に入る前に濾過されたN.benthamiana緑色ジュース抽出物、静的モードにおけるインキュベーション後の上清、フロースルー、拡張ベッドモード吸着および溶出後の洗浄物および溶出物について推測した。抽出物および画分中の全タンパク質含有量を標準的プロトコルを使用して推測した。
結果 濾過された緑色ジュース抽出物、PEIイオン交換体による静的モードにおけるインキュベーションのための出発材料、PEIイオン交換体による抽出物のインキュベーションに由来する上清、DEAEイオン交換体を使用する拡張ベッド吸着のための出発材料、拡張ベッドカラムの溶出の素通りおよび溶出物中の、赤血球凝集アッセイを使用して測定した赤血球凝集素の量を、前記画分およびサンプルの全タンパク質含有量と共に表3中に示す。この実験において、赤血球凝集素タンパク質の損失のないPEI吸着剤を使用して、カラムの緑色および目詰まりを引き起こす大部分の材料を工程1において除去することができ、DEAEイオン交換体を使用して、赤血球凝集素タンパク質を含むウイルス様粒子を拡張ベッド吸着モードの間に捕捉することができた。
表3 工程1および2の様々な抽出物および画分についての赤血球凝集活性(初期抽出物の%)および全タンパク質含有量(mg/mL)。ND、決定されない。
Figure 0006101627
実施例7 DEAEのイオンの交換体の実験的なセットアップのための溶出条件の最適化。
実施例6中に記載されるような充填ベッドモードにおけるDEAEイオン交換体におよび続いてPEIイオン交換体による前捕捉による、実施例3中に記載されていた方法に従って得られた緑色植物ジュース抽出物中に存在するウイルス様粒子の結合および溶出を、50mMトリス/HCl、pH8.5を含む溶出バッファーに1M NaCl、0.8M NaCl、0.6M NaCl、0.4M NaCl、0.2M NaClまたは0.1M NaClを添加したものを使用して試験した。抽出物のローディング前に、緑色植物ジュース抽出物を、脱イオン水中で5倍に希釈し、pHをpH7に調節した。伝導率は5.1mS/cmであった。実施例6の工程1で記載されるように、濾過された緑色植物ジュース抽出物を、バッチインキュベーションモードにおいて、15:1の抽出物対リガンドの比率で、150μmの平均粒子径のPEIイオン交換体により最初に30分間インキュベーションした。使用されるDEAEイオン交換体は50μmの平均粒子径を有し、上清対吸着剤の比率は5:1であった。実施例2中に記載されるように赤血球凝集素タンパク質の量を測定した。素通りおよび洗浄物、DEAEイオン交換体に結合したもの、ならびに溶出物中の赤血球凝集素の相対量を、表4中に示す。この実験において、0.4、0.6、0.8または1.0MのNaClを含む溶出バッファーの使用は、赤血球凝集アッセイを使用して測定されるウイルス様粒子の類似した捕捉をもたらした。
表4 DEAEイオン交換体を使用する充填ベッドモードにおいて異なる溶出バッファーを使用する、素通りおよび洗浄物、結合ならびに溶出物画分中の相対的赤血球凝集活性。
Figure 0006101627
実施例8 異なるフロー率での拡張ベッド吸着モードにおける破過曲線
緑色植物ジュース抽出物中に存在し、実施例3中に記載される方法に従って得られたウイルス様粒子の結合を、拡張ベッド吸着モードの1工程の結合プロセスにおいて、228cm/時間および450cm/時間のフロー率で測定した。5ベッド体積の0.5Mトリス/HCl、pH7バッファーおよび10ベッド体積の10mMトリス、pH7を使用して平衡化したDEAEイオン交換体を使用した。使用されるDEAEイオン交換体は50μmの平均粒子径を有していた。吸着剤対緑色植物ジュース抽出物の比率は常に1:20だった。ベッド高は50cmであり、カラムは39.3mLの吸着剤DEAEイオン交換体を含んでいた。緑色植物ジュース抽出物を脱イオン水中で5倍に希釈し、ローディング前に伝導率を測定した。洗浄バッファーは10mMトリス、pH7.0、および溶出バッファーは50mMトリス/HCl、1M NaCl、pH9.0であった。
228cm/hでロードした緑色ジュース抽出物の伝導率は4.96mS/cmであった。合計786mLを3.8cm/分(228cm/時間と等しい)のフロー率でロードした。洗浄および溶出も3.8cm/分のフロー率で実行した。
450cm/時間でロードした緑色ジュース抽出物の伝導率は4.61mS/cmであった。合計786mLを7.6cm/分(450cm/時間と等しい)のフロー率でロードした。洗浄は7.6cm/分および溶出は3.8cm/分であった。
素通りおよび洗浄物を4画分で回収した。溶出画分の回収前に容器に1/10体積の1Mトリス/HCl、pH 6.5バッファーを添加することによって、溶出物をpH7に中和した。溶出物を1つのピークで回収した。
赤血球凝集素の量を実施例2中に記載される方法に従って測定した。
全タンパク質含有量をBradfordに従って測定した。
両方のフロー率についての赤血球凝集アッセイの結果を、素通り画分1〜3、組み合わせた素通りおよび洗浄物画分、ならびに組み合わせた素通りおよび洗浄物、ならびに溶出物について表5中に示す。注入された抽出物、全素通りおよび洗浄物ならびに溶出物中の全タンパク質のBradford測定についての結果を表6中に示す。この実験において、1工程の結合および溶出プロセスでは、抽出物のローディングについて450cm/時間のフロー率が最もよく動作し、インプットの緑色ジュース抽出物に関して45%の赤血球凝集活性の回収をもたらした。
表5 相対的赤血球凝集活性C/C0(%で)であり、式中、Cは排出された画分(素通り1〜3、組み合わせた素通りおよび洗浄物4、全素通りおよび洗浄物、または溶出物)の赤血球凝集活性であり、C0は100%に設定された注入された溶液のものである。
Figure 0006101627
表6 異なるフロー率でロードおよび溶出された様々な画分の全タンパク質含有量。
Figure 0006101627
実施例9 450cm/時間のフロー率で前処理されたサンプルの破過曲線
前処理された緑色植物ジュース抽出物中に存在し、実施例3中に記載される方法に従って得られたウイルス様粒子の結合を、本質的に実施例8中に記載されるように、拡張ベッド吸着モードの1工程の結合プロセスにおいて、450cm/時間のフロー率で測定した。すべての実験条件は、初期抽出物の伝導率が希釈後に5.36mS/cmだったことおよび抽出物が拡張ベッド吸着モードにおける1工程の結合プロセスに適用する前に酸沈殿および濾過されたこと以外は、実施例8において使用されたものに類似していた。独立した2つの実験を実行した。両方の実験についての赤血球凝集アッセイの結果を、素通り画分1〜3、組み合わせた素通りおよび洗浄物画分、および組み合わせた素通りおよび洗浄物、および溶出物について表7中に示す。
注入された抽出物、全素通りおよび洗浄物ならびに溶出物中の全タンパク質のBradford測定についての結果を表8中に示す。この実験において、赤血球凝集アッセイを使用して測定されるような緑色植物ジュース抽出物からのウイルス様粒子の捕捉は、1工程の結合および溶出プロセスにおいて100%であった。
表7 相対的赤血球凝集活性C/C0(%で)であり、式中、Cは排出された画分(素通り1〜3、組み合わせた素通りおよび洗浄物4、全素通りおよび洗浄物、または溶出物)の赤血球凝集活性であり、C0は100%に設定された注入された溶液のものである。
Figure 0006101627
表8 450cm/時間のフロー率でロードおよび溶出された様々な画分の全タンパク質含有量。ND、決定されない。
Figure 0006101627
実施例10 拡張ベッドクロマトグラフィーを使用するウイルス様粒子の大スケール捕捉
抽出物。記載される(D’Aoust et al.(2008)、前出)ように、7,500のN.benthamiana植物をインフィルトレーションして、赤血球凝集素H5ウイルス様粒子を含む250kgの粗製バイオマスを生成する。インフィルトレーション後に、植物を収穫前に6日間温室でインキュベーションする。本質的に実施例3中に記載されるように、葉の収穫に際して、バイオマスを暗所で4℃で一晩維持し、コーン上に少なくとも45psiの圧力を使用する15〜20kg/時間のねじプレス(Vincent CP−4)を使用してホモジナイズする。緑色ジュースを回収し、メタ重亜硫酸ナトリウムを10mMの最終濃度で緑色ジュースに添加する。伝導率を測定し、使用前に抽出物を約10の最終伝導率に水により希釈する。抽出物を室温で維持する。希釈後の全体積は約1250Lの抽出物である。
カラム特性。ビーズ組成物:エピクロルヒドリンで架橋したアガロース(4%w/v)。コア:炭化タングステン(ビーズの体積の約10〜15%を占める)。リガンド:DEAEイオン交換体。粒子の平均直径:50μm。吸着剤粒子の平均密度:16kg/L。カラム直径:45cm。沈殿した状態における空隙体積:充填体積の約40%。全体積:63Lの吸着剤材料を45cmの直径カラムに添加する。カラムを5カラム体積の0.5Mトリス−Clバッファー、pH7、続いて10カラム体積の10mMトリス−Clバッファー、pH7により平衡化する。
ローディング。実施例8および9中に記載されるように、450cm/時間(653L/時間と本質的に等しい)のフロー率で1250Lの抽出物を上に向かってポンプで入れることによってローディングを実行する。拡張係数を2.0〜2.5で維持し、未結合の材料を同じ拡張率で10mMトリス/HCl、pH7により洗浄する。
溶出。インフルエンザウイルス様粒子を1.2の拡張率で50mMトリス−Clおよび1M NaCl、pH9による溶出によって回収する。溶出された画分を、溶出ピークの回収前に1/10体積の1Mトリス/HCl、pH6.5を容器に添加することによって中和する。実施例2の方法に従って測定されるような赤血球凝集素を含むウイルス様粒子を含む画分を、さらなる捕捉および精製のためにプールする。
性能モニタリング。クロマトグラフィー性能を、280nmおよび600nmでのUV吸収、伝導率およびpHの測定によってモニタリングする。赤血球凝集素H5を含むウイルス様粒子の捕捉は、実施例2中でまたはD’Aoust et al.(2008年、前出)に従って記載されるようなELISAおよび赤血球凝集によって定量的に測定される。Bradfordアッセイを使用して画分の全タンパク質含有量を決定する。実施例2中でおよびD’Aoust et al.(2008年、前出)によって記載されるように、SDS−PAGEを純度を確立するためにならびに赤血球凝集素H5特異的抗体を使用するウエスタンブロットを同定および特徴づけのために使用する。
実施例11 拡張ベッドカラムの洗浄および再生
溶出後に、樹脂を4カラム体積の0.5M NaOH続いて4カラム体積の蒸留水による洗浄によって浄化および再生する。再平衡を10mMトリス−Clバッファー、pH7中で行う。
実施例12 さらなる最適化
アグロ−インフィルトレーションの6日後に収穫されたH5−VLPを発現するN.benthamiana植物を、4℃で一晩暗所で維持する。葉および茎を含む植物バイオマスを、ねじプレス(Green Star Corrupad、GS、Korea Co.1000)を使用してホモジナイズする。MBSを10mMの最終濃度で添加してサンプル酸化を回避する。ねじプレスから得られた粗製ジュースを、20%に希釈した酢酸を使用してpH5.3に迅速に調節する。抽出物は部分的清澄化のために撹拌せずに室温で20〜30分間放置する。濾過は、高さ3mmのCelpure P300(MBS 10mM中の10%Celpure P300スラリー)により前コートされたWhatmanの濾紙を通して実行する。真空を508mbarで維持した。Celpure P300(10%)を抽出物に添加し、1分間混合する。最終的に、抽出物−celpureスラリーを穏やかに添加して、抽出物を小分けにして濾過する(濾過ケーキにわたって2cm以下の液相)。可能性のある4つの吸収剤を選択し、それらの結合条件をバッチモードにおける静的結合条件下で最適化する。表9中の結果は、イオン交換体吸着剤の結合能力が以下の2つの因子によって影響を受けることを示す。(i)低イオン強度(2.3mS/cm以下)および従って(ii)吸着剤の単位質量あたりの植物抽出物の高体積(20mlの抽出物に対して1gの吸着剤)。
追加の実験を静的結合条件下のバッチモードにおいて実行して、ビーズサイズ、およびプロセスにおける初期の負の吸着工程の組み入れを調べる。1つの実験において、負の吸収の第1の工程は、リガンドのポリエチレンイミン(PEI)を含む250μm未満の範囲中の寸法の粒子を使用して適用され、50μm未満のPEI粒子の上への正の吸収の第2の工程が続く。150μmの平均粒子径を備えたPEIを使用して、清澄化した抽出物から50%を超える可溶性タンパク質不純物および色を除去できる、H5−VLPは小さな粒子サイズの吸収剤にのみ吸収されることが実証される。抽出物の希釈も1:10および1:20の間の比率に最適化され、このときH5の100%が吸収されるが、比率1:40ではH5の70%のみが結合される。しかしながら、PEIを良好な吸収剤として判断することができたが、H5−VLPの溶出は最適ではなかった。
静的結合条件下のバッチモードにおける他の実験において、DEAEデキストランを1工程および2工程の方法における最適化のために使用する。約50μmの平均寸法を備えたDEAEイオン交換ビーズ上にH5−VLPの約87%を吸収できることが示される。しかしながら、1工程の結合プロセスにおいてVLPの溶出は不良である。第2の実験において、PEIビーズによる第1の負の吸収工程が適用され、DEAEデキストランビーズを使用する第2の正の吸収工程が続き、VLPの17%が溶出および回収される。
次いで、さらなる実験を2工程プロセスを使用して実行する。1つの実験において、ホモジナイズされた植物材料(緑色ジュースとも称される)を水中で5倍に希釈し、5.9mS/cmの伝導率にし、Celpure 3000を使用して濾過する。PEIイオン交換樹脂を15mlの緑色ジュースに対して1gの吸着剤の比率で吸着剤として使用して、植物材料から色素および不純物を除去する。PEIイオン交換樹脂はpH7で150μmの平均粒子径を有する。第2の工程は、15cmのベッド高、3.8cm/分のフロー率および溶出バッファー(50mMトリスおよび1M NaCl pH9)で、約50μmの平均粒子径を備えたDEAEイオン交換体を使用するフロー条件下の拡張ベッドモードにおいて、この様式で得られたタバコ材料をフローすることを含む。素通りおよび洗浄物を回収し、VLPを含む樹脂を、単一ピークとして溶出物を回収する前に1/10体積の1Mトリス/HCl pH6.5を添加することによってpH7に中和する。溶出物は67%で赤血球凝集素の収率を提供した(出発材料中の100%と比較して)。他の実験において、ホモジナイズされた植物材料は濾過なしに使用され、同じ条件下で2工程のプロセスを用い、全赤血球凝集素の22%は溶出物中に回収されるが、13%は素通りおよび洗浄物画分中に検出される。
上記の明細書中で言及された出版物はすべて、参照として本明細書に援用される。本発明の様々な修飾および変形は本発明の範囲および趣旨から逸脱せずに当業者に明らかであろう。本発明は好適な実施形態に関して記載されたが、請求の範囲に記載される本発明は、かかる特定の実施形態に過度に限定されるべきでないことを理解すべきである。実際、細胞生物学、分子的生物学および植物生物学または関連する分野における当業者に明らかな、本発明の実行のために記載されるモードの様々な修飾は、以下の請求項の範囲内であることが意図される。
Figure 0006101627

Claims (13)

  1. ウイルス様粒子を含む植物の破壊細胞の抽出物を含む混合物から対象となるウイルス様粒子を捕捉する方法であり;
    (i)樹脂を含む吸着剤の拡張ベッドを提供する工程;
    (ii)約6.0〜8.0の範囲のpHで前記樹脂を平衡化する工程;
    (iii)約2cm/分〜8cm/分の間の範囲のフロー率で前記混合物を前記吸着剤の拡張ベッド上にロードしてウイルス様粒子を結合させる工程;
    (iv)任意で前記吸着剤を洗浄する工程;および
    (v)任意で前記吸着剤からウイルス様粒子を溶出する工程、を含み、
    吸着剤に接触する前の混合物の伝導率が2mS/cm〜10mS/cmの間であり、
    溶出工程(v)の吸着剤の拡張ベッドの拡張度が約0.5〜5の範囲であり、
    「約」という用語は、与えられた数の値または範囲の文脈において、与えられた値または範囲の20%内であ及び
    前記抽出物は前処理されておらず、1工程の結合及び溶出プロセスにおいて、対象となる粒子を単離することができる、
    前記方法。
  2. 前記吸着剤がビーズの形態で提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記吸着剤がカラム内に含まれる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ウイルス様粒子が、インフルエンザウイルスのタンパク質を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ウイルス様粒子が、赤血球凝集素;H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15もしくはH16またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される赤血球凝集素サブタイプを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記混合物が、タンパク質を植物中で一過性に発現する核酸分子によりインフィルトレーションされたタバコ植物の破壊細胞を含み;前記タンパク質がウイルス様粒子中に存在し;前記混合物が植物の地上部であるかまたは植物の地上部に由来する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ビーズが、プラスチック、メタクリレート、陰イオン交換体、ジエチルアミノエチル、陽イオン交換体、多糖、シリカ、ポリ(スチレンジビニル)ベンゼン、ポリアクリルアミド、セラミックおよびその誘導体またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料を含むか、それらからなるか、または本質的になり;前記ビーズが、セルロース、アガロースおよびデキストランならびにその誘導体またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択される多糖を含むか、それらからなるか、または本質的になる、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ビーズが、石英、シリカ、Nd−Fe−B合金、ステンレス鋼、酸化ジルコニウム、ジルコニア、金属ケイ酸塩、金属硼ケイ酸塩、セラミック(二硼化チタン、炭化チタン、二硼化ジルコニウム、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化イットリウム、シリコン金属粉末およびケイ化モリブデンを含む);酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロミウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅および酸化銀を含む、金属酸化物および硫化物;非金属酸化物;硫酸バリウムを含む金属塩;タングステン、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、インジウム、銅、銀、金、パラジウム、プラチナ、ルテニウム、オスミウム、ロジウムおよびイリジウムを含む、金属元素、ならびに前記金属元素およびその誘導体またはその2つ以上の組み合わせの間に形成された合金等の金属元素の合金からなる群から選択される材料を含むか、それらからなるか、または本質的なる不活性コアを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 対象となる粒子を結合する前記ビーズのサイズが約25μm〜100μmの間であり;「約」という用語は、与えられた数の値または範囲の文脈において、与えられた値または範囲の20%内である、請求項2〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記吸着剤がリガンドを含むか、それからなるか、または本質的になり;前記リガンドが、(i)ベンジルアミンまたはその誘導体;(ii)アルキルアミンもしくはその誘導体;(iii)アルケニルアミンもしくはその誘導体;(iv)アルキニルアミンもしくはその誘導体;(v)アルコキシルアミンもしくはその誘導体;および(vi)単環式もしくは二環式の芳香族もしくはヘテロ芳香族のモイエティもしくはその誘導体のアミン、またはその2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるリガンドを含むか、それらからなるか、または本質的になるか;または前記リガンドが陰イオン交換樹脂を含むか、それからなるか、または本質的になり;前記陰イオン交換樹脂が、ジエチルアミノエチルセルロースベースのイオン交換樹脂を含むか、それからなるか、もしくは本質的になるか、またはジエチルアミノエチルセルロースデキストランベースのイオン交換樹脂を含むか、それからなるか、もしくは本質的になる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. (i)吸着剤の密度が約2.5g/ml〜3.5g/mlの間であり、平均吸着剤粒子サイズが約50μmである、ジエチルアミノエチルセルロースデキストランを含む吸着剤の拡張ベッドをカラム中に提供する工程と;
    (ii)約pH6.0〜8.0範囲のpHで樹脂材料を平衡化する工程と;
    (iii)タバコ植物材料を含む混合物であって、約2mS/cm〜3mS/cmの間の伝導率を有する前記混合物を提供する工程と;
    (iv)カラム中の吸着剤の拡張ベッドの拡張度が約2で、約2.5cm/分のフロー率で、混合物をカラム上にロードしてウイルス様粒子を結合させる工程と;
    (v)約pH6.0〜8.0の範囲のpHを有するバッファーを使用してロードしたカラムを洗浄する工程と;
    (vi)カラムから対象となる結合粒子を溶出して1つまたは複数の画分にする工程と
    を含み、
    「約」という用語は、与えられた数の値または範囲の文脈において、与えられた値または範囲の20%内である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程(iii)が、(a)ウイルス様粒子中に存在するタンパク質を一過性に発現する全体のタバコ植物を提供することと;(b)タバコ植物の葉および茎の細胞を破壊してタバコ植物材料を産生することと;(c)バッファーまたは脱イオン水による希釈によって混合物のpHおよび伝導率を合わせることとを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(iv)の前に、工程(iii)の混合物を濾過することおよび工程(iii)の濾過された混合物をビーズのサイズが約150μmであるポリエチレンイミンを含む吸着剤の第1の拡張ベッドと接触させて所望されない物質を混合物から除去することを含む工程をさらに含み、「約」という用語は、与えられた数の値文脈において、与えられた値20%内である、請求項11に記載の方法。
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