JP2014500109A - 靴、特にスポーツシューズ、及び靴の作製方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ソール(2)及び該ソール(2)と結合する靴甲被(3)を有する靴(1)、特にスポーツシューズに関する。特定の軽量な靴を得るために、本発明は、靴甲被(3)が、加工糸(5)から成るテクスチャ構造(4)であって、複数の上位部(6)と複数の下位部(7)を有する立体構造として形成するテクスチャ構造(4)と、テクスチャ構造(4)の上位部(6)の一部と少なくとも結合する(9)被覆層(8)を含むように提案する。更に、本発明は、靴の作製方法にも関する。
【選択図】図4
【選択図】図4
Description
本発明は、ソール及び該ソールと結合する靴甲被を有する靴、特にスポーツシューズに関する。
普通のそうした種類の靴は、特定用途の場合、特に軽量にする必要がある。これは、特にスポーツシューズに該当する。また、同様なことが、主にサッカーシューズについても該当し、サッカーシューズに対しては、靴の機能性を保証するために堅牢性や剛性に関する他、通常できるだけ軽くすべき重さに対する高度な要件が求められる。
そのために、十分な剛性を維持しながら、出来るだけ靴の重さを抑えるようにした、多面的な概念が確立されている。
また、本発明の目的は、実際に、一方で十分な剛性を備えて、要求される機能性を保証し、他方で特に軽量な構成を有するように、上記種類の靴、特にスポーツシューズを開発することである。
本発明によるこの目的の解決方法は、靴甲被が以下を含むことを特徴とする:
−加工糸から成るテクスチャ構造であって、複数の上位部と複数の下位部を有する立体構造として形成するテクスチャ構造、
−被覆層であって、テクスチャ構造の上位部の一部と少なくとも結合する被覆層。
−加工糸から成るテクスチャ構造であって、複数の上位部と複数の下位部を有する立体構造として形成するテクスチャ構造、
−被覆層であって、テクスチャ構造の上位部の一部と少なくとも結合する被覆層。
好適には、被覆層の結合部を、テクスチャ構造の材料と被覆層の材料との溶着、特に高周波又は超音波溶着によって、作製する。
好適には、テクスチャ構造は、複数の丘状又はハンプ状隆起部を含み、丘状又はハンプ状隆起部の上側領域は、上位部を含む又は形成する。丘状又はハンプ状隆起部を、直交する2方向で、互いに平行に配設できる。丘状又はハンプ状隆起部を、互いに平行に走る7乃至15本の加工糸によって形成し、該加工糸同士を、好適には、織り合わす、又は糸掛けする。
加工糸を、好適には、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド又はポリエステルから構成する。しかしながら、被覆層を、熱可塑性エラストマ(TPE:thermoplastic elastomer)、特にウレタン系熱可塑性エラストマ(TPU)から構成する。
更なる発展形によると、テクスチャ構造の下位部と結合する第2被覆層を配設する。
提案する靴甲被材料を製造する方法は、以下のステップを特徴とする:
(a)テクスチャ構造を供給するステップであって、テクスチャ構造を、加工糸で製作し、テクスチャ構造を、複数の上位部と複数の下位部を含む立体構造として、形成するステップ、
(b)少なくとも部分的な接触部が、テクスチャ構造の上位部と被覆層との間に存在するように、テクスチャ構造上に被覆層を配設するステップ、
(c)テクスチャ構造の上位部の少なくとも一部を、被覆層に溶着工程によって結合するステップ。
(a)テクスチャ構造を供給するステップであって、テクスチャ構造を、加工糸で製作し、テクスチャ構造を、複数の上位部と複数の下位部を含む立体構造として、形成するステップ、
(b)少なくとも部分的な接触部が、テクスチャ構造の上位部と被覆層との間に存在するように、テクスチャ構造上に被覆層を配設するステップ、
(c)テクスチャ構造の上位部の少なくとも一部を、被覆層に溶着工程によって結合するステップ。
好適には、溶着工程を、高周波溶着工程又は超音波溶着工程とする。
提案するソールは以下を含む:
−少なくともソールの形状に従う基体であって、少なくとも1つの基体は、プラスチックマトリクス又は樹脂マトリクスに組込まれる複数の強化繊維を含む基体、
−複数のアウトソール要素(例えば、クリートも)であって、基体に材料接着した状態で固定するアウトソール要素。
−少なくともソールの形状に従う基体であって、少なくとも1つの基体は、プラスチックマトリクス又は樹脂マトリクスに組込まれる複数の強化繊維を含む基体、
−複数のアウトソール要素(例えば、クリートも)であって、基体に材料接着した状態で固定するアウトソール要素。
基体とアウトソール要素との材料接着による結合を、好適には、加硫で確立する。
アウトソール要素を、好適には、ゴム材料で構成する。
基体は、アウトソール要素のための凹部を含むことができ、該凹部は、アウトソール要素の形状に対応する。
好適には、強化繊維を、炭素繊維とする。該強化繊維を、エポキシ樹脂マトリクス中に埋め込める。
その結果、強化繊維を、少なくとも部分的に互いに織り合わせられる。
好適には、靴には、ミッドソールを有しない。しかしながら、好適には、基体上方に、インソールを配設し、該インソールを、接着するのが特に好ましい。
ソールを製造する方法は、以下のステップを特徴とする:
(a)ソールの形状に対応する基体を製造し、基体を、複数の強化繊維で構築し、強化繊維をプラスチック又は樹脂マトリクスに組込むステップ、
(b) 複数のアウトソール要素を、基体に配設するステップ、
(c)加硫工程を実行することによって、基体とアウトソール要素間の材料接着による結合部を製造するステップ。
(a)ソールの形状に対応する基体を製造し、基体を、複数の強化繊維で構築し、強化繊維をプラスチック又は樹脂マトリクスに組込むステップ、
(b) 複数のアウトソール要素を、基体に配設するステップ、
(c)加硫工程を実行することによって、基体とアウトソール要素間の材料接着による結合部を製造するステップ。
その結果、提案する概念では、靴甲被の脚部材料を製造する際に、立体的に形成したテクスチャ構造を、好適には複数のハンプで遮断する。この構造では、好適にはTPUの平面長(ホイル)を敷設する。発熱要素(例えば、高周波電極又は超音波電極)を使用して、ホイルをハンプ先端で溶着する。従って、ホイルを、テクスチャ構造に規則的に結合する。
この複合体を、スポーツシューズ、特にサッカーシューズ用上部材料として使用する。
利点は、靴の通気性が極めて良好なことであり、これは、立体的に形成したテクスチャ構造は、極めて良好に空気を誘導し、そのための管状構造を作成するからである。この材料は、全く水を吸収しない。極めて軽量で、従って、この上部材料から製造されるこの靴は「超軽量」でもある。上部材料の強化材は不要である。
また、提案したソール構造に関して、該ソール構造を、特別な有利な方法でサッカーシューズにも適用できるが、これはソールの基板が剛性が高く、特に炭素繊維板として形成されるためである。アウトソールとして機能する事前に形成したゴム要素は、加硫されるため、基板に強力に結合する。
事前に形成したゴム要素を、ソールの製造時の加硫形状にだけでなく、基板にも挿入する。その後、結合工程を、加硫によって行う。
好適には、基板を、織り合せた炭素繊維を含み、該炭素繊維を、樹脂マトリクスに(例えば、エポキシ樹脂に)組込んだ板とする。
サッカーシューズでは、こうして製造したソールを、ミッドソールなしに使用できる。基板の高い剛性により、効果的な圧力分布となる。この構造は極めて軽量である。これにより、ここでもまた「超軽量」靴が可能になる。
提案した靴甲被の上部材料と提案したソールとを組合せると、特に有利である。その結果、高い剛性を有する特別に軽量な靴となる。
高位置及び低位置を有する構造(丘状及びハンプ状構造)を、テクスチャ構造に適用する限り、決して全ての隆起部(丘及びハンプ其々)が同じ高さから成ることはない。1つ又は複数の隆起部(丘及びハンプ其々)の高さを、具体的な要件に従い調整できる。従って、条件とする機能によって、1つ又は複数の隆起部(丘及びハンプ其々)を、特定の位置でより高くすると有利なことがある。
この隆起部の調整は、高さだけでなく、隆起部の位置にも適用できる。従って出来あがる靴甲被材料が所望する機能を備えるように、平面における隆起部の位置を規定すると、即ち、特定の規則的な配列を、例えば、2方向で、全く互いに直交させないと有利な場合がある。
別の可能な実施形態では、隆起部(丘及びハンプ其々)を、一定の通路が隆起部間にでき、該通路を、例えば紐やリボンといった例えば機能要素用其々の経路として、使用できるように、隣同士に配設するものとする。
以下の図面では、本発明の実施形態について説明している。
図1では、既知の方法で、ソール2を含み、該ソールの上に靴甲被3を配設する靴を示している。ソール2を靴甲被3と結合するには、多数の予め知られた可能な選択肢があり、そうした可能な選択肢については、本明細書では対応する必要がない。
靴甲被3の材料、即ち、脚部材料を、特別な方法で構築する。これは、図2〜図4の結果得られる。
上部材料の基本構造は、図2で示すように、テクスチャ構造4である。ここでは、テクスチャ構造4の一部、つまり、単一の丘状又はハンプ状隆起部10を含む部分のみを視認できる。
図示したテクスチャ構造4は、加工糸5から成り、加工糸を、織り合わせ、其々互いに糸掛けする。図3では、加工糸5の好適な連結について示している。加工糸5は、実質的に2方向に延伸し、x及びy方向は互いに直交していると言える。しかしながら、その際に、加工糸5は、平坦な構造ではなく、図2で分かるように、立体形状を構成する。
図3の結果、加工糸5を、マス目状表面ができるように、製織工程で互いに糸掛けする。マス目寸法b(図2参照)を、典型的には0.5〜2mmの領域とする。
図2で示した隆起部10を、複数方向に互いに平行に、即ち、x方向に及びy方向に互いに平行に配設する。記述した実施例の場合の構造サイズは、格子寸法によって特定されるが、格子寸法は、典型的には5〜20mm、好適には8〜12mmとする。好適には、加工糸の直径に、0.03〜0.1mmを適用する。
テクスチャ構造4の立体的な実施形態を通じて、図2及び図3の概要で視認できるように、隆起部毎に、上部6だけでなく下部7でも、そのようになる。次に、上部材料をそれに従い、被覆層8を、テクスチャ構造4の上側に載置し、該被覆層が、この実施形態では、薄く平坦な層から成るように構成する。
従って、被覆層8は、テクスチャ構造4と規則的にのみ接触する、即ち、被覆層8は、テクスチャ構造4の上部6にのみ当接する。被覆層8を配置した後に、例えば超音波溶着装置で、又は高周波溶着装置で、溶着エネルギ17を導入し、それにより、テクスチャ構造4の材料と被覆層8の材料を融合することについて、図4で図式的に示している。これを、溶着スポットの形をした結合部9で、図4に示す。
同様に、テクスチャ構造の下側で先に発生させることもできる。図4で分かるように、第2被覆層11を付与でき、該第2被覆層を、同じ方法で溶着スポットで固定できる。
これにより、靴甲被用脚部材料として使用する、極めて安定した、しかも極めて軽量な材料構造を齎せる。
図5では、靴1の示唆した適切なソール2をどのように考案したかが分かる。ソール2は、基体12から成り、該基体の構成は、図式的に図6のようになる。従って、強化繊維13、特に炭素繊維同士を織り合わせ、好適には、エポキシ樹脂から成るプラスチックマトリクス又は樹脂マトリクス14に組込む。その結果、基体12のための極めて強い、弾性構造となる。
後でも機械加工のところで記載するが、基体12を形成する際にすでに、凹部16を、基体12に組込むが、図5では、該基体から下側が視認できる。凹部16の形状は、ゴム材料のアウトソール要素15の形状と一致し、該要素は、靴1のアウトソールを全体として形成する。
アウトソール要素15を、基体12を製造した後に、凹部16内に挿入する;そのために、凹部16の深さを、アウトソール要素15の高さより低くし、それによりアウトソール要素15が、凹部16に挿入した後に、下方に突出して、アウトソールとしての機能を実現できるようにする。
加硫工程によって、基体12とアウトソール要素15とを強固に結合するが、該加硫工程を、基体12にアウトソール要素15を配置した後に、一致した加硫形状で完了する。
図7乃至図9では、本発明によるソール2の別の実施形態を見ることができる。
また、通常、ソールは基体12から成り、該基体にアウトソール要素15を固定することを、ここでも適用する。しかしながら、アウトソール要素15を、ここでは、クリート15’として形成し、該クリートを、基体12に固定する。図8による断面図(図7のC−D線に沿った断面)では、これまでに既に示したように、クリート15’の形をしたアウトソール要素の材料を、ソールの基体12に其々加硫状態で直接入れる(inject)ことを示している。図8で分かるように、基体12を、クリート15’を受容する領域では、若干平坦な形状から雌型に変形させ、それにより基体12の形状が、図8で示したように、なるようにする。クリート15’の材料を、形成した隆起部に其々入れ、加硫する。基体12とクリート15’との間には、機械的な結合は存在しない。特に、基体12は、クリート15’の受容領域では、全く凹部を設けない。従って、基体12の繊維強化材料の連続した層が存在する。
図7による実施形態の別の特定の設計は、基体12を、1枚の単一な連続板として形成せず、2部分12’及び12”から構成する。両部分12’、12”を、作製中、位置決めした状態で型に挿入できる;その後、基体の部分12’、12”を、ゴム材料によって結合するように、ゴム材料を付け広げる。図7では、ゴム稜線部20を視認でき、該稜線部によって部分12’及び12”を、互いに弾力的に結合する。その際に、屈曲可能で、ヒンジ状の結合部を、部分12’、12”間に確立でき、該結合部は、部分12’、12”間に其々屈曲ゾーンと屈曲溝として機能する。その結果、ゴム材料は、ゴム稜線部20の領域で、機能要素としての役割を果たし、基体12の構造を遮断し、繊維強化板を所定の方法で互いに屈曲可能にする。
E−F線に沿った断面である図9から分かるように、ゴム材料は、ゴム層として、部分12’、12”に一面で接触する。縁領域では、ゴム材料を、周縁19(ゴム製周リップ)として、導ける。
別の作製方法では、最終的に固化状態にしない状態で、基体12の材料を型に挿入して、アウトソール要素の材料を入れる(inject)のを止めて、むしろ基体12の材料(特に炭素繊維材料)を、事前に製作したアウトソール要素15とクリート15’其々と全く同じように型に入れる。
その結果、加硫工程中に、基体12の材料を、該材料が最終的に使用可能な状態で、入れると同時に、ゴム材料を、基体12の材料と結合させる。
1 靴
2 ソール
3 靴甲被
4 テクスチャ構造
5 加工糸
6 上位部
7 下位部
8 被覆層
9 結合部(溶着)
10 丘状又はハンプ状隆起部
11 第2被覆層
12 基体
12’ 基体の第1部
12” 基体の第2部
13 強化繊維
14 プラスチックマトリクス/樹脂マトリクス
15 アウトソール要素
15’ クリート
16 凹部
17 溶着エネルギの導入
18 ゴム層
19 周縁
20 ゴム稜線部
x 方向
y 方向
a 格子寸法
b マス目寸法
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a 格子寸法
b マス目寸法
Claims (10)
- ソール(2)及び該ソール(2)と結合する靴甲被(3)を有する靴(1)、特にスポーツシューズであって、
前記靴甲被(3)は、
−加工糸(5)から成るテクスチャ構造(4)であって、複数の上位部(6)と複数の下位部(7)を有する立体構造として形成するテクスチャ構造(4)、
−被覆層(8)であって、前記テクスチャ構造(4)の前記上位部(6)の一部と少なくとも結合する(9)被覆層(8)
を含むことを特徴とする、靴。 - 前記被覆層(8)の結合部(9)を、前記テクスチャ構造(4)の材料と前記被覆層(8)の材料との溶着、特に高周波又は超音波溶着によって、作製することを特徴とする、請求項1に記載の靴。
- 前記テクスチャ構造(4)は、複数の丘状又はハンプ状隆起部(10)を含み、前記丘状又はハンプ状隆起部(10)の上側領域は、前記上位部(6)を含む又は形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の靴。
- 前記丘状又はハンプ状隆起部(10)を、直交する2方向(x、y)で、互いに平行に配設することを特徴とする、請求項3に記載の靴。
- 前記丘状又はハンプ状隆起部(10)を、互いに平行に走る7乃至15本の加工糸(5)によって形成し、該加工糸同士を、好適には、織り合わす、又は糸掛けすることを特徴とする、請求項3又は4に記載の靴。
- 前記加工糸(5)は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド又はポリエステルから成ることを特徴とする、請求項1乃至5の一項に記載の靴。
- 前記被覆層(8)は、熱可塑性エラストマ(TPE:thermoplastic elastomer)、特にウレタン系熱可塑性エラストマ(TPU)から成ることを特徴とする、請求項1乃至6の一項に記載の靴。
- 前記テクスチャ構造(4)の前記下位部(7)と結合する第2被覆層(11)を配置することを特徴とする、請求項1乃至7の一項に記載の靴。
- ソール(2)及び該ソール(2)と結合する靴甲被(3)を含む靴(1)、特にスポーツシューズを製造する方法であって、
前記靴甲被(3)の材料を製造する方法は、
(a)テクスチャ構造(4)を供給するステップであって、前記テクスチャ構造(4)を、加工糸(5)で製作し、前記テクスチャ構造(4)を、複数の上位部(6)と複数の下位部(7)を含む立体構造として、形成するステップ、
(b)少なくとも部分的な接触部が、前記テクスチャ構造(4)の前記上位部(6)と被覆層(8)との間に存在するように、前記テクスチャ構造(4)上に前記被覆層(8)を配設するステップ、
(c)前記テクスチャ構造(4)の前記上位部(6)の少なくとも一部を、前記被覆層(8)に溶着工程によって結合するステップ
を含むことを特徴とする方法。 - 前記溶着工程を、高周波溶着工程又は超音波溶着工程とすることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
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