JP2014240890A - 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性トナーTのパッキング現象を抑制し、安定した画像濃度を出力することを目的とする。
【解決手段】磁性トナーTを撹拌、搬送するT撹拌部材12を備えており、磁性トナーTを収容するトナー収容容器41と、画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、内包される磁性発生手段の磁力により磁性トナーTを引きつけて担持する現像スリーブ8を備え、T撹拌部材12によって搬送された磁性トナーを収容する現像容器4と、を有し、画像形成の動作後であって、次のプリント信号を待つスタンバイ状態となる前に、現像スリーブ8が正方向と逆方向に回転する。
【選択図】図1
【解決手段】磁性トナーTを撹拌、搬送するT撹拌部材12を備えており、磁性トナーTを収容するトナー収容容器41と、画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、内包される磁性発生手段の磁力により磁性トナーTを引きつけて担持する現像スリーブ8を備え、T撹拌部材12によって搬送された磁性トナーを収容する現像容器4と、を有し、画像形成の動作後であって、次のプリント信号を待つスタンバイ状態となる前に、現像スリーブ8が正方向と逆方向に回転する。
【選択図】図1
Description
本発明は、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において、像担持体としての感光体ドラム上に形成された画像を可視化するために、種々の現像装置が使用されている。
図12は、従来例の現像装置を備えるプロセスカートリッジを示す概略図である。図12に示すように、磁性一成分現像剤(以下、単に磁性トナーTと記す)を用いた現像装置4は、磁性トナーTを収容するためのトナー収容容器41と、現像容器42と、からなる。現像容器42を構成する枠体には、現像剤担持体としての現像スリーブ8が回転可能に支持されており、現像スリーブ8は、トナー収容容器41から搬送されてきた磁性トナーTを感光体ドラム1上に供給する。
トナー収容容器41の内部と現像容器42の内部とは、現像開口16で繋がっている。未使用状態の現像装置4は、搬送による振動や落下による衝撃によってトナー収容容器41内のトナーが現像容器42から、現像装置4の外部へ吹き出さないように、現像開口16は不図示の封止部材で封止されている。現像装置4の使用開始にあたり、封止部材は排除され、トナー収容容器41から現像容器42へトナーを搬送できるようになる。
また、トナー収容容器41内には磁性トナーTが収容されており、トナー収容容器41の内部にはT撹拌部材12がトナー収容容器41を構成する枠体に回転可能に支持されて設けられている。
トナー収容容器41の内部と現像容器42の内部とは、現像開口16で繋がっているため、T撹拌部材12が図12中R4方向へ回転することによって、現像開口16を介して現像容器42へ磁性トナーTが搬送される。なお、図12中の点線はT撹拌部材12の回転の軌道を示しており、この軌道から分かるように、T撹拌部材12は、トナー収容容器41内のみで回転駆動をしており、先端部においても現像容器42までは届かない長さで構成されている。また、トナー収容容器41を構成する枠体と現像容器42を構成する枠体とは不図示の接合部が熱溶着によって固定されている。
現像容器42は、図12に示すように、現像スリーブ8と、現像剤規制部材としての規制ブレード11と、吹き出し防止シート10と、マグネットローラ9とから構成されている。現像スリーブ8は、その表面上に磁性トナーTを担持して回転することにより、磁性トナーTを感光体ドラム1対向部へと搬送する。
規制ブレード11は、現像スリーブ8との当接部を通過する磁性トナーTを薄層化する。現像スリーブ8と規制ブレード11の当接部を現像スリーブ8の回転によって通過した磁性トナーTは、この当接部における摺擦作用によって摩擦帯電され、電荷を得ることができる。
吹き出し防止シート10は、現像スリーブ8の回転に沿うように摺接して設けられており、磁性トナーTが現像装置4の外部へ漏れることを防止している。
マグネットローラ9は、多極構造の磁界発生手段を有しており、中空形状をした現像スリーブ8に内苞され固定されている。マグネットローラ9によって発生する磁界は、磁性トナーTを現像スリーブ8表面に引き寄せて担持(保持)させたり、感光体ドラム1対向部の現像スリーブ8上の磁性トナーTを穂立たせることによって、現像性を向上させる機能を担っている。
また、現像スリーブ8と感光体ドラム1間には不図示の間隔保持部材によって間隙が形成されている。そして、現像スリーブ8に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することによって現像スリーブ8上の磁性トナーTが感光体ドラム1側へ飛翔することとなる。感光体ドラム1上に形成された静電潜像に対して電荷を持った磁性トナーTを電気的に吸着させることによって現像し、それにより画像形成を行っている。
ここで、省エネルギー化、ファーストプリント時間の短縮化という観点から、記録材上の未定着画像を定着するための定着温度は年々下がる傾向にある。定着温度を下げるためには、トナーのバインダー熱特性やワックス熱特性を改良することによってトナーの溶融粘弾性を制御することにより低温定着を可能にしている。
このような低温定着可能なトナーは、トナーのバインダー自身が柔らかいために機械的な摩耗に弱くなる。それにより、現像スリーブ8と規制ブレード11との当接部で繰り返し摺擦されたトナーは総合的に特性が変質してしまい、トナー本来の流動性や帯電性の機能を発揮することができずに現像性が低下してしまい、画像濃度低下現象が生じてしまう。
このような課題を解決するために、マグネットローラの磁極配置と磁極の強度、半値幅とをトナー循環が良好になるように構成することにより、トナー劣化を最小限に抑えて濃度低下を防止できる現像装置が提案されている(特許文献1)。
図12は、従来例の現像装置を備えるプロセスカートリッジを示す概略図である。図12に示すように、磁性一成分現像剤(以下、単に磁性トナーTと記す)を用いた現像装置4は、磁性トナーTを収容するためのトナー収容容器41と、現像容器42と、からなる。現像容器42を構成する枠体には、現像剤担持体としての現像スリーブ8が回転可能に支持されており、現像スリーブ8は、トナー収容容器41から搬送されてきた磁性トナーTを感光体ドラム1上に供給する。
トナー収容容器41の内部と現像容器42の内部とは、現像開口16で繋がっている。未使用状態の現像装置4は、搬送による振動や落下による衝撃によってトナー収容容器41内のトナーが現像容器42から、現像装置4の外部へ吹き出さないように、現像開口16は不図示の封止部材で封止されている。現像装置4の使用開始にあたり、封止部材は排除され、トナー収容容器41から現像容器42へトナーを搬送できるようになる。
また、トナー収容容器41内には磁性トナーTが収容されており、トナー収容容器41の内部にはT撹拌部材12がトナー収容容器41を構成する枠体に回転可能に支持されて設けられている。
トナー収容容器41の内部と現像容器42の内部とは、現像開口16で繋がっているため、T撹拌部材12が図12中R4方向へ回転することによって、現像開口16を介して現像容器42へ磁性トナーTが搬送される。なお、図12中の点線はT撹拌部材12の回転の軌道を示しており、この軌道から分かるように、T撹拌部材12は、トナー収容容器41内のみで回転駆動をしており、先端部においても現像容器42までは届かない長さで構成されている。また、トナー収容容器41を構成する枠体と現像容器42を構成する枠体とは不図示の接合部が熱溶着によって固定されている。
現像容器42は、図12に示すように、現像スリーブ8と、現像剤規制部材としての規制ブレード11と、吹き出し防止シート10と、マグネットローラ9とから構成されている。現像スリーブ8は、その表面上に磁性トナーTを担持して回転することにより、磁性トナーTを感光体ドラム1対向部へと搬送する。
規制ブレード11は、現像スリーブ8との当接部を通過する磁性トナーTを薄層化する。現像スリーブ8と規制ブレード11の当接部を現像スリーブ8の回転によって通過した磁性トナーTは、この当接部における摺擦作用によって摩擦帯電され、電荷を得ることができる。
吹き出し防止シート10は、現像スリーブ8の回転に沿うように摺接して設けられており、磁性トナーTが現像装置4の外部へ漏れることを防止している。
マグネットローラ9は、多極構造の磁界発生手段を有しており、中空形状をした現像スリーブ8に内苞され固定されている。マグネットローラ9によって発生する磁界は、磁性トナーTを現像スリーブ8表面に引き寄せて担持(保持)させたり、感光体ドラム1対向部の現像スリーブ8上の磁性トナーTを穂立たせることによって、現像性を向上させる機能を担っている。
また、現像スリーブ8と感光体ドラム1間には不図示の間隔保持部材によって間隙が形成されている。そして、現像スリーブ8に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することによって現像スリーブ8上の磁性トナーTが感光体ドラム1側へ飛翔することとなる。感光体ドラム1上に形成された静電潜像に対して電荷を持った磁性トナーTを電気的に吸着させることによって現像し、それにより画像形成を行っている。
ここで、省エネルギー化、ファーストプリント時間の短縮化という観点から、記録材上の未定着画像を定着するための定着温度は年々下がる傾向にある。定着温度を下げるためには、トナーのバインダー熱特性やワックス熱特性を改良することによってトナーの溶融粘弾性を制御することにより低温定着を可能にしている。
このような低温定着可能なトナーは、トナーのバインダー自身が柔らかいために機械的な摩耗に弱くなる。それにより、現像スリーブ8と規制ブレード11との当接部で繰り返し摺擦されたトナーは総合的に特性が変質してしまい、トナー本来の流動性や帯電性の機能を発揮することができずに現像性が低下してしまい、画像濃度低下現象が生じてしまう。
このような課題を解決するために、マグネットローラの磁極配置と磁極の強度、半値幅とをトナー循環が良好になるように構成することにより、トナー劣化を最小限に抑えて濃度低下を防止できる現像装置が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の現像装置においては次のような課題が生じる。近年は環境保護の観点で省エネルギー化の重要性や必要性がこれまで以上に高まってきており、画像形成装置としては画像形成に必要な消費電力を低減することが求められている。消費電力を低減していくためには、トナーを更に改良することで定着温度を低下させたり、現像装置を駆動するのに必要な電力を更に低下させるなどの手段がある。定着温度を低下させるためには、トナー母体表面を覆っている外添剤の量を減らし、定着器による熱をトナー母体に伝達しやすくすることでトナー母体を溶けやすくする方法もある。
外添剤として、図15(a)に示すようにシリカ微粉体92をトナー母体91表面に被覆させることで、図15(b)に示すようにトナー母体間のスペーサとしての役割を担わせることができる。それにより、トナー母体間の距離を保つことができ、トナー母体間における摩擦抵抗を低減させることによってトナーの流動性を上げることが可能となる。
しかしながら、トナー母体91に被覆されたシリカ微粉体92は、現像スリーブ8や規制ブレード11の当接部における摺擦作用を繰り返し受けることによって、シリカ微粉体92がトナー母体91内面に埋没したり、トナー母体91表面から遊離したりする。その状態を図16(a)に示す。
そのため、初期のトナー状態に対して耐久劣化したトナーは、トナー母体表面に被覆しているシリカ微粉体の量そのものが少なくなってしまう。それにより、図16(b)に示す点線Aで囲んだ部分のようにトナー粒子間距離が減少し、トナー粒子同士の摩擦抵抗が生じることによってトナーの流動性が低下する。
そのため、シリカ微粉体のトナー母体への埋没や、トナー母体からの遊離を予め考慮して初期状態のシリカ微粉体量を多くすることが考えられる。この場合、トナーが耐久劣化しても充分な量のシリカ微粉体がトナー母体表面に被覆することとなるため、トナーとしての流動性は現像装置の寿命を通して正常な範囲となる。しかし、図13のグラフaに示すように、初期状態のトナーにおいては定着器によってトナーを溶かすための必要な熱量が多くなってしまうため、画像形成装置の消費電力が高くなってしまう。
一方で、図13のグラフbで示すようにトナー母体表面に被覆しているシリカ微粉体量を初期から少なくすると、トナーを溶かすための必要な熱量は少なくて済む。そのため、画像形成装置の消費電力を小さくすることができるが、トナーが耐久劣化し、トナー母体表面上のシリカ微粉体量が減少しトナーの流動性が低下してしまったときに、以下のような課題が生じてしまう。
初期状態のトナーは充分な流動性を有しているため、図14で示すように規制ブレード
11によってトナーが掻きとられた作用によって生じる矢印F1方向の流れにより、現像開口16を通じてトナー収容容器41へ戻る様に循環をすることができる。
しかし、トナーが耐久劣化してしまうと、トナー粒子間距離が縮まることでトナー間の摩擦抵抗が生じてしまい、トナーの流動性が低下してしまうため矢印F1方向の流れが小さくなってしまう。
その為、現像容器42内のトナーはトナー収容容器41へ戻りづらくなる。このような状態下において、トナー収容容器41のトナーを現像容器42へ搬送し続けると(矢印F2方向)、現像容器42内のトナー密度が著しく高まることによって現像容器42内のトナーが動かなくなるパッキング現象が生じてしまうことがあった。
このパッキング現象はトナー収容容器41内のトナーが撹拌部材12によって現像容器42へ向かって搬送される矢印F2方向の流れ以外にも、重力によって現像容器42へ供給される流れがある場合に特に顕著に生じていた。
図17のT(2)の領域で示すトナーのパッキング現象が生じると、現像スリーブ8へのトナー供給不良や現像容器42内でのトナー循環不良が生じる。それによりトナー収容容器41内のトナーが充分に供給できなくなるため、現像スリーブ8上のトナーコート量が減少する。
加えて、トナー収容容器41へ戻ることができなかったトナーが再度現像スリーブ8と規制ブレード11との当接部間で繰り返し摺擦されてしまうことによってトナーが過度な電荷を持ってしまう(トナーの過帯電現象)ことがあった。その結果、現像スリーブ8側へ電気的に強く吸着してしまうことで、正常に現像できないことがあった。
これらの理由により、現像容器42内でトナーがパッキングしてしまうと、感光体ドラム1の潜像を現像するためのトナー量が減少してしまい、画像濃度が薄くなってしまうことがあった。
このようなパッキング現象を改善するために、従来、図12に示すように、現像容器42内に設けられるD撹拌部材17が図12中R5方向へ回転することにより現像容器42内の磁性トナーTを撹拌することができる構成が知られている。
この構成によると、D撹拌部材17を回転させることで現像容器42内のトナーに動きを与えることができ、トナー粒子間距離を広げる作用を付与させることが可能となる。しかし、そもそも消費電力を低減するために定着温度を低下させても、現像装置4においてD撹拌部材17を駆動させるための電力が別途必要となってしまっていた。このように、最大限に消費電力を低減するためには、トナーが耐久劣化しトナーの流動性が低下してもD撹拌部材17のような電力が必要な部品を別途現像装置に設けることなく、安定した画像濃度を出力することができる現像装置が望まれていた。
外添剤として、図15(a)に示すようにシリカ微粉体92をトナー母体91表面に被覆させることで、図15(b)に示すようにトナー母体間のスペーサとしての役割を担わせることができる。それにより、トナー母体間の距離を保つことができ、トナー母体間における摩擦抵抗を低減させることによってトナーの流動性を上げることが可能となる。
しかしながら、トナー母体91に被覆されたシリカ微粉体92は、現像スリーブ8や規制ブレード11の当接部における摺擦作用を繰り返し受けることによって、シリカ微粉体92がトナー母体91内面に埋没したり、トナー母体91表面から遊離したりする。その状態を図16(a)に示す。
そのため、初期のトナー状態に対して耐久劣化したトナーは、トナー母体表面に被覆しているシリカ微粉体の量そのものが少なくなってしまう。それにより、図16(b)に示す点線Aで囲んだ部分のようにトナー粒子間距離が減少し、トナー粒子同士の摩擦抵抗が生じることによってトナーの流動性が低下する。
そのため、シリカ微粉体のトナー母体への埋没や、トナー母体からの遊離を予め考慮して初期状態のシリカ微粉体量を多くすることが考えられる。この場合、トナーが耐久劣化しても充分な量のシリカ微粉体がトナー母体表面に被覆することとなるため、トナーとしての流動性は現像装置の寿命を通して正常な範囲となる。しかし、図13のグラフaに示すように、初期状態のトナーにおいては定着器によってトナーを溶かすための必要な熱量が多くなってしまうため、画像形成装置の消費電力が高くなってしまう。
一方で、図13のグラフbで示すようにトナー母体表面に被覆しているシリカ微粉体量を初期から少なくすると、トナーを溶かすための必要な熱量は少なくて済む。そのため、画像形成装置の消費電力を小さくすることができるが、トナーが耐久劣化し、トナー母体表面上のシリカ微粉体量が減少しトナーの流動性が低下してしまったときに、以下のような課題が生じてしまう。
初期状態のトナーは充分な流動性を有しているため、図14で示すように規制ブレード
11によってトナーが掻きとられた作用によって生じる矢印F1方向の流れにより、現像開口16を通じてトナー収容容器41へ戻る様に循環をすることができる。
しかし、トナーが耐久劣化してしまうと、トナー粒子間距離が縮まることでトナー間の摩擦抵抗が生じてしまい、トナーの流動性が低下してしまうため矢印F1方向の流れが小さくなってしまう。
その為、現像容器42内のトナーはトナー収容容器41へ戻りづらくなる。このような状態下において、トナー収容容器41のトナーを現像容器42へ搬送し続けると(矢印F2方向)、現像容器42内のトナー密度が著しく高まることによって現像容器42内のトナーが動かなくなるパッキング現象が生じてしまうことがあった。
このパッキング現象はトナー収容容器41内のトナーが撹拌部材12によって現像容器42へ向かって搬送される矢印F2方向の流れ以外にも、重力によって現像容器42へ供給される流れがある場合に特に顕著に生じていた。
図17のT(2)の領域で示すトナーのパッキング現象が生じると、現像スリーブ8へのトナー供給不良や現像容器42内でのトナー循環不良が生じる。それによりトナー収容容器41内のトナーが充分に供給できなくなるため、現像スリーブ8上のトナーコート量が減少する。
加えて、トナー収容容器41へ戻ることができなかったトナーが再度現像スリーブ8と規制ブレード11との当接部間で繰り返し摺擦されてしまうことによってトナーが過度な電荷を持ってしまう(トナーの過帯電現象)ことがあった。その結果、現像スリーブ8側へ電気的に強く吸着してしまうことで、正常に現像できないことがあった。
これらの理由により、現像容器42内でトナーがパッキングしてしまうと、感光体ドラム1の潜像を現像するためのトナー量が減少してしまい、画像濃度が薄くなってしまうことがあった。
このようなパッキング現象を改善するために、従来、図12に示すように、現像容器42内に設けられるD撹拌部材17が図12中R5方向へ回転することにより現像容器42内の磁性トナーTを撹拌することができる構成が知られている。
この構成によると、D撹拌部材17を回転させることで現像容器42内のトナーに動きを与えることができ、トナー粒子間距離を広げる作用を付与させることが可能となる。しかし、そもそも消費電力を低減するために定着温度を低下させても、現像装置4においてD撹拌部材17を駆動させるための電力が別途必要となってしまっていた。このように、最大限に消費電力を低減するためには、トナーが耐久劣化しトナーの流動性が低下してもD撹拌部材17のような電力が必要な部品を別途現像装置に設けることなく、安定した画像濃度を出力することができる現像装置が望まれていた。
上記課題に鑑みて、本発明の目的は、磁性現像剤(磁性トナー)のパッキング現象を抑制し、安定した画像濃度を出力できる現像装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る現像装置は、
磁性現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材を備えており、磁性現像剤を収容する現像剤容器と、
画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、内包される磁界発生手段の磁力により磁性現像剤を引き付けて担持する現像剤担持体を備え、前記撹拌部材によって搬送された磁性現像剤を収容する現像容器と、
を有し、
画像形成の動作後であって、次のプリント信号を待つスタンバイ状態となる前に、前記現像剤担持体が前記正方向と逆方向に回転することを特徴とする。
磁性現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材を備えており、磁性現像剤を収容する現像剤容器と、
画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、内包される磁界発生手段の磁力により磁性現像剤を引き付けて担持する現像剤担持体を備え、前記撹拌部材によって搬送された磁性現像剤を収容する現像容器と、
を有し、
画像形成の動作後であって、次のプリント信号を待つスタンバイ状態となる前に、前記現像剤担持体が前記正方向と逆方向に回転することを特徴とする。
また、本発明に係る現像装置は、
磁性現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材を備えており、磁性現像剤を収容する現像剤容器
と、
画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、磁性現像剤を担持する現像剤担持体と、前記正方向に対してカウンター方向に前記現像剤担持体に当接して設けられており、前記現像剤担持体に担持された磁性現像剤の層厚を規制する規制部材と、を備え、前記撹拌部材によって搬送された磁性現像剤を収容する現像容器と、
を有し、
前記現像剤担持体は、磁界発生手段を内包しており、
前記磁界発生手段は、少なくとも、前記現像剤担持体に担持される磁性現像剤を潜像へ供給させる第1磁極と、前記現像容器内に収容される磁性現像剤を前記現像剤担持体に引き付けて担持させる第2磁極と、を有しており、
非画像形成時に、前記現像剤担持体が、前記第2磁極によって前記現像剤担持体に引き付けられて担持されていた磁性現像剤が前記規制部材との当接部に到達する前まで、前記正方向と逆方向に回転することを特徴とする。
磁性現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材を備えており、磁性現像剤を収容する現像剤容器
と、
画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、磁性現像剤を担持する現像剤担持体と、前記正方向に対してカウンター方向に前記現像剤担持体に当接して設けられており、前記現像剤担持体に担持された磁性現像剤の層厚を規制する規制部材と、を備え、前記撹拌部材によって搬送された磁性現像剤を収容する現像容器と、
を有し、
前記現像剤担持体は、磁界発生手段を内包しており、
前記磁界発生手段は、少なくとも、前記現像剤担持体に担持される磁性現像剤を潜像へ供給させる第1磁極と、前記現像容器内に収容される磁性現像剤を前記現像剤担持体に引き付けて担持させる第2磁極と、を有しており、
非画像形成時に、前記現像剤担持体が、前記第2磁極によって前記現像剤担持体に引き付けられて担持されていた磁性現像剤が前記規制部材との当接部に到達する前まで、前記正方向と逆方向に回転することを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスカートリッジは、
画像形成装置に着脱可能であって、
上記現像装置と、
潜像を担持する像担持体と、
を有することを特徴とする。
画像形成装置に着脱可能であって、
上記現像装置と、
潜像を担持する像担持体と、
を有することを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、
上記現像装置と、
潜像を担持する像担持体と、
前記現像剤担持体の回転方向を切り替え可能な駆動装置と、
を有することを特徴とする。
上記現像装置と、
潜像を担持する像担持体と、
前記現像剤担持体の回転方向を切り替え可能な駆動装置と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、磁性現像剤(磁性トナー)のパッキング現象を抑制し、安定した画像濃度を出力することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
<画像形成装置の構成概要>
まず、図9を参照して、実施例1に係る現像装置4を備える画像形成装置の概要について説明する。図9は、実施例1に係る現像装置を備える画像形成装置を示す概略断面図である。
<画像形成装置の構成概要>
まず、図9を参照して、実施例1に係る現像装置4を備える画像形成装置の概要について説明する。図9は、実施例1に係る現像装置を備える画像形成装置を示す概略断面図である。
図9に示すように、実施例1に係る画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム1と、帯電手段としての帯電装置2と、露光手段としての半導体レーザ3と、現像装置4と、転写装置5と、定着装置6と、クリーニング装置7とを備えている。また、実施例1においては、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置7を一体にカートリッジ化したプロセスカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能に備える構成を採用する。
感光体ドラム1は、画像形成装置本体に備えられる不図示の駆動手段によって図9中R1方向に回転可能に設けられている。帯電装置2は、感光体ドラム1の表面に接触して設けられている。そして、不図示の電源から帯電装置2に直流電圧が印加されることにより、感光体ドラム1の表面が所定の電位で一様に帯電される。本実施例では、感光体ドラム1の表面は−500Vで帯電される。
帯電装置2によって帯電された感光体ドラム1の表面には、画像信号を受けて点灯する半導体レーザ3を有する光学系により、イメージ露光による光照射が行なわれ、感光体ドラム1の表面に静電潜像(潜像)が形成される。そして、感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって現像剤が供給されることにより現像され、感光体ドラム1上に現像剤像としてのトナー像が形成されることとなる。
一方、紙等の転写材Pが紙カセットから給紙ローラによって供給され、転写材Pは不図示のレジストローラによって感光体ドラム1上のトナー像と同期がとられて転写装置5に送られる。そして、転写装置5の作用によって転写材P上に感光体ドラム1上のトナー像が転写される(転写工程)。そして、トナー像の転写を受けた転写材Pは、定着装置6に搬送され、定着装置6において熱及び圧力によってトナー像の定着を受け、最終的に画像形成装置本体外へ排出されることで、一連の画像形成工程(画像形成動作)は終了する。
尚、転写工程において転写材Pに転写されないで感光体ドラム1上に残った現像剤としてのトナーは、感光体ドラム1の表面に当接して設けられるゴムブレードを有するクリーニング装置7によって除去される。そして、感光体ドラム1の表面は再び帯電装置2によって帯電されて上述した画像形成工程を繰り返す。
<現像装置の構成の概要>
次に、図3を参照して、実施例1に係る現像装置4を説明する。図3は、実施例1に係る現像装置を備えるプロセスカートリッジを示す概略図である。実施例1に係る現像装置4は、磁性現像剤としての磁性トナーTを収容する収容部41aを備える現像剤容器としてのトナー収容容器41と、トナー収容容器41から搬送された磁性トナーTを収容する
現像収容部42aを備える現像容器42とからなる。また、現像容器42は、磁性トナーTを担持可能な現像剤担持体としての現像スリーブ8、マグネットローラ9、トナー量規制部材としての規制ブレード11、トナー漏れ防止シート10を備えている。
次に、図3を参照して、実施例1に係る現像装置4を説明する。図3は、実施例1に係る現像装置を備えるプロセスカートリッジを示す概略図である。実施例1に係る現像装置4は、磁性現像剤としての磁性トナーTを収容する収容部41aを備える現像剤容器としてのトナー収容容器41と、トナー収容容器41から搬送された磁性トナーTを収容する
現像収容部42aを備える現像容器42とからなる。また、現像容器42は、磁性トナーTを担持可能な現像剤担持体としての現像スリーブ8、マグネットローラ9、トナー量規制部材としての規制ブレード11、トナー漏れ防止シート10を備えている。
実施例1において、磁性トナーTとして、絶縁性一成分磁性現像剤である体積平均粒径約8.0μmのネガトナーを用いて、トナー収容容器41内に400g収容した。磁性トナーTには、シリカ微粉体をトナー母体表面に被覆している。シリカ微粉体としては、例えばケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された所謂乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造される所謂湿式シリカの両者が使用可能である。シリカ微粉体の添加量はトナー粒子100質量部に対して0.6質量部で既存の高速撹拌型の混合機であるヘンシェルミキサーを用い、トナー母体表面にシリカ微粉体を被覆させた。尚、シリカ微粉体のトナー母体に対する含有量は蛍光X線分析装置を用いることで、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
現像容器42とトナー収容容器41はそれぞれ現像開口16を有しており、互いの現像開口16を合わせた状態で不図示の結合部を溶着することで互いの容器が結合されている。現像装置4が未使用状態の時には、搬送による振動や、落下による衝撃などによってトナー収容容器41内のトナーが現像装置4の外部に吹き出すことを防止するために不図示の封止部材で現像開口16を封止している。封止部材としては、イージーピール性を発揮する特殊シーラント層を持つラミネート材などを用いるとよい。現像装置4の使用開始にあたり、ユーザ自身の手によって又は自動的に封止部材が排除され、現像容器42の現像収容部42aとトナー収容容器41の収容部41aが現像開口16を介して繋がることとなる。
トナー収容容器41の収容部41a内(収容部内)には、撹拌部材としてのT撹拌部材12が配置されている。T撹拌部材12は、トナー収容容器41の収容部41a内の磁性トナーTを撹拌し、現像開口16を介して現像容器42の現像収容部42a内(現像収容部内)へ搬送するための部材である。T撹拌部材12は、嵌合穴を有した材質ポリエチレンテフタレートのシートを取り付け軸上に設けたダボと嵌合し、ダボの先端を熱溶着によって拡大することで、シートを取り付け軸上に固定して形成される。このように形成されたT撹拌部材12は、不図示の駆動手段によって図3中R4方向に回転可能に、トナー収容容器41を構成する枠体に支持されて設けられる。T撹拌部材12は、図3中R4方向に回転駆動することにより、トナー収容容器41内の磁性トナーTを現像開口16を介して現像容器42へ搬送する。なお、図3中の点線はT撹拌部材12の回転の軌道を示しており、この軌道から分かるように、T撹拌部材12は、トナー収容容器41内のみで回転駆動をしており、先端部においても現像容器42までは届かない長さで構成されている。
ここで、T撹拌部材12の回転中心は、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着した状態において、現像スリーブ8の回転中心よりも鉛直方向の上方に配置されるように構成されている。これは、T撹拌部材12によって搬送された磁性トナーTが重力に対して逆らった運動をしないようにするためである。T撹拌部材12の配置構成をこのようにすることで、トナー収容容器41から現像容器42へスムーズにトナー搬送を行うことができる。
現像容器42を構成する枠体には、現像スリーブ8が回転可能に支持されている。現像スリーブ8は、非磁性のアルミスリーブの表面を導電性粒子を含有する樹脂層でコートした表面粗さRa1.0のものを用い、スリーブ径はΦ16.0とした。実施例1において、現像スリーブ8は、画像形成工程(画像形成動作時)においては、図3中のR2方向へ回転して感光体ドラム1の対向部に磁性トナーTを搬送できるようになっている。
また、図3中の現像スリーブ8の鉛直方向の上方において、トナー量規制部材として規制ブレード11が、現像容器42を構成する枠体に固定されている。この規制ブレード11は、現像スリーブ8上に垂下しており、所定の圧力で弾性的に、画像形成動作時の現像スリーブ8の回転に対してカウンター方向に当接することによって現像スリーブ8上に担持したトナーTを規制して薄層に塗布する。すなわち、規制ブレード11は、現像スリーブ8の表面に担持される磁性トナーTの層厚を規制するための部材である。また、本実施例において、規制ブレード11は、現像容器42内において無帯電であった磁性トナーTを、現像スリーブ8との当接部を通過する際に、摺擦作用によってマイナスに摩擦帯電する。この規制ブレード11にはゴム硬度JISAで40°のシリコーンゴムが形成されている。この規制ブレード11の現像スリーブ8に当接した時の当接圧Pr[Pr:現像スリーブ長手方向の単位長さ(1cm)あたりの当接加重(gf)]は約25g/cmとした。
また、現像容器42を構成する枠体と現像スリーブ8の間の隙間部分から、現像装置4の外部に磁性トナーTが吹き出すことを防止するために、吹き出し防止シート10が、現像スリーブ8の回転に沿うように摺接して設けられている。この吹き出し防止シート10は、現像容器42の貼り付け面に対して、両面テープで材質ポリエチレンテフタレートのシートが貼り付けられて構成されている。
尚、現像容器42の内部のうち、吹き出し防止シート10と現像スリーブ8との摺接面と反対側の面下にも、磁性トナーTが入り込めるスペースを設けている。そうすることで使用途中の現像装置4を画像形成装置から取り出し、仮に現像装置4を落下等させた場合においても落下によって生じるトナーの粉圧が吹き出し防止シート10へ一挙に掛かることを抑制することができる。すなわち、吹き出し防止シート10部分から吹き出すトナー量を緩和させることができる。
ここで、図4を参照して、実施例1に係る現像スリーブ8と、現像スリーブ8に内包されるマグネットローラ9について詳細に説明する。図4は、実施例1に係る現像スリーブに内包されるマグネットローラの磁極について説明する概略図である。なお、以下、現像スリーブ8の表面のうち感光体ドラム1上の静電潜像を現像する位置を現像部という。
実施例1に係る現像スリーブ8は、中空形状をしており、中には多極構造の磁界発生手段を有した非回転の(回転しないように固定して設けられる)マグネットローラ9が内包されている。また、マグネットローラ径はΦ14で構成され、図4で示すように磁極S1(第1磁極),N1,S2(第2磁極),N2の磁極を有している。
S1極は、「現像極」と呼ばれ、現像収容部42aから露出した露出部において感光体ドラム1に対向する位置にあり、静電潜像に磁性トナーTを供給し現像部で現像を行う役割を担っており、「現像剤の穂が立った状態」で現像を行う事によって高画質を得る。N1極は、「現像部送り極」と呼ばれ、規制ブレード11と現像スリーブ8の当接部近傍を「磁性トナーTの穂が寝た状態」で通過させることによって、現像部に送り込む磁性トナーTの量を調整する役割を担う。S2極は、「取り込み極」と呼ばれ、現像容器42内の磁性トナーTを現像スリーブ8に引き付ける役割を担っている。N2極は、「シールド極」と呼ばれ、磁性トナーTが現像容器42の外部に漏れない様に磁気的にシールドする役割を担っている。
本実施例においては、図4に示すように、マグネットローラ9の中心OとS2極を結ぶ直線と、中心OとN2極を結ぶ直線で形成される角度∠S2ON2は45°とした。また、同様に、∠S2ON1は45°、∠S1ON1は135°、∠S1ON2は135°となるように配置した。そして、磁力はそれぞれ85mT(S1極)、83mT(N1極)
、76mT(S2極)、77mT(N2極)とした。
、76mT(S2極)、77mT(N2極)とした。
現像スリーブ8と感光体ドラム1間には、不図示の間隔保持部材によって間隙が設けられており、本実施例において、その間隙は300μmに設定した。現像スリーブ8には不図示の電源が接続され、電源は感光体ドラム1表面上の静電潜像を磁性トナーTにより反転現像して可視化するべく、電圧を現像スリーブ8に印加して現像部の感光体ドラム1と現像スリーブ8との間に所定の電界を形成する。
本実施例においては、現像スリーブ8に直流電圧−350V、交流電圧1200Vpp、周波数1500Hz、矩形波の波形の電圧を印加している。このように、現像スリーブ8に電圧を印加することによって、感光体ドラム1と現像スリーブ8間に磁性トナーTを飛翔させることができる。それによって、ネガ帯電した磁性トナーTによって感光体ドラム1上の静電潜像を電気的に吸着させることで現像し、画像形成を行っている。
<現像スリーブの回転制御>
次に、図1〜図3を用いて、実施例1に係る現像スリーブ8の回転制御について説明する。図1は、実施例1におけるシーケンスのタイミングチャートを示す図である。図2は、実施例1に係るプロセスカートリッジを示す概略断面図であって、画像形成動作時の状態を示す図である。図3は、実施例1に係るプロセスカートリッジを示す概略断面図であって、非画像形成動作時の状態を示す図である。以下、画像形成動作時(画像形成工程時)における現像スリーブ8の回転方向(図3中のR2方向)を正方向とし、その逆方向(図2中のR3方向)を逆方向と定義する。
次に、図1〜図3を用いて、実施例1に係る現像スリーブ8の回転制御について説明する。図1は、実施例1におけるシーケンスのタイミングチャートを示す図である。図2は、実施例1に係るプロセスカートリッジを示す概略断面図であって、画像形成動作時の状態を示す図である。図3は、実施例1に係るプロセスカートリッジを示す概略断面図であって、非画像形成動作時の状態を示す図である。以下、画像形成動作時(画像形成工程時)における現像スリーブ8の回転方向(図3中のR2方向)を正方向とし、その逆方向(図2中のR3方向)を逆方向と定義する。
現像スリーブ8は、画像形成装置本体に設けられる駆動装置としての駆動源であるメインモータ13により回転駆動される。メインモータ13は、モータドライバ14によって制御され、モータドライバ14はDCコントローラ15によって制御される。
プリント信号を受信するとDCコントローラ15は、図1に示すように、モータドライバ14にメインモータ回転方向信号「正」の信号を発信する。また、図1に示すように、メインモータ回転方向信号「正」の信号を受信したモータドライバ14は、メインモータ13を現像スリーブ8が図3中のR2方向に回転するように制御するようにメインモータ駆動を「ON」にする。
所定の時間、現像スリーブ8が回転した後(図1中の前回転工程)、感光体ドラム1上に静電潜像を形成開始すると同時に現像バイアスを「ON」にする。画像形成工程の間は、メインモータ回転方向信号は「正」を発信し続け、メインモータ駆動、現像バイアスともに「ON」の状態を維持する。
画像形成工程が終了すると、現像バイアスを「OFF」にすると同時に、DCコントローラ15からモータドライバ14にメインモータ回転方向信号を「OFF」にする信号を発信することでメインモータ駆動は「OFF」の状態になる。そして、現像スリーブ8は停止する。
次に、実施例1においては、図1に示すように、DCコントローラ15は、メインモータ回転方向信号「逆」をモータドライバ14に発信する。モータドライバ14は、画像工程時とは逆方向に現像スリーブ8が回転するようにメインモータ駆動を「ON」にする。そのため、現像スリーブ8は画像形成工程時とは逆方向(図2中のR3方向)に回転する。所定の時間、現像スリーブ8が逆方向に回転した後、DCコントローラ15はモータドライバ14にメインモータ回転方向信号「OFF」を発信することで、メインモータ駆動が「OFF」になる。その後、次のプリント信号待ち状態であるスタンバイ状態となる。
ここで、図18を用いて、プリント信号を受信後の動作について説明する。図18は、プリント信号受信後の動作について説明するための図であって、図18(a)は1枚印刷する場合、18(b)は3枚印刷する場合のタイミングチャートである。なお、ここで、ジョブとは、プリント信号受信から一連の画像形成動作終了までの期間である。また、スタンバイ状態とは、画像形成動作後であって、次のプリント信号の待ち状態をいう。
図18(a)に示すように、1枚を印刷する場合においては、スタンバイ状態においてプリント信号を受信すると、ジョブが開始する。その間画像形成動作が行われる。そして、画像形成動作が終了すると再びスタンバイ状態となる。
図18(b)に示すように、3枚を印刷する場合においては、スタンバイ状態においてプリント信号を受信すると、ジョブが開始する。その間、1枚目の画像形成動作が行われ、続けて2枚目3枚目の画像形成動作が行われる。そして、3枚目の画像形成動作が終了(全画像形成動作終了)すると再びスタンバイ状態となる。
画像形成動作後であってスタンバイ状態になる前(すなわち、画像形成動作直後)に、現像スリーブ8が画像形成動作時と逆方向に回転する構成としたことが、実施例1の特徴的な構成である。以下、このような構成を採用したことによる作用効果について説明する。現像スリーブ8が逆方向に回転する工程を逆回転方向と定義し、図1に図示する。
<現像容器内のトナー循環概要>
図5〜図7を参照して、実施例1の現像容器42内のトナーの循環について説明する。図5は、実施例1のトナー粒子間距離を説明するための概略図であって、図5(a)は、トナー粒子間距離が近い状態を示しており、図5(b)は、トナー粒子間距離が離れた状態を示している。図6は、現像スリーブの逆方向の回転時のトナーの循環を説明する概略図である。図6(a)は、現像容器42内におけるトナーの循環を示す図であり、図6(b)〜図6(d)は、現像スリーブ8上のトナーの動きを示す図である。図7は、現像スリーブの正方向の回転時のトナーの循環を説明する概略図である。図7(a)は、現像容器42内におけるトナーの循環を示す図であり、図7(b)、図7(c)は、現像スリーブ8及び規制ブレード11付近のトナーの動きを示す図である。尚、トナー循環を解析するための装置としてエクスロン・インターナショナル株式会社の工業用X線TV透視システム(型式MUJ-16F)を用いた。
図5〜図7を参照して、実施例1の現像容器42内のトナーの循環について説明する。図5は、実施例1のトナー粒子間距離を説明するための概略図であって、図5(a)は、トナー粒子間距離が近い状態を示しており、図5(b)は、トナー粒子間距離が離れた状態を示している。図6は、現像スリーブの逆方向の回転時のトナーの循環を説明する概略図である。図6(a)は、現像容器42内におけるトナーの循環を示す図であり、図6(b)〜図6(d)は、現像スリーブ8上のトナーの動きを示す図である。図7は、現像スリーブの正方向の回転時のトナーの循環を説明する概略図である。図7(a)は、現像容器42内におけるトナーの循環を示す図であり、図7(b)、図7(c)は、現像スリーブ8及び規制ブレード11付近のトナーの動きを示す図である。尚、トナー循環を解析するための装置としてエクスロン・インターナショナル株式会社の工業用X線TV透視システム(型式MUJ-16F)を用いた。
図7(a)、図7(b)に示すように、画像形成工程時に現像スリーブ8が正方向(R2方向)に回転した時、磁性トナーTがマグネットローラ9のS2極に引き寄せられる矢印F3方向の流れが生じる。矢印F3方向の流れによって、現像スリーブ8表面に引き寄せられた磁性トナーTは、S2極部の現像スリーブ8表面に担持される(図7(b)中のT(3))。また、担持されると同時に、磁性トナーTは、現像スリーブ8の正方向(R2方向)の回転に沿って矢印F4方向に流れる。
この矢印F3方向と矢印F4方向への磁性トナーTの流れによって、吹き出し防止シート10近傍(N2極近傍)には、トナー密度が「疎」の領域が生じる(図7(a)中のS)。
図7(a)、(c)に示すように、矢印F4方向の流れに沿って、現像スリーブ8表面を搬送された磁性トナーT(3)は、規制ブレード11を通過する際に、磁性トナーT(4)と磁性トナー(5)とに分離される。磁性トナーT(4)は、規制ブレード11によって現像スリーブ8から掻き取られたトナーであって、磁性トナーT(5)は、現像スリーブ8に担持されたまま規制ブレード11を通過するトナーである。
規制ブレード11によって磁性トナーT(4)が掻き取られると、掻き取られることによって矢印F5方向の流れが生じる。矢印F5方向の流れによって、現像容器42内の磁性トナーTは、現像開口16を通じてトナー収容容器41へ戻る。
これらの矢印F3、F4、F5方向の流れによりトナーの循環が生じていると同時に、トナー収容容器41内のT撹拌部材12や重力によって、図7(a)に示すように、矢印F6方向に流れが生じている。矢印F6方向の流れは、トナー収容容器41から現像容器42に向かう磁性トナーTの流れを示している。
磁性トナーTが耐久劣化すると、トナー母体表面91を被覆していた外添剤としてのシリカ微粉体92量が減少してしまい、図5の(a)の点線部に示すようにトナー粒子間距離が縮まってしまう。それによりトナー母体間に摩擦抵抗が生じることによってトナーの流動性が低下してしまい、規制ブレード11によって掻き取られる矢印F5方向への流れが弱まってしまう。しかしながら、トナー収容容器41から現像容器42へトナーが搬送される矢印F6方向の流れの強さは変わらないため、現像容器42内のトナー密度が徐々に高くなってしまう。
ここで、図6(a)、図6(b)、図6(c)に示すように、現像スリーブ8を逆方向(R3方向)に回転すると、マグネットローラ9のS2極近傍上の現像スリーブ8に保持されていた磁性トナーT(3)がR3方向に沿って動き矢印F7方向の流れが生じる。
矢印F7方向の流れによって、画像形成工程時に正方向(R2方向)の回転によって生じていたトナー密度が「疎」の領域(図7中のS部)へ磁性トナーTが流れ込む矢印F8方向の流れが生じる。このように磁性トナーT(3)をトナー密度が低い領域に移動させる流れを生じさせることで、現像容器42内に順次スペースが空いていき、その空いたスペースの周囲の磁性トナーTが流れ込むといった現像容器42内に雪崩式のトナー循環作用が生じる。
また、現像スリーブ8が正方向(R2方向)へ回転している時は、S2極に引き寄せられる矢印F3方向の流れと、現像スリーブ8の回転による矢印F4方向の流れの作用により、N2極近傍の現像スリーブ8上の磁性トナーTの量は非常に少ない状態である。この時、逆方向(R3方向)への回転前に存在したN2極近傍の磁性トナーTは、逆方向(R3方向)への回転により、吹き出し防止シート10を通過し感光体ドラム1対向部方向へ搬送されていく。
加えて、逆方向(R3方向)へ回転をすると、図6(a)、図6(b)に示すS2極近傍で現像スリーブ8上に担持(保持)されていた磁性トナーT(3)は、S2極の磁力のピーク部から一旦離れる。そのため、磁性トナーT(3)の一部は現像スリーブ8から剥がれ落ち(図6(c))、現像スリーブ8への保持量が少なくなる。
さらに、磁性トナーT(3)が、図6(d)で示すN2極の磁力のピーク部へ移動した時に、矢印F8方向の流れにより図7(a)のS部へ移動した磁性トナーTの一部が、N2極ピーク部へ向かい現像スリーブ8へ引き寄せられる矢印F9方向の流れが生じる。この矢印F9方向の流れにより、前述した矢印F7、F8方向の流れにより生じる雪崩式のトナー循環とは別の領域で現像スリーブ8へ吸着されるトナー循環作用が生じる。
この矢印F9方向の流れを生じさせるためには、2つの磁力ピーク間を現像スリーブ8が移動し、磁力によって現像スリーブ8上の磁性トナーTを一旦引き剥がし、再度吸着させる必要がある。そのため、現像スリーブ8を少なくともS2極磁力のピーク部とN2極
磁力のピーク部間の角度∠S2ON2で決定される45°以上、逆方向(R3方向)に回転させると良い。すなわち、S2極で引き付けられて現像スリーブ8に担持されていた磁性トナーTが、少なくともN2極(現像収容部42aから露出した露出部)に到達するまで、逆方向に回転させると良い。
磁力のピーク部間の角度∠S2ON2で決定される45°以上、逆方向(R3方向)に回転させると良い。すなわち、S2極で引き付けられて現像スリーブ8に担持されていた磁性トナーTが、少なくともN2極(現像収容部42aから露出した露出部)に到達するまで、逆方向に回転させると良い。
また、R3方向への回転量を角度∠S2ON2以上回転させる場合はN2極近傍に吸着した磁性トナーTが吹き出し防止シート10に規制されつつ感光体ドラム1対向部側へ搬送されることとなる。吹き出し防止シート10は、現像スリーブ8に対する当接圧が規制ブレード11よりも弱いため、磁性トナーTに対する規制力も規制ブレード11よりも弱い。そのため、現像スリーブ8上のトナー層の厚みはR2回転時よりも厚くなる。
それにより、R3方向への回転時に厚層になったトナー層が規制ブレード11を通過する時に規制ブレード11によりトナーが掻き取られてしまい、現像スリーブ8がR2方向へ回転した時に掻き取られたトナーが記録材P側へこぼれ落ち、汚される虞がある。それを防止するために回転量(回転角度)はS2極からN1極までのR3方向へ形成される角度315°未満になるよう設定した。すなわち、現像スリーブ8が、規制ブレード11との当接部に到達する前まで、逆方向に回転することとした。
そのため、本実施例においては現像スリーブ8のR3方向への回転量は上限値315°未満の範囲で設定する必要がある。すなわち、S2極で引き付けられて現像スリーブ8に担持されていた磁性トナーTが規制ブレード11との当接部に到達する前まで、逆方向に回転させる必要がある。
以上述べたように、現像スリーブ8のR3方向への回転量は上限値315°未満、下限値45°以上の範囲が好適である。本実施例においては45°の回転量に設定した。尚、R3方向への回転量の上限値は規制ブレードの種類や当接位置、吹き出し防止シート10の当接圧等により適宜設定することができる。
このような現像スリーブ8をR3方向へ回転させることによって生じる矢印F7、F8、F9のトナーの流れによって、現像容器42内のトナー全体を循環させる作用を生じさせることができる。そのようなトナー循環作用を現像容器42内に作ることで図5(a)の点線部で示すようにトナー粒子間距離が縮まっていたトナー粒子同士を一旦ばらけさせることができるため、図5(b)の点線部で示すようにトナー粒子間距離を再び広げることができる。
トナー粒子間距離を広げることで、トナー粒子間の摩擦抵抗を軽減することができ、次なる画像形成工程時におけるR2方向に現像スリーブ8が回転したときに、規制ブレード11によって掻きとられる矢印F5方向の流れの強さを向上させることができる。それにより、現像容器42内のトナー粒子密度が高まることによるパッキング現象の発生を抑制することができる。
<実施例1における効果概要>
図1に示すシーケンスで現像スリーブ8を回転制御した時の現像装置4内のトナー残量がトナー切れと判断される量となるまでの画像濃度を測定した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計RD918(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。ここで、図8は、実施例1における画像濃度推移を示す図である。本実施例の構成を用いることで、図8に示すように、現像装置4内のトナー残量がOUTになるまで安定した画像濃度を出力することができ、現像容器42内のトナーのパッキング現象も生じなかった。
図1に示すシーケンスで現像スリーブ8を回転制御した時の現像装置4内のトナー残量がトナー切れと判断される量となるまでの画像濃度を測定した。尚、画像濃度はマクベス反射濃度計RD918(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。ここで、図8は、実施例1における画像濃度推移を示す図である。本実施例の構成を用いることで、図8に示すように、現像装置4内のトナー残量がOUTになるまで安定した画像濃度を出力することができ、現像容器42内のトナーのパッキング現象も生じなかった。
以上説明したように、実施例1の構成においては、画像形成工程直後(非画像形成時)に、現像スリーブ8を逆方向に回転させることによって、現像容器42内の磁性トナーを循環させ、ほぐすことができる。そのため、現像容器42内のトナーを撹拌するための部材を別途設ける必要はなく、電力消費量を低減しつつ、現像容器42内においてトナー粒子密度が高まることによって生じるパッキング現象の発生を抑制することができる。その結果、安定した画像濃度を出力することができる。
(実施例2)
次に、図11を参照して、実施例2について説明する。図11は、実施例2におけるシーケンスのタイミングチャートを示す図である。実施例2は、現像スリーブ8を逆方向に回転する制御のタイミングが異なっていることを除いて、他の構成や各構成の作用等は実施例1と同様であるため、その説明は省略する。また、用いた磁性現像剤としての磁性トナーTも実施例1と同じである。
次に、図11を参照して、実施例2について説明する。図11は、実施例2におけるシーケンスのタイミングチャートを示す図である。実施例2は、現像スリーブ8を逆方向に回転する制御のタイミングが異なっていることを除いて、他の構成や各構成の作用等は実施例1と同様であるため、その説明は省略する。また、用いた磁性現像剤としての磁性トナーTも実施例1と同じである。
実施例2においては、図11に示すようにプリント信号を受信した後に、DCコントローラ15がモータドライバ14にメインモータ回転方向信号「逆」を発信し、メインモータ13が逆方向に回転した後、前回転工程を行い、その後画像形成工程を行う。すなわち、実施例1においては非画像形成時のうち画像形成工程直後に現像スリーブ8を逆方向に回転させたが、実施例2においては非画像形成時のうち画像形成工程直前に現像スリーブ8を逆方向に回転させた。
図11に示す実施例2のシーケンスにおいては、雰囲気温度33℃の環境下で画像形成工程が終了し、次なるプリント信号を受信するまでの期間が長くなった場合(例えば、2〜3日間空いた場合)に、画像濃度薄が発生してしまった。
画像形成工程終了時にトナー粒子間距離が縮まった状態で放置すると、高い雰囲気温度が現像装置4内の磁性トナーTに伝わり、熱により磁性トナーTが柔軟化してしまう。それにより磁性トナーTが変形し易くなり、トナー粒子間のスペースが変形により埋められてしまう。それにより、トナー粒子間距離が更に縮まったことによってパッキング現象が生じ、結果として画像濃度薄が生じてしまう。
実施例1のシーケンスにおいては、画像形成工程終了後から次なるプリント信号の受信を待つスタンバイ状態になる前に現像スリーブ8を画像形成工程時とは逆方向に回転することで、トナー粒子間距離を広げることができる。すなわち、実施例1においては、このような高い雰囲気温度下に長い期間(例えば、2〜3日間)放置され、トナーが熱によって柔軟化してもパッキング現象は生じず、画像濃度薄は発生しない。
すなわち、パッキング現象が発生する前にトナーを循環させることが重要であり、画像形成工程直前ではなく、画像形成工程直後に現像スリーブ8を逆方向に回転することで、効果が得やすいことが分かった。ただし、実施例2に示すように、画像形成工程前に現像スリーブ8を逆方向に回転させるようなシーケンスを行う場合であっても、次なるプリント信号を受信するまでの期間が短い場合等、条件さえ整えば、実施例1と同様の効果を得ることができる。ここで、プリント信号を受信するまでの期間が短い場合としては、例えば、30分以内の場合である。
(比較例1)
次に、図10を参照して、比較例1について説明する。図10は、比較例1について説明するための図である。図10(a)は、比較例1における制御のタイミングチャートを示す図であり、図10(b)は、比較例1の画像濃度推移を示す図であって、現像装置4内のトナー残量がトナー切れと判断に至るまでの推移を示している。
次に、図10を参照して、比較例1について説明する。図10は、比較例1について説明するための図である。図10(a)は、比較例1における制御のタイミングチャートを示す図であり、図10(b)は、比較例1の画像濃度推移を示す図であって、現像装置4内のトナー残量がトナー切れと判断に至るまでの推移を示している。
比較例1は、現像スリーブ8を逆方向に回転する制御を行っていないことを除いて、他の構成や各構成の作用等は実施例1と同様であるため、その説明は省略する。また、用いた磁性トナーTも実施例1と同じである。
図10(b)に示すように、比較例1のシーケンスにおいては印字枚数が10k枚(k:1000)になるあたりから徐々に画像濃度が落ち始め、印字枚数13k枚時には画像濃度薄が発生した。この時の現像容器42内の磁性トナーTの様子は図17のT(2)で表した領域がパッキング現象をおこしていた。これは画像印字を続ける事によって磁性トナーTが耐久劣化してしまい、磁性トナーTの流動性が低下したことに起因する。このパッキング現象によって、現像スリーブ8へのトナー供給不良や、循環不良によるトナーの過帯電現象が生じてしまい、それにより感光体ドラム1に対して正規のトナー量で現像できずに画像濃度薄を生じた。
(比較例2)
次に比較例2として、比較例1で検証した図10(a)に示すシーケンスを用いた時に
おける、磁性トナーTに添加するシリカ微粉体量を増加させた時における濃度薄の発生有無を検証した。尚、現像装置4の構成等は図3に示した実施例1と同じである。
次に比較例2として、比較例1で検証した図10(a)に示すシーケンスを用いた時に
おける、磁性トナーTに添加するシリカ微粉体量を増加させた時における濃度薄の発生有無を検証した。尚、現像装置4の構成等は図3に示した実施例1と同じである。
下記の表1は、シリカ微粉体の添加量と画像濃度薄発生有無と定着性を説明するための表である。表1に示すようにトナー粒子100質量部に対して添加するシリカ微粉体量を増加させていくと、シリカ微粉体添加量が1.2質量部以上の時には画像濃度薄が発生しなかったものの、定着不良画像が初期に発生した。これは、トナー母体を被覆しているシリカ微粉体量が初期から多いため磁性トナーTが耐久劣化しトナー母体表面を被覆しているシリカ微粉体量が減少しても、トナーの流動性としては充分な範囲にあるためパッキングしなかったことに起因する。
しかしながら、シリカ微粉体を1.0質量部以下では記録材上に定着できるものの、シリカ微粉体が1.2質量部以上だと初期から被覆しているシリカ微粉体量が多いため、トナー母体に定着器による熱を充分に伝達できないため、記録材上に定着できない。そのため、比較例2においては画像濃度と定着性を両立できない。一方、表1に示すように、実施例1における構成では、シリカ微粉体の添加量に関係なく画像濃度薄は発生しなかった。なお、表1から分かるように、実施例1において、磁性現像剤はトナー粒子100質量部に対するシリカ微粉体の添加量が0.6質量部以上であって1.0質量部以下で生成されることが好ましい。
8…現像スリーブ(現像剤担持体)、9…マグネットローラ、11…規制ブレード(現像剤規制部材)、12…T撹拌部材、41…トナー収容容器(現像剤容器)、41a…収容部、42…現像容器、42a…現像収容部、T…磁性トナー
Claims (8)
- 磁性現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材を備えており、磁性現像剤を収容する現像剤容器と、
画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、内包される磁界発生手段の磁力により磁性現像剤を引き付けて担持する現像剤担持体を備え、前記撹拌部材によって搬送された磁性現像剤を収容する現像容器と、
を有し、
画像形成の動作後であって、次のプリント信号を待つスタンバイ状態となる前に、前記現像剤担持体が前記正方向と逆方向に回転することを特徴とする現像装置。 - 磁性現像剤を撹拌、搬送する撹拌部材を備えており、磁性現像剤を収容する現像剤容器と、
画像形成の動作時において画像形成の動作時の回転方向の正方向に回転可能に設けられており、磁性現像剤を担持する現像剤担持体と、前記正方向に対してカウンター方向に前記現像剤担持体に当接して設けられており、前記現像剤担持体に担持された磁性現像剤の層厚を規制する規制部材と、を備え、前記撹拌部材によって搬送された磁性現像剤を収容する現像容器と、
を有し、
前記現像剤担持体は、磁界発生手段を内包しており、
前記磁界発生手段は、少なくとも、前記現像剤担持体に担持される磁性現像剤を潜像へ供給させる第1磁極と、前記現像容器内に収容される磁性現像剤を前記現像剤担持体に引き付けて担持させる第2磁極と、を有しており、
非画像形成時に、前記現像剤担持体が、前記第2磁極によって前記現像剤担持体に引き付けられて担持されていた磁性現像剤が前記規制部材との当接部に到達する前まで、前記正方向と逆方向に回転することを特徴とする現像装置。 - 回転可能に設けられる前記撹拌部材の回転中心は、前記現像剤担持体の回転中心よりも鉛直方向の上方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体の前記逆方向の回転角度は、45°以上であって315°未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記非画像形成時は、画像形成の動作後であって、次のプリント信号を待つスタンバイ状態となる前、又は、プリント信号を受信してから次の画像形成動作を行う前であることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
- 磁性現像剤は、トナー粒子100質量部に対するシリカ微粉体の添加量が0.6質量部以上であって1.0質量部以下で生成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
- 画像形成装置に着脱可能であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置と、
潜像を担持する像担持体と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置と、
潜像を担持する像担持体と、
前記現像剤担持体の回転方向を切り替え可能な駆動装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013123020A JP2014240890A (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=52140177
Family Applications (1)
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JP2013123020A Pending JP2014240890A (ja) | 2013-06-11 | 2013-06-11 | 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 |
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JP (1) | JP2014240890A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016153852A (ja) * | 2015-02-20 | 2016-08-25 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 現像装置、及び現像装置を備える画像形成装置 |
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2013
- 2013-06-11 JP JP2013123020A patent/JP2014240890A/ja active Pending
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